説明

車両制御システム及び車両用制御装置

【課題】車両の二次電池の寿命を正確に評価し、これに応じて車両を制御する。
【解決手段】車両1の制御部28は、車両1に搭載される二次電池の寿命を算出してネットワーク70を介して地域情報管理システム(センタ)100に送信する。地域情報管理システム100は、記憶部110を有し、地域情報データベースにて地域毎に寿命を管理する。演算部108は、地域毎に寿命の平均値及び標準偏差を算出し、これらの統計値に基づいて制御情報を車両1に送信する。車両1は、地域の統計的な寿命との関係において自己の走行を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両制御システム及び車両用制御装置に関し、特に二次電池を有する電動車両の制御に関する。
【背景技術】
【0002】
1つ又は複数の単電池からなる複数の電池モジュールを直列接続してなるニッケル水素電池あるいはリチウムイオン電池等の二次電池を電源装置として使用するハイブリッド車両等において、二次電池の劣化の程度を算出する技術が知られている。一方、ハイブリッド車両等においては、主な走行地域が山間部であるか市街地であるかにより二次電池の劣化の程度が異なることが知られている。
【0003】
下記の特許文献1には、電池の電力で動く車両の走行状態と電池の動作状態に関する運転情報を演算処理し、通信手段を介した一元管理装置は複数台の情報に基づき、電池の診断を行った結果を車両に送出することが開示されている。具体的には、一元管理装置は、二次電池の使用開始からの生涯経過時間、生涯走行距離、給油毎の走行距離、経過時間、燃料消費量、燃費、車温度履歴、エンジン回転数履歴、及び電池の履歴に基づいて二次電池の寿命をシミュレーションし、現状の電池の特性、全寿命における位置付け、寿命時間の予測を行い、寿命時期が初期、中期、末期のいずれかであるかに応じて、二次電池の1セル当たりの電圧の下限及び上限の範囲と、電流の上限と、出力及び入力の上限を演算する。
【0004】
【特許文献1】特開2003−264906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、主な走行地域が山間部であるかあるいは市街地であるかだけでなく、気候が温暖か冷涼か、日射が強いか弱いか、空気が湿っているか乾燥しているかによっても電池の寿命は影響を受ける。例えば、気温が冷涼な地域では一般に電池の寿命は長くなる傾向にあり、そのような地域でも都市部で渋滞路が多かったり、山岳路が多かったりすれば電池の使い方に差が生じ、結果として寿命も変化し得る。すなわち、地域性は電池の寿命に大きな影響を与えるパラメータであるが、従来においては地域性についての考慮がなされていない。
【0006】
本発明の目的は、高精度に二次電池の寿命を評価し、この評価に応じて二次電池を搭載した車両を効率的に制御できるシステム及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、車両と、前記車両とデータを送受する地域情報管理センタとを有する車両制御システムであって、前記車両は、二次電池と、前記二次電池の動力により駆動されるモータと、前記二次電池の寿命を算出する演算手段と、算出した前記寿命を前記地域情報管理センタに送信する手段と、前記地域情報管理センタから送信された制御情報を受信する手段と、前記制御情報に基づき前記車両を制御する制御手段とを有し、前記地域情報管理センタは、前記車両から送信された前記寿命を受信する手段と、受信した前記寿命を前記車両の走行地域毎に分類して記憶する手段と、前記走行地域毎に前記寿命の統計値を演算する手段と、前記寿命の統計値を前記制御情報として前記車両に送信する手段とを有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、車両と、前記車両とデータを送受する地域情報管理センタとを有する車両制御システムであって、前記車両は、二次電池と、前記二次電池の動力により駆動されるモータと、前記二次電池の寿命を算出する演算手段と、算出した前記寿命を前記地域情報管理センタに送信する手段と、前記地域情報管理センタから送信された制御情報を受信する手段と、前記制御情報に基づき前記車両を制御する制御手段とを有し、前記地域情報管理センタは、前記車両から送信された前記寿命を受信する手段と、受信した前記寿命を前記車両の走行地域毎に分類して記憶する手段と、前記走行地域毎に前記寿命の統計値を演算する手段と、前記車両の属する走行地域の前記統計値を用いて前記制御情報を作成し前記車両に送信する手段とを有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、車両用制御装置であって、二次電池と、前記二次電池の動力により駆動されるモータと、前記二次電池の寿命を算出する演算手段と、算出した前記寿命を地域情報管理センタに送信する手段と、前記地域情報管理センタから送信された、前記車両の走行地域毎の前記寿命の統計値に応じて作成された制御情報を受信する手段と、前記制御情報に基づき前記車両を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、二次電池の寿命を走行地域において正確に評価し、この評価に応じて二次電池を搭載した車両を効率的に制御できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図1に、本実施形態における車両の全体システム図を示す。組電池10は、複数の電池セル(以下、単電池とも称す)を直列接続して構成される。組電池10は例えばニッケル水素電池やリチウムイオン電池であり、240個の電池セルを直列接続して300V程度の電圧を出力する。組電池10の電圧は、電池監視装置32内の電圧検出部40でA/D変換され、デジタル値として電池監視装置32内の電池状態判定部42に電池電圧信号として供給される。また、組電池10への通電電流は、電流センサ11により検出され、電池監視装置32内の電流検出部36に供給される。電流センサ11は、例えば組電池10の充電もしくは放電時に生じる電流により発生する磁界をホール素子により検出して電圧信号に変換して電流検出部36に供給する。電流検出部36は、電流センサ11から供給された電流に応じた電圧信号をA/D変換し、デジタル値として電池状態判定部42に電池電流信号として供給する。また、組電池10の近傍には複数箇所に電池の温度を検出する温度センサ13が設けられ、電池温度を検出して電池監視装置32内の温度検出部38に電池温度信号として供給する。温度センサ13を複数箇所に設けるのは、組電池10がサイズ的にかなり大きなものとなり、組電池10に温度差が生じるからである。特に、冷却装置の配置や冷媒の流速により組電池10の各ブロックには温度差が生じてしまう。そこで、電池状態判定部42は、予めブロックについて比較的温度が近いブロックがまとまるようにブロック分けを行い、事前の実験等でそのブロックの温度と近い温度センサの温度が割り当てられる。これにより、温度差による電池電圧差の影響を取り除くことができる。温度センサ13としては例えばサーミスタが用いられ、温度により変化する抵抗値を電圧に変換して温度検出部38に供給する。温度検出部38は、供給された電圧信号をA/D変換し、デジタル値として電池状態判定部42に供給する。
【0013】
電池状態判定部42は、供給されたデータ、すなわち組電池電圧、電池電流、電池温度のデータに基づいて電池の蓄電量(SOC:State of Charge)を検出し、車両制御部24の制御部28に供給する。電池状態判定部42の出力には、SOCの他、電池電流、組電池電圧、電池温度のデータも含まれる。
【0014】
車両制御部24は、エンジンECU15からのエンジン14の運転状態のデータ、アクセルペダル22の操作量、ブレーキペダル20の操作量、シフトレバー18で設定されるシフトレンジ、トランスミッションのシフトポジション等のデータに基づいてトルク指令値を決定し、モータジェネレータ17の出力がトルク指令値に合致するように制御を行う。車両制御部24はインバータ12による組電池10からモータジェネレータへの電力のスイッチングを制御すると同時に、エンジン14の出力を制御する信号をエンジンECU15に供給する。これによりモータジェネレータ17の出力がトルク指令値に合致したものに制御される。イグニッションスイッチ16は車両1の起動と停止をドライバーが制御するスイッチであり、検出部26に供給される。このイグニッションスイッチ16が停止中であっても、電池監視装置32や車両制御部24は動作するが、モータジェネレータ17やエンジン14を動作させて走行することはできない。
【0015】
エンジン14の出力がモータジェネレータ17の出力より大きい場合、インバータ12からの電力が組電池10に充電される。一方、エンジン14の出力がモータジェネレータ17の出力より小さい場合、組電池10が放電されインバータ12からモータジェネレータ17へ電力が供給される。このように、モータジェネレータ17は発電手段及び電動手段として動作する。例えば、組電池10のSOCの低下が電池状態判定部42により検出された場合、エンジン14の発生するトルクの一部によりモータジェネレータ17による発電を行い、組電池10への充電を行う。また、組電池10のSOCが高くなった場合、エンジン14の出力を抑え気味にしてモータジェネレータ17を電動機として作用させ、発生するトルクを車両走行用に用いる。また、車両1が制動する場合にはモータジェネレータ17を発電機として動作させ、発生した電力で組電池10を充電する。車両1の制動はいつ行われるか予測することは困難であるから、組電池10は制動により発生した電力を十分受け入れることができるのが望ましい。一方、エンジンの出力だけでドライバの所望する加速が得られない場合にはモータジェネレータ17を電動機として動作させるために組電池10のSOCがある程度必要である。この条件を満たすために組電池10のSOCは電池容量の中間程度となるように制御される。エンジン14の出力により発電し、電池を充電するハイブリッド自動車の場合、組電池10のSOCを適切に管理することにより、制動時の回生電力を十分に回収しエネルギ効率を高め、加速時にはドライバの所望の加速度を達成できる。このように組電池10のSOCを精度良く検出し、適切に制御することはハイブリッド自動車のように電池を動力源とする車両にとり重要である。
【0016】
車両制御部24内の制御部28は、電池状態判定部42からの信号に基づき、組電池電圧、電池電流、電流温度の3種類のデータから組電池10に許容される充放電電力を、それぞれ放電許容電力値、充電許容電力値として算出する。例えば、電池のSOCが低下した場合、放電許容電力値を小さくすることにより結果としてSOCを高い方に誘導する。また、SOCが高い状況下では充電許容電力値を小さくすることによりSOCを低い方に誘導する。また、電池監視装置32はSOC値を車両制御部24に供給し、車両制御部24はこの値がSOCの中間域、例えばSOC=60%付近を目標として充放電収支をあわせこむような制御を行う。SOCは電池温度、電池への通電電流、組電池電圧から演算、推定するのが通常であるが、公知であるため省略する。また、低温域では電池の内部抵抗が上昇し入出力が著しく制限された状況となるので、制御部28は充電許容電力値、放電許容電力値とも小さくするように制御する。また、電池電圧が低くなった場合には電池の過放電を防ぐように放電許容電力値を小さくし、電池電圧が高くなった場合には電池内部でのガス発生を抑制するために充電許容電力値を小さくする。
【0017】
エンジン14の出力軸はモータジェネレータ17のロータが接続されており、クラッチを介してトランスミッションに接続される。モータジェネレータ17は三相交流発電機もしくは三相交流電動機として機能する。クラッチ機構がクラッチカバー、クラッチディスク、フライホイールにより構成され、車両制御部24からの信号によりソレノイドを駆動することでエンジン14の出力軸のトルクをトランスミッションに供給もしくは遮断する制御を行う。
【0018】
トランスミッションは、内部のギアを介してエンジン出力軸の回転数が減速され、駆動力はディファレンシャルを経て図示しない駆動輪が結合されたドライブシャフトに接続される。以上の構成により、エンジン14またはモータジェネレータ17の出力が駆動輪に伝達され車両1を動かす。
【0019】
エンジンECU15は、アクセルペダル22の操作量やモータジェネレータ17の運転状況により決められた制御部28のトルク指令に応じた出力を得るため、冷却水温度、吸気温度等の環境条件、吸気流量、クランクセンサ、ノックセンサ、O2センサ等によるエンジン14の動作データに基づいて出力、回転数の制御を行う。
【0020】
電池冷却ファン30は、組電池10を空冷するために配置され、吸気温度センサ50は冷媒(空気)の温度を計測するために配置される。車両制御部24は、電池温度が上昇した場合には吸気温度TAに応じてファン速度を可変する信号を出力し、ファン速度を変化させることで電池温度を適切な温度範囲となるように制御する。ここで、電池温度は電池温度の平均値や最大値、最小値等がその制御内容により選択され用いられる。組電池10は車両の後席の後ろ、トランクルームの前部に配置され、組電池10を空冷する冷媒は車室内から吸気し、組電池冷却後はトランクルームに排気する。
【0021】
以上のような構成において、本実施形態における制御部28は、組電池10の寿命を推定する。電池寿命は、以下のパラメータを用いて演算する。
TBave:電池温度(全セルの温度平均値)
ΔSOC:ワントリップ(イグニッションスイッチ16をオンしてから次にオフするまで)のSOCの移動幅
2ave:電池電流値の2乗の時間平均
SPEED:車速
【0022】
制御部28は、電池寿命を推定した後、この電池寿命を車両の運転情報として車両を特定するための識別情報である車両IDとともに送受信部を介して地域情報管理システムに送信する。また、制御部28は、地域情報管理システムから送信される制御情報を送受信部を介して受信する。制御情報は、各車両から送信される運転情報を統計処理した情報であり、地域の特性が反映された情報である。制御部28は、制御情報を受信すると、この制御情報に基づいて車両の走行を制御する。
【0023】
図2に、本実施形態におけるシステムの全体構成を示す。システムは、車両1と地域情報管理システム(地域情報管理センタ)100から構成される。車両1と地域情報管理システム100はネットワーク70で接続される。ネットワーク70は公衆回線もよく、専用回線でもよい。公衆回線の一例は携帯電話回線である。携帯電話回線では通話エリアを複数のセルに分割し、各セルに基地局が設置される。どの基地局で発信者からの電波を受信したかで発信者、すなわち車両1の位置を特定することができる。
【0024】
車両1は、既述したように制御部28及び送受信部44を備え、車両IDとともに運転情報を地域情報管理システム100に送信する。ネットワーク70が携帯電話回線である場合、車両IDと運転情報を送信した車両1の位置情報も同時に地域情報管理システムに送信される。車両1の位置情報は、車両から別途地域情報管理システム100に送信してもよい。例えば、車両1がカーナビゲーションシステムを備える場合、カーナビゲーションシステムのGPSで検出した車両1の現在位置情報を送信できる。送信タイミングは任意であるが、例えば車両1の起動時、すなわち車両1のイグニッションスイッチ16をオンにしたタイミングで送信する。イグニッションスイッチ16がオンされた後に所定周期で送信してもよい。また、車両1の制御部28は、地域情報管理システム100から送信された制御情報をネットワーク70及び送受信部44を介して受信し、この制御情報に基づいて車両の走行を制御する。車両の走行制御の態様は任意であるが、例えばエンジンとモータの動力で駆動されるハイブリッド車両の場合、エンジンとモータの動力比率を制御情報に応じて適応的に変化させる。
【0025】
地域情報管理システム100は、入力部102、通信部104、表示部106、演算部108及び記憶部110を有する。
【0026】
通信部104は、ネットワーク70を介して車両1から送信された車両ID、運転情報及び位置情報を受信する。
【0027】
演算部108は、受信した運転情報を記憶部110に格納するとともに、運転情報を統計処理して電池寿命についての統計値を算出して記憶部110に格納する。統計値は、例えば各車両1から送信された運転情報の平均値及び標準偏差であり、地域毎の平均値及び標準偏差である。また、演算部108は、算出した統計値に基づいて制御情報を作成しネットワーク70を介して車両1に送信する。
【0028】
記憶部110は、地域情報データベース110aと、電池寿命の統計値についてのデータベースであるLifeデータベース110bを有する。
【0029】
以下、本実施形態の処理について、より具体的に説明する。図3は、イグニッションスイッチ16をオンにした場合の車両1の制御部28による起動時の処理である。まず、組電池10が初回の起動か否かを判定し(S101)、初回の起動である場合、電池寿命を算出するための各種変数の値を初期化する。具体的には、寿命変数Life、停止時に演算するワントリップ中の走行状態を反映する変数fTripを1に初期化し、走行中の寿命変数Lifenowを順次加算するスタックLifeStack、バッテリ使用時間1秒毎にインクリメント(値を1増やす処理。以降同じ)されるTimeBatteryを0に初期化する(S102)。
【0030】
次に、車両1がネットワーク70に接続したか否かを判定し(S103)、ネットワーク70に接続した場合には車両ID及び運転情報を送信する(S104)。運転情報送信の際に、車両位置情報を別途送信してもよい。運転情報を送信した後、地域情報管理システム100から送信された制御情報を受信し(S105)、この制御情報に基づいて車両の走行を制御する。具体的には、エンジンとモータの動力比率を変化させるものとし、エンジンを駆動源として始動させるためのしきい速度VEngと、エンジンを停止させるためのしきい速度VEVを制御情報に従って設定する(S106)。その後、現在の積算走行距離をDISonに入力し、SOC演算値をSOCmax、及びSOCminの両方に入力する。1秒間に演算するI2の積算値I2sum及びワントリップ中のLifenowを順次加算するスタックLifeStackTrip、ワントリップの時間を計測するタイマTimeTripを0に初期化する(S107)。なお、組電池10が初回の起動でない場合、S102の処理を行うことなくS103の処理を実行する。また、ネットワーク70に接続できない場合、地域情報管理システム100から制御情報を受信することができないので、デフォルトの値をVEng及びVEVに設定する。
【0031】
図4は、車両走行中の1秒毎の処理フローチャートである。まず、バッテリ使用時間TimeBatteryを1秒間に1ずつインクリメントし、TimeTripを1秒間に1ずつインクリメントする(S201)。次に、既に入力されているSOCmaxと今回演算したSOC演算値とを大小比較し(S202)、SOC演算値がSOCmaxを超えている場合には、SOCmaxをSOC演算値で更新する(S203)。SOC演算値がSOCmax以下である場合にはSOCmaxは更新せずそのまま維持する。次に、既に入力されているSOCminと今回演算したSOC演算値とを大小比較し(S204)、SOC演算値がSOCminより小さい場合には、SOCminをSOC演算値で更新する(S205)。SOC演算値がSOCmin以上である場合にはSOCminは更新せずそのまま維持する。次に、1秒毎に演算するI2sumを加算により更新し(S206)、電池平均温度TBaveを算出する(S207)。電池平均温度は、組電池10の温度センサ11が測定する温度TB1、TB2、TB3、・・・、TBiの平均である。そして、現在の寿命LifeStackTripに電池平均温度TBaveの関数として求まる変数fLifeon(TBave)を加算したもので変数LifeStackTripを更新する(S208)。
【0032】
図5は、車両停止時の処理である。ここで、停止時とは車速ゼロを意味するのではなく、車速ゼロであってかつイグニッションスイッチ16をオフした状態をいう。まず、積算走行距離変数DISに現在までの積算走行距離DISonを設定し、SOCmaxとSOCminとの差分を演算してΔSOCを算出する。また、I2sumをTimeTripで除算することで時間平均I2aveを算出し、積算走行距離DISをTimeTripで除算することで車速SPEED(イグニッションオン時の平均車速)を算出する(S301)。次に、停止時に演算するワントリップ中の走行状態を反映する変数fTripを、ΔSOCの関数として求まる変数fLife(ΔSOC)と、さらにI2aveの関数として求まる変数fLife(I2ave)、SPEEDの関数として求まる変数fLife(SPEED)をそれぞれ乗じることにより算出する(S302)。そして、LifeStackTripに算出されたfTripを乗じて補正した値を現在のLifeStackに加算することでLifeStackを更新し、更新されたLifeStackをTimeBatteyで除算することで寿命変数Lifeを算出する(S303)。
【0033】
図6は、停止中1秒毎の処理である。停止中においても寿命変数Lifeを1秒毎に演算するものである。但し、走行中と異なりSOCを算出せずにTBaveだけからLifeを演算する。停止中にもLifeを演算する理由は、次の起動走行時に切れ目なく(精度よく)Lifeを演算してエンジン14やモータジェネレータ17の動作を効率よく制御するためである。具体的には、変数TimeBattery及びTimeTripを1だけインクリメントし(S401)、変数TBaveを演算する(S402)。そして、TBaveから定まるfLifeoff(TBave)をLifeStackに加算することで現在のLifeStackを演算し、演算したLifeStackをTimeBatteryで除算することで寿命変数Lifeを演算する(S403)。
【0034】
以上のようにして、制御部28は、寿命変数Lifeを演算し、これを運転情報として地域情報管理システム100に送信する。
【0035】
図7に、地域情報管理システム100の記憶部110に格納される地域情報データベース110aのデータを示す。地域ID、車両ID、Life、車両との通信回数が格納される。地域IDは、車両1の位置情報である。携帯電話ネットワークを用いる場合、携帯電話の通話地域を予め分割しておいて地域IDを割り振っても良い。接続してきた車両1の基地局の通話地域から地域IDを割り付ける。地域IDの分割領域は地域情報データベースの内容に応じて適宜見直しても良い。車両IDは車両1から送信された車両IDである。Lifeは車両1の演算部28で演算され送信された寿命変数であり運転情報である。
【0036】
地域情報データベース110aは、車両1の車種毎に作成するのが好適である。図7では、ある車種の例を示す。
【0037】
演算部108は、図7に示す地域情報データベースのデータを用いて、Lifeの統計処理を行う。具体的には、地域ID毎に、Lifeの平均値及び標準偏差を演算する。統計演算を行う際に、データの中に極端なデータや非現実的なデータが混在している場合もあるが、このようなデータは除外する。例えば、車両1との通信回数が100〜10000、Lifeが0.1〜100の値のデータのみを採用する。データの採用基準は通信回数により変えてもよいし、地域情報データベース110aの内容に応じて修正してもよい。さらに、極端に車両1との前回の通信との時間間隔が短いデータを除外してもよい。この場合、車両に燃料切れなどの不具合があり、起動を繰り返していることが想定されるからである。また、車両1との通信回数が多いデータは地域の状況を良く反映していると考えられることから、その重みを大きくしてもよい。例えば、データ数のカウント方法に重み付けして、通信回数が1000回を単位としてデータベースを作成するデータの母数の重みを大きくしていく。具体的には、通信回数が1000回であればLifeの加算を1回、1001回であればLifeの加算を2回、2001回であればLifeの加算を3回などである。さらに、演算部108は、運転情報の取得時間帯によって分類し、各取得時間帯毎に統計処理をしてもよい。例えば朝夕の通勤のみ使用されている車両であれば、より特徴的な地域性が統計的に推定できる。
【0038】
図8に、記憶部110に格納されるLifeデータベース110bのデータを示す。地域ID毎のLifeの平均値(X−bar)及び標準偏差sである。演算部108は、これらのデータから制御情報を作成して車両1に送信する。
【0039】
図9に、地域情報管理システム100の処理を示す。車両1から情報を受信したか否かを判定し(S501)、受信した場合には地域情報データベース(DB)を更新する(S502)。そして、更新した地域情報データベースを用いて統計演算を行い、Lifeデータベース(DB)を更新する(S503)。次に、制御情報演算処理、すなわち制御情報を作成する処理を行い(S504)、作成した制御情報を車両1に送信する(S505)。
【0040】
図10に、図9のS504における制御方法演算処理の詳細を示す。まず、デフォルト値(初期値)として、VEnginiに40km/h、VEViniに15km/hを設定する(S601)。次に、Lifenowを用いてVoffsetを算出する(S602)。ここで、Lifenowは、地域情報データベース110aから参照した、受信した車両IDの最新のLifeデータである。Voffsetを算出した後、このVoffsetを用いて、VEng及びVEVを算出する(S603)。すなわち、VEng=VEngini+Voffset、VEV=VEVini+Voffsetにより算出する。
【0041】
図11に、Lifenowを用いてVoffsetを算出するグラフの一例を示す。図において、横軸は(Lifenow−(X−bar))/s、すなわちLifenowとLifeの平均値(X−bar)の差分と標準偏差sとの比であり、縦軸はVoffsetである。寿命変数Lifeは、その値が大きいほど電池寿命が短いことを意味する。したがって、傾向として、Lifeが大きいほど、電池をできるだけ使わないようにすることが必要であり、Voffsetを小さく設定する。これにより、VEng及びVEVがともに下方側にシフトされ、エンジンの始動タイミングが早まることになる。逆に、Lifeが小さい場合には電池寿命が長く、電池をより多く使用することができるためVoffsetを大きく設定する。これによりVEng及びVEVがともに上方側にシフトされ、エンジンの始動タイミングが遅れて結果として燃費が向上する。
【0042】
以上のようにして設定されたVEng及びVEVは、制御情報として車両1に送信され、車両1では図3のS106に示すように地域情報管理システム100から受信した制御情報に従ってVEng及びVEVを設定し、エンジンとモータの動力分配を調整する。要するに、低車速領域において、エンジンを停止しモータを用いて走行する速度しきい値を、地域毎のLifeの統計値と比較してLifeが大きいほど低速側に、Lifeが小さいほど高速側に変化させる。本実施形態では、Lifeの絶対値ではなく、あくまでLifeの地域毎の統計値と比較した結果に基づいて速度しきい値を変化させている点に留意されたい。言い換えれば、車両1が走行している地域の統計値に近づくように速度しきい値を変化させるということができる。Lifeの値自体は小さくても、車両1が走行している地域のLifeの平均値と比較して相対的に大きい場合には、その地域の特性に合致するように走行制御が行われる。
【0043】
本実施形態では、運転情報としてLifeを車両1から地域情報管理システム100に送信しているが、Lifeの他に他の情報、例えば走行時や停止時の電池温度、車速、外気温を運転情報として送信してもよい。また、本実施形態では、制御情報としてエンジンとモータの動力分配について例示したが、他の制御、例えば電池を冷却する冷却ファンの動作タイミングを制御してもよい。
【0044】
図12〜図18に、他の実施形態として電池を冷却する冷却ファンの動作タイミングを制御する処理を示す。図12は、車両1の起動時処理である。図3に対応するものであるが、図3と異なるのはS702で全走行中の組電池1秒毎の温度の和を示すTBaveTripStack及び全走行時間を示すTimeTripStackを初期化するとともに、S705で制御情報を地域情報管理システム100から受信した後、この制御情報をS706で車両1に設定する点及びS708でTBaveStackを初期化する点である。図13は、走行中1秒毎の処理である。図4に対応するものであるが、図4と異なるのはS807でTBaveを算出した後、TBaveStackとTBaveTripを更新する点である(S808)。ここで、TBaveTripは、前回走行時の電池温度平均値である。図14は、停止時処理である。図5に対応するものであるが、図5と異なるのはS902でTBaveTripStack及びTimeTripStackを更新することである。図15は、停止中1秒毎処理であり、図6に対応するものである。
【0045】
図16は、地域情報管理システム処理である。図9に対応するものであるが、図9と異なるのは、S1203でTBaveTripデータベースを更新する点である。すなわち、車両1の制御部28は、運転情報としてLifeに加えてTBaveTripを地域情報管理センタ100に送信する。地域情報管理センタ100の記憶部110は、Lifeデータベースの他にTBaveTripデータベースを備え、TBaveTripの地域ID毎の平均値及び標準偏差sを格納する。演算部108はS1202で地域情報データベースを更新するとともに、S1203でTBaveTripデータベースを更新する。
【0046】
図17は、制御方法演算処理である。図10に対応するものであるが、図10と異なるのは、TLO、TMID、THIを算出する点である。電池冷却ファン30の動作状態としてOFF、LO、MID、HIの4つの状態があり、電池平均温度TBaveが大きくなるほどOFFからLO、LOからMID、MIDからHIへと切り替えて冷媒の流量を増大させて組電池10を冷却する。TBaveがTLOとなる温度で電池冷却ファン30はOFF状態からLOに切り替わり、TMIDとなる温度でLOからMIDに切り替わり、THIとなる温度でMIDからHIに切り替わる。ここで、TLO<TMID<THIである。また、THIより所定温度、例えば2℃低い温度でHIからMIDに切り替わり、TMIDより2℃低い温度でMIDからLOに切り替わり、TLOより2℃低い温度でLOからOFFに切り替わる。図において、まずTLO、TMID、THIの初期値としてTLOini=30、TMIDini=40、THIini=50に設定する(S1301)。次に、同一車両の全走行中のTBの平均値であるTBaveTripLifeをTBaveTripStack/TimeTripStackから演算する(S1302)。そして、算出したTBaveTripLifeを用いてToffsetを算出し(S1303)、算出したToffsetを用いてTLO、TMID、THIを設定する(S1304)。
【0047】
図18に、TBaveTripLifeを用いてToffsetを算出するグラフの一例を示す。図の横軸は(TBaveTripLife−(X−bar))/sであり、(X−bar)はTBaveTripの地域毎の平均値であり、sは標準偏差である。電池の平均温度が地域の平均温度より高いほどより低い温度で冷却ファンを駆動する、つまり、より早いタイミングで冷却するようにToffsetが設定される。本実施形態でも、電池の平均温度自体の値ではなく、その地域の平均温度との比較において冷却ファンの動作が制御される点に留意されたい。
【0048】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0049】
例えば、本実施形態において、車両の制御内容を車両ユーザに報知してもよい。例えば、電池寿命が改善される制御、エミッションが良くなる制御、余寿命のあるユーザに対して燃費が向上する制御を予め用意し、あるいは地域特有の情報を受信し、メーターパネルなどに選択して表示する等である。また、表示するだけでなく、ユーザに選択を促すことによりユーザに対して満足度を与えるとともに経済効果の適正な報知を行うことができる。例えば、電池余寿命がある場合、「エアコンを止めれば燃費が**km/L向上する」等と表示して実際にこれを実行するか否かの選択ボタンを併せて表示する、Lifeが大きい場合に「この地域のユーザの分布の中ではあなたは平均値よりもかなり悪い電池の使い方をしています。急加減速を避けましょう。」と表示する等である。
【0050】
また、制御内容を車両外部のディスプレイに表示することで、例えば燃費のよい制御を特別に報知することで運送会社やタクシー会社は企業イメージの向上を図り、結果としてCSRに貢献することもできよう。炭酸ガス排出量換算で数値表示することも効果的である。「エアコン稼働停止走行中、CO2削減効果**g/km」と表示する等である。
【0051】
また、地域の中の分布でユーザの車両の寿命がどの位置にあるかを報知することで、燃費の向上を図ることもできる。例えば、車両が寿命変数Lifeの他にΔSOCの分布、車速SPEEDの分布状況を保持し、平均値(X−bar)と標準偏差sを演算し、(X−bar)±3sを外れたユーザに報知する等である。余寿命のないユーザにはI2aveを下げるように、具体的には急加減速を止めることやエアコンの設定温度を下げるように推奨する等である。
【0052】
また、本実施形態では、地域情報管理システム(地域情報管理センタ)100においてLifeの統計値とLifenowとを比較してVEng等の制御情報を作成して車両1に送信しているが、地域情報管理システム100でLifeの統計値、すなわち平均値(X−bar)と標準偏差sを制御情報として車両1に送信し、車両1側で図11に示すグラフのデータを保持し、このデータに基づいてVEng等を設定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】実施形態の車両の構成図である。
【図2】実施形態のシステム構成図である。
【図3】実施形態の起動時処理フローチャートである。
【図4】実施形態の走行中1秒毎処理のフローチャートである。
【図5】実施形態の停止時処理のフローチャートである。
【図6】実施形態の停止時1秒毎処理のフローチャートである。
【図7】実施形態の地域データベースの説明図である。
【図8】実施形態のLifeデータベースの説明図である。
【図9】実施形態の地域情報管理システムの処理フローチャートである。
【図10】実施形態の制御方法演算処理のフローチャートである。
【図11】実施形態のVoffset算出グラフの説明図である。
【図12】他の実施形態の起動時処理フローチャートである。
【図13】他の実施形態の走行中1秒毎処理のフローチャートである。
【図14】他の実施形態の停止時処理のフローチャートである。
【図15】他の実施形態の停止時1秒毎処理のフローチャートである。
【図16】他の実施形態の地域情報管理システムの処理フローチャートである。
【図17】他の実施形態の制御方法演算処理のフローチャートである。
【図18】他の実施形態のToffset算出グラフの説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 車両、28 制御部、44 送受信部、70 ネットワーク、100 地域情報管理システム(地域情報管理センタ)、102 入力部、104 通信部、106 表示部、108 演算部、110 記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と、
前記車両とデータを送受する地域情報管理センタと、
を有する車両制御システムであって、
前記車両は、
二次電池と、
前記二次電池の動力により駆動されるモータと、
前記二次電池の寿命を算出する演算手段と、
算出した前記寿命を前記地域情報管理センタに送信する手段と、
前記地域情報管理センタから送信された制御情報を受信する手段と、
前記制御情報に基づき前記車両を制御する制御手段と、
を有し、
前記地域情報管理センタは、
前記車両から送信された前記寿命を受信する手段と、
受信した前記寿命を前記車両の走行地域毎に分類して記憶する手段と、
前記走行地域毎に前記寿命の統計値を演算する手段と、
前記寿命の統計値を前記制御情報として前記車両に送信する手段と、
を有することを特徴とする車両制御システム。
【請求項2】
車両と、
前記車両とデータを送受する地域情報管理センタと、
を有する車両制御システムであって、
前記車両は、
二次電池と、
前記二次電池の動力により駆動されるモータと、
前記二次電池の寿命を算出する演算手段と、
算出した前記寿命を前記地域情報管理センタに送信する手段と、
前記地域情報管理センタから送信された制御情報を受信する手段と、
前記制御情報に基づき前記車両を制御する制御手段と、
を有し、
前記地域情報管理センタは、
前記車両から送信された前記寿命を受信する手段と、
受信した前記寿命を前記車両の走行地域毎に分類して記憶する手段と、
前記走行地域毎に前記寿命の統計値を演算する手段と、
前記車両の属する走行地域の前記統計値を用いて前記制御情報を作成し前記車両に送信する手段と、
を有することを特徴とする車両制御システム。
【請求項3】
請求項1,2のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記統計値は、少なくとも前記走行地域毎の寿命の平均値であることを特徴とする車両制御システム。
【請求項4】
請求項1,2のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記統計値は、少なくとも前記走行地域毎の寿命の平均値及び標準偏差であることを特徴とする車両制御システム。
【請求項5】
請求項2記載の装置において、
前記統計値は、少なくとも前記走行地域毎の寿命の平均値であり、
前記制御情報は、前記車両の最新の寿命と前記車両の属する走行地域の統計値との差分を用いて作成されることを特徴とする車両制御システム。
【請求項6】
請求項2記載の装置において、
前記統計値は、少なくとも前記走行地域毎の寿命の平均値及び標準偏差であり、
前記制御情報は、前記車両の最新の寿命と前記車両の属する走行地域の統計値との差分値及び前記標準偏差を用いて作成されることを特徴とする車両制御システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記車両は、さらに、
エンジンと、
前記モータジェネレータの動力と前記エンジンの動力を所定の比率で駆動軸に伝達する手段と、
を有し、前記制御手段は、前記制御情報に基づき前記比率を変化させることを特徴とする車両制御システム。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記車両はさらに、
前記制御情報を前記車両のユーザに報知する手段と、
を有することを特徴とする車両制御システム。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のシステムにおいて、
前記車両はさらに、
前記制御情報を前記車両外部に表示する手段と、
を有することを特徴とする車両制御システム。
【請求項10】
二次電池と、
前記二次電池の動力により駆動されるモータと、
前記二次電池の寿命を算出する演算手段と、
算出した前記寿命を地域情報管理センタに送信する手段と、
前記地域情報管理センタから送信された、前記車両の走行地域毎の前記寿命の統計値に応じて作成された制御情報を受信する手段と、
前記制御情報に基づき前記車両を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする車両用制御装置。
【請求項11】
請求項10記載の装置において、さらに、
エンジンと、
前記モータジェネレータの動力と前記エンジンの動力を所定の比率で駆動軸に伝達する手段と、
を有し、前記制御手段は、前記制御情報に基づき前記比率を変化させることを特徴とする車両用制御装置。
【請求項12】
請求項10記載の装置において、さらに、
前記二次電池を冷却する冷却手段と、
を有し、前記制御手段は、前記制御情報に基づき前記冷却手段による冷却のタイミングを変化させることを特徴とする車両用制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−45901(P2010−45901A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−207435(P2008−207435)
【出願日】平成20年8月11日(2008.8.11)
【出願人】(399107063)パナソニックEVエナジー株式会社 (193)
【Fターム(参考)】