説明

車両用充電支援装置、車両用充電支援方法、コンピュータプログラム

【課題】駐車動作完了前に、障害物を考慮した理想位置での充電に関する情報を通知可能な車両用充電支援装置、車両用充電支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】給電ユニット70が埋設された駐車枠75への駐車を開始すると、駐車枠75周辺の障害物80の位置及び形状の検出(S1)と、駐車枠75の位置及び形状の検出(S2)と、駐車枠75内の給電ユニット70の位置の検出(S3)を行う。給電ユニット70の位置に基づいて、バッテリ60の充電効率が最も高い駐車位置を最適位置に特定し(S4)、最適位置における自車両65と障害物80の距離を判定する(S5)。判定結果に応じて理想位置を特定し、当該理想位置におけるバッテリ60の充電効率及び理想位置を通知する(S10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電ユニットと受電ユニットを用いた車両のバッテリの充電を支援する車両用充電支援装置、車両用充電支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バッテリから供給される電力に基づいて駆動されるモータを駆動源とする電気自動車や、モータとエンジンを併用して駆動源とするハイブリッド車両等の電動車両が多く存在する。
【0003】
又、このような車両のバッテリの充電方式の一つとして、車両に配設された受電ユニットに対して、車両外(例えば、駐車場の路面)に配設された給電ユニットにより非接触給電を行うことで、当該バッテリの充電を行う方式が知られている。この方式の場合、バッテリの充電を効率良く行うためには、受電ユニットと給電ユニットが適切な位置関係にあることが重要である。
【0004】
この点に鑑み、特許文献1記載の発明がなされている。当該特許文献1記載の受電案内装置は、給電装置が配設された駐車領域への駐車を完了すると、現在位置におけるバッテリの充電効率を通知する。これにより、当該充電案内装置は、現在の駐車位置がバッテリの充電にどの程度適しているかの判断基準を提供し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特願2009−290389号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、給電ユニットの周辺に障害物(例えば、他の駐車車両や構造物等)が存在する場合、駐車の過程で当該障害物との接触が生じる場合があり、バッテリの充電に最適な位置に必ずしも駐車できるとは限らない。従って、バッテリの充電に最適な駐車位置を案内する上では、駐車枠周辺に存在する障害物を考慮する必要がある。又、バッテリの充電を行うことを目的として車両を駐車する場合、駐車動作を完了する前(例えば、駐車動作の開始時)に、当該駐車枠周辺の状況下において最も効率良く充電し得る状態に関する情報(例えば、充電効率や駐車位置等)を提示することが望ましい。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、駐車動作完了前に、障害物を考慮した理想位置での充電に関する情報を通知可能な車両用充電支援装置、車両用充電支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る車両用充電支援装置(1)は、自車両が駐車される駐車枠を検出する駐車枠検出手段(13)と、前記自車両のバッテリの充電に用いられる受電ユニットに対して非接触給電可能であり、前記駐車枠内に配設された給電ユニットの位置を検出する給電ユニット検出手段(13)と、前記駐車枠周辺に位置する障害物を検出する障害物検出手段(13)と、前記障害物に基づいて、前記駐車枠内における前記自車両の理想位置を特定する理想位置特定手段(13)と、前記理想位置に駐車すると仮定した場合の受電ユニットと前記給電ユニットの間のオフセット量に基づいて、前記バッテリの充電効率を通知する充電効率通知手段(13)と、を有することを特徴とする。
【0009】
そして、請求項2記載の車両用充電支援装置(1)は、請求項1記載の車両用充電支援装置であって、前記給電ユニットの位置と、自車両における前記受電ユニットの位置に基づいて、前記駐車枠内において、前記バッテリの充電効率が最大となる前記自車両の最適位置を特定する最適位置特定手段(13)と、前記最適位置に駐車すると仮定した場合に、前記自車両と前記障害物との距離が所定値未満であるか否かを判定する近接状態判定手段(13)と、前記最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値未満であると判定された場合に、前記駐車枠内における前記自車両と前記障害物との距離が所定値以上となる回避位置を特定する回避位置特定手段(13)と、を有し、前記理想位置特定手段(13)は、前記最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値以上であると判定された場合、当該最適位置を前記理想位置に特定し、前記最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値未満であると判定された場合、前記回避位置を前記理想位置に特定することを特徴とする。
【0010】
又、請求項3記載の車両用充電支援装置(1)は、請求項2記載の車両用充電支援装置であって、前記回避位置が特定された場合に、前記駐車枠検出手段により検出された駐車枠と、前記回避位置に駐車した場合における自車両の外形と、を表示する回避位置表示手段(13)と、を有することを特徴とする。
【0011】
又、請求項4記載の車両用充電支援装置(1)は、請求項2又は請求項3記載の車両用充電支援装置であって、前記近接状態判定手段(13)により、前記最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値未満であると判定された場合に、前記駐車枠検出手段により検出された駐車枠と、前記最適位置に駐車した場合の自車両の外形と、を表示し、前記自車両と前記障害物との距離が所定値未満となる近接部分を通知する近接部分通知手段(13)と、を有することを特徴とする。
【0012】
そして、請求項5記載の車両用充電支援装置(1)は、請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両用充電支援装置であって、前記充電効率通知手段(13)は、前記理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率の数値と、前記バッテリへの最小充電効率と最大充電効率により規定される範囲に対して、前記理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率を示すグラフと、を表示することを特徴とする。
【0013】
又、請求項6記載の車両用充電支援方法は、自車両が駐車される駐車枠を検出する駐車枠検出ステップと、前記自車両のバッテリの充電に用いられる受電ユニットに対して非接触給電可能であり、前記駐車枠内に配設された給電ユニットの位置を検出する給電ユニット検出ステップと、前記駐車枠周辺に位置する障害物を検出する障害物検出ステップと、前記障害物に基づいて、前記駐車枠内における前記自車両の理想位置を特定する理想位置特定ステップと、前記理想位置に駐車すると仮定した場合の受電ユニットと前記給電ユニットの間のオフセット量に基づいて、前記バッテリの充電効率を通知する充電効率通知ステップと、を有することを特徴とする。
【0014】
更に、請求項7記載のコンピュータプログラムは、コンピュータに搭載され、自車両が駐車される駐車枠を検出する駐車枠検出機能と、前記自車両のバッテリの充電に用いられる受電ユニットに対して非接触給電可能であり、前記駐車枠内に配設された給電ユニットの位置を検出する給電ユニット検出機能と、前記駐車枠周辺に位置する障害物を検出する障害物検出機能と、前記障害物に基づいて、前記駐車枠内における前記自車両の理想位置を特定する理想位置特定機能と、前記理想位置に駐車すると仮定した場合の受電ユニットと前記給電ユニットの間のオフセット量に基づいて、前記バッテリの充電効率を通知する充電効率通知機能と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の車両用充電支援装置は、障害物に基づいて、駐車枠内における自車両の理想位置を特定し、当該理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率を通知し得る。これにより、当該車両用充電装置は、より充電効率の良い位置でのバッテリの充電を支援し得る。
【0016】
請求項2記載の車両用充電支援装置は、最適位置における自車両と障害物との距離が所定値以上である場合に、バッテリの充電効率が最大となる最適位置を理想位置に特定し、最適位置における自車両と障害物との距離が所定値未満である場合、当該自車両と障害物との距離を所定値以上となる回避位置を理想位置に特定する。従って、当該車両用充電支援装置は、自車両と障害物との接触を回避しつつ、駐車枠周辺の状況下で、最も効率の良い位置でのバッテリの充電を支援し得る。
【0017】
請求項3記載の車両用充電支援装置は、回避位置が特定された場合に、駐車動作を完了する前に、駐車枠と回避位置に駐車した場合の自車両の外形を表示する。従って、当該車両用充電支援装置は、自車両と障害物との接触をより確実に回避しつつ、駐車枠周辺の状況下で、最も効率の良い位置でのバッテリの充電を支援し得る。
【0018】
請求項4記載の車両用充電支援装置は、最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値未満である場合、駐車枠と、最適位置に駐車した場合の自車両の外形とを表示し、自車両と前記障害物との距離が所定値未満となる近接部分を通知する。これにより、当該車両用充電支援装置は、自車両と障害物との接触が生じる虞の高い部分を通知することができ、もって、自車両と障害物との接触をより確実に回避しつつ、駐車枠周辺の状況下でのバッテリの充電を支援し得る。
【0019】
請求項5記載の車両用充電支援装置は、前記理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率の数値と、最小充電効率と最大充電効率に対する前記理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率を示すグラフを表示する。従って、当該車両用充電支援装置は、より充電効率の良い位置でのバッテリの充電を支援し得る。
【0020】
請求項6記載の車両用充電支援方法は、障害物に基づいて、駐車枠内における自車両の理想位置を特定し、当該理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率を通知し得る。これにより、より充電効率の良い位置でのバッテリの充電を支援し得る。
【0021】
請求項7記載のコンピュータプログラムは、コンピュータで実行させることにより、障害物に基づいて、駐車枠内における自車両の理想位置を特定し、当該理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率を通知し得る。これにより、より充電効率の良い位置でのバッテリの充電を支援し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】充電支援処理プログラムのフローチャートである。
【図3】駐車枠への駐車開始時の状況を示す説明図である。
【図4】充電効率マップの一例を示す説明図である。
【図5】案内画面として表示される近接箇所報知画面の一例を示す説明図である。
【図6】案内画面として表示される回避位置表示画面の一例を示す説明図である。
【図7】案内画面として表示される最適位置報知画面の一例を示す説明図である。
【図8】後退駐車時の回避位置表示画面の一例を示す説明図である。
【図9】前進駐車時の回避位置表示画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る車両用充電支援装置等を、ナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置1を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して地図や目的地までの案内経路を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、プログラムを記憶した記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、交通情報センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。
【0025】
又、ナビゲーション装置1は、後述する給電ユニット70や駐車枠75を検出する為のカメラ51と、障害物80(図3参照)を検出する為の超音波センサ52と、自車両65の駆動源であるモータ(図示せず)に電力を供給する為のバッテリ60と、後述する給電ユニット70との非接触給電により当該バッテリ60を充電する為の受電ユニット55と接続されている。
【0026】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。現在位置検出部11は、GPS21、車速センサ22、ステアリングセンサ23、ジャイロセンサ24、高度計(図示せず)等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度等を検出する。ここで、特に車速センサ22は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の車輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は、発生するパルスを計数することにより車輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の一又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
【0027】
データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。当該ハードディスクは、地図情報DB31、自車両外形情報32、受電ユニット位置情報33及び充電効率マップ34を記録している。
【0028】
ここで、地図情報DB31は、経路案内、交通情報案内及び地図表示に必要な各種地図データを記録している。地図データは、具体的には、道路(リンク)形状に関するリンクデータ、ノード点に関するノードデータ、施設等の地点に関する情報であるPOIデータ、各交差点に関する交差点データ、経路を探索するための探索データ、地点を検索するための検索データ、地図、道路、交通情報等の画像を液晶ディスプレイ15に描画するための画像描画データ等から構成されている。尚、地図情報DB31は、地図配信センタ等から配信される更新データや記憶媒体(例えば、DVDやメモリーカード)を介して提供される更新データに基づいて更新される。
【0029】
自車両外形情報32は、当該ナビゲーション装置1が搭載された自車両65の外形を示す。自車両外形情報32は、後述する回避位置の特定を行う際に参照される。そして、受電ユニット位置情報33は、当該自車両65における受電ユニット55の配設位置を示す情報である。当該受電ユニット位置情報33は、後述する最適位置の特定及び充電効率の特定等を行う際に参照される。充電効率マップ34は、受電ユニット55と給電ユニット70の間の距離(以下、オフセット量)と、バッテリ60の充電効率の関係を示す(図4参照)。当該充電効率マップ34は、後述する充電効率の特定を行う際に参照される。尚、充電効率マップ34の詳細については後述する。
【0030】
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、目的地が選択された場合に現在位置から目的地までの案内経路を設定する案内経路設定処理や、後述する充電支援処理(図2参照)等のナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。そして、当該ナビゲーションECU13は、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されると共に、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述する充電支援処理プログラム(図2参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。
【0031】
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。当該操作部14は、後述する回避位置表示ボタン97(図5参照)等に対する入力を行う際に用いられる。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0032】
液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、出発地から目的地までの案内経路、案内経路に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。又、液晶ディスプレイ15には、後述する充電位置通知画面(図5〜図7参照)が、充電支援処理プログラム(図2参照)に基づいて表示される。
【0033】
スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内音声を出力する。
【0034】
DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて地図情報DB31の更新等が行われる。
【0035】
通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタやプローブセンタ等から送信された渋滞情報、規制情報、交通事故情報等の各情報から成る交通情報を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。
【0036】
カメラ51は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたものであり、自車両65の後方に装着されたナンバープレートの上中央付近に取り付けられ、視線方向を水平より所定角度下方に向けて設置される。当該カメラ51は、駐車場等で駐車する際に自車両65後方を撮像し、駐車場の路面上に形成された駐車枠75や、当該駐車枠75内に配設された給電ユニット70を検出する際に用いられる。
【0037】
超音波センサ52は、超音波を対象物に向け発信し、対象物で反射された反射波を受信することにより、対象物の有無や対象物までの距離を検出するものである。超音波センサ52は、自車両65四隅に配設されており、当該自車両65の外側方向に超音波を発信する(図3参照)。当該超音波センサ52は、駐車場等で駐車する際に、駐車枠75周辺の障害物80を検出する際に用いられる。
【0038】
受電ユニット55は、自車両65底面の所定位置に配設されており、駐車枠75内に埋設された給電ユニット70(図3参照)との間で非接触給電を行う。又、受電ユニット55は、充電部(図示せず)を有しており、当該充電部を介して、給電ユニット70から受電した電力をバッテリ60に充電する。
【0039】
バッテリ60は、充電と放電とを繰り返すことができる二次電池であり、鉛蓄電池、ニッケルカドミニウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、ナトリウム硫黄電池等が用いられる。当該バッテリ60は、自車両65の駆動源であるモータ(図示せず)に電力を供給する。又、当該バッテリ60は、受電ユニット55及び給電ユニット70間の非接触給電により供給された電力を蓄える。
【0040】
次に、ナビゲーション装置1において実行される充電支援処理プログラムについて、図2を参照しつつ詳細に説明する。当該充電支援処理プログラムは、給電ユニット70が埋設された駐車枠75に駐車する際に、当該駐車枠75の周辺環境(例えば、障害物80の有無等)を考慮した上で、最も効率良くバッテリ60の充電を行い得る理想位置(後述する最適位置及び回避位置)と、当該理想位置における充電効率を通知する為のプログラムである。図2は、本実施形態に係る充電支援処理プログラムのフローチャートである。
【0041】
当該充電支援処理プログラムは、自車両65が駐車場内に進入し駐車を開始した時点で、CPU41により実行される。自車両65が駐車場内に進入したか否かは、現在位置検出部11に基づく自車両65の現在位置の情報と、地図情報DB31に記憶された地図情報に基づいて、自車両65の現在位置を地図上で特定するマップマッチング処理を実行することにより判断し得る。
【0042】
尚、以下の説明においては、自車両65は、図3に示すように、路面上に駐車枠75が描かれ、当該駐車枠75内の地面に給電ユニット70が埋設された駐車場に進入し、後退駐車により所望の駐車枠75への駐車を開始したものとする。そして、当該駐車場においては、給電ユニット70の埋設位置を示す給電ユニット位置標識70Aが、駐車枠75内の地面に描かれているものとする。
【0043】
ここで、給電ユニット70は、上述したように、受電ユニット55との間で非接触給電を行う。ここで、非接触給電の具体的な方法としては、二つのコイル間に発生する相互誘導を利用した方法が挙げられる。この方法の場合、給電ユニット70側の一次コイルに高周波電流を印加することで磁界変化を発生させ、受電ユニット55側の二次コイルに誘導電流を発生させる。これにより、給電ユニット70から受電ユニット55への非接触給電が実現される。
【0044】
図2に示すように、充電支援処理プログラムでは、先ずS1で、CPU41は、超音波センサ52により、自車両65が駐車する駐車枠75周辺に存在する障害物80の位置を検出すると共に、当該障害物80の形状を検出する。例えば、図3に示す場合、CPU41は、超音波センサ52を制御することで、超音波を発信し、隣の駐車枠75に駐車している車両及び駐車場の柱により反射された反射波に基づいて、自車両65を基準とした障害物80(当該車両及び柱)の位置及び形状を検出する。上述したように、現在位置検出部11により自車両65の現在位置の座標情報が特定されているので、CPU41は、障害物80の位置を示す座標情報を取得することができる。尚、以下の説明において、ここで、検出した障害物80の位置座標及び形状を示す情報を「障害物情報」という。
【0045】
S2においては、CPU41は、カメラ51で撮像した画像に対して画像認識処理を行うことにより、自車両65が駐車しようとする駐車枠75の位置及び形状を検出する。具体的には、上述したように、カメラ51は、自車両65のリアバンパ付近から後方を撮像できるように光軸を水平から所定角度した方向に向けるように取り付けられており、撮像範囲が固定されている(図3参照)。従って、CPU41は、カメラ51の撮像画像中の駐車枠75の位置及び形状と、自車両65におけるカメラ51の取付位置及び角度等の情報に基づいて、自車両65を基準とした駐車枠75の位置及び形状を検出する。そして、CPU41は、自車両65の現在位置の座標情報を用いて、駐車枠75の位置及び形状を示す座標情報を取得する。以下の説明において、駐車枠75の位置及び形状を示す座標情報を「駐車枠情報」という。
【0046】
S3では、CPU41は、カメラ51で撮像した画像に対して画像認識処理を行うことにより、駐車枠75内に埋設されている給電ユニット70の位置を検出する。本実施形態においては、給電ユニット70は駐車枠75の地面に埋設されているが、給電ユニット位置標識70Aが給電ユニット70の埋設位置に描かれている(図3参照)。従って、CPU41は、カメラ51の撮像画像に画像認識処理を行い、撮像画像中の給電ユニット位置標識70Aの位置を検出し得る。そして、CPU41は、カメラ51の撮像画像中の給電ユニット位置標識70Aの位置及び形状と、自車両65におけるカメラ51の取付位置及び角度等の情報に基づいて、自車両65を基準とした給電ユニット70の位置を検出する。そして、CPU41は、自車両65の現在位置の座標情報を用いて、給電ユニット70の位置を示す座標情報を取得する。以下の説明において、給電ユニット70の位置を示す座標情報を「給電ユニット位置情報」という。
【0047】
S4においては、CPU41は、給電ユニット位置情報と、自車両外形情報32及び受電ユニット位置情報33に基づいて、最適位置を特定する。ここで、最適位置とは、受電ユニット55と給電ユニット70の間の非接触給電によるバッテリ60の充電効率が最も良い状態である駐車位置を意味する。
本実施形態においては、給電ユニット70側の一次コイルに高周波電流を印加することで磁界変化を発生させ、受電ユニット55側の二次コイルに誘導電流を発生させることによって、バッテリ60の充電を行う。従って、バッテリ60の充電効率は、給電ユニット70側の一次コイルの中心軸と、受電ユニット55側の二次コイルの中心軸が相互に一致する場合に最も高くなる(図4参照)。つまり、CPU41は、自車両外形情報32及び受電ユニット位置情報33に基づいて、給電ユニット位置情報が示す座標と一致する位置に受電ユニット55が位置する場合の自車両65の駐車位置を、最適位置として特定する(図5、図7参照)。
【0048】
S5では、CPU41は、S4で特定した最適位置に自車両65が駐車したと仮定した場合に、当該自車両65と障害物80との距離が所定値(例えば、10cm)未満であるか否かを判断する。具体的には、CPU41は、S1で検出した障害物情報、S4で特定した最適位置と、自車両外形情報32に基づいて、最適位置における自車両65と障害物80の距離を算出する。そして、CPU41は、最適位置における自車両65と障害物80の距離が所定値未満となる箇所(以下、近接箇所という)を特定して、S5の判断を行う。前記近接箇所が一か所でも存在する場合(S5:YES)、CPU41は、S6に処理を移行する。一方、前記近接箇所が存在しない場合(S5:NO)、CPU41は、最適位置を理想位置として特定し、S10に処理を移行する。
【0049】
S6においては、CPU41は、自車両外形情報32と、障害物情報に基づいて、回避位置を算出する。当該回避位置は、自車両65と、障害物80の間に近接箇所が存在しないという条件の下で、受電ユニット55と給電ユニット70の距離が最も短くなる駐車位置を意味する。具体的には、CPU41は、自車両外形情報32と、給電ユニット位置情報と、障害物情報に基づいて、自車両65を平行移動・回転させることにより、最適位置から最も短い移動距離で近接箇所を解消可能な位置を特定する。尚、回避位置を算出する際に、自車両65を回転させる場合、CPU41は、駐車枠情報に基づいて、当該自車両65が駐車枠75外にはみ出さない範囲に制限する。回避位置を特定した後、CPU41は、S7に処理を移行する。
【0050】
S7では、CPU41は、S6で特定した回避位置と、駐車枠情報と、自車両外形情報32に基づいて、回避位置に駐車した場合の自車両65全体が駐車枠75内に位置するか否かを判断する。駐車枠75に位置する場合(S7:YES)、CPU41は、当該回避位置を理想位置として特定し、S8に処理を移行する。一方、回避位置に駐車した場合に自車両65が駐車枠75からはみ出る場合(S7:NO)、CPU41は、S10に処理を移行する。
【0051】
S8においては、CPU41は、S6で特定した回避位置と、受電ユニット位置情報33と、給電ユニット位置情報に基づいて、オフセット量を算出する。オフセット量は、給電ユニット70から、回避位置に駐車した場合における受電ユニット55までの水平距離を意味する。オフセット量を算出した後、CPU41は、S9に処理を移行する。
【0052】
S9では、CPU41は、S8で算出したオフセット量と、充電効率マップ34に基づいて、回避位置におけるバッテリ60の充電効率を特定する。ここで、図4に示すように、充電効率マップ34は、オフセット量と、バッテリ60の充電効率の関係を規定している。本実施形態においては、受電ユニット55側のコイルと給電ユニット70側のコイルの間に発生する相互誘導により、バッテリ60の充電を行う。従って、バッテリ60の充電効率は、オフセット量が「0」の場合に最も高い値を示し、オフセット量の値が大きくなる程、小さな値を示す。従って、CPU41は、充電効率マップ34(図4参照)に基づいて、S8で算出したオフセット量に対応するバッテリ60の充電効率を特定する。尚、当該オフセット量は自車両65が回避位置に位置する場合のオフセット量を示すので、この場合に特定される充電効率は、回避位置におけるバッテリ60の充電効率を示す。回避位置におけるバッテリ60の充電効率を特定した後、CPU41は、S10に処理を移行する。
【0053】
S10では、CPU41は、S1〜S9の処理結果に基づいて、バッテリ60の充電に関する案内画面を液晶ディスプレイ15に表示する。案内画面(図5〜図7参照)を液晶ディスプレイ15に表示した後、CPU41は、充電支援処理プログラムを終了する。
【0054】
次に、S10で液晶ディスプレイ15に表示される案内画面について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図5等に示すように、当該案内画面は、メッセージ表示部90と、充電効率表示部91と、充電効率グラフ92と、駐車位置表示部93を含んでいる。メッセージ表示部90は、現在の案内画面の表示内容に関するメッセージを表示する。充電効率表示部91は、受電ユニット55と給電ユニット70の間の距離に基づいて特定されたバッテリ60の充電効率の数値を表示する。充電効率グラフ92は、受電ユニット55、給電ユニット70の構成等により定まる最大充電効率(本実施形態においては、90%)と最小充電効率(本実施形態においては、10%)の範囲での、理想位置における充電効率をバーグラフで示す。
【0055】
駐車位置表示部93は、S1〜S9の処理結果に基づいて、給電ユニット70、駐車枠75、障害物80と、理想位置(即ち、最適位置又は回避位置)に駐車した場合の自車両65及び受電ユニット55との位置関係を画像表示する。そして、駐車位置表示部93は、受電ユニット画像94と、給電ユニット画像95と、駐車位置画像96Aと、駐車枠画像96Bと、障害物画像96Cと、を含む。
【0056】
受電ユニット画像94は、S4で算出された最適位置又はS6で算出された回避位置と、受電ユニット位置情報33に基づいて、駐車位置表示部93に表示され、理想位置に自車両65が駐車した場合の受電ユニット55の位置を示す。給電ユニット画像95は、S3で検出された給電ユニット位置情報に基づいて、駐車位置表示部93に表示され、当該駐車枠75内における給電ユニット70の位置を示す。駐車位置画像96Aは、S4で算出された最適位置又はS6で算出された回避位置と、自車両外形情報32に基づいて、駐車位置表示部93に表示され、理想位置に駐車した場合の自車両65の位置を示す。駐車枠画像96Bは、S1で検出した駐車枠情報に基づいて、駐車位置表示部93に表示され、駐車枠75の位置を示す。障害物画像96Cは、S2で検出した障害物情報に基づいて、駐車位置表示部93に表示され、駐車枠75周辺の障害物80の位置及び形状を示す。
【0057】
ここで、当該充電支援処理プログラムでは、「最適位置における自車両65と障害物80との間に近接箇所が存在しない場合(S5:NO)」、「最適位置で近接箇所が存在し、回避位置を駐車枠75内で特定できた場合(S9)」、「最適位置で近接箇所が存在し、且つ、回避位置では駐車枠75からはみ出る場合(S7:NO)」に、S10に移行する。従って、S10における案内画面は、上記各場合で異なる内容を示す。
【0058】
先ず、「最適位置で近接箇所が存在し、回避位置を駐車枠75内で特定できた場合(S9)」に液晶ディスプレイ15に表示される案内画面の内容について、図5、図6を参照して説明する。図5は、案内画面として表示される近接箇所報知画面の一例を示す説明図である。図6は、案内画面として表示される回避位置表示画面の一例を示す説明図である。
【0059】
S9からS10に移行すると、最適位置に駐車した自車両65と障害物80の距離が所定値未満と判断されているので、CPU41は、先ず、近接箇所報知画面(図5参照)を案内画面として、液晶ディスプレイ15に表示する。
当該近接箇所報知画面では、CPU41は、近接箇所が存在する旨のメッセージ(例えば、「接触・近接箇所あり!」)をメッセージ表示部90に表示する。又、この場合、自車両65が最適位置に駐車したものと仮定しているので、CPU41は、最適位置におけるバッテリ60の充電効率(例えば、最大充電効率である90%)を、充電効率表示部91及び充電効率グラフ92に表示する。又、CPU41は、S4で算出された最適位置と、自車両外形情報32及び受電ユニット位置情報33に基づいて、受電ユニット画像94と駐車位置画像96Aを駐車位置表示部93に表示する。
【0060】
図5に示すように、近接箇所表示画面は、回避位置表示ボタン97と、近接箇所マーク98を有している。回避位置表示ボタン97は、液晶ディスプレイ15の表示内容を近接箇所表示画面(図5参照)から、回避位置表示画面(図6参照)へ切り替える際に、操作部14の操作により入力される。近接箇所マーク98は、S5で特定された近接箇所の位置に基づいて、駐車位置表示部93に表示され、最適位置における自車両65と障害物80の距離が所定値未満である箇所を示す。
【0061】
従って、ユーザは、近接箇所報知画面(図5参照)を視認することで、最適位置におけるバッテリ60の充電効率を把握できる。又、近接箇所報知画面では、S5で特定された近接箇所に近接箇所マーク98が表示されるので、ユーザは、最適位置への駐車を行う際に自車両65が障害物80と接触する可能性が高く、最適位置におけるバッテリ60の充電が困難であることを把握できる。
【0062】
ここで、近接箇所報知画面(図5参照)が表示されている状態で回避位置表示ボタン97が入力されると、CPU41は、回避位置表示画面(図6参照)を液晶ディスプレイ15に表示する。当該回避位置表示画面を表示する際に、CPU41は、「回避位置を表示している旨」のメッセージを、メッセージ表示部90に表示する。又、CPU41は、S9の処理結果に基づいて、回避位置におけるバッテリ60の充電効率(例えば、70%)を、充電効率表示部91及び充電効率グラフ92に表示する。更に、CPU41は、S6で算出された回避位置と、自車両外形情報32及び受電ユニット位置情報33に基づいて、受電ユニット画像94と駐車位置画像96Aを駐車位置表示部93に表示する(図6参照)。
【0063】
従って、ユーザは、回避位置表示画面(図6参照)を視認することで、回避位置におけるバッテリ60の充電効率を把握できる。又、回避位置表示画面では、S6で特定された回避位置が表示されるので、ユーザは、障害物80と自車両65の接触・近接を回避する条件の下で、最もバッテリ60の充電効率が良い駐車位置を特定することができる。
【0064】
次に、「最適位置における自車両65と障害物80との間に近接箇所が存在しない場合(S5:NO)」に液晶ディスプレイ15に表示される案内画面の内容について、図7を参照して説明する。図7は、案内画面として表示される最適位置表示画面の一例を示す説明図である。
【0065】
S5からS10に移行すると、CPU41は、最適位置表示画面を液晶ディスプレイ15に表示する。当該最適位置表示画面(図7参照)では、CPU41は、「最適位置を表示している旨」のメッセージを、メッセージ表示部90に表示する。又、CPU41は、最適位置におけるバッテリ60の充電効率(例えば、最大充電効率である90%)を、充電効率表示部91及び充電効率グラフ92に表示する。又、CPU41は、S4で算出された最適位置と、自車両外形情報32及び受電ユニット位置情報33に基づいて、受電ユニット画像94と駐車位置画像96Aを駐車位置表示部93に表示する。
【0066】
従って、ユーザは、最適位置表示画面(図7参照)を視認することで、最適位置におけるバッテリ60の充電効率を把握できる。又、最適位置表示画面では、S4で特定された最適位置が表示されるので、ユーザは、最もバッテリ60の充電効率が良い駐車位置を特定することができる。又、駐車位置表示部93において、駐車位置画像96Aと障害物画像96Cと位置関係が表示されるので、ユーザは、最適位置への駐車を行う際に自車両65が障害物80と接触することなく、最適位置におけるバッテリ60の充電が可能であることを把握できる。
【0067】
続いて、「最適位置で近接箇所が存在し、且つ、回避位置では駐車枠75からはみ出る場合(S7:NO)」に液晶ディスプレイ15に表示される案内画面の内容について説明する。この場合、CPU41は、エラー画面を液晶ディスプレイ15に表示する。当該エラー画面(図示せず)では、CPU41は、「最適位置では障害物80との間に近接箇所が発生する旨」及び「回避位置では駐車枠75から自車両65がはみ出す旨」のメッセージを、メッセージ表示部90に表示する。尚、この時、駐車位置表示部93では、「近接箇所報知画面(図5参照)における駐車位置表示部93の表示態様」や、「回避位置に駐車した場合に駐車枠75からどのようにはみ出すかを示す表示態様」を表示するように構成しても良い。これにより、ユーザは、最適位置への駐車を行う際に自車両65が障害物80と接触する可能性が高く、当該駐車枠75での駐車及び充電が困難であることを把握できる。
【0068】
以上、説明したように、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による車両用充電支援方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラム(以下、ナビゲーション装置1等という)では、超音波センサ52により障害物80が検出され(S1)、障害物80の位置及び形状を考慮して、駐車枠75内で最も効率良くバッテリ60の充電が可能な理想位置(即ち、最適位置又は回避位置)が特定される。そして、当該ナビゲーション装置1等では、案内画面(図5〜図7参照)を液晶ディスプレイ15に表示することにより、理想位置におけるバッテリ60の充電効率をユーザに報知し得る(S10)。従って、当該ナビゲーション装置1等は、より充電効率の良い位置でのバッテリ60の充電を支援し得る。
【0069】
又、当該ナビゲーション装置1等では、最適位置に自車両65が駐車したと仮定した場合に障害物80との近接箇所が存在しなければ(S5:NO)、バッテリの充電効率が最大となる最適位置が理想位置に特定され、案内画面による報知が行われる(図7参照)。従って、ユーザは、障害物80と接触することなく、バッテリ60の充電を行い得る位置を把握し得る。そして、当該ナビゲーション装置1等では、障害物80との近接箇所が存在する場合、障害物80の位置及び形状を考慮して、障害物80との接触を回避しつつ、且つ、最も充電効率の良い回避位置が特定され(S6、S7)、案内画面による報知が行われる(図6参照)。従って、ユーザは、自車両65と障害物80との接触を回避しつつ、駐車枠75周辺の状況下で、最もバッテリ60の充電効率の良い位置を把握し得る。
【0070】
又、駐車動作を完了する前に、駐車位置表示部93において、回避位置での駐車位置を示す駐車位置画像96Aと、駐車枠画像96Bを表示するので、ユーザは、自車両65と障害物80との接触を回避しつつ、駐車枠75周辺の状況下で、最もバッテリ60の充電効率の良い位置をより明確に把握し得る。
【0071】
そして、当該ナビゲーション装置1等では、近接箇所報知画面(図5参照)において、近接箇所マーク98が、最適位置に駐車したと仮定した場合の駐車位置画像96Aと障害物画像96Cの距離が所定値未満である近接箇所に表示される。従って、ユーザは、当該近接箇所の位置を把握することができるので、自車両65と障害物80との接触をより確実に回避することができる。
【0072】
更に、当該ナビゲーション装置1等では、充電効率表示部91及び充電効率グラフ92により、理想位置(即ち、最適位置又は回避位置)に駐車した場合のバッテリ60の充電効率が報知される。従って、ユーザは、充電効率表示部91及び充電効率グラフ92の表示に基づいて、より充電効率の良い位置でのバッテリ60の充電を行い得る。
【0073】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、後退駐車を行う場合について説明したが、この態様に限定されるものではない。即ち、前進駐車を行う場合について考慮しても良い。
【0074】
より具体的には、回避位置表示画面に駐車方向切換ボタン99を設け、当該駐車方向切換ボタン99の入力に従って、後退駐車で回避位置に駐車した場合(図6、図8参照)に加え、前進駐車で回避位置に駐車した場合のバッテリ60の充電効率や自車両65の駐車位置、受電ユニット55の位置を表示するように構成することも可能である。即ち、S6で特定された回避位置と、自車両外形情報32に基づいて、当該回避位置に後退駐車された自車両を180度回転させることにより、前進駐車で回避位置に駐車された場合の自車両の位置を特定し得る。そして、前進駐車で回避位置に駐車された自車両の自車両外形情報32と、受電ユニット位置情報33に基づいて、前進駐車で回避位置に駐車した場合の受電ユニット55の位置を特定できる。更に、この場合の受電ユニット55の位置と、S3で検出した給電ユニット情報に基づいて、回避位置へ前進駐車した場合のオフセット量を算出することができるので、この場合におけるバッテリ60の充電効率を特定し得る。この結果、図9に示すように、前進駐車で回避位置に駐車した場合のバッテリ60の充電効率や自車両65の駐車位置、受電ユニット55の位置を表示可能となる。このように構成することで、ユーザは、回避位置を駐車する際に、前進駐車と後退駐車を選択することが可能となり、バッテリ60の充電効率の良い駐車方向を選択し得る。
【0075】
又、本実施形態においては、カメラ51は、自車両65の後方のみに配設されているものとしたが、前方に配設されていても良いし、前方及び後方に配設されていても良い。そして、本実施形態においては、カメラ51による撮像画像に対して画像認識処理を行うことで、給電ユニット70の位置を特定していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、給電ユニット70自体や、給電ユニット70が配設された駐車場の管理センタ等と通信することにより、自車両65に対する給電ユニット70の位置を特定しても良い。
【0076】
又、本実施形態では、超音波センサ52を用いて、駐車枠75周辺の障害物80の位置及び形状を検出していたが、この態様に限定されるものではない。例えば、レーザー測距計やミリ波レーダを用いて、障害物80の位置及び形状を検出しても良い。
【0077】
又、本実施形態においては、図4に示す充電効率マップ34と、オフセット量に基づいて、バッテリ60の充電効率を特定していたが、この態様に限定されるものではない。ナビゲーション装置1に磁界センサを接続し、磁界強度に基づいて充電効率を特定しても良いし、オフセット量と充電効率の関係を示すテーブルを用いても良い。又、充電効率マップ34に、高さの概念を加えた態様であっても良いし、更に、給電ユニット70と受電ユニット55の角度に応じて充電効率が変化する場合は、角度も考慮するように構成してもよい。更に、給電ユニット70が当該給電ユニット70の配設位置を示す配設位置情報を通信可能な構成であれば、給電ユニット70から当該配設位置情報を取得して、前記オフセット量を算出することにより、バッテリ60の充電効率を特定するように構成しても良い。
【0078】
更に、本実施形態においては、近接箇所報知画面(図5参照)と、回避位置表示画面(図6参照)の切り替えは、回避位置表示ボタン97の入力に基づいて行っていたが、所定時間間隔で切り替える構成であっても良い。
【符号の説明】
【0079】
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
34 充電効率マップ
41 CPU
42 RAM
43 ROM
55 受電ユニット
60 バッテリ
70 給電ユニット
75 駐車枠
80 障害物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両が駐車される駐車枠を検出する駐車枠検出手段と、
前記自車両のバッテリの充電に用いられる受電ユニットに対して非接触給電可能であり、前記駐車枠内に配設された給電ユニットの位置を検出する給電ユニット検出手段と、
前記駐車枠周辺に位置する障害物を検出する障害物検出手段と、
前記障害物に基づいて、前記駐車枠内における前記自車両の理想位置を特定する理想位置特定手段と、
前記理想位置に駐車すると仮定した場合の受電ユニットと前記給電ユニットの間のオフセット量に基づいて、前記バッテリの充電効率を通知する充電効率通知手段と、
を有することを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両用充電支援装置であって、
前記給電ユニットの位置と、自車両における前記受電ユニットの位置に基づいて、前記駐車枠内において、前記バッテリの充電効率が最大となる前記自車両の最適位置を特定する最適位置特定手段と、
前記最適位置に駐車すると仮定した場合に、前記自車両と前記障害物との距離が所定値未満であるか否かを判定する近接状態判定手段と、
前記最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値未満であると判定された場合に、前記駐車枠内における前記自車両と前記障害物との距離が所定値以上となる回避位置を特定する回避位置特定手段と、を有し、
前記理想位置特定手段は、
前記最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値以上であると判定された場合、当該最適位置を前記理想位置に特定し、
前記最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値未満であると判定された場合、前記回避位置を前記理想位置に特定する
ことを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項3】
請求項2記載の車両用充電支援装置であって、
前記回避位置が特定された場合に、前記駐車枠検出手段により検出された駐車枠と、前記回避位置に駐車した場合における自車両の外形と、を表示する回避位置表示手段と、
を有することを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載の車両用充電支援装置であって、
前記近接状態判定手段により、前記最適位置における自車両と前記障害物との距離が所定値未満であると判定された場合に、前記駐車枠検出手段により検出された駐車枠と、前記最適位置に駐車した場合の自車両の外形と、を表示し、前記自車両と前記障害物との距離が所定値未満となる近接部分を通知する近接部分通知手段と、
を有することを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両用充電支援装置であって、
前記充電効率通知手段は、
前記理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率の数値と、
前記バッテリへの最小充電効率と最大充電効率により規定される範囲に対して、前記理想位置に駐車すると仮定した場合のバッテリの充電効率を示すグラフと、
を表示することを特徴とする車両用充電支援装置。
【請求項6】
自車両が駐車される駐車枠を検出する駐車枠検出ステップと、
前記自車両のバッテリの充電に用いられる受電ユニットに対して非接触給電可能であり、前記駐車枠内に配設された給電ユニットの位置を検出する給電ユニット検出ステップと、
前記駐車枠周辺に位置する障害物を検出する障害物検出ステップと、
前記障害物に基づいて、前記駐車枠内における前記自車両の理想位置を特定する理想位置特定ステップと、
前記理想位置に駐車すると仮定した場合の受電ユニットと前記給電ユニットの間のオフセット量に基づいて、前記バッテリの充電効率を通知する充電効率通知ステップと、
を有することを特徴とする車両用充電支援方法。
【請求項7】
コンピュータに搭載され、
自車両が駐車される駐車枠を検出する駐車枠検出機能と、
前記自車両のバッテリの充電に用いられる受電ユニットに対して非接触給電可能であり、前記駐車枠内に配設された給電ユニットの位置を検出する給電ユニット検出機能と、
前記駐車枠周辺に位置する障害物を検出する障害物検出機能と、
前記障害物に基づいて、前記駐車枠内における前記自車両の理想位置を特定する理想位置特定機能と、
前記理想位置に駐車すると仮定した場合の受電ユニットと前記給電ユニットの間のオフセット量に基づいて、前記バッテリの充電効率を通知する充電効率通知機能と、
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−217460(P2011−217460A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81238(P2010−81238)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】