説明

運転操作支援装置及び運転操作支援方法

【課題】運転者の運転操作の意図や自車両の周囲環境に適していない制御介入がなされることによって制御介入に対し運転者が違和感を感じることを防止する。
【解決手段】車両制御コントローラ12が、障害物に車両1が接触することを回避するための車両1の走行経路を回避経路として算出し、運転者の運転状態の危険度と車両1の走行環境の危険度とに基づいて算出された回避経路を自車両が走行するために必要な自車両の制御量を補正し、補正された制御量に従って車両1の走行状態を制御する。このような構成によれば、運転者の状態と車両1の周囲環境の危険度の両方を考慮して運転者の運転操作を支援することができるので、制御介入に対し運転者が違和感を感じることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両の走行時に障害物との接触を回避すべく運転者が障害物に対し行う回避操作を支援する運転操作支援装置及び運転操作支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、障害物との接触を回避するために必要な自車両のヨーレートと自車両の実際のヨーレートの偏差を算出し、算出された偏差に基づいて操舵アシストトルクを制御することにより運転者の操舵操作を支援する運転操作支援装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−8402号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の運転操作支援装置は、運転者の運転操作の意図や自車両の周囲環境を考慮せずに算出された偏差に基づいて操舵アシストトルクを制御する構成になっているために、運転者の運転操作の意図や自車両の周囲環境に適していない制御介入がなされることによって、運転者が制御介入に対し違和感を感じることがある。
【0004】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、運転者の運転操作の意図や自車両の周囲環境に適していない制御介入がなされることによって制御介入に対し運転者が違和感を感じることを防止可能な運転操作支援装置及び運転操作支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る運転操作支援装置及び運転操作支援方法は、障害物に自車両が接触することを回避するための自車両の走行経路を回避経路として算出し、運転者の運転状態の危険度と自車両の走行環境の危険度とに基づいて算出された回避経路を自車両が走行するために必要な自車両の制御量を補正し、補正された制御量に従って自車両の走行状態を制御する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る運転操作支援装置及び運転操作支援方法によれば、運転者の運転状態の危険度と自車両の走行環境の危険度を考慮して運転者の運転操作を支援するので、制御介入に対し運転者が違和感を感じることを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる運転操作支援装置及びその動作(運転操作支援方法)について説明する。
【0008】
〔運転操作支援装置の構成〕
始めに、図1,図2を参照して、本発明の実施形態となる運転操作支援装置の構成について説明する。
【0009】
本発明の実施形態となる運転操作支援装置は、図1に示すように、車両1に搭載され、レーダ2,撮像装置3,画像処理装置4,ヨーレートセンサ5,横G・前後Gセンサ6,車輪速センサ7,操舵角センサ8,ブレーキペダルセンサ9,ブレーキアクチュエータ10,操舵アクチュエータ11,及び車両制御コントローラ12を主な構成要素として備える。
【0010】
レーダ2は、車両1の前方にレーザ光を照射し、レーザ光が照射された物体からの反射光を受光系で受光し、レーザ発射時点と反射光の受光時点との間の時間差を検出することにより、障害物の有無,車両1と障害物との間の距離や障害物の位置を測定する。レーダ2は、測定結果を車両制御コントローラ12に入力する。撮像装置3は、車両1の前部に設けられ、車両1前方の画像を撮像して画像処理装置4に出力する。画像処理装置4は、撮像装置3により撮像された画像に対し画像処理を施すことにより周囲車両や道路環境等の車両1の走行環境情報を検出し、検出結果を車両制御コントローラ12に入力する。レーザ2,撮像装置3,及び画像処理装置4は、図2に示す本発明に係る走行環境認識手段21として機能する。
【0011】
ヨーレートセンサ5は、車両1に発生するヨーレートを検出し、検出値を車両制御コントローラ12に入力する。横G・前後Gセンサ6は、車両1に発生する横加速度G(横G)と前後加速度G(前後G)を検出し、検出値を車両制御コントローラ12に入力する。車輪速センサ7は、車両1の各車輪の回転速度(車輪速度)を検出し、検出値を車両制御コントローラ12に入力する。ヨーレートセンサ5,横G・前後Gセンサ6,及び車輪速センサ7は、図2に示す本発明に係る車両運動状態検出手段22として機能する。
【0012】
操舵角センサ8は、車両1のステアリングの操舵角を検出し、検出値を車両制御コントローラ12に入力する。ブレーキペダルセンサ9は、車両1のブレーキペダルの踏み込み量を検出し、検出値を車両制御コントローラ12に入力する。操舵角センサ8とブレーキペダルセンサ9は、図2に示す本発明に係る運転者操作量検出手段23として機能する。ブレーキアクチュエータ10は、車両1のホイールシリンダに供給される制動液圧を制御することにより、車両1に制動力を発生させて車両1の制動動作を行う。操舵アクチュエータ11は、車両1のステアリングの操舵角を制御することにより、車両1に横力を発生させて車両1の操舵動作を行う。ブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11は、図2に示す本発明に係る車両運動制御手段24として機能する。
【0013】
車両制御コントローラ12は、マイクロコンピュータにより構成され、レーダ2,画像処理装置4,ヨーレートセンサ5,横G・前後Gセンサ6,車輪速センサ7,操舵角センサ8,及びブレーキペダルセンサ9から入力された情報に基づきブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11の動作を制御する。車両制御コントローラ12は、内部のCPUが制御プログラムを実行することにより、図2に示す本発明に係る回避経路生成手段25,車両制御量算出手段26,車両制御量補正手段27,運転者危険度算出手段28,及び環境危険度算出手段29として機能する。
【0014】
〔運転操作支援処理〕
このような構成を有する運転操作支援装置では、車両制御コントローラ12が以下に示す運転操作支援処理を実行することにより、車両1の走行時に障害物との接触を回避すべく運転者が障害物に対し行う回避操作を支援する。以下、図3に示すフローチャートを参照して、この運転操作支援処理を実行する際の車両制御コントローラ12の動作について説明する。図3に示すフローチャートは、車両1のイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に切り替わったタイミングで開始となり、運転操作支援処理はステップS1の処理に進む。
【0015】
ステップS1の処理では、車両制御コントローラ12が、レーダ2と画像処理装置34からの入力情報を利用して車両1が走行可能な領域(以下“走行路”と表記)と走行路内に存在する物体を検出する。なお、走行路の検出方法は本願発明の出願時点で既に公知であるので詳細な説明を省略する。走行路の検出方法の詳細については例えば特許第3521860号公報を参照されたい。これにより、ステップS1の処理は完了し、運転操作支援処理はステップS2の処理に進む。
【0016】
ステップS2の処理では、車両制御コントローラ12が、ステップS1の処理結果を利用して、車両1と接触する可能性がある物体(以下“障害物”と表記)が走行路内に存在するか否かを判別する。なお、障害物の検出方法は本願発明の出願時点で既に公知であるので詳細な説明を省略する。障害物の検出方法の詳細については例えば特開2000−207693号公報を参照されたい。判別の結果、障害物が走行路内に存在しないと判定された場合、車両制御コントローラ12は運転操作支援処理をステップS1の処理に戻す。一方、障害物が走行路内に存在すると判定された場合には、車両制御コントローラ12は運転操作支援処理をステップS3の処理に進める。
【0017】
ステップS3の処理では、車両制御コントローラ12が、ステップS1の処理により検出された走行路の情報とヨーレートセンサ5,横G・前後Gセンサ6,及び車輪速センサ7からの入力情報とを利用して、車両1の走行路及び運動状態を考慮した障害物との接触を回避するための車両1の走行経路を回避経路として生成(算出)する。なお走行制御コントローラ12は、図4に示すように、運転者が車両1のブレーキペダルを踏み込んで制動操作を開始した場合、右方向への操舵操作を開始した場合、及び左方向に操舵操作を開始した場合、それぞれの場合に適合する複数の回避経路R1,R2,R3を生成するようにしてもよい。またこの時、走行制御コントローラ12は、走行路の範囲内から外れる回避経路や運転者による車両1の操作では障害物との接触を回避できない回避経路は生成しない。
【0018】
具体的には、運転者が制動操作を開始した場合に適合する回避経路R1を生成する場合、車両制御コントローラ12は、始めに、ヨーレートセンサ5,横G・前後Gセンサ6,及び車輪速センサ7からの入力情報と車両1のタイヤ特性を考慮して障害物との接触を回避するための車両1の減速度を設定し、設定された減速度によって車両1が障害物との接触を回避できるか否かを判別する。回避可能と判定された場合、次に、車両制御コントローラ12は減速度のみの車両制御による回避経路を走行路の範囲内で算出し、逆に回避不可能と判定された場合には、必要最低限の横力を発生させることで障害物との接触を回避する回避経路を走行路の範囲内で算出する。但し、横力に関しては、車両1のタイヤ特性を考慮した上限値を設定しておき、この上限値を超える横力が必要となる場合、走行制御コントローラ12は回避経路を算出しない。
【0019】
同様に運転者が操舵操作(右方向への操舵操作,左方向への操舵操作)を開始した場合に適合する回避経路R2,R3を生成する場合、車両制御コントローラ12は、始めに、ヨーレートセンサ5,横G・前後Gセンサ6,及び車輪速センサ7からの入力情報と車両1のタイヤ特性を考慮して障害物との接触を回避するための車両1の横加速度を設定し、設定された横加速度によって障害物との接触を回避できるか否かを判別する。回避可能と判定された場合、次に、車両制御コントローラ12は横加速度のみの車両制御による回避経路を走行路の範囲内で算出し、逆に回避不可能と判定された場合には、必要最低限の制動力を発生させることで障害物との接触を回避する回避経路を走行路の範囲内で算出する。但し、制動力に関しても車両1のタイヤ特性を考慮した上限値を設定しておき、この上限値を超える制動力が必要となる場合には、走行制御コントローラ12は回避経路を算出しない。また横加速度のみの車両制御による回避経路を算出した場合であっても、車両1が障害物の近くを算出する際にはできるだけ車速を落として通過した方が一般的に安全であるので、上述の上限値を超えない範囲の制動力を付加した回避経路を算出してもよい。これにより、ステップS3の処理は完了し、運転操作支援処理はステップS4の処理に進む。
【0020】
ステップS4の処理では、車両制御コントローラ12が、操舵角センサ8及びブレーキペダルセンサ9からの入力情報に基づいて、ステップS3の処理により算出された回避経路に沿って車両1が走行するために必要なブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11の制御量を算出する。これにより、ステップS4の処理は完了し、運転操作支援処理はステップS4の処理に進む。
【0021】
ステップS5の処理では、車両制御コントローラ12が、運転者の運転状態の危険度を算出する。本実施形態では、車両制御コントローラ12はGPS等の位置検出装置により検出された車両の現在位置と回避経路との偏差を算出する。そして車両制御コントローラ12は、算出された偏差が所定値未満である場合、運転者の運転状態の危険度は低いと判定し、算出された偏差が所定値以上である場合には、運転者の運転状態の危険度は高いと判定する。なお車両制御コントローラ12は、運転者の覚醒度や運転操作への集中度を運転者の運転状態の危険度として計測,推定するようにしてもよい。これにより、ステップS5の処理は完了し、運転操作支援処理はステップS6の処理に進む。
【0022】
ステップS6の処理では、車両制御コントローラ12が、車両1の走行環境の危険度を算出する。本実施形態では、車両制御コントローラ12は、障害物と車両1との間の距離及び障害物と車両1の相対速度の情報を利用して、障害物に車両1が接触するまでの予測時間TTCを算出する。なお、障害物と車両1との間の距離はレーダ2からの入力情報により算出でき、車両1と障害物の相対速度は例えば算出された距離を微分することによって算出できる。そして車両制御コントローラ12は、算出された予測時間TTCが所定値TTTC以上である場合、車両1の走行環境の危険度は低いと判定し、算出された予測時間TTCが所定値TTTC未満である場合には、車両1の走行環境の危険度は高いと判定する。なお車両制御コントローラ12は、障害物に車両1が接触するまでの予測時間TTCと合わせて、車両1が走行路を逸脱するまでの予測時間TLC,障害物の移動速度,車両1の車輪速度等を考慮した危険度評価関数を設定することにより、複数のパラメータを用いて車両1の走行環境の危険度を算出するようにしてもよい。これにより、ステップS6の処理は完了し、運転操作支援処理はステップS7の処理に進む。
【0023】
ステップS7の処理では、車両制御コントローラ12が、ステップS5の処理により算出された運転者の運転状態の危険度とステップS6の処理により算出された車両1の走行環境の危険度とに基づいて、ステップS4の処理より算出されたブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11の制御量を補正する。具体的には、車両制御コントローラ12は、運転者の運転状態の危険度と車両1の走行環境の危険度の双方が低い場合、図5に示すように、ブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11の制御量を小さくすることにより運転者による操作主導の制御量とする。一方、運転者の運転状態の危険度と車両1の走行環境の危険度の双方が高い場合には、車両制御コントローラ12はブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11の制御量を補正しないことにより装置主導の制御量とする。
【0024】
なお図5中の濃淡は制御ゲインを示し、黒色に近い程、制御ゲインは0に近くなり、逆に白色に近い程、制御ゲインは1に近くなる。また車両制御コントローラ12は、図6に示すように、車両1の走行環境の危険度が高い場合には、運転者の運転状態の危険度に関係なく装置主導の制御量となるようにブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11の制御量を補正するようにしてもよい。これは、障害物に車両1が接触するまでの予測時間TTCや車両1が走行路を逸脱するまでの予測時間TLCが短くなることにより車両1の走行環境の危険度が高くなった場合、車両1と障害物や走行路境界との間の距離が短くなるために、走行環境認識手段21として機能するレーザ2,撮像装置3,及び画像処理装置4に高い検出精度が求められ、また障害物との接触を回避するために素早い運転操作が必要になるためである。これにより、ステップS7の処理は完了し、運転操作支援処理はステップS8の処理に進む。
【0025】
ステップS8の処理では、車両制御コントローラ12が、ステップS7の処理後の制御量によりブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11を制御することにより、ステップS3の処理により生成された回避経路に沿って車両1が走行するようにブレーキアクチュエータ10及び操舵アクチュエータ11を制御する。これにより、ステップS8の処理は完了し、運転操作支援処理はステップS9の処理に進む。
【0026】
ステップS9の処理では、車両制御コントローラ12が、車両1と障害物の接触の可能性がなくなったか否かを判別する。判別の結果、接触の可能性がなくなっていない場合、車両制御コントローラ12は、現在の制御状態を維持し、接触の可能性がなくなったタイミングで運転操作支援処理をステップS1の処理に戻して他の障害物に対する運転操作支援処理を実行する。
【0027】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となる運転操作支援装置では、車両制御コントローラ12が、障害物に車両1が接触することを回避するための車両1の走行経路を回避経路として算出し、運転者の運転状態の危険度と車両1の走行環境の危険度とに基づいて算出された回避経路を自車両が走行するために必要な自車両の制御量を補正し、補正された制御量に従って車両1の走行状態を制御する。このような構成によれば、運転者の状態と車両1の周囲環境の危険度の両方を考慮して運転者の運転操作を支援することができるので、制御介入に対し運転者が違和感を感じることを防止できる。
【0028】
また本発明の実施形態となる運転操作支援装置では、車両制御コントローラ12は、運転者の運転状態の危険度及び車両1の走行環境の危険度が低い場合、車両1の制御量を小さくし、運転者の運転状態の危険度又は車両1の走行環境の危険度が高い場合には、車両1の制御量を補正しない。このような構成によれば、運転者が障害物との接触を回避するための正しい判断と操作をしていれば、算出された回避経路と車両1の実際の走行経路とが異なっていても車両1の制御量が弱くなるので、制御介入に対する運転者の違和感を軽減できると共に車両1が障害物と接触する可能性がある時には運転者の運転操作を支援することができいる。
【0029】
また本発明の実施形態となる運転操作支援装置では、車両制御コントローラ12は、車両1の走行環境の危険度が高い場合、運転者の運転状態の危険度と関係なく自車両の制御量を補正しない。このような構成によれば、障害物と車両1との間の距離が短い場合等、車両1が障害物と接触する可能性が極めて高い場合には、運転者の状態に関係なく運転者の運転操作を支援することができる。
【0030】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。例えば車両制御コントローラ12は、走行路及び障害物の検出結果の信頼度を算出し、算出された信頼度に従って図4や図5に示す制御ゲインを変更するようにしてもよい。なお信頼度の指標としては、レーダ2の反射光強度,画像処理装置4により検出された画像の濃度等を用いことができる。また制御ゲインの変更方法としては、図7に示すように、信頼度が低い場合は運転者による操作主導の制御ゲインとなる領域R1を領域R1’へと広げ、装置主導の制御ゲインとなる領域R2を領域R2’に狭める。このような処理によれば、走行路及び障害物の検出結果の信頼度が低い場合は運転者が制御介入に対し違和感を感じることを防止し、逆に信頼度が高い場合には運転者自身による回避操作を確実に支援することにより、走行路及び障害物の検出結果の信頼度を運転操作支援処理に反映させることができる。このように、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態となる運転操作支援装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す運転操作支援装置の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態となる運転操作支援処理の流れを示すフローチャート図である。
【図4】図3に示す運転操作支援処理より生成される回避経路の一例を示す図である。
【図5】運転者及び環境の危険度と制御ゲインの関係を示す図である。
【図6】運転者及び環境の危険度と制御ゲインの他の関係を示す図である。
【図7】走行路及び障害物の検出結果の信頼度に応じて運転者及び環境の危険度と制御ゲインの関係を変更する方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0032】
1:車両
2:レーダ
3:撮像装置
4:画像処理装置
5:ヨーレートセンサ
6:横G・前後Gセンサ
7:車輪速センサ
8:操舵角センサ
9:ブレーキペダルセンサ
10:ブレーキアクチュエータ
11:操舵アクチュエータ
12:車両制御コントローラ
21:走行環境認識手段
22:車両運動状態検出手段
23:運転者操作量検出手段
24:車両運動制御手段
25:回避経路生成手段
26:車両制御量算出手段
27:車両制御量補正手段
28:運転者危険度算出手段
29:環境危険度算出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行路と当該走行路内に存在する障害物を認識する走行環境認識手段と、
自車両の走行状態を検出する車両運動状態検出手段と、
前記走行環境認識手段により認識された自車両の走行路と前記車両運動状態検出手段により検出された自車両の走行状態に基づいて、前記走行環境認識手段により認識された障害物に自車両が接触することを回避するための自車両の走行経路を回避経路として算出する回避経路算出手段と、
自車両の運転者の運転操作量を検出する運転者操作量検出手段と、
前記運転者操作量検出手段により検出された運転操作量に基づいて、前記回避経路算出手段により算出された回避経路を自車両が走行するために必要な自車両の制御量を算出する車両制御量算出手段と、
前記運転者の運転状態の危険度を算出する運転者危険度算出手段と、
自車両の走行環境の危険度を算出する環境危険度算出手段と、
前記運転者危険度算出手段により算出された運転者の運転状態の危険度と前記環境危険度算出手段により算出された自車両の走行環境の危険度とに基づいて、前記車両制御量算出手段により算出された自車両の制御量を補正する制御量補正手段と、
前記制御量補正手段により補正された制御量に従って自車両の走行状態を制御する車両運動制御手段と
を備えることを特徴とする運転操作支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転操作支援装置において、
前記制御量補正手段は、前記運転者危険度算出手段により算出された運転者の運転状態の危険度及び前記環境危険度算出手段により算出された自車両の走行環境の危険度が低い場合、前記車両制御量算出手段により算出された自車両の制御量を小さくし、前記運転者危険度算出手段により算出された運転者の運転状態の危険度又は前記環境危険度算出手段により算出された自車両の走行環境の危険度が高い場合には、前記車両制御量算出手段により算出された自車両の制御量を補正しないことを特徴とする運転操作支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の運転操作支援装置において、
前記制御量補正手段は、前記環境危険度算出手段により算出された自車両の走行環境の危険度が高い場合、前記運転者危険度算出手段により算出された運転者の運転状態の危険度と関係なく、前記車両制御量算出手段により算出された自車両の制御量を補正しないことを特徴とする運転操作支援装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の運転操作支援装置において、
前記走行環境認識手段は、認識結果の信頼度を算出する信頼度算出手段を備え、前記制御量補正手段は、前記信頼度算出手段により算出された信頼度が低い場合、前記運転者危険度算出手段により算出された運転者の運転状態の危険度及び前記環境危険度算出手段により算出された自車両の走行環境の危険度が低い際にする自車両の制御量の補正量を信頼度が高い場合よりも小さくすることを特徴とする運転操作支援装置。
【請求項5】
自車両の走行路と当該走行路内に存在する障害物を認識する第1処理と、
自車両の走行状態を検出する第2処理と、
前記第1処理により認識された自車両の走行路と第2処理により検出された自車両の走行状態に基づいて、前記第1処理により認識された障害物に自車両が接触することを回避するための自車両の走行経路を回避経路として算出する第3処理と、
自車両の運転者の運転操作量を検出する第4処理と、
前記第4処理により検出された運転操作量に基づいて、前記第3処理により算出された回避経路を自車両が走行するために必要な自車両の制御量を算出する第5処理と、
前記運転者の運転状態の危険度を算出する第6処理と、
自車両の走行環境の危険度を算出する第7処理と、
前記第6処理により算出された運転者の運転状態の危険度と前記第7処理により算出された自車両の走行環境の危険度とに基づいて、前記第5処理により算出された自車両の制御量を補正する第8処理と、
前記第8処理により補正された制御量に従って自車両の走行状態を制御する第9処理と
を有することを特徴とする運転操作支援方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−105553(P2010−105553A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280034(P2008−280034)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】