説明

電子的プログラマブル・アンチヒューズおよびそれにより形成された回路

【課題】 電子的プログラマブル・アンチヒューズおよびそれにより形成された回路を提供することにある。
【解決手段】 アンチヒューズ・デバイス(120)は、バイアス・エレメント(124)とアンチヒューズ・エレメント(128)との間に位置する出力ノード(F)を有する分圧器を形成するために、互いに直列に配置されたバイアス・エレメントとプログラマブル・アンチヒューズ・エレメントとを含む。アンチヒューズ・デバイスがそのプログラム化されていない状態にあるときに、バイアス・エレメントとアンチヒューズ・エレメントのそれぞれは非導電性になる。アンチヒューズ・エレメントがそのプログラム化された状態にあるときに、バイアス・エレメントは非導電性のままであるが、アンチヒューズ・エレメントは導電性になる。そのプログラム化されていない状態とプログラム化された状態とのアンチヒューズ・エレメントの抵抗の差により、1Vの電圧がアンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに出力ノードで見られる電圧の差が数百ミリボルト程度になる。この電圧差は、単純な感知回路を使用して容易に感知できるほど大きいものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、集積回路の分野に関する。特に、本発明は、プログラマブル電子アンチヒューズ(antifuse)およびそれにより形成された回路を対象とする。
【背景技術】
【0002】
プログラマブル・ヒューズおよびアンチヒューズは、様々な集積回路(IC)において有用なデバイスである。プログラマブル・ヒューズおよびアンチヒューズにより、IC設計者は様々な回路を「個別設定」またはカスタム構成して、所望の機能をそれぞれの回路に提供するか、1つまたは複数の欠陥エレメントを迂回するように回路を再構成するか、冗長エレメントまたは回路を使用して欠陥エレメントまたは回路を交換するか、あるいはこれらの組み合わせを行うことができる。プログラマブル・ヒューズは、そのプログラム化されていない状態では閉じており、プログラム化されると開いているデバイスである。一般に、プログラマブル・ヒューズは、可溶性導電リンクがもはや回路を閉じないようにプログラミング中に切断される可溶性導電リンクを有する。
【0003】
プログラマブル・ヒューズは一般に、レーザ・プログラマブル・タイプまたは電子的プログラマブル・タイプのいずれかである。いずれのタイプでも、可溶性導電リンクは、リンクを溶解させるようにリンクを十分加熱することによって切断される。レーザ・プログラマブル・タイプのヒューズでは、導電リンクを溶解するエネルギーをレーザが提供する。電子的プログラマブル・タイプでは、導電リンクの抵抗加熱によりリンクが溶解するように、比較的大きい電流が導電リンクを通過する。レーザ・プログラマブル・ヒューズは、ICがカプセル化されパッケージ化された後でヒューズをプログラム化することが望ましい場合が多いために、多くのICでは適切ではない。これは、レーザ・プログラマブル・ヒューズを溶解するためにそれらにレーザ・ビームを照射できるようにレーザ・プログラマブル・ヒューズを露出しなければならないからである。従来の電子的プログラマブル・ヒューズは一般に、必要なプログラミング電圧および電流が高く、いくつかのヒューズを形成するために必要な非CMOS形成技術によりICを形成する際の全体的なコストおよび複雑さが増加するために、今日のCMOSベースのIDには望ましいものではない。
【0004】
これに反して、プログラマブル・アンチヒューズは、そのプログラム化されていない状態では開いており、プログラム化されると閉じているデバイスである。従来、アンチヒューズは、絶縁領域によって分離された2つの導電領域を有し、その絶縁領域が2つの導電領域を互いに電気的に絶縁するものである。そのプログラム化されていない状態では、アンチヒューズは一般に、一方の導電領域からもう一方の導電領域へ電流が移行しないコンデンサとして動作する。しかし、プログラム化されると、絶縁領域の絶縁能力が少なくとも部分的に破壊され、電流は2つの導電領域間で流れることができる。典型的には、アンチヒューズをプログラム化すると、2つの導電領域間の絶縁領域内で延びる導電フィラメントが形成される。
【0005】
現在まで、いくつかのタイプのプログラマブル・アンチヒューズ・デバイスが提案され、様々なICで使用されてきた。一般に、これらのタイプはいずれも電子的プログラマブルであり、すなわち、これらの領域間の絶縁領域を十分に破壊させて、それを少なくとも部分的に導電性にするのに十分な高さの電圧でアンチヒューズの導電領域を充電することによってプログラム可能なものである。あるタイプのプログラマブル・アンチヒューズは金属酸化物金属(metal-oxide-metal)アンチヒューズである。アンチヒューズの金属導電部分を形成するために非標準処理技法が必要であるので、このタイプのアンチヒューズ構造はCMOBベースのICでは望ましいものではない。
【0006】
他のタイプの従来のプログラマブル・アンチヒューズは、その絶縁領域が多結晶シリコンで形成されている多結晶シリコン・アンチヒューズである。このタイプのアンチヒューズはCMOS処理技法に適合しているが、既存の多結晶シリコン・アンチヒューズは、典型的には、アンチヒューズを含むICの通常動作中に必要なものより高い電圧で10mA〜15mAのプログラミング電流を必要とする可溶性リンクを含む。その結果として、このような多結晶シリコン・アンチヒューズ用のプログラミング電流を運ぶ配線は堅固なものである必要がある。このため、アンチヒューズおよび関連配線に必要な面積が増加する。加えて、既存のコバルト・シリサイド多結晶シリコン・アンチヒューズは、そのプログラム化されていない状態からそのプログラム化された状態へ、比較的小さい抵抗の変化のみを経験する。したがって、このような小さい抵抗の変化を感知するために必要な感知回路は非常に堅固かつ複雑なものでなければならない。このような感知回路は多くのエレメントを必要とし、その抵抗トリップ・ポイント(resistive trip point)は、抵抗分布(resistive distribution)内の大きいテール(tail)を管理するために頻繁に調整する必要がある可能性がある。
【0007】
より最近では、アンチヒューズ設計者は、IC内のアンチヒューズ・デバイスの密度を改善し、現在の多結晶シリコン・アンチヒューズ技術より少なくとも2桁だけプログラミング電流を低減しようとして、現在の酸化物技術を使用してきた。プログラミング配線のサイズを低減することに加えて、このような低いプログラミング電流を、たとえば、マイクロアンペア領域において、達成することの追加の利点は、数百個またはそれ以上のアンチヒューズを一度にプログラム化できることであり、それにより、すべてのアンチヒューズをプログラム化するために必要な時間が短縮される。トレンチまたは酸化薄膜(thin-oxide)電界効果トランジスタ(FET)構造を使用する最近の努力は、プログラミング電流に関して非常に良好な結果をもたらしている。このようなアンチヒューズは1μA程度しか必要としない。しかし、プログラム化された状態では、これらのアンチヒューズの抵抗は典型的にはメガオーム領域にある。このような高抵抗ヒューズを感知するための技法は、従来技術、たとえば、数ある文献の中で、本発明の譲受人によって所有され、「Imbalanced Sense Amplifier Fuse Detection Circuit」という発明の名称の米国特許第6426668号に示されている。
【0008】
半導体材料で形成された導電領域を有するアンチヒューズの基本的な問題は、たとえば、アンチヒューズがCMOS FET構造から形成される場合、プログラミングの結果として得られる導電フィラメントが高度に非線形の抵抗を有することである。このようなアンチヒューズのこの特性は、FETのゲートおよびチャネルから、ゲートとチャネルとの間のゲート酸化膜絶縁層内へのドーパント原子の移動によるものである。その結果として、抵抗は、高電圧では低いが、プログラミング後にアンチヒューズが動作することになる低電圧では非常に高くなる。プログラム化された状態の非常に高い抵抗の結果として、アンチヒューズのプログラム化された状態を感知するために前述の複雑な感知回路を使用しなければならない。このような感知回路は、存在し、プログラム化されていない抵抗とプログラム化された抵抗とのわずかな差を区別する際に有効であるが、典型的には、ノイズ、電圧変動、およびプロセス変動に対して敏感な動的設計を有する比較的大きい回路になる。このような大きい感知回路の結果として、アンチヒューズ密度が低下し、回路の複雑さが増加する。
【特許文献1】米国特許第6426668号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記を考慮すると、単純な感知回路によって確実に感知することができるプログラム化されていない抵抗とプログラム化された抵抗との間の数桁分の変化を有し、従来のCMOS処理に容易に統合できるアンチヒューズ技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、本発明は、その両端間の電圧で動作可能なアンチヒューズ・デバイスを対象とする。このアンチヒューズ・デバイスは、第1の導電領域と、第2の導電領域と、第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する第1のエレメントを有する。トンネル領域は、電圧がアンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに第1のエレメントの第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように、動作的に構成される。第2のエレメントは、第1の導電領域と、第2の導電領域と、第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する。トンネル領域は、電圧がアンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに第2のエレメントの第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように、動作的に構成される。出力ノードは、第1のエレメントと第2のエレメントとの間に電気的に結合される。
【0011】
他の態様では、本発明は、機能回路と、機能回路に動作的に接続された少なくとも1つのアンチヒューズ・デバイスとを有する集積回路チップを対象とする。この少なくとも1つのアンチヒューズ・デバイスは、第1の導電領域と、第2の導電領域と、第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する第1のエレメントを有する。トンネル領域は、電圧がアンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに第1のエレメントの第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように、動作的に構成される。第2のエレメントは、第1の導電領域と、第2の導電領域と、第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する。トンネル領域は、電圧がアンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに第2のエレメントの第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように、動作的に構成される。出力ノードは、第1のエレメントと第2のエレメントとの間に電気的に結合される。プログラミング回路は、第2のエレメントと電気的に連絡しており、プログラミング回路が通電されたときに第2のエレメントのトンネル領域が導電性になるように、動作的に構成される。
【0012】
本発明を例示するために、添付図面は、現在好ましい本発明の一形式を示している。しかし、本発明は、添付図面に図示されている正確な配置および手段に制限されないことを理解されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に添付図面を参照すると、図1は、番号100によって一般に示されている本発明による集積回路(IC)チップを示している。チップ100は、数ある中で、アプリケーション固有のIC(ASIC)チップ、メモリ・チップ、マイクロプロセッサ・チップ、またはシステム・オン・チップ(system-on-chip)などの任意のタイプのICチップにすることができる。チップ100は、特定の設計に適合するために必要な任意の1つまたは複数の機能を提供することができる。たとえば、チップ100は、数ある中で、たとえば、メモリ回路、入出力回路、通信回路、または論理回路、あるいはこれらの組み合わせを収容する様々な領域104を含むことができる。当業者であれば、チップ100が提供する特定の機能(複数も可)が本発明の理解にとって重要ではないことが容易に分かるであろう。したがって、これらの機能については本明細書では説明しない。
【0014】
チップ100は、1つまたは複数の電子的プログラマブル・アンチヒューズ・デバイス112または各アンチヒューズ・デバイスのプログラミング状態を感知するための感知回路116あるいはその両方を収容する少なくとも1つのアンチヒューズ領域108を含むことができる。一般に、各アンチヒューズ・デバイス112は、所望の機能をそれぞれの回路に提供するか、1つまたは複数の欠陥エレメントを迂回するように回路を再構成するか、冗長エレメントまたは回路を使用して欠陥エレメントまたはセグメントを交換するか、あるいはこれらの組み合わせを行うように、チップ100上の領域104内の様々な回路(図示せず)の個別設定またはカスタム構成などのタスクに有用なプログラム化された状態とプログラム化されていない状態とを有する。アンチヒューズの使用法は当技術分野で十分確立され実施されているので、アンチヒューズ・デバイス112および感知回路116の使用法のより詳細な説明は本明細書では不要である。
【0015】
図2は、図1のチップ100の各アンチヒューズ・デバイス112に使用可能な本発明のアンチヒューズ・デバイス120を示している。アンチヒューズ・デバイス112は、互いに直列に電気的に接続されたトンネル・バイアス・エレメント124とトンネル・アンチヒューズ・エレメント128という2つの基本エレメントを収容しているので、「2エレメント」デバイスと呼ぶこともできる。一般に、バイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128のそれぞれは、第1の導電領域132B、132Aと、第2の導電領域136B、136Aとを有することができ、それぞれトンネル領域140B、140Aによって互いに分離されている。各トンネル領域140B、140Aは、特定の電圧がエレメント124、128の両端間に印加されたときに誘電材料の測定可能な破壊なしにトンネル電流がそれぞれの第1および第2の導電領域132B、136B、132A、136Aの間を流れることができるようにする電気的厚さまたは物理的厚さあるいはその両方を有する誘電材料を有する。古典的なトンネル電流は、数ある中で、いわゆる「トンネル・ダイオード」などの従来の回路エレメントで使用される十分に確立された現象である。したがって、古典的なトンネル電流およびトンネル電流の背後にある物理的現象の詳細な説明は、当業者が本発明をその広範な限界まで実施するためには不要である。
【0016】
これに関して、本明細書および特許請求の範囲で使用される「トンネル電流」という用語は、古典的なトンネル電流のみならず、古典的なトンネル電流が存在しなくても特定の誘電材料を越えて存在することができる漏れ電流も含むものとすることは留意すべきである。「トンネル電流」のこの定義では、たとえば、本質的に漏れやすい誘電材料、たとえば、酸化タンタル、または層を漏れやすいものにする不純物が施された本質的に漏れやすくない材料のいずれかを有する「漏れやすい」誘電体層を使用することにより、トンネル電流程度の大きさを有する電流をトンネル効果なしで達成できることを認識している。典型的には、あるエレメントを流れる漏れ電流は、多かれ少なかれ、そのエレメントが「導電性」であるときにそのエレメントを流れる電流より2桁程度小さいものになり、この「導電性」という用語については以下に定義される。同様に、「トンネル・バイアス・エレメント」、「トンネル・アンチヒューズ・エレメント」、「トンネル領域」という用語および同様の用語は、それを越えるトンネル電流または漏れ電流のいずれかあるいはその両方を有するエレメントを包含するものとする。加えて、そうでなければ電流が流れることを可能にしない誘電体層を越えてトンネル電流または漏れ電流あるいはその両方をエレメントが伝導することを示すために、バイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128などのエレメントに関して本明細書および特許請求の範囲で「本質的に非導電性」という用語が使用されることも留意すべきである。対照的に、このようなエレメントに関して本明細書および特許請求の範囲で使用される「導電性」という用語は、主にトンネルまたは漏れあるいはその両方以外のモードによって電流がそのエレメントを流れる程度まで、たとえば、導電フィラメントの形成により、誘電体層が変更されたことを示す。
【0017】
バイアス・エレメント124およびトンネル・エレメント128のそれぞれは、数ある中で、平行板コンデンサまたは電界効果トランジスタ(FET)などの任意の適切なデバイスを使用して実現することができる。バイアス・エレメント124またはアンチヒューズ・エレメント128あるいはその両方が後述するようにFETとして実現される場合、それらはnFETデバイスまたはpFETデバイスのいずれかとして実現することができ、特定の設計に適合するために必要な反転または蓄積モードのいずれかで使用することができる。しかし、バイアス・エレメント124およびトンネル・エレメント128は様々な形を取ることができるが、以下の説明の多くはpFETデバイスであるエレメントを対象とすることは留意すべきである。一般に、これは、これらのデバイスが最も普及しており、IC製造業界で現在広く使用されている従来のCMOS処理技法を使用して容易に形成されることによる。したがって、当業者であれば、任意の適切な非pFETデバイスでバイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128を実現する方法を理解するであろう。
【0018】
導電領域132B、136B、132A、136Aは、金属材料または半導体材料などの任意の適切な導電材料から形成することができる。バイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128が平行板コンデンサまたはFETのいずれかである場合、トンネル領域140B、140Aは、たとえば、二酸化シリコン、窒化シリコン、またはその他の誘電材料を有する誘電体層を有することになる。
【0019】
アンチヒューズ・デバイス120は、バイアス・エレメント124とアンチヒューズ・エレメント128との間に位置する出力ノードFをさらに含む。バイアス・エレメント124は、パワー・レール(power rail)144(または、nFETデュアルのアンチヒューズ・デバイスなどの特定の諸実施形態ではグラウンド・レール(groundrail))に接続することができ、アンチヒューズ・エレメント128はパワー・レール148に接続することができる。当業者であれば分かるように、バイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128はそれぞれ、図示の通り、レール144と148との間に接続されたときにトンネル電流を通すように設計されているので、これらのエレメントは、たとえ比較的大きいものであっても、有限の抵抗を有する抵抗エレメントと見なすことができる。したがって、後述の通り、アンチヒューズ・デバイス120は、単純な分圧器と同様の特性を有し、ノードFに現れる出力電圧FOUTは、バイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128の相対抵抗を調整することによって制御することができる。
【0020】
一般に、バイアス・エレメント124とプログラム化されていないアンチヒューズ・エレメント128の相対抵抗は、そのプログラム化されていない状態でバイアス・エレメントおよびアンチヒューズ・エレメントを通過することができるトンネル電流の量を調整することによって調整することができる。一実施形態では、バイアス・エレメント124とアンチヒューズ・エレメント128のそれぞれは、図3に図示されている通り、従来のFET構造152を使用して形成することができる。FET構造152は、CMOS処理技法などの従来の処理技法を使用して形成されたソース156,ドレイン160、チャネル164、ゲート168、およびゲート酸化膜層172を含むことができる。バイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128のそれぞれがFET構造152などのFET構造で実施されると、酸化物層の所与の誘電材料の場合、酸化物層の物理的厚さが減少し、ゲートの面積が増加するにつれて、トンネル電流が増加する(しかも抵抗が減少する)ので、酸化物層172を通るトンネル電流に影響を及ぼす変数としては酸化物層の物理的厚さおよび酸化物層と接触しているゲート168の物理的面積を含む。
【0021】
その他の変数が等しい場合、トンネル注入領域176が酸化物層172に隣接して設けられると、トンネル電流が増加する(しかも抵抗が減少する)可能性もある。トンネル注入領域176には、トンネル効果を促進する特定のドーパントを注入することができる。たとえば、FET構造152がp型である場合、注入領域176には大きい投与量のリン原子を注入することができる。FET構造152がn型である場合、注入領域176には大きい投与量のホウ素原子を注入することができる。当業者であれば、その他のドーパントを使用できることが分かるであろう。
【0022】
もう一度、図2を参照し、さらに図3も参照すると、トンネル電流がバイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128のそれぞれに存在するためには、トンネル領域140B、140Aは典型的には非常に薄いものになる。たとえば、従来のCMOS処理を使用して形成されるときにゲート酸化膜層172に一般に使用される誘電体である二酸化シリコンでトンネル領域140B、140Aが形成される場合、ゲート酸化膜層の厚さは約17Åまたはそれ以下になる。アンチヒューズ・エレメント128の一例のトンネル電流は、ゲート酸化膜層172が厚さ17Åの二酸化シリコン層であるときに1Vで約2.28nA(酸化物層面積1μm2あたり)であることがこれまでに観測されている。一般に、形成されるゲート酸化膜層172が薄くなるほど、トンネル電流が高くなる。ゲート168の面積は、特定の設計に適合するために必要な任意のサイズにすることができる。ゲート168の長さまたは幅あるいはその両方を変更することに加えて、ゲート面積を増加させるために、ゲート168’は、図4および図5に図示されているような複数のセグメント180を含むことができる。図4および図5では、ゲート168’は5つのセグメント180を有し、そのうちの3つはFET構造152’の接合部の上に延びている。
【0023】
図6は、バイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128のそれぞれがpFET192、196としてそれぞれ実現されている図2のアンチヒューズ・デバイス120に対応する例示的なアンチヒューズ・デバイス構造188を示している。一般に、アンチヒューズpFET196のゲート面積に対するバイアスpFET192のゲート面積の比率が1:1またはそれ以上である場合、ノードFで見られる電圧(FOUT)は、アンチヒューズpFETがプログラム化されていないときに、アンチヒューズ・デバイス120の両端間の電圧、たとえば、Vddの比較的大きい分数になる。図7は、アンチヒューズpFET196がプログラム化されておらず、アンチヒューズ・デバイスの両端間の電圧が1ボルトであるときのアンチヒューズpFET196のゲート面積に対するバイアスpFET192のゲート面積の様々な比率の場合に線200A、200B、200C、200Dによって表されるようにノードFで見られる電圧(FOUT)を示すグラフ198である。図7に図示されている通り、アンチヒューズpFET196のゲート面積に対するバイアスpFET192のゲート面積の比率が1:1、2:1、4:1、8:1である場合、アンチヒューズ・デバイス120内のノードFで見られる電圧(FOUT)はそれぞれ約635mV、730mV、825mV、905mVになる。アンチヒューズpFET196のプログラム化されていない抵抗は本質的に一定であるので、線200A、200B、200C、200Dが線形であることは留意すべきである。当然のことながら、直前の段落で論じた通り、バイアスpFET192およびアンチヒューズpFET196のトンネル電流(抵抗)の比率は、バイアスpFETのゲート面積を変更することによって調整されているが、その比率は、代わってまたは追加として、酸化物層の相対厚さおよびトンネル電流促進ドーピングの量などのその他のパラメータを変更することによって調整できるであろう。
【0024】
もう一度、図2を参照すると、ノードFにおいて所望のプログラム化されていない電圧FOUTを達成するために特定の比率のトンネル電流(抵抗)でバイアス・エレメント124およびアンチヒューズ・エレメント128が形成されると、アンチヒューズ・エレメントは、所望であれば、かなり低い抵抗を備えたアンチヒューズ・エレメントを提供するようにプログラム化することができる。アンチヒューズ・エレメント128をプログラム化することは、トンネル領域140A内で絶縁破壊を引き起こすために十分な大きさのプログラミング電圧をアンチヒューズ・エレメントの両端間に印加することを伴う。一般に、トンネル領域140A内の絶縁破壊は、導電領域132A、136A間に導電フィラメント(図示せず)を形成させることになり、トンネル電流に比べて比較的大きい特定の量の電流がアンチヒューズ・エレメント128を流れることができる。プログラム化されると、アンチヒューズ・エレメント128の抵抗は、プログラミング電圧を変更することによって変更することができる。一般に、プログラミング電圧が高くなると、その結果、絶縁破壊が増加し、それにより、より多くの電流がトンネル領域140Aを越えて導電的に流れることができ、それにより、アンチヒューズ・エレメント128の有効抵抗を減少させる。一般に、本発明のアンチヒューズ・エレメント128のプログラミング電流は100μAまたはそれ以下程度であり、これは過度に大きく堅固なプログラミング配線を必要としない。加えて、このような低いプログラミング電流では、多くの、たとえば、数十個、数百個、またはそれ以上のアンチヒューズ・デバイスを互いに同時に互いにプログラム化することができる。
【0025】
アンチヒューズ・エレメント128がプログラム化されると、アンチヒューズ・デバイス120の両端間に特定の電圧が印加されたときにノードFに現れる電圧FOUTは、アンチヒューズ・エレメントがプログラム化されていない場合に同じ電圧が印加されたときにノードFに現れる電圧FOUTよりかなり小さくなる。これは、図6の例示的なpFETアンチヒューズ構造188について図7に図示されている。図7に見られるように、アンチヒューズpFET196のゲート面積に対するバイアスpFET192のゲート面積の比率が1:1、2:1、4:1、8:1である場合、それぞれ線204A、204B、204C、204Dによって表されるようにアンチヒューズ・デバイス188内のノードFで見られる電圧FOUTは、プログラム化された抵抗の関数として非線形に変動する。一般に、pFETアンチヒューズ・デバイス188の場合、アンチヒューズpFET196のプログラム化された抵抗が比較的低い、たとえば、1MΩであるときにノードFで見られる電圧FOUTは、アンチヒューズpFETのプログラム化された抵抗が比較的高い、たとえば、10MΩであるときのノードFにおける電圧FOUTより、ゲート面積の比率に対する感度が低くなると思われる。たとえば、プログラム化された抵抗が1MΩであるときに、比率が1:1である場合(線204D)と比率が8:1である場合(線204A)とのノードFにおける電圧FOUTの差は約100mV程度(それぞれ、約20mVと約120mV)であり、プログラム化された抵抗が10MΩであるときに、比率が1:1である場合と比率が8:1である場合とのノードFにおける電圧FOUTの差は約310mV(それぞれ、約150mVと約460mV)である。
【0026】
しかし、ノードFで見られる電圧FOUTがアンチヒューズ・デバイス120のプログラム化された抵抗またはゲート面積の比率あるいはその両方に対してどのように変動するかにかかわらず、図7から留意すべき重要な点は、アンチヒューズpFET196、より一般的には図2のアンチヒューズ・エレメント128のプログラム化されていない状態とプログラム化された状態との間のノードFで見られる電圧の差の純然たる大きさである。図7に見られるように、アンチヒューズpFET196のプログラム化されていない状態とプログラム化された状態との間のノードF(図6)で見られる電圧FOUTの最小差は約450mV(線200A上の約910mVと線204A上の約460mV)になり、これは、プログラム化された抵抗が10MΩであり、ゲート面積比率が8:1であるときに発生する。以下により詳細に論じる通り、450mVという差は単純な感知回路によって容易に感知することができる。対照的に、アンチヒューズpFET196のプログラム化されていない状態とプログラム化された状態との間のノードFで見られる電圧FOUTの最大差は約790mV(線200A上の約910mVと線204A上の約120mV)になり、これは、プログラム化された抵抗が1MΩであり、ゲート面積比率が8:1であるときに発生する。910mVおよび120mVのプログラム化されていない電圧およびプログラム化された電圧は、事実上、論理レベルの電圧の範囲内である。このような電圧の差はアンチヒューズ・デバイスのプログラミング状態を決定するために容易に感知することができる。
【0027】
図8は、パワー・レール144とグラウンド・レール148との間に印加された電圧に対するノードF(図6)におけるプログラム化されていない電圧プロファイル212およびプログラム化された電圧プロファイル216を示すグラフである。同図に見られるように、一般に、プログラム化されていない電圧とプログラム化された電圧はいずれも振る舞いが適切であり、単純なインバータを有する感知回路(図9の244)を使用して感知すべき印加電圧の変化に対して十分安定している。この感知回路は1つのインバータのみを必要とするので、感知回路を実現するために必要な空間は非常に小さい。これは、前述の通り、プログラミング配線(図示せず)が過度に大きい必要はないことと相俟って、アンチヒューズ領域108(図1)を大いに緻密にすることができ、チップ100上の貴重な面積を節約する。アンチヒューズのプログラミング状態を感知するために単純なインバータのみを必要とすることにとって追加の利点は、感知回路がラッチを必要としないことである。当業者であれば分かるように、ラッチなし設計は感知回路におけるソフト・エラーを排除する。ラッチなし設計のもう1つの利点は、感知回路が放射線耐性改善されている(radiation hardened)ことである。すなわち、放射イベント、すなわち、放射線粒子によるボンバードメント(bombardment)は、リセット時にのみ修正可能な重大なエラーを引き起こさない。むしろ、アンチヒューズ・デバイス120(図2)の状態は直流(DC)信号、すなわち、ノードFにおけるDC電圧によって表されるので、放射イベントは信号内の遷移を引き起こすだけであり、これは放射イベントが終了すると自動修正される。当然のことながら、当業者であれば、ラッチなし感知回路は特定の設計では望ましい可能性があるが、特定の設計に適合するために必要であれば、ラッチを含む管理回路を代替設計で使用できることが分かるであろう。
【0028】
図9は、感知回路228と相俟ってアンチヒューズ・デバイス224を含む本発明のアンチヒューズ/感知回路220を示している。感知回路228は、出力ノードFと電気的に連絡しており、アンチヒューズ・デバイス224のプログラミング状態、すなわち、アンチヒューズ・デバイスがすでにプログラム化されているか、プログラム化されていない状態のままであるかを感知するために設けることができる。感知回路228は、インバータ232と、インバータの論理レベルのデジタル出力を他の回路(図示せず)に提供するための出力IOUTとを有することができる。図示の環境では、アンチヒューズ・デバイス224はバイアスpFET236とアンチヒューズpFET240とを有し、そのそれぞれは電圧Vddなどの電圧でトンネル電流を有する酸化薄膜デバイスにすることができる。一般に、アンチヒューズ・デバイス220は、デバイスの両端間の電圧Vddが1.2VであるときにノードFにおいてプログラム化されていない電圧、たとえば、900mVを誘導し、同じ印加電圧のときにノードFにおいてプログラム化された電圧、たとえば、120mVを誘導するために、図2のアンチヒューズ・デバイス120および図6のアンチヒューズ・デバイス188に関連して上述のように機能する。この例では、プログラム化されていない電圧とプログラム化された電圧との差は780mVであり、これはインバータ232によって感知するのに妥当なものより大きい。インバータ232は、通常の2エレメント「厚」、すなわち、従来技術で周知の非トンネル型ゲート・インバータにすることができる。当業者であれば、アンチヒューズ・デバイス224のプログラム化されていない状態とプログラム化された状態との間のノードFにおける電圧の差が比較的大きい場合に、必要であれば、ノードFにおける出力電圧を完全論理レベルのデジタル信号に変換するために、インバータ232を論理ゲート、たとえば、AND、OR、NAND、NORゲートに置き換えることができることが容易に分かるであろう。さらに、電力使用量が設計の関心事である場合、単純なゲート・インバータ(図示せず)を使用することができる。
【0029】
図10は、プログラミング回路244と、ノードFSOURCEを介して提供される比較的大きいプログラミング電圧からバイアスpFET236およびその他のエレメント、たとえば、インバータ232を保護するためのアンチヒューズ・エレメント保護デバイス248とともに、図9のアンチヒューズ/感知回路220を示している。前述の通り、本発明のアンチヒューズpFET240およびその他のトンネル・アンチヒューズ・エレメントの利点は、典型的には100μAまたはそれ以下程度の比較的小さいプログラミング電流でプログラム化できることである。
【0030】
プログラミング回路244は、隔離デバイス248とアンチヒューズ・エレメント240との間に位置するプログラミング・ノードP1でアンチヒューズ/感知回路に電気的に接続することができる。プログラミング回路244は、そのソース254がアース256に電気的に接続され、プログラミング入力PROGPがトランジスタのゲート258に電気的に接続されている、酸化厚膜(thick-oxide)トランジスタ252を含むことができる。非プログラミング条件では、トランジスタ252が開いているように、入力PROGPはローに保持される。しかし、プログラミング中に入力PROGPはハイになり、それにより、トランジスタ252を閉じてノードFSOURCEからアンチヒューズpFETを通ってアース256までの導電路を提供する。トランジスタ252がハイである間、アンチヒューズpFET240のゲート酸化膜層の厚さが17Åであるときに比較的大きいプログラミング電圧、たとえば、3.5V程度がノードFSOURCEに印加され、アンチヒューズpFETのトンネル領域(ゲート酸化膜層)内の誘電材料を破壊させるようにアンチヒューズpFETの両端間にその電圧を誘導し、それにより、トンネル領域を通る導電フィラメント(図示せず)を形成する。導電フィラメントが形成されると、プログラミング電圧はノードFSOURCEから除去され、入力PROGPはもう一度ローになる。次にアンチヒューズpFET240はプログラム化される。
【0031】
前述の通り、導電フィラメントの存在によりアンチヒューズpFET240が導電性になり、したがって、その抵抗は、トンネル電流のみが存在するときのその抵抗より低下する。そのプログラム化された状態のアンチヒューズpFET240の抵抗は、典型的には1MΩ〜10MΩ程度であり、より典型的にはアンチヒューズが約17Åのゲート酸化膜厚さを有するものとして示されているようなpFETデバイスであるときに1MΩ〜5MΩであるが、多かれ少なかれ、アンチヒューズ・エレメントを形成するために使用される特定のデバイスに依存する可能性がある。前述の通り、本発明の単一アンチヒューズ・エレメント128(図2)をプログラム化するために必要なプログラミング電流およびプログラミング電圧が比較的小さい場合、多くの、たとえば、数百またはそれ以上程度のものを同時にプログラム化することができる。当業者であれば、このような同時プログラミングを可能にするためにプログラミング回路244に対して必要な変更が分かるので、このような変更の詳細な説明は本明細書では不要である。加えて、当然のことながら、プログラミング回路244は図示されているプログラミング回路とは異なる場合もある。
【0032】
好ましい一実施形態に関して本発明を説明してきたが、本発明がこのように制限されないことは理解されるであろう。これに反して、上記および特許請求の範囲で定義される本発明の精神および範囲内に含まれる可能性のあるすべての代替例、変更、および同等のものを包含することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の集積回路チップの高レベル概略図である。
【図2】本発明によるアンチヒューズ・デバイスの概略図である。
【図3】図2のアンチヒューズ・デバイスで使用するのに適したpFETの拡大断面図である。
【図4】図2のアンチヒューズ・デバイスで使用するのに適した多指アンチヒューズ・エレメントの平面図である。
【図5】図4の線5−5に沿って取られた拡大断面図である。
【図6】CMOS処理技法を使用して形成されたFETで実現された図1のアンチヒューズ・デバイスの平面図である。
【図7】(1)アンチヒューズpFETがプログラム化されていないときのアンチヒューズpFETの面積に対するバイアスpFETの面積の数通りの比率の場合の例示的なpFETアンチヒューズ・デバイスのノードFにおける電圧および(2)プログラム化されたアンチヒューズ抵抗の関数として同じ比率の場合のノードFにおける電圧を示すグラフである。
【図8】pFETアンチヒューズ・デバイスの両端間に印加された異なる電圧についてノードFにおけるプログラム化されていない電圧およびプログラム化された電圧を示すグラフである。
【図9】本発明のアンチヒューズ/感知回路の概略図である。
【図10】本発明のアンチヒューズ/感知回路/プログラミング回路の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その両端間の電圧で動作可能なアンチヒューズ・デバイスであって、
(a)第1の導電領域と、第2の導電領域と、前記第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する第1のエレメントであって、前記電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記第1のエレメントの前記第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように前記トンネル領域が動作的に構成される、第1のエレメントと、
(b)第1の導電領域と、第2の導電領域と、前記第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する第2のエレメントであって、前記電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記第2のエレメントの前記第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように前記トンネル領域が動作的に構成される、第2のエレメントと、
(c)前記第1のエレメントと前記第2のエレメントとの間に電気的に結合された出力ノードと、
を有する、アンチヒューズ・デバイス。
【請求項2】
前記アンチヒューズ・デバイスが、あるプログラミング状態を有し、前記出力ノードに電気的に結合された感知回路をさらに有し、前記プログラミング状態を感知し、前記プログラミング状態を論理レベル信号として出力するために前記感知回路が動作的に構成される、請求項1に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項3】
前記感知回路がラッチなし感知回路である、請求項2に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項4】
前記感知回路が本質的に1つのインバータから構成される、請求項2に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項5】
前記アンチヒューズ・デバイスがプログラム化されていない状態とプログラム化された状態とを有し、前記電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記出力ノードが対応するプログラム化されていない電圧とプログラム化された電圧とを有し、前記電圧が1ボルトであるときに前記プログラム化されていない電圧と前記プログラム化された電圧との差が少なくとも400mVである、請求項1に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項6】
前記電圧が1ボルトであるときに前記プログラム化されていない電圧と前記プログラム化された電圧との差が少なくとも700mVである、請求項5に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項7】
前記第2のエレメントがプログラム化されていない状態とプログラム化された状態とを有し、前記プログラム化されていない状態では、前記電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記第2のエレメントの前記トンネル領域が本質的に非導電性になり、前記プログラム化された状態では、前記電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記第2のエレメントの前記トンネル領域が導電性になる、請求項1に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項8】
前記プログラム化されていない状態を前記プログラム化された状態に変更するために動作的に構成されたプログラミング回路をさらに有する、請求項7に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項9】
前記第1および第2のエレメント間に位置する隔離エレメントをさらに有し、前記プログラミング回路が前記第2のエレメントをプログラム化している間に前記第1のエレメントを前記第2のエレメントから隔離するように前記隔離エレメントが動作的に構成される、請求項8に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項10】
前記第2のエレメントの前記トンネル領域が薄い酸化物層を有する、請求項1に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項11】
前記第1のエレメントの前記トンネル領域が薄い酸化物層を有する、請求項10に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項12】
前記薄い酸化物層がせいぜい約19Åの同等の電気的厚さを有する、請求項11に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項13】
前記第1および第2のエレメントのそれぞれが半導体コンデンサから形成される、請求項1に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項14】
前記第1および第2のエレメントのそれぞれが半導体トランジスタから形成される、請求項1に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項15】
プログラム化されていない状態とプログラム化された状態とを有するアンチヒューズ・デバイスであって、
(a)バイアス・エレメントと、
(b)プログラマブル・アンチヒューズ・エレメントと、
(c)前記アンチヒューズ・デバイスが分圧器を形成するように前記バイアス・エレメントと前記アンチヒューズ・エレメントとの間に電気的に結合された出力ノードと、
を有し、
(a)前記アンチヒューズ・デバイスが前記プログラム化されていない状態であるときに、前記バイアス・エレメントが本質的に非導電性になるように動作的に構成され、前記プログラマブル・アンチヒューズ・エレメントが本質的に非導電性になるように動作的に構成され、
(b)前記アンチヒューズ・デバイスが前記プログラム化された状態であるときに、前記バイアス・エレメントが本質的に非導電性になるように動作的に構成され、前記プログラマブル・アンチヒューズ・エレメントがその両端間で導電性になるように動作的に構成される、
アンチヒューズ・デバイス。
【請求項16】
前記バイアスおよびアンチヒューズ・エレメントのそれぞれが酸化薄膜デバイスである、請求項15に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項17】
前記出力ノードと電気的に連絡しており、前記アンチヒューズ・デバイスの前記プログラム化されていない状態とプログラム化された状態を感知するように動作的に構成される感知回路をさらに有する、請求項15に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項18】
前記感知回路がラッチなし回路である、請求項17に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項19】
前記感知回路が本質的に1つのインバータから構成される、請求項17に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項20】
前記プログラマブル・アンチヒューズ・エレメントと電気的に連絡しており、プログラミング回路が通電されたときに前記プログラマブル・アンチヒューズ・エレメントが導電性になるように動作的に構成されるプログラミング回路をさらに有する、請求項15に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項21】
(a)第1の導電領域と、第2の導電領域と、前記第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する第1のエレメントであって、電圧がアンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記第1のエレメントの前記第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように前記トンネル領域が動作的に構成される、第1のエレメントと、
(b)第1の導電領域と、第2の導電領域と、前記第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する第2のエレメントであって、前記電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記第2のエレメントの前記第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように前記トンネル領域が動作的に構成される、第2のエレメントと、
(c)前記第2のエレメントと電気的に連絡しており、プログラミング回路が通電されたときに前記第2のエレメントの前記トンネル領域が導電性になるように動作的に構成されるプログラミング回路と、
を有する、プログラマブル・アンチヒューズ・デバイス。
【請求項22】
前記エレメントのそれぞれが酸化薄膜デバイスである、請求項21に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項23】
前記第1および第2のエレメント間に電気的に結合され、前記第2のエレメントの導電状態を感知するように動作的に構成される感知回路をさらに有する、請求項21に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項24】
前記感知回路がラッチなし回路である、請求項23に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項25】
前記感知回路が本質的に1つのインバータから構成される、請求項23に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項26】
前記第1および第2のエレメント間に電気的に結合された出力ノードをさらに有し、前記アンチヒューズ・デバイスがプログラム化されていない状態とプログラム化された状態とを有し、前記電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記出力ノードが対応するプログラム化されていない電圧とプログラム化された電圧とを有し、1ボルトの電圧が前記第1および第2のエレメントの両端間に印加されたときに前記プログラム化されていない電圧と前記プログラム化された電圧との差が少なくとも500mVである、請求項21に記載のアンチヒューズ・デバイス。
【請求項27】
(a)機能回路と、
(b)前記機能回路に動作的に接続された少なくとも1つのアンチヒューズ・デバイスであって、
(i)第1の導電領域と、第2の導電領域と、前記第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する第1のエレメントであって、電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記第1のエレメントの前記第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように前記トンネル領域が動作的に構成される、第1のエレメントと、
(ii)第1の導電領域と、第2の導電領域と、前記第1および第2の導電領域間に位置するトンネル領域とを有する第2のエレメントであって、前記電圧が前記アンチヒューズ・デバイスの両端間に印加されたときに前記第2のエレメントの前記第1および第2の導電領域間にトンネル電流が存在するように前記トンネル領域が動作的に構成される、第2のエレメントと、
(iii)前記第1のエレメントと前記第2のエレメントとの間に電気的に結合された出力ノードと、
を有する、少なくとも1つのアンチヒューズ・デバイスと、
(c)前記第2のエレメントと電気的に連絡しており、プログラミング回路が通電されたときに前記第2のエレメントの前記トンネル領域が導電性になるように動作的に構成されるプログラミング回路と、
を有する、集積回路チップ。
【請求項28】
前記第1および第2のエレメント間に電気的に結合され、前記第2のエレメントの導電状態を感知するように動作的に構成される感知回路をさらに有する、請求項27に記載の集積回路チップ。
【請求項29】
前記感知回路がラッチなし回路である、請求項28に記載の集積回路チップ。
【請求項30】
対応する複数のトンネル領域を有する対応する複数の第2のエレメントを有する複数のアンチヒューズ・デバイスを有し、前記プログラミング回路が前記複数のアンチヒューズ・デバイスと電気的に連絡しており、前記プログラミング回路が通電されたときに前記複数のトンネル領域が実質的に同時に互いに導電性になるように構成される、請求項27に記載の集積回路チップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−507907(P2007−507907A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534212(P2006−534212)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/032581
【国際公開番号】WO2005/038869
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】