説明

電気モータ制御装置

【課題】固定容量型のポンプを使用しつつ、レバーの操作量に応じた速度でアクチュエータを駆動する。
【解決手段】電気モータの回転速度を制御する電気モータ制御装置であって、ポンプの吐出圧が最高負荷圧よりも所定の設定圧だけ高くなるように、最高負荷圧に基づいて電気モータの暫定目標回転速度を算出し(S74)、ポンプの吐出圧に基づいて、電気モータの出力トルクがその吐出圧のときに出力可能な最大トルクとなる電気モータの回転速度を上限回転速度として算出し(S75)、暫定目標回転速度と上限回転速度とのうち、低いほうを電気モータの目標回転速度として算出し(S76)、電気モータの回転速度が目標回転速度となるように、電気モータの回転速度を制御する(S77)ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気モータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、フォークリフトのフォークを昇降又は前後傾させるアクチュエータに作動油を供給する固定容量型のポンプを、電気モータによって駆動するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−133697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のものは、スプール(制御弁)の位置を切り替えるレバーの操作量に応じて電気モータの回転速度を制御することで、アクチュエータへの作動油の供給量を制御していた。そのため、例えば作動油の温度変化によって粘度が変化してポンプの容積効率が変化したときに、レバーの操作量に応じた速度でアクチュエータを駆動できないという問題点があった。
【0005】
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、固定容量型のポンプを使用しつつ、レバーの操作量に応じた速度でアクチュエータを駆動することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電気モータの回転速度を制御する電気モータ制御装置であって、電気モータによって駆動され、その電気モータの回転速度に応じた流量の作動流体を吐出するポンプと、ポンプから吐出された作動流体によって駆動される少なくとも1つのアクチュエータと、アクチュエータに対する作動流体の給排を切り替える制御弁と、アクチュエータの負荷圧のうち、最も高い負荷圧を最高負荷圧として導く最高負荷圧検出回路と、ポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段と、最高負荷圧検出回路の負荷圧を検出する最高負荷圧検出手段と、ポンプの吐出圧が最高負荷圧よりも所定の設定圧だけ高くなるように、最高負荷圧に基づいて電気モータの暫定目標回転速度を算出する暫定目標回転速度算出手段と、前記ポンプの吐出圧に基づいて、電気モータの出力トルクがその吐出圧のときに出力可能な最大トルクとなる電気モータの回転速度を上限回転速度として算出する上限回転速度算出手段と、暫定目標回転速度と上限回転速度とのうち、低いほうを電気モータの目標回転速度として算出する目標回転速度算出手段と、電気モータの回転速度が目標回転速度となるように、電気モータの回転速度を制御する回転速度制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アクチュエータの負荷に応じて固定容量型のポンプを駆動する電気モータの回転速度を制御することができる。これにより、作動油の温度変化の影響を受けることなく、アクチュエータに供給される作動油の流量がアクチュエータの負荷に応じた最適な流量となるようにモータの回転速度を制御することができる。したがって、固定容量型のポンプを使用しつつ、レバーの操作量に応じた速度でアクチュエータを駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるモータの回転速度制御について説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態によるロードセンシング制御処理について説明するフローチャートである。
【図4】ロードセンシング制御圧に基づいて補正モータ回転速度を算出するテーブルである。
【図5】ポンプ吐出圧に基づいて上限モータ回転速度を算出するテーブルである。
【図6】本発明の第2実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置の概略構成図である。
【図7】本発明の第3実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置の概略構成図である。
【図8】本発明の第3実施形態によるロードセンシング制御処理について説明するフローチャートである。
【図9】ステアリング操作量に基づいてステアリング補正モータ回転速度を算出するテーブルである。
【図10】本発明の第4実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第4実施形態によるモータの回転速度制御について説明するフローチャートである。
【図12】本発明の第4実施形態による設定圧算出処理について説明するフローチャートである
【図13】本発明の他の実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面等を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置100の概略構成図である。
【0011】
本実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置100は、バッテリ1と、インバータ2と、モータ3と、油圧ポンプ4と、荷役装置制御部5と、最高負荷圧検出回路6と、リリーフ弁7と、吐出圧センサ8と、コントローラ9と、を備える。
【0012】
バッテリ1は、バッテリ式フォークリフトを駆動するための電力を蓄え、必要に応じて蓄えた電力を各種の電気部品に供給する。バッテリ1としては、外部からの充電が可能なリチウムイオン二次電池や高容量キャパシタを使用することができる。
【0013】
インバータ2は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの複数の半導体スイッチから構成される。インバータ2の半導体スイッチは、コントローラ9によって開閉制御され、これによりバッテリ1からの直流電力が三相交流電力に変換されてモータ3に供給される。
【0014】
モータ3は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルを巻き付けた三相交流同期モータ3であり、バッテリ1から電力の供給を受けて回転駆動する。
【0015】
油圧ポンプ4は、固定容量型のポンプである。油圧ポンプ4はモータ3によって駆動され、モータ3の回転速度に応じた流量の作動油を吐出する。
【0016】
荷役装置制御部5は、リフトシリンダ51と、リフト制御弁52と、チルトシリンダ53と、チルト制御弁54と、を備え、積荷を支えるフォークの昇降動作及び前後傾動作を制御する。
【0017】
リフトシリンダ51は、リフトシリンダ51内を摺動自在に移動するピストンロッド511によって、ロッド側流体室512とボトム側流体室513とに区画される。リフトシリンダ51は、ボトム側流体室513に対してのみ作動油の供給及び排出(以下「給排」という。)が行われる単動シリンダであって、フォークを昇降させるための油圧アクチュエータとして機能する。
【0018】
リフト制御弁52は、手動レバー521によって操作される3ポート方向切替弁である。リフト制御弁52は、リフトシリンダ51のボトム側流体室513に対する作動油の供給量及び排出量(以下「給排量」という。)を制御することで、フォークの昇降動作を制御する。
【0019】
具体的には、リフト制御弁52を上昇制御位置(a)に切り替えると、油圧ポンプ4から吐出された作動油がリフトシリンダ51のボトム側流体室513に供給され、ピストンロッドと共にフォークが上昇する。
【0020】
リフト制御弁52を下降制御位置(b)に切り替えると、積荷及びフォークの自重によってフォークと共にピストンロッド511が下降し、リフトシリンダ51のボトム側流体室513から排出された作動油がオイルタンク10へと戻される。
【0021】
リフト制御弁52を保持制御位置(c)に切り替えると、リフトシリンダ51のボトム側流体室513に対する作動油の給排が停止され、フォークが任意の高さに保持される。
【0022】
チルトシリンダ53は、チルトシリンダ53内を摺動自在に移動するピストンロッド531によって、ロッド側流体室532とボトム側流体室533とに区画される。チルトシリンダ53は、ロッド側流体室532及びボトム側流体室533の双方に対して作動油の給排が行われる複動シリンダであって、フォークを前後傾させるための油圧アクチュエータとして機能する。
【0023】
チルト制御弁54は、手動レバー541によって操作される4ポート方向切替弁である。チルト制御弁54は、チルトシリンダ53のロッド側流体室532及びボトム側流体室533に対する作動油の給排量を制御することで、フォークの前後傾動作を制御する。
【0024】
具体的には、チルト制御弁54を前傾制御位置(d)に切り替えると、油圧ポンプ4から吐出された作動油がチルトシリンダ53のボトム側流体室533に供給されとともに、ロッド側流体室532から作動油が排出されてオイルタンク10に戻される。これにより、ピストンロッドが図中右上方向に移動し、フォークが前傾させられる。
【0025】
チルト制御弁54を後傾制御位置(e)に切り替えると、油圧ポンプ4から吐出された作動油がチルトシリンダ53のロッド側流体室532に供給されるとともに、ボトム側流体室533から作動油が排出されてオイルタンク10に戻される。これにより、ピストンロッド531が図中左下方向に移動し、フォークが後傾させられる。
【0026】
チルト制御弁54を保持制御位置(f)に切り替えると、チルトシリンダ53のロッド側流体室532及びボトム側流体室533に対する作動油の給排が停止され、フォークが任意の角度に保持される。
【0027】
最高負荷圧検出回路6は、荷役装置制御部5に作用する負荷圧のうち、最も大きい負荷圧を検出するための回路であって、第1負荷圧ライン61と、第2負荷圧ライン62と、シャトル弁63と、第3負荷圧ライン64と、負荷圧検出センサ65と、を備える。
【0028】
第1負荷圧ライン61は、リフト制御弁52に作用する負荷圧(以下「リフト負荷圧」という。)が作用するラインであって、一端がリフト制御弁52に接続され、他端が後述するシャトル弁63の第1入口ポート631に接続される。リフト負荷圧は、フォークを昇降させるときにリフトシリンダ51にかかる負荷であり、リフトシリンダ51のボトム側流体室513の油圧となる。
【0029】
第2負荷圧ライン62は、チルト制御弁54に作用する負荷圧(以下「チルト負荷圧」という。)が作用するラインであって、一端がチルト制御弁54に接続され、他端が後述するシャトル弁63の第2入口ポート632に接続される。チルト負荷圧は、フォークを前後傾させるときにチルトシリンダ53にかかる負荷であり、フォークを前傾させた状態のときはボトム側流体室533の油圧となり、フォークを後傾させた状態のときはロッド側流体室632の油圧となる。
【0030】
シャトル弁63は、第1入口ポート631及び第2入口ポート632の2つの入口ポートと、1つの出口ポート633と、を備える3ポート弁である。シャトル弁63の第1入口ポート631には、第1負荷圧ライン61を介してリフト負荷圧が作用し、第2入口ポート632には、第2負荷圧ライン62を介してチルト負荷圧が作用する。シャトル弁63は、2つの入口ポートにそれぞれ作用する負荷圧(リフト負荷圧及びチルト負荷圧)のうち、大きいほうの負荷圧が作用する入口ポートと出口ポート633とを連通する。
【0031】
第3負荷圧ライン64は、一端がシャトル弁63の出口ポート633に接続され、他端が後述するリリーフ弁7の受圧部71に接続される。これにより、第3負荷圧ライン64には、シャトル弁63によって選択された負荷圧、すなわち、リフト負荷圧及びチルト負荷圧のうちの大きいほうの負荷圧が作用する。本実施形態では、このリフト負荷圧及びチルト負荷圧のうち、大きいほうの負荷圧を「最高負荷圧」という。
【0032】
負荷圧センサ65は、第3負荷圧ライン64に設けられ、第3負荷圧ライン64に作用する負荷圧、すなわち最高負荷圧を検出する。
【0033】
リリーフ弁7は、油圧ポンプ4から吐出された作動油をリフトシリンダ51及びチルトシリンダ53に分配する供給ライン11の圧力(以下「ポンプ吐出圧」という。)が、バネ72の押圧力と最高負荷圧との合算値よりも大きくなったときに開かれ、油圧ポンプ4から吐出された余剰の作動油をオイルタンク10に戻す。なお、バネ72の押圧力は、後述する設定圧と同等となるように設定される。
【0034】
吐出圧センサ8は、供給ライン11に設けられ、ポンプ吐出圧を検出する。
【0035】
コントローラ9は、中央演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び入出力インタフェース(I/Oインタフェース)を備えたマイクロコンピュータで構成される。
【0036】
コントローラ9には、前述した負荷圧センサ65及び吐出圧センサ8の検出信号のほかにも、モータ3の回転速度(以下「モータ回転速度」という。)を検出する回転速度センサ91や作業者が運転席に座っているかどうかを検出する着座センサ92などの各種センサの検出信号が入力される。コントローラ9は、これらの入力信号に基づいて、ポンプ吐出圧が最高負荷圧よりも所定の設定圧だけ高くなるようにモータ3の回転速度を制御するロードセンシング制御を実施する。これにより、油圧ポンプ4の吐出流量を、フォークの昇降動作及び前後傾動作を行うときにリフトシリンダ51及びチルトシリンダ53にかかる負荷に応じた最適な流量に制御する。以下、この本実施形態によるモータ3の回転速度制御について説明する。
【0037】
図2は、本実施形態によるモータ3の回転速度制御について説明するフローチャートである。コントローラ9は、本ルーチンをバッテリ式フォークリフトの運転中に所定の演算周期(例えば10ms)で実施する。
【0038】
ステップS1において、コントローラ9は、着座センサ92の検出信号に基づいて、運転席に作業者が座っているか否かを判断する。コントローラ9は、運転席に作業者が座っていなければステップS2の処理を行う。一方で、運転席に作業者が座っていればステップS3の処理を行う。
【0039】
ステップS2において、コントローラ9は、着座フラグを0に設定する。着座フラグは、運転席に作業者が座っていなければ0に設定され、運転席に作業者が座っていれば1に設定されるフラグである。
【0040】
ステップS3において、コントローラ9は、安全確保のために、インバータ2を制御してモータ3への電力供給を停止させ、モータ3を停止させる。
【0041】
ステップS4において、コントローラ9は、着座フラグが1に設定されているか否かを判断する。コントローラ9は、着座フラグが0に設定されていればステップS5の処理を行う。一方で、着座フラグが既に1に設定されていればステップS7の処理を行う。
【0042】
ステップS5において、コントローラ9は、着座フラグを1に設定する。
【0043】
ステップS6において、コントローラ9は、モータ3の回転速度が予め定められた所定の始動回転速度となるようにインバータ2を制御してモータ3に必要な電力を供給し、モータ3を駆動させる。
【0044】
ステップS7において、コントローラ9は、ロードセンシング制御処理を実施する。ロードセンシング制御処理の詳細については、図3を参照して後述する。
【0045】
図3は、本実施形態によるロードセンシング制御処理について説明するフローチャートである。
【0046】
ステップS71において、コントローラ9は、最高負荷圧Plmaxと予め定められた所定の設定圧Psetとを足し合わせて、目標ポンプ吐出圧Ptを算出する。設定圧Psetは、供給ライン11等の油路の圧力損失を考慮して適宜設定される。
【0047】
ステップS72において、コントローラ9は、吐出圧センサ8によって検出したポンプ吐出圧Pから目標ポンプ吐出圧Ptを引いて、ロードセンシング制御圧Plsを算出する。
【0048】
ステップS73において、コントローラ9は、図4のテーブルを参照し、ロードセンシング制御圧Plsに基づいて、ポンプ吐出圧Pを目標ポンプ吐出圧Ptにするために必要なモータ回転速度の補正値(以下「補正モータ回転速度」という。)Ncを算出する。
【0049】
図4に示すように、補正モータ回転速度Ncは、ロードセンシング制御圧Plsが正の値のとき、すなわちポンプ吐出圧Pが目標ポンプ圧Ptよりも大きいときは、ポンプ吐出圧Pを目標ポンプ圧Ptまで下げるために、負の値となる。そして、ロードセンシング制御圧Plsが大きくなるほど、補正モータ回転速度Ncは負側に大きくなる。
【0050】
一方で、補正モータ回転速度Ncは、ロードセンシング制御圧Plsが負の値のとき、すなわちポンプ吐出圧Pが目標ポンプ圧Ptよりも小さいときは、ポンプ吐出圧Pを目標ポンプ圧Ptまで上げるために、正の値となる。そして、ロードセンシング制御圧Pls小さくなるほど、補正モータ回転速度Ncは正側に大きくなる。
【0051】
ステップS74において、コントローラ9は、回転速度センサ91で検出したモータ回転速度Nと補正モータ回転速度Ncとを足し合わせて、暫定目標モータ回転速度Nitを算出する。
【0052】
ステップS75において、コントローラ9は、図5のテーブルを参照し、吐出圧センサ8によって検出したポンプ吐出圧Pに基づいて、モータ3の出力トルクがそのポンプ吐出圧Pのときに出力可能な最大トルクとなるモータ回転速度(以下「上限モータ回転速度」という。)Nhlを算出する。
【0053】
ステップS76において、コントローラ9は、暫定目標モータ回転速度Nitと上限モータ回転速度Nhlとの大小を比較し、小さいほうを目標モータ回転速度Ntとして設定する。
【0054】
ステップS77において、コントローラ9は、モータ回転速度Nが目標モータ回転速度Ntとなるようにインバータ2を制御して、モータ3に必要な電力を供給する。
【0055】
以下、本実施形態によるモータ3の回転速度制御の効果について説明する。
【0056】
作動油の粘度は作動油の温度に応じて変化する。そのため、油圧ポンプ4の容積効率は、作動油の温度に応じて変化する。したがって、従来のように、固定容量型の油圧ポンプ4を用いた場合に、その油圧ポンプ4を駆動するモータ3の回転速度を手動レバー521,541の操作量に応じて制御していたのでは、作動油の粘度が高いときに油圧ポンプ4の吐出流量が不足するおそれがあった。その結果、作業者による手動レバー521,541の操作量に対応した速度で油圧アクチュエータを駆動することができないという問題点があった。すなわち、作業者が要求する速度でフォークの昇降動作及び前後傾動作を行うことができないという問題点があった。
【0057】
これに対して本実施形態によれば、油圧アクチュエータとしてのリフトシリンダ51及びチルトシリンダ53の負荷に応じて、固定容量型の油圧ポンプ4を駆動するモータ3の回転速度を制御することとした。具体的には、ポンプ吐出圧が、リフト負荷圧及びチルト負荷圧のうちの大きいほうの負荷圧(最高負荷圧)よりも、供給ライン11等の油路の圧力損失を考慮して設定された所定の設定圧だけ高くなるようにモータ3の回転速度を制御するロードセンシング制御を実施した。
【0058】
これにより、作動油の温度に関係なく、固定容量型の油圧ポンプ4から吐出される作動油の流量が、油圧アクチュエータとしてのリフトシリンダ51及びチルトシリンダ53の負荷に応じた最適な流量となるように、油圧ポンプ4を駆動するモータ3の回転速度を制御することができる。
【0059】
すなわち、作業者が要求する速度でフォークの昇降動作及び前後傾動作を行うことができるように、油圧アクチュエータとしてのリフトシリンダ51及びチルトシリンダ53の負荷に応じて油圧ポンプ4を駆動するモータ3の回転速度を制御することができる。
【0060】
また、作業者が要求する速度でフォークの昇降動作及び前後傾動作を行うことができる最低限のモータ回転速度でモータ3を駆動することができるので、モータ3に供給される電力量を最適化して電費を向上させることができる。
【0061】
また、可変容量型の油圧ポンプに比べて小型で安価な固定容量型の油圧ポンプ4を用いることができるので、搭載性を向上させることができるとともに、コストを抑えることができる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図6を参照して説明する。本実施形態は、油圧ポンプ4から吐出された作動油をステアリング制御部にも供給する点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。なお、以下に示す各実施形態では前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を用いて重複する説明を適宜省略する。
【0063】
図6は、本発明の第2実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置100の概略構成図である。
【0064】
本実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置100は、ステアリング制御部20と、プライオリティ弁30と、をさらに備えると共に、最高負荷圧検出回路6の構成が第1実施形態と相違する。
【0065】
ステアリング制御部20は、ステアリングシリンダ21と、ステアリング制御弁22と、ジロータ23と、を備え、バッテリ式フォークリフトの車輪の舵角を制御する。
【0066】
ステアリングシリンダ21は、ステアリングシリンダ21内を摺動自在に移動する両ロッド型のピストンロッド211によって、第1ロッド側流体室212と第2ロッド側流体室213とに区画される。ステアリングシリンダ21は、第1ロッド側流体室212及び第2ロッド側流体室213の双方に対して作動油の給排が行われる複動シリンダであって、車輪に舵角を与えるリンクを駆動するための油圧アクチュエータとして機能する。
【0067】
ステアリング制御弁22は、バッテリ式フォークリフトの進行方向を調節するステアリング221が操作されることによって、中立位置(g)から左右いずれかの動作位置(h)又は(i)に切り替えられる6ポート方向切替弁である。ステアリング制御弁22は、ジロータ23を介してステアリングシリンダ21の第1ロッド側流体室212及び第2ロッド側流体室213に対する作動油の給排量を制御してステアリングシリンダ21を駆動し、車輪の操舵角を制御する。
【0068】
ジロータ23は、ステアリング制御弁22から供給された作動油によって回転すると共に、ステアリング221の操作量に応じた流量の作動油を吐出する。ジロータ23から吐出された作動油は、ステアリング制御弁22を経由してステアリングシリンダ21に供給される。ジロータ23の回転トルクはステアリング制御弁22にフィードバックされ、ジロータ23がステアリング221の操作量(ステアリング制御弁22の変位量)に応じた作動油の流量を計量して所定量回転すると、ステアリング制御弁22が中立位置に戻される。
【0069】
最高負荷圧検出回路6は、荷役装置制御部5に作用する負荷圧と、ステアリング制御部20に作用する負荷圧とのうち、最も大きい負荷圧を検出するための回路であって、第4負荷圧ライン66と、第2シャトル弁67と、第5負荷圧ライン68と、をさらに備える。
【0070】
第4負荷圧ライン66は、ステアリング制御弁22に作用する負荷圧(以下「ステアリング負荷圧」という。)が作用するラインであって、一端がステアリング制御弁22に接続され、他端が後述するプライオリティ弁30の第1受圧部31に接続される。ステアリング負荷圧は、ステアリング操作時にステアリングシリンダ21にかかる負荷であり、ステアリング221を左回転させた状態のときは第1ロッド側流体室212の油圧となり、ステアリング221を右回転させた状態のときは第2ロッド側流体室213の油圧となる。
【0071】
第2シャトル弁67は、第1入口ポート671及び第2入口ポート672の2つの入口ポートと、1つの出口ポート673と、を備える3ポート弁である。第2シャトル弁67の第1入口ポート671には、第4負荷圧ライン66を介してステアリング負荷圧が作用し、第2入口ポート672には、第3負荷圧ライン64を介してリフト負荷圧及びチルト負荷圧のうちの大きいほうの負荷圧が作用する。第2シャトル弁67は、2つの入口ポートにそれぞれ作用する負荷圧のうち、大きいほうの負荷圧が作用する入口ポートと出口ポート673とを連通する。
【0072】
第5負荷圧ライン68は、一端が第2シャトル弁67の出口ポート633に接続され、他端が閉口端となっている。これにより、第5負荷圧ライン68には、第2シャトル弁67によって選択された負荷圧、すなわち、リフト負荷圧、チルト負荷圧及びステアリング負荷圧のうちで最も大きい負荷圧が作用する。本実施形態では、このリフト負荷圧、チルト負荷圧及びステアリング負荷圧のうちで最も高い負荷圧を「最高負荷圧」という。
【0073】
本実施形態による負荷圧センサ65は、第5負荷圧ライン68に設けられ、第5負荷圧ライン68の負荷圧、すなわち最高負荷圧を検出する。
【0074】
プライオリティ弁30は、3ポート方向切替弁であって、プライオリティ弁30を図中右側に向けて押圧する第1受圧部31及びバネ32と、プライオリティ弁30を図中左側に向けて押圧する第2受圧部33と、を備える。第1受圧部31には、第4負荷圧ライン66の圧力(ステアリング負荷圧)がパイロット圧として導かれる。第2受圧部33には、プライオリティ弁30とステアリング制御弁22とを接続する油路34の圧力(以下「ステアリング供給圧」という。)がパイロット圧として導かれる。プライオリティ弁30はこのような構成によって、ステアリング供給圧とステアリング負荷圧との差圧がバネ32の押圧力と等しくなるようにステアリング制御部20側に供給する作動油の流量を制御する。これによりプライオリティ弁30は、油圧ポンプ4から吐出された作動油をステアリング制御部20側に優先的に供給し、余剰分を荷役制御部5側に供給する。
【0075】
そして本実施形態では、ポンプ吐出圧Pが、負荷圧センサ65で検出した最高負荷圧Plmaxよりも所定圧Psetだけ高くなるように、第1実施形態と同様のロードセンシング制御を行う。
【0076】
これにより、荷役装置制御部5及びステアリング制御部20の2つの制御部に供給する作動油の流量を、1つの固定容量型の油圧ポンプ4を使用しつつ、それぞれの制御部が備える油圧アクチュエータの負荷に応じた最適な流量に制御することができる。
【0077】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図7を参照して説明する。本実施形態は、ステアリング221の操作量に基づいて暫定目標モータ回転速度Nitを補正する点で第1実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
【0078】
図7は、本発明の第3実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置100の概略構成図である。
【0079】
本実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置100は、第1実施形態のものに対して、ステアリング制御部20と、プライオリティ弁30と、第4負荷圧ライン66と、ステアリング操作角検出センサ93と、を新たに設けたものである。
【0080】
ステアリング操作角検出センサ93は、ステアリング221の操作角、すなわち、ステアリング221がどの程度操作されているかを検出する。
【0081】
本実施形態では、ロードセンシング制御処理時において、このステアリング221の操作角に基づいて暫定目標モータ回転速度を補正する。以下、本実施形態によるロードセンシング制御処理について説明する。
【0082】
図8は、本実施形態によるロードセンシング制御処理について説明するフローチャートである。
【0083】
ステップS71からステップS77の処理は、第1実施形態と同様の処理なので、ここでは説明を省略する。
【0084】
ステップS371において、コントローラ9は、ステアリング操作角検出センサ93で検出したステアリング操作角を積分してステアリング操作量θを算出する。
【0085】
ステップS372において、コントローラ9は、図9のテーブルを参照し、ステアリング操作量θに基づいて、ステアリング操作に必要な流量を吐出するために必要なモータ回転速度の補正値(以下「ステアリング補正モータ回転速度」という。)Nsを算出する。
【0086】
ステップS373において、コントローラ9は、暫定目標モータ回転速度Nitにステアリング補正モータ回転速度Nsを足して、暫定目標モータ回転速度Nitを補正する。
【0087】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態と同様に、油圧アクチュエータとしてのリフトシリンダ51及びチルトシリンダ53の負荷に応じて、固定容量型の油圧ポンプ4を駆動するモータ3の回転速度を制御すると共に、ステアリング操作量に応じて、モータ3の回転速度を補正することとした。
【0088】
これにより、第1実施形態と同様の効果が得られるほか、車輪が例えば縁石などの障害物に当たってステアリング負荷圧が急変したとしても、ステアリング負荷圧に基づいてモータ回転速度が変化しないので、モータ回転速度が急変することもない。よって、ステアリング221の操作性を向上させることができる。
【0089】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を、図10を参照して説明する。本実施形態は、油圧アクチュエータの作動状況に応じて設定圧Psetを変更する点で第3実施形態と相違する。以下、その相違点を中心に説明する。
【0090】
図10は、本発明の第4実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置100の概略構成図である。
【0091】
本実施形態によるバッテリ式フォークリフトのモータ制御装置100は、第3実施形態のものに対して、リフトレバー操作検出センサ94と、チルトレバー操作検出センサ95と、を新たに設けたものである。
【0092】
リフトレバー操作検出センサ94は、リフト制御弁52の手動レバー521が操作されているかを検出するセンサであって、リフト制御弁52が保持制御位置(c)以外の位置に切り替えられていることを検知する。
【0093】
チルトレバー操作検出センサ95は、チルト制御弁54の手動レバー541が操作されているかを検出するセンサであって、チルト制御弁54が保持制御位置(f)以外の位置に切り替えられていることを検知する。
【0094】
本実施形態では、このリフトレバー操作検出センサ94、チルトレバー操作検出センサ95及びステアリング操作角検出センサ93の検出信号に基づいて、設定圧Psetの値を変化させる。
【0095】
図11は、本実施形態によるモータ3の回転速度制御について説明するフローチャートである。
【0096】
ステップS1からステップS7までの処理は、第1実施形態と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0097】
ステップS41において、コントローラ9は、設定圧算出処理を実施する。設定圧算出処理については、図12を参照して後述する。
【0098】
図12は、設定圧算出処理について説明するフローチャートである。
【0099】
ステップS411において、コントローラ9は、リフトレバー操作検出センサ94の検出信号に基づいて、リフト制御弁52の手動レバー521が操作されているか、すなわち、リフト制御弁52が保持制御位置(c)以外の位置に切り替えられているかを判断する。コントローラ9は、リフト制御弁52の手動レバー521が操作されていればステップS414の処理を行い、操作されていなければステップS412の処理を行う。
【0100】
ステップS412において、コントローラ9は、チルトレバー操作検出センサ95の検出信号に基づいて、チルト制御弁54の手動レバー541が操作されているか、すなわち、チルト制御弁54が保持制御位置(f)以外の位置に切り替えられているかを判断する。コントローラ9は、チルト制御弁54の手動レバー541が操作されていればステップS414の処理を行い、操作されていなければステップS413の処理を行う。
【0101】
ステップS413において、コントローラ9は、ステアリング操作角検出センサ93の検出信号に基づいて、ステアリング221が操作されているか、すなわち、ステアリング221が左右のいずれかに回転させられているかを判断する。コントローラ9は、ステアリング221が操作されていればステップS414の処理を行い、操作されていなければステップS415の処理を行う。
【0102】
このようにコントローラ9は、リフト制御弁52の手動レバー521、チルト制御弁54の手動レバー541及びステアリング221が1つでも操作されていればステップS414の処理を行い、いずれも操作されていなければステップS415の処理を行う。
【0103】
ステップS414において、コントローラ9は、設定圧Psetの値を第1所定値Pnormalに設定する。
【0104】
ステップS415において、コントローラ9は、設定圧Psetの値を第1所定値よりも小さい第2所定値Plowに設定する。
【0105】
以上説明した本実施形態によれば、リフト制御弁52の手動レバー421、チルト制御弁54の手動レバー541及びステアリング221のいずれもが操作されていないときは、設定圧Psetを通常設定される第1所定値Pnormalよりも小さい第2所定値Plowに設定する。
【0106】
これにより、リフト制御弁52の手動レバー521、チルト制御弁54の手動レバー541及びステアリング221のいずれもが操作されていない低負荷状態のときは、目標ポンプ吐出圧Ptを低くすることができる。その結果、モータ回転速度を低くすることができるので、電費をより向上させることができる。
【0107】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【0108】
例えば、上記各実施形態では、リフト制御弁52及びチルト制御弁54を手動レバー421,541によって機械的に操作していたが、図13に示すようにそれぞれの制御弁52,54を電磁弁として電気的に操作しても良い。この場合、手動レバー521,541の操作信号を電気信号としてコントローラ9に入力し、その入力信号に応じてそれぞれの制御弁52,54をコントローラ9によって制御すれば良い。
【0109】
また、上記各実施形態では、バッテリ式フォークリフトにモータ3の回転速度制御を適用してが、バッテリ式フォークリフトに限らず油圧アクチュエータを使用する各種の産業車両に適用しても良い。
【符号の説明】
【0110】
3 モータ(電気モータ)
4 油圧ポンプ(ポンプ)
6 最高負荷圧検出回路
8 吐出圧センサ(吐出圧検出手段)
21 ステアリングシリンダ(ステアリングアクチュエータ)
22 ステアリング制御弁
51 リフトシリンダ(アクチュエータ)
52 リフト制御弁(制御弁)
53 チルトシリンダ(アクチュエータ)
54 チルト制御弁(制御弁)
65 負荷圧センサ(最高負荷圧検出手段)
S1 着座検出手段
S3 停止手段
S74 暫定目標回転速度算出手段
S75 上限回転速度算出手段
S76 目標回転速度算出手段
S77 回転速度制御手段
S371 ステアリング操作量検出手段
S373 補正回転速度算出手段
S411 作動検出手段
S412 作動検出手段
S413 作動検出手段
S415 設定圧可変手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータの回転速度を制御する電気モータ制御装置であって、
前記電気モータによって駆動され、その電気モータの回転速度に応じた流量の作動流体を吐出するポンプと、
前記ポンプから吐出された作動流体によって駆動される少なくとも1つのアクチュエータと、
前記アクチュエータに対する作動流体の給排を切り替える制御弁と、
前記アクチュエータの負荷圧のうち、最も高い負荷圧を最高負荷圧として導く最高負荷圧検出回路と、
前記ポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段と、
前記最高負荷圧検出回路の負荷圧を検出する最高負荷圧検出手段と、
前記ポンプの吐出圧が前記最高負荷圧よりも所定の設定圧だけ高くなるように、前記最高負荷圧に基づいて前記電気モータの暫定目標回転速度を算出する暫定目標回転速度算出手段と、
前記ポンプの吐出圧に基づいて、前記電気モータの出力トルクがその吐出圧のときに出力可能な最大トルクとなる前記電気モータの回転速度を上限回転速度として算出する上限回転速度算出手段と、
前記暫定目標回転速度と前記上限回転速度とのうち、低いほうを前記電気モータの目標回転速度として算出する目標回転速度算出手段と、
前記電気モータの回転速度が前記目標回転速度となるように、前記電気モータの回転速度を制御する回転速度制御手段と、
を備えることを特徴とする電気モータ制御装置。
【請求項2】
前記アクチュエータが作動しているか否かを検出する作動検出手段と、
前記アクチュエータの全てが作動していない場合は、少なくとも1つが作動しているときよりも前記設定圧を小さくする設定圧可変手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気モータ制御装置。
【請求項3】
産業車両に搭載される電気モータの回転速度を制御する電気モータ制御装置であって、
前記電気モータによって駆動され、その電気モータの回転速度に応じた流量の作動流体を吐出するポンプと、
前記ポンプから吐出された作動流体によって駆動される少なくとも1つのアクチュエータと、
前記アクチュエータに対する作動流体の給排を切り替える切制御弁と、
前記アクチュエータの負荷圧のうち、最も高い負荷圧を最高負荷圧として導く最高負荷圧検出回路と、
前記ポンプから吐出された作動流体によって駆動され、前記産業車両の車輪の舵角を制御するステアリングアクチュエータと、
ステアリング操作に応じて前記ステアリングアクチュエータに対する作動流体の給排を切り替えるステアリング制御弁と、
前記ポンプの吐出圧を検出する吐出圧検出手段と、
前記最高負荷圧検出回路の負荷圧を検出する最高負荷圧検出手段と、
ステアリングの操作量を検出するステアリング操作量検出手段と、
前記ポンプの吐出圧が前記最高負荷圧よりも所定の設定圧だけ高くなるように、前記最高負荷圧に基づいて前記電気モータの暫定目標回転速度を算出する暫定目標回転速度算出手段と、
前記ポンプの吐出圧に基づいて、前記電気モータの出力トルクがその吐出圧のときに出力可能な最大トルクとなる前記電気モータの回転速度を上限回転速度として算出する上限回転速度算出手段と、
前記ステアリング操作量に基づいて、ステアリング操作に必要な流量を吐出可能な前記モータの回転速度を補正回転速度として算出する補正回転速度算出手段と、
前記暫定目標回転速度に補正回転速度と足したものと、前記上限回転速度とのうち、低いほうを前記電気モータの目標回転速度として算出する目標回転速度算出手段と、
前記電気モータの回転速度が前記目標回転速度となるように、前記電気モータの回転速度を制御する回転速度制御手段と、
を備えることを特徴とする電気モータ制御装置。
【請求項4】
前記アクチュエータ及び前記ステアリングアクチュエータが作動しているか否かを検出する作動検出手段と、
前記アクチュエータ及び前記ステアリングアクチュエータの全てが作動していない場合は、少なくとも1つが作動しているときよりも前記設定圧を小さくする設定圧可変手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載の電気モータ制御装置。
【請求項5】
前記産業車両の座席に作業者が着席しているか否かを検出する着座検出手段と、
座席に作業者が着席していないと判断したときに、前記電気モータの駆動を停止させる電気モータ停止手段と、
を備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電気モータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−100864(P2013−100864A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244779(P2011−244779)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(311003628)日産フォークリフト株式会社 (2)
【Fターム(参考)】