説明

PPARモジュレーターとしての化合物および組成物

本発明は、化合物、このような化合物を含む医薬組成物、およびペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)ファミリーの活性、特にPPARδの活性と関連する疾患または障害の処置または予防のためのこのような化合物の使用法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2004年5月14日出願の米国仮特許出願60/571,004の優先権の利益を主張する。この出願の全部の記載は、引用により、その全体として、かつすべての目的に関して、本出願に包含される。
【0002】
技術分野
本発明は、化合物、このような化合物を含む医薬組成物および、このような化合物のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)ファミリーの活性、特にPPARδの活性と関連する疾患または障害の処置または予防における使用法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、核ホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーであり、それは、遺伝子発現を制御するリガンド活性化転写因子である。ある種のPPARは、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む多数の疾患状態と関連している。従って、PPAR、特にPPARδの活性を調節する分子は、このような疾患の処置に置ける治療剤として有用である。
【発明の開示】
【0004】
発明の概要
一つの局面において、本発明は、式I:
【化1】

【0005】
〔式中、
【0006】
mは1、2および3から選択される整数であり;
【0007】
、ZおよびZはCHおよびNから独立して選択されるメンバーであり;
【0008】
は−XOX−および−XS(O)0−2X−から選択され;ここで、Xは結合およびC1−4アルキレンから独立して選択され;ここで、Lの任意のアルキレンは所望によりハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;
【0009】
およびRは−R10および−YR10から独立して選択され;ここで、YはC1−6アルキレン、C2−6アルケニレンおよびC2−6アルキニレンから選択され;そしてR10はC3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−13ヘテロアリールから選択され;
【0010】
ここで、R10の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XS(O)0−2XR11、−XS(O)0−2XR12、−XNR1111、−XNR11XR12および−XOXR12から選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xは結合またはC1−4アルキレンであり;R11は水素およびC1−6アルキルから選択され;そしてR12はC3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、R12の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;
【0011】
はハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;
【0012】
は−XOXC(O)OR11および−XC(O)OR11から選択され;ここで、Xは結合またはC1−4アルキレンであり;そしてR11は水素およびC1−6アルキルから選択される。〕
の化合物、およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、それらの個々の異性体および異性体混合物;およびそのような化合物の薬学的に許容される塩および溶媒和物(例えば水和物)を提供する。
【0013】
第二の局面において、本発明は、式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、それらの個々の異性体および異性体混合物;またはその薬学的に許容される塩を、1種以上の適当な賦形剤と共に含む、医薬組成物を提供する。
【0014】
第三の局面において、本発明は、動物におけるPPAR、特にPPARδ活性の調節が、疾患の病状および/または症状を予防、阻止または改善できる疾患または障害の処置法であって、該動物に治療的有効量の式Iの化合物またはそのN−オキシド誘導体、それらの個々の異性体および異性体混合物、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【0015】
第四の局面において、本発明は、動物におけるPPAR活性、特にPPARδ活性が疾患の病状および/または症状に関与する疾患の処置用医薬の製造における、式Iの化合物の使用を提供する。
【0016】
第五の局面において、本発明は、式Iの化合物およびそのN−オキシド誘導体、プロドラッグ誘導体、被保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物、およびその薬学的に許容される塩の製造法を提供する。
【0017】
発明の詳細な記載
定義
基および他の基、例えばハロ−置換−アルキルおよびアルコキシの構造要素としての“アルキル”は、直鎖または分枝鎖であり得る。C1−6アルコキシは、メトキシ、エトキシなどを含む。ハロ−置換アルキルはトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどを含む。
【0018】
“アリール”は、6個から10個の環炭素原子を含む、単環式または縮合二環式芳香環集合体を意味する。例えば、アリールはフェニルまたはナフチル、好ましくはフェニルであり得る。“アリーレン”は、アリール基に由来する2価基を意味する。
【0019】
“ヘテロアリール”は、アリールについて上記の通りであり、ここで、環員の1個以上がヘテロ原子である。例えばヘテロアリールはピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾ−イミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニルなどを含む。“C6−10アリールC0−4アルキル”は、アルキレン基を介して結合している、上記で定義の通りのアリールを意味する。例えば、C6−10アリールC0−4アルキルはフェネチル、ベンジルなどを含む。
【0020】
“シクロアルキル”は、記載の環原子数を含む、飽和または部分的不飽和、単環式、縮合二環式または架橋多環式環集合体を意味する。例えば、C3−10シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含む。
【0021】
“ヘテロシクロアルキル”は、環炭素の1個以上が−O−、−N=、−NR−、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−(ここで、Rは水素、C1−4アルキルまたは窒素保護基である)から選択される部分で置換されている以外、本明細書で定義の通りのシクロアルキルである。例えば、本発明の化合物を説明するために本明細書で使用するC3−8ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4−ジオキサ−8−アザ−スピロ[4.5]デク−8−イルなどを含む。
【0022】
“ハロゲン”(またはハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロであり、またブロモまたはヨードでもあり得る。
【0023】
“処置”、“処置する”および“処置し”は、疾患および/またはその附随症状を軽減または寛解させる方法を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明は、PPARδ活性の調節が、疾患の病状(pathology)および/または症状(symptomology)を予防、阻止または改善できる疾患の処置のための、化合物、組成物および方法を提供し、その方法は、動物に治療的有効量の式Iの化合物を投与することを含む。
【0025】
一つの態様において、式Iの化合物に関して、mが1から3から選択される整数であり;Z、ZおよびZがCHおよびNから独立して選択されるメンバーであり;Lが−XOX−および−XSX−から選択され;ここで、Xが結合およびC1−4アルキレンから独立して選択され;RおよびRが−R10および−YR10から独立して選択され;ここで、YがC1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され;そしてR10がC6−10アリールおよびC5−13ヘテロアリールから選択され;ここで、R10の任意のアリールまたはヘテロアリールが所望によりハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XS(O)0−2XR11、−XNR1111および−XOXR12から選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xが結合またはC1−4アルキレンであり;R11が水素およびC1−6アルキルから選択され;そしてR12がC6−10アリールであり;RがC1−6アルキルであり;そしてRが−XOXC(O)OR11であり;ここで、Xが結合またはC1−4アルキレンであり;そしてR11が水素およびC1−6アルキルから選択される。
【0026】
他の態様において、本発明は、式Ia:
【化2】

【0027】
〔式中、
【0028】
、ZおよびZはCHおよびNから独立して選択されるメンバーであり;
【0029】
は−CHO−、−OCH−および−SCH−から選択され;
【0030】
およびRは−R10および−YR10から独立して選択され;ここで、Yはプロペニレンであり;そしてR10はフェニル、ビフェニル、ナフチル、ベンゾ[b]フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ジベンゾ−フラン−2−イル、フラニル、ベンゾ[b]チオフェン、チエニルおよびキノリニルから選択され;ここで、R10の任意のアリールまたはヘテロアリールは所望によりハロ、シアノ、メチル、ヒドロキシ−メチル、メチル−スルファニル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、エチル−スルホニルおよびジメチルアミノから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよい。〕
の化合物を提供する。
【0031】
他の態様において、これは式Ib:
【化3】

【0032】
〔式中、
は−R10および−YR10から選択され;ここで、Yはプロペニレンであり;そしてR10はフェニル、ビフェニル、ナフチル、ベンゾ[b]フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ジベンゾ−フラン−2−イル、フラニル、ベンゾ[b]チオフェン、チエニルおよびキノリニルから選択され;ここで、R10の任意のアリールまたはヘテロアリールは所望によりハロ、シアノ、メチル、ヒドロキシ−メチル、メチル−スルファニル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、エチル−スルホニルおよびジメチルアミノから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;そしてR13はメトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選択される。〕
の化合物である。
【0033】
好ましい式Iの化合物は、下記実施例に詳述する。
【0034】
薬理学および有用性
本発明の化合物は、PPARの活性を調節し、それ自体、PPARが疾患の病状および/または症状に関与する疾患または障害の処置に有用である。本発明は、さらにPPAR、特にPPARδが疾患の病状および/または症状に関与する、疾患または障害の処置用医薬の製造において使用するための本発明の化合物を提供する。
【0035】
このような化合物は、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、高コレステロール血症、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満、カヘキシー、HIV消耗性症候群、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、摂食障害、拒食症、過食症、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置または予防に用い得る。好ましくは、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心臓血管疾患、高血圧、肥満、炎症、癌、皮膚障害、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎およびクローン病の処置または予防用である。
【0036】
本発明の化合物はまた、長期の重病の処置、筋肉量および/または筋肉強度の増加、除脂肪体重の増加、高齢者における筋肉強度および機能の維持、筋肉持久力および筋肉機能の増強、および高齢者における脆弱さの回復または予防にも使用できる。
【0037】
さらに、本発明の化合物は、哺乳類において、1型および2型糖尿病、糖代謝障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、およびシンドロームXのような、耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態の処置および予防用血糖低下剤として使用できる。好ましくは1型および2型糖尿病、糖代謝障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)および空腹時血糖障害(IFG)である。
【0038】
前記によって、本発明は、さらに、処置を必要とする対象における上記のいずれかの疾患または障害の予防または処置法であって、該対象に治療的有効量(下記“投与および医薬組成物”参照)の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。上記の何らかの使用に関して、必要な投与量は、投与の形態、処置すべき特定の状態および望む効果に依存して変化する。本発明はまた:i)医薬として使用するための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩;およびii)上記のいずれかの疾患または障害の予防または処置用医薬の製造のための本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0039】
投与および医薬組成物
一般に、本発明の化合物は、当分野で既知の通常のおよび許容される形態のいずれかを介して、治療的有効量で、単剤として、または1種以上の治療剤との組合せのいずれかで投与される。治療的有効量は疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康状態、使用する化合物の効力および他の因子に依存して広範囲に変化し得る。一般に、満足な結果が、約0.03から2.5mg/体重kgの一日投与量で全身的に得られることが示される。大型哺乳類、例えばヒトにおける指示される1日投与量は、約0.5mgから約100mgの範囲であり、簡便には、例えば1日4回までの分割量でまたは徐放形で投与される。経口投与用の適当な単位投与形態は、約1から50mg活性成分を含む。
【0040】
本発明の化合物は、医薬組成物として、任意の慣用の経路により、特に経腸的に、例えば、経口で、例えば、錠剤またはカプセルの形で、または非経腸的に、例えば、注射可能溶液または懸濁液の形で、局所的に、例えば、ローション、ゲル、軟膏またはクリームの形で、または鼻腔内または坐薬形態で投与できる。遊離形または薬学的に許容される塩形の本発明の化合物を、少なくとも1個の薬学的に許容される担体または希釈剤と共に含む医薬組成物は、混合、造粒またはコーティング法による慣用法で製造できる。例えば、経口組成物は、活性成分を、a)希釈剤、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロースおよび/またはグリシン;b)滑剤、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、そのマグネシウムまたはカルシウム塩および/またはポリエチレングリコール;錠剤についてはまたc)結合剤、例えば、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、デンプンペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースおよび/またはポリビニルピロリドン;所望によりd)崩壊剤、例えば、デンプン、寒天、アルギン酸またはそのナトリウム塩、または起沸性混合物;および/またはe)吸収剤、着色剤、香味剤および甘味剤を含む、錠剤またはゼラチンカプセルである。注射可能組成物は、水性等張溶液または懸濁液であってよく、そして坐薬は脂肪エマルジョンまたは懸濁液から製造できる。本組成物は滅菌してよくおよび/またはアジュバント、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、溶解促進剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよい。加えて、それらはまた他の治療的に価値ある物質を含んでよい。経皮適用のための適当な製剤は、有効量の本発明の化合物と担体を含む。担体は、宿主の皮膚を通した通過を助けるための吸収可能な薬理学的に許容される溶媒を含み得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち部材、化合物所望により担体と共に含む貯蔵部、所望により化合物を宿主皮膚に制御され、予定された速度で長期間送達するための速度制御バリア、および本デバイスを宿主の皮膚に固定するための手段を含む、バンデージの形である。マトリックス経皮製剤も使用できる。例えば、皮膚および眼への局所投与用の適当な製剤は、好ましくは当分野で既知の水性溶液、軟膏、クリームまたはゲルである。これらは、可溶化剤、安定化剤、張性増強剤、緩衝剤および防腐剤を含み得る。
【0041】
本発明はまた、上記の通りの治療的有効量の化合物を、1種以上の薬学的に許容される担体と組み合わせて含む、医薬組成物にも関する。
【0042】
本発明の化合物は、治療的有効量で、1種以上の治療剤と組み合わせて投与できる(医薬組合せ剤)。
【0043】
故に、本発明はまた1)上記で定義の本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩;および2)下記から選択される少なくとも1個の活性成分を含む、組合せ製剤または医薬組成物(固定された組合せ剤)のような医薬組合せ剤に関する:
【0044】
a)インスリン、インスリン誘導体および摸倣体;スルホニルウレア、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン増感剤;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445のようなGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤;GW−0791およびAGN−194204のようなRXRリガンド;T−1095のようなナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAY R3401のようなグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;メトホルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、Exendin−4のようなGLP−1類似体およびGLP−1摸倣体;DPP728、LAF237(ビルダグリプチン − WO00/34241の実施例1)、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23AのようなDPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤;AGE破壊剤;ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または実施例4の化合物19として特許出願WO03/043985に記載の(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570のようなチアゾリドン誘導体(グリタゾン)のような抗糖尿病剤;
【0045】
b)3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリールコエンザイム(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン(rivastatin);スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミンミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリンのような抗高脂血症剤;
【0046】
c)フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキストロアンフェタミン(dexamphetamine)、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミンミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、シュードエフェドリンまたはカンナビノイド受容体アンタゴニストのような抗肥満剤または食欲制御剤;
【0047】
d)エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿剤;チアジド誘導体、クロロチアジド(chlorithiazide)、ヒドロクロロチアジド、アミロライドのような利尿剤;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプ阻害剤;チオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072のような中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;SLV306のようなECE阻害剤;オマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタンのようなアンギオテンシンIIアンタゴニスト;アリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO−66−1132、RO−66−1168のようなレニン阻害剤;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなβ−アドレナリン受容体ブロッカー;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような変力剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネルブロッカー;アルドステロン受容体アンタゴニスト;およびアルドステロンシンターゼ阻害剤のような抗高血圧剤;
【0048】
e)HDL増加性化合物;
【0049】
f)Zetia(登録商標)およびKT6−971のようなコレステロール吸収モジュレーター;
【0050】
g)Apo−A1類似体および摸倣体;
【0051】
h)キシメラガトランのようなトロンビン阻害剤;
【0052】
i)アナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール(fadrazole)、エプレレノンのようなアルドステロン阻害剤;
【0053】
j)アスピリン、重硫酸クロピドグレルのような血小板凝集阻害剤;
【0054】
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
【0055】
l)フェマラのようなアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤、プラチン化合物、PDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくは欧州特許出願EP−A−0564409に実施例21として記載のイマチニブ({N−{5−[4−(4−メチル−ピペラジノ−メチル)−ベンゾイルアミド]−2−メチルフェニル}−4−(3−ピリジル)−2−ピリミジン−アミン})または特許出願WO04/005281に実施例92として記載の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドのようなタンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物のような化学療法剤;および
【0056】
m)US特許5510353に実施例13として記載のテガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロン(cilansetron)のような5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤;
【0057】
または、いずれの場合もその薬学的に許容される塩;および所望により薬学的に許容される担体。
【0058】
もっとも好ましい組合せパートナーは、テガセロド、イマチニブ、ビルダグリプチン、メトホルミン、チアゾリドン誘導体(グリタゾン)、例えばピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、スルホニルウレア受容体リガンド、アリスキレン、バルサルタン、オーリスタットまたはスタチン、例えばピタバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチンまたはプラバスタチンである。
【0059】
好ましくは本医薬組合せ剤は、治療的有効量の上記で定義の本発明の化合物を、治療的有効量の上記の他の治療剤と、例えば、各々当分野で報告されている通りの有効治療量で組み合わせて含む。組合せパートナー(1)および(2)は、一緒に、交互にまたは別々に、一個の組合せ単位投与形態で、または2個の別々の単位投与形態で投与できる。単位投与形態は、また固定された組合せ剤であり得る。
【0060】
一般名または商品名により同定している活性成分の構造式は、標準概論“The Merck Index”もしくはPhysician's Desk Referenceの現行版またはデータベース、例えばPatents International(例えばIMS World Publications)またはCurrent Drugsから取り得る。それらの対応する内容は、引用により本明細書に包含する。当業者は、活性成分を同定することが十分に可能であり、そして、これらの引用文献に基づき、同様に製造し、薬理学的適応および特性を、インビトロおよびインビボ両方の標準試験モデルで試験することが可能である。
【0061】
他の好ましい局面において、本発明は、治療的有効量の本明細書に記載の化合物を、治療的有効量の上記のグループa)からm)から選択される少なくとも1種の活性成分、またはいずれの場合もそれらの薬学的に許容される塩と組み合わせて含む、医薬組成物(固定された組合せ剤)に関する。
【0062】
本明細書に記載の医薬組成物または組合せ剤は、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、糖代謝障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、およびシンドロームXのような耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態の処置用医薬の製造用である。
【0063】
このような治療剤は、エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター、インスリン、インスリン誘導体および摸倣体;スルホニルウレア、例えば、グリピジドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、GSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤またはRXRリガンドのようなインスリン増感剤;メトホルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、Exendin−4のようなGLP−1類似体、およびGLP−1摸倣体;DPPIV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害剤、例えばイソロイシン−チアゾリジド;DPP728およびLAF237、3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリールコエンザイム(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤、例えば、ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチン、フルインドスタチン(fluindostatin)およびリバスタチン(rivastatin)、スクアレンシンターゼ阻害剤またはFXR(肝臓X受容体)およびLXR(ファルネソイドX受容体)リガンド、コレスチラミンミン、フィブラート、ニコチン酸およびアスピリンのような抗高脂血症剤を含む。本発明の化合物は、他の活性成分と同時に、前にまたは後に、別々に、同じもしくは異なる投与経路で、または、一緒に、同じ医薬製剤で投与できる。
【0064】
本発明はまたa)遊離形または薬学的に許容される塩形のここに記載の本発明の化合物である第一剤、およびb)少なくとも1個の併用剤を含む、医薬組合せ剤、例えばキットを提供する。本キットは、その投与のための指示書を含み得る。
【0065】
ここで使用する用語“併用投与”または“組合せ投与”などは、選択した治療剤を単独の患者に投与することを含むことを意味し、薬剤を必ずしも同じ投与経路でまたは同時に投与するものではない処置レジメンを含むことを意図する。
【0066】
本明細書で使用する“医薬組合せ剤”は、1個を超える活性成分の混合または組合せによりもたらされる製品を意味し、活性成分の固定されたおよび固定されていない組合せ剤の両方を含む。用語“固定された組合せ剤”は、活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤が、両方とも患者に、同時に、一つの物または用量の形態で投与することを意味する。用語“固定されていない組合せ剤”は、活性成分、例えば式Iの化合物および併用剤を、両方とも患者に、別々の物として、同時に、一緒にまたは具体的時間制限なしに連続して投与することを意味し、ここで、このような投与は患者体内で2種の化合物の治療的有効濃度を提供する。後者はまたカクテル療法、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用される。
【0067】
本発明の化合物の製造法
本発明はまた本発明の化合物の製造法を含む。記載の反応において、反応性官能基、例えばヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオまたはカルボキシ基を、これらが最終生成物において望まれるとき、それらの反応への望ましくない参加を避けるために、保護する必要があるかもしれない。慣用の保護基は、標準法に従って使用でき、例えば、T.W. Greene and P. G. M. Wuts in “Protective Groups in Organic Chemistry”, John Wiley and Sons, 1991を参照のこと。
【0068】
式Iの化合物は、下記反応スキーム1の通りに進行して製造できる:
【化4】

【0069】
〔式中、m、L、R、R、R、R、Z、ZおよびZは、発明の概要において式Iについて定義の通りであり、そしてQはハロ(例えばCl、Br、Iなど)である。〕。式Iの化合物は、式2の化合物と式3および4の化合物を、適当な触媒(例えば、Pd(PPh)など)および適当な溶媒(例えば、ジオキサン、エタノールなど)存在下で反応させることにより製造する。反応は、約150℃から約200℃の温度の範囲で進行(マイクロ波照射)させ、完了まで最大20分かかる。
【0070】
式Iの中間体は、下記反応スキーム2aおよび2bの通りに進行して製造できる:
【化5】

【0071】
〔式中、R、R、Z、ZおよびZは、発明の概要において式Iについて定義の通りであり、そしてQはハロ(例えばCl、Br、Iなど)である。〕。式6の化合物を、式5の化合物と式3および4の化合物を、適当な触媒(例えば、Pd(PPh)など)および適当な溶媒(例えば、ジオキサン、エタノールなど)の存在下反応させることにより、製造する。反応は、約150℃から約200℃の温度の範囲で進行(マイクロ波照射)させ、完了まで最大20分かかる。式6の化合物を適当な触媒(例えば、N−ブロモスクシンイミド(NBS)など)および適当な臭素化剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)など)の存在下でさらに反応させて、式7の化合物を製造する。
【0072】
が−OCH−である式Iの化合物は、下記反応スキーム2bの通りに進行して製造できる:
【化6】

【0073】
〔式中、m、R、R、R、R、Z、ZおよびZは、発明の概要において式Iについて定義の通りである。〕。式Iの化合物は、式5の化合物と式6の化合物を、適当な溶媒(例えば、アセトニトリルなど)および適当な塩基(例えば、炭酸セシウムなど)の存在下で反応させて製造する。反応は窒素下で行い、完了まで最大30時間かかる。本反応を、所望により、例えば、LiOHなどでの鹸化により完了し得る。
【0074】
本発明の化合物のさらなる製造法
本発明の化合物は、薬学的に許容される酸付加塩として、遊離塩基の化合物と薬学的に許容される無機または有機酸を反応させることにより製造できる。あるいは、本発明の化合物の薬学的に許容される塩基付加塩を、遊離酸形態の化合物と、薬学的に許容される無機または有機塩基を反応させることにより製造できる。あるいは、本発明の化合物の塩形態を、塩の出発物質または中間体を使用して製造できる。
【0075】
本発明の化合物の遊離酸または遊離塩基は、対応する付加塩または酸付加塩形から各々製造できる。例えば酸付加塩形の本発明の化合物を、適当な塩基(例えば、水酸化アンモニウム溶液、水酸化ナトリウムなど)での処理により対応する遊離塩基に変換できる。塩基付加塩形の本発明の化合物を適当な酸(例えば、塩酸など)での処理により対応する遊離酸に変換できる。
【0076】
酸化されていない形の本発明の化合物を、本発明の化合物のN−オキシドから、還元剤(例えば、硫黄、二酸化硫黄、トリフェニルホスフィン、リチウムボロハイドライド、水素化ホウ素ナトリウム、リン三塩化物、三臭化物など)で、適当な不活性有機溶媒(例えばアセトニトリル、エタノール、水性ジオキサンなど)中、0から80℃で処理することにより製造できる。
【0077】
本発明の化合物のプロドラッグ誘導体は、当業者に既知の方法により製造できる(例えば、さらなる詳細はSaulnier et al., (1994), Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters, Vol. 4, p. 1985を参照のこと)。例えば、適当なプロドラッグは、誘導体化されていない本発明の化合物と、適当なカルバミル化剤(例えば、1,1−アシルオキシアルキルカルバノクロリデート、パラ−ニトロフェニルカーボネートなど)を反応させることにより製造できる。
【0078】
本発明の化合物の被保護誘導体は、当業者に既知の方法により製造できる。保護基の創成およびそれらの除去に適用できる技術の詳細な記載は、T. W. Greene, “Protecting Groups in Organic Chemistry”, 3rd edition, John Wiley and Sons, Inc., 1999に見ることができる。
【0079】
本発明の化合物は、溶媒和物(例えば、水和物)として簡便に製造でき、または、本発明の中に形成できる。本発明の化合物の水和物は、簡便には、水性/有機溶媒混合物から、ジオキシン、テトラヒドロフランまたはメタノールのような有機溶媒を使用した、再結晶により製造できる。
【0080】
本発明の化合物は、それらの個々の立体異性体として、本化合物のラセミ混合物を、光学活性分割剤と反応させて、ジアステレオ異性体化合物の対を形成させ、ジアステレオマーを分離し、光学的に純粋なエナンチオマーを回収することにより製造できる。エナンチオマーの分割は本発明の化合物の共有結合ジアステレオマー誘導体を使用して行うことができるが、解離可能な複合体が好ましい(例えば、結晶性ジアステレオマー塩)。ジアステレオマーは異なる物理的特性(例えば、融点、沸点、溶解性、反応性など)を有し、これらの差異を利用して容易に分離できる。ジアステレオマーを、クロマトグラフィーにより、または好ましくは、溶解度の差異に基づく分離/分割技術により分離できる。光学的に純粋なエナンチオマーを、次いで、分割剤と共に、ラセミ化をもたらさない任意の実際的手段により回収する。化合物の立体異性体のそれらのラセミ混合物からの分割に適用できる技術のより詳細な記載は、Jean Jacques, Andre Collet, Samuel H. Wilen, “Enantiomers, Racemates and Resolution”, John Wiley and Sons, Inc., 1981に見ることができる。
【0081】
要約として、式Iの化合物は、下記を含む方法により製造できる:
【0082】
(a)反応スキーム1または2のもの;および
【0083】
(b)所望により本発明の化合物を薬学的に許容される塩に変換し;
【0084】
(c)所望により本発明の化合物の塩形を非塩形に変換し;
【0085】
(d)所望により本発明の化合物の非酸化形を薬学的に許容されるN−オキシドに変換し;
【0086】
(e)所望により本発明の化合物のN−オキシド形をその非酸化形に変換し;
【0087】
(f)所望により本発明の化合物の個々の異性体を異性体混合物から分割し;
【0088】
(g)所望により誘導体化されていない本発明の化合物を薬学的に許容されるプロドラッグ誘導体に変換し;そして
【0089】
(h)所望により本発明の化合物のプロドラッグ誘導体を、その非誘導体化形に変換する。
【0090】
出発物質の製造が特に記載されていない限り、該化合物は既知であるか、または、当分野で既知の方法に準じて、または下記実施例に記載の通りに製造できる。
【0091】
当業者は、上記の変換が本発明の化合物の製造のための単なる代表例であり、他の既知の方法が同様に使用できることを認識しよう。
【実施例】
【0092】
本発明は、本発明の式Iの化合物の製造法を説明する、下記中間体および実施例によりさらに例示するが、これらに限定されない。
【化7】

【0093】
中間体4. (4−ヒドロキシ−2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル。
【0094】
段階A:4'−ヒドロキシ−3'−メチルアセトフェノン1(25g、166.4mmol)およびメチル−ブロモアセテート(25.5g、166.4mmol)をMeCN(600mL)に溶解する。CsCO(117.8g、332.9mmol)を添加し、混合物を一晩室温で撹拌する。不溶性塩を濾過し、MeCNで洗浄した後、溶媒を除去し、残りをEtOAcに取り込み、連続的に1M HCl(3×500mL)およびHO(2×500mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して2を白色固体として得る。
【0095】
段階B:(4−アセチル−2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル2(33g、151.3mmol)、77%mCPBA(54.9g、264.8mmol)およびp−TsOH(2.9g、15.1mmol)のDCM(650mL)溶液を還流下、48時間撹拌する。反応混合物を次いで1M KI(2×500mL)およびNaHSO(2×500mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して3を褐色シロップとして得る。
【0096】
段階C:(4−アセトキシ−2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル3(25g、105.0mmol)の乾燥MeOH(400mL)溶液をMeOH中のNaOMeの0.5M溶液(210mL、105.0mmol)と合わせ、1時間、室温で撹拌する。溶液を1M HClで中和し、HO(2×500mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して4を褐色固体として得る:1H-NMR(400MHz, CD3OD)δ = 6.65-6.51(m, 3H), 4.60(s, 2H), 3.75(s, 3H), 2.19(s, 3H)。C1013(M+H)のMS計算値197.1、実測値197.2。
【0097】
【化8】

中間体6. (4−メルカプト−2−メチル−フェノキシ)−酢酸エチルエステル。
【0098】
段階A:500mL三首丸底フラスコにクロロスルホン酸(25mL、373.9mmol)を入れ、窒素でフラッシュし、0℃に冷却する。窒素下および激しい撹拌下に、エチル(2−メチルフェノキシ)アセテート1(40g、206.2mmol)を滴下する。混合物を90分、0℃で撹拌し、次いで氷水(200mL)に注ぐ。混合物をさらに45分、室温で撹拌後、白色沈殿を濾過し、氷水で洗浄し、真空で乾燥させて、5を白色固体として得る。
【0099】
段階B:(4−クロロスルホニル−2−メチル−フェノキシ)−酢酸エチルエステル5(25g、85.4mmol)およびスズ(50.8g、427mmol)をEtOHに懸濁し、0℃に冷却する。ジオキサン中4N HCl溶液(107mL、427mmol)を滴下した後、得られた混合物を3時間加熱還流する。次いで混合物を真空で濃縮し、残りをクロロホルムに取り込み、濾過する。濾液を真空で黄色油状物まで濃縮し、それをクロマトグラフィー(シリカ、Hex/EtOAc勾配)で精製し、6を無色油状物として得る: 1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.14(m, 1H), 7.07-7.10(m, 1H), 6.59(m, 1H), 4.60(s, 2H), 4.25(q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.33(s, 1H), 2.24(s, 3H), 1.29(t, J = 7.1 Hz, 3H)。C1114S(M+H)のMS計算値227.1、実測値227.4。
【0100】
【化9】

中間体8. (3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸メチルエステル。
【0101】
段階A:3−クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸7(20g、107mmol)を、触媒量の濃HSO(2.5mL)を含むMeOH(250mL)に溶解する。溶液を一晩加熱還流する。溶媒を蒸発させ、残りをDCMに溶解し、HO(3×200mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して8を明黄色固体として得る:1H-NMR(400MHz, CD3OD)δ = 7.21(d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.01(dd, J = 2.1 Hz, J = 8.3, 1H), 6.84(d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.67(s, 3H), 3.54(s, 2H)。C10ClO(M+H)のMS計算値201.0、実測値201.2。
【0102】
【化10】

中間体11. (3−クロロ−4−メルカプト−フェニル)−酢酸メチルエステル。
【0103】
段階A:3−(クロロ−4−ヒドロキシ−フェニル)−酢酸メチルエステル8(4.1g、21.4mmol)、ジメチルチオカルバモイルクロライド(3.2g、25.6mmol)、EtN(5.9mL、42.8mmol)およびDMAP(261mg、2.14mmol)を乾燥ジオキサン(30mL)に溶解し、窒素下16時間加熱還流する。反応混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈し、HO(3×50mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して9を無色油状物として得る。
【0104】
段階B:(3−クロロ−4−ジメチルチオカルバモイルオキシ−フェニル)−酢酸メチルエステル9(5.2g、18.1mmol)を、温度計を備えた250mL三首丸底フラスコに移す。テトラデカン(45mL)を添加し、混合物を一晩加熱還流(250℃)する。室温に冷却後、溶媒をデカントし、残った油状物を数回ヘキサンで洗浄し、クロマトグラフィー(シリカ、Hex/EtOAc勾配)で精製して、10を褐色油状物として得る。
【0105】
段階C:(3−クロロ−4−ジメチルカルバモイルスルファニル−フェニル)−酢酸メチルエステル10(3.1g、10.8mmol)をMeOH中の0.5M NaOMeに溶解する。混合物を4時間加熱還流し、次いで1M HClで酸性化する。有機溶媒を蒸発させ、残りをEtOAc(50mL)で抽出し、HO(2×50mL)で洗浄する。有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮し、精製して(シリカ、ヘキサン/EtOAc勾配)、11を淡黄色油状物として得る:1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.30-7.26(m, 2H), 7.06-7.03(m, 1H)3.87(s, 1H), 3.69(s, 3H), 3.55(s, 2H)。C10ClOS(M+H)のMS計算値217.0、実測値217.3。
【0106】
【化11】

中間体13. [4−(3,5−ジブロモ−ベンジルオキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸メチルエステル。
【0107】
4−ヒドロキシ−2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル4(0.36g、1.8mmol)を乾燥アセトニトリル(3mL)に溶解する。炭酸セシウム(1.31g、4mmol)、続いて3,5−ジブロモ臭化ベンジル12(0.78g、2.37mmol)を添加する。混合物を窒素下で18時間撹拌する。得られた赤色懸濁液を濾過し、固体をさらにアセトニトリルで洗浄し、得られた透明赤色溶液を油状物まで濃縮する。シリカゲルクロマトグラフィー(10%から25%酢酸エチルのヘキサン溶液)により、13を油状物として得て、それはオフホワイト色結晶性塊にゆっくり固化する。1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.58(d, J = 2 Hz, 1H), 7.47(d, J = 2 Hz, 2H), 6.77(s, 1H), 6.64(m, 2H), 4.91(s, 2H), 4.58(s, 2H), 3.77(s, 3H), 2.26(s, 3H)。C1717Br(M+H)のMS計算値442.95、実測値442.9。
【0108】
【化12】

中間体15. [4−(5−ブロモ−4'−メトキシ−ビフェニル−3−イルメトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸メチルエステル。
【0109】
4−(3,5−ジブロモ−ベンジルオキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸メチルエステル13(1.26g、2.8mmol)をジオキサン(2mL)に溶解する。4−メトキシフェニルボロン酸14(0.45g、3mmol)、続いて水(0.2mL)、エタノール(0.2mL)、炭酸カリウム(0.48g、3.5mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0.2g、0.17mmol)を添加する。混合物を窒素下で撹拌し、マイクロ波に付す(170℃で6分)。得られたオレンジ色懸濁液を濾過し、固体をさらなるジオキサンで洗浄し、得られた溶液を逆相HPLC(C18カラム、50%から100%勾配ACN/水と0.05%TFA)を使用して精製して、15を油状物として得る。1H-NMR(400MHz, CDCl3)(回転異性体が存在)δ = 7.61-7.46(m, 5H), 6.96(m, 2H), 6.9-6.6(m, 3H), 5.06, 4.98, および4.90(3 s, total to 2H), 4.56(s, 2H), 3.83(m, 3H), 3.77(s, 3H), 2.25(s, 3H)。C2424BrO(M+H)のMS計算値471.08、実測値471.3。
【0110】
【化13】

中間体17. [4−(5−ブロモ−4'−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−イルメトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸メチルエステル。
【0111】
15に使用したのと類似の合成法を使用して、17を固体として製造する。1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.71-7.65(m, 5H), 7.61(s, 1H), 7.56(s, 1H), 6.84(d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.72(dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 6.67(d, J = 8.8 Hz, 1H)5.03(s, 2H), 4.61(s, 2H), 3.80(s, 3H), 2.29(s, 3H)。C2319BrF(M+H)のMS計算値509.06、実測値509.0。
【0112】
【化14】

中間体18. [4−(3,5−ジブロモ−ベンジルスルファニル)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸エチルエステル。
【0113】
4−メルカプト−2−メチル−フェノキシ)−酢酸エチルエステル6(0.23g、1.02mmol)を乾燥アセトニトリル(3mL)に溶解する。炭酸セシウム(0.47g、1.44mmol)、続いて3,5−ジブロモ臭化ベンジル12(0.38g、1.16mmol)を添加する。混合物を室温で窒素下、18時間撹拌する。得られた赤色懸濁液を1N 水性HCl(20mL)に注ぐ。ジクロロメタンでの抽出、MgSOでの乾燥および真空濃縮により、油状物を得る。シリカゲルクロマトグラフィー(5%から25%酢酸エチルのヘキサン溶液)により、18を油状物として得る。1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.51(s, 1H), 7.23(s, 2H), 7.12(d, J = 2 Hz, 1H), 7.06(dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.60(d, J =8.4 Hz, 1H), 4.62(s, 2H), 4.26(q, J = 6.8 Hz, 2H), 3.85(s, 2H), 2.25(s, 3H), 1.29(t, J = 6.8 Hz, 3H)。C1818BrS(M+H)のMS計算値472.9、実測値472.9。
【0114】
【化15】

中間体19. [3−クロロ−4−(3,5−ジブロモ−ベンジルオキシ)−フェニル]−酢酸メチルエステル。
【0115】
中間体18の合成に使用したのと類似の方法を、19について使用する。1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.63(s, 1H), 7.55(s, 2H), 7.34(d, J = 2 Hz, 1H), 7.11(dd, J = 8.4, 2.0 Hz, 1H), 6.86(d, J =8.4 Hz, 1H), 5.06(s, 2H), 3.70(s, 3H), 3.55(s, 2H)。C1614BrClO(M+H)のMS計算値446.9、実測値446.9。
【0116】
【化16】

中間体20. [3−クロロ−4−(3,5−ジブロモ−ベンジルスルファニル)−フェニル]−酢酸メチルエステル。
【0117】
中間体18の合成に使用したのと類似の方法を、20について使用する。1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.54(s, 1H), 7.35(m, 3H), 7.16(d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.09(dd, J = 8.0, 1.2 Hz, 1H), 4.02(s, 2H), 3.70(s, 3H), 3.57(s, 2H)。C1614BrClO(M+H)のMS計算値462.9、実測値462.8。
【0118】
【化17】

実施例A1. [4−(3,5−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)−ベンジルオキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸。
【0119】
段階A:[4−(3,5−ジブロモ−ベンジルオキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸メチルエステル13(0.0375g、0.088mmol)をジオキサン(1mL)に溶解する。4−トリフルオロメチル−フェニルボロン酸(0.0514g、0.27mmol)、続いて水(0.01mL)、エタノール(0.01mL)、炭酸カリウム(0.0557g、0.4mmol)、およびテトラキス−(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(0.117g、0.01mmol)を添加する。混合物を窒素下で撹拌し、マイクロ波に付す(170℃で10分)。得られたオレンジ色懸濁液を濾過し、固体をさらなるジオキサンで洗浄し、得られた溶液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(10%から25%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、[4−(3,5−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)−ベンジルオキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸メチルエステルを油状物として得る。1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.77-7.64(m, 8H), 7.52(s, 2H), 7.34(s, 1H), 6.88(d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.76(dd, J = 9.0, 2.8 Hz, 1H), 6.68(d, J = 9.2 Hz, 1H), 5.14(s, 2H), 4.61(s, 2H), 3.80(s, 3H), 2.95(s, 3H)。19F-NMR(376 MHz, CDCl3)δ = -62.4。
【0120】
段階B:上記段階からの粗[4−(3,5−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)−ベンジルオキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸メチルエステルをジオキサン(2mL)に溶解する。固体水酸化リチウム一水和物(18mg、0.44mmol、過剰)、続いて水(0.2mL)を添加する。1時間後、混合物を濃縮して乾燥させる。逆相HPLCによる精製により、[4−(3,5−ビス(4−トリフルオロメチルフェニル)−ベンジルオキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸A1を固体として得る。1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ = 7.67(m, 9H), 7.61(s, 2H), 6.82(d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.72(dd, J = 9.0, 2.8 Hz, 1H), 6.64(d, J = 9.2 Hz, 1H), 5.08(s, 2H), 4.58(s, 2H), 2.22(s, 3H)。19F-NMR(376 MHz, CDCl3)δ = -62.4。MSは得られなかった。
【0121】
【化18】

実施例A2. [4−(4−メトキシ−4"−トリフルオロメトキシ−[1,1';3',1"]テルフェニル−5'−イルメトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸。
【0122】
5−ブロモ−3−(4−エトキシ−3−メチル−フェノキシメチル)−4'−メトキシ−ビフェニル15(50mg、0.11mmol)および4−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(30mg、0.15mmol、1.3当量)をジオキサン(0.5mL)に溶解する。炭酸カリウム(38mg、0.27mmol)、水(0.05mL)およびエタノール(0.05mL)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(15.6mg、0.13mmol)を添加する。混合物を窒素下で撹拌し、マイクロ波に付す(170℃で10分)。冷却、0.25mLの水性1N 水酸化リチウム溶液の添加、および3時間、室温での撹拌、続いて逆相での精製により、[4−(4−メトキシ−4"−トリフルオロメトキシ−[1,1';3',1"]テルフェニル−5'−イルメトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸A2を得る。1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ = 7.50(m, 3H), 7.42(m, 4H), 7.17(d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.87(d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.75(d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.65(dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 6.58(d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.17(s, 2H), 4.50(s, 2H), 3.73(s, 3H), 2.16(s, 3H)。19F-NMR(376 MHz, CDCl3)δ = -57.8。C3026(M+H)のMS計算値539.17、実測値539.0。
【0123】
【化19】

実施例A3. [2−メチル−4−(4"−トリフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチル−[1,1';3',1"]テルフェニル−5'−イルメトキシ)−フェノキシ]−酢酸。
【0124】
4−(5−ブロモ−4'−トリフルオロメチル−ビフェニル−3−イルメトキシ)−2−メチル−フェノキシ]−酢酸メチルエステル17(25mg、0.05mmol)および4−トリフルオロメトキシフェニルボロン酸(15mg、0.07mmol)をジオキサン(0.5mL)に溶解する。炭酸カリウム(15mg、0.11mmol)、水(0.05mL)およびエタノール(0.05mL)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(10mg、0.009mmol)を添加する。混合物を窒素下で撹拌し、マイクロ波に付す(170℃で10分)。冷却、0.25mLの水性1N 水酸化リチウム溶液の添加、および3時間、室温での撹拌、続いて逆相での精製により、[2−メチル−4−(4"−トリフルオロメトキシ−4−トリフルオロメチル−[1,1';3',1"]テルフェニル−5'−イルメトキシ)−フェノキシ]−酢酸A3を得る。1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ = 7.61(m, 5H), 7.52(m, 4H), 7.19(d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.76(d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.65(dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 6.58(d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.00(s, 2H), 4.51(s, 2H), 2.16(s, 3H)。19F-NMR(376 MHz, CDCl3)δ = -57.8(s, 3F), -62.4(s, 3F)。C3022NaO(M+Na)のMS計算値599.1、実測値598.8。
【0125】
上記実施例に記載の方法を繰り返し、適当な出発物質を使用して、表1に同定する通りの下記式Iの化合物を得る。
【表1】

【表2】


【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【0126】
【化20】


実施例B1. {4−[4,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−2−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸。
【0127】
段階A:4,6−ジヒドロキシ−2−メチルピリミジン21(1.03g、8.1mmol)を2.5mL オキシ塩化リン(27.3mmol)に溶解する。混合物を95℃で18時間加熱する。冷却後、混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、濾過する。それを次いで水、飽和水性重炭酸ナトリウムおよび塩水で洗浄し、次いで濃縮して4,6−ジクロロ−2−メチルピリミジン22を白色粉末として得る。1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 7.45(s, 1H), 2.77(s, 3H)。CCl(M+H)のMS計算値162.99、実測値163.2。
【0128】
段階B:4,6−ジクロロ−2−メチルピリミジン22(0.10g、0.6mmol)をジオキサン(1mL)に溶解する。4−メトキシ−フェニルボロン酸(0.32g、2.1mmol)、続いて水(0.01mL)、エタノール(0.01mL)、炭酸カリウム(0.40g、2.9mmol)、およびテトラキストリフェニル−ホスフィノ)パラジウム(0.13g、0.11mmol)を添加する。混合物を窒素下で撹拌し、マイクロ波に付す(170℃で5分)。得られたオレンジ色懸濁液を濾過し、固体をさらにジオキサンで洗浄し、得られた溶液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(5%から25%酢酸エチルのヘキサン溶液)で精製して、4,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−2−メチル−ピリミジン23を油状物として得る. 1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 8.03(d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.70(s, 1H), 6.95(d, J = 8.8 Hz, 2H), 3.82(s, 6H), 2.77(s, 3H)。C1919(M+H)のMS計算値306.15、実測値306.9。
【0129】
段階C:4,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−2−メチル−ピリミジン23(0.21g、0.7mmol)を4mL 四塩化炭素に溶解する。N−ブロモ−スクシンイミド(0.10g、0.56mmol)を添加し、混合物を75℃で撹拌しながら加熱する。固体2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(0.01g、0.06mmol)を添加し、混合物を75℃で24時間撹拌する。冷却、ジクロロメタンでの希釈、水、飽和水性NaHCO、および塩水での洗浄、続いて固体NaSOでの乾燥および濃縮により、2−ブロモメチル−4,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピリミジン24を油状物として得る。それを次段階にさらに精製することなく使用する。1H-NMR(400MHz, CDCl3)δ = 8.02(d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.69(s, 1H), 6.94(d, J = 8.8 Hz, 2H), 3.82(s, 2H)。
【0130】
段階D:(4−ヒドロキシ−2−メチル−フェノキシ)−酢酸メチルエステル4(0.13g、0.66mmol)を乾燥アセトニトリル(3mL)に溶解する。炭酸セシウム(0.40g、1.2mmol)、続いて上記段階Cからの32−ブロモメチル−4,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピリミジン24を添加する。混合物を窒素下、室温で18時間撹拌する。得られた懸濁液を濾過し、固体をさらにアセトニトリルで洗浄し、得られた透明溶液を濃縮して、粗{4−[4,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−2−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸メチルエステル25を油状物として得る。C2929(M+H)のMS計算値500.19、実測値500.1。
【0131】
段階E:上記段階Dからの{4−[4,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−2−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸メチルエステル25(0.14g、0.28mmol)をジオキサン(2mL)に溶解する。固体水酸化リチウム一水和物(80mg、2.0mmol)、続いて水(0.2mL)を添加する。室温で5時間撹拌後、混合物を濃縮して乾燥させる。逆相HPLCでの精製により、{4−[4,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−2−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸B1を固体として得る。C2827(M+H)のMS計算値487.18、実測値487.2。
【0132】
実施例B2. {4−[2,6−ビス−(4−メトキシ−フェニル)−ピリミジン−4−イルメトキシ]−2−メチル−フェノキシ}−酢酸。
【化21】

【0133】
実施例B2の製造のために、2,4−ジクロロ−6−メチルピリミジンを中間体22に代わりに最初の出発物質として使用して、実施例B1と類似の方法を使用する。1H-NMR(400 MHz, CDCl3)δ = 8.49(d, J = 8.8 Hz, 2H), 8.19(d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.71(s, 1H), 7.01(d, J = 8.8 Hz, 4H), 6.88(d, J = 2.8 Hz, 1H), 6.74(dd, J = 8.8, 2.8 Hz, 1H), 6.67(d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.19(s, 2H), 4.60(s, 2H), 3.89(s, 6H), 2.26(s, 3H)。C2827(M+H)のMS計算値487.18、実測値487.2。
【0134】
上記実施例に記載の方法を繰り返し、適当な出発物質を使用して、表2に同定する通りの下記式Iの化合物を得る。
【表14】

【0135】
転写アッセイ
トランスフェクションアッセイを、使用して、本発明の化合物がPPARの転写活性を調節する能力を評価する。簡単に言うと、PPARδ、PPARαまたはPPARγのいずれかのリガンド結合ドメイン(LBD)に融合した酵母GAL4のDNA結合ドメインを含む、キメラタンパク質のための発現ベクターを、哺乳類細胞に、ルシフェラーゼ遺伝子がGAL4結合部位の制御下にある場所であるレポータープラスミドと共に一過性にトランスフェクションを介して挿入する。PPARモジュレーターの暴露後、PPAR転写活性は変化し、そしてこれをルシフェラーゼレベルの変化によりモニターできる。トランスフェクトした細胞がPPARアゴニストに暴露されたならば、PPAR依存性転写活性は増加し、ルシフェラーゼレベルが増加する。
【0136】
293Tヒト胎児由来腎臓細胞(8×10)を、175cmフラスコに播種し、1日後に10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシン/Fungizome、DMEM培地中で実験を開始する。細胞をPBS(30ml)での洗浄により回収し、次いでトリプシン(0.05%;3ml)を使用して分離させる。トリプシンを、アッセイ培地(DMEM、CA−デキストランウシ胎児血清(5%))の添加により不活化する。細胞を遠沈し、170,000細胞/mlに再懸濁する。GAL4−PPAR LBD発現プラスミド(1μg)、UAS−ルシフェラーゼレポータープラスミド(1μg)、Fugene(3:1比;6μL)および無血清培地(200μL)のトランスフェクション混合物を調製し、15−40分、室温でインキュベートした。トランスフェクション混合物を細胞に添加して0.16M細胞/mLとし、そして細胞(50μl/ウェル)を次いで384白色、固体底、TC−処理プレートに播種する。細胞をさらに37℃、5.0%COで5−7時間インキュベートする。希釈の12点連続シリーズ(3倍連続希釈)を、各試験化合物についてDMSO中、10μMの化合物濃度で出発して調製する。試験化合物(500nl)を、アッセイプレート中の細胞の各ウェルに添加し、細胞を37℃、5.0%COで18−24時間インキュベートする。細胞溶解/ルシフェラーゼアッセイ緩衝液、Bright-GloTM(25%;25μl;Promega)を各ウェルに添加する。さらに5分、室温でインキュベーション後、ルシフェラーゼ活性を測定する。
【0137】
生の蛍光値を、それらを各プレートに存在するDMSO対照の値で割ることにより標準化する。標準化データを分析し、用量−応答曲線を、Prizmグラフ適合プログラムを使用して適合させる。EC50を、化合物が、最大と最低の中間の応答を誘発する濃度として定義する。相対的効果(または効果%)を、参照PPARモジュレーターについて得られた最大値と化合物により誘発された応答の比較により計算する。
【0138】
遊離形または薬学的に許容される塩形の式Iの化合物は、例えば本明細書に記載の通りのインビトロ試験で示される通りの、価値ある薬理学的特性を示す。本発明の化合物は、好ましくはPPARδについて1μM未満、より好ましくは500nm未満、より好ましくは100nM未満のEC50を有する。本発明の化合物は、PPARγよりもPPARδに対して少なくとも100倍選択的である。
【0139】
ここに記載の実施例および態様は、説明の目的のためだけであり、それらに照らして様々な修飾または変化が、当業者には示唆され、本発明の精神および権限および添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることは理解されるべきである。ここに引用する全ての刊行物、特許および特許出願は、全ての目的のために引用して包含する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

〔式中、
mは0、1、2および3から選択される整数であり;
、ZおよびZはCHおよびNから独立して選択されるメンバーであり;
は−XOX−および−XS(O)0−2X−であり;ここでXは独立して結合およびC1−4アルキレンから選択され;ここでLの任意のアルキレンは所望によりハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;
およびRは独立して−R10および−YR10から選択され;ここでYはC1−6アルキレン、C2−6アルケニレンおよびC2−6アルキニレンから選択され;そしてR10はC3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−13ヘテロアリールから選択され;
ここで、R10の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XS(O)0−2XR11、−XS(O)0−2XR12、−XNR1111、−XNR11XR12および−XOXR12から選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xは結合またはC1−4アルキレンであり;R11は水素およびC1−6アルキルから選択され;そしてR12はC3−12シクロアルキル、C3−8ヘテロシクロアルキル、C6−10アリールおよびC5−10ヘテロアリールから選択され;ここで、R12の任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;
はハロ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、C6−10アリール、C5−10ヘテロアリール、C3−12シクロアルキルおよびC3−8ヘテロシクロアルキルから選択され;ここで、Rの任意のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルは所望によりハロ、ニトロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキルおよびハロ−置換−C1−6アルコキシから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;
は−XOXC(O)OR11および−XC(O)OR11から選択され;ここでXは結合またはC1−4アルキレンであり;そしてR11は水素およびC1−6アルキルから選択される。〕
の化合物ならびにその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、異性体およびプロドラッグ。
【請求項2】
mが0ないし3から選択される整数であり;
、ZおよびZがCHおよびNから独立して選択されるメンバーであり;
が−XOX−および−XSX−から選択され;ここで、Xが結合およびC1−4アルキレンから独立して選択され;
およびRが−R10および−YR10から独立して選択され;ここで、YがC1−6アルキレンおよびC2−6アルケニレンから選択され;そしてR10がC6−10アリールおよびC5−13ヘテロアリールから選択され;ここで、R10の任意のアリールまたはヘテロアリールが所望によりハロ、シアノ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルキル、ハロ−置換−C1−6アルコキシ、−XS(O)0−2XR11、−XNR1111および−XOXR12から選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;ここで、Xが結合またはC1−4アルキレンであり;R11が水素およびC1−6アルキルから選択され;そしてR12がC6−10アリールであり;
がC1−6アルキルであり;そして
が−XOXC(O)OR11であり;ここで、Xが結合またはC1−4アルキレンであり;そしてR11が水素およびC1−6アルキルから選択される、
請求項1記載の化合物。
【請求項3】
式Ia:
【化2】

〔式中、
、ZおよびZはCHおよびNから独立して選択されるメンバーであり;
は−CHO−、−OCH−、−CHS−および−SCH−から選択され;
およびRは−R10および−YR10から独立して選択され;ここで、Yはプロペニレンであり;そしてR10はフェニル、ビフェニル、ナフチル、ベンゾ[b]フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ジベンゾ−フラン−2−イル、フラニル、ベンゾ[b]チオフェン、チエニルおよびキノリニルから選択され;ここで、R10の任意のアリールまたはヘテロアリールは所望によりハロ、シアノ、メチル、ヒドロキシ−メチル、メチル−スルファニル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、エチル−スルホニルおよびジメチルアミノから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよい。〕
の化合物である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
式Ib:
【化3】

〔式中、
は−R10および−YR10から選択され;ここで、Yはプロペニレンであり;そしてR10はフェニル、ビフェニル、ナフチル、ベンゾ[b]フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ジベンゾ−フラン−2−イル、フラニル、ベンゾ[b]チオフェン、チエニルおよびキノリニルから選択され;ここで、R10の任意のアリールまたはヘテロアリールは所望によりハロ、シアノ、メチル、ヒドロキシ−メチル、メチル−スルファニル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェノキシ、エチル−スルホニルおよびジメチルアミノから選択される1個から3個のラジカルで置換されていてよく;そして
13はメトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選択される。〕
の化合物である、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
動物におけるPPARδ活性の調節が、疾患の病状および/または症状を予防、阻止または改善できる疾患または障害の処置法であって、該動物に治療的有効量の請求項1記載の化合物を投与することを含む、方法。
【請求項6】
疾患または障害が、異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、アテローム発生、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満、カヘキシー、炎症、関節炎、癌、摂食障害、拒食症、過食症、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、過敏性腸疾患、潰瘍性大腸炎、クローン病、1型糖尿病、2型糖尿病およびシンドロームXから選択される、請求項5記載の方法。
【請求項7】
疾患または障害がHIV消耗性症候群、長期の重病、減少した筋肉量および/または筋肉強度、減少した除脂肪体重、高齢者における筋肉強度および機能の維持、減少した筋肉持久力および筋肉機能、および高齢者における脆弱さから選択される、請求項5記載の方法。
【請求項8】
動物におけるPPARδ活性が疾患の病状および/または症状に関与する疾患の処置用医薬の製造における、請求項1から4のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項9】
治療的有効量の請求項1から4のいずれかに記載の化合物を、1種以上の薬学的に許容される賦形剤と共に含む、医薬組成物。
【請求項10】
1)請求項1から4のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容される塩;および2)下記から選択される少なくとも1個の活性成分:
a)インスリン、インスリン誘導体および摸倣体;スルホニルウレア、例えば、グリピジド、グリブリドおよびアマリールのようなインスリン分泌促進剤;メグリチニド、例えば、ナテグリニドおよびレパグリニドのようなインスリン分泌性スルホニルウレア受容体リガンド;PTP−112のようなタンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤のようなインスリン増感剤;SB−517955、SB−4195052、SB−216763、NN−57−05441およびNN−57−05445のようなGSK3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3)阻害剤;GW−0791およびAGN−194204のようなRXRリガンド;T−1095のようなナトリウム依存性グルコース共輸送体阻害剤;BAY R3401のようなグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;メトホルミンのようなビグアナイド;アカルボースのようなアルファ−グルコシダーゼ阻害剤;GLP−1(グルカゴン様ペプチド−1)、Exendin−4のようなGLP−1類似体およびGLP−1摸倣体;DPP728、ビルダグリプチン、MK−0431、サクサグリプチン、GSK23AのようなジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤;AGE破壊剤;ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、または(R)−1−{4−[5−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾル−4−イルメトキシ]−ベンゼンスルホニル}−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−カルボン酸、非グリタゾン型PPARγアゴニスト、例えばGI−262570のようなチアゾリドン誘導体(グリタゾン)のような抗糖尿病剤;
b)ロバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、メバスタチン、ベロスタチン(velostatin)、フルバスタチン、ダルバスタチン(dalvastatin)、アトルバスタチン、ロスバスタチンおよびリバスタチン(rivastatin)のような3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリールコエンザイム(HMG−CoA)レダクターゼ阻害剤;スクアレンシンターゼ阻害剤;FXR(ファルネソイドX受容体)およびLXR(肝臓X受容体)リガンド;コレスチラミンミン;フィブラート;ニコチン酸およびアスピリンのような抗高脂血症剤;
c)フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキストロアンフェタミン(dexamphetamine)、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミンミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパム(ecopipam)、エフェドリン、シュードエフェドリンまたはカンナビノイド受容体アンタゴニストのような抗肥満剤または食欲制御剤;
d)エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミドのようなループ利尿剤;チアジド誘導体、クロロチアジド(chlorithiazide)、ヒドロクロロチアジド、アミロライドのような利尿剤;ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリノドプリル(perinodopril)、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤;ジゴキシンのようなNa−K−ATPase膜ポンプ阻害剤;チオルファン、terteo−チオルファン、SQ29072のような中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤;SLV306のようなECE阻害剤;オマパトリラート、サムパトリラート(sampatrilat)およびファシドトリルのようなACE/NEP阻害剤;カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタン、特にバルサルタンのようなアンギオテンシンIIアンタゴニスト;アリスキレン、テルラキレン(terlakiren)、ジテキレン(ditekiren)、RO−66−1132、RO−66−1168のようなレニン阻害剤;アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、メトプロロール、ナドロール、プロプラノロール、ソタロールおよびチモロールのようなβ−アドレナリン受容体ブロッカー;ジゴキシン、ドブタミンおよびミルリノンのような変力剤;アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、フェロジピン、ニカルジピン、ニモジピン、ニフェジピン、ニソルジピンおよびベラパミルのようなカルシウムチャネルブロッカー;アルドステロン受容体アンタゴニスト;およびアルドステロンシンターゼ阻害剤のような抗高血圧剤;
e)HDL増加性化合物;
f)Zetia(登録商標)およびKT6−971のようなコレステロール吸収モジュレーター;
g)Apo−A1類似体および摸倣体;
h)キシメラガトランのようなトロンビン阻害剤;
i)アナストロゾール(anastrazole)、ファドロゾール(fadrazole)、エプレレノンのようなアルドステロン阻害剤;
j)アスピリン、重硫酸クロピドグレルのような血小板凝集阻害剤;
k)エストロゲン、テストステロン、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター;
l)フェマラのようなアロマターゼ阻害剤、抗エストロゲン、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、微小管活性化剤、アルキル化剤、抗新生物代謝拮抗剤、プラチン化合物、PDGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤、好ましくはイマチニブまたは4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾル−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドのようなタンパク質キナーゼ活性を低下させる化合物のような化学療法剤;および
m)テガセロド、マレイン酸水素テガセロド、シサプリド、シランセトロン(cilansetron)のような5−HT受容体と相互作用する薬剤および/または5−HT受容体と相互作用する薬剤;
または、いずれの場合もそれらの薬学的に許容される塩;および所望により薬学的に許容される担体を含む、医薬組合せ剤、とりわけ医薬組成物。
【請求項11】
異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、糖代謝障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、およびシンドロームXのような耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態の処置または予防のための、請求項9記載の医薬組成物または請求項10記載の組合せ剤。
【請求項12】
医薬として使用するための、請求項1から4のいずれかに記載の化合物、請求項9記載の医薬組成物または請求項10記載の組合せ剤。
【請求項13】
異脂肪血症、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、高トリグリセリド血症、心不全、心筋梗塞、血管疾患、心臓血管疾患、高血圧、肥満、炎症、関節炎、癌、アルツハイマー病、皮膚障害、呼吸器疾患、眼障害、炎症性腸疾患、IBD(過敏性腸疾患)、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに1型および2型糖尿病、糖代謝障害(IGM)、耐糖能障害(IGT)、空腹時血糖障害(IFG)、およびシンドロームXのような耐糖能障害、高血糖およびインスリン抵抗性が関与する状態の処置または予防用医薬の製造のための、請求項1から4のいずれかに記載の化合物、請求項9記載の医薬組成物または請求項10記載の組合せ剤の使用。

【公表番号】特表2007−537289(P2007−537289A)
【公表日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513391(P2007−513391)
【出願日】平成17年5月13日(2005.5.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/016747
【国際公開番号】WO2005/113506
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(503261524)アイアールエム・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (158)
【氏名又は名称原語表記】IRM,LLC
【Fターム(参考)】