説明

ウエハ保持体および半導体製造装置

【課題】冷却速度、昇温速度が速く、均熱性に優れたウエハ保持体を提供する。
【解決手段】チャンバー内に収容され、ウエハを処理するためのウエハ保持体であって、ウエハの載置面を有し、材料の主成分がAl−C、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、C、Cu、Alからなる群から選ばれた少なくとも一種である載置台と、載置台よりも熱伝導率が低く、載置台を載置面の反対側から支持し、載置台に気密に結合される筒状支持体と、載置台と筒状支持体との間に形成される空隙部と、空隙部内に収容される冷却モジュールおよび発熱体を備え、載置台は、50W/mK以上の熱伝導率を有し、空隙部は、チャンバー内の雰囲気と遮断され、冷却モジュールは載置台に設けられ、発熱体は冷却モジュールの載置台とは反対側の面に設けられていることを特徴とするウエハ保持体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置に使用されるウエハ保持体に関するものであり、特に急速加熱、急速冷却を要求される分野に使用される枚葉式ウエハ保持体、およびそれを搭載した半導体製造装置に関する。また特に成膜用に使用されるCVD用サセプタやプラズマCVD用サセプタ、エッチング用サセプタ、アッシング用サセプタとして好適に用いることができるウエハ保持体、およびそれを搭載した半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体製造プロセスにおいては、ウエハを加熱したり、あるいはプラズマを発生させ、成膜やエッチング、アッシングなどの処理を行っている。これらのプロセスに使用するウエハ保持体としては、金属製や耐食性に優れたセラミックス製のウエハ保持体が知られている。
【0003】
例えば特公平6−28258号公報には、容器内に設置され、発熱体が埋設され、ウエハ加熱面が設けられたセラミックス製のヒーター部と、このヒーター部に設けられ、前記容器との間に気密性シールを形成するセラミックス製の凸状筒状支持体とを有するウエハ保持体が記載されている。
【0004】
また、通常、複数のチャンバーがセットとなっている装置の中で、プロセス温度に応じて低温用、高温用のチャンバーとして使用されている。このようにプロセスの温度を変更する場合は、複数のチャンバーを準備するのが通常良く取られる手法である。
【0005】
また特開2004−14655号公報には、可動式の冷却モジュールが開示されている。この手法によれば、一つのウエハ保持体で昇温も冷却もできるようになっている。
【特許文献1】特公平6−28258号公報
【特許文献2】特開2004−14655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、半導体製造プロセスにおいては、スループットの向上が求められ、それに伴ってウエハ保持体の冷却速度、昇温速度の向上が求められている。しかしながら上記のウエハ保持体の場合、ウエハに対して、ウエハを加熱するためのセラミックスヒータ、およびそれを冷却するための冷却モジュールが取り付けられているものの、必ずしも充分な冷却速度、昇温速度が得られているとは言えない状況になりつつある。
【0007】
そこで本願においては、従来に比較して冷却速度、昇温速度が速く、均熱性に優れたウエハ保持体を提供することを目的とする。特に複数のチャンバーを準備する必要がない、ウエハ保持体およびそれを搭載した半導体製造装置を提供すると共に、特に、昇温の効率化を確保しつつ冷却速度の向上が図れるウエハ保持体、およびそれを搭載した半導体製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては、載置台の材料の主成分はAl−C、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、C、Cu、Alからなる群から選ばれた少なくとも一種であり、前記載置台は50W/mK以上の熱伝導率を有し、また、冷却モジュールを載置台に設け、発熱体を冷却モジュールの載置台とは反対側の面に設けたウエハ保持体として、載置台を直接的に冷却することにより上記課題を解決することができる。
【0009】
すなわち、本発明は、その請求項1において、
チャンバー内に収容され、ウエハを載置して処理するためのウエハ保持体であって、
ウエハを載置する載置面を有し、材料の主成分がAl−C、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、C、Cu、Alからなる群から選ばれた少なくとも一種である載置台と、
前記載置台よりも熱伝導率が低く、前記載置台を前記載置面の反対側から支持し、前記載置台に気密に結合される筒状支持体と、
前記載置台と前記筒状支持体との間に形成される空隙部と、
前記空隙部内に収容される冷却モジュールおよび発熱体を備え、
前記載置台は、50W/mK以上の熱伝導率を有し、
前記空隙部は、前記チャンバー内の雰囲気と遮断され、
前記冷却モジュールは前記載置台に設けられ、前記発熱体は、前記冷却モジュールの前記載置台とは反対側の面に設けられていることを特徴とするウエハ保持体を提供する。
【0010】
本発明のウエハ保持体によれば、前記冷却モジュールは前記載置台に設けられ、前記発熱体は、前記冷却モジュールの前記載置台とは反対側の面に設けられているので、冷却モジュールは載置台を直接的に冷却することができ、発熱体を介して載置台を冷却するのに比べて熱容量を低減することができ、さらにウエハ載置面との距離が近くなって熱抵抗も軽減することができ、載置台の効率的な冷却が可能になる。
しかも、次に述べる本発明のウエハ保持体の構成の作用・効果により、載置台と発熱体の間に冷却モジュールを介在させているにも拘わらず、発熱体による載置台の昇温の効率化も可能になる。
【0011】
すなわち、載置台の材料の主成分は、熱容量の小さいAl−C、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、C、Cu、Alからなる群から選ばれた少なくとも一種であるので、載置台への加熱・冷却作用による載置台の速やかなる昇温・冷却が可能になる。
【0012】
また、本発明のウエハ保持体の筒状支持体は前記載置台よりも熱伝導率が低いので、断熱性に優れ、載置台の加熱時の載置台からの熱の逃げを防止し、素早い昇温を実現することができ、冷却時には、チャンバーやその他の部品からの伝熱を抑制することができ、急速に冷却することができる。
【0013】
また、冷却速度、昇温速度が速いため、スループットが向上し、1個のチャンバーでも充分な数量のウエハを処理することができるため、特に複数のチャンバーを準備しなくてもよい。
【0014】
更に、載置台は、50W/mK以上の熱伝導率を有するため、冷却速度・昇温速度に優れ、さらに、均熱性に優れる。
【0015】
空隙部は、チャンバー内の雰囲気と遮断されているので、チャンバー内で使用されるフッ素や塩素などのハロゲン系腐食ガスから空隙部に設置される発熱体および発熱体用の電極や、冷却モジュールに冷媒を供給・排出するための金属パイプ、熱電対、測温抵抗体などの測温素子が保護される。
【0016】
請求項2に記載の発明は、
前記空隙部は、前記チャンバー外の雰囲気と連通されていることを特徴とする請求項1に記載のウエハ保持体である。
【0017】
空隙部をチャンバー外の雰囲気と連通させることにより、空隙部はチャンバー外の雰囲気と同一の大気圧雰囲気となり、空隙部が減圧雰囲気になることによる電気回路間でのショートやスパークの発生を防止することができる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、
前記空隙部を真空にするための減圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のウエハ保持体である。
【0019】
空隙部を減圧手段によってチャンバー内と同程度の真空にすることにより、空隙部とチャンバー内の圧力差を解消して載置台が変形することを防止することができる。
【0020】
請求項4に記載の発明は、
前記載置台を支持する支持部材が、前記載置台と前記筒状支持体の下方部との間に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のウエハ保持体である。
【0021】
載置台を支持する支持部材が、前記載置台と前記筒状支持体の下方部との間に設けられていることにより、載置台が、筒状支持体の上方部だけでなく、支持部材によっても支持されるため、より載置台の変形を防止することができ、均熱性をより向上させることができる。
支持部材は複数設けられていることが好ましい。
また、筒状支持体の下方部を載置台と平行となる構造としておくことにより、容易に支持部材を設けることができる。さらに、筒状支持体の下方部に、載置台と平行に位置する部材を設け、前記部材に支持部材を設けてもよい。
【0022】
請求項5に記載の発明は、
前記載置台と、前記筒状支持体および/または前記チャンバーとは、結合部材で結合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のウエハ保持体である。
【0023】
このように構成すれば、載置台は結合部材を介して筒状支持体および/またはチャンバーで支持されることになって載置台の変形をより防止でき、ウエハの温度分布のばらつきをなくすることができる。
【0024】
請求項6に記載の発明は、
前記載置台と、前記筒状支持体および/または前記チャンバーに、前記支持部材が接着剤又は嵌め込み式により取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のウエハ保持体である。
【0025】
前記支持部材が接着剤又は嵌め込み式により取り付けられていることにより、ウエハ保持体の組立効率を向上させることができる。
【0026】
請求項7に記載の発明は、
前記筒状支持体の少なくとも一部がムライト−アルミナ複合体であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のウエハ保持体である。
【0027】
筒状支持体の材料としてムライト−アルミナ複合体は、剛性、熱伝導率の面から好適である。
【0028】
請求項8に記載の発明は、
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のウエハ保持体が搭載されていることを特徴とする半導体製造装置である。
【0029】
本発明のウエハ保持体を搭載した半導体製造装置によれば、ウエハの処理能力が向上し、生産性を高めることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、従来に比較して冷却速度、昇温速度が速く、特に、昇温の効率化を確保しつつ冷却速度の向上が図れ、また、均熱性に優れたウエハ保持体を提供することができる。更に、スループットが向上し、特に複数のチャンバーを準備する必要がない、半導体製造装置を提供できるようになり、装置コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明をその最良の実施の形態につき、具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【0032】
本発明の実施形態を、図1を参照して説明する。なお、図面が繁雑になり見難くなるのを避けるためハッチングは省略する。以下の図面も同様である。図1は本発明の実施形態の一例である。本発明のウエハ保持体1は、載置面2を有する載置台3と、載置台3を支持する筒状支持体4を備え、載置台3と筒状支持体4との間に空隙部5を有し、空隙部5に載置台3を冷却する冷却モジュール6および載置台3を加熱する発熱体7が収容されている。冷却モジュール6は好ましくは載置台3を冷却するための冷媒を流す流路6aを有する。
【0033】
発熱体7は載置台3の下部(載置面2とは反対側)に冷却モジュール6を介して設置されている。
【0034】
空隙部5は気密シール部9によってチャンバー内(チャンバーの壁面8によって囲まれた部分、図ではチャンバーの壁面8の上側の部分)の雰囲気とは遮断されており、これによりチャンバー内で使用されるフッ素や塩素などのハロゲン系腐食ガスから空隙部5に設置される発熱体7および発熱体7用の電極18や、冷却モジュール6に冷媒を供給・排出するための金属パイプ16、熱電対17、測温抵抗体などの測温素子が保護されている。
【0035】
また、空隙部5を図外の減圧手段によって減圧雰囲気や真空にすることもできる。この場合、電極部材に関しては、回路間のスパークを防止するために、絶縁被覆することが好ましい。絶縁被覆に対する制約は特にないが、例えば、電極部の温度が200℃程度までの温度なら、耐熱性の樹脂、例えばフッ素系の熱収縮性の樹脂などを使用することができる。また高温の場合、セラミックス材料を電極に溶射し、あるいはセラミックスパイプを設置することなどができる。いずれの場合においても、例えば2本の電極があれば少なくとも片側の電極を絶縁しておくことが好ましい。また空隙部5をチャンバー内と同程度の真空にすることで載置台3の変形が抑えられるため、後述する結合部材の数を気密シール用の最低限に抑えることができる。結合部材の数を減らせることで、各結合部材に必要なO−リング等のシール部、載置台3への取り付けのための加工を減らすことができるため、より信頼性を高くできる。
また、空隙部5を真空にした状態で、チャンバーを大気リークする場合、載置台3に外側から圧力がかかることによる載置台3の変形を防止するためには、載置台3と筒状支持体4の下方に位置する中間筒状支持体4bの間を支持する支持部材(図示せず)を複数配置することが好ましい。
【0036】
また、加熱時および冷却時に載置台3の載置面2に位置するウエハの温度分布が均一になるようにするために、載置台3には熱伝導率の高い材料、具体的には熱伝導率が50W/mK以上である材料が用いられる。また、このときの載置台3の密度×比熱は4未満であり、厚みが8mm以下であることが好ましい。このような特性を有することで載置台の熱容量を小さくすることができ、効率よく昇温および冷却することができる。このような特性を有することで、載置台3の下部に取り付けられた冷却モジュール6により、載置台3は急速に熱を奪われ、ウエハを急速に冷却することができる。Al−C、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、C、Cu、Alは、上記の特性を満たし、冷却速度の優れたウエハ保持体を提供することができる。もちろんこれらの材料を主成分とする、例えば、Al−AlN、Al−Si―SiCなどもこれらの中に含まれる。
【0037】
また、空隙部5はチャンバー外の雰囲気と同一の大気圧雰囲気となっている。空隙部5を減圧雰囲気にすると、電気回路間でショートやスパークが発生するので、それを防止するためである。一方、チャンバー内が真空雰囲気になると、空隙部5とチャンバー内との間で最大1気圧の圧力差が生じて載置台3に大きな圧力が加わるので、載置台3の材料の弾性率は250GPa以上であることが好ましい。これにより、圧力差による載置台3の変形が防止され、ウエハを加熱する際に、載置台3とウエハの間隔が一定に保たれて、良好な均熱性を得ることができ、載置台として好ましい。
この条件を満たす材料であれば、載置台3として好ましく使用することができる。具体的な材料としては、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、Al−Si−SiC、タングステン、モリブデンなどを例示することができる。これらの内でも、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、Al−Si−SiCは比較的密度も小さく、熱容量も小さいので、昇降温特性に優れるため好ましい。またこれらの材料をフッ素系ガスや塩素系ガスなどのハロゲン化ガス雰囲気で使用する場合、耐食性を向上させる目的でニッケルやフッ化ニッケルなどの膜を形成することも可能である。
【0038】
載置台3の表面にニッケルメッキを施す場合、ニッケルのメッキ厚に関しては0.5μm以上であることが好ましい。これ未満のニッケルメッキ厚の場合は、表面の酸化や、傷等でメッキが剥離しやすく、その部分から腐食されることがある。またメッキ厚としては2μm以上あれば、上記のような問題は起きにくいためより好ましい。
【0039】
冷却モジュール6の材料は、冷却速度を速くするために、熱伝導率の高いものが好ましい。例えば金属の場合、アルミニウムやその合金、あるいは銅やその合金、タングステンやモリブデンおよびこれらに銅などを添加した合金、複合体を挙げることができる。これらの表面にニッケルメッキを施し、耐食性(耐酸化性)を向上させることができる。ニッケルのメッキ厚に関しては0.5μm以上であることが好ましい。これ未満のニッケルメッキ厚の場合は、傷等でメッキが剥離しやすく、その部分から酸化されることがある。またメッキ厚としては2μm以上あれば、上記のような問題は起きにくいため好ましい。
また、セラミックスの場合、SiCやAlN、Si、アルミナ、ムライトを挙げることができる。当然のことながらこれらの材料の耐酸化性は金属に比較して優れている。また金属−セラミックスの複合材料も使用することができる。この中でも熱伝導率の高いAl−SiCやSi−SiC、Al−Si−SiCなどを利用することができる。これらの材料についても、必要に応じて、上記の場合と同様に、ニッケルメッキ膜などを形成することが可能である。
【0040】
冷却モジュール6の形成方法に関しては、内部に流路が形成されていれば特に製法に制約はない。
好ましい冷却モジュール6の形成方法の一つとしては、上記したアルミニウムやその合金、あるいは銅やその合金、タングステンやモリブデンなどの金属材料を使用する場合、金属材料製の円形の基板の片側、もしくは両側に冷媒が流れる流路用の溝をザグリ加工などで形成し、もう一方の基板とロウ材などで接合することができる。ロウ材を使用する場合、ロウ材の濡れ性が悪い材料では、ロウ材にTiなどの活性金属が添加された活性金属ロウ材を使用することができる。またロウ材との濡れ性を改善するために、表面にメッキをし、その後銀ロウなどのロウ材でロウ付けすることも可能である。また基板にアルミニウム金属のように融点の低い金属を含有する場合はAl−Siロウ材を使用して接合することもできる。またこのAl系ロウ材に対して濡れ性が悪い場合は、接合する基板にAl膜を蒸着しておけば、より良好な接合体を得ることができる。
【0041】
別の冷却モジュール6の形成方法としては、材料が上記したSiCやAlN、Si、アルミナ、ムライトなどのセラミックス材料を使用する場合、それらのグリーンシートを形成し、流路部分を抜き取ったシートと、抜き取らないシートをそれぞれ積層した後、焼成することで形成することができる。あるいは、成形体中にパラフィンなどの加熱によって消失する材質で流路の形状にした中子を埋め込み、焼成することにより形成することもできる。また金属材料の場合と同様に、活性金属ロウ材で接合することで流路を形成することもできる。
さらに、金属とセラミックスの複合体の場合においても、ロウ材を使用して形成することもできる。さらに、溶融金属を含浸させて形成することもできる。
【0042】
その他の冷却モジュール6の形成方法としては、上記のような流路と、流路を隔絶するようにO−リングを設置し、互いの基板をねじ止めなどの機械的な手法で固定し、冷却モジュール6とすることもできる。
また、上記のように溝を形成した基板に金属製のパイプを挿入し、金属パイプを固定するバンドをねじ止めなどの手法で基板に取り付け、固定する手法もある。この場合、冷媒が水の場合、Cuパイプやステンレスパイプなどが水に対する腐食性の面から使用される。またこれらのパイプの内では、Cuパイプは熱伝導率が高いため、冷却効率に優れ、好ましく利用することができる。
【0043】
また、冷却モジュール6と載置台3とは、銀ロウなどによるロウ付けや溶接により固定することができ、また、ねじやばねなどの機械的な結合方法で固定することもできる。
冷却モジュール6と載置台3とは同材質であったとしても、温度が異なることによって熱膨張量が異なるので、ロウ付けや溶接により固定すると、熱膨張量の差により載置台3に反り等が生じる恐れがある。一方、機械的な結合方法を採用すれば、載置台3の反り等を防止することができる。
機械的な結合方法としては、例えば載置台3にねじ穴を形成し、冷却モジュール6側に貫通孔を形成する。この貫通孔にねじを挿入し、載置台3と冷却モジュール6を固定する。このとき冷却モジュール6側の貫通孔の大きさを、両者の熱膨張量の差を見込んだ径にしておけば、両者の間の熱膨張量の差を吸収することができるため、好ましい。ねじの材料に関しては特に制約はないが、熱膨張係数が載置台3と比較的近いものが好ましいのは言うまでもない。
【0044】
また、冷却モジュール6と載置台3の密着性を向上させるために介在層を設置することができる。介在層の材質としてはフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂でもよく、熱伝導を高めるために樹脂中に窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカなどのフィラーを分散したものが好ましい。熱伝導の点からは、グラファイトシートなど炭素繊維系のシートが好ましい。また、発泡金属や金属メッシュなどでもよく、これらまたはこれらを組み合わせたものを冷却モジュール6と載置台3間の介在層として用いることで、冷却モジュール6や載置台3の平面度ばらつきや表面状態、更には温度変化時の反りを吸収でき、載置台3への冷却モジュール6の部分接触をなくし、載置台3全体に接触させることができる。
【0045】
載置台3と載置台3に取り付けられる筒状支持体4との結合方法については、ロウ付けや溶接などの手法を用いることもできるが、上記のように機械的な手法で取り付けることが好ましい。この場合、機械的な結合に使用するねじについては、チャンバー内に露出されることがあるため、材料としては耐食性の面からステンレスやニッケル、あるいはこれらの金属を含有する合金が好ましく、必要に応じてねじの表面にニッケルメッキを施せばよい。
【0046】
また、筒状支持体4の気密シールに関しては、O−リングや、耐熱性のあるガスケットなどが使用することができる。一般に載置台3の使用温度が250℃程度以下であればO−リングが使用でき、それ以上の温度で使用する場合は、雰囲気ガスからの腐食を考慮してニッケルやステンレス製のガスケットを使用することができる。
【0047】
筒状支持体4に関しては、載置台3よりも熱伝導率の低い材料を用いる。これは例えば載置台3の温度を急速に下げる場合、筒状支持体4の熱伝導率が高いと、筒状支持体4からの熱が載置台3に供給されて冷却速度が低下するためである。特に、発熱体7で載置台3を加熱して使用した後、冷却する場合には、特にその傾向が顕著となる。これらのことを考え合わせると、筒状支持体4としては、金属ではステンレスなどが熱伝導率の面から好適である。また必要に応じて耐食性を向上させるために、表面にニッケルメッキを施しても良い。またセラミックス材料は、金属に比較して、耐食性が高いため、各種熱伝導率の低い材料を選択することができる。例えばアルミナやムライト、およびこれらの複合体や、窒化珪素、コージェライト、石英などを使用することができる。これらの中でも特にムライト−アルミナ複合体は、熱伝導率が低く、断熱性に優れているため、載置台3の加熱時に載置台3からの熱の逃げを防止し、素早い昇温を実現することができる。また冷却時にはチャンバーやその他の部品からの熱の伝わりを遮断することができ、急速に冷却することができるため好ましい。また、アルミナは剛性が高く、薄肉化できるため熱容量を低減でき、効率よく昇温、冷却することができるので好ましい。
【0048】
筒状支持体4に関しては、図1のように上部筒状支持体4a、中間筒状支持体4bおよび下部筒状支持体4cの3個の部材に分割した構造としている。また、図2のように上部筒状支持体4aと中間筒状支持体4bを一体化させ、あるいは中間筒状支持体4bと下部筒状支持体4cを一体化させて2分割構造にしていても構わない。更に、図3のようにすべての部材を一体化させた構造にしても良い。また、図4に示すように、上部筒状支持体を4a′、4a″の2つの部材に分割しても良い。なお、一体形の筒状支持体4を示す図3中には、上部筒状支持体4a、中間筒状支持体4bおよび下部筒状支持体4cに相当する上部、中間部、下部にそれぞれ上部筒状支持体、中間筒状支持体および下部筒状支持体と同符号を付し、また、上部と中間部が一体形の筒状支持体4を示す図2中にも、上部筒状支持体4aおよび中間筒状支持体4bに相当する上部、中間部に、それぞれ上部筒状支持体、中間筒状支持体と同符号を付している。さらに中間部と下部が一体形の筒状支持体4を示す図4中にも、中間筒状支持体4bおよび下部筒状支持体4cに相当する中間部、下部に、それぞれ中間筒状支持体、下部筒状支持体と同符号を付している。
筒状支持体4を分割することで、上部と下部の温度差によって発生する熱膨張差による変形を防止することができる。更には各部材間の熱伝達が阻害されるため、冷却速度も向上する。各部材間は、図示したように気密シール部(O−リング)9により気密封止すればよい。このとき各部材の材料は特に同一である必要はなく、目的に応じて適宜選択することができる。これらの形態の中で、断熱性を向上させるため、これら分割した筒状支持体の一つを断熱性に優れたムライト−アルミナ複合体によって形成すると効果的である。特に載置台3の近傍に位置する上部筒状支持体4aの材料として使用すれば、昇降温速度を向上することができるため特に好ましい。
【0049】
また、上述のように筒状支持体4内の雰囲気は、チャンバー内の雰囲気と遮断されるために、圧力差が大きくなって載置台3が大きく変形してしまうことがある。載置台3が変形すると、ウエハと載置台3との距離のバラツキが大きくなり、ウエハの温度分布もばらつくことになるので好ましくない。
【0050】
そこで、この変形を防ぐために、載置台3と筒状支持体4との間を上記の気密シール部9以外の箇所で互いを固定している。固定の方法としては、図5のように結合部材であるねじ10によるねじ止めなどの方法を採用できる。
ねじ止めをするに際しては、筒状支持体4の下方に載置台3と略平行な部分を設けることにより、より容易にねじ止めをすることができる。このため、図5に示した例においては、中間筒状支持体4bをドーナツ状の平板とし、図に示したように、載置台3に対して略平行に配置されている。また、その周縁部と円筒状の上部筒状部材4aの端面との当接面は、気密にシールされ、互いに固定されている。そして、略平行に配置された載置台3と中間筒状支持体4bとをねじ10によりねじ止めすることにより、載置台3は筒状支持体4に固定されている。
なお、図3に示すように、筒状支持体4が分割構造でなく一体形の場合も、筒状支持体4の中間部を、図5に示した例と同様、ドーナツ状の平板とし、載置台3と略平行になるように形成する。
【0051】
ねじ止めの場合には、載置台3側にねじ穴11を形成し、筒状支持体4の下方部に設けられた中間筒状支持体4b(筒状支持体4が分割構造でない場合は前記中間部)に貫通孔4dを形成し、貫通孔4dと冷却モジュール6に設けられている貫通孔12と発熱体7に設けられている貫通孔12aにねじ10を通してねじ穴11に螺合する。また、ねじ10と筒状支持体4の間に上記O−リングやガスケットなどを挿入し、固定することができる。これにより上述の内外圧力差による載置台3の変形を防止することができる。ねじ10による固定箇所は、例えば12インチ用のウエハ保持体1においては、少なくとも3箇所、同一円周上に均等に配置することが好ましい。均等に配置することで、変形量を少なくすることができる。また、前記少なくとも3箇所に加えて、前記3箇所よりも中心側にもねじ10を配置することにより載置台3の変形をより効果的に低減することができる。また、ねじ10による固定数は多いほうが変形をより効果的に抑えることができるので好ましいが、組み立てが煩雑になるため、要求される載置台3の平面度に応じて適宜設計すればよい。また筒状支持体4内のねじの外周部には、ガイド部材を設置することができる。
【0052】
図6に示した例では、さらに、載置台3と中間筒状支持体4bとの間に、冷却モジュール6、発熱体7のそれぞれに設けた貫通孔12b、12cを通して複数の支持部材10aを配置している。支持部材10aで空隙部5側から載置台3を支持することにより、例えば空隙部5内を真空にしたり、チャンバーのみを大気開放すること等により空隙部5内の圧力がチャンバーの圧力に比べて低くなった場合でも、載置台3の変形をより防止することができる。
【0053】
また、図6のようにねじ10の外周部に円筒状の支持部材10aを設置することができる。
【0054】
結合部材(ねじ10)や支持部材10aの材料としては特に制約がなく使用することができる。例えばステンレスやコバール、タングステンやモリブデン、ニッケル、およびこれらの合金を使用することができる。更に本発明においては、結合部材の熱伝導率は20W/mK以下であることが好ましい。結合部材は、載置台3と筒状支持体4を結合しているため、高温で使用中は、どうしても結合部材を通じて熱が筒状支持体4に伝達される。このため逆に載置台3を冷却している場合には結合部材から載置台3に向けて熱が伝わり、冷却速度を低下させる原因となる。好ましい材料としては、コバール、ステンレスを主成分とすることが好ましい。これらの材料は弾性率が比較的高く、特に熱伝導率が低いため、上記の筒状支持体4と同様に断熱効果に優れるため好ましい。また、耐食性を向上させるために、これらの材料の表面にニッケルやフッ化ニッケルなどの膜を形成することもできる。
【0055】
支持部材10aにはセラミックスを使用することもでき、セラミックスは弾性率が比較的高く、特に熱伝導率が低いため好ましい。これら支持部材10aや結合部材10は筒状支持体4と同程度の熱膨張係数を有することが好ましい。昇温時、降温時の熱膨張係数の差が小さいほど、熱膨張係数差による反りを小さくできるからである。
【0056】
また、載置台3と筒状支持体4の中間筒状支持体4bの間を支持する支持部材10aを固定するには、図7のように嵌め込みによって機械的に結合してもよい。すなわち、載置台3および筒状支持体4の中間筒状支持体4bに凹部13を形成し、支持部材10aを凹部13に嵌め込んで機械的に結合でき、載置台3および筒状支持体4の中間筒状支持体4bのいずれか一方にのみ凹部13を形成することもできる。また、接着剤を使用することもできる。
【0057】
上記のように筒状支持体4には、載置台3よりも熱伝導率の低い材料を用いる必要性がある。特に、筒状支持体4のうちの上部筒状支持体4a(一体形の筒状支持体4では、上部筒状支持体4aに相当する上部部分)については、載置台3と結合されているため、熱伝導率の低い材料を用いる必要性がある。
また、中間筒状支持体4bや下部筒状支持体4c(一体形の筒状支持体4では中間筒状支持体4bや下部筒状支持体4cに相当する中間部分や下部部分)についても、その必要性がある。これは例えば載置台3の温度を急速に下げる場合、筒状支持体4の中間筒状支持体4bや下部筒状支持体4cの熱伝導率が高いと、中間筒状支持体4bや下部筒状支持体4cからの熱が、ねじ10や支持部材10aを通じて載置台3に供給され、冷却速度が低下するためである。特に、載置台3を発熱体7で加熱する後、冷却する場合には、特にその傾向が顕著となる。
【0058】
発熱体7は、冷却モジュール6の載置台3とは反対側の面に設置され、熱伝導を高めるために樹脂中に窒化ホウ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、シリカなどのフィラーを分散したフッ素樹脂、ポリイミド樹脂、シリコン樹脂等の絶縁シート(図示省略)で挟み込んで絶縁されている。
発熱体7は、例えば、耐熱性、絶縁性を有するポリイミドやフェノール、シリコン、エポキシ系の樹脂やマイカなどの間にステンレスやニクロム、タングステン、モリブデンなどの金属箔をエッチングすることにより形成される。
【0059】
また、本発明のウエハ保持体1の載置台3には高周波発生用電極や静電チャック用電極を設置することも可能である。この場合、載置台3が絶縁体の場合は、電極としてタングステンやモリブデンの印刷膜や、金属メッシュ、金属箔を公知の手法で埋設すればよい。また載置台3が導体の場合は、載置台3を電極とし、載置台3の表面に絶縁膜を溶射などの手法で形成しても良い。
【0060】
また、上記で述べてきたウエハ保持体1に関しては、冷却速度・昇温速度に優れ、均熱性にも優れることから、スループットの向上が可能であり、エッチング装置や、プラズマCVD装置、CVD装置、アッシング装置などに好ましく利用することができる。
【実施例1】
【0061】
直径330mm、厚さ8mmのAl−C、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、Al−Si−SiC、Cu、Al製の載置台3を準備した。さらに、比較例としてアルミナ、SUSおよびNi製の載置台を準備した。Al−Cとはカーボン繊維を含有したアルミニウム複合体である。これらはそれぞれ平面度を30μm以下になるように研磨加工している。冷却モジュール6として、直径300mm、厚さ5mmの銅板を2枚準備し、それぞれに半径2mmのザグリ加工により冷媒が流れる流路を形成した。次にこれらを銀ロウ付けにより接合して冷却モジュール6とした。そして、冷却モジュール6の載置台3とは反対側の面に、シリコン樹脂に挟まれたニクロム製の発熱体7を取り付けた。また、冷却モジュール6と載置台3の間には、シリコン樹脂を設置し、密着性を向上させている。更にムライト−アルミナ複合体製で上部、中間部および下部を一体化した筒状支持体4を準備し、筒状支持体4を載置台3に気密シール部(O−リング)9を介してステンレス製のねじで固定した。そして、載置台3と筒状支持体4の間をねじ10(結合部材)で結合した。ねじ10はコバールねじを使用し、O−リングにより封止した。上記材料にモリブデンを加えた各材料の熱伝導率および弾性率を表1に示す。なお、筒状支持体4内は大気雰囲気とし、ねじ10の位置はPCD(ピッチ・サークル・ダイアメータ)170mmの位置で4箇所均等に配置した。
【0062】
【表1】

【0063】
そして出来上がったウエハ保持体1にウエハ温度計を載置し、発熱体7に通電(2kW)することでウエハを200℃まで加熱し、その後50℃まで冷却した。冷却時には冷却モジュール6に5リットル/分の25℃の水を流し、その冷却速度をウエハ温度計で測定した。
200℃における均熱性は、ウエハの温度が200℃に達した後、10分後の温度分布である。またこのとき、チャンバー内は真空雰囲気、筒状支持体4内は大気圧であった。また上記テスト後、載置台3の温度が200℃のときの載置面2の平面度をレーザ変位計にて測定した。参考例*2として、ねじ(結合部材)を配置しない場合についても実施した。均熱性、冷却時間、平面度の結果を表2に示す。
【0064】
【表2】

【0065】
上記のことから、載置台3の熱伝導率が50W/mK以上のものが、均熱性、冷却速度において優れていることが分かった。ねじ(結合部材)を配置しない場合、大気圧による反りが大きく、均熱性が悪くなり、冷却速度も遅くなることが分かった。
また、表1、表2より、密度×比熱が3.9未満であれば、冷却速度において優れていることが分かった。
【実施例2】
【0066】
次に載置台2の厚みを変えてその冷却速度等を測定した。結果を表3に示す。
【0067】
【表3】

【0068】
上記のことから、厚み8mm以下では冷却速度等に優れることが判明した。
【0069】
上記の実施例と同じ手法で、上記の電極を熱収縮チューブで被覆し、PCD170mmの4箇所に均等に配置した上記実施例のねじ位置に、ねじに代えて外径10mm、内径6mmの筒状のムライト−アルミナ複合体の支持部材を配置し、載置台3および筒状支持部材4に凹部13を設け、この凹部13に支持部材10aの両端部を嵌合し、ねじ止めはしなかった。これについて上記と同様の実験を行った。このとき、チャンバー内および空隙部は真空であった。参考例*5としてPCD170mmの4箇所に上記筒状支持部材をねじ止めした場合と、参考例*6として結合部材を用いない場合についても同様の実験をした。その結果を表4に示す。
【0070】
【表4】

【0071】
上記のことから、空隙内を真空にすることで、若干均熱性が向上していることが分かった。参考例*5の結果からも、空隙部をチャンバーと同程度の真空に引く場合は、PCD170mm位置に支持部材があればねじ止めをしなくても、ねじ止めした場合と変わらない結果が得られた。また、参考例*6の結合部材がない場合は、チャンバーのみを大気開放時に空隙内が真空であるため、大気圧がかかり280μmの反りを生じた。上記実施例から結合部材を有することにより平面度が精度良く維持できていることが分かった。
【実施例3】
【0072】
次に図1に示したように、筒状支持体4を3分割し、各分割した部材間を気密シール部(O−リング)9で気密封止し、上記と同様のウエハ保持体1を形成した。このとき、中間筒状支持体4bと載置台3との間はコバールねじ10によって、上記と同様に固定した。その結果を表5に示す。
【0073】
【表5】

【0074】
上記に示したように、筒状支持体4を分割することで各筒状支持体間の熱伝達が阻止されるため、冷却速度が向上することが分かった。
【実施例4】
【0075】
次に結合部材の影響について実施例1と同様の試験を行った。結合部材の材料を各種材料に変えたときの冷却速度に関して、その結果を以下の表6に示す。
【0076】
【表6】

【0077】
上記のことから、結合部材の熱伝導率は20W/mK以下の材料、例えばコバール、ステンレスを採用することが好ましいことが判明した。
【0078】
比較例として上記と同様のAlN基板と、冷却モジュール6を用い、上記と同様の試験を行った。但し、発熱体7はAlN基板の下部に取り付け、冷却モジュール6は可動式とし、加熱時はAlN基板から離間され、冷却時はAlN基板と密着するようにした。その結果を表7に示す。
【0079】
【表7】

【0080】
比較例は上記の実施例の構造のものよりも冷却速度が遅くなることが分かった。
【0081】
以上のことから、載置台材料としては、熱伝導率が50W/mK以上のものを用い、更に、筒状支持体を3分割構造にすれば、均熱性および冷却速度が向上し、結合部材の材料としては、熱伝導率が20W/mK以下のものを用いれば冷却速度において特に好ましいことが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態のウエハ保持体を概念的に示す図である。
【図2】本発明の一実施形態のウエハ保持体を概念的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態のウエハ保持体を概念的に示す図である。
【図4】本発明の一実施形態のウエハ保持体を概念的に示す図である。
【図5】本発明の一実施形態のウエハ保持体を概念的に示す図である。
【図6】本発明の一実施形態のウエハ保持体を概念的に示す図である。
【図7】本発明の一実施形態のウエハ保持体を概念的に示す図である。
【符号の説明】
【0083】
1 ウエハ保持体
2 載置面
3 載置台
4 筒状支持体
4a 上部筒状支持体
4b 中間筒状支持体
4c 下部筒状支持体
4d 貫通孔
5 空隙部
6 冷却モジュール
6a 流路
7 発熱体
8 チャンバーの壁面
9 気密シール部
10 ねじ(結合部材)
10a 支持部材
11 ねじ穴
12、12a、12b、12c 貫通孔
13 凹部
16 金属パイプ
17 熱電対
18 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー内に収容され、ウエハを載置して処理するためのウエハ保持体であって、
ウエハを載置する載置面を有し、材料の主成分がAl−C、Al−SiC、Si−SiC、SiC、AlN、C、Cu、Alからなる群から選ばれた少なくとも一種である載置台と、
前記載置台よりも熱伝導率が低く、前記載置台を前記載置面の反対側から支持し、前記載置台に気密に結合される筒状支持体と、
前記載置台と前記筒状支持体との間に形成される空隙部と、
前記空隙部内に収容される冷却モジュールおよび発熱体を備え、
前記載置台は、50W/mK以上の熱伝導率を有し、
前記空隙部は、前記チャンバー内の雰囲気と遮断され、
前記冷却モジュールは前記載置台に設けられ、前記発熱体は、前記冷却モジュールの前記載置台とは反対側の面に設けられていることを特徴とするウエハ保持体。
【請求項2】
前記空隙部は、前記チャンバー外の雰囲気と連通されていることを特徴とする請求項1に記載のウエハ保持体。
【請求項3】
前記空隙部を真空にするための減圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のウエハ保持体。
【請求項4】
前記載置台を支持する支持部材が、前記載置台と前記筒状支持体の下方部との間に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のウエハ保持体。
【請求項5】
前記載置台と、前記筒状支持体および/または前記チャンバーとは、結合部材で結合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のウエハ保持体。
【請求項6】
前記載置台と、前記筒状支持体および/または前記チャンバーに、前記支持部材が接着剤又は嵌め込み式により取り付けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のウエハ保持体。
【請求項7】
前記筒状支持体の少なくとも一部がムライト−アルミナ複合体であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のウエハ保持体。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のウエハ保持体が搭載されていることを特徴とする半導体製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−94137(P2009−94137A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260915(P2007−260915)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(505186636)SEIハイブリッド株式会社 (52)
【Fターム(参考)】