説明

ケモカイン受容体のピリジニルスルホンアミドモジュレーター

本発明は、下記式:


で示される化合物またはその医薬上許容される塩;これを含む医薬組成物およびCCR−2受容体により介在される障害の治療におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケモカイン受容体のモジュレーター、具体的にはCCR2アンタゴニストである一群のピリジニルスルホンアミドおよびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CCR2は、単球およびいくつかの他の白血球の細胞表面で発現されるケモカイン受容体である。CCR2は、炎症および感染部位で酸性される、単球走化性蛋白質MCP−1および他のCCケモカインに結合する。MCP−1/CCR2相互作用による炎症部位への単球の動員は、関節リウマチ、アテローム性動脈硬化症、多発性硬化症、閉塞性細気管支炎、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、腎臓病、肺胞炎、腎炎、肝臓肝硬変、鬱血性心不全、ウイルス性髄膜炎、脳梗塞、ニューロパシー、川崎病、アルツハイマー病、卒中、急性神経損傷、HIV感染、AIDS、自己免疫疾患、癌、敗血症、網膜炎、炎症性腸疾患、移植片動脈硬化症、特発性肺線維症、乾癬、HIV−関連認知症、狼瘡、エリテマトーデス、肝炎、膵臓炎、クローン病、子宮内膜症および糖尿病を含む複合炎症障害を含む多くの疾患の病理の促進に関与する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、CCR2に結合する化合物群の発見は当該分野において有益であり、これにより、炎症性部位への単球の望ましくないMCP1−介在動員の形成を防止または最小化することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1の態様において、本発明は、下記式:
【化1】

[式中:
Xは−O、−NHまたは−Sであり;
は、ヘテロアリール基またはアリール基であり、これらは各々、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ−C1−4アルキル−、C1−4アルコキシ−C1−4アルキル−、C3−6シクロアルキル、−CN、C1−4アルキルチオ−、−OCF、ジメチルアミノ、ニトロおよび−CFからなる群から独立して選択される3個までの置換基により置換されており;
は、H、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、−CN、−CFまたは−OCFであり;
は、R−フェニル−、R−ピリジル−、メチルテトラゾリル、モルホリノ−C(O)−CH−、(CHN(CHN(CH)−C(O)CH−、メチルイソキサゾリル;ピリダジニルまたはトリアゾリルであり;
ここに、Rは、H、ハロ、CN、ヒドロキシメチル、テトラゾリル、COOHまたは−CR−NRであり;
は、2−メチル、2−ハロ、2−シアノ、2−COOH、ジメチルアミノメチル、メチルモルホリノメチルであり;
ここに、RおよびRは、各々Hであるか、あるいはそれらが結合しているCと一緒になって、カルボニル基を結合し;
は、H、−(CH−R;C−C−シクロアルキル;C−C−アルキル;フェニル−CH(CH)−;オキソイソキサゾリジニル;ジメチルチアゾリル;ジヒドロチアゾリル;イミダゾリル−CHCH(CHOH)−CH−;またはイミダゾリル−CHCH(CHOH)−であり;
は、H、C−C−アルキル、ベンジルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、ジフルオロピロリジニル、モルホリノ、ピラジニル、トリアゾロピペリジニルまたはピロリジノニル基を形成し;
yは1、2または3であり;
は、−NR、OH、メトキシ、フェニル、イミダゾリル、インドリル、テトラヒドロピラニル、ベンズイミダゾリルまたはC−C−シクロアルキルであり;
はHまたはメチルであり;Rは、H、C−C−アルキルまたはフェニルであるか;あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピラジニル、イミダゾリル、またはピロリジノニル基を形成する]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩を提供する。
【0005】
第2の態様において、本発明は、a)請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩;およびb)医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
第3の態様において、本発明は、CCR2により介在される疾患または症状の治療方法であって、医薬的に有効な量の本発明の化合物またはその医薬上許容される塩を投与することを含む方法を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
第1の態様において、本発明は、下記式:
【化2】

[式中:
Xは−O、−NHまたは−Sであり;
は、ヘテロアリール基またはアリール基であり、これらは各々、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ−C1−4アルキル−、C1−4アルコキシ−C1−4アルキル−、C3−6シクロアルキル、−CN、C1−4アルキルチオ−、−OCF、ジメチルアミノ、ニトロおよび−CFからなる群から独立して選択される3個までの置換基により置換されており;
は、H、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、−CN、−CFまたは−OCFであり;
は、R−フェニル−、R−ピリジル−、メチルテトラゾリル、モルホリノ−C(O)−CH−、(CHN(CHN(CH)−C(O)CH−、メチルイソキサゾリル;ピリダジニルまたはトリアゾリルであり;
ここに、Rは、H、ハロ、CN、ヒドロキシメチル、テトラゾリル、COOHまたは−CR−NRであり;
は、2−メチル、2−ハロ、2−シアノ、2−COOH、ジメチルアミノメチル、メチルモルホリノメチルであり;
ここに、RおよびRは、各々Hであるか、あるいはそれらが結合しているCと一緒になって、カルボニル基を結合し;
は、H、−(CH−R;C−C−シクロアルキル;C−C−アルキル;フェニル−CH(CH)−;オキソイソキサゾリジニル;ジメチルチアゾリル;ジヒドロチアゾリル;イミダゾリル−CHCH(CHOH)−CH−;またはイミダゾリル−CHCH(CHOH)−であり;
は、H、C−C−アルキル、ベンジルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、ジフルオロピロリジニル、モルホリノ、ピラジニル、トリアゾロピペリジニルまたはピロリジノニル基を形成し;
yは1、2または3であり;
は、−NR、OH、メトキシ、フェニル、イミダゾリル、インドリル、テトラヒドロピラニル、ベンズイミダゾリルまたはC−C−シクロアルキルであり;
はHまたはメチルであり;Rは、H、C−C−アルキルまたはフェニルであるか;あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピラジニル、イミダゾリル、またはピロリジノニル基を形成する]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩に関する。
【0007】
本明細書で用いられる場合、「アルキル」なる用語は、所定の数の炭素原子を含有する直鎖または分枝鎖を意味する。本明細書で用いられる場合、「アルキル」なる用語は、限定するものではないが、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソブチル、イソプロピル、t−ブチル、および1,1−ジメチルプロピルが挙げられる。
【0008】
「アルコキシ」の例としては、限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、プロプ−2−オキシ、n−ブトキシ、ブト−2−オキシ、2−メチルプロプ−1−オキシ、2−メチルプロプ−2−オキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキシルオキシが挙げられる。
【0009】
1−4アルキルチオの例としては、限定するものではないが、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、プロプ−2−チオ、n−ブチルチオ、ブト−2−チオ、2−メチルプロプ−1−チオ、2−メチルプロプ−2−チオが挙げられる。
【0010】
3−6シクロアルキル基の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル基が挙げられる。
【0011】
本明細書で用いられる場合、「ヘテロシクロアルキル」なる用語は、1個またはそれ以上のヘテロ原子を含有する5〜6員の非芳香環基を意味する。ヘテロシクロアルキル基のとしては、2H−ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、2H−ピリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロピリダジニル、ピペリジニル、およびピペラジニルが挙げられる。
【0012】
「ハロゲン」または「ハロ」なる用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨウドを意味する。
【0013】
「本発明の化合物」なる用語は、本明細書で用いられる場合、1種またはそれ以上の本発明を含む。本発明は、化合物、ならびにそれらの医薬上許容される塩を含む。したがって、化合物またはその医薬上許容される塩なる文脈における「または」なる語は、化合物またはその医薬上許容される塩もしくはそれらの組み合わせを含むものと解される。
【0014】
本明細書で用いられる場合、「医薬上許容される」なる語は、正常な医学的判断の範囲内において、過度の毒性、刺激または他の問題または合併症を伴うことなくヒトおよび動物の組織と接触して用いるのに適し、合理的な利益/リスク比に見合った、化合物、物質、組成物および剤形を意味する。当業者には、式(I)で示される化合物の医薬上許容される塩を調製することができることは明らかだろう。これらの医薬上許容される塩は、最終的な単離および化合物の精製の間に系内で調製するか、あるいは、別個に、純粋な化合物をその遊離酸または遊離塩基の形態で、それぞれ、適当な塩基または酸と反応させることにより調製することができる。
【0015】
本発明の化合物は、以下の反応スキームに従って調製することができる。
式(I)で示される化合物は、式(II):
【化3】

[式中、R、RおよびXは上記と同意義である]
示される化合物またはその適当に保護された誘導体と、式(III):
L−SO−R (III)
[式中、Lは適当な脱離基であり、Rは上記と同意義である]
で示される化合物とを反応させること、
および、その後、任意に、
(i)保護基(複数でも可)を除去すること;および/または
(ii)塩を形成すること;および/または
(iii)式(I)で示される化合物またはその塩を、他の式(I)で示される化合物またはその塩に変換すること
により調製することができる。
【0016】
適当な脱離基Lの例としては、クロロ、ブロモ、およびペンタフルオロフェノキシが挙げられる。
典型的には、Lがクロロである場合、かかる反応は、適当な溶媒、例えばピリジン(所望により、第2の溶媒、例えばクロロホルムまたはテトラヒドロフランと混合していてもよい)中に、式(II)で示される化合物を溶解し、これを、適当な溶媒、例えばピリジン中の式(III)で示される化合物と反応させることにより行うことができる。また、さらに触媒量のジメチルアミノピリジンを用いてもよい。反応は、一般的には、80〜250℃の高い温度範囲、例えば200℃で、30分〜1時間、あるいは80℃で5〜24時間で行われる。
【0017】
式(II)で示される化合物は、下記スキームに詳述する化学反応に従って、例えば、関連するR基を有するアルコール、アミンまたはチオールを、適当な塩基、例えば適当な脱離基L、例えば塩素を有する式(IV)で示される化合物、炭酸カリウム、およびニトロ−ピリジンで、ジメチルホルムアミド(DMF)のような溶媒中、適当な時間、例えば1〜24時間、20〜100℃の適当な温度で処理することにより調製することができる。ついで、この反応のニトロ−ピリジン生成物(III)を、標準的な文献公知の方法:例えば、プラチナまたはパラジウムのような金属触媒の存在下での水素化を用いて還元することができる。別法として、適当な試薬、例えばギ酸アンモニウムでの移動水素化を、プラチナまたはパラジウムの存在下、適当な溶媒、例えばジクロロメタン、酢酸エチル、エタノールまたはそれらの混合溶媒系中で行って、式(IIa)で示される化合物を得ることができる。
【0018】
【化4】

【0019】
式(IV)で示されるニトロ−ピリジン化合物は、当業者により、文献公知の方法を用いて容易に調製することができる。RがCNである式(IV)で示される化合物の調製法の例を、下記スキーム5に示す。
さらに具体的には、XがOであり、Rが、例えばカルボン酸置換基を有する6員芳香族またはヘテロ芳香環である、式(I)で示される化合物は、下記スキーム2に示すように、対応するメチルまたはエチルエステルの加水分解により調製することができる。
【0020】
【化5】

[式中、AはCHまたはO、NまたはSのようなヘテロ原子である]
【0021】
適当な加水分解条件は、例えばメタノールのような適当な溶媒中の水酸化リチウムである。この反応は、完了するまで50〜90℃で、例えば15分〜24時間行ってもよい。
XがOであり、Rがアミド置換基を有するフェニルである式(I)で示される化合物を、下記スキーム3に記載の化学反応に従って調製することができる。
【0022】
【化6】

【0023】
工程1、適当なエステルの塩基、例えば水素化ナトリウムカリウムでの環化は、適当な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中、例えば0℃で行うことができる。中間体ラクタムは単離してもよく、あるいは工程2に示すようにすぐにスルホニル化剤で処理してもよい。ついで、得られたスルホニル化ラクタムを、関連するアミンで処理して、工程3に記載のように開環して、アミドを得ることができる。
別法として、一般式(Ib)で示される化合物は、対応する酸から、関連するアミンで、アミドカップリング剤、例えばTBTUの存在下、下記スキーム4に示すような標準的な文献公知の方法に従って処理することにより調製することができる。
【0024】
【化7】

【0025】
2−クロロ−3−ニトロピリジン(化合物IVa)は、下記スキーム5に示すように2−ヒドロキシピリジンの塩素化/脱水により調製することができる。式(VII)で示される化合物を脱水して、対応するクロロ/シアノ置換化合物を得ることができる。
【0026】
【化8】

【0027】
スキーム2に示されるRがアリールである中間体(V)は、例えば下記スキーム6に記載の方法により調製することができる:
【化9】

[式中、AはCHまたはO、NまたはSのようなヘテロ原子であり、Rは式(I)で示される化合物の定義内にある適当な置換基である]
【0028】
反応は、高温、例えば50〜100℃、例えば95℃で約1時間ピリジンのような溶媒中で行うことができる。
スキーム3に示される中間体(VI)は、下記スキーム7に記載のように調製することができる:
【化10】

【0029】
炭酸カリウムでの処理は、適当な溶媒、例えばDMF中、高温、例えば80〜120℃の範囲、例えば100℃で、8時間まで、例えば4時間で行うことができる。
炭素担持パラジウムの存在下での水素化は、適当な溶媒、例えば酢酸エチル中、室温にて、4時間まで、例えば2時間で行うことができる。
スキーム7のアミンとスルホニルクロライド基の間のカップリング工程は、例えば出発物質を、メタノールおよび水のような溶媒中、水酸化リチウムの存在下で、適当な期間、例えば1時間還流することにより行うことができる。
【0030】
当業者には、本発明の化合物またはその塩もしくは溶媒和物の調製において、望ましくない副反応を防止するために、分子内の1種またはそれ以上の感受性基を保護する必要がある、および/またはそれが望ましいことがあることは明らかだろう。本発明での使用に適当な保護基は、当業者によく知られており、慣用的な方法で用いることができる。例えば、「Protective groups in organic synthesis」、 T.W. Greene and P.G.M. Wuts (John Wiley and sons 1991)または「PProtecting Groups」、P.J. Kocienski (Georg Thieme Verlag 1994)を参照のこと。適当なアミノ保護基の例としては、アシル型保護基(例えば、ホルミル、トリフルオロアセチル、アセチル)、芳香族ウレタン型保護基(例えば、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および置換Cbz)、脂肪族ウレタン保護基(例えば、9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)、イソプロピルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル)およびアルキル型保護基(例えば、ベンジル、トリチル、クロロトリチル)が挙げられる。適当な酸素保護基の例としては、例えばアルキルシリル基、例えばトリメチルシリルまたはtert−ブチルジメチルシリル;アルキルエーテル、例えばテトラヒドロピラニルまたはtert−ブチル;またはエステル、例えばアセテートが挙げられる。
【0031】
式(I)で示される他の化合物は、上記したものと類似の一般的な方法により調製することができる。
上記した式(I)で示される化合物は塩基性基を含んでいてもよく、また、酸性基を含んでいてもよく、したがって、医薬上許容される酸または塩との塩を形成してもよい。
【0032】
本発明で示される化合物の医薬上許容される塩の例としては、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸および硫酸と、および有機酸、例えば酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、安息香酸、ギ酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、マリン酸、コハク酸、カンファースルホン酸、イソチオン酸、粘液酸、ゲンチシン酸、イソニコチン酸、糖酸、グルクロン酸、フロ酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ステアリン酸、スルフィン酸、アルギン酸、ガラクツロン酸およびアリールスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸と形成される酸付加塩;アルカリ金属およびアルカリ土類金属および有機塩基、例えばN,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N−メチルグルカミン、リシンおよびプロカインと形成される塩基付加塩;および、内部塩が挙げられる。生理学的に許容されないアニオンまたはカチオンを有する塩は、医薬上許容される塩の調製および/または非治療的な使用、例えばインビトロの条件での使用に有用な中間体として本発明の範囲内に含まれる。
【0033】
本発明のある種の化合物は、1当量またはそれ以上の酸と酸付加塩を形成しうる。本発明のある種の化合物は、1当量未満の酸と酸付加塩を形成しうる。本発明は、すべての可能性ある化学量論的および非化学量論的形態も範囲内に含む。
ある種の式(I)で示される化合物は、立体異性体が存在する(例えば、これらは、1個またはそれ以上の不斉炭素原子を含有しうる)。個々の立体異性体(エナンチオマーおよびジアステレオマー)およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。また、本発明は、1個またはそれ以上のキラル中心が反転した異性体との混合物としての、式(I)で示される化合物の個々の異性体を包含する。同様に、式(I)で示される化合物は、式において示されるもの以外の互変異性体として存在することができ、これらもまた、本発明の範囲内に含まれる。
式(I)で示される化合物の特定のエナンチオマーを必要とする場合、これは、例えば、式(I)で示される化合物の対応するエナンチオマー混合物を、慣用的な方法で分割することにより得ることができる。かくして、必要とされるエナンチオマーは、式(I)で示されるラセミ化合物から、キラルHPLC法により得ることができる。
【0034】
さらなる態様において、本発明は、CCR2により介在される疾患の治療方法であって、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を該治療を必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
当業者には、本明細書で用いられる治療なる語は、確立した疾患または兆候の治療と同様に予防にまで及ぶことは明らかだろう。
【0035】
治療的使用に関して、本発明の化合物は、生化合物として投与することも可能であるが、医薬処方における活性成分として存在することが好ましい。
かくして、本発明は、式(I)で示される化合物またはその医薬上許容される塩を、1種またはそれ以上の医薬上許容される担体または希釈剤と一緒に含む医薬組成物を提供する。担体(複数でも可)、希釈剤(複数でも可)および/または賦形剤(複数でも可)は、処方の他の成分と適当する、および患者に悪影響を及ぼさないという意味で、「許容」されなければならない。
【0036】
本発明の化合物は、本発明の化合物を、標準的な医薬担体、希釈剤または賦形剤と、当業者に公知の慣用的な方法に従って組み合わせることにより調製される慣用的な剤形で投与することができる。これらの方法は、混合、造粒および圧搾または適宜所望の製剤に成分を溶解することを含む。
【0037】
本発明の医薬組成物は、いずれもの経路による投与用に処方することができ、ヒトを含む哺乳動物への経口、口腔、局所、吸入または注入、埋め込み、直腸または非経口投与に適した形態を含む。
組成物は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、ロゼンジ、クリームまたは液体製剤、例えば経口または滅菌非経口溶液または懸濁液の形態であってもよい。
【0038】
経口投与用の錠剤およびカプセルは、慣用的な賦形剤、例えば結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、デンプン糊またはポリビニルピロリドン;充填剤、例えばラクトース、糖、微結晶セルロース、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、グリシンまたはソルビトール;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えばジャガイモデンプンまたはナトリウムデンプングリコレートまたは湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含有していてもよい。錠剤は、当業者によく知られた方法に従ってコートされていてもよい。経口液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、あるいは、使用前に水または他の適当なビヒクルで復元する乾燥製品として提供してもよい。かかる液体製剤は、慣用的な添加剤、例えば懸濁化剤、例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは硬化食用油;乳化剤、例えばレシチン、ソルビタンモノ−オレアートまたはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含む)、例えばアーモンド油、ヤシ油、油性エステル、プロピレングリコールまたはエチルアルコール;可溶化剤、例えば界面活性剤、例えばポリソルベートまたは他の剤、例えばシクロデキストリン;および保存剤、例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチルまたはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはアスコルビン酸;および、望ましい場合、慣用的なフレーバーまたは着色剤を含んでいてもよい。また、組成物は、例えば慣用的な坐剤基剤、例えばココアバターまたは他のグリセライドを含む坐剤として処方してもよい。
【0039】
バッカル投与に関して、組成物は、慣用的な方法で処方される錠剤またはロゼンジの形態でありうる。
本発明の局所処方は、例えば、軟膏、クリームまたはローション、眼軟膏および眼または耳滴剤、含浸包帯およびエアロゾールとして提供することができ、適当な慣用的な添加剤、例えば保存剤、薬剤の浸透を補助する溶媒および軟膏およびクリームにおける皮膚軟化剤を含んでいてもよい。
【0040】
また、処方は、慣用的な担体、例えばクリームまたは軟膏を、およびローションに関してはエタノールまたはオレイルアルコールを含有していてもよい。かかる担体は、処方の約1%〜約98%で存在してもよい。より通常には、これらは処方の約80%まで存在する。
【0041】
本発明の組成物は、注入または持続注入による非経口投与用に処方することができる。注入用処方は、アンプルでの単位剤形またはさらに保存剤を含む複数回投与用容器の形態で提供されうる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液またはエマルジョンの形態であってもよく、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤のような処方用薬剤を含有してもよい。別法として、活性成分は、使用前に適当なビヒクル、例えば滅菌、発熱物質不含水で復元する粉末形態であってもよい。
【0042】
非経口投与に関して、液体剤形は、化合物および滅菌ビヒクル、好ましくは水を用いて調製することができる。化合物は、ビヒクルおよび使用する濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁しても、溶解してもよい。溶液の調製において、化合物は、注射用水に溶解し、濾過滅菌し、適当なバイアルまたはアンプルに充填し、シールすることができる。
【0043】
有利には、局所麻酔剤、保存剤および緩衝化剤のような薬剤を、ビヒクル中に溶解することができる。安定性を増強するために、組成物は、バイアルに充填した後冷凍し、減圧下で水を除去することができる。ついで、凍結乾燥粉末をバイアル中にシールし、付属の注射用水のバイアルを、使用前に液体に復元するために提供することができる。非経口懸濁液は、化合物をビヒクルに溶解する代わりに懸濁し、滅菌を濾過により行えないこと以外は実質的に同様の方法で調製される。化合物は、エチレンオキシドに曝露することにより滅菌し、ついで、滅菌ビヒクルに懸濁される。有利には、界面活性剤または湿潤剤を、化合物の均一な分散を促進するために組成物に含ませる。
【0044】
組成物が投与ユニットを含む場合、個々のユニットは、典型的には1〜1000mgの活性成分を含有する。
【0045】
さらになる式(I)で示される化合物の調製の詳細は、以下の実施例に記載する。
以下の限定するものではない実施例により、本発明を説明する。
略語
HPLC−高速液体クロマトグラフィー
DCM−ジクロロメタン
DMF−ジメチルホルムアミド
DMSO−ジメチルスルホキシド
HCl−塩酸
SPE−固相抽出機
HBtU−O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート
DMAP−N,N−ジメチルアミノピペリジン
MDAP−マスディレクテッド自動分取HPLC
【0046】
質量スペクトルは、Waters ZQ質量分析器またはMicromass Platform 2質量分析器を用いて得、電子スプレーイオン化法を用いて、MH+またはM−を観察した。プロトン核磁気共鳴(H−NMR)スペクトルは、特記しない限り400MHzで記録し、化学シフトは、内部標準として用いるMeSiから低磁場へのppmで記録し、シングレット(s)、ダブレット(d)、ダブレットダブレット(dd)、トリプレット(t)、ダブレットトリプレット(dt)、カルテット(q)マルチプレット(m)として記載し、他の場合は全部を記載する。「br」なる語は、ブロードなピークを意味する;例えば、ブロードなシグナルは、br.s(またはbrs)と記載してもよい。
【0047】
中間体1 5−ニトロ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−3−ピリジンカルボキサミド
【化11】

カルボニルジイミダゾール(CDI、103g)を、DMF(510mL)中の5−ニトロ−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−3−ピリジンカルボン酸(106g)の溶液に室温にて滴下し、混合物を、発泡がなくなるまで60℃で加熱した。混合物を室温に冷却し、10〜35%のアンモニア(730mL)に注いだ。20分後、沈殿を濾過し、水(50mL)で洗浄し、減圧下70℃で乾燥して、83.3gの生成物を淡黄色固体として得た;H NMR(d−DMSO)δ8.61(d,1H),8.55(d,1H),7.80(br.s,1H),7.17(br.s,1H)。
【0048】
中間体2 6−クロロ−5−ニトロ−3−ピリジンカルボニトリル
【化12】

オキシ塩化リン(100mL)中の中間体1(10g)を3時間加熱し、ついで、さらに3時間激しく還流し、室温に一晩冷却した。混合物を濃縮し、氷(300mL)に注ぎ、15分間撹拌した。得られた固体を濾過し、熱酢酸エチル(250mL)でトリチュレートし、熱濾過し、有機物の濾液を水(3×150mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して、標題化合物を5.94gの淡黄色粉末として得た;H NMR(d−DMSO)δ8.88(d,1H),8.50(d,1H)。
【0049】
中間体3 2,5−ジクロロ−3−ニトロピリジン
【化13】

5−クロロ−3−ニトロ−2−ピリジンアミン(5.0g、28.8mmol)を濃HCl(50mL)中に溶解し、氷塩浴で−10℃に冷却した。水(10mL)中の硝酸ナトリウム(4.97g、72mmol)を、この冷溶液に1時間にわたって滴下し、1時間以上0℃で撹拌した。反応混合物を、氷塩浴で−10℃に冷却し、2Nの水酸化ナトリウムでpH9.0に、0℃以下に保ちながら中和した。EtOAc(150mL)を加え、混合物を濾過した。有機層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物を3.36g(60%収率)の淡褐色固体として得た;H NMR(d−DMSO)δ8.62(d,1H,2.5Hz),8.26(d,1H,2.2Hz)。
【0050】
中間体4 2−[(5−クロロ−3−ニトロ−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸メチル
【化14】

DMF(10ml)中の2,5−ジクロロ−3−ニトロピリジン(2g)および2−ヒドロキシ安息香酸メチル(1.4ml)の撹拌溶液に、炭酸カリウムを加えた。得られた混合物を、50℃で24時間加熱した。粗反応物を冷却し、酢酸エチルおよび水間で分配し(各々75ml)、分離し、水層を酢酸エチル(総量225ml)で抽出した。合した有機層を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、3.24gの標題化合物を得た;MH+309。
【0051】
中間体5 5−クロロ−2−[(4−メチル−2−ピリジニル)オキシ]−3−ニトロピリジン
【化15】

DMF(10ml)中の2,5−ジクロロ−3−ニトロピリジン(386mg)および4−メチル−2(1H)−ピリジノン(241mg)の溶液に、炭酸カリウム(552mg)を加えた。得られた混合物を、50℃で1.5時間加熱し、ついで、70℃で2時間加熱し、ついで、室温に冷却し、72時間撹拌した。混合物を濃縮して固体を得、これをDCM/水間で分配し、層を分離し、水層をさらにDCMで抽出した。合したDCM抽出物を洗浄(水)し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、褐色油を得た。油を、シリカゲルSPE(シクロヘキサン中の20〜40%酢酸エチル)により精製して、197mgの標題化合物を得た;MH+266。
【0052】
中間体6 5−クロロ−2−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ニトロピリジン
【化16】

DMF(10mL)中の2,5−ジクロロ−3−ニトロピリジン(1.93g)の溶液を調製し、2mLのこの溶液を、2−メチル−3−ヒドロキシピリジン(229mg)に加えた。炭酸カリウム(1.5eq)を加え、混合物を90℃で1時間加熱した。ついで、混合物を冷却し、濃縮し、DCM中に溶解し、濃縮した(2回)。得られた固体を、クロロホルムおよび水(各々5mL)間で分配し、分離した。クロロホルム層をブローして、粗生成物を得た。H NMR(CDCl)δ8.47(dd,1H),8.38(d,1H),8.26(d,1H),7.43(dd,1H),7.23(dd,1H),2.47(s,3H)
【0053】
上記中間体5に記載の方法と類似の方法を用いて、以下の中間体を製造した。この反応は、20〜90℃で1〜24時間で進行する。酢酸エチルを、処理の間クロロホルムの代わりに用いてもよい。
【表1】

【0054】
【表2】

【0055】
【表3】

【0056】
中間体29 2−[(3−アミノ−5−クロロ−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸メチル
【化17】

DCM(10ml)中の2−[(5−クロロ−3−ニトロ−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸メチル(中間体4)(997mg)の撹拌溶液に、ギ酸アンモニウム(3g)および5%炭素担持パラジウム「デグサ(degussa)」(252mg)を加えた。得られた混合物を50℃で24時間加熱した。粗混合物を冷却し、セライトにより濾過し、減圧下で濃縮して、標題化合物(873mg(97%収率))を得た;MH+279/281。
【0057】
中間体30 2−[(3−アミノ−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸メチル
【化18】

2−クロロ−3−ニトロピリジン(10g)、2−ヒドロキシ安息香酸メチル(11.5g)および炭酸カリウム(17.4g)を、DMF(100mL)中に混合し、100℃に4時間加熱した。混合物を室温に冷却し、ついで、水(600mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合した有機物を水(100mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、減圧下で濃縮した。得られた固体をヘキサンでトリチュレートし、濾過した。得られた固体(1g)を、2時間、酢酸エチル(40mL)およびエタノール(10mL)中、5%炭素担持パラジウム(100mg)の存在下で水素化した。セライトで濾過し、0.76gの標題化合物を得た;H NMR(CDCl)δ8.02(dd,1H),7.58(m,2H),7.48(dd,1H),7.29(m,2H),7.01(dd,1H),6.82(dd,1H),3.74(s,3H),3.55(br.s,2H)。
【0058】
中間体31 3−[(5−クロロ−3−ニトロ−2−ピリジニル)アミノ]安息香酸
【化19】

中間体2(500mg、2.59mmol)、3−アミノ安息香酸(391mg、2.85mmol)およびトリエチルアミン(1.1mL、7.77mmol)を、1,4−ジオキサン(10mL)中に溶解し、100℃に18時間加熱した。反応混合物を30mLのEtOAc(酢酸エチル)および水(30mL)中に溶解し、pH3.0未満に、2NのHClで酸性化した。有機層を分離し、乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物を710mg(93%収率)の黄色泡沫体を得た;H NMR(d−DMSO)δ13.03(brs,1H),10.04(s,1H),8.63(d,1H,2.5Hz),8.59(d,1H,2.3Hz),8.18(t,1H,1.7Hz),7.82(dd,1H,1.5,7.2Hz),7.73(d,1H,7.8Hz),7.50(t,7.8Hz)。
【0059】
上記の中間体31に記載の方法と類似の方法を用いて、以下の中間体を製造した。中間体32は、分取HPLC(Phenomenex75×30mmのカラム、40mL/分の流速、A:アセトニトリル中0.1%TFA、B:水中0.1%TFA、A:15分で20〜100%、215nmでUV検出)を用いてさらに精製を必要とした。当業者には明らかなように、類似の中間体は、合成法において、慣用的な修飾法を含んでいてもよい。
【0060】
【表4】

【0061】
中間体33 5−クロロ−2−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジンアミン
【化20】

DCM(5mL)中の5−クロロ−2−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ニトロピリジン(中間体6)(約2mmol)の溶液を、5%炭素担持パラジウム(Degussa−型、312mg)、ギ酸アンモニウム(1.5g)に加え、混合物を24時間加熱還流した。反応混合物をセライトにより濾過し(2×2mL、DCM洗浄)、濾液を濃縮して、390mgの生成物を得、約10%の中間体ヒドロキシルアミン(7.5−7.6ppmで特徴的なピーク)を含有していた;H NMR(CDCl)8.41(dd,1H),7.43(m,2H),7.21(m,2H),7.04(d,1H),4.22(br.s,2H),2.45(s,3H)。反応は、化合物を上記条件に再び付すことにより、完全に完了させることができる。
【0062】
中間体33に記載の方法と類似の方法を用いて以下の中間体を製造した。いくつかの場合において、ギ酸アンモニウムよりも、大気圧のHガスを用いた。
【表5】

【0063】
【表6】

【0064】
【表7】

【0065】
中間体59 5−クロロ−2−{[2−(4−モルホリニルメチル)−3−ピリジニル]オキシ}−3−ピリジンアミン
【化21】

DMF(2.5mL)中の2−(4−モルホリニルメチル)−3−ピリジノール(251mg)の溶液を調製し、2,5−ジクロロ−3−ニトロピリジン(238mg)に加えた。炭酸カリウム(255当量)を加え、混合物を90℃に2時間加熱した。ついで、混合物を冷却し、濃縮した。得られた固体を、DCMおよび水(各々5mL)間で分配し、分離した。DCM層を濃縮し、DCM(3.3mL)中に再び溶解し、ついで、5%炭素担持パラジウム(Degussa型、203mg)に加えた。ギ酸アンモニウム(1.0g)を加え、混合物を24時間加熱還流した。反応混合物をセライトにより濾過し(2×2mLのDCMで洗浄)、濾液を濃縮して、224mgの生成物を得た;H NMR(CDCl)8.45(d,1H),7.51(m,2H),7.26(m,2H),7.02(d,1H),4.58(br.s,2H),3.76(s,2H),3.53(m,4H),2.46(m,4H)。
【0066】
中間体59に記載の方法と類似の方法を用いて、以下のアニリン中間体を製造した。
【表8】

【0067】
中間体63 5−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジンカルボン酸メチル
【化22】

ピリジン(2mL)中の中間体22(5mg)および3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(109uL)の混合物を、95℃で1時間加熱し、冷却し、濃縮した。生成物をメタノール中に溶解し、アミノプロピルSPEカートリッジ(5g)に保持した。カートリッジをメタノール(10mL)で洗浄し、生成物をメタノール中2Mアンモニア溶液で溶出した。溶出液を濃縮し、酢酸エチルおよび水間で分配し、有機層を濃縮して、180mgの生成物を得た;[M]=488;H NMR(CDCl)δ9.12(d,1H),8.45(d,1H),7.96(m,2H),7.85(m,2H),7.65(dd,1H),7.56(d,1H),3.97(s,3H)。
【0068】
中間体64に記載の方法と類似の方法、および適当な出発物質を用いて、下記表に記載の中間体を製造した。
【表9】

【0069】
中間体74 2−クロロピリド[2,3−b][1,4]ベンゾキサゼピン−6(5H)−オン
【化23】

20mLの無水THF(テトラヒドロフラン)中の中間体29(917mg)の撹拌溶液に、カリウムtert−ブトキシド(443mg)を一度に加えた。得られた紫色溶液を60℃で2時間加熱し、冷却し、クロロホルムおよび水(各々20ml)間で分配した。層を分離し、水層を、さらにクロロホルム(総量150ml)で抽出し、合した有機層を水で洗浄し、相分離器により分離し、減圧下で濃縮して、標題化合物を得た;560mg(69%);MH+247。
【0070】
中間体75 2−クロロ−5−[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]ピリド[2,3−b][1,4]ベンゾキサゼピン−6(5H)−オン
【化24】

無水THF(15ml)中の水素化ナトリウム(60%鉱油分散液、13mg)の懸濁液に、0℃で、中間体74(350mg)を滴下した。得られた紫溶液を0℃で15分間撹拌し、ついで、3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(265ul)を加えた。混合物を、さらに30分室温にて撹拌し、ついで、2M塩酸(2ml)を加えた。粗反応混合物を減圧下で濃縮して黄色固体を得、これを酢酸エチルおよびクロロホルム中に懸濁し、無機塩を濾過し、液体を減圧下で濃縮して、1.03gの標題化合物を得た;MH+=457。
【0071】
実施例
実施例1 2−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸
【化25】

水(5ml)およびメタノール(5ml)中の中間体73(115mg)の懸濁液に、水酸化リチウム(23mg)を加えた。得られた溶液を30℃で2時間撹拌した。粗反応混合物を、減圧下で濃縮して固体を得、これを水およびジエチルエーテル(各々10ml)間で分配した。層を分離し、塩基性の水層を、2N塩酸を用いてpH1に酸性化し、クロロホルム(3×20ml)で抽出した。合した有機物を1N塩酸、水で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物(107mg(96%))を得た。MH+475
【0072】
実施例2 5−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジンカルボン酸
【化26】

メタノール(1.5mL)中の中間体63(180mg)の懸濁液に、4M水酸化リチウム溶液(3.7mL)を加え、混合物を50℃に15分間加温し、ついで、室温に一晩冷却した。混合物の容量を、窒素流で50%減少させ、酸性化(2MのHCl;pH2まで)し、酢酸エチルで抽出し、乾燥(飽和ブラインおよび硫酸ナトリウム)し、吹きつけて、生成物を得た(125mg)。[M]=476
【0073】
実施例2に記載の方法と類似の方法を用いて、下記表の化合物を同様に調製した。いくつかの場合、さらに当量の水酸化リチウムとの反応を繰り返す必要があるか、あるいは、50℃で反応時間を延ばす必要がある。
【表10】

【0074】
実施例12 3,4−ジクロロ−N−(5−クロロ−2−{[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]オキシ}−3−ピリジニル)ベンゼンスルホンアミド
【化27】

乾燥THF(2.1mL)を、実施例6(600mg)を入れた乾燥二首フラスコに加えた。フラスコを0℃に冷却し、ついで、THF中の水素化アルミニウムリチウム(2.53mL)の1.0M溶液を滴下した。反応物を室温にし、ついで、1時間撹拌した。反応が完了すると、0℃に戻し、クエンチした。沈殿物を濾過し、ついで、濃縮し、ISCO MPLCで精製して、202mgの標題化合物を得た、MH+;460。
【0075】
実施例12に記載の方法と類似の方法を用いて以下の中間体を製造した。
【表11】

【0076】
中間体76 3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(4−ホルミルフェニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミド
【化28】

【0077】
実施例12(202mg)を、乾燥DCM(5mL)中に溶解し、ついで、樹脂結合MP−TsO−TEMPO(ローディング=1mmol/1g、878mg)を加え、室温にて一晩撹拌した。反応を行い、樹脂を濾過し、沈殿物を濃縮した。要すれば、さらに精製するために、ISCO MPLCを用いて、216mgを得た。MH+;578
【0078】
中間体76の方法と類似の方法を用いて以下の中間体を製造した。
【表12】

【0079】
実施例14 3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミド
【化29】

ピリジン(2mL)中の中間体33(165mg)、4−(ジメチルアミノ)−ピリジン(5mg)および3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(109uL)の混合物を、95℃で1時間加熱し、冷却し、ブローした。生成物をメタノール中に溶解し、アミノプロピルSPEカートリッジ(5g)に保持した。カートリッジをメタノール(10mL)で洗浄し、生成物をメタノール中2Mアンモニアで溶出した。溶出液をブローし、クロロホルム(酢酸エチルを用いてもよい)および水間で分配し、有機層をブローして155mgの生成物を得た。[MH]=444
【0080】
適当な出発物質から、実施例14に記載の方法と類似の方法により調製し、ついで、適当な溶媒を用いるシリカ−SPEにより、および/またはマスディレクテッド自動精製HPLCにより精製して、以下の実施例を調製した。場合により、反応はより低温で行ってもよい。反応には種々の変法がある。
【0081】
【表13】

【0082】
【表14】

【0083】
【表15】

【0084】
【表16】

【0085】
【表17】

【0086】
【表18】

【0087】
【表19】

【0088】
【表20】

【0089】
実施例89 3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(4−メチル−2−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミド
【化30】

ピリジン(3ml)中の中間体45(117mg)の撹拌溶液に、3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(93uL)およびDMAP(3mg)を加えた。得られた混合物を70℃で2時間加熱し、ついで、室温に冷却し、72時間撹拌した。さらに、3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(37uL)を加え、得られたを100℃でさらに24時間撹拌した。反応物を冷却し、減圧下で濃縮し、ついで、IsoluteアミノプロピルSPEで精製した。3容量のメタノール、ついで、3容量のメタノール中2Mアンモニアを回収した。アンモニア/メタノールフラクションを減圧下で濃縮して褐色固体を得、これを酢酸エチル/水間で分配し、分離した。酢酸エチル層を水で洗浄し、乾燥し、減圧下で濃縮して、標題化合物を得た(79mg)。MH+444/446
【0090】
実施例90 3,4−ジクロロ−N−[5−クロロ−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−3−イルアミノ)−3−ピリジニル]ベンゼンスルホンアミド
【化31】

中間体58(18mg、0.086mmol)、3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライド(21mg、0.086mmol)、およびピリジン(14μL、0.17mmol)をCHCl中に溶解し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、DMSO中に溶解した。分取HPLC(YMC50×20mmカラム、流速20mL/分、A:アセトニトリル中0.1%TFA、B:水中0.1%TFA、A:10分で20〜100%、215nmでUV検出)を用いて精製して、標題化合物を4.8mg(13%収率)の黄褐色固体として得た。MH419/421/423
【0091】
実施例91 4−ブロモ−N−{5−クロロ−2−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}−2−メチルベンゼンスルホンアミド
【化32】

DMF(1mL)中のNaH(0.5mmol)の懸濁液に、1mLのDMF中の中間体33を加えた。10分後、4−ブロモ−2−メチルベンゼンスルホニルクロライド(0.25mmol)を加え、混合物を25℃で36時間撹拌した。反応物をNHClでクエンチし、EtOAcで抽出した。合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、120mgの粗物質を得た。粗物質を分取HPLCで精製して、黄色固体を得た(5mg、4%)。[MH]=470
【0092】
適当な出発物質で開始して、実施例91に記載の方法で以下の実施例を合成した。
【表21】

【0093】
実施例93 N−{5−クロロ−2−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}−4−(1,1−ジメチルプロピル)ベンゼンスルホンアミド
【化33】

ピリジン(2mL)中のスルホニルクロライド(0.5mmol)、DMAP(12mg、0.1mmol)の溶液を、2分間撹拌した、ついで、1mLピリジン中の中間体33の溶液を加え、混合物を90℃で3時間撹拌した。反応物を冷却し、15mLの水に注いだ。混合物をEtOAcで抽出し、合した有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮して、140mgの粗物質を得た。粗物質を分取HPLCにより精製して、灰白色固体を得た(35mg、18%)。[MH]=446
【0094】
実施例93と類似の方法で以下の実施例を調製した。
【表22】

【0095】
実施例103 2−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド
【化34】

無水DMF(5mL)中の中間体75(515mg)の撹拌溶液に、エタノールアミン(138mg)を加えた。溶液は添加後すぐに暗色になり、ついで、40℃で15分間加熱した。粗反応混合物を冷却し、減圧下で濃縮し、Isoluteアミノプロピルイオン交換SPEに充填した。メタノール(3容量)およびメタノール中2Mアンモニア(3容量)で溶出した。アンモニアメタノールフラクションを減圧下で濃縮して固体を得、水およびクロロホルム間で分配し、相分離器で溶出し、濃縮して、橙色固体を得た。橙色固体をさらにシリカゲルSPE(DCM1〜5%メタノール)で精製して、標題化合物を得た(181mg)。MH+518
【0096】
実施例104 2−[(5−クロロ−3−{[(4,5−ジクロロ−2−チエニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]−N−メチルベンズアミド
【化35】

無水THF中の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、57mg)の懸濁液に、中間体74(177mg)を1回で加えた。得られた紫/褐色溶液を0℃で15分間撹拌した。4,5−ジクロロ−2−チオフェンスルホニルクロライド(216mg)を加え、反応混合物を60分室温で撹拌した。2M塩酸(4mL)を滴下し、反応物を減圧下で濃縮して、橙色固体を得た。橙色固体を無水DMF(10mL)中に溶解し、メチルアミン(44mg)を加えた。得られた物質を室温にて72時間撹拌し、ついで、減圧下で濃縮して、橙色油を得た。MDAPを用いて精製して、標題化合物を得た(24mg)。MH+494
【0097】
中間体74から適当な出発物質を用い、実施例104に記載の方法と類似の方法により以下の実施例を調製した。
【表23】

【0098】
実施例107 2−[(3−{[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸
【化36】

中間体30、(500mg)、4−クロロベンゼンスルホニルクロライド(432mg)および4−ジメチルアミノピリジン(20mg)をピリジン(10mL)中に溶解し、1時間加熱還流した。ピリジンを減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、残渣を2−プロパノールでトリチュレートした。得られた固体をメタノール(8mL)および水(2mL)中、水酸化リチウム水和物(120mg)の存在下で1時間加熱還流した。2MのHCl(10mL)を加え、混合物を濾過し、乾燥して、標題化合物(210mg)を白色固体として得た。[MH]=405
【0099】
実施例108 2−[(3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸
【化37】

中間体30および3,4−ジクロロベンゼンスルホニルクロライドから、実施例107に記載の方法と類似の方法で実施例108を調製した。[MH]=439;H NMR(DMSO−d)δ12.67(br.s,1H),10.48(br.s,1H),8.04(br.s,1H),7.85(m,3H),7.78(m,1H),7.73(m,3H),7.55(t,1H),7.31(t,1H),7.04(dd,1H),6.70(dd,1H)
【0100】
実施例109 2−[(5−クロロ−3−{[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸
【化38】

中間体29および4−クロロベンゼンスルホニルクロライドから実施例107に記載の方法と類似の方法で実施例109を調製した;HPLCm/z[MH]=439。
【0101】
実施例110 2−[(5−クロロ−3−{[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]−N−メチルベンズアミド
【化39】

無水DCM(5ml)中の実施例109(84mg)の撹拌溶液に、DIPEA(ジ−i−プロピルエチルアミン)(36ul)、TBtU(67mg)およびTHF中2Mメチルアミン(287ul)を連続して加えた。得られたを18時間室温で撹拌した。さらに、THF中の2Mメチルアミン(287ul)およびTBtu(40mg)を加え、反応物を30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、黄色油を得た。油を、最初にシリカゲルSPE(ヘキサン中20〜80%酢酸エチル)で精製して黄色油を得た。さらに、MDAPにより精製して、標題化合物を得た(13mg(15%));MH+452。
【0102】
実施例111 2−{[3−{[(4−クロロフェニル)スルホニル]アミノ}−6−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]オキシ}安息香酸
【化40】

サリチル酸エチル(199mg)をDMF中に溶解した。これに炭酸カリウム(207mg)および2−クロロ−6−(メチルオキシ)−3−ニトロピリジン(188mg)を加えた。混合物をマイクロ波反応器中120℃で30分間加熱し、ついで、溶媒を除去した。残渣をDCM(10mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液(5mL)間で分配し、有機相を減圧下で濃縮した。これをエタノール(10mL)中に溶解し、10%炭素担持パラジウム(5mg)を加えた。混合物を水素雰囲気下、室温で、12時間撹拌した。スラリーをセライト(登録商標)により濾過し、濾液を減圧下で濃縮し、ピリジン(3mL)に溶解した。これに4−クロロベンゼンスルホニルクロライド(422mg)を加えた。混合物をマイクロ波反応器中、120℃で30分間加熱し、ついで、揮発性物質を減圧下で除去した。残渣をDCM(20mL)および1N水酸化ナトリウム水溶液(5mL)間で分配した。有機相を減圧下で濃縮し、2:1テトラヒドロフラン:水中に溶解し、水酸化リチウム(24mg)を加えた。混合物をマイクロ波反応器中、125℃で30分間加熱し、ついで、溶媒を減圧下で除去した。残渣を分取HPLCにより精製して、標題化合物を得た。[MH]=435,[M]=433
【0103】
実施例112 2−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]ベンズアミド
【化41】

DMF(0.45ml)中のヒスタミンジヒドロクロライド(17mg)の懸濁液に、N,N−ジメチルアミノピリジン(2mg)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド(29mg)、および2−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸(64mg、実施例1)を加えた。反応物を12時間室温にて撹拌した。ついで、溶液をメタノール(5ml)で希釈し、アミノプロピル−SPEカラムで濾過した。生成物を5%アンモニア/メタノールで溶出し、自動精製HPLCにより精製した。[MH]=568.
【0104】
2−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸、3−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸、または4−[(5−クロロ−3−{[(3,4−ジクロロフェニル)スルホニル]アミノ}−2−ピリジニル)オキシ]安息香酸から、実施例1に記載の方法と類似の方法により、適当なアミンを用いて調製し、ついで、アミノプロピル−SPEおよび/または自動分取HPLCにより精製して、以下の実施例を調製した。いくつかの実施例において、60℃での加熱を要した。
【0105】
【表24】

【0106】
【表25】

【0107】
【表26】

【0108】
【表27】

【0109】
【表28】

【0110】
実施例164 3,4−ジクロロ−N−(5−クロロ−2−{[4−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]オキシ}−3−ピリジニル)ベンゼンスルホンアミド
【化42】

無水DMF(2mL)中の3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(4−シアノフェニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミド(33mg、0.07mmol)、アジ化ナトリウム(23mg、0.36mmol)および塩化アンモニウム(19mg、0.36mmol)の反応混合物を、120℃で12時間撹拌した。溶媒を除去した後、残渣を水(3mL)中に懸濁し、5%NaOHで塩基性化し、EtOで洗浄した。水層を10%HClでpH3に酸性化し、酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄し、乾燥(MgSO)し、濃縮して、粗生成物を得、これをシリカゲルのカラムクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を白色固体として得た(22mg、61%)。HPLCRt=2.98分、m/z[MH]=498.H NMR(MeOD)δ8.01(s,1H),7.98(s,1H),7.96(d,1H),7.93(d,1H),7.85(d,1H),7.64(m,2H),6.84(m,2H)
【0111】
3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(4−シアノフェニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミドの代わりに3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(3−シアノフェニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミドを用いる以外は同様の方法で、下記表の実施例166を調製した。
【0112】
【表29】

【0113】
実施例166 3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(4−{[(フェニルメチル)アミノ]メチル}フェニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミド
【化43】


中間体76(49.8mgl)を、バイアル中の無水塩化メチレン(0.5mL)に溶解し、ついで、ベンジルアミン(16.0mg)をTEA(0.02mL)および氷AcOH(0.004mL)と一緒に加えた。混合物を室温にて30分間撹拌し、ついで、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(46.2mg)を加えた。反応物を一晩室温にて撹拌し、反応が完了した後、飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチした。層を分離し、炭酸水素ナトリウム溶液、水およびブラインで洗浄した。有機層を濃縮し、酸性GilsonHPLCで精製した。[MH]=549
【0114】
3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(3−ホルミルフェニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミドまたは3,4−ジクロロ−N−{5−クロロ−2−[(4−ホルミルフェニル)オキシ]−3−ピリジニル}ベンゼンスルホンアミドのいずれかで開始し、適当なアミンを用いて、実施例2と類似の方法で以下の実施例を調製した。
【0115】
【表30】

【0116】
【表31】

【0117】
【表32】

【0118】
本発明の化合物は、ケモカイン受容体、特にCCR2受容体に対してアフィニティを示すことが見出された。かかるアフィニティは、典型的には、適当なアッセイにおいて受容体からの50%の刺激応答を阻害するのに必要な化合物濃度であるIC50から計算され、これは、「K」値として下記式:
【化44】

[式中、L=放射性リガンドおよびK=放射性リガンドの受容体に対するアフィニティ(Cheng and Prusoff, Biochem. Pharmacol. 22:3099, 1973)]
により計算される。
本明細書において、pKi(Kiの真数に対応する)をKiの代わりに用いる。
一の態様において、本発明は、以下に記載するアッセイ方法から導かれる5.4〜6.5のpKiを有する化合物を提供する。さらなる態様において、本発明は、以下に記載するアッセイ方法から導かれる6.5〜7.0のpKiを有する化合物を提供する。さらなる態様において、本発明は、以下に記載するアッセイ方法から導かれる7.0のpKiを有する化合物を提供する。
【0119】
CCR−2[35S]GTPgS SPA結合アッセイ
膜調製
ヒトCCR−2受容体を発現するCHO細胞を、10%ウシ胎児血清、2mMのL−グルタミン、G418を補足したDMEM F12培地において37℃、5%CO雰囲気下で増殖する。密集した細胞を、0.6mMのEDTAを含有するHanks緩衝塩溶液(HBSS、Ca2+、Mg2+不含)を用いて収穫した。得られた細胞懸濁液を、300g、4℃で10分間遠心分離に付し、細胞ペレットを100mlのHBSS+EDTAに懸濁し、300gで5分間遠心分離に付した。得られた細胞ペレットを、100mMのリューペプチン(leupeptin)、25μg/mlのバシトラシン、1mMのEDTA、1mMのPMSFおよび2μMのペプスタインAを含有する、50mMのHEPES中にpH7.4で再懸濁した。懸濁液を氷冷ブレンダーを用いて均質にし、500gで20分間遠心分離に付した。上清を破棄し、48000gで30分間遠心分離した。この細胞ペレットを、ペプスタインAおよびPMSFを除いた上記緩衝液に再懸濁し、−70℃でアリコートをストックした。
【0120】
アッセイ
アッセイについては、膜を解凍し、アッセイ緩衝液(20mMのHEPES、10mMのMgCl、100mMのNaCl、pH7.4、1mg/mlサポニンを含有、10mMのGDP)に再懸濁して、最終濃度5μg/ウェルとした。これらをLEADseeker SPAビーズ(0.25mg/ウェル)と、室温にて30分間撹拌しながら予め結合させた。0.5μlの100%DMSO中の種々の試験化合物(30μM〜30pM)(384ウェルプレートにおいて4倍希釈で11点)を含有するアッセイプレートを、このアッセイに用いた(Biomek FXで調製される)。また、このプレートは、実験において高および低対照を得るために、16ウェルのDMSOおよび16ウェルの高濃度の標準アンタゴニストを含む。この15μlのビーズおよび膜混合物に、15μl[35S]GTPgS(最終濃度0.2nM)および15μlのEC80(40nM)のMCP−1を加える。この濃度のMCP−1は、この受容体に対するアゴニスト曲線から予め決定される。マルチドロップを用いてすべての添加を行う。ついで、プレートをシールし、5分間、300rpmで遠心分離し、ついで、これらを室温にて3時間インキュベートする。この後、Viewluxイメージングシステムで読み取る。データ処理に関しては、高および低対照ウェルをデータの標準化に用い、ついで、Excelにて4パラメータキットを用いてフィットする。
【0121】
上記したアッセイは、5.0〜5.5の範囲でpKiの有効検出限界があると考えられる。したがって、かかるアッセイでこの範囲内のpKiを示す化合物は、確かに受容体に対して適度なアフィニティを有しうるが、同様に、より低いアフィニティ(大幅に低いアフィニティを含む)も有しうる。
このアッセイを用いて、代表的な化合物はpKiが5.0以上であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中:
Xは−O、−NHまたは−Sであり;
は、ヘテロアリール基またはアリール基であり、これらは各々、ハロ、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−4アルコキシ、ヒドロキシ−C1−4アルキル−、C1−4アルコキシ−C1−4アルキル−、C3−6シクロアルキル、−CN、C1−4アルキルチオ−、−OCF、ジメチルアミノ、ニトロおよび−CFからなる群から独立して選択される3個までの置換基により置換されており;
は、H、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、ハロ、−CN、−CFまたは−OCFであり;
は、R−フェニル−、R−ピリジル−、メチルテトラゾリル、モルホリノ−C(O)−CH−、(CHN(CHN(CH)−C(O)CH−、メチルイソキサゾリル;ピリダジニルまたはトリアゾリルであり;
ここに、Rは、H、ハロ、CN、ヒドロキシメチル、テトラゾリル、COOHまたは−CR−NRであり;
は、2−メチル、2−ハロ、2−シアノ、2−COOH、ジメチルアミノメチル、メチルモルホリノメチルであり;
ここに、RおよびRは、各々Hであるか、あるいはそれらが結合しているCと一緒になって、カルボニル基を結合し;
は、H、−(CH−R;C−C−シクロアルキル;C−C−アルキル;フェニル−CH(CH)−;オキソイソキサゾリジニル;ジメチルチアゾリル;ジヒドロチアゾリル;イミダゾリル−CHCH(CHOH)−CH−;またはイミダゾリル−CHCH(CHOH)−であり;
は、H、C−C−アルキル、ベンジルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、ジフルオロピロリジニル、モルホリノ、ピラジニル、トリアゾロピペリジニルまたはピロリジノニル基を形成し;
yは1、2または3であり;
は、−NR、OH、メトキシ、フェニル、イミダゾリル、インドリル、テトラヒドロピラニル、ベンズイミダゾリルまたはC−C−シクロアルキルであり;
はHまたはメチルであり;Rは、H、C−C−アルキルまたはフェニルであるか;あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリノ、ピラジニル、イミダゾリル、またはピロリジノニル基を形成する]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
がClであり、XがOである、請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項3】
が2個の置換基を有するフェニル基である、請求項2記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項4】
式:
【化2】

[式中、YはClまたはCFである]
で示される請求項3記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項5】
がR−フェニル−または2−メチル−3−ピリジニルである、請求項4記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項6】
が−CR−NRであり、ここに、Rが−(CH−Rであり、RがHである、請求項5記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項7】
式:
【化3】

[式中、RおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ピペリジニル、ピロリジニルまたはモルホリノ基を形成する]
で示される請求項6記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項8】
a)請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩;およびb)医薬上許容される賦形剤を含む組成物
【請求項9】
CCR2により介在される疾患または症状の治療または予防方法であって、治療的に有効な量の請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩を該治療または予防を必要とする患者に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2009−518444(P2009−518444A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544620(P2008−544620)
【出願日】平成18年12月4日(2006.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/061543
【国際公開番号】WO2007/067875
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】