説明

シート厚み計測装置

【課題】極厚の精密樹脂シートのシート幅方向の厚み分布を成形ロールの外周面から精密に測定できるシート厚み計測装置を提供する。
【解決手段】 本発明のシート厚み計測装置34は、Tダイ5からシート状に押出された溶融樹脂を回転する成形ロール1、2の第1ニップ部33aに流し込むことで成形されるシート6の幅方向のシート厚さ分布を、シート6の幅方向に移動しながら成形ロール2の上面側から測定するものであり、シート6の幅方向に移動可能な1つのトラバース台9に、シート6の表面位置を検出する表面検出センサ7と、シート6の裏面位置を検出する裏面検出センサ8とを、シート6の厚み方向に対する相対位置が調整可能なように搭載し、少なくとも表面検出センサ7は投光受光の光軸が一致している光軸一致式センサであることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹脂フィルム・シート製造機械のシート厚み計測装置であって、特に、成形ロールで溶融樹脂を圧搾して成形される2mmから20mm程度の極厚シートを成形ロール表面上で計測する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のシート厚み計測装置はシート成形装置の後半部分でシートが冷却固化した状態で計測するのが主流であるが、成形直後の成形ロール上で厚みプロファイルを計測し、時間遅れを最小にして、厚みを計測する方法が特許文献1において開示されている。すなわち、特許文献1では成形ロール2上で厚みセンサとほぼ同じ位置のシート温度を同時に計測して冷却後の温度収縮の厚さを補正して検出精度を高めてシート厚さを検出する方法が開示されている。
【0003】
成形装置後半部のシートが固化した状態で厚み計測する方法はシートを一方の面から投光素子で投光し、反対側の面に設けた受光素子で受光計測する方式、すなわち放射線(β線)、赤外線など既存の厚み計が使用できる。またシート片側面から計測する特許文献1の方法では赤外線透過吸収型、レーザ表裏面反射型、超音波式、光学式(散乱反射型、正反射型)、静電容量式が記載されている。
【0004】
このような方式はシートの両側に空間がある場合に適用可能であり、広く業界で使用されている。
【特許文献1】特開平5―157522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、比較的厚いシートでは成形速度が遅く、厚さムラの検出まで時間遅れが大きく、Tダイからの流量ムラ、厚さムラなど成形条件の調整作業に時間がかかり、またその間の材料が無駄になる。
【0006】
特許文献1の方法では成形直後で測定するので検出遅れは無いが、本発明が対象とする10mm程度の極厚シートでは具体的なセンサ構成が記載されていない。また、シート片面から検出して1つのセンサで表裏を同時にμm単位で精密検出することはセンサの精度および測定範囲の観点より困難を伴い、特に、本発明の対象となる極厚シートの表裏位置は厚みが増すにつれ測定範囲が広くなるので、検出精度がさらに悪くなってしまう。
【0007】
さらには、成形ロールでシート成形されてまだ高温の半溶融樹脂は、しばしばロール面からシートが剥離し、トラバース(移動)するセンサ上にかぶさり、樹脂シートの絡みつき、または高温度でセンサが破損する場合がある。特に、シートの厚みが増すと、樹脂量が増し、垂れ下がった樹脂にセンサが衝突した場合、センサへのダメージも大きいものとなる。これらの事前検知及び樹脂がセンサに衝突した後の装置破損回避は実用面で重要課題であった。
【0008】
そこで本発明は、極厚の精密樹脂シートの厚さ寸法プロファイル(シート幅方向の厚み分布)を成形ロール外周面から精密に測定できるシート厚み計測装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシート厚み計測装置は、Tダイからシート状に押出された溶融樹脂を回転する成形ロールのニップ部に流し込むことで成形されるシートの幅方向のシート厚さ分布を、シートの幅方向に移動しながら成形ロールの上面側から測定するシート厚み計測装置において、シートの幅方向に移動可能な1つのトラバース台に、シートの表面位置を検出する表面検出センサと、シートの裏面位置を検出する裏面検出センサとを、シートの厚み方向に対する相対位置が調整可能なように搭載し、少なくとも表面検出センサは投光受光の光軸が一致している光軸一致式センサであることを特徴とする。
【0010】
以上のように本発明のシート厚み計測装置は、表面専用のセンサとシート裏面専用のセンサとを有しているので、計測範囲の狭い精度の高いセンサを用いることができ、かつ各センサが1つのトラバース台に設けられているので、成形ロールの芯振れ、トラバース台の振動をキャンセルでき、シート厚さの精密な測定が可能である。さらには、本発明のシート厚み計測装置はシート厚さに応じて各センサの相対位置を調整できるので、センサ個々の測定範囲が狭い精密センサでも種々の厚さのシートの厚みを成形ロールの外周面側から精密に測定することができる。
【0011】
また、本発明のシート厚み計測装置の表面検出センサおよび裏面検出センサは光軸一致式のレーザセンサであってもよいし、あるいは光軸一致式の光センサであってもよい。これにより、より精度の高い厚み計測が可能となる。
【0012】
また、本発明のシート厚み計測装置の裏面検出センサは渦電流式センサであってもよい。この場合、透明シートの他、色付きシート、つや消しシート、あるいは、シート表面に細やかな凹凸があって測定する光が裏面まで透過できないエンボスシートの厚み計測が可能となる。
【0013】
また、本発明のシート厚み計測装置においては、裏面検出センサの、シートが無い状態の成形ロールから裏面検出センサの先端部までの検出距離増加分ΔLは、シートの概略厚さをt、屈折率をnとすると、ΔL=t―t/nであってもよい。
【0014】
本発明のシート厚み計測装置は、Tダイからシート状に押出された溶融樹脂を回転する成形ロールのニップ部に流し込むことで成形されるシートの幅方向のシート厚さ分布を、シートの幅方向に移動しながら成形ロールの上面側から測定するシート厚み計測装置において、シートの表面位置を検出する表面検出センサと、シートの裏面位置を検出する裏面検出センサとを有するシートの幅方向に移動可能なトラバース台が異物に衝突する前に異物を検出する安全検出センサを有することを特徴とする。
【0015】
極厚のシートの場合、特に樹脂量およびその熱量も多いため、衝突した際に表面検出センサおよび裏面検出センサへのダメージが大きいが、本発明のシート厚み計測装置は、異物との衝突を回避するための安全検出センサを有するため、垂れ下がってきたシートとの衝突を未然に防ぐことができる。
【0016】
本発明のシート厚み計測装置は、Tダイからシート状に押出された溶融樹脂を回転する成形ロールのニップ部に流し込むことで成形されるシートの幅方向のシート厚さ分布を、シートの幅方向に移動しながら成形ロールの上面側から測定するシート厚み計測装置において、シートの表面位置を検出する表面検出センサと、シートの裏面位置を検出する裏面検出センサと、移動方向の前後面に、バンパおよびバンパが異物に衝突した際の衝突を検知する衝突検知用センサとを有し、異物との衝突時には、バンパが異物へと衝突した方向と反対方向のロール端に後退待避する、シートの幅方向に移動可能なトラバース台を備えていることを特徴とする。
【0017】
計測移動時に、樹脂垂れ下がりがすでに発生しているような場合、本発明のシート厚み計測装置はバンパを備えているので、トラバース台への衝撃を緩衝できるとともに、衝突検知用センサがその際の衝突を検知し、バンパが異物へと衝突した方向と反対方向のロール端に後退待避させるので、衝突によるダメージを小さくすることができる。
【0018】
また、本発明のシート厚み計測装置は、トラバース台は表面検出センサと裏面検出センサとを、シートの厚み方向に対する相対位置が調整可能なように搭載し、少なくとも表面検出センサは投光受光の光軸が一致している光軸一致式センサであってもよい。
【0019】
また、本発明のシート厚み計測装置の表面検出センサおよび裏面検出センサはレーザセンサであってもよいし、あるいは光センサであってもよい。
【0020】
また、本発明のシート厚み計測装置の裏面検出センサは渦電流式センサであってもよい。
【0021】
また、本発明のシート厚み計測装置においては、裏面検出センサの、シートが無い状態の成形ロールから裏面検出センサの先端部までの検出距離増加分ΔLは、シートの概略厚さをt、屈折率をnとすると、ΔL=t―t/nであってもよい。
【0022】
また、本発明のシート厚み計測装置は、表面検出センサおよび裏面検出センサは耐熱手段を有するものであってもよく、高温対策を施すことで耐用年数を長くすることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明のシート厚み計測装置は、表面専用のセンサとシート裏面専用のセンサとを1つのトラバース台に有しているので、成形ロールの外周面側からのシート厚さの精密な測定が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1の極厚シートの厚み計測装置を備えたシート成形装置の模式的な側面図である。
【0025】
本実施形態のシート成形装置は、各軸芯を平衡にして並列配置された成形ロール1〜4の4本の成形ロールと、成形ロール1と成形ロール2とのロール隙間32に板状の溶融シート30を供給するTダイ5と、成形ロール2の下方にはトラバース台9上に設置されたシート厚み計測装置34とを有する。
【0026】
Tダイ5から供給された板状の溶融シート30は第1ニップ部33aであるロール隙間32を通過し、成形ロール2の巻きつけ側に沿って移動し、第1ニップ部33aと同様に成形ロール2、3で挟まれた第2ニップ部33b、同じく成形ロール3、4で挟まれた第3ニップ部33cでシート成形、冷却されて寸法精度のよいシート6に成形される。各ロールはシートより低い温度に調節されている。
【0027】
成形ロール4以降ではシートが、徐々に固化し、厚いシートの場合、板状に切断してシート製品として製造される。
【0028】
第1ニップ部33aには溶融樹脂の「たまり」すなわちバンク31が形成されている。バンク31の大きさはTダイ5からの樹脂の流入とロール隙間32からシート6として流出するバランスから大きさが決まっていて通常わずかに盛り上がる状態でシート成形する。
【0029】
Tダイ5から押出される溶融シート30は幅方向にシート厚さを調整するため、25mmから30mmピッチで幅方向に多数配置したダイリップ調整装置45で行われる。ダイリップ調整装置45はヒートボルト方式が主流でTダイ5のフレキシブルリップを押し引きしてシート出口スリット幅を調整する。また同じくTダイ5の内部の流路を幅方向に沿ってシート厚さプロファイルを調整するチョークバー46も使用される。
【0030】
シート厚み計測装置:
成形ロール2の下側にはシート成形されて半溶融状態のシート6の厚さを測定するシート厚み計測装置34が配置されている。シート厚み計測装置34は、1つのトラバース台9上に表面検出センサ7と裏面検出センサ8とをシート6の厚み方向に対する相対位置が調整可能なように搭載している。
【0031】
シート厚みはシート表面位置を検知する表面検出センサ7とシート裏面位置を検知する裏面検出センサ8からの位置差より計測される。
【0032】
図1および図1の矢視A方向からみた図2を参照すると、表面検出センサ7および裏面検出センサ8は各々シート厚さ方向に移動駆動するスライダ39(Y1軸方向)及びスライダ40(Y2軸方向)に搭載されており、これにより位置調整され、さらに2台のスライダ39、40は上述したように共通のトラバース台9に搭載されており、このトラバース台9がロール長手方向(X軸)方向に2本のトラバースレール38に沿って移動する。スライダ39、40のY1、Y2軸方向への移動はボールネジにより電動駆動され、基準位置から表面検出センサ7および裏面検出センサ8を位置決めできる。なお、スライダ39、40の移動範囲は表面検出センサ7および裏面検出センサ8がロール表面位置を検出できる前進位置から、シート垂れ下がりを避けて待避できる充分な後退位置までとしている。
【0033】
本実施形態においては、シート表面専用の表面検出センサ7、裏面専用の裏面検出センサ8の2個のセンサを用いた構成としているが、これらは共通のトラバース台9に搭載されているので、成形ロールの芯振れ、トラバース台9の振動をキャンセルでき、シート厚さの精密な測定が可能である。
【0034】
表面検出センサ7および裏面検出センサ8をX軸方向に移動させるトラバース台9は歯付きベルト43(図3参照)で押し引きして電動移動され、トラバース台9すなわち表面検出センサ7および裏面検出センサ8のX軸位置はエンコーダで検出される。
【0035】
表面検出センサ7および裏面検出センサ8には各々カバー36が設けられており、エアパージしてセンサを冷却している。また表面検出センサ7および裏面検出センサ8のレンズ面にゴミ、ホコリがつかないようセンサレンズ面の光軸位置に開けた穴からエアパージしている。
【0036】
ケーブルベア41はトラバース台9とX軸のフレーム42を結び、配線、エア配管のガイドを行う。
【0037】
衝突回避センサ:
成形ロール2の下面の表面検出センサ7および裏面検出センサ8がX軸上を移動する範囲には安全センサ35が3本設置される。安全センサ35はロール表面に近接し、ロール長手方向にレーザ光を通して光をさえぎる異物やシート垂れ下がりがあると検出するセンサである。この安全センサ35はシート厚み計測装置34との衝突回避センサの役割をする。
【0038】
安全センサ35はロール長手方向両端に配置された投光素子および受光素子からなり、投光素子から投光された光を受光素子が受光し、この光をさえぎる異物を検出する。安全センサ35は第1ニップ部33a下の成形ロール2側に1本と、表面検出センサ7および裏面検出センサ8の直前部に1本、第2ニップ部33bまでの間に1本設置されている。
【0039】
また図3に例示した構成により異物100を検知するものでもよい。すなわち、衝突回避センサとして、トラバース台9の前後走行方向に光(レーザ)反射式異物検知センサ54、55(例として図1のセンサ50、51位置に)と、固定部の反射板56、57とを組合せて設けてもよい。また反射板56、57と光(レーザ)反射式異物検知センサ54、55の各位置を入れ替えても構成できる。また、衝突回避センサとして、超音波式センサで異物100を感知する方式としてもよい。
【0040】
トラバース(移動)時のシート厚み計測装置と異物衝突検出手段:
図4は本実施形態のバンパの構造の一例を示す模式図であり、図4(a)はバンパを備えたトラバース台の模式的な側面図であり、図4(b)は支持ガイドおよびバンパ軸の一部拡大図である。
【0041】
図1および図4を参照すると、トラバース台9の前部及び後部には各々丸棒で造られたバンパ52、53がたわみ可能にトラバース台9に設けられ、またバンパ52、53の内側にはバンパ52、53がシート、工具などの異物と装置が衝突した場合にこれを検知するセンサ50、51が設けられている。なお、図4ではバンパ52側のみを示している。
【0042】
トラバース台9には中空でかつ側面に長穴9a’が形成された支持ガイド9aが設けられている。バンパ52には支持ガイド9aに挿入されるバンパ軸52aが設けられており、このバンパ軸52aには支持ガイド9aに形成された長穴9a’によってバンパ軸52aの移動を規制するためのストッパピン52bが取り付けられている。バネ52cはバンパ軸52aを挿通させて、バンパ52と支持ガイド9aの端面との間に配置されている。また、トラバース台9には、バンパ52との間に位置するように設けられたリミットスイッチ式のセンサ50が設けられている。
【0043】
バンパ52は、通常、バネ52cの付勢力により支持ガイド9aの軸方向であってトラバース台9から離れる方向に押出された状態にある。バンパ52に異物が衝突する(異常時)と、バネ52cの付勢力に打ち勝ってバンパ軸52aが支持ガイド9a内に押し込まれる。これにより、バンパ52とトラバース台9との距離が縮まり、バンパ52がセンサ50を押すことで衝突が検知される。なお、センサ50が小さな衝突抵抗でも作動するように、バネ52cの付勢力は弱く設定されている。
【0044】
シート垂れ下がりでは上記安全センサ35が作動し、垂れ下がるシートとシート厚み計測装置34との衝突を回避するが、シート厚み計測装置34が稼働時にすでにシートが垂れ下がっている場合や、工具などがX軸上にある場合などはセンサ35では検知できない。このような場合バンパ52で異物を検知し、異物とシート厚み計測装置34との衝突を回避することができる。すなわち、バンパ52、53およびセンサ50、51からなるこの安全装置は、既に樹脂垂れ下がりが発生している状態での計測トラバース時に、樹脂垂れ下がり(樹脂シート)が表面検出センサ7および裏面検出センサ8及びトラバース台9と衝突して負荷が掛かった場合、X軸のバンパ52、53がたわむことで衝突検知センサ50、51が作動して検出し、X軸方向への走行を停止するとともに、後退させてロール端にシート厚み計測装置34を待避させて安全性を高めている。
【0045】
なお、衝突防止用のセンサは安全センサ35、センサ50、51の他、図3に示すように、X軸トラバース走行での衝突回避センサとして反射型の光センサ54、55を反射板56、57と組合せてトラバース台9に設置してもよい。反射板56、57はトラバース台9に設けてもよい。また、この他、衝突防止用のセンサとして検出範囲の広い超音波式センサを適用するものであってもよい。
【0046】
シート材料屈折率、厚さを考慮したセンサ位置の調整:
図5を参照して、裏面検出センサ8、シートがある場合にロール表面から遠ざける検出距離増加分ΔLについて説明する。なお、図5に示されている2つのセンサはいずれも裏面検出センサ8であり、図中、符号8は成形ロール2の表面にシート6がある場合の裏面検出センサ8の位置を示しており、符号8’はシート6がない場合の裏面検出センサ8の位置を示している。
【0047】
投光受光を同軸上にしたレーザ式センサを表面検出センサ7および裏面検出センサ8に使用した場合、本実施形態の場合、検出距離Lは30mmであり、その点を中心にして検出範囲ΔMが±1mm=2mm(図5参照)と狭い。一般にこの種の距離計測器は精度を上げているので検出範囲は狭い。本実施形態においてはシート厚さ20mm程度の極厚シートの厚みを精度よく測定するため、表面用と裏面用の合計2台の表面検出センサ7および裏面検出センサ8を用いた。
【0048】
この場合、裏面用センサのレーザ光はシート内部を通過するので、屈折率の影響で実際より薄いシート厚さとして検出される。そのシート厚さは、ポリカーボネートPC樹脂(屈折率n=1.567)では実際のシート厚みtの1/1.567倍程度である。
【0049】
そこで、図5に示すように、裏面用の裏面検出センサ8のセット位置もこの屈折率を考慮し、実際のシート厚みtの1t―(1t/1.567)倍程度に裏面検出センサを符号8’の位置から符号8の位置まで検出距離増加分ΔLだけ遠ざけてセットし、検出範囲のほぼ中央で計測するのがよい。なお、検出距離増加分ΔLは下記1式となる。
ΔL=t−t/n (1式)
ここで1式のnは屈折率n=1.567と定義したが正確には屈折率に関係した常数が正しく、シート材料、シート温度、センサ装置常数などで決まり、ここでは便宜上n=屈折率と定義した。
【0050】
空気中でシートがない状態でロール表面位置を測る場合、例えば、PC(ポリカーボネート)材料、シート厚さt=10mmの場合であって、検出距離30mmであり検出範囲2mmの場合(BB=30mm±1mm:センサ位置(ここではセンサ先端)とロール面との測定距離BB(スタンドオフ))、
検出距離増加分ΔL=10―10/1.567=3.62mm
となる。ゆえにシート裏面の検出距離は30mm+3.62mm=33.62mmとなる。つまり、検出距離30mmから裏面用の裏面検出センサ8を3.62mmだけ遠ざけて設置する。なお、シート厚が20mmの場合、検出距離増加分ΔLは7.2mmとなり、よって、検出距離は30mm+7.2mm=37.2mmとなる。この操作をしない場合、裏面用の裏面検出センサ8による検出範囲から外れることになる。なお、このΔLはシート厚さに応じて、段階的に設定すればよい。新たな検出範囲ΔM’に入るレベルでよく、通常、mm単位でシート厚みが変わる場合に調整すればよい。
【0051】
表面検出センサ7および裏面検出センサ8の計算データからシート厚さを求める計算について:
まず、図6を参照して、シート厚さを計測する表面検出センサ7および裏面検出センサ8が投光受光を同軸上にしたレーザ式センサである場合のセンサ位置の調整について説明する。
【0052】
スライダ39、40の原点ref.は予め共通の基準面(ロール表面)を測定し、ズレを把握しておく。
【0053】
表面検出センサ7および裏面検出センサ8のセンサヘッドの位置セット差ΔYは、測定する樹脂シートの屈折率nを考慮したものとする。すなわち、シート表面までの距離AAを測定する表面検出センサ7からのレーザは空気中のみを通過するので通常位置にセットすることとなるが、裏面検出センサ8は厚さtのシートを透過してシート裏面までの距離BBを測定するため、樹脂シートの屈折率nの影響を受ける。よって、表面検出センサ7および裏面検出センサ8のセンサヘッドの位置セット差ΔYは、この屈折率nを考慮して、
ΔY=t−(t−t/n)=t/n (2式)
にて求め、表面検出センサ7および裏面検出センサ8を位置決めする。
【0054】
以上のようにして位置決めされた表面検出センサ7および裏面検出センサ8によりシート面をX軸に沿って計測する。本実施形態のシート厚み計測装置34はシート厚さに応じて表面検出センサ7および裏面検出センサ8の相対位置を変更できる構成であるので、センサ個々の測定範囲が狭い精密センサでも種々の厚さのシートの厚みを精密に測定することができる。
【0055】
また、スライダ2個の原点からの位置と測定値からシート厚さを算出する。測定値はサンプリング時間が短いので機械の振動があっても充分追従でき、正確な厚みデータが得られる。
【0056】
なお、シート幅方向のX軸位置は表面検出センサ7および裏面検出センサ8がΔXだけずれているが、本実施形態の表面検出センサ7および裏面検出センサ8はできるだけ近接させ、ΔXを極力短くしており、表面検出センサ7および裏面検出センサ8が同じ位置として表面検出センサ7を基準にした。2個の表面検出センサ7および裏面検出センサ8が共通のトラバース台9に近接設置して同時に測定しているので、ロールの面長が長く、ロールの自重による曲がり、ニップ力の変化によるロール曲がりがあっても本実施形態のシート厚み計測装置34は厚み検出精度が高い。
光軸一致式レーザセンサ:
表面検出センサ7および裏面検出センサ8には、例えば、図7に示すような、光軸一致式レーザセンサを用いるのが好ましい。以下にレーザセンサの測定原理の概略について説明する。
【0057】
光軸一致式レーザセンサは、レンズ焦点距離振動音さ7a、CCDセンサカメラ7b、ピンホール7c、および受光素子7dを有する。レーザの焦点距離はレンズで可変でき、高速度で焦点距離を変動させている(1ミリ秒以下のサンプリング周期)。測定距離(図7中に示す距離B、検出範囲ΔM)内に反射面(シート裏面)があると、この面で反射が大きくなり、センサ内のピンホール7dを通過し、受光素子7cの光が大きくなり、この瞬間のレンズ焦点距離を読取り間接的にシート裏面位置の距離が測定できる。
【0058】
なお、光軸一致型センサとしては図7のレーザセンサ以外に光センサ(白色光)を用いても良い。以下に光(白色光)センサの測定原理の概略について説明する。
【0059】
白色光は7色以上の光が混合し、個々の色の光の屈折率が異なるので焦点距離の色の波長で連続的に並ぶ。この性質を利用して上記レーザセンサと同様にセンサ内の光の通路にピンホールを設けてそのピンホールを通過する光の周波数:スペクトル:色を測定することで、また逆にそのスペクトルに敏感な素子の出力で、シート裏面の位置、すなわち距離が測定できる。
【0060】
上述の投光受光光軸一致式のセンサの場合、シート表面に傾きがあっても感度が低下するだけで大きな誤差は生じない。一方、図8に示すような正反射レーザ表面検出センサ70の場合、シート表面に傾き、あるいはうねりがあった場合、これらの影響を受けて測定データに誤差を生じ易い。すなわち、正反射レーザ表面検出センサ70は、シートに対してある入射角度をもってレーザ光を照射し、センシングCCD素子71がシート表面で反射されるレーザ光を受光するとともにシート裏面で反射されるレーザ光も受光し、両者の受光位置間の距離dをシート厚さとして検出するものであるため、シート表面に傾きやうねりがあった場合、受光位置間の距離がシート表面に傾きやうねりが誤差Δdを生じさせ、よって、測定したシート厚さに誤差を生じてしまう。
【0061】
よって、本発明は投光受光光軸一致式のセンサを用いた10mm、20mm程度の極厚シート検出用にシステム化して装置としており、数μmの精密な寸法精度を要求される液晶画面の用途のPC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの透明体樹脂シートの成形用途に適し、精密なシートを高精度で計測できる。
厚みプロファイルの調整:
表面検出センサ7および裏面検出センサ8でシート厚みを計測することでシート厚みの幅方向分布を把握しておき、これに基づきTダイ5のチョークバー46で粗調整し、次に既存の自動ダイリップ調整装置45でリップ開度を精密調整する。ダイリップ調整装置45は表面検出センサ7および裏面検出センサ8の計測データに基づき制御装置44を介して自動制御する。なお、シート厚みの絶対値の把握はシートの代表的温度と材料の熱収縮率と屈折率を含めて、最終冷却時のシート厚さ絶対値(ダイヤルゲージなどの実測値)に合うように屈折率(PCの例では1.567)を修正し精度を上げていく。これらの修正データは過去の運転実績からデータ精度を高め、ほぼ同じ運転条件では再現性の高い厚みプロファイルが得られる。本実施形態の場合、半溶融状態のシートでも測定可能であり、成形ロール2の下方でシート厚みを測定するので、シート成形装置の成形条件を時間遅れなく調整できる。
バンク量の調整:
シート幅全体を一括して大きく、または小さくするにはロール速度、ロールニップ部のスキマを調整することで行う。また、バンクのシート幅方向左右の全体的な傾きは片端のロール隙間を個々に調整して行う。バンク量のプロファイルはシート厚さプロファイルと相関があることから、厚さプロファイルを調整することで均一になる。
【0062】
一例を図9に示す。図9ではシート厚さは、バンク量とほぼ同じプロファイルを示している(屈折率:1.567にセット)。
【0063】
次に、本実施形態のシート厚み計測装置34におけるX軸方向における衝突を回避するための具体的手段その他安全対策についてまとめる。
X軸方向における衝突の事前検知:
上述したように、図1に示す安全センサ35により、表面検出センサ7および裏面検出センサ8がシート幅方向(図3中X方向)に移動するとき、異物と衝突するのを防止する。また、衝突を検知して待避動作する。すなわち、表面検出センサ7および裏面検出センサ8は、計測走行する際、3個の安全センサ35に異常が無いことを確かめて走行する。走行途中に樹脂シートが垂れ下がって、安全センサ35が異常を感知した場合、表面検出センサ7および裏面検出センサ8は各々のスライダ(Y軸)は最下位置に下降し、トラバースレール(X軸)に沿ってロール端に待避する。
X軸方向における衝突の事後検知:
通常、シートが垂れ下がってきた場合には上記安全センサ35が作動することで衝突回避するが、厚み計測装置稼働時にすでにシートが垂れ下がっている場合や、工具などがX軸上にある場合などはセンサ35では検知できない。本実施形態のシート厚み計測装置34は、上述したようにトラバース台9にバンパ52、53が装着されているので、衝突の事後検知がなされ、異物との衝突による装置の破損を防止する構成となっている。すなわち、計測トラバース時に樹脂垂れ下がりで樹脂ヒートが表面検出センサ7および裏面検出センサ8及びトラバース台9と衝突し、負荷が掛かった場合には、X軸のトラバース台9の前後のバンパ52、53がたわみ、衝突検知用センサ50、51が作動し、トラバース台9のX軸方向への走行停止した後、ロール端まで後退待避させてることで装置の安全性を高めている。
【0064】
厚み計測時、急にシートが垂れて表面検出センサ7および裏面検出センサ8を覆った場合はシートが高温で柔らかい間にロール端の退避位置(ロール両端2箇所)に戻り、樹脂絡みつきを最小限にする。また高温状態のシートの熱で装置が破損するのを防止する。
防熱対策:
上述したように、表面検出センサ7および裏面検出センサ8は個別にカバー36で覆われ(図1参照)、内部をエア冷却し、センサのレーザ投光受光穴からエア排気(エアパージ)し、センサレンズ面の汚れを防止している。またカバー上半分はロール、シートからの放射熱を反射させる金属鏡面または銀紙を張り付けている。また、スライダレール上面も固定カバーを設けている。カバー36は図1、2ではセンサ1個毎に設けていたが表面検出センサ7および裏面検出センサ8の双方を一体に覆う構成であってもよい。この場合熱放射の多いセンサ前面部のみカバーを設けてもよい。このように、防熱カバーで覆い高温対策を施しているので、本実施形態のシート厚み計測装置34は耐用年数を長くすることができる。
【0065】
なお、本実施形態では成形ロール1〜4からなる水平配置4本ロール式の成形装置を例示したが2本ロール式、3本ロール式でもよい。また立て配置、斜め配置多段ロール式でもよい。
(実施形態2)
本発明のシート厚み計測装置は、極厚シートを精度よく測定可能であり、かつ、シート成形装置の成形条件を時間遅れなく調整できることを特徴とするが、成形条件の時間遅れを少なくするよりも計測精度をさらに向上させたい場合、本実施形態に示すような構成としてもよい。
【0066】
上述した実施形態では、図1に示すように、シート厚み計測装置34は成形ロール2の下に設置したが、成形ロール3の上方である位置αに下向きに設置してもよい。この場合シートの垂れ下がりが無いがボルトなど異物がロールにかみ込む場合があるので注意が必要である。またこの位置での計測は第1、2ニップを通過し、シート寸法精度が固定しているが上述した実施形態よりは時間遅れが大きい。
【0067】
この他、シート厚み計測装置34を成形ロール4の下の位置βに設置してもよい。この場合、成形ロール3の上方である位置αより時間遅れが大きくなるが、ロールニップを3回通り、シート寸法がほぼ固定しているので計測精度は高くなる。
【0068】
また、シート厚み計測装置34をロールの中間位置に角度をつけて配置するものであってもよい。
(実施形態3)
本発明のシート厚み計測装置は、極厚シートを精度よく測定可能であり、かつ、シート成形装置の成形条件を時間遅れなく調整できることを特徴とするが、色付きシート、つや消しシート、あるいは、シート表面に細やかな凹凸があって測定する光が裏面まで透過できないエンボスシートについてのシート厚みを測定する場合には、本実施形態に示すような構成としてもよい。
【0069】
実施形態1のレーザ式シート裏面裏面検出センサ8は透明シートに対しては好適であるが、色付きシート、つや消しシート、あるいは、シート表面に細やかな凹凸があって測定する光が裏面まで透過できないエンボスシートではレーザ光がシートの裏面まで届かず使用できない。
【0070】
図10に、色付きシートやエンボスシートの厚さを測定可能な渦電流センサ式をシート裏面を測定するためのセンサとして用いた例を示す。なお、渦電流式裏面検出センサ8a以外の構成は実施形態1で説明した構成と基本的には同様であるため、詳細の説明は省略する。また、実施形態1で用いた符合を本実施形態の説明でも用いる。
【0071】
シート裏面用センサとして渦電流式裏面検出センサ8aを用いる場合、成形ロール2は金属製ロール表面にする。なお、通常、金属ロールがほとんど使用されている。
【0072】
渦電流式裏面検出センサ8aは色付きシート、エンボスシートの他、透明シートにも当然に使用できる。渦電流式裏面検出センサ8aに比べると実施形態1のレーザ式センサは測定精度が高く、また小型化が容易であるものの、渦電流式裏面検出センサ8aの場合、測定対象のロール面はシート表面に比較して凹凸の少ない表面形状であり、また、その測定範囲Bはレーザ式センサのようにスポットでなく、ロール表面の検出範囲が広い。このため、全体的なシート厚み精度への影響は少ない。また、渦電流式裏面検出センサ8aは金属製の成形ロール2の表面までの距離BBを測定するため、シート厚さに影響されず、厚さが変わっても位置を変える必要が無いため、ΔYは特に制限を受けない。
【0073】
なお、上記各実施形態における各数値、および材質等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施形態1におけるシート厚み計測装置およびシート成形機の概略的な側面図である。
【図2】図1に示す矢視Aより見た本発明の実施形態1におけるシート厚み計測装置の概略的な構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1におけるシート厚み計測装置による異物検出を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態1におけるシート厚み計測装置に装着されたバンパの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1におけるシート厚み計測装置に用いた光レーザの位置決めにおける検出距離増加分ΔLの説明図である。
【図6】本発明の実施形態1におけるシート厚み計測装置に用いた光レーザの位置決めに関する説明図である。
【図7】本発明に適用可能な光軸一致式レーザセンサの概略構成図である。
【図8】正反射レーザセンサの概略構成およびその測定原理を説明する図である。
【図9】バンク量とシート厚みを関係を示すグラフである。
【図10】本発明の実施形態3における渦電流センサを用いたシート厚み計測装置のセンサ部分の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
1、2、3、4 成形ロール
5 Tダイ
6 シート
7 表面検出センサ
7a レンズ焦点距離振動音さ
7b CCDセンサカメラ
7c 受光素子
7d ピンホール
8、8’ 裏面検出センサ
8a 渦電流式裏面検出センサ
9 トラバース台
9a 支持ガイド
9a’ 長穴
30 溶融シート
31 バンク
32 スキマ
33a 第1ニップ部
33b 第2ニップ部
33c 第3ニップ部
34 シート厚み計測装置
35 安全センサ
36 カバー
38 トラバースレール(X軸)
39 Y1スライダ(Y1軸)
40 Y2スライダ(Y2軸)
41 ケーブルベア
42 フレーム
43 歯付きベルト
44 制御装置
45 ダイリップ調整装置
46 チョークバー
50、51 センサ(衝突検知用)
52、53 バンパ
52a バンパ軸
52b ストッパピン
52c バネ
54、55 センサ(光反射式)
56、57 反射板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Tダイ(5)からシート状に押出された溶融樹脂を回転する成形ロール(1、2)のニップ部(33a)に流し込むことで成形されるシート(6)の幅方向のシート厚さ分布を、シート(6)の幅方向に移動しながら成形ロール(1、2、3、4)の上面側から測定するシート厚み計測装置において、
シート(6)の幅方向に移動可能な1つのトラバース台(9)に、シート(6)の表面位置を検出する表面検出センサ(7)と、シート(6)の裏面位置を検出する裏面検出センサ(8)とを、シート(6)の厚み方向に対する相対位置が調整可能なように搭載し、少なくとも前記表面検出センサ(7)は投光受光の光軸が一致している光軸一致式センサであることを特徴とするシート厚み計測装置。
【請求項2】
前記表面検出センサ(7)および前記裏面検出センサ(8)は光軸一致式のレーザセンサである、請求項1に記載のシート厚み計測装置。
【請求項3】
前記表面検出センサ(7)および前記裏面検出センサ(8)は光軸一致式の光センサである、請求項1に記載のシート厚み計測装置。
【請求項4】
前記裏面検出センサ(8)は渦電流式センサである、請求項1に記載のシート厚み計測装置。
【請求項5】
前記裏面検出センサ(8)の、シート(6)が無い状態の前記成形ロール(2)から前記裏面検出センサ(8)の先端部までの検出距離増加分ΔLは、シートの概略厚さをt、屈折率をnとすると、
ΔL=t―t/n
である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のシート厚み計測装置。
【請求項6】
Tダイ(5)からシート状に押出された溶融樹脂を回転する成形ロール(1、2)のニップ部(33a)に流し込むことで成形されるシート(6)の幅方向のシート厚さ分布を、シート(6)の幅方向に移動しながら成形ロール(1、2、3、4)の上面側から測定するシート厚み計測装置において、
シート(6)の表面位置を検出する表面検出センサ(7)と、シート(6)の裏面位置を検出する裏面検出センサ(8)とを有するシート(6)の幅方向に移動可能なトラバース台(9)が異物に衝突する前に前記異物を検出する安全検出センサ(35、54)を有することを特徴とするシート厚み計測装置。
【請求項7】
Tダイ(5)からシート状に押出された溶融樹脂を回転する成形ロール(1、2)のニップ部(33a)に流し込むことで成形されるシート(6)の幅方向のシート厚さ分布を、シート(6)の幅方向に移動しながら成形ロール(1、2、3、4)の上面側から測定するシート厚み計測装置において、
シート(6)の表面位置を検出する表面検出センサ(7)と、シート(6)の裏面位置を検出する裏面検出センサ(8)と、移動方向の前後面に、バンパ(52、53)および前記バンパ(52、53)が異物に衝突した際の衝突を検知する衝突検知用センサ(50、51)とを有し、異物との衝突時には、前記バンパ(52、53)が異物へと衝突した方向と反対方向のロール端に後退待避する、シート(6)の幅方向に移動可能なトラバース台(9)を備えていることを特徴とするシート厚み計測装置。
【請求項8】
前記トラバース台(9)は前記表面検出センサ(7)と前記裏面検出センサ(8)とを、シート(6)の厚み方向に対する相対位置が調整可能なように搭載し、少なくとも前記表面検出センサ(7)は投光受光の光軸が一致している光軸一致式センサである、請求項6または7に記載のシート厚み計測装置。
【請求項9】
前記表面検出センサ(7)および前記裏面検出センサ(8)は光軸一致式のレーザセンサである、請求項8に記載のシート厚み計測装置。
【請求項10】
前記表面検出センサ(7)および前記裏面検出センサ(8)は光軸一致式の光センサである、請求項8に記載のシート厚み計測装置。
【請求項11】
前記裏面検出センサ(8)は渦電流式センサである、請求項8に記載のシート厚み計測装置。
【請求項12】
前記裏面検出センサ(8)の、シート(6)が無い状態の前記成形ロール(2)から前記裏面検出センサ(8)の先端部までの検出距離増加分ΔLは、シートの概略厚さをt、屈折率をnとすると、
ΔL=t―t/n
である、請求項6ないし11のいずれか1項に記載のシート厚み計測装置。
【請求項13】
前記表面検出センサ(7)および前記裏面検出センサ(8)は耐熱手段を有する、請求項1ないし12のいずれか1項に記載のシート厚み計測装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−234760(P2006−234760A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53529(P2005−53529)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】