説明

データ通信システムおよびこれに用いる第1車載装置、第2車載装置、およびデータ記憶装置

【課題】 一の車両が走行した場所への経路案内を、他の車両にて行なうことを可能とする技術を提供する。
【解決手段】 データ通信システム1は、車両に搭載されて用いられる第1車載装置10と、第1車載装置10を搭載した車両とは異なる車両に搭載されて用いられる第2車載装置20と、携帯電話機端末30と、からなる。
第1車載装置10は、車両が走行した経路を示す経路情報を、車両の搭乗者のニックネームと関連付けて記憶する。
携帯電話機端末30は、パスワードを第1車載装置10に送信して、所定のニックネームに関連付けられている経路情報を受信する。
第2車載装置20は、携帯電話機端末30から経路情報を受信し、その経路情報に基づいて経路案内を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1車載装置と、第2車載装置と、前記第1車載装置および前記第2車載装置それぞれとデータ通信可能に構成されたデータ記憶装置と、からなるデータ通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図データに基づいて現在位置周辺の地図をディスプレイに表示したり、目的地までの最適な経路を計算して走行案内を行う車載装置(ナビゲーション装置)が知られている。
この車載装置は、GPSなどを用いて車両の現在位置を測位し、ハードディスクなどの記憶媒体に記憶された地図データに基づいて、車両の現在位置を示すシンボルや目的地までの経路を地図上に表示した地図表示画面をディスプレイなどに表示する。運転者は、ディスプレイに表示された地図表示画面を見ることで、車両の現在位置および目的地までの経路を容易に認知することができるため、快適に運転することができる。
【0003】
このような車載装置として、運転者の発した音声によって目的地の検索条件を入力できる車載装置(ナビゲーション装置)が提案されている(特許文献1参照)。このような技術により、ナビゲーション装置に対する目的地の入力設定操作を容易にすることができるようになる。
【特許文献1】特開2002−221430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のナビゲーション装置にて経路案内を実行させるためには、施設の名称、電話番号、住所などの目的地の情報を入力する必要がある。しかし、友人などの他人の車両に乗って、ある場所に移動し、後日再び自分の車でその場所に移動したいと考えた場合、その経路や施設の名称などについて覚えていないことがある。この場合、施設の名称、電話番号、住所等の入力により目的地を設定することができないので、その場所にたどり着くことはできないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、一の車両が走行した場所への経路案内を、他の車両にて行なうことを可能とするデータ通信システム、およびこれに用いる第1車載装置、第2車載装置、およびデータ記憶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、第1車載装置と、第2車載装置と、上記第1車載装置および上記第2車載装置それぞれとデータ通信可能に構成されたデータ記憶装置と、からなるデータ通信システムである。
【0007】
このデータ通信システムにおいて、第1車載装置は、車両が走行した経路を示す経路情報と、その経路情報と関連付けられる識別情報と、を取得する。そして、取得された経路情報のうち、所定の識別情報に関連付けられた経路情報を、データ記憶装置に送信する。
【0008】
また、データ記憶装置は、第1車載装置より送信された経路情報を受信して記憶し、第2車載装置に送信する。
また、第2車載装置は、データ記憶装置より送信された経路情報を受信し、その受信した経路情報に基づいて、走行経路の案内を行うように構成されている。
【0009】
このように構成されたデータ通信システムであれば、第1車載装置が取得した経路情報を第2車載装置で用いることができるため、第1車載装置を搭載した車両(以降、第1の車両という)が行った場所への経路案内を、第2車載装置が実行することができる。
【0010】
これにより、例えば、第1の車両に搭乗していた人が、その車両で行った目的地の名称や住所を正確に記憶していなくとも、第2車載装置を搭載した車両(以降、第2の車両という)にて目的地へ到着することができる。
【0011】
また、第1車載装置から送信される経路情報は、所定の識別情報に関連付けられたもののみであるため、所定の識別情報に関連付けられていない不要な経路情報を送受信することなく、必要な経路情報のみを送受信することができる。
【0012】
なお、上述した識別情報とは、第1車載装置に記憶された経路情報の中から一部の経路情報を特定できるものであればよい。
なお、上記データ記憶装置は、机上設置型のパーソナルコンピュータのように携帯できない装置であってもよいが、携帯電話機のように携帯可能な端末を用いてもよい。その場合、第1車載装置および第2車載装置と近接した場所までデータ記憶装置を移動できるため、ブルートゥース(登録商標)などの短距離無線通信を利用することができるようになり、利便性が向上する。
【0013】
上述したデータ通信システムは、請求項2に記載のデータ通信システムのように構成してもよい。それは、データ記憶装置が、識別情報を特定可能な特定情報を第1車載装置に送信するものであり、第1車載装置は、データ記憶装置から受信した上記特定情報から特定される識別情報を、所定の識別情報とする構成である。
【0014】
このように構成されたデータ通信システムであれば、データ記憶装置から送信した特定情報に応じた経路情報を第2車載装置にて受信することができる。
また、第1車載装置はデータ記憶装置から送信された特定情報が特定する識別情報に関連付けられた経路情報のみをデータ記憶装置に送信することになるので、その識別情報に関連付けられていない経路情報が送信されることを防止できる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、第1車載装置と、第2車載装置と、上記第1車載装置および上記第2車載装置それぞれとデータ通信可能に構成されたデータ記憶装置と、からなるデータ通信システムである。
【0016】
このデータ通信システムにおいて、第1車載装置は、車両が走行した経路を示す経路情報と、その経路情報と関連付けられる識別情報と、を取得して、取得された経路情報と識別情報と、をデータ記憶装置に送信する。
【0017】
また、データ記憶装置は、第1車載装置より送信された経路情報および識別情報を受信して記憶する。そして、記憶された経路情報のうち、所定の識別情報に関連付けられた経路情報を、前記第2車載装置に送信する。
【0018】
また、第2車載装置は、データ記憶装置より送信された経路情報を受信し、その受信した経路情報に基づいて、走行経路の案内を行うように構成されている。
このように構成されたデータ通信システムであれば、請求項1のデータ通信システムと同様の効果を得ることができる。
【0019】
なお、上記データ記憶装置は、第1車載装置から多くの経路情報が送信されることとなるため、記憶容量の大きいものを用いるとよい。例えば、多くのデータを記憶可能なサーバをデータ記憶装置として用い、第1車載装置および第2車載装置とはインターネットなどを経由して接続するとよい。
【0020】
上述した請求項3に記載のデータ通信システムは、請求項4に記載のデータ通信システムのように構成してもよい。それは、第2車載装置が、識別情報を特定可能な特定情報をデータ記憶装置に送信するものであり、データ記憶装置は、第2車載装置から受信した上記特定情報から特定される識別情報を、所定の識別情報とする構成である。
【0021】
このように構成されたデータ通信システムであれば、第2車載装置から送信した特定情報に応じた経路情報を第2車載装置にて受信することができる。
また、データ記憶装置は第2車載装置から送信された特定情報が特定する識別情報に関連付けられた経路情報のみを第2車載装置に送信することになるので、その識別情報に関連付けられていない経路情報が送信されることを防止できる。
【0022】
上記請求項3または請求項4に記載のデータ通信システムにおいて、第1車載装置からデータ記憶装置へ経路情報と識別情報が送信されるタイミングは特に限定されない。例えば、請求項5に記載のデータ通信システムのように、第1車載装置は、予め設定された時刻にて、経路情報と、その経路情報と関連付けられた識別情報と、をデータ記憶装置に送信する構成としてもよい。
【0023】
このように構成されたデータ通信システムであれば、経路情報をデータ記憶装置へ送信する際に、第1の車両や第2の車両の使用者が何らの操作を行う必要が無くなる。
なお、上述した予め設定された時刻は、間隔をあけて複数設定されており、第1の車両の走行中は、その時刻を経過するたびにデータの送信が行なわれることとするとよい。 ところで、上述した請求項1から請求項5のいずれかに記載のデータ通信システムにおいて、識別情報は、請求項6に記載したように車両の搭乗者を識別する情報であることとしてもよい。
【0024】
このように構成されたデータ通信システムであれば、車両の搭乗者と経路情報とを関連付けて管理することができる。それにより、使用者は、自分が他人の車両(第1の車両)に搭乗して移動したときの経路情報を自分の車両(第2の車両)へ送信することができるようになるため、以前に他人の車両で行った場所の詳細な情報が分からずとも、自分の車両にてその場所までの経路案内を実行させることができる。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載されたデータ通信システムを構成する第1車載装置である。このような第1車載装置であれば、上述したデータ通信システムの一部を構成することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載されたデータ通信システムを構成する第2車載装置である。このような第2車載装置であれば、上述したデータ通信システムの一部を構成することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載されたデータ通信システムを構成するデータ記憶装置である。このような第2車載装置であれば、上述したデータ通信システムの一部を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
[実施例1]
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(1.1)全体構成
本実施例のデータ通信システム1は、図1に示すように、車両に搭載されて用いられる第1車載装置10と、第1車載装置10を搭載した車両とは異なる車両に搭載されて用いられる第2車載装置20と、携帯電話機端末30と、からなる。
【0029】
第1車載装置10は、ナビゲーションシステムの機能を有する装置であって、車両の現在位置を検出する位置検出装置11と、ハードディスクドライブ(HDD)12と、地図表示画像などの各種画像表示を行う表示装置13と、ガイド音声などの音声情報を出力する音声出力装置14と、搭乗者が各種入力指示を行なうための操作スイッチ群15と、携帯電話機端末30と無線通信を行う無線通信装置16と、センサ入力I/F17と、制御装置18と、を備えている。
【0030】
位置検出装置11は、GPSアンテナを介してGPS用の人工衛星からのGPS情報を受信し、車両の位置座標を検出するGPS受信機11aと、車両に加えられる回転運動の角速度に応じた検出信号を出力するジャイロスコープ11bと、車両の速度に応じた検出信号を出力する車速センサ11cとを備えている。そして、これら各センサ11a〜11cは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。
【0031】
HDD12は、情報を記憶するハードディスクと、ハードディスクに対して情報を読み書きするための磁気ヘッド,駆動部,コントローラ等からなるドライブと、が一体となった記憶装置である。
【0032】
上述したHDD12には、データを記憶する記憶領域として、第1車載装置10を作動させるためのアプリケーションプログラム用の記憶領域,地図情報を示す地図データ用の記憶領域,搭乗者のニックネーム(本発明における識別情報)およびそのニックネームに対応するパスワード(本発明における特定情報)を記憶するための記憶領域(データ構造の一例を図2(a)に示す),車両の経路情報を記憶するための記憶領域(データ構造の一例を図2(b)に示す),その他各種データを記憶するための記憶領域などを有している。ここでいう経路情報とは、走行中の車両の位置座標、道路ごとに予め定められた道路ID、それらデータを取得したときの時刻を示すデータから成るデータ群を、時系列に複数集めてなる情報であって、車両の走行経路の履歴を知ることができる情報である。
【0033】
表示装置13は、液晶ディスプレイ等の表示面を有するカラー表示装置であって、制御装置18からの映像信号の入力に応じて各種画像を表示面に表示する。例えば、車両の走行中においては、ナビゲーション表示画面として、HDD12から読み出した地図データに示される地図上に、位置検出装置11にて検出した車両の現在位置を示すマーク,名称,目印,各種ランドマークのシンボル等のデータ,目的地までの誘導経路などを重ねた画面が表示される。
【0034】
操作スイッチ群15は、表示装置13と一体に構成され、表示装置13の表示面上に設置されるタッチパネルや、表示装置13の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチなどからなる。
【0035】
無線通信装置16は、短距離無線通信手段として構成され、短距離無線通信機能を有した携帯電話機端末30と電話回線網を介さずに直接通信可能に構成されている。なお、短距離無線通信技術としては、ブルートゥース(登録商標)通信技術などが知られており、無線通信装置16として、例えば、ブルートゥース通信モジュールを採用することができる。
【0036】
センサ入力I/F17は、車両に備えられた各種センサ(車内撮影カメラ、シート重量センサ、ドア開閉センサなど)から出力された信号を入力する。
制御装置18は、CPU,ROM,RAM,I/O,およびこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、上述した第1車載装置10全体を制御する。また、この制御装置18は、上記ROMやHDD12などから読み込んだアプリケーションプログラムや各種データに従って、ナビゲーション関係の処理や、後述する各処理などを実行する。
【0037】
ナビゲーション関係の処理としては、例えば、地図表示処理や経路案内処理等が挙げられる。地図表示処理は、位置検出装置11からの各検出信号に基づいて車両の現在位置を算出し、HDD12に記憶された地図データに基づいて現在位置付近の地図等を表示装置13に表示する処理である。また、経路案内処理は、HDD12に記憶された地図データに基づいて、現在位置から、搭乗者による操作スイッチ群15の操作によって設定された目的地までの最適な経路である目的地経路を算出し、現在位置と目的地経路との関係を考慮して目的までの走行案内を行う処理である。このように自動的に最適な経路を設定する手法として、ダイクストラ法によるコスト計算等の手法が知られている。
【0038】
また、この制御装置18は、センサ入力I/F17から入力された各種センサからの入力信号に基づいて、車両に搭乗者の人数や、搭乗者の乗降を判定する。
第2車載装置20は、上述した第1車載装置10と同様の機能を有する位置検出装置21,HDD22,表示装置23,音声出力装置24,操作スイッチ群25,無線通信装置26、センサ入力I/F27、制御装置28などを有しており、第1車載装置10と同様のナビゲーションシステムの機能を有する装置である。
【0039】
携帯電話機端末30は、図3に示すように、電話回線網を介して通信行う電話通信装置31,各種データを記憶する記憶装置32,マイクロフォン33,スピーカ34,使用者からの各種指示を入力するためのキー操作部35,文字情報や画像情報などの表示を行う表示装置36,第1車載装置10の無線通信装置16および第2車載装置20の無線通信装置26と無線通信を行う無線通信装置37,記憶装置32に記憶されたプログラムに従って各構成要素を制御する制御装置38などからなる。
【0040】
この携帯電話機端末30は、電話通信装置31によって電話回線網を介して他の電話機端末と接続し、マイクロフォン33,スピーカ34などを利用して通話可能に構成されている。また、この携帯電話機端末30の使用者は、キー操作部35への入力により携帯電話機端末30を操作する。
【0041】
記憶装置32には、データを記憶する記憶領域として、携帯電話機端末30を作動させるためのアプリケーションプログラム用の記憶領域,携帯電話の電話帳データ用の記憶領域,上述した経路情報を記憶するための記憶領域,その他各種データを記憶するための記憶領域など有している。
【0042】
制御装置38は、CPU,ROM,RAM,I/O,およびこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、携帯電話機端末30全体を制御すると共に、後述する各処理を実行する。
(1.2)第1車載装置10による処理
以下に、第1車載装置10が備える制御装置18により実行される各種処理について説明する。
(1.2.1)情報取得処理
情報取得処理の処理手順を、図4に基づいて説明する。本処理では、車両の経路情報を、ニックネーム(搭乗者を識別する識別情報)と関連付けて取得する。本処理は、車両の起動に伴って第1車載装置が起動したタイミングや、車両の搭乗者が乗降したタイミングで開始される。そして、本処理が実行されるごとに、HDD12には新しい経路情報がニックネームと関連付けられて記憶されることとなる。なお、搭乗者の乗降が行なわれたことの判定は、車内を撮影するカメラ、シートに掛かる荷重を測定する重量センサ、ドアの開閉を判定するドア開閉センサなどを用いて行うことが考えられる。
【0043】
本処理では、まず、ニックネームの入力を要求する(S1)。ここでは、図5に示すような情報入力画面を表示装置13に表示させ、操作スイッチ群15を用いて搭乗者(運転者および同乗者)のニックネームの入力を受け付ける。
【0044】
次に、ニックネームの入力が完了したか否かを判定する(S2)。入力の完了を判定する方法としては、入力完了を指示するボタンを操作スイッチ群15や情報入力画面上に用意しておき、そのボタンが押されたことを判定する方法や、各種センサが検出した搭乗者の人数分のニックネームが入力されたことを判定する方法が考えられる。ニックネームの入力が完了していなければ(S2:NO)、再度S2を実行する。
【0045】
ニックネームの入力が完了すれば(S2:YES)、処理がS3に移行する。
次に、車両が走行を停止したか否かを判定する(S3)。ここでは、搭乗者の乗降から車両の走行停止を判断する。車両が走行を停止していなければ(S3:NO)、そのときの時刻と、位置検出装置11が取得する車両の現在位置の位置座標と、走行中の道路の道路IDと、を示すデータを取得する(S4)。取得したデータは、HDD12にデータ群50として記憶される(図2(b)参照)。
【0046】
なお、S4を実行する毎に、データ群50は増加していく。本実施例において、このデータ群50は、所定の時間間隔(例えば、10秒ごと)で新たに記憶されるようにS3とS4とを繰り返し実行する。このS4の後、処理がS3に戻る。
【0047】
また、上記S3にて、車両が走行停止していれば(S3:YES)、本処理が開始してから取得された全てのデータ群50(本処理にて取得された経路情報であって、以降単に経路情報という)と、S2にて入力されたニックネームと、を関連付ける(S5)。関連付けは、例えば、経路情報とニックネームとに同一のIDを付与することで実現することが考えられる。このS5の後、本処理を終了する。
(1.2.2)携帯向け情報送信処理
携帯向け情報送信処理の処理手順を、図6に基づいて説明する。本処理では、上述した情報取得処理にて取得した経路情報を、ニックネームと共に第1車載装置10から携帯電話機端末30に送信する。本処理は、第1車載装置10の起動中に常時実行される。
【0048】
本処理では、まず、携帯電話機端末30から接続要求を受け付けているか否かを判定する(S11)。接続要求がなければ(S11:NO)、再度S11を実行する。接続要求があれば(S11:YES)、携帯電話機端末30に、パスワード(本発明における特定情報)の要求をする(S12)。ここでいうパスワードとは、図2(a)に示すように、ニックネームと対応して第1車載装置10のHDD12に予め記憶されているものであり、携帯電話機端末30の使用者は、そのパスワードを知っている場合にのみ第1車載装置10から経路情報を受信できるようになる。
【0049】
次に、パスワードを受信したか否かを判定する(S13)。パスワードを受信していない、もしくは正しくないパスワードを受信した場合は(S13:NO)、再度S13を実行する。パスワードを受信していれば(S13:YES)、接続完了の知らせを携帯電話機端末30に送信する(S14)。
【0050】
次に、携帯電話機端末30から経路情報の検索条件を受信したか否かを判定する(S15)。検索条件としては、ニックネーム(S13にて受信したパスワードに対応するもの以外)、日時、地域、などが考えられる。検索条件を受信していなければ(S15:NO)、再度S15を実行する。
【0051】
検索条件を受信していれば(S15:YES)、検索条件に該当する経路情報をHDD12から検索する(S16)。ここでは、HDD12に記憶された経路情報であって、上記S13にて受信したパスワードに対応するニックネームに関連付けられている経路情報の中から、S15にて受信した検索条件に該当する経路情報を検索する。
【0052】
次に、検索された経路情報と、それに関連付けられているニックネームと、を携帯電話機端末30に送信する(S17)。その後、本処理を終了する。
(1.3)携帯電話機端末30による処理
以下に、携帯電話機端末30が備える制御装置38により実行される各種処理について説明する。
(1.3.1)携帯情報受信処理
携帯情報受信処理の処理手順を、図7に基づいて説明する。本処理では、第1車載装置10から経路情報を受信する。本処理は、キー操作部35に対し、第1車載装置10から経路情報を受信するための操作がなされた際に開始される。
【0053】
本処理では、まず、第1車載装置10に接続の要求をする(S21)。
次に、第1車載装置10からパスワード送信要求を受け付けているか否かを判定する(S22)。パスワード送信要求がなければ(S22:NO)、再度S22を実行する。パスワード送信要求があれば(S22:YES)、第1車載装置10にパスワードを送信する(S23)。ここでは、パスワードを携帯電話機端末30の使用者に入力させ、入力されたパスワードを送信する。
【0054】
次に、第1車載装置10から接続完了の知らせを受信したか否かを判定する(S24)。接続完了の知らせを受信していなければ(S24:NO)、再度S24を実行する。
接続完了の知らせを受信していれば(S24:YES)、経路情報の検索条件を第1車載装置10に送信する(S25)。ここでは、経路情報の検索条件を携帯電話機端末30の使用者に入力させ、入力された検索条件を第1車載装置10に送信する。
【0055】
次に、第1車載装置10から、経路情報とそれに関連付けられているニックネームとを受信したか否かを判定する(S26)。経路情報とそれに関連付けられているニックネームとを受信していなければ(S26:NO)、再度S26を実行する。
【0056】
経路情報とそれに関連付けられているニックネームとを受信していれば(S26:YES)、受信した情報を記憶装置32に記憶し、その後、本処理を終了する。
なお、S21における接続要求は、上述した携帯電話向け情報送信処理(図6)のS11における接続要求の判断と対応する。同様に、S22とS12、S23とS13、S24とS14、S25とS15、S26とS17がそれぞれ対応する。
(1.3.2)携帯情報送信処理
携帯情報送信処理の処理手順を、図8に基づいて説明する。本処理では、第2車載装置20へ経路情報を送信する。本処理は、キー操作部35に対し、第2車載装置20へ経路情報を送信するための操作がなされた際に開始される。
【0057】
本処理では、まず、記憶装置32に記憶されている経路情報を、表示装置36に一覧表示する(S31)。ここでは、図9に示すように、出発時間、出発点、到着点、搭乗者のニックネームなどをまとめて一つのグループ52として、複数のグループ52からなる一覧表53を表示する。使用者は、この画面からいずれかの経路情報(上述したグループ52)を選択する。
【0058】
次に、使用者から経路情報の選択がなされたか否かを判定する(S32)。選択がなされていなければ(S32:NO)、再度S32を実行する。選択がなされた場合には(S32:YES)、第2車載装置20に接続の要求をする(S33)。
【0059】
次に、第2車載装置20から、接続完了の知らせを受信したか否かを判定する(S34)。接続完了の知らせを受信していなければ(S34:NO)、再度S34を実行する。
接続完了の知らせを受信していれば(S34:YES)、第2車載装置20に、経路情報の送信を要求する(S35)。ここでは、第2車載装置20に対し、携帯電話機端末30から経路情報を送信する旨を通知する。
【0060】
次に、第2車載装置20から、経路情報の送信要求の承諾を受信したか否かを判定する(S36)。承諾を受信していなければ(S36:NO)、再度S36を実行する。承諾を受信していれば(S36:YES)、上記S32にて選択した経路情報と、それに関連付けられているニックネームとを第2車載装置20に送信する(S37)。その後、本処理を終了する。
(1.4)第2車載装置20による処理
以下に、第2車載装置20が備える制御装置28により実行される各種処理について説明する。
(1.4.1)携帯電話機端末からの情報受信処理
携帯電話機端末からの受信処理の処理手順を、図10に基づいて説明する。本処理では、携帯電話機端末30から経路情報を受信する。本処理は、第2車載装置20の起動中に常時実行される。
【0061】
本処理では、まず、携帯電話機端末30から接続要求を受け付けているか否かを判定する(S41)。接続要求がなければ(S41:NO)、再度S41を実行する。接続要求があれば(S41:YES)、接続完了の知らせを携帯電話機端末30に送信する(S42)。
【0062】
次に、携帯電話機端末30から経路情報の送信要求を受け付けているか否かを判定する(S43)。送信要求がなければ(S43:NO)、再度S43を実行する。送信要求があれば(S43:YES)、送信要求の承諾を送信する(S44)。
【0063】
次に、携帯電話機端末30から、経路情報とそれに関連付けられているニックネームとを受信したか否かを判定する(S45)。経路情報とそれに関連付けられているニックネームとを受信していなければ(S45:NO)、再度S45を実行する。経路情報とそれに関連付けられているニックネームとを受信していれば(S45:YES)、受信した情報をHDD22に記憶させ、その後、本処理を終了する。
【0064】
なお、S41における接続要求の判定は、上述した携帯情報送信処理(図8)のS33における接続要求と対応する。同様に、S42とS34、S43とS35、S44とS36、S45とS37がそれぞれ対応する。
(1.4.2)経路情報に基づく経路案内開始処理
経路情報に基づく経路案内開始処理の処理手順を、図11に基づいて説明する。本処理は、第2車載装置20の操作スイッチ群25により、受信した経路情報に基づいて経路案内を開始する旨の入力がなされた際に開始される。
【0065】
本処理では、まず、HDD22に記憶されている経路情報の一覧を表示装置23に表示する(S51)。表示される経路情報の一覧は、図9に示す携帯電話機端末30の表示装置36に表示される一覧表53と同様の画面である。使用者は、この画面からいずれかの経路情報を選択する。
【0066】
次に、使用者により、表示された経路情報のいずれかが選択されたか否かを判定する(S52)。経路情報が選択されていなければ(S52:NO)、再度S52を実行する。経路情報が選択されていれば(S52:YES)、選択された経路情報の詳細を表示装置23に表示させる(S53)。ここでは、図12に示すように、出発点61、到着点62、地名63(63A,63B)、経路64、主要施設65(65A,65B)などが表示される。ここでいう経路64とは、経路情報に示される車両が走行した経路である。
【0067】
次に、使用者にこの経路情報を利用するかを尋ね、利用しないならば(S54:NO)、処理がS51に戻る。利用する場合は(S54:YES)、使用者に目的地を設定させる(S55)。ここでは、表示装置23に表示されているどの情報を利用するかを選択させる。地名63または主要施設65が選択された場合は、その場所を目的地として設定する。経路64が選択された場合は、その経路上における現在地から最も近い地点を案内の目的地として設定する。
【0068】
次に、S55における選択結果に基づいて、経路案内を開始する(S56)。このS56は、一般的な経路案内処理であるため、詳細の説明は割愛する。経路案内が終了すると、本処理を終了する。
(1.5)効果
上述した構成のデータ通信システム1であれば、第1車載装置10が取得した経路情報を第2車載装置20で用いることができるため、第1車載装置10を搭載した車両(以降、第1の車両という)が行った場所への経路案内を、第2車載装置20が実行することができる。これにより、例えば、第1の車両に搭乗していた人が、その車両で行った目的地の名称や住所を正確に記憶していなくとも、第2車載装置20を搭載した車両(以降、第2の車両という)にて到着することができる。
【0069】
第1車載装置10から送信される経路情報は、パスワードに対応するニックネームに関連付けられたものに限られる。そのため、携帯電話機端末30を用いてデータを受信する者は、自分のニックネームに対応するパスワードを入力することで、自分が第1の車両で以前に行った場所や走行経路の情報を取得することができるので、不要な経路情報を受信してしまうことを防止することができ、第1車載装置10のHDD12に記憶された経路情報の中から必要な経路情報を探すための検索の手間を低減させることができる。
【0070】
また、ある者が第1車載装置10から受信できる経路情報は、その者が知るパスワードに応じたニックネームに関連付けられた経路情報のみであることから、そのパスワードに対応しない経路情報を受信することができない。よって、例えば、パスワードがその者のニックネームに対応しているものであれば、その者が同乗していないときに第1の車両が走行した経路や、そのときの同乗者などの情報をその者に知られることがなく都合がよい。
【0071】
また、上記データ通信システム1では、第1車載装置10から第2車載装置20への経路情報の送信を、携帯電話機端末30を介して行っているため、無線通信装置16,26としてブルートゥースなどの短距離無線通信を利用することができるようになる。
【0072】
また、一度携帯電話機端末30に経路情報を記憶させておくことで、第2車載装置20を備える車両であれば、上述した第2の車両以外の車両であっても、経路情報を送信して経路案内を行わせることができる。よって、どの車両を用いて移動するか不明である場合や、急に経路案内が必要になった場合でも、経路情報を送信して経路案内を行わせることが可能となる。
[実施例2]
(2.1)全体構成
実施例2におけるデータ通信システム100は、図13に示すように、第1車載装置10と、第2車載装置20と、第1車載装置10および第2車載装置20とインターネット網2を介して接続するサーバ装置40と、からなる。
【0073】
第1車載装置10および第2車載装置20は、実施例1に記載の第1車載装置10および第2車載装置20とほぼ同様の構成であるが、一部の構成が異なるため、その点のみを説明する。
【0074】
本実施例における第1車載装置10の無線通信装置16および第2車載装置20の無線通信装置26は、インターネット網2への通信I/Fとして機能している。
サーバ装置40は、サービスセンターなどの経路情報を統轄する施設に設置された装置であって、制御装置41、記憶装置42、通信インターフェース(通信I/F)43などを備えている。
【0075】
制御装置41は、CPU,ROM,RAM,I/O,およびこれらの構成を接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されており、サーバ装置40全体を制御する。
【0076】
記憶装置42は、複数のハードディスクドライブから構成された装置であり、OS、各種プログラムなどの制御装置41を動作させるためのデータのほか、経路情報やニックネームのデータなどが保存される。
【0077】
通信I/F43は、インターネット網2と接続しており、インターネット網2を経由して、第1車載装置10および第2車載装置20とデータの送受信を実行する。
(2.2)第1車載装置10による処理
以下に、第1車載装置10が備える制御装置18により実行される各種処理について説明する。
(2.2.1)情報取得処理
実施例2における情報取得処理の処理手順を、図14に基づいて説明する。本処理は、実施例1の情報取得処理と同じタイミングで開始される。
【0078】
本処理におけるS71〜S73は、実施例1の情報取得処理におけるS1〜S3と同様の処理であるので、詳細は割愛する。
S73において、走行停止していないと判定されると(S73:NO)、時刻と、位置検出装置11が取得する車両の現在位置の位置座標と、走行中の道路の道路IDと、を示すデータを取得し、HDD12に記憶する(S74)。ここでは、S74にて取得した情報と、S72にて取得したニックネームの情報とを関連付けてHDD12に記憶する。S74にて取得した情報とニックネームの情報とは、図15に示すように、1つのデータ群51として関連付けられて形成されており、S74を実行するごとにデータ群51は増加していく。
【0079】
次に、所定の時刻を経過しているか否かを判定する(S75)。ここでは、最後にS75で所定の時刻を経過していると判定されたタイミングから、所定時間(例えば、10分)後の時刻を経過しているか否かを判定する。一度もS75で所定の時刻を経過していると判定されていない場合は、本処理の開始のタイミングから所定時間経過しているか否かを判定する。
【0080】
このS75にて所定の時刻を経過していないときは(S75:NO)、処理がS73に戻る。
また、所定の時刻を経過しているときは(S75:YES)、HDD12に記憶されている全てのデータ群51(本発明における経路情報とニックネームとを合わせた情報であって、以降単に走行履歴情報という)を、サーバ装置40に送信する(S76)。その後、HDD12に記憶されている走行履歴情報を消去し、処理がS73に戻る。
【0081】
また、S73において車両が走行を停止していれば(S73:YES)、本処理を終了する。
(2.3)サーバ装置40による処理
以下に、データ通信システム100のサーバ装置40が備える制御装置41により実行される各種処理について説明する。
(2.3.1)サーバ情報受信処理
サーバ情報受信処理の処理手順を、図16に基づいて説明する。本処理は、常時実行されている。
【0082】
本処理では、まず、第1車載装置10から、上記S76にて送信された走行履歴情報を受信したか否かを判定する(S81)。走行履歴情報を受信していなければ(S81:NO)、再度S81を実行する。走行履歴情報を受信していれば(S81:YES)、受信した走行履歴情報を記憶装置42に記憶する(S82)。
【0083】
S82の後、本処理を終了する。
(2.3.2)サーバ情報送信処理
サーバ情報送信処理の処理手順を、図17に基づいて説明する。
【0084】
本処理では、まず、第2車載装置20から接続要求を受け付けているか否かを判定する(S91)。接続要求がなければ(S91:NO)、再度S91を実行する。
接続要求があれば(S91:YES)、第2車載装置20に、パスワード(本発明における特定情報)の要求をする(S92)。ここでいうパスワードとは、ニックネームと対応してサーバ装置40に予め登録されているものであり、第2車載装置20の使用者は、そのパスワードを知っている場合にのみサーバ装置40から走行履歴情報を受信できるようになる。
【0085】
次に、パスワードを受信したか否かを判定する(S93)。パスワードを受信していなければ(S93:NO)、再度S93を実行する。パスワードを受信していれば(S93:YES)、接続完了の知らせを第2車載装置20に送信する(S94)。
【0086】
次に、第2車載装置20から走行履歴情報の検索条件を受信したか否かを判定する(S95)。検索条件としては、ニックネーム(S93にて受信したパスワードに対応するもの以外)、日時、地域、などが考えられる。検索条件を受信していなければ(S95:NO)、再度S95を実行する。
【0087】
検索条件を受信していれば(S95:YES)、検索条件に該当する走行履歴情報を記憶装置42から検索する(S96)。ここでは、記憶装置42に記憶された走行履歴情報であって、上記S93にて受信したパスワードに対応するニックネームに関連付けられている走行履歴情報の中から、S95にて受信した検索条件に該当する走行履歴情報を検索する。
【0088】
次に、検索された走行履歴情報の検索結果一覧を第2車載装置20に送信する(S97)。ここでは、S96において検索された走行履歴情報から、搭乗者のニックネーム、走行履歴情報における最も古い時刻のデータ群51の示す位置座標および時刻、走行履歴情報における最も新しい時刻のデータ群51が示す位置座標および時刻、など、検索結果の一覧を作成するために必要な情報を送信する。
【0089】
次に、第2車載装置20から送信された走行履歴情報の選択結果を受信したか否かを判定する(S98)。選択結果を受信していなければ(S98:NO)、再度S98を実行する。選択結果を受信していれば(S98:YES)、選択結果に該当する走行履歴情報を第2車載装置20に送信する(S99)。その後、本処理を終了する。
(2.4)第2車載装置20による処理
以下に、第2車載装置20が備える制御装置28により実行される各種処理について説明する。
(2.4.1)サーバからの情報受信処理
サーバからの情報受信処理の処理手順を、図18に基づいて説明する。本処理は、第2車載装置20の操作スイッチ群25を用いて、サーバ装置40から走行履歴情報を受信する旨の操作がなされた際に開始される。
【0090】
本処理では、まず、サーバ装置40に接続を要求する(S101)。
次に、サーバ装置40からパスワード送信要求を受け付けているか否かを判定する(S102)。パスワード送信要求がなければ(S102:NO)、再度S102を実行する。パスワード送信要求があれば(S102:YES)、サーバ装置40にパスワードを送信する(S103)。ここでは、第2車載装置20の使用者にパスワードを入力させ、入力されたパスワードを送信する。
【0091】
次に、サーバ装置40から接続完了の知らせを受信したか否かを判定する(S104)。接続完了の知らせを受信していなければ(S104:NO)、再度S104を実行する。接続完了の知らせを受信していれば(S104:YES)、走行履歴情報の検索条件をサーバ装置40に送信する(S105)。ここでは、第2車載装置20の使用者に走行履歴情報の検索条件を入力させ、入力された検索条件をサーバ装置40に送信する。
【0092】
次に、サーバ装置40から検索結果の一覧を受信したか否かを判定する(S106)。検索結果の一覧を受信していなければ(S106:NO)、再度S106を実行する。
検索結果の一覧を受信していれば(S106:YES)、第2車載装置20の表示装置23に検索結果の一覧を表示し(S107)、その中から希望の走行履歴情報を選択させる。表示される走行履歴情報の一覧は、実施例1の図9に示す一覧表53と同様の画面である。
【0093】
次に、走行履歴情報の選択結果を送信する(S108)。ここでは、使用者が選択した結果をサーバ装置40に送信する。
次に、サーバ装置40から走行履歴情報を受信したか否かを判定する(S109)。走行履歴情報を受信していなければ(S109:NO)、再度S109を実行する。走行履歴情報を受信していれば(S109:YES)、受信した走行履歴情報をHDD22に記憶させ、その後、本処理を終了する。
【0094】
なお、S101における接続要求は、上述したサーバ情報送信処理(図17)のS91における接続要求の判断と対応する。同様に、S102とS92、S103とS93、S104とS94、S105とS95、S106とS97、S108とS98、S109とS99がそれぞれ対応する。
(2.4.2)走行履歴情報に基づく経路案内開始処理
本処理は、走行履歴情報に含まれる経路情報(時刻、位置座標、および道路IDを示す情報)を用いて、図11に示す実施例1の経路案内処理と同様の処理を行うものであるため、説明を割愛する。
(2.5)効果
上述した構成のデータ通信システム100であれば、上記実施例1のデータ通信システム1と同様に、第1車載装置10が取得した経路情報を第2車載装置20で用いることができる。また、パスワードを用いることによる不要な経路情報を受信してしまうことの防止や、検索の手間を低減、および、本人が同乗していない場合の経路情報の流出防止などを実現できる。
【0095】
また、上記データ通信システム100において、第1車載装置10は、予め設定された時刻に走行履歴情報をサーバ装置40に送信する。そのため、サーバ装置40に走行履歴情報を記憶させるために、使用者が何ら操作を行う必要がなくなる。
[変形例]
以上、本発明の実施例1および実施例2について説明したが、本発明は、上記各実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
【0096】
例えば、上記各実施例においては、経路情報として、時刻、道路ID、位置座標を用いる構成を例示したが、車両の走行経路の履歴を示す情報であれば、経路情報の構成は特に限定されない。例えば、道路IDや位置座標に代えて位置を示す位置IDを用いる構成であってもよい。
【0097】
また、上記各実施例においては、経路情報または走行履歴情報を受信する際に、パスワードを使用者に入力させて送信する構成を例示した(S23、S103)。しかしながら、使用者が入力せずとも、携帯電話機端末30や第2車載装置20などのパスワードを送信する側の装置が、自動的に登録されているパスワードを送信する構成であってもよい。その場合は、パスワードに代えて機器のIDなどを用いる構成であってもよい。
【0098】
また、上記各実施例の情報取得処理のS2、S72において、ニックネームの他にコメントを入力できるように構成してもよい。その場合は、経路情報や走行履歴情報の一覧表53を表示する際に、そのコメントも併せて表示するように構成するとよい。
【0099】
また、上記各実施例においては、情報取得処理のS2、S72にて、搭乗者のニックネームの入力を受け付ける構成を例示したが、搭乗者を特定できれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、車両内部に設置された車内撮影カメラにて搭乗者を撮影し、予め第1車載装置10に登録されている情報と照合して搭乗者を特定する方法や、搭乗者が所持する携帯通信機器を短距離無線通信などを利用して認識し、それにより搭乗者を特定する方法などが考えられる。
【0100】
また、上記各実施例においては、ニックネームにより搭乗者個人を識別する構成を例示したが、搭乗者以外を識別する構成であってもよい。例えば、実施例1においては、S2にて搭乗者のニックネームに代えて携帯電話機端末30の識別情報(機器のIDなど)を登録する構成とすることが考えられる。さらに、第1車載装置10と携帯電話機端末30とが短距離無線通信などを用いて通信し、自動的に携帯電話端末30の識別情報を登録する構成であってもよい。携帯電話機端末30の識別情報を登録する場合には、登録された携帯電話機端末30が、その携帯電話機端末30が第1の車両に乗って移動した経路に関する経路情報をのみ受信できるように構成するとよい。
【0101】
また、上記実施例1においては、第1車載装置10から携帯電話機端末30に経路情報を送信する前に、経路情報の一覧を携帯電話機端末30にて表示し、その中から選択されたものを携帯電話機端末30に送信する構成としてもよい。
【0102】
また、上記実施例1においては、経路情報とニックネームとを併せて携帯電話機端末30に送信する構成を例示したが、経路情報のみを送信する構成であってもよい。
また、上記実施例2においては、所定の時刻となったときに経路情報をサーバ装置40に送信する構成を例示したが、所定回数S74の処理を実行したときに、S76に移行して経路情報を送信する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】データ通信システムを示すブロック図
【図2】経路情報と識別情報のデータ構造を示す図
【図3】携帯電話機端末を示すブロック図
【図4】情報取得処理の処理手順を示すフローチャート
【図5】情報入力画面を示す図
【図6】携帯向け情報送信処理の処理手順を示すフローチャート
【図7】携帯情報受信処理の処理手順を示すフローチャート
【図8】携帯情報送信処理の処理手順を示すフローチャート
【図9】経路情報の一覧表を示す図
【図10】携帯電話機端末からの情報受信処理の処理手順を示すフローチャート
【図11】経路情報に基づく経路案内開始処理の処理手順を示すフローチャート
【図12】経路情報の詳細を示す図
【図13】データ通信システムを示すブロック図
【図14】情報取得処理の処理手順を示すフローチャート
【図15】走行履歴情報のデータ構造を示す図
【図16】サーバ情報受信処理の処理手順を示すフローチャート
【図17】サーバ情報送信処理の処理手順を示すフローチャート
【図18】サーバからの情報受信処理の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0104】
1,100…データ通信システム、2…インターネット網、10…第1車載装置、11…位置検出装置、11a…GPS受信機、11b…ジャイロスコープ、11c…車速センサ、12…ハードディスクドライブ、13…表示装置、14…音声出力装置、15…操作スイッチ群、16…無線通信装置、17…センサ入力I/F、18…制御装置、20…第2車載装置、21…位置検出装置、22…ハードディスクドライブ、23…表示装置、24…音声出力装置、25…操作スイッチ群、26…無線通信装置、27…センサ入力I/F、28…制御装置、30…携帯電話機端末、31…電話通信装置、32…記憶装置、33…マイクロフォン、34…スピーカ、35…キー操作部、36…表示装置、37…無線通信装置、38…制御装置、40…サーバ装置、41…制御装置、42…記憶装置、43…通信I/F、50…データ群、51…データ群、52…グループ、53…一覧表、61…出発点、62…到着点、63…地名、64…経路、65…主要施設

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1車載装置と、第2車載装置と、前記第1車載装置および前記第2車載装置それぞれとデータ通信可能に構成されたデータ記憶装置と、からなるデータ通信システムであって、
前記第1車載装置は、
車両が走行した経路を示す経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記経路情報取得手段により取得された前記経路情報と関連付けられる識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記経路情報取得手段により取得された前記経路情報のうち、所定の前記識別情報に関連付けられた前記経路情報を、前記データ記憶装置に送信する第1送信手段と、を備え、
前記データ記憶装置は、
前記第1送信手段により送信された前記経路情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段が受信した前記経路情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記経路情報を、前記第2車載装置に送信する第2送信手段と、を備え、
前記第2車載装置は、
前記第2送信手段により送信された前記経路情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が受信した前記経路情報に基づいて、走行経路の案内を行う経路案内手段と、を備える
ことを特徴とするデータ通信システム。
【請求項2】
前記データ記憶装置は、前記識別情報を特定可能な特定情報を前記第1車載装置に送信する特定情報送信手段を備え、
前記第1送信手段は、前記データ記憶装置から受信した前記特定情報から特定される前記識別情報を、前記所定の識別情報とする
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ通信システム。
【請求項3】
第1車載装置と、第2車載装置と、前記第1車載装置および前記第2車載装置それぞれとデータ通信可能に構成されたデータ記憶装置と、からなるデータ通信システムであって、
前記第1車載装置は、
車両が走行した経路を示す経路情報を取得する経路情報取得手段と、
前記経路情報取得手段により取得された前記経路情報と関連付けられる識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記経路情報取得手段により取得された前記経路情報と、前記識別情報取得手段により取得された前記識別情報と、を前記データ記憶装置に送信する第1送信手段と、を備え、
前記データ記憶装置は、
前記第1送信手段により送信された前記経路情報および前記識別情報を受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段が受信した前記経路情報および前記識別情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記経路情報のうち、所定の前記識別情報に関連付けられた前記経路情報を、前記第2車載装置に送信する第2送信手段と、を備え、
前記第2車載装置は、
前記第2送信手段により送信された前記経路情報を受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段が受信した前記経路情報に基づいて、走行経路の案内を行う経路案内手段と、を備える
ことを特徴とするデータ通信システム。
【請求項4】
前記第2車載装置は、前記識別情報を特定可能な特定情報を前記データ記憶装置に送信する特定情報送信手段を備え、
前記第2送信手段は、前記第2車載装置から受信した前記特定情報から特定される前記識別情報を、前記所定の識別情報とする
ことを特徴とする請求項3に記載のデータ通信システム。
【請求項5】
前記第1送信手段は、予め設定された時刻にて、前記経路情報と、前記経路情報と関連付けられた前記識別情報と、を前記データ記憶装置に送信する
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のデータ通信システム。
【請求項6】
前記識別情報は、前記車両の搭乗者を識別する情報である
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のデータ通信システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載されたデータ通信システムを構成する第1車載装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載されたデータ通信システムを構成する第2車載装置。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれかに記載されたデータ通信システムを構成するデータ記憶装置。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図2】
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【図5】
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【図9】
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【図12】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−300389(P2009−300389A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158232(P2008−158232)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】