説明

ナビゲーション装置、画面表示制御方法

【課題】画面の表示態様に関する設定の変更をより上手く行えるようにユーザを助ける。
【解決手段】ナビゲーション装置は、表示装置20に、平面地図500と現在地マーク510を表示する。画面の設定変更を行うユーザの指示を受け付けると、ナビゲーション装置は、操作メニュー600を平面地図500に重畳して表示する。操作メニュー600には透過領域602が設けられており、平面地図500が透過領域602内に表示される。操作メニュー600を表示すると、ナビゲーション装置は、現在地マーク510が透過領域602に含まれるように、現在地マーク510および平面地図500を徐々にスクロールして表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等に搭載されるナビゲーション装置、およびその画面表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種設定の変更や各種機能の実行の指示を受け付けるための操作メニューを、地図に重畳させてディスプレイに表示し、ユーザの指示を受け付けるナビゲーション装置が知られている。
【0003】
また、車両の現在地、経路、道路や都市の名称、アイコン、地図などの各種情報を、それぞれ別のレイヤの情報として読み出せるように記憶し、それぞれのレイヤの情報を重ねてディスプレイに表示するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−37128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、画面の表示態様に関する設定(例えば、コントラスト、明るさ、色調、カラーデザインなど)を、ユーザの操作により変更可能なナビゲーション装置がある。このような設定を変更する場合、地図の表示はナビゲーション装置における主要な機能であるため、ユーザは、地図の表示態様を考慮しながら操作メニューを操作することができれば便利である。
【0006】
しかしながら、操作メニューが地図に重畳されて表示されると、ユーザは、設定変更を行いながら地図を見ることができず、不便である。
【0007】
そこで、例えば、操作メニューに、地図の表示例やサンプルを表示するようにすれば、ユーザは、操作しながら地図の表示態様を確認することができる。しかしながら、地図の表示例やサンプルは、実際に表示される現在地周辺の地図とは異なる。そのため、画面の表示態様に関する設定変更を行った結果がユーザの予想していないものであることがある。
【0008】
本発明は、画面の表示態様に関する設定の変更をより上手く行えるようにユーザを助ける技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するための装置に係る発明は、ディスプレイを有するナビゲーション装置であって、現在地を算出する現在地算出手段と、前記現在地の周辺の地図と、前記現在地とを前記ディスプレイに表示する地図表示手段と、ユーザの指示を受け付けるための操作メニューを、前記現在地および前記地図に重ねて前記ディスプレイに表示する操作メニュー表示手段と、を有し、前記操作メニュー表示手段は、前記操作メニューの表示領域に前記地図が表示できる透過領域を設け、前記地図表示手段は、前記現在地が前記透過領域に含まれるように、前記現在地および前記地図をスクロールして表示することを特徴とする。
【0010】
上記のナビゲーション装置において、前記地図表示手段は、前記地図を鳥瞰表示しているときに前記操作メニューが表示された場合、鳥瞰表示した地図を平面表示に切り換えることを特徴とするものであってもよい。
【0011】
また、上記のナビゲーション装置において、前記地図表示手段は、前記地図を鳥瞰表示しているときに前記操作メニューが表示された場合、鳥瞰の俯角を所定の角度に変更して地図を表示することを特徴とするものであってもよい。
【0012】
また、上記のナビゲーション装置であって、前記地図表示手段は、前記操作メニューが表示された場合、前記地図を所定の縮尺に変更して表示することを特徴とするものであってもよい。
【0013】
また、上記のナビゲーション装置であって、ユーザの操作を受け付けるユーザ操作受付手段を有し、前記操作メニューは、画面の表示態様を変更するための指示を受け付けるためのメニューであり、前記地図表示手段は、前記操作メニュー上の操作に従って、画面の表示態様を変更して表示することを特徴とするものであってもよい。
【0014】
上記の課題を解決するための方法に係る発明は、ディスプレイを有するナビゲーション装置における画面表示制御方法であって、前記ナビゲーション装置は、現在地を算出する現在地算出ステップと、前記現在地の周辺の地図と、前記現在地とを前記ディスプレイに表示する地図表示ステップと、ユーザの指示を受け付けるための操作メニューを、前記現在地および前記地図に重ねて前記ディスプレイに表示する操作メニュー表示ステップと、を行い、前記操作メニュー表示ステップは、前記操作メニューの表示領域に前記地図が表示できる透過領域を設け、前記地図表示ステップは、前記現在地が前記透過領域に含まれるように、前記現在地および前記地図をスクロールして表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、画面の表示態様に関する設定の変更をより上手く行えるようにユーザを助けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態が適用されたナビゲーション装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図である。
【0018】
ナビゲーション装置1は、車両などに搭載され、地図情報、経路情報、渋滞情報などの交通情報を表示してユーザを誘導するナビゲーション処理を行うための装置である。
【0019】
もちろん、ナビゲーション装置1は、車両に備え付けられたものでなくてもよく、例えば、持ち運び可能なPND(Personal Navigation Device)などであってもよい。
【0020】
ナビゲーション装置1は、演算処理部10、表示装置20、入力装置30(タッチパネル31、各種ハードスイッチ32)、音声入出力装置40(スピーカ41、マイクロフォン42)、記憶装置50、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS(Global Positioning System)受信装置64、FM多重放送受信装置66、ビーコン受信装置68を有する。
【0021】
もちろん、ナビゲーション装置1は、上記の構成に限られず、例えば、地上デジタル放送用のチューナーや、携帯電話回線やインターネットなどの通信ネットワークと接続する通信装置を有していてもよい。また、ナビゲーション装置1は、車内LAN(Local Area Network)、CAN(Controller Area Network)などの車内通信回線を介して他の車載機器(例えば、オーディオやエアコン)、ECU(Electronic Control Unit)、センサなどと通信を行ってもよい。
【0022】
演算処理部10は、上記の各装置を制御し、様々な処理を行う中心的ユニットである。演算処理部10は、例えば、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)11と、実行するプログラムや必要なデータを格納するRAM(Random Access Memory)12やROM(Read Only Memory)13などのメモリと、他の装置を通信により制御するためのインタフェース(I/F)14とが、信号線15により接続されて構成される。
【0023】
演算処理部10は、例えば、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS受信装置64から出力される情報を用いて現在地を算出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図情報52を記憶装置50から読み出す。
【0024】
また、演算処理部10は、読み出した地図情報52をグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねて表示装置20へ表示する。また、地図情報52を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を算出して、表示装置20へ表示する。
【0025】
また、演算処理部10は、例えば、スピーカ41を介してユーザを誘導するための音声や操作音を出力する。また、マイクロフォン42や入力装置30を介してユーザの要求を受け付け、要求に対応する処理を実行する。
【0026】
また、演算処理部10は、例えば、FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して、情報センターから交通情報などを受信して表示装置20へ表示する。
【0027】
表示装置20は、演算処理部10で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。表示装置20は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどで構成される。
【0028】
入力装置30は、ユーザの指示をユーザの操作により受け付けるための装置である。入力装置30は、タッチパネル31、各種ハードスイッチ32などで構成される。
【0029】
タッチパネル31は、表示装置20の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル31は、表示装置20に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して演算処理部10に出力する。タッチパネル31は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。
【0030】
各種ハードスイッチ32は、例えば、ボタンキー(ボタンスイッチ)、ダイヤルスイッチ、スクロールホイール、スライドバー(スライドスイッチ)、ジョイスティックなどである。
【0031】
ボタンキーは、例えば、メニュー表示、ルート探索、決定、取り消しなど、予め割り当てられた所定の機能を実行するために使用される。また、文字などを入力するために使用される。各ボタンキーは、押下された状態で所定の信号を発生し、演算処理部10に出力する。演算処理部10では、出力された信号から、押下されたボタンキーを検知する。
【0032】
ダイヤルスイッチは、例えば、ナビゲーション装置1が実行する各種機能のメニュー選択などに使用される。ダイヤルスイッチは、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部10に出力する。演算処理部10では、パルス信号の数から、ダイヤルスイッチの回転角度を求める。
【0033】
もちろん、各種ハードスイッチ32は上記に限られない。また、各種ハードスイッチ32の構成は上記に限られない。
【0034】
音声入出力装置40は、音声出力装置としてスピーカ41と、音声入力装置としてマイクロフォン42とを備える。スピーカ41は、演算処理部10で生成された音声信号を出力する。マイクロフォン42は、ユーザその他の搭乗者から発せられた音声などの、ナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0035】
スピーカ41とマイクロフォン42とは、車両の所定の部位に、別個に配置されている。もちろん、スピーカ41とマイクロフォン42とは、一体の筐体に収納されていてもよい。また、ナビゲーション装置100は、スピーカ41およびマイクロフォン42を、それぞれ複数備えることができる。
【0036】
記憶装置50には、演算処理部10が各種処理を実行するために必要な、プログラムやデータ(図示せず)、ナビゲーション処理に使用される地図情報52、音声認識に使用される音声辞書(図示せず)などが格納される。演算処理部10のCPU11によってRAM12上に読み出されて使用される。記憶装置50は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD-ROMなどにより構成される。
【0037】
車速センサ60、ジャイロセンサ62、及び、GPS受信装置64は、移動体(ナビゲーション装置1)の現在位置(自車位置)などを検出するために使用される。
【0038】
車速センサ60は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ62は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置64は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在位置や進行速度を測定する。
【0039】
上記のようにして検出されたデータは、演算処理部10に送られて、ナビゲーション処理に使用される。もちろん、各種センサは、車内LANやCANを介してナビゲーション装置1と接続されていてもよい。
【0040】
FM多重放送受信装置66は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などのFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0041】
ビーコン受信装置68は、ビーコンから送られてくる渋滞情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0042】
図2は、ナビゲーション装置の機能構成を示すブロック図である。
【0043】
本図に示すように、ナビゲーション装置1は、主制御部110、現在地算出部120、経路探索部130、表示制御部140、ユーザ操作受付部150を有する。
【0044】
主制御部110、現在地算出部120、経路探索部130、表示制御部140、ユーザ操作受付部150は、演算処理部10のCPU11が、記憶装置50やROM13から、所定のプログラムやデータをRAM12上にロードして実行することにより構築される。
【0045】
主制御部110は、ナビゲーション装置1の本来の基本動作であるナビゲーション処理(例えば、交通情報の表示、現在位置の表示、経路の表示、経路誘導等)を行う。
【0046】
具体的には、主制御部110は、現在地算出部120が算出した現在地周辺の地図情報を記憶部180から読み出す。そして、読み出した地図情報に現在地情報を重ねて表示するように表示制御部140に指示する。
【0047】
また、主制御部110は、経路探索部130が算出した経路情報がある場合は、その経路を表示するように表示制御部140に指示する。FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して取得した交通情報を表示するようにしてもよい。また、主制御部110は、スピーカ41を用いてユーザを案内する音声を出力する。
【0048】
また、主制御部110は、ユーザ操作受付部150を介して受け付けたユーザの操作に対応する処理を行う。すなわち、主制御部110は、タッチパネル31や各種ハードスイッチ32の操作をユーザ操作受付部150を介して受け付け、選択されたメニュー項目やアイコン、ハードスイッチ32に対応付けられた各種機能を実行する。そして、実行結果を表示するように表示制御部140に指示する。例えば、主制御部110は、操作メニューの切り換え、地図のスクロール、地図の拡大縮小などを制御する。
【0049】
現在地算出部120は、所定の間隔毎(例えば、所定距離毎、所定時間毎)に、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS受信装置64から出力される情報を用いて現在地を算出する。算出された現在地情報は、主制御部110、経路探索部130などに送られてそれらの処理に使用される。
【0050】
経路探索部130は、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ推奨経路の探索を行う。
【0051】
具体的には、経路探索部130は、まず、ユーザ操作受付部150を介してユーザにより指定された目的地を取得する。また、現在地算出部120から現在地を取得する。また、地図情報を記憶部180から読み出す。そして、ダイクストラ法等を用いて、2地点(現在地と目的地)間を結ぶ経路を、所定の地点(ノード)を結ぶ道路(リンク)をリンクコスト(例えば、距離や旅行時間)に換算して、経路上の総コストが他の経路に対して最少となる経路を探索する。
【0052】
なお、FM多重放送受信装置66やビーコン受信装置68を介して取得した交通情報を用いて最適な経路を探索するようにしてもよい。
【0053】
表示制御部140は、他の機能部の指示を受け付け、表示装置20に画面を表示させるための描画コマンドを生成して出力する。例えば、指定されたスケール、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、経由地、目的地、推奨経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。また、ユーザの指示を受け付けるためのアイコンや操作メニューなどの画像を描画するように描画コマンドを生成する。
【0054】
ここで、地図および操作メニューの表示制御方法について説明する。
【0055】
本実施形態では、図3(A)に示すように、操作メニュー300と地図310は、それぞれ別のレイヤに属するイメージデータとして制御される。主制御部110は、それぞれのレイヤのイメージデータを表示するように表示制御部140に指示する。表示制御部140は、下位のレイヤのイメージデータに上位のレイヤのイメージデータが重畳されるように描画コマンドを生成する。このようにして、地図310に操作メニュー300のイメージデータが重畳されて、1つの画面として表示装置20に表示される。
【0056】
操作メニュー300には、所定の位置に、所定の面積の透過領域302が設けられている。透過領域302は、操作メニュー300内に下位のレイヤのイメージデータを表示するための領域である。透過領域302は、例えば、画面のコントラスト、明るさ、色調、カラーデザイン、地図のデザインなどの、画面の表示態様に関する設定を行うための操作メニュー上に予め設けられる。このような操作メニュー300を用いることにより、図3(B)に示すように、下位レイヤの地図310が上位レイヤの操作メニュー300内に含まれて、表示装置20に画面が表示されることができる。
【0057】
なお、上記では、地図310と操作メニュー300の2つのレイヤについて説明したが、もちろん、現在地、経路情報などの各種情報ごとにレイヤがあってもよい。また、操作メニューのレイヤは、操作メニューごとに複数あってもよい。複数の操作メニューレイヤを用いる場合、それぞれの操作メニュー300の透過領域302が重畳するように設けることで、下位レイヤの地図310が、最上位レイヤの操作メニュー300内に含まれて、表示装置20に画面が表示されることができる。
【0058】
図2に戻って説明する。ユーザ操作受付部150は、入力装置30を介して入力されたユーザの操作を受け付け、その操作内容を解析し、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部を制御する。また、マイクロフォン42を介して入力された音声から、音声認識により対応する操作内容を解析して、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部を制御する。
【0059】
例えば、表示装置20に表示された操作メニュー上のメニュー項目の選択を検出した場合、ユーザ操作受付部150は、主制御部110に、選択されたメニュー項目の内容を出力し、当該メニュー項目に割り当てられた機能を実行するように要求する。例えば、操作メニューの階層の切り換えや、目的地の設定を受け付けるための画面を表示などの処理を要求する。同様に、各種ハードスイッチ32の操作を検出したときも、ユーザ操作受付部150は、主制御部110に、操作内容を出力し、対応する機能を実行するように要求する。
【0060】
次に、上述のハードウェアおよび機能部により実現される処理について、図4を参照して説明する。
【0061】
図4は、第1の実施形態に係る、操作メニューを表示する処理の流れを示すフロー図である。本フローは、ナビゲーション装置1の起動後に開始される。
【0062】
本フローが開始されると、ユーザ操作受付部150は、ユーザにより操作メニューを表示する指示がされたか否かを監視する(S110)。
【0063】
具体的には、ユーザ操作受付部150は、入力装置30やマイクロフォン42を介して、操作メニューを表示する指示がされた否かを判定する。そして、ユーザの指示があったと判定した場合(S110でYES)、S120に進む。一方、ユーザの指示がないと判定した場合(S110でNO)、監視を継続する。
【0064】
なお、平面表示が設定されている場合、地図画面は、例えば、図5(A)に示すように表示される。本図に示すように、表示装置20には、平面地図500に現在地マーク510が重畳されて表示される。一方、鳥瞰表示が設定されている場合、地図画面は、例えば、図6(A)に示すように表示される。本図に示すように、表示装置20には、立体地図560に現在地マーク570が重畳されて表示される。また、立体地図560と併せて空を表現したイメージ550が表示される。また、立体地図560上には、例えば、建物A、B、Cのイメージが重ねて表示される。
【0065】
図4に戻って説明する。ユーザの操作があったと判定された場合(S110でYES)、主制御部110は、地図の表示方法が鳥瞰表示であるか否かを判定する(S120)。そして、鳥瞰表示であると判定した場合(S120でYES)、S130に進む。一方、鳥瞰表示でないと判定した場合(S120でNO)、S140に進む。
【0066】
鳥瞰表示であると判定した場合(S120でYES)、主制御部110は、地図の表示方法を平面表示に切り換える(S130)。具体的には、主制御部110は、平面表示用の地図情報を記憶装置50から読み出して表示するように表示制御部140に指示する。そして、S140に進む。
【0067】
なお、鳥瞰表示を平面表示に切り換えることにより、後述する操作メニュー600の透過領域602内の大部分に、空を表現したイメージ550が表示され、立体地図560や現在地マーク570がほとんど表示されないという状態を防ぐことができる。
【0068】
鳥瞰表示でないと判定した場合(S120でNO)、または、鳥瞰表示を平面表示に切り換えた場合(S130)、主制御部110は、操作メニューを表示する(S140)。具体的には、主制御部110は、地図に操作メニューを重ねて表示するように表示制御部140に指示する。
【0069】
地図の平面表示が行われている状態で操作メニューを表示するユーザの指示があった場合(S120でNO)、例えば、図5(A)から(B)の遷移に示すように、操作メニュー600が地図500に重畳されて表示される。
【0070】
操作メニュー600は、透過領域602を有しており、平面地図500が透過領域602内に表示される。透過領域602は、ユーザが地図を確認しながら操作を行い易いように、例えば、操作メニュー600の上端の辺に沿うように配置された矩形の領域である。操作メニュー600には、例えば、画面の明度やコントラストを変更するためのスライドバーや、画面のデザイン(カラーデザインやスキン)を変更するためのボタンなどが設けられている。
【0071】
上記のような操作メニュー600上の操作を、主制御部110は、ユーザ操作受付部150を介して受け付ける。そして、画面の明度やコントラストを変更するように制御したり、画面のデザインを変更して表示したりする。もちろん、操作メニュー600の構成は上記に限られない。
【0072】
一方、地図の鳥瞰表示が行われている状態で操作メニューを表示するユーザの指示があった場合(S120でYES)、地図は平面表示に切り換えられ(S130)、例えば、図6(A)から(B)の遷移に示すように、操作メニュー600が平面地図500に重畳されて表示される。操作メニュー600の構成は、上記と同様である。
【0073】
このとき、透過領域602は、操作メニュー600の上端の辺の付近に設けられているため、透過領域602内には、平面地図500の上側の一部分が表示される。
【0074】
図4に戻って説明する。上記のようにして操作メニューを表示すると(S140)、主制御部110は、地図をスクロールする(S150)。具体的には、主制御部110は、例えば、図5(B)から(C)、図6(B)から(C)の遷移に示すように、現在地算出部120から取得した現在地に対応する現在地マーク510が、透過領域602内に含まれるように、平面地図500および現在地マーク510をスクロールして表示する。透過領域602内の現在地マーク510の位置は、例えば、透過領域602の中央付近とすることができる。このとき、スクロールしたことをユーザに通知するメッセージを表示したり、音声出力したりするようにしてもよい。そして、本フローを終了する。
【0075】
なお、ユーザの設定操作が終了し、操作メニュー600が非表示とされた場合、主制御部110は、現在地マーク510がスクロール(S150)前の位置に来るように、平面地図500および現在地マーク510を表示する。また、地図を平面表示に切り換えた場合(S130)は、平面表示を鳥瞰表示に戻す。
【0076】
また、透過領域602の透過度は、100%に限られず、0〜100%に変更可能であってもよい。この場合、S140において、主制御部110は、操作メニュー600について予め指定された透過度で透過領域602を表示するように制御する。例えば、ナビゲーション装置1が主にオーディオなどの設定を行なうために使用される場合、透過領域602の透過度が0%になるように予め設定しておけば、操作メニュー600内にはオーディオなどの設定画面が表示されなくなる。透過度の設定は、例えば、工場やディーラーにおいて設定されるようにすることができる。もちろん、ユーザの好みに応じて変更できてもよい。
【0077】
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。第1の実施形態によれば、画面の表示態様に関する設定の変更をより上手く行えるようにユーザを助けることができる。
【0078】
すなわち、透過領域を設けた操作メニューが地図に重畳されて表示される。そして、透過領域内には、現在地と現在地周辺の情報が表示されるように地図がスクロールされる。
【0079】
このような構成により、ユーザは、サンプル画像ではなく、実際に表示される地図を見ながら、また、視認する時間の多い現在地マークや現在地付近の地図を確認しながら、画面の表示態様に関する設定変更を行うことができる。そのため、ユーザは、希望通りの表示態様を感覚的に簡単に設定し易くなる。
【0080】
次に、上記の第1の実施形態の変形例について、図面を参照して説明する。本変形例は、操作メニューを表示した場合に、地図をスクロールするだけでなく、縮尺を変更する構成としたものである。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0081】
図7は、変形例に係る、操作メニューを表示する処理の流れを示すフロー図である。第1の実施形態(図4)と異なる点は、S150がS150´となっている点である。
【0082】
すなわち、操作メニューを表示すると(S140)、主制御部110は、地図をスクロールするとともに、地図の縮尺を変更する(S150´)。具体的には、主制御部110は、例えば、図8(B)から(C)の遷移に示すように、現在地算出部120から取得した現在地に対応する現在地マーク510が、透過領域602内に含まれるように、平面地図500および現在地マーク510をスクロールして表示する。
【0083】
また、主制御部110は、表示している平面地図500を所定の縮尺の地図に変更して表示する。本図では、平面地図500を、縮尺の小さい地図(広域地図)から縮尺の大きい地図(詳細地図)に変更して表示している。もちろん、縮尺の小さい地図に変更して表示するようにしてもよい。なお、スクロールおよび縮尺の変更は、並行して行うようにしてもよいし、いずれか一方を先に行うようにしてもよい。
【0084】
上記の所定の縮尺は、条件に応じて変更されるようにしてもよい。具体的には、例えば、地図情報から特定可能な地理的エリアの種別(例えば、都市、郊外など)ごとに、採用すべき縮尺を予め対応付けておく。そして、操作メニューが表示された場合、主制御部110は、現在地が位置する地理的エリアの種別を特定し、平面地図500を対応する縮尺に変更して表示する。
【0085】
以上、本発明の第1の実施形態の変形例について説明した。本変形例によれば、第1の実施形態と同様に、地図等のデザインの設定変更をより上手く行えるようにユーザを助けることができる。
【0086】
すなわち、透過領域内には、現在地と現在地周辺の情報が表示されるように地図がスクロールされる。また、地図が所定の縮尺に変更される。
【0087】
このような構成により、画面の表示態様の変更を行う際に適切な縮尺の地図が表示されることができるため、ユーザは、希望通りの表示態様を感覚的に簡単に設定し易くなる。
【0088】
例えば、現在地が、地図情報を構成する各種構成物が少ない地理的エリアに位置する場合に、縮尺の小さい地図(広域地図)を表示するようにすれば、ユーザは、様々な構成物の見易さなどを考慮しながら設定変更を行うことができる。
【0089】
以上、本発明について、例示的な実施形態と関連させて記載した。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかであることは明白である。したがって、上に記載の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。
【0090】
例えば、上記の実施形態および変形例では、操作メニューを表示する際に、鳥瞰表示を平面表示に切り換えるようにしている(図4、5のS130)が、鳥瞰表示のまま、鳥瞰の俯角を変化させるようにしてもよい。
【0091】
具体的には、透過領域602内に、空を表現したイメージ550と立体地図560の両方がバランスよく(例えば、2対8の割合で)表示されるように、俯角を変化させる。このようにすれば、ユーザは、空を表現したイメージ550と立体地図560の両方を確認しながら、希望する表示態様の設定を行うことができる。
【0092】
また、鳥瞰表示の場合、例えば、透過領域602の横方向の中央付近が消失点となるように、鳥瞰の横方向のアングル調整を行うようにしてもよい。もちろん、俯角の変更と、横方向のアングル調整を併せて行うようにしてもよい。
【0093】
また、上記の実施形態および変形例において、地図のスクロール、縮尺の変更、俯角の変更を、処理の途中経過をユーザが視認できるように、徐々に行うようにしてもよい。また、操作メニューを、それらの処理の後に表示するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザは、地図の表示態様がどのように変化したのかを認識し易くなる。操作メニューを表示するタイミング(例えば、上記の処理の前か後か)を、ユーザが設定できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】ナビゲーション装置のハードウェア構成の概要を示すブロック図。
【図2】ナビゲーション装置の機能構成を示すブロック図。
【図3】操作メニューレイヤと地図レイヤの関係を説明するための図。
【図4】第1の実施形態に係る、操作メニューを表示する処理の流れを示すフロー図。
【図5】平面表示の場合の操作メニューの表示の遷移例を示す図。
【図6】鳥瞰表示の場合の操作メニューの表示の遷移例を示す図。
【図7】変形例に係る、操作メニューを表示する処理の流れを示すフロー図。
【図8】変形例に係る、平面表示の場合の操作メニューの表示の遷移例を示す図。
【符号の説明】
【0095】
1:ナビゲーション装置、10:演算処理部、11:CPU、12:RAM、13:ROM、14:I/F、15:信号線、20:表示装置、30:入力装置、31:タッチパネル、32:ハードスイッチ、40:音声入出力装置、41:スピーカ、42:マイクロフォン、50:記憶装置、60:車速センサ、62:ジャイロセンサ、64:GPS受信装置、66:FM多重放送受信装置、68:ビーコン受信装置、
110:主制御部、120:現在地算出部、130:経路探索部、140:表示制御部、
300:操作メニュー、302:透過領域、310:地図、
500:平面地図、510:現在地マーク、550:イメージ、560:立体地図、570:現在地マーク、600:操作メニュー、602:透過領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイを有するナビゲーション装置であって、
現在地を算出する現在地算出手段と、
前記現在地の周辺の地図と、前記現在地とを前記ディスプレイに表示する地図表示手段と、
ユーザの指示を受け付けるための操作メニューを、前記現在地および前記地図に重ねて前記ディスプレイに表示する操作メニュー表示手段と、を有し、
前記操作メニュー表示手段は、
前記操作メニューの表示領域に前記地図が表示できる透過領域を設け、
前記地図表示手段は、
前記現在地が前記透過領域に含まれるように、前記現在地および前記地図をスクロールして表示すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ディスプレイを有するナビゲーション装置であって、
現在地を算出する現在地算出手段と、
前記現在地の周辺の地図と、前記現在地とを前記ディスプレイに表示する地図表示手段と、
ユーザの指示を受け付けるための操作メニューを、前記現在地および前記地図に重ねて前記ディスプレイに表示する操作メニュー表示手段と、を有し、
前記操作メニュー表示手段は、
前記操作メニューの表示領域に前記地図が表示できる透過領域を設け、
前記地図表示手段は、
前記地図を鳥瞰表示しているときに前記操作メニューが表示された場合、鳥瞰表示した地図を平面表示に切り換え、前記現在地が前記透過領域に含まれるように、前記現在地および前記地図をスクロールして表示すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記地図表示手段は、
前記地図を鳥瞰表示しているときに前記操作メニューが表示された場合、鳥瞰の俯角を所定の角度に変更して地図を表示すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記地図表示手段は、
前記操作メニューが表示された場合、前記地図を所定の縮尺に変更して表示すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
ユーザの操作を受け付けるユーザ操作受付手段を有し、
前記操作メニューは、
画面の表示態様を変更するための指示を受け付けるためのメニューであり、
前記地図表示手段は、
前記操作メニュー上の操作に従って、画面の表示態様を変更して表示すること、
を特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
ディスプレイを有するナビゲーション装置における画面表示制御方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
現在地を算出する現在地算出ステップと、
前記現在地の周辺の地図と、前記現在地とを前記ディスプレイに表示する地図表示ステップと、
ユーザの指示を受け付けるための操作メニューを、前記現在地および前記地図に重ねて前記ディスプレイに表示する操作メニュー表示ステップと、を行い、
前記操作メニュー表示ステップは、
前記操作メニューの表示領域に前記地図が表示できる透過領域を設け、
前記地図表示ステップは、
前記現在地が前記透過領域に含まれるように、前記現在地および前記地図をスクロールして表示すること、
を特徴とする画面表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−287973(P2009−287973A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138329(P2008−138329)
【出願日】平成20年5月27日(2008.5.27)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】