説明

ナビゲーション装置

【課題】表示手段に表示された地図上で所望の位置を指定して地点設定する際、指定された位置の近傍に地点設定メニュー画像を表示し操作性を改善する。
【解決手段】ナビゲーション装置1は、表示された地図上の地点を指定する入力手段13と、入力手段13により指定された地点を特定する地点位置検出手段16と、地点位置検出手段16が特定した地点を設定する項目を選択するためのメニュー画像38の表示位置を決定するメニュー表示位置決定手段17と、タッチ操作された表示画面上の位置を指すに地点設定マーク36を表示するマーク表示手段18と、を備え、メニュー表示位置決定手段17は、地点設定マーク36の表示位置を検出し、該地点設定マーク36の表示位置に応じて、メニュー画像38の表示位置を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の出発地から目的地までの案内経路を探索し、表示部に表示した地図上に案内経路や現在位置を表示して経路案内を行うナビゲーション装置に関するものであり、特に、表示された地図上の地点を指定して、その地点を目的地や経由地として設定する際、地図上における指定された地点に地点設定マークを表示するとともに、地点マークの表示領域を判別し、地点マークが表示された表示領域の上下、または左右の対向する表示領域側に地点設定メニュー画像を表示するようにしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等で道路を走行する場合に、目的地に至るまで現在位置を求め、表示画面上に道路地図とともに現在位置を表示し、ユーザが道に迷うことなく目的地に到達できるように誘導する車載用のナビゲーション装置が知られている。また、携帯電話などの携帯端末装置を用いた歩行者用ナビゲーションシステムも提供されている。このナビゲーションシステムは携帯端末装置と経路探索サーバとから構成された通信型のナビゲーションシステムである。
【0003】
車載用ナビゲーション装置においては、運転操作を妨げることなく操作できるように表示部にタッチパネルを備え、各種操作を行えるように考慮されているものも提供されている。このようなナビゲーション装置においては、表示部に表示されたメニュー画面上で所望の選択項目を選択して機能選択や切替え処理をしたり、表示部に表示された地図画像上で所望の地点を指定したりして、目的地や経由地を設定することができる。
【0004】
例えば、下記の特許文献1(特開平6−665484号公報)には、表示部に表示された地図画像上で所望の地点をタッチ操作により指定して、目的地や経由地を設定する車両用経路誘導装置の発明が開示されている。この車両用経路誘導装置は、地名索引による地図表示画面において、「登録」、「目的地」の操作キー表示を行い、この「登録」キーがタッチされた場合には、そのときの地図表示上で地点登録の処理を行い、また、「目的地」キーがタッチされた場合には、そのときの地図表示上で目的地設定が行えるように構成されたものである。
【0005】
同様に、下記の特許文献2(特開2003−157135号公報)には、タッチパネルを併設したナビゲーション装置の発明が開示されている。このナビゲーション装置は、タッチパネルを併設し、表示された複数の選択項目からタッチ操作により所定の項目を選択可能な情報表示装置において、表示画面上に表示された複数の選択項目の座標とタッチ位置座標から選択項目を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された選択項目を表示画面中心に表示する制御手段と、を備えるように構成されたものである。
【0006】
更に、下記の特許文献3(特開2002−328028公報)には、直観的な操作でマークの生成を行うことが可能なナビゲーション装置の発明が開示されている。このナビゲーション装置は、表示部に地図とともに特定の処理と関連付けられたマーク設定ボタン、目的地設定ボタン、経由地設定ボタン、消去ボタン等のコントロールボタンを表示させる。そして、タッチパネルにて特定のマーク設定ボタンと地図M上の任意の座標とがドラッグ操作によって指定されたときに、指定された座標に対応する地図M上の位置にマーク生成処理部がマークオブジェクトを生成し、表示することで所望の地点を設定できるように構成されたものである。
【特許文献1】特開平6−665484号公報
【特許文献2】特開2003−157135号公報
【特許文献3】特開特開2002−328028公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
一般的に表示手段に表示された地図画像を用いて所望の地点を目的地などとして設定しようとする場合、先ず、地図画像をスクロールさせたり、所望の地点の周辺の目標となるランドマーク検索により地図画像を表示させたりして、次に所望の地点をタッチパネル上で指定する操作を行うようにされる。
【0008】
地点設定にあたっては、出発地の設定、目的地の設定、経由地の設定、地点の登録などいくつかの設定処理の項目があり、従来は上記特許文献1〜特許文献3に開示された技術のように、それらの選択を行う選択項目ボタンを表示し、項目選択を行った後にタッチパネルを用いて地図画像上で所望の地点を指定したり、逆に所望の地点を指定した後、選択項目ボタンを操作して地点設定の処理を行ったりする。
【0009】
しかしながら、上記特許文献1〜特許文献3に開示された技術を適用した場合、選択項目ボタンの表示位置は、画面上の固定された位置に表示されるため、地図画像上で指定しようとする地点(位置)に対して、選択項目ボタンの表示位置が離れて表示される場合もあり、操作性が必ずしもよくないという問題点があった。
【0010】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、表示手段に表示された地図上で目的地や経由地を設定する際、指定された地点に地点設定マークを表示するとともに、地点マークの表示領域を判別し、地点マークが表示された表示領域の上下、または左右の対向する表示領域側に地点設定メニュー画像を表示するようになせば、上記の問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は上記の問題点を解消することを課題とし、表示手段に表示された地図上で所望の地点を指定して地点設定を行う際、指定された地点の近傍に地点設定メニュー画像を表示し操作性を改善したナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
表示手段に表示された地図上の地点を指定する入力手段と、該入力手段により指定された地点を特定する地点位置検出手段と、該地点位置検出手段が特定した地点を設定する項目を選択するためのメニュー画像の表示位置を決定するメニュー表示位置決定手段と、前記指定された地点を指す地点設定マークを表示するマーク表示手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記メニュー表示位置決定手段は、前記地点設定マークの表示位置を検出し、該地点設定マークの表示位置に応じて、前記メニュー画像の表示位置を決定することを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記メニュー画像は、前記地点設定マークから吹き出し表示されることを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかる発明において、前記表示手段の表示画面はその表示領域が所定数の象限に区分され、前記メニュー表示位置決定手段は、前記地点設定マークが表示された表示位置の象限を検出し、該検出された象限に対向する上下方向、または、左右方向の象限側に前記メニュー画像表示位置を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1にかかる発明においては、前記メニュー表示位置決定手段は、前記地点設定マークの表示位置を検出し、該地点設定マークの表示位置に応じて、前記メニュー画像の表示位置を決定する。
【0016】
かかる構成によれば、地点設定したい所望の地点が表示画面のどの表示領域にあっても、該地点設定したい所望の地点に地点設定マークと地点設定のメニュー画像が近接して表示されるから、使い勝手が良く、地点設定の操作性を改善することができるようになる。
【0017】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、メニュー画像は、地点設定マークから吹き出し表示されるから、地点設定マークと地点設定のメニュー画像が近接して表示され、使い勝手が良く、地点設定の操作性を改善することができるようになる。
【0018】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、表示手段の表示画面はその表示領域が所定数の象限に区分され、前記メニュー表示位置決定手段は、前記地点設定マークが表示された表示位置の象限を検出し、前記検出された象限に対向する上下方向、または、左右方向の象限側に前記メニュー画像表示位置を決定する。
【0019】
かかる構成によれば、地点設定したい所望の位置が表示画面のどの表示領域にあっても、該地点設定したい所望の位置に地点設定マークと、地点設定マークと地点設定のメニュー画像が近接して表示されるから、使い勝手が良く、地点設定の操作性を改善することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0022】
図1は、本発明の実施例にかかる車載用のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、自動車等の車両のダッシュボード上に載置されることにより車載用として使用されるナビゲーション装置であってもよく、また、車両から取り外されユーザが携帯し使用できるタイプのものであってもよい。以下の説明においては、これらを総称してナビゲーション装置1という。
【0023】
ナビゲーション装置1は、制御手段10、現在位置検出手段11、地図記憶手段12、入力手段13、表示手段14、経路探索手段15、地点位置検出手段16、メニュー表示位置決定手段17、マーク表示手段18を含む表示制御手段19などを備えて構成されている。
【0024】
制御手段10は、CPU、RAM、ROMからなるプロセッサで構成され、RAM、ROMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御する。
【0025】
現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに現在位置情報を算出するものである。
【0026】
さらに、現在位置検出手段11は、舵角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなる自立航法手段を併用するようにしてもよい。この場合、車両の走行距離と走行方位とをそれぞれ検出し、これらの値を基準位置に対して積算することによって現在位置を求める。この現在位置検出方法は、GPS受信と組み合わせることで、GPS電波を受信できないトンネル内や、誤差が生じやすい高層ビル街において効果を発揮する。
【0027】
地図記憶手段12は、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと道路リンクデータを含む道路データを記憶する。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別は、高速道路や有料道路の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。
【0028】
道路データは、高速道路においてはそれぞれの高速道路に設けられたパーキングエリアやサービスエリアなどの特定エリアの位置情報、各特定エリアごとに該特定エリアへの進入路、該特定エリアからの脱出路の情報が含まれる。また、道路データは、高速道路、国道、県道、市区町村道などの道路種別や道路幅員、車線数などの属性情報を備え、上り、下りの進行方向別に地図データとして記憶される。
【0029】
地図記憶手段12に記憶された地図データは、図示しない通信手段を用いてインターネットを介してサーバに接続し、サーバから最新の地図データをダウンロードして更新することができる。
【0030】
図2は、地図データに含まれる道路のデータのデータ構成の一例を示す図である。道路のデータは、図2に示すように、道路(道路名称や道路ID)ごとに、各道路リンクのリンクID、始点ノード、終点ノード、道路の属性情報が記憶される。属性情報には、高速道路や国道、都道府県道などの道路種別や道路の幅員などの情報が記憶される。
【0031】
入力手段13は、各種キーやスイッチ等から構成され、ナビゲーション装置1における入力操作を行うものである。また、入力手段13は、後述する表示手段14にタッチパネルを設けることで、このタッチパネルを用いて入力操作を行うこともできる。
【0032】
表示手段14は、経路案内時に地図画像や地図画像上の案内経路を他の道路と識別可能に表示するものであり、例えば液晶ディスプレイ等で構成される。
【0033】
なお、本実施例においては、タッチパネルを用いた入力操作を行うものとする。
【0034】
経路探索手段15は、入力手段13を介しユーザによって出発地や目的地が指定されると、地図記憶手段12に記憶されている道路データを参照し、出発地から目的地に至る最適経路を探索し、案内経路データを作成するものである。この最適経路の探索は、現在位置またはユーザによって指定された出発地に対応する道路ノードからユーザによって指定された目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法などの各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間などを累積し、総リンク長または総所要時間などが最短となる経路を案内経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを案内経路データとして提供するものである。
【0035】
探索された経路は、表示手段14に地図画像とともに表示され、また、車両の現在位置を示す現在位置マークが地図画像上に重ね合わされて表示される。地図画像は車両の走行に伴ってスクロールされ、現在位置が表示画面の中心となるよう表示される。
【0036】
なお、現在位置検出手段11が検出する位置情報には誤差が含まれるため、現在位置が道路からずれている場合には、図示しないマッチング処理手段によってマッチング処理され、道路上または経路上に位置修正される。
【0037】
地点位置検出手段16は、ユーザがタッチパネルを操作して表示手段14に表示されている地図画像上の所望の地点を指定したとき、ユーザが指定したタッチパネル上の地点と道路データとを比較することで指定された地点を特定する。
【0038】
表示手段14に地図画像を表示して、地図画像上で所望の位置(地点)を指定して目的地や経由地を設定する場合、入力手段13を介して地点入力モードを選択し、設定したい地点が含まれる地図画像を表示する。所望の地点を含む地図画像を表示するには、スクロールカーソルを用いて地図をスクロールさせるか、あるいは近傍のランドマークになる施設を検索してその場所を含む地図画像を表示させればよい。
【0039】
図3は、この手順の概念を示す画面遷移図である。
【0040】
図3に示すように、所望の地点32を含む地図画像が表示されるようにスクロールさせると、表示画像31aから表示画像31bに示すように画面遷移し、所望の地点32の位置にカーソル34及びカーソル34の近傍に地点設定マーク36が表示され、地点設定マーク36をタッチすると地点設定操作を実行すると、表示画面は31cに遷移して地点設定マーク36の近傍に地点設定のメニュー画像38が表示される。地点設定のメニュー画像38は地点設定マーク36から吹き出しにより表示される態様であり、メニュー画像38において目的地設定や地点登録などの選択項目の1つを選択すると、地点設定マーク36が指していた位置が地点として設定される。
【0041】
ここで、地点設定マーク36が指す位置は、カーソル34の表示位置であり、地図画像を大まかにスクロールした段階では、地点設定マーク36が指す位置が地点設定しようとする所望の位置を正しく指していない場合がある。この場合、ユーザは表示されている地図画像上の所望位置にカーソル34を移動させ、あるいは地点設定マーク36をドラッグして移動させる。
【0042】
そのようにすれば移動先の位置が地点設定しようとする位置であるから、ここで利用者が地点設定マーク36をタッチ操作して地点設定操作を実行すると、移動先に表示された地点設定マーク36の近傍に、地点設定のメニュー画像38が表示され、目的地設定や地点登録などの選択項目の1つを選択すると、地点設定マーク36が指していた位置が地点として設定される。
【0043】
このように、地点設定したい所望の位置に地点設定マーク36と、地点設定マーク36から吹き出し表示される地点設定のメニュー画像38が表示されるから、使い勝手が良く、地点設定の操作性が改善される。
【0044】
ところで、地点設定マーク36は表示された地図画像の中央など固定された位置に表示されるものでなく、利用者が地点設定したい位置に表示されるものであるから、地点設定のメニュー画像38を表示画面のどの表示領域に吹き出し表示するかはその都度異なる。そこで、本発明においては、地点設定マーク36の表示位置に応じてメニュー画像38の表示位置を制御する。
【0045】
図4は、この表示位置制御の概念を示す図である。
【0046】
表示画面は、図4(a)に示すように4つの象限、左上から時計回りに第1象限、第2象限、第3象限、第4象限に区分される。そして、地点位置検出手段17は、地点設定マーク36の指す位置、すなわち、カーソル34が表示される位置が表示画面のどの象限にあるかを検出する。
【0047】
地点位置検出手段17は、ユーザがタッチパネルを操作して表示手段14に表示されている地図画像上の所望の地点を指定したときのユーザが指定したタッチパネル上の地点と道路データとを比較して特定した地点に地点設定マーク36の指す位置、すなわち、カーソル34が表示されているものと判定する。
【0048】
メニュー表示位置決定手段18は、地点設定マーク36が表示される象限に応じて、地点設定のメニュー画像38の吹き出し表示の位置や表示方向を決定する。例えば、図3に示す例では、地点設定マーク36が第2象限に表示されているから、メニー画像38は、第1象限、第4象限の方向に吹き出し表示される。
【0049】
この決定は、図4(b)のデータテーブルに従って判断される。図4(b)に示すように、地点設定マーク36の表示位置が第1象限であったら、メニュー画像38の表示位置、方向は、右側および下側方向である第2象限、第3象限とする。また、地点設定マーク36の表示位置が第2象限であったら、メニュー画像38の表示位置、方向は、下側および左側方向である第1象限、第4象限とする。以下、同様に決定される。
【0050】
図5に示す例では、地点設定マーク36が第1象限に表示されているから、メニー画像38は、第2象限、第3象限の方向に吹き出し表示される。
【0051】
図6に示す例では、地点設定マーク36が第4象限に表示されているから、メニー画像38は、第2象限、第3象限の方向に吹き出し表示される。
【0052】
また、地点設定マークの表示態様は図7に示すようにすることもできる。図7において地点設定マーク36は、図3に示す地点設定マーク36と同様のマーク(指の形状)の周囲を枠で囲った態様で表示される。この表示態様によれば、指の形状の部分が正しくタッチ操作されなくても、枠内のどこがタッチ操作されても地点設定マークが操作されたものと判定することができる。
【0053】
なお、メニュー画像38の表示位置は、その画像の大きさに基づいて、地点設定マーク36が表示された位置に対して、表示画面の他の表示領域に表示できればよく、図4に示す処理でなくてもよい。表示領域内における2つの画像の位置関係を相対的に判断して両方の画像が表示領域内に表示できるように決定すればよい。
【0054】
次に、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置1における地点設定時の動作手順を説明する。
【0055】
図8は、ナビゲーション装置1における地点設定時の動作手順を示すフローチャートである。
【0056】
表示手段14に地図画像を表示して、地図画像上で所望の位置(地点)を指定して目的地や経由地を設定する場合、ユーザは、入力手段13を介して地点入力モードを選択し(ステップS101)、設定したい地点が含まれる地図画像を表示する。所望の地点を含む地図画像を表示するためにはタッチパネル上を指でタッチしてカーソルを移動させて地図をスクロールさせたり、リモコンに設けられたジョイスティックを用いて地図をスクロールさせることができる。
【0057】
ステップS102において地点が指定されると、地点位置検出手段16は、指定された地点を特定し、表示制御手段19は、地点位置検出手段16により特定された地点に対応した地図画像上にカーソルを表示してステップS103の処理に進む。ステップS103の処理では、表示制御手段19のマーク表示手段18は、地点位置検出手段16が特定し表示制御手段19により表示されたカーソル位置に基づいて、カーソル近傍にその位置を地点設定することを示す地点設定マーク36(図3参照)を表示する。
【0058】
次に、ステップS104の処理に進み、表示された地点設定マーク36がタッチ操作されたか否かを判別する。地点設定マーク36がタッチ操作されたならば、地点設定マーク36が指す位置、すなわち、カーソル位置が地点として指定されたことになるので、ステップS105の処理に進み、メニュー表示位置決定手段17は地点マーク36の表示位置に基づきメニュー画像の表示位置を決定し、表示制御手段19は、決定された位置に地点設定のメニュー画像38(図3参照)を表示する。
【0059】
ステップS106の判定処理では表示したメニュー画像38の選択項目が操作されたか否かを判定する。操作がなければステップS106の処理を繰り返し、項目選択の操作があったと判定されればステップS107の処理に進み、選択された地点設定の項目に従って、地点設定マーク36が指す位置を地点設定し、ステップS108の処理に進む。地図画像上の地点の特定は、前述したようにユーザがタッチパネルを操作して表示手段14に表示されている地図画像上の所望の地点を指定したときのユーザが指定したタッチパネル上の地点と道路データとを比較して行われる。
【0060】
一方、ステップS104判定処理において、地点設定マーク36のタッチ操作が判定されなければ、地点設定マーク36の指す位置がユーザの所望する地点設定の位置でないことになるからステップS109の判定処理に進み、地点変更のタッチ操作が有るか否かを判定する。地点変更の操作は指やカーソル移動により表示されている地図画像の所望の地点を操作することにより行われる。
【0061】
ステップS109の判定処理で地点変更タッチ操作が検出されるとステップS103の処理に戻り、その近傍に地点設定マーク36を表示し、ステップS104以降の処理を繰り返す。地点変更タッチ操作が検出されなければステップS108の処理に進む。ステップS108の処理ではナビゲーションの終了が判定され、終了していなければステップS108の処理を繰り返し、ナビゲーションの終了が判定されればナビゲーション装置1の処理は終了する。
【0062】
以上説明したように、本発明によれば、地点設定したい所望の位置に地点設定マーク36と、地点設定マークから吹き出し表示される地点設定のメニュー画像38が表示されるから、使い勝手が良く、地点設定の操作性が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】地図データに含まれる道路データのデータ構成の一例を示す図である。
【図3】タッチパネルを操作して所望の地点を設定する本発明にかかる処理の概念を示す図である。
【図4】地点設定のメニュー画像の表示位置を決定する処理の概念を示す図であり、図4(a)は表示画面の表示領域を4つの象限に区分した概念図、図4(b)はメニュー画像の表示位置方向を決定するためのデータテーブルを示す図である。
【図5】地点設定マークの表示位置と地点設定のメニュー画像の表示位置との関係を示す図である。
【図6】地点設定マークの他の表示位置と地点設定のメニュー画像の表示位置との関係を示す図である。
【図7】地点設定マークの他の表示態様を示す図である。
【図8】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置における地点設定時の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0064】
1: ナビゲーション装置
10: 制御手段
11: 現在位置検出手段
12: 地図記憶手段
13: 入力手段
14: 表示手段
15: 経路探索手段
16: 地点位置検出手段
17: メニュー表示位置決定手段
18: マーク表示手段
19: 表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段に表示された地図上の地点を指定する入力手段と、該入力手段により指定された地点を特定する地点位置検出手段と、該地点位置検出手段が特定した地点を設定する項目を選択するためのメニュー画像の表示位置を決定するメニュー表示位置決定手段と、前記指定された地点を指す地点設定マークを表示するマーク表示手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記メニュー表示位置決定手段は、前記地点設定マークの表示位置を検出し、該地点設定マークの表示位置に応じて、前記メニュー画像の表示位置を決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記メニュー画像は、前記地点設定マークから吹き出し表示されることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記表示手段の表示画面は、その表示領域が所定数の象限に区分され、前記メニュー表示位置決定手段は、前記地点設定マークが表示された表示位置の象限を検出し、該検出された象限に対向する上下方向、または、左右方向の象限側に前記メニュー画像表示位置を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−257939(P2009−257939A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107578(P2008−107578)
【出願日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】