説明

リサイクル用の合成樹脂材料を処理する装置

【解決手段】 好ましくは、熱可塑性の、リサイクル用の合成樹脂材料を処理する装置が、少なくとも1個の回転する混合及び/又は粉砕器具(14)を内部に備える収容容器(1)を有する。被処理材料は、収容容器(1)の底部に設けた出口開口(17)であって、ハウジング(19)の供給開口(18)が、流体的に接続される出口開口を通じて、供給される。このハウジング内には、材料を共に送り出す、少なくとも2本のスクリュ(21、22)が備えられる。収容容器(1)の径(D)とスクリュ(21、22)の各々の径(d)とは、下記の関係にある。


ここで、
Dは、円筒形柱状収容容器1の内径、又は、容量を同じくし、有効高さを同じくするように変換された仮想円筒形柱状収容容器の内径であり、
dは、スクリュ径であり、
Kは、50よりも大又は50に等しい定数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル用の合成樹脂材料、特に、熱可塑性廃棄プラスチック材料を処理する装置であって、頂部に被処理材料用の入口開口を備える収容容器を有し、少なくとも1個の可動自在な混合及び/又は粉砕器具が、収容容器内に設けられ、この器具は、好ましくは、縦方向軸線を中心として回転し、この器具によって処理される被処理材料は、収容容器の底部に設けた出口開口であって、スクリュを備えた装置のハウジングの供給開口が、流体的に接続される出口開口を通じて、供給される装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は、例えば、EP1173315により公知であり、可塑化装置又は造粒装置は、押出スクリュを備え、この押出スクリュは、スクリュにより運んだ材料を、通常、造粒装置である、次段の処理装置に、直接供給する。しかしながら、このスクリュは、次段の処理工程、例えば、回転する器具による更なる処理工程に、材料を送り出す簡便なスクリュコンベアでもよい。こうした次段での処理工程後にのみ、材料は、可塑化装置又は造粒装置に供給される。公知のこうした装置の動作は、基本的には、満足できるものではあるが、出口開口に接続する装置へ供給を行う場合、特に、出口開口に接続する装置が、可塑化装置又は造粒装置である場合には、幾つかの問題が生ずることがしばしばある。スクリュへの供給は、できるだけ均一である必要があり、出口開口に接続する装置からの送り出しも、できるだけ均一である必要がある。このことは、押出機に、成形プラントが接続されている場合には、特に重要である。成形プラントの場合、重要なことは、被成形材料が、できるだけ均一に送り出されることである。上述した問題は、なかんずく、被処理材料が、その化学的組成の点、及び、その外部的要因(汚れ度合い、粒径、粒形状等)の点で、通常大きく変動するということから、生ずる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、これら問題点を解消し、冒頭に述べたタイプの装置を、被処理材料が、出口開口に接続される装置にできるだけ均一に供給されて、スクリュの送り出し端で、特に、可塑化装置又は造粒装置の送り出し端で、均一な送り出しが達成されるように改良することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、この目的を、出口開口に接続される装置のハウジングが、収容容器からの材料を共に送り込まれる、少なくとも2本のスクリュを備え、収容容器の径Dとスクリュの各々の径dとは、下記の関係にあることにより達成する。

ここで、
Dは、円筒形柱状収容容器の内径(単位は、mm)、又は、容量を同じくし、有効高さを同じくするように変換された仮想円筒形柱状収容容器の内径(単位は、mm)であり、
dは、スクリュ径(単位は、mm)であり、
Kは、50よりも大又は50に等しい定数である。
【0005】
このため、従来の単一スクリュの代わりに、本発明の構成では、送り出しが、二重スクリュ又は多重スクリュでなされる。二重スクリュ押出機の場合、コストが比較的高くなることを考慮する必要が従来あったが、出願人の経験から、ある程度均一な送り出し動作を達成するために、単一スクリュ構成で必要となる複雑な手段は、二重スクリュ構成のコストに匹敵することが分かった。さらに、二重スクリュ構成におけるスクリュと胴部とは、単一スクリュ構成の場合よりも、かなり短くて済み、同じスクリュ径で、約1.5乃至2倍の収量が達成される(例えば、ポリエチレンを処理する場合)。
【0006】
しかしながら、この点、スクリュへの上述した均一な供給を確保するには、収容容器の上述した寸法関係が、重要である。
【0007】
本発明による構成は、収容容器内の材料が、加熱により柔らかくなっている場合でも、スクリュに対して、処理中の材料の供給を一定化する。スクリュ長は、単一スクリュ構成の場合より、二重スクリュ構成の場合は、約半分、短くて済み、同じ収量を持つ装置なら、かなりの省スペースとなる。良好な可塑化特性が、スクリュの楔状領域(wedge region)でもたらされる。これは、この箇所で、被処理材料が、特に強く、剪断及び混錬作用を受けるためである。スクリュの形状に関しては、形状は、種々の合成樹脂を処理するには、あまり重要ではないので、装置が、より多用途化することが分かった。
【0008】
本発明による構成の、もう一つの利点は、供給領域に従来大抵必要とされており、かなりの磨耗に曝される、冷却された溝付きスリーブが、必要なくなるということである。このことは、費用節約になるばかりでなく、駆動装置の始動トルクが低くて済むという利点ももたらす。
【0009】
本発明の構成において、経験によれば、Kは、好ましくは、100を超える数値である。
【0010】
本発明の構成では、複数本のスクリュ及びこれらのハウジングからなる装置への供給は、特に、複数本のスクリュ及びこれらのハウジングからなる装置が、可塑化装置又は造粒装置を構成する場合、処理中の材料が、収容容器からスクリュまでをカバーする距離が、短くなるにつれて、向上することも分かった。このため、本発明の別の態様によれば、本発明の構成は、可塑化装置又は造粒装置のハウジングの供給開口は、収容容器の出口開口に直接隣接する、又は、収容容器の出口開口と一致するようにされる。このため、2本のスクリュのハウジングは、収容容器の円周に対して接線方向に接続されることが好ましいが、異なる配置、例えば、半径方向配置も原則として可能である。
【0011】
本発明の構成において、もっとも好ましい配置は、可塑化装置又は造粒装置のハウジング内でのスクリュが、断面において、供給開口の領域で、互いに一方が上になった縦型に又は斜めに位置する場合である。縦型配置にすることにより、収容容器からスクリュまでの被処理材料の経路が、最短化される。この配置の変形態様として、断面において、スクリュが、斜めに配置される、又は並列配置の場合も、あり得るが、変形態様の場合には、堆積した材料が、表面に付着するのを防ぐために、供給開口の領域において、可塑化装置又は造粒装置のハウジング内の該当表面を冷却し、このため、複数本の冷却ダクトを設ける必要が、通常ある。
【0012】
複数本のスクリュのねじ山は、少なくとも供給開口の領域において、互いにかみ合ってよい。こうすると、供給領域において、特に重要となる、スクリュのねじ山の自浄作用がもたらされる利点がある。2本のスクリュは、等しい径を有することが好ましいが、このことは絶対的に必要であるわけではなく、2本のスクリュは、例えば、一方のスクリュが、他方のスクリュ用の供給用スクリュとして機能する場合には、長さを異にしてもよい。スクリュの径を異にする場合、スクリュの径の平均値を、上記式のdとする。スクリュの径が、スクリュの長さ方向において一定でない場合(例えば、円錐形状スクリュの場合)、スクリュの平均径を用いる。
【0013】
被処理材料の、冒頭に述べた、有利な供給動作は、本発明による構成では、器具が排出する、供給開口の側壁が、供給開口の拡大部を構成し、この拡大部は、複数本のスクリュのハウジングの長さ方向軸線の方に向かって途切れることなく突出し、複数本のスクリュのハウジングの軸線の方向において、隣接するスクリュのねじ山の周囲まで、少なくとも、好ましくは、スクリュの軸線の領域まで突出して、この拡大部が、ねじ山と協働する連続した刃先を構成することによってさらに改善される。特に好ましい実施形態では、供給開口の拡大部を構成する側壁は、スクリュの軸線に対して、20度乃至80度、好ましくは、30度乃至55度の角度をなす。実験によれば、下記の関係式が、スクリュのハウジングの供給開口に当てはまると、上述した供給動作にとって、特に好ましいことも分かった。

h≧k0.6d かつ
L≧k0.6d
【0014】
ここで、
hは、収容容器の軸線方向において測った、供給開口の有効高さ(単位は、mm)であり、
Lは、収容容器の周方向において測った、供給開口の有効長さ(単位は、mm)であり、
dは、スクリュのねじ山の外径(単位は、mm)であり、
kは、スクリュの数であり、kは、1又は2である。
【0015】
さらに、供給開口の基部は、スクリュから収容容器に向う下降斜面となることが、好ましい。
【0016】
本発明の、この他の特徴及び効果については、添付図面に概略的に示す、本発明の実施形態についての記述から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1、2、6及び7に示す装置において、この装置は、二重スクリュを備えた破砕・押出兼用装置を構成し、縦方向軸線2を有する、断面が円形の収容容器1を備え、収容容器の側壁3は、実質的に円筒状に突出する。支持板4は、収容容器1内で矢印8の方向(図2)に軸線2を中心として回転し、シャフト5に載っており、シャフトは、収容容器1の底部6を密封された状態で貫通突出し、複数個の軸受け7内で底部6に回転自在に取り付けられる。
【0018】
収容容器1の頂部には、被処理材料用の入口開口10が備えられ、この入口開口は、好ましくは、漏斗状の被覆壁11になっている。被処理材料を,真空状態で処理すべき場合には、吸引装置を収容容器1に接続し、入口開口10に、仕切り弁を取り付けて、良好に排気できるようにする。被処理材料は、例えばベルトコンベア等のフィーダ12により、入口開口10に供給され、入口開口10内へ矢印13の方向に投下される。
【0019】
底部6の領域に設けられた支持板4は、複数個の器具14を支持し、これら器具は、収容容器1内へ導入される被処理材料、通常はリサイクル用熱可塑性材料に、少なくとも混合効果を加えるとともに、大抵は、被処理合成樹脂材料の粉砕と乾燥をも行う。後者の場合、器具14は、刃の付いたカッター状をしている。支持板4の器具14から回転して離れた被処理合成樹脂材料は、混合渦15となって収容容器1の側壁3を上昇し、最高点16に達した後に、収容容器の軸線2の領域に落下する。こうして、被処理材料は、徹底的に混合又は粉砕及び乾燥され、収容容器1内での適当な滞留時間の経過後、出口開口17を通じて収容容器から排出される。この出口開口は、図示の実施形態では、可塑化装置又は造粒装置(図示の場合では、押出機)20のハウジング19の供給開口18と一致しているが、出口開口は、供給開口18に少なくとも流体的に接続される。可塑化装置又は造粒装置20は、2本のスクリュ21及び22を備え、これらスクリュは、ハウジング19内に設けられ、両者のねじ山が、互いにかみ合うように、駆動装置23により同じ回転方向に同期して回転される。こうした回転に適する駆動システムの例を、図3及び4に示す。駆動装置23は、伝達装置ハウジング25内に取り付けた、太陽歯車24を駆動し、太陽歯車は、2本のスクリュ21及び22のシャフトに一緒に回転するように固定接続された、2個の衛星歯車26及び27を駆動する。
【0020】
単一スクリュ押出機に比べて、収量を二倍にするには、収容容器の寸法が、下記に示す、実験により得られる実験側に従った関係を満たす必要があることが分かった。

ここで、Dは、収容容器1の内径(単位は、mm)であり、dは、2本のスクリュ21及び22のねじ山の外径(単位は、mm)であり、Kは、少なくとも50、好ましくは、少なくとも100である定数である。この関係式は、円筒形柱状収容容器に当てはまる。この収容容器が、円筒形でない、又は円錐形等の非円筒形である場合には、例えば、Dは、容量を同じくする、すなわち、有効高さを同じくする仮想円筒形柱状収容容器の内径に変換する必要がある。有効高さHは、動作条件が、適切であれば、支持板4の上端の上方での、混合渦15の最高点16の距離とみなす。
【0021】
しかしながら、多くの場合、スクリュハウジング19の供給開口18の大きさ及び形状もまた、重要である。収容容器1内で混合される、好ましくは、粉砕されて加熱され、さらに好ましくは、乾燥される、合成樹脂材料は、この供給開口に複数個の器具14により投入される。供給開口は、収容容器1内で回転する複数個の器具14の高さに少なくとも一部が位置する。こうした効果は、複数個の器具の先端が、符号8で示す矢印の方向において、移動方向に対して角度を付けられて又は湾曲状にされて、供給開口18への合成樹脂材料のへら状押し込み動作が、複数個の器具14の回転中に生ずるようにすることによっても促進される。複数の実験によると、下記の関係式が、供給開口18に当てはまると、特に好ましいことが分かった。

h≧k0.6d かつ
L≧k0.6d
【0022】
ここで、
hは、収容容器1の軸線方向において測った、供給開口18の有効高さ(単位は、mm)であり、
Lは、収容容器1の周方向において測った、供給開口18の有効長さ(単位は、mm)であり、
dは、スクリュのねじ山の外径(単位は、mm)であり、
kは、スクリュの数であり、kは、1又は2である。
【0023】
収容容器1からハウジング9への合成樹脂材料の移動方向に関する有効クリア断面(effective clear cross-section)は、供給開口18の有効長さ又は有効高さとみなす。
【0024】
さらに、複数の実験によれば、供給開口18へ導入される合成樹脂材料は、複数個の器具14が排出する、供給開口18の端部、すなわち、図2において供給開口18の左側端の領域に、時々、堆積する傾向があることが分かった。この堆積を避けるため、上述した、複数個の器具14が排出する、供給開口18の側壁28(これは、図3及び4において右側にある側壁28である)を、スクリュハウジング19の長さ方向軸線29に対して斜めに設けて、合成樹脂材料の供給方向において、供給開口18の拡大部36が、スクリュの軸線に向かって連続して拡がるようにすることが好ましいことが分かった。この側壁28が、スクリュハウジング19の長さ方向軸線29となす、角度α(図7)は、いずれの場合でも、90度未満、好ましくは、20度乃至80度、さらに好ましくは、30度乃至55度である。この側壁28は、少なくとも、隣接するスクリュ21又は22のねじ山30の周辺まで、好ましくは、このスクリュの軸線の領域に向かって突出する。2本のスクリュ21及び22が縦型配置になっている場合には、平面図で見て、スクリュの長さ方向軸線が、スクリュハウジング9の軸線29と一致する(図2)。側壁28の端部、特に、その先端は、刃先39を構成して(図1、5及び6)、スクリュのねじ山30と協働し、溝付きスリーブが設けられていないので、スクリュ21及び22の周方向に、連続して、すなわち、途切れることなく突出する。
【0025】
図1、2及び7に示す実施形態において、2本のスクリュ21及び22は、互いに上下に配置され、これらスクリュの軸線は、水平に延びている。2本のスクリュが縦型配置にあることは、もっとも好ましいが、絶対的に必要であるわけではない。こうした配置の変形態様として、2本のスクリュ21及び22は、図3及び4に示すように、水平方向において並んで配置されていてもよい。図3に示す実施態様では、2本のスクリュは、長さが等しく、同一方向に回転され、両者のねじ山30は、互いにかみ合う。このため、2本のスクリュ21及び22は、スクリュハウジング19に接続された押出機ヘッド31に一緒になって送り出しを行う。
【0026】
図4に示す配置は、図3に示す配置とは、2本のスクリュ21及び22が、長さを異にし、すなわち、収容容器1に隣接するスクリュ21は、他方のスクリュ22よりも短い点で異なる。このため、スクリュ21は、収容容器1から投入された合成樹脂材料を、出口開口17を通じて受け取り、スクリュハウジング19の供給開口18に取り込む。この供給動作は、収容容器1と供給開口18を上述した寸法関係にし、さらに、供給開口の側壁28を設けることによって、改善される。この送り出し動作中、スクリュ21は、受け取った合成樹脂材料を、他方のスクリュ22に渡し、他方のスクリュは、合成樹脂材料を、接続した押出機ヘッド31に送り出す。均一な送り出しという効果に加えて、この配置では、送り出しハウジング37を低価格化し、押出機ヘッド31に至る入口部材を低価格化するという効果を持つ。
【0027】
図6は、図3及び4に示した配置用の供給開口18の形状の詳細を示すものである。
【0028】
図5、6及び7から分かるように、複数個の器具14が排出する、供給開口18の端部、すなわち、図5、6及び7において右側端に、面取り部32を追加して設けて、供給動作を改善する。さらに、供給開口18の基部33を、供給開口の壁(基部33により構成される壁)が、スクリュ22から収容容器1に向う下降斜面となるように、収容容器1に向かって傾斜させる。
【0029】
既に述べたように、2本のスクリュ21及び22は、原則として、互いに如何なる位置関係を取ってもよい。種々の配置を、図8乃至14に示す。図11に示すように、2本のスクリュ21及び22が、互いに縦型に配置されるのが、もっとも好ましい配置である。これは、こうすると、2本のスクリュ21及び22の他の配置の場合と異なり、合成樹脂粒子が、スクリュハウジングの供給領域の表面に付着する虞がないからである。図11に示す配置とは異なる配置も、原則として可能であるが、図11に示す配置とは異なる配置では、粘着性の合成樹脂粒子の上述した付着と、これに伴う供給開口の閉塞が、起こり得る。供給開口には、図11に示す配置とは異なる配置の場合、ハウジング19の、供給開口19が形成された箇所の領域であって、供給開口18に近接して複数個の空洞部35が設けられ、これら空洞部35があるために、上述した付着が、生じて、その結果、処理済み合成樹脂粒子が、過度に長い滞留時間に曝される領域に、複数本の冷却ダクト34を設けることが好ましい。これら空洞部35が大きければ大きいほど、さらに、これら空洞部が、収容容器1からハウジング19内に突出すればするほど、必然的に、より多くの冷却ダクト34を設ける必要がある。
【0030】
2本のスクリュ21及び22は、等しく一定のねじ山dを備える形状であることが(図7)、コスト的にもっとも好ましいが、この形状が、絶対的に必要であるわけではない。図15は、2本のスクリュ21及び22が、共に円錐形状に形成されて、押出機のヘッド31に送り出しを行う、二重スクリュ押出機を一緒に構成する実施形態を示すものである。2本のスクリュ21及び22は、互いかみ合う歯車38を介して、共通の駆動装置23によって、反対方向に駆動される。この実施形態では、これらのスクリュのねじ山30は、互いにかみ合って、供給領域での自浄作用ももたらすことができる。
【0031】
スクリュ21及び22を備えるハウジング19の水平配置は、もっとも好ましいが、このようなハウジングを、収容容器1に対して長さ方向軸線を傾斜させて接続すること、必要ならば、垂直に接続することも可能である。
【0032】
上述した実施形態において、それぞれ、2本のスクリュのみを示したが、3本以上のスクリュを同様な構成で設ける態様も、理論的に可能である。上述した関係式は、こうした態様にも適用される。しかしながら、3本以上のスクリュを設ける態様は、経済的な理由から、あまり重要でない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、第1実施形態の、図2の線I−Iにおける縦断面図を示す。
【図2】図2は、図1の線II−IIにおける断面図を示す。
【図3】図3は、並列に配置された、長さが等しいスクリュの実施形態の水平方向断図を示す。
【図4】図3に示した実施形態の変形態様であって、2本のスクリュの長さが異なる態様を示す。
【図5】図5は、図3に示した実施形態での供給開口の形成部を示す。
【図6】図6は、図1に示した実施形態での供給開口の形成部を示す。
【図7】図7は、供給開口の形成部を水平方向断面図で示す。
【図8】図8は、スクリュ配置の例示の縦断面図を示す。
【図9】図9は、スクリュ配置の例示の縦断面図を示す。
【図10】図10は、スクリュ配置の例示の縦断面図を示す。
【図11】図11は、スクリュ配置の例示の縦断面図を示す。
【図12】図12は、スクリュ配置の例示の縦断面図を示す。
【図13】図13は、スクリュ配置の例示の縦断面図を示す。
【図14】図14は、スクリュ配置の例示の縦断面図を示す。
【図15】図15は、円錐形二重スクリュの実施形態の水平方向断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル用の合成樹脂材料、特に、熱可塑性廃棄プラスチック材料を処理する装置であって、頂部に被処理材料用の入口開口(10)を備える収容容器(1)を有し、少なくとも1個の可動自在な混合及び/又は粉砕器具(14)が、収容容器(1)内に設けられ、好ましくは、収容容器の縦方向軸線(2)を中心として回転し、この器具(14)によって処理される被処理材料は、収容容器(1)の底部に設けた出口開口(17)であって、スクリュ(21)を備える装置(20)、好ましくは、可塑化装置又は造粒装置の、ハウジングの供給開口(18)が、流体的に接続される出口開口を通じて、供給される装置において、出口開口(17)に接続される装置(20)は、収容容器(1)からの材料を共に送り込まれる、少なくとも2本のスクリュ(21、22)を備え、収容容器(1)の径(D)とスクリュ(21、22)の各々の径(d)とは、下記の関係にあることを特徴とする装置。

ここで、
Dは、円筒形柱状収容容器(1)の内径(単位は、mm)、又は、容量を同じくし、有効高さを同じくするように変換された仮想円筒形柱状収容容器の内径(単位は、mm)であり、
dは、スクリュ径(単位は、mm)であり、
Kは、50よりも大又は50に等しい定数である。
【請求項2】
Kは、100よりも大であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スクリュ(21、22)を収容する装置(20)のハウジングは、前記収容容器(1)の出口開口(17)に直接接続されて、この装置(20)のハウジング(19)の供給開口(18)が、前記収容容器(1)の出口開口(17)に直接隣接する、又は、前記収容容器(1)の出口開口(17)と一致することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記2本のスクリュ(21、22)のハウジング(19)は、前記収容容器(1)の円周に対して接線方向に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジング(19)内の前記スクリュ(21、22)は、断面で見ると、前記供給開口(18)の領域において、互いに一方が上になって縦型に又は斜めに位置することを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記供給開口(18)の領域において、前記スクリュ(21、22)のハウジング(19)内に、複数本の冷却ダクト(34)を設けることを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記スクリュ(21、22)のねじ山(30)は、少なくとも前記供給開口(18)の領域において、互いにかみ合うことを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか1に記載の装置。
【請求項8】
前記器具(14)が排出する、前記供給開口(18)の側壁(28)は、供給開口(18)の拡大部(36)を構成し、この拡大部(36)は、前記スクリュ(21、22)のハウジング(19)の長さ方向軸線(29)の方に向かって途切れることなく突出し、この長さ方向軸線の方向において、隣接するスクリュ(21又は22)のねじ山(30)の周囲まで、好ましくは、スクリュの軸線の領域まで、少なくとも突出して、この拡大部(36)が、ねじ山(30)と協働する連続した刃先(39)を構成することを特徴とする、請求項4乃至7のいずれか1に記載の装置。
【請求項9】
前記供給開口(18)の拡大部(36)を構成する側壁(28)は、前記スクリュハウジング(19)の長さ方向軸線(29)に対して、20度乃至80度、好ましくは、30度乃至55度の角度をなすことを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
下記の関係式が、前記スクリュ(21、22)のハウジング(19)の供給開口(18)に当てはまることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれか1に記載の装置。

h≧k0.6d かつ
L≧k0.6d

ここで、
hは、収容容器(1)の軸線方向において測った、供給開口(18)の有効高さ(単位は、mm)であり、
Lは、収容容器(1)の周方向において測った、供給開口(18)の有効長さ(単位は、mm)であり、
dは、スクリュのねじ山(30)の外径(単位は、mm)であり、
kは、スクリュの数であり、kは、1又は2である。
【請求項11】
前記供給開口(18)の基部(33)は、前記スクリュ(21、22)から前記収容容器(1)に向う下降斜面となることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれか1に記載の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リサイクル用の合成樹脂材料、特に、熱可塑性廃棄プラスチック材料を処理する装置であって、頂部に被処理材料用の入口開口(10)を備える収容容器(1)を有し、少なくとも1個の可動自在な混合及び/又は粉砕器具(14)が、収容容器(1)内に設けられ、この器具(14)によって処理される被処理材料は、収容容器(1)の底部に設けた出口開口(17)であって、スクリュ(21)を備える装置(20)のハウジングの供給開口(18)が、流体的に接続される出口開口を通じて、供給される装置において、出口開口(17)に接続される装置(20)は、収容容器(1)からの材料を共に送り込まれる、少なくとも2本のスクリュ(21、22)を備え、収容容器(1)の径(D)とスクリュ(21、22)の各々の径(d)とは、下記の関係にあることを特徴とする装置。

ここで、
Dは、円筒形柱状収容容器(1)の内径(単位は、mm)、又は、容量を同じくし、有効高さを同じくするように変換された仮想円筒形柱状収容容器の内径(単位は、mm)であり、
dは、スクリュ径(単位は、mm)であり、
Kは、50よりも大又は50に等しい定数である。
【請求項2】
Kは、100よりも大であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スクリュ(21、22)を備える装置(20)のハウジングは、前記収容容器(1)の出口開口(17)に直接接続されて、この装置(20)のハウジング(19)の供給開口(19)が、前記収容容器(1)の出口開口(17)に直接隣接する、又は、前記収容容器(1)の出口開口(17)と一致することを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記2本のスクリュ(21、22)のハウジング(19)は、前記収容容器(1)の円周に対して接線方向に接続されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ハウジング(19)内の前記スクリュ(21、22)は、断面で見ると、前記供給開口(18)の領域において、互いに一方が上になって縦型に又は斜めに位置することを特徴とする、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記スクリュ(21、22)を備える装置(20)は、可塑化装置又は造粒装置であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1に記載の装置。
【請求項7】
前記供給開口(18)の領域において、前記スクリュ(21、22)のハウジング(19)内に、複数本の冷却ダクト(34)を設けることを特徴とする、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
前記スクリュ(21、22)のねじ山(30)は、少なくとも前記供給開口(18)の領域において、互いにかみ合うことを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか1に記載の装置。
【請求項9】
前記混合及び/又は粉砕器具(14)は、前記収容容器の縦方向軸線(2)を中心として回転することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1に記載の装置。
【請求項10】
前記器具(14)が排出する、前記供給開口(18)の側壁(28)は、供給開口(18)の拡大部(36)を構成し、この拡大部(36)は、前記スクリュ(21、22)のハウジング(19)の長さ方向軸線(29)の方に向かって途切れることなく突出し、この長さ方向軸線の方向において、隣接するスクリュ(21又は22)のねじ山(30)の周囲まで少なくとも突出して、この拡大部(36)が、ねじ山(30)と協働する連続した刃先(39)を構成することを特徴とする、請求項4乃至9のいずれか1に記載の装置。
【請求項11】
前記拡大部(36)は、前記スクリュの軸線の領域内に突出することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記供給開口(18)の拡大部(36)を構成する側壁(28)は、前記スクリュハウジング(19)の長さ方向軸線(29)に対して、20度乃至80度、好ましくは、30度乃至55度の角度をなすことを特徴とする、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
下記の関係式が、前記スクリュ(21、22)のハウジング(19)の供給開口(18)に当てはまることを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか1に記載の装置。

h≧k0.6d かつ
L≧k0.6d

ここで、
hは、収容容器(1)の軸線方向において測った、供給開口(18)の有効高さ(単位は、mm)であり、
Lは、収容容器(1)の周方向において測った、供給開口(18)の有効長さ(単位は、mm)であり、
dは、スクリュのねじ山(30)の外径(単位は、mm)であり、
kは、スクリュの数であり、kは、好ましくは2である。
【請求項14】
前記供給開口(18)の基部(33)は、前記スクリュ(21、22)から前記収容容器(1)に向う下降斜面となることを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2006−526520(P2006−526520A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508076(P2006−508076)
【出願日】平成16年5月11日(2004.5.11)
【国際出願番号】PCT/AT2004/000167
【国際公開番号】WO2004/108380
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(503433958)エレマ エンジニアリング リサイクリング マシネン ウント アンラーゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル パフトウング (27)
【Fターム(参考)】