説明

低k誘電体と導電材料との接着改善

【課題】銅ダマシン配線上への誘電体層の形成において、導電材料と誘電体層間の密着性を向上する半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】オルガノシロキサンからなる第2誘電体層118に、TaNからなる金属バリア層124とCuからなる導電性金属特徴部126を形成する。平坦化後アンモニアプラズマ処理還元により表面の酸化物を除去する。連続して真空を破壊せずに、トリメチルシランからなる有機ケイ素化合物を導入し、プラズマプロセスによりSiCN膜130を形成し、さらに連続してSiC膜132を堆積する。酸化物の除去から誘電体層の形成までインサイチュで行うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【開示の背景】
【0001】
発明の分野
[0001]本発明は、集積回路の製造並びに基板上に誘電体層を堆積させる方法及び誘電体層によって形成された構造に関する。
【0002】
関連技術の説明
[0002]最新の半導体デバイスの製造における主要なステップの1つは、ガスの化学反応によって基板上に金属層と誘電体層を形成させることである。このような堆積プロセスは化学気相堆積又はCVDと呼ばれる。従来の熱CVDプロセスは基板表面に反応性ガスを供給し、そこで熱誘導化学反応が起こり、所望される層が生成される。
【0003】
[0003]半導体デバイス形状は、このようなデバイスが数十年前に初めて導入されて以来、サイズが劇的に小さくなってきた。そのとき以来、集積回路は一般的に、2年で半分のサイズというルール(しばしば、ムーアの法則と呼ばれる)に従っており、それはチップ上に適合するデバイスの数が2年ごとに倍になっていることを意味している。今日の製造工場は、通常0.35μm、実に0.18μmの特徴部サイズをもつデバイスを製造しており、将来の工場は、まもなく、更に小さな形状をもつデバイスを製造するであろう。
【0004】
[0004]集積回路上のデバイスのサイズを小さくするために、更に、抵抗率の低い導電材料を用い、低誘電率(誘電率<4.0)をもつ絶縁体を用いることが必要となり、隣接する金属ライン間の静電結合を低下させることにもなる。このような1つの低k誘電材料は、ドープされていないシリコンガラス(USG)又はフッ素ドープされたシリコンガラス(FSG)のようなスピンオンガラスであり、半導体製造プロセスにおいてギャップ充填層として堆積することができる。他の低k誘電材料は、ダマシン特徴部を製造する際に誘電体層として用いることができるシリコンオキシカーバイドである。
【0005】
[0005]認められている1つの導電材料は、銅及びその合金であり、銅が、アルミニウムより抵抗率が低く(アルミニウムの3.1μΩ-cmと比べて1.7μΩ-cm)、電流が大きく、運搬力が高いことから、サブクォーターミクロン相互接続技術にとって選択の材料になってきた。これらの特徴は、高レベルの集積化と高デバイス速度で経験するより高い電流密度を支持するのに重要である。更に、銅は、熱導電性が良好であり、非常に純粋な状態で利用できる。
【0006】
[0006]半導体デバイスに銅を用いる際の1つの難しさは、銅が正確なパターンを得るためにエッチングするのが難しいということである。相互接続部を形成するための伝統的な堆積/エッチングプロセスを用いて銅をエッチングすることは、十分なものではなかった。それ故、銅含有材料や低k誘電材料を有する相互接続部を製造する新規な方法が開発されている。
【0007】
[0007]垂直の相互接続部や水平の相互接続部を形成する1つの方法は、ダマシン法又はデュアルダマシン法による。ダマシン法では、低k誘電材料のような1つ以上の誘電材料が、垂直の相互接続部、即ち、バイア、水平の相互接続部、即ち、ラインを形成するために堆積され、パターンエッチングされる。その後、銅含有材料のような導電材料、また、周囲の低k誘電体に銅含有材料が拡散するのを防止するために用いられるバリヤ層材料のような他の材料が、エッチングされたパターンにはめ込まれる。その後、基板の周囲のようなエッチングされたパターンの外の余分な銅含有材料や余分なバリヤ層材料が除去され、平坦化表面が形成される。ダマシン構造の第2層を形成するように次に続く処理に対して、絶縁層又はバリヤ層のような誘電体層が銅特徴部上に形成される。
【0008】
[0008]しかしながら、銅の平坦化と次に続く誘電体層の堆積の間、銅材料は、処理チャンバ間又は処理ツール間で曝されることによって酸化反応を受けてしまうことが見られてきた。酸化環境に曝されることにより、銅材料上に表面酸化物が形成されることになる。酸化物は、その上に堆積される、次に続く層、例えば、誘電体層の接着を阻止する。
【0009】
[0009]それ故、低k誘電体層間の層間接着を改善させる方法がなお求められている。
【発明の概要】
【0010】
[0010]本発明の態様は、一般的には、導電材料と誘電体層の間に接着層を堆積させる方法を提供する。一態様においては、本発明は、基板を処理する方法であって、処理チャンバ内に基板を配置するステップであって、基板が1つ以上のパターン形成低k誘電体層とその中に形成された1つの導電材料を含む前記ステップと、処理チャンバにシリコンベースの化合物を導入するステップと、導電材料のシリサイド層を形成するステップと、シリサイド層上に炭化シリコン層を真空を破壊せずに堆積させるステップと、を含む前記方法を提供する。
【0011】
[0011]本発明の他の態様においては、基板を処理する方法であって、処理チャンバ内に基板を配置するステップであって、基板が1つ以上のパターン形成低k誘電体層とその中に形成された導電材料を含むステップと、処理チャンバにシリコンベースの化合物と還元化合物を導入するステップと、導電材料のシリサイド層を形成するステップと、シリコンベースの化合物と還元化合物のプラズマを開始させるステップと、窒化シリコン層を堆積させるステップと、窒化シリコン層上に炭化シリコン層を真空を破壊せずに堆積させるステップと、を含む前記方法が提供される。
【0012】
[0012]本発明の他の態様においては、基板を処理する方法であって、処理チャンバ内に基板を配置するステップであって、基板が1つ以上のパターン形成低k誘電体層とその中に形成された1つの導電材料を含む前記ステップと、処理チャンバに窒素及び水素を含む還元化合物を導入するステップと、処理チャンバ内に還元化合物のプラズマを開始させるステップと、還元化合物のプラズマに導電材料を曝すステップと、処理チャンバ内に有機ケイ素前駆物質を導入するステップと、有機ケイ素前駆物質と還元化合物とを反応させるステップと、1つ以上のパターン形成低k誘電体層と導電材料上に窒素ドープされた炭化シリコン誘電材料を堆積させるステップと、ドープされた炭化シリコン層上に炭化シリコン層を真空を破壊せずに堆積させるステップと、を含む前記方法が提供される。
【0013】
[0013]本発明の他の態様においては、基板を処理する方法であって、処理チャンバ内に基板を置くステップであって、基板が1つ以上のパターン形成低k誘電体層とその中に形成された1つの導電材料を含むステップと、処理チャンバに窒素と水素を含む還元化合物を導入するステップと、処理チャンバ内に還元化合物の第1プラズマを開始させるステップと、還元化合物のプラズマに導電材料を曝すステップと、第1プラズマと還元化合物を停止させるステップと、有機ケイ素前駆物質を処理チャンバに導入するステップと、処理チャンバ内で有機ケイ素前駆物質の第2プラズマを開始させるステップと、有機ケイ素化合物と共に還元化合物を導入するステップと、1つ以上のパターン形成低k誘電体層と導電材料上に窒素ドープされた炭化シリコン誘電体を真空を破壊せずに堆積させるステップと、含む前記方法を提供する。
【0014】
[0014]本発明の他の態様においては、基板を処理する方法であって、処理チャンバ内に基板を配置するステップであって、基板が1つ以上のパターン形成低k誘電体層とその中に形成された1つの導電材料を含む前記ステップと、処理チャンバに窒素と水素を含む還元化合物を第1流量で導入するステップと、その処理チャンバ内に還元化合物の第1プラズマを開始させるステップと、還元化合物のプラズマに導電材料を曝すステップと、第1プラズマを停止させるステップと、有機ケイ素前駆物質を処理チャンバに導入するステップと、第1流量より大きい第2流量で還元化合物を導入するステップと、処理チャンバ内で有機ケイ素前駆物質と還元化合物の第2プラズマを開始させるステップと、1つ以上のパターン形成低k誘電体層及び導電材料上に炭素ドープされた窒化シリコン誘電体を堆積させるステップと、第2プラズマを停止させるステップと、有機ケイ素前駆物質を処理チャンバ内に導入するステップと、還元化合物を第2流量より小さい第3流量で導入するステップと、処理チャンバ内に有機ケイ素前駆物質と還元化合物の第3プラズマを開始させ、1つ以上のパターン形成低k誘電体層と導電材料上に窒素ドープされた炭化シリコン誘電材料を真空を破壊せずに堆積させるステップと、を含む前記方法が提供される。
【0015】
[0015]本発明の上記態様が得られ詳細に理解され得るように、上で簡単にまとめた本発明のより詳しい説明は、添付の図面に示されるその実施形態によって参照されるものである。
【0016】
[0016]しかしながら、添付の図面は、本発明の典型的な実施形態だけを示し、それ故、本発明の範囲を制限するものとみなされるべきでなく、本発明は他の等しく有効な実施形態を許容するものである。
【0017】
[0020]本発明の態様を更に理解するために、次の詳細な説明を参照すべきである。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0018】
[0021]本明細書に記載される本発明の態様は、導電材料と誘電体層との層間接着を改善させる方法及び装置に言及するものである。層間接着を改善するステップは、次の誘電体層を堆積させる前に導電材料を表面処理するステップ、次の誘電体層を堆積させる前に中間材料を形成するステップ、又は次の誘電体層を堆積させる前に接着が改善された中間層を堆積させるステップを含むことができる。開始層は、シリコン、炭素、任意に酸素を含むことができる。好ましくは、それらのプロセスは、再汚染を最小限にするとともに基板処理能力を改善させるためにインサイチュで行われる。
【0019】
[0022]本明細書に用いられる語句は、更に定義されない限り、当業者が当該技術において通常の慣用の意味を示すべきである。インサイチュは、広く解釈されるべきであり、材料を介在する汚染環境に曝さずに、例えば、プロセスステップ又はツール内のチャンバ間の真空を破壊せずに、示されたチャンバ内で、例えば、プラズマチャンバ内で、又はシステム内で、例えば、集積クラスタツール装置内でを含むが、それらに限定されない。インサイチュプロセスは、典型的には、他の処理チャンバ又は領域に基板を移動させるのに比べて、プロセス時間と起こりうる混入物を最小限にする。
【0020】
[0023]次の説明はデュアルダマシン構造の導電材料と誘電体の間の層間接着の使用を詳述しているが、本発明は他の構造形成プロセスやストレート堆積プロセスが本明細書に記載される接着態様を用いて行うことができることを企図しているので、本発明が示された例に解釈又は限定されるべきではない。
【0021】
デュアルダマシン構造の堆積
[0024]図1Aに示されるように、その中の基板表面材料105に形成された金属特徴部107を有する基板100を用いて形成されるダマシン構造は処理チャンバに供給される。第1炭化シリコンバリヤ層110は、一般的には、基板表面上に堆積され、基板と次に堆積した材料の間の層間拡散を排除する。バリヤ層の材料の誘電率は、約9まで、好ましくは約2.5〜約4未満であってもよい。炭化シリコンバリヤ層の誘電率は、約5以下、好ましくは約4未満であってもよい。
【0022】
[0025]第1炭化シリコンバリヤ層110の炭化シリコン材料は、窒素及び/又は酸素でドープすることができる。図示されていないが、窒素を含まない炭化シリコン又は酸化シリコンのキャッピング層は、バリヤ層110上に堆積させることができる。窒素を含まない炭化シリコン又は酸化シリコンキャッピング層は、処理ガスの組成を調整することによって、インサイチュで堆積させることができる。例えば、窒素を含まない炭化シリコンのキャッピング層は、窒素源ガスを最少にするか又は排除することによって第1炭化シリコンバリヤ層110上にインサイチュで堆積させることができる。或いは、図示されていない開始層を、第1炭化シリコンバリヤ層112上に堆積させることができる。開始層は、2004年3月15日出願の米国特許出願第10/801,190号で更に十分に記載され、その中の特許を請求した態様及び開示と矛盾しない範囲によって本明細書に援用されている。
【0023】
[0026]第1誘電体層112は、トリメチルシラン及び/又はオクタメチルシクロテトラシロキサンを含むことができる有機ケイ素化合物を酸化することによって、製造すべき構造のサイズによっては、約5,000〜約15,000オングストロームの厚さに炭化シリコンバリヤ層110上に堆積される。その後、第1誘電体層112は、プラズマ又はe-ビームプロセスで後処理することができる。任意に、酸化シリコンキャップ層(図示せず)は、本明細書に記載されるシリコンオキシカーバイド堆積プロセスにおいて酸素濃度を上げることによって第1誘電体層112上にインサイチュで堆積させ、堆積した材料から炭素を除去することができる。第1誘電体層は、また、パラリンを含む低ポリマー材料のような他の低k誘電材料又はドープされていないシリコンガラス(USG)又はフッ素ドープされたシリコンガラス(FSG)のような低誘電率スピンオンガラスを含むことができる。その後、第1誘電体層は、本明細書に記載されるようにプラズマプロセスによって処理することができる。
【0024】
[0027]炭化シリコンのエッチストップ(又は第2バリヤ層)114は、窒素又は酸素でドープすることができ、その後、第1誘電体層112上に堆積させる。エッチストップ114は、第1誘電体層112上に約100オングストローム〜約1000オングストロームの厚さに堆積させることができる。低kエッチストップ114は、炭化シリコン材料又はシリコンオキシカーバイド材料の場合、本明細書に記載されるようにプラズマ処理することができる。その後、エッチストップ114は、パターンエッチングされて、コンタクト/バイア116の開口を画成するとともにコンタクト/バイア116が形成される領域において第1誘電体層112を露出する。好ましくは、低kエッチストップ114は従来のフォトリソグラフィーとフッ素、炭素、酸素イオンを用いたエッチングプロセスを用いてパターンエッチングされる。図示されていないが、約100オングストローム〜約500オングストロームの窒素を含まない炭化シリコン又は酸化シリコンキャップ層が、更に材料が堆積される前に低kエッチストップ114上に任意に堆積されてもよい。
【0025】
[0028]図1Bに示されるように、その後、酸化したオルガノシラン又はオルガノシロキサンの第2誘電体層118が、レジスト材料が除去された後、パターンエッチストップ114の上に堆積される。第2誘電体層118は、本明細書に記載されるプロセスによってトリメチルシランのような酸化したオルガノシラン又はオルガノシロキサンからのシリコンオキシカーバイドを含むことができ、約5,000〜約15,000オングストロームの厚さに堆積される。その後、第2誘電体層118は、プラズマ又はe-ビーム処理されても及び/又は本明細書に記載されるプロセスによって、その上に酸化シリコンキャップ材料が配置されてもよい。
【0026】
[0029]その後、レジスト材料122は、第2誘電体層118(又はキャップ層)上に堆積され、好ましくは従来のフォトリソグラフィープロセスを用いてパターン形成されて、図1Bに示されるように相互接続ライン120が画成される。レジスト材料122は、当該技術分野において慣用的に知られる材料、好ましくはマサチューセッツ州マールバラのShipleyCompany Inc.から市販されているUV-5のような高活性化エネルギーのレジスト材料を含む。その後、相互接続部とコンタクト/バイアは、反応性イオンエッチング又は他の異方性エッチング技術を用いてエッチングされて、図1Cに示されるようにメタライゼーション構造(即ち、相互接続部とコンタクト/バイア)が画成される。エッチストップ114又は第2誘電体層118をパターン形成するために用いられるあらゆるレジスト材料又は他の材料も、酸素片又は他の適したプロセスを用いて除去される。
【0027】
[0030]その後、メタライゼーション構造は、アルミニウム、銅、タングステン又はそれらの組合せのような導電材料で形成される。現在は、銅の低い抵抗率(アルミニウムの3.1mΩ-cmと比べて1.7mΩ-cm)によって、より小さい特徴部を形成するために銅を用いる傾向がある。好ましくは、図2Cに示されように、窒化タンタルのような適切な金属バリヤ層124が、まずメタライゼーションパターンに適合して堆積され、周囲のシリコン及び/又は誘電材料への銅の移動を防止する。その後、銅は、化学気相堆積、物理気相堆積、電気めっき、又はそれらの組合せのいずれかを用いて堆積され、導電性構造を形成する。構造が銅又は他の導電性金属で充填されると、図1Dに示されるように、表面が化学機械的研磨を用いて平坦化され、導電性金属特徴部126の表面が露出する。
【0028】
接着プロセス及び誘電体層堆積
[0031]一態様においては、層間接着は、導電材料を反応する化合物に曝して、炭化シリコン層のような誘電体層を堆積させる前に、酸化物を除去するか又はシリサイド層もしくはシリサイド材料を形成することによって改善させることができる。層間接着の改善及び誘電体層の堆積は、同一の処理チャンバ又は処理システム内でインサイチュで行うことができる。
【0029】
[0032]続いての堆積プロセスは300mmProducerTMデュアル堆積ステーション処理チャンバの使用において記載され、それに合わせて説明されるべきである。例えば、流量は総流量であり、チャンバ内の各堆積ステーションでプロセス流量を記載するために2で割らなければならない。更に、それぞれのパラメータは、種々のチャンバ内で、また、200mm基板のような異なる基板サイズに対してプラズマプロセスを行うために変更されてもよいことは留意されるべきである。更に、続いてのプロセスは銅と炭化シリコンについて記載されるが、本発明は、このプロセスが半導体製造に用いられる他の導電材料と誘電材料と用いることができることを企図している。
【0030】
[0033]層間接着は、水素と窒素含有前駆物質の還元化合物を、導電材料を有する基板の上の処理チャンバに導入して、図2Aに示されるようにその中に形成されたあらゆる酸化物128を除去し、その後、有機ケイ素化合物を導入して還元化合物と反応させ、図2Bに示されるようにニトロ化層130を形成することによって改善することができる。除去すべき酸化物は、また、バリヤ層124の露出部分のようなバリヤ材料上に形成されてもよい。ニトロ化層130は、基板の露出面の上に連続しても非連続であってもよい。有機ケイ素化合物は、好ましくは、機械的消耗によって還元化合物を除去せずに導入される。有機ケイ素化合物は、更に及び/又は連続して処理チャンバに導入して、図2Cに示されるように、ニトロ化層上に炭化シリコン層132を形成することができる。
【0031】
[0034]還元化合物は、熱的に及び/又はプラズマ増強プロセスによって、露出された導電材料と反応することができる。好ましい還元化合物としては、水素、窒素含有ガス、例えば、アンモニア、水素(H)と窒素(N)のガス混合物、ヒドラジン(N)、アミン、アミン誘導体、又はそれらの組合せが挙げられる。
【0032】
[0035]還元化合物によるプラズマ増強プロセスの一例としては、還元化合物を約50sccm〜約2000sccm、例えば、約100sccm〜約1600sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、任意に、窒素のような窒素含有キャリヤガスを約100sccm〜約25000sccm、例えば、約1000sccm〜約20000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、約1トール〜約12トール、例えば、約2.5トール〜約9トールのチャンバ圧を維持するステップと、約100℃〜約500℃、例えば、約250℃〜約450℃のヒータ温度を維持するステップと、基板表面から約200ミル〜約1000ミル、例えば、約300ミル〜約500ミルにガス分配器又は“シャワーヘッド”を配置するステップと、プラズマを生成させるステップとを含む。プラズマ処理は、約3秒〜約120秒間で行うことができ、例えば、約5秒〜約40秒間が好ましく用いられる。
【0033】
[0036]プラズマは、約0.03W/cm〜約3.2W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができ、200mm基板に対しては約10W〜約1000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである。プラズマは、約0.01W/cm〜約1.4W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができ、300mm基板に対しては約10W〜約1000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである。或いは、プラズマは、本明細書に記載されるようにデュアル周波数RF電源によって生成させることができる。或いは、すべてのプラズマ生成は、堆積した材料のプラズマ処理又は材料層の堆積のために処理チャンバに導入された生成ラジカルにより遠隔で行うことができる。
【0034】
[0037]還元化合物としては、アンモニア又はヒドラジンのような単一成分を約50sccm〜約3000sccm、例えば、約100sccm〜約2000sccmの流量で処理チャンバに供給することが含まれてもよい。単一成分の分配としては、更に、約100sccm〜約10000sccm、例えば、約1000sccm〜約5000sccmの流量のキャリヤガス又は不活性ガス、例えば、窒素、ヘリウム、又はアルゴンが含まれてもよい。窒素ガスと水素ガスの混合物のような多成分システムでは、窒素を約50sccm〜約5000sccm、例えば、約100sccm〜約1000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、水素を約50sccm〜約5000sccm、例えば、約100sccm〜約1500sccmの流量で処理チャンバに供給するステップを含むプロセスによって処理チャンバに供給されてもよい。
【0035】
[0038]プラズマ処理プロセスの一例としては、アンモニアを約700sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、ヘリウムを約1200sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約300WのRF電力レベルを約20秒間適用することによってプラズマを生成させるステップとが含まれる。
【0036】
[0039]プラズマ処理プロセスの他の例としては、アンモニアを約160sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約18000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約300WのRF電力レベルを約20秒間適用することによってプラズマを生成させるステップとが含まれる。
【0037】
[0040]プラズマ処理プロセスの他の例としては、アンモニアを約75sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約5000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約150WのRF電力レベルを約15秒間適用することによってプラズマを生成させることが含まれる。
【0038】
[0041]ニトロ化層130は、基板とその上に曝された導電材料上に、図2Aに示されるように、還元ガスの存在下に処理チャンバに有機ケイ素化合物を導入することによって堆積することができる。このことは、インサイチュ堆積に対して、プラズマ処理の間又はその直後に、有機ケイ素化合物を処理チャンバに導入することによって達成することができ、有機ケイ素化合物は、還元ガスからの窒素と反応して、ニトロ化層、例えば、窒素ドープされた炭化シリコン(SiCN:H)又は窒素ドープされたシリコンオキシカーバイド(SiCON:H)を形成することができる。還元化合物は有機ケイ素化合物と供給されてもよく、有機ケイ素化合物はプラズマ処理からの還元化合物の残量と反応してもよい。還元化合物と有機ケイ素化合物間の反応は、熱的又はプラズマ増強堆積プロセスであってもよい。適切な有機ケイ素化合物の例としては、トリメチルシラン(TMS)やジメチルフェニルシラン(DMPS)が含まれる。
【0039】
[0042]ニトロ化炭化シリコン層130の堆積の一実施形態は、有機ケイ素前駆物質を約10sccm〜約1000sccm、例えば、約50sccm〜約500sccmの流量で導入するステップと、還元化合物を約100sccm〜約2500sccm、例えば、約500sccm〜約2000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、任意に、希ガスを約1sccm〜約10,000sccmの流量で供給するステップと、チャンバ圧を約100ミリトール〜約100トール、例えば、約2.5トール〜約9トールに維持するステップと、ヒータ温度を約100℃〜約500℃、例えば、約250℃〜約450℃に維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を基板表面から約200ミル〜約1000ミル、例えば、200ミル〜約400ミルに配置するステップと、任意に、プラズマを生成させるステップとが含まれる。
【0040】
[0043]プラズマは、200mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約500W〜約1100WのRF電力レベルである、約0.03W/cm〜約6.4W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。プラズマは、300mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約500W〜約1100WのRF電力レベルである、約0.01W/cmと約2.8W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。
【0041】
[0044]電力は、デュアル周波数RF電源から、約200ワット〜約1000ワットの範囲の電力で約10MHz〜約30MHzの範囲の周波数をもつ第1RF電力と約100KHz〜約500KHzの周波数と約1ワット〜約200ワットの電力をもつ少なくとも第2RF電力を印加することができる。開始層は、約1秒〜約60秒、例えば、2秒のような約1〜約5秒間の時間堆積させることができる。
【0042】
[0045]ニトロ化層130の堆積の一例は、アンモニアを700sccmの流量で処理チャンバに導入するステップと、ヘリウムを1200sccmの流量で処理チャンバに導入するステップと、トリメチルシラン(TMS)を約350sccmの流量で導入するステップと、約350℃のヒータ温度でチャンバを維持するステップと、約3.7トールのチャンバ圧を維持するステップと、基板表面から約280ミルにガス分配器を配置するステップと、13.56MHzで約900ワットのRF電力を印加するステップとが含まれる。
【0043】
[0046]続いての炭化シリコン層132は本明細書に記載されるように、例えば、上記の有機ケイ素化合物を連続して導入するか又は炭化シリコン前駆ガス流量とドーパント、キャリヤガス、又は本明細書に記載される他の化合物を調整して、所望される性質をもつ炭化シリコン層を堆積させることによって堆積させることができる。還元化合物処理プロセス中又はその直後の有機ケイ素前駆物質の連続フローによって、酸化物の除去、ニトロ化層の形成、炭化シリコン層の堆積がインサイチュで行われることが可能になる。堆積プロセスの一例は、本明細書に開示される実施例2で示される。
【0044】
[0047]更に、プロセスガス安定化ステップは、プラズマ処理プロセスと堆積プロセスの間、また、堆積プロセス間で行うことができる。このような安定化ステップは、一般的には、プラズマを含まないプロセスが含まれ、新しいプラズマが処理プロセス又は堆積プロセスの必要に応じて生成される。
【0045】
[0048]任意に、本明細書に記載される窒素ドープされた炭化シリコン材料を含む、本明細書に記載される堆積した炭化シリコン材料のすべての堆積後プラズマ処理は、堆積した材料の性質を増強するために又は混入物を除去するために、或いはその上に材料が堆積される前に炭化シリコン層の露出面を洗浄するために行うことができる。堆積後プラズマ処理は、堆積プロセスとともにインサイチュで行うことができる。
【0046】
[0049]不活性ガス、還元ガス、又はそれらの組合せの堆積後プラズマ処理を適用することができる。プラズマ不活性ガスは、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン、クリプトン、又はそれらの組合せを含み、ヘリウムが好ましい。還元ガスは、水素、アンモニア、又はそれらの組合せを含み、アンモニアが好ましい。堆積後プラズマ処理は、プラズマパージステップの生成物であってもよく、プロセスチャンバを排気しつつ1つを除く全てのガスが止められる。
【0047】
[0050]堆積後プラズマ処理の一例としては、アンモニアを950sccmの流量で処理チャンバに導入するステップと、約350℃のヒータ温度でチャンバを維持するステップと、約3.7トールのチャンバ圧を維持するステップと、基板表面から約280ミルにガス分配器を配置するステップと、13.56MHzで約300ワットのRF電力を約2秒間印加することが含まれる。
【0048】
[0051]プラズマ処理と堆積プロセスの一実施形態においては、トリメチルシランのような有機ケイ素化合物のプラズマは、プラズマ処理後と堆積プロセス前に行うことができる。有機ケイ素化合物のプラズマは、プラズマ処理した表面上にシリサイド層を形成して、堆積した炭化シリコン層の接着を改善すると考えられる。有機ケイ素変性プロセスのプラズマを含む処理ステップとしては、例えば、本明細書に記載されるようにプラズマ処理に基板表面を曝すステップと、有機ケイ素化合物の安定化ステップと、有機ケイ素化合物のラズマを生成させるステップと、次に、窒素ドープされた炭化シリコンを堆積させるステップとが含まれる。
【0049】
[0052]有機ケイ素化合物のプラズマの一例は、有機ケイ素化合物を約50sccm〜約1500sccm、例えば、約400sccm〜約500sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、任意に、ヘリウムのような不活性ガスを約100sccm〜約20000sccm、例えば、約800sccm〜約1500sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約1トール〜約12トール、例えば、約2.5トール〜約9トールに維持するステップと、ヒータ温度を約100℃〜約500℃、例えば、約250℃〜約450℃に維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を基板表面から約200ミル〜約1000ミル、例えば、約300ミル〜約500ミルに配置するステップと、プラズマを生成させるステップとが含まれる。プラズマ処理は約1秒〜約10秒で行うことができ、例えば、約1秒〜約5秒が好ましく用いられる。
【0050】
[0053]プラズマは、200mm基板に対して約10W〜約1000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである、約0.03W/cm〜約3.2W/cmの範囲の電力密度を印加することによって生成させることができる。プラズマは、300mm基板に対して約10W〜約1000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである、約0.01W/cm〜約1.4W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。或いは、プラズマは、本明細書に記載されるようにデュアル周波数RF電源によって生成させることができる。或いは、すべてのプラズマの生成は遠隔で行うことができ、生成されたラジカルが堆積した材料のプラズマ処理又は材料層の堆積のために処理チャンバに導入される。一例は、本明細書に開示される実施例で示される。
【0051】
[0054]プラズマ処理と堆積プロセスの他の一実施形態においては、窒化シリコン層は、トリメチルシランのような有機ケイ素化合物によって、プラズマ処理後で堆積プロセス前に堆積させることができる。処理ステップとしては、例えば、本明細書に記載されるようにプラズマ処理に基板表面を曝すステップと、窒化シリコン堆積プロセスの安定化ステップと、窒化シリコン層を堆積させるステップと、窒素ドープされた炭化シリコン堆積プロセスの安定化ステップと、次に、窒素ドープされた炭化シリコン化合物を堆積させるステップとが含まれる。窒化シリコン材料は、炭素ドープされた窒化シリコンであってもよい。
【0052】
[0055]窒化シリコン堆積プロセスの一例は、有機ケイ素化合物を約50sccm〜約1000sccm、例えば、約250sccm〜約500sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、本明細書に記載される還元化合物のような窒素含有化合物を約500sccm〜約2500sccm、例えば、約1250sccm〜約1750sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、任意に、ヘリウム又は窒素のような不活性ガスを約100sccm〜約20000sccm、例えば、約15000sccm〜約19000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約1トール〜約12トール、例えば、約2.5トール〜約9トールに維持するステップと、ヒータ温度を約100℃〜約500℃、例えば、約250℃〜約450℃に維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を基板表面から約200ミル〜約1000ミル、例えば、約300ミル〜約500ミルに配置するステップと、プラズマを生成させるステップとを含む。プラズマ処理は約1秒〜約10秒間行うことができ、例えば、約1秒〜約5秒間が好ましく用いられる。
【0053】
[0056]プラズマは、200mm基板に対して約10W〜約1200W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである、約0.03W/cm〜約6.4W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。プラズマは、300mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHzと14MHzの間、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400Wの間のRF電力レベルである、約0.01W/cm〜約2.8W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。或いは、プラズマは、本明細書に記載されるようにデュアル周波数RF電源によって生成させることができる。或いは、すべてのプラズマの生成は遠隔で行うことができ、生成したラジカルが堆積した材料のプラズマ処理又は材料層の堆積のために処理チャンバに導入される。一例は、本明細書に開示される実施例4に示されている。
【0054】
シリサイド形成
[0057]図3A-図3Cを参照すると、本明細書に記載される処理と堆積プロセスの他の実施形態においては、層間接着は、酸化された部分128をもってしまう図3Aに示されるように導電材料126を有する基板の上にシリコンベースの化合物を導入し、その後、シリコンベースの化合物と導電材料と反応させて、図3Bに示すように導電材料140の上にシリサイド142を形成することにより改善することができる。シリコン堆積142はシリサイド形成中に誘電材料上で起こることができる。有機ケイ素化合物は、その後、処理チャンバに導入され、図3Cに示されるようにシリサイド層142と基板の表面上に炭化シリコン層144を堆積させることができる。アンモニアを含む、窒素含有化合物のようなドーパントを、導電材料とともにニトロシリサイドを形成するために用いることができる。更に、シラン(SiH)のような適切なシリコンベースの化合物も還元化合物として更に機能させ、導電材料上に形成された酸化物を除去することができる。更に、シリコンベースの化合物を導入する前に、不活性プラズマ処理を基板表面上で行うことができる。
【0055】
[0058]シリコンベースの化合物は、シラン、ジシラン、それらの誘導体を含む炭素を含まないシリコン化合物を含むことができる。シリコンベースの化合物は、また、本明細書に記載される有機ケイ素化合物、例えば、トリメチルシラン(TMS)及び/又はジメチルフェニルシラン(DMPS)を含む炭素含有シリコン化合物を含むことができる。シリコンベースの化合物は、熱的及び/又はプラズマ増強プロセスによって露出した導電材料と反応することができる。酸素や窒素のようなドーパントは、本明細書に記載されるように、シリコンベースの化合物とともに用いることができる。更に、ヘリウムやアルゴンを含む希ガスのような不活性ガスをシリサイドプロセス中に用いることができ、好ましくは、熱プロセスに対してはキャリヤガスとして、プラズマ増強シリサイド形成プロセスに対しては追加のプラズマ化学種として用いられる。シリコン含有化合物には、更に、本明細書に記載される還元化合物のようなドーパントが含まれ、ニトロシリサイドを形成することができる。このような実施形態においては、還元化合物は本明細書に記載されるように分配することができる。
【0056】
[0059]本明細書に記載されるシリコンベースの化合物によるシリサイドプロセスの一例としては、シリコンベースの化合物を約10sccm〜約1000sccm、例えば、約75sccm〜約200sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約1トール〜約12トール、例えば、約2.5トール〜約9トールに維持するステップと、ヒータ温度を約100℃〜約500℃、例えば、約250℃〜約450℃に維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を基板表面から約200ミル〜約1000ミル、例えば、200ミル〜400ミルに配置するステップとが含まれる。
【0057】
[0060]シリサイド形成プロセスは、更に、プラズマを発生させることによって増強させることができる。プラズマは、200mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである、約0.03W/cm〜約6.4W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。プラズマは、300mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである、約0.01W/cm〜約2.8W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。或いは、プラズマは、本明細書に記載されるようにデュアル周波数RF電源によって生成させることができる。或いは、すべてのプラズマの生成は遠隔で行うことができ、生成したラジカルが堆積した材料のプラズマ処理又は材料層の堆積のために処理チャンバに導入される。プラズマは、約1秒〜約60秒間生成させることができ、例えば、好ましくは約1秒〜約5秒間が用いられ、シリサイド層が形成される。
【0058】
[0061]シリサイドプロセスの一例としては、シランを約125sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、ヘリウムを約400sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、アンモニアを約325sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約3トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度に維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約300ミルに約2.5秒間配置するステップとが含まれる。
【0059】
[0062]任意に、シリサイド形成後、基板表面は、本明細書に記載されるように、還元化合物のプラズマに曝されてもよい。還元プラズマに曝すことにより、窒素ドープされたシリサイド層が形成されると考えられる。窒素ドープされたシリサイド層、銅、銅窒化シリコン(CuSiN)のような金属窒化シリコンは、更に、層間接着を改善させると考えられる。
【0060】
[0063]続いての炭化シリコン層は、炭化シリコン堆積に対して本明細書に記載されるように堆積させることができる。炭化シリコン堆積は、また、シリサイドプロセスの場合と同一の炭素含有シリコンベース化合物を用いて行うことができ、同一のチャンバ内で行うことができる。炭化シリコン層は、本明細書に記載されるように、堆積後プラズマに曝すことができる。
【0061】
[0064]シリサイド形成プロセスの一実施形態においては、基板は、本明細書に記載されるように還元化合物のプラズマ処理に供され、シリコン含有化合物に曝されてシリサイドを形成し、その後、窒素ドープされた炭化シリコン層がその上に堆積される。処理ステップは、更に、シリサイド形成プロセスの前に安定化ステップを含むことができる。
【0062】
[0065]シリサイドプロセスの他の実施形態においては、窒化シリコン層は、シリサイド形成後、また、堆積プロセス前に堆積させることができる。処理ステップとしては、例えば、本明細書に記載されるように、プラズマ処理に基板表面を曝すステップと、シリサイド形成に対する安定化ステップと、窒化シリコン層を堆積させるステップと、次に、窒素ドープされた炭化シリコン層を堆積させるステップとが含まれる。処理ステップは、更に、シリサイド形成プロセスの前に安定化ステップを含むことができる。窒化シリコン材料は、炭素ドープされた窒化シリコンであってもよい。
【0063】
[0066]窒化シリコン堆積プロセスの一例は、シランを約50sccm〜約1000sccm、例えば、約50sccm〜約300sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、本明細書に記載される還元化合物のような窒素含有化合物を約10sccm〜約1000sccm、例えば、約50sccm〜約150sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、任意に、ヘリウム又は窒素のような不活性ガスを約10sccm〜約20000sccm、例えば、約2000sccm〜約10000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約1トール〜約12トール、例えば、約2.5トール〜約9トールに維持するステップと、ヒータ温度を約100℃〜約500℃、例えば、約250℃〜約450℃に維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を基板表面から約200ミル〜約1000ミル、例えば、300ミル〜600ミルに配置するステップと、プラズマを生成させるステップとを含む。プラズマは、約1秒〜約10秒間、例えば、約1秒〜約5秒間生成させることができる。
【0064】
[0067]プラズマは、200mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである、約0.03W/cm〜約6.4W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。プラズマは、300mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約100W〜約400WのRF電力レベルである、約0.01W/cm〜約2.8W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。或いは、プラズマは、本明細書に記載されるようにデュアル周波数RF電源によって生成させることができる。或いは、すべてのプラズマの生成は遠隔で行うことができ、生成したラジカルが堆積した材料のプラズマ処理又は材料層の堆積のために処理チャンバに導入される。
【0065】
[0068]窒化シリコン堆積プロセスの一例としては、シランを約220sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約5000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、アンモニアを約75sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約495ミルに配置するステップと、約440ワット〜約450ワットの電力レベルで約2秒間プラズマを生成させるステップとが含まれる。
【0066】
[0069]続いての炭化シリコン層は、炭化シリコン堆積に対して本明細書に記載されるように堆積させることができる。炭化シリコン堆積は、また、シリサイドプロセスの場合と同一の炭素含有シリコンベース化合物を用いて行うことができ、同一のチャンバ内で行うことができる。
【0067】
実施例
[0070]以下の実施例は、改善された層間接着を示すために、標準的な中間層スタックに比較して本明細書に記載される接着プロセスの種々の実施形態を示すものである。カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社によって製造、販売されている、ツーピース石英プロセスキットをもつ固態のデュアル周波数RFマッチングユニットを含むProducerTM300mm処理チャンバを用いて試料を着手した。
【0068】
[0071]試験試料を次の通り準備した。誘電体層のスタックを次のようにシリコン基板上に堆積させた。基板は、約1000オングストロームの酸化シリコンがその上に配置されたシリコン基板、酸化シリコン上に配置された約250オングストロームのタンタル、タンタル上に配置された約4500オングストロームの銅を含み、その後、本明細書に記載される接着プロセスを基板上で行い、典型的には、銅層上に配置された約2000オングストロームの窒素ドープされた炭化シリコンが得られる。
【0069】
[0072]接着テストを次の通り試験試料について行った。既知の剥離特性をもつ約120μm〜約150μmのエポキシ材料を試験試料上に堆積させた。シリコン層をその上に堆積させた。その後、試験試料を約190℃で1時間焼成又は硬化し、次に、1cm×1cm試料に切断し、液体窒素で-170℃に冷却した。その後、試料を一定の温度で最も弱い中間層の境界面で起こる層間剥離を求めるために観察した。一定の温度でのエポキシの縮小が、剥離を誘発させるのに必要とされる力に関係している。この所見から、接着の定量を計算することができる。接着(G)は式σ√(h/2)に基づき、hはエポキシの厚みであり、σは残留応力である。
【0070】
[0073]実施例1の接着プロセスには、アンモニアプラズマ処理、続いて、安定化プロセ
ス、次に、基板表面上での窒素ドープされた炭化シリコンの堆積が含まれる。プロセスは
次の通り行った。
【0071】
[0074]プラズマ処理プロセスには、アンモニアを約160sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約18000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約300WのRF電力レベルを適用することにより約20秒間プラズマを生成させるステップとが含まれる。
【0072】
[0075]安定化プロセスには、トリメチルシランを約350sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、アンモニアを約700sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、ヘリウムを約1200sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約3.7トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約280ミルに配置するステップとが含まれる。安定化プロセスは約5秒間行うことができる。13.56MHzの高周波数で約900WのRF電力レベルを適用することにより約63秒間プラズマを生成させることにより有機ケイ素化合物のプラズマを開始させることにより窒素ドープされた炭化シリコン層を堆積させる。
【0073】
[0076]実施例1の基板の接着測定値Gは、約3.8+/-0.6J-mであった。
【0074】
[0077]実施例2の接着プロセスには、アンモニアプラズマ処理に続いて、基板表面上にニトロ化炭化シリコン層を形成させることが含まれる。プロセスは次の通り行った。
【0075】
[0078]プラズマ処理プロセスには、アンモニアを約700sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、ヘリウムを約1200sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約300WのRF電力レベルを適用することによりプラズマを約20秒間生成させるステップとが含まれる。
【0076】
[0079]ニトロ化層は、アンモニアを700sccmの流量で処理チャンバに導入し、ヘリウムを1200sccmの流量で処理チャンバに導入し、トリメチルシラン(TMS)を約350sccmの流量で導入し、約350℃のヒータ温度でチャンバを維持し、約3.7トールのチャンバ圧を維持し、ガス分配器を基板表面から約280ミルに配置し、13.56MHzで約900ワットのRF電力を適用することによって堆積させた。
【0077】
[0080]実施例2の基板の接着測定値Gは、約3.2+/-0.3J-mであった。
【0078】
[0081]実施例3の接着プロセスには、アンモニアプラズマ処理、続いて、有機ケイ素プラズマ処理に対する安定化プロセス、次に、基板表面上の窒素ドープされた炭化シリコン堆積が含まれる。プロセスは次の通り行った。
【0079】
[0082]プラズマ処理プロセスには、アンモニアを約160sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約18000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約300WのRF電力レベルを適用することにより約20秒間プラズマを生成させるステップとが含まれる。
【0080】
[0083]安定化プロセスには、トリメチルシランを約450sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、ヘリウムを約1200sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約3.7トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約280ミルに約5秒間配置するステップとが含まれる。13.56MHzの高周波数で約300WのRF電力レベルを適用することにより約2秒間プラズマを生成させることにより有機ケイ素化合物のプラズマを開始させる。
【0081】
[0084]窒素ドープされた炭化シリコン層は、アンモニアを700sccmの流量で処理チャンバに導入し、ヘリウムを1200sccmの流量で処理チャンバに導入し、トリメチルシラン(TMS)を約350sccmの流量で導入し、約350℃のヒータ温度でチャンバを維持し、約3.7トールのチャンバ圧を維持し、ガス分配器を基板表面から約280ミルに配置し、13.56MHzで約900ワットのRF電力を適用することによって堆積させる。
【0082】
[0085]実施例3の基板の接着測定Gは、約4.0+/-0.2J-mであった。
【0083】
[0086]実施例4の接着プロセスには、アンモニアプラズマ処理と、窒化堆積に対する安定化プロセスと、約100オングストロームの窒化堆積と、窒素ドープされた炭化シリコンへの窒化堆積に対する安定化プロセスと、次に、基板表面上での窒素ドープされた炭化シリコン堆積とが含まれる。プロセスは次の通り行った。
【0084】
[0087]プラズマ処理プロセスは、アンモニアを約160sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約18000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約300WのRF電力レベルを適用することにより約20秒間プラズマを生成させるステップとのプラズマ処理プロセスが含まれる。
【0085】
[0088]安定化プロセスには、トリメチルシランを約350sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、アンモニアを約1500sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約18000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約3.7トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約280ミルに約5秒間配置するステップとが含まれる。13.56MHzの高周波数で約900WのRF電力レベルを適用することにより約2秒〜約3秒間プラズマを生成させることにより有機ケイ素化合物のプラズマを開始させることにより窒化シリコン(炭素ドープされた)層を堆積させる。
【0086】
[0089]安定化プロセスには、トリメチルシランを約350sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、アンモニアを約700sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、ヘリウムを約1200sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約3.7トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約280ミルに約5秒間配置するステップとが含まれる。13.56MHzの高周波数で約900WのRF電力レベルを適用することにより約60秒間プラズマを生成させることにより有機ケイ素化合物のプラズマを開始させることにより窒素ドープされた炭化シリコン層を堆積させる。
【0087】
[0090]実施例4の基板の接着測定値Gは、約2.9+/-0.3J-mであった。
【0088】
[0091]実施例5の接着プロセスには、アンモニアプラズマ処理と、シリサイド形成に対する安定化プロセスと、シリサイド形成と、次に、基板表面上での窒素ドープされた炭化シリコン堆積とを含むシリサイドプロセスが含まれる。プロセスは次の通り行った。
【0089】
[0092]プラズマ処理プロセスには、アンモニアを約75sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約5000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約150WのRF電力レベルを適用することにより約15秒間プラズマを発生させるステップとが含まれる。
【0090】
[0093]安定化プロセスには、アンモニアを約325sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、ヘリウムを約400sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約3トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約300ミルに約10秒間配置するステップとが含まれる。
【0091】
[0094]シランを約125sccmの流量で処理チャンバに供給し、ヘリウムを約400sccmの流量で処理チャンバに供給し、アンモニアを約325sccmの流量で処理チャンバに供給し、チャンバ圧を約3トールに維持し、約350℃のヒータ温度を維持し、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約300ミルに約2.5秒間配置することによってシリサイドを形成する。
【0092】
[0095]窒素ドープされた炭化シリコンは、トリメチルシランを約160sccmの流量で処理チャンバに供給し、アンモニアを約325sccmの流量で処理チャンバに供給し、ヘリウムを約400sccmの流量で処理チャンバに供給し、チャンバ圧を約3トールに維持し、約350℃のヒータ温度を維持し、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約300ミルに配置し、13.56MHzの高周波数で約300〜約310WのRF電力レベルを適用することによって約76秒間プラズマを生成させることによって堆積させることができる。
【0093】
[0096]実施例4の基板の接着測定値Gは、約3.9+/-0.5J-mであった。
【0094】
[0097]実施例6の接着プロセスには、アンモニアプラズマ処理を含むシリサイドプロセス、シリサイド形成に対する安定化プロセス、シリサイド形成、約100オングストロームの窒化シリコンの堆積、次に、基板表面上の窒素ドープされた炭化シリコン堆積が含まれる。プロセスは次の通り行った。
【0095】
[0098]プラズマ処理プロセスには、アンモニアを約75sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約5000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約350ミルに配置するステップと、13.56MHzの高周波数で約150WのRF電力レベルを適用することにより約15秒間プラズマを生成させるステップとが含まれる。
【0096】
[0099]安定化プロセスには、アンモニアを約75sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、窒素を約5000sccmの流量で処理チャンバに供給するステップと、チャンバ圧を約4.2トールに維持するステップと、約350℃のヒータ温度を維持するステップと、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約495ミルに約5秒間配置するステップとが含まれる。シランを約125sccmの流量で処理チャンバに約2.5秒間
供給することによってシリサイドが形成される。
【0097】
[00100]窒化シリコンは、シランを約220sccmの流量で処理チャンバに供給し、アンモニアを約75sccmの流量で処理チャンバに供給し、窒素を約5000sccmの流量で処理チャンバに供給し、チャンバ圧を約4.2トールに維持し、約350℃のヒータ温度を維持し、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約495ミルに配置し、13.56MHzの高周波数で約440〜約450WのRF電力レベルを適用することによって、約2秒間プラズマを生成させることによって堆積させる。
【0098】
[0100]窒素ドープされた炭化シリコンは、トリメチルシランを約160sccmの流量で処理チャンバに供給し、アンモニアを約325sccmの流量で処理チャンバに供給し、ヘリウムを約400sccmの流量で処理チャンバに供給し、チャンバ圧を約3トールに維持し、約350℃のヒータ温度を維持し、ガス分配器、又は“シャワーヘッド”を約300ミルに配置し、13.56MHzの高周波数で約300〜約310WのRF電力レベルを適用することによって、約72秒間プラズマを生成させることによって堆積させることができる。
【0099】
[0101]実施例4の基板の接着測定値Gは、約5.3J-mであった。
【0100】
層堆積
[0102]炭化シリコン層は、有機ケイ素化合物を反応させて、炭素-シリコン結合及び約4未満の誘電率をもつ誘電体層を形成することによって堆積させる。炭化シリコン層は、好ましくは、アモルファス水素化炭化シリコンである。炭化シリコン層は、不活性ガス、水素ガス、又は双方のプラズマで堆積させることができる。炭化シリコン誘電体層は、ドープされた炭化シリコン層であってもよい。炭化シリコン層は、導電材料又は誘電体層に隣接して配置されたバリヤ層として堆積されてもよく、1つ以上の誘電体層間に堆積されたエッチストップであってもよい。
【0101】
[0103]炭化シリコン堆積に対して本明細書に用いられる適切な有機ケイ素化合物の例は、好ましくは以下の構造を含む。
【0102】
【化1】

【0103】
(ここで、Rは、アルキル基、アルケニル基、シクロヘキセニル基、及びアリール基を含む有機官能基、及びそれらの官能性誘導体である。)
有機前駆物質は、シリコン原子に結合した1つを超えるR基を有してもよく、本発明は、Si-H結合を含む又は含まない有機ケイ素前駆物質の使用を企図している。
【0104】
[0104]有機ケイ素化合物は、少なくとも1つのシリコン-炭素結合を有する、脂肪族有機ケイ素化合物、環状有機ケイ素化合物、又はそれらの組合せを含み、任意に、構造は酸素を含んでもよい。環状有機ケイ素化合物は、典型的には、3つ以上のシリコン原子を含む環を有する。脂肪族有機ケイ素化合物は、1つ以上のシリコン原子と1つ以上の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖構造を有する。市販の脂肪族有機ケイ素化合物は、シリコン原子間に酸素を含まないオルガノシラン、及び酸素ドープされた炭化シリコン層に対しては、2つ以上のシリコン原子間に酸素を含むオルガノシロキサンを含む。本明細書に記載される有機ケイ素化合物のフッ素化誘導体は、また、本明細書に記載される炭化シリコン及びシリコンオキシカーバイド層を堆積させるために用いることができる。
【0105】
[0105]適切な脂肪族及び環状有機ケイ素化合物の例としては、例えば、1つ以上の次の化合物が挙げられる。
メチルシラン CH3-SiH3
ジメチルシラン (CH3)2-SiH
トリメチルシラン(TMS) (CH3)3-SiH
エチルシラン CH3-CH2-SiH3
ジシラノメタン SiH3-CH2-SiH3
ビス(メチルシラノ)メタン CH3-SiH2-CH-SiH2-CH3
1,2-ジシラノエタン SiH3-CH2-CH2-SiH3
1,2-ビス(メチルシラノ)エタン CH3-SiH2-CH2-CH2-SiH2-CH3
2,2-ジシラノプロパン SiH3-C(CH3)2-SiH3
1,3,5-トリシラノ-2,4,6-トリメチレン -(-SiH2-CH2-)3-(環状)
ジエチルシラン (C2H5)2SiH2
プロピルシラン CHSiH3
ビニルメチルシラン (CH2=CH)(CH3)SiH2
ジビニルジメチルシラン(DVDMS) (CH2=CH)2(CH3)2Si
1,1,2,2-テトラメチルジシラン HSi(CH3)2-Si(CH3)2H
ヘキサメチルジシラン (CH3)3Si-Si(CH3)3
1,1,2,2,3,3-ヘキサメチルトリシラン H(CH3)2Si-Si(CH3)2-SiH(CH3)2
1,1,2,3,3-ペンタメチルトリシラン H(CH3)2Si-SiH(CH3)-SiH(CH3)2
ジメチルジシラノエタン CH3-SiH2-(CH2)2-SiH2-CH3
ジメチルジシラノプロパン CH-SiH2-(CH2)3-SiH2-CH3
テトラメチルジシラノエタン (CH)2-SiH-(CH2)2-SiH-(CH)2
テトラメチルジシラノプロパン (CH3)2-SiH-(CH2)3-SiH-(CH3)2
上記のリストは、説明的であり、本発明の範囲を限定するものとして解釈又は説明されるべきではない。
【0106】
[0106]フェニル含有有機ケイ素化合物は、また、炭化シリコン材料を堆積させるために用いられ、一般的には、下記構造を含む。
【0107】
【化2】

【0108】
(ここで、Rはフェニル基である。)
例えば、適切なフェニル含有有機ケイ素化合物は、一般的には、式SiH(CH)(C)(ここで、aは0〜3であり、bは0〜3であり、cは1〜4であり、a+b+cは4である。)を含む。この式から導かれる適切な前駆物質の例としては、ジフェニルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、フェニルメチルシラン、及びそれらの組合せが挙げられる。bが1〜3、cが1〜3であるフェニル含有有機ケイ素化合物が好ましく用いられる。バリヤ層材料として堆積に最も好ましい有機ケイ素化合物は、式SiH(CH)(C)c(ここで、aは1又は2であり、bは1又は2であり、cは1又は2である。)を有する有機ケイ素化合物を含む。好ましい前駆物質の例としては、ジメチルフェニルシラン及びジフェニルメチルシランが挙げられる。
【0109】
[0107]一般的には、有機ケイ素化合物は、窒素(N)のような比較的不活性なガス及びヘリウム又はアルゴンのような希ガスを含むプラズマ中で反応する。堆積した炭化シリコン層は約5以下の誘電率をもち、ドープされた炭化シリコン層は約3以下の誘電率をもつことができる。処理ガスは、また、水素ガスを含むことができる。水素ガスは、一般的には、有機ケイ素化合物と水素ガスのモル比が、約1:1〜約10:1、例えば、約1:1〜約6:1で加えられる。有機ケイ素化合物と水素ガスの好ましい堆積プロセスの有機ケイ素化合物と水素ガスのモル比は、約1:1〜約1.5:1である。
【0110】
[0108]一実施形態においては、トリメチルシランを約10ミリグラム/分(mgm)〜約5000ミリグラム/分(mgm)の流量でプラズマ処理チャンバに供給することにより好ましい炭化シリコン層を堆積させる。ミリグラム/分を標準立方センチメートル毎分(sccm)への変換は有機ケイ素化合物間で異なってしまうので、有機ケイ素化合物のミリグラム/分を用いることが好ましい。ヘリウム、アルゴン、又はそれらの組合せのような不活性ガスは、また、約50sccm〜約5000sccmの流量でチャンバに供給される。チャンバ圧は、約100ミリトール〜約15トールに維持される。基板表面温度は、堆積プロセス中、約100℃〜約450℃に維持される。炭化シリコン層を堆積させる方法の一例は、2003年3月25日発行の米国特許出願第6,537,733号に開示され、その中に記載される特許請求の範囲と開示に一致する範囲によって本明細書に援用されている。
【0111】
[0109]炭化シリコン層は、また、酸素、窒素、ホウ素、リン、又はそれらの組合せを含むドープされた炭化シリコン層であってもよい。ドープされた炭化シリコンは、一般的には、約15原子パーセント(原子%)以下の1つ以上のドーパントを含む。ドーパントは、ドーパントと有機ケイ素化合物が約1:5以上、例えば、1:5〜約1:100の割合で処理ガスにおいて用いることができる。
【0112】
[0110]酸素ドープされた及び/又は窒素ドープされた炭化シリコン層を形成するために酸素源又は窒素源を反応中に用いることができる。酸素源の例としては、酸素、オゾン、一酸化炭素、二酸化炭素、亜酸化窒素、酸素含有有機ケイ素前駆物質、又はそれらの組合せ、例えば、一酸化炭素や酸素含有有機ケイ素前駆物質のような酸化ガスが挙げられる。酸素ドープされた炭化シリコンは、一般的には、約15原子パーセント(原子%)未満の酸素、好ましくは、約10原子%以下の酸素を含む。
【0113】
[0111]酸素含有有機ケイ素化合物としては、例えば、下記成分が挙げられる。
ジメチルジメトキシシラン(DMDMOS) (CH3)2-Si-(OCH3)2
ジエトキシメチルシラン(DEMS) (CH3)-SiH-(OCH3)2
1,3-ジメチルジシロキサン CH3-SiH2-O-SiH2-CH3
1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン(TMDSO) (CH3)2-SiH-O-SiH-(CH3)2
ヘキサメチルジシロキサン(HMDS) (CH3)3-Si-O-Si-(CH3)3
ヘキサメトキシジシロキサン(HMDSO) (CH3O)3-Si-O-Si-(OCH3)3
1,3-ビス(シラノメチレン)ジシロキサン (SiH3-CH2-SiH2-)2-O
ビス(1-メチルジシロキサニル)メタン (CH3-SiH2-O-SiH2-)2-CH2
2,2-ビス(1-メチルジシロキサニル)プロパン (CH3-SiH2-O-SiH2-)2-C(CH3)2
1,3,5,7-テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS) -(-SiHCH3-O-)4-(環状)
オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS) -(-Si(CH3)2-O-)4-(環状)
2,4,6,8,10-ペンタメチルシクロペンタシロキサン -(-SiHCH3-O-)-(環状)
1,3,5,7-テトラシラノ-2,6-ジオキシ-4,8-ジメチレン -(-SiH2-CH2-SiH2-O-)2-(環状)
ヘキサメチルシクロトリシロキサン -(-Si(CH3)2-O-)3-(環状)
1,3-ジメチルジシロキサン CH3-SiH2-O-SiH2-CH3
ヘキサメトキシジシロキサン(HMDOS) (CH3O)3-Si-O-Si-(OCH3)3
及びそれらのフッ素化誘導体を含む。
【0114】
[0112]窒素ドープされた炭化シリコンは、20原子%までの窒素を含み、例えば、アンモニア、窒素ガス、窒素及び水素ガスの混合物、及び、シラザン化合物のようなSi-N-Si結合基を有する化合物を含む窒素含有化合物を加えることによって堆積させることができる。適切なシラザン前駆物質の例としては、ヘキサメチルジシラザンやジビニルテトラメチルジシラザンのような脂肪族化合物、ヘキサメチルシクロトリシラザンのような環状化合物をが挙げられる。
【0115】
[0113]例えば、ドープされた炭化シリコン層は、酸素源及び/又は窒素源、又は他のドーパントを、約50sccm〜約10,000sccmの流量で処理チャンバに導入することによって堆積させることができる。例えば、窒素含有又は窒素ドープされた炭化シリコン層は、炭化シリコン層の堆積中、アンモニア、窒素、窒素及び水素の混合物、又はそれらの組合せのような窒素源を導入することによって堆積させることができる。
【0116】
[0114]低k炭化シリコン層のリン及び/又はホウ素ドーピングは、堆積プロセス中、ホスフィン(PH)又はボラン(BH)、又はジボラン(B)のようなそれらのボラン誘導体をチャンバに導入することによって行うことができる。ドーパントは堆積した炭化シリコン材料の誘電率を低下させることができると考えられる。リン及び/又はホウ素ドーパントは約50sccm〜約10,000sccmの流量で処理チャンバに導入することができる。
【0117】
[0115]脂肪族炭化水素化合物のような有機化合物は、また、堆積した炭化シリコン材料の炭素含量を増加させるために処理ガス中で用いることができる。適切な脂肪族炭化水素化合物としては、1〜約20個の隣接した炭素原子を有する化合物が含まれる。炭化水素化合物は、単結合、二重結合、三重結合のあらゆる組み合わせによって結合する隣接した炭素原子を含むことができる。
【0118】
[0116]窒素含有炭化シリコン層を堆積させる方法の例は、2000年7月28日、2001年2月23日出願の米国特許出願第09/627,667号及び2003年3月25日発行の米国特許出願第6,537,733号に開示され、その中に記載される特許請求の範囲及び開示と一致する範囲によって本明細書に援用されている。酸素含有炭化シリコン層を堆積させる方法の一例は、2002年7月15日出願の米国特許出願第10/196,498号に開示され、その中に記載される特許請求の範囲及び開示と一致する範囲によって援用されている。ホウ素及び/又はリン炭化シリコン層を堆積させる方法の一例は、2003年1月13日出願の米国特許出願第10/342,079号に開示され、その中に記載される特許請求の範囲及び開示と一致する範囲によって本明細書に援用されている。
【0119】
[0117]一般的には、有機ケイ素化合物、不活性ガス、任意のドーパントは、炭化シリコン層が堆積されている基板から約200ミリメートル(mm)〜約600ミリメートルの隔置されたガス分配プレートによって処理チャンバに導入される。
【0120】
[0118]電力は、単一又はデュアル周波数RF電源を適用することができる。例えば、プラズマは、200mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約500W〜約1100WのRF電力レベルである、約0.03W/cm〜約6.4W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。プラズマは、300mm基板に対して約10W〜約2000W、例えば、13MHz〜14MHz、例えば、13.56MHzのような高周波数で約500W〜約1100WのRF電力レベルである、約0.01W/cm〜約2.8W/cmの範囲の電力密度を適用することによって生成させることができる。
【0121】
[0119]電力は、デュアル周波数RF出力源から適用することができる。混合RF電力のデュアル周波数源は、約10MHz〜約30MHzの範囲、例えば、約13.56MHzの高周波数電力と、約100KHz〜約500KHzの範囲、例えば、約350KHzの低周波数電力を供給する。混合周波数RF電力印加の一例としては、約200ワット〜約1000ワットの範囲の電力の約10MHz〜約30MHzの範囲の周波数をもつ第1RF電力と、約1ワット〜約200ワットの範囲の電力の約100KHz〜約500KHzの範囲の周波数をもつ少なくとも第2RF電力を含むことができる。第2RF電力と総混合周波数電力との比は、好ましくは約0.2未満:1.0である。
【0122】
[0120]更に、ガス混合物におけるシリコン源とドーパントとの比は、約1:1〜約100:1の範囲になければならない。上記のプロセスパラメータは、カリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社から入手できる堆積チャンバ内で200mm(ミリメール)基板上で実施した場合、約100オングストローム/分〜約3000オングストローム/分の範囲の炭化シリコン層の堆積速度を与える。
【0123】
[0121]炭化シリコン層を堆積させるために本明細書に記載される実施形態は、本発明を具体的に説明するために示され、図示された具体的な実施形態は本発明の範囲を制限するために用いるべきではない。本発明は、また、炭化シリコン層を堆積させるために用いられる他のプロセス及び材料を企図している。
【0124】
[0122]上記は本発明の好ましい実施形態に関するが、本発明の更に多くの実施形態がその基本的範囲から逸脱せずに構成されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1A】図1Aは、本発明のデュアルダマシン堆積順序の一実施形態を示す断面図 である。
【図1B】図1Bは、本発明のデュアルダマシン堆積順序の一実施形態を示す断面図 である。
【図1C】図1Cは、本発明のデュアルダマシン堆積順序の一実施形態を示す断面図 である。
【図1D】図1Dは、本発明のデュアルダマシン堆積順序の一実施形態を示す断面図 である。
【図2A】図2Aは、本発明の改善された層間接着順序の一実施形態を示す断面図で ある。
【図2B】図2Bは、本発明の改善された層間接着順序の一実施形態を示す断面図で ある。
【図2C】図2Cは、本発明の改善された層間接着順序の一実施形態を示す断面図で ある。
【図3A】図3Aは、本発明の改善された層間接着順序の一実施形態を示す断面図で ある。
【図3B】図3Bは、本発明の改善された層間接着順序の一実施形態を示す断面図で ある。
【図3C】図3Cは、本発明の改善された層間接着順序の一実施形態を示す断面図で ある。
【符号の説明】
【0126】
100…基板、105…基板表面材料、107…金属特徴部、110…バリヤ層、112…誘電体層、114…エッチストップ、116…コンタクト/バイア、118…誘電体層、120…相互接続ライン、122…レジスト材料、124…バリヤ層、126…特徴部、128…酸化物、130…ニトロ化層、132…炭化シリコン層、140…導電材料、142…シリサイド層、144…炭化シリコン層。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
処理チャンバ内に基板を配置するステップであって、該基板が1つ以上のパターン形成低k誘電体層とその中に形成された導電材料を含む、前記ステップと、
シリコンベースの化合物を該処理チャンバに導入するステップと、
該導電材料のシリサイド層を形成するステップと、
該シリサイド層上に炭化シリコン層を真空を破壊せずに堆積させるステップと、を含む、前記方法。
【請求項2】
該シリサイドが、該シリコンベースの化合物と該導電材料を熱増強プロセス、プラズマ増強プロセス、又はその双方によって反応させることにより形成される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
該炭化シリコン層の堆積前に、該シリサイド層を窒素と水素を含む還元化合物のプラズマに曝すステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
該シリコンベースの化合物が炭素を含まないシリコンベースの化合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
該炭素を含まないシリコンベースの化合物がシランを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
該炭化シリコン層が、
トリメチルシラン、2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、及びそれらの組合せの群より選ばれる有機ケイ素化合物を導入するステップと、
該有機ケイ素化合物のプラズマを生成させるステップと、
によって堆積される、請求項1記載の方法。
【請求項7】
該炭化シリコン層の堆積中、不活性ガス、還元化合物、シリコンベースの化合物、又はそれらの組合せを導入するステップを更に含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
該シリコンベースの化合物が、炭素含有シリコンベースの化合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
該炭素含有シリコンベースの化合物が、トリメチルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジメチルメチルシラン、及びそれらの組合せを含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
該炭素含有シリコンベースの化合物とともに不活性ガスを導入するステップを更に含む、請求項9記載の方法。
【請求項11】
該不活性ガスがヘリウム、アルゴン、又はそれらの組合せを含む、請求項10記載の方法。
【請求項12】
該シリサイドが、該炭素含有シリコンベースの化合物と該導電材料を不活性ガスの存在下にプラズマ増強プロセスによって反応させることにより形成される、請求項10記載の方法。
【請求項13】
窒素と水素を含む還元化合物を該処理チャンバに導入するステップと、
該還元化合物のプラズマを該処理チャンバ内で開始させるステップと、
該シリコンベースの化合物を該処理チャンバに導入する前に、該導電材料を該還元化合物の該プラズマに曝すステップと、
を更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
該還元化合物が、アンモニア又は窒素ガスと水素ガスの混合物を含む、請求項13記載の方法。
【請求項15】
該還元化合物とともに不活性ガスを導入するステップを更に含む、請求項13記載の方法。
【請求項16】
該シリコンベースの化合物とともに窒素と水素を含む還元化合物を導入するステップを更に含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
基板を処理する方法であって、
該基板を処理チャンバ内に配置するステップであって、該基板が1つ以上のパターン形
成低k誘電体層とその中に形成された導電材料を含む、前記ステップと、
シリコンベースの化合物と還元化合物を該処理チャンバに導入するステップと、
該導電材料のシリサイド層を形成するステップと、
該シリコンベースの化合物と還元化合物のプラズマを開始させるステップと、
窒化シリコン層を堆積させるステップと、
該窒化シリコン層上に炭化シリコン層を真空を破壊せずに堆積させるステップと、
を含む、前記方法。
【請求項18】
該シリサイドが、該シリコンベースの化合物と該導電材料を熱増強プロセス、プラズマ増強プロセス、又はその双方によって反応させることにより形成される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
該シリコンベースの化合物が、炭素を含まないシリコンベースの化合物を含む、請求項17記載の方法。
【請求項20】
該炭素を含まないシリコンベースの化合物がシランを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
該炭化シリコン層が、
トリメチルシラン、2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、及びそれらの組合せの群より選ばれる有機ケイ素化合物を導入するステップと、
該有機ケイ素化合物のプラズマを生成させるステップと、
によって堆積される、請求項17記載の方法。
【請求項22】
該炭化シリコン層の堆積中、不活性ガス、還元化合物、シリコンベースの化合物、又はそれらの組合せを導入するステップを更に含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
該シリコンベースの化合物が、炭素含有シリコンベースの化合物を含む、請求項17記載の方法。
【請求項24】
該炭素含有シリコンベースの化合物が、トリメチルシラン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、及びそれらの組合せを含む、請求項17記載の方法。
【請求項25】
該炭素含有シリコンベースの化合物とともに不活性ガスを導入するステップであって、該不活性ガスがヘリウム、アルゴン、又はそれらの組合せを含む、前記ステップを更に含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
該窒化シリコン層の堆積前に、該シリサイド層を窒素と水素を含む還元化合物のプラズマに曝すステップを更に含む、請求項17記載の方法。
【請求項27】
該シリサイドが、該炭素含有シリコンベースの化合物と該導電材料を不活性ガスの存在下にプラズマ増強プロセスによって反応させることにより形成される、請求項25記載の方法。
【請求項28】
窒素と水素を含む還元化合物を該処理チャンバに導入するステップと、
該還元化合物のプラズマを該処理チャンバ内で開始させるステップと、
該シリコンベースの化合物を該処理チャンバに導入する前に、該導電材料を該還元化合
物の該プラズマに曝すステップと、
を更に含む、請求項17記載の方法。
【請求項29】
該還元化合物が、アンモニア又は窒素ガスと水素ガスの混合物を含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
該還元化合物とともに不活性ガスを導入するステップを更に含む、請求項28記載の方法。
【請求項31】
基板を処理する方法であって、
該基板を処理チャンバ内に配置するステップであって、該基板が1つ以上のパターン形
成低k誘電体層とその中に形成された導電材料を含む、前記ステップと、
窒素と水素を含む還元化合物を該処理チャンバに導入するステップと、
該還元化合物のプラズマを該処理チャンバ内で開始させるステップと、
該導電材料を該還元化合物の該プラズマに曝すステップと、
有機ケイ素前駆物質を該処理チャンバに導入するステップと、
該有機ケイ素前駆物質と該還元化合物とを反応させるステップと、
窒素ドープされた炭化シリコン誘電材料を該1つ以上のパターン形成低k誘電体層と導電材料上に堆積させるステップと、
炭化シリコン層を該ドープされた炭化シリコン層上に真空を破壊せずに堆積させるステップと、
を含む前記方法。
【請求項32】
該還元化合物が、アンモニア又は窒素ガスと水素ガスの混合物を含む、請求項31記載の方法。
【請求項33】
該還元化合物とともに不活性ガスを導入するステップを更に含む、請求項31記載の方法。
【請求項34】
該有機ケイ素化合物が、トリメチルシラン、2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、及びそれらの組合せの群より選ばれる、請求項31記載の方法。
【請求項35】
該有機ケイ素化合物とともに不活性ガス、水素ガス、該還元化合物、又はそれらの組合せを導入するステップを更に含む、請求項31記載の方法。
【請求項36】
プラズマを開始させる該ステップが、単一周波数RF電源又はデュアル周波数RF電源によってプラズマを生成させる工程を含む、請求項31記載の方法。
【請求項37】
該導電材料が、銅、ドープされた銅、又は銅合金を含む、請求項31記載の方法。
【請求項38】
該1つ以上のパターン形成低k誘電体層が、炭化シリコン、ドープされた炭化シリコン、シリコンオキシカーバイド、又はそれらの組合せを含む、請求項31記載の方法。
【請求項39】
基板を処理する方法であって、
該基板を処理チャンバ内に配置するステップであって、該基板が1つ以上のパターン形成低k誘電体層とその中に形成された導電材料を含む、前記ステップと、
窒素と水素を含む還元化合物を該処理チャンバに導入するステップと、
該還元化合物の第1プラズマを該処理チャンバ内で開始させるステップと、
該導電材料を該還元化合物の該プラズマに曝すステップと、
該第1プラズマと還元化合物を停止させるステップと、
有機ケイ素前駆物質を該処理チャンバ内に導入するステップと、
該有機ケイ素前駆物質の第2プラズマを該処理チャンバ内で開始させるステップと、
該有機ケイ素化合物とともに該還元化合物を導入するステップと、
窒素ドープされた炭化シリコン誘電材料を該1つ以上のパターン形成低k誘電体層と導電材料上に真空を破壊せずに堆積させるステップと、
を含む前記方法。
【請求項40】
該還元化合物が、アンモニア又は窒素ガスと水素ガスの混合物を含む、請求項39記載の方法。
【請求項41】
該還元化合物とともに不活性ガスを導入するステップを更に含む、請求項39記載の方法。
【請求項42】
該有機ケイ素化合物が、トリメチルシラン、2,4,6,8-テトラメチルシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ジメチルフェニルシラン、ジフェニルメチルシラン、及びそれらの組合せの群より選ばれる、請求項39記載の方法。
【請求項43】
該有機ケイ素化合物とともに、不活性ガス、水素ガス、該還元化合物、又はそれらの組合せを導入するステップを更に含む、請求項39記載の方法。
【請求項44】
プラズマを開始させる該ステップが、単一周波数RF電源又はデュアル周波数RF電源によってプラズマを生成させる工程を含む、請求項39記載の方法。
【請求項45】
該導電材料が、銅、ドープされた銅、又は銅合金を含む、請求項39記載の方法。
【請求項46】
該1つ以上のパターン形成低k誘電体層が、炭化シリコン、ドープされた炭化シリコン、シリコンオキシカーバイド、又はそれらの組合せを含む、請求項39記載の方法。
【請求項47】
基板を処理する方法であって、
該基板を処理チャンバ内に配置するステップであって、該基板が1つ以上のパターン形成低k誘電体層とその中に形成された導電材料を含む前記ステップと、
窒素と水素を含む還元化合物を第1流量で該処理チャンバに導入するステップと、
該還元化合物の第1プラズマを該処理チャンバ内で開始させるステップと、
該導電材料を該還元化合物の該プラズマに曝すステップと、
該第1プラズマを停止させるステップと、
有機ケイ素前駆物質を該処理チャンバに導入するステップと、
該還元化合物を該第1流量を超える第2流量で導入するステップと、
該有機ケイ素前駆物質と該還元化合物の第2プラズマを該処理チャンバ内で開始させるステップと、
炭素ドープされた窒化シリコン誘電材料を該1つ以上のパターン形成低k誘電体層と導電材料上に堆積させるステップと、
該第2プラズマを停止させるステップと、
該有機ケイ素前駆物質を該処理チャンバに導入するステップと、
該還元化合物を該第2流量未満の第3流量で導入するステップと、
該有機ケイ素前駆物質と該還元化合物の第3プラズマを該処理チャンバ内で開始させるステップと、
窒素ドープされた炭化ケイ素誘電材料を該1つ以上のパターン形成低k誘電体層と導電材料上に真空を破壊せずに堆積させるステップと、
を含む、前記方法。

【公開番号】特開2011−228717(P2011−228717A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−114735(P2011−114735)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【分割の表示】特願2007−509570(P2007−509570)の分割
【原出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】