説明

光学的テストヘッドの漂遊光を減少又は排除する方法及び装置

【課題】ワークピース表面から反射される光を使用してワークピースの表面を検査するのに使用される方法及び装置を提供する。
【解決手段】光学的テストヘッドは、光ビームを光源からワークピースへ通信する1つ以上の入力光学路と、ワークピースから反射された光を検出器へ通信する1つ以上の出力光学路とを備えている。これら入力光学路及び出力光学路は、1つ以上のミラー及び1つ以上のレンズを含むことができる。光学路の少なくとも1つは、漂遊光を捕獲し及び/又は吸収するための層を含む。1つ以上のレンズは、レンズからの望ましからぬ光の反射により生じるノイズを減少するための反射防止コーティングを含む。光学路は、漂遊光を減少するための1つ以上のマスクを含む。1つ以上のマスクは、調整可能なアパーチャー(例えば、虹彩)を有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造プロセスの任意のポイントの間に磁気ディスクを形成するのに使用される基板のようなワークピース(出来上がったディスクも含む)を光学的に検査するための方法及び装置に係る。又、本発明は、このような装置を形成する方法にも関する。
【0002】
プロビジョナル特許出願へのクロスレファレンス:本出願は、2005年1月13日に出願された米国プロビジョナル特許出願第60/643,748号に基づく優先権を請求する。
【背景技術】
【0003】
磁気ディスクは、通常、次の方法を使用して製造される。
1.ディスク状の基板(通常、Al合金)をラッピング又は研削する。
2.ニッケル燐合金のような材料を基板にメッキする。
3.メッキした基板を研磨し、テクスチャー処理する。(テクスチャー処理中に、通常、機械的な磨きにより基板にテクスチャーグルーブを形成して、その後に堆積される磁気層が非等方性を示すようにする。又、摩擦学的な理由で基板をレーザテクスチャー処理することも知られている。)
4.メッキされた基板上に、1つ以上の下層、1つ以上の磁気層及び1つ以上の保護オーバーコートを堆積する。(堆積プロセスは、スパッタリング又は他の技術を含むことができる。)製造中に基板に他の層を堆積することもできる。
5.ディスクに潤滑剤を塗布する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造中の種々のポイントに(例えば、テクスチャー処理の前又は後に)、基板を段差、ピット、汚染粒子、又は他の欠陥について検査することが望まれる。このような検査中には、非常に小さな欠陥を検出できねばならない。従来技術では、この目的のためにレーザを使用して基板を走査することが知られている。例えば、トレベス氏等に発行された米国特許第6,566,674号及び第6,548,821号を参照されたい。(これらトレベス特許は、参考としてここに援用する。)
【0005】
不都合なことに、ある望ましからぬ光が、光学的テスト装置により発生された出力信号にノイズを導入することがある。このような光は、ダイオードレーザによって発生されたレーザビームを取り巻く「ハロー」、レンズのような構造体から反射される望ましからぬ光、装置外部の発生源、又は他の発生源を含む多数の発生源のいずれかである。従って、このような望ましからぬ光を減少又は排除することが要望される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による光学的検査装置は、光源(通常、レーザ)からの光をワークピースに通信するための1つ以上の入力光学路と、前記ワークピースから反射された光を1つ以上の検出器に通信するための1つ以上の出力光学路とを備えている。ここで使用する「検出器」とは、光学的トランスジューサである。それらは、ワークピース表面の欠陥を検出するのに使用される。典型的に、レンズ及び/又はミラーのような光学的要素が光学路に設けられる。(他の光学的要素が光学路に設けられてもよい。)
【0007】
一実施形態では、光学路の少なくとも1つが、望ましからぬ漂遊光を吸収及び/又は捕獲するための層を含む。
【0008】
前記層に代わって又はそれに加えて、反射防止コーティングをレンズの1つ以上に配置して、レンズからの反射を減少することができる。これは、望ましからぬ漂遊光も減少する。
【0009】
前記層及び反射防止コーティングに代わって又はそれに加えて、漂遊光を減少又は排除するために1つ以上の光学路に1つ以上のマスクが設けられる。(ここで使用する「マスク」という語は、調整可能なアパーチャー即ち虹彩を有するマスクを含む。)
【0010】
一実施形態では、基板上に形成されたテクスチャーにより生じる望ましからぬ回折光を減少又は排除するために1つ以上の出力経路に1つ以上のマスクが設けられる。別の実施形態では、この装置は、個別トラック記録のためにディスクに形成されたパターンを含む非テクスチャー付きディスクを検査するのに使用される。このような実施形態では、マスクは、パターンにより生じる回折光を減少又は排除することができる。(回折光は、通常、レーザビームが基板に当たるところのスポットから発生する。これに対して、マスク、反射防止コーティング、及び/又は吸収/捕獲層は、レーザビームが基板に当たるところのスポットから発生するのではない望ましからぬ光を減少又は排除する。)
【0011】
本発明による装置は、ワークピースの表面を検査するのに使用される。ここで使用する「検査」という語は、ワークピースの表面を欠陥の存在に対してテストし、表面を評価し、ワークピースの表面に関するデータを収集し、及び/又は1つ以上の基準に基づき表面が適当であるかどうか決定することを含む。「ワークピース」とは、検査されるべき任意の物体である。
【0012】
ある実施形態では、ワークピースにより反射された光を受け取るための複数の出力経路がある。通常、この装置は、異なる形式の反射光を受け取るための1から6個の出力経路を備えている。
【0013】
上述したように、一実施形態では、本発明による方法及び装置は、磁気ディスクの製造に使用される基板を検査するのに使用される。しかしながら、この方法及び装置は、製造プロセス中の任意の部分に磁気ディスクを検査するのにも使用でき、例えば、a)NiPをメッキする前のアルミニウム基板、b)NiPをメッキした後であるが、研磨及びテクスチャー処理される前の基板、c)研磨後であるがテクスチャー処理前の基板、d)テクスチャー処理後であるが、下層、磁気層及び保護オーバーコートをスパッタリングする前の基板、e)スパッタリング後であるが、潤滑剤を塗布する前の基板、又はf)出来上がった基板、を検査するのにも使用できる。ディスクが洗浄されるポイントも多数ある。洗浄の前又は後に検査を行うこともできる。ここで使用する「プラッター(円板)」という語は、製造中又は製造後の任意のポイントにおけるディスク(非アルミニウム基板を使用して作られるディスク、スパッタリング以外の堆積プロセスを使用して作られるディスク、垂直方向記録に関連して使用されるディスク、長手方向記録に関連して使用されるディスク、テクスチャー付きディスク及び非テクスチャー付きディスクを含む)を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本明細書は、漂遊光(ひいては、この光で生じるノイズ)を減少するための新規な構造を含む光学的ヘッドについて以下に説明する。ヘッドの特定の実施形態を詳細に説明するが、漂遊光を減少するための前記構造は、他の形式の光学的テスト装置(例えば、上述したトレベス特許に開示されたヘッド)にも使用できる。
【0015】
I.光学的検査装置10の概要
図1A、1B、2A及び2Bは、本発明による光学的検査装置10の一実施例を概略的に示し、この装置10は、ワークピース13(通常、プラッター)の上面13uを光学的に検査するためのヘッド12を備えている。(図1A及び1Bは、ヘッド12の外部を概略的に示す。一実施形態におけるヘッド12の実際の見掛けは、図3A−3Dに示されている。図2A及び2Bは、ヘッド12内の光学路及び要素を示す。)ヘッド12は、レーザビーム16を発生するためのレーザソース14を備えている。又、ヘッド12は、a)レーザビーム16を変更しそしてビーム16を表面13u上のスポットへと指向し収束させるための1組のレンズ、マスク、ミラー及び他の光学的要素(以下に述べる)と、b)表面13uにより反射された光を変更して種々の検出器20−26(以下に述べる)へ指向するための1組のミラー、レンズ及び他の光学的要素(これも以下に述べる)とを備えている。(ここで使用する「反射」とは、鏡面反射光及び/又は散乱光を含む。)検出器20−26からの出力信号O20−O26は、表面13uの状態を決定するように処理される。
【0016】
ヘッド12は、通常、モノリシック材料ブロックから構成され、そして上述したように、図3A−3Dに示す外部の見掛けをもつことができる。
【0017】
一実施形態では、レーザソース14が、660nmの波長を有するソリッドステートレーザ(例えば、ダイオードレーザ)である。しかしながら、他の実施形態では、異なる形式のレーザソース(ガスレーザのような)及び異なる形式のレーザ光(可視光線範囲以外の光を含む)を使用することができる。表面13u上のレーザスポットは、円形又は楕円形でもよいし、又は別の形状を有してもよい。一実施形態では、レーザスポットが実質的に楕円形であり、プラッター13の方位方向に8μm、そしてプラッター13の半径方向に25−30μmでよい。又、レーザは、直線偏光でも、円偏光でも、又はランダム偏光でもよい。
【0018】
図1A−1Bに例示する装置では、レーザ光が、プラッター13で反射して、偏向検出器20、狭角度散乱検出器22、広角度(約90°)散乱検出器24、及び後方散乱検出器26に向けられる。(図1Aを参照すれば、狭角度検出器22は、通常、側辺が反射ビームの中心光線とで角度αを形成する円錐内の散乱光を検出し、ここで、αの値は、5から30°である。)偏向検出器20は、上述した‘674特許又は‘821特許に説明された2セル(bi-cell)検出器でよい。或いは、検出器20は、4(quad)セル検出器でもよいし、又は例えば、1つ又は2つの方向に沿ったレーザビーム偏向を検出するための他の形式の装置でもよい。これら検出器22、24及び26は、ホトダイオードでも、ホトマルチプライヤでも、アバランシェホトダイオードでも、ホトトランジスタ等でもよい。一実施形態では、アドバンスト・ホトニックスにより製造されたデバイスモデル番号197−70−74−5.91のようなアバランシェホトダイオードが使用される。検出器20、22、24及び26からの出力信号は、関連増幅器A20、A22、A24及びA26に供給され、これら増幅器は、次いで、出力信号O20、O22、O24及びO26を処理のために回路C20、C22、C24及びC26に各々供給する。回路C20−C26は、以下で説明する。
【0019】
使用中に、スピンドルモータMがスピンドルSを回転し、このスピンドルが、次いで、プラッター13を回転する。同時に、レーザビーム16がプラッター13に対して矢印A1の方向に移動し、プラッター表面13uを横切ってスイープする。従って、表面13uの使用可能な全部分がレーザビーム16で走査され、表面13uを欠陥について検査する。一実施形態では、プラッター13が回転しながら方向A2に移動し、ヘッド12が固定のままである。別の実施形態では、ヘッド12が方向A1に移動し、一方、プラッター13が単に回転する。更に別の実施形態では、ヘッド12及びプラッター13が各々方向A2及びA1に同時に移動しながら、プラッター13が回転する。更に別の実施形態では、レーザビーム16の角度を変えて、プラッター13が回転する間にビーム16が表面13uを横切ってスイープするようにする。しかしながら、重要なことは、レーザビーム16とプラッター13との間に相対的な並進移動があって、表面13uを検査できることである。更に別の実施形態では、レーザが2つの軸に沿った方向にスイープする一方、プラッター13が固定である。しかしながら、好ましくは、プラッター13、モーターM及びスピンドルSは、ステッパモーター、リニアモーター又は他の形式のモーター(図示せず)により方向A2に移動される一方、ヘッド12は固定のままである。
【0020】
図1は、プラッター13の上面13uをテストするための上部テストヘッド12しか示していない。しかしながら、一実施形態では、プラッター13の下面を同時にテストするために同様の下部ヘッドがプラッター13の下にも設けられる(例えば、図7に示すように)。このような実施形態では、下部ヘッドは、以下に述べる理由で、上部ヘッドとは若干相違し得る。
【0021】
II.レーザビーム16の光学路の詳細な説明
図2A及び2Bを参照すれば、レーザビーム16は、ダイオードレーザ14を去った後、スリットマスク50及び52を通過し、ミラー54で反射され、そして任意の光学要素56を通過する。この光学要素56は、ガラスプレート56aと、該プレート56aに装着された円偏光板56b(通常は1/4波長リターダ)と、一方の平面が偏光板56bに装着された円筒状レンズ56cとを備えている。(要素56は、構造体56a、56b及び56cが互いに固定されたもので構成されるが、他の実施形態では、それらを互いに固定する必要はない。構造体56a、56b及び56cは、図2Bにおいて別々に概略的に示されている。)
【0022】
円筒状レンズ56cは、以下に述べるように、プラッター13上のレーザスポットの形状を制御することができる。偏光板56bは、レーザビーム16を円偏光する。これは、ヘッド12が、例えば、以下に述べるように、プラッター13におけるスクラッチの方向にあまり敏感でないようにする。
【0023】
光学要素56を通過した後に、ビーム16は、ビーム16をプラッター13に収束させるレンズ58と、マスク60(図2Aには示さないが、図2Bに示されている)とを通過する。次いで、ビーム16は、プラッター13に当たる。(ビーム16の入射角度は、通常、プラッター13に垂直ではなく、一実施形態では、プラッター13に対して約45°でよい。)以下に述べるように、ビーム16の若干は、プラッター13で鏡面反射し、そしてビーム16の若干は、プラッター13により散乱される(例えば、プラッターの表面に欠陥がある場合)。レーザビーム16の鏡面反射された部分は、比較的狭い角度でプラッター13から散乱されたレーザ光の部分と共に、集光レンズ62を通過する。集光レンズ62を通過した光は、以下、光16−1と称される。この光16−1の一部分は、狭角度ミラー64(図2Aには示されていないが、図2Bに示されている)に当たる。このミラー64は小型であるので、光16−1の外側部分16−1’は、ミラー64に当たらずに、ミラー64の外周を越えて進行し、ミラー66で反射され、レンズ68及び虹彩70を通過し、次いで、検出器22に当たる。(レンズ68は、光16−1’を検出器22に集中させる。)このように、検出器22は、比較的狭い角度αでプラッター13から散乱された光を受け取る。(上述したように、光16−1の部分16−1’が散乱される。プラッター13が完全に滑らかなものであれば、部分16−1’は、強度がゼロとなる。)
【0024】
光16−1の内側部分16−1”は、ミラー64で反射されて、4セル検出器20(以下で詳細に述べる)に当たる。この検出器20は、部分16−1”の鏡面反射の角度の僅かな変化を検出し、これは、比較的大きな段差又はピットがプラッター13に存在するかどうか指示する。(部分16−1”は、プラッター13から鏡面反射した光である。)又、4セル検出器20は、部分16−1”のパワー量の変化も検出する。このようなパワーの変化は、レーザダイオード14により供給されるパワーの変動、又は低い反射率を示すプラッター13のエリア(例えば、シミ)の存在により生じ得る。
【0025】
上述した実施形態は、小型ミラー64を使用するが、別の実施形態では、ミラー64が非常に大きく、しかし、鏡面反射された光部分16−1”を透過するための小さな開口を含む。この実施形態では、透過した光(部分16−1”)が4セル検出器20へ通され、一方、ミラーは、光部分16−1’を検出器22へ反射する。
【0026】
同時に、レーザ光の部分16−2が、プラッター13から散乱し、レンズ72により収集され、ミラー74から反射され、そしてレンズ76を通過し、該レンズは、部分16−2を検出器24に集中させる。同時に、レーザ光の部分16−3がプラッター13から後方散乱し、レンズ77により収集され、ミラー78から反射され、そしてレンズ80により検出器26に集中される。
【0027】
上述したように、部分16−1’及び16−2は、プラッター13の欠陥により各々狭い角度及び広い角度で散乱される光である。部分16−3は、プラッター13の欠陥により後方散乱される光である。部分16−1”は、プラッター13から鏡面反射される光である。部分16−1”は、プラッター13の比較的大きな欠陥の壁の角度を指示する。部分16−1’、16−1”、16−2及び16−3は、プラッター13の表面内にある異なる種類の欠陥の種々の特性を決定するのに使用される。
【0028】
要素50−80は、ヘッド12の一部分であり、エンクロージャー82内にしっかり保持される。一実施形態では、エンクロージャー82は、アルミニウムのような材料のモノリシックブロックである。(図1及び2Aは、ほぼ長方形プリズムの形状をもつものとしてモノリシックブロックを概略的に示すが、その外部は、通常、図3に示された通りである。)ヘッド12は、これを次のような3つの自由度で調整(操作)できるように装置10に装着される。即ち、a)焦点を合わせるためにZ軸に沿って並進移動する。b)X軸の周りで傾斜させる。c)Y軸の周りで傾斜させる。従って、ヘッド12は、ヘッド内の光学コンポーネントの位置及び角度を個々に調整する必要なく容易に操作することができる。ヘッド12を装置10に結合するのに、少数の調整を使用するだけでよい。
【0029】
ヘッド12は、3つの自由度だけで調整できるが、別の実施形態では、他の調整も可能である。更に別の実施形態では、Z軸のみに沿ってヘッド12を調整することができる。更に別の実施形態では、検出器20及び/又はレーザソース14の位置は、例えば、ヘッド12へと延びるスクリュー(図示せず)を使用して微調整を行うことで調整できる。
【0030】
III.円筒状レンズ56c
上述したように、一実施形態では、円筒状レンズ56cがレーザビーム16の入力光学路に設けられる。レンズ56cは、プラッター13における光スポットの形状の制御を容易にする。通常、レーザダイオードにより発生されるレーザビームは、アスペクト比が約3:1である。以下に述べるように、レーザビーム16は、通常、ある角度(例えば、約45°)でプラッター13に当たり、従って、レーザビーム16が何ら変更されない場合には、プラッター13におけるレーザスポット13は、そのアスペクト比が約2.1:1となる。レンズ56cは、ビーム16のアスペクト比を高める。一実施形態では、プラッター13におけるレーザスポットのアスペクト比は、2.5:1より大きく、例えば、4:1から5:1である。レーザスポットの長軸は、プラッター13とレーザビーム16との間の相対的へ並進移動の方向、即ち方向A1と実質的に平行である。このため、レーザビーム16が表面13uを走査するのに要する時間は、アスペクト比が4:1未満である場合より短くなる。(アスペクト比は、5:1以下に保持されるのが好ましい。というのは、アスペクト比が大き過ぎると、レーザビームのエネルギー密度が、表面13uを充分に検査するのに不充分になるからである。)
【0031】
一実施形態では、円筒状レンズ56cは、2つの仕方で機能する。第1に、レンズ56cは、ビームが集束レンズ58に当たるときに半径方向におけるビームの長さを減少し、これにより、プラッター13に当たるときに半径方向におけるビームの長さを増加させる。第2に、レンズ56cは、プラッター13上のレーザスポットを半径方向に焦点ずれさせる。(レーザスポットは、通常、周囲方向に焦点が合わされる。)重要なことに、これら2つの作用を組み合せると、半径方向のスポットサイズが、入力光学路に沿った円筒状レンズ56cの位置に実質的に不感とされる。例えば、実験中に、ビームスポットの長軸長さを1ミクロン以上変更せずに、レンズ56cを入力光学路に沿って60mm移動することができる。
【0032】
IV.レーザビーム16の偏光
上述したように、任意であるが、レーザビーム16は、例えば、これをプレート56bに通すことにより円偏光される。ビーム16が円偏光された場合、種々の検出器からの出力信号は、表面13uにおけるスクラッチがレーザ光の電界成分に平行であるか垂直であるかに基づいて変化する。例えば、図4を参照すれば、表面13uの周囲方向に沿って延びるスクラッチS1は、表面13uの半径方向に沿って延びるスクラッチS2とは異なる作用をヘッド12に及ぼす。例えば、a)レーザビーム16が直線偏光され、b)入射平面が方位方向にあり、そしてc)偏光方向が半径方向である場合には、スクラッチS2よりスクラッチS1からの方が多くの光が散乱する(スクラッチが同じであると仮定すれば)。偏光方向が入射平面である場合には、スクラッチS1よりスクラッチS2からの方が多くの光が散乱する。(この技術で知られたように、入射平面とは、入射及び鏡面反射ビームにより定義される平面である。)円偏光ビーム16により、スクラッチの方向に対するこの敏感さの相違が排除される。
【0033】
V.エンクロージャー82及びその製造方法
上述したように、ヘッド12は、ミラー、レンズ及び他の光学要素を備えている。種々の光学要素をヘッド12内に個々に整列させる必要性を回避してヘッド12を製造する方法を発見した。又、ヘッド12を非常にコンパクトな体積で設ける方法も発見した。例えば、巾W(図1A)が非常に小さくて、例えば、約5.9”であり、長さL及び厚みTが各々6.2”及び3.23”であるように、ヘッド12を構成することができた。(これらの寸法は、単なる例示に過ぎない。)これが効果的である理由は、ヘッド12のサイズが最小にされた場合に、ヘッド12の製造中に種々の装置に僅かな角度変化が生じても、ビーム光学路のずれにほとんど影響しないからである。又、ヘッド12を小さくするよう確保することで、装置10の「設置面積」を最小にすることができる。
【0034】
本発明による方法を説明するために、材料のブロック100(この場合も、通常、アルミニウムのような金属)を概略的に示す図5Aを参照する。ブロック100の交差部分102及び103は、光がダイオードレーザ14からミラー54及びプラッター13へ通過するための入力経路を形成するようにミリングされる。重要なことに、マスク50及び52を保持する表面を形成するために、棚102a及び102bが経路102に残される。マスク50及び52は、部分102の開口102’を通して落とされ、位置固定される。
【0035】
図5Bに示すように、ブロック100の角104もミリングされて、例えば、接着剤又は他の技術を使用してミラー54をブロック100に適切な角度で装着できるようにされる。
【0036】
部分105、106、108及び110(図3C、3D)も、ブロック100からミリングされて、検出器20−26に向けて光が進むための出力経路を形成する。レンズ68、76及び80を保持するためにブロック100に棚が残される。任意であるが、虹彩を使用する実施形態のために、虹彩を保持する棚が経路106−110にも残される。これらの要素は、ミリングされた部分106、108、110の開口に適当に挿入されて、それらの関連する棚に固定される。
【0037】
部分111、112及び113(図3A、3B)も、ブロック100からミリングされて、反射レーザ光の部分16−1、16−2及び16−3のための経路を形成する。集光レンズ62、72及び77を保持するためにブロック100に棚が残される。レンズ62、72及び77は、経路111、112及び113の開口に挿入され、それに関連した棚に適切に固定される。更に、ガラス窓64wを保持するために部分111に棚111aが残され、そこにペデスタル64pが添付され、そこにミラー64が装着される(図5C)。(図5Cは、ヘッド12内にミラー64を保持する1つの仕方を示すに過ぎない。ミラー64を保持するのに他の技術も使用できることが明らかである。)
【0038】
最終的に、ブロック100から側部又は角部が切削され、例えば、接着剤又は他の技術を使用して、ミラー66、74及び78をブロック100に適切な角度で装着できるようにされる。
【0039】
異なる実施形態では、ブロック100の種々の部分を、上記とは異なる順序で除去できることが明らかであろう。
【0040】
VI.ヘッド12内の漂遊光の減少又は除去
本発明の一実施形態によれば、出力信号O20−O26にノイズを発生することのある漂遊光の量を最小限にするために多数の技術が使用される。(漂遊光は、多数の原因で生じ得る。例えば、ダイオードレーザは、主レーザビーム16の周りに「ハロー」をしばしば放出する。又、漂遊光は、ヘッド12内のレンズ、マスク又は他の要素の望ましからぬ反射からも生じ得る。)一実施形態では、黒いチューブを種々の開口に挿入して光学路の壁に当て、そこに生じる漂遊光を吸収する。チューブの表面は、電気メッキ技術により黒くされる。(一実施形態では、チューブ壁にニッケルが電気メッキされる。一形式の光吸収層が、ニューヨーク州ブロックリンのイプナー・テクノロジー・インクから入手できる。参考としてここに取り上げる2005年1月13日に出願された本出願人のプロビジョナル特許出願第60/643,748号のExhibitAとして提出したwww.epner.comからのページも参照されたい。)黒いチューブは、漂遊光を吸収するための「光トラップ」を構成する。
【0041】
別の実施形態では、ヘッド12に黒いチューブを挿入するのではなく、ヘッド12の内部をアノード処理して、光学路のための曇った黒いマット面を設けることができる。
【0042】
一実施形態では、多数の反射を防止するためにヘッド12内の種々のレンズに狭帯域V型AR(反射防止)コーティングが付着される。(ここで使用する「V型ARコーティング」とは、「スーパーV型ARコーティング」も含む。)このようなコーティングは、通常、レーザビーム16の波長に対して仕立てられる。この実施形態によりコーティングされたレンズにより示される反射率は、通常、0.25%未満である。
【0043】
スリットを伴う1つ以上のマスクが光学路に挿入されるか、又はレンズに添付されて、ヘッド12の動作を干渉する漂遊光を減少又は防止する。
【0044】
最終的に、マスク又は虹彩が、1つ以上の検出器20−26の前方に設けられる。(虹彩は、調整可能なサイズの開口をもつことのできるマスクである。)
【0045】
上述したマスク、コーティング及び虹彩は、漂遊光、例えば、プラッター13に欠陥がなくても散乱光の光学路に存在する光、を防止し又は減少する。これらマスク、コーティング及び虹彩は、プラッター13上の欠陥により生じた光に影響し又は実質的に影響するのを回避するように設計され且つ配置される。
【0046】
更に、プラッター13の表面に故意に設けた希望のテクスチャー又はパターン(例えば、個別のトラック記録のために)により生じる光を阻止するために1つ以上の他のマスクを設けることもできる。しかしながら、プラッター13上のパターンによる回折で生じた上記光を排除又は減少する出力光学路のこれらマスクは、欠陥により生じる光のある程度の部分も阻止し得る。
【0047】
一実施形態では、全てのレンズに反射防止コーティングが設けられるが、別の実施形態では、あるレンズ、例えば、レンズ58及び62のみに反射防止コーティングが設けられる。同様に、ある実施形態では、ある光学路、例えば、入力経路102及び103と、狭角度の散乱出力経路111及び106のみに沿って光トラップチューブが配置されるだけである。又、ある実施形態では、検出器22の前方だけに虹彩が設けられる。
【0048】
漂遊光を減少する重要性は、次のことから明らかとなろう。一実施形態では、利得が300のアバランシェホトダイオードが、10000オームのフィードバック抵抗を伴う低ノイズトランスインピーダンス増幅器に接続され、その後に、利得が3の後増幅器が続く。システムの帯域巾は、10MHzである。測定された電子ノイズは、0.45mVRMSであり、一方、計算値は、0.3mVRMSであった。118nWのレーザ光がアバランシェホトダイオードに当たる状態で測定されたショットノイズは、7.4mVRMSであり、一方、計算値は、6.2mVRMSであった。ショットノイズは、光パワーの平方根に比例する。それ故、ショットノイズを電子ノイズのレベルまで減少するためには、漂遊光が1nW以下の程度でなければならない。典型的なレーザパワーは20mWであるから、レーザ漂遊光をレーザパワーの0.0005%に減少するように試みなければならない。
【0049】
VII.レンズの数を減少した実施形態
図6Aは、プラッター13、散乱光16−2、集光レンズ72、集中レンズ76及び検出器22を概略的に示す。(図示を容易にするために、ミラー74は図6Aから除去されている。)レンズ72と76との間の光が実質的にコリメートされる場合には、ヘッド12の動作に影響せずに光学距離D1を任意に長くすることができる。一実施形態では、両レンズ72及び76が使用されるが、別の実施形態では、単一のレンズ72’が光16−2を収集すると共に、光16−2を検出器22に集中もする(図6B)。同様に、光16−3を両レンズ77及び80に通さずに、単一のレンズを使用することもできる。同様に、光16−1’を両レンズ62及び68に通さずに、単一のレンズを使用することもできる。
【0050】
図6Bの実施形態では、距離D1’がレンズ72’の焦点特徴に依存する。距離D1’は、任意に選択することができない。又、レンズ72’がレンズ72と同一である場合には、プラッター13とレンズ72’との間の距離D2が、レンズ72とプラッター13との間の対応距離D3より大きくなければならない。これは、レンズ72に比してレンズ72’の有効開口数のロスを余儀なくする。
【0051】
VIII.2つのテストヘッドを備えた実施形態
A.プラッター上のレーザスポットの変位
上述したように、一実施形態では、プラッター13の上面13uをテストするための単一テストヘッド12が設けられる。他の実施形態では、テストヘッド12がプラッター13の上面をテストする間にプラッター13の下面をテストするための第2のテストヘッド12dが設けられる(図7)。このような1つの実施形態では、ヘッド12dは、スピンドルSのためのスペースを設けるように若干変更される。更に、ヘッド12dにおけるレンズ62dの位置が、ヘッド12におけるレンズ62の位置に比して若干ずらされる。(ここで使用する文字「d」は、下部ヘッド12dの構造と、上部ヘッド12の対応する構造との間を区別するために要素の参照番号に追加される。更に、一実施形態では、上部レーザビーム16は、プラッター13の上面13uに沿って経路122(図8)をトレースする(即ち、プラッター13の半径方向に)が、下部レーザビーム16dは、このような半径方向経路から距離D4だけ変位された若干異なる経路122dをプラッター13の下面13dに沿ってトレースする。これは、スピンドルSの存在中で高い開口数(高い集光効率)をもつレンズ62dを使用できるようにするために行われる。(一実施形態において、距離D4は4.763mmであり、レンズ62dの直径及び後方焦点長さは、各々、25mm及び20.2mmであり、そして走査されるべき最小距離は、15.5mmである。レンズ62dの有効直径は、22mmである。レンズ62は、レンズ62dと同一である。これらの値は、単なる例示に過ぎない。)
【0052】
図9及び10は、ヘッド12dの一部分を各々平面図(見上げた)及び側面図で示している。(図9及び10において、反射レーザ光の部分16−2d及び16−3dに関連した光学的要素、及び上面13uに関する要素は、明瞭化のために除去されている。)図9及び10において、レーザビーム16dは、プラッター13の内径付近で表面13d上のポイント124dに当たる。(ポイント124dは、図10では、隠されており、それ故、見えない。)レンズ62dは、ポイント124dから角度βで円錐状の光を受け取る。ポイント124dがプラッター13の半径Rから距離D4だけ変位されていない場合には、レンズ62dがポイント124dから更に離れることになるので、角度βが減少されることが明らかであろう。レンズ62dは、スピンドルSがあるので、ポイント124dの近くへ移動することができない。図示されたようにポイント124dを変位させることにより、角度βを減少させる必要がなく、それ故、レンズ62dの開口数を増加することができる。これは、より多くの光エネルギーを検出器22dへ与えるという利益を有する。
【0053】
図9及び10を参照して上述した作用は、図11に示すように等価的に達成される。図11を参照すれば、トラック130は、走査されるべきプラッター13の最も内側のトラックを表す。(ここで使用する「トラック」という語は、トラックが連続螺旋の一部である実施形態と、トラックが個別である実施形態とを含む。)レーザビーム16dは、入射平面がトラック130に正接しないようにプラッター13上のポイント124dに当たる。むしろ、ここに示す実施形態では、入射平面が、トラック130に対して角度θ(一実施形態では、17.90°)を形成する。入射平面及びトラック130を上述したように配列することにより、開口数を犠牲にせずにトラック130を走査できるようにレンズ62dを構成できる。
【0054】
入射レーザビーム16dの光の円錐は、反射光16−1dの円錐より非常に狭いことに注意されたい。入射ビーム及び反射ビームのこの特性は、上述した変位技術を使用してレンズ62dに対して高いNAを使用できるようにする。
【0055】
上述したように、一実施形態では、レーザビーム16、16dがプラッター13の上面及び下面13u、13dを同時に走査する。下部レーザビーム16dは、上述したように変位される(又は入射平面を上述したようにトラック130と交差させる)ことが重要である。というのは、スピンドルS(プラッター13の下に延びるが、上には一般的に延びない)がレンズ62dの配置と干渉するからである。従って、上部レーザビーム16の変位は、不必要である。不必要ではあるが、ある実施形態では、ヘッド12及び12dを実質的に同一にできるように上部レーザビーム16が変位される。実際に、図3A−3Dは、ヘッド12から切り取られた半円筒状断面132を示している。これは、ヘッド12及び12dを同一にすべき場合に有用であり、ヘッド12dが表面13dの内側トラックを走査するときにスピンドルSを受け入れできるような余地を許す。
【0056】
ビーム16dが変位されるので、検出器20d−26dからの出力信号を処理するソフトウェアは、以下に述べるように、表面13dの特性の「マップ」を発生するときにこの変位を考慮に入れる。
【0057】
B.ビーム16dに対するレーザビーム16の角度
一実施形態において、ヘッド12及び12dは、ヘッド12dに対するレーザビーム16の干渉を回避し又は最小限にすると共に、ヘッド12に対するレーザビーム16dの干渉を回避し又は最小限にするように構成される。これは、プラッター13に対するレーザビーム16及び16dの入射角を選択することにより達成できる。図12は、ヘッド12、12d及びプラッター13の並置を示す平面図である。又、図12は、a)プラッター13の移動方向A2、b)プラッター13の平面における入射レーザビーム16(ミラー54を去った後)及び鏡面反射レーザビーム16”(ミラー64に当たる前)の方向A3、及びc)プラッター13の平面における入射レーザビーム16d(ミラー54dを去った後)及び鏡面反射レーザビーム16”(ミラー64dに当たる前)の方向A4も示している。
【0058】
明らかなように、方向A3及びA4は角度γにあり、ビーム16”及び16d”は、異なる方向に進む。(角度γは、通常、0°より大きいが、20°未満である。)この角度は、ビーム16がプラッター13の外縁付近にあるときにプラッター13の片側から散乱した光がプラッター13の他側の集光レンズへ進む確率を減少する。好都合にも、これは、ヘッド12のレーザ光がヘッド12dに影響を及ぼし且つそれとは逆にも影響を及ぼすという「交配伝達」即ち干渉を防止する。
【0059】
図12において明らかなように、方向A3及びA4は、逆平行であるように若干接近している。従って、図12の実施形態では、ヘッド12及び12dは同一でよく、ヘッド12dは、ヘッド12を「ひっくり返した」ものである。a)方向A3及びA4が逆平行に近く、b)ビーム16がミラー64dから一般的に離れるように進み、そしてc)ビーム16dがミラー64から一般的に離れるように進むことも、ヘッド12と12dとの間の交配干渉を防止するように働く(特に、ビーム16及び16dがプラッター13の外径付近のポイントに当たるとき)。しかしながら、別の実施形態では、方向A3及びA4を逆平行に近いものとする必要はない。
【0060】
図12は、ポイント124、124dが距離D4(上述した)だけ互いに変位されたことを示している。しかしながら、別の実施形態では、スポット124がスポット124dの真上にある。更に別の実施形態では、スポット124及び124dがD4の2倍の距離だけ変位される。(このような実施形態では、ヘッド12及び12dは同一でよい。)
【0061】
方向A3及びA4は角度γを形成するが、一実施形態では、方向A3及びA4が逆平行である。更に別の実施形態では、方向A3及びA4が、逆平行ではなく平行に近いが、依然として互いに対して角度γを形成する。
【0062】
IX.4重検出器20及び回路C20
一実施形態において、検出器20は、4つの領域20−1、20−2、20−3及び20−4を有する半導体デバイスのような4重検出器40である(図13)。レーザ光16の部分16−1”のスポット150が、上述したように、検出器20に当たる。レーザビーム16が表面13uの欠陥に当たると、欠陥壁の傾斜に基づいて、スポット150は、検出器20の中心Cから偏向される。スポット150が方向A5に偏向される場合には、領域20−2からの出力信号が、領域20−1、20−3及び20−4からの出力信号より大きくなる。表面13u上のビーム16がより急峻な欠陥に遭遇する場合には、スポット150が方向A5に更に移動し、領域20−2からの出力信号は、あまり急峻でない欠陥に遭遇した場合に得られるものより大きくなる。
【0063】
欠陥によりスポット150が方向A6に偏向される場合には、領域20−1からの出力信号が、領域20−2ないし20−4の出力信号を越える。このようにして、検出器20は、表面13uの欠陥の壁の方向及び急峻さを指示する信号を回路C20に与える。
【0064】
一実施形態において、回路C20は、領域20−1、20−2、20−3及び20−4に当たる光の量を各々I1、I2、I3及びI4とすれば、(I1+I2)、(I3+I4)及び(I1+I2)−(I3+I4)に各々比例する信号S200、S201及びS202を発生するアナログ回路200、201及び202(図14)を備えている。信号S202は、例えば、プラッター13の表面の欠陥によりレーザ光の部分16−1”が上方又は下方に偏向される程度を指示する。又、回路C20は、(I1+I3)、(I2+I4)及び(I1+I3)−(I2+I4)に各々比例する信号S203、S204及びS205を発生するアナログ回路203、204及び205も備えている。信号S205は、レーザ光の部分16−1”が左又は右に偏向される程度を指示する。又、回路C20は、(I1+I2+I3+I4)に比例する電圧を有する電気的信号S207を発生するアナログ回路207も備えている。信号S207は、検出器20に当たる光の全量を表す。信号S202及びS205は、通常、値I1+I2+I3+I4(S207)で正規化され(例えば、除算され)、従って、装置は、レーザ出力パワーの変動及びプラッター13の領域の反射率変化に不感となる。正規化は、アナログ技術を使用して行うことができる。しかしながら、信号S202、S205及びS207をデジタル化することもでき(例えば、アナログーデジタルコンバータを使用して)、そして正規化を、例えば、以下に述べるように、コンピュータを使用してデジタルで行うこともできる。
【0065】
上述したように、一実施形態では、回路200−207は、アナログ技術を使用して種々の信号を加算及び減算する。しかしながら、他の実施形態では、信号I1−I4をデジタル化することができ、そして加算及び減算をデジタルで行うこともできる。上述したように、加算及び減算は、通常、複数の段階で行われる(例えば、第1に加算を、第2に減算を行う)。しかしながら、他の実施形態では、これらの機能を1段階で実行することもできる。
【0066】
X.回路C22、C24及びC26の説明
回路C22、C24及びC26(検出器22−24の出力信号を処理するための)は、同一である。図15Aは、回路C22を示す。明らかなように、検出器22からの出力信号O22は、アナログ/デジタルコンバータ300に送られ、該コンバータは、その出力データをFIFOメモリ302に供給する。FIFOメモリ302の出力は、マイクロプロセッサ304により非同期で読み取ることができる。このようにして、マイクロプロセッサ304は、検出器22により送られた出力信号に対応するデータをFIFOメモリ302から読み取る。マイクロプロセッサ304は、これらのデータを、高速バスインターフェイス回路308及びバス310(一実施形態ではUSBバス)を経て、汎用プロセッサ306へ供給する。(プロセッサ306は、次いで、FIFOメモリ302からのデータに対して付加的な処理を遂行する。)一実施形態において、マイクロプロセッサ304は、シリコン・ラボラトリーズから入手できるモデルC8051F120のようなデバイスであり、100MHzのクロック速度を有している。しかしながら、他のマイクロプロセッサも使用できる。又、プロセッサ306は、通常、汎用プロセッサであるが、デジタル信号プロセッサ、例えば、150MIPSで動作できるテキサスインスツルーメンツTMS320F2812でもよい。
【0067】
インターフェイス回路308は、マイクロプロセッサ304と同様の回路C20、C24及びC26のマイクロプロセッサにより駆動される1組のバス312を経てデータを受け取る。
【0068】
一実施形態では、信号O22のデジタル値は、信号O22がスレッシュホールド信号THRを越えるときだけFIFOメモリ302に記憶されるのが好都合である。これが好都合である理由は、プラッター13の特性を評価するために重要なデータだけを記憶することによりFIFOメモリ302を効率的に使用できるからである。従って、これらのデジタル値を選択するだけで、回路C22及びプロセッサ306のメモリ及びプロセッサ要件が緩和される。これを遂行する仕方は、次の通りである。図15Aに見られるように、FIFOメモリ302の書き込みデータイネーブル信号DENがアナログ回路316により与えられる。信号DENは、検出器22からの信号O22がスレッシュホールド信号THRを越えるときだけアクティブとなる。従って、信号O22が信号THRを越えるときだけFIFOメモリ302にデータが記憶される。
【0069】
信号THRは、デジタル/アナログコンバータ318により発生されるアナログ信号であり、該コンバータは、次いで、マイクロプロセッサ304により制御される。従って、マイクロプロセッサ304は、信号THRの大きさを制御する。信号THRは、関心のある事象だけを通過させるようにユーザ選択可能である。(一般に、信号THRは、信号ノイズレベルより大きくされる。)任意であるが、一実施形態では、マイクロプロセッサ304又はプロセッサ306は、信号O22に存在する測定されたノイズに応答して信号THRの値を確立する。
【0070】
通常、信号O22−O26がそれらの関連スレッシュホールド値THRを越えるようにさせるプラッター13上の位置を指示する位置データをプロセッサ306に与えることが望まれる。一実施形態では、これは、表面13uの状態で信号O22がスレッシュホールド信号THRを越える場合に、「トラックアドレス」(半径方向における表面13u上の位置を識別する)及び「セクターアドレス」(周囲方向における表面13u上の位置を識別する)をプロセッサ306へ供給することにより行われる。一実施形態では、信号O22が信号THRを越え始めたところの表面13u上のエリアの開始位置(トラック及びセクターアドレス)を、そして信号O22が信号THRより下がるところの表面13u上の終了位置を指示する回路が設けられる。
【0071】
図15Bは、開始及び停止アドレスを与えるアドレス回路400を示す。この回路400は、スピンドルインデックス入力リード402と、サンプルクロック入力リード404とを含む。スピンドルインデックス入力リードは、プラッター13が回転を完了するたびにパルスを受信する。これらのパルスは、カウンタ406によりカウントされ、該カウンタは、それに応答してトラックアドレスバス408にトラックアドレスを与える。トラックアドレスは、レーザビーム16により現在走査されるトラックの番号である。
【0072】
第2のカウンタ410は、サンプルクロック入力リード404から入力パルスを受け取る。一実施形態では、これらのパルスは、プラッターの回転当たり249856個のパルスというレートで与えられるが、この数は、例示に過ぎない。サンプルクロックパルスは、ディスクの回転と同期される。一実施形態では、これは、スピンドルSに結合されたボックス412として概略的に表わされた光学的スピンドルエンコーダを設けることにより達成される。このエンコーダは、プラッターの回転当たり512個のパルスを与える。クロック回路414は、これらパルスを受け取るように結合され、そしてそれに応答して、位相固定ループを使用して、サンプルクロックパルスを発生し、同相の多数のスピンドルエンコーダパルスを生成する。カウンタ410は、サンプルクロックパルスをカウントし、そしてセクターアドレスをバス418に発生する。
【0073】
トラック及びセクターアドレスは、信号AENに応答してFIFOメモリ420及び422に各々記憶される。(信号AENは、信号O22が最初にスレッシュホールドTHRを越えたとき、及び信号O22がスレッシュホールドTHRより下がったときにも、アクティブになる。従って、信号AENは、表面13u上の欠陥の開始位置及び終了位置を表す。)マイクロプロセッサ304は、FIFOメモリ420及び422からバス424を経てトラック及びセクターアドレスを非同期で読み取る。これらのアドレスは、次いで、マイクロプロセッサ304によりインターフェイス回路308及び310を経てプロセッサ306へ供給される。
【0074】
上述したように、個別のカウンタ406及び410を使用して、トラック及びセクターアドレスが発生される。しかしながら、別の実施形態では、単一のカウンタを使用して、トラック及びセクターの両アドレスを発生することもできる。(1つのこのような実施形態では、単一のカウンタに記憶される値をQとし、そして回転当たりのセクター数をNとすれば、セクターアドレスは、QモジュロNである。トラックアドレスは、Q/Nの整数部分である。)この単一カウンタからの出力は、適当な巾のFIFOメモリに与えることができる。(或いは又、下位のカウンタビットがセクターアドレスを構成し、上位のカウンタビットがトラックアドレスを構成し、且つ下位ビットが値Nに到達したときだけ増加し、そして下位ビットは、Nに到達するとリセットするといったカウンタを構成することもできる。)
【0075】
上述したように、アナログ形態の信号O22は、スレッシュホールド信号THRと比較される。しかしながら、別の実施形態では、信号O22がデジタル化され(さもなければ、デジタル形態で与えられ)、そしてスレッシュホールドTHRもデジタル値の形態である。デジタル化信号O22がこのデジタルスレッシュホールドTHR値と比較され、信号AEN及びDENを発生する。
【0076】
ある実施形態では、信号THRは、マイクロプロセッサ304により変更できるが、他の実施形態では、信号THRを変更することができない。
【0077】
上述した実施形態は、信号O22が信号THRを越えたときに種々のFIFOメモリに情報を通すが、ある実施形態では、信号O22が上位スレッシュホールド値未満であるときだけFIFOメモリに情報が通される。更に別の実施形態では、信号O22が信号THRより大きいと同時に上位スレッシュホールド値未満であるときだけ情報がFIFOメモリに通される。更に別の実施形態では、信号O22が信号THR(下位スレッシュホールド)未満であるか又は上位スレッシュホールド値より大きいときだけ情報がFIFOメモリに通される。
【0078】
上述したように、回路C20(4重検出器20からの出力信号を処理する)は、出力信号S202及びS205(レーザビーム16の部分16−1”の垂直及び水平偏向に対応する)と、信号S207(部分16−1”内の全パワー量に対応する)とを与える。信号S202及びS205は、増幅器を経て、回路C22の2つの繰り返し(1つは信号S202用、及び1つは信号S205用)と実質的に同一である回路に与えられ、そこで、関連スレッシュホールド電圧を越える場合には、デジタル化されてマイクロプロセッサ304及びプロセッサ306へ通される。
【0079】
信号S207は、信号S202又はS205がデジタル値に変換されてFIFOメモリに記憶され、これがマイクロプロセッサ304により非同期で読み取られてプロセッサ306へ通されるときに、回路C20のマイクロプロセッサ304及びプロセッサ306に通される。このようにして、信号S202及びS205は、プロセッサ306により正規化することができる。
【0080】
XI.回路C22−C24の実施形態の詳細な説明
図16A及び16Bは、図15A及び15Bの構造を詳細に示している。図16A及び16Bにおいて、WRclk、Wren、WRPrt、RDclk、Rden及びRDPrtは、書き込みクロック、書き込みイネーブル、書き込みポート、読み取りクロック、読み取りイネーブル、及び読み取りポートを指す。カウンタ入力CIRは、カウンタ406及び410をリセットする。入力Dinは、カウンタ406及び410を増加する。信号SCLKは、クロック回路414から発生される。図16Cは、信号DEN及びAENを発生するのに使用できる書き込みイネーブルシーケンスロジック回路426を示す。この回路426は、アナログ/デジタルコンバータ300が、通常、クロック信号SCLKの多数のサイクルの限定パイプライン遅延を示すので、有用である。回路426は、このパイプライン遅延が与えられると、FIFOメモリの適切なロードを促進する。図16Cに示すように、一実施形態では、回路426は、信号DEN及びAENを発生する直列接続されたD型フリップーフロップ427のネットワークを備え、これら信号は、信号O22が、ある時間中に、スレッシュホールド信号THRを越えた場合だけアクティブになる。(上述したように、信号DENは、FIFOメモリ302へのデータの書き込みをイネーブルする。信号AENは、FIFOメモリ406及び410へのデータの書き込みをイネーブルする。)D型フリップ−フロップ427の各々は、クロック信号SCLKの関連パルス数だけ遅延された比較器316の出力信号を記憶する。回路426は、2つのゲート信号を発生し、その1つは、信号DENを発生するためのもので、もう1つは、信号AENを発生するためのものである。信号DEN及びAENのタイミングは、比較器316の出力信号、及び信号SCLKを構成するパルス列から発生される。特に、信号DEN及びAENは、フリップーフロップ427の選択された状態に基づく。(例えば、信号DENは、クロック信号SCLKの4つのパルスだけ遅延された比較器316の出力である。信号AENは、信号DENの立ち上り縁の1つのパルスと、信号DENが降下する直前の1つのパルスとを含む。)図16Cに示された回路は、単なる例示に過ぎない。
【0081】
XII.ヘッド12に関連して使用されるロボット
図17Aは、製造環境においてプラッターをテストするための「セル」500を概略的に示す。コンベア502は、検査されるべきプラッター13のカセット504を供給する。ロボットアーム506は、プラッター13をテスト装置10a又はテスト装置10bのいずれかに供給する。(両装置10a及び10bは、通常、プラッター13の両面をテストするための上部及び下部ヘッド12、12dを備えている。)テスト装置10aがプラッター13をテストした後に、アーム506は、プラッター13を把持し、そしてそれを不合格容器508、合格カセット510又は更に別の評価カセット512aのいずれかに入れる。(通常、大多数のプラッター、例えば、90%を越えるプラッターが、合格カセット510に入れられねばならない。)不合格容器508に蓄積されたプラッターは、必ずしも、プラッターが更に別の製造ステップを受ける場合に必要とされる配慮の度合いで取り扱われない。しかしながら、カセット510又は512aのプラッターは、通常、このような配慮で維持される。アーム506がプラッター13を装置10aからカセット510又は512a或いは容器508の1つに移動した後に、アーム506は、別のプラッター13をカセット504から取り出し、そして評価すべく装置10aに入れる。
【0082】
同様に、テスト装置10bがプラッター13を評価した後、アーム506は、そのプラッターを、テスト結果に基づいて、不合格容器508或いはカセット510又は512aの1つに入れる。その後、アーム506は、別のプラッターをカセット504から取り出し、それを装置10bに入れる。
【0083】
好都合にも、容器508は、非常に大きな容量を有し、頻繁に交換する必要がない。従って、容器508を空にするためにセル500を非常に頻繁に遮断する必要はない。
【0084】
図17Aは、2つのテスト装置10a、10bにサービスするロボットアーム506を示しているが、別の実施形態では、セル500は、1つ以上のテスト装置を備え、アーム506が付加的な装置にサービスするようにしてもよい。又、図17Aは、更に別の評価のためのカセット512aを示しているが、他の実施形態では、更に別の評価を受けるべきプラッターを受け入れるための多数のカセット(例えば、仮想線で示す任意のカセット512b及び512c)を設けることもできる。プラッター13は、テスト装置10a、10bで決定されたそれらの表面の特定の特性に基づいてこれらカセットの異なるものに入れてもよい。又、図17Aは、1つの不合格容器508を示しているが、他の実施形態では、複数の不合格容器508を設けることもできる。又、図17Aは、1つのアーム506しか示していないが、プラッターを移動するために複数のアームをセル500に設けることもできる。例えば、1つのアームは、プラッターをテスト装置10aに与えることができ、そして別のアームは、プラッターを容器508及び/又はカセット510及び512aに与えることができる。
【0085】
製造要員への傷害を防止するために保安エンクロージャー513がセル500を取り巻く。一実施形態では、コンベアメカニズム502及び511は、新たなカセット504及び510を、エンクロージャー513で保護されたエリアへ連続的に運び込む。
【0086】
アラーム514aは、カセット512aがいっぱいであることを示している。アラーム514aは、可聴信号を発生することができる。或いは又、アラーム514aは、カセット512aがいっぱいであることを指示するために点灯するライトでもよい。(アラーム514aは、カセット512aがいっぱいであることを決定するセンサにより作動されてもよいし、或いはプラッターをカウントすることによりカセット512aがいっぱいであることを決定するカウンタにより作動されてもよい。アラーム514aは、LED、小さな白熱電球、又は他の光学的表示素子でよい。)しかしながら、アラーム514aの作動と、カセット512aの交換との間の時間中には、ロボットアーム506が、カセット512aに入れられるプラッターを容器508に入れる。このようにして、カセット512aがいっぱいである間に、セル500をオフにする必要がない。
【0087】
重要なことに、カセット512aは、引き出し515a内にある。カセット512aがいっぱいになると、操作要員が引き出し515aを開いてカセット512aをエンクロージャー513で保護されたエリアの外に取り出すことにより、カセット512aを交換することができる。従って、カセット512aを交換するときにエンクロージャー513を開く必要はない。これは、カセット512aを交換するのに要する時間を短縮し、特に、カセット512aを交換するときにセル500の遮断を不必要にするのを促進する。(任意のカセット512b及び512cが引き出し515b、515cに同様に配置され、そして同様にエンクロージャー513から取り出される。アラーム514b、514c(アラーム514aと同様の)は、カセット512b、512cがいっぱいであるときにマシンオペレータにそれを通知するが、カセット512b、512cがいっぱいであるときと、それらが交換されるときとの間のインターバル中に、カセット512b、512cに蓄積されるプラッターは、容器508に入れられる。)
【0088】
典型的に、カセット512aに通常入れられるプラッターの少なくとも幾つかは、再生利用可能である。例えば、それらを再研磨して使用することができる。或いは又、それらを更に別の欠陥分析に送ることができる。これらのプラッターは有用かもしれないが、それらを不合格容器508に入れることは、それほど重大ではなく、カセット512aの交換を待機する間にセル500を遮断することの方が重大である。というのは、特に、非常に僅かな割合のプラッターしかカセット512aに入れられないからである。
【0089】
一実施形態では、セル500は、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ(図示せず)のような制御回路により制御される。
【0090】
セル500は、エンクロージャー513内に容器508を含むが、別の実施形態では、容器508がエンクロージャー513の外部にあり、エンクロージャー513の内部から容器508へシュート(図示せず)が延びている。ロボットアーム505は、プラッターをシュートに落とし、それらは容器508へ落とされる。これは、容器508がいっぱいになったときにその容易で且つ迅速な交換を促進する。
【0091】
図17Bは、カセット516がコンベア518に設けられたセル500’の別の実施形態を示す。カセット516は、セル500’によりテストされるべきプラッターを供給する。プラッターは、テストに合格すると、カセット516に戻される。このようにして、1つのカセットが入力及び出力の両カセットとして使用される。コンベア518は、エンクロージャー513で保護されたエリアへの及びエリアからのカセットの定常流を与える。
【0092】
以上、本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに変更がなされ得ることが明らかであろう。例えば、本発明によるヘッドは、上述したもの以上の又はそれより少数の光学的要素を含んでもよい。入射光又は反射光の経路に、異なる形式の光学的要素を含ませることができる。異なる数の入射光路を使用することもできる。又、異なる数の反射光路(例えば、1から6)を使用することもできる。
【0093】
上述したヘッドは、材料のモノリシックブロックで作られたが、他の実施形態では、ヘッドが材料のモノリシックブックで作られない。又、上述した装置は、2つのレーザソース14、14dを備え、その1つは上部ヘッド12用、そしてもう1つは下部ヘッド12d用であったが、別の実施形態では、単一のレーザソースをビームスプリッターと共に使用して、2本のレーザビームを発生することもできる。又、本発明による装置は、異なる形式のワークピースを検査するのにも使用できる。上述した異なる特徴の1つ以上を、上述した他の特徴を伴わずに使用できる。
【0094】
一実施形態では、集光レンズ62、72及び77は、それらを通過する光をコリメートすることができる。しかしながら、他の実施形態では、これらレンズを通過する光は、完全にコリメートされる必要はない。同様に、レンズ58、76及び80は、光を集中させる。任意であるが、これらのレンズは、検出器22−24に光を収束できるが、これは、絶対的に必要ではない。従って、このような全ての変更は、本発明に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1A】ワークピースを検査するための光学的検査ヘッドを含む光学的検査装置を概略的に示す分解斜視図である。
【図1B】ワークピースを検査するための光学的検査ヘッドを含む光学的検査装置を概略的に示す図である。
【図2A】図1A及び1Bの光学的検査ヘッド内の光学的経路及び光学的要素を概略的に示す斜視図である。
【図2B】図1A及び1Bの光学的検査ヘッド内の光学的経路及び光学的要素を概略的に示す平面図である。
【図3A】図1及び2の光学的検査ヘッドを形成するモノリシック材料ブロックの斜視図である。
【図3B】図1及び2の光学的検査ヘッドを形成するモノリシック材料ブロックの斜視図である。
【図3C】図1及び2の光学的検査ヘッドを形成するモノリシック材料ブロックの斜視図である。
【図3D】図1及び2の光学的検査ヘッドを形成するモノリシック材料ブロックの斜視図である。
【図4】2つのスクラッチが表面にあるプラッターを示す図である。
【図5A】本発明による製造プロセスの一部分の間の材料ブロックを示す図である。
【図5B】本発明による製造プロセスの一部分の間の材料ブロックを示す図である。
【図5C】光学経路の1つにミラーを装着するための構造を示す図である。
【図6A】光を収集及び集中させるための2つのレンズを含む光学的検出器とプラッターとの間の光学路を概略的に示す図である。
【図6B】光の収集及び集中の両方を行う1つのレンズを含む光学的検出器とプラッターとの間の光学路を概略的に示す図である。
【図7】本発明の別の実施形態に基づきプラッターの上面及び下面を検査する2つの光学的ヘッドを示す図である。
【図8】プラッターに対する上部及び下部レーザビームによりトレースされる経路を示す図である。
【図9】本発明による下部テストヘッドにおけるレンズの配置を示す図である。
【図10】本発明による下部テストヘッドにおけるレンズの配置を示す図である。
【図11】レーザがプラッターに当たる最も内側のトラックにおけるポイントを示す図である。
【図12】上部及び下部ヘッドとプラッターとの並置を示す平面図である。
【図13】光学的検査ヘッドの実施形態において鏡面反射レーザ光を検出するための4重検出器を概略的に示す平面図である。
【図14】図13の4重検出器からの出力信号を処理するための回路を概略的に示す図である。
【図15A】光学的検出器の出力信号に対応する選択されたデータを処理装置へ供給する回路を示す回路図である。
【図15B】選択された位置情報を処理装置へ供給する回路を示す回路図である。
【図16A】図15Aの回路に使用できる回路要素を詳細に示す回路図である。
【図16B】図15Bの回路に使用できる回路要素を詳細に示す回路図である。
【図16C】図16A及び16Bの回路に関連して使用できる論理回路を示す図である。
【図17A】本発明のテストヘッドに関連して使用されるロボットセルの第1実施形態を示す図である。
【図17B】本発明のテストヘッドに関連して使用されるロボットセルの第2実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
10:光学的検査装置
12、12d:テストヘッド
13:ワークピース(プラッター)
13u:ワークピースの上面
13d:ワークピースの下面
14:レーザソース
16、16d:レーザビーム
20:偏向検出器
22:狭角度散乱検出器
24:広角度散乱検出器
26:後方散乱検出器
M:スピンドルモータ
S:スピンドル
A1、A2、A3、A4:方向
S1、S2:スクラッチ
50、52:スリットマスク
54:ミラー
56:光学要素
56a:ガラスプレート
56b:円偏光板
56c:円筒状レンズ
58:集束レンズ
62:集光レンズ
82:エンクロージャー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源からの光を受け取りそしてその光をワークピースへ通信するための少なくとも1つの入力経路と、
光を受け取りそしてそれに応答して信号を発生するための光検出器と、
前記ワークピースから反射された光を受け取りそしてその光を前記検出器へ通信するための少なくとも1つの出力経路と、
を備え、前記少なくとも1つの出力経路又は少なくとも1つの入力経路の少なくとも一方が、漂遊光を吸収し及び/又は捕獲するための光吸収層を含むようにした装置。
【請求項2】
前記装置は、材料のモノリシックブロックを備え、前記入力及び出力経路は、前記材料ブロックを経て延びて光を通信し、前記光吸収層は、前記経路の少なくとも1つに設けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記経路の1つの中にチューブを更に備え、このチューブが前記光吸収層を含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記光吸収層は、前記材料をアノード処理することにより形成される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ワークピースはプラッターである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
光源からの光を受け取りそしてその光をワークピースへ通信するための少なくとも1つの入力経路と、
前記ワークピースから反射された光を受け取りそしてその光を前記検出器へ通信するための少なくとも1つの出力経路と、
前記経路の少なくとも1つの中にあって、前記少なくとも1つの前記経路における漂遊光を減少又は排除するための1つ以上のマスクであって、前記漂遊光は、前記ワークピースに欠陥が存在しなくても生じる光の成分であり、前記欠陥の結果として前記少なくとも1つの前記経路の前記1つに生じる光に実質的に影響を及ぼさないような1つ以上のマスクと、
を備えた装置。
【請求項7】
前記ワークピースはプラッターである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
光源からの光を受け取りそしてその光をワークピースへ通信するための少なくとも1つの入力経路と、
前記ワークピースから反射された光を受け取りそしてその光を前記検出器へ通信するための少なくとも1つの出力経路と、
前記少なくとも1つの出力経路内にあって、漂遊光が前記検出器に到達するのを最小にするか又は防止するための少なくとも1つのマスクと、
を備えた装置。
【請求項9】
前記ワークピースはプラッターであり、前記装置は、更に、前記出力経路からの光を前記検出器に集中させるためのレンズを備え、前記マスクは、前記レンズと前記検出器との間の虹彩である、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ワークピースに向けられる光ビームを発生するための光源と、
前記ワークピースから反射された光を受け取るための検出器と、
前記光ビームの光学路にある1つ以上のレンズであって、その少なくとも1つにV型のARコーティングが被覆されているようなレンズと、
を備えた装置。
【請求項11】
前記ワークピースはプラッターであり、前記光ビームはレーザビームであり、そして前記レンズの前記少なくとも1つは、前記光源からの光を前記プラッターに集中させ、前記装置は、更に、前記ワークピースから反射された光を収集して前記検出器に集中させるための1つ以上のレンズを備え、前記V型のARコーティングは漂遊光を減少し又は排除する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
ワークピースに向けられる光ビームを発生するための光源と、
前記ワークピースにより反射された光を受け取るための検出器と、
前記光ビームの光学路にある1つ以上のレンズであって、その少なくとも1つに、前記レンズに当たる光の約0.25%未満しか反射しない反射防止コーティングが被覆されているようなレンズと、
を備えた装置。
【請求項13】
前記ワークピースはプラッターであり、前記光ビームはレーザビームであり、そして前記レンズの前記少なくとも1つは、前記光源からの光を前記プラッターに集中させ、前記装置は、更に、前記ワークピースから反射された光を収集して前記検出器に集中させるための1つ以上のレンズを備え、前記コーティングは漂遊光を減少し又は排除する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記コーティングは、前記光ビームの波長に対して仕立てられる、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
少なくとも1つの入力経路を経てワークピースへ光を通信するステップと、
前記ワークピースにより反射された光を、少なくとも1つの出力経路を経て、検出器へ通信するステップと、
を備え、前記少なくとも1つの出力経路又は前記少なくとも1つの入力経路の少なくとも一方が、漂遊光を吸収及び/又は捕獲するための光吸収層を含むようにした方法。
【請求項16】
前記ワークピースはプラッターである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの入力経路を経てワークピースへ光を通信するステップと、
前記ワークピースにより反射された光を、少なくとも1つの出力経路を経て、検出器へ通信するステップと、
を備え、1つ以上のマスクが前記経路の少なくとも1つの中にあって、これら1つ以上のマスクは、前記少なくとも1つの前記経路における漂遊光を減少又は排除し、前記漂遊光は、前記ワークピースに欠陥が存在しなくても生じる光の成分であり、前記1つ以上のマスクは、前記欠陥の結果として前記少なくとも1つの前記経路の前記1つに生じる光に実質的に影響を及ぼさないようにした方法。
【請求項18】
前記ワークピースはプラッターであり、前記1つ以上のマスクは、レーザと前記ワークピースとの間に置かれたマスクであり、前記ワークピースから反射された光を通信する前記ステップは、前記ワークピースから反射された前記光をレンズに通して検出器に集中させることを含み、前記1つ以上のマスクは、前記レンズと前記検出器との間に設けられた虹彩である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
ワークピースに向けて進行するレーザビームを与えるステップと、
前記ワークピースで反射された光を検出器で検出するステップと、
前記光ビームの光源と前記検出器との間の光学路にある少なくとも1つのレンズに前記光ビームを通すステップであって、前記少なくとも1つのレンズにはV型のARコーティングが被覆されるようなステップと、
を備えた方法。
【請求項20】
前記ワークピースはプラッターであり、前記光ビームはレーザビームであり、前記方法は、更に、前記光源と前記検出器との間の光学路にある複数のレンズに前記光ビームを通すステップを備え、前記V型のARコーティングは、前記少なくとも1つのレンズが0.25%未満の反射率を示すようにさせ、前記V型のARコーティングは、漂遊光を減少し又は排除する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ワークピースに向けて進行するレーザビームを与えるステップと、
前記ワークピースで反射された光を検出器で検出するステップと、
前記光ビームの光源と前記検出器との間の光学路にある少なくとも1つのレンズに前記光ビームを通すステップであって、前記少なくとも1つのレンズには、該レンズが約0.25%未満の反射率しか示さないようにする反射防止コーティングが被覆されるようなステップと、
を備えた方法。
【請求項22】
前記ワークピースはプラッターであり、前記光ビームはレーザビームであり、前記方法は、更に、前記光源と前記検出器との間の光学路にある複数のレンズに前記光ビームを通すステップを備え、前記反射防止コーティングは、前記光ビームの波長に対して仕立てられ、漂遊光を減少するか又は排除する、請求項20に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【公開番号】特開2006−194898(P2006−194898A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−33040(P2006−33040)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(591037649)コマッグ・インコーポレイテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】KOMAG,INCORPORATED
【Fターム(参考)】