説明

化学的硬化によるナノ粒子の製造方法

本発明は化学的硬化によるナノ粒子の形成方法に関するものである。本発明の方法は、基板上に金属薄膜を蒸着するステップと、前記金属薄膜上に絶縁体前駆体をコーティングするステップと、前記絶縁体前駆体に硬化剤と触媒剤を添加して化学的硬化(curing)を行うステップとを含む。また、本発明の方法は、金属粉末と絶縁体前駆体を混合するステップと、前記混合物を基板上に塗布するステップと、前記混合物に硬化剤と触媒剤を添加して化学的硬化を行うステップとを含む。本発明の方法によれば、化学的硬化方法を用いるため、熱硬化のような高温の工程を用いることなくナノ粒子を簡単で且つ安価で形成できる効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化学的硬化によるナノ粒子の形成方法およびその方法によって形成されたナノ粒子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノメートルサイズの微細粒子で物質を構成できるのであれば、既存物質では予想できなかった色々な物性、例えば、機械的、光学的、電気的、磁気的物性などの革新を期待することができる。また、多種成分のナノ粒子からなる新物質も発明できるものとして期待されている。1〜100nm大きさの高純度粒子からなるナノセラミック、ナノ金属、ナノ複合体(nano composite)などを製造しようとするナノ物質の製造に関する研究に国内/外的に高い関心が寄せられている。しかし、ナノメートルサイズの高純度、高濃度の粒子を形成させ基板に付着させたり、反応焼結させ最終物質を製造したりするのにおいて、核心となるものがナノメートルサイズレベルの粒子制御技術、すなわち粒子の生成、成長、移動、付着を制御する技術であるが、現在ではこのような技術が満足するほどのレベルには至っていない。よって、このような問題点を解決しなければならない。
【0003】
ナノ粒子を形成する方法として現在色々なものが提示されているが、生成された粒子の位置に応じ、基板(substrate)上にナノ粒子を形成および成長させる方法と、基板または絶縁体薄膜内に形成させるか、基板上の選択された領域だけにナノ粒子を形成させた後、その上に多層の薄膜を形成する方法などが試みられてきた。しかし、このような技術は薄膜や基板上に形成させる一種のEmbedded Quantum Particlesに目的を置き、その製造方法とアプローチ概念に多様性を示してきた。その間に試みられてきた方法はその生成方法において既存のスパッタと蒸発蒸着法、CVD、エピタキシャル法をそのまま用いつつ、粒子の大きさと分布状態、および凝集が起こる効果を最小化しようとする努力をしており、工程中に生じる問題点を解決、応用し、次第に発展しつつある(大韓民国特許出願第2000−0072958号、ナノサイズ単位の金属粒子が含まれた高分子複合素材およびその製造方法、韓国科学技術研究院)。
【0004】
その他、前駆体(pecursor)をガス化して熱蒸発を用いた不活性ガス凝縮(Making particles of uniform size,Dobson et al.,U.S.Pat No.5,906,670)、マイクロ波プラズマ、レーザーアブレーションを用いる気相合成法、金属有機物を燃焼炎やHot−Wall Reactorを用いて分解合成する化学気相凝縮工程などが広く用いられており、古典的なエアロゾル噴射法を応用して常圧あるいは低い真空度において金属/合金、セラミックナノ粉末のみならず、コーティングあるいはドーピング形態のナノ複合粉末、または基板に直接噴射して多量の、且つ狭い密度分布を有するナノ粒子を含む材料を製造している。しかし、粒子の正確な分布状態の制御、噴射された膜の正確な厚さの調節が難しいという短所があった。水溶液上における工程を見てみると、蛍光体粒子間の凝集を防止し前駆体を製造して核成長によって造粒、成長させるものとして、溶媒の存在下で蛍光体原料物質の水溶液と発光効果を有する金属を含む化合物の水溶液を混合して析出した後、それを気相の蛍光体原料物質と熱処理して反応させ発光中心を添加したナノ粒子蛍光体を製造して基板に付着させる化学的な方法がある(Method for producing semiconductor particles,Harry R.Clark,Jr.,U.S.Pat No.5,690,807)。
【0005】
最近では、イオン注入工程を応用し、加速電圧と基板の温度を調節して基板内に所望の金属粒子を形成、その分布まで正確に調節するなど、その方法と応用方法に多様性を見せている(Method for ion implantation induced embedded particle formation via reduction,Hampikian et al.,U.S.Pat.No.6,294,223 B1)。ところが、この間試みられてきた技術は製造時におけるナノ粒子の凝結、焼結、および熱処理によるバルク化、様々な触媒および添加剤の必要、生成される粒子の収率などを確認しなければならず、製造方法において多少複雑で、多くの時間と費用をかけなければならない多くの難問題を含んでいる。
【0006】
上記で列挙した従来のナノ粒子形成技術とその応用に対する内容は次のように整理することができる。
【0007】
(1)既存のCVD方法およびPVD方法、気相における蒸発(Gas−Phase Evaporation)方法を応用したナノ粒子の形成方法は、既存の物理的、化学的蒸着方法の応用および改善効果によってナノ粒子を形成することができ、既存の真空システムとの相互連係が可能で、直ちに製造することができるが、工程時の反応ガスとの限界性により多重成分の蒸着が不可能であり、工程中の作業者に健康上の多くの危険性が内在する。
【0008】
(2)反応気相内で液体噴射方法によって基板上にナノ粒子を形成する方法は、ポリマー/金属系ナノ粒子を基板上に形成することができ、基板上に噴射され狭い密度および分布度を有する高純度のナノ粒子を形成することができ、10nm以下の大きさを有するポリマー/金属系ナノ粒子を形成することができるが、噴射された基板における局部的な分布度の差を克服することが大きい課題である。
【0009】
(3)水溶液上で合成した後に基板にナノサイズの粒子を形成する方法は、Bottom−Upのアプローチ方法による代表的な方法として、水溶液上で前駆体を生成して反応造粒することができ、造粒によって高純度、超微粒サイズの粒子形成が可能であるが、生成された超微粒子の凝集現象を克服することが求められる。
【0010】
(4)イオン注入方法による基板内におけるナノ粒子の分散方法は、既存のイオン注入方法を応用して基板内にナノサイズを有する粒子を形成するものであり、イオン注入だけの長所を用いたナノ粒子の正確なプロファイル作成が可能であり、イオン単位のサイズ領域を有するナノ粒子の形成が可能であるが、工程に用いられる装備が高価であることが最も大きい短所である。
【0011】
上記で列挙された方法に現れる問題点を解消するために提示された方法中、酸性の絶縁体前駆体内に溶解された金属のイオンから熱硬化(thermal curing)によってナノ粒子を製造する方法が提示された(大韓民国特許第0488896号、金属薄膜を用いた量子ドット形成方法)。前記特許では金属が溶解しているポリアミド酸を熱硬化によるイミド化によってポリイミド薄膜内にナノ粒子を析出して製造する方法を提示した。前記特許に開示された方法によると、絶縁体前駆体内に均一な大きさのナノ粒子を簡単な方法で大面積に形成することができ、凝集を減らすことができる。しかし、熱硬化は300℃〜500℃に温度を上昇させる工程を含むため、熱処理中に周囲の素子が劣化し得るし、高費用の問題があり、高温で活性化された粒子間に凝集が発生する問題がある。
【0012】
化学的硬化と関連し、米国特許出願(公開第2005/0100719号、2005年5月12日公開、Multilayer substrates having at least two dissimilar polyimide layers,useful for electronics−type applications,and compositions relating thereto;Kanakarajan,Kuppsuamy,et al.)には、チップパッケージ(chip package)分野においてガラス転移温度Tが他の多層のポリアミド酸を硬化する方法が開示されており、前記ポリアミド酸を硬化する方法のうちの1つとして化学的硬化方法が言及されている。しかし、前記特許に開示された硬化工程は150℃以上の高温で行われており、硬化工程によってナノ粒子を形成する方法については開示されていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の方法は、化学的硬化方法を用い、従来の方法において問題点として指摘された高費用の高温硬化工程を含まないことにより、費用を節減することができ、常温で、ナノ領域の大きさを有し、均一なサイズ分布を有するナノ粒子を製造できる方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、金属と反応した絶縁体前駆体に化学的硬化により、低費用で且つ簡単にナノ粒子を生成できる方法を提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明は、硬化時間、絶縁体前駆体の種類、反応する金属量を調節し、生成されるナノ粒子の大きさを制御できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、化学的硬化によるナノ粒子の製造方法であって、(a)基板上に金属薄膜を蒸着するステップと、(b)前記金属薄膜上に絶縁体前駆体をコーティングするステップと、(c)前記絶縁体前駆体に硬化剤(curing agent)と触媒剤を添加して化学的硬化を行うステップとを含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法を提供する。
【0017】
また、本発明は、化学的硬化によるナノ粒子の製造方法であって、(1)金属粉末と絶縁体前駆体を混合するステップと、(2)金属粉末と絶縁体前駆体の混合物を基板上に塗布するステップと、(3)前記基板上の金属粉末と絶縁体前駆体との混合物に硬化剤と触媒剤を添加して化学的硬化を行うステップとを含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法を提供する。
【0018】
また、本発明は、前記ステップ(b)またはステップ(2)の後、基板を80〜150℃の温度範囲で中間熱処理するステップを含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法を提供する。
【0019】
また、本発明は、前記ステップ(c)またはステップ(3)の後、基板を80℃〜150℃の温度範囲で後続熱処理するステップを含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法を提供する。
【0020】
また、本発明は、前記方法によって製造されたものであって、絶縁体である高分子薄膜内に分散された金属または金属酸化物の粒子であるナノ粒子を提供する。
【0021】
また、本発明は、前記高分子薄膜内に分散されたナノ粒子を用いて製造された光素子または電子素子を提供する。
【0022】
前記光素子は、ナノサイズによる量子閉じ込め効果を利用するものであって、前記金属または金属酸化物のナノ粒子が分散された高分子薄膜を含んでなっていることを特徴とする。
【0023】
前記電子素子は、ナノサイズによる量子閉じ込め効果を利用するものであって、前記金属または金属酸化物のナノ粒子が分散された高分子薄膜を含んでなっていることを特徴とする。
【0024】
具体的な例として、本発明は、半導体基板、前記半導体基板上に形成された前記金属または金属酸化物のナノ粒子が分散された高分子薄膜、および前記高分子薄膜上に形成された導電膜を含んでなっていることを特徴とする光素子を提供する。
【0025】
具体的な例として、本発明は、半導体基板、ドレイン領域、ソース領域、フローティングゲート、およびコントロールゲートを含んでなっているメモリ素子であって、前記フローティングゲートが前記高分子薄膜内に分散されたナノ粒子からなることを特徴とするナノフローティングフラッシュメモリ素子を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、化学的硬化によってナノ粒子を簡単な工程で製造することができる。全工程が100℃〜150℃の温度範囲以下で行われるため、高温工程による高費用の問題を解決することができる。金属薄膜または金属粉末状で絶縁体前駆体と反応させることができるため、所望する形態の基板に適用することができ、大面積に高密度のナノ粒子を形成することができる。硬化時間、絶縁体前駆体の種類、金属量を調節し、生成されるナノ粒子の大きさおよび密度を簡単に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明をステップ別に分けてより具体的に説明する。
【0028】
1.金属薄膜および化学的硬化を用いたナノ粒子の形成方法
(1)基板の準備
基板は電子顕微鏡観察のためのシリコンウェハー(SiO/Si、Si wafer)、光学特性を調査するためのガラス基板や水晶を用いる。基板表面の異質物を除去するために、アセトン、脱イオン水(deionized water)、メタノールなどで超音波洗浄を行う。
【0029】
(2)金属薄膜の蒸着
基板に金属薄膜を蒸着する。蒸着される金属薄膜の厚さは所望の金属ナノ粒子の密度と絶縁体前駆体の反応性に応じて変わるが、好ましくは50nm以下の範囲で蒸着する。
【0030】
金属薄膜の蒸着としては化学気相蒸着、物理気相蒸着、電解メッキの方法を用いることができる。
【0031】
金属薄膜の層厚さを調節することによって、生成されるナノ粒子の大きさまたは密度を調節することができる。
【0032】
金属薄膜を形成する金属は銅、亜鉛、スズ、コバルト、鉄、カドミウム、鉛、マグネシウム、バリウム、モリブデン、インジウム、ニッケル、タングステン、ビスマス、マンガン、およびこれらの合金の群から選択して用いることができる。
【0033】
図1(a)は基板1の上に金属薄膜2を蒸着した結果を示す。
【0034】
(3)絶縁体前駆体のコーティング
前記金属薄膜上に絶縁体前駆体をコーティングする。前記絶縁体前駆体は酸性の絶縁体前駆体であり、好ましくはカルボキシ基(−COOH)を有する酸性絶縁体前駆体であり、最も好ましくはポリアミド酸(polyamic acid)である。様々な種類のポリアミド酸のうちの好適な特定のポリアミド酸を選択して用いる。
【0035】
前記絶縁体前駆体をコーティングする方法は特定の方法に限定されるものではなく、一般的に用いられるコーティング方法を用いることができる。具体的には、スピンコーティング(Spin coating)、ジェッティング(Jetting)、噴射(Spray)、プリンティング(Printing)、ブラッシング(Brushing)、キャスティング(Casting)、ブレードコーティング(Blade coating)、ディスペンシング(Dispensing)、成形(Molding)などの方法を用いることができる。
【0036】
絶縁体前駆体の種類を選択するか、絶縁体前駆体の濃度を調節して金属との反応性を調節することができる。絶縁体前駆体の濃度調節は絶縁体前駆体と溶媒との混合比率を調節して行うことができる。絶縁体前駆体の溶媒としてはN−メチルピロリドン(N−methyl−2−pyrrolidone)、水(Water)、N−ジメチルアセトアミド(N−dimethylacetamide)、ジグリム(diglyme)のうちから選択して用いることができる。
【0037】
また、絶縁体前駆体−溶媒混合物をコーティングする時に薄膜厚さを調節して金属との反応性を調節することができる。
【0038】
(4)中間熱処理(soft baking)
絶縁体前駆体を金属薄膜上にコーティングした後、金属と絶縁体前駆体との間に反応が起こるように適合な時間を維持した後、ドライオーブンにて80℃〜150℃で30分〜1時間中間熱処理(soft baking)して溶媒を除去する。
【0039】
図1(b)は基板上の金属薄膜2の上に絶縁体前駆体3がコーティングされた結果を示す。この状態で絶縁体前駆体と金属薄膜との間に反応が起こるように1〜24時間にかけて保存する。
【0040】
(5)化学的硬化
基板/金属薄膜/絶縁体前駆体を化学的に硬化させる。基板上の金属薄膜上に形成された絶縁体前駆体に硬化剤(curing agent)と触媒剤を添加して化学的硬化を進行させる。
【0041】
硬化剤は、脱水剤(dehydration agent)として、脂肪族酸性無水物(aliphatic acidic anhydride)または芳香族無水物(aromatic anhydride)を用いることができる。前記脂肪族酸性無水物の具体的な化合物としては(CHCO)O、(CHCHCO)O、(CHCO)Oなどが挙げられ、前記芳香族無水物の具体的な化合物としてはCH(C)H(CO)O、CH(CO)Oなどが挙げられる。
【0042】
触媒剤としては脂肪族第3級アミン(aliphatic tertiary amine)、芳香族第3級アミン(aromatic tertiary amine)、複素環第3級アミン(heterocyclic tertiary amine)のうちの1種以上を選択して用いることができる。前記脂肪族第3級アミン化合物の具体的な例としては(CNが挙げられ、前記芳香族第3級アミン化合物の具体的な例としてはCN(CHが挙げられ、前記複素環第3級アミンの具体的な例としてはCN、C(CH)N、CNHが挙げられる。
【0043】
化学的硬化時間は特定範囲に限定されるものではなく、絶縁体前駆体の種類に応じて好適な時間を選択する。
【0044】
化学的硬化工程時の温度は硬化剤と触媒剤が蒸発する温度以下で行うことが好ましい。
【0045】
化学的硬化工程時の外部雰囲気は硬化剤と触媒剤が周囲雰囲気によって変質しない雰囲気を選択することが好ましい。
【0046】
化学的硬化後、これを再び80℃〜150℃の温度で後続熱処理(post heating)して硬化剤と触媒剤を蒸発させて硬化を中止させる。
【0047】
前記化学的硬化の処理時間を調節することによってナノ粒子の大きさまたは密度を調節することができる。
【0048】
図3は、基板上において金属薄膜層2と反応した絶縁体前駆体3に硬化剤(curing agent)と触媒剤を添加した後、化学的硬化を行ってナノ粒子を形成するステップを示す。
【0049】
図4は化学的硬化処理によって絶縁体の間に生成された金属または金属酸化物のナノ粒子7を模式的に示す図である。
【0050】
2.金属粉末および化学的硬化によってナノ粒子を形成する方法
(1)基板の準備
基板はTEM(Transmission Electron Microscopy)観察のためのシリコンウェハー(SiO/Si、Si wafer)と光学特性を調査するためのガラス基板や水晶を用いる。基板表面の異質物を除去するためにアセトン、脱イオン水(deionized water)、メタノールなどで超音波洗浄を行う。
【0051】
(2)金属粉末と絶縁体前駆体との混合
絶縁体前駆体と反応できる金属粉末を、溶媒で薄められた絶縁体前駆体と混合した後に攪拌する。金属粉末と絶縁体前駆体が十分反応できるようにさらに攪拌することができる。さらに攪拌するステップの温度および時間は特定範囲に限定されるものではなく、金属粉末と絶縁体前駆体の種類に応じて適切に選択することができるが、常温で5分〜24時間攪拌して維持させることが好ましい。
【0052】
本発明に用いられ得る金属粉末は純粋金属粉末または前記純粋金属の合金の金属粉末である。金属または合金の具体的な例としては、銅、亜鉛、スズ、コバルト、鉄、カドミウム、鉛、マグネシウム、バリウム、モリブデン、インジウム、ニッケル、タングステン、ビスマス、マンガン、およびこれらの合金が挙げられる。粉末の粒子大きさは特に制限されず、絶縁体前駆体との反応性に応じて変わるが、1μm以下であることが好ましい。
【0053】
混合される金属粉末の量は特定範囲に限定されるものではない。金属と絶縁体前駆体との反応によってナノ粒子が形成されるため、金属粉末の量を調節して形成されるナノ粒子の密度を調節することができる。例えば、金属粉末の量を増加させると、形成されるナノ粒子の密度が増加する。
【0054】
絶縁体前駆体は、前記金属薄膜および化学的硬化を用いたナノ粒子形成方法で説明した絶縁体前駆体と同様のものであり、前記金属と反応して金属または金属酸化物のナノ粒子を析出できる絶縁体前駆体である。前記絶縁体前駆体は酸性絶縁体前駆体であり、好ましくはカルボキシ基(−COOH)を含む酸性絶縁体前駆体である。最も好ましくはポリアミド酸である。
【0055】
絶縁体前駆体を薄める溶媒は、絶縁体前駆体の種類に応じて適切なものを選択して用いることができるが、N−メチルピロリドン、水、N−ジメチルアセトアミド、ジグリムのうちから選択される1種以上が好ましい。
【0056】
図2(a)は金属粉末4と絶縁体前駆体5を混合した後に攪拌して溶解させるステップを示す。
【0057】
(3)金属粉末が溶解された絶縁体前駆体の基板上への塗布
金属粉末が溶解された絶縁体前駆体溶液を基板上に塗布する。本工程では液相の材料を塗布するものであるため、塗布方法としてスピンコーティング、ジェッティング、噴射、プリンティング、ブラッシング、キャスティング、ブレードコーティング、ディスペンシング、成形方法のうちのいずれか1つの方法を用いることができる。この方法によれば平たい基板の他にも屈曲のある面に塗布することができ、前記ジェッティング方法、ディスペンシング方法を用いると、選択された部分のみにナノ粒子を形成することができる。
【0058】
図2(b)は金属粉末が溶解された絶縁体前駆体を基板上に塗布したものを示す図式的断面図である。
【0059】
(4)中間熱処理(soft baking)
前記金属粉末が溶解された絶縁体前駆体溶液が塗布された前記基板を80℃〜150℃で中間熱処理を行う。中間熱処理によって溶媒は蒸発し、高分子の粘性が増加してイオンの移動が制限される。
【0060】
(5)化学的硬化
中間熱処理を経た金属が溶解している絶縁体前駆体に化学的硬化剤と触媒剤を添加して化学的硬化を行う。化学的硬化の具体的な方法は、前述した項目1.金属薄膜および化学的硬化によるナノ粒子の形成方法における(5)化学的硬化で説明された方法と同じ方法で行う。
【0061】
3.絶縁体内に分散されたナノ粒子を有する電子素子および光素子
(1)金属ナノ粒子の特性
本発明のナノ粒子が分散された高分子薄膜は表面プラズモン現象を生じさせる。表面プラズモンは外部から光が金属表面に入射される時に金属表面の励起された電子が振動する現象であり、このプラズモンの集団振動現象によって表面プラズモン波が形成される。このようなプラズモン現象を生じさせる具体的な構造は、金、銀、銅、アルミニウムのように外部刺激によって電子が放出され易く、負の誘電定数を有する金属と、これを正の誘電定数を有する媒体(例えば、ポリイミド)が囲む構成である。表面プラズモン波が金属表面上を進行できる距離はプラズモンが共鳴する特定波長帯によって決定され、この波長帯は粒子大きさ、形状、および周辺媒体(ポリイミド)の誘電率によって決定される。
【0062】
(2)金属酸化物のナノ粒子の特性
本発明による工程を通じて生成される金属酸化物のナノ粒子は、ナノサイズによる量子閉じ込め効果を用いる電子部品の素子や光部品の素子として活用することができる。前記量子閉じ込め効果は、バルク(bulk)状態の半導体がナノサイズに減少して境界条件に影響を受け、それにより、特定波長値でその波長値に相当するエネルギーにより電子が運動するようになって現れる。0次元である量子ドットは3次元的に閉じ込めが起こり、バルク状態の半導体に比べてエネルギー状態が非連続的になる。さらに、基底状態エネルギーの増加、半導体バンドギャップエネルギーの増加効果が現れる。このようなバンドギャップエネルギーが増加する程度は粒子大きさと原子内の電子や正孔の有効質量によるものであり、ナノ粒子の大きさを調節することによって特定の波長領域のみで吸収が起こるようにすることができる。このような量子閉じ込め効果を生じさせる具体的な構造はバルク状態の全ての半導体物質が、量子効果が現れる大きさに減少した構造である。
【0063】
前記金属または金属酸化物のナノ粒子の量子閉じ込め効果を用いた代表的な素子は電子素子と光素子である。
【0064】
(3)電子素子の例:ナノフローティングフラッシュメモリ素子
次世代メモリ素子であるフラッシュメモリ素子のナノフローティングゲートを形成するには、常温で低い電圧においても基板から電子が透過し、ナノ結晶体に閉じ込められる効果のある物質を製造する技術と、ナノ粒子の大きさや密度を簡単に制御できる技術が必要である。
【0065】
本願発明の製造方法によれば、絶縁体前駆体と金属の化学的結合によって絶縁体内に生成されるナノ粒子を簡単に製造することができ、この方法によって製造したナノ粒子を用いてナノフローティングゲートを製造することができ、これを含むフラッシュメモリ素子は電気的および化学的に安定性を有する長所がある。また、本発明の製造方法によれば、フラッシュメモリ素子を高効率で且つ安価で製造することができる。
【0066】
図5は本発明の方法によって形成されたポリイミド内に分散されたナノ粒子が用いられるナノフローティングフラッシュメモリ素子の例である。前記メモリ素子は活性領域を有する半導体基板と、この基板に形成された互いに離隔されたドレイン領域およびソース領域と、前記ドレイン領域および前記ソース領域との間のチャネル領域上に形成され、前記ソース領域に隣接するように形成され、高分子薄膜内のナノ粒子(ナノ結晶体)からなるフローティングゲートと、前記フローティングゲート上部に前記高分子薄膜によって電気的に分離して形成されたコントロールゲート(金属ゲート)とを含んでなっている。前記高分子薄膜内のナノ粒子は単層または多層に形成することができる。
【0067】
(4)光素子
図6と図7は本発明の方法によって形成されたナノ粒子が分散されたポリイミド薄膜を用いた光素子の例である。
【0068】
ナノ粒子を含むポリイミドに導電膜を形成し電圧を加えることによってナノ粒子に双極子を誘導する。この双極子により電子(e−)と正孔(h+)の再結合がなされ、この再結合によって発光がなされる。前記高分子薄膜内のナノ粒子は単層または多層に形成することができる。
【実施例】
【0069】
以下では本発明について実施例に基づいて説明する。但し、下記実施例は本発明を限定するものとして解釈してはいけない。
【0070】
実施例1:化学的硬化による銅系ナノ粒子の形成
1.第1工程:基板の準備
ナノ粒子はナノ粒子の観察のための電子顕微鏡試験片と光学特性を調査するための試験片に分けて製造した。電子顕微鏡試験片の場合はシリコンウェハー(SiO/Si、Si wafer)を用い、光学特性測定用試験片の場合は2x2cm規格のガラス基板または水晶(quartz)を用いた。最初の金属薄膜を蒸着する前に試験片をトリクロロエチレン(Trichloroethylene、TCE)、アセトン、メタノールでそれぞれ5分間超音波洗浄を行って、試験片の表面に存在する有機物および異質物を化学的に除去し、洗浄時にはそれぞれの基板の表面が互いに付着しないように十分に距離をおいた。超音波洗浄過程が終了すると、脱イオン水(Deionized water)を用いて最後に洗浄し、窒素ガスを用いて試験片の表面にある水気を完全に除去した。
【0071】
2.第2工程:銅薄膜の蒸着
銅薄膜は熱蒸発器(thermal evaporator)を用いて製造した。0.4Pascal以下の真空状態で、銅薄膜を5nm厚さで基板に蒸着した。
【0072】
3.第3工程:絶縁体前駆体のコーティング
絶縁体前駆体としては、低誘電定数物質としてデュポン(Dupont)社で製造されたBPDA(Biphenly dianhydride)−PDA(Paraphenylene diamine)系のポリアミド酸(PI−2610D、Dupont)を用いた。蒸着された金属薄膜層上にポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を、溶媒であるNMP(N−methyl−2−pyrrolidone)に2.5重量%の含有量で溶解させ、スピンコーティング(Spin Coating)法を用いて金属薄膜が蒸着された表面上に塗布した。スピンコーティングは2段階に分けて実施した。第1ステップでは500rpmで10秒、第2ステップでは3000rpmで30秒で、スピンコーティングし、試験片の全体にかけて均一に塗布されるようにした。金属薄膜上にポリアミド酸を被覆した試験片は、ポリアミド酸と金属薄膜との十分な反応を図るために常温で24時間維持させ、ポリアミド酸と金属薄膜との十分な反応が行われるようにした。
【0073】
4.第4工程:中間熱処理(soft baking)
基板/銅薄膜(5nm)/ポリアミド酸(PAA)/をドライオーブンにて135℃で30分間維持させることにより中間熱処理(soft baking)を行い、ポリアミド酸内の溶媒を十分に除去した。
【0074】
5.第5工程:化学的硬化
基板/銅薄膜(5nm)/PAAに硬化剤と触媒剤を添加した。硬化剤としては無水酢酸(acetic anhydride)を用い、触媒剤としてはトリエチルアミン(triethyl amine)を用いた。
【0075】
6.第6工程:後続熱処理(post baking)
硬化処理を中止するために、24時間後、ポリイミドに硬化剤と触媒剤が添加された基板をオーブンにて90℃で30分間後続熱処理を行うことによって硬化剤と触媒剤を十分に除去し、硬化を中止させた。
【0076】
7.実験結果の分析
図8は、銅5nm厚さの薄膜を蒸着し、化学的硬化を行って形成した銅系ナノ粒子の透過電子顕微鏡による平面写真である。均一な銅または銅酸化物のナノ粒子がポリイミド薄膜内に分散され形成されていることが分かる。
【0077】
図10は化学的硬化後にポリイミドに対しFT−IR分析を行った結果である。これに基づくと、熱硬化と同じように化学的硬化によってもポリアミド酸がイミド化してポリイミドに転換されていることを確認することができる。
【0078】
実施例2:化学的硬化による亜鉛系ナノ粒子の形成
1.第1工程:基板の準備
前記実施例1の第1工程と同じ方法によって基板を準備した。
【0079】
2.第2工程:亜鉛薄膜の蒸着
亜鉛薄膜はスパッタ(sputter)を用いて製造した。亜鉛薄膜を10nm厚さで基板に蒸着した。
【0080】
3.第3工程:ポリアミド酸のコーティング
実施例1の第3工程で説明した方法と同じく、絶縁体前駆体としてポリアミド酸(Polyamic acid、PAA)を選択した。溶媒NMPに溶解させたポリアミド酸を、スピンコーティング法を用いて基板上に形成された亜鉛薄膜上にコーティングした。
【0081】
4.第4工程:中間熱処理
基板/亜鉛薄膜(10nm)/PAAをドライオーブン内にて135℃で30分間維持させ、ポリアミド酸内の溶媒を十分に除去した。
【0082】
5.第5工程:化学的硬化
基板/亜鉛薄膜(10nm)/PAAを実施例1の第5工程で説明した方法と同じく、硬化剤としては無水酢酸(acetic anhydride)を用い、触媒剤としてはトリエチルアミン(triethyl amine)を用いて、常温で化学的硬化を実施した。
【0083】
6.第6工程:後続熱処理
硬化処理を中止させるために、24時間後、ポリイミドに硬化剤と触媒剤が添加された基板1をオーブンにて90℃で30分間後続熱処理を行って、前記硬化剤と触媒剤を蒸発させて十分に除去した。
【0084】
7.実験結果の分析
図9(a)、図9(b)、および図9(c)は、亜鉛(Zn)薄膜の10nm蒸着後、化学的硬化を各々1時間、8時間、24時間行って形成した亜鉛系ナノ粒子の透過電子顕微鏡による平面写真である。均一な亜鉛または亜鉛酸化物のナノ粒子がポリイミド薄膜内に分散され形成されていることが分かる。前記結果により、化学的硬化時間を調節してナノ粒子の大きさを調節できることが分かる。また、図10は化学的硬化後にポリイミドに対しFT−IR分析を行った結果である。これに基づくと、熱硬化と同じように化学的硬化によってもポリアミド酸がイミド化してポリイミドに転換されていることを確認することができる。
【0085】
実施例3:銅粉末を用いた銅系ナノ粒子の形成
1.第1工程:銅粉末を含むポリアミド酸の成形
平均粒度が1μmである銅粉末と絶縁体前駆体としてNMP溶媒で薄めたBPDA−PDA(Biphenyltetracarboxylic dianhydride−phenylenediamine)ポリアミド酸を混合した後に攪拌した。前記混合物を常温で24時間置き、十分に反応させた。反応させた銅粉末が溶解されたポリアミド酸絶縁体前駆体溶液をトリクロロエチレン、アセトン、メタノールで各々5分間超音波洗浄した基板上にスピンコーティング法を用いて薄く成形した。
【0086】
2.第2工程:中間熱処理
前記銅粉末とポリアミド酸の混合物が塗布された基板を100℃で30分間中間熱処理を行った。
【0087】
3.第3工程:化学的硬化
前記ポリアミド酸が成形された基板を実施例1の第5工程で説明した方法と同じ方法によって化学的硬化を行った。
【0088】
4.第4工程:後続熱処理
硬化処理を中止させるために、24時間後、前記硬化処理した基板を1をオーブンにて90℃で30分間後続熱処理を行って前記硬化剤と触媒剤を十分に除去した。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】(a)金属薄膜層2を基板1の上に蒸着したものを示す図であり、(b)前記基板1の上に蒸着された金属薄膜層2の上に絶縁体前駆体3をコーティングした後に反応させるステップを示す図である。
【図2】(a)金属粉末4と絶縁体前駆体5を混合した後に攪拌して溶解させるステップを示す図であり、(b)基板上に金属が溶解している絶縁体6を塗布したものを示す図である。
【図3】基板上の金属薄膜層2と反応した絶縁体前駆体3および金属粉末が溶解された絶縁体前駆体6に硬化剤(curing agent)と触媒剤を添加し、化学的硬化を行ってナノ粒子を形成するステップを示す図である。
【図4】化学的硬化によって基板1の上にナノ粒子7が形成されたものを模式的に示す図である。
【図5】本発明の方法によって形成されたポリイミド内に分散されたナノ粒子が用いられるナノフローティングフラッシュメモリ素子の例を示す図である。
【図6】本特許によって形成されたナノ粒子が分散されたポリイミド薄膜を用いた光素子の例を示す図である。
【図7】本特許によって形成されたナノ粒子が分散されたポリイミド薄膜を用いた光素子の例を示す図である。
【図8】銅(Cu)薄膜の5nm蒸着後、化学的硬化を行った後に形成された銅系ナノ粒子の透過電子顕微鏡による平面写真である。
【図9】(a)亜鉛(Zn)薄膜の10nm蒸着後、化学的硬化を1時間行って形成された亜鉛系ナノ粒子の透過電子顕微鏡による平面写真であり、(b)亜鉛(Zn)薄膜の10nm蒸着後、化学的硬化を8時間行って形成された亜鉛系ナノ粒子の透過電子顕微鏡による平面写真であり、(c)亜鉛(Zn)薄膜の10nm蒸着後、化学的硬化を24時間行って形成された亜鉛系ナノ粒子の透過電子顕微鏡による平面写真である。
【図10】化学的硬化によってポリアミド酸がポリイミドに変わったものに対するFT−IR測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
【0090】
1:基板
2:金属薄膜層
3:絶縁体前駆体層
4:金属粉末
5:絶縁体前駆体溶液
6:金属粉末が溶解された前駆体塗布層
7:金属または金属酸化物のナノ粒子
100:ポリイミド薄膜
110:金属または金属酸化物のナノ粒子
120:交流矩形波電源
130:半導体基板
140:ITO

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学的硬化によるナノ粒子の製造方法であって、
(a)基板上に金属薄膜を蒸着するステップと、
(b)前記金属薄膜上に絶縁体前駆体をコーティングするステップと、
(c)前記絶縁体前駆体に硬化剤(curing agent)と触媒剤を添加して化学的硬化を行うステップとを含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【請求項2】
化学的硬化によるナノ粒子の製造方法であって、
(1)金属粉末と絶縁体前駆体を混合するステップと、
(2)金属粉末と絶縁体前駆体の混合物を基板上に塗布するステップと、
(3)前記基板上の金属粉末と絶縁体前駆体との混合物に硬化剤と触媒剤を添加して化学的硬化を行うステップとを含むことを特徴とするナノ粒子の製造方法。
【請求項3】
前記ステップ(b)またはステップ(2)の後、基板を80〜150℃の温度範囲で中間熱処理するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項4】
前記ステップ(c)またはステップ(3)の後、基板を80℃〜150℃の温度範囲で後続熱処理するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項5】
前記硬化剤は脂肪族酸性無水物(aliphatic acidic anhydride)および芳香族無水物(aromatic anhydride)のうちから選択される1種以上であり、
前記触媒剤は脂肪族第3級アミン(aliphatic tertiary amine)、芳香族第3級アミン(aromatic tertiary amine)、および複素環第3級アミン(heterocyclic tertiary amine)のうちから選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項6】
前記硬化剤は(CHCO)O、(CHCHCO)O、(CHCO)O、CH(C)H(CO)O、およびCH(CO)Oからなる群から選択される1種以上であり、
前記触媒剤は(CN、CN(CH、CN、C(CH)N、およびCNHからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項5に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項7】
前記絶縁体前駆体はカルボキシ基(−COOH)を有する酸性絶縁体前駆体であることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項8】
前記酸性絶縁体前駆体はポリアミド酸(polyamic acid)であることを特徴とする、請求項7に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項9】
前記ステップ(b)またはステップ(1)において、前記絶縁体前駆体を溶媒に溶解させ、その濃度を調節して用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項10】
前記溶媒はN−メチルピロリドン、水、N−ジメチルアセトアミド、およびジグリムからなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項9に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項11】
金属薄膜の厚さ、金属粉末の量、絶縁体前駆体の種類、濃度、および硬化時間のうちのいずれか1つ以上を調節し、生成されるナノ粒子の大きさまたは密度を調節することを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ粒子の製造方法。
【請求項12】
請求項1または2に記載された製造方法によって製造され、絶縁体である高分子薄膜内に分散された金属または金属酸化物の粒子であることを特徴とするナノ粒子。
【請求項13】
ナノサイズによる量子閉じ込め効果を用いる光素子であって、請求項12の金属または金属酸化物のナノ粒子が分散された高分子薄膜を含んでなっていることを特徴とする光素子。
【請求項14】
ナノサイズによる量子閉じ込め効果を用いる電子素子であって、請求項12の金属または金属酸化物のナノ粒子が分散された高分子薄膜を含んでなっていることを特徴とする電子素子。
【請求項15】
半導体基板、前記半導体基板上に形成された請求項12の金属または金属酸化物のナノ粒子が分散された高分子薄膜、および前記高分子薄膜上に形成された導電膜を含んでなっていることを特徴とする、請求項13に記載の光素子。
【請求項16】
半導体基板、ドレイン領域、ソース領域、フローティングゲート、およびコントロールゲートを含んでなっているメモリ素子であって、前記フローティングゲートが請求項12の高分子薄膜内に分散されたナノ粒子からなることを特徴とするナノフローティングフラッシュメモリ素子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2009−539629(P2009−539629A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514203(P2009−514203)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【国際出願番号】PCT/KR2007/002732
【国際公開番号】WO2007/142457
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(506397109)インダストリー−ユニヴァーシティー コーポレーション ファウンデーション ハンヤン ユニヴァーシティー (2)
【Fターム(参考)】