説明

半導体基材の製造方法、半導体装置、および電気機器

【課題】半導体基材の基板の表面に繰り返し凹凸パターンを形成するためのエッチングマスクをレジスト膜の露光現像により形成する際、レジスト膜に対する繰り返し露光による隣接する露光領域の隣接する部分での過剰露光による現像パターンの歪みを防止する。
【解決手段】半導体基材を製造する方法において、半導体基材の表面に凹凸部を形成するためのエッチングマスクをレジスト膜のフォトリソグラフィ処理により形成する際、転写用マスク100として、あらかじめ露光ショットの重なる領域付近にある凹凸パターンであるドット状遮光部104の寸法を補正した転写用マスクを使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基材の製造方法、半導体装置、および電気機器に関し、特に、発光素子などの半導体装置を構成する半導体基材を、例えば発光素子から光を効率よく取り出せるようその基板の表面形状が凹凸になるよう加工する方法、およびこの方法により得られた半導体基材を用いた半導体装置、並びにこのような半導体装置を搭載した電気機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から半導体装置には、発光ダイオードや半導体レーザなどの発光素子がある。
【0003】
図5(a)は従来の半導体装置の一例として発光ダイオードの構造を概念的に示す図である。
【0004】
従来の半導体装置、例えば発光ダイオード(LED)220は、基本的には、図5(a)に示すように、基板221上にn型半導体層222、活性層223、及びp型半導体層224が順に積層された積層構造を有し、p型半導体層及びn型半導体層の上にはそれぞれP型電極及びN型電極(図示せず)が形成されている。
【0005】
このような構造の発光ダイオードでは、p型半導体層224から活性層223に注入される正孔と、n型半導体層222から活性層223に注入される電子との再結合によって、活性層のある発光領域で発生した光を、該積層構造における電極が形成された面(積層構造の表面)、又は半導体層を成長しない基板面(積層構造の裏面あるいは側面)から取り出す素子構造が採用されている。
【0006】
また、発光ダイオードでは、積層構造を原子レベルで制御する関係上、基板の平坦性を鏡面レベルに加工しているので、基板上の半導体層、発光領域及び電極は相互に平行に配置され、しかも半導体層の屈折率が基板及び電極(透明電極)の屈折率に対して大きいことから、p型半導体層224の表面と基板221の表面との間に導波路が構成される。即ち、屈折率の大きな半導体層を屈折率の小さな基板と透明電極とによって挟む構造によって導波路が形成される。この導波路は、p型半導体層と電極との界面と、基板と電極との界面とによって挟まれている。
【0007】
従って、活性層で発生した光Lが電極表面又は基板表面に対して所定の臨界角以上の角度で入射すると、電極とp型半導体層224との界面又は基板221の表面で反射されて半導体層の積層構造内を横方向に伝搬して導波路内に捕捉されてしまい、また横方向の伝播中の損失もあり、所望の外部量子効率(つまり発光ダイオード内で発生した光を外部に取り出す効率)が得られない。言い換えると、臨界角よりも大きな角度で基板又は電極との界面に入射した光は、全反射を繰り返して導波路内を伝播し、その間に吸収される。このため、発光光の一部は減衰して、有効に外部に取り出すことができず、外部量子効率が低下してしまう。
【0008】
そこで、基板の表面に凹凸部を形成して発光領域で発生した光を散乱させ、もって外部量子効率を向上させるようにした方法が提案されている(特許文献1参照)。
【0009】
図6は、特許文献1に開示の半導体発光素子(GaN系LED)を説明する図であり、表面に凹凸を形成した基板を用いた半導体発光素子の断面構造を示している。
【0010】
この発光素子210は、絶縁性基板として、その表面に複数の凸部211aを形成して表面を凸凹形状にしたサファイア基板211を用いている。また、この発光素子210は、このような基板211上にn型GaN層212、活性層213、p型GaN層214を積層してなる積層構造を有している。また、この積層構造におけるn型GaN層212の露出面上には、n型電極217が形成され、p型GaN層214上にはp型コンタクト層215を介してp型電極(透明電極)216が形成されている。また、この発光素子では、各導電型の電極の配線との接続部を除いて全面が保護膜218で被覆されている。
【0011】
次に製造方法について説明する。
【0012】
まず、サファイア基板211の表面に、フォトマスク(露光マスク)を使用してレジスト膜をパターニングしてエッチングマスクを形成し、該サファイア基板211の表面を、このエッチングマスクを用いたRIE(リアクティブイオンエッチング)により選択的にエッチングして凹凸部211bを形成する。ここで、フォトマスクを用いたレジスト膜のパターニングでは、レジスト膜に対する露光処理は、サファイア基板211を載せたウエハステージを一定ピッチで移動させて繰り返し行われ、これにより、レジスト膜には、サファイア基板の表面に凹凸部を形成するための繰り返しパターンが形成される。
【0013】
その後、スパッタ装置によってサファイア基板211上に、バッファ層としてAlN層(図示せず)を形成し、その上に、MOCVD装置によって、n型GaN層212、活性層213、及びp型GaN層214を順次成長させる。
【0014】
さらに、p型GaN層214上にはコンタクト層215を介して透明電極としてP型電極216が形成され、また、N型電極217は、上記n型GaN層212の表面の一部が露出するよう、該n型GaN層212の上の半導体層を選択的にエッチングした後、該n型GaN層212の露出面上に形成される。
【0015】
このような構造の発光素子210では、図5(b)に示すように、従来の平坦な基板221を用いた発光素子220(図5(a))に比べて外部量子効率を大幅に改善される。
【0016】
つまり、図6に示す特許文献1に開示の発光素子210では、従来の平坦な基板221を用いた発光素子220(図5(a))で横方向に伝搬していた光Lが、凹凸部211bで散乱又は回折されることとなり、半導体素子の積層構造で発生した光が、積層構造における上部の半導体層の表面から、または積層構造の下方の基板裏面から効率的に取り出される結果、外部量子効率を大幅に向上できる。
【0017】
具体的には、第1に、基板表面の凹凸部による光の散乱及び回折効果により、基板表面に対して上方側又は下方側へ向かう光束が多くなり、発光素子の発光面を正面から観察したときの輝度(=正面輝度)を高めることができる。また、第2に、基板表面の凹凸部による光の散乱及び回折効果により、半導体層中を横方向に伝播する光を減らし、伝播中の吸収ロスを低減して発光の総量を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開2008−10894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、基板の表面に形成する凸凹形状は精度よく制御する必要があり、凸凹形状の制御が不十分である場合には、凸凹形状を形成した基板上に良好に半導体層を形成することができない。例えば、基板表面の凸凹構造は微細な構造であるために、基板表面にその精度が不十分な凹部や凸部が形成された状態で、基板上にGaN層を成長させると、凸凹構造の凹部や凸部の周辺を完全にGaN層で埋めることができず、ピットやボイドが発生する。
【0020】
このようなボイドの発生により、GaNの再成長時に、つまり、下層のGaN層を形成した後に上層のGaN層を形成する時に、クラックが発生しやすくなり、半導体素子におけるGaNの結晶性が低下してしまう。このため、発光効率(つまり、発光素子内部で光が発生する効率である内部量子効率)が下がり、発光素子からの光の取出効率である外部量子効率がかえって低下する。また、発光素子を構成する半導体層でのクラックの発生により、発光素子の信頼性も低下する。
【0021】
なお、クラックの発生による半導体の結晶性の低下は発光ダイオードのような発光素子に限らず、他の半導体装置である受光素子や電子デバイスにも同様のことが言える。
【0022】
また、凹部や凸部の形成不良は、ボイドの発生だけでなく、半導体層の成長が悪化して半導体層中に貫通転位などの結晶欠陥が発生したり、ウエハ面内で異常成長する領域が発生する問題を招くことにもなる。
【0023】
ところで、基板の表面の凹凸部を形成する工程には、上記のように、基板の選択エッチングにエッチングマスクとして用いるレジストパターンを形成する工程が含まれており、このレジストパターンの形成工程では、レジスト膜に対する露光を、転写用マスク(以下、露光マスクともいう。)に対して、基板が載っているウエハステージを一定ピッチで移動させて繰り返う露光工程が含まれている。この露光工程では、隣接する露光領域の境界部分での多重露光により、多重露光された領域及びその付近のレジスト膜の現像後の、基板表面に凹凸部を形成するためのレジストパターンが形状不良となり、後のGaNの成長時に、ピットやボイドの発生原因となってしまうという問題がある。
【0024】
以下、図7〜図9を用いて具体的に説明する。
【0025】
図7は、発光素子(LED)におけるサファイア基板上に凹凸レジストパターンを形成するフォトリソグラフィ工程のフローを示す図である。図8は、図7に示すフォトリソグラフィ工程の露光処理を説明する図であり、図8(a)は転写用マスク(露光マスク)を示し、図8(b)は隣接する露光領域を示している。また、図9は、サファイア基板の表面に凹凸部を形成する処理(図9(a)〜図9(f))を工程順に示す図である。
【0026】
まず、図9(a)に示すように、サファイア基板211上に所望の膜厚が得られるようにフォトレジストを塗布してレジスト膜212を形成する(処理P1)。この時使用するレジストは、エッチングにRIEを使用するため、耐ドライエッチング性に優れたポジ型フォトレジストを使用する。
【0027】
その後、予め準備工程(処理P2a)で準備した転写用マスク(露光マスク)200を用いて、図9(b)に示すように、レジスト膜212をUV光により露光する処理を、露光マスク200に対して、サファイア基板211を載せたウエハステージSを移動させて繰り返し行い(処理P2)、図9(c)に示すように、該レジスト膜212を現像してレジストマスク212aを形成する(処理P3)。
【0028】
その後、該レジストマスク212aをエッチングマスクとして基板211をRIEによりエッチングして、基板表面に複数の凸部211aによる凹凸部211bを形成する(処理P4)。
【0029】
その後、基板表面にバッファ層としてAlN膜213を形成した後(図9(e))、該AlN膜213上にアンドープGaN層214a〜214cを形成し、さらにその上にn型GaN層215を形成して発光ダイオードの形成に用いる半導体基材(LEDテンプレート)を完成する(図9(f))。なお、下層のアンドープGaN層214aは、基板表面の凹部に選択的なエピタキシャル成長により形成され、中間のアンドープGaN層214bは、該下層のアンドープGaN層214aおよび基板の凸部上に、下層のアンドープGaN層214aの側面からの選択的な横方向のエピタキシャル成長により、下層のアンドープGaN層214aを埋め込むように形成され、上層のアンドープGaN層214cは、中間のアンドープGaN層214b上にエピタキシャル成長により形成される。
【0030】
ここで用いる露光マスク200は、ガラス基板などの透光性基板上に所定パターンを有する遮光膜(例えばクロム膜)を形成してなるものであり、図8(a)に示すように、マスク周囲の遮光部201と、基板に形成される凸部に対応する円形遮光部203と、基板に形成される凹部に対応する光透過部202とを有している。
【0031】
また、上記露光マスクを用いて繰り返し露光が行われた状態のレジスト膜212には、図8(b)に示すように、露光領域207a及び207bが隣接して形成されており、露光領域のつなぎ目部分205付近では、過剰な露光により、基板表面の凸部に対応した本来の円形であるべき遮光部対応領域206の形状が歪んだ形状となっている。
【0032】
なお、上記UV露光には、該当の凹凸パターンの寸法、例えば円形遮光部の直径が0.5μmから10μmと微細であり、フォトリソグラフィ処理後の寸法ばらつきを低減する必要があるために、加工精度に優れた縮小投影型装置を使用する。この縮小投影型装置は、基板全体に露光するために、基板を載せるウエハステージにステップアンドリピート機能が搭載されている。このステップアンドリピート機能は、ウエハステージ上に載置された基板を各露光領域に対応する距離だけ移動させて各露光領域に転写用マスクの露光パターンを転写する機能である。
【0033】
また、図8(a)に示される転写用マスクの露光領域(描画領域)は、数mm□から40mm□程度であり、繰り返し露光することで、基板全体に基板表面の凹凸部に対応する露光パターンが形成される。なお、露光領域(描画領域)はマスク周囲の遮光部201に囲まれた領域である。
【0034】
ここで、レジストにはポジ型を使用しているために、ウエハステージの移動のばらつきにより、露光ショット間に未露光部が発生する可能性があることから、露光ショットと露光ショットとは一部を重ねて露光する必要がある。
【0035】
しかしながら、図8(b)に示すように、結果的に露光ショット(露光領域)207a及び207bの繋ぎ目の領域には、多重露光される部分205が発生するため、露光が重なる領域及びその付近の凹凸レジストパターンが過剰な露光エネルギによる不良露光部206となってしまい、後のGaNの成長時に、ピットやボイドの発生原因となってしまう。
【0036】
なお、縮小投影型露光装置は、従来からLSI製造に対しても使われているが、LSI製造ではチップとチップとの間にスクライブラインが存在し、そのラインに沿ってチップはダイシングされるため、露光ショットの繋ぎ目をスクライブラインと重ねることで、その領域のパターン形成不良はデバイス上問題にならなくなるが、発光素子に用いる半導体基材では、発光素子が配置されてチップ化される領域と、該半導体基材の基板に凹凸部を形成するための露光領域とは対応しておらず、基材に凹凸部を形成するための露光領域のつなぎ目を、ウエハをチップ化するためのスクライブラインに合わせることができないことは言うまでもない。
【0037】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、半導体素子の基板の表面に繰り返し凹凸パターンを形成するためのエッチングマスクをレジスト膜の露光現像により形成する際、レジスト膜に対する繰り返し露光による露光領域の隣接する部分での過剰露光に起因した現像パターンの歪みを防止することができ、これにより表面に繰り返し凹凸部を形成した基板を含む半導体基材として、半導体層の成長を良好に行うことができるものを製造することができる半導体基材の製造方法、およびこの方法により得られた半導体基材を用いた半導体装置、並びにこのような半導体装置を搭載した電気機器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明に係る半導体基材の製造方法は、基板をその表面が凹凸構造となるよう加工し、該基板上にその凹凸構造が埋め込まれるよう半導体層をエピタキシャル成長して半導体基材を製造する方法であって、該基板の表面にフォトリソグラフィ処理によりレジストマスクを形成する工程と、該レジストマスクを用いて該基板を選択的にエッチングして該基板の表面に該凹凸構造を形成する工程とを含み、該レジストマスクを形成する工程は、該基板上に形成したレジスト膜に、転写用マスクに形成した露光パターンを転写する処理を、該レジスト膜の、該転写用マスクに対応する露光領域毎に繰り返し行う露光工程を含み、該転写用マスクとして、該レジスト膜上で、隣接する露光領域に対する露光光が重なる多重露光部の付近に対応して位置する遮光パターンの寸法を、多重露光による露光量の増大に基づいて補正した転写用マスクを使用するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0039】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記基板上に前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程は、該基板の凹凸構造が埋め込まれるよう、該基板上で半導体層を横方向に選択的に成長させる工程を含むことが好ましい。
【0040】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記基板をエッチングする処理は、ドライエッチング処理であることが好ましい。
【0041】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記露光はUV露光であることが好ましい。
【0042】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記UV露光には、前記基板を載置するステージにステップアンドリピート機能を有している縮小投影型露光装置を使用し、該ステップアンドリピート機能は、該ステージ上に載置された基板を各露光領域に対応する距離だけ移動させて各露光領域に前記転写用マスクの遮光パターンを転写するものであることが好ましい。
【0043】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記基板上に形成されたレジスト膜は、該基板上にポジ型フォトレジストを塗布して形成したものであることが好ましい。
【0044】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記遮光パターンの寸法を補正する際の補正量は、前記多重露光部での露光光の積算ドーズエネルギをパラメータとして、該遮光パターンに対応するフォトリソラフィ処理後のレジストパターンの寸法を算出して決定されることが好ましい。
【0045】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記転写用マスクは、透明基板と、その上に形成された、所定の開口パターンを有する遮光膜とを有し、前記遮光パターンは、該遮光膜の平面パターンであることが好ましい。
【0046】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記転写用マスクに形成した遮光膜の遮光パターンは、ドット状遮光パターンであることが好ましい。
【0047】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記転写用マスクにおける補正していない遮光パターンに対応するドット状遮光パターンは、直径0.5〜10μmの平面円形形状を有し、該転写用マスクにおける補正した遮光パターンに対応するドット状遮光パターンは該転写用マスクの周縁部に位置し、該直径0.5〜10μmの平面円形形状を該転写用マスクの外側に拡張した形状を有していることが好ましい。
【0048】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記転写用マスクに形成した遮光膜の遮光パターンは、ストライプ状遮光パターンであることが好ましい。
【0049】
本発明は、上記半導体基材の製造方法において、前記転写用マスクにおける補正していない遮光パターンに対応するストライプ状遮光パターンは、ストライプ幅が0.5〜10μmの平面帯状形状を有し、該転写用マスクにおける補正した遮光パターンに対応するストライプ状遮光パターンは、該転写用マスクの周縁部に位置し、該ストライプ幅0.5〜10μmの平面帯状形状を該転写用マスクの外側に拡張した形状を有していることが好ましい。
【0050】
本発明に係る半導体装置は、半導体基材上に半導体素子を形成してなる半導体装置であって、該半導体基材は、上述した本発明に係る半導体基材の製造方法により得られた半導体基材であり、そのことにより上記目的が達成される。
【0051】
本発明に係る電気機器は、半導体装置を備えた電気機器であって、該半導体装置は、上述した本発明に係る半導体装置であり、そのことにより上記目的が達成される。
【0052】
次に本発明の作用について説明する。
【0053】
本発明においては、基板全面にわたってレジスト膜に、基板の表面領域に形成すべき凹凸部に対応する遮光パターンを、露光マスクを移動させて繰り返し転写する際、レジストマスクにおける重なり合う露光領域及びその付近に位置するレジストパターンの変形を防止するために、重なり合う露光領域の積算露光エネルギに応じて遮光パターンのレイアウトを補正した転写用マスクを使用するので、基板表面に対して高精度な凹凸パターン加工が可能になり、外部量子効率の低下の防止及び半導体素子の信頼性の向上を図ることができる。
【0054】
また、本発明では、転写用マスク(露光マスク)の遮光パターンを、基板上での隣接する露光領域の境界近傍での露光量増大に応じて、現像後のレジストマスクのマスクパターンが設計通りのパターンになるよう調整しているだけであるので、凹凸フォトリソグラフィ処理及びドライエッチング時に製造工程の追加を伴うことはなく、製造コストの増加を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0055】
本発明によれば、基板の表面に凹凸部を形成するためのエッチングマスクを、レジスト膜のフォトリソグラフィ処理により形成する際、レジスト膜の隣接する露光領域でレジストパターンが変形するのを回避することができ、これによりフォトリソグラフィ処理の際に精度の高いレジスト膜の加工が可能になり、この結果、基板上にはエッチングマスクを精度よく形成することができ、引いてはこのようなエッチングマスクを用いて表面を凹凸形状に加工した基板を用いた発光素子での外部量子効率の低下を防止でき、また半導体素子としての信頼性の向上を図ることができる。
【0056】
また、本発明では、露光マスクの遮光パターンを、基板上での隣接する露光領域の境界近傍での多重露光により増大する露光量に基づいて、現像後のレジストマスクのマスクパターンが設計通りのパターンになるよう調整しているだけであるので、基板の表面に凹凸部を形成するためのフォトリソグラフィ処理及びドライエッチング処理におけるプロセスの追加を伴うことはなく、製造コストを抑えることができる効果もある。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、本発明の実施形態1による半導体基材の製造方法により得られた半導体基材の絶縁性基板を説明する図であり、図1(a)は該絶縁性基板の断面構造を示し、図1(b)は該絶縁性基板の表面の形状を示している。
【図2】図2は、本発明の実施形態1による半導体基材の製造方法で用いる露光マスク(転写用マスク)を説明する平面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態1による半導体基材の製造方法を用いて、半導体基材として半導体発光素子(LED)テンプレートを製造する処理を工程順(図3(a)〜図3(f))に示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態1による半導体基材の製造方法で用いる露光マスク(転写用マスク)の遮光パターンを説明する図であり、転写用マスクにおけるドット状遮光部に対応するレジスト膜の遮光部対応ドット領域の寸法と、この領域での露光量との関係を示している。
【図5】図5は、従来の発光素子の外部量子効率(発光素子で発生した光を素子外部に取り出す効率)を説明する図であり、従来の一般的な発光素子におけるもの(図5(a))、従来の改良型の発光素子におけるもの(図5(b))での光伝搬経路を示している。
【図6】図6は、特許文献1に開示の半導体発光素子を説明する図であり、表面に凹凸を形成した基板を用いた半導体発光素子の断面構造を示している。
【図7】図7は、従来の技術を説明する図であり、発光素子(LED)におけるサファイア基板上に凹凸レジストパターンを形成するフォトリソグラフィ工程のフローを示している。
【図8】図8は、図7に示すフォトリソグラフィ工程の露光処理を説明する図であり、図8(a)は露光マスクを示し、図8(b)は隣接する露光領域を示している。
【図9】図9は、従来の半導体基材の製造方法を用いて、サファイア基板を含む半導体基材として、半導体発光素子(LED)テンプレートを製造する処理を工程順(図9(a)〜図9(f))に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0059】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1による半導体基材の製造方法により得られた半導体基材における基板を説明する図であり、図1(a)は該基板の断面構造を示し、図1(b)は該基板の表面の形状を示している。
【0060】
図1に示す基板111は、例えばサファイアなどの絶縁性基板であり、その表面には、決められた平面形状および断面形状を有する凸部111aが規則正しく配列されており、複数の凸部111aにより基板の表面には凹凸部111bが形成されている。ここでは、複数の凸部111aは、隣接する縦列では、凸部111aの配置が縦列での凸部の配列ピッチの半分だけずれるよう配列されている。
【0061】
図2は、本発明の実施形態1による半導体基材の製造方法で用いる露光マスク(転写用マスク)を説明する平面図である。
【0062】
図2に示す転写用マスク100は、従来の半導体基材の製造方法で用いた転写用マスク200と同様、ガラス基板などの光透性基板の表面に遮光膜としてクロムなどの金属膜を選択的に形成したものであるが、この実施形態1では、転写用マスクを、そのパターン転写領域の遮光膜の平面パターン(言い換えると遮光パターン)を、レジスト膜における、転写用マスクにおけるパターン転写領域に対応する露光領域が隣接する多重露光部分での露光エネルギに応じて補正した構成としている。
【0063】
つまり、転写用マスク100は、上記パターン転写領域を囲むようマスク周縁部に形成された周縁遮光部101と、該パターン転写領域内に複数配列され、基板に形成されるべき凸部に対応するよう形成された円形形状のドット状遮光部103および104と、パターン転写領域内の該ドット状遮光部以外の部分である光透過部102とを有している。
【0064】
ここで、ドット状遮光部103は転写用マスクのパターン転写領域の中央部分に配置されており、ドット状遮光部104は転写用マスクのパターン転写領域の周縁に配置されている。
【0065】
なお、本実施形態の半導体基材の製造方法においても、縮小投影型装置としては、従来技術で説明したものと同様のものを用いる。つまり、本実施形態においても、UV露光には、該当の凹凸パターンの寸法、例えば円形遮光部の直径が0.5μmから10μmと微細であり、フォトリソグラフィ処理後の寸法ばらつきを低減する必要があるために、加工精度に優れた縮小投影型装置を使用する。この縮小投影型装置は、基板全体(ウエハ全体)を露光するために、基板を載せるウエハステージにステップアンドリピート機能が搭載されている。このステップアンドリピート機能は、ウエハステージ上に載置された基板を各露光領域に対応する距離だけ移動させて各露光領域に転写用マスクの露光パターンを転写する機能である。
【0066】
従って、上記ドット状遮光部104に対応する、レジスト膜における遮光部対応ドット領域では、レジスト膜を形成したサファイア基板を転写用マスクに対して移動させて繰り返し露光する際の隣接する露光領域に照射される露光光の影響を受けるため、その露光量は、ドット状遮光部103に対応する、レジスト膜における遮光部対応ドット領域に比べて多くなる。
【0067】
このため、ドット状遮光部104は、これに対応するレジスト膜の遮光部対応ドット領域での露光量の分布に応じてその形状を補正し、ドット状遮光部104は、これに対応するレジスト膜の遮光部対応ドット領域の断面および平面形状が、レジスト膜の現像後に、ドット状遮光部103に対応するレジスト膜の遮光部対応ドット領域の断面および平面形状と同一になるよう補正している。つまり、ドット状遮光部104は、ドット状遮光部103に対して、矢印で示す方向に平面形状を拡張した形状としている。
【0068】
これは、転写用マスクにおける所定寸法のドット状遮光部に対応するレジスト膜の遮光部対応ドット領域の寸法(例えば直径)〔μm〕は、図4に示すグラフLのように、レジスト膜の遮光部対応ドット領域での露光量(積算露光エネルギ〔mJ/cm〕)が増大するほど小さくなる傾向にあるためである。
【0069】
つまり、図2に示す転写用マスク100のように、露光ショットが重なる領域(多重露光部)の付近にあるドット状遮光部104を、露光ショットが重なる領域(多重露光部)から離れて位置しているドット状遮光部103に比べて、矢印の方向(転写用マスクの外側方向)に拡張した転写用マスクを使用することで、多重露光による過剰な露光エネルギに起因したレジストパターンの膜減りを防ぎ、フォトリソグラフィ処理後に所望のレジストパターンの寸法を得ることが可能になる。
【0070】
従って、この実施形態では、転写マスクの遮光パターンの寸法を補正する際の補正量は、上記多重露光部での露光光の積算ドーズエネルギ(積算露光エネルギ〔mJ/cm〕)をパラメータとして、該遮光パターンに対応するフォトリソラフィ処理後のレジストパターンの寸法を算出して決定している。
【0071】
次に半導体基材の製造方法について説明する。
【0072】
図3は、本発明の実施形態1による半導体基材の製造方法を用いて、半導体基材として半導体発光素子(LED)テンプレートを製造する処理を工程順(図3(a)〜図3(f))に示す断面図である。
【0073】
まず、図3(a)に示すように、サファイア基板111の表面全体に、ディスペンス、ラミネートなどの手段によりポジ型フォトレジストを塗布してレジスト膜112を形成する。この時、レジストには感光剤、樹脂、有機溶剤などが含まれており、レジスト膜112は、0.5〜30μm程度の膜厚になるよう形成する。
【0074】
次に、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィ処理後に所望の寸法のレジストパターンを得るために、あらかじめ図2に示すように、転写用マスクとして、露光ショットの重なる領域付近のドット状遮光部104の形状を補正した転写用マスク100を使用して、サファイア基板111の全体にわたって、レジスト膜112を365nm〜436nm程度の波長の光(UV光)で繰り返し露光する。つまり、サファイア基板111上のレジスト膜112に、縮小露光装置により転写用マスク100の露光パターンを縮小投影して転写する処理を、縮小投影する領域を順次移動させて繰り返し行う。このとき、縮小投影する領域(縮小投影領域)の移動は、サファイア基板111を載せた縮小露光装置のウエハステージSを転写マスク100に対して移動させることにより行い、また、隣接する縮小投影領域は若干重なるように、投影時における縮小露光装置に対するサファイア基板の相対位置を決定する。
【0075】
なお、転写用マスクの周辺ドット状遮光部での平面形状の補正量の算出には、図4に示されるような、転写用マスクのドット状遮光部に対応するレジスト膜の遮光部対応ドット領域の寸法と、この領域での露光量(積算露光エネルギ)との関係を利用する。
【0076】
次に、図3(c)に示すように、露光したレジス膜112をアルカリ現像液又は有機溶剤などにより現像して、半導体基材の表面に形成すべき凹凸部のパターンに対応した凹凸レジストパターンを有するレジストマスクを形成する。
【0077】
なお、レジスト膜112に形成する、転写用マスクのドット状遮光部に対応する凸部112aの寸法は、0.5〜10μm程度の径とする。
【0078】
また、レジスト膜112に形成する、転写用マスクの遮光部に対応する凸部112aの平面形状はドット状にかぎらず、ストライプ状でもよく、この場合は、転写用マスクのストライプ状遮光部に対応する凸部112aは、0.5〜10μm程度の幅を有するストライプ形状とする。この場合、転写用マスクにおける補正したストライプ状遮光パターン(ストライプ状遮光部の平面パターン)は、転写用マスクの周縁部に位置し、ストライプ幅0.5〜10μmの平面帯状形状を、図2に示す補正した円形形状の遮光パターンのように該転写用マスクの外側に拡張した形状とする。
【0079】
次に、図3(d)に示すように、サファイア基板111を、凹凸レジストパターンを有するレジスト膜をマスクとして、RIEによってドライエッチングし、サファイア基板の表面に、レジスト膜の凹凸レジストパターンに対応した凹凸部を形成する。なお、この凹凸部は、基板表面に形成された複数の凸部111aにより形成されている。
【0080】
次に、図3(e)に示すように、スパッタリングにより、表面に凹凸部を形成したサファイア基板111上にAlN膜113をバッファ層として成膜する。
【0081】
さらに、図3(f)に示すように、MOCVD装置により、アンドープGaN114a〜114cを成長させ、さらにn型GaN層115を成長させて、LEDテンプレート110を完成する。
【0082】
このとき、下層のアンドープGaN層114aは、基板表面の凹部に選択的なエピタキシャル成長により形成され、中間のアンドープGaN層114bは、該下層のアンドープGaN層114aおよび基板の凸部上に、下層のアンドープGaN層114aの側面からの選択的な横方向のエピタキシャル成長により、下層のアンドープGaN層114aを埋め込むように形成され、上層のアンドープGaN層114cは、中間のアンドープGaN層114b上にエピタキシャル成長により形成される。このように凹凸部を形成したサファイア基板上に半導体層を成長させる場合、3段階に分けてアンドープGaN層を成長することで、上層に形成する半導体層が下地の結晶欠陥などを受け継ぐのを抑制することができる。
【0083】
このように本実施形態1による半導体基材の製造方法では、転写用マスクとして、あらかじめ露光ショットの重なる領域付近に対応する遮光パターンの寸法を補正した転写用マスクを使用することで、露光ショットの重なる領域での過剰な露光エネルギによるレジストパターンの膜減りを防止することができ、寸法ばらつきの少ないレジスト加工が可能になる。
【0084】
例えば、レジスト塗布膜厚2.0μm、波長365nmの縮小投影型露光装置、ドット径1.5μmの条件では、数から10数%の寸法補正を、あらかじめ転写用マスクの遮光膜のパターンに対して行うことで、フォトリソグラフィ処理後の寸法ばらつきを従来の50%以下に低減できる。
【0085】
また、本実施形態1では、露光マスクの遮光パターンを、基板上での隣接する露光領域の境界近傍での多重露光により増大する露光量に基づいて、現像後のレジストマスクのマスクパターンが設計通りのパターンになるよう調整しているだけであるので、基板の表面に凹凸部を形成するためのフォトリソグラフィ処理及びドライエッチング処理におけるプロセスの追加を伴うことはなく、製造コストを抑えることができる効果もある。
【0086】
なお、上記実施形態では特に説明していないが、本実施形態1の半導体基材を用いた発光ダイオードは、照明機器の光源として用いたり、液晶表示装置のバックライトとして用いたりすることができ、また、上記半導体基材のように基板の表面を凸凹に加工した半導体基材を用いた半導体装置は、種々の電気機器に搭載されるものである。
【0087】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、半導体基材の製造方法およびこの方法により得られた半導体基材を用いた半導体装置、並びにこのような半導体装置を搭載した電気機器の分野において、半導体素子の基板の表面に繰り返し凹凸パターンを形成するためのエッチングマスクをレジスト膜の露光現像により形成する際、レジスト膜に対する繰り返し露光による露光領域の隣接する部分での過剰露光による現像パターンの歪みを防止することができ、これにより表面に繰り返し凹凸部を形成した半導体基材として、半導体層の成長を良好に行うことができるものを製造することができる半導体基材の製造方法、およびこの方法により得られた半導体基材を用いた半導体装置、並びにこのような半導体装置を搭載した電気機器を提供することができる。
【符号の説明】
【0089】
100 転写用マスク(露光マスク)
101 周縁遮光部
102 光透過部
103、104 ドット状遮光部
111 サファイア基板
111a 凸部
111b 凸凹部
112 ポジ型フォトレジスト
112a レジスト凸部
113 AlN(バッファ層)
114a〜114c アンドープGaN層
115 n型GaN層
205 露光ショットの繋ぎ目(多重露光領域)
206 遮光部対応ドット領域(形成不良部)
207a、207b 露光ショット(露光領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をその表面が凹凸構造となるよう加工し、該基板上にその凹凸構造が埋め込まれるよう半導体層をエピタキシャル成長して半導体基材を製造する方法であって、
該基板の表面にフォトリソグラフィ処理によりレジストマスクを形成する工程と、
該レジストマスクを用いて該基板を選択的にエッチングして該基板の表面に該凹凸構造を形成する工程と
を含み、
該レジストマスクを形成する工程は、
該基板上に形成したレジスト膜に、転写用マスクに形成した露光パターンを転写する処理を、該レジスト膜の、該転写用マスクに対応する露光領域毎に繰り返し行う露光工程を含み、該転写用マスクとして、該レジスト膜上で、隣接する露光領域に対する露光光が重なる多重露光部の付近に対応して位置する遮光パターンの寸法を、多重露光による露光量の増大に基づいて補正した転写用マスクを使用する、半導体基材の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体基材の製造方法において、
前記基板上に前記半導体層をエピタキシャル成長させる工程は、
該基板の凹凸構造が埋め込まれるよう、該基板上で半導体層を横方向に選択的に成長させる工程を含む、半導体基材の製造方法。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体基材の製造方法において、
前記基板をエッチングする処理は、ドライエッチング処理である、半導体基材の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体基材の製造方法において、
前記露光はUV露光である、半導体基材の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体基材の製造方法において、
前記UV露光には、前記基板を載置するステージにステップアンドリピート機能を有している縮小投影型露光装置を使用し、該ステップアンドリピート機能は、該ステージ上に載置された基板を各露光領域に対応する距離だけ移動させて各露光領域に前記転写用マスクの遮光パターンを転写するものである、半導体基材の製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体基材の製造方法において、
前記基板上に形成されたレジスト膜は、該基板上にポジ型フォトレジストを塗布して形成したものである、半導体基材の製造方法。
【請求項7】
請求項1に記載に半導体基材の製造方法において、
前記遮光パターンの寸法を補正する際の補正量は、
前記多重露光部での露光光の積算ドーズエネルギをパラメータとして、該遮光パターンに対応するフォトリソラフィ処理後のレジストパターンの寸法を算出して決定される、半導体基材の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の半導体基材の製造方法において、
前記転写用マスクは、透明基板と、その上に形成された、所定の開口パターンを有する遮光膜とを有し、
前記遮光パターンは、該遮光膜の平面パターンである、半導体基材の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体基材の製造方法において、
前記転写用マスクに形成した遮光膜の遮光パターンは、ドット状遮光パターンである、半導体基材の製造方法。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体基材の製造方法において、
前記転写用マスクにおける補正していない遮光パターンに対応するドット状遮光パターンは、直径0.5〜10μmの平面円形形状を有し、
該転写用マスクにおける補正した遮光パターンに対応するドット状遮光パターンは該転写用マスクの周縁部に位置し、該直径0.5〜10μmの平面円形形状を該転写用マスクの外側に拡張した形状を有している、半導体基材の製造方法。
【請求項11】
請求項7に記載の半導体基材の製造方法において、
前記転写用マスクに形成した遮光膜の遮光パターンは、ストライプ状遮光パターンである、半導体基材の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載の半導体基材の製造方法において、
前記転写用マスクにおける補正していない遮光パターンに対応するストライプ状遮光パターンは、ストライプ幅が0.5〜10μmの平面帯状形状を有し、
該転写用マスクにおける補正した遮光パターンに対応するストライプ状遮光パターンは、該転写用マスクの周縁部に位置し、該ストライプ幅0.5〜10μmの平面帯状形状を該転写用マスクの外側に拡張した形状を有している、半導体基材の製造方法。
【請求項13】
半導体基材上に半導体素子を形成してなる半導体装置であって、
該半導体基材は、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の半導体基材の製造方法により得られた半導体基材である、半導体装置。
【請求項14】
半導体装置を備えた電気機器であって、
該半導体装置は、請求項13に記載の半導体装置である、電気機器。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−64902(P2012−64902A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210169(P2010−210169)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】