説明

半導体装置およびその製造方法

【課題】ゲート電極の断線による縦型トランジスタの故障を改善すること。
【解決手段】半導体装置は、第1の方向(Y)に互いに隙間を空けて形成された複数の半導体ピラー(5A〜5A)から成る半導体ピラー群(5)を含む。半導体ピラー群(5)の内、両端部を除く中間部に位置する半導体ピラー(5A〜5A)のいずれか1つである特定の半導体ピラー(5A)と隣接して、ダミーピラー(6)が第1の方向(Y)と直交する第2の方向(X)に設けられている。ゲート絶縁膜(10)が、複数の半導体ピラー(5A〜5A)の各々の外周面とダミーピラー(6)の外周面の一部とに形成されている。ゲート絶縁膜(10)を介して、複数の半導体ピラー(5A〜5A)の間の隙間と特定の半導体ピラー(5A)とダミーピラー(6)との間の隙間とを埋めるように、ゲート電極(11)が、複数の半導体ピラーの側面とダミーピラーの側面とに形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置とその製造方法に関し、特に、縦型トランジスタを有する半導体装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トランジスタの微細化の対策として、縦型SGT(Surround Gate transistor)構造を有する3次元トランジスタが知られている。3次元トランジスタは、半導体基板の主面(X方向とY方向とによって規定されるXY平面)に対して垂直方向(Z方向)に延びるシリコンピラー(半導体の基柱)をチャネルとして用いるトランジスタである。以下では、このような3次元トランジスタを、単に、縦型トランジスタとも呼ぶことにする。
【0003】
このような縦型トランジスタ(縦型SGT構造)を有する半導体装置は、従来から種々提案されている。
【0004】
例えば、特開2009−081389号公報(特許文献1)は、完全空乏化が可能な太さに形成され、X、Yの2方向に整列配置された4つの半導体の基柱(シリコンピラー)と、複数の基柱の各々の外周面に設けられたゲート絶縁膜と、複数の基柱の隙間を埋めて複数の基柱の各々の側面を覆うゲート電極と、を備えた半導体装置を開示している。すなわち、特許文献1は、複数の単位トランジスタを並列に配置したのと同等の特性を持つ、半導体装置(縦型トランジスタ)を開示している。半導体の基柱の側面に形成されたゲート電極同士を接触させ、1つのゲート電極として機能させている。ゲート電極にゲート電圧を給電するために、複数のシリコンピラーからなるシリコンピラー群(半導体ピラー群)の周囲に、ゲート吊りシリコンピラー(ダミーピラー)が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−081389号公報(段落[0009]、[0020]、[0024]、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されている縦型トランジスタは、XおよびYの2方向に整列配置された4つのシリコンピラーからなる構成を有している。また、ゲート電圧給電用のダミーピラーが4つのシリコンピラーと同じ活性領域に配置されている。しかし、半導体集積回路を構成するためには、複数の半導体ピラー(シリコンピラー)を所定の一方向に直線的に配置し、その配置の延長線上の一端部にゲート給電用のダミーピラーを配置して複数の半導体ピラーを並列接続する縦型トランジスタを用いる場合がある。
【0007】
しかしながら、上記のような複数の半導体ピラーを所定の一方向に直線的に配置し、その配置の延長線上の一端部にゲート給電用のダミーピラーを配置して複数の半導体ピラーを並列接続する縦型トランジスタでは、延長線上の一端部に配置されたダミーピラーからゲート電極にゲート電圧を供給したとすると、次に述べるような問題がある。すなわち、所定の一方向に配置された半導体ピラーの内、ダミーピラーに隣接する半導体ピラーに形成不良が生じて半導体ピラーが形成されなかった場合、その部分でゲート電極が断線してしまい、他方の端部までの単位トランジスタが全て動作不良となる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による半導体装置は、所定の方向に互いに隙間を空けて形成された複数の半導体ピラーから成る半導体ピラー群と、この半導体ピラー群の内、両端部を除く中間部に位置する半導体ピラーのいずれか1つである特定の半導体ピラーと隣接して、所定の方向と直交する方向に設けられたダミーピラーと、複数の半導体ピラーの各々とダミーピラーの一部とに形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜を介して、複数の半導体ピラーの間の隙間と、特定の半導体ピラーとダミーピラーとの間の隙間とを埋めるように、複数の半導体ピラーの側面とダミーピラーの側面とに形成されたゲート電極と、を備える。
【0009】
また、本発明による半導体装置の製造方法は、基板上に、所定の方向に互いに隙間を空けた複数の半導体ピラーから成る半導体ピラー群と、この半導体ピラー群の内、両端部を除く中間部に位置する半導体ピラーのいずれか1つである特定の半導体ピラーと隣接して、所定の方向と直交する方向にダミーピラーと、を形成する工程と、各半導体ピラーの周囲に露出する基板の表面に第1の絶縁膜を形成する工程と、第1の絶縁膜を介して基板に不純物を注入し、第1の絶縁膜の下にドレイン拡散層を形成する工程と、複数の半導体ピラーの各々の外周面とダミーピラーの外周面の一部とにゲート絶縁膜を形成する工程と、このゲート絶縁膜を介して、複数の半導体ピラーの間の隙間と特定の半導体ピラーとダミーピラーとの間の隙間とを埋めて、複数の半導体ピラーの側面とダミーピラーの側面とにゲート電極を形成する工程と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、複数個の半導体ピラーを間隔を空けて所定の方向に並列(一列)に配置した半導体ピラー群の内、両端部を除く中間部に位置する半導体ピラーのいずれか1つである特定の半導体ピラーと隣接させてダミーピラーを設けたので、ゲート電極の断線による縦型トランジスタの故障を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】本発明の第1の実施例による半導体装置の平面図である。
【図1B】図1Aの線X1−X1’における断面図である。
【図1C】図1Aの線Y1−Y1’における断面図である。
【図2A】シリコン基板に素子分離溝(STI)を形成する工程を示す平面図である。
【図2B】図2Aの線X1−X1’における断面図である。
【図3B】シリコン基板の全面に絶縁膜およびマスク膜を形成して、絶縁膜とマスク膜とをパターニングする工程を示す、線X1−X1’における断面図である。
【図4A】マスク膜をマスクとして露出させたシリコン基板をトライエッチングして、5つのシリコンピラーとダミーピラーとを形成する工程を示す平面図である。
【図4B】図4Aの線X1−X1’における断面図である。
【図4C】図4Aの線Y1−Y1’における断面図である。
【図5B】5つのシリコンピラーとダミーピラーとマスク膜の側面にサイドウォール膜を形成し、シリコン基板の露出部分に第1の絶縁膜を形成する工程を示す、線X1−X1’における断面図である。
【図6B】イオン注入によって、第1の絶縁膜の下方にピラー下部拡散層(ドレイン拡散層)を形成し、サイドウォール膜と熱酸化膜とを除去する工程を示す、線X1−X1’における断面図である。
【図7A】5つのシリコンピラー及びダミーピラーの側面にゲート絶縁膜を形成し、5つのシリコンピラー及びダミーピラーの側面にのみゲート電極を形成する工程を示す平面図である。
【図7B】図7Aの線X1−X1’における断面図である。
【図7C】図7Aの線Y1−Y1’における断面図である。
【図8B】5つのシリコンピラーとダミーピラーとを埋め込むように、第1層間絶縁膜を形成し、マスク膜を成膜する工程を示す、線X1−X1’における断面図である。
【図9B】マスク膜の一部を除去して第1開口部を形成し、絶縁膜を除去してシリコンピラーの上方に第2開口部を形成する工程を示す、線X1−X1’における断面図である。
【図10B】第2開口部の内壁へ絶縁膜を形成し、第2開口部から不純物を注入してピラー上部拡散層(ソース拡散層)を形成し、第2開口部の内壁へサイドウォール膜を形成し、シリコンピラーの上面に形成されていた絶縁膜を除去して、シリコンピラーの上面を露出させる工程を示す、線X1−X1’における断面図である。
【図11B】第2開口部を塞ぐようにシリコンピラーの上面にシリコンプラグを成長させ、ピラー上部拡散層(ソース拡散層)と電気的に接触させる工程を示す、線X1−X1’における断面図である。
【図12B】第2層間絶縁膜を形成し、ストッパー膜を成膜し、第3層間絶縁膜を成膜する工程を示す、線X1−X1’における断面図である。
【図13A】コンタクト孔を形成する工程を示す平面図である。
【図13B】図13Aの線X1−X1’における断面図である。
【図13C】図13Aの線Y1−Y1’における断面図である。
【図14A】コンタクト孔の内部を金属膜で埋め込んで、メタルコンタクトプラグを形成する工程を示す平面図である。
【図14B】図14Aの線X1−X1’における断面図である。
【図14C】図14Aの線Y1−Y1’における断面図である。
【図15A】本発明の第2の実施例による半導体装置の平面図である。
【図15B】図15Aの線X1−X1’における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の第1実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。また、XYZ座標系を設定し、各構成の配置を説明する。この座標系において、Z方向はシリコン基板の表面に垂直な方向であり、X方向はシリコン基板の表面と水平な面においてZ方向と直交する方向であって、Y方向はシリコン基板の表面と水平な面においてX方向と直交する方向である。尚、Y方向は第1の方向とも呼ばれ、X方向は第2の方向とも呼ばれる。また、図示の例では、Y方向は所定の方向であり、X方向は所定の方向に直交する方向である。
【0014】
図1A、図1B、および図1Cは、本発明の第1実施例に係る半導体装置の構造を示す模式図である。図1Aは、本第1実施例による半導体装置の平面図である。図1Bは、図1Aの線X1-X1’における断面図である。図1Cは、図1Aの線Y1-Y1’における断面図である。但し、図1Aでは、構成要素の配置状況を明確にするため、層間絶縁膜並びにコンタクトプラグ上に位置している配線を透過状態として、その輪郭だけを記載している。
【0015】
まず、図1B乃至図1Cを参照すると、シリコン基板1上には、素子分離領域となるSTI(Shallow Trench Isolation)2が設けられている。STI2に囲まれた活性領域39の中央部には、5つのシリコンピラー5Aが立設されている。ここでは、図1CのY方向(第1の方向)において、右側から左側へ向かって順番に、5個のシリコンピラー5Aを、それぞれ、第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aと区別して記している。また、第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aは、総称してシリコンピラー群5と呼ばれる。尚、各シリコンピラーは、「半導体ピラー」とも呼ばれる。すなわち、シリコンピラー群5は、第1の方向(Y方向)に互いに間隔を空けて配置された複数のシリコンピラー5A乃至5Aから成る。シリコンピラー群5は、半導体ピラー群5とも呼ばれる。
【0016】
各シリコンピラー5Aは、単位トランジスタ50Aのチャネル部を構成する柱状の半導体層である。ここでは、5個の単位トランジスタ50Aを、第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aに対応して、それぞれ、第1乃至第5の単位トランジスタ50A乃至50Aと区別して記している。また、第1乃至第5の単位トランジスタ50A乃至50Aは、総称して単位トランジスタ群50とも呼ばれる。
【0017】
第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aは、STI2に区画された活性領域39内に全てが同一の高さで配置されている。各シリコンピラー5Aの太さ(シリコン基板1に平行な面で切った断面の大きさ)は、完全空乏化が可能な太さにしている。
【0018】
各シリコンピラー5Aの上端部と下端部には、それぞれ不純物拡散層が設けられている。各シリコンピラー5Aの上端部に位置したピラー上部拡散層16はソース拡散層であり、各シリコンピラー5Aの下端部に位置したピラー下部拡散層9はドレイン拡散層である。ピラー上部拡散層16とピラー下部拡散層9との間に挟まれたシリコンピラー5Aの中央部は、チャネル部である。
【0019】
図1Aに示すように、第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aからなるシリコンピラー群5の中央部に位置する第3のシリコンピラー5AとX方向に隣接するように、ダミーピラー6Aが配置されている。ダミーピラー6Aは、活性領域39とSTI2に跨る位置に配置され、活性領域39側に位置するダミーシリコンピラー6AとSTI2側に位置する絶縁膜ピラー6Aで構成される。ダミーシリコンピラー6Aの一側面と絶縁膜ピラー6Aの一側面が接触して、ダミーシリコンピラー6Aと絶縁膜ピラー6Aとを合体した複合ピラーを構成している。ダミーシリコンピラー6Aの側面の内、絶縁膜ピラー6Aと接触する一側面と反対側に位置する他の一側面が第3のシリコンピラー5Aの一側面に対向する配置となっている。第3のシリコンピラー5Aは特定の半導体ピラーとも呼ばれる。
【0020】
図1B、図1Cに示すように、5つのシリコンピラー5Aとダミーシリコンピラー6Aとは、活性領域39内のシリコン基板1の表面をエッチングして設けられている。ダミーシリコンピラー6Aは、シリコン基板1のエッチングした表面から突出した柱状の半導体層である。絶縁膜ピラー6Aは、STI2の表面をエッチングして設けられており、STI2のエッチングした表面から突出した柱状の絶縁層である。ダミーピラー6Aの側面には、給電用ゲート電極11bが配置されている。また、各シリコンピラー5Aの側面にはトランジスタ用ゲート電極11aが配置されている。トランジスタ用ゲート電極11aと給電用ゲート電極11bに共通する説明には、ゲート電極11の記載を用いる。ゲート電極11は、特定の半導体ピラーとダミーピラー6Aの間の空間を埋設してトランジスタ用ゲート電極11aと給電用ゲート電極11bとが相互に接続された構成となっている。
【0021】
ダミーピラー6Aは、ゲート電極11の高さを嵩上げして給電用ゲート電極11bと上部のゲート吊り配線42Aとの距離を小さくするための突起層として機能する。隣接するシリコンピラー5Aの間隔、並びに、ダミーピラー6Aと特定のシリコンピラー5Aとの間隔(特定のシリコンピラー5Aとダミーピラー6Aとの隙間のX方向の幅)は、ゲート電極11の膜厚の2倍以下としている。ゲート吊り配線42Aは、単にゲート配線とも呼ばれる。
【0022】
尚、ダミーピラー6Aは、後述するように、トランジスタ用ゲート電極11aへゲート電圧を供給するために用いられるので、「ゲート給電用ダミーピラー」とも呼ばれる。
【0023】
図1Aに示すように、ダミーピラー6Aは、シリコンピラー群5の中間部に位置するシリコンピラー(図示の例では、特定のシリコンピラー5A)と隣接して、第1の方向(Y方向)と直交する第2の方向(X方向)に設けられている。本明細書中において、「中間部」とは、両端部を除く部分を言う。尚、両端部とは、図示の例では、第1および第5のシリコンピラー5Aおよび5Aの部分に相当する。したがって、図示の例では、「中間部」は、第2乃至第4のシリコンピラー5A〜5Aの部分に相当する。
【0024】
図示の例のように、ダミーピラー6Aは、シリコンピラー群5の中央部に位置する特定のシリコンピラー5Aと隣接して、第1の方向と直交する第2の方向に設けられていることが好ましい。しかしながら、ダミーピラー6Aは、第1の方向に配置された複数のシリコンピラー5A乃至5Aの内、両端部を除く中間部に位置するシリコンピラー5A〜5Aのいずれか1つである特定のシリコンピラーに隣接して、第1の方向と直交する第2の方向に設けられて良い。
【0025】
図1B、図1Cに示すように、各シリコンピラー5Aとダミーシリコンピラー6Aとの周囲に位置する活性領域39をエッチングして掘り下げたシリコン基板1の表面には、第1の絶縁膜8が設けられている。第1の絶縁膜8は、各シリコンピラー5Aの底部とダミーシリコンピラー6Aの底部との周囲を覆って、STI2に達している。ピラー下部拡散層9は、第1の絶縁膜8の下方で第1の絶縁膜8と重なるように配置されている。したがって、第1の絶縁膜8はゲート電極11とピラー下部拡散層9との間に形成されており、第1の絶縁膜8によってピラー下部拡散層9とゲート電極11とが電気的に絶縁されている。ピラー下部拡散層9は、第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5A同士を電気的に接続しており、単位トランジスタ群50(第1乃至第5の単位トランジスタ50A乃至50A)に共通のドレイン部を構成する。なお、STI2は、ピラー下部拡散層9よりも深く設けられており、STI2を挟んで隣接する領域同士でピラー下部拡散層9が導通しないようになっている。
【0026】
各シリコンピラー5Aとダミーシリコンピラー6Aとの側面には、ゲート絶縁膜10が配置されている。また、ゲート絶縁膜10を介して各シリコンピラー5Aの側面にトランジスタ用ゲート電極11aが配置されている。また、ダミーピラー6Aの側面には給電用ゲート電極11bが配置されている。ゲート電極11は、STI2の内壁面と、STI2の上面に積層された絶縁膜3の内壁面と、マスク膜4の内壁面の一部にも設けられている。ゲート絶縁膜10は、各シリコンピラー5Aの側面を覆って第1の絶縁膜8と接続されている。各シリコンピラー5Aのチャネル部とピラー上部拡散層16と第1の絶縁膜8の下部に配置されたピラー下部拡散層9は、ゲート絶縁膜10と第1の絶縁膜8によって、ゲート電極11と電気的に絶縁されている。
【0027】
各々のシリコンピラー同士の間隔は、ゲート電極11の膜厚の2倍以下とされている。
【0028】
ゲート絶縁膜10を介して、各シリコンピラー5Aの側面に設けられたトランジスタ用ゲート電極11aは、シリコンピラー5Aの間隔がトランジスタ用ゲート電極11aの膜厚の2倍以下とされた部分で互いに接触して一体化され、各シリコンピラー5Aに共有される1つのゲート電極として機能する。隣接するシリコンピラー5Aの間の空間は、トランジスタ用ゲート電極11aによって、各シリコンピラー5Aの高さ方向全体に埋設されている。
【0029】
シリコンピラー群5の中央部に位置する第3のシリコンピラー(特定のシリコンピラー)5Aとダミーピラー6Aとの間隔は、ゲート電極11の膜厚の2倍以下とされている。これにより、第3のシリコンピラー5Aの側面に配置されるトランジスタ用ゲート電極11aとダミーピラー6Aの側面に配置される給電用ゲート電極11bは、各々のピラー間隔がゲート電極11の膜厚の2倍以下とされた部分で互いに接触し、接続される構成となる。
【0030】
従って、ダミーピラー6Aの側面に配置された給電用ゲート電極11bに対して上層のゲート給電配線から供給されたゲート電圧は、第3のシリコンピラー5Aを介して各シリコンピラー5Aに共有されるトランジスタ用ゲート電極11aに印加される。
【0031】
すなわち、本第1実施例による半導体装置は、第1の方向(Y)に互いに隙間を空けて配置された複数の半導体ピラー(5A〜5A)から成る半導体ピラー群(5)と、この半導体ピラー群(5)の内、両端部を除く中間部に位置する半導体ピラー(5A〜5A)のいずれか1つである特定の半導体ピラー(5A)と隣接して、第1の方向(Y)と直交する第2の方向(X)に設けられたダミーピラー(6A)と、複数の半導体ピラー(5A〜5A)の各々の側面とダミーピラー(6A)の側面の一部とに形成されたゲート絶縁膜(10)と、このゲート絶縁膜(10)を介して、複数の半導体ピラー(5A〜5A)の間の隙間と、特定の半導体ピラー(5A)とダミーピラー(6A)との間の隙間とを埋めるように、複数の半導体ピラー(5A〜5A)の側面とダミーピラー(6A)の側面とに形成されたゲート電極(11)と、を備えている。
【0032】
STI2、ダミーピラー6Aの上面には、絶縁膜3とマスク膜4が配置されている。更にゲート電極11と第1の絶縁膜8とを覆って第1層間絶縁膜12が設けられている。第1層間絶縁膜12は、STI2と絶縁膜3とマスク膜4との壁面に囲まれた領域、すなわちピラー溝形成領域A内を埋設するように設けられている。マスク膜4と第1層間絶縁膜12との表面には、第2層間絶縁膜20が設けられている。第2層間絶縁膜20を覆ってストッパー膜21が設けられ、更にストッパー膜21を覆って第3層間絶縁膜24が設けられている。
【0033】
第3層間絶縁膜24の表面には、ゲート吊り配線42Aが配置されている。ゲート吊り配線42Aは、第3層間絶縁膜24、ストッパー膜21、第2層間絶縁膜20及び第1層間絶縁膜12を貫通するゲート用メタルコンタクトプラグ(導電プラグ)41Aによって給電用ゲート電極11bと接続されている。
【0034】
導電プラグ41Aは、ダミーピラー6Aと部分的に重なる位置に設けられている。より詳細には、導電プラグ41Aは、絶縁層ピラー6Aと部分的に重なる位置に設けられている。ダミーピラー6Aの上には、マスク膜4が配置されており、導電プラグ41Aは、マスク膜4の側面に位置した給電用ゲート電極11bの上端部と接続されている。ダミーピラー6Aの上に配置されたマスク膜4は、ダミーピラー6Aと共に、給電用ゲート電極11bの高さを嵩上げして、給電用ゲート電極11bとゲート吊り配線42Aとの距離を小さくするための突起層として機能する。
【0035】
第3層間絶縁膜24上には、第1および第2のメタル配線33、34が配置されている。第1のメタル配線33とシリコンピラー群5のピラー上部拡散層16との間には、シリコンプラグ19とソース用メタルコンタクトプラグ(導電プラグ)30Aとが設けられている。シリコンプラグ19は、第1層間絶縁膜12とトランジスタ用ゲート電極11aとで取り囲まれている。導電プラグ30Aは、第3層間絶縁膜24、ストッパー膜21及び第2層間絶縁膜20を貫通している。したがって、第1のメタル配線33は、シリコンプラグ19と、導電プラグ30Aとを介して、各シリコンピラー5Aの各々のピラー上部拡散層(ソース拡散層)16と接続されている。これにより、各単位トランジスタ50Aは、ピラー下部拡散層9を共有すると共に、第1メタル配線33によって各々のピラー上部拡散層が相互に接続される一つの並列トランジスタを構成している。
【0036】
シリコンプラグ19は、シリコン中にヒ素等のn型不純物を注入(拡散)したものであり、ピラー上部拡散層16と共に単位トランジスタ50Aのソース部を構成する。シリコンプラグ19の側面には、サイドウォール膜18と絶縁膜17とが配置されている。サイドウォール膜18と絶縁膜17とによって、シリコンプラグ19とトランジスタ用ゲート電極11aとが電気的に絶縁されている。サイドウォール膜18と絶縁膜17との組み合わせは、第2の絶縁膜とも呼ばれる。
【0037】
第2のメタル配線34とピラー下部拡散層9との間には、ドレイン用メタルコンタクトプラグ(導電プラグ)31Aが設けられている。導電プラグ31Aは、第3層間絶縁膜24、ストッパー膜21、第2層間絶縁膜20、第1層間絶縁膜12及び第1の絶縁膜8を貫通している。したがって、第2のメタル配線34は、導電プラグ31Aによって、ピラー下部拡散層(ドレイン拡散層)9と接続されている。導電プラグ31Aは、シリコンピラー群5に対してダミーピラー6Aとは反対側の活性領域39内に配置されている。
【0038】
次に、図1Aの平面図を参照すると、本実施例の半導体装置は、STI2で囲まれたピラー溝形成領域A内に活性領域39とSTI2の一部となるSTI2aが隣接して配置される構成となっている。したがって、矩形の活性領域39を構成する4辺の内、3辺がSTI2に接し、残りの1辺がSTI2aに接している。活性領域39には、各々が平面視矩形の第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aからなるシリコンピラー群5が設けられている。第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aは、互いに間隔を空けて、Y方向(第1の方向)へ直線状(一列)に配置されている。各シリコンピラー5Aは、各単位トランジスタ50のチャネル部を構成するものである。活性領域39には、各シリコンピラー5Aをチャネル部とする第1乃至第5の単位トランジスタ50A乃至50Aから成る単位トランジスタ群50が配置されている。
【0039】
図示の第1の実施例においては、1つの縦型トランジスタが、第1乃至第5の単位トランジスタ50A乃至50Aの集合体である単位トランジスタ群50によって構成されている。しかしながら、単位トランジスタ群50を構成する単位トランジスタの個数Nは5つに限定されない。尚、単位トランジスタ50Aの個数Nは3以上の整数である。
【0040】
シリコンピラー群5の直上には、シリコンプラグ19、ソース用メタルコンタクトプラグ30A及び第1のメタル配線33が配置されている。シリコンピラー群5、シリコンプラグ19及びソース用メタルコンタクトプラグ30Aは、平面視において、同一領域内で互いに重なって配置されている。第1のメタル配線33は、Y方向に延在するように配置されている。
【0041】
複数のシリコンピラー5A乃至5Aの集合体であるシリコンピラー群5の中心に位置する第3のシリコンピラー(特定の半導体ピラー)5Aと隣接するように、平面視矩形のダミーピラー6Aが設けられている。ダミーピラー6Aは、ピラー溝形成領域A内に位置する活性領域39とSTI2aの境界部分に配置される。ダミーピラー6AのY方向の幅は、シリコンピラー5Aの幅と同じであるが、X方向の幅は特に限定されるものではない。ダミーピラー6Aの上には、平面視矩形の導電プラグ41Aが配置されている。導電プラグ41Aは、平面視において、絶縁層ピラー6Aと部分的に重なる位置に配置されているが、XY方向において絶縁層ピラー6Aの外側に若干はみ出している。そして、このはみ出した部分で、導電プラグ41Aは、ダミーピラー6Aの側面に設けられた給電用ゲート電極11bと接続されている。
【0042】
なお図1Aでは、第1の方向(Y方向)にシリコンピラー群5を構成するシリコンピラーを5個配置し、導電プラグ31A、シリコンピラー群5およびダミーピラー6Aを第1の方向に垂直な第2の方向(X方向)に配置し、ドレイン配線34、ソース配線33、およびゲート吊り配線42Aをこれらと重なるように配置したが、各構成要素の配置は、これに限定されない。例えば、シリコンピラー群5がY方向へ延在した偶数個のシリコンピラー5Aで構成されている場合は、シリコンピラー群5の中心となるシリコンピラー5A同士の接続部へダミーピラー6Aを隣接させても良い。
【0043】
次に、第1実施例による半導体装置の製造方法について、詳細に説明する。
【0044】
図2〜図14は、本第1実施例による半導体装置の製造方法を説明するための工程図面である。図2〜図14の夫々(図○)において、図○Aは各製造工程における半導体装置の平面図であり、図○Bは図○Aの線X1-X1’における断面図であり、図○Cは図○
Aの線Y1-Y1’における断面図である。なお各製造工程の説明は、主として図○Bの
断面図を用いて行い、適宜、図○A、図○Cの図面を追加して図○Bの補足を行う。また図○Aでは、構成要素の配置状況を明確にするため、最上層の下地となった構成要素を破線で記載している。
【0045】
まず、図2Aおよび図2Bに示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、p型のシリコン基板1に溝2cを形成する。次に、溝2cの内部を埋め込むように、シリコン基板1の全面へシリコン酸化膜やシリコン窒化膜からなる素子分離絶縁膜2dをCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって堆積させる。その後、シリコン基板1上の不要な素子分離絶縁膜2dをCMP(Chemical Mechanical Polishing)法により除去して、溝2cの内部だけに残すことにより、素子分離領域となるSTI2を形成する。ここで、STI2に囲まれたシリコン基板1は、活性領域39となっている。
【0046】
次に、図3Bに示すように、CVD法によって、シリコン基板1上にシリコン酸化膜である絶縁膜3を2nm厚となるように形成してから、その絶縁膜3上にシリコン窒化膜であるマスク膜4を120nm厚となるように形成する。
【0047】
次に、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、絶縁膜3とマスク膜4をパターニングする。これにより、ピラー溝形成領域Aを確定するマスク膜4Cが形成される。また、シリコンピラー5A用のマスク膜4Aと、ダミーピラー6A用のマスク膜4Bと、が同時に形成される。ピラー溝形成領域A内において各マスク膜を除く領域には、活性領域39を構成するシリコン基板1の表面とSTI2の一部からなるSTI2aの表面が露出している。マスク膜4Aは、第1の方向(Y方向)に整列させて形成する。マスク膜4Bは、第1の方向に整列するマスク膜4Aの両端部を除く中間部に位置するマスク膜4Aに隣接するように形成する。また、マスク膜4Bは、活性領域39とSTI2aに跨る位置に形成する。
【0048】
次に、図4A、図4B、および図4Cに示すように、マスク膜4A、4B、4Cをマスクとして、上面が露出している活性領域39並びにSTI2aをドライエッチングし、深さが150nmとなる5個のシリコンピラー5A〜5Aとダミーピラー6Aを形成する。ダミーピラー6Aは、活性領域39側に形成されるダミーシリコンピラー6Aと、STI2側に形成される絶縁層ピラー6Aが合体した複合ピラーで構成される。
【0049】
具体的には、活性領域39内に、単位トランジスタを構成するシリコンピラー5A〜5Aを第1の方向へ5個配置し、それぞれのシリコンピラー5Aの間隔をこの後形成するゲート電極の膜厚の2倍以下とする。同様に、ゲート電極の膜厚の2倍以下の間隔で、第3のシリコンピラー(特定の半導体ピラー)5Aと隣接するように、第1の方向に垂直な第2の方向にダミーピラー6Aを1つ配置する。各々のシリコンピラー5Aの平面サイズは同一とする。トランジスタのチャネル部を構成する各シリコンピラー5Aの太さ(シリコン基板1の上面に平行な面で切った断面の大きさ)は、完全空乏化が可能な太さである。また、ダミーピラー6Aの第1の方向の幅はシリコンピラーの幅と同じであるが、第2の方向の幅はシリコンピラー5Aと同じサイズである必要はない。
【0050】
次に、図5Bに示すように、CVD法により厚さ5nmのシリコン窒化膜を全面に成膜した後、全面エッチバックを行って、各シリコンピラー5Aとダミーピラー6Aとマスク膜4A、4B、4Cとの側面にサイドウォール膜7を形成する。このとき、STI2の側面にもサイドウォール膜7が形成される。
【0051】
次に、熱酸化法によって、活性領域39の底面に露出しているシリコン基板1の表面に厚さ30nmのシリコン酸化膜からなる第1の絶縁膜8を形成する。このとき、各シリコンピラー5Aとダミーピラー6Aの側面には、サイドウォール膜7が形成されており、夫々の上面にはマスク膜4が形成されているため、シリコン酸化膜は形成されない。
【0052】
次に、図6Bに示すように、イオン注入法によって、第1の絶縁膜8の下に位置するシリコン基板1に砒素などのn型不純物を導入し、第1の絶縁膜8に接するピラー下部拡散層9を形成する。ここで、ピラー下部拡散層9は、5個のシリコンピラー5A〜5Aで共有される。
【0053】
この時、トランジスタとなる各シリコンピラー5Aの側面はサイドウォール膜7で保護されているので、ピラー部への散乱イオンの注入を防止できる。サイドウォール膜7がない場合には、予期せぬ不純物がチャネルとなるピラー部に注入されてしまい、トランジスタの閾値電圧を制御することが困難となる。
【0054】
次に、ドライエッチング法あるいはウェットエッチング法によって、サイドウォール膜7を除去する。
【0055】
次に、図7A、図7B、および図7Cに示すように、熱酸化法によって、各シリコンピラー5A及びダミーシリコンピラー6Aの側面に3nm厚のシリコン酸化膜であるゲート絶縁膜10を形成する。
【0056】
次に、シリコン基板1の全面にゲート電極となる20nm厚の多結晶シリコン膜をCVD法により成膜した後、ドライエッチング法を用いて全面エッチバックを行い、各シリコンピラー5Aの側面にトランジスタ用ゲート電極11aを形成する。同時に、ダミーピラー6Aの側面に給電用ゲート電極11bを形成する。モノシラン(SiH)ガスなどの熱分解を用いるCVD法で成膜した多結晶シリコン膜は、表面反応律速で成膜されるために段差被覆性が極めて良好となる。すなわち、平面上であっても、シリコンピラーの側面上であっても同じ膜厚で形成することができる。
【0057】
多結晶シリコン膜に代えて非晶質シリコン膜で形成することもできる。非晶質シリコン膜は結晶性を有していないため多結晶シリコン膜で形成した場合に比べて成膜表面が著しく平坦であり、表面に凹凸を有していないためエッチバック時のゲート電極の上端面の形状を高精度に制御できる利点がある。多結晶シリコン膜であっても非晶質シリコン膜であってもゲート電極として導電性を持たせるためには不純物を導入する必要がある。
【0058】
不純物の導入はCVD法での成膜時に原料ガスとしてモノシランに加えてホスフィン(PH)ガスを同時に供給することで行われる。これにより成膜された膜中にリンが含有されたシリコン膜を形成することができる。多結晶の状態で形成したシリコン膜では、成膜中にリンの活性化が進むために形成した段階で導電性を示すが、非晶質の状態で形成したシリコン膜ではリンの活性化が達成されないため、形成した後の工程で不純物活性化の熱処理を実施する。
【0059】
上記のような多結晶状態もしくは非晶質状態のシリコン膜を成膜するための条件は成膜温度に依存している。すなわち、多結晶シリコン膜を形成する場合には570℃以上、640℃以下の温度で成膜すれば良い。640℃を超えると反応速度が高くなり、基板面内および基板間の膜厚均一性を維持できなくなる。また、非晶質シリコン膜を形成する場合には540℃以下、500℃以上の温度で成膜すれば良い。500℃より低い温度では成膜速度が著しく低下し実用的ではない。
【0060】
各シリコンピラー5A及びダミーピラー6Aの側面にゲート電極11を形成した場合、STI2の側面にもゲート電極11が同時に形成される。図7B、図7Cに示すように、特定の半導体ピラー5Aとダミーピラー6Aとの間隔およびシリコンピラー5A同士の間隔は、ゲート電極11の膜厚の2倍以下であるため、特定の半導体ピラー5Aとダミーピラー6Aの間および隣接するシリコンピラー5Aの間は、ゲート電極11で完全に埋められる。従って、第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aの側面におけるトランジスタ用ゲート電極11aとダミーピラー6Aの側面における給電用ゲート電極11bとは、単一のゲート電極に一体化して接続されている。
【0061】
上記のように、本第1の実施例ではシリコン基板1から上方に突き出すようにシリコンピラーを形成した状態でゲート電極材料となる多結晶シリコン膜を全面に形成した後、異方性ドライエッチング法によりエッチバックし、シリコンピラーの側面に多結晶シリコン膜からなるゲート電極11を形成する方法を用いている。このエッチバックでは、各シリコンピラー5Aの上面や各シリコンピラー5Aの周囲底面で構成される水平面上に形成された多結晶シリコン膜はエッチングされて消滅する。すなわち、エッチバックは、平面上に形成された多結晶シリコン膜の膜厚がシリコンピラーの側面に形成された多結晶シリコン膜の深さ方向の膜厚(シリコンピラーの高さ方向の膜厚)よりも薄いことを利用している。したがって、エッチバックによってゲート電極11を形成するためには、シリコンピラー自体の存在が必須要件となる。
【0062】
もし、シリコンピラーを形成する工程においてマスクが正常に形成されず、結果的にシリコンピラーが形成されなかった場合、その領域は単なる平面となる。そして、そこに形成された多結晶シリコン膜はエッチバック時にエッチングされて消滅しゲート電極11が形成されない。その結果、隣接シリコンピラー間のゲート電極11の接続ができなくなってしまう問題が発生する。
【0063】
次に、図8Bに示すように、各シリコンピラー5Aとダミーピラー6Aを覆い、ピラー溝形成領域A内に形成されている凹部を埋め込むように、CVD法によって、シリコン酸化膜である第1層間絶縁膜12を形成する。
【0064】
次に、CMP法によって、第1層間絶縁膜12をマスク膜4A、4B、4Cの上面が露出するように平坦化し、続けてCVD法によって、シリコン酸化膜であるマスク膜13を10nm厚となるように成膜する。
【0065】
次に、図9Bに示すように、フォトリソグラフィ法とエッチング法を用いて、マスク膜13の一部を除去し、第1開口部14を形成する。除去するマスク膜13のパターン40は、図1Aに示したように、活性領域39内であって、且つ各シリコンピラー5A上のマスク膜4Aを含む領域を開口するパターンとする。これにより、マスク膜13を除去した第1開口部14には、各シリコンピラー5Aの上に位置するマスク膜4Aの上面が露出する。
【0066】
次に、露出したマスク膜4Aをウェットエッチングによって選択的に除去し、さらに絶縁膜3を除去することで、各シリコンピラー5Aの上方に第2開口部15を形成する。第2開口部15の底面には、各シリコンピラー5Aの上面が露出しており、側面にはトランジスタ用ゲート電極11aの一部が露出している。
【0067】
次に、図10Bに示すように、熱酸化法によって、第2開口部15の内壁へシリコン酸化膜である絶縁膜17を形成する。
【0068】
次に、第2開口部15から各シリコンピラー5Aの上部に燐やヒ素などn型不純物をイオン注入し、ピラー上部拡散層16を形成する。また、CVD法により厚さ10nmのシリコン窒化膜を全面に成膜した後、ドライエッチング法を用いてエッチバックし、第2開口部15の内壁へサイドウォール膜18を形成する。このサイドウォール膜18の形成時に、各シリコンピラー5Aの上面に形成されていた絶縁膜17も除去して、各シリコンピラー5Aの上面を露出させる。このとき絶縁膜17は、サイドウォール膜18の下方と第2開口部15におけるゲート電極11の露出面に残留する。サイドウォール膜18は、この後形成するシリコンプラグとトランジスタ用ゲート電極11aとの間の絶縁を確保する役割を果たす。
【0069】
次に、図11Bに示すように、選択エピタキシャル成長法を用いて、第2開口部15を埋設するように、単結晶からなる各シリコンピラー5Aの上面を種としてシリコンプラグ19を選択成長させる。その後、N型トランジスタとする場合には、ヒ素などをイオン注入して、シリコンプラグ19内をn型の導電体として、シリコンプラグ19を各シリコンピラー5Aの上部に形成したピラー上部拡散層16と電気的に接触させる。
【0070】
次に、図12Bに示すように、CVD法によって、第1開口部14を埋め込むようにシリコン酸化膜である第2層間絶縁膜20を形成する。シリコン酸化膜からなるマスク膜13は第2層間絶縁膜20に吸収合体される。
【0071】
次に、CVD法によって、シリコン窒化膜であるストッパー膜21を20nm厚となるように成膜する。
【0072】
次に、CVD法によって、シリコン酸化膜である第3層間絶縁膜24を150nm厚となるように成膜する。
【0073】
次に、図13A、図13B、および図13Cに示すように、フォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いて、第1乃至第3のコンタクト孔27乃至29を形成する。第1乃至第3のコンタクト孔27乃至29の形成では、最も深い第3のコンタクト孔29の形成が終了するまでドライエッチングする必要がある。そのため、相対的に浅い第1および第2のコンタクト孔27と28に対しては過剰なエッチングが付加されることになる。特に、リソグラフィにおける合わせズレが発生しやすい第1のコンタクト孔27では、合わせズレが生じた部分の第1層間絶縁膜12が過剰にエッチングされる。この時、ダミーピラー6Aが活性領域39内に位置するダミーシリコンピラー6Aだけで構成されていると、第1のコンタクト孔27は、第3のコンタクト孔29と同じ深さのエッチングを行うことによって、活性領域39の底面に位置するシリコン基板1まで突き抜けてしまう。その結果、後の工程で形成するコンタクトプラグ41Aとシリコン基板1が短絡する、すなわち給電用ゲート電極11bとピラー下部拡散層9がコンタクトプラグ41Aを介して短絡してしまい、トランジスタ動作が不可となる問題が発生する。しかしながら、本実施例ではダミーピラー6AをSTI2aを含む複合ピラーで形成し、第1のコンタクト孔27をSTI2a側に形成している。STI2aは第3のコンタクト孔29の深さに比べて100nm程度深く形成されているので、合わせズレ部分が過剰にエッチングされたとしても、底面の位置をSTI2a中に形成することが可能となり、シリコン基板1との接触を回避できる。したがって、給電用ゲート電極11bとピラー下部拡散層9との短絡を防止することができる。本実施例で、ゲート給電用のダミーピラー6Aを複合ピラーで形成する理由は、この利点を確保することにある。
【0074】
また、ドライエッチングの制御性を向上させるために、ストッパー膜21で一旦エッチングを停止し、ストッパー膜21のエッチングと第1層間絶縁膜12のエッチングを段階的に実施する方法を用いる。第1のコンタクト孔27の形成では、ダミーピラー6Aの上面が、残留しているマスク膜4Bで保護されているので、ダミーピラー6Aがエッチングされることはない。第1のコンタクト孔27は、ダミーピラー6Aの中心からずらした位置に形成しているので、その底部には、ダミーピラー6Aの上に形成したマスク膜4Bと、ダミーピラー6Aの側面に形成した給電用ゲート電極11bの一部が露出している。
【0075】
また、第2のコンタクト孔28の底部には、シリコンプラグ19の少なくとも一部が露出しており、第3のコンタクト孔29の底部には、ピラー下部拡散層9の一部が露出している。
【0076】
これらの第1乃至第3のコンタクト孔27乃至29は同時に形成しても良いが、別々に形成しても良い。
【0077】
次に、図14A、図14B、および図14Cに示すように、CVD法によって、第3層間絶縁膜24を覆うようにタングステン(W)と窒化チタン(TiN)とチタン(Ti)で構成された金属膜を成膜して、第1乃至第3のコンタクト孔27乃至29の内部を埋め込む。
【0078】
次に、CMP法によって、第3層間絶縁膜24上の金属膜を除去して、シリコンプラグ19に対する5つのソース用メタルコンタクトプラグ30A、ピラー下部拡散層9に対するドレイン用メタルコンタクトプラグ31A、給電用ゲート電極11bに対するゲート用メタルコンタクトプラグ41Aを形成する。
【0079】
次に、図1A、図1B、および図1Cに示したように、スパッタ法によるタングステン(W)と窒化タングステン(WN)で構成された第1のメタル配線(ソース配線)33と、第2のメタル配線(ドレイン配線)34と、ゲート吊り配線(ゲート配線)42Aとを形成する。このとき、ゲート用メタルコンタクトプラグ41Aは、ゲート吊り配線42Aと接続される。また、ピラー下部拡散層9に接続している1つのドレイン用メタルコンタクトプラグ31Aは、第2のメタル配線34と接続している。さらに、5つのシリコンピラー5A乃至5Aに形成されたピラー上部拡散層16に接続している5つのソース用メタルコンタクトプラグ30Aは、第1のメタル配線33に接続されている。これにより、5つの単位トランジスタ50Aが並列に接続された1つの縦型トランジスタが形成される。
【0080】
以上説明した本第1実施例の半導体装置によれば、次のような効果が得られる。
【0081】
(1)複数のシリコンピラー(半導体ピラー)5Aで構成されているシリコンピラー群(半導体ピラー群)5の中央部に位置する特定の半導体ピラーに隣接するように、ダミーピラー6Aを配置している。これにより、シリコンピラー群5を構成する複数のシリコンピラー5Aの一部が異常形成されてゲート電極11が断線した場合でも、正常なシリコンピラーで構成された単位トランジスタの故障を最小限度に抑制することができる。
【0082】
さらに詳細に述べると、図1Aにおいて、ダミーピラー6Aが隣接する第3のシリコンピラー5Aを境にしたシリコンピラー群5の一方側を構成している第2のシリコンピラー5Aが異常形成されてゲート電極11が断線したと仮定する。この場合、異常形成された第2のシリコンピラー5Aで構成された第2の単位トランジスタ50Aと、第2のシリコンピラー5Aに隣接する第1の単位トランジスタ50Aとは故障して動作不能となる。しかしながら、シリコンピラー群5の中央部とシリコンピラー群5の他方側を構成している3個の単位トランジスタ、すなわち、第3、第4、および第5の単位トランジスタ50A、50A、50Aは故障せずに、正常動作する。
【0083】
これに対して、ダミーピラー6Aが第1のシリコンピラー5Aと隣接するように配置されて、前記同様に第2のシリコンピラー5Aが異常形成されると、正常に動作するのは、第1の単位トランジスタ50Aだけとなる。
【0084】
(2)シリコンピラー5A同士の間隔、並びに特定のシリコンピラー5Aとダミーピラー6Aとの間隔がゲート電極11の厚みの2倍以下としているので、各シリコンピラー5Aとダミーピラー6Aの側面に形成されたゲート電極11同士が接触し、各シリコンピラー5Aの高さ方向全体にゲート電極11が形成される。そのため、エッチバックによって不要な領域のゲート電極11を除去したときに、各シリコンピラー5Aとダミーピラー6Aとの隙間にゲート電極11の断線が発生せず、連続した1つのゲート電極11として機能させることができる。また、各シリコンピラー5Aとダミービラー6Aとの間の間隔を小さくすることで、半導体装置の小型化に寄与することができる。
【0085】
(3)ゲート電極11の高さを嵩上げするための突起層(ダミーピラー6A、マスク膜4B)を形成しているので、給電用ゲート電極11bとゲート吊り配線42Aを接続するゲート用メタルコンタクトプラグ41Aのアスペクト比を小さくすることができ、半導体装置を微細化する場合に容易に対応することができる。また、ダミーピラー6Aをダミーシリコンピラー6Aと絶縁膜ピラー6Aを接触させて一体化した複合ピラーで形成し、ゲート用メタルコンタクトプラグ41Aを絶縁膜ピラー6A2側に形成しているので、コンタクト孔27をエッチング形成する際のパターンズレに起因するゲート電極11とピラー下部拡散層9との短絡を回避することができる。
【実施例2】
【0086】
以下、図面を参照して、本発明の第2実施例について詳細に説明する。ここでの図面構成は、第1実施例と同じとしている。なお説明は、第1実施例と共通する内容の記載は割愛して、第2実施例における相違点だけを記載する。第1実施例では複数の単位トランジスタ50A〜50Aからなる単位トランジスタ群50を一つの並列トランジスタとして用いる構成とした。したがって、第1実施例では、単位トランジスタ群50に共通するピラー下部拡散層9への給電に導電プラグ31Aを設けることが必要な構成となっている。本第2実施例では、導電プラグ31A自体を並列トランジスタで置き換えた構成について説明する。2個の並列トランジスタをピラー下部拡散層を共通として直列に接続する直並列トランジスタ構成となる。具体的には第1実施例の並列トランジスタを線対称にして、同一活性領域に2つ配置し、ピラー下部拡散層は共通とし、ピラー上部拡散層は各々別の配線に接続する構成である。以下の説明では並列トランジスタを2つ用いる例について説明するが、本発明はこれに限るものではなく、複数の活性領域に同じ構成のトランジスタを配置して、配線で接続することにより、さらに多数のトランジスタを有する直並列トランジスタとすることができる。
【0087】
図15A、図15Bは、本発明の第2実施例に係る半導体装置の構造を示す模式図である。図15Aは、本第2実施例による半導体装置の平面図である。図15Bは、図15Aの線X1-X1’における断面図である。但し、図15Aでは、構成要素の配置状況を明確にするため、層間絶縁膜並びにコンタクトプラグ上に位置している配線を透過状態として、その輪郭だけを記載している。なお、下記の説明以外の個々の構成は第1実施例と同じなので割愛する。
【0088】
まず、図15Aを参照すると、シリコン基板上にSTI2に囲まれた矩形の活性領域39が配置される。活性領域39のX方向に対向する2辺をそれぞれSTI2側に拡幅した位置に2辺を有する矩形のピラー溝形成領域Aが配置される。したがって、ピラー溝形成領域A内のX方向の中心に活性領域39が配置され、活性領域39のX方向の2辺に接してSTI2の一部となるSTI2aおよびSTI2bがそれぞれ配置された構成となっている。
【0089】
活性領域39の中央部には、平面視矩形の10個のシリコンピラー5’が設けられている。10個のシリコンピラー5’は、第1乃至第5のシリコンピラー(半導体ピラー)5A乃至5Aから成る第1のシリコンピラー群(第1の半導体ピラー群)5aと、第6乃至第10のシリコンピラー(半導体ピラー)5B乃至5Bから成る第2のシリコンピラー群(第2の半導体ピラー群)5bとに分けられる。第1のシリコンピラー群5aに対応する第1のダミーピラー6Aが特定のシリコンピラー5Aに隣接し、活性領域39とSTI2aに跨る位置に配置される。また、第2のシリコンピラー群5bに対応する第2のダミーピラー6Bが特定のシリコンピラー5Bに隣接し、活性領域39とSTI2bに跨る位置に配置される。第1の方向(Y方向)に整列して配置される第1のシリコンピラー群5aと第2のシリコンピラー群5bとの間隔は、ゲート電極11の膜厚の2倍以下で構成する。個々のシリコンピラー間の位置関係、およびシリコンピラーとダミーピラーの位置関係は第1実施例と同じである。したがって、ゲート電極11は、第1のダミーピラー6A、第1のシリコンピラー群5a、第2のシリコンピラー群5b、第2のダミーピラー6Bの全てを接続するように配置される。尚、第1のダミーピラー6Aと同様に、第2のダミーピラー6Bも、活性領域39側に形成される第2のダミーシリコンピラー6Bと、STI2側に形成される第2の絶縁層ピラー6Bが合体した第2の複合ピラーで構成される。
【0090】
STI2に囲まれた活性領域39には、各シリコンピラー5’をチャネル部とする単位トランジスタ50が10個配置されている。ここでは、10個の単位トランジスタ50を、第1乃至第5のシリコンピラー5A乃至5Aに対応する第1乃至第5の単位トランジスタ50A乃至50Aとし、第6乃至第10のシリコンピラー5B乃至5Bに対応する第6乃至第10の単位トランジスタ50B乃至50Bとして区別する。
【0091】
したがって、第1乃至第5の単位トランジスタ50A乃至50Aによって第1の単位トランジスタ群50Aが構成され、第6乃至第10の単位トランジスタ50B乃至50Bによって第2の単位トランジスタ群50Bが構成される。なお、各々の単位トランジスタ群を構成する単位トランジスタの数は3以上であれば5に限定されない。本実施例のトランジスタは、第1の並列トランジスタを構成する第1の単位トランジスタ群50Aと、第2の並列トランジスタを構成する第2の単位トランジスタ群50Bと、が直列に接続された直並列トランジスタを構成する。
【0092】
すなわち、本第2実施例による半導体装置は、第1の方向(Y)に互いに隙間を空けて形成された第1乃至第N(Nは3以上の整数)の半導体ピラー(5A〜5A)から成る第1の半導体ピラー群(5a)と、この第1の半導体ピラー群(5a)に隣接して、第1の方向(Y)に互いに隙間を空けて形成された第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラー(5B〜5B)から成る第2の半導体ピラー群(5b)と、第1の半導体ピラー群(5a)の内、第1及び第Nの半導体ピラー(5A,5A)を除く中間部に位置する第2乃至第(N−1)の半導体ピラー(5A〜5A)のいずれか1つである第1の特定の半導体ピラー(5A)と隣接して、第1の方向(Y)と直交する方向(X)に設けられた第1のダミーピラー(6A)と、第2の半導体ピラー群(5b)の内、第(N+1)及び第2Nの半導体ピラー(5B,5B)を除く中間部に位置する第(N+2)乃至第(2N−1)の半導体ピラー(5B〜5B)のいずれか1つのである第2の特定の半導体ピラー(5B)と隣接して、第1のダミーピラー(6A)とは反対側で、第2の方向(X)に設けられた第2のダミーピラー(6B)と、第1乃至第2Nの半導体ピラー(5A〜5A,5B〜5B)の各々の外周面と、第1および第2のダミーピラー(6A,6B)の外周面の一部とに形成されたゲート絶縁膜(10)と、このゲート絶縁膜(10)を介して、第1乃至第2Nの半導体ピラー(5A〜5A,5B〜5B)の間の隙間と、第1の特定の半導体ピラー(5A)と第1のダミーピラー(6A)との間の隙間と、第2の特定の半導体ピラー(5B)と第2のダミーピラー(6B)との間の隙間とを埋めるように、第1乃至第2Nの半導体ピラー(5A〜5A,5B〜5B)の側面と第1および第2のダミーピラー(6A,6B)の側面とに形成されたゲート電極(11)と、を備えている。
【0093】
次に、図15Bを参照する。第1のシリコンピラー群5aの直上には、第1のシリコンプラグ19A、第1のソース用メタルコンタクトプラグ30A及び第1のメタル配線(ソース配線)33が配置されている。同様に、第2のシリコンピラー群5bの直上には、第2のシリコンプラグ19B、第2のソース用メタルコンタクトプラグ30B及び第2のメタル配線(ドレイン配線)34が配置されている。第1のシリコンピラー群5a、第1のシリコンプラグ19A及び第1のソース用メタルコンタクトプラグ30Aは、平面視において、同一領域内で互いに重なって配置されている。同様に、第2のシリコンピラー群5b、第2のシリコンプラグ19B及び第2のソース用メタルコンタクトプラグ30Bも、平面視において、同一領域内で互いに重なって配置されている。このような構成によって、第2のメタル配線(ドレイン配線)34は、5つのシリコンピラー5B乃至5Bから成る第2のシリコンピラー群5bを並列に接続する配線としても機能している。また、各々並列トランジスタを構成する第1単位トランジスタ群50Aと第2トランジスタ群50Bは直列に接続される構成となっている。すなわち、第1のメタル配線33が、第1のソース用メタルコンタクトプラグ30A、第1のシリコンプラグ19A、第1のピラー上部拡散層16A、第3のシリコンピラー5Aを介してピラー下部拡散層9に接続され、さらに、第8のシリコンピラー5B、第2のピラー上部拡散層16B、第2のシリコンプラグ19B、第2のソース用メタルコンタクトプラグ30Bを介して第2のメタル配線34に接続される構成となっている。
【0094】
第2のゲート用メタルコンタクトプラグ41Bの直上には、第2のゲート吊り配線42Bが配置されている。第2のゲート吊り配線42Bは、平面視で直線状に設けられており、第2のメタル配線(ドレイン配線)34と交わらないように他方のX方向へ延在して配置されている。第2のゲート吊り配線42Bの端部は、第2のゲート用メタルコンタクトプラグ41Bを介して、第2の単位トランジスタ群50Bのゲート電極11と接続されている。
【0095】
なお、上記の説明では、第1の方向に整列して配置される第1のシリコンピラー群5aと第2のシリコンピラー群5bとの間隔をゲート電極の膜厚の2倍以下で構成することによって、ゲート電極11が、第1のダミーピラー6A、第1のシリコンピラー群5a、第2のシリコンピラー群5b、第2のダミーピラー6Bの全てを接続するように配置される構成としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1のシリコンピラー群5aと第2のシリコンピラー群5bとの間隔をゲート電極11の膜厚の2倍以上とすれば、第1の単位トランジスタ群50Aの第1のゲート電極11と第2の単位トランジスタ群50Bの第2のゲート電極11とを分離させて、夫々の単位トランジスタ群を別々に制御することができる。
【0096】
以上説明した第2実施例の半導体装置によれば、次のような効果が得られる。
【0097】
(1)第1実施例に記載した構成の2つの並列トランジスタを直列に接続しているので、シリコンピラー群を構成する複数のシリコンピラーの一部が異常形成されてゲート電極が断線した場合でも、正常なシリコンピラーで構成された単位トランジスタの故障を最小限度に抑制することができる特長を維持しつつ、より高耐圧となる直並列トランジスタを構成することが可能となる。
【0098】
(2)本実施例では、ピラー下部拡散層を共通とする2つの縦型トランジスタを直列に接続する構成としている。縦型トランジスタは、ピラー上部拡散層とピラー下部拡散層を対称構造で構成することができないため、チャネルを流れる電流の向きにより特性がばらつきやすい。しかし、本実施例では2つの縦型トランジスタを直列接続とすることにより、一方のトランジスタで下向きの電流が流れる場合、他方のトランジスタでは必ず上向きに電流が流れる構成となる。したがって、特性ばらつきが相殺され安定な特性を得ることができる。
【0099】
(3)各シリコンピラー群5a、5bと第1および第2のメタル配線33、34とがシリコンプラグ19A、19Bとソース用メタルコンタクトプラグ30A、30Bの2つの導電プラグによって接続されているため、各々の導電プラグのアスペクト比は1つ導電プラグで接続する場合に比べて小さくすることができる。そのため、半導体装置を微細化する場合に容易に対応することができる。特に第2実施例の場合は、各単位トランジスタ群50A、50Bと各々のメタル配線との距離がシリコンピラー5’の高さ分だけ嵩上げされているので、よりアスペクト比の小さい導電プラグとすることができる。
【0100】
なお本第2実施例は、基本的に第1実施例の構成を複数レイアウトした構成となっており、個々の構造は同じである。したがって、製造方法も第1実施例と同じ工程を実施することができる。したがって、本第2実施例に係る半導体装置の製法については、図2から図14の説明を参照されたい。
【0101】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。例えば、本実施例では半導体基板の一例としてシリコン基板を用いたが、シリコン基板以外の基板に半導体の基柱を形成することも可能である。また、ガラス基板等の絶縁基板上に半導体層を形成し、この半導体層をエッチングして半導体の基柱及び突起層を形成することもできる。さらに、導電プラグやシリコンプラグ、配線のレイアウトは一例であって、設計要求に応じて任意に変更することができる。
【符号の説明】
【0102】
1 シリコン基板
2 素子分離領域(STI)
3 絶縁膜
4、4A、4B、4C マスク膜
5 シリコンピラー(半導体ピラー群;シリコンピラー群)
5A 第1のシリコンピラー群(第1の半導体ピラー群)
5B 第2のシリコンピラー群(第2の半導体ピラー群)
5A〜5A、5B〜5B シリコンピラー(半導体ピラー)
5A 第1の特定の半導体ピラー(特定の半導体ピラー)
5B 第2の特定の半導体ピラー
6A ダミーピラー(第1のダミーピラー)
6A ダミーシリコンピラー(第1のダミーシリコンピラー)
6A 絶縁層ピラー(第1の絶縁層ピラー)
6B 第2のダミーピラー
6B 第2のダミーシリコンピラー
6B 第2の絶縁層ピラー
7 サイドウォール膜
8 第1の絶縁膜
9 ピラー下部拡散層(ドレイン拡散層)
10 ゲート絶縁膜
11 ゲート電極
12 第1層間絶縁膜
13 マスク膜
14 第1開口部
15 第2開口部
16 ピラー上部拡散層(ソース拡散層)
16A 第1のピラー上部拡散層
16B 第2のピラー上部拡散層
17 絶縁膜
18 サイドウォール膜
19 シリコンからなる導電プラグ(シリコンプラグ)
19A 第1のシリコンプラグ
19B 第2のシリコンプラグ
20 第2層間絶縁膜
21 ストッパー膜
24 第3層間絶縁膜
27 第1のコンタクト孔
28 第2のコンタクト孔
29 第3のコンタクト孔
30 ソース用メタルコンタクトプラグ
30A 第1のソース用メタルコンタクトプラグ(導電プラグ)
30B 第2のソース用メタルコンタクトプラグ
31 ドレイン用メタルコンタクトプラグ(導電プラグ)
31A 第1のドレイン用メタルコンタクトプラグ(導電プラグ)
33 第1のメタル配線(ソース配線)
34 第2のメタル配線(ドレイン配線)
39 活性領域
40 パターン
41 ゲート用メタルコンタクトプラグ(導電プラグ)
41A 第1のゲート用メタルコンタクトプラグ(導電プラグ)
41B 第2のゲート用メタルコンタクトプラグ
42 ゲート吊り配線(ゲート配線)
42A 第1のゲート吊り配線(第1のゲート配線)
42B 第2のゲート吊り配線(第2のゲート配線)
50 単位トランジスタ(単位トランジスタ群)
50A 第1の単位トランジスタ群
50B 第2の単位トランジスタ群
50A〜50A、50B〜50B 単位トランジスタ
X X方向(第1の方向)
Y Y方向(第2の方向;所定の方向)
Z Z方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に互いに隙間を空けて形成された複数の半導体ピラーから成る半導体ピラー群と、
該半導体ピラー群の内、両端部を除く中間部に位置する半導体ピラーのいずれか1つである特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1の方向と直交する第2の方向に設けられたダミーピラーと、
前記複数の半導体ピラーの各々の外周面と前記ダミーピラーの外周面の一部とに形成されたゲート絶縁膜と、
該ゲート絶縁膜を介して、前記複数の半導体ピラーの間の隙間と前記特定の半導体ピラーと前記ダミーピラーとの間の隙間とを埋めるように、前記複数の半導体ピラーの側面と前記ダミーピラーの側面とに形成されたゲート電極と、
を備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記ダミーピラーは、活性領域と素子分離領域に跨る位置に配置され、ダミーシリコンピラーと絶縁層ピラーを合体させた複合ピラーから成る、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記特定の半導体ピラーは、前記半導体ピラー群の中央部に位置している半導体ピラーである、請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
隣接する半導体ピラー同士の間隔と、前記特定の半導体ピラーと前記ダミーピラーとの間隔とは、前記ゲート電極の膜厚の2倍以下である、請求項1乃至3のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項5】
各半導体ピラーの周囲に露出した基板の表面に第1の絶縁膜が形成され、
前記第1の絶縁膜の下にドレイン拡散層が形成され、
前記ゲート電極と前記ドレイン拡散層とが前記第1の絶縁膜によって絶縁されている、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項6】
前記ダミーピラーの上に配置されたマスク膜を更に備え、該マスク膜は、前記ダミーピラーと共に前記ゲート電極の高さを嵩上げる突起層として機能し、
該突起層の側面を覆う前記ゲート電極は、層間絶縁膜を貫通するゲート用導電プラグを介して、前記層間絶縁膜の表面に配置されたゲート配線に接続されている、請求項1乃至5のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項7】
前記複数の半導体ピラーの各々の上部にソース拡散層が形成され、
前記複数の半導体ピラーの各々の上面に前記ゲート電極の開口部が形成され、
前記ゲート電極の各々の開口部の内壁面に第2の絶縁膜が形成され、
該第2の絶縁膜を介して、前記ゲート電極の各々の開口部に前記ソース拡散層と電気的に接続されたシリコンプラグが形成され、
前記ゲート電極と前記シリコンプラグとが前記第2の絶縁膜によって絶縁されている、請求項1乃至6のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項8】
第1の方向に互いに隙間を空けて形成された第1乃至第N(Nは3以上の整数)の半導体ピラーから成る第1の半導体ピラー群と、
該第1の半導体ピラー群に隣接して、前記第1の方向に互いに隙間を空けて形成された第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラーから成る第2の半導体ピラー群と、
前記第1の半導体ピラー群の内、第1及び第Nの半導体ピラーを除く中間部に位置する第2乃至第(N−1)の半導体ピラーのいずれか1つである第1の特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1の方向と直交する第2の方向に設けられた第1のダミーピラーと、
前記第2の半導体ピラー群の内、第(N+1)及び第2Nの半導体ピラーを除く中間部に位置する第(N+2)乃至第(2N−1)の半導体ピラーのいずれか1つである第2の特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1のダミーピラーとは反対側で、前記第2の方向に設けられた第2のダミーピラーと、
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の外周面と、前記第1および第2のダミーピラーの外周面の一部とに形成されたゲート絶縁膜と、
該ゲート絶縁膜を介して、前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの間の隙間と、前記第1の特定の半導体ピラーと前記第1のダミーピラーとの間の隙間と、前記第2の特定の半導体ピラーと前記第2のダミーピラーとの間の隙間とを埋めるように、前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの側面と前記第1および第2のダミーピラーの側面とに形成されたゲート電極と、
を備えていることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
前記第1のダミーピラーおよび前記第2のダミーピラーの各々は、活性領域と素子分離領域に跨る位置に配置され、
前記第1のダミーピラーは、第1のダミーシリコンピラーと第1の絶縁層ピラーを合体させた第1の複合ピラーから成り、
前記第2のダミーピラーは、第2のダミーシリコンピラーと第2の絶縁層ピラーを合体させた第2の複合ピラーから成る、請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1の特定の半導体ピラーは、前記第1の半導体ピラー群の中央部に位置する半導体ピラーであり、
前記第2の特定の半導体ピラーは、前記第2の半導体ピラー群の中央部に位置する半導体ピラーである、請求項8又は9に記載の半導体装置。
【請求項11】
隣接する半導体ピラー同士の間隔と、前記第1の特定の半導体ピラーと前記第1のダミーピラーとの間隔と、前記第2の特定の半導体ピラーと前記第2のダミーピラーとの間隔とは、前記ゲート電極の膜厚の2倍以下である、請求項8乃至10のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の周囲に露出した基板の表面に第1の絶縁膜が形成され、
前記第1の絶縁膜の下にドレイン拡散層が形成され、
前記ゲート電極と前記ドレイン拡散層とが前記第1の絶縁膜によって絶縁されている、請求項8乃至11のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1および第2のダミーピラーの各々の上に配置されたマスク膜を更に備え、該マスク膜は、前記第1および第2のダミーピラーと共に、それぞれ、前記ゲート電極の高さを嵩上げる第1および第2の突起層として機能し、
前記第1の突起層の表面を覆う前記ゲート電極は、層間絶縁膜を貫通する第1のゲート用導電プラグを介して、前記層間絶縁膜の表面に配置された第1のゲート配線に接続されており、
前記第2の突起層の表面を覆う前記ゲート電極は、前記層間絶縁膜を貫通する第2のゲート用導電プラグを介して、前記層間絶縁膜の表面に配置された第2のゲート配線に接続されている、請求項8乃至12のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の上部にソース拡散層が形成され、
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の上面に前記ゲート電極の開口部が形成され、
前記ゲート電極の各々の開口部の内壁面に第2の絶縁膜が形成され、
該第2の絶縁膜を介して、前記ゲート電極の各々の開口部に前記ソース拡散層と電気的に接続されたシリコンプラグが形成され、
前記ゲート電極と前記シリコンプラグとが前記第2の絶縁膜によって絶縁されている、請求項8乃至13のいずれか1つに記載の半導体装置。
【請求項15】
第1の方向に互いに隙間を空けて形成された第1乃至第N(Nは3以上の整数)の半導体ピラーから成る第1の半導体ピラー群と、
該第1の半導体ピラー群に隣接して、前記第1の方向に互いに隙間を空けて形成された第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラーから成る第2の半導体ピラー群と、
前記第1の半導体ピラー群の内、第1及び第Nの半導体ピラーを除く中間部に位置する第2乃至第(N−1)の半導体ピラーのいずれか1つである第1の特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1の方向と直交する第2の方向に設けられた第1のダミーピラーと、
前記第2の半導体ピラー群の内、第(N+1)及び第2Nの半導体ピラーを除く中間部に位置する第(N+2)乃至第(2N−1)の半導体ピラーのいずれか1つである第2の特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1のダミーピラーとは反対側で、前記第2の方向に設けられた第2のダミーピラーと、
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の外周面と、前記第1および第2のダミーピラーの外周面の一部とに形成されたゲート絶縁膜と、
該ゲート絶縁膜を介して、前記第1乃至第Nの半導体ピラーの間の隙間と、前記第1の特定の半導体ピラーと前記第1のダミーピラーとの間の隙間とを埋めるように、前記第1乃至第Nの半導体ピラーの側面と前記第1のダミーピラーの側面とに形成された第1のゲート電極と、
前記ゲート絶縁膜を介して、前記第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラーの間の隙間と、前記第2の特定の半導体ピラーと前記第2のダミーピラーとの間の隙間とを埋めるように、前記第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラーの側面と前記第2のダミーピラーの側面とに形成された第2のゲート電極と、
を備え、
前記第1の半導体ピラー群と前記第2の半導体ピラー群との間隔は、ゲート電極の膜厚の2倍以上であることを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
基板上に、第1の方向に互いに隙間を空けた複数の半導体ピラーから成る半導体ピラー群と、該半導体ピラー群の内、両端部を除く中間部に位置する半導体ピラーのいずれか1つである特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1の方向と直交する第2の方向にダミーピラーと、を形成する工程と、
各半導体ピラーの周囲に露出する前記基板の表面に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜を介して前記基板に不純物を注入し、前記第1の絶縁膜の下にドレイン拡散層を形成する工程と、
前記複数の半導体ピラーの各々の外周面と前記ダミーピラーの外周面の一部とにゲート絶縁膜を形成する工程と、
該ゲート絶縁膜を介して、前記複数の半導体ピラーの間の隙間と、前記特定の半導体ピラーと前記ダミーピラーとの間の隙間とを埋めて、前記複数の半導体ピラーの側面と前記ダミーピラーの側面とにゲート電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記特定の半導体ピラーは、前記半導体ピラー群の中央部に位置する半導体ピラーであり、
隣接する半導体ピラー同士の間隔と、前記特定の半導体ピラーと前記ダミーピラーとの間隔とは、前記ゲート電極の膜厚の2倍以下とされ、
前記ゲート電極を形成する工程は、前記基板の全面にゲート電極の形成材料を成膜し、全面エッチバックを行うことにより、前記複数の半導体ピラーの側面と前記ダミーピラーの側面とにゲート電極を形成する、請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項18】
基板上に、第1の方向に互いに隙間を空けた第1乃至第N(Nは3以上の整数)の半導体ピラーから成る第1の半導体ピラー群と、該第1の半導体ピラー群に隣接して、前記第1の方向に互いに隙間を空けた第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラーから成る第2の半導体ピラー群と、前記第1の半導体ピラー群の内、第1及び第Nの半導体ピラーを除く中間部に位置する第2乃至第(N−1)の半導体ピラーのいずれか1つである第1の特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1の方向と直交する第2の方向に第1のダミーピラーと、前記第2の半導体ピラー群の内、第(N+1)及び第2Nの半導体ピラーを除く中間部に位置する第(N+2)乃至第(2N−1)の半導体ピラーのいずれか1つである第2の特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1のダミーピラーとは反対側で、前記第2の方向に第2のダミーピラーと、を形成する工程と、
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の周囲に露出する前記基板の表面に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜を介して不純物を注入し、前記第1の絶縁膜の下にドレイン拡散層を形成する工程と、
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の外周面と前記第1および第2のダミーピラーの外周面の一部とにゲート絶縁膜を形成する工程と、
該ゲート絶縁膜を介して、前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの間の隙間と、前記第1の特定の半導体ピラーと前記第1のダミーピラーとの間の隙間と、前記第2の特定の半導体ピラーと前記第2のダミーピラーとの間の隙間とを埋めて、前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの側面と前記第1および第2のダミーピラーの側面とにゲート電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
前記第1の特定の半導体ピラーは、前記第1の半導体ピラー群の中央部に位置する半導体ピラーであり、
前記第2の特定の半導体ピラーは、前記第2の半導体ピラー群の中央部に位置する半導体ピラーであり、
隣接する半導体ピラー同士の間隔と、前記第1の特定の半導体ピラーと前記第1のダミーピラーとの間隔と、前記第2の特定の半導体ピラーと前記第2のダミーピラーとの間隔とは、前記ゲート電極の膜厚の2倍以下とされ、
前記ゲート電極を形成する工程は、前記基板の全面にゲート電極の形成材料を成膜し、全面エッチバックを行うことにより、前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの側面と前記第1および第2のダミーピラーの側面とにゲート電極を形成する、請求項18に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項20】
基板上に、第1の方向に互いに隙間を空けた第1乃至第N(Nは3以上の整数)の半導体ピラーから成る第1の半導体ピラー群と、該第1の半導体ピラー群に隣接して、前記第1の方向に互いに隙間を空けた第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラーから成る第2の半導体ピラー群と、前記第1の半導体ピラー群の内、第1及び第Nの半導体ピラーを除く中間部に位置する第2乃至第(N−1)の半導体ピラーのいずれか1つである第1の特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1の方向と直交する第2の方向に第1のダミーピラーと、前記第2の半導体ピラー群の内、第(N+1)及び第2Nの半導体ピラーを除く中間部に位置する第(N+2)乃至第(2N−1)の半導体ピラーのいずれか1つである第2の特定の半導体ピラーと隣接して、前記第1のダミーピラーとは反対側で、前記第2の方向に第2のダミーピラーと、を形成する工程と、
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の周囲に露出する前記基板の表面に第1の絶縁膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁膜を介して不純物を注入し、前記第1の絶縁膜の下にドレイン拡散層を形成する工程と、
前記第1乃至第2Nの半導体ピラーの各々の外周面と前記第1および第2のダミーピラーの外周面の一部とにゲート絶縁膜を形成する工程と、
該ゲート絶縁膜を介して、前記第1乃至第Nの半導体ピラーの間の隙間と、前記第1の特定の半導体ピラーと前記第1のダミーピラーとの間の隙間とを埋めて、前記第1乃至第Nの半導体ピラーの側面と前記第1のダミーピラーの側面とに第1のゲート電極を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜を介して、前記第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラーの間の隙間と、前記第2の特定の半導体ピラーと前記第2のダミーピラーとの間の隙間とを埋めて、前記第(N+1)乃至第2Nの半導体ピラーの側面と前記第2のダミーピラーの側面とに第2のゲート電極を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5B】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8B】
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【図9B】
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【図10B】
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【図11B】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【公開番号】特開2013−102136(P2013−102136A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−215754(P2012−215754)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】