説明

半導体装置の作製方法

【課題】 より高精細なパターンの形成が可能な、液滴吐出法を用いた半導体装置の作製方法の提供を課題とする。
【解決手段】 パターンが形成されたモールドを絶縁膜に押し付けた状態で絶縁膜の硬化を行なった後、モールドを取り外すことで、絶縁膜に凹部を形成し、導電材料を有する液滴を吐出することにより、凹部に導電膜を形成し、導電膜を覆うようにゲート絶縁膜を形成し、ゲート絶縁膜上に島状の半導体膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナノインプリント法を用いた半導体装置の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在実用化されている半導体装置の作製方法には、リソグラフィ法が必要不可欠であるとされているが、リソグラフィ法を用いる場合、フォトレジストの成膜、露光、現像、エッチング、剥離などの一連の工程を行なう必要がある。そのため作製工程が複雑になり、コストが高くなるという問題があった。さらにリソグラフィ法には高価な露光用のマスク(フォトマスク)が必要であることも、半導体装置の作製に費やされるコストが抑えられない一因になっている。そして、成膜後、エッチングにより除去されてしまう部分は結局廃棄されてしまうので、材料が無駄であり、コスト削減という観点から好ましくない。
【0003】
上記問題が背景にあり、液滴吐出法を用いた半導体装置の作製に関する技術が注目されている。液滴吐出法を用いて描画により配線や電極のパターンを直接形成することで、高価なフォトレジストの枚数を削減することができる。さらに究極的には、リソグラフィ法自体を用いずに、半導体装置の作製をより低コストで行なうことが可能になる。例えば下記特許文献1には、インクジェット法を用いた膜パターンの形成方法について記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−133691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが液滴吐出法を用いる場合、ノズルの細孔から吐出される液滴の粘度の高さに限界があるために、幅が広いわりに膜厚の薄いパターンしか形成できないという問題があった。特許文献1ではこの問題を解決するために、吐出工程を複数回に分け、さらに各吐出工程における吐出のピッチを限定して、パターンを形成する技術について記載されている。しかし特許文献1に記載されている技術を用いたとしても、膜厚1μmでせいぜい線幅55μm程度のパターンしか形成することができない。
【0006】
半導体装置の作製に液滴吐出法を用いる場合、上記線幅では、配線などに要求されるパターンの寸法に対応することができない。特に、薄膜トランジスタ(TFT)など、より高精細なパターンの形成が要求される半導体素子の場合、液滴吐出法の利用は原理的に可能ではあるが、実用化に際しパターンの精細さの点で課題が残されている。
【0007】
本発明は上述した問題に鑑み、より高精細なパターンの形成が可能な、液滴吐出法を用いた半導体装置の作製方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、凹凸のパターンが形成された鋳型(モールド)を絶縁膜に押し付けることで該パターンを絶縁膜に転写することができる、所謂ナノインプリント法を用いる。そして、絶縁膜にパターンを転写することで形成される凹部に、液滴吐出法を用い、導電性材料を含む液滴を選択的に吐出する。このとき滴下された液滴は、平坦な面に滴下された場合とは異なり、広がらずに絶縁膜の凹部内に留まる。よって、該凹部の形状に即したパターンを有する導電膜が形成される。
【0009】
なお液滴吐出法とは、所定の組成物を含む液滴を細孔から吐出または噴出することで所定のパターンを形成する方法を意味し、インクジェット法などがその範疇に含まれる。
【0010】
また本発明では、凹部に形成された導電膜は、該凹部を満たす程度の膜厚を有していることが望ましい。導電膜が該凹部を満たす程度の膜厚であれば、絶縁膜の表面と導電膜の表面とでほぼ連続した平面を形成することができる。しかし絶縁膜と導電膜とで形成される面は、必ずしも平坦である必要はない。平坦性を有するとは、絶縁膜の高さと、導電膜の高さとを揃えるように形成することを指し、作製工程上の多少のずれは含まれる。絶縁膜の表面及び導電膜の表面は、導電膜及び絶縁膜を覆って形成する薄膜が、凹部の境目において段切れしない程度の平坦性を有すればよい。
【0011】
このように本発明では、絶縁膜に形成される凹部の形状、即ちモールドに形成されたパターンを制御することで、膜厚を維持したままパターンの幅を制限するなど、所望のパターンを有する導電膜を形成することができる。
【0012】
さらに本発明では、配線または電極を覆うように形成された絶縁膜に、直接ナノインプリント法で凹部を形成した後、配線または電極が露出するまで該凹部をエッチングすることで、絶縁膜にコンタクトホールまたは開口部を形成する。
【発明の効果】
【0013】
本発明を用いることで、例えば配線を厚くして断面積を広げ、配線抵抗を下げることができる。なおリソグラフィ法を用いて配線を形成する場合、配線の厚さが厚いと、エッチングにより除去する材料の量が増えるのに加え、エッチングの工程にかかる時間が長くなってしまう。しかし本発明では、配線のパターニングにかかる時間が、配線の膜厚に依存しない。また本発明では選択的に配線を形成することができるので、材料の無駄が少なくて済む。パネルが大型化されると必然的に配線が長くなり、エッチングにより無駄になる材料の無駄もより増えるため、本発明の作製方法を用いることは非常に有用である。
【0014】
また、絶縁膜に形成された開口部に導電膜を形成することにより、導電膜と絶縁膜の表面を平坦化することができる。その結果、導電膜及び絶縁膜を覆って形成する薄膜の段切れを防止することができる。
【0015】
また本発明を用いることで、例えば高精細なパターンの形成が要求されるTFTのゲート電極なども、リソグラフィ法を用いる場合と同様の高精細さを維持し、作製することができる。
【0016】
またコンタクトホールの形成なども、リソグラフィ法を用いずに行なうことができるので、より半導体装置の作製方法をより簡便にし、半導体装置の作製にかかるコストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の半導体装置の作製方法において用いる、導電膜のパターニング方法について説明する。
【0019】
まず図1(A)に示すように、基板101上に絶縁膜102を形成する。絶縁膜102は、熱サイクルナノインプリント、室温ナノインプリント、光ナノインプリントなどのナノインプリントの種類によって、材料を変えるのが望ましい。本実施の形態では、絶縁膜102として光硬化性樹脂を用いて、光ナノインプリントで絶縁膜102をパターニングする例を挙げて説明する。光硬化性樹脂として、例えばポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)及びビスアジドを含むレジスト、環化ポリイソプレン及びビスアジドを含むレジスト、ポリビニルフェノール及びビスアジドを含むレジスト、クロロメチル化ポリスチレンを含むレジスト等、ネガ型のフォトレジストを用いることができる。
【0020】
また光硬化性樹脂として、多官能、単官能のアクリル系モノマーあるいはオリゴマーを用いることができる。多官能モノマーとしては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレートカルバメート、変性ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、アジピン酸1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリル酸エステル、無水フタル酸プロピレンオキサイド(メタ)アクリル酸エステル、トリメリット酸ジエチレングリコール(メタ)アクリル酸エステル、ロジン変性エポキシジ(メタ)アクリレート、アルキッド変性(メタ)アクリレートのようなオリゴマー、あるいはトリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリアクリルホルマール、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートなどを、単数または複数用いることができる。単官能モノマーとしては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、n−ブチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどがあり、これらの2種以上の混合物、あるいはその他の化合物との混合物などが用いられる。オリゴマーとしては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコンアクリレートなどのアクリレート系化合物の他、ポリチオール系化合物、スピラン樹脂系化合物、エポキシ樹脂系化合物などを用いることができる。
【0021】
また現像後のパターンにおいてさらに高い感度、高い解像度を得るために、上記光硬化性樹脂に光重合開始剤または増感剤を添加するのが好ましい。光重合開始剤または増感剤は、そのトータルの量が光硬化性樹脂に対して2〜30重量%、より好ましくは5〜25重量%の割合となるように添加するのが望ましい。光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、イミダゾール系化合物、ベンゾインエーテル系、ベンゾチアゾール系化合物、ベンゾオキサゾール系化合物、トリアジン系化合物、リン系化合物あるいはチタネート、芳香族アミン系化合物、環状オキシム化合物、鎖状オキシム化合物、ベンジルケタール系化合物、ケトン系化合物等を用いることができる。具体的には、ベンゾフェノン、N,N’−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、イソプロピルベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、4−(p−メトキシフェニル)−2,6−ジ−(トリクロロメチル)−s−トリアジン、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルグリシン、ミヒラーズケトン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、1−フェニルプロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、ジベンジルケトン、フルオレノンなどが挙げられる。増感剤としては、例えばアジドアントラキノン、アジドベンザルアセトフェノンなどの芳香族モノアジド、3,3’−カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン)などのクマリン化合物、ベンズアントロン、フェナントレンキノンなどの芳香族ケトンなどを用いることができる。
【0022】
ただし光硬化性樹脂には、後に行なわれる工程の処理温度に耐えうる材料を用いるようにする。
【0023】
そして予めパターンが形成されたモールド103を、図1(B)に示すように絶縁膜102に、例えば5〜15MPaの圧力で押し付ける。なおモールド103は、熱サイクルナノインプリント、室温ナノインプリント、光ナノインプリントなどのナノインプリントの種類によって、用いる材料を適宜変えることが望ましい。例えば光ナノインプリントの場合、絶縁膜102を硬化させるための光を、透過させることができる材料でモールド103を形成する。本実施の形態では、石英で形成されたモールド103を用いる。なおモールド103のパターンは、EB(電子線描画)を用いて形成することができる。
【0024】
そして、モールド103を絶縁膜102に押し付けた状態で、絶縁膜102を硬化させる。上記構成により、モールド103に形成されたパターンが、絶縁膜102に転写される。なお光ナノインプリントを用いる場合、絶縁膜102を紫外光などの光を照射することにより、硬化させることができる。また光ナノインプリントの場合、モールド103と絶縁膜102との間に気泡が入ってしまうのを防ぐために、例えば10-2Torr程度の減圧雰囲気下でモールド103を絶縁膜102に押し付け、硬化させるのが望ましい。
【0025】
熱サイクルナノインプリントの場合は、絶縁膜102として熱可塑性樹脂を用い、モールド103を押し付ける前に絶縁膜102を転移温度よりも高くなるように加熱して軟化させる。そしてモールド103を押し付けた状態で、転移温度よりも低くなるように絶縁膜102を冷却することで、絶縁膜102を硬化させる。また、室温ナノインプリントの場合は、絶縁膜102としてSOG(Spin on Glass)などのゾル−ゲル系材料を用い、室温においてモールド103を絶縁膜102に押し付ける。そしてモールド103を絶縁膜102から取り外すことで、絶縁膜102にパターンを転写することができる。ただし、熱サイクルナノインプリントまたは室温ナノインプリントの場合でも、光ナノインプリントの場合と同様に、後の工程における処理温度に耐えうる材料を絶縁膜102に用いるようにする。
【0026】
次に図1(C)に示すように、モールド103を絶縁膜102から取り外す。このとき絶縁膜102に超音波を用いて振動を加えることで、絶縁膜102の変形を抑えながら、モールド103を絶縁膜102から取り外すことができる。モールド103を取り外すことで、パターンが形成された絶縁膜102を形成することができる。
【0027】
図1(C)では、絶縁膜102に凹部(開口部)104が形成されている。なお開口部104の深さは1μm〜10μm、開口部104間の間隔は5μm〜100μmで形成することができる。
【0028】
そして図1(D)に示すように、液滴吐出法を用いて、導電性を有する導電性材料を含んだ液滴を開口部104に吐出し、最終的に図1(E)に示すように導電膜105を形成する。導電膜105には、Ag、Au、Cu、Pt、Pd、Rd、Cuなどの単体、合金、混合物、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることができる。上記金属の合金、混合物の一例として、AgとPd、AgとPt、AuとPt、AuとPd、AgとCuの組み合わせが挙げられる。また、分散剤により凝集を抑え、溶液に分散させることができるならば、Cr、Mo、Ti、Ta、W、Alなどの単体、合金、混合物、金属化合物を1つまたは複数有する導電材料を用いることも可能である。また例えば、CuをAgでコートした導電性材料なども用いることが可能である。なお、液滴吐出法による導電膜の形成を複数回行なうことで、複数の導電膜が積層された状態を形成し、1つの導電膜105として用いることも可能である。
【0029】
また液滴に含まれる導電材料は、溶液中における凝集を防ぐために、例えばキシレン、トルエンまたはクエン酸等で被覆しておいても良い。そして導電材料の粒径は、ノズルの目詰まりを防ぐ程度に小さく、また凝集を防ぐことができる程度に大きいほうが良い。よって、液滴に含まれる導電材料の粒径は、数nm〜100nm程度であることが望ましい。
【0030】
また、導電材料を分散させるのに用いる溶媒は、凝集を抑えて導電材料を分散させることができる材料が好ましい。また、ノズルが目詰まりを起こさない程度に蒸気圧が低く、なおかつ焼成後において導電膜中に溶媒が残留しにくい程度の高い蒸気圧を有するものが望ましい。例えば溶媒として、水、アルコール、炭化水素、エーテルを単体で、或いは混合して用いることができる。上記アルコールの具体例として、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールなどが挙げられる。また上記炭化水素の具体例として、例えばテトラデカン、トルエン、キシレン、n−ヘプタン、n−オクタンなどが挙げられる。
【0031】
そして、有機系または無機系の溶媒に該導電性材料を分散させたものを、ノズルから滴下した後、室温において乾燥または焼成することで、形成することができる。本実施の形態では、テトラデカンにAgを分散させた溶液を滴下し、200℃〜300℃で1min〜50hr焼成することで溶媒を除去し、導電膜105を形成する。有機系の溶媒を用いる場合、上記焼成を酸素雰囲気下で行なうことで、効率的に溶媒を除去することができ、導電膜105の抵抗をより下げることができる。
【0032】
焼成は、赤外ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いたランプアニールで行なっても良いし、電気炉を用いたファーネスアニールで行なっても良い。またエキシマレーザや、Nd:YAGレーザを用いたレーザアニール法で行なっても良い。
【0033】
なお液滴吐出法を用いる場合、開口部104の形状に合わせて、ノズルの細孔の径、液滴1ドットあたりの吐出量、滴下する溶液の粘度及び表面張力、液滴が滴下される絶縁膜102の表面における撥水性などの条件を最適化することが望ましい。
【0034】
具体的に導電材料を含む溶液の表面張力は、液滴の滴下を安定して行なうために、数十mN/m程度にすることが望ましい。界面活性剤を溶液に添加し、表面張力が上記数値になるように調整しても良い。界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、弗素系界面活性剤などを用いることができる。また導電材料を含む溶液の粘度も、液滴の滴下を安定して行なうために、数mPa・S〜数十mPa・Sとすることが望ましい。
【0035】
また、導電膜105と、絶縁膜102の凹部以外の領域とで形成される表面が、平坦化されていることが望ましい。よって導電膜105を、その表面が絶縁膜102の凹部以外の領域よりも盛り上がるように形成した後、導電膜105の表面をCMP法などで平坦化するのが好ましい。或いは、導電膜105を焼成する前に、エアナイフを用いて、気体を導電膜105の表面に吹きつけることで、導電膜105と、絶縁膜102の凹部以外の領域とで形成される表面が、平坦化されるようにしても良い。或いは導電膜105を焼成する前に、加熱した平板で加圧しながらプレスすることで、平坦化を行うようにしても良い。
【0036】
本発明は上記方法により、電極や配線として用いることができる導電膜のパターニングを、行なうことができる。
【0037】
(実施の形態2)
本実施の形態では、樹脂などで形成された絶縁膜に直接ナノインプリント法でコンタクトホールまたは開口部を形成する形態について説明する。なお本実施の形態では、熱サイクルナノインプリントの場合を例に挙げて説明するが、本発明では光サイクルナノインプリントまたは室温ナノインプリントを用いていても良い。
【0038】
まず図2(A)に示すように、配線201を覆うように絶縁膜202を形成する。その後、図2(B)に示すように、絶縁膜202にパターンが形成されたモールド203を、例えば5〜15MPaの圧力で押し付ける。本実施の形態では熱サイクルナノインプリントを用いるので、絶縁膜202として熱可塑性を有する樹脂、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミドなどを用いることができる。図2(A)では、絶縁膜202としてPMMAを用いる例を挙げて説明する。絶縁膜202は、モールド203を押し付ける前に、絶縁膜202の転移温度よりも高い温度、例えば90℃〜200℃まで加熱し、軟化させておく。
【0039】
そして図2(B)に示すように、絶縁膜202にモールド203を押し付けた状態を維持したまま、絶縁膜202を転移温度よりも低くなる温度、例えば70℃まで冷却し、絶縁膜202を硬化させる。そして絶縁膜202が硬化したら、図2(C)に示すように、絶縁膜202からモールド203を取り外す。モールド203が取り外された絶縁膜202には、モールド203のパターンが転写されている。
【0040】
次に図2(D)に示すように、絶縁膜202の表面をアッシング等により削っていき、絶縁膜202の下層に形成されている層(本実施の形態では配線201)を一部露出させることで、コンタクトホール204を形成することができる。
【0041】
上記構成により、レジストマスクを形成せずともコンタクトホール204を形成することができる。よって、リソグラフィ法を用いなくとも良いので、レジストの形成、露光、現像、エッチング、剥離などの一連の工程を省いて作製工程を簡略化し、半導体装置のコストを抑えることができる。
【0042】
本実施の形態は、上記実施の形態と組み合わせて実施することができる。
【0043】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の作製方法を用いて、半導体表示装置の一つである発光装置を形成する例について説明する。
【0044】
まず図3(A)に示すように、基板501の絶縁表面上に絶縁膜502を形成する。
【0045】
基板501には、例えばバリウムホウケイ酸ガラスや、アルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、石英基板、ステンレス基板等を用いることができる。また、PET、PES、PENに代表されるプラスチックや、アクリル等の可撓性を有する合成樹脂からなる基板は、一般的に上記基板と比較して耐熱温度が低い傾向にあるが、作製工程における処理温度に耐え得るのであれば用いることが可能である。
【0046】
絶縁膜502は、ナノインプリントの種類に合わせて、成形が可能な材料を用いる。本実施の形態では光ナノインプリントの場合を例に挙げて説明するが、熱サイクルナノインプリントまたは室温ナノインプリントを用いていても良い。光ナノインプリントを用いる場合、絶縁膜502として実施の形態1で示した光硬化性樹脂を用いる。本実施の形態では、例えばポリメチルイソプロペニルケトン(PMIPK)及びビスアジドを含むレジストを用いる。
【0047】
そしてモールド503を、図3(B)に示すように絶縁膜502に5〜15MPaの圧力で押し付ける。そして、図3(C)に示すようにモールド503を絶縁膜502に押し付けた状態を維持したまま、絶縁膜502に紫外光を照射し、絶縁膜502を硬化させる。光ナノインプリントの場合、モールド503と絶縁膜502との間に気泡が入ってしまうのを防ぐために、例えば10-2Torr程度の減圧雰囲気下でモールド503を絶縁膜502に押し付け、硬化させるのが望ましい。その後、図3(D)に示すようにモールド503を絶縁膜502から取り外すことで、絶縁膜502にモールド503のパターンが転写される。具体的に図3(D)では、絶縁膜502に開口部504が形成される。
【0048】
なお光ナノインプリントの場合、絶縁膜502を硬化させるための光を透過させることができる材料で、モールド503を形成する。本実施の形態では、石英で形成されたモールド503を用いる。なおモールド503のパターンは、EB(電子線描画)を用いて形成することができる。
【0049】
また、絶縁膜502に含まれる炭素などの不純物が、後に形成される半導体膜に混入するのを防ぐために、パターン転写後の絶縁膜502を覆うように、絶縁膜で形成された下地膜を形成するようにしても良い。下地膜は、窒化珪素、窒化酸化珪素などのバリア性の高い絶縁膜を用いて形成すれば良い。ただし下地膜は、絶縁膜502に形成されたパターンが消失しない程度の膜厚で形成する。
【0050】
次に図4(A)に示すように、液滴吐出法を用いて、導電性を有する導電性材料を含んだ液滴を開口部504に吐出し、各開口部504に導電膜505〜507を形成する。導電膜505〜507には、実施の形態1に示した材料を用いることができる。
【0051】
なお液滴に含まれる導電材料は、溶液中における凝集を防ぐために、例えばキシレン、トルエンまたはクエン酸等で被覆しておいても良い。そして導電材料の粒径は、ノズルの目詰まりを防ぐ程度に小さく、また凝集を防ぐことができる程度に大きいほうが良い。よって、液滴に含まれる導電材料の粒径は、数nm〜100nm程度であることが望ましい。
【0052】
また、導電材料を分散させるのに用いる溶媒は、凝集を抑えて導電材料を分散させることができる材料が好ましい。また、ノズルが目詰まりを起こさない程度に蒸気圧が低く、なおかつ焼成後において導電膜中に溶媒が残留しにくい程度の高い蒸気圧を有するものが望ましい。具体的には、実施の形態1に示した材料を用いることができる。
【0053】
そして、有機系または無機系の溶媒に該導電性材料を分散させたものを、ノズルから滴下した後、室温において乾燥または焼成することで、形成することができる。本実施の形態では、テトラデカンにAgを分散させた溶液を滴下し、200℃〜300℃で1min〜50hr焼成することで溶媒を除去し、導電膜505〜507を形成する。有機系の溶媒を用いる場合、上記焼成を酸素雰囲気下で行なうことで、効率的に溶媒を除去することができ、導電膜505〜507の抵抗をより下げることができる。
【0054】
焼成は、赤外ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いたランプアニールで行なっても良いし、電気炉を用いたファーネスアニールで行なっても良い。またエキシマレーザや、Nd:YAGレーザなどを用いたレーザアニール法で行なっても良い。
【0055】
なお液滴吐出法を用いる場合、開口部504の形状に合わせて、ノズルの細孔の径、液滴1ドットあたりの吐出量、滴下する溶液の粘度及び表面張力、液滴が滴下される絶縁膜502の表面における撥水性などの条件を最適化することが望ましい。
【0056】
具体的に導電材料を含む溶液の表面張力は、液滴の滴下を安定して行なうために、数十mN/m程度にすることが望ましい。界面活性剤を溶液に添加し、表面張力が上記数値になるように調整しても良い。界面活性剤として、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、弗素系界面活性剤などを用いることができる。また導電材料を含む溶液の粘度も、液滴の滴下を安定して行なうために、数mPa・S〜数十mPa・Sとすることが望ましい。
【0057】
また、導電膜505〜507と、絶縁膜502の開口部504以外の領域とで形成される表面が、平坦化されていることが望ましい。よって導電膜505〜507を、その表面が絶縁膜502の開口部504以外の領域よりも盛り上がるように形成した後、導電膜505〜507の表面をCMP法などで平坦化するのが好ましい。或いは、導電膜505〜507を焼成する前に、エアナイフを用いて、気体を導電膜505〜507の表面に吹きつけることで、導電膜505〜507と、絶縁膜502の開口部504以外の領域とで形成される表面が、平坦化されるようにしても良い。或いは導電膜505〜507を焼成する前に、加熱した平板で加圧しながらプレスすることで、平坦化を行なうようにしても良い。
【0058】
次に図4(B)に示すように、導電膜505〜507を覆うように、ゲート絶縁膜508を形成する。ゲート絶縁膜508は、具体的には40〜150nm(より好ましくは60〜120nm)程度の厚さで形成する。
【0059】
ゲート絶縁膜508には、例えば酸化珪素、窒化珪素または窒化酸化珪素等を用いることができる。本実施の形態では、ゲート絶縁膜508を単層の絶縁膜で構成しているが、2層以上の複数の絶縁膜で構成されていても良い。また形成方法は、プラズマCVD法、スパッタ法などを用いることができる。例えば、プラズマCVD法を用い、酸化珪素でゲート絶縁膜508を形成する場合、TEOS(Tetraethyl Orthosilicate)とO2を混合したガスを用い、反応圧力40Pa、基板温度300〜400℃、高周波(13.56MHz)電力密度0.5〜0.8W/cm2とし、形成する。
【0060】
また窒化アルミニウムをゲート絶縁膜508として用いることができる。窒化アルミニウムは熱伝導率が比較的高く、TFTで発生した熱を効率的に発散させることができる。またアルミニウムの含まれない酸化珪素や酸化窒化珪素等を形成した後、窒化アルミニウムを積層したものをゲート絶縁膜508として用いても良い。
【0061】
次に図4(B)に示すように、第1の半導体膜509を形成する。第1の半導体膜509は非晶質(アモルファス)半導体またはセミアモルファス半導体(SAS)で形成することができる。また多結晶半導体膜を用いていても良い。本実施の形態では、第1の半導体膜509としてセミアモルファス半導体を用いる。セミアモルファス半導体は、非晶質半導体よりも結晶性が高く高い移動度が得られ、また多結晶半導体と異なり結晶化させるための工程を増やさずとも形成することができる。
【0062】
非晶質半導体は、珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。代表的な珪化物気体としては、SiH4、Si26が挙げられる。この珪化物気体を、水素、水素とヘリウムで希釈して用いても良い。
【0063】
なおセミアモルファス半導体とは、非晶質半導体と結晶構造を有する半導体(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体を含む膜である。このセミアモルファス半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質なものであり、その粒径を0.5〜20nmとして非単結晶半導体中に分散させて存在せしめることが可能である。セミアモルファス半導体は、そのラマンスペクトルが520cm-1よりも低波数側にシフトしており、またX線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(111)、(220)の回折ピークが観測される。また、未結合手(ダングリングボンド)の中和剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。ここでは便宜上、このような半導体をセミアモルファス半導体(SAS)と呼ぶ。さらに、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで安定性が増し良好なセミアモルファス半導体が得られる。
【0064】
またSASは珪化物気体をグロー放電分解することにより得ることができる。グロー放電分解による被膜の反応生成は、減圧下または大気圧下で行なうことができる。減圧下で行なう場合、圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲で行なえば良い。グロー放電を形成するための電力は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzの高周波電力を供給すれば良い。圧力は概略0.1Pa〜133Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60MHzとする。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃とする。膜中の不純物元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020atoms/cm3以下とすることが望ましく、特に、酸素濃度は5×1019atoms/cm3以下、好ましくは1×1019atoms/cm3以下とする。
【0065】
代表的な珪化物気体は、SiH4であり、その他にもSi26、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。また水素や、水素にヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオンから選ばれた一種または複数種の希ガス元素を加えたガスで、この珪化物気体を希釈して用いることで、SASの形成を容易なものとすることができる。希釈率は2倍〜1000倍の範囲で珪化物気体を希釈することが好ましい。またさらに、珪化物気体中に、CH4、C26などの炭化物気体、GeH4、GeF4などのゲルマニウム化気体、F2などを混入させて、エネルギーバンド幅を1.5〜2.4eV、若しくは0.9〜1.1eVに調節しても良い。
【0066】
例えば、SiH4にH2を添加したガスを用いる場合、或いはSiH4にF2を添加したガスを用いる場合、形成したセミアモルファス半導体を用いてTFTを作製すると、該TFTのサブスレッショルド係数(S値)を0.35V/sec以下、代表的には0.25〜0.09V/secとし、移動度を10cm2/Vsecとすることができる。そして上記セミアモルファス半導体を用いたTFTで、例えば19段リングオシレータを形成した場合、電源電圧3〜5Vにおいて、その発振周波数は1MH以上、好ましくは100MHz以上の特性を得ることができる。また電源電圧3〜5Vにおいて、インバータ1段あたりの遅延時間は26ns、好ましくは0.26ns以下とすることができる。
【0067】
また異なるガスで形成されたSASを複数積層することで、第1の半導体膜509を形成しても良い。例えば、上述した各種ガスのうち、弗素原子を含むガスを用いて形成されたSASと、水素原子を含むガスを用いて形成されたSASとを積層して、第1の半導体膜509を形成することができる。
【0068】
なお、Si26と、GeF4またはF2とを用いて半導体膜を形成する場合、半導体膜のより基板501に近い側から結晶が成長するので、基板501に近い側ほど半導体膜の結晶性が高い。よって、ゲート電極が第1の半導体膜509よりも基板により近いボトムゲート型のTFTの場合、第1の半導体膜509のうち基板に近い側の結晶性が高い領域をチャネル形成領域として用いることができるので、移動度をより高めることができ、適している。
【0069】
また、SiH4と、H2とを用いて半導体膜を形成する場合、半導体膜の表面により近い側ほど大きい結晶粒が得られる。よって、第1の半導体膜509がゲート電極よりも基板により近いトップゲート型のTFTの場合、第1の半導体膜509のうち基板501から遠い側の結晶性が高い領域をチャネル形成領域として用いることができるので、移動度をより高めることができ、適している。
【0070】
また、SASは、価電子制御を目的とした不純物を意図的に添加しないときに弱いn型の導電型を示す。これは、アモルファス半導体を成膜するときよりも高い電力のグロー放電を行なうため酸素が半導体膜中に混入しやすいためである。そこで、TFTのチャネル形成領域を設ける第1の半導体膜509に対しては、p型を付与する不純物を、この成膜と同時に、或いは成膜後に添加することで、しきい値制御をすることが可能となる。p型を付与する不純物としては、代表的には硼素であり、B26、BF3などの不純物気体を1ppm〜1000ppmの割合で珪化物気体に混入させると良い。例えば、p型を付与する不純物としてボロンを用いる場合、該ボロンの濃度を1×1014〜6×1016atoms/cm3とすると良い。
【0071】
次に第1の半導体膜509を覆うように、第2の半導体膜510を形成する。第2の半導体膜510には、一導電型を付与する不純物を添加しておく。nチャネル型のTFTを形成する場合には、第2の半導体膜510に、n型を付与する不純物、例えばリンを添加すれば良い。具体的には、珪化物気体にPH3などの不純物気体を加え、第2の半導体膜510を形成すれば良い。一導電型を有する第2の半導体膜510は、第1の半導体膜509と同様にセミアモルファス半導体、非晶質半導体で形成することができる。
【0072】
本実施の形態では、第1の半導体膜509及び第2の半導体膜510として、セミアモルファス半導体を用いる例を示しているが、本発明はこの構成に限定されない。第1の半導体膜509または第2の半導体膜510は、非晶質半導体であっても良いし、多結晶半導体であっても良い。ただし結晶化の工程を行なう場合、絶縁膜502の耐熱性を考慮する必要がある。なお多結晶半導体は、結晶化の工程を設けずとも、スパッタ法、プラズマCVD法、熱CVD法などで直接形成することも可能である。また半導体は珪素だけではなくシリコンゲルマニウムも用いることができる。シリコンゲルマニウムを用いる場合、ゲルマニウムの濃度は0.01〜4.5atomic%程度であることが好ましい。
【0073】
また本実施の形態では、第2の半導体膜510を第1の半導体膜509と接するように形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。第1の半導体膜509と第2の半導体膜510の間に、LDD領域として機能する第3の半導体膜を形成しておいても良い。この場合、第3の半導体膜は、セミアモルファス半導体または非晶質半導体で形成する。そして、第3の半導体膜は、導電型を付与するための不純物を意図的に添加しなくとも、もともと弱いn型の導電型を示す。よって第3の半導体膜には、導電型を付与するための不純物を添加してもしなくても、LDD領域として用いることができる。
【0074】
次に図4(C)に示すように、第1の半導体膜509及び第2の半導体膜510のパターニングを行なう。第1の半導体膜509及び第2の半導体膜510のパターニングは、フォトリソグラフィ法を用いても良いし、液滴吐出法またはスクリーン印刷法、オフセット印刷法に代表される印刷法で形成されたレジストをマスクとして用いても良い。後者の場合、露光用のフォトマスクを別途用意しておく必要がなくなり、よってコストの削減に繋がる。上記パターニングにより、島状の第1の半導体膜511、512と、島状の第2の半導体膜513、514とが形成される。なお、島状の第1の半導体膜511と島状の第2の半導体膜513は重なっており、島状の第1の半導体膜512と島状の第2の半導体膜514は重なっている。
【0075】
次に図5(A)に示すように、ゲート絶縁膜508の一部をエッチングにより選択的に除去し、導電膜506を露出させる。ゲート絶縁膜508のエッチングには、フォトリソグラフィ法を用いても良いし、液滴吐出法または印刷法で形成されたレジストをマスクとして用いても良い。後者の場合、露光用のマスクを別途用意しておく必要がなくなり、よってコストの削減に繋がる。
【0076】
次に図5(B)に示すように、配線520〜523を液滴吐出法または印刷法を用いて形成した後、図5(C)に示すように該配線520〜523をマスクとして用い、島状の第2の半導体膜513、514をエッチングする。島状の第2の半導体膜513、514のエッチングは、真空雰囲気下もしくは大気圧雰囲気下におけるドライエッチングで行なうことができる。
エッチングガスには、SF6、NF3、CF4などのフッ化物気体を用いることができる。そしてこのエッチングでは、島状の第1の半導体膜511、512と、島状の第2の半導体膜513、514との間で、エッチングの選択比がとれないので、処理時間を適宜調整して行なうこととなる。このエッチングにより、島状の第2の半導体膜513、514が一部露出する。そして、島状の第2の半導体膜513、514からソース領域またはドレイン領域として機能する島状の第2の半導体膜524〜527が形成される。
【0077】
上記一連の工程により、TFT530、531を形成することができる。TFT530は、導電膜507がゲート電極として機能する。またTFT531は、導電膜505がゲート電極として機能する。
【0078】
次に図6(A)に示すように、TFT530、531を覆うように層間絶縁膜532を形成する。層間絶縁膜532は、コンタクトホールを形成する際に用いるナノインプリントの種類によって、材料を変えるのが望ましい。本実施の形態では、層間絶縁膜532として光硬化性樹脂を用い、層間絶縁膜532に光ナノインプリントで開口部を形成する例を挙げる。光硬化性樹脂は、実施の形態1に列挙した材料を用いることができる。
【0079】
そして予めパターンが形成されたモールド533を、図6(B)に示すように、例えば5〜15MPaの圧力で層間絶縁膜532に押し付ける。そして、モールド533を層間絶縁膜532に押し付けた状態で、層間絶縁膜532を硬化させる。上記構成により、モールド533に形成されたパターンが、層間絶縁膜532に転写される。なお光ナノインプリントを用いる場合、層間絶縁膜532を紫外光などの光を照射することにより、硬化させることができる。また光ナノインプリントの場合、モールド533と層間絶縁膜532との間に気泡が入ってしまうのを防ぐために、例えば10-2Torr程度の減圧雰囲気下でモールド533を層間絶縁膜532に押し付け、硬化させるのが望ましい。
【0080】
次に、モールド533を層間絶縁膜532から取り外す。このとき層間絶縁膜532に超音波を用いて振動を加えることで、層間絶縁膜532の変形を抑えながら、モールド533を層間絶縁膜532から取り外すことができる。モールド533を取り外すことで、パターンが形成された層間絶縁膜532を形成することができる。
【0081】
次に図6(C)に示すように、パターンが形成された層間絶縁膜532の表面を、配線522の一部が露出するようにアッシング等で削っていき、コンタクトホール534を形成する。
【0082】
そして図7(A)に示すように、層間絶縁膜532上に、コンタクトホール534において配線522と接するような配線535を形成する。なお配線535の形成は、リソグラフィ法を用いていても良いし、液滴吐出法または印刷法を用いていても良い。
【0083】
次に図7(B)に示すように、層間絶縁膜532及び配線535を覆って導電膜を形成した後、該導電膜をパターニングすることで、配線535に接続された第1の電極(陰極)540を形成する。なお本実施の形態では、第1の電極540が陰極、後に形成される第2の電極544が陽極に相当するが、本発明はこの構成に限定されない。第1の電極540が陽極、第2の電極544が陰極に相当していても良い。
【0084】
陰極は、仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることができる。具体的には、LiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、これらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li、Mg:Inなど)、およびこれらの化合物(CaF2、CaN)の他、YbやEr等の希土類金属を用いることができる。また電子注入層を設ける場合、Alなどの他の導電膜を用いることも可能である。また陰極側から光を取り出す場合は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることが可能である。ITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。透光性酸化物導電材料を用いる場合、後に形成される電界発光層543に電子注入層を設けるのが望ましい。また透光性酸化物導電材料を用いずとも、陰極を光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成することで、陰極側から光を取り出すことができる。この場合、該陰極の上または下に接するように透光性酸化物導電材料を用いて透光性を有する導電膜を形成し、陰極のシート抵抗を抑えるようにしても良い。
【0085】
なお第1の電極540は、その表面が平坦化されるように、CMP法、ポリビニルアルコール系の多孔質体で拭浄して、研磨しても良い。またCMP法を用いた研磨後に、第1の電極540の表面に紫外線照射、酸素プラズマ処理などを行ってもよい。
【0086】
次に隔壁542を、層間絶縁膜532上に形成する。隔壁542は、有機樹脂膜、無機絶縁膜またはシロキサン系絶縁膜を用いて形成することができる。有機樹脂膜ならば、例えばアクリル、ポリイミド、ポリアミドなど、無機絶縁膜ならば酸化珪素、窒化酸化珪素などを用いることができる。特に感光性の有機樹脂膜を隔壁542に用い、第1の電極540上に開口部550を形成し、その開口部550の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することで、第1の電極540と後に形成される第2の電極544とが接続してしまうのを防ぐことができる。このとき、マスクを液滴吐出法または印刷法で形成することができる。また隔壁542自体を、液滴吐出法または印刷法で形成することもできる。なおシロキサン系絶縁膜は、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む絶縁膜であり、置換基に水素の他、フッ素、アルキル基、または芳香族炭化水素のうち少なくとも1種を有していても良い。
【0087】
なお本実施の形態では、隔壁542として、ポジ型の感光性のアクリル樹脂を用いた例を示している。感光性の有機樹脂には、光、電子、イオンなどのエネルギー線が露光された箇所が除去されるポジ型と、露光された箇所が残るネガ型とがある。本発明ではネガ型の有機樹脂膜を用いても良い。また感光性のポリイミドを用いて隔壁542を形成しても良い。ネガ型のアクリルを用いて隔壁542を形成した場合、開口部における端部が、S字状の断面形状となる。このとき開口部550の上端部及び下端部における曲率半径は、0.2〜2μmとすることが望ましい。
【0088】
上記構成により、後に形成される電界発光層543や第2の電極544のカバレッジを良好とすることができ、第1の電極540と第2の電極544が、電界発光層543に形成された穴においてショートするのを防ぐことができる。また電界発光層543の応力を緩和させることで、発光領域が減少するシュリンクとよばれる不良を低減させることができ、信頼性を高めることができる。
【0089】
なお液滴吐出法で隔壁542を形成する場合、隔壁542を形成する前に開口部550となる領域に撥液性を有する有機材料を液滴吐出法または印刷法などを用いて塗布しておいても良い。この場合、隔壁542を形成した後、撥液性を有する有機材料を除去することで、開口部を形成することができる。撥液性を有する有機材料として、フルオロアルキルシラン(FAS)などのシランカップリング剤を用いることができる。フルオロアルキルシランとして、例えばヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシランなどを用いることができる。またその他のシランカップリング剤として、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシシラン、γ−メルカププロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。また撥液性を有する有機材料の除去は、水またはエタノールによる洗浄、CF4、O2などを用いたドライエッチングで行なうことができる。
【0090】
また電界発光層543を形成する前に、隔壁542及び第1の電極540に吸着した水分や酸素等を除去するために、大気雰囲気下で加熱処理または真空雰囲気下で加熱処理(真空ベーク)を行なっても良い。具体的には、基板の温度を200℃〜450℃、好ましくは250〜300℃で、0.5〜20時間程度、真空雰囲気下で加熱処理を行なう。望ましくは3×10-7Torr以下とし、可能であるならば3×10-8Torr以下とするのが最も望ましい。そして、真空雰囲気下で加熱処理を行なった後に電界発光層543を形成する場合、電界発光層543を形成する直前まで当該基板を真空雰囲気下に置いておくことで、信頼性をより高めることができる。また真空ベークの前または後に、第1の電極540に紫外線を照射してもよい。
【0091】
なお、層間絶縁膜532に接するように形成される電極(本実施例では第1の電極540)を、ITSOのように透光性酸化物導電材料と酸化珪素を含む導電膜で形成し、層間絶縁膜532を窒化珪素で形成することで、第1の電極540と層間絶縁膜532を他の材料で形成した組み合わせよりも、発光素子の輝度を高めることができる。この場合、第1の電極540に含まれる酸化珪素によって、水分が付着しやすいので、上述した真空ベークは特に有効である。
【0092】
次に、第1の電極540上に電界発光層543を形成する。電界発光層543は、単数または複数の層からなり、各層には有機材料のみならず無機材料が含まれていても良い。電界発光層543は陰極に用いられる材料の仕事関数が十分小さくない場合、電子注入層を設けることが望ましい。
【0093】
次に、電界発光層543を覆うように第2の電極(陰極)544を形成する。第1の電極540、電界発光層543、第2の電極544は、隔壁542の開口部において重なり合っており、該重なり合っている部分が発光素子545に相当する。
【0094】
なおモノクロの画像を表示する場合、もしくは白色の発光素子とカラーフィルターを用いてカラーの画像を表示する場合、電界発光層543の構造は全ての画素において同じである。三原色の光をそれぞれ発する3つの発光素子を用いてカラーの画像を表示する場合、電界発光層543は、対応する色ごとに材料、積層する層または膜厚を変えて塗り分けても良い。電界発光層を塗り分ける場合、液滴吐出法は材料の無駄がなく、工程も簡素化できるので、非常に有効である。なおカラーは、混色を用いたフルカラーであっても良いし、単一の色相を有する複数の画素を特定のエリアごとに配したエリアカラーであっても良い。
【0095】
なおカラーフィルターは、特定の波長領域の光を透過させることができる着色層と、場合によっては該着色層に加え、可視光を遮蔽することができる遮蔽膜とを有する場合がある。そしてカラーフィルターは、発光素子を封止するためのカバー材上に形成する場合もあれば、基板に形成する場合もありうる。いずれの場合においても、着色層または遮蔽膜は、印刷法または液滴吐出法を用いて形成することが可能である。
【0096】
また電界発光層543は、高分子系有機化合物、中分子系有機化合物、低分子系有機化合物、無機化合物のいずれを用いていても、液滴吐出法で形成することが可能である。また中分子系有機化合物、低分子系有機化合物、無機化合物は蒸着法で形成しても良い。
【0097】
第2の電極544は、透明導電膜を用いることができる。透明導電膜として、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)などその他の透光性酸化物導電材料を用いることが可能である。ITO及び酸化珪素を含む酸化インジウムスズ(以下、ITSOとする)や、酸化珪素を含んだ酸化インジウムに、さらに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したものを用いても良い。また第1の電極540として上記透光性酸化物導電材料の他に、例えばTiN、ZrN、Ti、W、Ni、Pt、Cr、Ag、Al等の1つまたは複数からなる単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との三層構造等を用いることができる。ただし透光性酸化物導電材料以外の材料で陽極側から光を取り出す場合、光が透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm〜30nm程度)で形成する。
【0098】
なお、発光素子545からの光の取り出しは、第1の電極540側からであっても良いし、第2の電極544側からであっても良いし、その両方からであっても良い。上記3つの構成にうち、目的とする構成に合わせて、陽極、陰極ぞれぞれの材料及び膜厚を選択するようにする。本実施の形態のように第2の電極544側から光の取り出す場合、第1の電極540側から光の取り出す場合に比べて、光の取り出し効率を高めることができるので、より低い消費電力で高い輝度を得ることができる。
【0099】
なお発光素子545を形成したら、第2の電極544上に、保護膜を形成しても良い。保護膜は層間絶縁膜532と同様に、水分や酸素などの発光素子の劣化を促進させる原因となる物質を、他の絶縁膜と比較して透過させにくい膜を用いる。代表的には、例えばDLC膜、窒化炭素膜、RFスパッタ法またはCVD法で形成された窒化珪素膜等を用いるのが望ましい。また、例えば窒化炭素膜と窒化珪素を積層した膜、ポリスチレンを積層した膜など、を保護膜として用いても良い。また上述した水分や酸素などの物質を透過させにくい膜と、該膜に比べて水分や酸素などの物質を透過させやすいが内部応力の低い膜とを積層させて、保護膜として用いることも可能である。本実施の形態では窒化珪素を用いる。保護膜として窒化珪素を用いる場合、低い成膜温度で緻密な保護膜を形成するには、アルゴンなどの希ガス元素を反応ガスに含ませ、保護膜中に混入させると良い。
【0100】
図8(A)に、図7(B)に示す発光装置の上面図を示す。図7(B)は、図8(A)のA−A’、B−B’における断面図に相当する。なお図8(A)では構造をより分かりやすくするため、電界発光層543、第2の電極544は省略して図示する。配線520は信号線として機能する。導電膜506と導電膜505は繋がっている。配線523は電源線として機能する。図8(B)に、導電膜505〜507を形成するための、モールド503のパターンを示す。
【0101】
なお図7(B)まで完成したら、発光素子545が外気に曝されないように、シール剤を用いて基板501とカバー材との間に発光素子545を封入する。その際、基板501とカバー材とで囲まれる領域を不活性雰囲気にしたり、内部に吸湿性材料(例えば酸化バリウム)を配置したりすると発光素子545の信頼性を向上させることができる。
【0102】
なお本発明の作製方法は、必ずしも上述した形態に限定されない。上述した実施の形態は、本発明の一形態について具体的に説明しただけであり、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0103】
なお、上記方法を用いて作製される半導体素子を、プラスチックなどの可撓性を有する基板上に転写することで、半導体装置を形成しても良い。転写は、基板と半導体素子の間に金属酸化膜を設け、該金属酸化膜を結晶化により脆弱化して半導体素子を剥離し、転写する方法、基板と半導体素子の間に水素を含む非晶質珪素膜を設け、レーザ光の照射またはエッチングにより該非晶質珪素膜を除去することで基板と半導体素子とを剥離し、転写する方法、半導体素子が形成された基板を機械的に削除または溶液やガスによるエッチングで除去することで半導体素子を基板から切り離し、転写する方法等、様々な方法を用いることができる。なお転写は、表示素子を作製する前に行なっても良いし、作製した後に転写しても良い。
【0104】
なお本実施の形態では、画素部を形成する工程について説明したが、セミアモルファス半導体を第1の半導体膜として用いる場合、走査線駆動回路を画素部と同じ基板上に形成することが可能である。またアモルファス半導体を用いたTFTで画素部を形成し、該画素部が形成された基板に別途形成された駆動回路を貼り付けても良い。
【0105】
本実施の形態は、上記実施の形態と組み合わせて実施することができる。
【0106】
なお図3〜図8では、導電膜506の一部を露出させるためのゲート絶縁膜508のエッチングに、フォトリソグラフィ法を用いたり、液滴吐出法または印刷法で形成されたレジストをマスクとして用いたりしているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、第2の半導体膜510に接する配線をマスクとして用いてゲート絶縁膜508をエッチングし、導電膜506の一部を露出させても良い。この場合ゲート絶縁膜のエッチングを行なった後、液滴吐出法を用いて、導電膜506の露出した部分と、マスクとして用いた配線とを接続するような導電膜を形成しても良い。また例えば、ゲート絶縁膜508を形成する前に、導電膜506の一部と重なるようにピラーを形成しておいても良い。ピラーは、ピラーを形成したい領域に、導電材料を含む溶液を、液滴が重なるように複数回滴下することで形成できる。そしてゲート絶縁膜508は、ピラーと重なる部分において膜厚が著しく薄くなるため、該ゲート絶縁膜508上に形成された配線とピラーとを電気的に接続することができる。
【0107】
また図3〜図8では、第1の半導体膜509と第2の半導体膜510を共にパターニングしているが、本発明の発光装置はこの作製方法に限定されない。次に図9を用いて、第1の半導体膜509と第2の半導体膜510を、異なるマスクを用いてパターニングする例について説明する。
【0108】
まず上述した作製方法に従って、第1の半導体膜509まで同様に形成する。次に図9(A)に示すように、第1の半導体膜509をパターニングし、島状の第1の半導体膜560、561を形成する。そして、ゲート絶縁膜508の一部をエッチングにより除去し、導電膜506を露出させる。
【0109】
次に図9(B)に示すように、島状の第1の半導体膜560、561及び導電膜506の露出した部分を覆うように、ゲート絶縁膜508上に第2の半導体膜を形成する。LDD領域として用いる第3の半導体膜を形成する場合は、第1の半導体膜509を形成した後、第3の半導体膜を形成し、それから第2の半導体膜562を形成する。
【0110】
次に図9(C)に示すように、液滴吐出法または印刷法で配線563〜566を形成する。そして配線563〜566をマスクとして用い、第2の半導体膜562をパターニングすることで、ソース領域またはドレイン領域として機能する島状の第2の半導体膜567〜570が形成される。その後は、図3〜図8に示した作製方法と同様に、層間絶縁膜の形成以降の工程を同様に行なうことができる。
【0111】
また図3〜図8、図9では、TFTを覆って層間絶縁膜を形成し、該層間絶縁膜上に第1の電極を形成しているが、本発明はこの構成に限定されない。第1の電極をゲート絶縁膜上に形成するようにしても良い。図10(A)に、第1の電極をゲート絶縁膜上に形成した場合の、画素の断面図を示す。図10(A)では、TFT580に接続された配線581に接するように、第1の電極582がゲート絶縁膜583上に形成されている。そして第1の電極582の一部と、TFT580、581とを覆うように、隔壁584が形成されている。隔壁584は開口部585を有しており、該開口部585において第1の電極582、電界発光層586、第2の電極587が重なり合うことで、発光素子588が形成されている。
【0112】
また本発明では、図3〜図9、図10(A)に示す発光装置において、第1の半導体膜と第2の半導体膜の間にチャネル保護膜を形成しておいても良い。図10(A)に、図3〜図8に示した発光装置において、チャネル保護膜を形成した場合の、画素の断面図を示す。
【0113】
図10(A)において、TFT590は島状の第1の半導体膜591と、ソース領域またはドレイン領域として機能する島状の第2の半導体膜592、593を有している。さらに第1の半導体膜591と島状の第2の半導体膜592、593の間には、第1の半導体膜591を覆うようにチャネル保護膜594が形成されている。また同様に、TFT595は島状の第1の半導体膜596と、ソース領域またはドレイン領域として機能する島状の第2の半導体膜597、598を有している。さらに第1の半導体膜596と島状の第2の半導体膜597、598の間には、第1の半導体膜596を覆うようにチャネル保護膜599が形成されている。
【0114】
チャネル保護膜594、599は液滴吐出法または印刷法を用いて形成しても良いし、CVD法、スパッタ法などを用いて形成しても良い。チャネル保護膜594、599として、酸化珪素、窒化珪素、窒化酸化珪素などの無機絶縁膜、シロキサン系絶縁膜などを用いることができる。またこれらの膜を積層し、チャネル保護膜594、599として用いても良い。本実施の形態では、プラズマCVD法で形成された窒化珪素、液滴吐出法で形成されたシロキサン系絶縁膜を積層して、チャネル保護膜594、599として用いる。チャネル保護膜594、599を形成することで、島状の第2の半導体膜592、593、597、598をエッチングにより形成する際、チャネル保護膜594、599によって、島状の第1の半導体膜591、596がオーバーエッチングされるのを防ぐことができる。
【0115】
一方、チャネル保護膜を形成しない場合は、ゲート絶縁膜及び第1の半導体膜、場合によってはゲート絶縁膜、第1の半導体膜及び第2の半導体膜とを、大気に触れさせることなく連続して形成することが可能である。すなわち、大気成分や大気中に浮遊する汚染物質に汚染されることなく各膜どうしの界面を形成することができるので、TFT特性のばらつきを低減することができる。
【0116】
なお、上記図3〜図10に示した発光装置では、ゲート電極として機能する導電膜を各TFTが1つづつ有しているが、本発明はこの構成に限定されない。各TFTがマルチゲート構造を有していても良い。マルチゲート構造とは、直列に接続され、なおかつゲート電極が接続された複数のTFTが、第1の半導体膜を共有しているような構成を意味する。マルチゲート構造とすることで、TFTのオフ電流を低減させることができる。
【実施例1】
【0117】
本実施例では、ナノインプリント法によりパターンが転写された絶縁膜に、液滴吐出法で導電膜を形成する際の、ノズルの走査方向について説明する。
【0118】
図11(A)では、走査線と、該走査線に接続されたゲート電極とに対応する開口部802が、絶縁膜801に形成されている。803は液滴を開口部802に吐出するのに用いるノズルであり、図11(A)では、開口部802のゲート電極に対応する領域に、複数のノズル803から一斉に液滴が吐出されている。
【0119】
そして、開口部802のゲート電極に対応する領域に液滴を吐出し終えたら、次に図11(B)に示すように、開口部802の走査線に対応する領域に液滴を吐出する。図11(B)では、開口部802の走査線に対応する領域への液滴の吐出も、複数のノズル804を用いて一斉に行なっている。
【0120】
なお複数のノズル804を用いて一斉に液滴を吐出する場合、液滴を吐出する工程にかかる時間を短縮化することができる。しかし本発明はこの構成に限定されず、液滴の吐出に用いるノズル804の数は、単数でも複数でもどちらでも良い。また本実施例では、開口部802のゲート電極に対応する領域に液滴を吐出した後、開口部802の走査線に対応する領域に液滴を吐出しているが、液滴を吐出する順序はこれに限定されず、逆であっても良い。
【0121】
またノズルからの液滴の吐出量は、ノズルの走査方向に対して垂直の方向における開口部の幅に合わせて、適宜設定するのが望ましい。図11(A)、図11(B)では、開口部802の走査線に対応する領域の方が、開口部802のゲート電極に対応する領域よりも幅が大きいので、液滴を吐出する工程にかかる時間を短縮化するために、滴下する液滴の吐出量を増やすことが望ましい。
【0122】
なお本実施例は、上記実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例2】
【0123】
本実施例では、モールドの位置合わせの方法について説明する。
【0124】
図12(A)に、CCD(charge coupled device)などの撮像装置605を用いて、基板600とモールド602の位置合わせを行なっている様子を示す。なお本実施例では、半導体膜をパターニングすることで、位置合わせの基準となる基板600側のマーカー603と、島状の第1の半導体膜604とを共に形成している。また位置合わせの基準となるモールド602側のマーカー601は、モールド602に形成されたパターンの一部を用いている。
【0125】
そして図12(A)では、撮像装置605を用いて、モールド602と基板600の間から、マーカー601とマーカー603を撮影することで、モールド602と基板600の位置合わせを行なう。上記構成により、モールド602の透光性が低い場合でも、モールド602と基板600の位置合わせを行なうことができる。
【0126】
次に図12(B)に、モールド602が透光性を有している場合において、基板600とモールド602の位置合わせを行なっている様子を示す。なお図12(B)では、図12(A)において既に示したものに対し、同じ符号を付す。図12(B)では、撮像装置605を用いて、モールド602に対し基板600の反対側から、モールド602を通してマーカー601とマーカー603を撮影することで、モールド602と基板600の位置合わせを行なう。上記構成の場合、一方向のみの撮影が可能であるような撮像装置605を用いればよい。
【0127】
本実施例は、上記実施例または実施の形態と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例3】
【0128】
本実施例では、1枚の基板上に複数の半導体装置を形成する場合において、モールドを用いてパターンを形成する例について説明する。
【0129】
図13(A)に、絶縁膜702が形成された基板701と、モールド703の様子を示す。モールド703には、各半導体装置に対応したパターンが形成されている。そして、絶縁膜702にモールド703を押し付け、絶縁膜702にパターンを形成する。
【0130】
次にモールド703を絶縁膜702から取り外す。図13(B)に、パターンが形成された後の、絶縁膜702の様子を示す。次に図13(C)に示すように、パターンが形成された絶縁膜702に、液滴吐出法で液滴を吐出することで、パターニングされた導電膜を形成することができる。
【0131】
なお本実施例では、モールドを用いて大型基板に一回でパターンを形成する例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。大型基板に複数回に分けてモールドを押し付け、パターンを形成するようにしても良い。ただしこの場合、光ナノインプリントを用い、パターンを形成する領域を順に選択的に露光するようにする。
【0132】
フォトリソグラフィ法を用いる場合、基板が大型化するとフォトマスクの価格もそれに伴って上昇してしまう。さらに一度に露光できる面積が限られているので、パターニングにかかるトータルの時間も長くなるという問題があった。しかし本発明のようにナノインプリント法を用いる場合、フォトマスクを用いる必要はなく、さらにパターンを形成する基板が大型化しても、パターンを形成するのにかかる時間を抑えることができる。
【0133】
本実施例は、上記実施の形態または実施例と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例4】
【0134】
本発明の作製方法を用いて形成される半導体装置は、様々な電子機器に用いることができる。具体的に本発明を用いた電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(代表的にはDVD:Digital Versatile Disc等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうるディスプレイを有する装置)などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図12に示す。
【0135】
図14(A)はパーソナルコンピュータであり、本体2101、表示部2102、操作キー2103、スピーカー部2104等を含む。本発明を用いた半導体装置は、表示部2102及びその他信号処理用の回路に用いることができる。
【0136】
図14(B)はゴーグル型表示装置であり、本体2201、表示部2202、イヤホン2203、支持部2204とを有している。本発明を用いた半導体装置は、表示部2202及びその他信号処理用の回路に用いることができる。支持部2204は、ゴーグル型表示装置を頭部自体に固定するタイプであっても良いし、使用者の身体のうち、頭部以外の部分に固定するタイプであっても良い。
【0137】
図14(C)は表示装置であり、筐体2401、表示部2402、スピーカー部2403等を含む。本発明を用いた半導体装置は、表示部2402及びその他信号処理用の回路に用いることができる。なお、表示装置には、パーソナルコンピュータ用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示用表示装置が含まれる。
【0138】
以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広く、あらゆる分野の電子機器に用いることが可能である。また本実施例は、上記実施の形態または実施例と組み合わせて実施することが可能である。
【実施例5】
【0139】
本実施例では、モールドの具体的な作製方法について、一例を挙げて説明する。
【0140】
まず図15(A)に示すように、モールドの支持体1501上に、ポジ型のフォトレジストを用いてレジスト層1502を形成する。次にEB(電子線描画)を用いて、パターンを描画するように露光を行なう。そして露光を行なったレジスト層1502を現像することで、図15(B)に示すように、レジスト層1502にパターンを形成することができる。具体的に図15(B)では、複数の開口部1504がレジスト層1502に形成されている。
【0141】
次に図15(C)に示すように、パターンが形成されたレジスト層1502を覆うように、支持体1501上に第1の導電膜1503を形成する。第1の導電膜1503は、スパッタ法などを用いて形成することができる。そして図15(D)に示すように、電気鍍金により、第1の導電膜1503に接するように、第2の導電膜1505を形成する。このとき、レジスト層1502に形成された複数の開口部1504は、第1の導電膜1503、第2の導電膜1505によって填塞された状態となる。
【0142】
なお第1の導電膜1503と第2の導電膜1505に用いられる材料は、設計者が適宜選択することが可能である。本実施例では、第1の導電膜1503としてアルミニウムまたはアルミニウムを含む合金を用い、第2の導電膜1505としてクロムまたは銅を用いる。
【0143】
次に図15(E)に示すように、第1の導電膜1503及び第2の導電膜1505を、パターンが形成されたレジスト層1502から取り外す。第1の導電膜1503及び第2の導電膜1505は、レジスト層1502のパターンが転写されており、モールドとして用いることが可能である。
【0144】
なお、図15(E)に示すようにモールドが形成されたら、実際にナノインプリント法で該モールドを用いる前に、モールドのパターンが形成されている面に、剥離剤を塗布しておく。なお剥離剤は、モールドを絶縁膜に押し付けた後、絶縁膜から該モールドを取り外す際に、絶縁膜にかかる応力を低減させる効果を有する。図15(E)では、第1の導電膜1503の表面に、剥離剤を塗布し、モールドの剥離をスムーズに行なえるようにする。具体的に剥離剤として、パーフルオロポリオキセタンなどのフッ素系樹脂や、n−トリフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)プロピルシラザン、n−ヘプタフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ペンチルシラザン、n−ノナフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)ヘキシルシラザン、n−トリデオフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)オクチルシラザン、n−ヘプタデカフロロ(1,1,2,2−テトラヒドロ)デシルシラザンなどのフッ素置換アルキル基含有有機ケイ素化合物を用いることができる。
【0145】
本実施例は、上記実施の形態または実施例と組み合わせて実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】本発明の半導体装置の作製方法に用いられる、導電膜の作製方法を示す図。
【図2】本発明の半導体装置の作製方法に用いられる、コンタクトホールまたは開口部の作製方法を示す図。
【図3】本発明の半導体装置の作製方法を示す図。
【図4】本発明の半導体装置の作製方法を示す図。
【図5】本発明の半導体装置の作製方法を示す図。
【図6】本発明の半導体装置の作製方法を示す図。
【図7】本発明の半導体装置の作製方法を示す図。
【図8】本発明の半導体装置の作製方法を用いて形成された、画素の上面図及びモールドのパターンを示す図。
【図9】本発明の半導体装置の作製方法を示す図。
【図10】本発明の半導体装置の断面図。
【図11】ノズルの走査方向を示す図。
【図12】モールドの位置合わせの様子を示す図。
【図13】ナノインプリント法で大型基板にパターンを形成している様子を示す図。
【図14】本発明を用いた電子機器の図。
【図15】モールドの作製方法を示す図。
【符号の説明】
【0147】
101 基板
102 絶縁膜
103 モールド
104 開口部
105 導電膜
201 配線
202 絶縁膜
203 モールド
204 コンタクトホール
501 基板
502 絶縁膜
503 モールド
504 開口部
505 導電膜
506 導電膜
507 導電膜
508 ゲート絶縁膜
509 半導体膜
510 半導体膜
511 半導体膜
512 半導体膜
513 半導体膜
514 半導体膜
520 配線
522 配線
523 配線
524 半導体膜
527 配線
530 TFT
531 TFT
532 層間絶縁膜
533 モールド
534 コンタクトホール
535 配線
540 第1の電極
542 隔壁
543 電界発光層
544 第2の電極
545 発光素子
550 開口部
560 半導体膜
562 半導体膜
563 配線
567 半導体膜
580 TFT
581 配線
582 第1の電極
583 ゲート絶縁膜
584 隔壁
585 開口部
586 電界発光層
587 第2の電極
588 発光素子
590 TFT
591 半導体膜
592 半導体膜
594 チャネル保護膜
595 TFT
596 半導体膜
597 半導体膜
599 チャネル保護膜
600 基板
601 マーカー
602 モールド
603 マーカー
604 半導体膜
605 撮像装置
701 基板
702 絶縁膜
703 モールド
801 絶縁膜
802 開口部
803 ノズル
804 ノズル
1501 支持体
1502 レジスト層
1504 開口部
1503 導電膜
1505 導電膜
2101 本体
2102 表示部
2103 操作キー
2104 スピーカー部
2201 本体
2202 表示部
2203 イヤホン
2204 支持部
2401 筐体
2402 表示部
2403 スピーカー部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターンが形成されたモールドを絶縁膜に押し付けた状態で前記絶縁膜の硬化を行なった後、前記モールドを取り外すことで、前記絶縁膜に凹部を形成し、
導電材料を有する液滴を吐出することにより、前記凹部に導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うようにゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に島状の半導体膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項2】
パターンが形成されたモールドを絶縁膜に押し付けた状態で前記絶縁膜の硬化を行なった後、前記モールドを取り外すことで、前記絶縁膜に凹部を形成し、
導電材料を有する液滴を吐出することにより、前記凹部に導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うようにゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に第1の島状の半導体膜を形成し、
前記第1の島状の半導体膜上に、不純物が添加された一対の第2の島状の半導体膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項3】
第1のパターンが形成された第1のモールドを絶縁膜に押し付けた状態で前記絶縁膜の硬化を行なった後、前記第1のモールドを取り外すことで、前記絶縁膜に第1の凹部を形成し、
導電材料を有する液滴を吐出することにより、前記第1の凹部に導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うようにゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に第1の島状の半導体膜と、前記第1の島状の半導体膜上に不純物が添加された一対の第2の島状の半導体膜と、前記第2の島状の半導体膜に接する配線とを形成し、
前記配線上に層間絶縁膜を形成し、
第2のパターンが形成された第2のモールドを層間絶縁膜に押し付けた状態で前記層間絶縁膜の硬化を行なった後、前記第2のモールドを取り外すことで、前記層間絶縁膜に第2の凹部を形成し、
前記配線が露出するように前記第2の凹部が形成された前記層間絶縁膜の表面を削ることで、前記絶縁膜にコンタクトホールを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項4】
パターンが形成されたモールドを絶縁膜に押し付けた状態で、紫外光の照射により前記絶縁膜の硬化を行なった後、前記モールドを取り外すことで、前記絶縁膜に凹部を形成し、
導電材料を有する液滴を吐出することにより、前記凹部に導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うようにゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に島状の半導体膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項5】
パターンが形成されたモールドを絶縁膜に押し付けた状態で、紫外光の照射により前記絶縁膜の硬化を行なった後、前記モールドを取り外すことで、前記絶縁膜に凹部を形成し、
導電材料を有する液滴を吐出することにより、前記凹部に導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うようにゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に第1の島状の半導体膜を形成し、
前記第1の島状の半導体膜上に、不純物が添加された一対の第2の島状の半導体膜を形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項6】
第1のパターンが形成された第1のモールドを絶縁膜に押し付けた状態で、紫外光の照射により前記絶縁膜の硬化を行なった後、前記第1のモールドを取り外すことで、前記絶縁膜に第1の凹部を形成し、
導電材料を有する液滴を吐出することにより、前記第1の凹部に導電膜を形成し、
前記導電膜を覆うようにゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜上に第1の島状の半導体膜と、前記第1の島状の半導体膜上に不純物が添加された一対の第2の島状の半導体膜と、前記第2の島状の半導体膜に接する配線とを形成し、
前記配線上に層間絶縁膜を形成し、
第2のパターンが形成された第2のモールドを層間絶縁膜に押し付けた状態で前記層間絶縁膜の硬化を行なった後、前記第2のモールドを取り外すことで、前記層間絶縁膜に第2の凹部を形成し、
前記配線が露出するように前記第2の凹部が形成された前記層間絶縁膜の表面を削ることで、前記絶縁膜にコンタクトホールを形成することを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項7】
請求項4乃至請求項6のいずれか1項において、前記絶縁膜は光硬化性樹脂であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
【請求項8】
請求項4乃至請求項6のいずれか1項において、前記モールドは前記紫外光を透過することを特徴とする半導体装置の作製方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−5109(P2006−5109A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179027(P2004−179027)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】