説明

半導体装置の製造方法

【課題】パターン不良を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成し、側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成し、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成された側壁パターンを除去し、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置の製造方法に関し、特に、側壁転写プロセスに適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の微細化の要求に伴って、フォトリソグラフィーの解像度限界以下のラインアンドスペースを実現するために、側壁転写プロセスが用いられ始めている。この側壁転写プロセスは、被加工膜上に形成された芯材パターンの側壁に側壁パターンを成膜し、芯材パターンを除去した後に残った側壁パターンをエッチングマスクとして被加工膜をエッチングする方法である(特許文献1)。
【0003】
ここで、側壁転写プロセスにて形成された配線層の幅は、フォトリソグラフィーの解像度限界の1/2程度となるため、フォトリソグラフィー技術を用いただけでは、このような配線層上にコンタクトを形成することができなくなる。このため、芯材パターンをライン部とライン部の端部に接続された屈曲部をそれぞれ有する複数の芯材パターンで構成することで、芯材の側壁に形成される閉ループ状の側壁パターンにライン部と屈曲部を設け、この側壁パターンの屈曲部に接続する比較的に幅の広いフリンジパターンを別途形成する。このように幅の広いフリンジパターンを別途形成することにより、フリンジパターン上にコンタクトを形成することができる。
【0004】
しかしながら、従来の側壁転写プロセスでは、芯材パターンの周期ライン部の端部に接続される屈曲部が、芯材パターンの周期ライン部の密集部(ラインアンドスペース部)と反対側に屈曲していることから、ラインアンドスペース部に比較して孤立することとなる。すなわち、芯材パターンの屈曲部周囲では、芯材パターンの被服率が局所的に小さくなる。このため、芯材パターンのラインアンドスペースの周期端において、隣接する芯材パターン間の距離が大きくなったり、芯材パターンが倒れたり、フリンジパターン(パッド)形状が悪化したりすることにより、パターン不良が生じるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−27991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、パターン不良を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成する工程と、側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成された側壁パターンを除去する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
【0008】
本発明の一態様によれば、被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成する工程と、各チップ領域内で、前記第一のパターンの側壁のうち前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成されないようにして、側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
【0009】
本発明の一態様によれば、被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成する工程と、側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、ダミーパターン又はフリンジパターンを形成する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する工程と、を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、パターン不良を抑制することが可能な半導体装置の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るパターン形成方法に使用されるフォトマスクの概略構成を示す平面図。
【図2】図2は、本発明の第2実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図4】図4は、図2および図3の方法で形成されたNANDフラッシュメモリに用いられるワード線の引き出し部分の概略構成を示す平面図。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る芯材パターンの光学像を示す図。
【図6】図6は、図5の実施形態に対する比較例の光学像を示す図。
【図7】図7は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図8】図8は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図9】図9は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図10】図10は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図12】図12は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図13】図13は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図14】図14は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図15】図15は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図および断面図。
【図16】図16(a)は、本発明の第4実施形態に係るパターン形成方法に用いられるフォトマスクの概略構成を示す平面図、図16(b)は、本発明の第5実施形態に係るパターン形成方法に用いられるフォトマスクの概略構成を示す平面図。
【図17】図17は、本発明の第6実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図18】図18は、本発明の第6実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図19】図19は、本発明の第7実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図20】図20は、本発明の第7実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図21】図21は、本発明の第8実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図22】図22は、本発明の第8実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図23】図23は、本発明の第9実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【図24】図24は、本発明の第9実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係るパターン形成方法について図面を参照しながら説明する。
【0013】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るパターン形成方法に使用されるフォトマスクの概略構成を示す平面図である。
図1において、このフォトマスクでは、透明基板101上に遮光膜102が形成されている。なお、透明基板101としては、例えば、ガラス基板、遮光膜102としては、例えば、クロム膜、透過光の位相をシフトする半透明のモリブデンシリコン膜、半透明膜などを用いることができる。そして、遮光膜102にはライン状の間隙103が所定の間隔で形成されるとともに、間隙103の端部にそれぞれ接続された開口部104が形成されている。ここで、開口部104の周囲は、間隙103との接続箇所を除いて遮光膜102にて覆われている。なお、開口部104の幅は、間隙103の幅よりも大きいことが好ましい。また、遮光膜102による透明基板101の被覆率は80%以上になるように設定することが好ましい。
【0014】
ここで、間隙103の幅および間隔は、このフォトマスクを用いてレジスト膜の露光を行った時にレジスト膜に形成される露光像の線幅がフォトリソグラフィーの解像度限界より大きくなるように設定することが好ましい。
【0015】
(第2実施形態)
図2および図3は、本発明の第2実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図である。なお、図2および図3では、図1のフォトマスクの点線枠の部分に対応する露光領域を切り出して示した。
図2(a)において、図1のフォトマスクを用いることにより、被加工膜1上に側壁形成用パターン2を形成する。なお、被加工膜1としては、例えば、ワード線などに用いられる多結晶シリコン膜であってもよいし、トレンチが形成される半導体基板であってもよい。また、側壁形成用パターン2の材料は、レジスト材を用いるようにしてもよいし、BSG膜やシリコン窒化膜などのハードマスク材を用いるようにしてもよい。
【0016】
なお、側壁形成用パターン2の材料としてレジスト材を用いる場合、図1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィーにて側壁形成用パターン2を被加工膜1上に形成することができる。側壁形成用パターン2の材料としてハードマスク材を用いる場合、図1のフォトマスクを用いたフォトリソグラフィーにてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンをマスクとして被加工膜1上のハードマスク材をエッチングすることにより、側壁形成用パターン2を被加工膜1上に形成することができる。
【0017】
ここで、側壁形成用パターン2には、ライン状の間隙3が所定の間隔で形成されるとともに、間隙3の端部にそれぞれ接続された開口部4が形成されている。そして、開口部4の周囲は、間隙3との接続箇所を除いて側壁形成用パターン2にて覆われている。また、開口部4の周囲において、側壁形成用パターンの各ライン部の端部が屈曲し、側壁形成用パターンの屈曲部が設けられている。側壁形成用パターン2(第二のパターン2)の屈曲部に位置する開口部4の周辺では、ラインアンドスペース部2aの外側に側壁形成用パターン2b(第一のパターン2b)が形成されている。
【0018】
次に、図2(b)に示すように、等方性エッチングなどの方法により側壁形成用パターン2をスリミングし、側壁形成用パターン2の幅を細くする。
【0019】
次に、図2(c)に示すように、例えば、CVDなどの方法により、側壁形成用パターン2の側壁を含む側壁形成用パターン2および被加工膜1上の全面に側壁形成用パターン2に対する選択比が高い材料を堆積する。なお、側壁形成用パターン2に対する選択比が高い材料としては、例えば、側壁形成用パターン2がBSG膜からなる場合、シリコン窒化膜を用いることができる。そして、側壁形成用パターン2に対する選択比が高い材料の異方性エッチングを行うことにより、側壁形成用パターン2に対する選択比が高い材料を側壁形成用パターン2の側壁に残したまま被加工膜1を露出させ、側壁形成用パターン2の側壁に側壁パターン5を形成する。
ここで、側壁パターン5は、側壁形成用パターン2にて囲まれるように屈曲部を有する閉ループ状に形成することができる。
【0020】
なお、図示は省略するが、ウェハ基板を区画する各チップ領域内に形成された第一のパターン2bは、各チップ間で連続的に形成されている。すなわち、各チップ領域間で第一のパターン2bが分断されていない。このため、チップ領域においては、第一のパターン2bの側壁のうち、ラインアンドスペース部2aの外側の側壁には側壁パターンが形成されず、ラインアンドスペース部2aと対向する側壁に側壁パターンが形成される。
【0021】
また、第一のパターン2bを、ウェハ基板の端部まで連続的に形成することもできる。この場合、ウェハ基板上においては、第一のパターン2bの側壁のうち、ラインアンドスペース部2aの外側の側壁には側壁パターンが形成されない。側壁パターンをウェハ端部に形成できるスペースがないためである。
【0022】
次に、図3(a)に示すように、ウェットエッチングなどの方法により、側壁パターン5を被加工膜1上に残したまま側壁形成用パターン2を被加工膜1上から除去する。
【0023】
次に、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、側壁パターン5の屈曲部に接続されたフリンジパターン6を被加工膜1上に形成する。なお、フリンジパターン6の材料はレジスト材を用いることができる。また、レジスト形成後にそのレジストの下層に形成されたマスク材を加工してフリンジパターン6を形成するようにしてもよい。
【0024】
次に、図3(c)に示すように、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、開口部4の側壁に沿って配置された側壁パターン5をフリンジパターン6ごとに切断し、閉ループ状に形成された側壁パターン5を1本ずつ分離する(ループカット)。
【0025】
なお、図2および図3の方法では、被加工膜1を加工する前に側壁パターン5のループカットを行う方法について説明したが、側壁パターン5およびフリンジパターン6をマスクとして下層に形成された下層膜を加工した後に、下層膜のループカットを行うようにしてもよい。また、図3(b)のフリンジ形成工程と図3(c)のループカット工程の順序を入れ替えることも可能である。
【0026】
本実施形態に係るパターン形成方法では、側壁形成用パターン2の各ライン部3に接続される各屈曲部周辺に開口部4を形成しており、開口部4の外側の側壁形成用パターン2の内側に形成される側壁パターンを用いて、ゲートパターンなどの回路パターンを形成する。このとき、側壁形成用パターン2の屈曲部に位置する開口部4の周辺では、ラインアンドスペース部2aの外側に側壁形成用パターン2b(第一のパターン2b)が形成されている。このため、屈曲部の周囲で側壁形成用パターン2が孤立するのを防止することができ、側壁形成用パターン2のラインアンドスペースの周期端において、側壁形成用パターン2が倒れたり、パッド形状が悪化したりするのを抑制し、パターン不良を抑制することができる。
【0027】
図4は、図2および図3の方法で形成されたNANDフラッシュメモリに用いられるコントロールゲートの引き出し部分の概略構成を示す平面図である。
図4において、下地層11上には、コントロールゲート15およびセレクトゲート17が形成され、コントロールゲート15は屈曲してパッド16に接続されている。なお、下地層11としては、NANDフラッシュメモリに用いられる浮遊ゲート電極またはチャージトラップ膜などを形成された半導体基板を用いることができる。
【0028】
ここで、コントロールゲート15は、図2(c)の側壁形成用パターン2の間隙3の側壁に形成された側壁パターン5をマスクとして形成することができ、コントロールゲート15の幅および間隔はフォトリソグラフィーの解像度限界の1/2程度に設定することができる。また、パッド16は、図3(c)のフリンジパターン6をマスクとして形成することができ、パッド16の幅および間隔はフォトリソグラフィーの解像度限界より大きな値に設定することができる。
【0029】
そして、パッド16がコンタクト19を介して配線18に接続されることで、コントロールゲート15がパッド16を介して配線18に接続される。ここで、パッド16の幅および間隔をフォトリソグラフィーの解像度限界より大きな値に設定することで、フォトリソグラフィー技術を用いて配線18やコンタクト19をパッド16上に配置することができる。
【0030】
図5は、本発明の実施形態に係る側壁形成用パターンの光学像を示す図、図6は、図5の実施形態に対する比較例の光学像を示す図である。なお、図5(a)は、本発明の実施形態に係る側壁形成用パターン、図6(a)は、本発明の実施形態に対する比較例の側壁形成用パターンを示す。図5(b)は、図5(a)の側壁形成用パターンの2次元の光学像、図6(b)は、図6(a)の側壁形成用パターンの2次元の光学像を示す。図5(c)は、図5(b)の光学像をA−B線に沿って切断した時の1次元の光学像、図6(c)は、図6(b)の光学像をA−B線に沿って切断した時の1次元の光学像示す。
【0031】
図6(a)において、比較例では、側壁形成用パターン2´の側壁に沿って外周が側壁パターンにて囲まれるように被加工膜1´上に側壁形成用パターン2´が形成される。そして、図6(a)の側壁形成用パターン2´では、図6(c)の丸枠の部分(ラインアンドスペース端部)に示すように、ベストフォーカスに対してデフォーカス時の光強度の変動が大きくなる。
【0032】
一方、図5(a)において、本発明の実施形態では、側壁形成用パターン2の側壁に沿って側壁パターン5が囲まれるように被加工膜1上に側壁形成用パターン2が形成される。そして、図5(a)の側壁形成用パターン2では、図5(c)の丸枠の部分(ラインアンドスペース端部)に示すように、ベストフォーカスに対してデフォーカス時の光強度の変動が比較例に比べて小さくなる。
【0033】
(第3実施形態)
図7(a)〜図15(a)は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図、図7(b)〜図15(b)は、本発明の第3実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す断面図である。なお、図7(b)〜図15(b)において、コントロールゲート形成領域R1、R2、セレクトゲート形成領域R3、周辺回路形成領域R5では、図7(a)〜図15(a)のC−D線に沿って切断し、フリンジパターン形成領域R4では、図7(a)〜図15(a)のE−F線に沿って切断した。なお、図7〜図15の例では、NANDフラッシュメモリに用いられるコントロールゲートおよびセレクトゲートを形成するためのハードマスクパターンの製造工程を示した。
【0034】
図7において、キャップ層21上にはハードマスク層22、23が順次積層されている。なお、キャップ層21およびハードマスク層23としては、例えば、シリコン窒化膜、ハードマスク層22としては、例えば、BSG膜とTEOS膜の積層構造を用いることができる。ここで、ハードマスク層23上には、コントロールゲート形成領域R1、R2、セレクトゲート形成領域R3、フリンジパターン形成領域R4および周辺回路形成領域R5が設けられている。また、キャップ層21下には、コントロールゲートおよびセレクトゲートを形成するための多結晶シリコン層などを含む下地層を設けることができる。
【0035】
そして、例えば、CVDなどの方法によりハードマスク層23上に芯材膜を積層し、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて芯材膜をパターニングすることにより、側壁形成用パターン24をハードマスク層23上に形成する。なお、コントロールゲート形成領域R1、R2では、側壁形成用パターン24には間隙25を形成し、フリンジパターン形成領域R4では、側壁形成用パターン24には間隙25に接続された開口部26を形成することができる。
【0036】
次に、図8に示すように、等方性エッチングなどの方法により側壁形成用パターン24をスリミングし、側壁形成用パターン24の幅を細くする。なお、この側壁形成用パターン24のスリミングは、レジスト膜をマスクに芯材膜をパターニングすると同時に実施することも可能である。
【0037】
次に、図9に示すように、例えば、CVDなどの方法により、側壁形成用パターン24の側壁を含む側壁形成用パターン24およびハードマスク層23上の全面に側壁形成用材料を堆積する。そして、側壁形成用材料の異方性エッチングを行うことにより、側壁形成用材料を側壁形成用パターン24の側壁に残したままハードマスク層23を露出させ、側壁形成用パターン24の側壁に側壁パターン27を形成する。なお、側壁パターン27の材料としては、例えば、アモルファスシリコンを用いることができる。ここで、側壁パターン27は、側壁形成用パターン24にて囲まれるように側壁形成用パターン24の側壁に沿ってハードマスク層23上に配置することができる。
【0038】
次に、図10に示すように、ウェットエッチングなどの方法により、側壁パターン27をハードマスク層23上に残したまま側壁形成用パターン24をハードマスク層23上から除去する。
【0039】
次に、図11に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いることにより、側壁パターン27の屈曲部に接続されたフリンジパターン28aをフリンジパターン形成領域R4に形成するとともに、セレクトゲート形成用レジストパターン28bおよび周辺回路形成用レジストパターン28cをセレクトゲート形成領域R3および周辺回路形成領域R5にそれぞれ形成する。なお、フリンジパターン28a、セレクトゲート形成用レジストパターン28bおよび周辺回路形成用レジストパターン28cの材料はレジスト材を用いることができる。
【0040】
次に、図12に示すように、側壁パターン27、フリンジパターン28a、セレクトゲート形成用レジストパターン28bおよび周辺回路形成用レジストパターン28cをマスクとしてハードマスク層23をエッチングすることにより、パッド形成用ハードマスクパターン23a、セレクトゲート形成用ハードマスクパターン23b、周辺回路形成用ハードマスクパターン23cおよびコントロールゲート形成用ハードマスクパターン23dをハードマスク層22上に形成する。
【0041】
次に、図13に示すように、フリンジパターン28a、セレクトゲート形成用レジストパターン28bおよび周辺回路形成用レジストパターン28cをパッド形成用ハードマスクパターン23a、セレクトゲート形成用ハードマスクパターン23bおよび周辺回路形成用ハードマスクパターン23c上から除去する。
【0042】
次に、図14に示すように、パッド形成用ハードマスクパターン23aおよびコントロールゲート形成用ハードマスクパターン23d上から側壁パターン27を除去する。そして、パッド形成用ハードマスクパターン23a、セレクトゲート形成用ハードマスクパターン23b、周辺回路形成用ハードマスクパターン23cおよびコントロールゲート形成用ハードマスクパターン23dをマスクとしてハードマスク層22をエッチングすることにより、パッド形成用ハードマスクパターン22a、セレクトゲート形成用ハードマスクパターン22b、周辺回路形成用ハードマスクパターン22cおよびコントロールゲート形成用ハードマスクパターン22dをキャップ層21上に形成する。
【0043】
次に、図15に示すように、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いることにより、開口部26の側壁に沿って配置されたコントロールゲート形成用ハードマスクパターン22d、23dをフリンジパターン28aごとに切断し、閉ループ状に形成されたコントロールゲート形成用ハードマスクパターン22d、23dを1本ずつ分離する。そして、パッド形成用ハードマスクパターン22a、セレクトゲート形成用ハードマスクパターン22b、周辺回路形成用ハードマスクパターン22cおよびコントロールゲート形成用ハードマスクパターン22dをマスクとして、キャップ層21およびその下層の多結晶シリコン層をエッチングすることにより、例えば、図4のコントロールゲート15、セレクトゲート17および周辺回路用ゲートを形成するとともに、コントロールゲート15の屈曲部に接続されたパッド16を形成することができる。
【0044】
(第4実施形態)
図16(a)は、本発明の第4実施形態に係るパターン形成方法に用いられるフォトマスクの概略構成を示す平面図である。なお、図16では、図1のフォトマスクの点線枠に対応する部分を切り出して示した。
図16(a)において、このフォトマスクでは、図1のフォトマスクに対して、開口部104の周囲の遮光膜102に配置されたスリット105がピッチP1で設けられている。なお、スリット105の幅は、スリット105が図2(a)の側壁形成用パターン2として写り込まないようにするために、フォトリソグラフィーの解像度限界より小さくなるように設定することが好ましい。すなわち、スリット105は、SRAFであることが好ましい。
【0045】
ここで、開口部104の周囲の遮光膜102にスリット105を設けることにより、図2(a)の開口部4の周囲に側壁形成用パターン2がベタ状に形成される場合においても、間隙3の周期端において、露光時のラインアンドスペースの周期性が著しく損なわれるのを防止することができ、側壁パターン5の屈曲部の形状の悪化を抑制することができる。
【0046】
(第5実施形態)
図16(b)は、本発明の第5実施形態に係るパターン形成方法に用いられるフォトマスクの概略構成を示す平面図である。
図16(b)において、このフォトマスクでは、図16(a)のフォトマスクに対して、開口部104に配置された細線パターン106がピッチP2で設けられている。なお、細線パターン106の幅は、細線パターン106が図2(a)の側壁形成用パターン2として写り込まないようにするために、フォトリソグラフィーの解像度限界より小さくなるように設定することが好ましい。
【0047】
ここで、開口部104に細線パターン106を設けることにより、図2(a)の開口部4がベタ状に形成される場合においても、間隙3の周期端において、露光時のラインアンドスペースの周期性が著しく損なわれるのを防止することができ、側壁パターン5の屈曲部の形状の悪化を抑制することができる。すなわち、スリット105は、SRAFであることが好ましい。
【0048】
(第6実施形態)
図17および図18は、本発明の第6実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図である。
図17において、この第6実施形態では、図2および図3のパターン形成方法と比べて、側壁形成用パターン2の開口部4に側壁形成用パターン31が追加されている。そして、図18に示すように、側壁形成用パターン31の側壁にも側壁パターン5が形成される。
【0049】
ここで、側壁形成用パターン2の開口部4に側壁形成用パターン31を追加することにより、間隙3の周期端において、露光時のラインアンドスペースの周期性が著しく損なわれるのを防止することができ、側壁パターン5の屈曲部の形状の悪化を抑制することができる。
【0050】
(第7実施形態)
図19および図20は、本発明の第7実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図である。
図19において、この第7実施形態では、図2および図3のパターン形成方法と比べて、側壁形成用パターン2の開口部4に側壁形成用パターン32、33が追加されている。そして、図20に示すように、側壁形成用パターン32、33の側壁にも側壁パターン5が形成される。
【0051】
ここで、側壁形成用パターン2の開口部4に側壁形成用パターン32、33を追加することにより、間隙3の周期端において、露光時のラインアンドスペースの周期性が著しく損なわれるのを防止することができ、側壁パターン5の屈曲部の形状の悪化を抑制することができる。
【0052】
(第8実施形態)
図21および図22は、本発明の第8実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図である。
図21において、この第8実施形態では、図2および図3のパターン形成方法と比べて、開口部4´の形状が開口部4に比べて縦長に設定されている。そして、図22(b)に示すように、開口部4´の側壁に沿って形成された側壁パターン5との接続箇所をフリンジパターン6´ごとに縦方向にずらすことができるように、フリンジパターン6´に屈曲部が設けられている。
【0053】
(第9実施形態)
図23および図24は、本発明の第9実施形態に係るパターン形成方法の概略構成を示す平面図である。
図23において、この第9実施形態では、図21および図22のパターン形成方法と比べて、開口部4´が側壁形成用パターン2を分断するように延在されている。たとえば、ウェハ基板が区画された各チップ領域内で、ラインアンドスペース部の外側の側壁形成用パターン2b(第一のパターン2b)が、開口部4’によって分断されている。
そして、図24(b)に示すように、開口部4´の側壁に沿って形成された側壁パターン5との接続箇所をフリンジパターン6´ごとに縦方向にずらすことができるように、フリンジパターン6´に屈曲部が設けられている。
また、図示を省略するが、ラインアンドスペース部の外側の側壁形成用パターン部2b(第一のパターン2b)が、各チップ領域の端まで必ずしも形成されていなくともよい。この場合には、各チップ領域内で第一のパターン2bの側壁のうちラインアンドスペース部の外側の側壁にも側壁パターンが形成される。
【0054】
このチップ内の最も外側の側壁パターンは、回路パターンとして機能しないパターンであるため、次のいずれかの方法により除去する。第一は、前述したループカット工程において除去する。すなわち、ループカット工程におけるリソグラフィにより、チップ内の最も外側の側壁パターンの上方にレジスト開口部を設け、ループカット時のエッチング加工と同時にその側壁パターンを除去する方法である。第二は、別途リソグラフィ工程を追加して、この余分な側壁パターンを除去する。すなわち、側壁パターン形成後、リソグラフィにより、チップ内の最も外側の側壁パターンの上方に開口部を有するレジストを設け、エッチング加工により側壁パターンを除去する方法である。
【0055】
このようなパターン形成方法による半導体装置の製造方法は、被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成する工程と、側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成された側壁パターンを除去する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する工程を備える。
【0056】
また、このチップ内の最も外側の側壁パターン除去しなくとも、ループカット工程により、他の回路パターンと電気的に独立されるようにすれば、この側壁パターンに基づいて、回路パターンとして電気的に機能しないダミーパターンを基板上に形成することもできる。さらに、前述のフリンジ形成時のリソグラフィ時に、チップ内の最も外側の側壁パターンをフリンジ形成用のレジストパターンで覆うことにより、エッチング加工後にこの側壁パターンの下層にフリンジパターンを形成することもできる。
【0057】
このようなパターン形成方法による半導体装置の製造方法は、被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成する工程と、側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、ダミーパターン又はフリンジパターンを形成する工程と、前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する工程とを備える。
【符号の説明】
【0058】
1 被加工膜、2、24、31〜33 側壁形成用パターン、3、25、103 間隙、4、4´、26、104 開口部、5、27 側壁パターン、6、6´、28a フリンジパターン、11、21 下地層、15 コントロールゲート、16 パッド、17 セレクトゲート、18 配線、19 コンタクト、R1、R2 コントロールゲート形成領域、R3 セレクトゲート形成領域、R4 フリンジパターン形成領域、R5 周辺回路形成領域、21 キャップ層、22、23 ハードマスク層、28b セレクトゲート形成用レジストパターン、28c 周辺回路形成用レジストパターン、22a、23a パッド形成用ハードマスクパターン、22b、23b セレクトゲート形成用ハードマスクパターン、22c、23c 周辺回路形成用ハードマスクパターン、22d、23d コントロールゲート形成用ハードマスクパターン、101 透明基板、102 遮光膜、105 スリット、106 細線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成する工程と、
側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成する工程と、
前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成された側壁パターンを除去する工程と、
前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成する工程と、
チップ領域内で、前記第一のパターンの側壁のうち前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成されないようにして、側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成する工程と、
前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
被加工膜上に、ラインアンドスペース部と前記ラインアンドスペース部の外側に形成された第一のパターンとを有する第二のパターンを形成する工程と、
側壁パターンを前記第二のパターンの側壁に形成する工程と、
前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と反対側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、ダミーパターン又はフリンジパターンを形成する工程と、
前記第一のパターンの側壁のうち、前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づき、回路パターンを形成する工程と、
を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第一のパターンの幅は、前記ラインアンドスペース部のライン幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記第二のパターンは屈曲部を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第二のパターンの屈曲部の側壁に形成された側壁パターンに基づいて形成された回路パターンに接続されるフリンジパターンを形成する工程をさらに備えたことを特徴とする請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記ラインアンドスペース部の隣接するライン部は、前記第二のパターンの屈曲部を介して接続されていることを特徴とする請求項5又は6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
前記第二のパターンの屈曲部は、前記ラインアンドスペースパターン部から遠ざかるように屈曲していることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
前記第二のパターンの側壁のうち前記ラインアンドスペース部と対向する側の側壁に形成された側壁パターンに基づいて形成される回路パターンは、ゲートパターンであることを特徴とする請求項4乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−119536(P2011−119536A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276701(P2009−276701)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】