説明

半導体装置の製造方法

【課題】 電極を保護しながら、可動部の形状精度を向上することができる製造方法を提供する。
【解決手段】 本願の半導体装置の製造方法は、まず、第3層16の一部を除去して可動部16bを形成し、次いで、可動部16bを形成するために除去された部位の下方に位置する第2層と、形成された可動部16bの下方に位置する第2層14を除去する。次いで、可動部16bを形成する際に除去された部位に充填材24を埋め込む。次いで、充填材24を埋め込んだ状態で、半導体装置の表面に電極18を形成する。電極18を形成した後、埋め込んだ充填材24を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、半導体装置の製造方法に関する。詳しくは、可動部を備えた半導体装置(例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサ等)を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の半導体装置は、通常、第1層と、第1層上に設けられた第2層と、第2層上に設けられた第3層を備えている。第3層には、可動部と固定部が形成され、可動部が第1層に対して移動可能とされる一方で、固定部が第1層に対して移動不能とされている。この半導体装置は、例えば、加速度や角速度などの力学量の検出に利用される。すなわち、半導体装置に加速度や角速度が作用すると、これによって可動部が第1層に対して変位する。この可動部の変位は、固定部の表面に形成された電極を介して電気信号として出力される。したがって、半導体装置から出力される電気信号によって、半導体装置に作用する加速度や角速度を検出することができる。
【0003】
特許文献1,2は、この種の半導体装置を製造するための製造方法を開示している。特許文献1,2に開示された製造方法では、まず、第3層の表面のうち固定部となる領域の表面に電極を形成し、その電極を保護膜(窒化珪素(SiN))で被覆する。次に、第3層の一部を除去して、固定部と可動部を形成する。次に、第3層の除去された部位の下方に位置する第2層と、可動部の下方に位置する第2層を除去することで、可動部を第1層に対して移動可能な状態とする。次に、電極を被覆している保護膜を除去する。この製造方法では、電極を保護膜で被覆した状態で第3層や第2層を除去するため、第3層や第2層を除去する際に電極が損傷することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−283470号公報
【特許文献2】特開2010−147069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の製造方法では、電極を保護膜(窒化珪素(SiN))で被覆するため、第3層及び第2層を除去した後に電極を被覆する保護膜を除去しなければならない。しかしながら、保護膜を除去する際には、保護膜だけでなく第3層(可動部を含む)まで除去される。このため、保護膜を除去するエッチング状態が変動すると、可動部の形状が変動し、半導体装置から出力される電気信号(すなわち、加速度や角速度等の力学量の検出に利用される電気信号)まで変動することとなる。
【0006】
本明細書は、上記の実情に鑑みてなされたものであり、電極を保護しながら、可動部の形状精度を向上することができる製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書は、第1層と、第1層上に設けられた第2層と、第2層上に設けられた第3層とを備え、第3層に形成された可動部が第1層に対して移動可能とされている半導体装置を製造する方法を開示する。この製造方法は、可動部形成工程と、第2層除去工程と、充填材埋め込み工程と、電極形成工程と、充填材除去工程を有している。可動部形成工程は、第1層と第2層と第3層がこの順で積層された積層構造に対して、第3層の一部を除去して可動部を形成する。第2層除去工程は、可動部形成工程後に、可動部形成工程によって除去された部位の下方に位置する第2層と、可動部形成工程によって形成された可動部の下方に位置する第2層を除去する。充填材埋め込み工程は、第2層除去工程後に、可動部形成工程によって除去された部位に充填材を埋め込む。電極形成工程は、充填材埋め込み工程後、半導体装置の表面に電極を形成する。充填材除去工程は、電極形成工程後に、充填材埋め込み工程で埋め込んだ充填材を除去する。
【0008】
上記した製造方法では、第3層を除去する可動部形成工程と、第2層を除去する第2層除去工程を実行した後に、電極を形成する。このため、可動部形成工程と第2層除去工程を実行する際に、電極が損傷することはない。また、電極を形成する際には、可動部形成工程によって除去された部位(第3層に形成された空間)には充填材が充填されている。このため、従来と同様の方法(すなわち、半導体装置の表面全体に金属膜を形成し、その後に不要な金属膜を除去する方法)で電極を形成することができる。さらに、充填材は、電極形成時に第3層に形成された空間を埋めておく機能を有していればよい。このため、第3層及び電極の損傷を抑制しながら除去できる物質を充填材として用いることができる。したがって、充填材を除去する際に、第3層及び電極が損傷することを抑制することができる。この製造方法によると、電極を保護しながら、可動部の形状精度を向上することができる。
【0009】
上記の製造方法においては、充填材除去工程は、電極形成工程で形成された電極が表面に露出する状態で行われると共に、充填材をエッチング可能である一方で、第3層及び電極をエッチング不能なエッチング剤を用いて行われることが好ましい。このようなエッチング剤を用いることで、電極が表面に露出する状態で充填材を除去しても、第3層及び電極が損傷することはない。
ここで、上記の「エッチング不能」とは、半導体装置に要求される特性からみて問題ない程度にエッチング量が少ないことを意味している。したがって、上記の「エッチング不能」には、第3層及び電極を全くエッチングしない場合だけでなく、第3層及び電極がわずかにエッチングされるような場合(ただし、半導体装置に要求される特性には問題が生じない場合)も含まれる。
【0010】
上記の製造方法で製造される半導体装置では、例えば、第2層は酸化シリコン層とすることができ、第3層はシリコン層とすることができ、電極はアルミニウム系金属により形成することができる。かかる場合に、充填材は、タングステン、窒化チタン又はこれらの混合物を用いることができ、充填材除去工程は、オゾン水又は過酸化水素水を含むエッチング液を用いて行うことができる。このような充填材とエッチング液を用いることで、アルミニウム系金属により形成された電極を保護しつつ、シリコン層に形成される可動部の形状精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る半導体装置の要部断面図である。
【図2】本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図3】本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図4】本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図5】本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図6】本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図7】本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【図8】本実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態に係る半導体装置10について説明する。半導体装置10は、加速度や角速度等の力学量を検出するセンサとして用いられる。図1に示すように、半導体装置10は、基板12と、基板12上に設けられた絶縁体層14と、絶縁体層14上に設けられた半導体層16を有している。
【0013】
基板12は、絶縁体層14及び半導体層16を積層するための下地基板としての機能と、絶縁体層14及び半導体層16を支持するための支持基板としての機能を有している。基板12は、上記の機能を実現可能な種々の材料により形成することができる。本実施形態では、基板12にシリコン基板を用いている。
【0014】
絶縁体層14は、基板12と半導体層16の間に設けられ、基板12と半導体層16とを絶縁する。絶縁体層14は、基板12と半導体層16とを絶縁状態とすることができる種々の材料(例えば、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiN)等)により形成することができる。本実施形態では、絶縁体層14は酸化シリコン(SiOx)によって形成されている。絶縁体層14は、その一部が除去され、半導体層16と基板12との間に空間20bが形成されている。
【0015】
半導体層16は、シリコン層であり、例えば、ポリシリコンによって形成することができる。半導体層16には、固定部16aと可動部16bが形成されている。図1に示す断面においては、固定部16aと可動部16bとの間に空間20aが形成され、図示しない断面において、固定部16aと可動部16bとが連結されている。固定部16aと可動部16bとを連結する連結部(図示しない)の剛性は、可動部16bが基板12に対して容易に移動できるように低くされている。
【0016】
固定部16aは、絶縁体層14上に設けられており、基板12に対して移動不能とされている。固定部16aの表面には電極18が形成されている。電極18は、アルミニウム系金属(Al、Al−Si系合金,Al−Cu系合金等)によって形成することができる。可動部16bは、絶縁体層14の一部を除去することで形成された空間20bの上方に配置されている。可動部16bと基板12との間に空間20bが形成されることで、可動部16bは基板12に対して移動可能とされている。
【0017】
上述した半導体装置10に加速度等が作用すると、可動部16bが基板12に対して変位する。すると、固定部16aに対する可動部16bの位置も変化し、可動部16bと固定部16aとの間の静電容量が変化する。この静電容量の変化が電気信号として電極18から出力される。したがって、静電容量の変化量を電極18を介して検出すれば、その検出した静電容量の変化量から加速度等の力学量を算出することができる。
【0018】
次に、上述した半導体装置10の製造方法の一例を説明する。まず、図2に示すように、基板12と絶縁体層14と半導体層16が積層されたSOI基板22を準備する。上述したように、基板12と半導体層16の材料にはシリコンが用いられ、絶縁体層14の材料には酸化シリコンが用いられる。SOI基板22としては、例えば、基板12の厚みが625μm、絶縁体層14の厚みが4.5μm、半導体層16の厚みが40μmのSOI基板を用いることができる。
【0019】
次に、図3に示すように、半導体層16の一部を除去して、半導体層16に固定部16aと可動部16bを形成する。具体的な形成方法としては、例えば、次の方法を採ることができる。すなわち、SOI基板22の表面全体にマスクを形成し、その後、マスクをパターニングする。これにより、可動部16bを形成する領域と、固定部16aを形成する領域上にマスクが残り、その他の領域上からはマスクが除去される。次に、マスクの開口から絶縁体層14に至るまで半導体層16をエッチングする。半導体層16のエッチングには、例えば、ドライエッチングを用いることができる。半導体層16のエッチングが終了すると、半導体層16上のマスクをアッシングによって除去する。これにより、半導体層16に、固定部16aと可動部16bを形成することができる。
【0020】
次に、図4に示すように、半導体層16が除去された部位(すなわち、空間20a)の下方に位置する絶縁体層14と、可動部16bの下方に位置する絶縁体層14を除去する。具体的な除去方法としては、例えば、フッ酸薬液処理を用いることができる。フッ酸薬液処理では、絶縁体層14は等方的に除去される。したがって、空間20aに露出している絶縁体層14に加え、可動部16bや固定部16aの下方に位置している絶縁体層14も、側方から薬液によって侵食される。ここで、可動部16bの下方に位置する絶縁体層14は、図4の左側と右側の両側から薬液に侵食されて除去される。可動部16bの幅は狭いので、可動部16bの下方の絶縁体層14は全て除去される。その結果、可動部16bが基板12に対して移動可能な状態となる。
【0021】
一方、固定部16aの下方に位置する絶縁体層14は、側面の面積に比して平面視したときの面積が広い。このため、固定部16aの下方に位置する絶縁体層14は、側方から侵食されるが、除去される量は少なく、フッ酸薬液処理後も残存する。したがって、固定部16aは、絶縁体層14を介して基板12に固定されることとなる。なお、図4では、固定部16aの下方に位置する絶縁体層14が殆ど除去されていないように図示されているが、フッ酸薬液処理により絶縁体層14を除去した場合には、固定部16aの下方に位置する絶縁体層14も一部が除去されている。
【0022】
次に、図5に示すように、SOI基板22の全面に充填材24を堆積する。充填材24としては、例えば、タングステン、窒化チタン又はこれらの混合物等を用いることができる。充填材24の堆積には、CVD法又はスパッタリング法を用いることができる。SOI基板22の全面に充填材24を堆積させることで、半導体層16に形成された空間20aと、絶縁体層14に形成された空間20bの一部(空間20aの下方)に充填材24が埋め込まれる。
【0023】
次に、図6に示すように、半導体層16の表面側に堆積された充填材24を除去する。これによって、可動部16bの表面と固定部16aの表面が露出する。充填材24の除去には、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理を用いることができる。CMP処理で充填材24を除去することで、半導体層16(固定部16a、可動部16b)の表面と充填材24の表面とを、略同一平面上に位置させることができる。
【0024】
次に、図7に示すように、半導体装置(SOI基板22)の表面全体、すなわち、固定部16aと可動部16bと充填材24の表面全体に、アルミニウム系金属膜26を堆積する。アルミニウム系金属膜26の堆積には、例えば、スパッタリングを用いることができる。
【0025】
次に、図8に示すように、表面に堆積したアルミニウム系金属膜26の一部を除去し、半導体層16の固定部16a上に電極18を形成する。具体的な形成方法としては、例えば、アルミニウム系金属膜26の表面全体にマスクを形成し、そのマスクをパターニングして電極18を形成する領域にだけ残し、その後にアルミニウム系金属膜26をエッチングにより除去する。次いで、残ったマスクをアッシングによって除去することで電極18が形成される(図8に示す状態)。なお、アルミニウム系金属膜26の除去は、燐酸/硝酸/酢酸の混合液をアルミニウム系金属膜26に塗布することで行うことができる。
【0026】
次に、図8に示す状態の半導体装置から充填材24を除去することで、図1に示す半導体装置10とする。ここで、充填材24を除去する処理は、電極18が表面に露出した状態で行われる。また、充填材24の除去には、充填材24をエッチング可能である一方で、半導体層16及び電極18を殆どエッチングしないエッチング剤が用いられる。これによって、半導体層16及び電極18の損傷を抑制しながら、充填材24を除去することができる。例えば、半導体層16をシリコンにより形成し、電極18をアルミニウム系金属により形成し、充填材24をタングステン又は窒化チタンにより形成した場合は、オゾン水又は過酸化水素水をエッチング液として用いることができる。このようなエッチング液は、タングステンや窒化チタンを効率的にエッチングする一方で、半導体層16や絶縁体層14や基板12を全くエッチングせず、また、アルミニウム系合金により形成された電極18も殆どエッチングしない。このため、このようなエッチング液に半導体装置10を浸漬することで、半導体層16及び電極18の損傷を防止しながら、充填材24を除去することができる。また、半導体装置10をエッチング液に浸漬すると、半導体装置10の空間20a,20bにエッチング液が入り込むが、上記のエッチング液は空間20a,20bから容易に除去することができる。
【0027】
上述したことから明らかなように、本実施形態の半導体装置10の製造方法では、半導体層16の一部を除去する工程(固定部16aと可動部16bを形成する工程)と、絶縁体層14の一部を除去する工程(可動部16bを基板12に対して移動可能とする工程)を実行した後に、半導体層16の表面に電極18を形成する。このため。半導体層16を除去する工程と絶縁体層14を除去する工程を実行することによって、電極18が損傷することはない。
【0028】
また、半導体層16を除去する工程と絶縁体層14を除去する工程を実行した後に電極18を形成するが、電極18を形成する際には半導体層16に形成された空間20aに充填材24が埋め込まれている。このため、電極18を従来と同様の方法で形成することができる。
【0029】
また、電極18を形成した後で充填材24を除去しなければならないが、充填材24の除去に用いられるエッチング剤は、半導体層16及び電極18を殆どエッチングしない。このため、電極18の表面に保護膜を設けなくても、充填材24除去時の電極18の損傷を防止することができる。さらに、半導体層16が殆どエッチングされないため、可動部16b及び固定部16aの形状精度を高めることができる。その結果、半導体装置10による力学量の検出精度を高めることができる。
【0030】
また、本実施形態の製造方法では、絶縁体層14の一部を除去する工程(可動部16bを基板12に対して移動可能とする工程)の後に電極18を形成するため、絶縁体層14を除去する薬液に、電極18(Al系金属)の侵食を抑制する専用の薬液を用いる必要がない。すなわち、従来の製造方法では、電極を形成した後に絶縁体層を除去していたため、絶縁体層を除去する薬液から電極を保護する必要があった。電極は保護膜で保護されるが、保護膜にピンホールが生じる可能性がある。このため、絶縁体層を除去する薬液に、電極(Al系金属)の侵食を抑制する専用の薬液を用いなければならなかった。本実施形態では、絶縁体層14を除去した後に電極18を形成するため、絶縁体層14の除去のために電極(Al系金属)の侵食を抑制する専用の薬液を用いる必要はない。このため、絶縁体層14の除去する薬液として安価な薬液を用いることができる。
【0031】
なお、上述した実施形態では、SOI基板を用いて半導体装置10を製造する場合について説明したが、SOI基板を用いなくても半導体装置10を製造することができる。例えば、半導体ウェハ上に犠牲層膜を堆積し、この犠牲層膜上に半導体層を堆積することで得られた積層構造に対して、本明細書に開示した各工程を実施するようにしてもよい。あるいは、半導体ウェハ上の一部(可動部を形成する領域のみ)に犠牲層膜を堆積し、この犠牲層膜上に半導体層を堆積して可動部を形成する一方で、半導体ウェハの犠牲層を堆積しなかった領域に電極を形成するようにしてもよい。
【0032】
また、上述した実施形態では、半導体層16に形成された空間20aと、絶縁体層14に形成された空間20bの一部(空間20aの下方)に充填材24が埋め込まれていたが、本明細書に記載の技術はこのような形態に限られない。充填材24は、電極18を形成する際に、電極18を形成する金属が空間20a,20b内に侵入しないように埋め込まれていればよい。したがって、例えば、充填材24を少なくとも空間20a内にのみ埋め込むことができれば、空間20b内にまで充填材24を埋め込む必要はない。
【0033】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0034】
10 半導体装置
12 基板
14 絶縁体層
16 半導体層
16a 固定部
16b 可動部
18 電極
20a,20b 空間
22 SOI基板
24 充填材
26 アルミニウム系金属膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層と、第1層上に設けられた第2層と、第2層上に設けられた第3層とを備え、第3層に形成された可動部が第1層に対して移動可能とされている半導体装置を製造する方法であって、
第1層と第2層と第3層がこの順で積層された積層構造に対して、第3層の一部を除去して可動部を形成する可動部形成工程と、
可動部形成工程後に、可動部形成工程によって除去された部位の下方に位置する第2層と、可動部形成工程によって形成された可動部の下方に位置する第2層を除去する第2層除去工程と、
第2層除去工程後に、可動部形成工程によって除去された部位に充填材を埋め込む充填材埋め込み工程と、
充填材埋め込み工程後に、半導体装置の表面に電極を形成する電極形成工程と、
電極形成工程後に、充填材埋め込み工程で埋め込んだ充填材を除去する充填材除去工程と、を有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
充填材除去工程は、電極形成工程で形成された電極が表面に露出する状態で行われると共に、充填材をエッチング可能である一方で、第3層及び電極をエッチング不能なエッチング剤を用いて行われる、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
第2層は、酸化シリコン層であり、
第3層は、シリコン層であり、
電極は、アルミニウム系金属により形成されており、
充填材は、タングステン、窒化チタン又はこれらの混合物であり、
充填材除去工程は、オゾン水又は過酸化水素水を含むエッチング液を用いて行われる、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−45697(P2012−45697A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192557(P2010−192557)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】