半導体装置及びその製造方法
【課題】コンタクト抵抗をより一層低減することができる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コンタクトホール22の側面及び下面並びに層間絶縁膜21上にバリアメタル膜23を形成する。次に、バリアメタル膜23を覆うニッケル膜24をスパッタリング法により形成する。次に、ニッケル膜24を覆うと共に、コンタクトホール22を埋め込むタングステン膜25を熱CVD法により形成する。そして、CMP法により層間絶縁膜21上のバリアメタル膜23、ニッケル膜24及びタングステン膜25を除去する。
【解決手段】コンタクトホール22の側面及び下面並びに層間絶縁膜21上にバリアメタル膜23を形成する。次に、バリアメタル膜23を覆うニッケル膜24をスパッタリング法により形成する。次に、ニッケル膜24を覆うと共に、コンタクトホール22を埋め込むタングステン膜25を熱CVD法により形成する。そして、CMP法により層間絶縁膜21上のバリアメタル膜23、ニッケル膜24及びタングステン膜25を除去する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細化に好適な半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOS電界効果トランジスタのソース、ドレイン及びゲートの表面にシリサイド膜が形成されている。これは、これらに接続されるプラグとの間のコンタクト抵抗を低減するためである。シリサイド膜の材料としては、ニッケルモノシリサイド(NiSi)等が用いられている。また、プラグは、タングステン(W)膜及びバリアメタル膜とから構成されている。バリアメタル膜としては、チタン(Ti)窒化膜等が用いられている。バリアメタル膜は、タングステン膜と周囲との間の反応を抑制すると共に、タングステン膜とシリサイド膜との間の密着性を確保している。
【0003】
しかしながら、近年では、半導体装置の微細化に伴ってコンタクトホールの径が小さくなっており、シリサイド膜を設けてもコンタクト抵抗を十分に低減することができなくなってきている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−217129号公報
【特許文献2】特開2005−268430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コンタクト抵抗をより一層低減することができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0007】
本発明に係る半導体装置の製造方法では、半導体基板上に絶縁膜を形成し、その後、前記絶縁膜に開口部を形成する。次に、前記開口部内に、バリアメタル膜を成膜する。次に、前記バリアメタル膜上に金属膜を成膜する。次に、前記金属膜上にタングステン膜を成膜する。
【0008】
本発明に係る半導体装置では、半導体基板上に絶縁膜が形成され、この絶縁膜に開口部が形成されている。また、少なくとも前記開口部内にバリアメタル膜が形成され、前記バリアメタル膜上にタングステンを含む導電膜が形成されている。そして、前記導電膜には、前記バリアメタル膜と接する金属又は金属化合物領域と、前記金属又は金属化合物領域上に形成されたタングステン領域と、が含まれている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バリアメタル膜とタングステン膜(タングステン領域)との間に金属膜(金属又は金属化合物領域)が形成されるため、金属膜(金属又は金属化合物領域)の作用によりタングステン膜(タングステン領域)とその下の導電領域(不純物拡散領域又は配線等)との間のコンタクト抵抗を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。なお、半導体装置の構造については、その製造方法と共に説明する。図1A乃至図1Sは、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。また、図2は、半導体装置の製造方法の一部の処理を示すフローチャートである。
【0011】
本実施形態では、先ず、図1Aに示すように、p型シリコン(Si)基板1上に、シャロートレンチアイソレーション(STI:Shallow Trench Isolation)法により素子分離絶縁膜2を形成する。素子分離絶縁膜2により、nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域1aが画定される。
【0012】
次いで、図1Bに示すように、シリコン基板1上に、素子領域1a及び素子分離絶縁膜2を覆い、SiO2等からなるシリコン酸化膜3を形成する。シリコン酸化膜3の形成に当たっては、例えば、ジクロロエチレン又はトリクロロエチレンを含有するウェット熱酸化法を採用する。このとき、例えば、シリコン基板1の温度を750℃〜900℃とし、チャンバ内にO2ガスを10000sccmの流量で供給し、H2ガスを1000sccmの流量で供給する。シリコン酸化膜3の厚さは、1nm〜3nm程度とする。なお、シリコン酸化膜3に代えて、SiON等からなるシリコン酸窒化膜を形成してもよい。
【0013】
その後、図1Cに示すように、シリコン酸化膜3上に、多結晶シリコン膜4を形成する。多結晶シリコン膜4の形成に当たっては、例えば、SiH4の熱分解反応を利用する。このとき、例えば、シリコン基板1の温度を600℃とし、チャンバ内にSiH4ガスを100sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を30Paとする。多結晶シリコン膜4の厚さは、100nm程度とする。
【0014】
続いて、図1Dに示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶シリコン膜4及びシリコン酸化膜3をパターニングすることにより、ゲート電極6及びゲート絶縁膜5を形成する。ゲート電極6のゲート長は、例えば35nmとする。
【0015】
次いで、所定の素子領域1aのみを露出させるレジスト膜を形成し、これとゲート電極6をマスクとして、n型不純物のイオン注入を行うことにより、図1Eに示すように、低濃度不純物拡散領域7をゲート電極6の両脇に形成する。n型不純物としては、例えばリン(P)イオン又は砒素(As)イオンを用いる。また、イオン注入の際には、例えば、加速電圧を1keV〜5keVとし、ドーズ量を5×1014cm-2〜9×1014cm-2とする。また、低濃度不純物拡散領域7における接合深さは、20nm以下とすることが好ましい。
【0016】
その後、熱化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法により、全面にシリコン酸化膜を形成し、これをエッチバックすることにより、図1Fに示すように、ゲート電極6の両側壁面に側壁絶縁膜8を形成する。シリコン酸化膜の形成に当たっては、例えば、シリコン基板1の温度を530℃とし、チャンバ内にビス・ターシャル・ブチル・アミノ・シラン(BTBAS:Bis tertial butyl amino silane)ガスを60sccmの流量で共有し、O2ガスを240sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を20Paとする。また、このシリコン酸化膜の厚さは、90nm程度とする。
【0017】
続いて、所定の素子領域1aのみを露出させるレジスト膜を形成し、これとゲート電極6及び側壁絶縁膜8をマスクとして、n型不純物のイオン注入を行うことにより、図1Gに示すように、高濃度不純物拡散領域9をゲート電極6の両脇に形成する。n型不純物としては、例えばリン(P)イオン又は砒素(As)イオンを用いる。また、リンイオンの注入の際には、例えば、加速電圧を6keV〜15keVとし、ドーズ量を5×1013cm-2〜5×1016cm-2とする。一方、砒素イオンの注入の際には、例えば、加速電圧を35keV〜40keVとし、ドーズ量を5×1013cm-2〜5×1016cm-2とする。一組の低濃度不純物拡散領域7及び高濃度不純物拡散領域9からソース領域が構成され、もう一組の組み合わせからドレイン領域が構成される。また、側壁絶縁膜8の下方に残った低濃度不純物拡散領域7はエクステンション領域として機能する。
【0018】
次いで、図1Hに示すように、素子分離絶縁膜2、ゲート電極6、側壁絶縁膜8及び高濃度不純物拡散領域9を覆うニッケル(Ni)膜11を、例えばスパッタリング法により形成する。ニッケル膜11の厚さは、10nm〜50nm程度とする。その後、ニッケル膜11上に、チタン(Ti)窒化膜12を、例えば反応性スパッタリング法により形成する。チタン窒化膜12の厚さは、5nm〜20nm程度とする。チタン窒化膜12は、ニッケル膜11の自然酸化を防止する保護膜として機能する。
【0019】
続いて、Arガス等の不活性ガスの雰囲気中、0.3Pa〜10Paの圧力下、220℃〜270℃の温度で120秒間〜300秒間、好ましくは240℃の温度で120秒間〜180秒間の熱処理を行う。この結果、図1Iに示すように、ニッケル膜11が高濃度不純物拡散領域9及びゲート電極6の表面と反応し、ソース領域の表面にシリサイド膜13sが形成され、ドレイン領域の表面にシリサイド膜13dが形成され、ゲート電極6の表面にシリサイド膜13gが形成される。これらのシリサイド膜13s、13d及び13gの主成分は、ダイニッケルシリサイド(Ni2Si)である。また、シリサイド膜13s、13d及び13gの厚さは、12nm〜20nm程度となる。
【0020】
次いで、図1Jに示すように、未反応のニッケル膜11及びチタン窒化膜12をウェットエッチングにより除去する。エッチャントとしては、例えば、硫酸及び過酸化水素水からなる硫酸過水(SPM:Sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture)を用いる。
【0021】
次いで、Arガス等の不活性ガスの雰囲気中、0.3Pa〜10Paの圧力下、300℃〜400℃の温度で30秒〜60秒間の熱処理を行う。この結果、図1Kに示すように、シリサイド膜13s、13d及び13gが、ニッケルモノシリサイド(NiSi)を主成分とするシリサイド膜14s、14d及び14gに変化する。
【0022】
その後、図1Lに示すように、素子分離絶縁膜2、側壁絶縁膜8並びにシリサイド膜14s、14d及び14gを覆うシリコン窒化膜15を、例えばプラズマCVD法により形成する。シリコン窒化膜15の形成に当たっては、例えば、シリコン基板1の温度を400℃とし、チャンバ内にSiH4ガスを155sccmの流量で供給し、NH3ガスを940sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を400Paとする。また、印加パワーを100Wとする。
【0023】
続いて、図1Mに示すように、シリコン窒化膜15を覆う層間絶縁膜21を、例えば高密度プラズマCVD法により形成する。層間絶縁膜21としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。この場合、例えば、チャンバ内にSiH4ガスを100sccmの流量で供給し、O2ガスを230sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を0.3Paとする。
【0024】
次いで、図1Nに示すように、層間絶縁膜21及びシリコン窒化膜15に、例えばマグネトロン反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法によりシリサイド膜14s、14d及び14gに到達するコンタクトホール22を形成する(ステップS1)。コンタクトホール22の径は70nm〜120nm程度とする。
【0025】
その後、図1Oに示すように、コンタクトホール22の側面及び下面並びに層間絶縁膜21上にバリアメタル膜23を形成する(ステップS2)。バリアメタル膜23の形成に当たっては、例えば、自己イオン化プラズマ(SIP:Self-Ionized Plasma)スパッタリング法又はプラズマCVD法によりチタン膜を形成し、その上に有機金属化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法又は自己イオン化プラズマスパッタリング法によりチタン窒化膜を形成する。この場合、各膜の作用を厳密に分離することはできないが、主にチタン膜がコンタクトメタル膜として機能し、主にチタン窒化膜が密着膜及びバリアメタル膜として機能する。
【0026】
SIPスパッタリング法によりチタン膜を形成する場合、例えば、DCパワーを18kWとし、バイアスパワーを300Wとし、チャンバ内にArガスを20sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を1×10-6Paとする。また、プラズマCVD法によりチタン膜を形成する場合、例えば、シリコン基板1の温度を350℃〜700℃とし、チャンバ内に四塩化チタン(TiCl4)ガス及び希釈ガス(Ar又はHe)を供給し、還元ガスとして水素(H2)ガスを供給し、チャンバ内の圧力を650Paとする。また、四塩化チタンガスと希釈ガスとの流量比は、1:250程度とする。なお、シリサイド膜14s、14d及び14gの耐熱性を考慮すると、シリコン基板1の温度は650℃以下とすることが好ましい。
【0027】
MOCVD法によりチタン窒化膜を形成する場合、例えば、テトラキス・ディメチラミノ・チタニウム(Ti(NMe2)4[TDMAT:Tetrakis-Dimethylamino-Titanium])を原料として用いる。そして、例えば、シリコン基板1の温度を300℃〜400℃とし、チャンバ内にN2ガスを500sccm〜1500sccmの流量で供給し、TDMAT原料を200sccmの流量のヘリウムガス(バブリングガス)を用いてチャンバ内に供給し、チャンバ内の圧力を600Pa〜700Paとする。また、SIPスパッタリング法によりチタン窒化膜を形成する場合、例えば、DCパワーを18kWとし、バイアスパワーを100Wとし、チャンバ内にArガスを10sccmの流量で供給し、N2ガスを75sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を1×10-6Paとする。
【0028】
バリアメタル膜23の形成後には、図1Pに示すように、バリアメタル膜23を覆うニッケル膜24を、例えばスパッタリング法により形成する(ステップS3)。ニッケル膜24の形成に当たっては、例えば、DCパワーを400W〜1000Wとし、チャンバ内の圧力を10-8Paとする。ニッケル膜24の厚さは、2nm〜10nm程度、好ましくは2nmとする。なお、ニッケル膜24に代えて、コバルト(Co)膜を形成してもよい。Co膜は、例えば、スパッタリング法により、DCパワーを200W〜500Wとし、チャンバ内の圧力を10-7Paとして形成することができる。
【0029】
次いで、ニッケル膜24を覆うと共に、コンタクトホール22を埋め込むタングステン膜25を、例えば熱CVD法により形成する(ステップS4)。タングステン膜25は、例えば2段階に分けて形成する。第1段階では、チャンバ内へのSiH4ガスの供給(流量:90sccm)とWF6ガスの供給(流量:30sccm)とを交互に行って、カバレッジが良好なタングステン膜を5nm〜15nmの厚さで形成する。第2段階では、チャンバ内にWF6ガスを90sccmの流量で供給すると共に、H2ガスを750sccmの流量で供給して、成膜速度が速いタングステン膜を形成する。なお、ニッケル膜24の表層部又は全体が、タングステン膜25の形成時に用いられるシランによってシリサイド化することもある。このような場合には、厳密にはニッケル膜24の表層部又は全体がニッケル化合物領域となるが、本発明の効果に悪影響を及ぼすことはなく、以下の説明では、ニッケル化合物領域も含めてニッケル膜24という。
【0030】
その後、図1Rに示すように、化学機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法により層間絶縁膜21上のバリアメタル膜23、ニッケル膜24及びタングステン膜25を除去する。つまり、バリアメタル膜23、ニッケル膜24及びタングステン膜25のうちでコンタクトホール22からはみ出している部分を除去する。本実施形態では、コンタクトホール22内に残ったバリアメタル膜23、ニッケル膜24及びタングステン膜25からコンタクトプラグ26が構成される。また、ニッケル膜24及びタングステン膜25からバリアメタル膜23とは別の導電膜が構成される。
【0031】
続いて、図1Sに示すように、層間絶縁膜21上に層間絶縁膜31を形成し、この層間絶縁膜31をパターニングすることにより、コンタクトプラグ26を露出する配線溝32を形成する。次いで、配線溝32内及び層間絶縁膜31上に、タンタル(Ta)等からなるバリアメタル膜33及び銅膜34を形成し、層間絶縁膜31が露出するまでこれらの研磨を行う。このようにして、ダマシン法により配線が形成される。
【0032】
その後、同じく図1Sに示すように、層間絶縁膜31上に層間絶縁膜41を形成し、この層間絶縁膜41をパターニングすることにより、配線溝32内の配線の一部を露出するコンタクトホール42を形成する。続いて、コンタクトホール42内及び層間絶縁膜41上に、タンタル(Ta)等からなるバリアメタル膜43及び銅膜44を形成し、層間絶縁膜41が露出するまでこれらの研磨を行う。このようにして、ダマシン法によりコンタクトプラグが形成される。
【0033】
次いで、同じく図1Sに示すように、層間絶縁膜41上に、コンタクトホール42内のコンタクトプラグに接続されるアルミニウム配線51を形成する。このようにして、シリサイド膜14s、14d及び14gがコンタクトプラグ26等を介してアルミニウム配線51に接続される。
【0034】
その後、必要に応じた配線の形成及びパッシベーション膜の形成等を行い、半導体装置を完成させる。
【0035】
このような本実施形態では、微細化の要求が高いコンタクトプラグ26の形成に当たり、バリアメタル膜23とタングステン膜25との間にニッケル膜24を形成している。このため、後述の実験結果からも明らかなように、コンタクト抵抗を低減することができる。つまり、コンタクトホール22を小さなものとしても、コンタクトプラグ26とソース領域及びドレイン領域との間のコンタクト抵抗の上昇を抑制することができる。
【0036】
なお、タングステン膜25の形成の際に、シラン(SiH4)ガスに代えてジボラン(B2H6)ガスを用いてもよい。また、各半導体の導電型は上記のものに限定されない。つまり、nチャネルMOSトランジスタだけでなく、pチャネルMOSトランジスタに本発明を適用することも可能である。また、バリアメタル膜23として、チタン窒化膜のみを形成してもよい。また、チタン窒化膜に代えてタンタル窒化膜を形成してもよい。また、バリアメタル膜23及びニッケル膜24の形成の際に、物理気相成長(PVD:Physical Vapor Deposition)法を採用してもよい。
【0037】
また、本発明が適用可能なプラグは半導体基板に接するコンタクトプラグだけではなく、配線間の導通を確保するプラグに本発明を適用することも可能である。例えば、図3Aに示すように、層間絶縁膜61の表面に配線62が形成されており、その上層配線との接続に本発明を適用することも可能である。この場合には、先ず、図3Bに示すように、層間絶縁膜61及び配線62を覆う層間絶縁膜63を形成し、層間絶縁膜63に、配線62の一部を露出するコンタクトホール64を形成する。次いで、図3Cに示すように、バリアメタル膜65、ニッケル膜66及びタングステン膜67からなるコンタクトプラグ68をコンタクトホール64内に形成する。コンタクトプラグ68の形成は、コンタクトプラグ26の形成と同様にして行う。そして、図3Dに示すように、層間絶縁膜63上に、コンタクトプラグ68に接続される配線69を形成する。
【0038】
次に、本願発明者が実際に行った実験の結果について説明する。
【0039】
(第1の実験)
第1の実験では、2種類の試料を作製した。一方の試料(参考試料)では、基板上に下地膜としてチタン窒化膜を形成し、その上にタングステン膜を形成した。他方の試料では、参考試料と同様にしてチタン窒化膜を形成した後、その上に厚さが2nmのニッケル膜を形成した。次いで、ニッケル膜の上に、参考試料と同様の条件でタングステン膜を形成した。そして、各試料について、タングステン膜の形成時間と比抵抗及び厚さの関係を測定した。図4A及び図4Bにこれらの結果を示す。図4Aは、タングステン膜の形成時間とタングステン膜比抵抗との関係を示すグラフであり、図4Bは、タングステン膜の形成時間とタングステン膜の厚さとの関係を示すグラフである。図4A及び図4Bにおいて、●がニッケル膜を含む試料の結果を示し、▲がニッケル膜を含まない参考試料の結果を示す。
【0040】
図4Aに示すように、ニッケル膜を含む試料においてタングステン膜自体の比抵抗が大きく低下した。また、図4Bに示すように、ニッケル膜の有無に拘わらず、タングステン膜の厚さに大きな相違は生じなかった。これらの結果から、ニッケル膜を設けることにより、タングステン膜の形成速度が低下することなく、タングステン膜自体の比抵抗が低下するといえる。
【0041】
(第2の実験)
第2の実験では、上記の実施形態に倣ってnチャネルMOSトランジスタの試料を作製した。また、参考試料として、ニッケル膜24の形成を省略したnチャネルMOSトランジスタの試料も作製した。ニッケル膜24の有無を除き、2つの試料間の条件は同一とした。そして、各試料のケルビンコンタクト抵抗を測定した。この結果を図5に示す。図5においても、●がニッケル膜を含む試料の結果を示し、▲がニッケル膜を含まない参考試料の結果を示す。
【0042】
図5に示すように、ニッケル膜を含む試料においてコンタクト抵抗が低下した。また、コンタクト抵抗のばらつきが小さくなり、コンタクト抵抗がより安定したものとなった。
【0043】
第1及び第2の実験からも、ニッケル膜がバリアメタル膜(チタン窒化膜)とタングステン膜との間に存在すると、コンタクト抵抗が低下することが明らかである。
【0044】
なお、特許文献1には、SiC基板上にNiの加熱反応母材を形成し、これをSiC基板と反応させて加熱反応層を形成することが記載されている。未反応の加熱反応母材を残したまま、Wのプラグ材を形成することも記載されている。この技術では、未反応の加熱反応母材とプラグ材とが直接接することもあり得るが、特許文献1には、バリアメタル膜に関する記載がない。Wプラグを形成する際にはバリアメタル膜は必須であるため、特許文献1に記載の技術においてバリアメタル膜を行うことも考えられるが、この場合には、必然的にバリアメタル膜は未反応の加熱反応母材とプラグ材との間に位置することとなる。このような構成では、バリアメタル膜とプラグ材とが直接接することとなるため、本願発明のようにコンタクト抵抗を低下させることはできない。
【0045】
また、特許文献2には、シリコンカーバイド基板とアルミニウム電極との間のオーミックコンタクトを得るために、アルミニウム電極を形成する前にニッケル膜を形成することが記載されているが、バリアメタル膜、ニッケル膜及びタングステン膜の関係に関する記載はない。
【0046】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0047】
(付記1)
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部内に、バリアメタル膜を成膜する第1の成膜工程と、
前記バリアメタル膜上に金属膜を成膜する第2の成膜工程と、
前記金属膜上にタングステン膜を成膜する第3の成膜工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0048】
(付記2)
前記金属膜として、ニッケル膜又はコバルト膜を形成することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0049】
(付記3)
前記バリアメタル膜として、チタン又はタンタルを含む窒化膜を形成することを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【0050】
(付記4)
前記第3の成膜工程において、化学気相成長法を採用することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0051】
(付記5)
前記絶縁膜として、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を形成することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0052】
(付記6)
前記第1及び第2の成膜工程において、化学気相成長法又は物理気相成長法を採用することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0053】
(付記7)
前記バリアメタル膜、金属膜及びタングステン膜のうちで、前記開口部からはみ出している部分を除去する工程を有することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0054】
(付記8)
前記金属膜の厚さを2nm乃至10nmとすることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0055】
(付記9)
前記金属膜として、比抵抗が20μΩ・cm乃至50μΩ・cmの膜を形成することを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0056】
(付記10)
前記バリアメタル膜を成膜する工程は、
チタン膜を形成する工程と、
前記チタン膜上にチタン窒化膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0057】
(付記11)
半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜に形成された開口部と、
少なくとも前記開口部内に形成されたバリアメタル膜と、
前記バリアメタル膜上に形成されたタングステンを含む導電膜と、
を有し、
前記導電膜は、
前記バリアメタル膜と接する金属又は金属化合物領域と、
前記金属又は金属化合物領域上に形成されたタングステン領域と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【0058】
(付記12)
前記金属又は金属化合物領域が、ニッケル又はコバルトを含むことを特徴とする付記11に記載の半導体装置。
【0059】
(付記13)
前記バリアメタル膜が、チタン又はタンタルを含む窒化膜であることを特徴とする付記11又は12に記載の半導体装置。
【0060】
(付記14)
前記絶縁膜が、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜であることを特徴とする付記11乃至13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0061】
(付記15)
前記金属又は金属化合物領域の厚さが、2nm乃至10nmであることを特徴とする付記11乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0062】
(付記16)
前記金属又は金属化合物領域の比抵抗が、20μΩ・cm乃至50μΩ・cmであることを特徴とする付記11乃至15のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0063】
(付記17)
前記バリアメタル膜が、
チタン膜と、
前記チタン膜上に形成されたチタン窒化膜と、
を有することを特徴とする付記11乃至16のいずれか1項に記載の半導体装置。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1A】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1B】図1Aに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1C】図1Bに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1D】図1Cに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1E】図1Dに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1F】図1Eに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1G】図1Fに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1H】図1Gに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1I】図1Hに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1J】図1Iに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1K】図1Jに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1L】図1Kに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1M】図1Lに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1N】図1Mに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1O】図1Nに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1P】図1Oに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1Q】図1Pに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1R】図1Qに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1S】図1Rに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部の処理を示すフローチャートである。
【図3A】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3B】図3Aに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3C】図3Bに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3D】図3Cに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4A】タングステン膜の形成時間と比抵抗との関係を示すグラフである。
【図4B】タングステン膜の形成時間と厚さとの関係を示すグラフである。
【図5】コンタクト抵抗の分布を示すグラフである。
【符号の説明】
【0065】
1:シリコン基板
14s、14d、14g:シリサイド膜
22:コンタクトホール
23:バリアメタル膜
24:ニッケル膜
25:タングステン膜
26:コンタクトプラグ
64:コンタクトホール
65:バリアメタル膜
66:ニッケル膜
67:タングステン膜
68:コンタクトプラグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細化に好適な半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MOS電界効果トランジスタのソース、ドレイン及びゲートの表面にシリサイド膜が形成されている。これは、これらに接続されるプラグとの間のコンタクト抵抗を低減するためである。シリサイド膜の材料としては、ニッケルモノシリサイド(NiSi)等が用いられている。また、プラグは、タングステン(W)膜及びバリアメタル膜とから構成されている。バリアメタル膜としては、チタン(Ti)窒化膜等が用いられている。バリアメタル膜は、タングステン膜と周囲との間の反応を抑制すると共に、タングステン膜とシリサイド膜との間の密着性を確保している。
【0003】
しかしながら、近年では、半導体装置の微細化に伴ってコンタクトホールの径が小さくなっており、シリサイド膜を設けてもコンタクト抵抗を十分に低減することができなくなってきている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−217129号公報
【特許文献2】特開2005−268430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、コンタクト抵抗をより一層低減することができる半導体装置及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者は、上記課題を解決すべく、鋭意検討を重ねた結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0007】
本発明に係る半導体装置の製造方法では、半導体基板上に絶縁膜を形成し、その後、前記絶縁膜に開口部を形成する。次に、前記開口部内に、バリアメタル膜を成膜する。次に、前記バリアメタル膜上に金属膜を成膜する。次に、前記金属膜上にタングステン膜を成膜する。
【0008】
本発明に係る半導体装置では、半導体基板上に絶縁膜が形成され、この絶縁膜に開口部が形成されている。また、少なくとも前記開口部内にバリアメタル膜が形成され、前記バリアメタル膜上にタングステンを含む導電膜が形成されている。そして、前記導電膜には、前記バリアメタル膜と接する金属又は金属化合物領域と、前記金属又は金属化合物領域上に形成されたタングステン領域と、が含まれている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バリアメタル膜とタングステン膜(タングステン領域)との間に金属膜(金属又は金属化合物領域)が形成されるため、金属膜(金属又は金属化合物領域)の作用によりタングステン膜(タングステン領域)とその下の導電領域(不純物拡散領域又は配線等)との間のコンタクト抵抗を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して具体的に説明する。なお、半導体装置の構造については、その製造方法と共に説明する。図1A乃至図1Sは、本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す断面図である。また、図2は、半導体装置の製造方法の一部の処理を示すフローチャートである。
【0011】
本実施形態では、先ず、図1Aに示すように、p型シリコン(Si)基板1上に、シャロートレンチアイソレーション(STI:Shallow Trench Isolation)法により素子分離絶縁膜2を形成する。素子分離絶縁膜2により、nチャネルMOSトランジスタが形成される素子領域1aが画定される。
【0012】
次いで、図1Bに示すように、シリコン基板1上に、素子領域1a及び素子分離絶縁膜2を覆い、SiO2等からなるシリコン酸化膜3を形成する。シリコン酸化膜3の形成に当たっては、例えば、ジクロロエチレン又はトリクロロエチレンを含有するウェット熱酸化法を採用する。このとき、例えば、シリコン基板1の温度を750℃〜900℃とし、チャンバ内にO2ガスを10000sccmの流量で供給し、H2ガスを1000sccmの流量で供給する。シリコン酸化膜3の厚さは、1nm〜3nm程度とする。なお、シリコン酸化膜3に代えて、SiON等からなるシリコン酸窒化膜を形成してもよい。
【0013】
その後、図1Cに示すように、シリコン酸化膜3上に、多結晶シリコン膜4を形成する。多結晶シリコン膜4の形成に当たっては、例えば、SiH4の熱分解反応を利用する。このとき、例えば、シリコン基板1の温度を600℃とし、チャンバ内にSiH4ガスを100sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を30Paとする。多結晶シリコン膜4の厚さは、100nm程度とする。
【0014】
続いて、図1Dに示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて多結晶シリコン膜4及びシリコン酸化膜3をパターニングすることにより、ゲート電極6及びゲート絶縁膜5を形成する。ゲート電極6のゲート長は、例えば35nmとする。
【0015】
次いで、所定の素子領域1aのみを露出させるレジスト膜を形成し、これとゲート電極6をマスクとして、n型不純物のイオン注入を行うことにより、図1Eに示すように、低濃度不純物拡散領域7をゲート電極6の両脇に形成する。n型不純物としては、例えばリン(P)イオン又は砒素(As)イオンを用いる。また、イオン注入の際には、例えば、加速電圧を1keV〜5keVとし、ドーズ量を5×1014cm-2〜9×1014cm-2とする。また、低濃度不純物拡散領域7における接合深さは、20nm以下とすることが好ましい。
【0016】
その後、熱化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法により、全面にシリコン酸化膜を形成し、これをエッチバックすることにより、図1Fに示すように、ゲート電極6の両側壁面に側壁絶縁膜8を形成する。シリコン酸化膜の形成に当たっては、例えば、シリコン基板1の温度を530℃とし、チャンバ内にビス・ターシャル・ブチル・アミノ・シラン(BTBAS:Bis tertial butyl amino silane)ガスを60sccmの流量で共有し、O2ガスを240sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を20Paとする。また、このシリコン酸化膜の厚さは、90nm程度とする。
【0017】
続いて、所定の素子領域1aのみを露出させるレジスト膜を形成し、これとゲート電極6及び側壁絶縁膜8をマスクとして、n型不純物のイオン注入を行うことにより、図1Gに示すように、高濃度不純物拡散領域9をゲート電極6の両脇に形成する。n型不純物としては、例えばリン(P)イオン又は砒素(As)イオンを用いる。また、リンイオンの注入の際には、例えば、加速電圧を6keV〜15keVとし、ドーズ量を5×1013cm-2〜5×1016cm-2とする。一方、砒素イオンの注入の際には、例えば、加速電圧を35keV〜40keVとし、ドーズ量を5×1013cm-2〜5×1016cm-2とする。一組の低濃度不純物拡散領域7及び高濃度不純物拡散領域9からソース領域が構成され、もう一組の組み合わせからドレイン領域が構成される。また、側壁絶縁膜8の下方に残った低濃度不純物拡散領域7はエクステンション領域として機能する。
【0018】
次いで、図1Hに示すように、素子分離絶縁膜2、ゲート電極6、側壁絶縁膜8及び高濃度不純物拡散領域9を覆うニッケル(Ni)膜11を、例えばスパッタリング法により形成する。ニッケル膜11の厚さは、10nm〜50nm程度とする。その後、ニッケル膜11上に、チタン(Ti)窒化膜12を、例えば反応性スパッタリング法により形成する。チタン窒化膜12の厚さは、5nm〜20nm程度とする。チタン窒化膜12は、ニッケル膜11の自然酸化を防止する保護膜として機能する。
【0019】
続いて、Arガス等の不活性ガスの雰囲気中、0.3Pa〜10Paの圧力下、220℃〜270℃の温度で120秒間〜300秒間、好ましくは240℃の温度で120秒間〜180秒間の熱処理を行う。この結果、図1Iに示すように、ニッケル膜11が高濃度不純物拡散領域9及びゲート電極6の表面と反応し、ソース領域の表面にシリサイド膜13sが形成され、ドレイン領域の表面にシリサイド膜13dが形成され、ゲート電極6の表面にシリサイド膜13gが形成される。これらのシリサイド膜13s、13d及び13gの主成分は、ダイニッケルシリサイド(Ni2Si)である。また、シリサイド膜13s、13d及び13gの厚さは、12nm〜20nm程度となる。
【0020】
次いで、図1Jに示すように、未反応のニッケル膜11及びチタン窒化膜12をウェットエッチングにより除去する。エッチャントとしては、例えば、硫酸及び過酸化水素水からなる硫酸過水(SPM:Sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture)を用いる。
【0021】
次いで、Arガス等の不活性ガスの雰囲気中、0.3Pa〜10Paの圧力下、300℃〜400℃の温度で30秒〜60秒間の熱処理を行う。この結果、図1Kに示すように、シリサイド膜13s、13d及び13gが、ニッケルモノシリサイド(NiSi)を主成分とするシリサイド膜14s、14d及び14gに変化する。
【0022】
その後、図1Lに示すように、素子分離絶縁膜2、側壁絶縁膜8並びにシリサイド膜14s、14d及び14gを覆うシリコン窒化膜15を、例えばプラズマCVD法により形成する。シリコン窒化膜15の形成に当たっては、例えば、シリコン基板1の温度を400℃とし、チャンバ内にSiH4ガスを155sccmの流量で供給し、NH3ガスを940sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を400Paとする。また、印加パワーを100Wとする。
【0023】
続いて、図1Mに示すように、シリコン窒化膜15を覆う層間絶縁膜21を、例えば高密度プラズマCVD法により形成する。層間絶縁膜21としては、例えばシリコン酸化膜を形成する。この場合、例えば、チャンバ内にSiH4ガスを100sccmの流量で供給し、O2ガスを230sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を0.3Paとする。
【0024】
次いで、図1Nに示すように、層間絶縁膜21及びシリコン窒化膜15に、例えばマグネトロン反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法によりシリサイド膜14s、14d及び14gに到達するコンタクトホール22を形成する(ステップS1)。コンタクトホール22の径は70nm〜120nm程度とする。
【0025】
その後、図1Oに示すように、コンタクトホール22の側面及び下面並びに層間絶縁膜21上にバリアメタル膜23を形成する(ステップS2)。バリアメタル膜23の形成に当たっては、例えば、自己イオン化プラズマ(SIP:Self-Ionized Plasma)スパッタリング法又はプラズマCVD法によりチタン膜を形成し、その上に有機金属化学気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法又は自己イオン化プラズマスパッタリング法によりチタン窒化膜を形成する。この場合、各膜の作用を厳密に分離することはできないが、主にチタン膜がコンタクトメタル膜として機能し、主にチタン窒化膜が密着膜及びバリアメタル膜として機能する。
【0026】
SIPスパッタリング法によりチタン膜を形成する場合、例えば、DCパワーを18kWとし、バイアスパワーを300Wとし、チャンバ内にArガスを20sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を1×10-6Paとする。また、プラズマCVD法によりチタン膜を形成する場合、例えば、シリコン基板1の温度を350℃〜700℃とし、チャンバ内に四塩化チタン(TiCl4)ガス及び希釈ガス(Ar又はHe)を供給し、還元ガスとして水素(H2)ガスを供給し、チャンバ内の圧力を650Paとする。また、四塩化チタンガスと希釈ガスとの流量比は、1:250程度とする。なお、シリサイド膜14s、14d及び14gの耐熱性を考慮すると、シリコン基板1の温度は650℃以下とすることが好ましい。
【0027】
MOCVD法によりチタン窒化膜を形成する場合、例えば、テトラキス・ディメチラミノ・チタニウム(Ti(NMe2)4[TDMAT:Tetrakis-Dimethylamino-Titanium])を原料として用いる。そして、例えば、シリコン基板1の温度を300℃〜400℃とし、チャンバ内にN2ガスを500sccm〜1500sccmの流量で供給し、TDMAT原料を200sccmの流量のヘリウムガス(バブリングガス)を用いてチャンバ内に供給し、チャンバ内の圧力を600Pa〜700Paとする。また、SIPスパッタリング法によりチタン窒化膜を形成する場合、例えば、DCパワーを18kWとし、バイアスパワーを100Wとし、チャンバ内にArガスを10sccmの流量で供給し、N2ガスを75sccmの流量で供給し、チャンバ内の圧力を1×10-6Paとする。
【0028】
バリアメタル膜23の形成後には、図1Pに示すように、バリアメタル膜23を覆うニッケル膜24を、例えばスパッタリング法により形成する(ステップS3)。ニッケル膜24の形成に当たっては、例えば、DCパワーを400W〜1000Wとし、チャンバ内の圧力を10-8Paとする。ニッケル膜24の厚さは、2nm〜10nm程度、好ましくは2nmとする。なお、ニッケル膜24に代えて、コバルト(Co)膜を形成してもよい。Co膜は、例えば、スパッタリング法により、DCパワーを200W〜500Wとし、チャンバ内の圧力を10-7Paとして形成することができる。
【0029】
次いで、ニッケル膜24を覆うと共に、コンタクトホール22を埋め込むタングステン膜25を、例えば熱CVD法により形成する(ステップS4)。タングステン膜25は、例えば2段階に分けて形成する。第1段階では、チャンバ内へのSiH4ガスの供給(流量:90sccm)とWF6ガスの供給(流量:30sccm)とを交互に行って、カバレッジが良好なタングステン膜を5nm〜15nmの厚さで形成する。第2段階では、チャンバ内にWF6ガスを90sccmの流量で供給すると共に、H2ガスを750sccmの流量で供給して、成膜速度が速いタングステン膜を形成する。なお、ニッケル膜24の表層部又は全体が、タングステン膜25の形成時に用いられるシランによってシリサイド化することもある。このような場合には、厳密にはニッケル膜24の表層部又は全体がニッケル化合物領域となるが、本発明の効果に悪影響を及ぼすことはなく、以下の説明では、ニッケル化合物領域も含めてニッケル膜24という。
【0030】
その後、図1Rに示すように、化学機械的研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法により層間絶縁膜21上のバリアメタル膜23、ニッケル膜24及びタングステン膜25を除去する。つまり、バリアメタル膜23、ニッケル膜24及びタングステン膜25のうちでコンタクトホール22からはみ出している部分を除去する。本実施形態では、コンタクトホール22内に残ったバリアメタル膜23、ニッケル膜24及びタングステン膜25からコンタクトプラグ26が構成される。また、ニッケル膜24及びタングステン膜25からバリアメタル膜23とは別の導電膜が構成される。
【0031】
続いて、図1Sに示すように、層間絶縁膜21上に層間絶縁膜31を形成し、この層間絶縁膜31をパターニングすることにより、コンタクトプラグ26を露出する配線溝32を形成する。次いで、配線溝32内及び層間絶縁膜31上に、タンタル(Ta)等からなるバリアメタル膜33及び銅膜34を形成し、層間絶縁膜31が露出するまでこれらの研磨を行う。このようにして、ダマシン法により配線が形成される。
【0032】
その後、同じく図1Sに示すように、層間絶縁膜31上に層間絶縁膜41を形成し、この層間絶縁膜41をパターニングすることにより、配線溝32内の配線の一部を露出するコンタクトホール42を形成する。続いて、コンタクトホール42内及び層間絶縁膜41上に、タンタル(Ta)等からなるバリアメタル膜43及び銅膜44を形成し、層間絶縁膜41が露出するまでこれらの研磨を行う。このようにして、ダマシン法によりコンタクトプラグが形成される。
【0033】
次いで、同じく図1Sに示すように、層間絶縁膜41上に、コンタクトホール42内のコンタクトプラグに接続されるアルミニウム配線51を形成する。このようにして、シリサイド膜14s、14d及び14gがコンタクトプラグ26等を介してアルミニウム配線51に接続される。
【0034】
その後、必要に応じた配線の形成及びパッシベーション膜の形成等を行い、半導体装置を完成させる。
【0035】
このような本実施形態では、微細化の要求が高いコンタクトプラグ26の形成に当たり、バリアメタル膜23とタングステン膜25との間にニッケル膜24を形成している。このため、後述の実験結果からも明らかなように、コンタクト抵抗を低減することができる。つまり、コンタクトホール22を小さなものとしても、コンタクトプラグ26とソース領域及びドレイン領域との間のコンタクト抵抗の上昇を抑制することができる。
【0036】
なお、タングステン膜25の形成の際に、シラン(SiH4)ガスに代えてジボラン(B2H6)ガスを用いてもよい。また、各半導体の導電型は上記のものに限定されない。つまり、nチャネルMOSトランジスタだけでなく、pチャネルMOSトランジスタに本発明を適用することも可能である。また、バリアメタル膜23として、チタン窒化膜のみを形成してもよい。また、チタン窒化膜に代えてタンタル窒化膜を形成してもよい。また、バリアメタル膜23及びニッケル膜24の形成の際に、物理気相成長(PVD:Physical Vapor Deposition)法を採用してもよい。
【0037】
また、本発明が適用可能なプラグは半導体基板に接するコンタクトプラグだけではなく、配線間の導通を確保するプラグに本発明を適用することも可能である。例えば、図3Aに示すように、層間絶縁膜61の表面に配線62が形成されており、その上層配線との接続に本発明を適用することも可能である。この場合には、先ず、図3Bに示すように、層間絶縁膜61及び配線62を覆う層間絶縁膜63を形成し、層間絶縁膜63に、配線62の一部を露出するコンタクトホール64を形成する。次いで、図3Cに示すように、バリアメタル膜65、ニッケル膜66及びタングステン膜67からなるコンタクトプラグ68をコンタクトホール64内に形成する。コンタクトプラグ68の形成は、コンタクトプラグ26の形成と同様にして行う。そして、図3Dに示すように、層間絶縁膜63上に、コンタクトプラグ68に接続される配線69を形成する。
【0038】
次に、本願発明者が実際に行った実験の結果について説明する。
【0039】
(第1の実験)
第1の実験では、2種類の試料を作製した。一方の試料(参考試料)では、基板上に下地膜としてチタン窒化膜を形成し、その上にタングステン膜を形成した。他方の試料では、参考試料と同様にしてチタン窒化膜を形成した後、その上に厚さが2nmのニッケル膜を形成した。次いで、ニッケル膜の上に、参考試料と同様の条件でタングステン膜を形成した。そして、各試料について、タングステン膜の形成時間と比抵抗及び厚さの関係を測定した。図4A及び図4Bにこれらの結果を示す。図4Aは、タングステン膜の形成時間とタングステン膜比抵抗との関係を示すグラフであり、図4Bは、タングステン膜の形成時間とタングステン膜の厚さとの関係を示すグラフである。図4A及び図4Bにおいて、●がニッケル膜を含む試料の結果を示し、▲がニッケル膜を含まない参考試料の結果を示す。
【0040】
図4Aに示すように、ニッケル膜を含む試料においてタングステン膜自体の比抵抗が大きく低下した。また、図4Bに示すように、ニッケル膜の有無に拘わらず、タングステン膜の厚さに大きな相違は生じなかった。これらの結果から、ニッケル膜を設けることにより、タングステン膜の形成速度が低下することなく、タングステン膜自体の比抵抗が低下するといえる。
【0041】
(第2の実験)
第2の実験では、上記の実施形態に倣ってnチャネルMOSトランジスタの試料を作製した。また、参考試料として、ニッケル膜24の形成を省略したnチャネルMOSトランジスタの試料も作製した。ニッケル膜24の有無を除き、2つの試料間の条件は同一とした。そして、各試料のケルビンコンタクト抵抗を測定した。この結果を図5に示す。図5においても、●がニッケル膜を含む試料の結果を示し、▲がニッケル膜を含まない参考試料の結果を示す。
【0042】
図5に示すように、ニッケル膜を含む試料においてコンタクト抵抗が低下した。また、コンタクト抵抗のばらつきが小さくなり、コンタクト抵抗がより安定したものとなった。
【0043】
第1及び第2の実験からも、ニッケル膜がバリアメタル膜(チタン窒化膜)とタングステン膜との間に存在すると、コンタクト抵抗が低下することが明らかである。
【0044】
なお、特許文献1には、SiC基板上にNiの加熱反応母材を形成し、これをSiC基板と反応させて加熱反応層を形成することが記載されている。未反応の加熱反応母材を残したまま、Wのプラグ材を形成することも記載されている。この技術では、未反応の加熱反応母材とプラグ材とが直接接することもあり得るが、特許文献1には、バリアメタル膜に関する記載がない。Wプラグを形成する際にはバリアメタル膜は必須であるため、特許文献1に記載の技術においてバリアメタル膜を行うことも考えられるが、この場合には、必然的にバリアメタル膜は未反応の加熱反応母材とプラグ材との間に位置することとなる。このような構成では、バリアメタル膜とプラグ材とが直接接することとなるため、本願発明のようにコンタクト抵抗を低下させることはできない。
【0045】
また、特許文献2には、シリコンカーバイド基板とアルミニウム電極との間のオーミックコンタクトを得るために、アルミニウム電極を形成する前にニッケル膜を形成することが記載されているが、バリアメタル膜、ニッケル膜及びタングステン膜の関係に関する記載はない。
【0046】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0047】
(付記1)
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部内に、バリアメタル膜を成膜する第1の成膜工程と、
前記バリアメタル膜上に金属膜を成膜する第2の成膜工程と、
前記金属膜上にタングステン膜を成膜する第3の成膜工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【0048】
(付記2)
前記金属膜として、ニッケル膜又はコバルト膜を形成することを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
【0049】
(付記3)
前記バリアメタル膜として、チタン又はタンタルを含む窒化膜を形成することを特徴とする付記1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【0050】
(付記4)
前記第3の成膜工程において、化学気相成長法を採用することを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0051】
(付記5)
前記絶縁膜として、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を形成することを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0052】
(付記6)
前記第1及び第2の成膜工程において、化学気相成長法又は物理気相成長法を採用することを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0053】
(付記7)
前記バリアメタル膜、金属膜及びタングステン膜のうちで、前記開口部からはみ出している部分を除去する工程を有することを特徴とする付記1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0054】
(付記8)
前記金属膜の厚さを2nm乃至10nmとすることを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0055】
(付記9)
前記金属膜として、比抵抗が20μΩ・cm乃至50μΩ・cmの膜を形成することを特徴とする付記1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0056】
(付記10)
前記バリアメタル膜を成膜する工程は、
チタン膜を形成する工程と、
前記チタン膜上にチタン窒化膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【0057】
(付記11)
半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜に形成された開口部と、
少なくとも前記開口部内に形成されたバリアメタル膜と、
前記バリアメタル膜上に形成されたタングステンを含む導電膜と、
を有し、
前記導電膜は、
前記バリアメタル膜と接する金属又は金属化合物領域と、
前記金属又は金属化合物領域上に形成されたタングステン領域と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【0058】
(付記12)
前記金属又は金属化合物領域が、ニッケル又はコバルトを含むことを特徴とする付記11に記載の半導体装置。
【0059】
(付記13)
前記バリアメタル膜が、チタン又はタンタルを含む窒化膜であることを特徴とする付記11又は12に記載の半導体装置。
【0060】
(付記14)
前記絶縁膜が、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜であることを特徴とする付記11乃至13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0061】
(付記15)
前記金属又は金属化合物領域の厚さが、2nm乃至10nmであることを特徴とする付記11乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0062】
(付記16)
前記金属又は金属化合物領域の比抵抗が、20μΩ・cm乃至50μΩ・cmであることを特徴とする付記11乃至15のいずれか1項に記載の半導体装置。
【0063】
(付記17)
前記バリアメタル膜が、
チタン膜と、
前記チタン膜上に形成されたチタン窒化膜と、
を有することを特徴とする付記11乃至16のいずれか1項に記載の半導体装置。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1A】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1B】図1Aに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1C】図1Bに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1D】図1Cに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1E】図1Dに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1F】図1Eに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1G】図1Fに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1H】図1Gに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1I】図1Hに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1J】図1Iに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1K】図1Jに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1L】図1Kに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1M】図1Lに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1N】図1Mに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1O】図1Nに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1P】図1Oに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1Q】図1Pに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1R】図1Qに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図1S】図1Rに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法の一部の処理を示すフローチャートである。
【図3A】本発明の他の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3B】図3Aに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3C】図3Bに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図3D】図3Cに引き続き、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【図4A】タングステン膜の形成時間と比抵抗との関係を示すグラフである。
【図4B】タングステン膜の形成時間と厚さとの関係を示すグラフである。
【図5】コンタクト抵抗の分布を示すグラフである。
【符号の説明】
【0065】
1:シリコン基板
14s、14d、14g:シリサイド膜
22:コンタクトホール
23:バリアメタル膜
24:ニッケル膜
25:タングステン膜
26:コンタクトプラグ
64:コンタクトホール
65:バリアメタル膜
66:ニッケル膜
67:タングステン膜
68:コンタクトプラグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部内に、バリアメタル膜を成膜する第1の成膜工程と、
前記バリアメタル膜上に金属膜を成膜する第2の成膜工程と、
前記金属膜上にタングステン膜を成膜する第3の成膜工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記金属膜として、ニッケル膜又はコバルト膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記バリアメタル膜として、チタン又はタンタルを含む窒化膜を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第3の成膜工程において、化学気相成長法を採用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁膜として、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1及び第2の成膜工程において、化学気相成長法又は物理気相成長法を採用することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜に形成された開口部と、
少なくとも前記開口部内に形成されたバリアメタル膜と、
前記バリアメタル膜上に形成されたタングステンを含む導電膜と、
を有し、
前記導電膜は、
前記バリアメタル膜と接する金属又は金属化合物領域と、
前記金属又は金属化合物領域上に形成されたタングステン領域と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記金属又は金属化合物領域が、ニッケル又はコバルトを含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記バリアメタル膜が、チタン又はタンタルを含む窒化膜であることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記絶縁膜が、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項1】
半導体基板上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜に開口部を形成する工程と、
前記開口部内に、バリアメタル膜を成膜する第1の成膜工程と、
前記バリアメタル膜上に金属膜を成膜する第2の成膜工程と、
前記金属膜上にタングステン膜を成膜する第3の成膜工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記金属膜として、ニッケル膜又はコバルト膜を形成することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記バリアメタル膜として、チタン又はタンタルを含む窒化膜を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第3の成膜工程において、化学気相成長法を採用することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記絶縁膜として、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜を形成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1及び第2の成膜工程において、化学気相成長法又は物理気相成長法を採用することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
半導体基板上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜に形成された開口部と、
少なくとも前記開口部内に形成されたバリアメタル膜と、
前記バリアメタル膜上に形成されたタングステンを含む導電膜と、
を有し、
前記導電膜は、
前記バリアメタル膜と接する金属又は金属化合物領域と、
前記金属又は金属化合物領域上に形成されたタングステン領域と、
を有することを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
前記金属又は金属化合物領域が、ニッケル又はコバルトを含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記バリアメタル膜が、チタン又はタンタルを含む窒化膜であることを特徴とする請求項7又は8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記絶縁膜が、シリコン酸化膜又はシリコン酸窒化膜であることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の半導体装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図1K】
【図1L】
【図1M】
【図1N】
【図1O】
【図1P】
【図1Q】
【図1R】
【図1S】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図1F】
【図1G】
【図1H】
【図1I】
【図1J】
【図1K】
【図1L】
【図1M】
【図1N】
【図1O】
【図1P】
【図1Q】
【図1R】
【図1S】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【公開番号】特開2009−99611(P2009−99611A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267022(P2007−267022)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【出願人】(308014341)富士通マイクロエレクトロニクス株式会社 (2,507)
【Fターム(参考)】
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