半導体装置
【課題】ラッチアップの発生を防止しつつ、構造の微細化が可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】相補型電界効果型トランジスタを含む半導体装置において、寄生的に形成されるバイポーラトランジスタのエミッタ電極となるp型不純物拡散領域5aと、電源供給線14と電気的に接続されているn型不純物拡散領域3とを、n型不純物を有する高融点金属シリサイドからなる接続配線40により接続する。
【解決手段】相補型電界効果型トランジスタを含む半導体装置において、寄生的に形成されるバイポーラトランジスタのエミッタ電極となるp型不純物拡散領域5aと、電源供給線14と電気的に接続されているn型不純物拡散領域3とを、n型不純物を有する高融点金属シリサイドからなる接続配線40により接続する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関し、より特定的には、相補型電界効果型トランジスタを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の1つとして、スタティック型半導体記憶装置(以下SRAM:static random access memory と記す)が知られている。SRAMのメモリセルは、一般にフリップフロップ回路と、データの読出および書込用のトランジスタとから構成される。SRAMは、フリップフロップ回路の動作状況により、データを保持する半導体記憶装置である。そして、メモリセルを構成するフリップフロップ回路中の負荷素子として、電界効果型トランジスタを用いるSRAMが知られている。
【0003】
図29は、従来の電界効果型トランジスタを負荷素子として用いたSRAMのメモリセルの等価回路図である。図29を参照して、従来の電界効果型トランジスタを負荷素子として用いたSRAMのメモリセルは、アクセストランジスタA1、A2、ドライバトランジスタD1、D2および負荷トランジスタT1、T2の6つのトランジスタから構成されている。ドライバトランジスタD1、D2と負荷トランジスタT1、T2とにより、フリップフロップ回路が構成されている。アクセストランジスタA1、A2は、データの読出および書込用のトランジスタである。アクセストランジスタA1、A2およびドライバトランジスタD1、D2はn型の電界効果型トランジスタであり、負荷トランジスタT1、T2はp型の電界効果型トランジスタである。そのため、ドライバトランジスタD1、D2および負荷トランジスタT1、T2により、相補型電界効果型トランジスタが構成されている。アクセストランジスタA1、A2のソース/ドレイン領域の一方はそれぞれビット線117および補ビット線118に接続されている。また、アクセストランジスタA1、A2のゲート電極は、ワード線113に接続されている。また、負荷トランジスタT1、T2のソース領域は、電源供給線114に接続されている。また、ドライバトランジスタD1、D2のソース領域は、接地線(図示せず)に接続されている。
【0004】
図30は、従来の電界効果型トランジスタを負荷トランジスタとして用いたSRAMのメモリセルパターンを示す平面レイアウト図である。図31は、図30における線分100−100における断面構造図である。図30および31を参照して、以下に従来の電界効果型トランジスタを負荷トランジスタとして用いたSRAMを説明する。
【0005】
図30を参照して、従来の電界効果型トランジスタを負荷トランジスタとして用いたSRAMのメモリセルは、アクセストランジスタA1、A2と、ドライバトランジスタD1、D2と、負荷トランジスタT1、T2と、電源供給線114と、接地線115、116と、ビット線117と、補ビット線118と、アクセストランジスタA1、A2のゲート電極としても作用するワード線113とを備える。アクセストランジスタA1は、ゲート電極113と、ソース/ドレイン領域111c、111bとを含む。アクセストランジスタA2は、ゲート電極113と、ソース/ドレイン領域112c、112bとを含む。ドライバトランジスタD1は、ゲート電極107と、ソース領域111aと、ドレイン領域111bとを含む。ドライバトランジスタD2は、ゲート電極108と、ソース領域112aと、ドレイン領域112bとを含む。負荷トランジスタT1は、ゲート電極107と、ソース領域105aと、ドレイン領域105bとを含む。負荷トランジスタT2は、ゲート電極108と、ソース領域106aと、ドレイン領域106bとを含む。アクセストランジスタA1、A2およびドライバトランジスタD1、D2のソース/ドレイン領域111a〜111cおよび112a〜112cは、半導体基板の主表面にn型の不純物を注入することにより形成されている。負荷トランジスタT1、T2のソース/ドレイン領域105a、105b、106a、106bは、半導体基板の主表面にp型の不純物を注入することにより形成されている。また、半導体基板の主表面にはn型不純物の拡散領域103、104が形成されている。
【0006】
そして、これらのトランジスタA1、A2、D1、D2、T1、T2のゲート電極113、107、108は、半導体基板上に形成されたポリシリコン膜により構成されている。これらのトランジスタの上に位置する領域には、第1の層間絶縁膜142(図31参照)を介して、アルミニウムからなる内部接続配線109、110と、接地線115、116と、電源供給用接続配線140、141と、電源供給線114とが形成されている。内部接続配線109は、コンタクトホール125、127、129を介して、それぞれ負荷トランジスタT1のドレイン領域105b、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極108、ドライバトランジスタD1のドレイン領域であり同時にアクセストランジスタA1のソース/ドレイン領域の一方である領域111bと電気的に接続されている。同様に、内部接続配線110は、コンタクトホール126、128、130を介して、負荷トランジスタT2のドレイン領域106b、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極107、ドライバトランジスタD2のドレイン領域であり同時にアクセストランジスタA2のソース/ドレイン領域の一方である領域112bと電気的に接続されている。接地線115、116は、コンタクトホール131、132を介して、ドライバトランジスタD1、D2のソース領域111a、112aにそれぞれ接触している。電源供給線114は、コンタクトホール119、120を介して、n型の不純物拡散領域101、102に接触している。そして、電源供給用接続配線104は、コンタクトホール121、122を介してn型の不純物拡散領域103と負荷トランジスタT1のソース領域105aとに接触している。電源供給用接続配線141は、コンタクトホール123、124を介して、n型の不純物拡散領域104と負荷トランジスタT2のソース領域106aとに接触している。
【0007】
そして、第1の層間絶縁膜142と、内部接続配線109、110と、接地線115、116と、電源供給用接続配線140、141と、電源供給線114との上には、第2の層間絶縁膜143(図31参照)が形成されている。そして、第2の層間絶縁膜143上には、ビット線117と補ビット線118とが形成されている。アクセストランジスタA1、A2のソース/ドレイン領域の他の一方111c、112cは、コンタクトホール133、134を介して、ビット線117および補ビット線118にそれぞれ接続されている。
【0008】
図31を参照して、半導体基板137の主表面にはn型ウェル138と、p型ウェル139とが形成されている。n型ウェル138の主表面には、n型の不純物拡散領域101、103と、負荷トランジスタT1(図30参照)のソース領域であるp型の不純物拡散領域105aとが形成されている。p型ウェル139の主表面には、ドライバトランジスタD1(図30参照)のソース領域であるn型の不純物拡散領域111aが形成されている。負荷トランジスタT1のソース領域105aとドライバトランジスタD1のソース領域111aとの間の半導体基板137の主表面には、分離酸化膜135が形成されている。半導体基板137の主表面上と分離酸化膜135上とには、層間絶縁膜142が形成されている。n型の不純物拡散領域101、103、負荷トランジスタT1のソース領域105aおよびドライバトランジスタD1のソース領域111aの上に位置する領域の層間絶縁膜142の一部を除去することにより、コンタクトホール119、121、122および131が形成されている。コンタクトホール119内部と層間絶縁膜142上とには、n型の不純物拡散領域101と接触するように電源供給線114が形成されている。コンタクトホール121、122内部と層間絶縁膜142上とには、n型の不純物拡散領域103と負荷トランジスタT1のソース領域105aとに接触するように、アルミニウムからなる電源供給用接続配線140が形成されている。コンタクトホール131内部と層間絶縁膜142上とには、ドライバトランジスタD1のソース領域111aと接触するように、接地線115が形成されている。
【0009】
ここで、従来のSRAMでは、図31を参照して、寄生的に2つのバイポーラトランジスタが形成されている。具体的には、負荷トランジスタT1のソース領域105aをエミッタ電極、n型ウェル138をベース電極、p型ウェル139をコレクタ電極とするpnp型のバイポーラトランジスタQ1と、n型ウェル138をコレクタ電極、p型ウェル139をベース電極、ドライバトランジスタD1のソース領域111aをエミッタ電極とするnpn型のバイポーラトランジスタQ2とが形成されている。そして、これら寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1、Q2は、図32に示すように、寄生的にサイリスタを構成している。ここで、図32は、従来のSRAMにおいて寄生的に形成されているサイリスタの等価回路図である。このように寄生的にサイリスタが形成されているので、電源供給線114(図31参照)に供給される電源電圧のノイズにより、寄生的に形成されたサイリスタが動作することがある。そして、このように寄生的に形成されたサイリスタが動作すると、電源供給線114から接地線115(図31参照)まで電流が流れ続ける状態となる。こうした現象をラッチアップと呼ぶ。このようなラッチアップが発生すると、半導体素子の動作を阻害するばかりでなく、大電流による発熱のため半導体素子を破壊してしまうといった問題が発生していた。
【0010】
従来、ラッチアップ対策としては、図31を参照して、電源供給線114から負荷トランジスタT1のソース領域105aへ電源を供給する経路の一部として、n型ウェル138を使用している。具体的には、電源供給線114に供給された電源電流は、n型の不純物拡散領域101からn型ウェル138を経由してn型の不純物拡散領域103に伝えられる。そして、電源電流はn型の不純物拡散領域103から電源供給用接続配線140を介して負荷トランジスタT1のソース領域105aに伝えられる。このため、n型ウェル138の基板抵抗によって、寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1(図32参照)のエミッタ電極である負荷トランジスタT1のソース領域105aへ供給される電源電圧を降下させることができる。その結果、エミッタ電極である負荷トランジスタT1のソース領域105aと、バイポーラトランジスタQ1のベース電極であるn型ウェル138とに電源電流を供給するので、このバイポーラトランジスタQ1のエミッタ電極とベース電極との間が順バイアスになることを防止することができる。このように、従来はラッチアップの発生を防止していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、半導体装置における微細化、高集積化の要求は、益々強くなってきている。そのため、SRAMにおいても、図31を参照して、従来は負荷トランジスタT1のソース領域105aとドライバトランジスタD1のソース領域111aとの間隔は最少でも5μm程度であり、分離酸化膜135の長さLも5μm程度であったものを、メモリセルの微細化を図る目的で、さらに小さくしたいという要求がでてきている。しかし、このように負荷トランジスタT1のソース領域105aとドライバトランジスタD1のソース領域111aとの間隔を5μmよりさらに狭くすると、寄生的に形成されるバイポーラトランジスタQ1、Q2の性能が結果的に向上し、従来よりもより微弱な電源電圧のノイズによってラッチアップが発生するようになる。このため、従来用いられていたn型ウェル138の基板抵抗を利用した対策でけでは、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体素子の微細化、高集積化を図ることが困難になってきていた。
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ラッチアップの発生を防止しつつ、構造の微細化が可能な半導体装置を提供することである。
【0013】
この発明のもう1つの目的は、ラッチアップの発生を防止しつつ、構造の微細化が可能な半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に従った半導体装置は、n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域と、n型の第1の不純物領域と、p型の第2の不純物領域と、n型の第3の不純物領域と、層間絶縁膜と第1および第2の配線とを備える。n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域は、半導体基板の主表面に互いに隣接して配置される。n型の第1の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。p型の第2の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。n型の第3の不純物領域は、第2の半導体領域の主表面に配置される。層間絶縁膜は半導体基板の主表面を覆い、また、当該層間絶縁膜には、第1の不純物領域を露出させる第1のコンタクトホールと、第2の不純物領域を露出させる第2のコンタクトホールと、第3の不純物領域を露出させる第3のコンタクトホールとが配置される。第1の配線は、第1および第2のコンタクトホールを介して第1および第2の不純物領域と接続し、不純物を含んだ高融点金属シリサイドからなり、電源供給線に接続される。第2の配線は、第3のコンタクトホールを介して第3の不純物領域と接続し、接地線に電気的に接続される。
【0015】
また、この発明に従った半導体装置は、n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域と、n型の第1の不純物領域と、p型の第2の不純物領域と、n型の第3の不純物領域と、n型の第4の不純物領域と、層間絶縁膜と、第1〜第3の配線とを備える。n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域は、半導体基板の主表面に互いに隣接して配置される。n型の第1の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。p型の第2の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。n型の第3の不純物領域は、第2の半導体領域の主表面に配置される。n型の第4の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。層間絶縁膜は、半導体基板の主表面を覆う。また当該層間絶縁膜には、第1の不純物領域を露出させる第1のコンタクトホールと、第2の不純物領域を露出させる第2のコンタクトホールと、第3の不純物領域を露出させる第3のコンタクトホールと、第4の不純物領域を露出させる第4のコンタクトホールとが配置される。第1の配線は、第1および第2のコンタクトホールを介して第1および第2の不純物領域と接続し、不純物を含んだ高融点金属シリサイドからなる。第2の配線は、第3のコンタクトホールを介して第3の不純物領域と接続し、接地線に電気的に接続される。第3の配線は、第4のコンタクトホールを介して第4の不純物領域と接続し、電源供給線に電気的に接続される。
【0016】
また、この発明に従った半導体装置は、半導体基板の主表面に、第1導電型の第1の半導体領域および第2導電型の第2の半導体領域が隣接して形成されている。上記第1の半導体領域の主表面には、電源供給線あるいは接地線と電気的に接続されている第1導電型の第1の不純物領域が形成されている。上記第1の半導体領域の主表面には、第2導電型の第2の不純物領域が形成されている。上記第2の半導体領域の主表面には、電源供給線あるいは接地線に電気的に接続されている第1導電型の第3の不純物領域が形成されている。上記第1および第2の不純物領域と接触するように、半導体を含む接続部が形成されている。そして、上記半導体基板の主表面には、第1および第2のバイポーラトランジスタが寄生的に形成されている。上記第1のバイポーラトランジスタは、上記第2の不純物領域からなる第1のエミッタ電極と、上記第1の半導体領域からなる第1のベース電極と、上記第2の半導体領域からなる第1のコレクタ電極とを含む。上記第2のバイポーラトランジスタは、上記第1の半導体領域からなる第2のコレクタ電極と、上記第2の半導体領域からなる第2のベース電極と、上記第3の不純物領域からなる第2のエミッタ電極とを含む。上記第1および第2のバイポーラトランジスタにより、サイリスタが寄生的に形成されている。
【0017】
このように、本発明に従った半導体装置では、半導体を含む接続部が、上記第1および第2の不純物領域と接触するように形成されているので、上記第1および第2の不純物領域の少なくともいずれか一方と上記接続部との接触領域において、整流素子を形成することができる。これにより、寄生的に形成された上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極へ、上記整流素子を介して電源電流を供給することができる。また、上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のベース電極へ、上記第1の不純物領域から上記整流素子を介することなく電源電流を供給することができる。このため、上記第1のバイポーラトランジスタにおいて、上記第1のエミッタ電極に印加される電源電圧を上記第1のベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。これにより、上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極−第1のベース電極間が順バイアスになることを防止できる。この結果、寄生的に形成された上記サイリスタが動作することを防止できる。その結果、半導体素子を微細化するために、上記第2の不純物領域と上記第3の不純物領域との間の距離を小さくした場合でも、ラッチアップの発生を防止することができる。このため、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の微細化を図ることが可能となる。
【0018】
上記半導体装置では、上記第2の不純物領域と、上記第3の不純物領域との間の距離を、2.0μm以下とする。このようにすれば、上記第2の不純物領域と上記第3の不純物領域との間の距離を、従来の基板抵抗を利用したラッチアップ対策を利用した場合よりも大幅に短縮しているので、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の構造を従来より微細化することが可能となる。
【0019】
上記半導体装置では、上記第2の不純物領域と上記第3の不純物領域との間の上記半導体基板の主表面には、2.0μm以下の幅を有する分離酸化膜が形成されている。このようにすれば、上記第2および第3の不純物領域の間に上記分離酸化膜を形成するので、上記半導体装置の製造工程において自己整合的に上記第2および第3の不純物領域を形成することができる。また、上記分離酸化膜の幅を2.0μm以下とするので、上記第2および第3の不純物領域の間の距離を、従来の基板抵抗を利用したラッチアップ対策を利用した場合よりも大幅に短縮することができる。この結果、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の構造を従来より微細化することが可能となる。
【0020】
上記半導体装置は、上記接続部が高融点金属シリサイドを有する。このようにすれば、上記半導体装置の他の配線についても上記高融点金属シリサイドを用いることで、上記他の配線を上記接続部と同時に形成することが可能となる。この結果、半導体装置の製造工程数が上記接続部を形成することに起因して従来の半導体装置の製造工程数より大幅に増加することを防止できる。
【0021】
上記半導体装置は、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置である。このようにすれば、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置において、上記接続部を形成する。電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置は、半導体基板の主表面に6つの電界効果型トランジスタを配置しなければならない。この電界効果型トランジスタの数は、他の半導体記憶装置のメモリセルにおける電界効果型トランジスタの数よりも特に多いため、上記スタティック型半導体記憶装置のメモリセルのサイズは他の半導体記憶装置よりも大きくなる。一方、上記スタティック型半導体記憶装置において、上記接続部を形成することにより上記整流素子を形成し、これによりラッチアップの発生を防止しつつ上記第2および第3の不純物領域の間の距離を小さくすることができる。そのため、上記電界効果型トランジスタを他の半導体記憶装置よりもメモリセル当たりに多く備える上記スタティック型半導体記憶装置において、本発明はメモリセルの微細化により顕著な効果を示す。
【0022】
上記半導体装置では、上記接続部を配線として利用してもよい。このようにすれば、上記接続部を独立して形成する場合よりも、半導体装置の構造を簡略化することができる。この結果、上記半導体装置をより有効に微細化することができると同時に、その製造工程も簡略化することができる。
【0023】
上記半導体装置では、上記接続部を電源供給線として利用してもよい。このようにすれば、上記電源供給線とは別に上記接続部を形成する場合よりも、半導体装置の構造を簡略化することができる。その結果、上記半導体装置をより有効に微細化することができると同時に、その製造工程も簡略化することができる。
【0024】
上記半導体装置では、上記接続部と実質的に同一の材質により半導体装置の内部接続配線を形成する。このようにすれば、上記接続部と上記半導体装置の上記内部接続配線とを同じ工程において形成することができる。その結果、半導体装置のラッチアップの発生を防止しつつ、半導体装置の微細化を図ると同時に、製造工程を簡略化することができる。
【0025】
上記半導体装置では、上記接続部と実質的に同一の材質により形成される配線が、1つのコンタクトホールの内部において2つ以上の導電部と電気的に接続される。このようにすれば、上記2つの導電部に対し、別々のコンタクトホールを形成し、上記配線と上記2つの導電部とをそれぞれの上記コンタクトホールを介して接続する場合よりも、コンタクトホールの数を削減することができる。その結果、半導体装置をより微細化することができる。
【0026】
上記半導体装置では、相補型電界効果型トランジスタが形成されている。また、第1および第2のバイポーラトランジスタが寄生的に形成されている。上記第1および第2のバイポーラトランジスタによりサイリスタが寄生的に構成されている。上記第1のバイポーラトランジスタのエミッタ電極と電源供給部とに電気的に接続するように整流素子が形成されている。上記電源供給部と電気的に接続するように、上記第1のバイポーラトランジスタのベース電極が形成されている。このように、上記半導体装置では、上記第1のバイポーラトランジスタの上記エミッタ電極へ上記整流素子を介して電源電流を供給する。そして、上記ベース電極へは上記整流素子を介さずに電源電流を供給する。このため、上記エミッタ電極に印加される電源電圧を上記ベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。これにより、半導体装置を微細化するため上記相補型電界効果型トランジスタを構成する複数の電界効果型トランジスタの間の距離を小さくしても、上記第1のバイポーラトランジスタの上記エミッタ電極−ベース電極間が順バイアスになることを防止できる。この結果、寄生的に形成されている上記サイリスタが動作することを防止できる。その結果、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の微細化を図ることが可能となる。
【0027】
上記半導体装置では、上記整流素子の逆方向抵抗をR1とし、上記相補型電界効果型トランジスタを構成するp型MOSトランジスタのON抵抗をR2とした場合、R1がR2/100<R1<100×R2という関係を満足する。このように、上記整流素子の逆方向抵抗R1を、R2/100<R1<100×R2という関係を満足するようにしているので、ラッチアップの発生を防止しつつ、上記相補型電界効果型トランジスタを安定して動作させることができる。ここで、R1がR2/100より小さい場合は、上記エミッタ電極に印加される電源電圧を十分に低下させることができず、上記エミッタ電極−ベース電極間が順バイアスになることを確実に防止することが困難となる。また、R1が100×R2より大きいと、上記相補型電界効果型トランジスタへ十分な電源電流を供給することが困難となるため、上記相補型電界効果型トランジスタを安定して動作させることが困難となる。
【0028】
上記半導体装置は、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置である。このように、上記半導体装置では、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置において、上記整流素子を形成する。電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置は、半導体基板の主表面に6つの電界効果型トランジスタを配置しなければならない。この電界効果型トランジスタの数は、他の半導体記憶装置のメモリセルにおける電界効果型トランジスタの数よりも特に多いため、上記スタティック型半導体記憶装置のメモリセルのサイズは他の半導体記憶装置よりも大きくなる。一方、上記スタティック型半導体記憶装置において、上記整流素子を形成し、これによりラッチアップの発生を防止できるので、メモリセルを構成する上記電界効果型トランジスタ間の距離を従来より小さくすることができる。そのため、電界効果型トランジスタを他の半導体記憶装置よりもメモリセル当たりに多く備える、上記スタティック型半導体記憶装置において、本発明はメモリセルの微細化により顕著な効果を示す。
【0029】
上記半導体装置では、上述した構成において、上記スタティック型半導体記憶装置が、それぞれ1つ以上の上記整流素子を含む複数のメモリセルを備える。このため、上記半導体装置では、上記複数のメモリセルにおける電界効果型トランジスタが、それぞれ異なる電気的特性を有する場合でも、上記メモリセルごとに、それぞれの上記メモリセルにおける上記電界効果型トランジスタの電気的特性に合わせて上記整流素子の逆方向抵抗を調整することができる。これによって、ラッチアップの発生をより確実に防止することが可能となる。
【0030】
上記半導体装置では、上記構成において、上記整流素子が、上記スタティック型半導体記憶装置の2つ以上のメモリセルに対して1つ形成されている。このため、各メモリセルごとに上記整流素子を形成する場合よりも、上記整流素子の数を削減することができ、その結果、半導体装置の構造を簡略化することができる。この結果、半導体装置をより微細化することが可能となる。
【0031】
この発明に従った半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。半導体基板の主表面に第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型の第1の半導体領域を形成する。上記半導体基板の主表面に、第2導電型の不純物を導入することにより、第2導電型の第2の半導体領域を形成する。上記第1の半導体領域の主表面に第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型の第1の不純物領域を形成する。上記第1の半導体領域の主表面に第2導電型の不純物を導入することにより、第2導電型の第2の不純物領域を形成する。上記第2の半導体領域の主表面に第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型の第3の不純物領域を形成する。上記第1、第2および第3の不純物領域上に、層間絶縁膜を形成する。上記層間絶縁膜の、上記第1および第2の不純物領域上に位置する領域に、それぞれ第1および第2の開口部を形成する。上記第1および第2の開口部の内部と上記層間絶縁膜上とに半導体膜を形成する。上記半導体膜に第1導電型および第2導電型の少なくともいずれか一方の不純物を導入する。上記半導体膜の一部を除去することにより、上記第1および第2の不純物領域と接触する接続部を形成する。上記第1の不純物領域と電気的に接続されている電源供給線を形成する。上記第3の不純物領域と電気的に接続されている接地線を形成する。これにより、第1および第2のバイポーラトランジスタが寄生的に形成されている。上記第1のバイポーラトランジスタは、上記第2の不純物領域からなる第1のエミッタ電極と、上記第1の半導体領域からなる第1のベース電極と、上記第2の半導体領域からなる第1のコレクタ電極とから構成されている。上記第2のバイポーラトランジスタは、上記第1の半導体領域からなる第2のコレクタ電極と、上記第2の半導体領域からなる第2のベース電極と、上記第3の不純物領域からなる第2のエミッタ電極とから構成されている。上記第1および第2のバイポーラトランジスタにより、サイリスタが寄生的に形成されている。このように、請求項15に記載の発明では、第1導電型および第2導電型の少なくともいずれか一方の不純物を有する半導体膜からなる接続部が、上記第1および第2の不純物領域と接触するように形成されているので、上記第1および第2の不純物領域と上記接続部とのいずれか一方の接触領域において、整流素子を形成することができる。これにより、寄生的に形成された上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極へ、上記整流素子を介して電源電流を供給することができる。また、第1のバイポーラトランジスタの上記第1のベース電極へ上記第1の不純物領域から上記整流素子を介すことなく電源電流を供給することができる。このため、上記第1のバイポーラトランジスタにおいて、上記第1のエミッタ電極に印加される電源電圧を上記第1のベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。これにより、上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極−第1のベース電極間が順バイアスになることを防止できる。この結果、上記半導体装置の微細化のために上記第2の不純物領域と上記第3の不純物領域との間の距離を小さくした場合でも、寄生的に形成されている上記サイリスタが動作することを防止できる。その結果、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の微細化を図ることが可能となる。
【0032】
上記半導体装置の製造方法では、上述した構成において、上記半導体膜に第1導電型および第2導電型の少なくともいずれか一方の不純物を導入する工程が、上記不純物イオンを上記半導体膜にイオン注入する工程である。このため、上記イオン注入する工程における上記半導体膜へのイオン注入量を制御することにより、上記整流素子の逆方向抵抗を制御することができる。この結果、上記半導体装置の電気的特性に合わせるように、上記整流素子の逆方向抵抗を制御することにより、ラッチアップの発生を確実に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明によれば、寄生的に第1および第2のバイポーラトランジスタが形成されている半導体装置において、上記第1のバイポーラトランジスタの第1のエミッタ電極と電源供給部とに電気的に接続するように整流素子を形成することができる。これにより、上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極と第1のベース電極との間が順バイアスになることを防止できる。この結果、寄生的に形成された上記第1および第2のバイポーラトランジスタにより構成されるサイリスタが動作することを防止することができ、上記半導体装置を構成する複数の電界効果型トランジスタの間の間隔を小さくしても、ラッチアップが発生することを防止できる。これにより、ラッチアップの発生を防止しつつ、構造の微細化が可能な半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1によるSRAMの平面レイアウト図である。
【図2】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの線分200−200における断面構造図である。
【図3】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの等価回路図である。
【図4】図2に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルにおいて寄生的に形成されているサイリスタの等価回路図である。
【図5】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第1工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図6】図5に示した線分200−200における断面構造図である。
【図7】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第2工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図8】図7に示した線分200−200における断面構造図である。
【図9】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第3工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図10】図9に示した線分200−200における断面構造図である。
【図11】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第4工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図12】図11に示した線分200−200における断面構造図である。
【図13】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第5工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図14】図13に示した線分200−200における断面構造図である。
【図15】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの変形例の回路図である。
【図16】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルにおける整流素子の電気的特性を示すグラフである。
【図17】本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルの平面レイアウト図である。
【図18】図17に示した線分300−300における断面構造図である。
【図19】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの製造工程の第1工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図20】図19に示した線分300−300における断面構造図である。
【図21】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの製造工程の第2工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図22】図21に示した線分300−300における断面構造図である。
【図23】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの製造工程の第3工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図24】図23に示した線分300−300における断面構造図である。
【図25】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの製造工程の第4工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図26】図25に示した線分300−300における断面構造図である。
【図27】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの変形例を示す平面レイアウト図である。
【図28】図27に示した線分400−400における断面構造図である。
【図29】従来のSRAMのメモリセルの等価回路図である。
【図30】従来のSRAMのメモリセルを示す平面レイアウト図である。
【図31】図30に示した線分100−100における断面構造図である。
【図32】図31に示した従来のSRAMのメモリセルにおいて寄生的に形成されているサイリスタの等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置(SRAM)を説明するための平面レイアウト図である。図2は、図1における線分200−200における断面構造図である。図1および2を参照して、以下に本発明の実施の形態1によるSRAMを説明する。
【0036】
図1を参照して、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルは、アクセストランジスタA1、A2と、ドライバトランジスタD1、D2と、負荷トランジスタT1、T2と、電源供給線14と、接地線15、16と、ビット線17と、補ビット線18と、アクセストランジスタA1、A2のゲート電極としても作用するワード線13とを備える。アクセストランジスタA1は、ゲート電極13と、ソース/ドレイン領域11c、11bとを含む。アクセストランジスタA2は、ゲート電極13と、ソース/ドレイン領域12c、12bとを含む。ドライバトランジスタD1は、ゲート電極7と、ソース領域11aと、ドレイン領域11bとを含む。ドライバトランジスタD2は、ゲート電極8と、ソース領域12aと、ドレイン領域12bとを含む。負荷トランジスタT1は、ゲート電極7と、ソース領域5aと、ドレイン領域5bとを含む。負荷トランジスタT2は、ゲート電極8と、ソース領域6aと、ドレイン領域6bとを含んでいる。アクセストランジスタA1、A2およびドライバトランジスタD1、D2のソース/ドレイン領域11a〜11cおよび12a〜12cは、半導体基板37(図2参照)の主表面にn型の不純物を注入することにより形成されている。負荷トランジスタT1、T2のソース/ドレイン領域5a、5b、6a、6bは、半導体基板37の主表面にp型の不純物を注入することにより形成されている。そして、これらのトランジスタA1、A2、D1、D2、T1、T2のゲート電極13、7および8は、半導体基板37の主表面上において、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して形成されたポリシリコン膜により構成されている。これらのトランジスタの上に位置する領域には、第1の層間絶縁膜42(図2参照)を介して、タングステンシリサイドからなる電源供給用接続配線40、41が形成されている。電源供給用接続配線40は、コンタクトホール21、22を介してn型の不純物拡散領域3と負荷トランジスタT1のソース領域5aとに接触している。電源供給用接続配線41は、コンタクトホール23、24を介して、n型の不純物拡散領域4と負荷トランジスタT2のソース領域6aとに接触している。また、この電源供給用接続配線40、41には、後述する製造工程において、n型の不純物であるリンがドーズ量1.0×1020個/cm2程度、注入エネルギ20keV程度といった条件で注入されている。
【0037】
そして、第1の層間絶縁膜42と、電源供給用接続配線40、41との上に、第2の層間絶縁膜43(図2参照)形成されている。この第2の層間絶縁膜43上には、内部接続配線9、10と、接地線15、16と、電源供給線14とが形成されている。内部接続配線9は、コンタクトホール25、27、29を介して、それぞれ負荷トランジスタT1のドレイン領域5b、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極8、ドライバトランジスタD1のドレイン領域であり同時にアクセストランジスタA1のソース/ドレイン領域の一方である領域11bと電気的に接続されている。同様に、内部接続配線10は、コンタクトホール26、28、30を介して、負荷トランジスタT2のドレイン領域6b、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極7、ドライバトランジスタD2のドレイン領域でありかつアクセストランジスタA2のソース/ドレイン領域の一方である領域12bと電気的に接続されている。ドライバトランジスタD1、D2のソース領域/11a、12aは、コンタクトホール31、32を介して、接地線15、16にそれぞれ接続されている。電源供給線14は、コンタクトホール19、20を介して、半導体基板37の主表面に形成されたn型の不純物拡散領域1、2に接触している。また、半導体基板37の主表面にはn型の不純物拡散領域3、4が形成されている。
【0038】
そして、第2の層間絶縁膜43と内部接続配線9、10と、接地線15、16と、電源供給線14との上には、第3の層間絶縁膜49(図2参照)が形成されている。第3の層間絶縁膜49上には、ビット線17および補ビット線18が形成されている。アクセストランジスタA1、A2のソース/ドレイン領域の他の一方11c、12cは、コンタクトホール33、34を介して、ビット線17および補ビット線18にそれぞれ接続されている。図2を参照して、半導体基板37の主表面にはn型ウェル38と、p型ウェル39とが形成されている。半導体基板37の主表面上の所定領域には、分離酸化膜35が形成されている。この分離酸化膜35の幅Lは約2.0μmである。n型ウェル38の主表面には、n型の不純物拡散領域1、3と、負荷トランジスタT1(図1参照)のソース領域であるp型の不純物拡散領域5aとが形成されている。p型ウェル39の主表面には、ドライバトランジスタD1(図1参照)のソース領域であるn型の不純物拡散領域11aが形成されている。半導体基板37の主表面と分離酸化膜35との上には、第1の層間絶縁膜42が形成されている。n型の不純物拡散領域3と負荷トランジスタT1のソース領域5aとの上に位置する領域の層間絶縁膜42の一部を除去することにより、コンタクトホール21、22が形成されている。コンタクトホール21、22の内部と層間絶縁膜42上とには、n型の不純物拡散領域3および負荷トランジスタT1のソース領域5aに接触するように、タングステンシリサイドからなる電源供給用接続配線40が形成されている。
【0039】
電源供給用接続配線40と層間絶縁膜42との上には、第2の層間絶縁膜43が形成されている。n型の不純物拡散領域1とドライバトランジスタD1のソース領域11aとの上に位置する領域における第1および第2の層間絶縁膜42、43の一部を除去することにより、コンタクトホール19、31が形成されている。コンタクトホール19内部と第2の層間絶縁膜43上とには、n型の不純物拡散領域1と接触するように、アルミニウムからなる電源供給線14が形成されている。コンタクトホール31内部と第2の層間絶縁膜43上とには、ドライバトランジスタD1のソース領域11aと接触するように、アルミニウムからなる接地線15が形成されている。第2の層間絶縁膜43と電源供給線14と接地線15との上には、第3の層間絶縁膜49が形成されている。
【0040】
ここで、電源供給線14に供給された電源電流は、n型の不純物拡散領域1から、n型ウェル38、n型の不純物拡散領域3、電源供給用接続配線40を経由して負荷トランジスタT1のソース領域5aに流れるようになっている。そして、n型の不純物であるリンが注入されている電源供給用接続配線40と、p型の不純物領域である負荷トランジスタT1のソース領域5aとの接触領域51においては、整流素子として作用するpn接合が形成されている。また、図1を参照して、電源供給用接続配線41と負荷トランジスタT2のソース領域6aとの接触領域においても、同様に整流素子として作用するpn接合が形成されている。
【0041】
図3は、図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの等価回路図である。電源供給用接続配線40(図2参照)と負荷トランジスタT1(図2参照)のソース領域5a(図2参照)との接触領域51(図2参照)において形成された整流素子をDV1、電源供給用接続配線41(図1参照)と、負荷トランジスタT2(図1参照)のソース領域6a(図1参照)との接触領域において形成された整流素子をDV2とすれば、図3を参照して、これら整流素子DV1、DV2は、電源供給線14と負荷トランジスタT1、T2との間に位置している。
【0042】
ここで、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルでは、図2を参照して、寄生的に2つのバイポーラトランジスタが形成されている。具体的には、負荷トランジスタT1のソース領域5aを第1のエミッタ電極、n型ウェル38を第1のベース電極、p型ウェル39を第1のコレクタ電極とするpnp型バイポーラトランジスタQ1(図4参照)と、n型ウェル38を第2のコレクタ電極、p型ウェル39を第2のベース電極、ドライバトランジスタD1のソース領域11aを第2のエミッタ電極とするnpn型のバイポーラトランジスタQ2(図4参照)が形成されている。そして、これら寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1、Q2は、図4に示すように、寄生的にサイリスタを構成している。ここで、図4は、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルに寄生的に形成されているサイリスタの等価回路図である。そして、電源供給用接続配線40(図2参照)と負荷トランジスタT1のソース領域5a(図2参照)との接触領域51(図2参照)において形成されている整流素子DV1は、電源供給線14とpnp型バイポーラトランジスタQ1の第1のエミッタ電極との間に位置している。
【0043】
ここで、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルでは、n型の不純物が注入されたタングステンシリサイドによって、電源供給用接続配線40(図2参照)が形成されているので、この電源供給用接続配線40と負荷トランジスタT1のソース領域5aとの接触領域51において、整流素子DV1を形成することができる。これにより、図4を参照して、寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1の第1のエミッタ電極へ上記整流素子DV1を介して電源電流を供給することができる。また、上記バイポーラトランジスタQ1の第1のベース電極へは、上記整流素子DV1を介すことなく電源電流を供給することができる。このため、バイポーラトランジスタQ1の上記第1のエミッタ電極に印加される電源電圧を、上記バイポーラトランジスタQ1の第1のベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。これにより、寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1の上記第1のエミッタ電極−第1のベース電極間が順バイアスになることを防止できる。この結果、SRAMのメモリセルを微細化するために負荷トランジスタT1のソース領域5aとドライバトランジスタD1のソース領域11aとの間の距離を2.0μm程度とした場合でも、寄生的に形成されたサイリスタが動作することを防止できる。その結果、ラッチアップの発生を防止しながら、SRAMのメモリセルの微細化を図ることが可能となる。なお、ここで電源供給用接続配線40、41をチタンシリサイドといった他の高融点金属シリサイドや、ポリシリコンにより形成しても、同様の効果が得られる。また、ここではn型の不純物をタングステンシリサイドに注入しているが、不純物を注入しないポリシリコンまたはタングステンシリサイドなどの高融点金属シリサイドにより電源供給用接続配線40を形成しても、接触領域51において整流素子を形成することができ、かつ、電源供給用接続配線40の電気抵抗を大きくすることができる。これにより、バイポーラトランジスタQ1の上記第1のエミッタ電極に印加される電源電圧を、上記バイポーラトランジスタQ1の第1のベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。
【0044】
また、負荷トランジスタT1のソース領域5aとドライバトランジスタD1のソース領域11aとの間の距離を、従来の基板抵抗を利用したラッチアップ対策を利用した場合よりも大幅に短縮し、2.0μmとしているので、半導体装置の構造を従来より微細化することが可能となる。
【0045】
また、負荷トランジスタT1のソース領域5aとドライバトランジスタD1のソース領域11aとの間の半導体基板37の主表面に分離酸化膜35を形成しているので、後述する製造工程において、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のソース領域5a、11aを自己整合的に形成することができる。
【0046】
また、本発明の実施の形態1によるSRAMは、電界効果型トランジスタを負荷トランジスタT1、T2として用いているため、半導体基板37の表面に6つの電界効果型トランジスタA1、A2、D1、D2、T1、T2を配置しなければならない。この電界効果型トランジスタの数は、他の半導体記憶装置のメモリセルにおける電界効果型トランジスタの数よりも多く、このSRAMのメモリセルのサイズは、他の半導体記憶装置よりも大きくなっていた。しかし、上記整流素子DV1、DV2によってラッチアップの発生を防止するので、本発明の実施の形態1によるSRAMでは、電界効果型トランジスタT1およびD1の間の距離を従来のSRAMのように長くする必要がない。このため、電界効果型トランジスタを他の半導体記憶装置よりもメモリセルあたり多く備える、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるSRAMにおいて、メモリセルの微細化に、より顕著な効果を示す。
【0047】
また、図1に示すように、SRAMのメモリセルごとに、電源供給用接続配線40、41を形成することによって、上記メモリセルごとにそれぞれ整流素子DV1、DV2(図3参照)を形成しているので、各メモリセルの電源供給用接続配線40、41ごとに、n型の不純物の濃度を変えることが可能となる。これにより、各メモリセルごとに形成されている整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗をメモリセル毎に変更することが可能となる。これによって、それぞれのメモリセルにおける半導体素子の電気的特性に合せて、上記整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗を変更することが可能となり、ラッチアップの発生をより確実に防止することが可能となる。
【0048】
ここで、電源供給用接続配線40、41へn型の不純物であるリンを注入する代わりに、p型の不純物であるボロンなどを注入してもよい。ボロンの注入の条件としては、ドーズ量1.0×1015個/cm2程度、注入エネルギを20keV程度とする。このようにすることで、図2を参照して、p型の不純物を電源供給用接続配線40に注入した場合は、この電源供給用接続配線40とn型の不純物拡散領域3との接触領域において整流素子DV1として作用するpn接合が形成される。そして、このように整流素子DV1が形成された場合も、電源供給線14と寄生トランジスタQ1(図4参照)の第1のエミッタ電極となる負荷トランジスタT1のソース領域5aとの間の電源電流の通電経路上に上記整流素子DV1を形成することができ、電源供給用接続配線40にn型の不純物を注入した場合と同様の効果が得られる。
【0049】
図5〜14は、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの製造工程を説明するための平面レイアウト図および断面構造図である。図5〜14を参照して、以下に本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程を説明する。
【0050】
まず、半導体基板37(図6参照)の主表面にn型ウェル38およびp型ウェル39をそれぞれ不純物を注入することにより形成する。そして、半導体基板37の主表面にシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。このシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜(図示せず)を形成する。このシリコン窒化膜上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の一部を異方性エッチングにより除去する。そして、レジストパターンを除去した後、シリコン基板37の主表面を酸化することにより、分離酸化膜35(図5参照)を形成する。その後シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜を除去することにより、図5および6に示したような構造を得る。ここで、図5は本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第1工程を説明するための平面レイアウト図である。そして、図6は、図5における線分200−200における断面構造図である。
【0051】
次に、半導体基板37(図6参照)および分離酸化膜35上にゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。このシリコン酸化膜上にドープトポリシリコン膜(図示せず)を形成する。このドープトポリシリコン膜上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして、上記シリコン酸化膜およびドープトポリシリコン膜の一部を異方性エッチングにより除去する。これにより、図7に示すように、アクセストランジスタA1、A2のゲート電極として作用するワード線13、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極7と、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極8と、これらのトランジスタA1、A2、T1、T2、D1、D2のゲート絶縁膜(図示せず)とを形成する。その後、レジストパターンを除去する。そして、半導体基板37の主表面にn型不純物を注入することにより、n型の不純物拡散領域11a〜11c、12a〜12c、1〜4を自己整合的に形成する。また、p型不純物であるボロンを、半導体基板37の主表面に注入することにより、p型の不純物拡散領域5a、5b、6a、6bを自己整合的に形成する。このようにして、アクセストランジスタA1、A2と、ドライバトランジスタD1、D2と、負荷トランジスタT1、T2とが形成される。ここで、図8は、図7における線分200−200における断面構造図である。
【0052】
次に、半導体基板37の全面を覆うように、シリコン酸化膜からなる第1の層間絶縁膜42(図10参照)を形成する。この層間絶縁膜42上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜42の一部を異方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図9に示すように、コンタクトホール21〜24が形成される。そして、コンタクトホール21〜24の内部と、層間絶縁膜42上とに、タングステンシリサイド膜48(図10参照)を形成する。ここで、図10は、図9における線分200−200における断面構造図である。そして、タングステンシリサイド膜48に、n型の不純物であるリンを注入する。このリンの注入の条件は、ドーズ量を1.0×1020個/cm2程度、注入エネルギを20keV程度という条件を用いる。これにより、電源供給用接続配線40、41(図1参照)と負荷トランジスタT1、T2のソース領域5a、6aとの接触領域において、整流素子DV1、DV2(図3参照)として作用するpn接合を形成することができる。また、電源供給用接続配線40、41に対して、n型不純物をイオン注入しているので、この注入条件を変更することにより、電源供給用接続配線40、41に対するn型の不純物の注入量を制御することができる。この結果、このSRAMのメモリセルの電気的特性に適合するように、上記整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗値を制御することが可能となり、より確実にラッチアップの発生を防止することができる。
【0053】
次に、タングステンシリサイド膜48上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、タングステンシリサイド膜48の一部を異方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図11に示すように、電源供給用接続配線40、41を形成する。図12は、図11における線分200−200における断面構造図である。
【0054】
次に、第1の層間絶縁膜42(図12参照)と電源供給用接続配線40、41(図11参照)との上に、第2の層間絶縁膜43(図14参照)を形成する。第2の層間絶縁膜43上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、第1および第2の層間絶縁膜42(図14参照)、43の一部を異方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図13に示すように、コンタクトホール19、20、25、26、27、28、29、30、31、32を形成する。そして、第2の層間絶縁膜43上とコンタクトホール19、20、25、26、27、28、29、30、31、32の内部とに第1のアルミニウム膜44(図14参照)を形成する。ここで、図14は、図13における線分200−200における断面構造図である。
【0055】
その後、第1のアルミニウム膜44上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、第1のアルミニウム膜44の一部を異方性エッチングにより除去する。これにより、図1に示すような、電源供給線14、メモリセルの内部接続配線9、10、および接地線15、16を形成する。そして、全面を覆うように第3の層間絶縁膜49(図2参照)を形成した後、この第3の層間絶縁膜49上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、第1〜3の層間絶縁膜42、43、49の一部を異方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンを除去する。これにより、コンタクトホール33、34(図1参照)を形成する。そして、コンタクトホール33、34の内部と第3の層間絶縁膜49上とに第2のアルミニウム膜(図示せず)を形成する。この第2のアルミニウム膜上にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、第2のアルミニウム膜の一部を除去することにより、図1に示すようなビット線17および補ビット線18を形成する。その後、レジストパターンを除去する。このようにして、図1に示すようなSRAMのメモリセルを得る。
【0056】
また、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルにおいては、それぞれのメモリセルに対して、対応する整流素子DV1、DV2を形成しているが、図15に示すように、複数のメモリ素子に対して、1つの整流素子DV1、DV2を形成してもよい。こうすることで、各メモリセルごとに整流素子DV1、DV2を形成する場合よりも、整流素子の数を削減することができる。これにより、SRAMのメモリセルの構造をより簡略化でき、SRAMのメモリセルをより微細化することができる。
【0057】
図16は、図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルに形成された整流素子DV1、DV2の電気的特性の測定結果を示すグラフである。図16を参照して、図16に示したグラフの横軸は電圧を示している。また、このグラフの第1の縦軸は電流値を示し、第2の縦軸は電気抵抗を示している。曲線Aは、本発明の実施の形態1による整流素子DV1、DV2において、印加する電圧を変化させたときの電流値を示している。曲線Bは同じく電圧を変化させたときの抵抗値の変化を示している。そして、本発明の実施の形態1によるSRAMの整流素子DV1、DV2において通電される電流の値の範囲は0〜20μAであり、このときの整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗は40〜50kΩとなっている。一方、本発明の実施の形態1によるSRAMの負荷トランジスタT1、T2のON抵抗は約500kΩである。そして、この逆方向抵抗が40〜50kΩである整流素子を有する本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルは、安定して動作した。
【0058】
また、この実施の形態1によるSRAMについて、コンデンサチャージ法によりラッチアップが発生する電圧(ラッチアップ耐量)を測定した。同時に、比較のため、従来の基板抵抗を用いたラッチアップ対策を施したSRAMのメモリセルについても同様のコンデンサチャージ法によるテストを行なった。テストに用いた従来のSRAMのメモリセルにおいても、負荷トランジスタT1のソース領域5a(図2参照)とドライバトランジスタD1のソース領域11a(図2参照)との間の距離L(図2参照)は、2.0μmとした。その結果を、表1に示す。表1を参照して、従来のSRAMにおいては、規定の電源電圧が3.2Vに対して±150Vを電源電圧として印加したときにラッチアップが発生したのに対して、本発明の実施の形態1によるSRAMにおいては、電源電圧として1200Vという大電圧を印加してもラッチアップは発生しなかった。
【0059】
【表1】
【0060】
また、ここで、上記整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗を5kΩとしたサンプルおよび50MΩとしたサンプルについても、SRAMのメモリセルが安定して動作し、また、コンデンサチャージ法によるテストにおいても、実施の形態1によるSRAMのサンプルとほぼ同様の結果が得られる。
【0061】
(実施の形態2)
図17は、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルを説明するための平面レイアウト図である。図17を参照して、以下に本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルを説明する。
【0062】
図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルは、基本的には図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルと同様の構造を備えている。しかし、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルにおいては、メモリセルの内部接続配線45、46が、電源供給用接続配線40、41と同じく、タングステンシリサイド膜により構成されている。また、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルにおいては、図1を参照して、負荷トランジスタT1、T2およびドライバトランジスタD1、D2のゲート電極7、8およびドライバトランジスタD1、D2のドレイン領域11b、12bは、それぞれ独立したコンタクトホール27、28、29、30を介して、内部接続配線9、10と接続していたのに対し、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルにおいては、図17を参照して、内部接続配線45、46に対してそれぞれ1つのコンタクトホール29、30によってゲート電極7、8およびドライバトランジスタD1、D2のドレイン領域11b、12bが接続されている。そして、線分200−200における断面構造図は、図2に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの断面構造図と同様である。
【0063】
図18は、図17における線分300−300における断面構造図である。図18を参照して、半導体基板37の主表面には、n型ウェル38およびp型ウェル39が形成されている。半導体基板37の主表面には、所定領域に分離酸化膜35が形成されている。n型ウェル38の主表面には負荷トランジスタT1(図17参照)のドレイン領域5bが形成されている。p型ウェル39の主表面には、ドライバトランジスタD1(図17参照)のドレイン領域でありかつアクセストランジスタA1(図17参照)のソース/ドレイン領域の一方であるn型の不純物拡散領域11bが形成されている。分離酸化膜35上の所定領域には、酸化膜50を介して負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極7と、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極8とが形成されている。
【0064】
半導体基板37の主表面上と、分離酸化膜35上と、ゲート電極7、8上とには、第1の層間絶縁膜42が形成されている。第1の層間絶縁膜42の一部を除去することにより、コンタクトホール25、29が形成されている。コンタクトホール25、29の内部と、第1の層間絶縁膜42上とには、タングステンシリサイド膜からなる内部接続配線45が形成されている。コンタクトホール25の底部において、内部接続配線45と負荷トランジスタT1のドレイン領域5bとが接触している。コンタクトホール29の底部において、内部接続配線45と、ゲート電極8およびn型の不純物拡散領域11bが接触している。
【0065】
内部接続配線45上と第1の層間絶縁膜42上とには、第2の層間絶縁膜43が形成されている。第2の層間絶縁膜43上には、第3の層間絶縁膜49が形成されている。このように、コンタクトホール29の底部において、内部接続配線45とゲート電極8およびn型の不純物拡散領域11bとが接触しているので、図1に示した本発明の実施の形態1のようにゲート電極8およびn型の不純物拡散領域11bに対してそれぞれ独立したコンタクトホール27、29(図1参照)を形成する必要がない。このため、図1に示した実施の形態1によるSRAMのメモリセルよりもコンタクトホールの数を減らすことができる。その結果、図18を参照して、負荷トランジスタT1のソース領域5bとドライバトランジスタD1のソース領域11aとの間の距離Lをより狭くすることができる。この結果、半導体装置の微細化および高集積化をより図ることができる。また、電源供給用接続配線40、41をタングステンシリサイドによって構成することにより、SRAMの内部の接続配線45,46も、後述する製造工程において示すように、電源供給用接続配線40、41と同じ工程で形成することができる。このため、整流素子DV1、DV2(図3参照)を電源供給用接続配線40、41と負荷トランジスタT1、T2のソース領域5a、6aとの接触領域に形成するために、従来のSRAMの製造工程より工程数が大幅に増加することを防止できる。
【0066】
図19〜26は、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルの製造工程を説明するための平面レイアウト図および断面構造図である。図19〜26を参照して、以下に本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルの製造工程を説明する。
【0067】
まず、図5および6に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程と同じ工程を実施した後、図19に示すように、負荷トランジスタT1、T2およびドライバトランジスタD1、D2のゲート絶縁膜50(図18参照)およびゲート電極7、8と、アクセストランジスタA1、A2のゲート絶縁膜(図示せず)とゲート電極13とを形成する。この図19における製造工程は、図7に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程と基本的に同一である。ただし、ゲート電極7の一部は、後述する製造工程においてコンタクトホール26(図17参照)を形成するために、負荷トランジスタT2のドレイン領域6bと隣接するように延びるように形成されている。また、ゲート電極8の一部も、同様の理由により、ドライバトランジスタD1のドレイン領域11bと隣接するように延びるように形成されている。そして、図19における線分200−200における断面構造図は、図8に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの断面構造図と同じ構造を示している。
【0068】
図20は、図19における線分300−300における断面構造図である。図20を参照して、半導体基板37の主表面には、n型ウェル38とp型ウェル39とが形成されている。半導体基板37の主表面の所定領域には、分離酸化膜35が形成されている。n型ウェル38の主表面には、負荷トランジスタT1のドレイン領域5bが形成されている。p型ウェル39の主表面には、ドライバトランジスタD1のドレイン領域11bが形成されている。そして、分離酸化膜35上の所定領域には、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極7が、ゲート絶縁膜50を介して形成されている。また、分離酸化膜35上の所定領域には、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極8が、ゲート絶縁膜50を介して形成されている。
【0069】
次に、全体を覆うように第1の層間絶縁膜42(図18参照)を形成する。そして、図9に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程とほぼ同一の工程により、コンタクトホール21、22、23、24、25、26、29、30を形成する。そして、第1の層間絶縁膜42上とコンタクトホール21、22、23、24、25、26、29、30の内部とにタングステンシリサイド膜48(図22参照)を形成する。ここで、図22は、図21における線分300−300における断面構造図である。また、図21における線分200−200における断面は、図10に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの断面構造図とほぼ同様である。図22に示すように、コンタクトホール25の底部において、負荷トランジスタT1のドレイン領域5bとタングステンシリサイド膜48とが接触している。また、コンタクトホール29の底部において、ゲート電極8およびドライバトランジスタD1のドレイン領域11bと、タングステンシリサイド48とが接触している。
【0070】
次に、タングステンシリサイド膜48上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、タングステンシリサイド膜48の一部を異方性エッチングにより除去する。このようにして、図23に示すように、電源供給用接続配線40、41および内部接続配線45、46を形成する。また図24は図23における線分300−300における断面構造図である。そして、図23における線分200−200における断面構造図は、図12に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの断面構造図とほぼ同様である。
【0071】
次に、図25における製造工程は、図13に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程とほぼ同様である。ただし、この図25における製造工程で形成されるコンタクトホールは、コンタクトホール19、20、31、32のみである。図26は、図25に示した線分300−300における断面構造図である。図26を参照して、第1の層間絶縁膜42上と内部接続配線45上とに第2の層間絶縁膜43が形成されている。第2の層間絶縁膜43上には、第1のアルミニウム膜44が形成されている。
【0072】
また、図25に示した線分200−200における断面構造図は、図14に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの断面構造図とほぼ同様である。
【0073】
そして、アルミニウム膜44上にレジストパターンを形成する工程以降は、本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程と同様である。このようにして、図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルを形成する。
【0074】
図27は、本発明の実施の形態2によるSRAMの変形例の平面レイアウト図である。図27を参照して、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルの変形例は、基本的には図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルと同様の構造を備えている。しかし、この変形例では、電源供給線47が電源供給用接続配線としても作用している。具体的には、図28を参照して、タングステンシリサイド膜からなる電源供給線47は、コンタクトホール21および22において、n型の不純物拡散領域3と負荷トランジスタT1のソース領域5aとに接触している。また、同様に、電源供給線47は、図27を参照して、コンタクトホール23、24において、n型の不純物拡散領域4と負荷トランジスタT2のソース領域6aとに接触している。このように、本発明の実施の形態2の変形例では、電源供給用接続配線と電源供給線とが一体となっているので、図17に示した実施の形態2のように電源供給線14と電源供給用接続配線40、41とを独立して形成した場合よりも、SRAMのメモリセルの構造を簡略化することができる。これにより、SRAMのメモリセルをより微細化することが可能となる。
【0075】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0076】
この発明は、相補型電界効果型トランジスタを含む半導体装置に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0077】
1〜4 n型の不純物拡散領域、5a,6a 負荷トランジスタのソース領域、5b,6b 負荷トランジスタのドレイン領域、7,8 ゲート電極、9,10 アルミニウム配線、11a,12a ドライバトランジスタのソース領域、11b,12b ドライバトランジスタのドレイン領域、11c,12c アクセストランジスタのソース/ドレイン領域、13 ワード線、14 電源供給線、15,16 接地線、17 ビット線、18 補ビット線、19〜34 コンタクトホール、35 分離酸化膜、37 半導体基板、38 n型ウェル、39 p型ウェル、40,41 電源供給用接続配線、42,43,49 層間絶縁膜、44 アルミニウム膜、45,46 タングステンシリサイドによる内部接続配線、47 タングステンシリサイドによる電源供給線、48 タングステンシリサイド膜、50 ゲート絶縁膜、51 電源供給用接続配線とp型の不純物拡散領域との接触領域。
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関し、より特定的には、相補型電界効果型トランジスタを含む半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体装置の1つとして、スタティック型半導体記憶装置(以下SRAM:static random access memory と記す)が知られている。SRAMのメモリセルは、一般にフリップフロップ回路と、データの読出および書込用のトランジスタとから構成される。SRAMは、フリップフロップ回路の動作状況により、データを保持する半導体記憶装置である。そして、メモリセルを構成するフリップフロップ回路中の負荷素子として、電界効果型トランジスタを用いるSRAMが知られている。
【0003】
図29は、従来の電界効果型トランジスタを負荷素子として用いたSRAMのメモリセルの等価回路図である。図29を参照して、従来の電界効果型トランジスタを負荷素子として用いたSRAMのメモリセルは、アクセストランジスタA1、A2、ドライバトランジスタD1、D2および負荷トランジスタT1、T2の6つのトランジスタから構成されている。ドライバトランジスタD1、D2と負荷トランジスタT1、T2とにより、フリップフロップ回路が構成されている。アクセストランジスタA1、A2は、データの読出および書込用のトランジスタである。アクセストランジスタA1、A2およびドライバトランジスタD1、D2はn型の電界効果型トランジスタであり、負荷トランジスタT1、T2はp型の電界効果型トランジスタである。そのため、ドライバトランジスタD1、D2および負荷トランジスタT1、T2により、相補型電界効果型トランジスタが構成されている。アクセストランジスタA1、A2のソース/ドレイン領域の一方はそれぞれビット線117および補ビット線118に接続されている。また、アクセストランジスタA1、A2のゲート電極は、ワード線113に接続されている。また、負荷トランジスタT1、T2のソース領域は、電源供給線114に接続されている。また、ドライバトランジスタD1、D2のソース領域は、接地線(図示せず)に接続されている。
【0004】
図30は、従来の電界効果型トランジスタを負荷トランジスタとして用いたSRAMのメモリセルパターンを示す平面レイアウト図である。図31は、図30における線分100−100における断面構造図である。図30および31を参照して、以下に従来の電界効果型トランジスタを負荷トランジスタとして用いたSRAMを説明する。
【0005】
図30を参照して、従来の電界効果型トランジスタを負荷トランジスタとして用いたSRAMのメモリセルは、アクセストランジスタA1、A2と、ドライバトランジスタD1、D2と、負荷トランジスタT1、T2と、電源供給線114と、接地線115、116と、ビット線117と、補ビット線118と、アクセストランジスタA1、A2のゲート電極としても作用するワード線113とを備える。アクセストランジスタA1は、ゲート電極113と、ソース/ドレイン領域111c、111bとを含む。アクセストランジスタA2は、ゲート電極113と、ソース/ドレイン領域112c、112bとを含む。ドライバトランジスタD1は、ゲート電極107と、ソース領域111aと、ドレイン領域111bとを含む。ドライバトランジスタD2は、ゲート電極108と、ソース領域112aと、ドレイン領域112bとを含む。負荷トランジスタT1は、ゲート電極107と、ソース領域105aと、ドレイン領域105bとを含む。負荷トランジスタT2は、ゲート電極108と、ソース領域106aと、ドレイン領域106bとを含む。アクセストランジスタA1、A2およびドライバトランジスタD1、D2のソース/ドレイン領域111a〜111cおよび112a〜112cは、半導体基板の主表面にn型の不純物を注入することにより形成されている。負荷トランジスタT1、T2のソース/ドレイン領域105a、105b、106a、106bは、半導体基板の主表面にp型の不純物を注入することにより形成されている。また、半導体基板の主表面にはn型不純物の拡散領域103、104が形成されている。
【0006】
そして、これらのトランジスタA1、A2、D1、D2、T1、T2のゲート電極113、107、108は、半導体基板上に形成されたポリシリコン膜により構成されている。これらのトランジスタの上に位置する領域には、第1の層間絶縁膜142(図31参照)を介して、アルミニウムからなる内部接続配線109、110と、接地線115、116と、電源供給用接続配線140、141と、電源供給線114とが形成されている。内部接続配線109は、コンタクトホール125、127、129を介して、それぞれ負荷トランジスタT1のドレイン領域105b、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極108、ドライバトランジスタD1のドレイン領域であり同時にアクセストランジスタA1のソース/ドレイン領域の一方である領域111bと電気的に接続されている。同様に、内部接続配線110は、コンタクトホール126、128、130を介して、負荷トランジスタT2のドレイン領域106b、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極107、ドライバトランジスタD2のドレイン領域であり同時にアクセストランジスタA2のソース/ドレイン領域の一方である領域112bと電気的に接続されている。接地線115、116は、コンタクトホール131、132を介して、ドライバトランジスタD1、D2のソース領域111a、112aにそれぞれ接触している。電源供給線114は、コンタクトホール119、120を介して、n型の不純物拡散領域101、102に接触している。そして、電源供給用接続配線104は、コンタクトホール121、122を介してn型の不純物拡散領域103と負荷トランジスタT1のソース領域105aとに接触している。電源供給用接続配線141は、コンタクトホール123、124を介して、n型の不純物拡散領域104と負荷トランジスタT2のソース領域106aとに接触している。
【0007】
そして、第1の層間絶縁膜142と、内部接続配線109、110と、接地線115、116と、電源供給用接続配線140、141と、電源供給線114との上には、第2の層間絶縁膜143(図31参照)が形成されている。そして、第2の層間絶縁膜143上には、ビット線117と補ビット線118とが形成されている。アクセストランジスタA1、A2のソース/ドレイン領域の他の一方111c、112cは、コンタクトホール133、134を介して、ビット線117および補ビット線118にそれぞれ接続されている。
【0008】
図31を参照して、半導体基板137の主表面にはn型ウェル138と、p型ウェル139とが形成されている。n型ウェル138の主表面には、n型の不純物拡散領域101、103と、負荷トランジスタT1(図30参照)のソース領域であるp型の不純物拡散領域105aとが形成されている。p型ウェル139の主表面には、ドライバトランジスタD1(図30参照)のソース領域であるn型の不純物拡散領域111aが形成されている。負荷トランジスタT1のソース領域105aとドライバトランジスタD1のソース領域111aとの間の半導体基板137の主表面には、分離酸化膜135が形成されている。半導体基板137の主表面上と分離酸化膜135上とには、層間絶縁膜142が形成されている。n型の不純物拡散領域101、103、負荷トランジスタT1のソース領域105aおよびドライバトランジスタD1のソース領域111aの上に位置する領域の層間絶縁膜142の一部を除去することにより、コンタクトホール119、121、122および131が形成されている。コンタクトホール119内部と層間絶縁膜142上とには、n型の不純物拡散領域101と接触するように電源供給線114が形成されている。コンタクトホール121、122内部と層間絶縁膜142上とには、n型の不純物拡散領域103と負荷トランジスタT1のソース領域105aとに接触するように、アルミニウムからなる電源供給用接続配線140が形成されている。コンタクトホール131内部と層間絶縁膜142上とには、ドライバトランジスタD1のソース領域111aと接触するように、接地線115が形成されている。
【0009】
ここで、従来のSRAMでは、図31を参照して、寄生的に2つのバイポーラトランジスタが形成されている。具体的には、負荷トランジスタT1のソース領域105aをエミッタ電極、n型ウェル138をベース電極、p型ウェル139をコレクタ電極とするpnp型のバイポーラトランジスタQ1と、n型ウェル138をコレクタ電極、p型ウェル139をベース電極、ドライバトランジスタD1のソース領域111aをエミッタ電極とするnpn型のバイポーラトランジスタQ2とが形成されている。そして、これら寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1、Q2は、図32に示すように、寄生的にサイリスタを構成している。ここで、図32は、従来のSRAMにおいて寄生的に形成されているサイリスタの等価回路図である。このように寄生的にサイリスタが形成されているので、電源供給線114(図31参照)に供給される電源電圧のノイズにより、寄生的に形成されたサイリスタが動作することがある。そして、このように寄生的に形成されたサイリスタが動作すると、電源供給線114から接地線115(図31参照)まで電流が流れ続ける状態となる。こうした現象をラッチアップと呼ぶ。このようなラッチアップが発生すると、半導体素子の動作を阻害するばかりでなく、大電流による発熱のため半導体素子を破壊してしまうといった問題が発生していた。
【0010】
従来、ラッチアップ対策としては、図31を参照して、電源供給線114から負荷トランジスタT1のソース領域105aへ電源を供給する経路の一部として、n型ウェル138を使用している。具体的には、電源供給線114に供給された電源電流は、n型の不純物拡散領域101からn型ウェル138を経由してn型の不純物拡散領域103に伝えられる。そして、電源電流はn型の不純物拡散領域103から電源供給用接続配線140を介して負荷トランジスタT1のソース領域105aに伝えられる。このため、n型ウェル138の基板抵抗によって、寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1(図32参照)のエミッタ電極である負荷トランジスタT1のソース領域105aへ供給される電源電圧を降下させることができる。その結果、エミッタ電極である負荷トランジスタT1のソース領域105aと、バイポーラトランジスタQ1のベース電極であるn型ウェル138とに電源電流を供給するので、このバイポーラトランジスタQ1のエミッタ電極とベース電極との間が順バイアスになることを防止することができる。このように、従来はラッチアップの発生を防止していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、半導体装置における微細化、高集積化の要求は、益々強くなってきている。そのため、SRAMにおいても、図31を参照して、従来は負荷トランジスタT1のソース領域105aとドライバトランジスタD1のソース領域111aとの間隔は最少でも5μm程度であり、分離酸化膜135の長さLも5μm程度であったものを、メモリセルの微細化を図る目的で、さらに小さくしたいという要求がでてきている。しかし、このように負荷トランジスタT1のソース領域105aとドライバトランジスタD1のソース領域111aとの間隔を5μmよりさらに狭くすると、寄生的に形成されるバイポーラトランジスタQ1、Q2の性能が結果的に向上し、従来よりもより微弱な電源電圧のノイズによってラッチアップが発生するようになる。このため、従来用いられていたn型ウェル138の基板抵抗を利用した対策でけでは、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体素子の微細化、高集積化を図ることが困難になってきていた。
【0012】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ラッチアップの発生を防止しつつ、構造の微細化が可能な半導体装置を提供することである。
【0013】
この発明のもう1つの目的は、ラッチアップの発生を防止しつつ、構造の微細化が可能な半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に従った半導体装置は、n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域と、n型の第1の不純物領域と、p型の第2の不純物領域と、n型の第3の不純物領域と、層間絶縁膜と第1および第2の配線とを備える。n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域は、半導体基板の主表面に互いに隣接して配置される。n型の第1の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。p型の第2の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。n型の第3の不純物領域は、第2の半導体領域の主表面に配置される。層間絶縁膜は半導体基板の主表面を覆い、また、当該層間絶縁膜には、第1の不純物領域を露出させる第1のコンタクトホールと、第2の不純物領域を露出させる第2のコンタクトホールと、第3の不純物領域を露出させる第3のコンタクトホールとが配置される。第1の配線は、第1および第2のコンタクトホールを介して第1および第2の不純物領域と接続し、不純物を含んだ高融点金属シリサイドからなり、電源供給線に接続される。第2の配線は、第3のコンタクトホールを介して第3の不純物領域と接続し、接地線に電気的に接続される。
【0015】
また、この発明に従った半導体装置は、n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域と、n型の第1の不純物領域と、p型の第2の不純物領域と、n型の第3の不純物領域と、n型の第4の不純物領域と、層間絶縁膜と、第1〜第3の配線とを備える。n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域は、半導体基板の主表面に互いに隣接して配置される。n型の第1の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。p型の第2の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。n型の第3の不純物領域は、第2の半導体領域の主表面に配置される。n型の第4の不純物領域は、第1の半導体領域の主表面に配置される。層間絶縁膜は、半導体基板の主表面を覆う。また当該層間絶縁膜には、第1の不純物領域を露出させる第1のコンタクトホールと、第2の不純物領域を露出させる第2のコンタクトホールと、第3の不純物領域を露出させる第3のコンタクトホールと、第4の不純物領域を露出させる第4のコンタクトホールとが配置される。第1の配線は、第1および第2のコンタクトホールを介して第1および第2の不純物領域と接続し、不純物を含んだ高融点金属シリサイドからなる。第2の配線は、第3のコンタクトホールを介して第3の不純物領域と接続し、接地線に電気的に接続される。第3の配線は、第4のコンタクトホールを介して第4の不純物領域と接続し、電源供給線に電気的に接続される。
【0016】
また、この発明に従った半導体装置は、半導体基板の主表面に、第1導電型の第1の半導体領域および第2導電型の第2の半導体領域が隣接して形成されている。上記第1の半導体領域の主表面には、電源供給線あるいは接地線と電気的に接続されている第1導電型の第1の不純物領域が形成されている。上記第1の半導体領域の主表面には、第2導電型の第2の不純物領域が形成されている。上記第2の半導体領域の主表面には、電源供給線あるいは接地線に電気的に接続されている第1導電型の第3の不純物領域が形成されている。上記第1および第2の不純物領域と接触するように、半導体を含む接続部が形成されている。そして、上記半導体基板の主表面には、第1および第2のバイポーラトランジスタが寄生的に形成されている。上記第1のバイポーラトランジスタは、上記第2の不純物領域からなる第1のエミッタ電極と、上記第1の半導体領域からなる第1のベース電極と、上記第2の半導体領域からなる第1のコレクタ電極とを含む。上記第2のバイポーラトランジスタは、上記第1の半導体領域からなる第2のコレクタ電極と、上記第2の半導体領域からなる第2のベース電極と、上記第3の不純物領域からなる第2のエミッタ電極とを含む。上記第1および第2のバイポーラトランジスタにより、サイリスタが寄生的に形成されている。
【0017】
このように、本発明に従った半導体装置では、半導体を含む接続部が、上記第1および第2の不純物領域と接触するように形成されているので、上記第1および第2の不純物領域の少なくともいずれか一方と上記接続部との接触領域において、整流素子を形成することができる。これにより、寄生的に形成された上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極へ、上記整流素子を介して電源電流を供給することができる。また、上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のベース電極へ、上記第1の不純物領域から上記整流素子を介することなく電源電流を供給することができる。このため、上記第1のバイポーラトランジスタにおいて、上記第1のエミッタ電極に印加される電源電圧を上記第1のベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。これにより、上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極−第1のベース電極間が順バイアスになることを防止できる。この結果、寄生的に形成された上記サイリスタが動作することを防止できる。その結果、半導体素子を微細化するために、上記第2の不純物領域と上記第3の不純物領域との間の距離を小さくした場合でも、ラッチアップの発生を防止することができる。このため、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の微細化を図ることが可能となる。
【0018】
上記半導体装置では、上記第2の不純物領域と、上記第3の不純物領域との間の距離を、2.0μm以下とする。このようにすれば、上記第2の不純物領域と上記第3の不純物領域との間の距離を、従来の基板抵抗を利用したラッチアップ対策を利用した場合よりも大幅に短縮しているので、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の構造を従来より微細化することが可能となる。
【0019】
上記半導体装置では、上記第2の不純物領域と上記第3の不純物領域との間の上記半導体基板の主表面には、2.0μm以下の幅を有する分離酸化膜が形成されている。このようにすれば、上記第2および第3の不純物領域の間に上記分離酸化膜を形成するので、上記半導体装置の製造工程において自己整合的に上記第2および第3の不純物領域を形成することができる。また、上記分離酸化膜の幅を2.0μm以下とするので、上記第2および第3の不純物領域の間の距離を、従来の基板抵抗を利用したラッチアップ対策を利用した場合よりも大幅に短縮することができる。この結果、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の構造を従来より微細化することが可能となる。
【0020】
上記半導体装置は、上記接続部が高融点金属シリサイドを有する。このようにすれば、上記半導体装置の他の配線についても上記高融点金属シリサイドを用いることで、上記他の配線を上記接続部と同時に形成することが可能となる。この結果、半導体装置の製造工程数が上記接続部を形成することに起因して従来の半導体装置の製造工程数より大幅に増加することを防止できる。
【0021】
上記半導体装置は、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置である。このようにすれば、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置において、上記接続部を形成する。電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置は、半導体基板の主表面に6つの電界効果型トランジスタを配置しなければならない。この電界効果型トランジスタの数は、他の半導体記憶装置のメモリセルにおける電界効果型トランジスタの数よりも特に多いため、上記スタティック型半導体記憶装置のメモリセルのサイズは他の半導体記憶装置よりも大きくなる。一方、上記スタティック型半導体記憶装置において、上記接続部を形成することにより上記整流素子を形成し、これによりラッチアップの発生を防止しつつ上記第2および第3の不純物領域の間の距離を小さくすることができる。そのため、上記電界効果型トランジスタを他の半導体記憶装置よりもメモリセル当たりに多く備える上記スタティック型半導体記憶装置において、本発明はメモリセルの微細化により顕著な効果を示す。
【0022】
上記半導体装置では、上記接続部を配線として利用してもよい。このようにすれば、上記接続部を独立して形成する場合よりも、半導体装置の構造を簡略化することができる。この結果、上記半導体装置をより有効に微細化することができると同時に、その製造工程も簡略化することができる。
【0023】
上記半導体装置では、上記接続部を電源供給線として利用してもよい。このようにすれば、上記電源供給線とは別に上記接続部を形成する場合よりも、半導体装置の構造を簡略化することができる。その結果、上記半導体装置をより有効に微細化することができると同時に、その製造工程も簡略化することができる。
【0024】
上記半導体装置では、上記接続部と実質的に同一の材質により半導体装置の内部接続配線を形成する。このようにすれば、上記接続部と上記半導体装置の上記内部接続配線とを同じ工程において形成することができる。その結果、半導体装置のラッチアップの発生を防止しつつ、半導体装置の微細化を図ると同時に、製造工程を簡略化することができる。
【0025】
上記半導体装置では、上記接続部と実質的に同一の材質により形成される配線が、1つのコンタクトホールの内部において2つ以上の導電部と電気的に接続される。このようにすれば、上記2つの導電部に対し、別々のコンタクトホールを形成し、上記配線と上記2つの導電部とをそれぞれの上記コンタクトホールを介して接続する場合よりも、コンタクトホールの数を削減することができる。その結果、半導体装置をより微細化することができる。
【0026】
上記半導体装置では、相補型電界効果型トランジスタが形成されている。また、第1および第2のバイポーラトランジスタが寄生的に形成されている。上記第1および第2のバイポーラトランジスタによりサイリスタが寄生的に構成されている。上記第1のバイポーラトランジスタのエミッタ電極と電源供給部とに電気的に接続するように整流素子が形成されている。上記電源供給部と電気的に接続するように、上記第1のバイポーラトランジスタのベース電極が形成されている。このように、上記半導体装置では、上記第1のバイポーラトランジスタの上記エミッタ電極へ上記整流素子を介して電源電流を供給する。そして、上記ベース電極へは上記整流素子を介さずに電源電流を供給する。このため、上記エミッタ電極に印加される電源電圧を上記ベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。これにより、半導体装置を微細化するため上記相補型電界効果型トランジスタを構成する複数の電界効果型トランジスタの間の距離を小さくしても、上記第1のバイポーラトランジスタの上記エミッタ電極−ベース電極間が順バイアスになることを防止できる。この結果、寄生的に形成されている上記サイリスタが動作することを防止できる。その結果、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の微細化を図ることが可能となる。
【0027】
上記半導体装置では、上記整流素子の逆方向抵抗をR1とし、上記相補型電界効果型トランジスタを構成するp型MOSトランジスタのON抵抗をR2とした場合、R1がR2/100<R1<100×R2という関係を満足する。このように、上記整流素子の逆方向抵抗R1を、R2/100<R1<100×R2という関係を満足するようにしているので、ラッチアップの発生を防止しつつ、上記相補型電界効果型トランジスタを安定して動作させることができる。ここで、R1がR2/100より小さい場合は、上記エミッタ電極に印加される電源電圧を十分に低下させることができず、上記エミッタ電極−ベース電極間が順バイアスになることを確実に防止することが困難となる。また、R1が100×R2より大きいと、上記相補型電界効果型トランジスタへ十分な電源電流を供給することが困難となるため、上記相補型電界効果型トランジスタを安定して動作させることが困難となる。
【0028】
上記半導体装置は、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置である。このように、上記半導体装置では、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置において、上記整流素子を形成する。電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置は、半導体基板の主表面に6つの電界効果型トランジスタを配置しなければならない。この電界効果型トランジスタの数は、他の半導体記憶装置のメモリセルにおける電界効果型トランジスタの数よりも特に多いため、上記スタティック型半導体記憶装置のメモリセルのサイズは他の半導体記憶装置よりも大きくなる。一方、上記スタティック型半導体記憶装置において、上記整流素子を形成し、これによりラッチアップの発生を防止できるので、メモリセルを構成する上記電界効果型トランジスタ間の距離を従来より小さくすることができる。そのため、電界効果型トランジスタを他の半導体記憶装置よりもメモリセル当たりに多く備える、上記スタティック型半導体記憶装置において、本発明はメモリセルの微細化により顕著な効果を示す。
【0029】
上記半導体装置では、上述した構成において、上記スタティック型半導体記憶装置が、それぞれ1つ以上の上記整流素子を含む複数のメモリセルを備える。このため、上記半導体装置では、上記複数のメモリセルにおける電界効果型トランジスタが、それぞれ異なる電気的特性を有する場合でも、上記メモリセルごとに、それぞれの上記メモリセルにおける上記電界効果型トランジスタの電気的特性に合わせて上記整流素子の逆方向抵抗を調整することができる。これによって、ラッチアップの発生をより確実に防止することが可能となる。
【0030】
上記半導体装置では、上記構成において、上記整流素子が、上記スタティック型半導体記憶装置の2つ以上のメモリセルに対して1つ形成されている。このため、各メモリセルごとに上記整流素子を形成する場合よりも、上記整流素子の数を削減することができ、その結果、半導体装置の構造を簡略化することができる。この結果、半導体装置をより微細化することが可能となる。
【0031】
この発明に従った半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。半導体基板の主表面に第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型の第1の半導体領域を形成する。上記半導体基板の主表面に、第2導電型の不純物を導入することにより、第2導電型の第2の半導体領域を形成する。上記第1の半導体領域の主表面に第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型の第1の不純物領域を形成する。上記第1の半導体領域の主表面に第2導電型の不純物を導入することにより、第2導電型の第2の不純物領域を形成する。上記第2の半導体領域の主表面に第1導電型の不純物を導入することにより、第1導電型の第3の不純物領域を形成する。上記第1、第2および第3の不純物領域上に、層間絶縁膜を形成する。上記層間絶縁膜の、上記第1および第2の不純物領域上に位置する領域に、それぞれ第1および第2の開口部を形成する。上記第1および第2の開口部の内部と上記層間絶縁膜上とに半導体膜を形成する。上記半導体膜に第1導電型および第2導電型の少なくともいずれか一方の不純物を導入する。上記半導体膜の一部を除去することにより、上記第1および第2の不純物領域と接触する接続部を形成する。上記第1の不純物領域と電気的に接続されている電源供給線を形成する。上記第3の不純物領域と電気的に接続されている接地線を形成する。これにより、第1および第2のバイポーラトランジスタが寄生的に形成されている。上記第1のバイポーラトランジスタは、上記第2の不純物領域からなる第1のエミッタ電極と、上記第1の半導体領域からなる第1のベース電極と、上記第2の半導体領域からなる第1のコレクタ電極とから構成されている。上記第2のバイポーラトランジスタは、上記第1の半導体領域からなる第2のコレクタ電極と、上記第2の半導体領域からなる第2のベース電極と、上記第3の不純物領域からなる第2のエミッタ電極とから構成されている。上記第1および第2のバイポーラトランジスタにより、サイリスタが寄生的に形成されている。このように、請求項15に記載の発明では、第1導電型および第2導電型の少なくともいずれか一方の不純物を有する半導体膜からなる接続部が、上記第1および第2の不純物領域と接触するように形成されているので、上記第1および第2の不純物領域と上記接続部とのいずれか一方の接触領域において、整流素子を形成することができる。これにより、寄生的に形成された上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極へ、上記整流素子を介して電源電流を供給することができる。また、第1のバイポーラトランジスタの上記第1のベース電極へ上記第1の不純物領域から上記整流素子を介すことなく電源電流を供給することができる。このため、上記第1のバイポーラトランジスタにおいて、上記第1のエミッタ電極に印加される電源電圧を上記第1のベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。これにより、上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極−第1のベース電極間が順バイアスになることを防止できる。この結果、上記半導体装置の微細化のために上記第2の不純物領域と上記第3の不純物領域との間の距離を小さくした場合でも、寄生的に形成されている上記サイリスタが動作することを防止できる。その結果、ラッチアップの発生を防止しながら、半導体装置の微細化を図ることが可能となる。
【0032】
上記半導体装置の製造方法では、上述した構成において、上記半導体膜に第1導電型および第2導電型の少なくともいずれか一方の不純物を導入する工程が、上記不純物イオンを上記半導体膜にイオン注入する工程である。このため、上記イオン注入する工程における上記半導体膜へのイオン注入量を制御することにより、上記整流素子の逆方向抵抗を制御することができる。この結果、上記半導体装置の電気的特性に合わせるように、上記整流素子の逆方向抵抗を制御することにより、ラッチアップの発生を確実に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明によれば、寄生的に第1および第2のバイポーラトランジスタが形成されている半導体装置において、上記第1のバイポーラトランジスタの第1のエミッタ電極と電源供給部とに電気的に接続するように整流素子を形成することができる。これにより、上記第1のバイポーラトランジスタの上記第1のエミッタ電極と第1のベース電極との間が順バイアスになることを防止できる。この結果、寄生的に形成された上記第1および第2のバイポーラトランジスタにより構成されるサイリスタが動作することを防止することができ、上記半導体装置を構成する複数の電界効果型トランジスタの間の間隔を小さくしても、ラッチアップが発生することを防止できる。これにより、ラッチアップの発生を防止しつつ、構造の微細化が可能な半導体装置およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施の形態1によるSRAMの平面レイアウト図である。
【図2】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの線分200−200における断面構造図である。
【図3】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの等価回路図である。
【図4】図2に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルにおいて寄生的に形成されているサイリスタの等価回路図である。
【図5】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第1工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図6】図5に示した線分200−200における断面構造図である。
【図7】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第2工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図8】図7に示した線分200−200における断面構造図である。
【図9】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第3工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図10】図9に示した線分200−200における断面構造図である。
【図11】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第4工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図12】図11に示した線分200−200における断面構造図である。
【図13】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第5工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図14】図13に示した線分200−200における断面構造図である。
【図15】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの変形例の回路図である。
【図16】図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルにおける整流素子の電気的特性を示すグラフである。
【図17】本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルの平面レイアウト図である。
【図18】図17に示した線分300−300における断面構造図である。
【図19】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの製造工程の第1工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図20】図19に示した線分300−300における断面構造図である。
【図21】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの製造工程の第2工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図22】図21に示した線分300−300における断面構造図である。
【図23】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの製造工程の第3工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図24】図23に示した線分300−300における断面構造図である。
【図25】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの製造工程の第4工程を説明するための平面レイアウト図である。
【図26】図25に示した線分300−300における断面構造図である。
【図27】図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMの変形例を示す平面レイアウト図である。
【図28】図27に示した線分400−400における断面構造図である。
【図29】従来のSRAMのメモリセルの等価回路図である。
【図30】従来のSRAMのメモリセルを示す平面レイアウト図である。
【図31】図30に示した線分100−100における断面構造図である。
【図32】図31に示した従来のSRAMのメモリセルにおいて寄生的に形成されているサイリスタの等価回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるスタティック型半導体記憶装置(SRAM)を説明するための平面レイアウト図である。図2は、図1における線分200−200における断面構造図である。図1および2を参照して、以下に本発明の実施の形態1によるSRAMを説明する。
【0036】
図1を参照して、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルは、アクセストランジスタA1、A2と、ドライバトランジスタD1、D2と、負荷トランジスタT1、T2と、電源供給線14と、接地線15、16と、ビット線17と、補ビット線18と、アクセストランジスタA1、A2のゲート電極としても作用するワード線13とを備える。アクセストランジスタA1は、ゲート電極13と、ソース/ドレイン領域11c、11bとを含む。アクセストランジスタA2は、ゲート電極13と、ソース/ドレイン領域12c、12bとを含む。ドライバトランジスタD1は、ゲート電極7と、ソース領域11aと、ドレイン領域11bとを含む。ドライバトランジスタD2は、ゲート電極8と、ソース領域12aと、ドレイン領域12bとを含む。負荷トランジスタT1は、ゲート電極7と、ソース領域5aと、ドレイン領域5bとを含む。負荷トランジスタT2は、ゲート電極8と、ソース領域6aと、ドレイン領域6bとを含んでいる。アクセストランジスタA1、A2およびドライバトランジスタD1、D2のソース/ドレイン領域11a〜11cおよび12a〜12cは、半導体基板37(図2参照)の主表面にn型の不純物を注入することにより形成されている。負荷トランジスタT1、T2のソース/ドレイン領域5a、5b、6a、6bは、半導体基板37の主表面にp型の不純物を注入することにより形成されている。そして、これらのトランジスタA1、A2、D1、D2、T1、T2のゲート電極13、7および8は、半導体基板37の主表面上において、ゲート絶縁膜(図示せず)を介して形成されたポリシリコン膜により構成されている。これらのトランジスタの上に位置する領域には、第1の層間絶縁膜42(図2参照)を介して、タングステンシリサイドからなる電源供給用接続配線40、41が形成されている。電源供給用接続配線40は、コンタクトホール21、22を介してn型の不純物拡散領域3と負荷トランジスタT1のソース領域5aとに接触している。電源供給用接続配線41は、コンタクトホール23、24を介して、n型の不純物拡散領域4と負荷トランジスタT2のソース領域6aとに接触している。また、この電源供給用接続配線40、41には、後述する製造工程において、n型の不純物であるリンがドーズ量1.0×1020個/cm2程度、注入エネルギ20keV程度といった条件で注入されている。
【0037】
そして、第1の層間絶縁膜42と、電源供給用接続配線40、41との上に、第2の層間絶縁膜43(図2参照)形成されている。この第2の層間絶縁膜43上には、内部接続配線9、10と、接地線15、16と、電源供給線14とが形成されている。内部接続配線9は、コンタクトホール25、27、29を介して、それぞれ負荷トランジスタT1のドレイン領域5b、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極8、ドライバトランジスタD1のドレイン領域であり同時にアクセストランジスタA1のソース/ドレイン領域の一方である領域11bと電気的に接続されている。同様に、内部接続配線10は、コンタクトホール26、28、30を介して、負荷トランジスタT2のドレイン領域6b、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極7、ドライバトランジスタD2のドレイン領域でありかつアクセストランジスタA2のソース/ドレイン領域の一方である領域12bと電気的に接続されている。ドライバトランジスタD1、D2のソース領域/11a、12aは、コンタクトホール31、32を介して、接地線15、16にそれぞれ接続されている。電源供給線14は、コンタクトホール19、20を介して、半導体基板37の主表面に形成されたn型の不純物拡散領域1、2に接触している。また、半導体基板37の主表面にはn型の不純物拡散領域3、4が形成されている。
【0038】
そして、第2の層間絶縁膜43と内部接続配線9、10と、接地線15、16と、電源供給線14との上には、第3の層間絶縁膜49(図2参照)が形成されている。第3の層間絶縁膜49上には、ビット線17および補ビット線18が形成されている。アクセストランジスタA1、A2のソース/ドレイン領域の他の一方11c、12cは、コンタクトホール33、34を介して、ビット線17および補ビット線18にそれぞれ接続されている。図2を参照して、半導体基板37の主表面にはn型ウェル38と、p型ウェル39とが形成されている。半導体基板37の主表面上の所定領域には、分離酸化膜35が形成されている。この分離酸化膜35の幅Lは約2.0μmである。n型ウェル38の主表面には、n型の不純物拡散領域1、3と、負荷トランジスタT1(図1参照)のソース領域であるp型の不純物拡散領域5aとが形成されている。p型ウェル39の主表面には、ドライバトランジスタD1(図1参照)のソース領域であるn型の不純物拡散領域11aが形成されている。半導体基板37の主表面と分離酸化膜35との上には、第1の層間絶縁膜42が形成されている。n型の不純物拡散領域3と負荷トランジスタT1のソース領域5aとの上に位置する領域の層間絶縁膜42の一部を除去することにより、コンタクトホール21、22が形成されている。コンタクトホール21、22の内部と層間絶縁膜42上とには、n型の不純物拡散領域3および負荷トランジスタT1のソース領域5aに接触するように、タングステンシリサイドからなる電源供給用接続配線40が形成されている。
【0039】
電源供給用接続配線40と層間絶縁膜42との上には、第2の層間絶縁膜43が形成されている。n型の不純物拡散領域1とドライバトランジスタD1のソース領域11aとの上に位置する領域における第1および第2の層間絶縁膜42、43の一部を除去することにより、コンタクトホール19、31が形成されている。コンタクトホール19内部と第2の層間絶縁膜43上とには、n型の不純物拡散領域1と接触するように、アルミニウムからなる電源供給線14が形成されている。コンタクトホール31内部と第2の層間絶縁膜43上とには、ドライバトランジスタD1のソース領域11aと接触するように、アルミニウムからなる接地線15が形成されている。第2の層間絶縁膜43と電源供給線14と接地線15との上には、第3の層間絶縁膜49が形成されている。
【0040】
ここで、電源供給線14に供給された電源電流は、n型の不純物拡散領域1から、n型ウェル38、n型の不純物拡散領域3、電源供給用接続配線40を経由して負荷トランジスタT1のソース領域5aに流れるようになっている。そして、n型の不純物であるリンが注入されている電源供給用接続配線40と、p型の不純物領域である負荷トランジスタT1のソース領域5aとの接触領域51においては、整流素子として作用するpn接合が形成されている。また、図1を参照して、電源供給用接続配線41と負荷トランジスタT2のソース領域6aとの接触領域においても、同様に整流素子として作用するpn接合が形成されている。
【0041】
図3は、図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの等価回路図である。電源供給用接続配線40(図2参照)と負荷トランジスタT1(図2参照)のソース領域5a(図2参照)との接触領域51(図2参照)において形成された整流素子をDV1、電源供給用接続配線41(図1参照)と、負荷トランジスタT2(図1参照)のソース領域6a(図1参照)との接触領域において形成された整流素子をDV2とすれば、図3を参照して、これら整流素子DV1、DV2は、電源供給線14と負荷トランジスタT1、T2との間に位置している。
【0042】
ここで、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルでは、図2を参照して、寄生的に2つのバイポーラトランジスタが形成されている。具体的には、負荷トランジスタT1のソース領域5aを第1のエミッタ電極、n型ウェル38を第1のベース電極、p型ウェル39を第1のコレクタ電極とするpnp型バイポーラトランジスタQ1(図4参照)と、n型ウェル38を第2のコレクタ電極、p型ウェル39を第2のベース電極、ドライバトランジスタD1のソース領域11aを第2のエミッタ電極とするnpn型のバイポーラトランジスタQ2(図4参照)が形成されている。そして、これら寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1、Q2は、図4に示すように、寄生的にサイリスタを構成している。ここで、図4は、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルに寄生的に形成されているサイリスタの等価回路図である。そして、電源供給用接続配線40(図2参照)と負荷トランジスタT1のソース領域5a(図2参照)との接触領域51(図2参照)において形成されている整流素子DV1は、電源供給線14とpnp型バイポーラトランジスタQ1の第1のエミッタ電極との間に位置している。
【0043】
ここで、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルでは、n型の不純物が注入されたタングステンシリサイドによって、電源供給用接続配線40(図2参照)が形成されているので、この電源供給用接続配線40と負荷トランジスタT1のソース領域5aとの接触領域51において、整流素子DV1を形成することができる。これにより、図4を参照して、寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1の第1のエミッタ電極へ上記整流素子DV1を介して電源電流を供給することができる。また、上記バイポーラトランジスタQ1の第1のベース電極へは、上記整流素子DV1を介すことなく電源電流を供給することができる。このため、バイポーラトランジスタQ1の上記第1のエミッタ電極に印加される電源電圧を、上記バイポーラトランジスタQ1の第1のベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。これにより、寄生的に形成されたバイポーラトランジスタQ1の上記第1のエミッタ電極−第1のベース電極間が順バイアスになることを防止できる。この結果、SRAMのメモリセルを微細化するために負荷トランジスタT1のソース領域5aとドライバトランジスタD1のソース領域11aとの間の距離を2.0μm程度とした場合でも、寄生的に形成されたサイリスタが動作することを防止できる。その結果、ラッチアップの発生を防止しながら、SRAMのメモリセルの微細化を図ることが可能となる。なお、ここで電源供給用接続配線40、41をチタンシリサイドといった他の高融点金属シリサイドや、ポリシリコンにより形成しても、同様の効果が得られる。また、ここではn型の不純物をタングステンシリサイドに注入しているが、不純物を注入しないポリシリコンまたはタングステンシリサイドなどの高融点金属シリサイドにより電源供給用接続配線40を形成しても、接触領域51において整流素子を形成することができ、かつ、電源供給用接続配線40の電気抵抗を大きくすることができる。これにより、バイポーラトランジスタQ1の上記第1のエミッタ電極に印加される電源電圧を、上記バイポーラトランジスタQ1の第1のベース電極に印加される電源電圧より常に低くすることが可能となる。
【0044】
また、負荷トランジスタT1のソース領域5aとドライバトランジスタD1のソース領域11aとの間の距離を、従来の基板抵抗を利用したラッチアップ対策を利用した場合よりも大幅に短縮し、2.0μmとしているので、半導体装置の構造を従来より微細化することが可能となる。
【0045】
また、負荷トランジスタT1のソース領域5aとドライバトランジスタD1のソース領域11aとの間の半導体基板37の主表面に分離酸化膜35を形成しているので、後述する製造工程において、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のソース領域5a、11aを自己整合的に形成することができる。
【0046】
また、本発明の実施の形態1によるSRAMは、電界効果型トランジスタを負荷トランジスタT1、T2として用いているため、半導体基板37の表面に6つの電界効果型トランジスタA1、A2、D1、D2、T1、T2を配置しなければならない。この電界効果型トランジスタの数は、他の半導体記憶装置のメモリセルにおける電界効果型トランジスタの数よりも多く、このSRAMのメモリセルのサイズは、他の半導体記憶装置よりも大きくなっていた。しかし、上記整流素子DV1、DV2によってラッチアップの発生を防止するので、本発明の実施の形態1によるSRAMでは、電界効果型トランジスタT1およびD1の間の距離を従来のSRAMのように長くする必要がない。このため、電界効果型トランジスタを他の半導体記憶装置よりもメモリセルあたり多く備える、電界効果型トランジスタを負荷素子として用いるSRAMにおいて、メモリセルの微細化に、より顕著な効果を示す。
【0047】
また、図1に示すように、SRAMのメモリセルごとに、電源供給用接続配線40、41を形成することによって、上記メモリセルごとにそれぞれ整流素子DV1、DV2(図3参照)を形成しているので、各メモリセルの電源供給用接続配線40、41ごとに、n型の不純物の濃度を変えることが可能となる。これにより、各メモリセルごとに形成されている整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗をメモリセル毎に変更することが可能となる。これによって、それぞれのメモリセルにおける半導体素子の電気的特性に合せて、上記整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗を変更することが可能となり、ラッチアップの発生をより確実に防止することが可能となる。
【0048】
ここで、電源供給用接続配線40、41へn型の不純物であるリンを注入する代わりに、p型の不純物であるボロンなどを注入してもよい。ボロンの注入の条件としては、ドーズ量1.0×1015個/cm2程度、注入エネルギを20keV程度とする。このようにすることで、図2を参照して、p型の不純物を電源供給用接続配線40に注入した場合は、この電源供給用接続配線40とn型の不純物拡散領域3との接触領域において整流素子DV1として作用するpn接合が形成される。そして、このように整流素子DV1が形成された場合も、電源供給線14と寄生トランジスタQ1(図4参照)の第1のエミッタ電極となる負荷トランジスタT1のソース領域5aとの間の電源電流の通電経路上に上記整流素子DV1を形成することができ、電源供給用接続配線40にn型の不純物を注入した場合と同様の効果が得られる。
【0049】
図5〜14は、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの製造工程を説明するための平面レイアウト図および断面構造図である。図5〜14を参照して、以下に本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程を説明する。
【0050】
まず、半導体基板37(図6参照)の主表面にn型ウェル38およびp型ウェル39をそれぞれ不純物を注入することにより形成する。そして、半導体基板37の主表面にシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。このシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜(図示せず)を形成する。このシリコン窒化膜上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして、シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜の一部を異方性エッチングにより除去する。そして、レジストパターンを除去した後、シリコン基板37の主表面を酸化することにより、分離酸化膜35(図5参照)を形成する。その後シリコン酸化膜およびシリコン窒化膜を除去することにより、図5および6に示したような構造を得る。ここで、図5は本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程の第1工程を説明するための平面レイアウト図である。そして、図6は、図5における線分200−200における断面構造図である。
【0051】
次に、半導体基板37(図6参照)および分離酸化膜35上にゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜(図示せず)を形成する。このシリコン酸化膜上にドープトポリシリコン膜(図示せず)を形成する。このドープトポリシリコン膜上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンをマスクとして、上記シリコン酸化膜およびドープトポリシリコン膜の一部を異方性エッチングにより除去する。これにより、図7に示すように、アクセストランジスタA1、A2のゲート電極として作用するワード線13、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極7と、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極8と、これらのトランジスタA1、A2、T1、T2、D1、D2のゲート絶縁膜(図示せず)とを形成する。その後、レジストパターンを除去する。そして、半導体基板37の主表面にn型不純物を注入することにより、n型の不純物拡散領域11a〜11c、12a〜12c、1〜4を自己整合的に形成する。また、p型不純物であるボロンを、半導体基板37の主表面に注入することにより、p型の不純物拡散領域5a、5b、6a、6bを自己整合的に形成する。このようにして、アクセストランジスタA1、A2と、ドライバトランジスタD1、D2と、負荷トランジスタT1、T2とが形成される。ここで、図8は、図7における線分200−200における断面構造図である。
【0052】
次に、半導体基板37の全面を覆うように、シリコン酸化膜からなる第1の層間絶縁膜42(図10参照)を形成する。この層間絶縁膜42上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、層間絶縁膜42の一部を異方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図9に示すように、コンタクトホール21〜24が形成される。そして、コンタクトホール21〜24の内部と、層間絶縁膜42上とに、タングステンシリサイド膜48(図10参照)を形成する。ここで、図10は、図9における線分200−200における断面構造図である。そして、タングステンシリサイド膜48に、n型の不純物であるリンを注入する。このリンの注入の条件は、ドーズ量を1.0×1020個/cm2程度、注入エネルギを20keV程度という条件を用いる。これにより、電源供給用接続配線40、41(図1参照)と負荷トランジスタT1、T2のソース領域5a、6aとの接触領域において、整流素子DV1、DV2(図3参照)として作用するpn接合を形成することができる。また、電源供給用接続配線40、41に対して、n型不純物をイオン注入しているので、この注入条件を変更することにより、電源供給用接続配線40、41に対するn型の不純物の注入量を制御することができる。この結果、このSRAMのメモリセルの電気的特性に適合するように、上記整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗値を制御することが可能となり、より確実にラッチアップの発生を防止することができる。
【0053】
次に、タングステンシリサイド膜48上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、タングステンシリサイド膜48の一部を異方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図11に示すように、電源供給用接続配線40、41を形成する。図12は、図11における線分200−200における断面構造図である。
【0054】
次に、第1の層間絶縁膜42(図12参照)と電源供給用接続配線40、41(図11参照)との上に、第2の層間絶縁膜43(図14参照)を形成する。第2の層間絶縁膜43上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、第1および第2の層間絶縁膜42(図14参照)、43の一部を異方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンを除去する。これにより、図13に示すように、コンタクトホール19、20、25、26、27、28、29、30、31、32を形成する。そして、第2の層間絶縁膜43上とコンタクトホール19、20、25、26、27、28、29、30、31、32の内部とに第1のアルミニウム膜44(図14参照)を形成する。ここで、図14は、図13における線分200−200における断面構造図である。
【0055】
その後、第1のアルミニウム膜44上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、第1のアルミニウム膜44の一部を異方性エッチングにより除去する。これにより、図1に示すような、電源供給線14、メモリセルの内部接続配線9、10、および接地線15、16を形成する。そして、全面を覆うように第3の層間絶縁膜49(図2参照)を形成した後、この第3の層間絶縁膜49上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、第1〜3の層間絶縁膜42、43、49の一部を異方性エッチングにより除去する。その後、レジストパターンを除去する。これにより、コンタクトホール33、34(図1参照)を形成する。そして、コンタクトホール33、34の内部と第3の層間絶縁膜49上とに第2のアルミニウム膜(図示せず)を形成する。この第2のアルミニウム膜上にレジストパターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、第2のアルミニウム膜の一部を除去することにより、図1に示すようなビット線17および補ビット線18を形成する。その後、レジストパターンを除去する。このようにして、図1に示すようなSRAMのメモリセルを得る。
【0056】
また、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルにおいては、それぞれのメモリセルに対して、対応する整流素子DV1、DV2を形成しているが、図15に示すように、複数のメモリ素子に対して、1つの整流素子DV1、DV2を形成してもよい。こうすることで、各メモリセルごとに整流素子DV1、DV2を形成する場合よりも、整流素子の数を削減することができる。これにより、SRAMのメモリセルの構造をより簡略化でき、SRAMのメモリセルをより微細化することができる。
【0057】
図16は、図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルに形成された整流素子DV1、DV2の電気的特性の測定結果を示すグラフである。図16を参照して、図16に示したグラフの横軸は電圧を示している。また、このグラフの第1の縦軸は電流値を示し、第2の縦軸は電気抵抗を示している。曲線Aは、本発明の実施の形態1による整流素子DV1、DV2において、印加する電圧を変化させたときの電流値を示している。曲線Bは同じく電圧を変化させたときの抵抗値の変化を示している。そして、本発明の実施の形態1によるSRAMの整流素子DV1、DV2において通電される電流の値の範囲は0〜20μAであり、このときの整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗は40〜50kΩとなっている。一方、本発明の実施の形態1によるSRAMの負荷トランジスタT1、T2のON抵抗は約500kΩである。そして、この逆方向抵抗が40〜50kΩである整流素子を有する本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルは、安定して動作した。
【0058】
また、この実施の形態1によるSRAMについて、コンデンサチャージ法によりラッチアップが発生する電圧(ラッチアップ耐量)を測定した。同時に、比較のため、従来の基板抵抗を用いたラッチアップ対策を施したSRAMのメモリセルについても同様のコンデンサチャージ法によるテストを行なった。テストに用いた従来のSRAMのメモリセルにおいても、負荷トランジスタT1のソース領域5a(図2参照)とドライバトランジスタD1のソース領域11a(図2参照)との間の距離L(図2参照)は、2.0μmとした。その結果を、表1に示す。表1を参照して、従来のSRAMにおいては、規定の電源電圧が3.2Vに対して±150Vを電源電圧として印加したときにラッチアップが発生したのに対して、本発明の実施の形態1によるSRAMにおいては、電源電圧として1200Vという大電圧を印加してもラッチアップは発生しなかった。
【0059】
【表1】
【0060】
また、ここで、上記整流素子DV1、DV2の逆方向抵抗を5kΩとしたサンプルおよび50MΩとしたサンプルについても、SRAMのメモリセルが安定して動作し、また、コンデンサチャージ法によるテストにおいても、実施の形態1によるSRAMのサンプルとほぼ同様の結果が得られる。
【0061】
(実施の形態2)
図17は、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルを説明するための平面レイアウト図である。図17を参照して、以下に本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルを説明する。
【0062】
図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルは、基本的には図1に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルと同様の構造を備えている。しかし、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルにおいては、メモリセルの内部接続配線45、46が、電源供給用接続配線40、41と同じく、タングステンシリサイド膜により構成されている。また、本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルにおいては、図1を参照して、負荷トランジスタT1、T2およびドライバトランジスタD1、D2のゲート電極7、8およびドライバトランジスタD1、D2のドレイン領域11b、12bは、それぞれ独立したコンタクトホール27、28、29、30を介して、内部接続配線9、10と接続していたのに対し、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルにおいては、図17を参照して、内部接続配線45、46に対してそれぞれ1つのコンタクトホール29、30によってゲート電極7、8およびドライバトランジスタD1、D2のドレイン領域11b、12bが接続されている。そして、線分200−200における断面構造図は、図2に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの断面構造図と同様である。
【0063】
図18は、図17における線分300−300における断面構造図である。図18を参照して、半導体基板37の主表面には、n型ウェル38およびp型ウェル39が形成されている。半導体基板37の主表面には、所定領域に分離酸化膜35が形成されている。n型ウェル38の主表面には負荷トランジスタT1(図17参照)のドレイン領域5bが形成されている。p型ウェル39の主表面には、ドライバトランジスタD1(図17参照)のドレイン領域でありかつアクセストランジスタA1(図17参照)のソース/ドレイン領域の一方であるn型の不純物拡散領域11bが形成されている。分離酸化膜35上の所定領域には、酸化膜50を介して負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極7と、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極8とが形成されている。
【0064】
半導体基板37の主表面上と、分離酸化膜35上と、ゲート電極7、8上とには、第1の層間絶縁膜42が形成されている。第1の層間絶縁膜42の一部を除去することにより、コンタクトホール25、29が形成されている。コンタクトホール25、29の内部と、第1の層間絶縁膜42上とには、タングステンシリサイド膜からなる内部接続配線45が形成されている。コンタクトホール25の底部において、内部接続配線45と負荷トランジスタT1のドレイン領域5bとが接触している。コンタクトホール29の底部において、内部接続配線45と、ゲート電極8およびn型の不純物拡散領域11bが接触している。
【0065】
内部接続配線45上と第1の層間絶縁膜42上とには、第2の層間絶縁膜43が形成されている。第2の層間絶縁膜43上には、第3の層間絶縁膜49が形成されている。このように、コンタクトホール29の底部において、内部接続配線45とゲート電極8およびn型の不純物拡散領域11bとが接触しているので、図1に示した本発明の実施の形態1のようにゲート電極8およびn型の不純物拡散領域11bに対してそれぞれ独立したコンタクトホール27、29(図1参照)を形成する必要がない。このため、図1に示した実施の形態1によるSRAMのメモリセルよりもコンタクトホールの数を減らすことができる。その結果、図18を参照して、負荷トランジスタT1のソース領域5bとドライバトランジスタD1のソース領域11aとの間の距離Lをより狭くすることができる。この結果、半導体装置の微細化および高集積化をより図ることができる。また、電源供給用接続配線40、41をタングステンシリサイドによって構成することにより、SRAMの内部の接続配線45,46も、後述する製造工程において示すように、電源供給用接続配線40、41と同じ工程で形成することができる。このため、整流素子DV1、DV2(図3参照)を電源供給用接続配線40、41と負荷トランジスタT1、T2のソース領域5a、6aとの接触領域に形成するために、従来のSRAMの製造工程より工程数が大幅に増加することを防止できる。
【0066】
図19〜26は、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルの製造工程を説明するための平面レイアウト図および断面構造図である。図19〜26を参照して、以下に本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルの製造工程を説明する。
【0067】
まず、図5および6に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程と同じ工程を実施した後、図19に示すように、負荷トランジスタT1、T2およびドライバトランジスタD1、D2のゲート絶縁膜50(図18参照)およびゲート電極7、8と、アクセストランジスタA1、A2のゲート絶縁膜(図示せず)とゲート電極13とを形成する。この図19における製造工程は、図7に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程と基本的に同一である。ただし、ゲート電極7の一部は、後述する製造工程においてコンタクトホール26(図17参照)を形成するために、負荷トランジスタT2のドレイン領域6bと隣接するように延びるように形成されている。また、ゲート電極8の一部も、同様の理由により、ドライバトランジスタD1のドレイン領域11bと隣接するように延びるように形成されている。そして、図19における線分200−200における断面構造図は、図8に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの断面構造図と同じ構造を示している。
【0068】
図20は、図19における線分300−300における断面構造図である。図20を参照して、半導体基板37の主表面には、n型ウェル38とp型ウェル39とが形成されている。半導体基板37の主表面の所定領域には、分離酸化膜35が形成されている。n型ウェル38の主表面には、負荷トランジスタT1のドレイン領域5bが形成されている。p型ウェル39の主表面には、ドライバトランジスタD1のドレイン領域11bが形成されている。そして、分離酸化膜35上の所定領域には、負荷トランジスタT1およびドライバトランジスタD1のゲート電極7が、ゲート絶縁膜50を介して形成されている。また、分離酸化膜35上の所定領域には、負荷トランジスタT2およびドライバトランジスタD2のゲート電極8が、ゲート絶縁膜50を介して形成されている。
【0069】
次に、全体を覆うように第1の層間絶縁膜42(図18参照)を形成する。そして、図9に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程とほぼ同一の工程により、コンタクトホール21、22、23、24、25、26、29、30を形成する。そして、第1の層間絶縁膜42上とコンタクトホール21、22、23、24、25、26、29、30の内部とにタングステンシリサイド膜48(図22参照)を形成する。ここで、図22は、図21における線分300−300における断面構造図である。また、図21における線分200−200における断面は、図10に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの断面構造図とほぼ同様である。図22に示すように、コンタクトホール25の底部において、負荷トランジスタT1のドレイン領域5bとタングステンシリサイド膜48とが接触している。また、コンタクトホール29の底部において、ゲート電極8およびドライバトランジスタD1のドレイン領域11bと、タングステンシリサイド48とが接触している。
【0070】
次に、タングステンシリサイド膜48上にレジストパターン(図示せず)を形成する。このレジストパターンをマスクとして、タングステンシリサイド膜48の一部を異方性エッチングにより除去する。このようにして、図23に示すように、電源供給用接続配線40、41および内部接続配線45、46を形成する。また図24は図23における線分300−300における断面構造図である。そして、図23における線分200−200における断面構造図は、図12に示した本発明の実施の形態1によるSRAMのメモリセルの断面構造図とほぼ同様である。
【0071】
次に、図25における製造工程は、図13に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程とほぼ同様である。ただし、この図25における製造工程で形成されるコンタクトホールは、コンタクトホール19、20、31、32のみである。図26は、図25に示した線分300−300における断面構造図である。図26を参照して、第1の層間絶縁膜42上と内部接続配線45上とに第2の層間絶縁膜43が形成されている。第2の層間絶縁膜43上には、第1のアルミニウム膜44が形成されている。
【0072】
また、図25に示した線分200−200における断面構造図は、図14に示した本発明の実施の形態1によるSRAMの断面構造図とほぼ同様である。
【0073】
そして、アルミニウム膜44上にレジストパターンを形成する工程以降は、本発明の実施の形態1によるSRAMの製造工程と同様である。このようにして、図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルを形成する。
【0074】
図27は、本発明の実施の形態2によるSRAMの変形例の平面レイアウト図である。図27を参照して、本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルの変形例は、基本的には図17に示した本発明の実施の形態2によるSRAMのメモリセルと同様の構造を備えている。しかし、この変形例では、電源供給線47が電源供給用接続配線としても作用している。具体的には、図28を参照して、タングステンシリサイド膜からなる電源供給線47は、コンタクトホール21および22において、n型の不純物拡散領域3と負荷トランジスタT1のソース領域5aとに接触している。また、同様に、電源供給線47は、図27を参照して、コンタクトホール23、24において、n型の不純物拡散領域4と負荷トランジスタT2のソース領域6aとに接触している。このように、本発明の実施の形態2の変形例では、電源供給用接続配線と電源供給線とが一体となっているので、図17に示した実施の形態2のように電源供給線14と電源供給用接続配線40、41とを独立して形成した場合よりも、SRAMのメモリセルの構造を簡略化することができる。これにより、SRAMのメモリセルをより微細化することが可能となる。
【0075】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0076】
この発明は、相補型電界効果型トランジスタを含む半導体装置に特に有利に適用される。
【符号の説明】
【0077】
1〜4 n型の不純物拡散領域、5a,6a 負荷トランジスタのソース領域、5b,6b 負荷トランジスタのドレイン領域、7,8 ゲート電極、9,10 アルミニウム配線、11a,12a ドライバトランジスタのソース領域、11b,12b ドライバトランジスタのドレイン領域、11c,12c アクセストランジスタのソース/ドレイン領域、13 ワード線、14 電源供給線、15,16 接地線、17 ビット線、18 補ビット線、19〜34 コンタクトホール、35 分離酸化膜、37 半導体基板、38 n型ウェル、39 p型ウェル、40,41 電源供給用接続配線、42,43,49 層間絶縁膜、44 アルミニウム膜、45,46 タングステンシリサイドによる内部接続配線、47 タングステンシリサイドによる電源供給線、48 タングステンシリサイド膜、50 ゲート絶縁膜、51 電源供給用接続配線とp型の不純物拡散領域との接触領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板の主表面に互いに隣接して配置された、n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたn型の第1の不純物領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたp型の第2の不純物領域と、
前記第2の半導体領域の主表面に配置されたn型の第3の不純物領域と、
前記半導体基板の主表面を覆い、前記第1の不純物領域を露出させる第1のコンタクトホールと、前記第2の不純物領域を露出させる第2のコンタクトホールと、前記第3の不純物領域を露出させる第3のコンタクトホールとが配置された層間絶縁膜と、
前記第1および第2のコンタクトホールを介して前記第1および第2の不純物領域と接続し、不純物を含んだ高融点金属シリサイドからなり、電源供給線に接続された第1の配線と、
前記第3のコンタクトホールを介して前記第3の不純物領域と接続し、接地線に電気的に接続された第2の配線と、を備える半導体装置。
【請求項2】
半導体基板の主表面に互いに隣接して配置された、n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたn型の第1の不純物領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたp型の第2の不純物領域と、
前記第2の半導体領域の主表面に配置されたn型の第3の不純物領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたn型の第4の不純物領域と、
前記半導体基板の主表面を覆い、前記第1の不純物領域を露出させる第1のコンタクトホールと、前記第2の不純物領域を露出させる第2のコンタクトホールと、前記第3の不純物領域を露出させる第3のコンタクトホールと、前記第4の不純物領域を露出させる第4のコンタクトホールとが配置された層間絶縁膜と、
前記第1および第2のコンタクトホールを介して前記第1および第2の不純物領域と接続し、不純物を含んだ高融点金属シリサイドからなる第1の配線と、
前記第3のコンタクトホールを介して前記第3の不純物領域と接続し、接地線に電気的に接続された第2の配線と、
前記第4のコンタクトホールを介して前記第4の不純物領域と接続し、電源供給線に電気的に接続された第3の配線と、を備える半導体装置。
【請求項3】
前記不純物はn型である請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記不純物はp型である請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項1】
半導体基板の主表面に互いに隣接して配置された、n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたn型の第1の不純物領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたp型の第2の不純物領域と、
前記第2の半導体領域の主表面に配置されたn型の第3の不純物領域と、
前記半導体基板の主表面を覆い、前記第1の不純物領域を露出させる第1のコンタクトホールと、前記第2の不純物領域を露出させる第2のコンタクトホールと、前記第3の不純物領域を露出させる第3のコンタクトホールとが配置された層間絶縁膜と、
前記第1および第2のコンタクトホールを介して前記第1および第2の不純物領域と接続し、不純物を含んだ高融点金属シリサイドからなり、電源供給線に接続された第1の配線と、
前記第3のコンタクトホールを介して前記第3の不純物領域と接続し、接地線に電気的に接続された第2の配線と、を備える半導体装置。
【請求項2】
半導体基板の主表面に互いに隣接して配置された、n型の第1の半導体領域およびp型の第2の半導体領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたn型の第1の不純物領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたp型の第2の不純物領域と、
前記第2の半導体領域の主表面に配置されたn型の第3の不純物領域と、
前記第1の半導体領域の主表面に配置されたn型の第4の不純物領域と、
前記半導体基板の主表面を覆い、前記第1の不純物領域を露出させる第1のコンタクトホールと、前記第2の不純物領域を露出させる第2のコンタクトホールと、前記第3の不純物領域を露出させる第3のコンタクトホールと、前記第4の不純物領域を露出させる第4のコンタクトホールとが配置された層間絶縁膜と、
前記第1および第2のコンタクトホールを介して前記第1および第2の不純物領域と接続し、不純物を含んだ高融点金属シリサイドからなる第1の配線と、
前記第3のコンタクトホールを介して前記第3の不純物領域と接続し、接地線に電気的に接続された第2の配線と、
前記第4のコンタクトホールを介して前記第4の不純物領域と接続し、電源供給線に電気的に接続された第3の配線と、を備える半導体装置。
【請求項3】
前記不純物はn型である請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記不純物はp型である請求項1または2に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【公開番号】特開2009−218610(P2009−218610A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119026(P2009−119026)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【分割の表示】特願平9−311946の分割
【原出願日】平成9年11月13日(1997.11.13)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【分割の表示】特願平9−311946の分割
【原出願日】平成9年11月13日(1997.11.13)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】
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