可搬型の関節アーム座標測定機および統合された電子データ処理システム
可搬型の関節アーム座標測定機の実装が、機能を実行する第1の要求を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。可搬型の関節アーム座標測定機の実装は、第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、第1の要求に従って機能を実施するステップと、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを第1の要求の送信元デバイスとして選択するステップと、機能を実施することにより得られた情報を送信先デバイスに送信するステップとをさらに含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より具体的には、内蔵された電子データ処理システムおよびユーザインターフェースを有する可搬型の関節アーム座標測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3−D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3−D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、関節アームCMMは、データを収集するようにCMMに指示するためにCMMと通信するオペレータによって制御され、それから、それらのデータは、コンピュータプロセッサによって処理される。機能を高めるために、必要とされるのは、基本的なデータ獲得および処理機能を妨げることなしに複数のユーザおよび関連するコンピュータデバイスによるアクセスを可能にする統合された電子データ処理システムを含むAACMMである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装する方法である。方法は、機能を実行する第1の要求を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。さらに、方法は、第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、第1の要求に従って機能を実施するステップと、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを第1の要求の送信元デバイスとして選択するステップと、機能を実施することにより得られた情報を送信先デバイスに送信するステップとを含む。
【0007】
別の実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)である。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路と、電子回路によって実行可能な論理とを含む。論理は、機能を実行する第1の要求を受信し、第1の要求が受信される送信元デバイスを特定し、第1の要求に従って機能を実施し、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを第1の要求の送信元デバイスとして選択し、機能を実施することにより得られた情報を送信先デバイスに送信する。
【0008】
さらなる実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装するためのコンピュータプログラム製品である。コンピュータプログラム製品は、コンピュータによって実行されるときに方法を当該コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを具現化するコンピュータストレージ媒体を含む。方法は、機能を実行する第1の要求を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アームであって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アームと、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。さらに、方法は、第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、第1の要求に従って機能を実施するステップと、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを第1の要求の送信元デバイスとして選択するステップと、機能を実施することにより得られた情報を送信先デバイスに送信するステップとを含む。
【0009】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】一実施形態による、ディスプレイが開いた位置に配置された図1のAACMMの斜視図である。
【図5】一実施形態による、AACMMの内蔵された電子データ処理システムの特徴を実装するためのプロセスを示す流れ図である。
【図6】一実施形態による、図4のディスプレイのユーザインターフェースコンピュータスクリーンウィンドウの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)および統合された電子データ処理システムが、提供される。電子データ処理システムは、AACMMおよびそのAACMMのコンポーネントに内蔵され、統合される。電子データ処理システムは、AACMMを介して受信された要求に応答してユーザが選択した機能を実行する基部コンピュータプロセッサおよびディスプレイプロセッサを含む。一実施形態において、要求は、内蔵されたユーザインターフェース基板、および/またはAACMMから離れて配置される外部コンピュータプロセッサを介してAACMMで受信され得る。要求に応答して、さまざまなコンポーネント、例えば、エンコーダ、センサ、および電子機器が、要求に応じたデータを収集する。データによって得られた情報が、本明細書においてさらに説明されるように送信先デバイスに転送される。
【0012】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各群110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118および/または周辺デバイスの動作を決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0013】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式のエンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製され得る。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116まわりの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にすることに利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持っていてもよい。
【0014】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取外し可能なように取付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にすることに利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形の、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有していてもよい取外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取外し可能なハンドル126を置き換えてもよい。そのような測定デバイスの例は、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0015】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にすることに利点をもたらす取外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0016】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110、112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸のまわりを動くことを可能にする。述べられたように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸まわりのアームセグメント106、108のそれぞれのアームセグメントの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0017】
基部116は、装着デバイスまたは取付けデバイス120を含み得る。取付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取外し可能なように取付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイスクリーンなどのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0018】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、基部処理システムと、ユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含みまたは収容する。基部処理システムは、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3−D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する。ユーザインターフェース処理システムは、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、内蔵オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含む。
【0019】
基部116内の電子データ処理システムは、基部116から離れて配置されたエンコーダシステム、センサ、およびその他の周辺ハードウェア(例えば、AACMM100上の取外し可能なハンドル126に取付けられることができるLLP)と通信することができる。これらの周辺ハードウェアデバイスまたは特徴をサポートする電子機器は、可搬型のAACMM100内に配置された軸受カートリッジの群110、112、114のそれぞれに配置され得る。
【0020】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、電子データ処理システム210を含む。電子データ処理システム210は、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetooth(登録商標)モジュール232と、基部傾斜基板208とを含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0021】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に装着され得る。
【0022】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行されてもよい。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダシステムは、軸受カートリッジの群110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Inc.から販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0023】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0024】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0025】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット(登録商標)機能320を介してイーサネットネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、およびパラレル・シリアル通信(PSC)機能314を介してBluetoothモジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0026】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0027】
ここで図3のユーザインターフェース基板202に目を向けると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまな動作の特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、いくつかのインターフェースオプションを含む。そのいくつかのインターフェースオプションは、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含む。
【0028】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0029】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、異なる位置および/または機能の組み合わせを以て、物理的に配置されてもよい。異なる位置および/または機能の組み合わせは、図3に示されたものと異なっていてもよい。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合わされる。
【0030】
一実施形態において、AACMM100は、上述の統合された電子データ処理システム210を含む。電子データ処理システム210は、AACMM100およびそのAACMM100のコンポーネントに内蔵され、統合される。基部プロセッサ基盤204は、図3に示されたプロセッサ機能302によって実装され得る基部コンピュータプロセッサを含む。電子データ処理システム210は、AACMM100を介して受信された要求に応答してユーザが選択した機能を実行し、それらの機能は本明細書においてさらに説明される。例示的な実施形態において、それらの機能は、電子データ処理システム210によって実行され、例えば図3のメモリ304および/またはメモリ332に記憶される1つ以上のアプリケーション(例えば、論理)により実行される。一実施形態において、要求は、図2に示された内蔵されたユーザインターフェース基板202、および/またはAACMM100から離れて配置され、外部コンピュータプロセッサを介してAACMM100で受信され得る。外部コンピュータプロセッサは、図2に全体的に示されるように、USBチャネルを通じて、イーサネットネットワークを介して直接か、または無線で、例えば、無線LANもしくはBluetooth(商標)対応チャネル232を介してのどちらかでAACMM100と通信する。要求に応答して、さまざまなコンポーネント、例えば、エンコーダシステム214、216、234、プローブ端電子機器230、および/または周辺デバイス(例えば、LLP242)が、要求に応じたデータを獲得する。データによって得られた情報が、電子データ処理システム210に返され、本明細書においてさらに説明されるように1つ以上の送信先デバイスに転送される。
【0031】
図1〜4を参照すると、一体化されたディスプレイを有するAACMM100の実施形態が示されている。AACMM100は、電子データ処理システム210を含み、軸受カートリッジの群110、112、114に関連するエンコーダシステムと1つ以上のバス(例えば、アームバス218)を介して通信するように構成される基部116を含む。基部116は、一端に取付けデバイス120を、反対端に軸受カートリッジの群114およびアーム部104を有する筐体400を含む。筐体400は、オペレータによるAACMM100の持ち運びを容易にするように大きさが決められるハンドル部122を含む。
【0032】
一実施形態において、筐体400は、AACMM100が外部電源(例えば、壁付きコンセント)に接続されていないときにAACMM100に電力を供給するためのバッテリ412を受けるように大きさが決められた開口410を含む。一実施形態において、バッテリ412は、電子データ処理システム210と通信し、バッテリ充電レベル、バッテリの種類、モデル番号、製造元、特性、放電率、予測される残りの容量、温度、電圧、およびAACMMが制御された方法で停止することができるようなバッテリが切れそうなことの警報を含み得るがこれらに限定されない信号を送信する回路を含む。
【0033】
可動式のカバー部124は、例えば、蝶番によって基部116に取付けられる筐体404を含む。AACMM100の動作中、可動式のカバー部124は、ディスプレイスクリーン406を見ることができるように開かれ得る。
【0034】
可動式カバー部124の中に、ディスプレイスクリーン406を有するディスプレイ408(例えば、図3BのカラーLCD338)が配置される。ディスプレイ408は、オペレータが、外部のホストコンピュータに接続する必要なしにAACMM100とインタラクションし、AACMM100を操作することを可能にするユーザインターフェースを提供する。一実施形態において、ディスプレイスクリーン406は、表示領域内の例えばオペレータの指またはスタイラスなどによる接触の存在および位置を検知することができるLCDスクリーンである。ディスプレイ408は、抵抗素子、表面弾性波素子、容量性素子、表面型静電容量素子、投射型静電容量素子、赤外光検知素子、ひずみゲージ素子、光学式撮像素子、分散信号素子(dispersive signal element)、または音響パルス認識素子(acoustic pulse recognition element)を含むがこれらに限定されない接触を検出するための素子を有するタッチスクリーンを含み得る。
【0035】
ユーザインターフェース基板202(図2および3)は、ディスプレイ408と、基部116内の基部プロセッサ基板204(図2および3)とに電気的に結合される。
【0036】
一実施形態において、カバー部124の筐体404は、一対のコンピュータインターフェース414、416をさらに含む。一対のコンピュータインターフェース414、416は、オペレータがユーザインターフェース基板202を、これらに限定されないが、例えば、コンピュータ、コンピュータネットワーク、ラップトップ、バーコードスキャナ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、キーボード、マウス、プリンタ、携帯情報端末(PDA)、またはスマートフォンなどの外部デバイスに接続することを可能にする。一実施形態において、コンピュータインターフェース414は、USBホストインターフェース334であり、コンピュータインターフェース416は、セキュアデジタルカードインターフェース330である。上で検討されたように、ユーザインターフェース基板202は、ディスプレイスクリーン406および電子データ処理システム210から信号を受け入れ、送信するために双方向通信するように構成されるプロセッサ328を含む。
【0037】
ここで図5に目を向けて、一実施形態においてAACMM100および統合された電子データ処理システム210を実装するためのプロセスが、ここから説明される。上で示されたように、電子データ処理システム210は、図5に示されるプロセスを実行するための論理を実装する。論理は、ユーザインターフェース基板202において、例えば、メモリ332に記憶され得る。
【0038】
ステップ502で、電子データ処理システム210は、1つ以上の送信元デバイスから機能を実行する要求を受信する。実施できる機能は、いくつか例を挙げるとすれば、AACMM100のプローブデバイス(例えば、プローブ118)による物体の寸法の測定値(例えば、点の座標の測定値など)の獲得、(例えば、1つ以上の温度センサ212による)さまざまな温度値の監視、AACMM100の1つ以上のコンポーネントの校正の実行、AACMM100のコンポーネントのうちの1つ以上に対する診断の実行、および訓練の手引きを含み得る。機能が物体の点の座標の測定を含む場合、データの取込みに使用されるコンポーネントは、AACMM100の軸受カートリッジの群110、112、114に配置された1つ以上のエンコーダシステム(例えば、エンコーダシステム214、216、234)と、(1つ以上の)エンコーダから取り込まれた処理されていない測定データを受信する基部コンピュータプロセッサとを含む。利用可能なその他の機能は、カメラ、LLP242、無線周波数識別デバイス(RFID)スキャナ、熱スキャンデバイスなどの取外し可能なアクセサリまたは周辺デバイスからの要求に応じて実施され得る。送信元デバイスは、外部コンピュータプロセッサ、内蔵されたユーザインターフェースコンポーネント(例えば、図2および3の内蔵されたユーザインターフェース基板202およびディスプレイ338)、またはその他の通信デバイス(例えば、スマートフォン、携帯情報端末など)を含み得る。
【0039】
電子データ処理システム210は、(例えば、論理によって要求が受信されるポートを特定して)要求が送信される送信元デバイスを特定する。送信元デバイスが外部コンピュータプロセッサである場合、特定されるポートは、図2および3に示されたように、USBポート、イーサネットポート、または無線通信ポート(例えば、Bluetooth(商標)プロトコルをサポートする無線ポート232または802.11プロトコルをサポートするポート322)であってもよい。送信元デバイスがAACMM100に内蔵された(例えば、ユーザインターフェース基板202による)ユーザインターフェースコンポーネントである場合、特定されるポートは、RS485をサポートするポートであってもよい。
【0040】
一実施形態において、要求は、アームバス218および汎用インターフェースを介して周辺コンポーネントから基部コンピュータプロセッサ(例えば、図3のプロセッサ302)で受信される(例えば、周辺コンポーネントがLLP242である場合、要求は、図2Dに示されたように、ボタンの押下によってハンドルインターフェースバス240を通って、アームバス218に沿って受け渡される割り込み信号として受信され得る)。一実施形態において、外部コンピュータプロセッサは、AACMM100から離れて配置される。
【0041】
要求がAACMM100に内蔵された(例えば、ユーザインターフェース基板202による)ユーザインターフェースコンポーネントから受信される場合、要求は、ユーザインターフェースディスプレイ338(図4のディスプレイスクリーン406としても示される)を介してAACMM100のオペレータによって入力され得る。一実施形態において、ユーザインターフェース基板202は、AACMM100によって実施される利用可能な機能に対応する選択できるメニューオプションを有するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するためにディスプレイプロセッサ328によって実行される(例えば、メモリ332に記憶された)常駐アプリケーションを含む。GUIは、図6に示されたメニューオプションなどの一式のメニューオプションとして実装され得る。図6において、ディスプレイスクリーン406のコンピュータスクリーンウィンドウ600は、(例えば、平面、線、円、円柱などのパーツ要素を指定するための)パーツセットアップ602、(例えば、特徴、長さ、角度、位置などを指定するための)測定604、(例えば、新しいパーツの定義、マクロのロード、データの転送などのための)ファイル606、(例えば、ネットワーク接続、言語、サウンド要素などを指定するための)設定608、および診断610などのさまざまなメニューオプションを示す。
【0042】
ステップ502に戻り、機能を実行する要求に応答して、電子データ処理システム210が、ステップ504で、論理によってデータ取込み信号を発する。例えば、要求された機能がプローブ118の測定値の要求である場合、基部コンピュータプロセッサが、アームバス218を介してエンコーダDSP216およびプローブ端DSP228にデータ取込み信号を発する。AACMM100が接触プローブを使用する場合、データ取込み信号は、接触プローブを測定されるべき物体と接触させて配置することに応じて接触プローブによって開始され得る。エンコーダDSP216およびプローブ端DSP228は、取込み信号を受信することに応じてデータ(例えば、エンコーダのカウントおよび温度)を取り込む(または、ラッチする)。要求された機能がAACMM100に通信可能なように結合される周辺コンポーネント(例えば、取外し可能なように装着された周辺コンポーネント)からのデータの要求である場合、基部コンピュータプロセッサは、次のいずれかを実行する。すなわち、アームバス218を介して周辺コンポーネントにデータ取込み信号を発するか、または周辺コンポーネントが無線通信コンポーネントを備える場合には、基部コンピュータプロセッサが、周辺コンポーネントに無線でデータ取込み信号を発することができるかのいずれかを実行する。一実施形態において、周辺コンポーネントからのデータは、ラッチされ、アームバス218を介して基部コンピュータプロセッサに送信される。例えば、周辺コンポーネント(例えば、LLP242)は、コントローラおよびDSPを含み得る。データは、LLP242のDSPによってラッチされ、それから、基部コンピュータプロセッサへの転送のためにアームバス218に乗せられる。
【0043】
ステップ506で、基部コンピュータプロセッサが、データ取込み信号の結果として得られたデータを受信する。例えば、要求された機能がプローブ測定データに関する場合、基部コンピュータプロセッサは、ラッチされたデータに関してエンコーダDSP216およびプローブ端DSP228に順々にポーリングする(例えば、位置データを要求する、エンコーダアドレスを有するパケットを送信する)。要求された機能が周辺コンポーネントのデータに関する場合、取り込まれるデータは、例えば、画像データ(周辺コンポーネントがカメラである場合)、マルチメディアデータ(アクセサリがビデオレコーダである場合)、RFIDデータ(周辺コンポーネントがRFIDスキャナである場合)、および2次元の重心(COG)データ(アクセサリがLLPである場合)を含み得る。一実施形態において、周辺コンポーネントのデータは、周辺コンポーネントのデータの種類(例えば、JPEG、MPEG、AVIなど)を特定する識別情報も含み得る。データは、アームバス218を介して基部コンピュータプロセッサで受信され得るか、またはデータは、周辺コンポーネントと基部コンピュータプロセッサの間を無線で送信され得る。
【0044】
一実施形態において、ステップ502から506は、AACMM100が動作している間、継続的に実行される。さらに、接触プローブがAACMMに接続される場合、接触プローブは、(例えば、プローブチップが物体に接触するか、または接触しそうなときに)トリガー信号の発行を開始することができる。接触プローブが信号を開始するとき、その信号は、ステップ502から506の現在のサイクルに割り込み、処理をステップ502で再開させる。
【0045】
ステップ508で、取り込まれたデータが、任意的に、異なる形式に変換される。例えば、取り込まれたデータが処理されていない測定データである場合、取り込まれたデータが、3次元座標データに変換され得る。
【0046】
ステップ510で、電子データ処理システム210が、データ(任意的に、変換されたデータ)を送信すべき送信先デバイスを選択する。一実施形態において、電子データ処理システム210は、要求が受信されるポートを特定することによって、論理により送信先デバイスを選択する。上で示されたように、送信先デバイスが外部コンピュータプロセッサである場合、特定されるポートは、図2に示されたように、USBポート、イーサネットポート、または無線通信ポート(例えば、Bluetooth(商標)プロトコルをサポートする無線ポート232)であってもよい。送信先デバイスがAACMM100に内蔵されたユーザインターフェースコンポーネント(例えば、ユーザインターフェース基板202)である場合、特定されるポートは、RS485をサポートするポートであってもよい。代替的に、論理は、要求が送信されたデバイスを含む複数の送信先デバイスにデータを送信するように構成され得る。
【0047】
ステップ512で、データが、外部コンピュータおよび内蔵されたディスプレイ406などの1つ以上の選択された送信先デバイスに送信される。その他の実施形態において、送信先デバイスは、スマートフォン、PDA、またはその他の通信デバイスであってもよい。
【0048】
上で図5に示されたように、追加的な機能が、電子データ処理システム210によって実施され得る(例えば、校正、訓練など)。ステップ502の要求が校正に関する場合、実行されるプロセスは、図5に関して説明されたプロセスと同様である。校正の要求は、関連するソフトウェアアプリケーションを有する外部コンピュータを介して開始され得るか、またはユーザインターフェース基板202によってAACMM100に統合されたユーザインターフェースコンポーネントを通じて(例えば、図6のメニューオプション612を通じて)開始され得る。ユーザインターフェースコンポーネントの校正の特徴612が、特定のパターンでプローブまたは周辺デバイスを動かすようにAACMM100のオペレータを手引きし、データが、測定デバイスの種類に応じて(例えば、プローブ対LLP)上で説明されたようにして取り込まれ、当該データは、どのデバイスが校正機能の要求を開始したかに応じて、ディスプレイプロセッサ328または外部コンピュータで実行される論理によって処理される。論理は、データを処理して、校正が成功かどうかを判定する。
【0049】
例示的な実施形態において、AACMM100は、座標測定機の特徴への複数同時アクセスを提供するように構成され得る。例えば、(例えば、コンピュータデバイスを介した)AACMM100の遠隔のユーザが、基部コンピュータプロセッサおよび論理を通じてAACMM100からのデータまたは測定値の獲得を開始することができる。AACMM100は、基部コンピュータプロセッサによって与えられたコマンドに応答してデータの収集を開始することができる。AACMM100のオペレータが、例えば、測定されている物体の別の面の測定値を獲得したい場合、オペレータは、上述のGUIによって利用可能なメニューオプションから選択することによってユーザインターフェース基板202およびディスプレイを作動させることができる。例示的な実施形態において、AACMM100は、基部コンピュータプロセッサおよび論理を通じて、ユーザインターフェース基板202と遠隔のコンピュータデバイスなどの外部ソースとの両方からコマンドを受信するように構成される。AACMM100は、ユーザインターフェース基板202およびGUIを介して受信された命令に従ってデータを収集するために、遠隔のコンピュータデバイスからのデータ集合の獲得を一時停止するように基部プロセッサ基板204を通じて指示されてもよい。遠隔のコンピュータデバイスからの要求に応じて収集されたデータは、AACMM100でオペレータのためのデータの収集を開始するために記憶されるかまたは一時的にバッファリングされてもよい。オペレータが要求された測定を完了すると、AACMM100は、遠隔のコンピュータデバイスから前に受信された命令に応じて測定を再開するように構成される。この実施形態においては、収集されたデータが、当該データを要求した対応するデバイスに送信されるか、または論理が、AACMM100と通信している任意のデバイスにすべての収集されたデータを送信するように構成されてもよい。したがって、例えば、外部コンピュータが、内蔵されたユーザインターフェースを通じてオペレータによって要求された収集されたデータを受信することができる。
【0050】
一実施形態においては、2つの測定値の要求が、電子データ処理システム210によって同時に処理され得る。例えば、外部コンピュータからのプローブ118の測定値の要求が、内蔵されたユーザインターフェースからのLLPデバイス242の測定データの要求と同時に実施され得る。AACMM100のアームバス218は、あるデバイス(例えば、LLP242)の動作によって獲得されたデータがあるバスに沿って送信され得る間に、別のデバイス(例えば、プローブ118)の動作によって獲得されたデータが別のバス上で送信され得るように構成されることができる。あるデバイスからのデータは、論理がその他のデバイスからのデータを処理する間、一時的にバッファリングされ得る。
【0051】
技術的効果および利点は、AACMM100と、AACMMおよびそのAACMMのコンポーネントに内蔵され、統合される電子データ処理システム210との統合された機能を含む。電子データ処理システムの機能がAACMMの基部に統合されるので、AACMMを操作または制御するための外部コンピュータは、必要とされない。AACMMの動作の際に外部コンピュータが求められる場合、AACMMは、AACMMと外部コンピュータの間の通信、および外部コンピュータプロセッサによって実行される通信とは別個にAACMMのオペレータと通信するための、内蔵されたユーザインターフェースを通じた通信を可能にする基部コンピュータ処理機能を統合する。外部コンピュータプロセッサおよびユーザインターフェースのそれぞれへのデータストリームは、一方のストリームが他方のストリームに影響を与えずに割り込まれ得るように別々にバッファリングされる。基部コンピュータプロセッサは、AACMMによる機能の実行の要求の送信元デバイスを特定し、これらの要求の結果として得られた取り込まれたデータを送信先デバイスと呼ばれる特定されたデバイスに送信する。したがって、AACMMは、基本的なデータ獲得および処理機能を妨げることなしに複数のユーザおよび関連するコンピュータデバイスによるアクセスを可能にする。
【0052】
当業者に理解されるであろうように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、すべてハードウェアの実施形態、すべてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはすべてが概して本明細書において「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれることがあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形態をとってもよい。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを具現化する1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0053】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが、利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体であってもよい。コンピュータ可読ストレージ媒体は、これらに限定されないが、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組合せであってもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下、すなわち、1つ以上の配線を有する電気的な接続、持ち運び可能なコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(erasable programmable read−only memory)(EPROM、フラッシュ、もしくは相変化メモリ)、光ファイバー、持ち運び可能なコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気式ストレージデバイス、またはこれらの任意の好適な組合せを含む。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを含むかまたは記憶することができる任意の有形の媒体であってもよい。
【0054】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部としてコンピュータ可読プログラムコードを具現化する伝播されるデータ信号を含み得る。そのような伝播される信号は、電磁的、光学的、またはこれらの任意の好適な組合せを含むがそれらに限定されないさまざまな形態のうちの任意の形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを伝達、伝播、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0055】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなど、またはこれらの任意の好適な組合せを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
【0056】
本発明の態様のオペレーションを実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、C#などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語とを含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述され得る。プログラムコードは、すべてユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的にかつ遠隔のコンピュータ上で部分的に、またはすべて遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者の場合、遠隔のコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、または外部コンピュータへの接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われ得る。
【0057】
本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/または構成図を参照して説明されている。流れ図および/または構成図の各ブロックと、流れ図および/または構成図のブロックの組合せとは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。
【0058】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するための手段をもたらすように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するためのその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられ得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施する命令を含む製品をもたらすように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。
【0059】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされてもよい。また、コンピュータで実施されるプロセスを生成するために一連のオペレーションのステップがコンピュータ、その他のプログラム可能な装置、またはその他のデバイスで実行されるようにするために、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされてもよい。
【0060】
図面の流れ図および構成図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の有り得る実装のアーキテクチャ、機能、およびオペレーションを示す。その際、流れ図または構成図の各ブロックは、(1つ以上の)規定された論理的な機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表すものであってもよい。一部の代替的な実装において、ブロックで示された機能が、図面に示された順番とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続で示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはそれらのブロックは、関連する機能に応じて逆順に実行される場合も有り得る。構成図および/または流れ図の各ブロックと、構成図および/または流れ図のブロックの組合せとは、規定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェアに基づくシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実装され得ることも認識されるであろう。
【0061】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。
【図1A】
【図1B】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座標測定機に関し、より具体的には、内蔵された電子データ処理システムおよびユーザインターフェースを有する可搬型の関節アーム座標測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2010年1月20日に出願した仮出願第61/296,555号の利益を主張するものであり、この仮出願の内容は、その全体を本願に引用して援用する。
【0003】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)は、部品の製造または生産のさまざまな段階(例えば、機械加工)の間に部品の寸法を迅速かつ正確に確認するニーズが存在する部品の製造または生産に広く使用されている。可搬型のAACMMは、特に、比較的複雑な部品の寸法の測定を実行するのにかかる時間量の中で、知られている据え付け式のまたは固定式の、コストが高く、使用するのが比較的難しい測定設備と比べて大きな改善を示す。通常、可搬型のAACMMのユーザは、単純に、測定されるべき部品または物体の表面に沿ってプローブを導く。次に、測定データが記録され、ユーザに提供される。場合によっては、データは、視覚的な形態、例えば、コンピュータスクリーン上の3次元(3−D)の形態でユーザに提供される。その他の場合、データは、数字の形態でユーザに提供され、例えば、穴の直径を測定するとき、テキスト「直径=1.0034」がコンピュータスクリーン上に表示される。
【0004】
先行技術の可搬型の関節アームCMMの一例が、同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘582号特許は、一端に支持基部を、他端に測定プローブを有する手動操作式の関節アームCMMを備える3−D測定システムを開示する。同一出願人による米国特許第5,611,147(‘147)号は、類似の関節アームCMMを開示しており、この米国特許は、その全体を本願に引用して援用する。‘147号特許においては、関節アームCMMは、プローブ端の追加的な回転軸を含むいくつかの特徴を含み、それによって、2−2−2軸構成または2−2−3軸構成(後者は7軸アームである)のどちらかを有するアームを提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、関節アームCMMは、データを収集するようにCMMに指示するためにCMMと通信するオペレータによって制御され、それから、それらのデータは、コンピュータプロセッサによって処理される。機能を高めるために、必要とされるのは、基本的なデータ獲得および処理機能を妨げることなしに複数のユーザおよび関連するコンピュータデバイスによるアクセスを可能にする統合された電子データ処理システムを含むAACMMである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装する方法である。方法は、機能を実行する第1の要求を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。さらに、方法は、第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、第1の要求に従って機能を実施するステップと、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを第1の要求の送信元デバイスとして選択するステップと、機能を実施することにより得られた情報を送信先デバイスに送信するステップとを含む。
【0007】
別の実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)である。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信するための、および測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路と、電子回路によって実行可能な論理とを含む。論理は、機能を実行する第1の要求を受信し、第1の要求が受信される送信元デバイスを特定し、第1の要求に従って機能を実施し、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを第1の要求の送信元デバイスとして選択し、機能を実施することにより得られた情報を送信先デバイスに送信する。
【0008】
さらなる実施形態は、可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装するためのコンピュータプログラム製品である。コンピュータプログラム製品は、コンピュータによって実行されるときに方法を当該コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを具現化するコンピュータストレージ媒体を含む。方法は、機能を実行する第1の要求を受信するステップを含む。可搬型のAACMMは、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アームであって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アームと、AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、トランスデューサからの位置信号を受信し、測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む。さらに、方法は、第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、第1の要求に従って機能を実施するステップと、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを第1の要求の送信元デバイスとして選択するステップと、機能を実施することにより得られた情報を送信先デバイスに送信するステップとを含む。
【0009】
ここで図面を参照して、本開示の範囲全体に関して限定的であると解釈されるべきでなく、要素がいくつかの図で同様に付番されている例示的な実施形態が示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1Aおよび1Bを含む、本発明のさまざまな態様の実施形態を中に有する可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)の斜視図である。
【図2】一緒に作られた図2A〜2Dを含む、一実施形態による、図1のAACMMの一部として利用される電子機器の構成図である。
【図3】一緒に作られた図3Aおよび3Bを含む、一実施形態による、図2の電子データ処理システムの詳細な特徴を示す構成図である。
【図4】一実施形態による、ディスプレイが開いた位置に配置された図1のAACMMの斜視図である。
【図5】一実施形態による、AACMMの内蔵された電子データ処理システムの特徴を実装するためのプロセスを示す流れ図である。
【図6】一実施形態による、図4のディスプレイのユーザインターフェースコンピュータスクリーンウィンドウの図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)および統合された電子データ処理システムが、提供される。電子データ処理システムは、AACMMおよびそのAACMMのコンポーネントに内蔵され、統合される。電子データ処理システムは、AACMMを介して受信された要求に応答してユーザが選択した機能を実行する基部コンピュータプロセッサおよびディスプレイプロセッサを含む。一実施形態において、要求は、内蔵されたユーザインターフェース基板、および/またはAACMMから離れて配置される外部コンピュータプロセッサを介してAACMMで受信され得る。要求に応答して、さまざまなコンポーネント、例えば、エンコーダ、センサ、および電子機器が、要求に応じたデータを収集する。データによって得られた情報が、本明細書においてさらに説明されるように送信先デバイスに転送される。
【0012】
図1Aおよび1Bは、本発明のさまざまな実施形態による可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)100を全体的に示し、関節アームは、座標測定機の一種である。図1Aおよび1Bに示されるように、例示的なAACMM100は、一端でAACMM100のアーム部104に結合された測定プローブ筐体102を有する6または7軸関節測定デバイスを含み得る。アーム部104は、軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第1の群110によって第2のアームセグメント108に結合された第1のアームセグメント106を含む。軸受カートリッジ(例えば、2つの軸受カートリッジ)の第2の群112は、第2のアームセグメント108を測定プローブ筐体102に結合する。軸受カートリッジ(例えば、3つの軸受カートリッジ)の第3の群114は、第1のアームセグメント106を、AACMM100のアーム部104の他端に配置された基部116に結合する。軸受カートリッジの各群110、112、114は、関節による動作の複数の軸を提供する。また、測定プローブ筐体102は、AACMM100の第7の軸部のシャフト(例えば、AACMM100の第7の軸内の測定デバイス、例えば、プローブ118および/または周辺デバイスの動作を決定するエンコーダシステムを含むカートリッジ)を含み得る。AACMM100を使用する際、基部116は、通常、作業台に固定される。
【0013】
各軸受カートリッジの群110、112、114の中の各軸受カートリッジは、通常、エンコーダシステム(例えば、光学式のエンコーダシステム)を含む。エンコーダシステム(すなわち、トランスデューサ)は、基部116に対するプローブ118の位置(および、ひいては、特定の基準系、例えば、局所または大域基準系におけるAACMM100によって測定されている物体の位置)をすべてが一緒になって示すそれぞれのアームセグメント106、108および対応する軸受カートリッジの群110、112、114の位置を示す。アームセグメント106、108は、例えば、これに限定されないが、炭素複合材料などの好適な剛性のある材料で作製され得る。関節による動作の6つまたは7つの軸(すなわち、自由度)を有する可搬型のAACMM100は、オペレータによって簡単に扱われ得るアーム部104を提供しながら、オペレータが基部116まわりの360度の領域内の所望の位置にプローブ118を位置付けることを可能にすることに利点をもたらす。しかし、2つのアームセグメント106、108を有するアーム部104の例は例示を目的とするものであり、特許請求される発明はそのように限定されるべきでないことを理解されたい。AACMM100は、軸受カートリッジによって一緒に結合された任意の数のアームセグメント(および、ひいては、6つもしくは7つを超えるか、または6つもしくは7つ未満の関節による動作の軸または自由度)を持っていてもよい。
【0014】
プローブ118は、測定プローブ筐体102に取外し可能なように取付けられ、測定プローブ筐体102は、軸受カートリッジの群112に接続される。ハンドル126は、例えば、クイック接続インターフェース(quick−connect interface)により測定プローブ筐体102に対して取外し可能である。ハンドル126は、別のデバイス(例えば、レーザラインプローブ、バーコードリーダ)で置き換えられることができ、それによって、オペレータが同じAACMM100で異なる測定デバイスを使用することを可能にすることに利点をもたらす。例示的な実施形態において、プローブ筐体102は、接触式の測定デバイスであり、測定されるべき物体に物理的に接触する、ボール形の、タッチセンシティブな、湾曲した、および伸長式のプローブを含むがこれらに限定されない異なるチップ118を有していてもよい取外し可能なプローブ118を収容する。その他の実施形態において、測定は、例えば、レーザラインプローブ(LLP)などの非接触式のデバイスによって実行される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースを使用してLLPで置き換えられる。その他の種類の測定デバイスが、追加的な機能を提供するために取外し可能なハンドル126を置き換えてもよい。そのような測定デバイスの例は、1つ以上の照明、温度センサ、熱スキャナ、バーコードスキャナ、プロジェクタ、ペイントスプレーヤ、カメラなどを含むがこれらに限定されない。
【0015】
図1Aおよび1Bに示されるように、AACMM100は、軸受カートリッジの群112から測定プローブ筐体102を取り外すことなしにアクセサリまたは機能が変更されることを可能にすることに利点をもたらす取外し可能なハンドル126を含む。図2に関して以下でより詳細に検討されるように、取外し可能なハンドル126は、電力およびデータが、ハンドル126、およびプローブ端に配置された対応する電子機器とやりとりされることを可能にする電気コネクタも含み得る。
【0016】
さまざまな実施形態において、軸受カートリッジの各群110、112、114は、AACMM100のアーム部104が複数の回転軸のまわりを動くことを可能にする。述べられたように、各軸受カートリッジの群110、112、114は、例えばアームセグメント106、108の対応する回転軸と同軸上にそれぞれが配置された、例えば光学式の角度エンコーダなどの対応するエンコーダシステムを含む。光学式のエンコーダシステムは、本明細書において以下でより詳細に説明されるように、例えば、対応する軸まわりのアームセグメント106、108のそれぞれのアームセグメントの回転する(スイベルの)または横の(蝶番の)動きを検出し、AACMM100内の電子データ処理システムに信号を送信する。それぞれの個々の処理されていないエンコーダのカウントが信号として電子データ処理システムに別々に送信され、電子データ処理システムにおいて、そのカウントは測定データへとさらに処理される。同一出願人による米国特許第5,402,582(‘582)号に開示されているような、AACMM100自体から分離した位置計算機(例えば、シリアルボックス)は必要とされない。
【0017】
基部116は、装着デバイスまたは取付けデバイス120を含み得る。取付けデバイス120は、AACMM100が、例えば、検査台、マシニングセンタ、壁、または床などの所望の位置に取外し可能なように取付けられることを可能にする。一実施形態において、基部116は、AACMM100が移動されているときにオペレータが基部116を持つのに都合の良い位置を提供するハンドル部122を含む。一実施形態において、基部116は、折りたたむとディスプレイスクリーンなどのユーザインターフェースが見えるようになる可動式のカバー部124をさらに含む。
【0018】
一実施形態によれば、可搬型のAACMM100の基部116は、2つの主要なコンポーネント、すなわち、基部処理システムと、ユーザインターフェース処理システムとを含む電子データ処理システムを含みまたは収容する。基部処理システムは、AACMM100内のさまざまなエンコーダシステムからのデータ、および3次元(3−D)位置計算をサポートするためのその他のアームパラメータを表すデータを処理する。ユーザインターフェース処理システムは、比較的完全な計測機能が外部コンピュータへの接続を必要とせずにAACMM100内で実施されることを可能にする、内蔵オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、および常駐アプリケーションソフトウェアを含む。
【0019】
基部116内の電子データ処理システムは、基部116から離れて配置されたエンコーダシステム、センサ、およびその他の周辺ハードウェア(例えば、AACMM100上の取外し可能なハンドル126に取付けられることができるLLP)と通信することができる。これらの周辺ハードウェアデバイスまたは特徴をサポートする電子機器は、可搬型のAACMM100内に配置された軸受カートリッジの群110、112、114のそれぞれに配置され得る。
【0020】
図2は、一実施形態による、AACMM100で利用される電子機器の構成図である。図2に示される実施形態は、電子データ処理システム210を含む。電子データ処理システム210は、基部処理システムを実装するための基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、電力を供給するための基部電源基板206と、Bluetooth(登録商標)モジュール232と、基部傾斜基板208とを含む。ユーザインターフェース基板202は、ユーザインターフェース、表示、および本明細書において説明されるその他の機能を実行するアプリケーションソフトウェアを実行するためのコンピュータプロセッサを含む。
【0021】
図2に示されるように、電子データ処理システム210は、1つ以上のアームバス218を介して上述の複数のエンコーダシステムと通信している。図2に示された実施形態において、各エンコーダシステムは、エンコーダデータを生成し、エンコーダアームバスインターフェース214と、エンコーダデジタル信号プロセッサ(DSP)216と、エンコーダ読取りヘッドインターフェース234と、温度センサ212とを含む。歪みセンサなどのその他のデバイスが、アームバス218に装着され得る。
【0022】
さらに図2に示されているのは、アームバス218と通信しているプローブ端電子機器230である。プローブ端電子機器230は、プローブ端DSP228と、温度センサ212と、一実施形態においてはクイック接続インターフェースによってハンドル126またはLLP242に接続するハンドル/LLPインターフェースバス240と、プローブインターフェース226とを含む。クイック接続インターフェースは、LLP242およびその他のアクセサリによって使用されるデータバス、制御線、および電源バスへのハンドル126によるアクセスを可能にする。一実施形態において、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置される。一実施形態において、ハンドル126は、クイック接続インターフェースから取り外されることができ、測定は、ハンドル/LLPインターフェースバス240を介してAACMM100のプローブ端電子機器230と通信するレーザラインプローブ(LLP)242によって実行されてもよい。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、プローブ端電子機器230は、AACMM100の測定プローブ筐体102に配置され、エンコーダシステムは、軸受カートリッジの群110、112、114に配置される。プローブインターフェース226は、1−wire(登録商標)通信プロトコル236を実施する、Maxim Integrated Products,Inc.から販売されている製品を含む任意の好適な通信プロトコルによってプローブ端DSP228に接続することができる。
【0023】
図3は、一実施形態による、AACMM100の電子データ処理システム210の詳細な特徴を示す構成図である。一実施形態において、電子データ処理システム210は、AACMM100の基部116に配置され、基部プロセッサ基板204と、ユーザインターフェース基板202と、基部電源基板206と、Bluetoothモジュール232と、基部傾斜モジュール208とを含む。
【0024】
図3に示される実施形態において、基部プロセッサ基板204は、図中に示されるさまざまな機能ブロックを含む。例えば、基部プロセッサ機能302は、AACMM100からの測定データの収集をサポートするために利用され、アームバス218およびバス制御モジュール機能308を介して処理されていないアームデータ(例えば、エンコーダシステムのデータ)を受信する。メモリ機能304は、プログラムおよび静的なアーム構成データを記憶する。基部プロセッサ基板204は、LLP242などの任意の外部ハードウェアデバイスまたはアクセサリと通信するための外部ハードウェアオプションポート機能310も含む。リアルタイムクロック(RTC)およびログ306と、バッテリパックインターフェース(IF)316と、診断ポート318とが、図3に示される基部プロセッサ基板204の実施形態の機能にやはり含まれる。
【0025】
また、基部プロセッサ基板204は、外部(ホストコンピュータ)および内部(ディスプレイプロセッサ202)デバイスとのすべての有線および無線データ通信を管理する。基部プロセッサ基板204は、(例えば、米国電気電子学会(IEEE)1588などのクロック同期規格を用いて)イーサネット(登録商標)機能320を介してイーサネットネットワークと、LAN機能322を介して無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)と、およびパラレル・シリアル通信(PSC)機能314を介してBluetoothモジュール232と通信する能力を有する。基部プロセッサ基板204は、ユニバーサルシリアルバス(USB)デバイス312への接続も含む。
【0026】
基部プロセッサ基板204は、上述の‘582号特許のシリアルボックスで開示されたようないかなる前処理も必要とせずに測定データへと処理するために、処理されていない測定データ(例えば、エンコーダシステムのカウント、温度の読取り値)を送信および収集する。基部プロセッサ204は、RS485インターフェース(IF)326を介してユーザインターフェース基板202のディスプレイプロセッサ328に処理されたデータを送信する。一実施形態において、基部プロセッサ204は、処理されていない測定データを外部コンピュータにやはり送信する。
【0027】
ここで図3のユーザインターフェース基板202に目を向けると、基部プロセッサによって受信された角度および位置データが、AACMM100内の自律的な計測システムを提供するためにディスプレイプロセッサ328で実行されるアプリケーションによって利用される。アプリケーションは、これらに限定されないが、特徴の測定、手引きおよび訓練のグラフィックス、遠隔診断、温度の修正、さまざまな動作の特徴の制御、さまざまなネットワークへの接続、ならびに測定された物体の表示などの機能をサポートするためにディスプレイプロセッサ328で実行され得る。ディスプレイプロセッサ328および液晶ディスプレイ(LCD)338(例えば、タッチスクリーンLCD)ユーザインターフェースとともに、ユーザインターフェース基板202は、いくつかのインターフェースオプションを含む。そのいくつかのインターフェースオプションは、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース330と、メモリ332と、USBホストインターフェース334と、診断ポート336と、カメラポート340と、音声/映像インターフェース342と、ダイヤルアップ/セルモデム344と、全地球測位システム(GPS)ポート346とを含む。
【0028】
図3に示される電子データ処理システム210は、環境データを記録するための環境レコーダ362を有する基部電源基板206も含む。また、基部電源基板206は、AC/DCコンバータ358およびバッテリ充電器制御360を用いて、電子データ処理システム210に電力を供給する。基部電源基板206は、集積回路間(inter−integrated circuit)(I2C)シリアルシングルエンドバス354を用いて、およびDMAシリアル周辺インターフェース(DMA serial peripheral interface)(DSPI)356を介して基部プロセッサ基板204と通信する。基部電源基板206は、基部電源基板206に実装された入力/出力(I/O)拡張機能364を介して傾斜センサおよび無線周波数識別(RFID)モジュール208に接続される。
【0029】
別個のコンポーネントとして示されているが、その他の実施形態において、これらのコンポーネントのすべてまたは一部は、異なる位置および/または機能の組み合わせを以て、物理的に配置されてもよい。異なる位置および/または機能の組み合わせは、図3に示されたものと異なっていてもよい。例えば、一実施形態において、基部プロセッサ基板204およびユーザインターフェース基板202は、1つの物理的な基板に組み合わされる。
【0030】
一実施形態において、AACMM100は、上述の統合された電子データ処理システム210を含む。電子データ処理システム210は、AACMM100およびそのAACMM100のコンポーネントに内蔵され、統合される。基部プロセッサ基盤204は、図3に示されたプロセッサ機能302によって実装され得る基部コンピュータプロセッサを含む。電子データ処理システム210は、AACMM100を介して受信された要求に応答してユーザが選択した機能を実行し、それらの機能は本明細書においてさらに説明される。例示的な実施形態において、それらの機能は、電子データ処理システム210によって実行され、例えば図3のメモリ304および/またはメモリ332に記憶される1つ以上のアプリケーション(例えば、論理)により実行される。一実施形態において、要求は、図2に示された内蔵されたユーザインターフェース基板202、および/またはAACMM100から離れて配置され、外部コンピュータプロセッサを介してAACMM100で受信され得る。外部コンピュータプロセッサは、図2に全体的に示されるように、USBチャネルを通じて、イーサネットネットワークを介して直接か、または無線で、例えば、無線LANもしくはBluetooth(商標)対応チャネル232を介してのどちらかでAACMM100と通信する。要求に応答して、さまざまなコンポーネント、例えば、エンコーダシステム214、216、234、プローブ端電子機器230、および/または周辺デバイス(例えば、LLP242)が、要求に応じたデータを獲得する。データによって得られた情報が、電子データ処理システム210に返され、本明細書においてさらに説明されるように1つ以上の送信先デバイスに転送される。
【0031】
図1〜4を参照すると、一体化されたディスプレイを有するAACMM100の実施形態が示されている。AACMM100は、電子データ処理システム210を含み、軸受カートリッジの群110、112、114に関連するエンコーダシステムと1つ以上のバス(例えば、アームバス218)を介して通信するように構成される基部116を含む。基部116は、一端に取付けデバイス120を、反対端に軸受カートリッジの群114およびアーム部104を有する筐体400を含む。筐体400は、オペレータによるAACMM100の持ち運びを容易にするように大きさが決められるハンドル部122を含む。
【0032】
一実施形態において、筐体400は、AACMM100が外部電源(例えば、壁付きコンセント)に接続されていないときにAACMM100に電力を供給するためのバッテリ412を受けるように大きさが決められた開口410を含む。一実施形態において、バッテリ412は、電子データ処理システム210と通信し、バッテリ充電レベル、バッテリの種類、モデル番号、製造元、特性、放電率、予測される残りの容量、温度、電圧、およびAACMMが制御された方法で停止することができるようなバッテリが切れそうなことの警報を含み得るがこれらに限定されない信号を送信する回路を含む。
【0033】
可動式のカバー部124は、例えば、蝶番によって基部116に取付けられる筐体404を含む。AACMM100の動作中、可動式のカバー部124は、ディスプレイスクリーン406を見ることができるように開かれ得る。
【0034】
可動式カバー部124の中に、ディスプレイスクリーン406を有するディスプレイ408(例えば、図3BのカラーLCD338)が配置される。ディスプレイ408は、オペレータが、外部のホストコンピュータに接続する必要なしにAACMM100とインタラクションし、AACMM100を操作することを可能にするユーザインターフェースを提供する。一実施形態において、ディスプレイスクリーン406は、表示領域内の例えばオペレータの指またはスタイラスなどによる接触の存在および位置を検知することができるLCDスクリーンである。ディスプレイ408は、抵抗素子、表面弾性波素子、容量性素子、表面型静電容量素子、投射型静電容量素子、赤外光検知素子、ひずみゲージ素子、光学式撮像素子、分散信号素子(dispersive signal element)、または音響パルス認識素子(acoustic pulse recognition element)を含むがこれらに限定されない接触を検出するための素子を有するタッチスクリーンを含み得る。
【0035】
ユーザインターフェース基板202(図2および3)は、ディスプレイ408と、基部116内の基部プロセッサ基板204(図2および3)とに電気的に結合される。
【0036】
一実施形態において、カバー部124の筐体404は、一対のコンピュータインターフェース414、416をさらに含む。一対のコンピュータインターフェース414、416は、オペレータがユーザインターフェース基板202を、これらに限定されないが、例えば、コンピュータ、コンピュータネットワーク、ラップトップ、バーコードスキャナ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、キーボード、マウス、プリンタ、携帯情報端末(PDA)、またはスマートフォンなどの外部デバイスに接続することを可能にする。一実施形態において、コンピュータインターフェース414は、USBホストインターフェース334であり、コンピュータインターフェース416は、セキュアデジタルカードインターフェース330である。上で検討されたように、ユーザインターフェース基板202は、ディスプレイスクリーン406および電子データ処理システム210から信号を受け入れ、送信するために双方向通信するように構成されるプロセッサ328を含む。
【0037】
ここで図5に目を向けて、一実施形態においてAACMM100および統合された電子データ処理システム210を実装するためのプロセスが、ここから説明される。上で示されたように、電子データ処理システム210は、図5に示されるプロセスを実行するための論理を実装する。論理は、ユーザインターフェース基板202において、例えば、メモリ332に記憶され得る。
【0038】
ステップ502で、電子データ処理システム210は、1つ以上の送信元デバイスから機能を実行する要求を受信する。実施できる機能は、いくつか例を挙げるとすれば、AACMM100のプローブデバイス(例えば、プローブ118)による物体の寸法の測定値(例えば、点の座標の測定値など)の獲得、(例えば、1つ以上の温度センサ212による)さまざまな温度値の監視、AACMM100の1つ以上のコンポーネントの校正の実行、AACMM100のコンポーネントのうちの1つ以上に対する診断の実行、および訓練の手引きを含み得る。機能が物体の点の座標の測定を含む場合、データの取込みに使用されるコンポーネントは、AACMM100の軸受カートリッジの群110、112、114に配置された1つ以上のエンコーダシステム(例えば、エンコーダシステム214、216、234)と、(1つ以上の)エンコーダから取り込まれた処理されていない測定データを受信する基部コンピュータプロセッサとを含む。利用可能なその他の機能は、カメラ、LLP242、無線周波数識別デバイス(RFID)スキャナ、熱スキャンデバイスなどの取外し可能なアクセサリまたは周辺デバイスからの要求に応じて実施され得る。送信元デバイスは、外部コンピュータプロセッサ、内蔵されたユーザインターフェースコンポーネント(例えば、図2および3の内蔵されたユーザインターフェース基板202およびディスプレイ338)、またはその他の通信デバイス(例えば、スマートフォン、携帯情報端末など)を含み得る。
【0039】
電子データ処理システム210は、(例えば、論理によって要求が受信されるポートを特定して)要求が送信される送信元デバイスを特定する。送信元デバイスが外部コンピュータプロセッサである場合、特定されるポートは、図2および3に示されたように、USBポート、イーサネットポート、または無線通信ポート(例えば、Bluetooth(商標)プロトコルをサポートする無線ポート232または802.11プロトコルをサポートするポート322)であってもよい。送信元デバイスがAACMM100に内蔵された(例えば、ユーザインターフェース基板202による)ユーザインターフェースコンポーネントである場合、特定されるポートは、RS485をサポートするポートであってもよい。
【0040】
一実施形態において、要求は、アームバス218および汎用インターフェースを介して周辺コンポーネントから基部コンピュータプロセッサ(例えば、図3のプロセッサ302)で受信される(例えば、周辺コンポーネントがLLP242である場合、要求は、図2Dに示されたように、ボタンの押下によってハンドルインターフェースバス240を通って、アームバス218に沿って受け渡される割り込み信号として受信され得る)。一実施形態において、外部コンピュータプロセッサは、AACMM100から離れて配置される。
【0041】
要求がAACMM100に内蔵された(例えば、ユーザインターフェース基板202による)ユーザインターフェースコンポーネントから受信される場合、要求は、ユーザインターフェースディスプレイ338(図4のディスプレイスクリーン406としても示される)を介してAACMM100のオペレータによって入力され得る。一実施形態において、ユーザインターフェース基板202は、AACMM100によって実施される利用可能な機能に対応する選択できるメニューオプションを有するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を提供するためにディスプレイプロセッサ328によって実行される(例えば、メモリ332に記憶された)常駐アプリケーションを含む。GUIは、図6に示されたメニューオプションなどの一式のメニューオプションとして実装され得る。図6において、ディスプレイスクリーン406のコンピュータスクリーンウィンドウ600は、(例えば、平面、線、円、円柱などのパーツ要素を指定するための)パーツセットアップ602、(例えば、特徴、長さ、角度、位置などを指定するための)測定604、(例えば、新しいパーツの定義、マクロのロード、データの転送などのための)ファイル606、(例えば、ネットワーク接続、言語、サウンド要素などを指定するための)設定608、および診断610などのさまざまなメニューオプションを示す。
【0042】
ステップ502に戻り、機能を実行する要求に応答して、電子データ処理システム210が、ステップ504で、論理によってデータ取込み信号を発する。例えば、要求された機能がプローブ118の測定値の要求である場合、基部コンピュータプロセッサが、アームバス218を介してエンコーダDSP216およびプローブ端DSP228にデータ取込み信号を発する。AACMM100が接触プローブを使用する場合、データ取込み信号は、接触プローブを測定されるべき物体と接触させて配置することに応じて接触プローブによって開始され得る。エンコーダDSP216およびプローブ端DSP228は、取込み信号を受信することに応じてデータ(例えば、エンコーダのカウントおよび温度)を取り込む(または、ラッチする)。要求された機能がAACMM100に通信可能なように結合される周辺コンポーネント(例えば、取外し可能なように装着された周辺コンポーネント)からのデータの要求である場合、基部コンピュータプロセッサは、次のいずれかを実行する。すなわち、アームバス218を介して周辺コンポーネントにデータ取込み信号を発するか、または周辺コンポーネントが無線通信コンポーネントを備える場合には、基部コンピュータプロセッサが、周辺コンポーネントに無線でデータ取込み信号を発することができるかのいずれかを実行する。一実施形態において、周辺コンポーネントからのデータは、ラッチされ、アームバス218を介して基部コンピュータプロセッサに送信される。例えば、周辺コンポーネント(例えば、LLP242)は、コントローラおよびDSPを含み得る。データは、LLP242のDSPによってラッチされ、それから、基部コンピュータプロセッサへの転送のためにアームバス218に乗せられる。
【0043】
ステップ506で、基部コンピュータプロセッサが、データ取込み信号の結果として得られたデータを受信する。例えば、要求された機能がプローブ測定データに関する場合、基部コンピュータプロセッサは、ラッチされたデータに関してエンコーダDSP216およびプローブ端DSP228に順々にポーリングする(例えば、位置データを要求する、エンコーダアドレスを有するパケットを送信する)。要求された機能が周辺コンポーネントのデータに関する場合、取り込まれるデータは、例えば、画像データ(周辺コンポーネントがカメラである場合)、マルチメディアデータ(アクセサリがビデオレコーダである場合)、RFIDデータ(周辺コンポーネントがRFIDスキャナである場合)、および2次元の重心(COG)データ(アクセサリがLLPである場合)を含み得る。一実施形態において、周辺コンポーネントのデータは、周辺コンポーネントのデータの種類(例えば、JPEG、MPEG、AVIなど)を特定する識別情報も含み得る。データは、アームバス218を介して基部コンピュータプロセッサで受信され得るか、またはデータは、周辺コンポーネントと基部コンピュータプロセッサの間を無線で送信され得る。
【0044】
一実施形態において、ステップ502から506は、AACMM100が動作している間、継続的に実行される。さらに、接触プローブがAACMMに接続される場合、接触プローブは、(例えば、プローブチップが物体に接触するか、または接触しそうなときに)トリガー信号の発行を開始することができる。接触プローブが信号を開始するとき、その信号は、ステップ502から506の現在のサイクルに割り込み、処理をステップ502で再開させる。
【0045】
ステップ508で、取り込まれたデータが、任意的に、異なる形式に変換される。例えば、取り込まれたデータが処理されていない測定データである場合、取り込まれたデータが、3次元座標データに変換され得る。
【0046】
ステップ510で、電子データ処理システム210が、データ(任意的に、変換されたデータ)を送信すべき送信先デバイスを選択する。一実施形態において、電子データ処理システム210は、要求が受信されるポートを特定することによって、論理により送信先デバイスを選択する。上で示されたように、送信先デバイスが外部コンピュータプロセッサである場合、特定されるポートは、図2に示されたように、USBポート、イーサネットポート、または無線通信ポート(例えば、Bluetooth(商標)プロトコルをサポートする無線ポート232)であってもよい。送信先デバイスがAACMM100に内蔵されたユーザインターフェースコンポーネント(例えば、ユーザインターフェース基板202)である場合、特定されるポートは、RS485をサポートするポートであってもよい。代替的に、論理は、要求が送信されたデバイスを含む複数の送信先デバイスにデータを送信するように構成され得る。
【0047】
ステップ512で、データが、外部コンピュータおよび内蔵されたディスプレイ406などの1つ以上の選択された送信先デバイスに送信される。その他の実施形態において、送信先デバイスは、スマートフォン、PDA、またはその他の通信デバイスであってもよい。
【0048】
上で図5に示されたように、追加的な機能が、電子データ処理システム210によって実施され得る(例えば、校正、訓練など)。ステップ502の要求が校正に関する場合、実行されるプロセスは、図5に関して説明されたプロセスと同様である。校正の要求は、関連するソフトウェアアプリケーションを有する外部コンピュータを介して開始され得るか、またはユーザインターフェース基板202によってAACMM100に統合されたユーザインターフェースコンポーネントを通じて(例えば、図6のメニューオプション612を通じて)開始され得る。ユーザインターフェースコンポーネントの校正の特徴612が、特定のパターンでプローブまたは周辺デバイスを動かすようにAACMM100のオペレータを手引きし、データが、測定デバイスの種類に応じて(例えば、プローブ対LLP)上で説明されたようにして取り込まれ、当該データは、どのデバイスが校正機能の要求を開始したかに応じて、ディスプレイプロセッサ328または外部コンピュータで実行される論理によって処理される。論理は、データを処理して、校正が成功かどうかを判定する。
【0049】
例示的な実施形態において、AACMM100は、座標測定機の特徴への複数同時アクセスを提供するように構成され得る。例えば、(例えば、コンピュータデバイスを介した)AACMM100の遠隔のユーザが、基部コンピュータプロセッサおよび論理を通じてAACMM100からのデータまたは測定値の獲得を開始することができる。AACMM100は、基部コンピュータプロセッサによって与えられたコマンドに応答してデータの収集を開始することができる。AACMM100のオペレータが、例えば、測定されている物体の別の面の測定値を獲得したい場合、オペレータは、上述のGUIによって利用可能なメニューオプションから選択することによってユーザインターフェース基板202およびディスプレイを作動させることができる。例示的な実施形態において、AACMM100は、基部コンピュータプロセッサおよび論理を通じて、ユーザインターフェース基板202と遠隔のコンピュータデバイスなどの外部ソースとの両方からコマンドを受信するように構成される。AACMM100は、ユーザインターフェース基板202およびGUIを介して受信された命令に従ってデータを収集するために、遠隔のコンピュータデバイスからのデータ集合の獲得を一時停止するように基部プロセッサ基板204を通じて指示されてもよい。遠隔のコンピュータデバイスからの要求に応じて収集されたデータは、AACMM100でオペレータのためのデータの収集を開始するために記憶されるかまたは一時的にバッファリングされてもよい。オペレータが要求された測定を完了すると、AACMM100は、遠隔のコンピュータデバイスから前に受信された命令に応じて測定を再開するように構成される。この実施形態においては、収集されたデータが、当該データを要求した対応するデバイスに送信されるか、または論理が、AACMM100と通信している任意のデバイスにすべての収集されたデータを送信するように構成されてもよい。したがって、例えば、外部コンピュータが、内蔵されたユーザインターフェースを通じてオペレータによって要求された収集されたデータを受信することができる。
【0050】
一実施形態においては、2つの測定値の要求が、電子データ処理システム210によって同時に処理され得る。例えば、外部コンピュータからのプローブ118の測定値の要求が、内蔵されたユーザインターフェースからのLLPデバイス242の測定データの要求と同時に実施され得る。AACMM100のアームバス218は、あるデバイス(例えば、LLP242)の動作によって獲得されたデータがあるバスに沿って送信され得る間に、別のデバイス(例えば、プローブ118)の動作によって獲得されたデータが別のバス上で送信され得るように構成されることができる。あるデバイスからのデータは、論理がその他のデバイスからのデータを処理する間、一時的にバッファリングされ得る。
【0051】
技術的効果および利点は、AACMM100と、AACMMおよびそのAACMMのコンポーネントに内蔵され、統合される電子データ処理システム210との統合された機能を含む。電子データ処理システムの機能がAACMMの基部に統合されるので、AACMMを操作または制御するための外部コンピュータは、必要とされない。AACMMの動作の際に外部コンピュータが求められる場合、AACMMは、AACMMと外部コンピュータの間の通信、および外部コンピュータプロセッサによって実行される通信とは別個にAACMMのオペレータと通信するための、内蔵されたユーザインターフェースを通じた通信を可能にする基部コンピュータ処理機能を統合する。外部コンピュータプロセッサおよびユーザインターフェースのそれぞれへのデータストリームは、一方のストリームが他方のストリームに影響を与えずに割り込まれ得るように別々にバッファリングされる。基部コンピュータプロセッサは、AACMMによる機能の実行の要求の送信元デバイスを特定し、これらの要求の結果として得られた取り込まれたデータを送信先デバイスと呼ばれる特定されたデバイスに送信する。したがって、AACMMは、基本的なデータ獲得および処理機能を妨げることなしに複数のユーザおよび関連するコンピュータデバイスによるアクセスを可能にする。
【0052】
当業者に理解されるであろうように、本発明の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本発明の態様は、すべてハードウェアの実施形態、すべてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはすべてが概して本明細書において「回路」、「モジュール」、もしくは「システム」と呼ばれることがあるソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせる実施形態の形態をとってもよい。さらに、本発明の態様は、コンピュータ可読プログラムコードを具現化する1つ以上のコンピュータ可読媒体で具現化されるコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。
【0053】
1つ以上のコンピュータ可読媒体の任意の組合せが、利用され得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体であってもよい。コンピュータ可読ストレージ媒体は、これらに限定されないが、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の好適な組合せであってもよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下、すなわち、1つ以上の配線を有する電気的な接続、持ち運び可能なコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(erasable programmable read−only memory)(EPROM、フラッシュ、もしくは相変化メモリ)、光ファイバー、持ち運び可能なコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気式ストレージデバイス、またはこれらの任意の好適な組合せを含む。本明細書の文脈においては、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを含むかまたは記憶することができる任意の有形の媒体であってもよい。
【0054】
コンピュータ可読信号媒体は、例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部としてコンピュータ可読プログラムコードを具現化する伝播されるデータ信号を含み得る。そのような伝播される信号は、電磁的、光学的、またはこれらの任意の好適な組合せを含むがそれらに限定されないさまざまな形態のうちの任意の形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによる使用のための、または命令実行システム、装置、もしくはデバイスに関連するプログラムを伝達、伝播、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0055】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバーケーブル、RFなど、またはこれらの任意の好適な組合せを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を用いて送信され得る。
【0056】
本発明の態様のオペレーションを実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++、C#などのオブジェクト指向プログラミング言語と、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの通常の手続き型プログラミング言語とを含む1つ以上のプログラミング言語の任意の組合せで記述され得る。プログラムコードは、すべてユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に、ユーザのコンピュータ上で部分的にかつ遠隔のコンピュータ上で部分的に、またはすべて遠隔のコンピュータもしくはサーバ上で実行され得る。後者の場合、遠隔のコンピュータが、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくは広域ネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得るか、または外部コンピュータへの接続が(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)行われ得る。
【0057】
本発明の態様が、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品の流れ図および/または構成図を参照して説明されている。流れ図および/または構成図の各ブロックと、流れ図および/または構成図のブロックの組合せとは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるであろう。
【0058】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するための手段をもたらすように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または機械を製造するためのその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに与えられ得る。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施する命令を含む製品をもたらすように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読媒体に記憶されてもよい。
【0059】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行される命令が、流れ図および/または構成図の1つのブロックまたは複数のブロックで規定された機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされてもよい。また、コンピュータで実施されるプロセスを生成するために一連のオペレーションのステップがコンピュータ、その他のプログラム可能な装置、またはその他のデバイスで実行されるようにするために、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスにロードされてもよい。
【0060】
図面の流れ図および構成図は、本発明のさまざまな実施形態によるシステム、方法、およびコンピュータプログラム製品の有り得る実装のアーキテクチャ、機能、およびオペレーションを示す。その際、流れ図または構成図の各ブロックは、(1つ以上の)規定された論理的な機能を実装するための1つ以上の実行可能命令を含むモジュール、セグメント、またはコードの一部を表すものであってもよい。一部の代替的な実装において、ブロックで示された機能が、図面に示された順番とは異なる順序で行われ得ることにも留意されたい。例えば、連続で示された2つのブロックが、実際には実質的に同時に実行されてもよく、またはそれらのブロックは、関連する機能に応じて逆順に実行される場合も有り得る。構成図および/または流れ図の各ブロックと、構成図および/または流れ図のブロックの組合せとは、規定された機能もしくは動作を実行する専用のハードウェアに基づくシステム、または専用のハードウェアとコンピュータ命令の組合せによって実装され得ることも認識されるであろう。
【0061】
本発明が例示的な実施形態を参照して説明されたが、本発明の範囲を逸脱することなくさまざまな変更が行われる可能性があり、均等物が本発明の要素の代替とされる可能性があることが当業者に理解されるであろう。さらに、特定の状況または構成要素を本発明の教示に適合させるために、本発明の本質的な範囲を逸脱することなく多くの修正が行われ得る。したがって、本発明は本発明を実施するための考えられる最良の形態として開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は添付の特許請求の範囲内に入るすべての実施形態を含むことが意図される。さらに、用語「第1」、「第2」などの使用はいかなる順序または重要度も表さず、むしろ用語「第1」、「第2」などはある要素を別の要素と区別するために使用される。その上、用語「a」、「an」などの使用は量の限定を表さず、むしろ言及される項目の少なくとも1つの存在を表す。
【図1A】
【図1B】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装する方法であって、
機能を実行する第1の要求を受信するステップであって、前記可搬型のAACMMが、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、前記AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、前記トランスデューサからの前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む、ステップと、
前記第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、
前記第1の要求に従って前記機能を実施するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実行中に機能を実行する第2の要求を受信するステップと、
前記第2の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実施を一時停止し、前記第1の要求の前記機能の前記実施によって獲得されたデータを前記可搬型のAACMMのメモリの位置に記憶するステップと、
送信先デバイスを前記第2の要求の前記送信元デバイスとして選択するステップと、
前記第2の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記第2の要求に対応する前記送信先デバイスに送信するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実施を継続するステップとを含み、前記継続するステップが、
第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから前記第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを前記第1の要求の前記送信元デバイスとして選択するステップ、および
前記第1の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記送信先デバイスに送信するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記機能が、物体の寸法の測定値の獲得を含み、
前記情報を送信するステップが、
処理されていない測定データを前記送信先デバイスに送信するステップと、
前記送信するステップの前に、前記処理されていない測定データを、前記情報を含む3次元座標データに変換するステップとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、機能を実行する前記要求が、前記可搬型のAACMMに通信可能なように結合された周辺デバイスからデータを取り込む要求を含み、前記方法が、前記周辺コンポーネントからの取り込まれたデータをバスを介して前記電子回路に送信するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記周辺コンポーネントが、
レーザラインプローブと、
熱スキャンデバイスと、
無線周波数識別デバイススキャナと、
カメラとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記機能が、
前記可搬型のAACMMに配置された温度センサによる温度値の監視と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントの校正の実行と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントに対する診断の実行とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の要求が、前記電子回路の前記第1のポートを介した前記可搬型のAACMMに内蔵されたユーザインターフェースコンポーネントと、前記電子回路の前記第2のポートを介した外部コンピュータプロセッサとのうちの少なくとも1つから前記電子回路で受信され、前記外部コンピュータプロセッサが、前記可搬型のAACMMから離れて配置されることを特徴とする方法。
【請求項7】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、
AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信するための、および前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路と、
前記電子回路によって実行可能な論理であって、機能を実行する第1の要求を受信し、前記第1の要求が受信される送信元デバイスを特定し、前記第1の要求に従って前記機能を実施し、前記第1の要求の前記機能の実行中に機能を実行する第2の要求を受信し、前記第2の要求が受信される送信元デバイスを特定し、前記第1の要求の前記機能の実施を一時停止し、前記第1の要求の前記機能の前記実施によって獲得されたデータを可搬型のAACMMのメモリの位置に記憶し、送信先デバイスを前記第2の要求の前記送信元デバイスとして選択し、前記第2の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記第2の要求に対応する前記送信先デバイスに送信し、前記第1の要求の前記機能の実施を継続し、前記実施が、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから前記第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを前記第1の要求の前記送信元デバイスとして選択すること、ならびに前記第1の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記送信先デバイスに送信することにより継続される、論理とを含むことを特徴とする可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)。
【請求項8】
請求項7に記載の可搬型のAACMMであって、前記機能が、物体の寸法の測定値の獲得を含み、
前記情報を送信することが、処理されていない測定データを前記送信先デバイスに送信することと、前記送信することの前に、前記処理されていない測定データを、前記情報を含む3次元座標データに変換することとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする可搬型のAACMM。
【請求項9】
請求項7に記載の可搬型のAACMMであって、機能を実行する前記要求が、前記可搬型のAACMMに通信可能なように結合された周辺デバイスからデータを取り込む要求を含み、前記論理が、さらに、前記周辺コンポーネントからの取り込まれたデータをバスを介して前記電子回路に送信し、
前記周辺コンポーネントが、
レーザラインプローブと、
熱スキャンデバイスと、
無線周波数識別デバイススキャナと、
カメラとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする可搬型のAACMM。
【請求項10】
請求項7に記載の可搬型のAACMMであって、前記機能が、
前記可搬型のAACMMに配置された温度センサによる温度値の監視と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントの校正の実行と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントに対する診断の実行とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする可搬型のAACMM。
【請求項11】
請求項7に記載の可搬型のAACMMであって、前記第1の要求が、前記電子回路の前記第1のポートを介した前記可搬型のAACMMに内蔵されたユーザインターフェースコンポーネントと、前記電子回路の前記第2のポートを介した外部コンピュータプロセッサとのうちの少なくとも1つから前記電子回路で受信され、前記外部コンピュータプロセッサが、前記可搬型のAACMMから離れて配置されることを特徴とする可搬型のAACMM。
【請求項12】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータによって実行されるときに、
機能を実行する第1の要求を受信するステップと、
前記第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、
前記第1の要求に従って前記機能を実施するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実行中に機能を実行する第2の要求を受信するステップと、
前記第2の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実施を一時停止し、前記第1の要求の前記機能の前記実施によって獲得されたデータを前記可搬型のAACMMのメモリの位置に記憶するステップと、
送信先デバイスを前記第2の要求の前記送信元デバイスとして選択するステップと、
前記第2の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記第2の要求に対応する前記送信先デバイスに送信するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実施を継続するステップとを含み、前記継続するステップが、
第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから前記第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを前記第1の要求の前記送信元デバイスとして選択するステップ、および
前記第1の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記送信先デバイスに送信するステップを含む方法を前記コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを具現化するコンピュータストレージ媒体を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記機能が、物体の寸法の測定値の獲得を含み、
前記情報を送信するステップが、
処理されていない測定データを前記送信先デバイスに送信するステップと、
前記送信するステップの前に、前記処理されていない測定データを、前記情報を含む3次元座標データに変換するステップとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、機能を実行する前記要求が、前記可搬型のAACMMに通信可能なように結合された周辺デバイスからデータを取り込む要求を含み、前記方法が、前記周辺コンポーネントからの取り込まれたデータをバスを介して前記電子回路に送信するステップをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記周辺コンポーネントが、
レーザラインプローブと、
熱スキャンデバイスと、
無線周波数識別デバイススキャナと、
カメラとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記機能が、
前記可搬型のAACMMに配置された温度センサによる温度値の監視と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントの校正の実行と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントに対する診断の実行とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記第1の要求が、前記電子回路の前記第1のポートを介した前記可搬型のAACMMに内蔵されたユーザインターフェースコンポーネントと、前記電子回路の前記第2のポートを介した外部コンピュータプロセッサとのうちの少なくとも1つから前記電子回路で受信され、前記外部コンピュータプロセッサが、前記可搬型のAACMMから離れて配置されることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項1】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装する方法であって、
機能を実行する第1の要求を受信するステップであって、前記可搬型のAACMMが、反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、各アームセグメントが位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、前記AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、前記トランスデューサからの前記位置信号を受信し、前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供する電子回路とを含む、ステップと、
前記第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、
前記第1の要求に従って前記機能を実施するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実行中に機能を実行する第2の要求を受信するステップと、
前記第2の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実施を一時停止し、前記第1の要求の前記機能の前記実施によって獲得されたデータを前記可搬型のAACMMのメモリの位置に記憶するステップと、
送信先デバイスを前記第2の要求の前記送信元デバイスとして選択するステップと、
前記第2の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記第2の要求に対応する前記送信先デバイスに送信するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実施を継続するステップとを含み、前記継続するステップが、
第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから前記第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを前記第1の要求の前記送信元デバイスとして選択するステップ、および
前記第1の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記送信先デバイスに送信するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記機能が、物体の寸法の測定値の獲得を含み、
前記情報を送信するステップが、
処理されていない測定データを前記送信先デバイスに送信するステップと、
前記送信するステップの前に、前記処理されていない測定データを、前記情報を含む3次元座標データに変換するステップとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、機能を実行する前記要求が、前記可搬型のAACMMに通信可能なように結合された周辺デバイスからデータを取り込む要求を含み、前記方法が、前記周辺コンポーネントからの取り込まれたデータをバスを介して前記電子回路に送信するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記周辺コンポーネントが、
レーザラインプローブと、
熱スキャンデバイスと、
無線周波数識別デバイススキャナと、
カメラとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記機能が、
前記可搬型のAACMMに配置された温度センサによる温度値の監視と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントの校正の実行と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントに対する診断の実行とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記第1の要求が、前記電子回路の前記第1のポートを介した前記可搬型のAACMMに内蔵されたユーザインターフェースコンポーネントと、前記電子回路の前記第2のポートを介した外部コンピュータプロセッサとのうちの少なくとも1つから前記電子回路で受信され、前記外部コンピュータプロセッサが、前記可搬型のAACMMから離れて配置されることを特徴とする方法。
【請求項7】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)であって、
反対側にある第1の端部および第2の端部を有する手動で位置付けることが可能な関節アーム部であって、複数の接続されたアームセグメントを含み、前記アームセグメントのそれぞれが、位置信号を生成するための少なくとも1つの位置トランスデューサを含む、関節アーム部と、
AACMMの第1の端部に装着された測定デバイスと、
前記トランスデューサからの前記位置信号を受信するための、および前記測定デバイスの位置に対応するデータを提供するための電子回路と、
前記電子回路によって実行可能な論理であって、機能を実行する第1の要求を受信し、前記第1の要求が受信される送信元デバイスを特定し、前記第1の要求に従って前記機能を実施し、前記第1の要求の前記機能の実行中に機能を実行する第2の要求を受信し、前記第2の要求が受信される送信元デバイスを特定し、前記第1の要求の前記機能の実施を一時停止し、前記第1の要求の前記機能の前記実施によって獲得されたデータを可搬型のAACMMのメモリの位置に記憶し、送信先デバイスを前記第2の要求の前記送信元デバイスとして選択し、前記第2の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記第2の要求に対応する前記送信先デバイスに送信し、前記第1の要求の前記機能の実施を継続し、前記実施が、第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから前記第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを前記第1の要求の前記送信元デバイスとして選択すること、ならびに前記第1の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記送信先デバイスに送信することにより継続される、論理とを含むことを特徴とする可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)。
【請求項8】
請求項7に記載の可搬型のAACMMであって、前記機能が、物体の寸法の測定値の獲得を含み、
前記情報を送信することが、処理されていない測定データを前記送信先デバイスに送信することと、前記送信することの前に、前記処理されていない測定データを、前記情報を含む3次元座標データに変換することとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする可搬型のAACMM。
【請求項9】
請求項7に記載の可搬型のAACMMであって、機能を実行する前記要求が、前記可搬型のAACMMに通信可能なように結合された周辺デバイスからデータを取り込む要求を含み、前記論理が、さらに、前記周辺コンポーネントからの取り込まれたデータをバスを介して前記電子回路に送信し、
前記周辺コンポーネントが、
レーザラインプローブと、
熱スキャンデバイスと、
無線周波数識別デバイススキャナと、
カメラとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする可搬型のAACMM。
【請求項10】
請求項7に記載の可搬型のAACMMであって、前記機能が、
前記可搬型のAACMMに配置された温度センサによる温度値の監視と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントの校正の実行と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントに対する診断の実行とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする可搬型のAACMM。
【請求項11】
請求項7に記載の可搬型のAACMMであって、前記第1の要求が、前記電子回路の前記第1のポートを介した前記可搬型のAACMMに内蔵されたユーザインターフェースコンポーネントと、前記電子回路の前記第2のポートを介した外部コンピュータプロセッサとのうちの少なくとも1つから前記電子回路で受信され、前記外部コンピュータプロセッサが、前記可搬型のAACMMから離れて配置されることを特徴とする可搬型のAACMM。
【請求項12】
可搬型の関節アーム座標測定機(AACMM)を実装するためのコンピュータプログラム製品であって、コンピュータによって実行されるときに、
機能を実行する第1の要求を受信するステップと、
前記第1の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、
前記第1の要求に従って前記機能を実施するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実行中に機能を実行する第2の要求を受信するステップと、
前記第2の要求が受信される送信元デバイスを特定するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実施を一時停止し、前記第1の要求の前記機能の前記実施によって獲得されたデータを前記可搬型のAACMMのメモリの位置に記憶するステップと、
送信先デバイスを前記第2の要求の前記送信元デバイスとして選択するステップと、
前記第2の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記第2の要求に対応する前記送信先デバイスに送信するステップと、
前記第1の要求の前記機能の実施を継続するステップとを含み、前記継続するステップが、
第1のポートおよび第2のポートのうちのどちらから前記第1の要求が受信されるかを特定することによって、送信先デバイスを前記第1の要求の前記送信元デバイスとして選択するステップ、および
前記第1の要求の前記機能を実施することにより得られた情報を前記送信先デバイスに送信するステップを含む方法を前記コンピュータに実施させるコンピュータ可読プログラムコードを具現化するコンピュータストレージ媒体を含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記機能が、物体の寸法の測定値の獲得を含み、
前記情報を送信するステップが、
処理されていない測定データを前記送信先デバイスに送信するステップと、
前記送信するステップの前に、前記処理されていない測定データを、前記情報を含む3次元座標データに変換するステップとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、機能を実行する前記要求が、前記可搬型のAACMMに通信可能なように結合された周辺デバイスからデータを取り込む要求を含み、前記方法が、前記周辺コンポーネントからの取り込まれたデータをバスを介して前記電子回路に送信するステップをさらに含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記周辺コンポーネントが、
レーザラインプローブと、
熱スキャンデバイスと、
無線周波数識別デバイススキャナと、
カメラとのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記機能が、
前記可搬型のAACMMに配置された温度センサによる温度値の監視と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントの校正の実行と、
前記可搬型のAACMMの少なくとも1つのコンポーネントに対する診断の実行とのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
請求項12に記載のコンピュータプログラム製品であって、前記第1の要求が、前記電子回路の前記第1のポートを介した前記可搬型のAACMMに内蔵されたユーザインターフェースコンポーネントと、前記電子回路の前記第2のポートを介した外部コンピュータプロセッサとのうちの少なくとも1つから前記電子回路で受信され、前記外部コンピュータプロセッサが、前記可搬型のAACMMから離れて配置されることを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【図2】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2013−517504(P2013−517504A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550051(P2012−550051)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021272
【国際公開番号】WO2011/090899
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【国際出願番号】PCT/US2011/021272
【国際公開番号】WO2011/090899
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(598064510)ファロ テクノロジーズ インコーポレーテッド (60)
【Fターム(参考)】
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