説明

圧電振動子、圧電発振器及び周波数調整装置

【課題】 圧電振動素子の大きさの影響を受けずに製造を容易とする。
【解決手段】 容器体10内に設けられた搭載パッド14と圧電振動素子20の励振電極22と接続する引回しパターン23とが接合され、蓋体30で容器体10を気密封止した圧電振動子100であって、圧電振動素子20の引回しパターン23が、圧電振動素子20の端部側で向かい合うように圧電振動素子20の両主面にのみ形成され、圧電振動素子20の端部側で向かい合うように形成された引回しパターン23を電気的に接続する側面金属膜Kが圧電振動素子20の側面に別途設けられて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に用いられる圧電振動子、圧電発振器及び周波数調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子機器に用いられる表面実装可能な圧電振動子として、例えば、水晶振動子が用いられている。この水晶振動子は、凹部を有する絶縁材料からなる容器体に水晶振動素子が搭載された状態で蓋体によって気密封止した構造のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
従来から用いられている水晶振動子において、水晶振動素子の構成が、水晶板と、その両主面に設けられる励振電極と、これら励振電極と通電するために水晶板の一方の端部に設けられる引回しパターンとから構成されている。
これら引回しパターンは、2つ一対で設けられるのもので、一方の引回しパターンは、一方の主面に設けられた励振電極と接続しており、水晶板の一方の端部における片方の隅部まで引回されている。他方の引回しパターンは、他方の主面に設けられた励振電極と接続しており、水晶板の一方の端部における別の隅部まで引回されている。
それぞれの引回しパターンは、隅部において水晶板の両主面に対向するように引回されて、かつ、水晶板の側面にも設けられていた。
【0004】
このような水晶振動素子を製造する場合、まず、水晶ウェハにフォトリソなどの手法を用いて複数の水晶振動素子となる水晶板の外形位置に励振電極の形状や引回しパターンを形成する。この際、水晶ウェハに電解メッキ、無電解メッキ、スパッタ、蒸着などにより金属膜を水晶ウェハに成膜し、これに水晶板の外形形状となる位置に合わせて励振電極及び引回しパターンとなる部分にレジストを塗布する。その後、エッチングを行って露出する金属膜を除去した後にレジストを除去して励振電極と引回しパターンとを水晶ウェハの両主面に形成する。各水晶板に個片化した後に、水晶板にマスクを施し、引回しパターンの一部である水晶板の側面に蒸着やスパッタなどで金属膜を形成して引回しパターンを完成させる。
【0005】
このように、従来から用いられている水晶振動素子は、電子機器の小型化に伴って小型化される傾向にあり、例えば、水晶振動子の容器体サイズが長さ2.0mm、幅1.6mmの大きさであれば、これよりも小さなサイズで製造しなければならない。
したがって、容器体サイズが小さくなればなるほど水晶振動素子の大きさも小さく製造しなければならないこととなる。また、例えば、1つの容器体に2つの凹部が設けられた構造の圧電発振器においても同様である。例えば、容器体の同一平面上に2つの凹部が形成される場合や、両主面に凹部がそれぞれ形成される圧電発振器の場合も小型化が進んでおり、これらに搭載される、例えば、水晶振動素子も小型化が要求されている。
【0006】
また、このような圧電振動素子の周波数調整も、側面に引回しパターンを設けた圧電振動素子の両主面に設けた励振電極と通電した状態で周波数の測定を行う必要がある(例えば、特許文献2参照)。この場合、個片の状態の複数の容器体を固定できるベースプレートに、所定のパターンの貫通部が設けられたマスクを備えた治具が用いられる。また、周波数調整を複数回、行う場合は、それぞれ異なるマスクが設けられた治具を用いることがある。
【0007】
【特許文献1】特開2007−067795
【特許文献2】特開2006−211482
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
生産性を向上させるためには、小型化される部材をウェハで扱うのが有効である。
しかしながら、水晶振動素子の場合、水晶ウェハに複数の水晶板となる領域の所定の部分に励振電極や引回しパターンを設ける工程まではウェハで扱われているが、従来のように、側面にも引回しパターンを設けるために、後述するような問題が生じる。
まず、ウェハの状態で励振電極等を形成したことで、ここまでの工程は生産性がよかったが、個々の水晶片に個片化した後に側面にも引回しパターンを設けなければならないため、水晶片に所定の部分が貫通したメタルマスクを重ねて、金属膜を設けなければならず、ウェハで作業を進める有効性が生かせない状態となっていた。
また、水晶振動子及び水晶発振器に用いられる水晶振動素子を小さくするにつれて水晶板に設ける励振電極が小さくなるために、水晶板の側面に引回しパターンの一部を形成するのにマスキングの精度を高くしなければならず、作業性が悪くなることが考えられる。これにより、不良の多発や歩留まりの悪化が起こることが懸念される。
また、水晶板が小さいためにハンドリングが悪く、個別に水晶板の側面に引回しパターンの一部を形成するのが困難となってきている。
【0009】
また、圧電振動素子の側面への引回しパターンを設ける場合や、周波数調整を行う場合、圧電振動素子の側面に引回しパターンを設けるためのマスクを施し、周波数調整を行うたびにマスクが異なる治具に圧電振動素子や圧電振動素子を搭載した容器体をつめ変える工程を行わなくてはなかった。
したがって、マスクの交換の頻度に対応して、周波数調整装置の大気圧状態と真空状態との切り替え作業が煩雑となっていた。
【0010】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、圧電振動素子の小型化の影響を受けない圧電振動子及び圧電発振器を提供することを課題とする。また、圧電振動素子が小型化されても、圧電振動素子と容器体との通電状態を確実にでき、容易に周波数調整が行える周波数調整装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、本発明は、容器体内に設けられた搭載パッドと圧電振動素子の励振電極と接続する引回しパターンとが接合され、蓋体で前記容器体を気密封止した圧電振動子であって、前記圧電振動素子の引回しパターンが、前記圧電振動素子の端部側で向かい合うように前記圧電振動素子の両主面にのみ形成され、前記圧電振動素子の端部側で向かい合うように形成された前記引回しパターンを電気的に接続するように圧電振動素子の側面に側面金属膜が前記引回しパターンとは別途設けられて構成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記側面金属膜が、前記容器体の搭載パッドが形成されている面と向かい合わない側の励振電極と接続する引回しパターンに電気的に接続するように、前記圧電振動素子の側面に設けられることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、2つの凹部を有する容器体の一方の凹部内に設けられた搭載パッドと圧電振動素子の励振電極と接続する引回しパターンとが接合され、他方の凹部に発振回路を備えた集積回路素子が搭載され、蓋体で前記容器体を気密封止した圧電発振器であって、前記圧電振動素子の引回しパターンが、前記圧電振動素子の端部側で向かい合うように前記圧電振動素子の両主面にのみ形成され、前記圧電振動素子の端部側で向かい合うように形成された前記引回しパターンを電気的に接続する側面金属膜が圧電振動素子の側面に前記引回しパターンとは別途設けられて構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記側面金属膜が、前記容器体の搭載パッドが形成されている面と向かい合わない側の励振電極と接続する引回しパターンに電気的に接続するように、前記圧電振動素子の側面に設けられることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、圧電振動子の周波数調整装置であって、容器体に搭載された圧電振動素子の側面に側面金属膜を設ける側面金属膜形成手段を備えた側面金属膜形成室と、前記圧電振動素子の周波数を調整する第一周波数調整手段を備えた第一周波数調整室と、前記圧電振動素子の周波数をさらに調整する第二周波数調整手段を備えた第二周波数調整室と、前記側面金属膜形成室と第一周波数調整室と第二周波数調整室とを順に前記圧電振動素子が搭載された前記容器体を搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記側面金属膜形成手段に、前記圧電振動素子が搭載された容器体と重ね合わせて用いられ、前記容器体の開口側を向く励振電極と接続している引回しパターンの端部側の側面部分に対応して設けられた貫通孔を有する第一マスクが備えられ、前記第一周波数調整手段には、励振電極の所定の部分に対応した位置に貫通孔が設けられた第二マスクが備えられ、前記第二周波数調整手段には、前記圧電振動素子が搭載された容器体と重ね合わせて用いられ、励振電極の所定の部分に対応した位置に貫通孔が設けられた第三マスクが備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
このような圧電振動子によれば、側面に引回しパターンがない圧電振動素子を容器体に搭載した状態で側面金属膜が圧電振動素子の側面に設けられるので、圧電振動素子が小型化されても容易に圧電振動素子を容器体の搭載パッドに電気的に接続した状態とすることができる。したがって、圧電振動素子の小型化の影響を受けない圧電振動子とすることができる。
【0018】
このような圧電発振器によれば、側面に引回しパターンがない圧電振動素子を容器体に搭載した状態で側面金属膜が圧電振動素子の側面に設けられるので、圧電振動素子が小型化されても容易に圧電振動素子を容器体の搭載パッドに電気的に接続した状態とすることができる。したがって、圧電振動素子の小型化の影響を受けない圧電発振器とすることができる。
【0019】
また、このような圧電振動子の周波数調整装置によれば、圧電振動素子の側面に容易に側面金属膜を設けることができ、側面金属膜の形成後に同じ装置内で周波数の調整も可能となる。
したがって、圧電振動素子が小型化されても容易に圧電振動素子の周波数の調整を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という。)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、圧電振動素子を水晶振動素子として説明する。また、各実施形態において、同一構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0021】
(第一の実施形態)
図1(a)は本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子に用いられる圧電振動素子の一例を示す斜視図であり、(b)は容器体の一例を示す斜視図である。図2は本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子の一例を示す概念図である。図3は水晶ウェハに励振電極及び引回しパターンを設けた状態の一例を示す斜視図である。図4はウェハの容器体となる部分に設けられた搭載パッドに導電性接着材を塗布した状態を示す概念図である。図5は水晶振動素子を搭載した状態を示す概念図である。図6(a)はウェハの容器体となる部分に第一マスクを重ねた状態の一例を示す概念図であり、(b)は(a)のA部拡大図である。図7は、第一マスクを外した状態の一例を示す概念図であり、(b)は(a)のB部拡大図である。図8は容器体となる部分が配列されたウェハと蓋体となるウェハとを接合した状態の一例を示す部分斜視図である。
【0022】
(圧電振動子)
図1及び図2に示すように、本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子100は、容器体10と圧電振動素子である水晶振動素子20と蓋体30と導電性接着材Dと側面金属膜Kとから主に構成されている。
【0023】
容器体10は、図1(b)に示すように、平面視四角形状で一方の主面に凹部13を有しており、この凹部13内に水晶振動素子20を搭載するための搭載パッド14が2つ一対で設けられている。
具体的には、容器体10の凹部13が設けられていない面を下、凹部13が開口する面を上とした場合、凹部13の底面であって、四隅のうちの短辺に沿って隣り合う2つの隅側にそれぞれ1つずつ搭載パッド14が形成されて2つ一対となっている。
【0024】
この搭載パッド14は金属膜から成り、容器体10の内部を介して容器体10の下側の面12に設けられた外部端子Gと電気的に接続されている。なお、2つの搭載パッド14同士は、電気的に接続していない。
また、容器体10の凹部13が形成される主面11にはメタライズ層(図示せず)が設けられており、蓋体30(図2参照)の封止材(図示せず)と接合できるようになっている。
【0025】
蓋体30は、図2に示すように、容器体10に設けられた凹部13を気密封止する役割を果たし、凹部13内に水晶振動素子20が搭載された後に容器体10に接合される。この蓋体30は、平面視四角形状で、金属材料で構成されている。
この蓋体30の一方の主面に封止材(図視せず)が設けられており、容器体10に設けられているメタライズ層(図示せず)と接合するようになっている。
なお、容器体10と蓋体30との接合には、封止材(図示せず)の材質により異なるが、シーム溶接、レーザー照射による接合、ハロゲンランプによる加熱接合など、封止材の材質に対応した接合方法を用いることができる。
【0026】
水晶振動素子20は、図1(a)に示すように、水晶板21と励振電極22と引回しパターン23とから構成されている。
水晶板21は、例えば、ATカットの平面視四角形状となっており、水晶板21の両主面の所定の位置に励振電極22が設けられている。励振電極22は、互いに向かい合うように設けられている。
【0027】
図1(a)及び図2に示すように、引回しパターン23は、それぞれの励振電極22に1つ設けられる。この引回しパターン23は励振電極22から水晶板21の一方の端部側にある片方の隅部23Aまで達して設けられ、かつ、その裏側の隅部23Bにも設けられ、隅部23A、23Bで対向した状態となっている。しかし、水晶板21の側面には引回しパターン23は設けられていない。
そのため、同一極性で用いられる引回しパターン23が、水晶板21の一方の主面側に設けられる部分と他方の主面に設けられる部分とで電気的に接続していない状態となる。
【0028】
また、同一極性で用いられる引回しパターン23が、水晶板21の一方の主面側に設けられる部分と他方の主面に設けられる部分とが隅部23A、23Bで対向しているため、2つの引回しパターン23は、それぞれ異なる別の隅部まで達するように設けられることとなる。これにより、後述する導電性接着材Dを用いて容器体10に接合した際に、接合強度を従来と同様に維持することができる。
【0029】
このような水晶振動素子20は、例えば、以下のような工程で製造される。
水晶ウェハの両主面に金属膜を電解メッキ、無電解メッキ、スパッタ、蒸着により成膜する金属膜製膜工程を行う。
次に、水晶板の外形形状と対応させて励振電極及び引回しパターンとなる位置にレジストを塗布するレジスト塗布工程を行う。
この状態で、エッチングを行い、レジストで覆われていない露出する金属膜を除去する金属膜除去工程を行う。
残ったレジストを除去して金属膜を露出させ(図3参照)、励振電極及び引回しパターンとするレジスト除去工程を行う。
この状態で、各水晶板に個片化して水晶振動素子20を得る。
この工程からも解るように、水晶板の側面に引回しパターンの一部を設ける工程を不要としている。
【0030】
導電性接着材Dは、図2に示すように、容器体10の搭載パッド14と水晶振動素子20の隅部側の引回しパターン23とを電気的かつ機械的に接合する際に用いられる。この導電性接着材Dは、容器体10の搭載パッド14に接着しつつ水晶振動素子20の水晶板21の隅部側の両主面に設けられる引回しパターン23に接着することで、水晶振動素子20を搭載パッド14に接合した状態を維持させている。
【0031】
導電性接着材Dと水晶振動素子20の接合の関係について説明する。具体的には、図2に示すように、容器体10の凹部13の底面側を向く水晶振動素子20の引回しパターン23と容器体10の搭載パッド14とが導電性接着材Dで接合された状態となる。これにより、容器体10の凹部13の底面側を向く水晶振動素子20の引回しパターン23は、接合強度を維持する役割を果たす。
【0032】
側面金属膜Kは、同一極性で用いられる引回しパターン23の水晶片21の隅部23A、23Bと接続するように設けられている。
より具体的には、側面金属膜Kは、容器体10の搭載パッド14が形成されている面と向かい合わない側の励振電極22と接続する引回しパターン23に電気的に接続し、かつ、引回しパターン23の水晶片21の隅部23A、23Bと接続するように水晶片21の長辺側の側面に設けられている。
このように側面金属膜Kを設けることにより、励振電極への確実な通電状態を確保することができる。
なお、この側面金属膜Kは、導電性接着材Dや搭載パッド14にかかるように水晶片21の側面に設けても良い。
【0033】
なお、図4に示すように、容器体10が個片化される前のウェハの状態で導電性接着材Dを塗布し、この状態で、図5に示すように、水晶振動素子20を容器体10に搭載しても良い。その後、図6(a)及び(b)に示すように、側面金属膜Kを設けるための第一マスク521(図9参照)を容器体10が個片化されるまえのウェハに重ね、図7(a)及び(b)に示すように、側面金属膜Kを引回しパターン23に設ける。図8に示すように、蓋体30が配列されたウェハを水晶振動素子20が搭載されたウェハに接合して圧電振動子100が配列されたウェハとする。このウェハをダイシング等により切断して個片化し、個々の圧電振動子100とする。
【0034】
これにより、水晶振動素子20の側面に引回しパターン23の一部を設ける必要がないために、圧電振動子100の製造を容易にすることができる。
言い換えれば、水晶振動素子20の水晶板21の側面にまで引回しパターン23を設けなくても、圧電振動子100としての機能を維持することができる。また、水晶板21の側面に引回しパターン23の一部を設けないために、マスキングや蒸着、スパッタなどの高精度かつ煩雑な作業がなくなり、水晶振動素子20が小型化されても作業性を向上させることができる。
【0035】
(周波数調整装置)
図9は、本発明の実施形態に係る周波数調整装置の一例を示す概念図である。
このような本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子100は、側面金属膜Kを設けた後に所定の周波数となるように周波数調整が行われる。その周波数の調整には図9に示すような、本発明の実施形態に係る周波数調整装置500が用いられる。
この周波数調整装置500は、側面金属膜Kの形成と、2回の周波数調整とが行える装置となっている。
【0036】
周波数調整装置500は、図9に示すように、真空状態にできる真空チャンバ内に、仕込み室510、側面金属膜形成室520、第一周波数調整室530、第二周波数調整室540、取り出し室550が並べるように仕切られて構成されている。
また、周波数調整装置500は、仕込み室510、側面金属膜形成室520、第一周波数調整室530、第二周波数調整室540、取り出し室550の順に水晶振動素子20を搭載した容器体10を搬送するために搬送手段560を備えている。また、仕込み室510、側面金属膜形成室520、第一周波数調整室530、第二周波数調整室540、取り出し室550の各室の間には開閉可能なゲートG1〜G6が設けられており、容器体10が搬送された後に各々の室内で真空状態を維持できるようになっている。この真空状態とするために、周波数調整装置500は、図示しない排気手段を備えており、各室を個別に真空状態にすることができる。真空状態には、例えば、10−4Pa程度の圧力となるように減圧した状態が含まれる。
なお、周波数調整装置500の説明において、複数の容器体10が配列されたウェハを用いた場合について説明する。
【0037】
搬送手段560は、図9に示すように、例えば、ガイドレール561とトレー562とを備えている。
ガイドレール561は、仕込み室510、側面金属膜形成室520、第一周波数調整室530、第二周波数調整室540、取り出し室550を通るように配置される。
トレー562は、ガイドレール561上を開閉可能となっており、容器体10が配列されたウェハを載置できるようになっている。
【0038】
また、前記ウェハとトレー562との間には、コンタクト部570を備えている。
このコンタクト部570は、コンタクトピン(図示せず)を備えており、前記ウェハの容器体10と対応した位置に設けられた測定端子又は外部端子にこのコンタクトピンを当接できるようになっている。また、コンタクト部570は、トレー562を介して後述する第一測定手段523、第二測定手段533、第三測定手段543と接続可能に設けられている。
【0039】
仕込み室510は、大気圧の状態で複数の容器体10が配列されたウェハを搬出手段560に載置する際に用いる。なお、このウェハには、各容器体10に対応する凹部13内に前記の水晶振動素子20が搭載された状態となっている。
【0040】
側面金属膜形成室520は、図9に示すように、ウェハに搭載されている水晶振動素子20の側面に側面金属膜Kを設ける際に用いる。この側面金属膜形成室520には、貫通孔Hを有する第一マスク521と側面金属膜形成手段522とが備えられている。
第一マスク521は、容器体10の搭載パッド14が設けられている面と向かい合わない励振電極22と接続している引回しパターン23の端部側の側面部分に対応して設けられた貫通孔Hを有している。
【0041】
つまり、水晶振動素子20に設けられている引回しパターン23は、前記の通り、励振電極22と接続し水晶片21の端部側の隅部で向かい合うように水晶片21の両主面に設けられている。ここで、この水晶振動素子20は容器体10に導電性接着材Dを介して搭載されているが、その水晶片21の側面には引回しパターン23が設けられていない状態となっている。
【0042】
第一マスク521の貫通孔Hは、この第一マスク521を容器体10が配列されたウェハに重ねた際に、容器体10の搭載パッド14が設けられている面と向かい合わない励振電極22と接続する引回しパターン23において、向かい合っている水晶片21の端部側の隅部の位置で開口するように設けられている。
この第一マスク521は側面金属膜形成室520の所定の位置に設けられており、仕込み室510から搬送されてくるウェハと重なるようになっている。
【0043】
側面金属膜形成手段522は、第一マスク521と所定の距離で離れた位置に設けられており、第一マスク521の貫通孔Hを抜けて水晶振動素子20の側面に側面金属膜Kを設ける役割を果たす。
この側面金属膜形成手段522には、蒸着装置やスパッタ装置などを用いることができる。
側面金属膜形成手段522で用いる金属は、Au(金)、Ag(銀)、Al(アルミニウム)等を用いることができる。
【0044】
なお、側面金属膜形成手段522には、第一測定手段523が接続された第一制御手段524と接続されている。これにより、トレー562に設けられたコンタクト部570のコンタクトピンは、ウェハの容器体10となる部分に設けられている外部端子に当接された状態で、第一測定手段523と接続した状態となる。したがって、水晶振動素子20の周波数を第一測定手段523で測定しながら第一制御手段524で金属の使用量を調節することができるようになっている。
測定した周波数値と金属の使用量は第一モニタ525に表示させることができる。
なお、第一測定手段523には、ネットワークアナライザなどの測定装置を用いることができる。
【0045】
第一周波数調整室530は、図9に示すように、ウェハに搭載されている水晶振動素子20の1回目の周波数の調整を行う際に用いる。この第一周波数調整室530は、第二マスク531と第一周波数調整手段532とが備えられている。
【0046】
第二マスク531は、ウェハに搭載されている水晶振動素子20の励振電極22の所定の部分に対応した位置に貫通孔(図示せず)が設けられている。
この第二マスク531は、側面金属膜形成室520から搬送手段により搬送されたウェハと重なるようになっている。
【0047】
第一周波数調整手段532は、水晶振動素子20の励振電極22の一部を削って所定の周波数に変える役割を果たす。
この第一周波数調整手段532には、例えば、金属膜からなる励振電極22の表面を第二マスク531の貫通孔側から削るイオンガンなどのエッチング装置を用いることができる。また、この第一周波数調整手段532は、第二測定手段533が接続されている第二制御手段534と接続されている。これにより、水晶振動素子20の周波数を調整している際、トレー562に設けられたコンタクト部570のコンタクトピンは、ウェハの容器体10となる部分に設けられている外部端子に当接された状態で、第二測定手段533と接続した状態となる。したがって、水晶振動素子20の周波数を第二測定手段533で測定しながら第二制御手段534で励振電極22のエッチング量を調節することができるようになっている。
測定した周波数とエッチング量は第二モニタ535に表示させることができる。
【0048】
なお、この1回目の周波数の調整を、例えば、粗調整として用いることができる。
また、第二測定手段533には、ネットワークアナライザなどの測定装置を用いることができる。
このようにエッチング量を制御して所定の周波数となるように調整することができる。
【0049】
第二周波数調整室540は、図9に示すように、ウェハに搭載されている水晶振動素子20の2回目の周波数の調整を行う際に用いる。この第二周波数調整室540は、第三マスク541と第二周波数調整手段542とが備えられている。
【0050】
第三マスク541は、ウェハに搭載されている水晶振動素子20の励振電極22の所定の部分に対応した位置に貫通孔(図示せず)が設けられている。
この第三マスク541は、第一周波数調整室530から搬送手段560により搬送されたウェハと重なるようになっている。
【0051】
第二周波数調整手段542は、第一周波数調整手段532と同様に、水晶振動素子20の励振電極22の一部を削って所定の周波数に変える役割を果たす。
この第二周波数調整手段542には、例えば、金属膜からなる励振電極22の表面を第三マスク541の貫通孔側から削るイオンガンなどのエッチング装置を用いることができる。また、この第二周波数調整手段542は、第三測定手段543が接続されている第二制御手段544と接続されている。これにより、水晶振動素子20の周波数を調整している際、トレー562に設けられたコンタクト部570のコンタクトピンは、ウェハの容器体10となる部分に設けられている外部端子に当接された状態で、第三測定手段543と接続した状態となる。したがって、水晶振動素子20の周波数を第三測定手段543で測定しながら第三制御手段544で励振電極22のエッチング量を調節することができるようになっている。
測定した周波数とエッチング量は第三モニタ545に表示させることができる。
【0052】
なお、この2回目の周波数の調整を、例えば、微調整として用いることができる。
また、第三測定手段543には、ネットワークアナライザなどの測定装置を用いることができる。
このようにエッチング量を制御して所定の周波数となるように調整することができる。
【0053】
取り出し室550は、図9に示すように、第二周波数調整室540から搬送手段560により搬送されたウェハを取り出す際に用いる。
【0054】
このような、周波数調整装置500は、まず、排気装置により側面金属膜形成室520、第一周波数調整室530、第二周波数調整室540、取り出し室550を真空状態まで減圧する。このとき、仕込み室510は大気圧の状態となっている。搬送手段560のトレー562にウェハを載置した後にゲートG1を開放して、ウェハを載置した搬送手段560のトレー562(以下、「トレー」という。)を仕込み室510内に位置させる。
【0055】
その後、ゲートG1を閉じ、仕込み室510内の圧力を側面金属膜形成室520と同一の圧力となるまで減圧する。
仕込み室510と側面金属膜形成室520とを区画するゲートG2を開放して仕込み室510と側面金属膜形成室520とを連通させる。この状態で、トレー562を仕込み室から側面金属膜形成室520へ移動させる。その後、開放したゲートG2を閉ざして仕込み室510と側面金属膜形成室520とを区画する。
側面金属膜形成室520に移動したウェハは、第一マスク521と重ね合わされる。この状態で、側面金属膜形成手段522により、ウェハに搭載されている水晶振動素子20の端部側の隅部に側面金属膜Kを設ける。
【0056】
側面金属膜形成室520と第一周波数調整室530との内圧が同一となっているため、側面金属膜形成室520と第一周波数調整室530とを区画するゲートG3を開放して側面金属膜形成室520と第一周波数調整室530とを連通させる。この状態で、トレー562を側面金属膜形成室520から第一周波数調整室530へ移動させる。その後、開放したゲートG3を閉ざして側面金属膜形成室520と第一周波数調整室530とを区画する。第一周波数調整室530に移動したウェハは、第二マスク531と重ね合わされる。この状態で、第一周波数調整手段532により、所定の周波数となるまでウェハに搭載されている水晶振動素子20の励振電極22をエッチングする。
所定の周波数となったところで、第一周波数調整室530での周波数の調整を終了する。
【0057】
第一周波数調整室530と第二周波数調整室540との内圧が同一となっているため、第一周波数調整室530と第二周波数調整室540とを区画するゲートG4を開放して第一周波数調整室430と第二周波数調整室540とを連通させる。この状態で、トレー562を第一周波数調整室530から第二周波数調整室540へ移動させる。その後、開放したゲートG4を閉ざして第一周波数調整室530と第二周波数調整室540とを区画する。第二周波数調整室540に移動したウェハは、第三マスク541と重ね合わされる。この状態で、第二周波数調整手段542により、さらに所定の周波数となるまでウェハに搭載されている水晶振動素子20の励振電極22をエッチングする。
所定の周波数となったところで、第二周波数調整室540での周波数の調整を終了する。
【0058】
第二周波数調整室540と取り出し室550との内圧が同一となっているため、第二周波数調整室540と取り出し室550とを区画するゲートG5を開放して第二周波数調整室540と取り出し室550とを連通させる。この状態で、トレー562を第二周波数調整室540から取り出し室550へ移動させる。その後、開放したゲートG5を閉ざして第二周波数調整室540と取り出し室550とを区画する。
この状態で取り出し室550を大気圧に戻し、取り出し室550からトレー562に載置されているウェハを取り出す。
【0059】
このように、周波数調整装置500を構成することで、圧電振動素子20と容器体10との電気的接続を側面金属膜Kによって確実に確保することができ、かつ、側面金属膜Kを設けた状態で、すぐに周波数調整を平行して行うことができる。
つまり、水晶振動素子20を搭載した容器体10を他の治具へつめなおす交換作業が不要となり、作業性が向上する。
したがって、水晶振動素子20が小型化されても、水晶振動素子20と容器体10との電気的接続を確実にすることができ、また、マスクの交換作業を行うことなく容易に圧電振動素子20の周波数の調整を行うことができる。
【0060】
(第一の実施形態の変形例)
このような圧電振動子100は、図示しないが、発振回路を備えた集積回路素子などが搭載された他の容器体に接合して圧電発振器としても良いし、リードフレームを用いて発振回路を備えた集積回路素子を接合してモールド樹脂で外形を整えた圧電発振器としても良い。
【0061】
(第二の実施形態)
図10(a)は本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器に用いられる容器体の一例を示す斜視図であり、(b)は容器体に圧電振動素子と集積回路素子とを搭載した状態を示す斜視図であり、(c)は本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器を示す斜視図である。
【0062】
(圧電発振器)
図10に示すように、本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器200は、主面に少なくとも2つの凹部13A、13Bが設けられた容器体10Aと、一方の凹部13A内に搭載される圧電振動素子である水晶振動素子20と、水晶振動素子20の側面に設けられる側面金属膜Kと、これら凹部13A、13Bを気密封止する蓋体30と、他方の凹部13Bに搭載される発振回路を備えた集積回路素子40とから主に構成されている。
【0063】
本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器200で用いられる容器体10Aは、例えば、同一平面内であって、一方の主面に2つの凹部13A、13Bが設けられており、他方の主面には外部端子(図示せず)が設けられた構造となっている。
2つの凹部13A、13Bのうち、一方の凹部13Aには水晶振動素子20を搭載するための搭載パッド14Aが設けられ、他方の凹部13Bには発振回路を有する集積回路素子40を搭載するためのIC用パッド14Bが設けられている。なお、搭載パッド14AはIC用パッド14Bの所定の部分と電気的に接続している。また、IC用パッド14Bの所定の部分は、所定の外部端子と接続しており、実装基板(図示せず)より電圧を印加できるようになっている。
【0064】
このような容器体10Aにおいても、第一の実施形態に係る圧電振動子100で用いられる圧電振動素子20と同様の水晶振動素子20が用いられる。この水晶振動素子20の引回しパターン23は、前記したとおり、水晶振動素子20の両主面にのみ形成されており、側面には設けられていない構造となっている。この水晶振動素子20は、容器体10Aの一方の凹部13A内に設けられた搭載パッド14Aと水晶振動素子20の励振電極22と接続し、この搭載パッド14Aと対向する引回しパターン23とを導電性接着材Dにより接合して用いる。
【0065】
側面金属膜Kは、同一極性で用いられる引回しパターン23の水晶片21の隅部23A、23Bと接続するように設けられている。
より具体的には、側面金属膜Kは、容器体10の搭載パッド14Aが形成されている面と向かい合わない側の励振電極22と接続する引回しパターン23に電気的に接続し、かつ、引回しパターン23の水晶片21の隅部23A、23Bと接続するように水晶片21の長辺側の側面に設けられている。
このように側面金属膜Kを設けることにより、励振電極22への確実な通電状態を確保することができる。
なお、この側面金属膜Kは、導電性接着材Dや搭載パッド14Aにかかるように水晶片21の側面に設けても良い。
【0066】
これにより、水晶振動素子20が小型化されても容器体10Aとの電気的接続を確実に確保することができる。
【0067】
(周波数調整装置)
このような圧電発振器200についても図9に示す本発明の実施形態に係る周波数調整装置500を用いることができる。
例えば、集積回路素子40を搭載していない容器体10Aの他方の凹部13Bを塞ぐようにしてマスクを重ねて、水晶振動素子20の周波数の調整を行うことができる。
この場合、コンタクトピン(図示せず)は、容器体10Aに設けられた測定端子(図示せず)に当接させられることとなる。測定端子は、容器体10Aの外部端子が設けられた面と同一面に設けても良いし、容器体10Aの側面に設けても良い。
なお、測定端子を容器体10Aの側面に設けた場合は、コンタクトピンは、前記側面と直角となる方向から当接することとなる。
このように構成しても第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0068】
(第二の実施形態の変形例)
このような圧電発振器200は、図示しないが、容器体に設けられる凹部の側面が階段状に形成されている構造の発振器にも適用できる。例えば、凹部内の最も低い位置に発振回路を備えた集積回路素子を搭載し、階段状の側面の段差部分に水晶振動素子20を搭載する構造で構成しても良い。つまり、凹部の中に凹部が設けられた構造の容器体を用いることができる。
【0069】
(第三の実施形態)
図11は、本発明の第三の実施形態に係る圧電発振器の一例を示す断面図である。
【0070】
(圧電発振器)
図11に示すように、本発明の第三の実施形態に係る圧電発振器201は、両主面に凹部13C、13Dが設けられた容器体10Bと、一方の凹部13C内に搭載される圧電振動素子である水晶振動素子20と、この凹部13Cを気密封止する蓋体30と、他方の凹部13Dに搭載される発振回路を備えた集積回路素子40とから主に構成されている。
【0071】
このような容器体10Bにおいても、第一の実施形態に係る圧電振動子100で用いられる圧電振動素子20と同様の水晶振動素子20が用いられる。この水晶振動素子20の引回しパターン23は、前記したとおり、水晶振動素子20の両主面にのみ形成されており、側面には設けられていない構造となっている。この水晶振動素子20は、容器体10Bの一方の凹部13C内に設けられた搭載パッド14Cと水晶振動素子20の励振電極22と接続し、この搭載パッド14Cと向かい合う引回しパターン23とを導電性接着材Dにより接合して用いる。
【0072】
側面金属膜Kは、同一極性で用いられる引回しパターン23の水晶片21の隅部23A、23Bと接続するように設けられている。
より具体的には、側面金属膜Kは、容器体10の搭載パッド14Cが形成されている面と向かい合わない側の励振電極22と接続する引回しパターン23に電気的に接続し、かつ、引回しパターン23の水晶片21の隅部23A、23Bと接続するように水晶片21の長辺側の側面に設けられている。
このように側面金属膜Kを設けることにより、励振電極22への確実な通電状態を確保することができる。
なお、この側面金属膜Kは、導電性接着材Dや搭載パッド14Cにかかるように水晶片21の側面に設けても良い。
【0073】
これにより、水晶振動素子20が小型化されても容器体10Bとの電気的接続を確実に確保することができる。
【0074】
(周波数調整装置)
このような圧電発振器201についても図9に示す本発明の実施形態に係る周波数調整装置500を用いることができる。
例えば、前記他方の凹部13D内に測定端子(図示せず)を設けた容器体10Bを用いる。この容器体10Bの一方の凹部13Cにマスクを重ね、集積回路素子40の搭載前に、他方の凹部13D内に測定端子(図示せず)を用いて周波数調整を行うことができる。
この場合、コンタクトピン(図示せず)は、容器体10Aに設けられた測定端子(図示せず)に当接させられることとなる。したがって、コンタクトピンは、他方の凹部13Dの深さ分、突き出せる構造となっている。
このように構成しても第一の実施形態と同様の効果を奏する。
【0075】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態には限定されない。例えば、圧電振動素子としてセラミック等の圧電材料を用いることもできる。また、圧電振動素子が音叉型の形状となっていても良いし、励振振動させる部分を凹ませた形状や凸状に厚みを持たせた形状としても良いし、縁部分をベベル加工、プラノコンベックス加工、バイコンベックス加工を施した形状となっていても良い。
また、容器体と蓋体との接合には、前記した方法以外の接合方法を用いることができる。例えば、容器体と蓋体との材質が同一材料の場合、例としてガラスを用いた場合、容器体と蓋体とを直接接合により接合しても良いし、容器体又は蓋体のいずれか一方にアルミニウムからなる接合膜を設け、陽極接合により接合しても良い。
また、励振電極や引回しパターンは、金属膜であればよく、従来周知の金属材料を用いることができる。例えば、下地に、Ti、Crなどを用い、下地の上にAuなどを設けた構成としても良い。
さらに、平板状のベースに圧電振動素子を搭載し、凹部を有する蓋体で気密封止した構造の圧電振動子又は圧電発振器としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】(a)は本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子に用いられる圧電振動素子の一例を示す斜視図であり、(b)は容器体の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の第一の実施形態に係る圧電振動子の一例を示す概念図である。
【図3】水晶ウェハに励振電極及び引回しパターンを設けた状態の一例を示す斜視図である。
【図4】ウェハの容器体となる部分に設けられた搭載パッドに導電性接着材を塗布した状態を示す概念図である。
【図5】水晶振動素子を搭載した状態を示す概念図である。
【図6】(a)はウェハの容器体となる部分に第一マスクを重ねた状態の一例を示す概念図であり、(b)は(a)のA部拡大図である。
【図7】第一マスクを外した状態の一例を示す概念図であり、(b)は(a)のB部拡大図である。
【図8】容器体となる部分が配列されたウェハと蓋体となるウェハとを接合した状態の一例を示す部分斜視図である。
【図9】本発明の実施形態に係る周波数調整装置の一例を示す概念図である。
【図10】(a)は本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器に用いられる容器体の一例を示す斜視図であり、(b)は容器体に圧電振動素子と集積回路素子とを搭載した状態を示す斜視図であり、(c)は本発明の第二の実施形態に係る圧電発振器を示す斜視図である。
【図11】本発明の第三の実施形態に係る圧電発振器の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0077】
100 圧電振動子
200、201 圧電発振器
10、10A、10B 容器体
13、13A、13B、13C、13D 凹部
14、14A、14C 搭載パッド
14B、14D IC用パッド
20 水晶振動素子(圧電振動素子)
21 水晶板
22 励振電極
23 引回しパターン
30 蓋体
40 集積回路素子
500 周波数調整装置
520 金属膜形成室
521 第一マスク
522 側面金属膜形成手段
530 第一周波数調整室
531 第二マスク
532 第一周波数調整手段
540 第二周波数調整室
541 第三マスク
542 第二周波数調整手段
D 導電性接着材
K 側面金属膜
H 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体内に設けられた搭載パッドと圧電振動素子の励振電極と接続する引回しパターンとが接合され、蓋体で前記容器体を気密封止した圧電振動子であって、
前記圧電振動素子の引回しパターンが、
前記圧電振動素子の端部側で向かい合うように前記圧電振動素子の両主面にのみ形成され、
前記圧電振動素子の端部側で向かい合うように形成された前記引回しパターンを電気的に接続する側面金属膜が圧電振動素子の側面に前記引回しパターンとは別途設けられて構成されていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項2】
前記側面金属膜が、
前記容器体の搭載パッドが形成されている面と向かい合わない側の励振電極と接続する引回しパターンに電気的に接続するように、前記圧電振動素子の側面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子。
【請求項3】
2つの凹部を有する容器体の一方の凹部内に設けられた搭載パッドと圧電振動素子の励振電極と接続する引回しパターンとが接合され、他方の凹部に発振回路を備えた集積回路素子が搭載され、蓋体で前記容器体を気密封止した圧電発振器であって、
前記圧電振動素子の引回しパターンが、
前記圧電振動素子の端部側で向かい合うように前記圧電振動素子の両主面にのみ形成され、
前記圧電振動素子の端部側で向かい合うように形成された前記引回しパターンを電気的に接続する側面金属膜が圧電振動素子の側面に前記引回しパターンとは別途設けられて構成されていることを特徴とする圧電発振器。
【請求項4】
前記側面金属膜が、
前記容器体の搭載パッドが形成されている面と向かい合わない側の励振電極と接続する引回しパターンに電気的に接続するように、前記圧電振動素子の側面に設けられることを特徴とする請求項3に記載の圧電発振器。
【請求項5】
容器体に搭載された圧電振動素子の側面に側面金属膜を設ける側面金属膜形成手段を備えた側面金属膜形成室と、
前記圧電振動素子の周波数を調整する第一周波数調整手段を備えた第一周波数調整室と、
前記圧電振動素子の周波数をさらに調整する第二周波数調整手段を備えた第二周波数調整室と、
前記側面金属膜形成室と第一周波数調整室と第二周波数調整室とを順に前記圧電振動素子が搭載された前記容器体を搬送する搬送手段とを備えたことを特徴とする周波数調整装置。
【請求項6】
前記側面金属膜形成手段には、前記圧電振動素子が搭載された容器体と重ね合わせて用いられ、前記容器体の搭載パッドが設けられている面と向かい合わない励振電極と接続している引回しパターンの端部側の側面部分に対応して設けられた貫通孔を有する第一マスクが備えられ、
前記第一周波数調整手段には、励振電極の所定の部分に対応した位置に貫通孔が設けられた第二マスクが備えられ、
前記第二周波数調整手段には、前記圧電振動素子が搭載された容器体と重ね合わせて用いられ、励振電極の所定の部分に対応した位置に貫通孔が設けられた第三マスクが備えられていることを特徴とする請求項5に記載の周波数調整装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−164664(P2009−164664A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339013(P2007−339013)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000104722)京セラキンセキ株式会社 (870)
【Fターム(参考)】