基板洗浄装置、基板洗浄方法及び記憶媒体
【課題】基板洗浄装置において基板の生産性を向上させること。
【解決手段】基板洗浄装置2は、洗浄部材50により基板6を洗浄する位置から離れて設けられ、その下面がブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体5と、洗浄部材を、基板を洗浄する領域とブラシ洗浄体によりブラシ部が洗浄される領域との間で移動させる移動手段と、ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときにブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備える。
【解決手段】基板洗浄装置2は、洗浄部材50により基板6を洗浄する位置から離れて設けられ、その下面がブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体5と、洗浄部材を、基板を洗浄する領域とブラシ洗浄体によりブラシ部が洗浄される領域との間で移動させる移動手段と、ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときにブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハや液晶ディスプレイ用のガラス基板(LCD基板)といった基板の裏面に洗浄部材を接触させて基板を洗浄する基板洗浄装置及び基板洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、例えば半導体ウエハ(以下ウエハという)を清浄な状態に保つことが極めて重要である。このため各々の製造プロセスや処理プロセスの前後においては、必要に応じてウエハの表面を洗浄するプロセスが設けられている。
【0003】
また近年では、液浸露光やダブルパターニングといった配線技術の更なる微細化に伴って半導体デバイスの製造工程に含まれる工程数が増加し、ウエハの裏面にパーティクルが付着するリスクが大きくなっているため、ウエハの裏面を洗浄するプロセスも設けられている(特許文献1参照)。
【0004】
ウエハの裏面を洗浄する装置について図15を用いて簡単に説明する。図15に示す洗浄装置はウエハWの裏面中央部分を吸着保持するスピンチャック10を備えており、このスピンチャック10はモータ11と、当該モータ11の回転駆動によって回転する回転軸14とから構成されている。また前記スピンチャック10に吸着保持されているウエハWの下方側には、例えば多数のプラスチック繊維を円柱状に束ねた構造のブラシ部12を有する洗浄部材13が前記回転軸14の外側に配置されている。前記ブラシ部12はその上面をウエハWの裏面に押し付けた状態で回転するようになっている。さらに前記洗浄装置には洗浄ブラシ13を基板洗浄位置と待避位置との間で移動させるための図示しない移動手段が設けられており、前記洗浄ブラシ13が待避位置にある時には前記ブラシ部12の上方側から洗浄液が供給されるようになっている。このように構成された洗浄装置で行われる洗浄処理では、回転しているウエハWに対して下方側からウエットの状態にあるブラシ部12を押し付けてウエハWとブラシ部12とを摺動させることによってウエハW裏面のパーティクルを除去している。
【0005】
ところで前記ブラシ部12は一定期間使用すると汚染してくるため、ダミーウエハを用いて上述と同じようにしてウエットの状態にあるブラシ部12とダミーウエハとを摺動させることによって当該ブラシ部12の洗浄を行っている。また前記ブラシ部12の交換直後は当該ブラシ部12から塵が発生するため、ブラシ部12からの発塵を低減するために、ブラシ部12の交換時にダミーウエハを流して当該ブラシ部12の洗浄を行っている。
【0006】
しかし、上述した洗浄装置でのブラシ部12の洗浄には次のような問題がある。ブラシ部12の汚染を防ぐために定期的にダミーウエハを流すと、ダミーウエハを流している間は製品ウエハに対して洗浄処理を行うことができず、ウエハの生産性が低下してしまうといった問題がある。特にブラシ部12の交換時にダミーウエハを流す場合には、ブラシ部12の洗浄能力を安定させるために何度もダミーウエハを流すため、ウエハの生産性が大幅に低下する。また前記洗浄装置はウエハWの裏面を洗浄する専用の装置であるため、ブラシ部12をウエハWの裏面に押し付ける力はウエハWの裏面を傷付けない程度の力であるため非常に弱く、ダミーウエハを用いてブラシ部12を洗浄するのに長い時間がかかり、これもウエハの生産性を低下させる一因となっている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−67705
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は基板の生産性を向上させることができる基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置において、
前記洗浄部材により基板を洗浄する位置から離れて設けられ、その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体と、
前記洗浄部材を、基板を洗浄する領域と前記ブラシ洗浄体により前記ブラシ部が洗浄される領域との間で移動させる移動手段と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、
前記ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときに前記ブラシ洗浄体の下面と前記ブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置において、
その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体と、
前記ブラシ洗浄体を、前記洗浄部材が基板を洗浄する領域と当該領域から離れた待機領域との間で移動させる移動手段と、
基板を洗浄する領域に位置する前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、
前記ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときに前記ブラシ洗浄体の下面と前記ブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上述した基板洗浄装置は、前記ブラシ部と前記ブラシ洗浄体との潤滑状態を示すストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数で回転させることが好ましい。具体的には前記ブラシ部の回転数は例えば200rpm以上であることが好ましい。
【0012】
また上述した基板洗浄装置において、前記ブラシ洗浄体の下面に付着した有機物を除去するために紫外線を照射する紫外線ランプをさらに備えてもよい。また前記ブラシ洗浄体は例えばガラス基板であることが好ましい。
【0013】
また本発明は、回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄方法において、
前記洗浄部材により基板を洗浄する領域から離れて設けられ、その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体を用い、
前記洗浄部材を、基板を洗浄した後、移動手段により前記ブラシ洗浄体の下面に対向する位置まで移動させる工程と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、両者を相対的に回転させながらブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給することによりブラシ部を洗浄する工程と、
その後、前記洗浄部材を基板の裏面を洗浄する領域に移動させて基板の裏面を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄方法において、
その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体を用い、
前記洗浄部材により基板を洗浄した後、移動手段により前記ブラシ洗浄体を移動させて当該ブラシ洗浄体の下面と洗浄部材のブラシ部とを対向させる工程と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、両者を相対的に回転させながらブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給することによりブラシ部を洗浄する工程と、
その後、前記ブラシ洗浄体を、洗浄部材による基板の裏面の洗浄領域から退避させ、洗浄部材により基板の裏面を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
さらに本発明は、基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、前記プログラムは上述した基板洗浄方法を実行するためにステップが組まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の基板洗浄装置は、基板を洗浄する領域で基板を洗浄した洗浄部材をブラシ洗浄体によりブラシ部が洗浄される領域へ移動させて、この領域で当該洗浄部材を洗浄しているので、洗浄部材のブラシ部を洗浄するために基板の洗浄処理を止めてダミーウエハを流すといった作業を行わなくてよく、基板洗浄装置に流れてくる基板を止めずに連続して洗浄処理することができる。また洗浄部材のブラシ部の洗浄では、ブラシ洗浄体とブラシ部との間に洗浄液を供給しながらブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させてブラシ部を洗浄しているので、洗浄部材の洗浄を短時間で行うことができる。これらの効果により基板の生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に説明する実施の形態においては、基板洗浄装置(以下、洗浄装置という)の一例として塗布、現像装置に設置されるタイプの洗浄装置について説明する。当該洗浄装置による洗浄工程を含むフォトリソグラフィープロセスの具体例については後述するが、本洗浄装置は例えば塗布、現像装置の出口付近に設置され、レジスト膜の形成された基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)の裏面を洗浄してから後続の露光装置へ向けて送り出す役割を果たす。
【0018】
初めに本実施の形態に係る洗浄装置の構造について図1〜図4を参照しながら説明する。図1は洗浄装置2の斜視図、図2はその平面図、図3及び図4は縦断面図を夫々示している。
【0019】
図1に示すように洗浄装置2は、塗布、現像装置内の搬送手段(後述する第2の受け渡しアームD2)から受け取ったウエハWの裏面周縁部近傍を略水平に吸着保持する吸着パッド20a,20bと、この吸着パッド20a,20bからウエハWを受け取ってウエハWの裏面中央部を略水平に吸着保持する回転保持手段であるスピンチャック3と、ウエハWの裏面を洗浄する洗浄部材5と、この洗浄部材5を洗浄するために用いられるブラシ洗浄体であるガラス基板6とを上面の開口したボックス状のアンダーカップ43に取り付けた構造となっている。
【0020】
先ず、吸着パッド20a,20bについて説明する。図1に示すように洗浄装置1は2つの吸着パッド20a,20bを備え、2つの吸着パッド20a,20bはウエハW裏面の周縁近傍部を略平衡に支えて保持できるように配置されている。前記吸着パッド20a,20bは図示しない吸引管と接続されており、図1及び図2に示す吸着孔28を介してウエハWの裏面周縁部を吸着しながら保持する真空チャックとしての機能を備えている。図1に示すように夫々の吸着パッド20a,20bは細長い棒状のパット支持部21a,21bの略中央部に夫々取り付けられており、これら2本のパット支持部21a,21bの両端部が夫々2本の橋桁部22a,22bに取り付けられることによってパット支持部21a,21bと橋桁部22a,22bとからなる井桁23が構成される。
【0021】
2本の橋桁部22a,22bの両端は、アンダーカップ43の対向する2側壁(図1に向かって手前側の側壁と奥側の側壁)の外側にこれら側壁に沿って張設された2本のベルト24a,24bに夫々固定されている。夫々のベルト24a,24bは、2個1組からなる巻掛軸25a,25bに巻き掛けられており、各巻掛軸25a,25bは上述の2側壁と各々平行に設置された2枚の側板26a,26bに取り付けられている。巻掛軸25aの一つは駆動機構27に接続されており、巻掛軸25a,25bやベルト24a,24bを介して橋桁22a,22bを動かして、既述の井桁23全体を図1及び図2に示したX方向に自在に移動させることができるようになっている。
【0022】
また図1に示すように夫々の側板26a,26bは、その底面をスライダ27aとガイドレール27bとからなる2組の昇降機構27によって支えられ、洗浄装置1の図示しない筐体床面に固定されている。これらの昇降機構27の一つには図示しない駆動手段である駆動機構が設けられており、この駆動機構によってスライダ27aをガイドレール27b内で昇降させることにより、既述の井桁23全体を図中のZ方向に昇降させることができるようになっている。
【0023】
また井桁23上には、洗浄液の飛散を抑えるためのドーナツ状のアッパーカップ41が跨設されている。このアッパーカップ41の上面にはウエハWより大口径の開口部41aが設けられており、この開口部41aを介して搬送手段と吸着パッド20との間でウエハWの受け渡しを行うことができるようになっている。なお、井桁23上に跨設されたアッパーカップ41は、図3に示すように井桁23の動きに伴ってX方向とZ方向とに移動するように構成されている。
【0024】
次にスピンチャック3について説明する。スピンチャック3はウエハWの裏面中央部を下方から支持する円板であり、略平行に配置された2つの吸着パッド20a,20bの中間に設置されている。図3に示すようにスピンチャック3は軸部3bを介して駆動機構(スピンチャックモータ)33に接続されており、このスピンチャックモータ33によって回転自在及び昇降自在に構成されている。またスピンチャック3も図示しない吸引管と接続されており、図1及び図2に示す吸着孔3aを介してウエハWを吸着しながら保持する真空チャックとしての機能を備えている。
【0025】
前記スピンチャック3の側方には、昇降機構32aと接続された3本の支持ピン32がウエハWの裏面を支持して昇降可能なように設けられており、これにより外部の搬送手段との協働作用によって搬送手段から吸着パッド20a,20bへ、またスピンチャック3から搬送手段へとウエハWを受け渡しできる。
【0026】
またスピンチャック3及び支持ピン32の周囲には、これらの機器を取り囲む円筒体からなるエアナイフ31が設置されている。このエアナイフ31は円筒体の上端の周方向に沿って図示しない気体の噴射口が形成されており、この噴射口からウエハW裏面へ向けて気体を噴き出すことにより洗浄液を円筒体の外側へ吹き飛ばすようになっている。
【0027】
次にウエハWの裏面洗浄を行う洗浄部材5について説明する。図1及び図5に示すように前記洗浄部材5は例えば多数のプラスチック繊維を円柱状に束ねた構造からなるブラシ部50と、このブラシ部50を保持する基台51と、この基台51の下方を支持する支持体52と、前記支持体52に接続され、当該支持体52を介して前記ブラシ部50を周方向に回転させる回転手段である駆動機構53とから構成されている。また前記基台51は支持体52に対して着脱自在に構成されている。なお、前記ブラシ部50としてはプラスチック繊維の他にナイロン繊維等を用いてもよく、さらに多孔質で伸縮性のある円柱状のスポンジ例えばPVCスポンジ、ウレタンスポンジ等を用いた構造であってもよい。このような構造にあるブラシ部50の直径Rは例えば450mm以下、この例では50mmであり、その上面の略中央には洗浄液を吐出するための直径rが例えば5mmの吐出孔54が形成されている。また図5に示すように前記支持体51の内部には洗浄液が通流する通流管55が設けられており、前記通流管55の他端側にはバルブV1及び洗浄液の温度を調整する温度調整部56を介して洗浄液を供給する洗浄液供給源57が接続されている。洗浄液としては、脱イオン水(DIW)、DIWとオゾン水との混合液、あるいはDIWとアルカリ液との混合液等が挙げられる。この実施形態では吐出孔54、通流管55、バルブV1、温度調整部56及び洗浄液供給源57が洗浄液供給手段に相当する。
【0028】
また前記駆動機構53の下面には既述の洗浄部材5を支持するための支持部46が取り付けられており、この支持部46はウエハWや橋桁部22bと干渉しないようにL字型に屈曲した形状となっている。前記支持部46の基端は、図1においてスピンチャック3の設置されている方向から洗浄部材5を見て奥側の側壁に沿って張設されたベルト58に固定されている。前記ベルト58は2個1組からなる巻掛軸59に巻き掛けられており、これらの巻掛軸59は上述の奥側の側壁外面に取り付けられている。前記巻掛軸59の一方は駆動機構60に接続されており、ベルト58及び支持部46を介して洗浄部材5を図1及び図2に示したY方向に自在に移動させることができる。
【0029】
次に既述の洗浄部材5を洗浄するために用いられるガラス基板6について説明する。図1及び図4に示すようにガラス基板6は、前記アッパーカップ41の周辺近傍に設けられた円筒体の基台63の上に設けられている。前記基台63は両端部が夫々2本の橋桁部22a,22bに平行に取り付けられた基台支持部61a,61bに設けられている。前記基台支持部61aと基台支持台61bとの離間距離は、昇降機構27によって橋桁部22a,22bを下降させてブラシ部50の上面をガラス基板62の裏面に押し当てる際に、前記ブラシ部50と基台支持部61a,6abとが接触しない程度の距離である。また前記ガラス基板6の上方側には、紫外線を照射する紫外線ランプ62が設けられている。後述するように前記ブラシ部50の洗浄を何度も行うと、ガラス基板6の裏面はブラシ部50に付着していた有機物等により汚染されて当該裏面が疎水化し、濡れ性が悪くなってブラシ部50の消耗が激しくなる。そしてこのブラシ部50の消耗によりパーティクルが発生するため、前記ガラス基板6の上方側から当該ガラス基板6の表面全体に紫外線を照射し、当該裏面に付着している有機物等を除去している。
【0030】
この他、図3に示すようにアンダーカップ43の底部には、アンダーカップ43内に溜まった洗浄液を排出するためのドレイン管44と、洗浄装置2内の気流を排気するための2つの排気管45とが設けられている。前記排気管45はアンダーカップ43の底部に溜まった洗浄液が排気管45へ流れ込むのを防ぐため、アンダーカップ43の底面から上方へと延伸されていると共に、上方から滴り落ちてきた洗浄液が排気管45に直接入らないように、エアナイフ31の周囲に取り付けられたリング状のカバーをなすインナーカップ42によって覆われている。
【0031】
また前記洗浄装置2は制御部9を備えている。この制御部9に関して図6を参照しながら説明する。図6において90はバスであり、このバス90にはウエハ洗浄プログラム91、ブラシ洗浄プログラム92、CPU93及び入力手段94などが接続されており、図6ではこれらを機能的にブロック化して表している。
【0032】
前記ウエハ洗浄プログラム91は、後述するように外部の搬送装置から受け取ったウエハWを吸着パット20a,20bとスピンチャック3との間で受け渡したり、ウエハWの裏面を洗浄部材5で洗浄したりするために各駆動部29、53、60、昇降機構27、バルブV1、温度調整部56など対して動作指令を出力する。
【0033】
前記ブラシ洗浄プログラム92は、後述するようにウエハWを洗浄する領域とブラシ部50が洗浄される領域との間で洗浄部材5を移動したり、ガラス基板7の裏面にブラシ部50の上面を押し当てて当該ブラシ部50を洗浄したりするために各駆動部29、53、60、昇降機構27、バルブV1、温度調整部56、紫外線ランプ62など対して動作指令を出力する。
【0034】
前記入力手段94は、種々の入力操作を行うキーボート及びマウスと、液晶画面またはCTR画面などのソフトスイッチとの組み合わせからなり、後述するようにブラシ洗浄モードの選択を行う。
【0035】
これらプログラム91、92は記憶媒体例えばフレキシブルディスク(FD)、メモリーカード、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカード等の記憶手段に格納された状態でプログラム格納部に格納される。
【0036】
以上に説明した構成に基づいて、ブラシ部50を洗浄する動作について図7〜図9を参照しながら説明するが、この説明の前にウエハWの裏面を洗浄する動作について簡単に説明しておく。先ず、例えば馬蹄形状の搬送手段(第2の受け渡しアームD2)から3本の支持ピン32にウエハWが受け渡され、その後支持ピン32が下降して吸着パット20a,20bにウエハWが受け渡される。この後吸着パット20は、裏面からブラシ部50を押し当てても動かないようにウエハWの裏面における中心領域を挟んで対向する2箇所部位を吸着保持し、ウエハWを保持したまま所定の位置まで搬送し、ウエハWの裏面中心領域とブラシ部50とを対向させ、次いで、吸着パット20a,20bを下降させてウエハWの裏面の中心領域をブラシ部50の上面に押し当てる。次いで、エアナイフ31を作動させてスピンチャック3の表面に洗浄液が廻り込んで付着するのを防止した後、ブラシ部50の上面の吐出孔54より洗浄液を供給すると共にブラシ部50を回転させてウエハWの裏面中心領域の洗浄を開始する。この洗浄は、図2に示すように駆動機構29によるウエハWのX方向への移動と駆動機構60による洗浄部材5のY方向への移動との組み合わせにより進行する。
【0037】
ウエハWの裏面中心領域の洗浄を終えたら、吸着パット20a,20bを移動させてスピンチャック3の上方にウエハW中心部を位置させ、次に吸着パット20a,20bからスピンチャック3へのウエハWの受け渡しを行う。ウエハWを受け渡されたスピンチャック3は、吸着パット20a,20bと略同じ高さでウエハWを吸着保持するので、前記ブラシ部50はウエハWに押し当てられた状態となる。続いてブラシ部50の上面の吐出孔54より洗浄液を供給すると共に、ブラシ部50を回転させてウエハWの裏面外周領域の洗浄を開始する。この洗浄は、図2に示すようにスピンチャックの回転と駆動機構60による洗浄部材5のY方向への移動との組み合わせにより進行する。
【0038】
ウエハWの裏面外周領域の洗浄を終えたら、スピンチャック3を所定の高さ位置まで上昇させ、この位置でウエハWを高速で回転させて、振り切り乾燥いわゆるスピン乾燥を行い、ウエハWの裏面を乾燥させる。ここでウエハWの裏面中心領域の洗浄からスピン乾燥までの工程を1プロセスとすると、このプロセスを20〜50回行った後、ブラシ部50を洗浄する動作に移ることになる。以上のウエハWの裏面を洗浄するプロセスは、ウエハ洗浄プログラム91により実行される。
【0039】
続いてブラシ部50を洗浄する動作について説明する。ウエハWを所定枚数洗浄すると図示しないアラーム発生部からアラームが発せられ、このアラームに基づいて例えばオペレータが入力手段94によりブラシ洗浄モードを選択する。ブラシ洗浄モードを選択したときにはまだ洗浄ブラシ50はウエハWを洗浄する領域にあり、当該洗浄ブラシ50は次のようにしてウエハWの洗浄領域からブラシ部50の洗浄領域へ移動される。先ずスピン乾燥を行った後、昇降機構27によってアッパーカップ41の下側周面が前記ブラシ部50の上面にぶつからない程度の高さ位置まで井桁23を上昇させる。次に、図2に示すように駆動機構60によって洗浄部材5を基台支持部61aと基台支持部61bとで挟まれる領域Sに移動させる。洗浄部材5を前記領域Sに移動させた時に、ブラシ部50が基台63で囲まれる領域内に無い場合には、駆動機構29によって基台63を移動させて、ブラシ部50を基台63で囲まれる領域内に位置させる。
【0040】
このようにして前記洗浄部材5をウエハWの洗浄領域からブラシ部50の洗浄領域まで移動させた後、図7(a)に示すように昇降機構27によってブラシ部50とガラス基板6との間の距離が所定の距離となるように基台63を下降させる。その後、図7(b)に示すようにブラシ部50の上面に形成された吐出孔54から所定の流量例えば400cc/minで洗浄液Rを吐出し、ガラス基板6の裏面を濡らすと共に、駆動機構53によってブラシ部50を予め設定した回転数で回転させる。なお、前記吐出孔54から吐出する洗浄液Rは前記温度調整部56によって所定の温度例えば30℃に調整されている。しかる後、図7(c)に示すように昇降機構27によって基台63を下降させて、ブラシ部50の上面にガラス基板6の裏面を接触させる。さらに基台63を下降させて予め設定した押圧力でブラシ部50をガラス基板6に押し当てるように調整する。
【0041】
図8はブラシ部50が洗浄される様子を示す図である。ガラス基板6の裏面に吐出孔54から400cc/minで洗浄液Rを吐出させると共に、ブラシ部50を200rpmで回転させながら当該ブラシ部50の上面を例えば1N/cm2で押し当てると、ガラス基板6とブラシ部50との間に介在する洗浄液Rに圧力が生じ、ブラシ部50が洗浄液Rの上に浮いた状態となる。この状態はブラシ部50とガラス基板6との潤滑状態を示すストライベック線図(図9参照)において摩擦係数μが最も小さい値P<0.01を含む曲線の腹部分に相当する領域である弾性流体潤滑のことをいい、この弾性流体潤滑の状態でブラシ部50が洗浄される。つまりブラシ部50とガラス基板6との間に洗浄液Rが介在した状態でブラシ部50が洗浄される。なお、図9中の縦軸は摩擦係数μを示しており、横軸は(洗浄液Rの粘度×ブラシ部50の回転速度)/押し当て力(ηV/F)を示している。
【0042】
ここで弾性流体潤滑の範囲について具体的に述べると最も腹部分の摩擦係数Pにおける横軸の(洗浄液Rの粘度×ブラシ部50の回転速度)/押し当て力をQとした場合、弾性流体潤滑の範囲はkQ≦Q<lQ(Q=0.6、k=0.2、l=2)であり、この範囲はブラシ部50とガラス基板6とであればブラシ部材50の回転速度Vは70rpm〜500rpmとなる。つまりストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数とは、ストライベック線図における摩擦係数の最小値が得られる回転数だけに限られるものではない。装置を組むときには、摩擦係数の最小値が得られるようにパラメータを設定することになるが、実際には摩擦係数は当該最小値よりも少し大きくなる場合が多いと考えられる。弾性流体潤滑とは、例えば自動車が濡れている道路を走行したときにタイヤと道路との摩擦がほとんど無くなり、ブレーキをかけてもタイヤが道路を滑る状態に相当する。従って本発明において「弾性流体潤滑が得られる回転数」とは、このような作用が発揮されている回転数を指すものである。
【0043】
前記ブラシ部50を前記ガラス基板6に所定時間例えば10秒間押し当てた後、図7(d)に示すように昇降機構27によって基台63を所定の高さ位置まで上昇させて、前記ガラス基板6から前記ブラシ部50を離す。そして図7(b)〜図7(d)を用いて説明した一連の動作を複数回例えば5回繰り返した後、洗浄液Rの供給及びブラシ部50の回転を止めて、ブラシ部50の洗浄が終わる。
【0044】
一方、裏面の洗浄処理が終わったウエハWは、スピンチャック3から支持ピン32に受け渡され、その後支持ピン32と搬送手段との協働作用によって搬送手段に受け渡される。そしてこのウエハWは後続の露光装置へ向けて送り出され、未処理のウエハWが洗浄装置2に搬入されることになる。
【0045】
ブラシ部50の洗浄が終わった後、昇降機構27によってアッパーカップ41の下側周面が前記ブラシ部50の上面にぶつからない程度の高さ位置まで井桁23を上昇させ、駆動機構60によって洗浄部材5をウエハWの洗浄領域まで移動させる。そして洗浄装置2に新たに搬入されたウエハWに対して既述と同様にして裏面洗浄が開始される。以上のブラシ部50を洗浄するプロセスは、ブラシ浄プログラム92により実行される。
【0046】
なお、ブラシ部50の洗浄を開始するにあたって、上述の形態に限られずウエハWを所定枚数洗浄すると自動的にブラシ洗浄モードが選択されるように前記ブラシ洗浄プログラム92が構成されていてもよい。
【0047】
またブラシ部材50を交換する場合には、使用済みのブラシ部50を基台51を介して支持体52から取り外し、そして未使用のブラシ部50を基台51を介して当該支持体52に取り付けた後、例えばオペレータが入力手段94によりブラシ洗浄モードを選択し、既述と同様にしてブラシ部50の洗浄が行われることになる。
【0048】
また前記ブラシ部50による洗浄回数を重ねていくと、ガラス基板6の裏面はブラシ部50に付着していた有機物等により次第に汚染されて当該裏面が疎水化し、濡れ性が悪くなってくる。このためブラシ部50の洗浄回数が予め設定した回数になると、ブラシ部50がウエハWの裏面を洗浄しているときに、前記紫外線ランプ62からガラス基板6に向けて紫外線を照射し、当該裏面に付着している有機物等を除去して親水化させる処理が行われる。この処理を行うステップはブラシ洗浄プログラム92のステップに含まれている。
【0049】
上述の実施の形態によれば、ウエハWを洗浄する領域でウエハWを洗浄した洗浄部材5をガラス基板6によりブラシ部50を洗浄する領域へ移動させて、この領域で当該ブラシ部50を洗浄しているので、ブラシ部50を洗浄するためにウエハの洗浄処理を止めてダミーウエハを流すといった作業を行わなくてよく、洗浄装置2に流れてくるウエハWを止めずに連続して洗浄処理することができる。また洗浄部材5のブラシ部50の洗浄では、ブラシ部50の上面に形成された吐出孔54から所定の流量で洗浄液Rを吐出させると共に、前記ブラシ部50を回転させながら当該ブラシ部50を予め設定した押圧力でガラス基板6に押し当ててブラシ部50を洗浄しているので、ブラシ部50の洗浄を短時間で行うことができる。これらの効果によりウエハの生産性が向上する。
【0050】
また上述の実施の形態では、ブラシ部50とガラス基板6との潤滑状態を示すストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数、この実施形態では70rpm〜500rpmの回転速度Vでブラシ部50を回転させているので、つまりブラシ部50とガラス基板6との間に洗浄液Rが介在した状態で当該ブラシ部50が洗浄されるので、ブラシ部50とガラス基板6とが擦れてブラシ部50が損傷するといったおそれがない。そのためブラシ部50の使用寿命が長くなる。
【0051】
なお上述の実施の形態では、昇降機構27によってブラシ部50の上面をガラス基板63の底面に押し当てているが、ブラシ部50を周方向に回転させる駆動機構53に、支持体51を介してブラシ部50を上下に移動可能な機能を持たせ、この駆動機構53によってブラシ部50の上面をガラス基板63の底面に押し当てるようにしてもよい。
【0052】
また上述の実施の形態では、ブラシ部50の上面の略中央に形成された吐出孔54から洗浄液Rを吐出させてガラス基板63の下面を濡らしているが、この構成に限られずガラス基板63の下面の略中央部に吐出孔を形成し、この吐出孔から洗浄液Rを吐出させてガラス基板63の下面を濡らすように構成してもよい。
【0053】
次に本発明の他の実施の形態について説明する。この形態では、図10及び図11に示すようにガラス基板85を、洗浄部材5がウエハWを洗浄する領域と当該領域から離れた待機領域との間で移動させる他は上述の実施の形態で説明した洗浄装置2と全く同じ構成になる。
【0054】
この形態の構成について詳述すると、図10及び図11中の80は前記橋桁部22bと平行に設けられたレール部であり、このレール部80の両端は前記アンダーカップ43の上面に夫々固定されている。なお、この例では前記レール部80は洗浄部材5でウエハWの裏面中心領域を洗浄する際に井桁23を所定の位置まで移動させた時、橋桁22bとぶつからない位置に設置してある。前記レール部80にはガラス支持体81を介してガラス基板82をY軸方向に移動させる移動機構83が設けられている。前記ガラス支持体81の基端側にはガイド軸84を介して当該ガラス支持体81を上下に駆動させる駆動部85が設けられている。また前記ガラス支持体81の先端側にはガイド軸86を介してガラス基板82を上下に駆動させる駆動部87が設けられている。前記駆動部85は駆動部27によって井桁23を上昇させる際に、井桁23がガラス支持体81に当たらないようにガラス支持体81を所定の高さ位置まで上昇させるために設けられている。
【0055】
この形態における作用について述べると、既述のようにして洗浄部材5によりウエハWを洗浄した後、移動機構83によってガラス基板82を移動させて当該ガラス基板82の下面と洗浄部材5のブラシ部50とを対向させる(図11参照)。続いて駆動部87によってガイド軸86を介してガラス基板82を下降させて、ブラシ部50とガラス基板82との間の距離が所定の距離となるようにする。その後、ブラシ部50の上面に形成された吐出孔54から所定の流量で洗浄液Rを吐出し、ガラス基板82の裏面を濡らすと共に、駆動機構53によってブラシ部50を予め設定した回転数で回転させる。しかる後、駆動部87によってガラス基板82を下降させて、ブラシ部50の上面にガラス基板82の裏面を接触させる。さらにガラス基板82を下降させて予め設定した押圧力でブラシ部50をガラス基板82に押し当てるように調整する。そして既述と同様にしてブラシ部50とガラス基板82との間に洗浄液Rが介在した状態でブラシ部50が洗浄される。このような形態であっても上述と同様の効果が得られる。
【0056】
次に塗布、現像装置に上述した洗浄装置2を適用した一例について簡単に説明する。図12は塗布、現像装置に露光装置を接続したシステムの平面図であり、図13は同システムの斜視図である。また図14は同システムの縦断面図である。塗布、現像装置にはキャリアブロックS1が設けられており、その載置台101上に載置された密閉型のキャリア100から受け渡しアームCがウエハWを取り出して処理ブロックS2に受け渡し、処理ブロックS2から受け渡しアームCが処理済みのウエハWを受け取ってキャリア100に戻すように構成されている。
【0057】
本実施の形態に係る洗浄装置2は、処理ブロックS2から露光装置S4へとウエハWを受け渡す際、即ち図12に示すようにインターフェイスブロックS3の入口部にて処理対象となるウエハWの裏面洗浄を行うように構成されている。
【0058】
前記処理ブロックS2は、図13に示すようにこの例では現像処理を行うための第1のブロック(DEV層)B1、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うための第2のブロック(BCT層)B2、レジスト膜の塗布を行うための第3のブロック(COT層)B3、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜の形成を行うための第4のブロック(TCT層)B4を、下から順に積層して構成されている。
【0059】
第2のブロック(BCT層)B2と第4のブロック(TCT層)B4とは、各々反射防止膜を形成するための薬液をスピンコーティングにより塗布する塗布ユニットと、この塗布ユニットにて行われる処理の前処理及び後処理を行うための加熱・冷却系の処理ユニット群と、前記塗布ユニットと処理ユニット群との間に設けられ、これらの間でウエハWの受け渡しを行う搬送アームA2,A4と、で構成されている。第3のブロック(COT層)B3についても前記薬液がレジスト液であることを除けば同様の構成である。
【0060】
一方、第1のブロック(DEV層)B1については図14に示すように一つのDEV層B1内に現像ユニット110が2段に積層されている。そして当該DEV層B1内には、これら2段の現像ユニット110にウエハWを搬送するための搬送アームA1が設けられている。つまり2段の現像ユニットに対して搬送アームA1が共通化された構成となっている。
【0061】
さらに処理ブロックS2には、図13及び図14に示すように棚ユニットU5が設けられ、キャリアブロックS1からのウエハWは前記棚ユニットU5の一つの受け渡しユニット、例えば第2のブロック(BCT層)B2の対応する受け渡しユニットD1によって順次搬送される。次いでウエハWは第2のブロック(BCT層)B2内の搬送アームA2により、この受け渡しユニットCPL2から各ユニット(反射防止膜ユニット及び加熱・冷却系の処理ユニット群)に搬送され、これらユニットにて反射防止膜が形成される。
【0062】
その後、ウエハWは棚ユニットU5の受け渡しユニットBF2、前記棚ユニットU5の近傍に設けられた昇降自在な第1の受け渡しアームD1、棚ユニットU5の受け渡しユニットCPL3及び搬送アームA3を介して第3のブロック(COT層)B3に搬入され、レジスト膜が形成される。更にウエハWは、搬送アームA3→棚ユニットU5の受け渡しユニットBF3に受け渡される。なおレジスト膜が形成されたウエハWは、第4のブロック(TCT層)B4にて更に反射防止膜が形成される場合もある。この場合には、ウエハWは受け渡しユニットCPL4を介して搬送アームA4に受け渡され、反射防止膜の形成された後搬送アームA4により受け渡しユニットTRS4に受け渡される。
【0063】
一方、DEV層B1内の上部には、棚ユニットU5に設けられた受け渡しユニットCPL11から棚ユニットU6に設けられた受け渡しユニットCPL12にウエハWを直接搬送するための専用の搬送手段であるシャトルアームEが設けられている。レジスト膜や更に反射防止膜の形成されたウエハWは、受け渡しアームD1を介して受け渡しユニットBF3、TRS4から受け取り受け渡しユニットCPL11に受け渡され、ここからシャトルアームEにより棚ユニットU6の受け渡しユニットCPL12に直接搬送される。ここで図12に示すように棚ユニットU6と洗浄装置2との間に設置された搬送手段である受け渡しアームD2は、回転、進退、昇降自在に構成され、洗浄前後のウエハWを夫々専門に搬送する例えば2つのアームを備えている。ウエハWは、受け渡しアームD2の洗浄前専用のアームによってTRS12から取り出され、洗浄装置2内に搬送されて裏面洗浄を受ける。洗浄を終えたウエハWは受け渡しアームD2に洗浄後専用のアームでTRS13に載置された後、インターフェイスブロックS3に取り込まれることになる。なお図14中のCPLが付されている受け渡しユニットは温調用の冷却ユニットを兼ねており、BFが付されている受け渡しユニットは複数膜のウエハWを載置可能なバッファユニットを兼ねている。
【0064】
次いで、インターフェイスアームBにより露光装置S4に搬送され、ここで所定の露光処理が行われた後、棚ユニットU6の受け渡しユニットTRS6に載置されて処理ブロックS2に戻される。次いでウエハWは、第1のブロック(DEV層)B1にて現像処理が行われ、搬送アームA1により棚ユニットU5における受け渡しアームC0に戻される、なお図12においてU1〜U4は各々加熱部と冷却部とを積層した熱系ユニット群である。
【0065】
なお、図12〜図14に示した塗布、現像装置では実施の形態に係る洗浄装置2をインターフェイスブロックS3の入口部に設けた例を示したが、洗浄装置2を設置する位置はこの例に限定されるものではない。例えばインターフェイスブロックS3内に当該洗浄装置2を設置してもよいし、処理ブロックS2の入口部、例えば棚ユニットU5に設置してレジスト膜の形成される前のウエハWを裏面洗浄するように構成してもよいし、キャリアブロックS1内に設けてもよい。
【0066】
更に、本実施の形態に係る洗浄装置2を適用可能な装置は、塗布、現像装置に限定されない。例えばイオン注入後のアニール工程を行う熱処理装置にも本洗浄装置2は適用することができる。ウエハWの裏面にパーティクルが付着したままアニール工程を行うと、この工程中にパーティクルがウエハWの裏面から入り込み、このパーティクルと表面のトランジスタとの間に電流路が形成されてしまうこともある。このため、この工程の前にウエハWを裏面洗浄することにより製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る洗浄装置を示す斜視図である。
【図2】前記洗浄装置の平面図である。
【図3】前記洗浄装置の縦断面図である。
【図4】前記洗浄装置の縦断面図である。
【図5】洗浄ブラシの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る制御部を示すブロック図である。
【図7】前記洗浄装置の動作を説明するための工程図である。
【図8】洗浄部材が洗浄される様子を示す説明図である。
【図9】洗浄部材とガラス基板との潤滑状態を示すストライベック線図である。
【図10】上記洗浄装置を適用して塗布、現像装置の実施の形態を示す平面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る洗浄装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る洗浄装置を示す平面図である
【図13】上記塗布、現像装置の斜視図である。
【図14】上記塗布、現像装置の縦断面図である。
【図15】従来の洗浄装置を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0068】
W 半導体ウエハ
2 洗浄装置
20a,20b 吸着パット
21a,21b パット支持部
22a,22b 橋桁部
23 井桁
27 昇降機構
3 スピンチャック
41 アッパーカップ
5 洗浄ブラシ
50 洗浄部材
51 基台
52 支持体
53 駆動機構
54 吐出孔
55 通流管
56 温度調整部
57 洗浄液供給源
58 ベルト
6 ガラス基板
60 駆動機構
62 紫外線ランプ
9 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハや液晶ディスプレイ用のガラス基板(LCD基板)といった基板の裏面に洗浄部材を接触させて基板を洗浄する基板洗浄装置及び基板洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程においては、例えば半導体ウエハ(以下ウエハという)を清浄な状態に保つことが極めて重要である。このため各々の製造プロセスや処理プロセスの前後においては、必要に応じてウエハの表面を洗浄するプロセスが設けられている。
【0003】
また近年では、液浸露光やダブルパターニングといった配線技術の更なる微細化に伴って半導体デバイスの製造工程に含まれる工程数が増加し、ウエハの裏面にパーティクルが付着するリスクが大きくなっているため、ウエハの裏面を洗浄するプロセスも設けられている(特許文献1参照)。
【0004】
ウエハの裏面を洗浄する装置について図15を用いて簡単に説明する。図15に示す洗浄装置はウエハWの裏面中央部分を吸着保持するスピンチャック10を備えており、このスピンチャック10はモータ11と、当該モータ11の回転駆動によって回転する回転軸14とから構成されている。また前記スピンチャック10に吸着保持されているウエハWの下方側には、例えば多数のプラスチック繊維を円柱状に束ねた構造のブラシ部12を有する洗浄部材13が前記回転軸14の外側に配置されている。前記ブラシ部12はその上面をウエハWの裏面に押し付けた状態で回転するようになっている。さらに前記洗浄装置には洗浄ブラシ13を基板洗浄位置と待避位置との間で移動させるための図示しない移動手段が設けられており、前記洗浄ブラシ13が待避位置にある時には前記ブラシ部12の上方側から洗浄液が供給されるようになっている。このように構成された洗浄装置で行われる洗浄処理では、回転しているウエハWに対して下方側からウエットの状態にあるブラシ部12を押し付けてウエハWとブラシ部12とを摺動させることによってウエハW裏面のパーティクルを除去している。
【0005】
ところで前記ブラシ部12は一定期間使用すると汚染してくるため、ダミーウエハを用いて上述と同じようにしてウエットの状態にあるブラシ部12とダミーウエハとを摺動させることによって当該ブラシ部12の洗浄を行っている。また前記ブラシ部12の交換直後は当該ブラシ部12から塵が発生するため、ブラシ部12からの発塵を低減するために、ブラシ部12の交換時にダミーウエハを流して当該ブラシ部12の洗浄を行っている。
【0006】
しかし、上述した洗浄装置でのブラシ部12の洗浄には次のような問題がある。ブラシ部12の汚染を防ぐために定期的にダミーウエハを流すと、ダミーウエハを流している間は製品ウエハに対して洗浄処理を行うことができず、ウエハの生産性が低下してしまうといった問題がある。特にブラシ部12の交換時にダミーウエハを流す場合には、ブラシ部12の洗浄能力を安定させるために何度もダミーウエハを流すため、ウエハの生産性が大幅に低下する。また前記洗浄装置はウエハWの裏面を洗浄する専用の装置であるため、ブラシ部12をウエハWの裏面に押し付ける力はウエハWの裏面を傷付けない程度の力であるため非常に弱く、ダミーウエハを用いてブラシ部12を洗浄するのに長い時間がかかり、これもウエハの生産性を低下させる一因となっている。
【0007】
【特許文献1】特開平11−67705
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は基板の生産性を向上させることができる基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置において、
前記洗浄部材により基板を洗浄する位置から離れて設けられ、その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体と、
前記洗浄部材を、基板を洗浄する領域と前記ブラシ洗浄体により前記ブラシ部が洗浄される領域との間で移動させる移動手段と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、
前記ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときに前記ブラシ洗浄体の下面と前記ブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置において、
その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体と、
前記ブラシ洗浄体を、前記洗浄部材が基板を洗浄する領域と当該領域から離れた待機領域との間で移動させる移動手段と、
基板を洗浄する領域に位置する前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、
前記ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときに前記ブラシ洗浄体の下面と前記ブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
上述した基板洗浄装置は、前記ブラシ部と前記ブラシ洗浄体との潤滑状態を示すストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数で回転させることが好ましい。具体的には前記ブラシ部の回転数は例えば200rpm以上であることが好ましい。
【0012】
また上述した基板洗浄装置において、前記ブラシ洗浄体の下面に付着した有機物を除去するために紫外線を照射する紫外線ランプをさらに備えてもよい。また前記ブラシ洗浄体は例えばガラス基板であることが好ましい。
【0013】
また本発明は、回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄方法において、
前記洗浄部材により基板を洗浄する領域から離れて設けられ、その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体を用い、
前記洗浄部材を、基板を洗浄した後、移動手段により前記ブラシ洗浄体の下面に対向する位置まで移動させる工程と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、両者を相対的に回転させながらブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給することによりブラシ部を洗浄する工程と、
その後、前記洗浄部材を基板の裏面を洗浄する領域に移動させて基板の裏面を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄方法において、
その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体を用い、
前記洗浄部材により基板を洗浄した後、移動手段により前記ブラシ洗浄体を移動させて当該ブラシ洗浄体の下面と洗浄部材のブラシ部とを対向させる工程と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、両者を相対的に回転させながらブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給することによりブラシ部を洗浄する工程と、
その後、前記ブラシ洗浄体を、洗浄部材による基板の裏面の洗浄領域から退避させ、洗浄部材により基板の裏面を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
さらに本発明は、基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、前記プログラムは上述した基板洗浄方法を実行するためにステップが組まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の基板洗浄装置は、基板を洗浄する領域で基板を洗浄した洗浄部材をブラシ洗浄体によりブラシ部が洗浄される領域へ移動させて、この領域で当該洗浄部材を洗浄しているので、洗浄部材のブラシ部を洗浄するために基板の洗浄処理を止めてダミーウエハを流すといった作業を行わなくてよく、基板洗浄装置に流れてくる基板を止めずに連続して洗浄処理することができる。また洗浄部材のブラシ部の洗浄では、ブラシ洗浄体とブラシ部との間に洗浄液を供給しながらブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させてブラシ部を洗浄しているので、洗浄部材の洗浄を短時間で行うことができる。これらの効果により基板の生産性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に説明する実施の形態においては、基板洗浄装置(以下、洗浄装置という)の一例として塗布、現像装置に設置されるタイプの洗浄装置について説明する。当該洗浄装置による洗浄工程を含むフォトリソグラフィープロセスの具体例については後述するが、本洗浄装置は例えば塗布、現像装置の出口付近に設置され、レジスト膜の形成された基板である半導体ウエハ(以下、ウエハという)の裏面を洗浄してから後続の露光装置へ向けて送り出す役割を果たす。
【0018】
初めに本実施の形態に係る洗浄装置の構造について図1〜図4を参照しながら説明する。図1は洗浄装置2の斜視図、図2はその平面図、図3及び図4は縦断面図を夫々示している。
【0019】
図1に示すように洗浄装置2は、塗布、現像装置内の搬送手段(後述する第2の受け渡しアームD2)から受け取ったウエハWの裏面周縁部近傍を略水平に吸着保持する吸着パッド20a,20bと、この吸着パッド20a,20bからウエハWを受け取ってウエハWの裏面中央部を略水平に吸着保持する回転保持手段であるスピンチャック3と、ウエハWの裏面を洗浄する洗浄部材5と、この洗浄部材5を洗浄するために用いられるブラシ洗浄体であるガラス基板6とを上面の開口したボックス状のアンダーカップ43に取り付けた構造となっている。
【0020】
先ず、吸着パッド20a,20bについて説明する。図1に示すように洗浄装置1は2つの吸着パッド20a,20bを備え、2つの吸着パッド20a,20bはウエハW裏面の周縁近傍部を略平衡に支えて保持できるように配置されている。前記吸着パッド20a,20bは図示しない吸引管と接続されており、図1及び図2に示す吸着孔28を介してウエハWの裏面周縁部を吸着しながら保持する真空チャックとしての機能を備えている。図1に示すように夫々の吸着パッド20a,20bは細長い棒状のパット支持部21a,21bの略中央部に夫々取り付けられており、これら2本のパット支持部21a,21bの両端部が夫々2本の橋桁部22a,22bに取り付けられることによってパット支持部21a,21bと橋桁部22a,22bとからなる井桁23が構成される。
【0021】
2本の橋桁部22a,22bの両端は、アンダーカップ43の対向する2側壁(図1に向かって手前側の側壁と奥側の側壁)の外側にこれら側壁に沿って張設された2本のベルト24a,24bに夫々固定されている。夫々のベルト24a,24bは、2個1組からなる巻掛軸25a,25bに巻き掛けられており、各巻掛軸25a,25bは上述の2側壁と各々平行に設置された2枚の側板26a,26bに取り付けられている。巻掛軸25aの一つは駆動機構27に接続されており、巻掛軸25a,25bやベルト24a,24bを介して橋桁22a,22bを動かして、既述の井桁23全体を図1及び図2に示したX方向に自在に移動させることができるようになっている。
【0022】
また図1に示すように夫々の側板26a,26bは、その底面をスライダ27aとガイドレール27bとからなる2組の昇降機構27によって支えられ、洗浄装置1の図示しない筐体床面に固定されている。これらの昇降機構27の一つには図示しない駆動手段である駆動機構が設けられており、この駆動機構によってスライダ27aをガイドレール27b内で昇降させることにより、既述の井桁23全体を図中のZ方向に昇降させることができるようになっている。
【0023】
また井桁23上には、洗浄液の飛散を抑えるためのドーナツ状のアッパーカップ41が跨設されている。このアッパーカップ41の上面にはウエハWより大口径の開口部41aが設けられており、この開口部41aを介して搬送手段と吸着パッド20との間でウエハWの受け渡しを行うことができるようになっている。なお、井桁23上に跨設されたアッパーカップ41は、図3に示すように井桁23の動きに伴ってX方向とZ方向とに移動するように構成されている。
【0024】
次にスピンチャック3について説明する。スピンチャック3はウエハWの裏面中央部を下方から支持する円板であり、略平行に配置された2つの吸着パッド20a,20bの中間に設置されている。図3に示すようにスピンチャック3は軸部3bを介して駆動機構(スピンチャックモータ)33に接続されており、このスピンチャックモータ33によって回転自在及び昇降自在に構成されている。またスピンチャック3も図示しない吸引管と接続されており、図1及び図2に示す吸着孔3aを介してウエハWを吸着しながら保持する真空チャックとしての機能を備えている。
【0025】
前記スピンチャック3の側方には、昇降機構32aと接続された3本の支持ピン32がウエハWの裏面を支持して昇降可能なように設けられており、これにより外部の搬送手段との協働作用によって搬送手段から吸着パッド20a,20bへ、またスピンチャック3から搬送手段へとウエハWを受け渡しできる。
【0026】
またスピンチャック3及び支持ピン32の周囲には、これらの機器を取り囲む円筒体からなるエアナイフ31が設置されている。このエアナイフ31は円筒体の上端の周方向に沿って図示しない気体の噴射口が形成されており、この噴射口からウエハW裏面へ向けて気体を噴き出すことにより洗浄液を円筒体の外側へ吹き飛ばすようになっている。
【0027】
次にウエハWの裏面洗浄を行う洗浄部材5について説明する。図1及び図5に示すように前記洗浄部材5は例えば多数のプラスチック繊維を円柱状に束ねた構造からなるブラシ部50と、このブラシ部50を保持する基台51と、この基台51の下方を支持する支持体52と、前記支持体52に接続され、当該支持体52を介して前記ブラシ部50を周方向に回転させる回転手段である駆動機構53とから構成されている。また前記基台51は支持体52に対して着脱自在に構成されている。なお、前記ブラシ部50としてはプラスチック繊維の他にナイロン繊維等を用いてもよく、さらに多孔質で伸縮性のある円柱状のスポンジ例えばPVCスポンジ、ウレタンスポンジ等を用いた構造であってもよい。このような構造にあるブラシ部50の直径Rは例えば450mm以下、この例では50mmであり、その上面の略中央には洗浄液を吐出するための直径rが例えば5mmの吐出孔54が形成されている。また図5に示すように前記支持体51の内部には洗浄液が通流する通流管55が設けられており、前記通流管55の他端側にはバルブV1及び洗浄液の温度を調整する温度調整部56を介して洗浄液を供給する洗浄液供給源57が接続されている。洗浄液としては、脱イオン水(DIW)、DIWとオゾン水との混合液、あるいはDIWとアルカリ液との混合液等が挙げられる。この実施形態では吐出孔54、通流管55、バルブV1、温度調整部56及び洗浄液供給源57が洗浄液供給手段に相当する。
【0028】
また前記駆動機構53の下面には既述の洗浄部材5を支持するための支持部46が取り付けられており、この支持部46はウエハWや橋桁部22bと干渉しないようにL字型に屈曲した形状となっている。前記支持部46の基端は、図1においてスピンチャック3の設置されている方向から洗浄部材5を見て奥側の側壁に沿って張設されたベルト58に固定されている。前記ベルト58は2個1組からなる巻掛軸59に巻き掛けられており、これらの巻掛軸59は上述の奥側の側壁外面に取り付けられている。前記巻掛軸59の一方は駆動機構60に接続されており、ベルト58及び支持部46を介して洗浄部材5を図1及び図2に示したY方向に自在に移動させることができる。
【0029】
次に既述の洗浄部材5を洗浄するために用いられるガラス基板6について説明する。図1及び図4に示すようにガラス基板6は、前記アッパーカップ41の周辺近傍に設けられた円筒体の基台63の上に設けられている。前記基台63は両端部が夫々2本の橋桁部22a,22bに平行に取り付けられた基台支持部61a,61bに設けられている。前記基台支持部61aと基台支持台61bとの離間距離は、昇降機構27によって橋桁部22a,22bを下降させてブラシ部50の上面をガラス基板62の裏面に押し当てる際に、前記ブラシ部50と基台支持部61a,6abとが接触しない程度の距離である。また前記ガラス基板6の上方側には、紫外線を照射する紫外線ランプ62が設けられている。後述するように前記ブラシ部50の洗浄を何度も行うと、ガラス基板6の裏面はブラシ部50に付着していた有機物等により汚染されて当該裏面が疎水化し、濡れ性が悪くなってブラシ部50の消耗が激しくなる。そしてこのブラシ部50の消耗によりパーティクルが発生するため、前記ガラス基板6の上方側から当該ガラス基板6の表面全体に紫外線を照射し、当該裏面に付着している有機物等を除去している。
【0030】
この他、図3に示すようにアンダーカップ43の底部には、アンダーカップ43内に溜まった洗浄液を排出するためのドレイン管44と、洗浄装置2内の気流を排気するための2つの排気管45とが設けられている。前記排気管45はアンダーカップ43の底部に溜まった洗浄液が排気管45へ流れ込むのを防ぐため、アンダーカップ43の底面から上方へと延伸されていると共に、上方から滴り落ちてきた洗浄液が排気管45に直接入らないように、エアナイフ31の周囲に取り付けられたリング状のカバーをなすインナーカップ42によって覆われている。
【0031】
また前記洗浄装置2は制御部9を備えている。この制御部9に関して図6を参照しながら説明する。図6において90はバスであり、このバス90にはウエハ洗浄プログラム91、ブラシ洗浄プログラム92、CPU93及び入力手段94などが接続されており、図6ではこれらを機能的にブロック化して表している。
【0032】
前記ウエハ洗浄プログラム91は、後述するように外部の搬送装置から受け取ったウエハWを吸着パット20a,20bとスピンチャック3との間で受け渡したり、ウエハWの裏面を洗浄部材5で洗浄したりするために各駆動部29、53、60、昇降機構27、バルブV1、温度調整部56など対して動作指令を出力する。
【0033】
前記ブラシ洗浄プログラム92は、後述するようにウエハWを洗浄する領域とブラシ部50が洗浄される領域との間で洗浄部材5を移動したり、ガラス基板7の裏面にブラシ部50の上面を押し当てて当該ブラシ部50を洗浄したりするために各駆動部29、53、60、昇降機構27、バルブV1、温度調整部56、紫外線ランプ62など対して動作指令を出力する。
【0034】
前記入力手段94は、種々の入力操作を行うキーボート及びマウスと、液晶画面またはCTR画面などのソフトスイッチとの組み合わせからなり、後述するようにブラシ洗浄モードの選択を行う。
【0035】
これらプログラム91、92は記憶媒体例えばフレキシブルディスク(FD)、メモリーカード、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカード等の記憶手段に格納された状態でプログラム格納部に格納される。
【0036】
以上に説明した構成に基づいて、ブラシ部50を洗浄する動作について図7〜図9を参照しながら説明するが、この説明の前にウエハWの裏面を洗浄する動作について簡単に説明しておく。先ず、例えば馬蹄形状の搬送手段(第2の受け渡しアームD2)から3本の支持ピン32にウエハWが受け渡され、その後支持ピン32が下降して吸着パット20a,20bにウエハWが受け渡される。この後吸着パット20は、裏面からブラシ部50を押し当てても動かないようにウエハWの裏面における中心領域を挟んで対向する2箇所部位を吸着保持し、ウエハWを保持したまま所定の位置まで搬送し、ウエハWの裏面中心領域とブラシ部50とを対向させ、次いで、吸着パット20a,20bを下降させてウエハWの裏面の中心領域をブラシ部50の上面に押し当てる。次いで、エアナイフ31を作動させてスピンチャック3の表面に洗浄液が廻り込んで付着するのを防止した後、ブラシ部50の上面の吐出孔54より洗浄液を供給すると共にブラシ部50を回転させてウエハWの裏面中心領域の洗浄を開始する。この洗浄は、図2に示すように駆動機構29によるウエハWのX方向への移動と駆動機構60による洗浄部材5のY方向への移動との組み合わせにより進行する。
【0037】
ウエハWの裏面中心領域の洗浄を終えたら、吸着パット20a,20bを移動させてスピンチャック3の上方にウエハW中心部を位置させ、次に吸着パット20a,20bからスピンチャック3へのウエハWの受け渡しを行う。ウエハWを受け渡されたスピンチャック3は、吸着パット20a,20bと略同じ高さでウエハWを吸着保持するので、前記ブラシ部50はウエハWに押し当てられた状態となる。続いてブラシ部50の上面の吐出孔54より洗浄液を供給すると共に、ブラシ部50を回転させてウエハWの裏面外周領域の洗浄を開始する。この洗浄は、図2に示すようにスピンチャックの回転と駆動機構60による洗浄部材5のY方向への移動との組み合わせにより進行する。
【0038】
ウエハWの裏面外周領域の洗浄を終えたら、スピンチャック3を所定の高さ位置まで上昇させ、この位置でウエハWを高速で回転させて、振り切り乾燥いわゆるスピン乾燥を行い、ウエハWの裏面を乾燥させる。ここでウエハWの裏面中心領域の洗浄からスピン乾燥までの工程を1プロセスとすると、このプロセスを20〜50回行った後、ブラシ部50を洗浄する動作に移ることになる。以上のウエハWの裏面を洗浄するプロセスは、ウエハ洗浄プログラム91により実行される。
【0039】
続いてブラシ部50を洗浄する動作について説明する。ウエハWを所定枚数洗浄すると図示しないアラーム発生部からアラームが発せられ、このアラームに基づいて例えばオペレータが入力手段94によりブラシ洗浄モードを選択する。ブラシ洗浄モードを選択したときにはまだ洗浄ブラシ50はウエハWを洗浄する領域にあり、当該洗浄ブラシ50は次のようにしてウエハWの洗浄領域からブラシ部50の洗浄領域へ移動される。先ずスピン乾燥を行った後、昇降機構27によってアッパーカップ41の下側周面が前記ブラシ部50の上面にぶつからない程度の高さ位置まで井桁23を上昇させる。次に、図2に示すように駆動機構60によって洗浄部材5を基台支持部61aと基台支持部61bとで挟まれる領域Sに移動させる。洗浄部材5を前記領域Sに移動させた時に、ブラシ部50が基台63で囲まれる領域内に無い場合には、駆動機構29によって基台63を移動させて、ブラシ部50を基台63で囲まれる領域内に位置させる。
【0040】
このようにして前記洗浄部材5をウエハWの洗浄領域からブラシ部50の洗浄領域まで移動させた後、図7(a)に示すように昇降機構27によってブラシ部50とガラス基板6との間の距離が所定の距離となるように基台63を下降させる。その後、図7(b)に示すようにブラシ部50の上面に形成された吐出孔54から所定の流量例えば400cc/minで洗浄液Rを吐出し、ガラス基板6の裏面を濡らすと共に、駆動機構53によってブラシ部50を予め設定した回転数で回転させる。なお、前記吐出孔54から吐出する洗浄液Rは前記温度調整部56によって所定の温度例えば30℃に調整されている。しかる後、図7(c)に示すように昇降機構27によって基台63を下降させて、ブラシ部50の上面にガラス基板6の裏面を接触させる。さらに基台63を下降させて予め設定した押圧力でブラシ部50をガラス基板6に押し当てるように調整する。
【0041】
図8はブラシ部50が洗浄される様子を示す図である。ガラス基板6の裏面に吐出孔54から400cc/minで洗浄液Rを吐出させると共に、ブラシ部50を200rpmで回転させながら当該ブラシ部50の上面を例えば1N/cm2で押し当てると、ガラス基板6とブラシ部50との間に介在する洗浄液Rに圧力が生じ、ブラシ部50が洗浄液Rの上に浮いた状態となる。この状態はブラシ部50とガラス基板6との潤滑状態を示すストライベック線図(図9参照)において摩擦係数μが最も小さい値P<0.01を含む曲線の腹部分に相当する領域である弾性流体潤滑のことをいい、この弾性流体潤滑の状態でブラシ部50が洗浄される。つまりブラシ部50とガラス基板6との間に洗浄液Rが介在した状態でブラシ部50が洗浄される。なお、図9中の縦軸は摩擦係数μを示しており、横軸は(洗浄液Rの粘度×ブラシ部50の回転速度)/押し当て力(ηV/F)を示している。
【0042】
ここで弾性流体潤滑の範囲について具体的に述べると最も腹部分の摩擦係数Pにおける横軸の(洗浄液Rの粘度×ブラシ部50の回転速度)/押し当て力をQとした場合、弾性流体潤滑の範囲はkQ≦Q<lQ(Q=0.6、k=0.2、l=2)であり、この範囲はブラシ部50とガラス基板6とであればブラシ部材50の回転速度Vは70rpm〜500rpmとなる。つまりストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数とは、ストライベック線図における摩擦係数の最小値が得られる回転数だけに限られるものではない。装置を組むときには、摩擦係数の最小値が得られるようにパラメータを設定することになるが、実際には摩擦係数は当該最小値よりも少し大きくなる場合が多いと考えられる。弾性流体潤滑とは、例えば自動車が濡れている道路を走行したときにタイヤと道路との摩擦がほとんど無くなり、ブレーキをかけてもタイヤが道路を滑る状態に相当する。従って本発明において「弾性流体潤滑が得られる回転数」とは、このような作用が発揮されている回転数を指すものである。
【0043】
前記ブラシ部50を前記ガラス基板6に所定時間例えば10秒間押し当てた後、図7(d)に示すように昇降機構27によって基台63を所定の高さ位置まで上昇させて、前記ガラス基板6から前記ブラシ部50を離す。そして図7(b)〜図7(d)を用いて説明した一連の動作を複数回例えば5回繰り返した後、洗浄液Rの供給及びブラシ部50の回転を止めて、ブラシ部50の洗浄が終わる。
【0044】
一方、裏面の洗浄処理が終わったウエハWは、スピンチャック3から支持ピン32に受け渡され、その後支持ピン32と搬送手段との協働作用によって搬送手段に受け渡される。そしてこのウエハWは後続の露光装置へ向けて送り出され、未処理のウエハWが洗浄装置2に搬入されることになる。
【0045】
ブラシ部50の洗浄が終わった後、昇降機構27によってアッパーカップ41の下側周面が前記ブラシ部50の上面にぶつからない程度の高さ位置まで井桁23を上昇させ、駆動機構60によって洗浄部材5をウエハWの洗浄領域まで移動させる。そして洗浄装置2に新たに搬入されたウエハWに対して既述と同様にして裏面洗浄が開始される。以上のブラシ部50を洗浄するプロセスは、ブラシ浄プログラム92により実行される。
【0046】
なお、ブラシ部50の洗浄を開始するにあたって、上述の形態に限られずウエハWを所定枚数洗浄すると自動的にブラシ洗浄モードが選択されるように前記ブラシ洗浄プログラム92が構成されていてもよい。
【0047】
またブラシ部材50を交換する場合には、使用済みのブラシ部50を基台51を介して支持体52から取り外し、そして未使用のブラシ部50を基台51を介して当該支持体52に取り付けた後、例えばオペレータが入力手段94によりブラシ洗浄モードを選択し、既述と同様にしてブラシ部50の洗浄が行われることになる。
【0048】
また前記ブラシ部50による洗浄回数を重ねていくと、ガラス基板6の裏面はブラシ部50に付着していた有機物等により次第に汚染されて当該裏面が疎水化し、濡れ性が悪くなってくる。このためブラシ部50の洗浄回数が予め設定した回数になると、ブラシ部50がウエハWの裏面を洗浄しているときに、前記紫外線ランプ62からガラス基板6に向けて紫外線を照射し、当該裏面に付着している有機物等を除去して親水化させる処理が行われる。この処理を行うステップはブラシ洗浄プログラム92のステップに含まれている。
【0049】
上述の実施の形態によれば、ウエハWを洗浄する領域でウエハWを洗浄した洗浄部材5をガラス基板6によりブラシ部50を洗浄する領域へ移動させて、この領域で当該ブラシ部50を洗浄しているので、ブラシ部50を洗浄するためにウエハの洗浄処理を止めてダミーウエハを流すといった作業を行わなくてよく、洗浄装置2に流れてくるウエハWを止めずに連続して洗浄処理することができる。また洗浄部材5のブラシ部50の洗浄では、ブラシ部50の上面に形成された吐出孔54から所定の流量で洗浄液Rを吐出させると共に、前記ブラシ部50を回転させながら当該ブラシ部50を予め設定した押圧力でガラス基板6に押し当ててブラシ部50を洗浄しているので、ブラシ部50の洗浄を短時間で行うことができる。これらの効果によりウエハの生産性が向上する。
【0050】
また上述の実施の形態では、ブラシ部50とガラス基板6との潤滑状態を示すストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数、この実施形態では70rpm〜500rpmの回転速度Vでブラシ部50を回転させているので、つまりブラシ部50とガラス基板6との間に洗浄液Rが介在した状態で当該ブラシ部50が洗浄されるので、ブラシ部50とガラス基板6とが擦れてブラシ部50が損傷するといったおそれがない。そのためブラシ部50の使用寿命が長くなる。
【0051】
なお上述の実施の形態では、昇降機構27によってブラシ部50の上面をガラス基板63の底面に押し当てているが、ブラシ部50を周方向に回転させる駆動機構53に、支持体51を介してブラシ部50を上下に移動可能な機能を持たせ、この駆動機構53によってブラシ部50の上面をガラス基板63の底面に押し当てるようにしてもよい。
【0052】
また上述の実施の形態では、ブラシ部50の上面の略中央に形成された吐出孔54から洗浄液Rを吐出させてガラス基板63の下面を濡らしているが、この構成に限られずガラス基板63の下面の略中央部に吐出孔を形成し、この吐出孔から洗浄液Rを吐出させてガラス基板63の下面を濡らすように構成してもよい。
【0053】
次に本発明の他の実施の形態について説明する。この形態では、図10及び図11に示すようにガラス基板85を、洗浄部材5がウエハWを洗浄する領域と当該領域から離れた待機領域との間で移動させる他は上述の実施の形態で説明した洗浄装置2と全く同じ構成になる。
【0054】
この形態の構成について詳述すると、図10及び図11中の80は前記橋桁部22bと平行に設けられたレール部であり、このレール部80の両端は前記アンダーカップ43の上面に夫々固定されている。なお、この例では前記レール部80は洗浄部材5でウエハWの裏面中心領域を洗浄する際に井桁23を所定の位置まで移動させた時、橋桁22bとぶつからない位置に設置してある。前記レール部80にはガラス支持体81を介してガラス基板82をY軸方向に移動させる移動機構83が設けられている。前記ガラス支持体81の基端側にはガイド軸84を介して当該ガラス支持体81を上下に駆動させる駆動部85が設けられている。また前記ガラス支持体81の先端側にはガイド軸86を介してガラス基板82を上下に駆動させる駆動部87が設けられている。前記駆動部85は駆動部27によって井桁23を上昇させる際に、井桁23がガラス支持体81に当たらないようにガラス支持体81を所定の高さ位置まで上昇させるために設けられている。
【0055】
この形態における作用について述べると、既述のようにして洗浄部材5によりウエハWを洗浄した後、移動機構83によってガラス基板82を移動させて当該ガラス基板82の下面と洗浄部材5のブラシ部50とを対向させる(図11参照)。続いて駆動部87によってガイド軸86を介してガラス基板82を下降させて、ブラシ部50とガラス基板82との間の距離が所定の距離となるようにする。その後、ブラシ部50の上面に形成された吐出孔54から所定の流量で洗浄液Rを吐出し、ガラス基板82の裏面を濡らすと共に、駆動機構53によってブラシ部50を予め設定した回転数で回転させる。しかる後、駆動部87によってガラス基板82を下降させて、ブラシ部50の上面にガラス基板82の裏面を接触させる。さらにガラス基板82を下降させて予め設定した押圧力でブラシ部50をガラス基板82に押し当てるように調整する。そして既述と同様にしてブラシ部50とガラス基板82との間に洗浄液Rが介在した状態でブラシ部50が洗浄される。このような形態であっても上述と同様の効果が得られる。
【0056】
次に塗布、現像装置に上述した洗浄装置2を適用した一例について簡単に説明する。図12は塗布、現像装置に露光装置を接続したシステムの平面図であり、図13は同システムの斜視図である。また図14は同システムの縦断面図である。塗布、現像装置にはキャリアブロックS1が設けられており、その載置台101上に載置された密閉型のキャリア100から受け渡しアームCがウエハWを取り出して処理ブロックS2に受け渡し、処理ブロックS2から受け渡しアームCが処理済みのウエハWを受け取ってキャリア100に戻すように構成されている。
【0057】
本実施の形態に係る洗浄装置2は、処理ブロックS2から露光装置S4へとウエハWを受け渡す際、即ち図12に示すようにインターフェイスブロックS3の入口部にて処理対象となるウエハWの裏面洗浄を行うように構成されている。
【0058】
前記処理ブロックS2は、図13に示すようにこの例では現像処理を行うための第1のブロック(DEV層)B1、レジスト膜の下層側に形成される反射防止膜の形成処理を行うための第2のブロック(BCT層)B2、レジスト膜の塗布を行うための第3のブロック(COT層)B3、レジスト膜の上層側に形成される反射防止膜の形成を行うための第4のブロック(TCT層)B4を、下から順に積層して構成されている。
【0059】
第2のブロック(BCT層)B2と第4のブロック(TCT層)B4とは、各々反射防止膜を形成するための薬液をスピンコーティングにより塗布する塗布ユニットと、この塗布ユニットにて行われる処理の前処理及び後処理を行うための加熱・冷却系の処理ユニット群と、前記塗布ユニットと処理ユニット群との間に設けられ、これらの間でウエハWの受け渡しを行う搬送アームA2,A4と、で構成されている。第3のブロック(COT層)B3についても前記薬液がレジスト液であることを除けば同様の構成である。
【0060】
一方、第1のブロック(DEV層)B1については図14に示すように一つのDEV層B1内に現像ユニット110が2段に積層されている。そして当該DEV層B1内には、これら2段の現像ユニット110にウエハWを搬送するための搬送アームA1が設けられている。つまり2段の現像ユニットに対して搬送アームA1が共通化された構成となっている。
【0061】
さらに処理ブロックS2には、図13及び図14に示すように棚ユニットU5が設けられ、キャリアブロックS1からのウエハWは前記棚ユニットU5の一つの受け渡しユニット、例えば第2のブロック(BCT層)B2の対応する受け渡しユニットD1によって順次搬送される。次いでウエハWは第2のブロック(BCT層)B2内の搬送アームA2により、この受け渡しユニットCPL2から各ユニット(反射防止膜ユニット及び加熱・冷却系の処理ユニット群)に搬送され、これらユニットにて反射防止膜が形成される。
【0062】
その後、ウエハWは棚ユニットU5の受け渡しユニットBF2、前記棚ユニットU5の近傍に設けられた昇降自在な第1の受け渡しアームD1、棚ユニットU5の受け渡しユニットCPL3及び搬送アームA3を介して第3のブロック(COT層)B3に搬入され、レジスト膜が形成される。更にウエハWは、搬送アームA3→棚ユニットU5の受け渡しユニットBF3に受け渡される。なおレジスト膜が形成されたウエハWは、第4のブロック(TCT層)B4にて更に反射防止膜が形成される場合もある。この場合には、ウエハWは受け渡しユニットCPL4を介して搬送アームA4に受け渡され、反射防止膜の形成された後搬送アームA4により受け渡しユニットTRS4に受け渡される。
【0063】
一方、DEV層B1内の上部には、棚ユニットU5に設けられた受け渡しユニットCPL11から棚ユニットU6に設けられた受け渡しユニットCPL12にウエハWを直接搬送するための専用の搬送手段であるシャトルアームEが設けられている。レジスト膜や更に反射防止膜の形成されたウエハWは、受け渡しアームD1を介して受け渡しユニットBF3、TRS4から受け取り受け渡しユニットCPL11に受け渡され、ここからシャトルアームEにより棚ユニットU6の受け渡しユニットCPL12に直接搬送される。ここで図12に示すように棚ユニットU6と洗浄装置2との間に設置された搬送手段である受け渡しアームD2は、回転、進退、昇降自在に構成され、洗浄前後のウエハWを夫々専門に搬送する例えば2つのアームを備えている。ウエハWは、受け渡しアームD2の洗浄前専用のアームによってTRS12から取り出され、洗浄装置2内に搬送されて裏面洗浄を受ける。洗浄を終えたウエハWは受け渡しアームD2に洗浄後専用のアームでTRS13に載置された後、インターフェイスブロックS3に取り込まれることになる。なお図14中のCPLが付されている受け渡しユニットは温調用の冷却ユニットを兼ねており、BFが付されている受け渡しユニットは複数膜のウエハWを載置可能なバッファユニットを兼ねている。
【0064】
次いで、インターフェイスアームBにより露光装置S4に搬送され、ここで所定の露光処理が行われた後、棚ユニットU6の受け渡しユニットTRS6に載置されて処理ブロックS2に戻される。次いでウエハWは、第1のブロック(DEV層)B1にて現像処理が行われ、搬送アームA1により棚ユニットU5における受け渡しアームC0に戻される、なお図12においてU1〜U4は各々加熱部と冷却部とを積層した熱系ユニット群である。
【0065】
なお、図12〜図14に示した塗布、現像装置では実施の形態に係る洗浄装置2をインターフェイスブロックS3の入口部に設けた例を示したが、洗浄装置2を設置する位置はこの例に限定されるものではない。例えばインターフェイスブロックS3内に当該洗浄装置2を設置してもよいし、処理ブロックS2の入口部、例えば棚ユニットU5に設置してレジスト膜の形成される前のウエハWを裏面洗浄するように構成してもよいし、キャリアブロックS1内に設けてもよい。
【0066】
更に、本実施の形態に係る洗浄装置2を適用可能な装置は、塗布、現像装置に限定されない。例えばイオン注入後のアニール工程を行う熱処理装置にも本洗浄装置2は適用することができる。ウエハWの裏面にパーティクルが付着したままアニール工程を行うと、この工程中にパーティクルがウエハWの裏面から入り込み、このパーティクルと表面のトランジスタとの間に電流路が形成されてしまうこともある。このため、この工程の前にウエハWを裏面洗浄することにより製品の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明に係る洗浄装置を示す斜視図である。
【図2】前記洗浄装置の平面図である。
【図3】前記洗浄装置の縦断面図である。
【図4】前記洗浄装置の縦断面図である。
【図5】洗浄ブラシの構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施形態に係る制御部を示すブロック図である。
【図7】前記洗浄装置の動作を説明するための工程図である。
【図8】洗浄部材が洗浄される様子を示す説明図である。
【図9】洗浄部材とガラス基板との潤滑状態を示すストライベック線図である。
【図10】上記洗浄装置を適用して塗布、現像装置の実施の形態を示す平面図である。
【図11】本発明の他の実施の形態に係る洗浄装置を示す斜視図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る洗浄装置を示す平面図である
【図13】上記塗布、現像装置の斜視図である。
【図14】上記塗布、現像装置の縦断面図である。
【図15】従来の洗浄装置を示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0068】
W 半導体ウエハ
2 洗浄装置
20a,20b 吸着パット
21a,21b パット支持部
22a,22b 橋桁部
23 井桁
27 昇降機構
3 スピンチャック
41 アッパーカップ
5 洗浄ブラシ
50 洗浄部材
51 基台
52 支持体
53 駆動機構
54 吐出孔
55 通流管
56 温度調整部
57 洗浄液供給源
58 ベルト
6 ガラス基板
60 駆動機構
62 紫外線ランプ
9 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置において、
前記洗浄部材により基板を洗浄する位置から離れて設けられ、その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体と、
前記洗浄部材を、基板を洗浄する領域と前記ブラシ洗浄体により前記ブラシ部が洗浄される領域との間で移動させる移動手段と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、
前記ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときに前記ブラシ洗浄体の下面と前記ブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置において、
その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体と、
前記ブラシ洗浄体を、前記洗浄部材が基板を洗浄する領域と当該領域から離れた待機領域との間で移動させる移動手段と、
基板を洗浄する領域に位置する前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、
前記ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときに前記ブラシ洗浄体の下面と前記ブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項3】
前記ブラシ部と前記ブラシ洗浄体との潤滑状態を示すストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数で回転させることを特徴とする請求項1または2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記ブラシ部の回転数は200rpm以上であることを特徴とする請求項3に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記ブラシ洗浄体の下面に付着した有機物を除去するために紫外線を照射する紫外線ランプをさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記ブラシ洗浄体はガラス基板であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄方法において、
前記洗浄部材により基板を洗浄する領域から離れて設けられ、その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体を用い、
前記洗浄部材を、基板を洗浄した後、移動手段により前記ブラシ洗浄体の下面に対向する位置まで移動させる工程と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、両者を相対的に回転させながらブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給することによりブラシ部を洗浄する工程と、
その後、前記洗浄部材を基板の裏面を洗浄する領域に移動させて基板の裏面を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項8】
回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄方法において、
その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体を用い、
前記洗浄部材により基板を洗浄した後、移動手段により前記ブラシ洗浄体を移動させて当該ブラシ洗浄体の下面と洗浄部材のブラシ部とを対向させる工程と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、両者を相対的に回転させながらブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給することによりブラシ部を洗浄する工程と、
その後、前記ブラシ洗浄体を、洗浄部材による基板の裏面の洗浄領域から退避させ、洗浄部材により基板の裏面を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項9】
前記ブラシ部と前記ブラシ洗浄体との潤滑状態を示すストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数で回転させることを特徴とする請求項7または8に記載の基板洗浄方法。
【請求項10】
前記ブラシ部の回転数は200rpm以上であることを特徴とする請求項9に記載の基板洗浄方法。
【請求項11】
前記ブラシ洗浄体の下面に紫外線を照射して、当該下面に付着した有機物を除去する工程とを、さらに含むことを特徴とする請求項7ないし10のいずれか一つに記載の基板洗浄方法。
【請求項12】
前記ブラシ洗浄体はガラス基板であることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか一つに記載の基板洗浄方法。
【請求項13】
基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは請求項7ないし12のいずれか一つに記載された基板洗浄方法を実行するためにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
【請求項1】
回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置において、
前記洗浄部材により基板を洗浄する位置から離れて設けられ、その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体と、
前記洗浄部材を、基板を洗浄する領域と前記ブラシ洗浄体により前記ブラシ部が洗浄される領域との間で移動させる移動手段と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、
前記ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときに前記ブラシ洗浄体の下面と前記ブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置において、
その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体と、
前記ブラシ洗浄体を、前記洗浄部材が基板を洗浄する領域と当該領域から離れた待機領域との間で移動させる移動手段と、
基板を洗浄する領域に位置する前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、ブラシ洗浄体と洗浄部材とを相対的に回転させるための手段と、
前記ブラシ洗浄体とブラシ部材とを相対的に回転させているときに前記ブラシ洗浄体の下面と前記ブラシ部との間に洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、を備えたことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項3】
前記ブラシ部と前記ブラシ洗浄体との潤滑状態を示すストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数で回転させることを特徴とする請求項1または2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記ブラシ部の回転数は200rpm以上であることを特徴とする請求項3に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記ブラシ洗浄体の下面に付着した有機物を除去するために紫外線を照射する紫外線ランプをさらに備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記ブラシ洗浄体はガラス基板であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄方法において、
前記洗浄部材により基板を洗浄する領域から離れて設けられ、その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体を用い、
前記洗浄部材を、基板を洗浄した後、移動手段により前記ブラシ洗浄体の下面に対向する位置まで移動させる工程と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、両者を相対的に回転させながらブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給することによりブラシ部を洗浄する工程と、
その後、前記洗浄部材を基板の裏面を洗浄する領域に移動させて基板の裏面を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項8】
回転保持手段により水平に保持された状態で鉛直軸周りに回転する基板の裏面に洗浄液を供給しながら洗浄部材のブラシ部を接触させて当該基板の裏面を洗浄する基板洗浄方法において、
その下面が前記ブラシ部と接触して当該ブラシ部を洗浄する洗浄面として形成されたブラシ洗浄体を用い、
前記洗浄部材により基板を洗浄した後、移動手段により前記ブラシ洗浄体を移動させて当該ブラシ洗浄体の下面と洗浄部材のブラシ部とを対向させる工程と、
前記ブラシ洗浄体の下面に洗浄部材のブラシ部を押し当て、両者を相対的に回転させながらブラシ洗浄体の下面とブラシ部との間に洗浄液を供給することによりブラシ部を洗浄する工程と、
その後、前記ブラシ洗浄体を、洗浄部材による基板の裏面の洗浄領域から退避させ、洗浄部材により基板の裏面を洗浄する工程と、を含むことを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項9】
前記ブラシ部と前記ブラシ洗浄体との潤滑状態を示すストライベック線図において弾性流体潤滑が得られる回転数で回転させることを特徴とする請求項7または8に記載の基板洗浄方法。
【請求項10】
前記ブラシ部の回転数は200rpm以上であることを特徴とする請求項9に記載の基板洗浄方法。
【請求項11】
前記ブラシ洗浄体の下面に紫外線を照射して、当該下面に付着した有機物を除去する工程とを、さらに含むことを特徴とする請求項7ないし10のいずれか一つに記載の基板洗浄方法。
【請求項12】
前記ブラシ洗浄体はガラス基板であることを特徴とする請求項7ないし11のいずれか一つに記載の基板洗浄方法。
【請求項13】
基板の裏面を洗浄する基板洗浄装置に用いられるコンピュータプログラムを格納した記憶媒体であって、
前記プログラムは請求項7ないし12のいずれか一つに記載された基板洗浄方法を実行するためにステップが組まれていることを特徴とする記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−224383(P2009−224383A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−64410(P2008−64410)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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