説明

大型車輌後方映像提供システム

【課題】 車輌後方に薄型大型ディスプレイを設けて、後方の車輌に見せる一方、大型車輌のドライバが車輌後方に着けた薄型大型ディスプレイの画像を監視できると共に、車輌後方を映像で監視でき、かつ後方のドライバに店舗情報等を知らせることができる大型車輌後方映像提供システムを得る。
【解決手段】 大型車輌後方映像提供システムは、バスの前方中央にビデオカメラ1(前方カメラともいう)を設け、バスの後方に大型プラズマディスプレイ2(大型ディスプレイともいう)を設け、後方撮影用カメラ8とTV撮影用カメラ9は設け、この大型プラズマディスプレイ2に前方のカメラの撮影画像と前方の道路区間、進行方向の交差点の右道路区間、左道路区間の店情報を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は大型車輌後方映像提供システムに関し、特に大型車輌の後方のドライバーに対して前方の画像、左右の画像を後方に設けたテレビジョンに表示して安全走行を促進する大型車輌後方映像提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、バス、トラック等の大型車輌の後方を走行する自動車からは大型車輌が前方に存在するので大型車輌の前がどのような状況になっているかが分らない。また、近年はバスの外観にも広告が掲載されるようになってきている。
【0003】
このような問題を解決するために、特開平9−261627号公報(特許文献1)が出願されている。
【0004】
特許文献1は、バスの前部の中央にビデオカメラを設けると共に、バスの後方に大型ディスプレイ装置を設けて、ビデオカメラで撮影したバス前方の画像をバス後方の大型ディスプレイに表示する。この表示は、車輌が低速状態に減速したときに表示している。また、広告等を表示する。
【特許文献1】特開平9−261627号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、大型薄型ディスプレイ、前方に設けたビデオカメラは常に正常とは限らない。車輌後方に設けた大型ディスプレイ又はビデオカメラが正常でない場合や、ケーブルが接続不良となっていた場合は、大型ディスプレイの画面は、後方の車輌のドライバにとっては逆に安全走行に支障となる。
【0006】
また、大型車輌のドライバは前方を見ているが車輌後方はほとんどがバックミラーによる確認である。
【0007】
さらに、ドライバは運転中において寄りたい店舗(レストラン、ガススタンド・・洋服店・・・)を探している場合もある。
【0008】
しかしながら、従来のものは、単に後方の大型ディスプレイに表示するのは、車輌前方に設けたビデオカメラの撮影画像のみを表示している。このため、大型車輌の後方にいる車輌のドライバは店舗を探しているのにもかかわらず前方が大型車輌で見えないので行きたい店舗を事前に知ることができない。
【0009】
従って、車輌後方に薄型大型ディスプレイを設け、車輌前部にビデオカメラを設けてこの映像を薄型大型ディスプレイに表示させて後方の車輌に見せる一方、大型車輌のドライバが車輌後方に着けた薄型大型ディスプレイの画像を監視できると共に、車輌後方を映像で監視でき、かつ後方のドライバに店舗情報等を知らせることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の大型車輌後方映像提供システムは、後方が壁状の大型車輌の後方に、表示部を設けた大型車輌後方映像提供システムにおいて、
前記大型車輌の前方方向を撮影する前方用ビデオカメラと、
前記大型車輌の後方に取り付けられた大型テレビジョンと、
前記大型テレビジョンの画面を撮影可能に前記大型車輌の後方に取り付けられたテレビ画面撮影用のビデオカメラと、
前記大型車輌の運転士の近傍に設けられ、前記テレビ画面撮影用のビデオカメラからの撮影画像を表示するモニタと、
サーバとを備え、
該サーバは、
前記前方用ビデオカメラ及びテレビ画面撮影用のビデオカメラを起動させて、これらのビデオカメラからの撮影画像を入力し、前記前方用ビデオカメラからの撮影画像は前記大型テレビジョンに表示させる手段と、
前記テレビ画面撮影用のビデオカメラからの撮影画像は前記モニタ画面に表示する手段とを備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
以上のように本発明によれば、大型車輌の後方の車輌は、この大型車輌の後方の大型ディスプレイを見て、前方が込んでいるかどうかを分ると共に、次の交差点に接続されている道路区間の店情報を知ることができる。
【0012】
また、大型車輌のドライバは、大型車輌の後方の大型ディスプレイの状況をモニタで確認できる。このため、大型ディスプレイ、前方カメラが異常な場合は、大型ディスプレイの表示を停止させて、後方の車輌が走行に気にならないようにできる。
【0013】
さらに、次の交差点と交差点の間の店情報を知ることができると共に、交差点の前方、左右の混雑を大型ディスプレイを見て知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本実施の形態は大型車輌をバスとして説明する。
【0015】
<実施の形態1>
図1は本実施の形態1の大型車輌後方映像提供システムの概略構成図である。図2は本実施の形態1の安全ドライブ走行用の映像提供システムをバスに搭載した場合の外観図である。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施の形態1の大型車輌後方映像提供システムは、バスの前方中央にビデオカメラ1(前方カメラともいう)を設け、バスの後方に大型プラズマディスプレイ2(大型ディスプレイともいう)を設けている。この大型ディスプレイは液晶又は有機ELであってもよい。
【0017】
また、車内にはサーバ3と、車内モニタ4等を設けている。このサーバ3は、ケーブル12で前方カメラ1に接続され、後方の大型ディスプレイ2にケーブル11で接続されている。また、後方撮影用カメラ8とTV撮影用カメラ9はケーブル10で接続されている。
【0018】
前述のサーバ3は車内モニタ4に後方撮影用カメラ8の撮影画像を表示させると共に、TV用撮影カメラ9の撮影画像を表示させる第1の機能(ウインドウ表示)を有する。
【0019】
この第1の機能の起動は、サーバ3のキーボード3aの操作によって起動する。
【0020】
前述の後方カメラ部15は、車輌後方に取り付けるためのブラケット7に支柱16を取り付け、この先端部に大型ディスプレイ2を撮影可能にTV撮影用カメラ9を取り付けている。
【0021】
また、バス後方の天井部(外)の中央部には後方を撮影可能に後方撮影用カメラ8が取り付けられている。
【0022】
前述の前方カメラ1、後方カメラ8、TV撮影用カメラ9は、自動感度調整機能、手ぶれ防止機能、防水機構等を有している。
【0023】
さらに、サーバ3は、GPS情報(カーナビ又はGPS受信機から)を読み込み、後方の大型ディスプレイ2に道路区間(直進区間、左右の道路の区間)の店舗情報を表示する機能を有している。この店舗情報はCD−ROM17に保存されている。また、CD−ROM17には後述する道路ネットワークが保存されている。
【0024】
図3は後方のTV撮影用カメラ9の取り付けを説明する説明図である。図3に示すように、支柱16は四角形状の平型の棒状であり、ブラケット7に取り付けた三角状の取付板7a、7bによって支持されている。そして、支柱16の先端部は、30度〜35度の角度θiで曲げられて、この先端部に16a、16bにTV撮影用カメラ9を固定できる構造にされている。
【0025】
図4はサーバ3の概略構成図である。図4に示すように、サーバ3は、GPS情報(緯度経度、年月日、時刻)を受信し、位置情報Aiを出力する受信器20と、現道路区間判定部21と、道路区間店情報提供部24と、ビデオキャプチャー25、26と、ウィンドウ表示制御部27と、データベース22、登録部25等を備えている。
【0026】
初めにデータベース22を説明する。
【0027】
データベース22は図5に示すような道路ネットワークを記憶している。この道路ネットワークはノード(ノードID、接続リンク、座標)とリンク(リンクID、接続ノード、方向、座標)とで構成され、ノードには交差点エリアKi(座標、ID)を関連付けている。また、データベース22は、道路地図(座標、建物名)が記憶されている。
【0028】
前述の交差点エリアKiは、四角形状(交差点の形状に応じて、正方形又は長方形)である。この交差点エリアを四角(斜線)で示している。
【0029】
また、交差点エリアKiの縁線と、このエリアを通る各道路の中心線とを結ぶ点には、座標点kifjが定義されている。
【0030】
さらに、データベース22には図6(a)に示すように、道路区間fki毎に、その道路区間(座標)と、店情報Diと初めの交差点エリアKi(番号)と道路区間を走行するバスの進行方向と交差点エリアKiに接続する区間Qkiと道路区間の種別(右側、左側、進行方向、直進次の交差点までの間)等が対応させられた道路区間店情報Hiが記憶されている。
【0031】
また、図6(b)に示すように、店情報Diは、店名diと優先度とその内容と交差点からの距離とが対応させられている。
【0032】
前述の区間Qkiは、図5に示す交差点Kiの座標点kifjとこの交差点Kiの次の交差点Kiの座標点kifjとの間である。
【0033】
現道路区間判定部21は、位置情報Aiとデータベース22に記憶されている道路ネットワーク(ノードとリンク)と比較して現在、走行している道路区間Fkiを判定する。
【0034】
道路区間店情報提供部24は、求められた道路区間を有する道路区間店情報Hiをデータベース22から引き当てる。そして、この道路区間店情報Hiの道路区間にリンク付けされている店情報Diを読み込むと共に、この道路区間にリンク付けされている進行方向側の交差点エリアKiに接続する区間にリンク付けされている店情報Diを読み込み、これを後方テレビ2からの合成して表示させる。
【0035】
この店情報Diには優先度(値段、顧客順位)を含ませている。すなわち、道路区間に複数の店が存在する場合は、この優先度から順に表示する。
【0036】
ビデオキャプチャー25は、前方カメラ1からの撮影画像を内部に取り込み、これを道路区間店情報提供部24に送出する。
【0037】
ビデオキャプチャー26は、後方撮影用カメラ8の撮影画像と、TV撮影用カメラ9の撮影画像とを内部に取り込み、これをウィンドウ表示制御部27に送出する。
【0038】
ウィンドウ表示制御部27は、TV撮影用カメラ9からの画像を縮小して後方撮影用カメラ8からの撮影画像に重ね、これをモニタ4に送出して表示させる。
【0039】
従って、モニタ4に、後方撮影用カメラ8が撮影した後方の撮影画像及び大型ディスプレイ2の撮影画像(3cmm×5cmm程度)とが同時に表示されているので、バスのドライバは大型ディスプレイ2の画面が異常な場合は、大型ディスプレイ2の電源を切ることができる。そして、後方の画像を見ることができるので後方の混雑、後ろの車輌の近接程度を把握できる。
【0040】
上記のように構成された実施の形態1の大型車輌後方映像提供システムについて以下に動作を説明する。
【0041】
図7は本実施の形態1の大型車輌後方映像提供システムのサーバ3の動作を説明するフローチャートである。
【0042】
現道路区間判定部21は電源投入後のスタート指示の入力に伴って位置情報Aiを読み込む(S1)。
【0043】
次に、位置情報Aiを読み込む毎に、データベース22の道路ネットワークと比較して走行している道路区間Fkiを判定する(S2)。
【0044】
例えば、位置情報Aiの緯度経度とこの緯度経度を含む道路区間店情報Hiの道路区間(例えばfo〜k1f1)を抽出する。
【0045】
次に、判定した道路区間(例えばfo〜k1f1)とこの道路区間の進行方向の先の初めの交差点エリアKiに接続されている全ての道路区間(右、左、初めのKiに接続されている進行方向の道路区間)とを読み込む(S3)。
【0046】
例えば、位置情報Aiが図8のfoの位置に存在している場合は、foとk1f1とを現在の道路区間として読込み、この道路区間の先に存在する初めの交差点エリアK1に接続されているk1f6とk8f3との道路区間(右の道路区間)及びk1f2とk9f7との道路区間(左の道路区間)並びにk1f4とk2f1との道路区間(進行方向の初めの交差点の先の道路区間)とを読み出す。つまり、バスが走行可能な車線の道路区間のみを読み出している。
【0047】
具体的には、データベース22に記憶されている位置情報Aiを含む道路区間を有する道路区間店情報Hiを引当て、この道路区間店情報Hiの道路区間Fki(fo〜k1f1)と、この道路区間Fki(fo〜k1f1)にリンク付けされている初めの交差点エリアK1に接続する全ての区間Qi(k1f2〜k9f7、k1f6〜k8f3、k1f4〜k2f1)を抽出する。
【0048】
そして、読み込んだ各道路区間にリンク付けされている店情報Diを読み込んで、これを道路区間に対応させた図9に示すテーブルを生成する(S4)。
【0049】
次に、テーブル(データベース22に作成)に生成された店情報Diの優先度を読み込み、この優先度に従った店の広告を、前方カメラの画像に合成して後方の大型ディスプレイ2に送出する(S5)。
【0050】
このテーブルの作成は、例えば位置情報Ai(バスの位置)が道路区間f0〜K1f1に存在していると判定したときは、この道路区間f0〜K1f1を有する道路区間店情報Hiを引当て、この道路区間店情報Hiの接続する区間Qkiを全て読み込む。そして、これらの区間Qkiに店情報Di及び区間Qkiの種別を対応させる。
【0051】
そして、店情報Diの内容とこの店情報Diにリンク付けされている距離及びテーブルに生成された種別とを組み合わせて送出する。
【0052】
具体的には、図1に示すように、「右、50m、レストランA」を表示させた後に、次の優先度の「左、100m、駐車場」と表示する。
【0053】
<実施の形態2>
図10は実施の形態2の大型車輌後方映像提供システムを説明する説明図である。図10に示すように、本実施の形態2は交差点の信号器(支柱でもよい)にビデオカメラ(A、B、C、D)を設け、これらのカメラから画像データを受信する。そして、バスの後方の大型ディスプレイ2の表示画面を3分割して、前方の撮影画像と、右の撮影画像と、左の撮影画像とを同時表示させる。また、実施の形態1と同様に右の道路区間、左の道路区間、前方の道路区間の店の広告を表示させる。
【0054】
前述の各ビデオカメラは、送受信機(図示せず)を備え、この送受信機は、自局が位置している交差点エリアKiに接続されている全ての道路区間をメモリ(図示せず)に予め記憶している。
【0055】
例えば、交差点エリアKiに位置している場合は、接続されている全てのk1f3〜k9f5、k9f7〜k1f2、k9f7〜k1f2、・・・・を記憶している。
【0056】
そして、バスに備えられた送受信部30からの映像送信要求(道路区間を含む)を受信したとき、受信した道路区間がメモリに記憶している道路区間に含まれている場合は、撮影している画像データにビデオカメラの位置(固定位置)を付加してその送受信部30に送信する。
【0057】
図11は本実施の形態2の大型車輌後方映像提供システムのサーバの概略構成図である。なお、図4と同様な符号を付しているものは説明を省略する。
【0058】
本実施の形態2の大型車輌後方映像提供システムのサーバは、図13に示すように、送受信部30と、道路区間店情報提供部28と、表示分割部29、進行方向判定部31等を備えている。
【0059】
送受信部30は、映像の送信要求に現道路区間判定部21が判定した現在走行している道路区間Fki(例えばfo〜k1f1)並びにサービス識別符号等を付加して送信する。そして、交差点エリアKiに設けられた各ビデオカメラから画像データを受信する毎に、この画像データに付加されているビデオカメラ位置及び撮影方向と、自局の現在位置している道路区間Fkiとを比較し、自局が対向する位置に存在し、自局側を撮影しているビデオカメラからの画像データは削除する。そして、残りのビデオカメラからの画像情報Li(固定位置付、撮影方向付き)を表示分割部に送出する。このとき、画像情報Liの位置情報と撮影方向と自局の位置情報Aiとから自局(バス)に対して、右側の道路区間、左側の道路区間、直進方向の道路区間を撮影した画像かを示す符号(右側画像、左側画像、直進方向画像)を付加して送信する。
【0060】
例えば、図10に示すような関係の場合は、ビデオカメラAからの画像データを削除して、ビデオカメラB、C、Dからの画像情報Liは表示分割部29に送出する。このときビデオカメラBからの撮影画像と、ビデオカメラDからの撮影画像と、ビデオカメラCからの左側の撮影画像とには、右側、左側、前方であることを示す符号Pi、サービス識別符号を付加して送出する(画像情報Li)。
【0061】
進行方向判定部31は、位置情報Aiを蓄積して、バスの進行方向を判定すると共に、この進行方向と位置情報とを表示分割部29に送出する。
【0062】
接続道路区間・店情報提供部28は、現在の道路区間Fki(例えばfo〜k1f1)とこの道路区間の進行方向の初めの交差点エリアKiに接続されている全ての道路区間(右、左、初めのKiに接続されている進行方向の道路区間)とをデータベース22の道路区間店情報Hiに基づいて抽出する。
【0063】
例えば、位置情報Aiが図8のfoの位置に存在している場合は、foとk1f1とを現在の道路区間として読込み、この道路区間の先に存在する初めの交差点エリアK1に接続されているk1f6とk8f3との道路区間(右の道路区間)及びk1f2とk9f7との道路区間(左の道路区間)並びにk1f4とk2f1との道路区間(進行方向の初めの交差点の先の道路区間)とを読み出す。
【0064】
具体的には、データベース22に記憶されている位置情報Aiを含む道路区間を有する道路区間店情報Hiを引当て、この道路区間店情報Hiの道路区間Fki(fo〜k1f1)と、この道路区間Fki(fo〜k1f1)にリンク付けされている初めの交差点エリアK1に接続する全ての区間Qi(k1f2〜k9f7、k1f6〜k8f3、k1f4〜k2f1)を抽出する。
【0065】
そして、読み込んだ各道路区間にリンク付けされている店情報Diを読み込んで、これを道路区間に対応させた図9に示すテーブル(右用、左用、前方用)を生成する。
【0066】
次に、テーブル(データベース22に作成)に生成された店情報Diの優先度を読み込み、この優先度に従った店の広告を表示分割部29に送出する。この送出は、例えば右、左、前方の識別符号を付加して送出する。
【0067】
表示分割部29は、大型ディスプレイ2の画面を3分割している。そして、送受信部30からの交差点エリアに設けられたビデオカメラからの画像データ(B、C、D)を入力して、自局の進行方向に対して右区間を撮影している画像データ(B)は後方TVの画面の右端エリアに表示させると共に、左区間を撮影している画像データ(D)は左端エリアに表示すると共に、前方区間を撮影している画像データ(C)は中央エリアに表示する。
【0068】
そして、接続道路区間・店情報提供部28からの右区間の店情報は、右端エリアに、左の店情報Diは左端エリアに、前方の店情報は中央エリアに表示する(図12参照)。
【0069】
従って、バス後方に位置している車輌のドライバは、前方に大型車輌があっても後方TVによって前方の混雑の状況、店情報Diと、交差点の右、左の道路区間の混雑状況、店情報が分る。
【0070】
このため、交差点に到達する前にバスの後ろを走行しているとしても、バスの後方の大型ディスプレイ2の画面を見て、迂回路、あるいはよりたい店を決定できる。
【0071】
<実施の形態3>
図13は実施の形態3の大型車輌後方映像提供システムのサーバの概略構成図である。なお、図1、図11と同様な符号を付しているものは説明を省略する。
【0072】
実施の形態3は、交差点に取り付けられたビデオカメラからの画像データLiを受信できない場合は、前方カメラ1の撮影画像を後方の大型ディスプレイ2に表示させ、画像データLiを受信できている場合は、画像データLiを大型ディスプレイ2に表示させる。
【0073】
また、CD−ROM31には、道路区間(進行路毎)の店情報Diとコマーシャル画像とを記憶している。
【0074】
前述のビデオカメラは、撮影した画像データに位置、撮影方向、撮影道路区間の符号Pi、交差点のビデオカメラ個数Qi、サービス識別記号等を付加した画像データLiを電波で送信する。
【0075】
そして、実施の形態3は、交差点カメラ有無判定部33と、表示分割部34等を新たに備える。
【0076】
交差点カメラ有無判定部33は、送受信部30からの画像データLi(位置、撮影方向、撮影道路区間の符号Pi、交差点のビデオカメラ個数Qi)を読み込み、全てのビデオカメラからの画像データLiを受信したとき、これらの画像データLi(L1、L2・・)を表示分割部34に送出すると共に、送受信部30からの画像データLiを取り込む指示(交差点のビデオカメラ画像取込指示)からのを送出する。
【0077】
また、交差点カメラ有無判定部33は、送受信部30から画像データLiを全て受信していないと判定したときは(Qiから分る)、表示分割部34に前方カメラ1の撮影画像を読み込む指示(前方カメラの撮影画像取込指示)をする。
【0078】
表示分割部34は、送受信部30からの指示が交差点のビデオカメラ画像取込指示の場合は、送受信部30からの交差点カメラによる撮影情報Liを読み込み、右側の撮影情報Liの画像データは大型ディスプレイ2の右エリアに表示させ、左側の撮影情報Liの画像データは大型ディスプレイ2の左エリアに表示させ、前方の撮影情報Liの画像データは大型ディスプレイ2の中央エリアに表示する(図12参照)。
【0079】
また、送受信部30からの指示が前方カメラ1の撮影画像取込指示の場合は、データベース22に記憶されているコマーシャル画像(動画、静止画)を大型ディスプレイ2の左右のエリアに表示すると共に、接続道路区間・店情報提供部28からの右側の店情報Diを右エリアに、左側の店情報Diを左エリアに表示する。そして、前方カメラ1の撮影画像をビデオキャプチャー25から取り込んで、これを中央に表示すると共に、接続道路区間・店情報提供部28からの前方の店情報Diを中央のエリアに表示する(図15参照)。
【0080】
上記のように構成された実施の形態3の大型車輌後方映像提供システムのサーバの動作を図14のフローチャートを用いて以下に説明する。
【0081】
図14に示すように、送受信部30は、交差点のビデオカメラからの撮影情報Liの受信かどうかを監視する(S21)。
【0082】
ステップS21において撮影情報Liの受信がないと判定したときは、前方カメラ画像表示モードと判定して、表示分割部34に前方カメラの撮影画像取込指示を送出する(S22)。
【0083】
表示分割部34は、前方カメラの撮影画像取込指示を受けると、データベース22からコマーシャル画像を読み出して、後方の大型ディスプレイ2の右エリア及び左エリアに、これを背景画像として表示する(S23)。
【0084】
次に、ビデオキャプチャー25から、前方カメラ1の撮影画像を読み出して、中央エリアに表示する(S24)。
【0085】
次に、データベース22のコマーシャル画像(動画、静止画)を大型ディスプレイ2の左右のエリアに表示すると共に、接続道路区間・店情報提供部28からの右側の店情報Diを右エリアに、左側の店情報Diを左エリアに表示する。そして、前方カメラ1の撮影画像をビデオキャプチャーから取り込んで、これを中央に表示すると共に、接続道路区間・店情報提供部28からの前方の店情報Diを中央のエリアに表示する(S25、26:図15参照)。
【0086】
一方、ステップS21において、交差点カメラからの撮影情報Liを受信したと判定し場合は、この撮影情報Liをメモリ(図示せず)に記憶する。
【0087】
そして、全ての交差点のビデオカメラからの撮影情報Liを受信したかどうかを判断し、受信していない場合は処理をステップS21に戻す(S29)。
【0088】
ステップS21において、全ての交差点のビデオカメラから撮影情報Liを受信した場合は交差点カメラ画像表示モードと判定して、交差点のビデオカメラ画像取込指示を表示分割部34に送出する(S30)。
【0089】
表示分割部34は、送受信部30からの指示が交差点のビデオカメラ画像取込指示の場合は、送受信部30からの交差点カメラによる撮影情報Liを読み込み、右側の撮影情報Liの画像データは大型ディスプレイ2の右エリアに表示させ、左側の撮影情報Liの画像データは大型ディスプレイ2の左エリアに表示させ、前方の撮影情報Liの画像データは大型ディスプレイ2の中央エリアに表示させて処理をステップS25に移して、各エリアに該当の店情報Diを表示させる(図12参照)。
【0090】
つまり、画像データ等を電波で送信するビデオカメラを前方の交差点に設けていない道路区間を走行する場合は、図15のように、バスの前方に設けた前方カメラの撮影画像が後方TV2の中央に表示され、左右には該当の店情報Di及びコマーシャル画像が表示される。そして、画像データ等を電波で送信するビデオカメラを前方の交差点に設けている道路区間を走行している場合は、図12に示すように、交差点の右、左、前方の画像が表示されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施の形態1の大型車輌後方映像提供システムの概略構成図である。
【図2】本実施の形態1の安全ドライブ走行用の映像提供システムをバスに搭載した場合の外観図である。
【図3】後方のTV撮影用カメラ9の取り付けを説明する説明図である。
【図4】サーバ3の概略構成図である。
【図5】本実施の形態の道路ネットワークを説明する説明図である。
【図6】データベース22のデータ構造を説明する説明図である。
【図7】本実施の形態1の大型車輌後方映像提供システムのサーバ3の動作を説明するフローチャートである。
【図8】本実施の形態1の道路区間を説明ずる説明図である。
【図9】本実施の形態1のテーブル構造を説明する説明図である。
【図10】実施の形態2の大型車輌後方映像提供システムを説明する説明図である。
【図11】本実施の形態2の大型車輌後方映像提供システムのサーバの概略構成図である。
【図12】バス後方の大型ディスプレイの分割画面を説明する説明図である。
【図13】実施の形態3の大型車輌後方映像提供システムのサーバの概略構成図である。
【図14】実施の形態3の大型車輌後方映像提供システムのサーバの動作を図14のフローチャートである。
【図15】実施の形態3の分割画面の表示を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0092】
1 前方カメラ
2 大型プラズマディスプレイ
3 サーバ
4 車内モニタ
20 受信器
21 現道路区間判定部
24 道路区間店情報提供部
25 ビデオキャプチャー
28 道路区間店情報提供部
29 表示分割部
31 進行方向判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方が壁状の大型車輌の後方に、表示部を設けた大型車輌後方映像提供システムにおいて、
前記大型車輌の前方方向を撮影する前方用ビデオカメラと、
前記大型車輌の後方に取り付けられた大型テレビジョンと、
前記大型テレビジョンの画面を撮影可能に前記大型車輌の後方に取り付けられたテレビ画面撮影用のビデオカメラと、
前記大型車輌の運転士の近傍に設けられ、前記テレビ画面撮影用のビデオカメラからの撮影画像を表示するモニタと、
サーバとを備え、
該サーバは、
前記前方用ビデオカメラ及びテレビ画面撮影用のビデオカメラを起動させて、これらのビデオカメラからの撮影画像を入力し、前記前方用ビデオカメラからの撮影画像は前記大型テレビジョンに表示させる手段と、
前記テレビ画面撮影用のビデオカメラからの撮影画像は前記モニタ画面に表示する手段とを有することを特徴とする大型車輌後方映像提供システム。
【請求項2】
前記大型車輌は、GPS受信機を備え、
前記サーバは、
同一道路上の交差点と交差点との間を道路区間とし、この道路区間は車輌が進行する道路上の進行路毎にノードとリンクとを定義し、かつ前記交差点には、接続する前記道路区間のノードを定義した道路ネットワークと、この道路区間内に存在する店情報を道路区間に関連付けして記憶した記憶手段と、
前記GPS受信機からの位置情報を読み込む毎に、この位置情報と前記道路ネットワークとから自局が存在する道路区間を判定すると共に、自局が進行する方向に初めに存在する左右の道路区間を判定する手段と、
前記判定した道路区間に関連付けされている店情報は前記大型テレビジョンに表示する手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の大型車輌後方映像提供システム。
【請求項3】
前記店情報は、店名と商品名と交差点からの距離とを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の大型車輌後方映像提供システム。
【請求項4】
前記店情報は、前記自局が前記道路区間とは異なる道路区間に存在したときに、この異なる道路区間に関連付けられている店情報及び該道路区区間のはじめの交差点に接続されている左右の道路区間に関連付けられている店情報を表示することを特徴とする請求項1、2又は3記載の大型車輌後方映像提供システム。
【請求項5】
交差点の全ての横断歩道毎に、該交差点に向かう車輌を撮影するビデオカメラと、後方が壁状の大型車輌の後方に、表示部を設けた大型車輌とを備えた大型車輌後方映像提供システムであって、
前記ビデオカメラは、
交差点の全ての横断歩道毎に、該交差点に向かう車輌を撮影して、この撮影画像に位置情報と撮影方向と交差点に取り付けられている全てのビデオカメラの個数とを含む撮影情報を電波で送信する送受信部とを有し、
前記大型車輌は、
前記大型車輌の後方に取り付けられた大型テレビジョンと、
前記大型テレビジョンの画面を撮影可能に前記大型車輌の後方に取り付けられたテレビ画面撮影用のビデオカメラと、
前記大型車輌の運転士の近傍に設けられ、前記テレビ画面撮影用のビデオカメラからの撮影画像を表示するモニタと、
サーバとを備え、
該サーバは、
前記大型テレビジョンの画面を3分割する手段と、
テレビ画面撮影用のビデオカメラを起動させて、このビデオカメラからの撮影画像を入力し、前記モニタ画面に表示する手段と、
前記交差点に設けられたビデオカメラからの撮影情報のうちで、時局の前方を撮影しているビデオカメラからの画像は前記大型ディスプレイの中央エリアに、前記交差点において自局に対して右方向を撮影しているビデオカメラの画像は右エリアに、左方向を撮影しているビデオカメラからの画像は左エリアに表示させる手段と
を有することを特徴とする大型車輌後方映像提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−72713(P2010−72713A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236600(P2008−236600)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(591074161)アジア航測株式会社 (48)
【Fターム(参考)】