説明

平面表示装置

【課題】特性のバラツキがなく精度よく画像取込みを行うことができる平面表示装置提供する。
【構成】ホトセンサ処理回路は、(1)ホトセンサ画素27においてプリチャージ電圧供給線からプリチャージ電圧を印加すると共に、第3TFT64cがオン状態のときに、第2TFT64bのオン/オフ状態によって変化するホトセンサ信号出力線の電位をホトセンサ信号として読み取り、(2)処理ブロック毎にオン状態、または、オフ状態のホトセンサ64の数をカウントし、カウントした数によって処理ブロック881におけるホトセンサ64がオン状態、または、オフ状態であるかを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像取込み機能を備えた平面表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、液晶表示装置のアレイ基板上に、画像取込みを行う密着型エリアセンサを配置した表示装置が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
この従来の液晶表示装置は、センサに接続されたキャパシタの電荷量をセンサでの受光量に応じて変化させるようにし、キャパシタの両端電圧を検出することで、画像取込みを行っている。
【特許文献1】特開2001−292276号公報
【特許文献2】特開2001−339640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、密着型エリアセンサを構成するトランジスタなどは特性バラツキが大きい。そのため、同一の外部光がセンサなどに照射されても、オフ状態となるトランジスタもあれば、オフ状態を保持するものもある。
【0005】
そこで本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、特性のバラツキがなく精度よく画像取込みを行うことができる平面表示装置提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、アレイ基板上に互いに直交して配置される複数本の信号線及び第1ゲート信号線と、前記信号線と前記第1ゲート信号線との交点近傍に設けられた表示用スイッチング素子と、この表示用スイッチング素子に接続された画素電極とを含む表示画素と、前記信号線に映像信号を供給すると共に前記第1ゲート信号線にゲート信号を供給して映像を表示する表示用制御手段と、を有する平面表示装置において、前記アレイ基板上に複数のホトセンサ画素がマトリックス状に設けられ、前記各ホトセンサ画素からのホトセンサ信号を読み取るホトセンサ処理手段が設けられ、前記ホトセンサ画素は、前記第1ゲート信号線と平行に配された第2ゲート信号線からの第2ゲート信号によってオン/オフする第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子がオン状態のときに、前記信号線と平行に配されたプリチャージ電圧供給線から所定のプリチャージ電圧が印加されて電荷が蓄積されるコンデンサと、前記コンデンサにより蓄積された電荷を光の強弱に応じて光リーク量を変化させて放電するホトセンサと、前記コンデンサからの放電電圧に基づいてオン/オフする第2スイッチング素子と、前記第1ゲート信号線と平行に配された第3ゲート信号線からの第3ゲート信号によって、前記第2スイッチング素子とホトセンサ信号出力線との間をオン/オフする第3スイッチング素子と、を有し、前記マトリックス状に配された複数のホトセンサ画素で一つの処理ブロックを構成し、前記ブロックが前記アレイ基板上に複数設けられ、前記ホトセンサ処理手段は、(1)前記プリチャージ電圧供給線から前記プリチャージ電圧を印加すると共に、前記第3スイッチング素子がオン状態のときに、前記第2スイッチング素子のオン/オフ状態によって変化する前記ホトセンサ信号出力線の電位をホトセンサ信号として読み取り、(2)前記処理ブロック毎にオン状態、または、オフ状態の前記ホトセンサの数をカウントし、前記カウントした数によって前記処理ブロックにおける前記ホトセンサがオン状態、または、オフ状態であるかを判断することを特徴とする平面表示装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、処理ブロック毎にオン状態、または、オフ状態のホトセンサの数をカウントし、カウントした数によって処理ブロックにおけるホトセンサがオン状態、または、オフ状態であるかを判断するので、特性のバラツキを排除できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態の液晶表示装置について説明する。
【0009】
[1]液晶表示装置の回路構成
まず、液晶表示装置の回路構成の詳細について説明する。
【0010】
(1)液晶表示装置の構成
本実施形態の液晶表示装置の構成について図1に基づいて説明する。
【0011】
図1は、アレイ基板11と回路基板17とを示している。
【0012】
液晶表示装置は、水平方向320画素x垂直方向240画素の表示解像度を有する。なお、画素16とは、表示画素26とホトセンサ画素27とを合わせて表現するときの名称である。
【0013】
アレイ基板上には、320xR,G,B=960本のソース信号線21が縦方向に配線され、340本の表示用ゲート信号線22aが配線されている。これらソース信号線21と表示用ゲート信号線22aの交点近傍に画素16が設けられている。
【0014】
また、960本のプリチャージ電圧信号線24、340本の第2ゲート信号線22c、340本の第3ゲート信号線22b、340本の共通信号線31、960本のホトセンサ出力信号線25を有している。プリチャージ電圧信号線24、ホトセンサ出力信号線25は、信号線23と平行に配線され、第2ゲート信号線22c、第3ゲート信号線22b、共通信号線31は、表示用ゲート信号線22aと平行に配線されている。
【0015】
また、アレイ基板11上には、ソース信号線23が接続されているソースドライバ回路14と、プリチャージ電圧信号線24が接続されているホトセンサ処理回路18と、表示用ゲート信号線22aを駆動する表示用ゲートドライバ回路12と、第3ゲート信号線22b、第2ゲート信号線22c、共通信号線31が接続されている読み取り用ゲートドライバ回路12bと、ホトセンサ出力信号線25が接続されているホトセンサ出力処理回路18とが設けられている。これらの回路は、例えば低温ポリシリコンTFTにより形成されている。
【0016】
(2)各回路の構成
回路基板17上には、アレイ基板11上の各回路を制御するコントロールIC(図示せず)、画像データ等を記憶するメモリ(図示せず)と、アレイ基板11及び回路基板17で使用する各種の直流電圧を出力する電源回路(図示せず)とを実装している。また、回路基板17上には、表示制御及び画像取込制御を行う映像信号処理回路21が実装されている。アレイ基板11と回路基板17とは、例えばフレキシブル基板(FPC)20を介して各種信号の送受を行う。映像信号処理回路21からの出力映像信号はソースドライバ回路14に印加される。
【0017】
ソースドライバ回路14は、映像信号処理回路21から入力するデジタル画素データを液晶表示素子の駆動に適したアナログ電圧に変換するD/A変換回路を有する。
【0018】
表示用ゲートドライバ回路12aは、表示用ゲート信号線22aを順次選択し、ソースドライバ回路14と同期をとって表示画素26に映像データを書き込む動作を行う。
【0019】
読み込み用ゲートドライバ回路12bは、第3ゲート信号線22b及び第2ゲート信号線22cを順次選択し、ソースドライバ回路14と同期をとってホトセンサ画素27にプリチャージ電圧を印加し、また、ホトセンサ画素27から出力電圧を取り出す動作を行う。
【0020】
ホトセンサ処理回路18は、プリチャージ電圧をプリチャージ電圧信号線24に印加する。また、ホトセンサ処理回路18は、ホトセンサ画素27からの出力電圧をホトセンサ出力信号線25を介して取り込む。このホトセンサ処理回路18は、アレイ基板11に直接形成されている。基本的な構成部品は、コンパレータ回路233をスイッチからなる選択回路である。
【0021】
そして、ホトセンサ信号処理回路15は、読み取り用ゲートドライバ回路12b及びホトセンサ処理回路18を制御する。また、ホトセンサ処理回路18からの出力データを演算あるいは比較処理などを施し、光が照射あるいは遮光されているホトセンサ位置を判断し、その座標位置を出力する。
【0022】
(3)画素16の構成
図2は画素16(表示画素26+ホトセンサ画素27)を中心として詳細に示した本実施形態の液晶表示装置のブロック図である。なお、画素16は1つしか図示していないが、図1に図示したように、画素はマトリックス状に形成されている。
【0023】
(3−1)表示画素26の構成
表示画素26は、縦横に列設されるソース信号線23及び表示用ゲート信号線22aの各交点近傍に形成される。表示画素26は、低温ポリシリコン薄膜トランジスタ(以下、表示用TFTという)32と(図3参照)、表示用TFT32の一端に形成された画素電極61と対向電極36間に構成される液晶容量34、共通信号線31との間に接続される表示用補助容量35から構成される。
【0024】
(3−2)ホトセンサ画素27の構成
ホトセンサ画素27は図6に示されるように、TFTからなるホトセンサ64と、プリチャージ電圧を保持するコンデンサ63と、ソースフォロワとして動作する第2TFT62bと、プリチャージ電圧をコンデンサ63に印加するスイッチング素子として動作する第1TFT62aと、第2TFT62bのソースフォロワ出力をホトセンサ出力信号線25に選択して出力する第3TFT62cとから構成される。ホトセンサ64などの一端子は、共通信号線31に接続され接地されている。なお、第1TFT62a、第2TFT62b、第3TFT62c、ホトセンサ64とは、表示用TFT32と共にアレイプロセスの同一工程で形成する。
【0025】
(2−3)ホトセンサ画素27の配置
図3では、ホトセンサ画素27は画素16のそれぞれに形成されている。つまり、表示画素26の形成数とホトセンサ画素27の形成数とは同一である。
【0026】
しかし、ホトセンサ画素27は、図4に示すように、RGBの画素16(16R、16G、16B)に1つのホトセンサ画素27を配してもよい。
【0027】
また、図5に示すように、2画素に1つのホトセンサ画素27を配置または形成してもよい。好ましくは、図5に示すように、偶数画素行の奇数画素列にホトセンサ画素27を配置し、奇数画素行の偶数画素列にホトセンサ画素27を配置するように構成する。
【0028】
上記したように、ホトセンサ画素27は全ての表示画素26に対応して形成することには限定されない。
【0029】
また、ホトセンサ画素27の位置は、表示領域10内に限定するものではなく、表示領域外に構成してもよい。
【0030】
また、画素16に形成するホトセンサ画素27は1つに限定するものではなく、複数のホトセンサ画素27を形成してもよい。
【0031】
(4)ホトセンサ画素27の等価回路の構成
ホトセンサ画素27の等価回路について図6、7に基づいて説明する。
【0032】
ホトセンサ画素27の等価回路は、ホトセンサ64、コンデンサ63、第1TFT62a、第2TFT62b、第3TFT62cから構成されている。
【0033】
ホトセンサ64は、ホトダイオードとして動作するTFTからなる。本実施形態ではホトセンサ64をTFTのNチャンネルのダイオード接続で形成している。TFTをNチャンネルのダイオード接続することにより、構成が容易になり、電荷の保持特性も向上する。このホトセンサ64に光が照射されると、ホトセンサ64は光の強度に応じてリークする。このリークによりホトセンサ64の両端子間の電位が低下する。したがって、ホトセンサ64の両端子間電位を検出することにより、ホトセンサ64に光が照射されたこと、ホトセンサ64に照射された光の相対的な強度を把握できる。
【0034】
コンデンサ63は、プリチャージ電圧を保持するものであり、ゲート絶縁膜を用いて構成する。ゲート絶縁膜を利用することにより小面積で容量の大きな補助容量を構成できる。
【0035】
第2TFT62bは、ソースフォロワとして動作するものであり、ゲート端子にはホトセンサ64の一端子が接続され、また、コンデンサ63の一端子が接続される。第2TFT62bのゲート端子電圧がVt電圧になると、第2TFT62bはオフする。Vt電圧以上であると、第2TFT62bはオンする。
【0036】
第1TFT62aは、プリチャージ電圧信号線24に印加されたプリチャージ電圧をコンデンサ63の一端子に印加する。第2ゲート信号線22cにオン電圧が印加されると、第1TFT62aがオンする。プリチャージ電圧は、第2TFT62bがオンする電圧(Vt電圧以上)である。第1TFT62aはゲートドライバ回路12bで制御され、第1TFT62aのゲート端子は第2ゲート信号線22cに接続されている。
【0037】
第3TFT62cはゲートドライバ回路12bで制御され、第3TFT62cのゲート端子は第3ゲート信号線22bに接続されている。第3ゲート信号線22bにオン電圧が印加されると、第3TFT62cがオンする。
【0038】
(5)ホトセンサ画素27の等価回路の動作内容
以下、上記構成のホトセンサ画素27の等価回路の動作内容について説明する。
【0039】
(5−1)第1動作
第2ゲート信号線22cにオン電圧が印加されると、第1TFT62aがオンする。すると、プリチャージ電圧信号線24に印加されたプリチャージ電圧をコンデンサ63の一端子に印加する。プリチャージ電圧は、1フレーム(1画面の書き換え周期)毎に印加される。もちろん、複数フレームに1回印加してもよい。
【0040】
(5−2)第2動作
コンデンサ63は、プリチャージ電圧を蓄積する。
【0041】
(5−3)第3動作
ホトセンサ64に光が照射されると、コンデンサ63に蓄積された電荷がホトセンサ64のチャンネル間を通じて放電される。この放電された放電電圧値によって、第2TFT62bがオンまたはオフ状態となる。この放電電圧値は、ホトセンサ64は光の強度に応じた光リーク量により決まる。
【0042】
(5−4)第4動作
第3ゲート信号線22bにオン電圧が印加されると、第3TFT62cがオンする。第3TFT62cをオンさせるタイミングは、プリチャージ電圧を印加するタイミングと同期をとって実施される。
【0043】
このときに、第2TFT62bがオン状態であれば、ホトセンサ出力信号線25の電荷は、第3TFT62c、62bを介して、共通信号線31に放電される。なお、共通信号線31の電位によっては充電される場合もあるが、例えば、共通信号線31は接地しておく。
【0044】
一方、第3TFT62cがオンしても、第2TFT62bがオフ状態であれば、ホトセンサ出力信号線25の電荷は変化しない。
【0045】
(5−5)等価回路における露光時間の定義
ここで、以下で使用する「露光時間」について定義しておく。露光時間とは、第1TFT62aをオン状態にして第2TFT62bのゲート端子にプリチャージ電圧を印加した時刻から、第3TFT62cをオン状態にしてホトセンサ出力信号線25に出力を取り出すまでの時間である。
【0046】
(5−6)等価回路のまとめ
以上のように、ホトセンサ出力信号線25の電荷の変化を検出すれば、第2TFT62bがオン状態か、中間的なオン状態か、もしくはオフ状態かを検出することができる。つまり、この検出は第2TFT62bのゲート端子の電位を検出していることになる。第2TFT62bのゲート端子電圧は、プリチャージ電圧の大きさと、ホトセンサ64に照射された光の強度及び露光時間により変化する。すなわち、プリチャージ電圧の大きさ、露光時間の長さ、ホトセンサ64の光リーク量からホトセンサ64に照射されている光の強弱を検出することができる。
【0047】
そして、光の強弱の検出は、イメージスキャナのように画像の読み取りに動作に該当する。本実施形態は、マトリックス状にホトセンサ画素27を形成している。したがって、各ホトセンサ画素27の第2TFT62bのオン/オフ状態を検出することにより、表示領域10に結像あるいは照明された画像イメージを取り込むことができる。また、物体の影、物体で反射した光を検出できる。
【0048】
(6)ホトセンサ処理回路18の構成
図8は、画素16の周辺部を図示した構成図である。
【0049】
ホトセンサ出力信号線25は、ホトセンサ処理回路18と接続されている。ホトセンサ処理回路18は、主として、コンパレータ回路233と選択回路81から構成される。選択回路31は一例としてアナログスイッチである。また、選択回路81はスイッチングあるいは選択回路の他、シフトレジスタ回路などを有している。
【0050】
ホトセンサ画素27とコンパレータ回路233の接続状態は図7に示している。コンパレータ回路233はオペアンプ回路あるいは差動アンプなどでもよい。つまり、一端子に比較電圧あるいは比較対照に対して回路233の出力が変化するものであればいずれでもよい。
【0051】
コンパレータ回路233は、比較電圧Vrefに対して、大きいあるいは小さいかを判定し、ロジック的にHまたはLを出力(2値化)する。したがって、出力がロジック信号に変換されるため、以降のロジック処理が容易になる。
【0052】
(7)コンパレータ回路233の機能
次に、コンパレータ回路233について図8に基づいて説明する。
【0053】
図8に示すように、プリチャージ電圧信号線24にはプリチャージ電圧端子83からプリチャージ電圧Vprが印加される。プリチャージ電圧はソースドライバ回路14が出力する映像信号と同期をとって印加される。プリチャージ電圧は全てのプリチャージ電圧信号線24に同一のプリチャージ電圧を印加する。
【0054】
全てのコンパレータ回路233の入力端子の一端子には、コンパレータ電圧端子83から比較電圧Vrefが印加される。比較電圧Vrefは全てのコンパレータ回路233に同一の電圧を印加する。
【0055】
ホトセンサ出力信号線25の一端にはコンパレータ回路233の入力端子に接続されている。また、コンパレータ回路233の出力端子には選択回路81が接続されている。選択回路81のスイッチSk(k=1〜n、nは画素列数)が形成され、一つのスイッチSkが選択される。選択されたコンパレータ回路233の出力は電圧出力端子に接続されている。したがって、出力電圧端子82には出力電圧を出力する。スイッチSk(k=1〜n)は1水平走査期間に1回以上選択されるように構成されている。つまり、ゲートドライバ回路12bが1水平走査期間(以下、「1H」という)クロックに同期して第3ゲート信号線22bを選択し、ホトセンサ出力信号線25に第3TFT62cの出力電圧を出力する(図10参照)。
【0056】
(8)表示方法と読み取り方法
表示方法と読み取り方法について図10に基づいて説明する。
【0057】
映像信号は表示画像に対応して1H単位でソース信号線23に印加される。映像信号の極性は1H毎に反転する。また、各画素行に印加される極性は1フレーム毎に反転される。
【0058】
表示用ゲート信号線22aは1Hのクロックに同期して画素行を順次選択し、選択された画素16のTFT32はソース信号線23に印加された映像信号を画素電極61に書き込む。
【0059】
読み取り用ゲートドライバ回路12bは、1H周期でゲート信号線22aを選択し、また順次選択する第2ゲート信号線22cの位置をシフトさせる。シフトの方法は、ゲート信号線22aのシフト方向と一致させている。第2ゲート信号線22cにオン電圧が印加されると、この第2ゲート信号線22cに接続された画素行に対応する第1TFT62aはオンとなる。したがって、プリチャージ電圧信号線83に印加されている。プリチャージ電圧がホトセンサ64に印加される。プリチャージ電圧は1H毎に変化させてもよいが、一定電圧とすることが好ましい。
【0060】
ホトセンサ64に光が照射されると、ホトセンサ64を介して電荷が放電し、ホトセンサ64の端子電圧がプリチャージ電圧より低下していく。低下は、ホトセンサ64に照射される光の強度と時間で決定される。印加されたプリチャージ電圧の低下が第2TFT62bのVt電圧以下であれば第2TFT62bはオフ動作となり、Vt電圧以上であればオン状態となる。
【0061】
同様に、ゲートドライバ回路12bは第3ゲート信号線22bを1Hのクロックに同期して画素行を順次選択し、選択されたホトセンサ画素27のスイッチング用第3TFT62cは第2TFT62bの出力を電圧出力信号線25に出力する。ホトセンサ64に光が照射されると、ホトセンサ64を介して電荷が放電し、ホトセンサ64の端子電圧がプリチャージ電圧より低下していく。先にも説明したように、電圧低下(電荷の放電)は、ホトセンサ64に照射される光の強度と時間で決定される。また、コンデンサ63の容量で決定される。もちろん、プリチャージ電圧の大きさでも決定される。印加されたプリチャージ電圧が低下し、第2TFT62bのVt電圧以下であれば第2TFT62bはオフ動作となり、Vt電圧以上であればオン状態となる。したがって、第3TFT62cをオン状態にすることにより、第2TFT62bの動作状態を電圧出力信号線25に出力することができる。
【0062】
(9)露光時間
次に、露光時間について説明する。露光時間については、上記でも説明したが、さらに詳しく説明する。
【0063】
図10に示すように、第2ゲート信号線22cを選択してから、A期間経過後に第3ゲート信号線22bを選択する。このA期間を「露光時間」と呼ぶ。つまり、露光時間とは、任意のホトセンサ画素27にプリチャージ電圧を印加した時刻から、読み出すまでの時刻である。正確にはホトセンサ64に印加したプリチャージ電圧が確定してからホトセンサ出力信号線82に電圧などが出力され、その出力状態が安定となり、電圧出力端子82から呼び出せるまでの時間である。しかし、一般的にはプリチャージ電圧がホトセンサ画素27に印加されたタイミングから、この印加されたホトセンサ画素27のホトセンサ64の保持電圧が読み出すタイミングまでの時間を露光時間とする。第3ゲート信号線22bと第2ゲート信号線22cの選択タイミングは同期を取っているため、露光時間を調整してもホトセンサ64の端子電圧を検出する時間は相対的に比例する。したがって、精度よく、外光強度を把握することができる。また、ホトセンサ64がアレイ基板11のロットにより異なっていても問題ない。
【0064】
露光時間は、図12に示すように調整できる。
【0065】
図12(a)は、第2ゲート信号線22cの選択信号である。1Hの一定期間、第2ゲート信号線22cにオン電圧が印加され、ホトセンサ画素27にプリチャージ電圧が印加される。図12(b)は、第3ゲート信号線22bの選択信号である。1Hの一定期間、第3ゲート信号線22bにオン電圧が印加され、ホトセンサ画素27からホトセンサ出力信号線25に電圧などが取り出される。図12(b1)は、露光時間が1H以内の場合である。図12(b2)は露光時間が1H以上(図では2H近傍)の場合の実施形態である。図12(b3)は露光時間がnH(nは整数)の場合の実施形態である。
【0066】
図12は1H単位であるが、1H以下単位でもよい。また、1フレーム単位で露光時間を調整してもよい。プリチャージ電圧、露光時間は最適に電圧出力端子82から出力されるように調整する。
【0067】
露光時間を1H以内の時間設定を実現する図13のようにゲートドライバ回路12bにイネーブル(OEV)回路を付加することが好ましい。イネーブル端子(OEV)端子にHロジック電圧が印加されている期間と、ゲートドライバ回路12bが第3ゲート信号線22bを選択するHロジック電圧を出力している期間がANDされる期間にのみ、第3ゲート信号線22bにオン電圧が印加される。
【0068】
図8などのゲートドライバ回路12bの構成では、イネーブル端子(OEV)端子がない。したがって、ゲートドライバ回路12bが第3ゲート信号線22bを選択するHロジック電圧を出力している期間が第2ゲート信号線22cにオン電圧(選択電圧)が印加される。
【0069】
しかし、図13の構成ではイネーブル端子(OEV)のロジック電圧の制御により、第3ゲート信号線22bにオン電圧を印加する期間を1H以下とすることができる。
【0070】
したがって、ゲートドライバ回路22bにより、1H期間において、同一ホトセンサ画素27に形成された第3ゲート信号線22b、22cを選択し、プリチャージ電圧を印加するときは第3ゲート信号線22bをOEV端子の制御により非選択状態にする。つまり、シフトレジスタ回路により第3ゲート信号線22bを選択しているが、OEV端子によりオフ電圧が第3ゲート信号線22bに印加されるようにする。ホトセンサ64にプリチャージ電圧を印加後、1H以内の露光時間経過した後に、第3ゲート信号線22bに接続されたOEV端子の制御により選択状態にする。つまり、OEV端子によりオン電圧が第3ゲート信号線22bに印加されるようにする。したがって、第3TFT62cがオンし、第2TFT62bの出力がホトセンサ出力信号線25に出力される。
【0071】
以上のOEVに関する構成あるいは動作は、ゲートドライバ回路12に適用できる。また、ゲート信号線22a、第2ゲート信号線22cにも適用することが好ましい。
【0072】
(10)ホトセンサ64の端子電圧
ホトセンサ64の端子電圧は、ホトセンサ64に印加するプリチャージ電圧の大きさと、ホトセンサ64に照射される外光の強度などによって変化する。この変化を図11に示している。図11のA期間にプリチャージ電圧が印加される。
【0073】
図11(1)はプリチャージ電圧Vprc=3.5Vの場合である。プリチャージ電圧Vprcが3.5V印加した後、ホトセンサ64に照射される外光が弱い場合は、aの直線でホトセンサ64の端子電圧が変化する。ホトセンサ64に照射される外光が強い場合は、bの直線でホトセンサ64の端子電圧が変化する。B期間後に、第3TFT62cがオンされ、ホトセンサ出力信号線25に電圧などが取り出される。図11(1)のb直線の場合は、1.0Vがホトセンサ出力信号線25に取り出される。B期間が短ければ、ホトセンサ出力信号線25の電圧は、1.0V以上となる。B期間が長ければ、ホトセンサ出力信号線25の電圧は、1.0V以下となる。
【0074】
図11(2)はプリチャージ電圧Vprc=4.0Vの場合である。プリチャージ電圧Vprcが4.0V印加した後、ホトセンサ64に照射される外光が弱い場合は、aの直線でホトセンサ64の端子電圧が変化する。ホトセンサ64に照射される外光が強い場合は、bの直線でホトセンサ64の端子電圧が変化する。B期間後に、スイッチング第3TFT62cがオンされ、ホトセンサ出力信号線25に電圧などが取り出される。光照射強度に対するホトセンサ64のインピーダンス変化が比例するのであれば、図11(1)のb直線の傾きと図11(2)のb直線の傾きは同一である。図11(1)のa直線の傾きと図11(2)のa直線の傾きは同一である。但し、1.0Vがホトセンサ出力信号線25に取り出される。
【0075】
図11(3)はプリチャージ電圧Vprc=4.5Vの場合であり、図11(4)はプリチャージ電圧Vprc=5.0Vの場合である。
【0076】
(11)露光時間とプリチャージ電圧の関係
プリチャージ電圧を変化させることにより、外光に対する感度を調整している。また、露光時間に対してもプリチャージ電圧を変化させることにより感度を調整している。
【0077】
図9はこの説明図である。ホトセンサ64のリーク量は、外光が強いほどリーク量が大きくなる。また、略露光時間に比例して電荷が放電する。プリチャージ電圧は一定の電圧を印加するとし、第2TFT62bのVtに変化するように調整するためには、ホトセンサ64への外光が強い時は、露光時間を短くする。ホトセンサ64への外光が弱いときは露光時間を長くする。以上の関係は図9に図示される。したがって、外光が非常に強い時は、露光時間をきわめて短くする。また、ホトセンサ64の感度が外光に対して非常によいときは、露光時間をきわめて短くする。
【0078】
露光時間を短くしても第2TFT62bのゲート端子電圧がVt電圧以下にすぐに到達してしまい、ホトセンサ出力信号線25への変化信号が判別できない場合は、プリチャージ電圧Vprcを電子ボリウム261aにより高く設定する。すなわち、全画面の第2TFT62bの出力がオフ状態として出力される場合、つまり、本実施形態の表示パネルからの出力が同一撮像データを得ることができない状態では、プリチャージ電圧Vprcを電子ボリウム261aにより高く設定する。プリチャージ電圧Vprcを高く設定することにより、第2TFT62bのVt電圧に到達するまでの時間が長くなるから、撮像データ(撮像された画像データ、物体の影など)を得ることができる。
【0079】
露光時間を長くしても第2TFT62bのゲート端子電圧がVt電圧以下に全く遠く、ホトセンサ出力信号線25への変化信号が判別できない場合は、プリチャージ電圧Vprcを電子ボリウム261aにより低く設定する。すなわち、全画面の第2TFT62bの出力がオン状態として出力される場合、つまり、本実施形態の表示パネルからの出力が同一撮像データを得ることができない状態では、プリチャージ電圧Vprcを電子ボリウム261aにより低く設定する。プリチャージ電圧Vprc電圧を低く設定することにより、第2TFT62bのVt電圧に到達するまでの時間が短くなるから、撮像データ(撮像された画像データ、物体の影など)を得ることができる。
【0080】
なお、露光時間は1フレーム以内とする方が良好な結果が得られる。映像信号が印加されたソース信号線23からのカップリングの影響を受けにくいためと思われる。映像データは1フレーム毎に極性が反転し、この反転の影響によりホトセンサ64の電位がゆれてしまうからである。
【0081】
以上のように、本実施形態は、露光時間とプリチャージ電圧を調整することにより、撮像データを得ることを特徴としている。また、基本的にコンパレータ電圧Vrefは固定値に設定することを特徴としている。
【0082】
(12)マトリックス処理
ホトセンサ64は、画素26と同一工程で形成される。使用するプロセスはポリシリコン技術である。ポリシリコン技術による半導体膜は、レーザーアニール技術で形成する。したがって、レーザー光の温度分布により特性が大きくばらつく。この課題に対して本実施形態は、図14に示すように、マトリックス処理を実施している。
【0083】
詳細については、[4]特性のバラツキの補正の項目で述べるが、ここでは概略を説明する。
【0084】
マトリックス処理とは、マトリックス状に配された複数のホトセンサ画素27を組み合わせて一つのブロックを構成し、この一つのブロック内のホトセンサ画素27の出力をカウントし、カウント値により信号処理を実施する・
レーザーアニ−ル方法では、第2TFT62b、ホトセンサ64の特性は表示領域の一方の方向から他方の方向に傾きを持った特性分布となる。この特性分布を補正するためには、ホトセンサ64が形成された領域に均一な外光を照射し、露光時間を一定にし、かつプリチャージ電圧を一定にして、一つのブロック毎に第2TFT62bの出力をカウントして加算する。また、電圧出力端子82からの出力はコンパレータ回路233により2値のデータ(オン(1)、オフ(0))に変換されている。
【0085】
例えば、10x10のブロックでは、カウント値は0から100までの範囲である。このカウント値をブロック内のホトセンサ64毎に集計してメモリする。すなわち、キャリブレーションしたカウント値をメモリする。
【0086】
液晶表示装置で撮像したデータも同一のブロック区分で処理を行い、処理を行ったカウント値から、先のキャリブレーションしたカウント値を一定比率で差分処理を行う。この行ったデータには、ホトセンサ64などの特性分布が減算されているため、良好な撮像データを得る。
【0087】
以上のように、差分処理を行った結果のデータは、ホトセンサ64、第2TFT62bの分布の影響が除去あるいは軽減されている。また、小領域の特性分布によるバラツキは、ブロック処理を行い、ブロックの出力データを1つのデータとして取り扱うため(結果的に平均化されたことになる)、小領域の特性分布の影響を受けない。例えば、レーザーショットが弱く、Vt電圧が高い第2TFT62bがブロック内に少数分布していても他のホトセンサ画素27の第2TFT62bが良好であれば、Vt電圧が高い第2TFT62bが少数であれば、全体として影響はない。
【0088】
なお、ブロックの概念はこれに限定されるものではない。例えば、図14(b)に示すように、縦方向に区分している。図14(b)では、3画素列単位でブロック状に区分している。なお、横方向(画素行方向)にブロック状に区分してもよい。
【0089】
[2]液晶表示装置の構造
以下、図21〜24を参照しながら、液晶表示装置の構造と読み込み方法について説明する。
【0090】
(1)液晶表示装置の構造
アレイ基板11は、ガラス基板または有機材料から構成される。
【0091】
表示画素26には、カラーフィルタが形成される。また、カラーフィルタ間にはブラックマトリックス(以下、BMと呼ぶ)が形成される。
【0092】
アレイ基板11と偏光板145間には1枚あるいは複数の位相フィルムが配置される。
【0093】
アレイ基板11には画素16(表示画素26+ホトセンサ画素27)がマトリックス状に配置されている。アレイ基板11と対向基板144とは、封止壁142を挟持されている。対向基板144には対向電極147(36)が形成されている。アレイ基板11には偏光板145aが配置されており、対抗基板144には偏光板145bが配置されている。バックライト146から出射された光151は対向基板144側から入射し、液晶層143で変調されてアレイ基板11側から表示画素26を透過して出射される。
【0094】
(2)物体141の第1の読み取り動作
図22に示すように、アレイ基板11側に指あるいはイメージスキャナ対象物(画像紙)である物体141が配置されているとする。
【0095】
物体141がない箇所から出射された光151aはそのまま透過する。物体141があると物体で反射される。反射された光151bはB位置のホトセンサ画素27に入射する。光151bが入射したホトセンサ画素27は、光151bの強度及び露光時間に対応して電荷がリークする。電荷のリーク量に対応して第2TFT62bのゲート端子電圧が変化し、第2TFT62bのオン/オフ状態が決定される。物体141で反射される光は部分毎に強弱分布があるので、強弱にあわせて各ホトセンサ画素27が反応し、物体141に対応するイメージ分布を形成できる。
【0096】
以上は、バックライト146からの光151を物体141に照射してホトセンサ64によるイメージ分布を形成する実施形態である。
【0097】
(3)物体141の第2の読み取り動作
図23は、物体141で外光151aを遮光し、ホトセンサ64で影と、光照射部を形成し、物体141の影のイメージ分布を形成するものである。外光151とは室内光、太陽光などである。
【0098】
図23に示すように、物体141がない箇所の外光151aはそのまま、ホトセンサ画素27に入射する。入射したホトセンサ画素27のホトセンサ64は外光151aの強度に応じて電荷をリークする。ほとんどの場合が、前記外光151aが入射したホトセンサ画素27は電荷を放電し、第2TFT62bはオフ状態となる。
【0099】
一方、図23に示すように、物体141がある箇所には外光151aが入射しないので、B位置には外光は入射しない。したがって、B位置のホトセンサ画素27のホトセンサ64はほとんど電荷をリークしない。ほとんどの場合が、ホトセンサ画素27は電荷を保持し、第2TFT62bはオン状態となる。したがって、物体141で外光151aを遮光し、ホトセンサ64で影と、光照射部を形成し、物体141の影のイメージ分布を形成することができる。
【0100】
(4)光ペンによる読み取り動作
図24は光を発生する光ペン171からの光151bをホトセンサ画素27に照射し、照射された箇所をホトセンサ64で座標検出するものである。
【0101】
[3]液晶表示装置の画像取り込み方法
次に、液晶表示装置における画像取り込み方法について説明をする。
【0102】
本実施形態の画像取り込み方法では、液晶表示装置のアレイ基板11を指などの対象物で接触または覆った場合に、その位置に影ができる。そのため、この影をアレイ基板11上のマトリックス状で配された複数のホトセンサ画素27で検出して、その位置を特定する方法である。
【0103】
(1)オン出力領域とオフ出力領域
まず、説明の前提となるオン出力領域とオフ出力領域について図15に基づいて説明する。
【0104】
図15(a)に示すように、ホトセンサ画素27が指などの対象物に覆われた時は影ができて、ホトセンサ64からのリークがなくなりコンデンサ63が充電され、TFT64bのゲート端子電圧が上昇して、TFT64bがオン状態となる。このようなオン状態となったTFT64bを有するホトセンサ画素27が集合した平面的な領域をオン出力領域という。
【0105】
図15(b)に示すように、ホトセンサ画素27が指などの対象物に覆われておらす、外光が入射すると、ホトセンサ64からリークがありコンデンサ63からのプリチャージ電圧が放電され、TFT64bのゲート端子電圧が下降して、TFT64bがオフ状態となる。このようなオフ状態となったTFT64bを有するホトセンサ画素27が集合した平面的な領域をオフ出力領域という。
【0106】
(2)オン出力領域と影
図16は、指671で表示領域10、すなわち、ホトセンサ画素27の形成領域を触れた状態を示している。また、図16のように、外光151を指671で遮光し、指の影を検出した状態を例として説明している。図16(a1)では、オン出力領域601a、601bが発生している。一方、図16(b1)はオン出力領域601が全く発生していない。
【0107】
図16(a1)のオン出力領域601aが実際の指671aの影である。指671によりホトセンサ画素27がブロック状に形成された表示領域10に、外光151が照射される領域と、指671による遮光領域が発生する。遮光された領域のホトセンサ画素27のNチャンネルトランジスタである第2TFT62bがオン状態となり、オン出力が出力されている。この範囲が前記したオン出力領域601となる。図16(a1)では、本来の指671にも、外光151の強弱分布がありオン出力領域601bが発生している。オン出力領域601a、601bもほぼ円状であるため、オン出力領域601aは中心座標602aを持ち、オン出力領域601bは中心座標602bを持つ。中心座標602はオン出力領域601の輪郭を円として近似し、複数の直径の線分から求める。
【0108】
(3)キャリブレーション
本実施形態では、オン出力領域601を1つにして、その位置を特定するため、キャリブレーションを実施する。
【0109】
図16(a1)において、プリチャージ電圧Vprcを低下させる。露光時間は一定値を維持する。図17に示すようにプリチャージ電圧Vprcは電子ボリウム261aにより、ホトセンサ処理回路18により制御する。プリチャージ電圧Vprcは0.1V刻みというように一定の刻みで変化させる。変化の割合はオン出力領域601の面積から判断する。
【0110】
プリチャージ電圧Vprcの刻み数は64段階以上にする。可変範囲は1V以上とする。また、3V以下にする。オン出力領域601が大きい場合は、1度に変化させるプリチャージ電圧Vprcの可変幅は大きくする。オン出力領域601が小さい場合は、1度に変化させるプリチャージ電圧Vprcの可変幅は小さくする。
【0111】
オン出力領域601の面積は、表示領域10内のホトセンサ画素27の第2TFT62bのオンしている個数である。つまり、オン出力領域601の面積は、表示領域10内のホトセンサ画素27の第2TFT62bのオンしている個数をカウントすることにより得ることができる。オンしている個数をカウントすることは容易である。各ホトセンサ出力信号線25のコンパレータ233の出力をカウントすればよいからである。
【0112】
(4)コンパレータによるデータ化
本実施形態は、ホトセンサ出力信号線25に印加されたデータ信号がコンパレータ233により出力が2値化されているため、個数カウントが容易である。
【0113】
なお、図16において、表示領域10にオン出力領域601が表示されているように図示しているが、これは説明を容易にするためである。図16の表示領域10とは、ホトセンサ27の出力をブロック状に配置して処理を行ったデータ配列である。このデータ配列を表示領域10と一致させて説明することにより、影の状況あるいは発生状態が理解しやすくなる。
【0114】
(5)プリチャージ電圧による操作と処理
プリチャージ電圧Vprcを低下させて、オン出力領域601を測定する。プリチャージ電圧Vprcの低下によりオン出力領域601の面積は縮小する。プリチャージ電圧Vprcの低下は、オン出力領域601bが消去するまで実施する。また、好ましくは、図16(a2)に図示するように、オン出力領域601bが消去し、オン出力領域601aが単独孤立の略円状になるまで、プリチャージ電圧Vprcを低下させる。
【0115】
例えば、図18に示すように、オン出力領域601aはプリチャージ電圧Vprcの大きさにより変化する。プリチャージ電圧Vprcが高い場合は、図18(a)に図示するように、指671の影により、大きな面積のオン出力領域601aが形成されている。また、オン出力領域601aは表示領域10の一辺に接触している。
【0116】
プリチャージ電圧Vprcを低下させると、オン出力領域601aの面積は縮小していく。オン出力領域601aが縮小すると図18(b)のように、オン出力領域601aは表示領域10の一辺から離れ、孤立領域となる。図18(b)のオン出力領域601aでは、座標中心は602aと602bの2点が発生する。
【0117】
さらにプリチャージ電圧Vprcを低下させると、オン出力領域601aの面積はさらに縮小していく。オン出力領域601aがさらに縮小すると図18(c)のように、オン出力領域601aは円状に近くなり、座標中心は602aの一点となる。
【0118】
以上の図18(c)の状態までプリチャージ電圧Vprcを低下させて時点で、キャリブレーションが完了となる。以上の実施形態はプリチャージ電圧Vprcを変化させてキャリブレーションとする。
【0119】
なお、プリチャージ電圧Vprcは、図11で説明したように、外光151の強さに対応して変化させる。特に初期値は外光の強さに基づいて設定する。また、前回のキャリブレーションでの値(プリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなど)をメモリしておき、この値を初期値として使用する。
【0120】
(6)ホトセンサ処理回路15の処理
ホトセンサ処理回路15は、表示領域10からコンパレータ233を介してホトセンサ出力情報を入手し、オン出力領域601の面積、中心座標値602を検出する。また、キャリブレーションを実施する。
【0121】
図19(a)に図示するように、ホトセンサ処理回路15は中心座標値(X座標値、Y座標値:X、Yは各8ビットである)をマイコン(図示せず)に送る。また、状態の信号ISTの8ビットをマイコンに送る。ISTの情報としては、図19(b)に図示するように、コード1のキャリブレーション中、コード2の座標検出中などである。
【0122】
また、図20(b)に図示するように、オン出力領域601に関する情報もマイコンに送出する。例えば、コード0はオン出力領域601がなかったことである。コード1はオン出力領域601の面積が所定値よりも大きかったことである。コード2はオン出力領域601の面積が所定値の範囲内であったことを示す。コード3はオン出力領域601の面積が所定値よりも小さく、したがって、キャリブレーションを実施すべきという情報である。コード4は中心座標が複数存在するという情報である。
【0123】
[4]特性のバラツキの補正
(1)課題と補正の概略
ホトセンサ画素27のホトセンサ64、第2TFT62bなどは特性バラツキが大きい。そのため、同一の外部光がホトセンサ64などに照射されても、オフ状態となる第2TFT62bもあれば、オフ状態を保持する第2TFT62bもある。
【0124】
この課題を解決するために、図25に図示するようにホトセンサ画素64が形成された表示領域10を複数の処理ブロック881に区分し、各処理ブロックを1つの変化として処理を実施している。例えば、横240RGBx320ドットからなる表示画面10では、横16RGB、縦16ドットずつの処理ブロックに分解する。つまり、240RGB/16RGB=15、縦320/16=20となるから、表示領域10には15x20=300の処理ブロック881が構成されていることになる。
【0125】
したがって、1つの処理ブロック881には、16RGBx16ドットの画素がある。ホトセンサ27をRGBで1つ形成しているとすると、1つの処理ブロック881では、16x16のホトセンサが形成されていることになる。
【0126】
以下の説明は、説明を容易にするため、RGBで1つのホトセンサ27が形成されているとして説明する。つまり、240RGBx320ドットであれば、ホトセンサは240x320個のホトセンサが形成されていることになる。
【0127】
(2)処理ブロック881の画素数
処理ブロック881の画素数は、2の乗数となるようにすることが好ましい。例えば、処理ブロックが16x16=256であれば、これは2の乗数であり条件に適合する。
【0128】
また、1つの処理ブロックの縦横のドット数は、2の乗数となるようにすることが好ましい。特に4の倍数とすることが好ましい。例えば、4、8、16である。つまり、1つの処理ブロック881は、4x4、8x8、16x16のように分割する。もちろん、8x4、16x8などでもよい。4の倍数とすることにより、表現するビット数の使用効率がよくなるからである。例えば、16x16では、16x16=256であるので、オンまたはオフするホトセンサ64の個数は、0〜255である。したがって、8ビットで表現することができる。また、8x16=128であるので、7ビットで表現できる。各状態でのビット長に占める空きが少なくなるように構成することによりメモリサイズを削減でき、ICサイズを小さくできる。
【0129】
しかし、本実施形態はこれに限定するものではなく、1つの処理ブロック881は、4x4、6x6、8x8、10x10、12x12、16x16のように分割してもよい。
【0130】
(2)処理ブロックの実施形態
図25(b)は、処理ブロックが16x16の実施形態である。本実施形態では、この処理ブロックを1つの判断値として用いる。例えば、判断値が50であり、16x16構成の処理ブロック内でオン動作しているホトセンサ27の個数が50以上あれば、この処理ブロック881はオンとして扱う。49以下であれば、この処理ブロック881はオフとして扱う。したがって、表示領域10内に15x20の処理ブロックが構成されていれば、オン数とオフ数を加えた個数が15x20=300なる。また、各処理ブロック881単位で、指671が接触したか否かの判断を実施する。
【0131】
ホトセンサ27などは特性がばらついているため、ホトセンサ画素単位では、同一の光が照射されてもオンとなるかオフになるかは、ホトセンサなどの特性に左右される。しかし、図25に図示するように処理ブロック881単位で処理することにすれば、各処理ブロック881内には多数のホトセンサ画素27が形成されているため、平均化される。したがって、処理ブロック881単位では、ホトセンサ画素27などの特性に左右されず、安定したオン、オフ判断を行うことができる。
【0132】
(3)処理ブロック881のホトセンサ画素27の数の調整
(3−1)外光強度への依存
処理ブロック881のホトセンサ画素27の数は、検出する光(以下、外光強度という)により、変化させてもよい。図26は、その実施形態である。
【0133】
図26では、処理ブロック881のホトセンサ画素27の最大数は10x10、最少の個数は4x4の実施形態である。図26では、外光強度が強くなるほど、1つの処理ブロック881を構成するホトセンサ数を低減させている。外光強度が弱くなるほど、1つの処理ブロック881を構成するホトセンサ数を増大させている。処理ブロック881は仮想的なものである。演算処理を変化させることにより、容易に処理ブロック881のホトセンサ画素27の数を変化させることができる。また、処理ブロック881のホトセンサ画素27の数の変化により、表示領域10の処理ブロック881数は変化する。外光強度が強くなるほど、表示領域10の処理ブロック881数は多くなる。外光強度が弱くなるほど、表示領域10の処理ブロック881は少なくなる。
【0134】
(3−1)指入力と光ペン入力への依存
もちろん、外光強度に依存せず、1つの処理ブロック881におけるホトセンサ画素27を変化させてもよい。
【0135】
例えば、光ペン171で入力を行う場合は、処理ブロック881を4x4などのように小さくし、指671で入力を行う場合は、処理ブロック881を16x16のように大きくする。
【0136】
図24に示すように、光ペン171入力の場合は、文字入力などを実施するから解像度が必要である。したがって、処理ブロック881の大きさを小さくして解像度を増大させる。
【0137】
図22、図23に示すように指671入力の場合は、指671の影あるいは反射光の有無を検出するだけであるから、解像度は不要である。確実に指671などの有無を検出することが重要である。したがって、処理ブロック881を大きくしてホトセンサ64の特性バラツキの影響を低減する。
【0138】
光ペン171のように光151の照射により入力を行う場合は、処理ブロック881の大きさL1を小さくし、指671のように影入力あるいは反射光の検出を行う場合は、処理ブロック881の大きさL2を大きくする。つまり、L1<L2なる関係にする。なお、L1及びL2は外光などの強度により、可変できるように構成することが好ましい。
【0139】
(3−3)位置による補正
また、表示領域10の中央部と周辺部で処理ブロック881が占めるホトセンサ画素27の数を変化させてもよい。
【0140】
例えば、表示領域10の中央部では、処理ブロック881を4x4(ホトセンサ画素数は16個)とし、表示領域10の周辺部では、処理ブロック881を16x16(ホトセンサ画素数は256個)とする。表示領域10の中央部では解像度が必要であり、表示領域10の周辺部では解像度が必要でないからである。また、表示領域10の周辺部ではバックライト146からの回りこみ光の影響があり、処理ブロック81が占めるホトセンサ画素27を多くする必要があるからである。
【0141】
また、表示領域10において、指671の入力が必要な領域の処理ブロック881の解像を高くし、他の箇所の処理ブロック881の解像度を低下させるように構成してもよい。つまり、必要な箇所と、重要でない箇所の処理ブロック881のサイズ、解像度などを変化させる。
【0142】
以上のように、表示領域10の中央部の処理ブロック881の大きさL1を小さくし、表示領域10の周辺部の処理ブロック881の大きさL2を大きくする。つまり、L1<L2なる関係にする。なお、L1、L2はL1とL2間に境目を有することなく、あるいは複数の境目を構成してもよい。例えば、表示領域10の中央部の処理ブロック881のホトセンサ画素27の数を4x4とし、表示領域10の最周辺部の処理ブロック881のホトセンサ画素27の数を16x16とし、16x16と4x14間の処理ブロック881が、12x12、8x8と変化させる。また、L1及びL2は外光などの強度により、可変できるように構成することが好ましい。
【0143】
(3−4)解像度の補正
また、表示領域10のホトセンサ画素27の解像度を異ならせてもよい。
【0144】
例えば、表示領域10の中央部は図3のように、RGBそれぞれの画素16にホトセンサ画素27を形成する。表示領域10の周辺部は、図4のように、RGB画素16で1つのホトセンサ画素27を形成する。処理ブロック881が占めるホトセンサ画素27の数は、表示領域10の画面の中央部と周辺部で一致させてもよいし、処理ブロック881の面積を一致させてもよい。また、以上の事項を表示領域10の各領域で変化させてもよい。但し、モアレの発生を防止するため、ホトセンサ画素27を被覆するブラックマトリックスの配置、形状などは表示領域10内で一致させる。ホトセンサ画素27が形成されていない箇所にも他の箇所と同様にブラックマトリックスを形成する。
【0145】
(3−6)感度の補正
また、表示領域10のホトセンサ画素27の感度を異ならせてもよい。
【0146】
例えば、表示領域10の中央部は、ホトセンサ画素27のホトセンサ64のサイズを大きくし、感度を高くする。表示領域10の周辺部は、ホトセンサ画素27のホトセンサ64のサイズを小さくし、感度を低くする。また、以上の事項を表示領域10の各領域で変化させてもよい。また、ホトセンサ画素27ごと、あるいは処理ブロック881ごとに重み付け処理を行ってもよい。
【0147】
(3−7)外光による補正
外光が弱くなると、ホトセンサ画素27に入射する光束量が低減し、外光に対するホトセンサ64の特性バラツキが大きくなる。
【0148】
したがって、外光が弱い時は処理ブロック881のホトセンサ画素27の数を増大させることにより、オン/オフ判定は安定させることができる。
【0149】
外光が強くなると、ホトセンサ画素27に入射する光束量が増大し、外光に対するホトセンサ64の特性バラツキが小さくなる。したがって、外光が強い時は処理ブロック881のホトセンサ画素27の数を減少させても、オン/オフ判定は安定させることができる。
【0150】
(4)処理ブロック881のオン/オフ判断
(4−1)基本的な判断方法
処理ブロック881のオン/オフ判断は、図28のように実施する。図28(a)は、処理ブロック881は8x8のホトセンサ画素27から構成されている。つまり、ホトセンサのオン数は、0〜64となる。0を例外とすれば、0〜63の6ビットで表現できる。図28(a)の各処理ブロック881に記載されている数字はホトセンサ画素27がオン状態の個数である。
【0151】
図28では、55以上でオン(1)として判定している。つまり、オンしているホトセンサ画素27が55個以上で処理ブロック881としては、オン(1)である。それ以下ではオフ(0)である。なお、上記55個などとしている値を「判断数」と呼ぶ。また、第2TFT62bがオンとなる判断数を「オン判断数」と呼び、第2TFT62bがオフとなる判断数を「オフ判断数」と呼ぶ。
【0152】
(4−2)判断数の変更例
なお、オン判断数あるいはオフ判断数は1つではない。多段階に設定してもよいことはいうまでもない。
【0153】
例えば、オン判断数が10未満は、処理ブロック881の値は0とし、オン判断数10以上20未満は1とし、オン判断数20以上30未満は2とし、オン判断数30以上40未満は3とし、オン判断数40以上63以下は4とするなどが例示される。つまり、図28の各処理ブロック81の値は、0〜4の値が設定される。
【0154】
(4−3)外光による補正
処理ブロック881のオンまたはオフとして判定するホトセンサ画素27の数も、外光強度により変化させることが好ましい。外光が強い時は、1つの処理ブロック881のオン判断数を小さく設定する。外光が弱い時は、1つの処理ブロック881のオン判断数を大きく設定する。
【0155】
外光が強い時は、ホトセンサ64のリークが大きく、第2TFT62bがオフとなるからである。したがって、外光が強くなるほど、オン判断数は小さく設定し、逆にオフ判断数は大きく設定する。
【0156】
外光が弱い時は、ホトセンサ64のリークが少なく、第2TFT62bのオン状態が保持される。したがって、外光が弱くなるほど、オン判断数は大きく設定し、逆にオフ判断数は小さく設定する。以上のように本実施形態は、外光(バックライト146などの光、太陽光など)の強弱に対応して、オン判断数あるいはオフ判断数を可変する。
【0157】
(4−4)カウントする領域
ホトセンサ画素27のオン状態あるいはオフ状態をカウントする領域は限定することが好ましい。
【0158】
例えば、図29に示めすように、処理ブロック881の中央部のホトセンサ画素27b(黒表示で示している)を検出画素とし、その周辺のホトセンサ画素28a(白表示で示している)を非検出画素としている。つまり、処理ブロック881の中央部のホトセンサ画素27bが反応し、他のホトセンサ27aは反応しない。反応するかしないかは制御用信号処理IC15で指定する。
【0159】
なお、ホトセンサ画素27aは反応しないとしたが、これに限定するものではない。
【0160】
例えば、ホトセンサ画素27aとホトセンサ画素27bの感度を異ならせてもよい。ホトセンサ画素27aの感度を高感度に設定し、ホトセンサ画素27bを低感度に設定する。感度の設定は、オン判断数あるいはオフ判断数をホトセンサ画素27aとホトセンサ画素27bで異ならせることにより容易に設定できる。また、ホトセンサ画素27a、27bでプリチャージ電圧Vprcを変化させてもよい。コンパレータ電圧を変化させてもよい。また、予めホトセンサ画素27aと27bでホトセンサ64のサイズを変化させて形成してもよい。
【0161】
(4−5)中央部のみの反応
処理ブロック881の中央部のみに反応するホトセンサ画素27bを配置すれば、指671が中央部に触れない限り反応しないようにすることができる。
【0162】
図30(a)(b)(c)に図示するように、検出するホトセンサ27bの形成範囲あるいはホトセンサを可変できるように構成する。
【0163】
図30(a)は、処理ブロック881の中央部の小領域のホトセンサ画素27bが反応する。
【0164】
図30(c)は、処理ブロック881の広範囲の領域のホトセンサ画素27bが反応する。
【0165】
なお、図30(d)に図示するように、反応するホトセンサ画素27bを分散させて配置してもよい。
【0166】
図30(e)に図示するように、複数の処理ブロック881で反応するホトセンサ画素27bを形成してもよい。また、複数の処理ブロック881で反応箇所を構成あるいは形成する場合は、ある処理ブロック881の全ホトセンサ画素を反応するホトセンサ画素27bとしてもよい。
【0167】
(5)映像信号の影響のキャンセル
映像信号の影響をキャンセルあるいは軽減するためには、プリチャージ電圧Vprcを変化させるとよい。映像信号(階調信号)は、第2TFT62bなどの出力値に影響を与える。したがって、図27に図示するように、映像信号に対するプリチャージ電圧Vprcを変化させることが好ましい。図27では横軸を階調番号としている。
【0168】
(6)コンパレータ233の配置
処理ブロック881は図34に図示するように、それぞれの処理ブロック881に対応するコンパレータ233が配置される。
【0169】
もちろん、コンパレータ233は処理ブロック881のホトセンサ画素27ごとに配置してもよい。処理ブロック881に対応するコンパレータ233を配置する場合は、処理ブロック881のホトセンサ画素27を選択して前記コンパレータ233に接続する選択回路を構成する。各コンパレータ233の出力は切替え回路81で選択し、Vout端子から出力される。
【0170】
(7)処理ブロック881の形状
図39に図示するように、処理ブロック881は横方向に処理ブロック881A、881B、881Cと区分してもよい。処理ブロック881は複数の画素行から構成される。
【0171】
複数の画素行は連続している必要はなく、奇数または偶数画素行で構成されていてもよい。
【0172】
また、縦方向に区分してもよい。つまり、処理ブロック881は複数の画素列から構成される。処理ブロック881は、図41(a)(b)に示すように、サイズを可変できるように構成することが好ましい。
【0173】
(8)反応するホトセンサ画素27bと反応しないホトセンサ画素27aの混在
また、図44に示すように、各処理ブロック881内において、反応するホトセンサ画素27bを反応しないホトセンサ画素27aを指定できるように構成することが好ましい。
【0174】
「反応しない」とは、ホトセンサ画素27が光151などに反応しない構成が例示される。その他、ホトセンサ画素27は光151などに反応する構成であるが演算処理を実施しない方式が例示される。
【0175】
「反応する」とは、ホトセンサ画素27が光151などに反応しリークなどが発生し、オン領域あるいはオフ領域を構成が例示される。その他、ホトセンサ画素27は光151などに反応する構成で演算処理を実施する方式が例示される。
【0176】
図44(a)では、処理ブロック881の中央部のホトセンサ画素27b(斜線で示す)が「反応する」に指定されたことを示している。周辺部のホトセンサ画素27aは「反応しない」に指定されている。
【0177】
図44(b)では、処理ブロック881内において、分散してホトセンサ画素27b(斜線で示す)が「反応する」に指定されたことを示している。
【0178】
処理ブロック881も図48に示すように、処理ブロック881毎に「反応する」処理ブロック881b、「反応しない」処理ブロック881aを指定できるように構成してもよい。各処理ブロック881は、画像表示部10に表示する数字あるいはアイコン表示などに対応して、「反応する」処理ブロック881b、「反応しない」処理ブロック881aを指定できるように構成する。
【0179】
(9)キャリブレーションの実施
図47に示すように、処理ブロック881の機能として、キャリブレーションを実施する処理ブロック881を設定してもよい。
【0180】
図47(a)は、表示領域10に2箇所のキャリブレーション領域881a、881bを設けた例である。キャリブレーション領域881a、881bに指を押し当ててキャリブレーションを行う。
【0181】
図47(b)は、表示領域10に5箇所のキャリブレーション領域881a、881b、881c、881d、881eを設けた例である。キャリブレーション領域881a〜881eのいずれかに指を押し当ててキャリブレーションを行う。
【0182】
もちろん、図47の処理ブロック881も図44に示すように、処理ブロック881毎に「反応する」処理ブロック881、「反応しない」処理ブロック881を指定できるような構成としてもよい。
【0183】
また、図47、図48において、処理ブロック881a〜881eのそれぞれに別の機能を持たせてもよい。例えば、処理ブロック881aをキャリブレーション開始の入力領域とし、処理ブロック881bをキャリブレーション終了の入力領域とする。また、処理ブロック881cは再キャリブレーション開始を入力する領域とする。また、処理ブロック881dは、露光時間Tcの可変開始領域とする。また、処理ブロック881eは、ダブルクリック入力領域とする。
【0184】
なお、処理ブロック881は、矩形の範囲に限定されるものではない。円形あるいは六角形などの他の形状あるいは配置であってもよい。また、処理内容あるいは外光の強度など他の要因にあわせて、処理ブロック881の形状を変化してもよい。また、矩形であってもその範囲を変化あるいは分散(領域を複数に分割する)してもよい。
【0185】
(10)プリチャージ電圧Vprcとコンパレータ電圧Vrefの調整
図31に示すように、プリチャージ電圧Vprcとコンパレータ電圧Vrefを連動して変化させることが好ましい。
【0186】
また、プリチャージ電圧Vprcは外光強度が強くなるにしたがって、高く設定する。但し、線形に変化させることに限定するものではなく、非線形に変化させてもよい。また、ステップ的に変化させてもよい。
【0187】
以上のことはコンパレータ電圧Vrefに対しても同様である。
【0188】
また、プリチャージ電圧Vprcが外光に対して線形の関係とし、コンパレータ電圧Vrefをステップ状に変化させてもよい。もちろん、一定の場合もある。
【0189】
図31は、ホトセンサ画素27の第2TFT62bがNチャンネルの場合である。第2TFT62bがNチャンネルトランジスタの場合は、外光が強い方が、外光が弱いときよりもプリチャージ電圧Vprcを高くする。
【0190】
逆に、第2TFT62bがPチャンネルトランジスタの場合は、外光が強い方が、外光が弱いときよりもプリチャージ電圧Vprcを低くする。
【0191】
プリチャージ電圧Vprcは、キャリブレーションを実施し、適正なプリチャージ電圧Vprcを決定する。図32に示すように、キャリブレーション時に、全てのホトセンサ画素27の出力がオン出力をなる電圧(飽和レベル電圧)と、全てのホトセンサ画素27の出力がオフ出力となる電圧(オフレベル電圧)を外光強度に対して測定する。プリチャージ電圧Vprcは、飽和レベル電圧とオフレベル電圧の中央値を設定する。
【0192】
設定する電圧には幅がある。外光の強度などにより適正な設定値が異なるからである。多くの検討の結果、設定するプリチャージ電圧Vprcは、(飽和レベル電圧−オフレベル電圧)xA+オフレベル電圧に設定することがよい。なお、Aの値は、0.2以上0.9以下の値にする。さらに好ましくは、Aの値は0.3以上0.8以下の値とすることが好ましい。
【0193】
コンパレータ電圧Vrefは、図33に示すように、ボリウムVRで調整してもよい。ボリウムは自動であるいはユーザーがマニュアル(手動)で調整できるように構成あるいは形成する。ボリウムVRによりコンパレータ電圧Vrefが発生し、各コンパレータ233に印加される。
【0194】
また、コンパレータ電圧Vrefは図34に示すように、電子ボリウム261で発生させてもよい。電子ボリウム261には、発生させるコンパレータ電圧Vrefに対応した8ビットのデジタルデータVDATAを印加する。VDATAは、外光センサの情報などにより与えられる。
【0195】
(11)プリチャージ電圧の設定
(11−1)ニュートン法による設定
プリチャージ電圧Vprcの設定は、図35のニュートン法を適用することにより行う。図35の各図の線は、紙面の上の方が電圧は高いことを示し、紙面の下の方が電圧は低いことを示している。各電圧Vの添え字は、印加する電圧の順番を示している。
【0196】
図35は(a)(b)(c)(d)の順で電圧を印加し、キャリブレーションを実施する。まず、図35(a)に示すように、V0電圧を印加し、ホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態を検出する。オン/オフ状態が図32の斜線範囲でないときは、V1電圧を印加する。V0電圧を印加状態でのホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態が図32の斜線の範囲内であればV0がキャリブレーション電圧の値となる。いずれも範囲内でない場合は、V1電圧を印加して、ホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態を検出する。V1電圧を印加状態でのホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態が図32の斜線の範囲内であればV1がキャリブレーション電圧の値となる。
【0197】
V1電圧の印加時のオン/オフ状態が図32の斜線範囲でないときは、図35(b)に移行する。図35(b)では、V2電圧を印加する。V2電圧は、V2=(V1−V0)/2として計算する。V2電圧を印加し、ホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態の変化を検出する。V2電圧を印加状態でのホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態が図32の斜線の範囲内であればV2がキャリブレーション電圧の値となる。
【0198】
V2が斜線の範囲内にない場合は、V2電圧の印加時のオン/オフ状態と、V1電圧の印加時のオン/オフ状態とのどちらが図32の斜線の目標のキャリブレーション状態に近いかとを判定する。また、V2電圧の印加時のオン/オフ状態と、V0電圧の印加時のオン/オフ状態とのどちらが、図32の斜線の目標のキャリブレーション状態に近いかを判定する。
【0199】
V2とV0間に図32の斜線の範囲があると判定されると、図35(c)の状態に移行する。図35(c)では、V3電圧を印加する。V3電圧は、V3=(V2−V0)/2として計算する。V3電圧を印加し、ホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態の変化を検出する。V3電圧を印加状態でのホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態が図32の斜線の範囲内であればV3がキャリブレーション電圧の値となる。
【0200】
V3が斜線の範囲内にない場合は、V3電圧の印加時のオン/オフ状態と、V2電圧の印加時のオン/オフ状態とのどちらが図32の斜線の目標のキャリブレーション状態に近いかとを判定する。また、V3電圧の印加時のオン/オフ状態と、V0電圧の印加時のオン/オフ状態とのどちらが、図32の斜線の目標のキャリブレーション状態に近いかを判定する。
【0201】
V2とV3間に図32の斜線の範囲があると判定されると、図35(d)の状態に移行する。図35(d)では、V4電圧を印加する。V4電圧は、V4=(V2−V3)/2として計算する。V4電圧を印加し、ホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態の変化を検出する。V4電圧を印加状態でのホトセンサ画素27のオン/オフ出力状態が図32の斜線の範囲内であればV4がキャリブレーション電圧の値となる。
【0202】
以上のキャリブレーションの調整を順次行うことにより目標のキャリブレーション電圧を得ることができる。
【0203】
以上の動作を図で示すと図36のようになる。キャリブレーションを行うプリチャージ電圧Vprcが大小を繰り返し順次目標の値に近づく。印加する電圧は図36のように絶えず変化する状態ではなく、図36に示すように、大小のプリチャージ電圧Vprcで一定期間電圧が維持されるように駆動されることが好ましい。
【0204】
図36では、プリチャージ電圧Vprcは2Vから開始され、このプリチャージ電圧Vprcに対応して各処理ブロック881のホトセンサ画素27のTFT62cがオン状態を維持している個数(オン画素数)またはホトセンサ画素27のTFT62cがオフン状態に変化した個数(オフ画素数)をカウントする。オン画素数またはオフ画素数が規定の範囲内にないとき、プリチャージ電圧Vprcを上昇または下降させる(図35を参照)。図36では、プリチャージ電圧Vprcを6Vに上昇させている。プリチャージ電圧Vprcを更新し、更新した状態で、オフ画素数またはオン画素数をカウントする。カウント値は、先のカウント値を比較し規定範囲の値に近づいているかを判断し、次のプリチャージ電圧Vprcを設定する。カウントした値が所定の範囲にない場合、また、プリチャージ電圧Vprcを変化させる。以上の動作により、プリチャージ電圧Vprcの変化の範囲は図36に示すように変化幅が狭められる。プリチャージ電圧Vprcの変化により、A点で、オン画素数またはオフ画素数が規定範囲内にはいり、このプリチャージ電圧Vprcが固定設定される。なお、プリチャージ電圧Vprc(約3.25V)は、外光強度が所定変化した時に、実施される。もちろん、常時実施してもよい。但し、接触判定、接触検出を行っている場合はキャリブレーションを実施しない、あるいは停止することが好ましい。
【0205】
プリチャージ電圧Vprcの変化は、図37に示すように、各変化の最大位置、最小位置で一定の期間電圧値を固定するか、変化を緩やかにすることにより、オン画素数またはオフ画素数が規定の範囲内であるか否かの変低精度を向上させることが好ましい。
【0206】
(11−2)他の設定方法
図35はニュートン法を応用したキャリブレーション方式であった。しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。ホトセンサ画素27のオン/オフ状態の個数(オン画素数、オフ画素数)から印加する電圧を調整あるいは制御して目標のプリチャージ電圧Vprcを求めてもよい。
【0207】
例えば、図38(a)に示すように、プリチャージ電圧Vprcの印加により、図38(b)に示すようにオン−オフ差(オン画素数とオフ画素数との差)が変化する。プリチャージ電圧Vprcが非常に高いときは、100%のホトセンサ画素27がオン出力である。オフ出力のホトセンサ画素27は0である。したがって、オン−オフ差は100−0=100となる。プリチャージ電圧Vprcが非常に低いときは、100%のホトセンサ画素27がオフ出力である。オン出力のホトセンサ画素27は0である。したがって、オン−オフ差は0−100=−100となる。
【0208】
プリチャージ電圧Vprcが目標値に近く、目標設定が、ホトセンサ画素27のオン数とオフ数が等しい時とすると、50%のホトセンサ画素27がオフ出力である。オン出力のホトセンサ画素27は50%である。したがって、オン−オフ差は50−50=0となる。
【0209】
以上のように、キャリブレーション時にプリチャージ電圧Vprcを大小に変化し、オン−オフ数が目標値に近くなるか、遠ざかるかを監視することによりキャリブレーションを行うことができる。
【0210】
(11−3)プリチャージ電圧の変化速度
プリチャージ電圧Vprcの変化速度は、図38に示すように、最初は早くし、目標値に近づくにつれて変化速度を遅くしてもよい。最終目標状態では、ホトセンサ画素27のオン/オフ出力の変化数が少なくなり精度が必要となるからである。
【0211】
プリチャージ電圧Vprcの変化速度は、図58に示すように、外光の強度に対応して変化させることが好ましい。外光が強い時は、変化させる大きさを大きくし、また変化速度も大きくする。逆に外光が弱い時は、変化させる大きさを小さくし、また変化速度も小さくする。
【0212】
(11−4)一定の比率によるオン画素数、オフ画素数の算出
図38において、オン画素数とオフ画素数の差の個数を求めるとしたが、本実施形態はこれに限定するものではない。
【0213】
一定の比率のオン画素数またはオフ画素数を求めるとしてもよい。また、比率に限定せず、オン画素数またはオフ画素数などの個数であってもよい。
【0214】
また、オン画素数が0もしくはオフ画素数が0にするのも含まれる。
【0215】
例えば、プリチャージ電圧Vprcの印加により、全画素数に占めるオン画素数の比率が1〜2%の範囲になるように制御する場合が例示される。また、オン画素数の比率が10〜20%の範囲になるように制御することが例示される。また、オン画素数の比率が5%以下となるように制御することが例示される。また、オン画素数の比率が90%以上となる例が例示される。オフ画素数の比率が90%以上となる例が例示される。
【0216】
また、オン画素数が100個以上になるように制御することが例示される。また、オン画素数の個数が100以上1000個以下となるように制御することが例示される。また、オン画素数の比率が100000個以上となる例が例示される。オフ画素数の個数が1000個以下となる例が例示される。
【0217】
(11−5)その他の変更例
以上の実施形態は、プリチャージ電圧Vprcのより、オン画素数あるいはオフ画素数の個数もしくはオン画素数とオフ画素数の比率を一定以上または以下もしくは一定の範囲内に制御するものであった。しかし、以上の制御は、露光時間Tcの調整によっても実現できる。したがって、上記実施形態はプリチャージ電圧Vprcを露光時間Tcに置き換えてもよいことはいうまでもない。また、コンパレータ電圧Vrefによっても実現できる。したがって、上記実施形態はプリチャージ電圧Vprcをコンパレータ電圧Vrefに置き換えてもよいことはいうまでもない。また、プリチャージ電圧Vprc、露光時間Tc、コンパレータ電圧Vrefを複数組み合わせてもよい。
【0218】
(12)受光センサ1192
(12−1)外光強度に対する感度
ホトセンサ64の外光強度に対する感度は、外光151の色温度により異なる。ホトセンサ64は短波長で感度が高い。つまり、青(色温度が高い領域)で感度が高く、赤(色温度が低い領域)で感度が低い。したがって、外光の強度とは、人間の視感度に対する強度ではなく、ホトセンサ64の特性感度に合わせて算定する必要がある。つまり、外光の色温度に対応してキャリブレーションなどを実施する必要がある。
【0219】
この課題に対して、本実施形態は図56に示すように、複数の受光センサ1192を配置している。受光センサ1192の光入射部にはカラーフィルタ1191を配置している。
【0220】
図56では、受光センサ1192(1192R、1192G、1192B)は、同一波長帯域で感度カーブを有するものである。受光センサ1192の入射側に赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ1191を配置している。受光センサ1192Rは長波長用である。受光センサ1192Bは短波長用である。受光センサ1192Gは中波長用である。
【0221】
各受光センサ1192の出力は補正回路1193に入力される。補正回路1193は適正なコンパレータ電圧Vref、プリチャージ電圧Vprcなどとなるように、入力信号を補正してコンパレータ電圧Vref、プリチャージ電圧Vprcを出力する。プリチャージ電圧発生回路1194はプリチャージ電圧Vprcを発生し、コンパレータ電圧発生回路1195は、コンパレータ電圧Vrefを発生する。
【0222】
(12−2)受光センサ1192の構成
図56に示すように、受光センサ1192として、PINホトダイオードが例示される。外光の強度は、PINホトダイオードで検出し、適切な倍率にオペアンプで増幅する。また、信号の経路にコンデンサなどを配置し、外光の変化を遅延させ、また、ヒステリシス特性をもたせる。
【0223】
これらの回路は、マトリックス回路1211に構成されており、また、マトリックス回路1211は、マトリックス状に形成された処理ブロック881に対応した、プリチャージ電圧Vprcを出力する。
【0224】
もちろん、表示領域10に対応した1つのプリチャージ電圧Vprcを出力するように構成してもよい。また、マトリックス回路1211は、1つの処理ブロック881あるいは表示領域10に複数のプリチャージ電圧Vprcを出力あるいは発生することができる。また、これらのプリチャージ電圧Vprcは、マトリックス回路1211に記憶されている。
【0225】
図54に示すように、ホトセンサ1171で外光151を受光し、電流−電圧(I−V)変換アンプ1172で、受光した光で発生した電流Iを電圧Vに変換する。同時に、変換アンプ1172でコンパレータ電圧Vrefを発生し、コンパレータ233に印加する。
【0226】
(12−3)受光部のその他の構成
図54、図56は、表示領域10以外に別途受光センサ1192(1171)などを配置する実施形態であった。本実施形態はこれに限定するものではない。
【0227】
例えば、図55に示すように、表示領域10あるいはその近傍に受光部1181を形成し、外光などの強度を検出してもよい。受光部1181は、ホトセンサ64で構成あるいは形成することが好ましい。
【0228】
図55(a)は、表示領域10の上下に受光部1181(1181a、1181b)を形成した実施形態である。
【0229】
図551(b)は表示領域の4隅に受光部1181(1181a、1181b、1181c、1181d)を配置した実施形態である。必要に応じて、受光部1181に図561に示すようにカラーフィルタ1191などを配置する。
【0230】
外光151の入射方向の検出も座標位置確定に重要である。例えば、図57(b)に示すように、外光151aが左側から対象物671に入射した時は、影601aは、対象物の右側にできる。したがって、対象物を検出したとき、座標位置は右側にずれる。外光151bが右側から対象物671に入射した時は、影601bは、対象物の左側にできる。したがって、対象物を検出したとき、座標位置は左側にずれる。
【0231】
この課題を解決するため、図57(a)に示すように、立体型の受光センサ1201を配置している。受光センサ1201は四角錐あるいは立方体に近似した構成となっている。受光センサ1201において、受光部は、一例として4つの側面と上面に形成されている。つまり、受光部は複数箇所に形成されている。
【0232】
外光151aが左側から対象物671に入射した時は、主に左側に配置された受光部に外光151aが入射する。外光151bが右側から対象物671に入射した時は、主に右側に配置された受光部に外光151bが入射する。外光151cが上方から対象物671に入射した時は、主に上側に配置された受光部に外光151cが入射する。
【0233】
以上のことから、外光151の入射方向により、主に入射する受光部が異なる。したがって、どの受光部に強く外光が入射しているかを検出することにより、外光151の入射方向を検出できる。そのため、図57(b)のように、影601ができる方向が異なっても、影位置の補正を行うことができる。
【0234】
(12−4)変更例
なお、以上の実施形態では外光の強度に応じてプリチャージ電圧Vprcを大きさ、変化速度を変化させるとしたが、本実施形態はこれに限定するものではない。
【0235】
例えば、露光時間Tcの変化速度、変化単位(1H、2H・・・・・・)を可変してもよい。また、プリチャージ電圧Vprcと露光時間Tcの両方を変化させてもよい。また、コンパレータ電圧を変化させてもよい。
【0236】
(13)外光の大きさに応じたプリチャージ電圧Vprcなどの設定
本実施形態の液晶表示装置では、外光の大きさに応じて適切なプリチャージ電圧Vprc、露光時間Tc、コンパレータ電圧もしくはこれらの組み合わせを設定する必要がある。そのため、本実施形態では、図59から図63に図示する方式を行う。
【0237】
(13−1)水平走査期間を単位とする設定
図59は、コンパレータ電圧VrefをVc2、Vc1、Vc3に変化させた実施形態である。なお、図59、図60などにおいて、コンパレータ電圧Vrefと同時にプリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなどを変化させてもよい。また、図62、図63において、ベース電圧に同期して、プリチャージ電圧Vprc、コンパレータ電圧Vref、露光時間Tcなどを変化させてもよい。
【0238】
図59(a)はコンパレータ電圧Vref=Vc1、Vc2とし、1H(1水平走査期間)毎に、Vc1とVc2に切替えた実施形態である。
【0239】
図59(a)において、1H毎に、コンパレータ電圧Vref=Vc1とVc2を切替える。コンパレータ電圧Vrefを変化させることにより、コンパレータ回路233での判定レベルが変化する。したがって、このコンパレータ電圧VrefのVc1〜Vc2範囲に適正な判定レベルとなるように、Vc1、Vc2の大きさを変化させる。
【0240】
図59(b)は、2H単位でコンパレータ電圧Vrefを変化させて実施形態である。液晶表示パネルに印加する映像信号の極性は、2H周期(例えば、1H目は+極性、2H目は−極性)で変化する。したがって、図59(b)のように、2H単位(4H周期)で変化させることが好ましい。つまり、液晶表示パネルに印加する映像信号の極性周期の2倍の周期でコンパレータ電圧Vref、プリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcを変化させる。すなわち、映像信号の周期が2Hであれば4H周期、または、1つのコンパレータ電圧Vrefが連続する期間=映像信号の周期とする。なお、変化は、4Hに限定するものではなく、2Hの倍数であればいずれでもよい。
【0241】
図59(c)は、コンパレータ電圧Vrefを3以上(Vc1、Vc2、Vc3)とした実施形態である。1H期間毎にコンパレータ電圧Vrefを変化させる。なお、図59(c)の実施形態においても、図59(b)と同様に、2Hごとの変化としてもよい。また、4H以上の2Hの倍数であればいずれでも図59(b)の効果を実現できる。
【0242】
(13−2)フレームを単位とする設定
図59は水平走査期間を単位とするコンパレータ電圧Vrefなどの設定であった。しかし、本実施形態はこれに限定するものではなく、図60の示すようにフレームを単位とする設定であってもよい。
【0243】
図60は、1フレームでコンパレータ電圧VrefをVc2、Vc1、Vc3に変化させた実施形態である。なお、図59と同様に、コンパレータ電圧Vrefと同時にプリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなどを変化させてもよい。
【0244】
図60(a)はコンパレータ電圧Vref=Vc1、Vc2とし、1F(1垂直走査期間)毎に、Vc1とVc2に切替えた実施形態である。
【0245】
図60(a)において、1F毎に、コンパレータ電圧Vref=Vc1とVc2を切替える。コンパレータ電圧Vrefを変化させることにより、コンパレータ回路233での判定レベルが変化する。したがって、このコンパレータ電圧VrefのVc1〜Vc2範囲に適正な判定レベルとなるように、Vc1、Vc2の大きさを変化させる。
【0246】
図60(b)は、2F単位でコンパレータ電圧Vrefを変化させた実施形態である。液晶表示パネルに印加する映像信号の極性は、2F周期で各画素行に印加する映像信号を反転させる。例えば、ある画素行は、1F目は+極性、2F目は−極性で変化する。したがって、図60(b)のように、2F単位で変化させることが好ましい。つまり、液晶表示パネルに印加する各画素行の映像信号の極性周期の2倍の周期でコンパレータ電圧Vref、プリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcを変化させる。映像信号の周期が2Fであれば4F周期で変化させる。なお、変化は、4Fに限定するものではなく、2Fの倍数であればいずれでもよい。
【0247】
図60(c)は、コンパレータ電圧Vrefを3以上(Vc1、Vc2、Vc3)とした実施形態である。1F期間毎にコンパレータ電圧Vrefを変化させる。なお、図60(c)の実施形態においても、図60(b)と同様に、2Fごとの変化としてもよい。また、4F以上の2Fの倍数であればいずれでも図60(b)の効果を実現できる。なお、図59と図60は相互に組み合わせてもよい。
【0248】
(13−3)プリチャージ電圧Vprcを五段階に変化させた例
図61は、プリチャージ電圧VprcをVp1〜Vp5に変化させた実施形態である。そして、1H毎に、プリチャージ電圧Vprcに切替えた実施形態である。なお、プリチャージ電圧Vprcの種類はVp1〜Vp5の5種類に限定するものではない。2種類以上であればいずれでもよい。
【0249】
図61(a)において、1H毎に、プリチャージ電圧Vprc=Vp1〜Vp5を切替える。プリチャージ電圧Vprcを変化させることにより、第2TFT62bの出力が変化する。したがって、このプリチャージ電圧VprcのVp1〜Vp5範囲で処理ブロック881または表示領域10内で適正なオン画素数となるように、プリチャージ電圧Vprcの大きさを変化させる。プリチャージ電圧Vprcは順次低下あるいは上昇方向に変化させる。キャリブレーションが完了すると一定値(図61(a)では、+Vp2)を維持する。
【0250】
図61(b)も、1H毎に、プリチャージ電圧Vprc=Vp1〜Vp5を切替える。プリチャージ電圧Vprcを変化させることにより、第2TFT62bの出力が変化する。したがって、このプリチャージ電圧VprcのVp1〜Vp5範囲で処理ブロック881または表示領域10内で適正なオン画素数となるように、プリチャージ電圧Vprcの大きさを変化させる。プリチャージ電圧Vprcは順次上下に変化し、最適キャリブレーション位置に収束させる。キャリブレーションが完了すると一定値(図61(b)では、+Vp3)を維持する。
【0251】
図61は水平走査期間を単位とするプリチャージ電圧Vprcなどの操作であった。しかし、本実施形態はこれに限定するものではなく、図60の示すようにフレームを単位とする操作であってもよい。
【0252】
(13−4)ベース電圧Vbの変化
図62は、ベース電圧Vbを変化させた実施形態である。
【0253】
ベース電圧とは、ホトセンサ64のGND電圧である。ベース電圧Vbは、図3などで図示する共通信号線31の電位である。
【0254】
ベース電位Vbを変化させると、擬似的にプリチャージ電圧Vprcなどを変化させたと同様の効果がある。ベース電位Vbの変化によりホトセンサ64に印加される電位が変化するからである。
【0255】
図62は、ベース電位VbをVp1〜Vp5に変化させた実施形態である。図62はベース電位Vb=Vp1〜Vc5とし、1H毎に、ベース電位Vbに切替えた実施形態である。なお、ベース電位Vbの種類は−Vb3〜+Vb3の7種類に限定するものではない。2種類以上であればいずれでもよい。
【0256】
図62(a)において、1H毎に、ベース電位Vb=−Vb3〜+Vb3を切替える。ベース電位Vbを変化させることにより、ホトセンサ64の端子間に印加される電圧が変化する。したがって、このベース電位Vbの−Vb3〜+Vb3範囲で処理ブロック881または表示領域10内で適正なオン画素数となるように、ベース電位Vbの大きさを変化させる。ベース電位Vbは順次低下あるいは上昇方向に変化させる。キャリブレーションが完了すると一定値(図62(a)では、−Vb2)を維持する。
【0257】
図62(b)も、1H毎に、ベース電位Vb=−Vb3〜+Vb3を切替える。ベース電位Vbを変化させることにより、第2TFT62bの出力が変化する。したがって、このベース電位Vbの−Vb3〜+Vb3範囲で処理ブロック881または表示領域10内で適正なオン画素数となるように、ベース電位Vbの大きさを変化させる。ベース電位Vbは順次上下に変化し、最適キャリブレーション位置に収束させる。キャリブレーションが完了すると一定値(図62(b)では、+Vb1)を維持する。
【0258】
図62は水平走査期間を単位とするベース電位Vbなどの操作であった。しかし、本実施形態はこれに限定するものではなく、図63の示すようにフレームを単位とする操作であってもよい。
【0259】
(14)表示領域10の面内での特性傾斜
表示領域10内では、ホトセンサ64、第2TFT62bの特性によりオン/オフ状態に傾斜をもつ。特性が面内傾斜でゆっくりと変化している場合が多いからである。変化は、低温ポリシリコン技術によりトランジスタなどを形成する際、レーザーアニール条件が緩やかに変化することにより発生する。
【0260】
(14−1)第1の補正方法
特性の傾斜の第1の補正方法は、図42のようにして行う。
【0261】
図42では、一例として表示領域10を横に3ブロック、縦に4ブロックに区切っている。処理ブロック881は、3x4=12である。また、説明を容易にするため、各処理ブロック881は4x4の画素16で構成されているとする。つまり、1つの処理ブロック881は、16画素(16ホトセンサ画素27)で構成される。
【0262】
表示領域10の面内での特性傾斜を把握するため、図42に示すように、表示領域10の最周辺部の画素行、画素列に形成されたホトセンサ画素27を用いる。特性の測定は、ホトセンサ画素27の第2TFT62bのオン/オフ状態を読み出すことにより行う。読み出し方式は、以前に説明しているので説明を省略する。図42では、第2TFT62bのオン状態を1とし、第2TFT62bのオフ状態を0としている。
【0263】
一例としての結果は、図42(a)に示すように画素列方向は、上から1111011011100100のオン/オフ状態となっている。また、画素行方向は、左から111101111001となっている。この値を処理ブロック881毎に集計した結果を図42(b)に示す。集計はオン画素数をカウントしている。処理ブロック881の列方向は、オン画素数は4、2、3、1であり、行方向は、4、3、2である。したがって、表示領域10の上下方向にオン画素数が減少する傾向(上領域にオン画素数が多く、下領域にオン画素数が少ない)があり、左右方向にもオン画素数が減少する傾向(左領域にオン画素数が多く、右領域にオン画素数が少ない)がある。
【0264】
図42(b)の結果をメモリに記憶し、各処理ブロック881のオン画素数またはオフ画素数を補正する。左上の領域の処理ブロック881では、ある外光強度であるキャリブレーション状態において、オン画素数が多くても、処理より補正しオン画素数を減少処理する。右下の領域の処理ブロック881では、ある外光強度であるキャリブレーション状態において、オン画素数が少なくても、処理によりオン画素数を増加処理する。
【0265】
図42では、表示領域10の左辺、上辺のホトセンサ画素27の特性を測定あるいは把握して補正するとした。しかし、望ましくは、図43に示すように、表示領域10の左辺、右辺、上辺、下辺のホトセンサ画素27の特性を測定して補正する。
【0266】
(14−2)第2の補正方法
なお、図42では表示領域10の周辺部の第2TFT62bなどの特性を測定し、面内の特性傾斜を求めるとしたが、本実施形態はこれに限定するものではない。
【0267】
表示領域10の中央部のトランジスタ特性を測定してもよい。
【0268】
また、表示領域10全体の特性傾斜を測定してもよい。
【0269】
また、図42の実施形態では、光検出を行う表示領域10のホトセンサ画素27を用いてトランジスタ特性を測定するとした。しかし、本実施形態はこれに限定するものではない。例えば、表示領域10以外にトランジスタ特性を測定するホトセンサ画素27を形成し、この画素27などを用いて表示領域10のトランジスタ特性を推定してもよい。
【0270】
また、オン画素数などをカウントするとしたが、本実施形態はこれに限定するものではない。ホトセンサ画素27からの出力がアナログデータである場合は、このアナログデータの大きさを加算あるいはサンプルホールド処理などを実施し、連続量として処理してもよい。
【0271】
(14−2)その他の変更例
本実施形態は、オン画素数を測定あるいはカウント処理して接触判定を実施しても、オフ画素数を測定して接触判定を実施してもよい。
【0272】
本明細書では説明を容易にするため、オン画素数を測定するとして説明する。
【0273】
また、オン画素数が多いことは、ホトセンサ64のリークが少ないことを示す。
【0274】
また、プリチャージ電圧Vprcが高く、多少ホトセンサ64のリークが多くとも第2TFT62bがオン状態を保持していることを示す。
【0275】
また、オン画素数が多いことは、ホトセンサ画素27に照射される光量が少ないことを示す。
【0276】
(15)オン画素数と外光強度との関係
オン画素数は外光強度とは非線形に変化する。主としてホトセンサ64のリーク量は外光強度に比例する場合が多いが、第2TFT62bのオン状態とプリチャージ電圧Vprcの大きさとは非線形の関係となるからである。特に、外光の強度が弱いとき、プリチャージ電圧Vprcも低くする。ホトセンサ64のリーク量も小さいからである。プリチャージ電圧Vprcを低くしないとホトセンサ画素27を遮光した場合と、外部光を照射した場合の変化差が取れないからである。
【0277】
図64は、キャリブレーションを一定にし、外部光151の強度を変化させた場合のオン画素数の変化を示している。縦軸は、単位当たりのオン画素数を示している。単位当たりであるから割合であるパーセント(%)を示す。
【0278】
例えば、外部光0では、60%のホトセンサ画素27がオン状態であり、残りの40%がオフ状態である。先と同一のキャリブレーションにおけるプリチャージ電圧Vprcでは、外部光400lxでは、10%のホトセンサ画素27がオン状態であり、残りの90%がオフ状態(オフ画素)である。なお、オン画素数+オフ画素数=表示領域10のホトセンサ画素数である。
【0279】
図64に示すように、0〜100lxの範囲ではほとんど、オン状態の画素数(オン画素数)は減少しない。100lxより外部光が強くなると、急激にオン状態の画素数(オン画素数)が減少する。したがって、外部光に対するオン画素数の関係は非線形である。
【0280】
表示領域10に指671などを接触させると、表示領域10に影ができる。つまり遮光される。したがって、遮光部のホトセンサ画素27はオン状態を保持するものが多くなる。指などの接触があるか否かを判定するためには、このオン画素数の変化を監視する。なお、以下は、説明を容易にするため影を検出することを例示して説明する。
【0281】
遮光により表示領域10のホトセンサ画素27のオン画素数(またはオフ画素数)が変化する。どの程度オン画素数が増加したら(オン画素数がいくらのパーセントになったら)、遮光されたと判断するかを判定閾値数と呼ぶ。判定閾値数も単位当たりのパーセントで表される。判定閾値数は、図64の点線で示している。
【0282】
判定閾値数以上になれば、遮光されたとして判断あるいは制御開始などを実施する。例えば、図64の実施形態では、0lxでは判断閾値数が70(%)以上で遮光されたとして判断する。その時の処理の方法は、上記の通りである。
【0283】
以上のように、外部光との関係において、単位当たり(単位面積当たり、あるいは単位処理領域当たり)のオン画素数(光照射時)と、前記同一の単位当たり(単位面積当たり、あるいは単位処理領域当たり)のオン画素数(遮光時)=判定閾値数とが、非線形の関係にしていることである。
【0284】
例えば、図64では、外部光0lxの時、オン画素数は60%であり、判定閾値数は70%である。比率は70/60=1.67である。外部光400lxの時、オン画素数は10%であり、判定閾値数は50%である。比率は50/10=5.0である。つまり、任意の外部光強度における判定閾値数/オン画素数の比率が異ならせている。判定閾値数/オン画素数の比率は外部光が弱くなるにしたがって、小さくなるようにしている。
【0285】
判定閾値数は予め表示領域10内のホトセンサ画素27の特性を測定して設定する。また、ユーザーが使用環境条件によって変化できるように構成してもよい。また、外部光の強度あるいはバックライトの強度を自動で検出し判定閾値数を設定してもよい。
【0286】
以上の事項は光ペンで座標入力などを行う場合も同様である。光ペンによる光照射量によりオン画素数(オフ画素数)を検出あるいは制御して判定閾値数を設定できるように構成する。
【0287】
(16)プリチャージ電圧の複数印加
(16−1)第1の印加方法
画像取り込みをより良好に実施するためには、図45に示すように、プリチャージ電圧Vprcを複数印加できるように構成することが好ましい。
【0288】
図45では、プリチャージ電圧Vprc1がスイッチSW1のオン/オフのより奇数画素列に印加できるように構成されている。また、プリチャージ電圧Vprc2がスイッチSW2のオン/オフのより偶数画素列に印加できるように構成されている。
【0289】
プリチャージ電圧Vprcの大きさにより、同一外部光強度であってもホトセンサ画素27のオン/オフ状態は変化する。プリチャージ電圧Vprcが高いほど、ホトセンサ画素27はオン状態を維持する。低いほどプリチャージ電圧Vprcのオフ状態になりやすくなる。したがって、低いプリチャージ電圧Vprcを印加されたホトセンサ画素27は弱い外部光でもオフ状態となる。
【0290】
図45のように画素にプリチャージ電圧Vprcを印加することにより、低外部光範囲から高外部光範囲まで広い範囲で画像取り込みあるいは座標検出を行うことができるようになる。
【0291】
また、図45ではコンパレータ電圧Vrefも複数種類発生し、コンパレータ233に印加できるように構成している。コンパレータ電圧Vref1は偶数画素列に配置されたコンパレータ233bに印加される。コンパレータ電圧Vref2は奇数画素列に配置されたコンパレータ233aに印加される。図45のように画素に複数のコンパレータ電圧Vrefを印加することにより、低外部光範囲から高外部光範囲まで広い範囲で画像取り込みあるいは座標検出を行うことができるようになる。
【0292】
(16−2)第2の印加方法
図46に示すように、画素列方向に感度の異なるホトセンサ画素27を配置してもよい。また、図45の実施形態と組みあわせてもよい。図46では感度が高い(低照度まで光検出できる)ホトセンサ画素27aは大センサと記述している。感度が低い(高照度までしか反応しない)ホトセンサ画素27bは小センサと記述している。
【0293】
図46では、コンパレータ233は、一例として8つの出力信号線(a、b、c、d、e、f、g、hで示す)に振り分けて出力できるように構成している。このように構成することにより、オンまたはオフ状態の画素位置を判定しやすくなる。また、コンパレータ233の出力はコンデンサに保持できるように構成され、コンデンサの前後にスイッチSを配置し、任意のコンパレータ233出力を順次、外部に取り出せるように構成している。
【0294】
(16−3)第3の印加方法
図67では、画素行方向に複数のプリチャージ電圧Vprcを印加している。図67ではプリチャージ電圧Vprcの大きさの差異を1〜4の数字で示している。1(プリチャージ電圧Vprc1)、2(プリチャージ電圧Vprc2)、3(プリチャージ電圧Vprc3)、4(プリチャージ電圧Vprc4)とし、1を最も低いプリチャージ電圧Vprcとし、4を最も高いプリチャージ電圧Vprcとしている。プリチャージ電圧Vprcは複数種類発生させる。このましくは4以上がよいが、2以上であっても比較的広い外部光の範囲に対応できる。例えば、プリチャージ電圧Vprcは、2.50V、2.51V、2.52V、2.53Vの4段階とする。各プリチャージ電圧Vprcの差は、0.05以上0.2V以下にすることが好ましい。
【0295】
なお、図67において、プリチャージ電圧Vprcの1〜4は、1画素行毎に変化させることが好ましい。また、2画素行毎もしくは複数画素に変化させてもよい。プリチャージ電圧Vprcを、画素行毎に変化させることは、1つのプリチャージ電圧Vprc発生源で実施することができる。1水平走査期間または複数水平走査期間毎に、印加するプリチャージ電圧Vprcを変化させればよいからである。
【0296】
図67のように、画素行方向に、異なるプリチャージ電圧Vprcが設定されている場合において、図48のようにマトリックス状に処理ブロック881が設定されている場合は、1つの処理ブロック881に、複数の異なるプリチャージ電圧Vprcが印加される。
【0297】
(16−4)第4の印加方法
ホトセンサ64、第2TFT62bには、プロセスなどにより特性バラツキが発生している。特性バラツキは、処理ブロック881で異なっている場合が多い。したがって、処理ブロック881では、特性ばらつきに応じて採用するプリチャージ電圧Vprcが検査時に決定されている。
【0298】
例えば、1a、1b、2aの処理ブロックは、プリチャージ電圧Vprc1が最適として設定されている。2a、2b、3cの処理ブロックは、プリチャージ電圧Vprc2が最適として設定されている。4a、4b、4cの処理ブロックは、プリチャージ電圧Vprc3が最適として設定されている。その他の処理ブロックは、プリチャージ電圧Vprc4が最適として設定されているとする。
【0299】
各処理ブロック881は、プリチャージ電圧Vprc1〜4がそれぞれ画素行毎に印加されている。1a、1b、2aの処理ブロックは、プリチャージ電圧Vprc1が印加された画素行の画素を選択して、接近、接触、離脱処理などを実施する。2a、2b、3cの処理ブロックは、プリチャージ電圧Vprc2が印加された画素行の画素を選択して、接近、接触、離脱処理などを実施する。4a、4b、4cの処理ブロックは、プリチャージ電圧Vprc3が印加された画素行の画素を選択して、接近、接触、離脱処理などを実施する。その他の処理ブロックは、プリチャージ電圧Vprc4が印加された画素行の画素を選択して、接近、接触、離脱処理などを実施する。また、各処理ブロック881は、最適なプリチャージ電圧Vprcが印加された画素でキャリブレーション処理などを実施する。最適プリチャージ電圧Vprcが1つに特定できない場合は、複数のプリチャージ電圧Vprcが印加された画素を特定して、また、平均化処理などを行い、キャリブレーション、接近、接触、離脱処理など行う。
【0300】
(16−5)第5の印加方法
1つの画素に複数のプリチャージ電圧Vprcを印加し、また、変化させてキャリブレーション、接近、接触、離脱処理などを行ってもよい。例えば、プリチャージ電圧Vprcはフレームで変化させる。フレームは、複数フレームで変化させてもよい。例えば、2フレーム毎にプリチャージ電圧Vprcを変化させる。
【0301】
(17)プリチャージ電圧と露光時間Tcの変化
プリチャージ電圧Vprcの変化と同期せずに、露光時間Tcを変化させてもよい。
【0302】
また、プリチャージ電圧Vprcと露光時間Tcを同時に変化させてもよい。
【0303】
(17−1)第1の動作方法
例えば、プリチャージ電圧Vprcを3.5V、露光時間Tcを324Hとして、処理ブロック881のオン画素数の変化を検出し(オン画素数が1以上になるかどうかなど)、キャリブレーション動作としては、プリチャージ電圧Vprc4.0Vに一定の定数bをかけて演算してもよい。例えば、b=0.5とすれば、プリチャージ電圧Vprcは4.0×0.5=2Vとなる。つまり、キャリブレーション時は、プリチャージ電圧Vprc=2.0V、露光時間Tc=324Hとする。なお、露光時間Tcの変化ステップは、2H以上にすることが好ましい。
【0304】
処理ブロック881のオン画素数の変化を検出する動作は、プリチャージ電圧Vprc=4.0V、露光時間Tc=324Hを始点あるいは中心として変化させ、キャリブレーション時は、プリチャージ電圧Vprc=2.0V、露光時間Tc=324Hを始点あるいは中心として変化させる。このオン画素数の検出動作と、キャリブレーション動作とを交互に実施する。
【0305】
なお、「接近」とは、パネル面に指などが近づくことを検出することを意味する。
【0306】
「接触」とは、パネル面に指などが接触していることを検出することを意味する。
【0307】
「離脱」とは、パネル面に指などから離れることを検出することを意味する。
【0308】
各処理ブロック881の画素行に印加してプリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcのうち、どのプリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcを採用するかは、予めパネルの出荷時に、処理ブロック881毎に決定しておき、EEPROMにデータをして格納しておくことが好ましい。
【0309】
(17−2)第2の動作方法
プリチャージ電圧Vprcは連続した画素行に印加してもよい。また、プリチャージ電圧Vprcは画素行にランダムに印加してもよい。また、一定の周期(2次元状に、時間軸方向に)でプリチャージ電圧Vprcの強度を変化させてもよい。各画素行に印加するプリチャージ電圧Vprcをフレーム毎に変化させる。
【0310】
露光時間Tcも同様である。露光時間Tcは連続した画素行に印加してもよい。また、露光時間Tcは画素行にランダムに印加してもよい。また、一定の周期(2次元状に、時間軸方向に)で露光時間Tcの長さを変化させてもよい。各画素行に印加する露光時間Tcをフレーム毎に変化させてもよい。
【0311】
プリチャージ電圧Vprcと露光時間Tcは同時に変化させてもよい。露光時間Tcとプリチャージ電圧Vprcはフレームあるいは画素行単位で交互に変化させてもよい。
【0312】
(17−3)第3の動作方法
図68では、画素列方向に複数のプリチャージ電圧Vprcを印加している(図45、図46を参照のこと)。図68でも図67と同様にプリチャージ電圧Vprcの大きさの差異を1〜4の数字で示している。プリチャージ電圧Vprcは複数種類発生させる。1種類のプリチャージ電圧Vprcは連続した画素列に印加してもよい。また、プリチャージ電圧Vprcは画素行にランダムに印加してもよい。また、一定の周期(2次元状に、時間軸方向に)でプリチャージ電圧Vprcの強度を変化させてもよい。他の動作あるいは内容あるいは構成は、図67で説明した事項を適用できることは言うまでもない。
【0313】
(17−4)第4の動作方法
図69に示すように、画素列と画素行にマトリックス状に異なるプリチャージ電圧Vprcを印加してもよい。もちろん、1種類のプリチャージ電圧Vprcは連続した画素行または画素例に印加してもよい。また、プリチャージ電圧Vprcは画素行または画素列にランダムに印加してもよい。また、一定の周期(2次元状に、時間軸方向に)でプリチャージ電圧Vprcの強度を変化させてもよい。他の動作あるいは内容あるいは構成は、図67で説明した事項を適用できる。なお、プリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcの設定は、画素単位でも、処理ブロック881単位でもよい。
【0314】
(17−5)第5の動作方法
図70は、プリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcもしくはその両方の変化レベルを2とした例である。図70ではプリチャージ電圧Vprcの大きさあるいは露光時間Tcの差異もしくはその組み合わせを1〜2の数字で示している。1は、外光の大きさ(強度)を検出するために印加するものである。2は、キャリブレーションを行うものである。
【0315】
(18)処理ブロックの機能設定
図47、図48では、処理ブロック881毎に、どのような機能処理ブロックとして機能させるか、また、入力に反応するかしないかを指定する。指定は、一例として、図49のコマンドで実施する。
【0316】
図49において、処理ブロック881または補正処理などを行う区分としてのアドレス領域は6ビットとしている。したがって、64の領域(n=63)を処理あるいは指定することができる。例えば、処理ブロックの1番目は、アドレス0を該当させる。最終番目の処理ブロックはn=63である。
【0317】
データ領域は2ビットとしている。つまり、4つの状態を指定できる。状態は、例えば、0は入力不可と示し、1は入力可を示す。また、2はオン画素数の補正が必要なことを示す。また、3はキャリブレーション中を示す。データの指定は、順次実施する。アドレス及びデータの伝送は、マイコンより行う。
【0318】
(19)バックライト146からの第1の悪影響の低減
指671などの影を検出して座標などを入力する場合は、液晶表示パネルを照明するバックライト146からの光が影響する。以下、このバックライト146からの光の影響を低減する方法について説明をする。
【0319】
まず、バックライト146あるいは外光からの光がパネル148の側面から入射し、悪影響をする場合がある。悪影響とは、側面から入射した光がパネル148内を乱反射し、ホトセンサ64に入射することにより発生する。
【0320】
図65、図66はパネル148の側面あるいは表示無効領域からの光の影響を低減する構成の説明図である。
【0321】
図65は、基板148の側面、表示無効領域(画像表示に有効な光が通過あるいは透過しない領域)に光遮光部1281を形成する。
【0322】
図65(a)は、基板148に光遮光部1281を配置している。
【0323】
図65(b)は、基板148の側面の他、無効領域(画像表示に有効な光が通過あるいは透過しない領域、側面も含む)に光遮光部1281を配置している。なお、配置とは光遮光部1281を別途設け、基板148の近傍に配置することを意味する。したがって、光遮光部1281は基板148の直接塗布または形成に限定するものではない。
【0324】
また、図66は、基板148と筐体543間に、光遮光部1281または光遮光材料を充てんまたは配置した構成である。光遮光部1281は、エポキシ、アクリルなどの樹脂に染料、顔料、色素などの光吸収材料を含有させたものを用いる。また、酸化チタンなどの光散乱物質を含有させてもよい。また、基板148の無効領域を直接に加工して形成してもよい。また、基板148を着色基板に構成してもよい。
【0325】
基板を直接着色することにより、遮光膜(光遮光部)1281を形成してもよい。なお、光遮光とは、光を反射する動作あるいは構成、光を吸収する動作あるいは構成のいずれをも含む。光遮光部1281は、基板にインクジェット印刷などの技術を用いて染料、色素などを塗布する。塗布、高温で乾燥させ、また、表面をUV樹脂などの樹脂、酸化シリコンあるいは酸化窒素などの無機材料で被覆すればよい。
【0326】
また、光遮光部1281は、グラビア印刷技術、オフセット印刷技術、スピンナーで膜を塗布し、現像する半導体パターン形成技術などで形成する。遮光部1281材料として、黒色もしくは暗色あるいは変調する光の補色の関係にあるものを用いてもよい。また、ホトセンサ64が反応しにくい波長の光を透過し、反応しやすい波長の光を遮光あるいは吸収もしくは反射するものでもよい。例えば、ホトセンサ64は、短波長(青)領域の方で感度が高い。したがって、光遮光膜1281は、青を反射あるいは吸収する材料で構成することが好ましい。特に、450nm以下より短い波長帯域で、50%以上を反射あるいは吸収するものを採用する。
【0327】
その他、光遮光部1281は、クロム(Cr)などの金属薄膜で形成してもよいし、アクリル樹脂にカーボンなどを添加した樹脂からなるもので構成してもよい。その他、六価クロムなどの黒色の金属、塗料、表面に微細な凹凸を形成した薄膜あるいは厚膜もしくは部材、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、オパールガラスなどの光拡散物でもよい。また、暗色、黒色でなくともホトセンサ64に感度がある青領域の光に対して補色の関係のある染料、顔料などで着色されたものでもよい。また、ホログラムあるいは回折格子でもよい。
【0328】
(19)バックライト146からの第2の悪影響の低減
指671などの影を検出して座標などを入力する場合は、液晶表示パネルを照明するバックライト146からの光が影響する。バックライト146からの光が指671などの対象物を照明し、外光との差異(明暗)が取れなくなるからである。この課題に対して本実施形態は以下の構成を採用することにより解決している。
【0329】
(19−1)第1の解決方法
パネル148の表示領域10には処理ブロック881に対応させて入力アイコン(例として、1〜9の数字)が表示されている(図50(a))。表示画面10に指671などの対象物がないときに、キャリブレーションが実施される。なお、キャリブレーションは入力対象物が表示領域10に触れているときでも、実施してもよい。
【0330】
対象物671が表示領域10に触れられると(図50(b))、対象物671が触れられた座標検出を行う。画面10に対称物671があるかどうかは、プリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcなどを変化させることにより、容易に検出できる。しかし、検出はできても指671が空中にあるか、表示画面10に接触しているかは判別が困難の場合が多い。
【0331】
プリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcなどを変化させ、対象物671が検出された場合は、図50(c)の示すように、バックライト146を消灯させる。もしくはバックライト146の輝度を通常表示よりも低減させる。例えば、通常表示時にバックライト146からの出射される光の照度が100Lxであるとすれば、少なくともバックライト146の照度を50%以下(50Lx以下)にする。つまり、通常より0〜50%の範囲となるように、バックライト146を制御する。
【0332】
なお、バックライト146を消灯あるいは減光するとしたが、対象物671の座標位置あるいは位置検出を行うときに行えばよい。したがって、その動作以外の時は通常点灯を行ってもよい。つまり、点滅状態させてもよい。また、点滅状態の点灯時の輝度を通常よりも高くして全体として(平均した場合)通常輝度となるように制御してもよい。
【0333】
(19−2)第2の解決方法
バックライト146が消灯あるいは減光している場合は、画像表示は黒表示となる。もしくは輝度低下表示となる。したがって、図50(c)の動作あるいは表示は、バックライト146を消灯するだけでなく、表示領域10の画像表示を黒表示(ダーク表示)としても同様の動作を実現できる。つまり、図50(c)時の画像表示を図50(b)と異なる表示状態とする。簡単には、図50(b)に比較して図50(c)の表示輝度を低下させる。アイコンの輝度を低下させたり、黒表示あるいは暗色表示にしたりする。同義には、液晶表示パネルの透過率を低下させることを意味する。透過率は、50%以下にする。
【0334】
黒表示あるいは暗色表示は、ホトセンサ64に対して実施すればよい。ホトセンサ64は低温ポリシリコンで形成され、また、ホトセンサ64はトランジスタをダイオード接続することにより構成している。したがって、短波長(青寄り)で感度が高い。したがって、図50(c)では、長波長の色成分(緑あるいは赤)でアイコンなどの画像表示にするとよい。なお、全てを赤表示などの長波長の色成分で表示することを必要としない。全体として、長波長の色成分寄りであればよい。ホトセンサ64が450nmの青の均一表示をした場合の感度を100%としたとき、少なくとも50%以下となる感度の画像表示(アイコンなど)を行う。
【0335】
例えば、図52(a)に示すように、入力部(処理ブロック881)を黒表示にしたり、長波長あるいは短波長の単色表示にしたりすることにより、入力状態を制御あるいは調整することができる。また、図52(b)に示すように、入力可能な処理ブロック881(a、d、h、i)と、入力が不可能あるいは困難な処理ブロック881(b、c、f、g)を区別することができる。
【0336】
図50(d)は通常のアイコン表示状態に復帰した状態である。図50(d)では、所定時間間隔でキャリブレーションなどを行う。
【0337】
なお、高温ポリシリコンあるいはアモルファスシリコンで形成あるいは作製したトランジスタからなるホトセンサであっても、短波長領域に感度が高い領域がある。したがって、図50(c)において画像表示は影検出の場合は、長波長(赤)の画像表示を行うとよい。反射光検出の場合は、短波長(青)の画像表示にするとよい。
【0338】
以上の実施形態では表示画面10の画像表示輝度などを低下させるとした。つまり、液晶表示パネルの透過率を低下(表示色を長波長側に変化)させるとしたが、対象物671の座標位置あるいは位置検出を行うときに、制御すればよい。したがって、その動作以外の時は通常表示を行ってもよい。つまり、点滅状態(透過率低下の場合に対象物671の検出動作を実施、他の場合は通常表示)させてもよい。また、点滅状態の点灯時の透過率(照度)を通常よりも高くして全体として(平均した場合)通常表示(照度)となるように制御してもよい。
【0339】
なお、説明を容易にするため、プリチャージ電圧Vprc、露光時間Tcなどを変化させて対象物671を検出するとしたが、適正なキャリブレーションが行われている場合は、変化する動作が必要ない。つまり、図50(c)の操作を実施する必要がない。もちろん、図50(c)の動作を実施してもよい。より確実な座標検出もしくは位置検出を行われるからである。
【0340】
(19−3)第3の解決方法
図51に示すように、対象物671が表示画面10に接触することをフォースセンサ712で実施してもよい。図51(b)(c)は、対象物671が平面表示装置に接触し、フォースセンサ712が押されていることが示している。図51(a)(d)は、対象物671が平面表示装置に接触していないことを示している。
【0341】
図51(a)では、パネル148の表示領域10には処理ブロック881に対応させて入力アイコン(例として、1〜9の数字)が表示されている(図51(a))。図51(b)で対象物671が接触すると、接触をフォースセンサ712が検出する。検出すると、キャリブレーションを実施し、最適に座標位置検出できるように設定される。
【0342】
対象物671が表示領域10に触れられると(図51(b))、対象物671が触れられた座標検出を行う。画面10に対称物671があるかどうかは、プリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcなどを変化させることにより、容易に検出できる。
【0343】
プリチャージ電圧Vprcあるいは露光時間Tcなどを変化させ、対象物671が検出された場合は、図51(c)の示すように、バックライト146を消灯させる。もしくはバックライト146の輝度を通常表示よりも低減させる。例えば、通常表示時にバックライト146からの出射される光の照度が100Lxであるとすれば、少なくともバックライト146の照度を50%以下(50Lx以下)にする。つまり、通常より0〜50%の範囲となるように、バックライト146を制御する。
【0344】
バックライト146が消灯あるいは減光している場合は、画像表示は黒表示となる(もしくは輝度低下表示となる)。したがって、図51(c)の動作あるいは表示は、バックライト146を消灯するだけでなく、表示領域10の画像表示を黒表示(ダーク表示)としても同様の動作を実現できる。つまり、図51(c)時の画像表示を図51(b)と異なる表示状態とする。以上の事項は、図50と同様であるので説明を省略する。また、他の事項も図50で説明しているので説明を省略する。
【0345】
なお、平面表示装置に触れたときのみに座標検出を行うものではない。対象物671が空中にあるときも座標位置を検出してもよい。例えば、指671などの対象物が表示画面10に触れず、空中にある時も対象物671の中心座標値を検出する。
【0346】
(20)検出位置の表示
検出した座標位置は、例えば一例として十字カーソル表示で表示画面10に表示する。指671などの対象物を、空中(表示画面10あるいは平面表示装置に触れない状態)で移動させると、移動に伴い十字カーソルが移動する。そのため、入力者に入力箇所を視覚的に示すことができる。また、十字カーソルの有無でキャリブレーションを実施することができる。例えば、十字カーソルなどが表示されていない場合はキャリブレーションが適切でないとする。1つの十字カーソルがぶれずに表示されている場合は、キャリブレーションが適切であるとする。
【0347】
なお、十字カーソルの替わりに、ハートマークやアニメのキャラクターを表示してもよい。また、指671などの移動速度に応じてキャラクター表示を変化させることも好ましい。また、対象物671が表示画面10に接触したときは、キャラクター表示を変化させる。
【0348】
抵抗値を検出するタッチパネルでは、タッチパネルに対象物が接触しなければ対象物の位置を検出することはできない。本実施形態では対象物671の影を検出することにより、影の位置を検出し画像表示(十字カーソル、キャラクターなど)を行うことができる。この点が本実施形態の特徴である。また、対象物671の接触検出と、空中入力状態の2つの状態で表示状態を変化できることも特徴である。
【0349】
[変更例]
本発明は上記各実施形態に限らず、その主旨を逸脱しない限り種々に変更することができる。
【0350】
例えば、液晶表示装置に限らず、有機EL素子や無機EL素子などから構成される自己発光表示装置でも適用できる。また、SED(商標)、PDP(プラズマディスプレイパネル)、液晶表示デバイス、カーボンナノチューブ(Carbon nano tube、CNT)を用いたディスプレイ、陰極線管(CRT、Cathode Ray Tube)などの他のディスプレイにも適用できる。また、アクティブブロック表示パネルだけでなく、単純ブロック表示パネルでも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0351】
本発明は、冷蔵庫や炊飯器などの電化機器、携帯電話、ビデオカメラ、プロジェクター、立体テレビ、プロジェクションテレビ、現金自動引き出し機、腕時計などのビューファインダ、メインモニター、サブモニター、時計表示部に適用できる。
【0352】
また、スキャナ、イメージセンサ、電子写真システム、ヘッドマウントディスプレイ、直視モニターディスプレイ、ノートパーソナルコンピュータ、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子スチルカメラにも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0353】
【図1】本発明の実施形態の平面表示装置のブロック図である。
【図2】同じく画素の拡大説明図である。
【図3】同じくホトセンサ画素の配置を示す図である。
【図4】同じくホトセンサ画素の他の配置を示す図である。
【図5】同じくホトセンサ画素の他の配置を示す図である。
【図6】同じく画素の等価回路図である。
【図7】同じくホトセンサ画素の等価回路図である。
【図8】同じく周辺の回路を含めたブロック図である。
【図9】露光時間と外光との関係を示すグラフである。
【図10】同じく表示パネルの駆動方法のタイミングチャートである。
【図11】プリチャージ電圧と時間の関係を示す図である。
【図12】同じく表示パネルの駆動方法の説明図である。
【図13】イネーブル信号線を設けた表示パネルの説明図である。
【図14】マトリックス処理の説明図である。
【図15】画像取り込み方法の説明図である。
【図16】同じく平面表示装置の操作説明図である。
【図17】ホトセンサ画素と他のコンパレータ回路の接続状態の説明図である。
【図18】同じく表示パネルの操作説明図である。
【図19】同じく表示パネルのデータ取り込み方法の説明図である。
【図20】同じく表示パネルのデータ取り込み方法の説明図である。
【図21】液晶表示装置の縦断面図である。
【図22】指入力時の液晶表示装置の縦断面図である。
【図23】指入力時の液晶表示装置の縦断面図である。
【図24】光ペン入力時の液晶表示装置の縦断面図である。
【図25】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図26】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図27】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図28】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図29】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図30】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図31】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図32】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図33】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図34】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図35】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図36】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図37】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図38】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図39】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図40】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図41】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図42】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図43】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図44】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図45】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図46】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図47】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図48】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図49】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図50】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図51】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図52】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図53】一実施形態の表示パネルの駆動方法の説明図である。
【図54】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図55】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図56】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図57】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図58】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図59】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図60】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図61】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図62】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図63】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図64】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図65】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図66】一実施形態の平面表示装置の構成図である。
【図67】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図68】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図69】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【図70】一実施形態の表示パネルの画像取り込み方法の説明図である。
【符号の説明】
【0354】
10 表示領域
11 アレイ基板
12 ゲートドライバ回路
14 ソースドライバ回路
15 信号処理回路
16 画素
17 回路基板
18 ホトセンサ処理回路
19 表示領域(+ホトセンサ形成領域)
20 フレキブル基板
21 映像信号処理回路
22 ゲート信号線
23 ソース信号線
24 プリチャージ電圧信号線
25 ホトセンサ出力信号線
26 表示画素
27 ホトセンサ画素
31 共通信号線
32 TFT
34 液晶容量
35 補助容量
36 対向電極
61 画素電極
62a 第1TFT
62b 第2TFT
62c 第3TFT
63 コンデンサ
64 ホトセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ基板上に互いに直交して配置される複数本の信号線及び第1ゲート信号線と、
前記信号線と前記第1ゲート信号線との交点近傍に設けられた表示用スイッチング素子と、この表示用スイッチング素子に接続された画素電極とを含む表示画素と、
前記信号線に映像信号を供給すると共に前記第1ゲート信号線にゲート信号を供給して映像を表示する表示用制御手段と、
を有する平面表示装置において、
前記アレイ基板上に複数のホトセンサ画素がマトリックス状に設けられ、
前記各ホトセンサ画素からのホトセンサ信号を読み取るホトセンサ処理手段が設けられ、
前記ホトセンサ画素は、
前記第1ゲート信号線と平行に配された第2ゲート信号線からの第2ゲート信号によってオン/オフする第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子がオン状態のときに、前記信号線と平行に配されたプリチャージ電圧供給線から所定のプリチャージ電圧が印加されて電荷が蓄積されるコンデンサと、
前記コンデンサにより蓄積された電荷を光の強弱に応じて光リーク量を変化させて放電するホトセンサと、
前記コンデンサからの放電電圧に基づいてオン/オフする第2スイッチング素子と、
前記第1ゲート信号線と平行に配された第3ゲート信号線からの第3ゲート信号によって、前記第2スイッチング素子とホトセンサ信号出力線との間をオン/オフする第3スイッチング素子と、
を有し、
前記マトリックス状に配された複数のホトセンサ画素で一つの処理ブロックを構成し、
前記ブロックが前記アレイ基板上に複数設けられ、
前記ホトセンサ処理手段は、
(1)前記プリチャージ電圧供給線から前記プリチャージ電圧を印加すると共に、前記第3スイッチング素子がオン状態のときに、前記第2スイッチング素子のオン/オフ状態によって変化する前記ホトセンサ信号出力線の電位をホトセンサ信号として読み取り、
(2)前記処理ブロック毎にオン状態、または、オフ状態の前記ホトセンサの数をカウントし、前記カウントした数によって前記処理ブロックにおける前記ホトセンサがオン状態、または、オフ状態であるかを判断する
ことを特徴とする平面表示装置。
【請求項2】
前記一つの処理ブロックを構成するホトセンサ画素の数を、外光強度が弱いほど少なくする
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項3】
前記一つの処理ブロックを構成するホトセンサ画素の数を光ペン入力を行う場合の方が指入力を行う場合より多くして、解像度を上げる
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項4】
前記アレイ基板上の表示領域において、前記表示領域の周辺部にある処理ブロックに含まれるホトセンサ画素の数を、前記表示領域の中心部にある処理ブロックに含まれるホトセンサ画素の数より多くする
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項5】
前記ホトセンサ処理手段は、前記カウントした数がオン判断数またはオフ判断数を基準にしてオン/オフを判断する
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項6】
前記ホトセンサ処理手段は、外光強度が強い程に前記オン判断数を小さく設定するか、または、前記オフ判断数を大きく設定する
ことを特徴とする請求項5記載の平面表示装置。
【請求項7】
前記処理ブロックを構成するホトセンサ画素の中で中央部に位置するホトセンサ画素を検出画素とし、その周辺のホトセンサ画素を非検出画素とする
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項8】
前記処理ブロックを構成するホトセンサ画素の中で光に反応するホトセンサ画素と、光に反応しないホトセンサ画素を混在させる
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項9】
前記処理ブロックは、横方向に長い
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項10】
前記処理ブロックは、縦方向に長い
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項11】
前記ホトセンサ処理手段は、前記プリチャージ電圧を変化させて印加することによりオン状態、または、オフ状態の前記ホトセンサの数が目標値に近くなるようにするキャリブレーションを行う
ことを特徴とする請求項1記載の平面表示装置。
【請求項12】
前記ホトセンサ処理手段は、前記プリチャージ電圧をニュートン法により印加する
ことを特徴とする請求項11記載の平面表示装置。
【請求項13】
前記ホトセンサ処理手段は、前記プリチャージ電圧の変化速度を前記目標値に近づくにつれて遅くする
ことを特徴とする請求項11記載の平面表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【公開番号】特開2007−11152(P2007−11152A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−194436(P2005−194436)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(302020207)東芝松下ディスプレイテクノロジー株式会社 (2,170)
【Fターム(参考)】