説明

情報管理サーバ、駐車支援装置、駐車支援装置を備えたナビゲーション装置、情報管理方法、駐車支援方法、情報管理プログラム、駐車支援プログラム、および記録媒体

【課題】運転者に車庫入れ技能を認識させるとともに、車庫入れの支援をおこなうこと。
【解決手段】情報管理サーバ100は、設定部101と、受信部102と、判断部103と、送信部104とを備える。設定部101には、駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの走行軌跡情報と、運転者の車庫入れ技能のランクとが対応付けられて設定される。受信部102は、走行軌跡情報を移動体から受信する。判断部103は、受信部102によって受信された走行軌跡情報に基づいて、設定部101に設定されるランクを判断する。送信部104は、判断部103によって判断されたランクを移動体に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両などの移動体に搭載される情報管理サーバ、駐車支援装置、駐車支援装置を備えたナビゲーション装置、情報管理方法、駐車支援方法、情報管理プログラム、駐車支援プログラム、および記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの移動体には、駐車位置にて運転者に対して駐車方法を呈示する駐車支援装置が搭載されている。たとえば、過去の駐車走行軌跡データを記録しておき、この駐車走行軌跡データにより、現在位置から駐車終了位置までの目標走行ラインを求め、それに沿って車庫入れの案内をおこなうようにした技術が提案されている。(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−168675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の技術は、自車の駐車走行軌跡データを利用するものであり、つまり、過去の駐車において模範となる駐車があった場合に、駐車時における駐車走行軌跡データを用いるものである。したがって、たとえば、運転技能の未熟なドライバーや初心者の場合、模範となる駐車がおこなわれたか否かが不明であるとともに、特に、過去に模範となる駐車がおこなわれていない場合には、駐車走行軌跡データを活用した最適な駐車支援をおこなうことができないといった問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる情報管理サーバは、駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)と、運転者の車庫入れ技能のランクとが対応付けられて設定される設定手段と、前記走行軌跡情報を移動体から受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記走行軌跡情報に基づいて、前記設定手段に設定される前記ランクを判断する判断手段と、前記判断手段によって判断された前記ランクを前記移動体に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、請求項11の発明にかかる駐車支援装置は、駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)を管理する情報管理サーバに対して、運転者の車庫入れ技能のランクの送信要求をおこなう要求手段と、前記要求手段による送信要求に応じた前記ランクを前記情報管理サーバから受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記ランクを通知する通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項16の発明にかかるナビゲーション装置は、上記駐車支援装置を備えることを特徴とする。
【0008】
また、請求項17に記載の情報管理方法は、駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)を移動体から受信する受信工程と、運転者の車庫入れ技能のランクと、前記走行軌跡情報とが駐車方式ごとに設定される設定工程と、前記受信工程にて受信された前記走行軌跡情報に基づいて、前記設定工程にて設定される前記ランクを判断する判断工程と、前記判断工程にて判断された前記ランクを前記移動体に送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項18に記載の駐車支援方法は、駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)を管理する情報管理サーバに対して、運転者の車庫入れ技能のランクの送信要求をおこなう要求工程と、前記要求工程による送信要求に応じた前記ランクを前記情報管理サーバから受信する受信工程と、前記受信工程にて受信された前記ランクを通知する通知工程と、を含むことを特徴とする。
【0010】
また、請求項19に記載の情報管理プログラムは、請求項17に記載の情報管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項20に記載の駐車支援プログラムは、請求項18に記載の駐車支援方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項21の発明にかかる記録媒体は、請求項19または20に記載のプログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報管理サーバ、駐車支援装置、駐車支援装置を備えたナビゲーション装置、情報管理方法、駐車支援方法、情報管理プログラム、駐車支援プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態)
(情報管理サーバ100の機能的構成)
この発明の実施の形態にかかる情報管理サーバ100の機能的構成について説明する。図1は、実施の形態にかかる情報管理サーバ100の機能的構成の一例を示すブロック図である。図1において、情報管理サーバ100は、設定部101と、受信部102と、判断部103と、送信部104と、選別部105と、記録部106と、作成部107と、抽出部108とを備えている。
【0015】
設定部101には、駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)と、運転者の車庫入れ技能のランクとが対応付けられて設定される。駐車スペースは、移動体が1台駐車できる領域であり、たとえば、白線などで仕切られた領域である。駐車開始の位置は、たとえば、駐車スペースの近傍の所定の位置であり、移動体に搭載されるナビゲーション装置により検出される。
【0016】
駐車開始のタイミングは、たとえば、予め設定される駐車開始の位置を検出したときとしてもよいし、操作ボタンを用いた運転者からの操作入力により駐車開始が選択されたときでもよいし、ギアの位置がバックギアに位置したことを検知したときとしてもよいし、移動体が後進したことを検知したときでもよい。
【0017】
また、駐車完了の位置は、駐車スペース内に収まったときであり、移動体により検出される。この駐車完了は、たとえば、予め設定される駐車完了の位置を検出したときとしてもよいし、操作ボタンを用いた運転者からの操作入力により駐車完了が選択されたときでもよいし、パーキングブレーキが掛かったときやギアの位置がパーキングギアに位置したことを検知したときとしてもよい。
【0018】
走行軌跡情報は、移動体が走行した軌跡の情報のほか、後述するように、車庫入れ時におけるステアリングの操舵角の情報や、車庫入れ時における移動体の移動距離の情報や、移動体の車庫入れに要した時間などを含んでもよい。また、走行軌跡情報には、駐車完了時における駐車スペース内での位置の情報、具体的には、駐車スペースの中央に駐車したか、右寄り又は左寄りに駐車したかといった情報を含んでもよい。
【0019】
運転者の車庫入れ技能は、具体的には、車庫入れが上手いか下手かといったことである。ランクは、運転技能が上手いか下手かの2段階のランクとしてもよいし、より詳細に表した多段階のランクとしてもよい。
【0020】
設定部101に設定される走行軌跡情報とランクについて、具体例を挙げて補足しておくと、たとえば、走行軌跡情報としての車庫入れに要する時間と当該時間に対応するランクとが設定されている場合、車庫入れに要する時間が短いほど、ランクが高く設定される。 受信部102は、走行軌跡情報を移動体から受信する。移動体から受信するタイミングは、任意であり、たとえば、移動体が駐車を完了したときに受信する。
【0021】
判断部103は、受信部102によって受信された走行軌跡情報に基づいて、設定部101に設定されるランクを判断する。具体例を挙げて説明すると、たとえば、設定部101に車庫入れに要する時間と当該時間に対応するランクとが設定されているものとした場合に、受信部102が車庫入れに要した時間(たとえば、短い時間)を含む走行軌跡情報を受信したとする。このとき、判断部103は、受信部102が受信した時間を、設定部101に設定される時間に当てはめ、当該時間に対応するランク(たとえば、高いランク)を判断する。送信部104は、判断部103によって判断されたランクを移動体に送信する。
【0022】
また、本実施の形態において、選別部105は、任意の構成要素である。選別部105は、判断部103に具備され、受信部102によって受信された走行軌跡情報を駐車方式ごとに選別する。この場合、設定部101には、駐車方式ごとのランクと、走行軌跡情報とが設定される。判断部103は、選別部105によって選別された駐車方式ごとの走行軌跡情報に基づいて、設定部101に設定される駐車方式ごとのランクを判断する。
【0023】
駐車方式は、具体的には、バック駐車または縦列駐車といった駐車の形態や、移動体の種別のほか、駐車場ごとに設定されるものが挙げられる。したがって、設定部101には、これら駐車方式ごとのランクと走行軌跡情報とが記録され、たとえば、バック駐車ごとのランク、縦列駐車ごとのランク、種別ごとのランク、駐車場ごとのランクが設定される。なお、種別は、普通乗用車、軽自動車、大型自動車などに分類されていればよく、車種名まで分類される必要はない。
【0024】
本構成は、駐車方式ごとにランクを判断するようにしたものであり、たとえば、車庫入れに要した時間が同じであっても、バック駐車と縦列駐車とでは難易度が異なるため、同じランクとして扱わないようにすることを可能にしたものである。
【0025】
また、本実施の形態において、記録部106と、作成部107は、任意の構成要素である。記録部106は、判断部103によって判断された複数の運転者のランクを記録する。作成部107は、記録部106に記録される複数の運転者のランクを用いて、ランク一覧を作成する。この場合、送信部104は、作成部107によって作成されたランク一覧を移動体に送信する。ランク一覧は、ランクと運転者を、ランクの高いものから順に並べたものである。本構成は、ランク一覧を作成し、移動体に送信することにより、運転者が、たとえば、自らのランクと他の運転者のランクとを比較することを可能にしたものである。
【0026】
また、本実施の形態において、抽出部108は、任意の構成要素である。この場合、記録部106は、複数の運転者のランクと、当該ランクに対応する運転者の走行軌跡情報とを記録してもよい。抽出部108は、記録部106に記録されるランクのうち、ランクの高い運転者の走行軌跡情報を抽出する。また、送信部104は、抽出部108によって抽出されたランクの高い運転者の走行軌跡情報を、配信要求をおこなった移動体に送信する。
【0027】
本構成は、ランクの高い運転者の走行軌跡情報を送信するようにしたものであり、運転者が当該走行軌跡情報を参考にして、車庫入れをおこなうことを可能にしたものである。なお、抽出部108を備えない構成の場合においては、運転者からの選択に基づいて、運転者が選択した運転者の走行軌跡情報を送信すればよい。
【0028】
また、本実施の形態において、走行軌跡情報は、車庫入れ時におけるステアリングの操舵角の情報を含み、設定部101は、ステアリングの操舵角とランクとが設定されたものでもよい。この場合、判断部103は、受信部102によって受信された走行軌跡情報に含まれる操舵角に基づいて、設定部101に設定されるランクを判断すればよい。
【0029】
ステアリングの操舵角は、具体的には、運転者が回したハンドルの変化量(安定性)である。この操舵角の変化量は、時間に対する操舵角の変化量であってもよいが、代表的には、移動体の移動距離に対する操舵角の変化量が挙げられる。設定部101には、この変化量が安定しているほど、高いランクが設定される。具体的には、変化量は、たとえば、移動体の移動距離と操舵角との関係のグラフから得ることができ、移動距離に対して操舵角が一定となる割合が多いほど安定している。
【0030】
また、本実施の形態において、走行軌跡情報は、移動体の車庫入れに要した時間を含み、設定部101は、移動体の車庫入れに要する時間とランクとが設定されたものでもよい。この場合、判断部103は、受信部102によって受信された走行軌跡情報に含まれる移動体の車庫入れに要した時間に基づいて、設定部101に設定されるランクを判断すればよい。具体的には、設定部101には、車庫入れに要した時間が短いほど、高いランクが設定される。
【0031】
また、本実施の形態において、走行軌跡情報は、車庫入れ時における移動体の移動距離の情報を含み、設定部101は、車庫入れ時における移動体の移動距離とランクとが設定されたものでもよい。この場合、判断部103は、受信部102によって受信された走行軌跡情報に含まれる移動体の移動距離に基づいて、設定部101に設定されるランクを判断すればよい。移動体の移動距離は、車庫入れに際して移動した移動体の距離である。具体的には、設定部101には、この移動距離が短いほど、高いランクが設定される。
【0032】
(駐車支援装置200の機能的構成)
この発明の実施の形態にかかる駐車支援装置200の機能的構成について説明する。図2は、実施の形態にかかる駐車支援装置200の機能的構成の一例を示すブロック図である。図2において、駐車支援装置200は、要求部201と、受信部202と、通知部203と、状態検出部204と、比較検出部205と、算出部206と、検知部207と、軌跡検出部208と、送信部209と、認定部210と、を備えている。
【0033】
要求部201は、走行軌跡情報を管理する情報管理サーバ100に対して、運転者の車庫入れ技能のランクの送信要求をおこなう。要求部201は、移動体が駐車スペースの近傍に位置したときに、情報管理サーバ100に対して送信要求をおこなってもよいし、操作ボタンを用いた運転者からの操作入力に基づいて、送信要求をおこなってもよい。送信要求は、送信部209を介しておこなわれる。また、送信要求には、たとえば、上述した駐車方式を含むようにし、要求部201は、たとえば、バック駐車のランクについて送信要求をおこなう。
【0034】
受信部202は、要求部201による送信要求に応じたランクを情報管理サーバ100から受信する。具体的には、たとえば、受信部202は、バック駐車のランクを情報管理サーバ100から受信する。
【0035】
通知部203は、受信部202によって受信されたランクを通知する。通知部203による通知は、音声による通知、表示画面による通知、両者を併用した通知が挙げられる。
【0036】
本実施の形態において、要求部201は、情報管理サーバ100に対して、他の運転者の走行軌跡情報の送信要求をおこなってもよい。この場合、受信部202は、要求部201による配信要求に応じた走行軌跡情報を受信する。また、通知部203は、受信部202が受信した走行軌跡情報を通知する。
【0037】
走行軌跡情報は、上述したように、移動体が走行した軌跡の情報のほか、車庫入れ時におけるステアリングの操舵角の情報や、車庫入れ時における移動体の移動距離の情報や、移動体の車庫入れに要した時間などである。送信要求をおこなう走行軌跡情報は、たとえば、情報管理サーバ100によって抽出されたランクの高い運転者の走行軌跡情報であってもよいし、運転者からの選択に基づく自身の走行軌跡情報であってもよい。本構成は、たとえば、ランクの高い運転者の走行軌跡情報を送信するようにしたものであり、運転者が当該走行軌跡情報を参考にして、車庫入れをおこなうことを可能にしたものである。
【0038】
また、本実施の形態において、状態検出部204と、比較検出部205とは、任意の構成要素である。状態検出部204は、駐車スペースにおける移動体の車庫入れ動作にともなう現在の状態を検出する。比較検出部205は、状態検出部204によって検出される移動体の現在の状態と、受信部202によって受信された走行軌跡情報とを比較して、隔たりを検出する。この場合、通知部203は、比較検出部205によって検出される隔たりを通知する。
【0039】
状態検出部204によって検出される現在の状態は、具体的には、たとえば、駐車スペースに対する移動体の位置や角度、移動体の速度などが挙げられる。比較検出部205は、具体的には、状態検出部204によって検出された、駐車スペースに対する移動体の位置や角度、移動体の速度と、受信部202によって受信された走行軌跡情報とを比較して、隔たり(ズレ)を検出する。本構成は、たとえば、ランクの高い運転者の走行軌跡情報と、移動体の現在の状態とを比較できるようにしたものである。
【0040】
また、本実施の形態において、算出部206は、任意の構成要素である。算出部206は、比較検出部205によって隔たりが検出された場合、移動体の現在の状態を、受信部202によって受信された走行軌跡に修正するための移動量を算出する。この場合、通知部203は、算出部206によって算出された移動量を通知する。本構成は、具体的には、ランクの高い運転者の走行軌跡を基準にして、移動体の現在の状態を修正させるための通知をおこなうことを可能にしたものである。
【0041】
また、本実施の形態において、検知部207と、軌跡検出部208とは、任意の構成要素である。検知部207は、駐車スペースを検知する。軌跡検出部208は、検知部207によって検知された駐車スペースにおける移動体の走行軌跡情報を検出する。この場合、送信部209は、軌跡検出部208によって検出された走行軌跡情報を、情報管理サーバ100に送信する。
【0042】
検知部207による駐車スペースの検知は、たとえば、駐車場内の位置情報や、リンクやノードの情報、緯度経度情報、移動体に搭載されるカメラなどを基に駐車スペースの位置を検知すればよい。軌跡検出部208による走行軌跡情報の検出の開始のタイミングは、駐車開始のタイミングである。たとえば、予め設定される駐車開始の位置を検出したときとしてもよいし、操作ボタンを用いた運転者からの操作入力により駐車開始が選択されたときでもよいし、ギアの位置がバックギアに位置したことを検知したときとしてもよいし、移動体が後進したことを検知したときでもよい。
【0043】
また、軌跡検出部208による走行軌跡情報の検出の完了のタイミングは、たとえば、予め設定される駐車完了の位置を検出したときとしてもよいし、操作ボタンを用いた運転者からの操作入力により駐車完了が選択されたときでもよいし、パーキングブレーキが掛かったときやギアの位置がパーキングギアに位置したことを検知したときとしてもよい。
【0044】
なお、走行軌跡情報には、上述したように、バック駐車や縦列駐車といった情報、種別の情報、駐車場の情報などの、駐車方式の情報を含めてもよい。本構成は、移動体の走行軌跡情報の具体的な検出を示したものである。
【0045】
(情報管理サーバ100の情報管理処理手順)
つぎに、図3を用いて、情報管理サーバ100の情報管理処理手順について説明する。図3は、本実施の形態にかかる情報管理サーバ100の情報管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0046】
図3のフローチャートにおいて、情報管理サーバ100は、予め、駐車スペースにおける、走行軌跡情報と、運転者の車庫入れ技能のランクとが対応付けられて設定されている。情報管理サーバ100は、まず、走行軌跡情報を移動体から受信したか否かを判断する(ステップS301)。ステップS301において、走行軌跡情報を移動体から受信するまで待機状態にあり(ステップS301:Noのループ)、走行軌跡情報を移動体から受信すると(ステップS301:Yes)、受信した走行軌跡情報に基づいて、予め設定されるランクを判断する(ステップS302)。そして、判断したランクを移動体に送信し(ステップS303)、一連の処理を終了する。
【0047】
(駐車支援装置200の駐車支援処理手順)
つぎに、図4を用いて、駐車支援装置200の駐車支援処理手順について説明する。図4は、本実施の形態にかかる駐車支援装置200の駐車支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0048】
図4のフローチャートにおいて、駐車支援装置200は、情報管理サーバ100に対して、運転者の車庫入れ技能のランクの送信要求をおこなう(ステップS401)。このあと、情報管理サーバから送信要求に応じたランクを受信したか否かを判断する(ステップS402)。ステップS402において、情報管理サーバから送信要求に応じたランクを受信するまで待機状態にあり(ステップS402:Noのループ)、情報管理サーバから送信要求に応じたランクを受信すると(ステップS402:Yes)、受信したランクを通知し(ステップS403)、一連の処理を終了する。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態にかかる情報管理サーバ100は、受信した走行軌跡情報に基づいて、予め設定されるランクを判断し、判断したランクを移動体に送信するようにした。また、本実施の形態にかかる駐車支援装置200は、情報管理サーバ100から送信要求に応じたランクを受信し、受信したランクを通知するようにした。したがって、運転者は、自らの駐車がどの程度のランクにあるのか、つまり、車庫入れ技能を認識することができる。
【0050】
また、駐車支援装置200により、情報管理サーバ100から送信されたランクの高い運転者の走行軌跡情報を通知するようにすれば、車庫入れ技能の低い運転者であっても、簡単に、当該走行軌跡情報を参考にして、車庫入れをおこなうことができる。
【0051】
また、ランク一覧を作成するようにすれば、運転技量の高い運転者は、他の運転者と車庫入れ技能を比較することができることによって、よりランクの高い車庫入れをおこなうことに努め、情報管理サーバ100には、より運転技能の高い運転者の走行軌跡情報が記録されることになる。したがって、運転技能の低い運転者であっても、最適な走行軌跡情報を基準にして、より簡単に、車庫入れをおこなうことができる。
【実施例】
【0052】
以下に、本発明の実施例について説明する。本実施例では、情報管理サーバとナビゲーション装置とを備えた駐車支援システムについて、説明する。なお、以下の説明では、車両に搭載されるナビゲーション装置によって、本発明の駐車支援装置を実施した場合の一例について説明する。
【0053】
(システムの概要)
まず、図5を用いて、本実施例にかかる駐車支援システムの概要について説明する。図5は、本実施例にかかる駐車支援システムの概要を示す説明図である。
【0054】
図5において、駐車支援システム500は、情報管理サーバ501と、ナビゲーション装置502とから構成されている。情報管理サーバ501と、ナビゲーション装置502とは、ネットワーク510により通信接続される。
【0055】
ナビゲーション装置502は、移動体などの車両に搭載されており、駐車スペースにおける移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)を検出し、情報管理サーバ501に送信する。
【0056】
情報管理サーバ501は、ナビゲーション装置502から受信した走行軌跡情報を管理し、具体的には、走行軌跡情報に基づいて、運転者ごとにランクを付与するとともに、ランク一覧を作成し、移動体に対して、ランク、ランク一覧、走行軌跡情報などを車両に送信する。ナビゲーション装置502では、受信したランク、ランク一覧、走行軌跡情報などを運転者に通知する。
【0057】
(情報管理サーバ501のハードウェア構成)
図6を用いて、本実施例にかかる情報管理サーバ501のハードウェア構成について説明する。図6は、本実施例にかかる情報管理サーバ501のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0058】
図6において、情報管理サーバ501は、CPU601と、ROM602と、RAM603と、磁気ディスクドライブ604と、磁気ディスク605と、光ディスクドライブ606と、光ディスク607と、音声I/F(インターフェース)608と、スピーカ609と、入力デバイス610と、映像I/F611と、ディスプレイ612と、通信I/F613と、を備えている。また、各構成部601〜613はバス620によってそれぞれ接続されている。
【0059】
CPU601は、情報管理サーバ501の全体の制御を司る。ROM602は、ブートプログラム、通信プログラム、情報管理プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用される。
【0060】
磁気ディスクドライブ604は、CPU601の制御にしたがって磁気ディスク605に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク605は、磁気ディスクドライブ604の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク605としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0061】
光ディスクドライブ606は、CPU601の制御にしたがって光ディスク607に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク607は、光ディスクドライブ606の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク607は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク607のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0062】
音声I/F608は、音声出力用のスピーカ609に接続される。スピーカ609は、音声を出力する。入力デバイス610は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス610は、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルのうち、いずれか一つの形態によって実現されてもよいし、複数の形態によって実現されてもよい。
【0063】
映像I/F611は、ディスプレイ612と接続される。映像I/F611は、具体的には、たとえば、ディスプレイ612全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ612を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0064】
ディスプレイ612には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ612は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。
【0065】
通信I/F613は、無線を介してネットワークに接続され、情報管理サーバ501とCPU601とのインターフェースとして機能する。通信I/F613は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU601とのインターフェースとしても機能する。
【0066】
図1に示した情報管理サーバ100が備える、設定部101と、受信部102と、判断部103と、送信部104と、選別部105と、記録部106と、作成部107と、抽出部108とは、図6に示した情報管理サーバ501におけるROM602、RAM603、磁気ディスク605、光ディスク607などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU601が所定のプログラムを実行し、情報管理サーバ501における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0067】
すなわち、本実施例の情報管理サーバ501は、情報管理サーバ501における記録媒体としてのROM602に記録されている情報管理プログラムを実行することにより、図1に示した情報管理サーバ100が備える機能を、図3に示した情報管理処理手順で実行することができる。
【0068】
(情報管理サーバ501に設定される情報の一例)
図7を用いて、本実施例にかかる情報管理サーバ501に設定される情報の一例について説明する。図7は、本実施例にかかる情報管理サーバ501に設定される情報の一例を示す説明図である。
【0069】
図7において、設定情報700は、駐車スペースにおける、走行軌跡情報としての車庫入れに要した時間と、運転者の車庫入れ技能のランクとを対応付けて設定したものである。駐車に要した時間が、60秒以上であればランクが「1」に、30〜60秒であればランクが「2」に、30秒以下であればランクが「3」に設定されている。つまり、車庫入れに要した時間が短いほど、高いランクとなっている。なお、この設定情報700は、一例に過ぎず、たとえば、1秒間隔でランクを設定してもよいし、ランクの数についても3に限らず、いかなる数に設定してもよい。
【0070】
このような設定情報700は、バック駐車または縦列駐車ごと、普通自動車や軽自動車といった種別ごと、そして、駐車場ごとに、設定されたものでもよい。また、設定情報700には、走行軌跡情報として、駐車に要した時間を示した、このほかにも、車庫入れ時におけるステアリングの操舵角や、車庫入れ時における車両の移動距離についても、同様にランクと対応付けて設定されている。
【0071】
なお、ステアリングの操舵角と、ランクとを対応付けさせる場合、移動距離に対するステアリングの操舵角が安定しているほど、高いランクとして設定しておけばよい。また、移動距離とランクとを対応付けさせる場合、移動距離が短いほど、高いランクとして設定しておけばよい。
【0072】
また、走行軌跡情報に、駐車完了時における駐車スペース内での位置の情報、具体的には、駐車スペースの中央に駐車したか、右寄り又は左寄りに駐車したかといった情報を含ませるとともに、設定情報700に、駐車スペース内での位置とランクとを対応付けさせたものを用いてもよい。また、たとえば、右ハンドルの車両においては、右寄りに駐車した場合に、ランクを低く設定してもよいし、同様に、左ハンドルの車両においては、左寄りに駐車した場合に、ランクを低く設定してもよい。
【0073】
(ナビゲーション装置502のハードウェア構成)
図8を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置502のハードウェア構成について説明する。図8は、本実施例にかかるナビゲーション装置502のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図8において、ナビゲーション装置502は、車両などの移動体に搭載されており、CPU801と、ROM802と、RAM803と、磁気ディスクドライブ804と、磁気ディスク805と、光ディスクドライブ806と、光ディスク807と、音声I/F(インターフェース)808と、マイク809と、スピーカ810と、入力デバイス811と、映像I/F812と、ディスプレイ813と、通信I/F814と、GPSユニット815と、各種センサ816と、カメラ817とを備えている。また、各構成部801〜817はバス820によってそれぞれ接続されている。
【0074】
CPU801は、ナビゲーション装置502の全体の制御を司る。ROM802は、ブートプログラム、現在地点算出プログラム、経路探索プログラム、経路誘導プログラム、駐車支援プログラムなどの各種プログラムを記録している。また、RAM803は、CPU801のワークエリアとして使用される。
【0075】
現在地点算出プログラムは、たとえば、後述するGPSユニット815および各種センサ816の出力情報に基づいて、車両の現在地点(ナビゲーション装置502の現在地点)を算出させる。
【0076】
経路探索プログラムは、後述する磁気ディスク805に記録されている地図データなどを利用して、出発地点から目的地点までの最適な経路を探索させる。ここで、最適な経路とは、目的地点までの最短(または最速)経路やユーザが指定した条件に最も合致する経路などである。探索された誘導経路は、CPU801を介して音声I/F808や映像I/F812へ出力される。
【0077】
経路誘導プログラムは、経路探索プログラムを実行することによって探索された誘導経路情報、現在地点算出プログラムを実行することによって算出された車両の現在地点情報、磁気ディスク805から読み出された地図データに基づいて、リアルタイムな経路誘導情報を生成させる。生成された経路誘導情報は、CPU801を介して音声I/F808や映像I/F812へ出力される。
【0078】
駐車支援プログラムは、情報管理サーバ501に対して、運転者の車庫入れ技能のランクの送信要求をおこなうとともに、送信要求に応じたランクを情報管理サーバ501から受信し、受信したランクを通知させる。また、駐車支援プログラムは、たとえば、駐車スペースにおける車両の車庫入れ動作にともなう現在の状態と、情報管理サーバ501から受信した走行軌跡情報とを比較して、隔たりを検出するとともに、車両の現在の状態を、情報管理サーバ501から受信した走行軌跡に近付けるための駐車支援情報を生成させる。生成された駐車支援情報は、CPU801を介して音声I/F808や映像I/F812へ出力される。
【0079】
磁気ディスクドライブ804は、CPU801の制御にしたがって磁気ディスク805に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク805は、磁気ディスクドライブ804の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク805としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0080】
光ディスクドライブ806は、CPU801の制御にしたがって光ディスク807に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク807は、光ディスクドライブ806の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク807は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱自在な記録媒体として、光ディスク807のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0081】
音声I/F808は、音声入力用のマイク809および音声出力用のスピーカ810に接続される。マイク809は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。マイク809に受音された音声は、音声I/F808内でA/D変換される。マイク809から入力された音声は、利用者ごとの音声情報として、適宜、磁気ディスク805または光ディスク807に記録される。スピーカ810からは、音声が出力される。
【0082】
入力デバイス811は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス811は、リモコン、キーボード、マウス、タッチパネルのうち、いずれか一つの形態によって実現されてもよいし、複数の形態によって実現されてもよい。
【0083】
映像I/F812は、ディスプレイ813と接続される。映像I/F812は、具体的には、たとえば、ディスプレイ813全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ813を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0084】
ディスプレイ813には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ813には、地図データが2次元または3次元に描画される。ディスプレイ813に表示された地図データには、ナビゲーション装置502を搭載した車両の現在地点をあらわすマークなどを重ねて表示することができる。車両の現在地点は、CPU801によって算出される。
【0085】
このディスプレイ813は、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。ディスプレイ813は、たとえば、車両のダッシュボード付近に設置される。ディスプレイ813は、車両のダッシュボード付近のほか、車両の後部座席周辺などに設置するなどして、車両内に複数設置してもよい。
【0086】
通信I/F814は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置502とCPU801とのインターフェースとして機能する。通信I/F814は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU801とのインターフェースとしても機能する。
【0087】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F814は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0088】
また、通信I/F814は、たとえば、DSRC(Dedicated Short Range Communication)を用いた場合は、路側に設置された無線装置と双方向の無線通信をおこなう車載無線装置によって構成され、交通情報や地図情報などの各種情報を取得する。なお、DSRCの具体例としては、ETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)が挙げられる。
【0089】
GPSユニット815は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在地点を示す情報を出力する。GPSユニット815の出力情報は、後述する各種センサ816の出力値とともに、CPU801による車両の現在地点の算出に際して利用される。現在地点を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0090】
各種センサ816は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や挙動を判断することが可能な情報を出力する。各種センサ816の出力値は、CPU801による車両の現在地点の算出や、速度や方位の変化量の測定などに用いられる。
【0091】
カメラ817は、移動体外部の状況を撮影する。具体的には、車両が駐車スペースに駐車した際に、駐車スペース内における位置、具体的には、駐車スペース内の中央、右寄り、左寄りといった位置を撮影する。撮影する映像は、動画であってもよいし、静止画であってもよい。また、カメラ817によって撮影された映像は、映像I/F812を介して磁気ディスク805や光ディスク807などの記録媒体に出力される。
【0092】
図2に示した駐車支援装置200が備える、要求部201と、受信部202と、通知部203と、状態検出部204と、比較検出部205と、算出部206と、検知部207と、軌跡検出部208と、送信部209と、認定部210と、は、図8に示したナビゲーション装置502におけるROM802、RAM803、磁気ディスク805、光ディスク807などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU801が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置502における各部を制御することによってその機能を実現する。
【0093】
すなわち、本実施例のナビゲーション装置502は、ナビゲーション装置502における記録媒体としてのROM802に記録されている駐車支援プログラムを実行することにより、図2に示した駐車支援装置200が備える機能を、図4に示した駐車支援処理手順で実行することができる。
【0094】
(ナビゲーション装置502がおこなう情報送信処理の一例)
つぎに、図9を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置502がおこなう情報送信処理の一例について説明する。図9は、本実施例にかかるナビゲーション装置502がおこなう情報送信処理の一例を示すフローチャートである。図9においては、バック駐車の場合について、説明する。
【0095】
図9において、ナビゲーション装置502は、たとえば、車両が駐車スペースの近傍に位置し、「駐車開始」ボタンが押下されたか否かを判断する(ステップS901)。ステップS901において、「駐車開始」ボタンが押下されるまで待機状態にあり(ステップS901:Noのループ)、「駐車開始」ボタンが押下されると(ステップS901:Yes)、車両が後進したか否かを判断する(ステップS902)。
【0096】
ステップS902において、車両が後進するまで待機状態にあり(ステップS902:Noのループ)、車両が後進したと判断すると(ステップS902)、後進してからの時間を計測する(ステップS903)。そして、ステアリングの操舵角を検出する(ステップS904)。さらに、車両の移動距離を検出する(ステップS905)。そして、計測した時間、操舵角、移動距離を走行軌跡情報として記憶する(ステップS906)。
【0097】
このあと、駐車が完了するまで(ステップS907:No)、ステップS903に移行する。ステップS907において、駐車が完了したと判断すると(ステップS907:Yes)、「駐車完了」ボタンが押下されるまで待機する(ステップS908:Noのループ)。ステップS908において、「駐車完了」ボタンが押下されると(ステップS908:Yes)、記憶している走行軌跡情報を情報管理サーバ501に送信し(ステップS909)、一連の処理を終了する。
【0098】
上述した説明において、走行軌跡情報は、計測した時間、操舵角、移動距離としたが、少なくともこれらのうち一つが含まれていればよい。また、走行軌跡情報に、駐車方式の情報を含ませてもよく、具体的には、バック駐車または縦列駐車の情報、普通自動車や軽自動車といった種別の情報、駐車場の情報を含ませてもよい。また、走行軌跡情報には、駐車完了時における駐車スペース内での位置の情報、具体的には、駐車スペースの中央に駐車したか、右寄り又は左寄りに駐車したかといった情報を含んでもよい。
【0099】
上述した処理により、走行軌跡情報を検出できるとともに、当該走行軌跡情報を情報管理サーバ501に送信することができる。送信された走行軌跡情報は、以下の、図10〜図12に示す情報管理サーバ501による記録処理により、ランクと対応付けられて記録される。
【0100】
(情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例)
つぎに、図10を用いて、本実施例にかかる情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例について説明する。図10は、本実施例にかかる情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例を示すフローチャートである。図10においては、走行軌跡情報に、車庫入れに要した時間(所要時間)が含まれ、当該所要時間に基づいたランクを記録する場合の処理について説明する。
【0101】
図10において、情報管理サーバ501は、まず、車庫入れ時の所要時間を含む走行軌跡情報を受信したか否かを判断する(ステップS1001)。ステップS1001において、車庫入れ時の所要時間を含む走行軌跡情報を受信するまで待機状態にあり(ステップS1001:Noのループ)、所要時間を含む走行軌跡情報を受信すると(ステップS1001:Yes)、所要時間に基づいて、ランクを判断する(ステップS1002)。なお、ステップS1002におけるランクの判断は、たとえば、図7に示した設定情報700に基づいておこなわれ、所要時間が短いほど高いランクとして判断される。
【0102】
そして、判断したランクを記録するとともに(ステップS1003)、車両にランクを送信し(ステップS1004)、一連の処理を終了する。なお、詳細については図13を用いて後述するが、ステップS1002にて判断したランクを、他の運転者のランクと比較し、所要時間に基づくランク一覧を作成するようにしてもよい。
【0103】
(情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例)
つぎに、図11を用いて、本実施例にかかる情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例について説明する。図11は、本実施例にかかる情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例を示すフローチャートである。図11においては、走行軌跡情報に、操舵角の変化量を含む情報が含まれ、当該操舵角の変化量に基づいたランクを記録する場合の処理について説明する。
【0104】
図11において、情報管理サーバ501は、まず、操舵角の変化量を含む走行軌跡情報を受信したか否かを判断する(ステップS1101)。操舵角の変化量を含む走行軌跡情報を受信するまで待機状態にあり(ステップS1101:Noのループ)、操舵角の変化量を含む走行軌跡情報を受信すると(ステップS1101:Yes)、操舵角の変化量に基づいて、ランクを判断する(ステップS1102)。なお、ステップS1102におけるランクの判断は、図16および図17を用いて後述するが、操舵角の変化量に基づいて、操舵角が安定しているほど高いランクとして判断される。
【0105】
そして、判断したランクを記録するとともに(ステップS1103)、車両にランクを送信し(ステップS1004)、一連の処理を終了する。なお、詳細については図13を用いて後述するが、ステップS1102にて判断したランクを、他の運転者のランクと比較し、操舵角の変化量に基づくランク一覧を作成するようにしてもよい。
【0106】
(情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例)
つぎに、図12を用いて、本実施例にかかる情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例について説明する。図12は、本実施例にかかる情報管理サーバ501がおこなう情報記録処理の一例を示すフローチャートである。図12においては、走行軌跡情報に、移動距離を含む情報が含まれ、当該移動距離に基づいたランクを記録する場合の処理について説明する。
【0107】
図12において、情報管理サーバ501は、まず、移動距離を含む走行軌跡情報を受信したか否かを判断する(ステップS1201)。ステップS1201において、移動距離を含む走行軌跡情報を受信するまで待機状態にあり(ステップS1201:Noのループ)、移動距離を含む走行軌跡情報を受信すると(ステップS1201:Yes)、移動距離に基づいて、ランクを判断する(ステップS1202)。なお、ステップS1202におけるランクの判断は、移動距離が短いほど高いランクとして判断される。
【0108】
そして、判断したランクを記録するとともに(ステップS1203)、車両にランクを送信し(ステップS1204)、一連の処理を終了する。なお、詳細については図13を用いて後述するが、ステップS1202にて判断したランクを、他の運転者のランクと比較し、移動距離に基づくランク一覧を作成するようにしてもよい。
【0109】
(情報管理サーバ501がおこなう情報送信処理の一例)
つぎに、図13を用いて、本実施例にかかる情報管理サーバ501がおこなう情報送信処理の一例について説明する。図13は、本実施例にかかる情報管理サーバ501がおこなう情報送信処理の一例を示すフローチャートである。図13においては、走行軌跡情報に、所要時間、操舵角の変化量、移動距離を含む情報が含まれ、当該走行軌跡情報に基づいたランク一覧を記録し、記録したランク一覧を送信する場合の処理について説明する。
【0110】
図13において、情報管理サーバ501は、まず、走行軌跡情報を受信したか否かを判断する(ステップS1301)。ステップS1301において、走行軌跡情報を受信するまで待機状態にある(ステップS1301:Noのループ)。なお、走行軌跡情報には、所要時間、操舵角の変化量、移動距離が含まれる。ステップS1301において、走行軌跡情報を受信すると(ステップS1301:Yes)、走行軌跡情報に含まれる所要時間に基づいて、ランクを判断する(ステップS1302)。なお、ステップS1302におけるランクの判断は、所要時間が短いほど高いランクとして判断される。
【0111】
そして、走行軌跡情報に含まれる操舵角の変化量に基づいて、ランクを判断する(ステップS1303)。なお、ステップS1303におけるランクの判断は、図15および図16を用いて後述するが、操舵角の変化量に基づいて、操舵角が安定しているほど高いランクとして判断される。さらに、走行軌跡情報に含まれる移動距離に基づいて、ランクを判断する(ステップS1304)。なお、ステップS1304におけるランクの判断は、移動距離が短いほど高いランクとして判断される。
【0112】
このあと、ステップS1302〜ステップS1304にて判断されたランクの平均(平均ランク)を算出する(ステップS1305)。なお、ステップS1305における平均ランクは、具体例を挙げておくと、たとえば、所要時間に基づくランクが1、操舵角の変化量に基づくランクが2、移動距離に基づくランクが3の場合には、その平均の2となる。このあと、算出した平均ランクと、記録されている他の運転者の平均ランクとを比較するとともに(ステップS1306)、平均ランク一覧を作成する(ステップS1307)。
【0113】
そして、作成した平均ランク一覧を記録する(ステップS1308)。このあと、車両から平均ランク一覧の送信要求を受信するまで待機し(ステップS1309:Noのループ)、平均ランク一覧の送信要求を受信すると(ステップS1309:Yes)、送信要求をおこなった車両に対して、平均ランク一覧を送信する(ステップS1310)。
【0114】
このあと、車両から指定のランキング者の走行軌跡情報の送信要求を受信するまで待機し(ステップS1311:Noのループ)、指定のランキング者の走行軌跡情報の送信要求を受信すると(ステップS1311:Yes)、送信要求をおこなった車両に対して、指定のランキング者の走行軌跡情報を送信し(ステップS1312)、一連の処理を終了する。
【0115】
(ナビゲーション装置502がおこなう駐車支援処理の一例)
つぎに、図14を用いて、本実施例にかかるナビゲーション装置502がおこなう駐車支援処理の一例について説明する。図14は、本実施例にかかるナビゲーション装置502がおこなう駐車支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0116】
図14において、ナビゲーション装置502は、まず、情報管理サーバ501に接続したか否かを判断する(ステップS1401)。ステップS1401において、情報管理サーバ501に接続するまで待機状態にあり(ステップS1401:Noのループ)、情報管理サーバ501に接続すると(ステップS1401:Yes)、情報管理サーバ501にランク一覧の送信要求をおこなう(ステップS1402)。そして、情報管理サーバ501からランク一覧をダウンロードし(ステップS1403)、ランク一覧を表示する(ステップS1404)。なお、ステップS1404において表示されるランク一覧の具体例については、図17を用いて後述する。
【0117】
このあと、表示されたランク一覧を基に、運転者から、特定のランキング者がダウンロード対象として指定されるまで待機し(ステップS1405:Noのループ)、特定のランキング者がダウンロード対象として指定されると(ステップS1405:Yes)、指定したランキング者の走行軌跡情報をダウンロードする(ステップS1406)。なお、ステップS1405の処理をおこなわずに、ステップS1406において、情報管理サーバ501にて抽出されて送信されるランキングの高い運転者の走行軌跡情報をダウンロードするようにしてもよい。
【0118】
さらに、このあと、「駐車開始」ボタンが押下されるまで待機し(ステップS1407:Noのループ)、「駐車開始」ボタンが押下されると(ステップS1407:Yes)、車庫入れ動作にともなう車両の移動状態を検出する(ステップS1408)。そして、検出した車両の移動状態と、ダウンロードした走行軌跡とを比較して、ズレを検出する(ステップS1409)。
【0119】
このあと、現在の状態を走行軌跡に近付けるための通知をおこなう(ステップS1410)。そして、「駐車完了」ボタンが押下されるまでステップS1408に移行し(ステップS1411:No)、「駐車完了」ボタンが押下されると(ステップS1411:Yes)、一連の処理を終了する。なお、ステップS1411にて「駐車完了」ボタンが押下されたあとに、今回検出された移動体の走行軌跡情報を、情報管理サーバ501に送信するようにしてもよい。
【0120】
(車両の駐車方式の一例)
つぎに、図15を用いて、本実施例にかかる車両の駐車方式の一例について説明する。図15は、本実施例にかかる車両の駐車方式の一例を示す説明図である。
【0121】
図15において、車両1501は、駐車開始位置1502にて停車した状態を示している。車両1501は、この駐車開始位置1502から、バックすることにより、駐車スペース1503に駐車する。符号1504は、駐車スペース1503に車両を駐車させた駐車完了位置を示している。
【0122】
駐車スペース1503は、たとえば、白線などで仕切られた領域である。この駐車スペース1503は、たとえば、駐車場内の位置情報や、リンクやノードの情報、緯度経度情報、移動体に搭載されるカメラなどを基に検知される。
【0123】
駐車開始位置1502から走行軌跡情報の検出を開始する際のタイミングは、駐車スペース1503に予め対応付けられて設定される駐車開始の位置を検出したとき、操作ボタンを用いた運転者からの操作入力により駐車開始が選択されたとき、ギアの位置がバックギアに位置したことを検知したとき、移動体が後進したことを検知したときなどが挙げられる。
【0124】
また、走行軌跡情報の検出の完了のタイミングは、予め設定される駐車完了の位置を検出したとき、操作ボタンを用いた運転者からの操作入力により駐車完了が選択されたとき、パーキングブレーキが掛かったときやギアの位置がパーキングギアに位置したことを検知したときなどが挙げられる。
【0125】
また、現在の状態を走行軌跡に近付けるための通知(駐車支援)をおこなう場合には、駐車開始位置1502から駐車完了位置1504までの間、車庫入れ動作にともなう車両の移動状態が検出されるとともに、検出した車両の移動状態と、ダウンロードしたランクの高い運転者の走行軌跡とを比較してズレが検出される。そして、現在の状態を走行軌跡に近付けるための移動量を算出し、当該移動量の通知がおこなわれる。
【0126】
(操舵角と移動距離との関係を示すグラフの一例)
つぎに、図16および図17を用いて、操舵角と移動距離との関係を示すグラフの一例について説明する。図16および図17は、操舵角と移動距離との関係を示すグラフの一例を示す説明図である。
【0127】
図16および図17において、操舵角と移動距離の関係を示すグラフ1600,1700は、縦軸に操舵角を表し、横軸に移動距離を表し、駐車開始位置から駐車完了時までの操舵角と移動距離の関係を示している。図16に示すグラフ1600は、運転技能の高い運転者のグラフの一例を示しており、移動距離に対して、操舵角が一定となる部分の割合が多くなっているグラフである。つまり、運転者が、駐車開始位置からハンドルを切り始め、一定の操舵角を保ってバックし、駐車完了間際にハンドルを元に戻した状態を示している。
【0128】
一方、図17に示すグラフは、運転技能の低い運転者のグラフの一例を示しており、移動距離に対して操舵角が一定となる部分の割合が少なくなっているグラフである。つまり、運転者が、ハンドルを何度も切り返したり、前進および後退を繰り返したりした場合の状態を示している。
【0129】
(ナビゲーション装置のディスプレイに表示されるランク一覧の一例)
つぎに、図18を用いて、ナビゲーション装置502のディスプレイ813に表示されるランク一覧の一例について説明する。図18は、ナビゲーション装置502のディスプレイ813に表示されるランク一覧の一例を示す説明図である。
【0130】
図18において、ディスプレイ813に表示される表示画面1800は、図14のステップS1404において表示され、駐車支援をおこなう際の画面である。表示画面1800には、順位1801と、ハンドルネーム1802と、所要時間1803と、舵角安定性1804と、停車位置1805と、ダウンロードボタン1806とが表示されている。
【0131】
順位1801は、情報管理サーバ501に記録されている全ての運転者の平均ランクの順位を示したものである。ハンドルネーム1802は、運転者の登録名である。所要時間1803は、車庫入れに要した時間である。舵角安定性1804は、図16を用いて説明したように、ステアリングの操舵角の安定性を示している。停車位置1805は、図15に示した駐車完了位置1504における駐車スペースの中央に停車したか、右寄りに停車したか、左寄りに停車したかを示している。
【0132】
なお、ここでの順位1801は、走行軌跡情報として、所要時間1803と舵角安定性1804とに基づく順位を示しているが、車両の移動距離を加味させた順位とするとともに、当該車両の移動距離を表示することも可能である。また、順位1801は、上述した図10〜図12に示したように、走行軌跡情報のうち、車庫入れに要した時間ごと、舵角安定性ごと、移動距離ごとに、記録したランクを元に、それぞれ別々の順位として表示するようにしてもよい。
【0133】
この表示画面1800において、たとえば、運転者がハンドルネーム1802のうち、一つ(たとえば、「メグロタロウ」)を指定し、ダウンロードボタン1806を押下すると、図14のステップS1406に示したように、指定した「メグロタロウ」の走行軌跡情報のダウンロードが開始されるようになっている。そして、ダウンロードした走行軌跡情報に基づく、駐車支援がおこなわれる。
【0134】
(ナビゲーション装置のディスプレイに表示されるランクの一例)
つぎに、図19を用いて、ナビゲーション装置502のディスプレイ813に表示されるランクの一例について説明する。図19は、ナビゲーション装置502のディスプレイ813に表示されるランクの一例を示す説明図である。
【0135】
図19において、ディスプレイ813に表示される表示画面1900は、車庫入れが完了した際に、当該車庫入れ時において判断されたランクを示している。つまり、図10〜図12において情報管理サーバ501にて判断された車庫入れ時のランクを、ナビゲーション装置502にて受信して表示した際の画面を示している。なお、図19においては、各走行軌跡情報とそれらのランクについて示しているが、情報管理サーバ501にて、たとえば、所要時間のみのランクを判断した場合には、所要時間とそのランクのみを表示すればよい。
【0136】
この表示画面1900には、車庫入れ時の所要時間、舵角安定性、移動距離についてのランク、これらランクの平均を示している。また、他の運転手と比較した順位が表示されている。このように、運転者が駐車をおこなった際に、その駐車において判断されたランクを運転者に通知することが可能になっている。
【0137】
以上説明したように、本実施例にかかる情報管理サーバ501およびナビゲーション装置502を用いた駐車支援システム500は、情報管理サーバ501が受信した走行軌跡情報に基づいて、予め設定されるランクを判断し、判断したランクをナビゲーション装置502に送信するようにした。また、ナビゲーション装置502は、情報管理サーバ501からランクを受信し、受信したランクを運転者に通知するようにした。したがって、運転者は、自らの駐車がどの程度のランクにあるのか、つまり、自らの車庫入れ技能を認識することができる。
【0138】
また、本実施例では、ランクの高い運転者の走行軌跡情報を送信するようにし、ランクの高い運転者の走行軌跡を基準にして、車両の現在の状態を修正させるための通知をおこなうようにした。したがって、運転技能の低い運転者であっても、簡単に、車庫入れをおこなうことができる。
【0139】
また、運転技量の高い運転者は、他の運転者と車庫入れ技能を比較することができることによって、よりランクの高い車庫入れをおこなうことに努め、情報管理サーバ501には、より運転技能の高い運転者の走行軌跡情報が記録されることになる。したがって、運転技能の低い運転者であっても、最適な走行軌跡情報を基準にして、より簡単に、車庫入れをおこなうことができる。
【0140】
また、本実施例では、バック駐車のみを例に挙げて説明したが、縦列駐車においても同様にランクを判断するとともに、ランク一覧を作成することも可能である。また、種別ごとや、駐車場ごとにランクを判断し、ランク一覧を作成することも可能である。このように、各駐車方式に応じたランクの判断やランク一覧を作成することにより、ランクやランク一覧を、詳細且つ確実なデータとすることができる。
【0141】
以上説明したように、本発明の情報管理サーバ、駐車支援装置、駐車支援装置を備えたナビゲーション装置、情報管理方法、駐車支援方法、情報管理プログラム、駐車支援プログラム、および記録媒体によれば、運転者は、自らの駐車がどの程度のランクにあるのか、つまり、自らの車庫入れ技能を認識することができる。また、運転技能の低い運転者であっても、簡単に、車庫入れをおこなうことが可能になる。
【0142】
なお、本実施例で説明した情報管理方法および駐車支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】実施の形態にかかる情報管理サーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態にかかる駐車支援装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態にかかる情報管理サーバの情報管理処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態にかかる駐車支援装置の駐車支援処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施例にかかる駐車支援システムの概要を示す説明図である。
【図6】本実施例にかかる情報管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図7】本実施例にかかる情報管理サーバに設定される情報の一例を示す説明図である。
【図8】本実施例にかかるナビゲーション装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図9】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなう情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図10】本実施例にかかる情報管理サーバがおこなう情報記録処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】本実施例にかかる情報管理サーバがおこなう情報記録処理の一例を示すフローチャートである。
【図12】本実施例にかかる情報管理サーバがおこなう情報記録処理の一例を示すフローチャートである。
【図13】本実施例にかかる情報管理サーバおこなう情報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】本実施例にかかるナビゲーション装置がおこなう駐車支援処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本実施例にかかる車両の駐車方式の一例を示す説明図である。
【図16】操舵角と移動距離との関係を示すグラフの一例を示す説明図である。
【図17】操舵角と移動距離との関係を示すグラフの一例を示す説明図である。
【図18】ナビゲーション装置のディスプレイに表示されるランク一覧の一例を示す説明図である。
【図19】ナビゲーション装置のディスプレイに表示されるランクの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0144】
100 情報管理サーバ
101 設定部
102 受信部
103 判断部
104 送信部
105 選別部
106 記録部
107 作成部
108 抽出部
200 駐車支援装置
201 要求部
202 受信部
203 通知部
204 状態検出部
205 比較検出部
206 算出部
207 検知部
208 軌跡検出部
209 送信部
210 認定部
500 駐車支援システム
501 情報管理サーバ
502 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)と、運転者の車庫入れ技能のランクとが対応付けられて設定される設定手段と、
前記走行軌跡情報を移動体から受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記走行軌跡情報に基づいて、前記設定手段に設定される前記ランクを判断する判断手段と、
前記判断手段によって判断された前記ランクを前記移動体に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報管理サーバ。
【請求項2】
前記設定手段には、駐車方式ごとの前記ランクと、前記走行軌跡情報とが設定され、
前記判断手段は、前記受信手段によって受信された前記走行軌跡情報を駐車方式ごとに選別する選別手段を備え、前記選別手段によって選別された駐車方式ごとの前記走行軌跡情報に基づいて、前記設定手段に設定される駐車方式ごとの前記ランクを判断することを特徴とする請求項1に記載の情報管理サーバ。
【請求項3】
前記判断手段によって判断された複数の運転者の前記ランクを記録する記録手段と、
前記記録手段に記録される複数の運転者の前記ランクを、前記ランクの高い順に表したランク一覧を作成する作成手段と、
をさらに備え、
前記送信手段は、前記作成手段によって作成された前記ランク一覧を前記移動体に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の情報管理サーバ。
【請求項4】
前記記録手段には、複数の運転者のランクと、当該ランクに対応する運転者の前記走行軌跡情報とが記録され、
前記記録手段に記録される前記ランクのうち、前記ランクの高い運転者の前記走行軌跡情報を抽出する抽出手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記抽出手段によって抽出された前記ランクの高い運転者の前記走行軌跡情報を、配信要求をおこなった移動体に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の情報管理サーバ。
【請求項5】
前記走行軌跡情報は、車庫入れ時におけるステアリングの操舵角の情報を含み、
前記設定手段には、ステアリングの操舵角と前記ランクとが設定され、
前記判断手段は、前記受信手段によって受信された前記走行軌跡情報に含まれる前記操舵角に基づいて、前記設定手段に設定される前記ランクを判断することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の情報管理サーバ。
【請求項6】
前記走行軌跡情報は、前記移動体の車庫入れに要した時間を含み、
前記設定手段には、前記移動体の車庫入れに要する時間と前記ランクとが設定され、
前記判断手段は、前記受信手段によって受信された前記走行軌跡情報に含まれる前記移動体の車庫入れに要した時間に基づいて、前記設定手段に設定される前記ランクを判断することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の情報管理サーバ。
【請求項7】
前記走行軌跡情報は、車庫入れ時における前記移動体の移動距離の情報を含み、
前記設定手段には、車庫入れ時における前記移動体の移動距離と前記ランクとが設定され、
前記判断手段は、前記受信手段によって受信された前記走行軌跡情報に含まれる前記移動体の移動距離に基づいて、前記設定手段に設定される前記ランクを判断することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の情報管理サーバ。
【請求項8】
前記駐車方式は、バック駐車、または縦列駐車であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか一つに記載の情報管理サーバ。
【請求項9】
前記駐車方式には、前記移動体の種別が含まれることを特徴とする請求項2〜8のいずれか一つに記載の情報管理サーバ。
【請求項10】
前記駐車方式は、駐車場ごとに設定されるものであることを特徴とする請求項2〜9のいずれか一つに記載の情報管理サーバ。
【請求項11】
駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)を管理する情報管理サーバに対して、運転者の車庫入れ技能のランクの送信要求をおこなう要求手段と、
前記要求手段による送信要求に応じた前記ランクを前記情報管理サーバから受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記ランクを通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする駐車支援装置。
【請求項12】
前記要求手段は、前記情報管理サーバに対して、他の運転者の前記走行軌跡情報の送信要求をおこない、
前記受信手段は、前記要求手段による配信要求に応じた前記走行軌跡情報を受信し、
前記通知手段は、前記受信手段が受信した前記走行軌跡情報を通知することを特徴とする請求項11に記載の駐車支援装置。
【請求項13】
駐車スペースにおける前記移動体の車庫入れ動作にともなう現在の状態を検出する状態検出手段と、
前記状態検出手段によって検出される前記移動体の現在の状態と、前記受信手段によって受信された前記走行軌跡情報とを比較して、隔たりを検出する比較検出手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記比較検出手段によって検出される前記隔たりを通知することを特徴とする請求項12に記載の駐車支援装置。
【請求項14】
前記比較検出手段によって前記隔たりが検出された場合、前記移動体の現在の状態を、前記受信手段によって受信された前記走行軌跡に修正させるための移動量を算出する算出手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記算出手段によって算出された前記移動量を通知することを特徴とする請求項13に記載の駐車支援装置。
【請求項15】
駐車スペースを検知する検知手段と、
前記検知手段によって検知された駐車スペースにおける当該移動体の前記走行軌跡情報を検出する軌跡検出手段と、
前記軌跡検出手段によって検出された前記走行軌跡情報を、前記情報管理サーバに送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする駐車支援装置。
【請求項16】
請求項11〜15のいずれか一つに記載の駐車支援装置を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項17】
駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)を移動体から受信する受信工程と、
運転者の車庫入れ技能のランクと、前記走行軌跡情報とが駐車方式ごとに設定される設定工程と、
前記受信工程にて受信された前記走行軌跡情報に基づいて、前記設定工程にて設定される前記ランクを判断する判断工程と、
前記判断工程にて判断された前記ランクを前記移動体に送信する送信工程と、
を含むことを特徴とする情報管理方法。
【請求項18】
駐車スペースにおける、移動体の駐車開始から駐車完了までの入庫時の走行軌跡に関する情報(以下、「走行軌跡情報」という)を管理する情報管理サーバに対して、運転者の車庫入れ技能のランクの送信要求をおこなう要求工程と、
前記要求工程による送信要求に応じた前記ランクを前記情報管理サーバから受信する受信工程と、
前記受信工程にて受信された前記ランクを通知する通知工程と、
を含むことを特徴とする駐車支援方法。
【請求項19】
請求項17に記載の情報管理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする情報管理プログラム。
【請求項20】
請求項18に記載の駐車支援方法をコンピュータに実行させることを特徴とする駐車支援プログラム。
【請求項21】
請求項19または20に記載のプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−90927(P2009−90927A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265802(P2007−265802)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】