成膜方法及び電子デバイスの製造方法
【課題】 結晶構造が体心立方格子構造の金属、または、ルテニウムを確実且つ容易にエッチバック可能とした成膜方法及び電子デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】成膜後に少なくともその一部がエッチングされる金属膜の成膜方法であって、
結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムを含有するガスと水素ガスとを含むソースガスと、窒素ガスと、を基体上に流し前記ソースガスを分解することにより前記金属または前記ルテニウムからなる金属膜を前記基体の上に形成することを特徴とする成膜方法を提供する。
【解決手段】成膜後に少なくともその一部がエッチングされる金属膜の成膜方法であって、
結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムを含有するガスと水素ガスとを含むソースガスと、窒素ガスと、を基体上に流し前記ソースガスを分解することにより前記金属または前記ルテニウムからなる金属膜を前記基体の上に形成することを特徴とする成膜方法を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法及び電子デバイスの製造方法に関し、特に結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムの成膜方法およびこの成膜方法を用いた電子デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や電子素子、液晶表示装置をはじめとする各種電子デバイスにおいて、成膜とエッチングとを組み合わせたプロセスが必要となっている。例えば、半導体集積回路装置において、多層配線間の接続をとるコンタクトホール部においては、段差被覆性能の優れたタングステンをコンタクトホールに化学的気相成長法(CVD法)により埋め込み、エッチバックすることにより、このタングステンを通じて配線層間の接続をとるという方法がとられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ここで、図15に示す、従来のコンタクトホールにタングステンを埋め込む工程の概略を説明する。まず、図15(a)に示すように、ウェーハ1上に層間絶縁膜2を形成する。その後、リソグラフィー工程、エッチング工程によりコンタクトホールを開口する。
【0004】
次に、図15(b)に示すように、タングステン膜の剥離防止や拡散防止のための導電性膜3(例えば、窒化チタン膜)を堆積させる。その後、図15(c)に示すように、化学的気相成長法(CVD法)によりタングステン膜4を堆積させ、コンタクトホールをタングステンで埋め込む。
【0005】
次に、図15(d)に示すように、タングステン膜4をCDE(Chemical Dry Etching)によりエッチバックし、コンタクトホール内にプラグ状のタングステン膜4及び導電性膜3を残す。この際、タングステン膜4が残渣物4aとして残ると、配線間の短絡不良などの原因となる。
【0006】
一方、このような残渣4aを取り除くために、化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)を実施する方法も考えられる。しかし、このためには下地の導電性膜3も除去せざるを得ない。つまり、もう一度、導電性膜3を堆積させてから上層の形成を開始する必要がある点で、煩雑となる。
【0007】
本発明者は、このように問題は、タングステン膜を用いた場合に限られず、その他、結晶構造が体心立方格子構造(Body-Centered Cubic Lattice)である金属や、ルテニウム(Ru)などを堆積しエッチバックするときにも同様に発生することを発見した。
【0008】
ここで、特許文献2には、結晶面の方向を所望の方向に制御し得る技術が開示されている。しかしながら、この技術はシリコンの結晶成長にかかるものであり、体心立方格子構造の金属などに関するものではない。
【0009】
また、特許文献3には、ソースガスに窒素(N2)ガスを添加しつつタングステンの蒸着膜を形成する技術が開示されている。しかしながら、この技術は、タングステンの結晶格子を歪ませるために窒素を添加するものであり、硬度が高く緻密で平滑な表面を有するタングステン膜を得ることは開示されているが、中性活性種を主体としたエッチングに適した膜が得られることについては、何らの記載も示唆もない。
【特許文献1】特開平5−114578号公報
【特許文献2】特開平8−55808号公報
【特許文献3】特公平2−50194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、結晶構造が体心立方格子構造の金属、または、ルテニウムを確実且つ容易にエッチバック可能とした成膜方法及び電子デバイスの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、
成膜後に少なくともその一部がエッチングされる金属膜の成膜方法であって、
結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムを含有するガスと水素ガスとを含むソースガスと、窒素ガスと、を基体上に流し前記ソースガスを分解することにより前記金属または前記ルテニウムからなる金属膜を前記基体の上に形成することを特徴とする成膜方法が提供される。
【0012】
また、本発明の他の一態様によれば、
上記の成膜方法により前記金属膜を形成する工程を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法を提供する。
【0013】
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、
上記の成膜方法により前記コンタクトホールを埋め込むように前記金属膜を形成する工程と、
中性活性種を主体とするエッチバックにより前記絶縁膜の上に形成された前記金属膜を除去する工程と、
を備えたことを特徴とする電子デバイスの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムを、ダメージのない中性活性種を主体とするエッチングを行っても、残渣が発生しない成膜方法及びこの成膜方法を用いた電子デバイスの製造方法を提供することができ、産業上のメリットは多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電子デバイスの製造方法の要部を説明するための概念図である。
すなわち、本実施形態においては、まず、図1(a)に表したように、ソースガス20と窒素ガス30とを用いて、基体40の上に金属膜10を形成する。ここで、金属膜10は、体心立方格子構造の金属、または、ルテニウム(Ru)からなるものとする。
この成膜工程では、化学的気相成長法(CVD法)により成膜が行われる。便宜上、熱CVD法の場合で説明するが、本発明は、これに限定されるものではなくプラズマ、光エネルギー、レーザなどを用いた化学的気相成長法(CVD法)にも適用が可能である。なお、本実施形態において用いることができる熱CVD装置については後に詳述する。
【0016】
ソースガス20と窒素ガス30とからなる混合ガス25は、図示しないガス導入手段から基体40上に導入され、熱エネルギーによりソースガス20が分解する。すると、金属膜10が基体40の主面に形成される。
【0017】
しかる後に、図1(b)に表したように、この金属膜10の少なくとも一部をエッチングする。
すると、図1(c)に表したように、残渣を生ずることなく、金属膜10が除去される。
【0018】
以下、本実施形態の製造方法について、比較例を参照しつつ詳細に説明する。
図2は、比較例の成膜工程〜エッチバック(エッチング)工程を例示する模式図である。 図2(a)の成膜工程では、化学的気相成長法(CVD法)の一種である熱CVD法により成膜が行われる。
【0019】
本比較例の成膜工程では、図示しないガス導入手段からソースガス20を基体40上に導入する。導入したソースガス20は熱エネルギーにより分解され、例えば、タングステン膜70を基体40の主面に略垂直方向に堆積させる。ここで、ソースガス20としては、WF6ガスと水素ガスが用いられる。
【0020】
図2(b)は、成膜工程後のエッチバック(エッチング)工程を説明するための模式図である。図2(b)のエッチバック(エッチング)工程では、中性活性種Aを主体とするエッチングを行う装置の一種であるケミカルドライエッチング装置(CDE装置)を用いた場合を説明する。本エッチバック(エッチング)工程では、図示しないプラズマ発生室の減圧空間にマイクロ波を導入してプラズマを発生させ、そこにエッチングガス(例えば、CF4とO2の混合ガスなど)を導入する。導入したエッチングガスはプラズマにより分解、活性化され中性活性種やイオンなどが生成される。そして、生成されたイオンは基体40上まで搬送される間に消滅するが、寿命の長い中性活性種は基体40上まで到達しタングステン膜70をエッチングする。
【0021】
前述のように、エッチバック(エッチング)工程で、中性活性種を主体としたエッチングを行うと、図2(c)に示すように残渣80が発生する不具合が生じる。ここで、残渣80を除去するためにオーバーエッチングをすることが考えられるが、近年の高集積化,微細化された半導体装置や液晶表示装置などの各種電子デバイスではオーバーエッチング量が厳しく制限されるため、これにより残渣80を除去することは難しい。また、残渣80を除去するためにCMPを実施すると下地までエッチングされる点で問題が生ずることは前述した通りである。
これに対して、本実施形態によれば、エッチバックした後に、図1(c)に表したように、残渣を生ずることなく金属膜10をきれいに除去できる。
またさらに、金属膜10の材料としてタングステン(W)を用いる場合、成膜工程を2つのステップに分けて実施するとよい。
【0022】
図3は、金属膜の材料としてタングステンを用いた場合の本発明の実施の形態にかかる電子デバイスの製造方法の要部を説明するための概念図である。
また、図4は、この具体例の製造方法を例示するフローチャートである。
【0023】
タングステンを成膜する場合、まず、図3(a)に表したように、第1の成膜工程において、図示しないガス導入手段から第1のソースガス20Aを基体40上に導入する。導入したソースガス20Aは熱エネルギーにより分解し、多数のタングステン核10Aが基体40の主面上に生成される(ステップS100)。ここで、第1のソースガス20Aとしては、例えば、WF6ガスとモノシラン(SiH4)と水素(H2)との混合ガスを用いることができる。これらガスの流量比は、例えば、WF6ガスを30sccm、モノシラン(SiH4)を30sccm、水素(H2)を1000sccmとし、さらにキャリアガスとしてアルゴン(Ar)を1000sccm程度混合してもよい。ガスを熱分解させるための加熱温度は、例えば、400〜500℃とすることができる。また、第1の成膜工程における圧力は、例えば4キロパスカル(KPa)程度とすることができる。
【0024】
ただし、本発明はこれらに限定されるわけではなく、例えば、WF6ガスのかわりに同様な機能を果たすタングステン原子を含む無機系のガスやビスシクロペンタジエニルタングステンハイドライドの様な有機系のガスを用いることもできるし、水素ガスのかわりにアンモニアガス(NH3)やモノシラン等の還元作用を有するガスを用いることもできる。
【0025】
次に、図3(b)に表したように、第2の成膜工程として、図示しないガス導入手段から第2のソースガス20Bと窒素ガス30とからなる混合ガス25を基体40上に導入する。すると、タングステン核10Aを種としてタングステン膜10Bが、基体40の主面上に高速で成膜する(ステップS110)。ここで、第2のソースガス20Bとしては、例えば、WF6ガスと水素(H2)との混合ガスを用いることができる。これらガスの流量比は、例えば、WF6ガスを95sccm、水素(H2)を700sccmとし、さらにキャリアガスとしてアルゴン(Ar)を1000sccm程度混合してもよい。この場合に、窒素ガス30の流量は500sccm程度とするとよい。ガスを熱分解させるための加熱温度は、例えば、300〜500℃とすることができる。また、第2の成膜工程における圧力は、例えば15キロパスカル(KPa)程度とすることができる。
第2の成膜工程においても、例えば、WF6ガスのかわりに同様な機能を果たすタングステン原子を含む無機系のガスやビスシクロペンタジエニルタングステンハイドライドの様な有機系のガスを用いることもできるし、水素ガスのかわりにアンモニアガス(NH3)やモノシラン等の還元作用を有するガスを用いることもできる。
【0026】
このような条件で第2の成膜工程を実施すると、核10Aを種として、基体40の主面上に金属膜10Bを高速で成膜できる。
【0027】
しかる後に、図3(c)に表したように、エッチバック(エッチング)工程を実施する(ステップS120)。このエッチバック工程では、図2(c)に関して前述したように、例えば、中性活性種を主体とするエッチングを行う装置の一種であるケミカルドライエッチング装置(CDE装置)を用いることができる。
【0028】
すなわち、本実施形態におけるエッチバック(エッチング)工程では、図示しないプラズマ発生室の減圧空間にマイクロ波を導入してプラズマを発生させ、そこにエッチングガス(例えば、CF4とO2の混合ガスなど)を導入する。導入したエッチングガスはプラズマにより分解、活性化され中性活性種やイオンなどが生成される。生成されたイオンは基体40上まで搬送される間に消滅するが、寿命の長い中性活性種Aは基体40上まで到達しタングステン膜10をエッチングする。
【0029】
処理条件としては、例えば、CF4ガスを30〜150sccm、O2ガスを150〜250sccm、四フッ化炭素(CF4)ガスを10〜100sccm、処理圧力30Pa程度、マイクロ波パワー700W程度、処理温度400〜500℃程度とすることができる。ただし、これに限定されるわけではなくガスの成分やその他の条件はプロセスに合わせて適宜選択、変更が可能である。
このような条件でエッチバックすると、金属膜10は完全に除去され、残渣の非常に少ないエッチバックができる。
【0030】
本発明者は、独自の検討の結果、ソースガスに対する窒素(N2)ガス30の添加量を変えることで、タングステンなどの金属膜の結晶方向を制御し得るとの知見を得た。また、タングステンの結晶の方向によりエッチング特性が異なるという知見をも得た。そして、これらから、窒素(N2)ガス30の添加量を変えることで、エッチング特性に優れた結晶方向を有するタングステン膜10を基体40上に堆積させることができれば、前述の中性活性種を主体としたエッチングを行う装置(例えば、ケミカルドライエッチング装置(CDE装置))を使ったエッチバック(エッチング)を行ってもタングステンの残渣が発生しないという知見を得るに至った。
【0031】
以下、金属膜10の材料としてタングステンを用いた本発明者の独自の実験により得られた、タングステンの結晶方向とエッチング特性との関係について説明する。
結晶方位が異なると、固体の原子配列や原子間距離、ひいては基質と相互作用する電子軌道などが異なるため、物理的、化学的性質が異なることが多い。
タングステンの結晶は、体心立方格子構造である。そのため、最密面である(110)面が配向しやすい性質を有しており、(200)等の面は逆に配向しにくい性質を有している。
【0032】
一方、エッチングのしやすさ(エッチングレート)と結晶面との関係を見ると、CF4とO2ガスを用いたCDEによりタングステンをエッチングした場合のエッチング速度の比率は、およそ(200)面:(110)面:(111)面=790:67:1となることが分かった。
【0033】
すなわち、(110)面は配向がしやすくこの向きに対して垂直方向に結晶が成長しやすいが、その反面でエッチングレートは低く残渣が発生しやすい。一方、(200)面はエッチングレートが高く残渣が発生しにくいが、配向がしにくくこの向きに結晶が成長しにくい。
【0034】
つまり、タングステン膜10の結晶面のうちで、(110)面の割合を下げ、(200)面の割合を上げることができれば、エッチング特性を改善し、残渣の発生を無くすことができる。
【0035】
なお、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を用いた場合は、中性活性種とイオンの相乗効果でエッチングが行えるため、イオン衝撃という物理的エッチングで結晶方向の影響をあまり受けずにエッチングができる。そのため残渣の発生をある程度は抑えることができる。しかし、荷電粒子の影響などにより、基体40がダメージを受けてしまう。
【0036】
一方で、イオン衝撃という物理的エッチングを使わず、中性活性種を主体としたCDEのようなエッチング方法によりダメージの少ないエッチングをするときには、前述したように、結晶面の方向の影響をより大きく受けてしまう。
【0037】
つまり、ダメージの少ない中性活性種を主体としたエッチングをするためには、タングステン膜10の結晶面の方向をエッチングがしやすい所望の方向に制御し得る技術が必要である。
【0038】
なお、結晶面の方向を所望の方向に制御し得る技術は、反応性イオンエッチング(RIE)においてもエッチング時間を短縮できるので、これに応用してもダメージの軽減を図ることもできる。
【0039】
ここで、本発明者の得た知見である、ソースガス20に対する窒素(N2)ガス30の添加量とタングステンの結晶方向の関係について説明する。
図5は、上述した第2の成膜工程における窒素(N2)ガス30の添加量とタングステン膜10の結晶面の強度比((110)/(200))との関係を例示するグラフ図である。 ここで、縦軸の強度比は、X線回折法から得たX線プロファイルの(110)ピークと(200)ピークの半値幅から算出したものであり、横軸は窒素(N2)ガス30の添加流量(sccm)である。
【0040】
この時の、ソースガス20としてはWF6ガスを用いた。またさらに、アルゴンガスと水素ガスも添加した。成膜は、熱CVD装置を用い、ソースガス20としてWF6ガスを50sccm、水素ガスを1000sccmとし、さらにキャリアガスとしてアルゴンガスを1000sccm添加した。また、成膜時の処理圧力は10KPa、基体40の温度は475℃とし、これに所定量の窒素(N2)ガスを添加した。
【0041】
同図から分かるように、窒素(N2)ガスの添加量がゼロの場合、(110)/(200)の強度比は約170であり、(110)面が(200)面よりかなり優先的に形成される。ところが、窒素(N2)ガスを添加すると、(110)/(200)の強度比は対数的に漸近減少を生じる。すなわち、窒素(N2)ガスを添加しないと、エッチングが困難な(110)面が優先して形成されるが、窒素(N2)ガスを添加することにより、エッチングが容易な(200)面の割合を増やすことができる。
【0042】
特に、窒素ガスの流量がソースガスの約半分(500sccm)に至るまでの条件では(110)/(200)の強度比は急激に低下している。つまり、窒素ガスの流量をソースガスの半分(500sccm)以上とすると、(110)配向の傾向を顕著に抑えることができる。
【0043】
またさらに、窒素(N2)ガスの添加量をソースガス量の約2倍(2000sccm)以上にすると、(110)配向は殆ど消失することが判明した。
【0044】
図6は、エッチバックの前後のウェーハ表面の残渣を観察した結果を表す模式図である。すなわち、同図の上段はエッチバック前の6インチウェーハの表面の残渣の密度を表し、下段はそれぞれのウェーハについて、エッチバックした後の残渣の密度を表す。また、同図に向かって右側のサンプルは成膜時に窒素ガスを添加しなかったウェーハ、中央のサンプルは成膜時の窒素ガス流量を300sccmとしたウェーハ、左端のサンプルは成膜時の窒素ガス流量を500sccmとしたウェーハをそれぞれ表す。
【0045】
ここで、タングステン膜の成膜条件としては、ソースガス20としてはWF6ガスと水素ガスを用いた。またさらに、キャリアガスとしてアルゴンガスを添加した。成膜は、熱CVD装置を用いた。第1の成膜工程においては、WF6ガスを30sccm、モノシラン(SiH4)を15sccm、水素ガスを1000sccm、アルゴンガスを1000sccm、処理圧力は4KPa、基体40の温度は475℃とした。また、第2の成膜工程においては、WF6ガスを95sccm、水素ガスを700sccm、アルゴンガスを1000sccm、処理圧力は12KPa、基体40の温度は475℃とした。
【0046】
なお、この条件でタングステンを堆積した場合、第2の成膜工程においては、およそ300〜400nm/分の堆積速度が得られる。
【0047】
一方、エッチバックの条件としては、CDE法を用い、CF4ガスを30〜150sccm、O2ガスを150〜250sccm、Cl2ガスを10〜100sccm、処理圧力30Pa程度、マイクロ波パワー700W程度、処理温度40℃程度とした。
【0048】
それぞれの条件において、エッチバック前(上段)とエッチバック後(下段)とを比較すると、成膜時に窒素を添加しないサンプル(N2=0sccm)では、エッチバック後の残渣が大幅に増加していることが分かる。これは、(110)配向したタングステン膜が形成されたためであると考えられる。それぞれのウェーハの下にサイズ(S、M、L)毎の残渣の数と、合計の残渣の数を併せて表した。すなわち、エッチバック前のタングステンの残渣の合計が507個であったのに対して、エッチバック後の残渣の合計は2851個にまで激増している。
【0049】
これに対して、成膜時に窒素を300sccm添加したサンプルでは、エッチバック前の残渣の合計が559個であるのに対して、エッチバック後の残渣の合計は915個であり、残渣の増加は激減している。
【0050】
またさらに、成膜時に窒素を500sccm添加したサンプルでは、エッチバック前の残渣の合計が306個であるのに対して、エッチバック後の残渣の合計は407個であり、残渣の増加はさらに抑制されていることが分かる。
【0051】
以上説明したように、成膜時に窒素ガスを添加することにより、エッチバック後の残渣の発生を効果的に抑制できることが確認できた。
なお、WF6ガスの代わりに、タングステン原子を含む無機系のガスや有機系のガスを用いることができるのは前述したとおりである。また、ソースガス20に希ガス(He、Ar、Neなど)をさらに添加したり、水素ガスに変えてアンモニアガスやモノシラン(SiH4)等の還元性ガスを使用することもできる。そして、ソースガス20の成分比も適宜変更することが可能である。
【0052】
さらにまた、処理圧力も前述した具体例に限定されるわけではなく、適宜変更が可能であるが、1Pa〜15KPa程度であることが望ましい。
同様に、基体温度もこれに限定されるものではなく適宜変更が可能であるが、350〜500℃程度であることが望ましく、処理効率を考慮すると415〜500℃がより望ましい。
また、本具体例では、成膜元素をタングステンとして説明したが、結晶構造が同じ体心立方格子構造を有するタンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、ユウロピウム(Eu)などでも同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、本発明者は、ルテニウム(Ru)を成膜元素とした場合でも、本発明の効果が有るとの知見を得た。ルテニウム(Ru)の結晶構造は、六方最密充填構造であるので前述のタングステンなどの体心立方格子構造とは異なる。そして、ルテニウムの場合、最密面である(0001)面が配向しやすく、また、(0001)配向した薄膜はエッチングされにくく残渣が生じやすい傾向が認められた。
これに対しても、ルテニウムの成膜に際して窒素ガスを添加すると、(0001)配向の傾向が低下し、これに伴ってエッチング工程の際のエッチング速度が上昇し残渣も減少することが分かった。
【0054】
次に、本発明の実施の形態に用いることができる製造装置を説明する。
図7は、熱CVD処理装置の構造を例示する模式図である。
この熱CVD装置は、減圧雰囲気が維持可能な処理チャンバ100と、この処理チャンバ100の上面および下面に設けられた平板状のヒータ140と、処理チャンバ内に位置しウェーハなどの基体40を載置して保持するための治具130とを備える。
【0055】
また、処理チャンバ100の側面には、処理空間に混合ガスG1(例えば、WF6ガス+水素ガス+窒素ガス)を導入するためのガス導入管110と、その対面には排出ガスE1を処理チャンバ100の外部へ排出するためのガス排出管120が設けられている。
【0056】
次に、本装置の作用を説明する。
処理チャンバ100内に図示しない搬送手段により基体40を搬入し、治具130に載置、保持させる。ガス排出管120に接続された図示しない排気手段により、処理チャンバ100内を所定の圧力まで減圧する。混合ガスG1をガス導入管110から処理チャンバ100へ所定量導入する。治具130(基体40)をヒータ140により所定温度まで加熱する。混合ガスG1は処理チャンバ100内を矢印の方向に進み、加熱されることにより活性化され、還元性ガス(例えば、水素ガス)の還元作用によりタングステンを基体40に析出する。
【0057】
この時、窒素ガスの添加量をソースガス量の2倍以上、または、通常行われるプロセス条件を考慮して添加流量を2000sccm以上にすることで、エッチングのしやすい結晶を成長させることができる。
【0058】
成膜処理の完了後、処理チャンバ100の残余の反応生成物をガス排出管120から排出し、処理チャンバ100内を大気圧環境に戻す。その後、図示しない搬送手段により基体40を搬出する。
【0059】
なお、前述したとおり、本発明に用いることができる装置は熱CVD装置に限定されるわけではなく、プラズマ、光エネルギー、レーザなどを用いた化学的気相成長法(CVD法)に使用する装置を適宜選択して使用することができるし、処理条件においても窒素ガスの添加量以外はプロセスに合わせて適宜選択、変更することができる。
【0060】
図8は、本発明の実施の形態に用いることが出来るケミカルドライエッチング装置(CDE装置)の模式断面図である。
このケミカルドライエッチング装置には、処理チャンバ100と、この上部天井部分に連通するように接続されたガス輸送管171と、が設けられている。このガス輸送管171には誘電体(例えば、石英やアルミナ)からなる放電管170が接続されている。そして、放電管171に対して直交するようにマイクロ波導波管150が接続されている。マイクロ波導波管150の放電管170に面する部分には、マイクロ波Mを放電管170に向けて放射する環状のスロット160が設けられている。放電管170の一端には、ガス導入管110が取り付けられている。また、処理チャンバ100の底部には排気管120が接続されており、排気管120の他端には図示しない真空ポンプなどの排気手段が接続されている。この排気手段により処理チャンバ100内を排気E2するとともに、これに連通するガス輸送管171や放電管170をも排気し、所定の減圧雰囲気を維持する。処理チャンバ100の内部の処理室100aには、基体40を載置するための載置台130が設けられている。
【0061】
次に、このCDE装置の作用について説明する。
図示しない真空ポンプなどの排気手段により、処理チャンバ100内から放電管170内が所定の圧力まで減圧される。一方、放電管170内にはガス導入管110を介して、図示しないガス供給手段からエッチングガスG2(例えば、CF4とO2の混合ガスなど)が導入される。また、マイクロ波導波管150に接続された図示しないマイクロ波発生手段より発生させたマイクロ波Mは、マイクロ波導波管150により放電管170の方向に導かれた後、環状のスロット160から放電管170内に放射される。このようにして放射されたマイクロ波MによりプラズマPが発生し、エッチングガスG2が分解、活性化されて中性活性種やイオンが生成される。生成された中性活性種やイオンはガス輸送管171内を処理室100aへと送られ、処理室100aに載置されている基体40の処理がおこなわれる。なお、ケミカルドライエッチングの場合は、寿命の短いイオンは輸送途中で消失する。そのため、寿命の長い中性活性種のみが処理室100aまで到達し、この処理室100aに送られた中性活性種Aにより基体40のエッチング処理が行われる。
【0062】
図9及び図10は、本発明の実施形態にかかる半導体集積回路装置の製造工程を例示する工程断面図である。
また、図11〜図14は、半導体集積回路装置の比較例の製造工程を示す模式図である。
すなわち、これらは、半導体集積回路装置の層間接続部の製造工程を例示する模式図である。
まず、先に、図11〜図14に表した比較例の製造工程について説明する。
【0063】
図11(a)に表したように、高濃度p型シリコン基体300の上部に、CVD法によりnチャンネル層310、SiO2層330を順次積層する。そして、リソグラフィー工程、エッチング工程をへてSiO2層330にアスペクト比の大きいコンタクトホール345を形成する。
【0064】
スパッタ法でTi膜を堆積させ、アルゴン(Ar)雰囲気中でアニールを行い、このTi層と下地のnチャンネル層310を反応させてコンタクトホール345の底面にTiSi2層320を形成させる。この時、コンタクトホール345の側壁及びSiO2層330上のTi層は下地がSiO2からなる層間絶縁膜であるため、シリサイド化されない。次に、コンタクトホール345の側壁及びSiO2層330上の未反応Ti層を、アンモニア過水などによってエッチング除去する。その後、CVD法によりTiN膜340を形成する。
【0065】
次に、同図(b)に表したように、窒素(N2)ガスを添加しないソースガスを用いてCVD法により、タングステン膜70を堆積させる。
【0066】
次に、ケミカルドライエッチング装置(CDE装置)によりエッチバックを行い、不要なタングステン膜を除去し、所望のコンタクトプラグ360を形成したところ、図11(c)に示すように残渣390が発生した。
ここで、CVD処理は、WF6ガス50sccmとH2ガス500sccmとからなる混合ガスを用い、圧力2KPaの条件にて実施した。
また、エッチバック処理は、反応ガスとしてCH4ガス60sccm、O2ガス190sccmとの混合ガスを用い、処理圧力を30Paとした。
【0067】
残渣390をX線回折法により調査した結果、基体300の主面に対して平行な結晶面が(110)に近い方位を有するタングステンであることが判明した。この残渣390を除去せずに、導電性金属を用いて電極や配線を形成すると、その残渣390に起因した表面リーク電流あるいは配線間の短絡が発生する。
【0068】
この問題を防ぐため、図12(a)に表したように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、この残渣390をTiN層340ごと除去し、同図(b)に表すように、再度TiN層340をCVD法を用いて形成させ、タングステンコンタクトプラグ360のみを開口するように、リソグラフィー工程、RIE(Reactive Ion Etching)装置によるエッチング工程をへて図12(b)に示すようにTiN層340を開口した。
【0069】
以上説明したように、ソースガスと水素ガスのみを用いてタングステンコンタクトプラグを形成すると、タングステンの残渣390が発生する。そのため、CMP工程が必要となり、製造工程の増加に伴うリードタイムの増加、歩留まりの低下、製品品質の低下などが生じる。
【0070】
次に、図13に示す、比較例の半導体集積回路装置の製造工程においてRIE(Reactive Ion Etching)装置によるエッチバックをする場合を説明する。
図13(a)、図13(b)の工程は、図11(a)、図11(b)と同様なので説明は省略する。本比較例においては、TiN層340の上にあるタングステン膜70をRIE(Reactive Ion Etching)装置を用い除去し、コンタクトプラグ360を形成する。エッチングガスとしては、CF4ガスとO2ガスの混合ガスを用いた。
【0071】
ここで、前述したように、RIE(Reactive Ion Etching)装置による処理では、図13(c)に示すようにTiN層340D上にダメージが残る。そのため、図14(a)に示すように、ダメージを受けたTiN層340DをCMP処理などにより除去し、図14(b)に示すように再度TiN層340を形成した後、リソグラフィー工程、エッチング工程をへてTiN層340を再度開口するか、ダメージ層を回復させる処理が別途必要となる。
【0072】
以上、この比較例では、タングステン原子を含むソースガスと、水素ガスからなる還元ガスと、を用いてタングステンコンタクトプラグを形成する場合、RIE(Reactive Ion Etching)装置でエッチバック(エッチング)処理をすれば、タングステンの残渣を無くすことができるが、TiN層340Dにダメージが残る。そのため、再度TiN層340を成膜し直すかダメージ回復処理をしなければならない。その結果、製造工程の増加に伴うリードタイムの増加、歩留まりの低下、製品品質の低下などが生じる。
【0073】
これに対して、本実施形態によれば、結晶構造が体心立方格子構造の金属、または、ルテニウムを確実且つ容易にエッチバック可能とした膜質を得ることができる。
【0074】
図9に表した本発明の実施形態にかかる半導体集積回路装置の製造工程を説明する。
ここで、図11に関して前述した比較例の製造工程と、同じ部分には同符号を付し説明は省略する。
まず、図9(a)に示すように、比較例と同じ手順でコンタクトホール345を開口し、TiN層340を成膜する。
【0075】
次に、同図(b)に示すように、タングステン原子を含むソースガス20と、シランガス及び水素ガスの混合ガスを有する第1還元ガス15と、キャリアガスからなるアルゴンガスと、からなる混合ガスを用いて、以下の成膜条件により成膜すると、TiN層340の主面上にラングステン原子を含む核10Aを複数形成する。
ここで、成膜条件は、WF6ガスが30sccm、SiH4が15sccm、H2ガスが1000sccm、Arガスが1000sccmとし、チャンバ内圧力を4KPa程度、チャンバ内温度を400°とする。
【0076】
さらに、図9(c)に表すように、上述した同図(b)と同様のタングステン原子を含むソースガス20と、水素ガスを有する第2還元ガス15と、窒素ガス30からなる触媒ガスと、Arガスとしてキャリアガスと、からなる混合ガスを用いて、以下の成膜条件により、再度、タングステン原子を含む核を有するTiN層340の主面上に熱CVD法により成膜処理を施し、タングステン膜10Bを成膜する。
【0077】
ここで、成膜条件は、WF6ガスが95sccm、H2ガスが700sccm、窒素(N2)ガスとアルゴン(Ar)ガスの混合比が30体積%以上となるようにN2ガスが500sccm、Arガスが1000sccmとし、チャンバ内圧力を12KPa程度、チャンバ内温度を475°からなる。
【0078】
次に、図10に示すように、ケミカルドライエッチング装置(CDE装置)によるエッチバック(エッチング)処理を行い、コンタクトプラグ360を形成する。この時、タングステンの残渣の有無を、顕微鏡とX線回折法により評価した結果、タングステンは実質的に検知されず、タングステンの残渣は存在しないことを確認した。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、タングステン膜10形成の際に使用するソースガスに所定量の窒素(N2)ガスを添加することにより、エッチングの容易な結晶面を優先的に成長させることができ、中性活性種を主体としたダメージの少ないエッチバック(エッチング)処理を行ってもタングステンなどの残渣の発生をなくすことができる。
そのため、製造工程の高信頼化及び簡略化ができ、歩留まりや品質などの向上が可能となる。
【0080】
なお、説明の便宜上、半導体集積回路装置の製造の場合を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、他の種類の半導体装置、液晶表示装置、マイクロアクチュエータなどの各種電子デバイスの製造に適用できる。また、コンタクトプラグ形成のみならず配線などにも適用できるのは言うまでもない。
【0081】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれら実施の形態に示した具体例に限定されるわけではない。
【0082】
例えば、本発明にかかる半導体装置の製造方法において用いる、CVD法の窒素(N2)ガス以外のガスの種類・組成比、処理圧力などや、中性活性種を主体とするエッチバック(エッチング)処理をする際のエッチングガスの種類・組成比・流量、処理圧力などの各種パラメーターについては、前述した具体例に限定されるものではなく、これらを如何ように変えたとしても、本発明の要旨を有するに限りにおいては、本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る成膜工程〜エッチバック(エッチング)工程を例示する模式図である。
【図2】比較例の成膜工程〜エッチバック(エッチング)工程を例示する模式図である。
【図3】タングステンを成膜する場合の成膜工程〜エッチバック(エッチング)工程を例示する模式図である。
【図4】タングステンを成膜する場合の製造方法を例示するフローチャートである。
【図5】窒素(N2)ガス30の添加量とタングステン膜10結晶面の強度比((110)/(200))との関係を示すグラフ図である。
【図6】エッチバック前後のウェーハ表面の残渣を観察した結果を表す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる熱CVD処理装置の一例である。
【図8】本発明の実施の形態に用いることが出来るケミカルドライエッチング装置(CDE装置)の模式図である。
【図9】本実施形態にかかる半導体集積回路装置の工程断面図の実施例である。
【図10】本実施形態にかかる半導体集積回路装置の工程断面図の実施例である。
【図11】比較例の半導体集積回路装置の製造工程を例示する模式図である。
【図12】比較例の半導体集積回路装置の製造工程を例示する模式図である。
【図13】比較例の半導体集積回路装置の製造工程を例示する模式図である。
【図14】比較例の半導体集積回路装置の製造工程を例示する模式図である。
【図15】従来のコンタクトホールにタングステンを埋め込む工程を表す模式図である。
【符号の説明】
【0084】
10 金属膜、タングステン膜
20 ソースガス
25 混合ガス
30 窒素(N2)ガス
40 基体
70 タングステン膜
80 残渣
345 コンタクトホール
360 コンタクトプラグ
390 残渣
A 中性活性種
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法及び電子デバイスの製造方法に関し、特に結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムの成膜方法およびこの成膜方法を用いた電子デバイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や電子素子、液晶表示装置をはじめとする各種電子デバイスにおいて、成膜とエッチングとを組み合わせたプロセスが必要となっている。例えば、半導体集積回路装置において、多層配線間の接続をとるコンタクトホール部においては、段差被覆性能の優れたタングステンをコンタクトホールに化学的気相成長法(CVD法)により埋め込み、エッチバックすることにより、このタングステンを通じて配線層間の接続をとるという方法がとられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ここで、図15に示す、従来のコンタクトホールにタングステンを埋め込む工程の概略を説明する。まず、図15(a)に示すように、ウェーハ1上に層間絶縁膜2を形成する。その後、リソグラフィー工程、エッチング工程によりコンタクトホールを開口する。
【0004】
次に、図15(b)に示すように、タングステン膜の剥離防止や拡散防止のための導電性膜3(例えば、窒化チタン膜)を堆積させる。その後、図15(c)に示すように、化学的気相成長法(CVD法)によりタングステン膜4を堆積させ、コンタクトホールをタングステンで埋め込む。
【0005】
次に、図15(d)に示すように、タングステン膜4をCDE(Chemical Dry Etching)によりエッチバックし、コンタクトホール内にプラグ状のタングステン膜4及び導電性膜3を残す。この際、タングステン膜4が残渣物4aとして残ると、配線間の短絡不良などの原因となる。
【0006】
一方、このような残渣4aを取り除くために、化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)を実施する方法も考えられる。しかし、このためには下地の導電性膜3も除去せざるを得ない。つまり、もう一度、導電性膜3を堆積させてから上層の形成を開始する必要がある点で、煩雑となる。
【0007】
本発明者は、このように問題は、タングステン膜を用いた場合に限られず、その他、結晶構造が体心立方格子構造(Body-Centered Cubic Lattice)である金属や、ルテニウム(Ru)などを堆積しエッチバックするときにも同様に発生することを発見した。
【0008】
ここで、特許文献2には、結晶面の方向を所望の方向に制御し得る技術が開示されている。しかしながら、この技術はシリコンの結晶成長にかかるものであり、体心立方格子構造の金属などに関するものではない。
【0009】
また、特許文献3には、ソースガスに窒素(N2)ガスを添加しつつタングステンの蒸着膜を形成する技術が開示されている。しかしながら、この技術は、タングステンの結晶格子を歪ませるために窒素を添加するものであり、硬度が高く緻密で平滑な表面を有するタングステン膜を得ることは開示されているが、中性活性種を主体としたエッチングに適した膜が得られることについては、何らの記載も示唆もない。
【特許文献1】特開平5−114578号公報
【特許文献2】特開平8−55808号公報
【特許文献3】特公平2−50194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、結晶構造が体心立方格子構造の金属、または、ルテニウムを確実且つ容易にエッチバック可能とした成膜方法及び電子デバイスの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によれば、
成膜後に少なくともその一部がエッチングされる金属膜の成膜方法であって、
結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムを含有するガスと水素ガスとを含むソースガスと、窒素ガスと、を基体上に流し前記ソースガスを分解することにより前記金属または前記ルテニウムからなる金属膜を前記基体の上に形成することを特徴とする成膜方法が提供される。
【0012】
また、本発明の他の一態様によれば、
上記の成膜方法により前記金属膜を形成する工程を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法を提供する。
【0013】
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、
上記の成膜方法により前記コンタクトホールを埋め込むように前記金属膜を形成する工程と、
中性活性種を主体とするエッチバックにより前記絶縁膜の上に形成された前記金属膜を除去する工程と、
を備えたことを特徴とする電子デバイスの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムを、ダメージのない中性活性種を主体とするエッチングを行っても、残渣が発生しない成膜方法及びこの成膜方法を用いた電子デバイスの製造方法を提供することができ、産業上のメリットは多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる電子デバイスの製造方法の要部を説明するための概念図である。
すなわち、本実施形態においては、まず、図1(a)に表したように、ソースガス20と窒素ガス30とを用いて、基体40の上に金属膜10を形成する。ここで、金属膜10は、体心立方格子構造の金属、または、ルテニウム(Ru)からなるものとする。
この成膜工程では、化学的気相成長法(CVD法)により成膜が行われる。便宜上、熱CVD法の場合で説明するが、本発明は、これに限定されるものではなくプラズマ、光エネルギー、レーザなどを用いた化学的気相成長法(CVD法)にも適用が可能である。なお、本実施形態において用いることができる熱CVD装置については後に詳述する。
【0016】
ソースガス20と窒素ガス30とからなる混合ガス25は、図示しないガス導入手段から基体40上に導入され、熱エネルギーによりソースガス20が分解する。すると、金属膜10が基体40の主面に形成される。
【0017】
しかる後に、図1(b)に表したように、この金属膜10の少なくとも一部をエッチングする。
すると、図1(c)に表したように、残渣を生ずることなく、金属膜10が除去される。
【0018】
以下、本実施形態の製造方法について、比較例を参照しつつ詳細に説明する。
図2は、比較例の成膜工程〜エッチバック(エッチング)工程を例示する模式図である。 図2(a)の成膜工程では、化学的気相成長法(CVD法)の一種である熱CVD法により成膜が行われる。
【0019】
本比較例の成膜工程では、図示しないガス導入手段からソースガス20を基体40上に導入する。導入したソースガス20は熱エネルギーにより分解され、例えば、タングステン膜70を基体40の主面に略垂直方向に堆積させる。ここで、ソースガス20としては、WF6ガスと水素ガスが用いられる。
【0020】
図2(b)は、成膜工程後のエッチバック(エッチング)工程を説明するための模式図である。図2(b)のエッチバック(エッチング)工程では、中性活性種Aを主体とするエッチングを行う装置の一種であるケミカルドライエッチング装置(CDE装置)を用いた場合を説明する。本エッチバック(エッチング)工程では、図示しないプラズマ発生室の減圧空間にマイクロ波を導入してプラズマを発生させ、そこにエッチングガス(例えば、CF4とO2の混合ガスなど)を導入する。導入したエッチングガスはプラズマにより分解、活性化され中性活性種やイオンなどが生成される。そして、生成されたイオンは基体40上まで搬送される間に消滅するが、寿命の長い中性活性種は基体40上まで到達しタングステン膜70をエッチングする。
【0021】
前述のように、エッチバック(エッチング)工程で、中性活性種を主体としたエッチングを行うと、図2(c)に示すように残渣80が発生する不具合が生じる。ここで、残渣80を除去するためにオーバーエッチングをすることが考えられるが、近年の高集積化,微細化された半導体装置や液晶表示装置などの各種電子デバイスではオーバーエッチング量が厳しく制限されるため、これにより残渣80を除去することは難しい。また、残渣80を除去するためにCMPを実施すると下地までエッチングされる点で問題が生ずることは前述した通りである。
これに対して、本実施形態によれば、エッチバックした後に、図1(c)に表したように、残渣を生ずることなく金属膜10をきれいに除去できる。
またさらに、金属膜10の材料としてタングステン(W)を用いる場合、成膜工程を2つのステップに分けて実施するとよい。
【0022】
図3は、金属膜の材料としてタングステンを用いた場合の本発明の実施の形態にかかる電子デバイスの製造方法の要部を説明するための概念図である。
また、図4は、この具体例の製造方法を例示するフローチャートである。
【0023】
タングステンを成膜する場合、まず、図3(a)に表したように、第1の成膜工程において、図示しないガス導入手段から第1のソースガス20Aを基体40上に導入する。導入したソースガス20Aは熱エネルギーにより分解し、多数のタングステン核10Aが基体40の主面上に生成される(ステップS100)。ここで、第1のソースガス20Aとしては、例えば、WF6ガスとモノシラン(SiH4)と水素(H2)との混合ガスを用いることができる。これらガスの流量比は、例えば、WF6ガスを30sccm、モノシラン(SiH4)を30sccm、水素(H2)を1000sccmとし、さらにキャリアガスとしてアルゴン(Ar)を1000sccm程度混合してもよい。ガスを熱分解させるための加熱温度は、例えば、400〜500℃とすることができる。また、第1の成膜工程における圧力は、例えば4キロパスカル(KPa)程度とすることができる。
【0024】
ただし、本発明はこれらに限定されるわけではなく、例えば、WF6ガスのかわりに同様な機能を果たすタングステン原子を含む無機系のガスやビスシクロペンタジエニルタングステンハイドライドの様な有機系のガスを用いることもできるし、水素ガスのかわりにアンモニアガス(NH3)やモノシラン等の還元作用を有するガスを用いることもできる。
【0025】
次に、図3(b)に表したように、第2の成膜工程として、図示しないガス導入手段から第2のソースガス20Bと窒素ガス30とからなる混合ガス25を基体40上に導入する。すると、タングステン核10Aを種としてタングステン膜10Bが、基体40の主面上に高速で成膜する(ステップS110)。ここで、第2のソースガス20Bとしては、例えば、WF6ガスと水素(H2)との混合ガスを用いることができる。これらガスの流量比は、例えば、WF6ガスを95sccm、水素(H2)を700sccmとし、さらにキャリアガスとしてアルゴン(Ar)を1000sccm程度混合してもよい。この場合に、窒素ガス30の流量は500sccm程度とするとよい。ガスを熱分解させるための加熱温度は、例えば、300〜500℃とすることができる。また、第2の成膜工程における圧力は、例えば15キロパスカル(KPa)程度とすることができる。
第2の成膜工程においても、例えば、WF6ガスのかわりに同様な機能を果たすタングステン原子を含む無機系のガスやビスシクロペンタジエニルタングステンハイドライドの様な有機系のガスを用いることもできるし、水素ガスのかわりにアンモニアガス(NH3)やモノシラン等の還元作用を有するガスを用いることもできる。
【0026】
このような条件で第2の成膜工程を実施すると、核10Aを種として、基体40の主面上に金属膜10Bを高速で成膜できる。
【0027】
しかる後に、図3(c)に表したように、エッチバック(エッチング)工程を実施する(ステップS120)。このエッチバック工程では、図2(c)に関して前述したように、例えば、中性活性種を主体とするエッチングを行う装置の一種であるケミカルドライエッチング装置(CDE装置)を用いることができる。
【0028】
すなわち、本実施形態におけるエッチバック(エッチング)工程では、図示しないプラズマ発生室の減圧空間にマイクロ波を導入してプラズマを発生させ、そこにエッチングガス(例えば、CF4とO2の混合ガスなど)を導入する。導入したエッチングガスはプラズマにより分解、活性化され中性活性種やイオンなどが生成される。生成されたイオンは基体40上まで搬送される間に消滅するが、寿命の長い中性活性種Aは基体40上まで到達しタングステン膜10をエッチングする。
【0029】
処理条件としては、例えば、CF4ガスを30〜150sccm、O2ガスを150〜250sccm、四フッ化炭素(CF4)ガスを10〜100sccm、処理圧力30Pa程度、マイクロ波パワー700W程度、処理温度400〜500℃程度とすることができる。ただし、これに限定されるわけではなくガスの成分やその他の条件はプロセスに合わせて適宜選択、変更が可能である。
このような条件でエッチバックすると、金属膜10は完全に除去され、残渣の非常に少ないエッチバックができる。
【0030】
本発明者は、独自の検討の結果、ソースガスに対する窒素(N2)ガス30の添加量を変えることで、タングステンなどの金属膜の結晶方向を制御し得るとの知見を得た。また、タングステンの結晶の方向によりエッチング特性が異なるという知見をも得た。そして、これらから、窒素(N2)ガス30の添加量を変えることで、エッチング特性に優れた結晶方向を有するタングステン膜10を基体40上に堆積させることができれば、前述の中性活性種を主体としたエッチングを行う装置(例えば、ケミカルドライエッチング装置(CDE装置))を使ったエッチバック(エッチング)を行ってもタングステンの残渣が発生しないという知見を得るに至った。
【0031】
以下、金属膜10の材料としてタングステンを用いた本発明者の独自の実験により得られた、タングステンの結晶方向とエッチング特性との関係について説明する。
結晶方位が異なると、固体の原子配列や原子間距離、ひいては基質と相互作用する電子軌道などが異なるため、物理的、化学的性質が異なることが多い。
タングステンの結晶は、体心立方格子構造である。そのため、最密面である(110)面が配向しやすい性質を有しており、(200)等の面は逆に配向しにくい性質を有している。
【0032】
一方、エッチングのしやすさ(エッチングレート)と結晶面との関係を見ると、CF4とO2ガスを用いたCDEによりタングステンをエッチングした場合のエッチング速度の比率は、およそ(200)面:(110)面:(111)面=790:67:1となることが分かった。
【0033】
すなわち、(110)面は配向がしやすくこの向きに対して垂直方向に結晶が成長しやすいが、その反面でエッチングレートは低く残渣が発生しやすい。一方、(200)面はエッチングレートが高く残渣が発生しにくいが、配向がしにくくこの向きに結晶が成長しにくい。
【0034】
つまり、タングステン膜10の結晶面のうちで、(110)面の割合を下げ、(200)面の割合を上げることができれば、エッチング特性を改善し、残渣の発生を無くすことができる。
【0035】
なお、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)を用いた場合は、中性活性種とイオンの相乗効果でエッチングが行えるため、イオン衝撃という物理的エッチングで結晶方向の影響をあまり受けずにエッチングができる。そのため残渣の発生をある程度は抑えることができる。しかし、荷電粒子の影響などにより、基体40がダメージを受けてしまう。
【0036】
一方で、イオン衝撃という物理的エッチングを使わず、中性活性種を主体としたCDEのようなエッチング方法によりダメージの少ないエッチングをするときには、前述したように、結晶面の方向の影響をより大きく受けてしまう。
【0037】
つまり、ダメージの少ない中性活性種を主体としたエッチングをするためには、タングステン膜10の結晶面の方向をエッチングがしやすい所望の方向に制御し得る技術が必要である。
【0038】
なお、結晶面の方向を所望の方向に制御し得る技術は、反応性イオンエッチング(RIE)においてもエッチング時間を短縮できるので、これに応用してもダメージの軽減を図ることもできる。
【0039】
ここで、本発明者の得た知見である、ソースガス20に対する窒素(N2)ガス30の添加量とタングステンの結晶方向の関係について説明する。
図5は、上述した第2の成膜工程における窒素(N2)ガス30の添加量とタングステン膜10の結晶面の強度比((110)/(200))との関係を例示するグラフ図である。 ここで、縦軸の強度比は、X線回折法から得たX線プロファイルの(110)ピークと(200)ピークの半値幅から算出したものであり、横軸は窒素(N2)ガス30の添加流量(sccm)である。
【0040】
この時の、ソースガス20としてはWF6ガスを用いた。またさらに、アルゴンガスと水素ガスも添加した。成膜は、熱CVD装置を用い、ソースガス20としてWF6ガスを50sccm、水素ガスを1000sccmとし、さらにキャリアガスとしてアルゴンガスを1000sccm添加した。また、成膜時の処理圧力は10KPa、基体40の温度は475℃とし、これに所定量の窒素(N2)ガスを添加した。
【0041】
同図から分かるように、窒素(N2)ガスの添加量がゼロの場合、(110)/(200)の強度比は約170であり、(110)面が(200)面よりかなり優先的に形成される。ところが、窒素(N2)ガスを添加すると、(110)/(200)の強度比は対数的に漸近減少を生じる。すなわち、窒素(N2)ガスを添加しないと、エッチングが困難な(110)面が優先して形成されるが、窒素(N2)ガスを添加することにより、エッチングが容易な(200)面の割合を増やすことができる。
【0042】
特に、窒素ガスの流量がソースガスの約半分(500sccm)に至るまでの条件では(110)/(200)の強度比は急激に低下している。つまり、窒素ガスの流量をソースガスの半分(500sccm)以上とすると、(110)配向の傾向を顕著に抑えることができる。
【0043】
またさらに、窒素(N2)ガスの添加量をソースガス量の約2倍(2000sccm)以上にすると、(110)配向は殆ど消失することが判明した。
【0044】
図6は、エッチバックの前後のウェーハ表面の残渣を観察した結果を表す模式図である。すなわち、同図の上段はエッチバック前の6インチウェーハの表面の残渣の密度を表し、下段はそれぞれのウェーハについて、エッチバックした後の残渣の密度を表す。また、同図に向かって右側のサンプルは成膜時に窒素ガスを添加しなかったウェーハ、中央のサンプルは成膜時の窒素ガス流量を300sccmとしたウェーハ、左端のサンプルは成膜時の窒素ガス流量を500sccmとしたウェーハをそれぞれ表す。
【0045】
ここで、タングステン膜の成膜条件としては、ソースガス20としてはWF6ガスと水素ガスを用いた。またさらに、キャリアガスとしてアルゴンガスを添加した。成膜は、熱CVD装置を用いた。第1の成膜工程においては、WF6ガスを30sccm、モノシラン(SiH4)を15sccm、水素ガスを1000sccm、アルゴンガスを1000sccm、処理圧力は4KPa、基体40の温度は475℃とした。また、第2の成膜工程においては、WF6ガスを95sccm、水素ガスを700sccm、アルゴンガスを1000sccm、処理圧力は12KPa、基体40の温度は475℃とした。
【0046】
なお、この条件でタングステンを堆積した場合、第2の成膜工程においては、およそ300〜400nm/分の堆積速度が得られる。
【0047】
一方、エッチバックの条件としては、CDE法を用い、CF4ガスを30〜150sccm、O2ガスを150〜250sccm、Cl2ガスを10〜100sccm、処理圧力30Pa程度、マイクロ波パワー700W程度、処理温度40℃程度とした。
【0048】
それぞれの条件において、エッチバック前(上段)とエッチバック後(下段)とを比較すると、成膜時に窒素を添加しないサンプル(N2=0sccm)では、エッチバック後の残渣が大幅に増加していることが分かる。これは、(110)配向したタングステン膜が形成されたためであると考えられる。それぞれのウェーハの下にサイズ(S、M、L)毎の残渣の数と、合計の残渣の数を併せて表した。すなわち、エッチバック前のタングステンの残渣の合計が507個であったのに対して、エッチバック後の残渣の合計は2851個にまで激増している。
【0049】
これに対して、成膜時に窒素を300sccm添加したサンプルでは、エッチバック前の残渣の合計が559個であるのに対して、エッチバック後の残渣の合計は915個であり、残渣の増加は激減している。
【0050】
またさらに、成膜時に窒素を500sccm添加したサンプルでは、エッチバック前の残渣の合計が306個であるのに対して、エッチバック後の残渣の合計は407個であり、残渣の増加はさらに抑制されていることが分かる。
【0051】
以上説明したように、成膜時に窒素ガスを添加することにより、エッチバック後の残渣の発生を効果的に抑制できることが確認できた。
なお、WF6ガスの代わりに、タングステン原子を含む無機系のガスや有機系のガスを用いることができるのは前述したとおりである。また、ソースガス20に希ガス(He、Ar、Neなど)をさらに添加したり、水素ガスに変えてアンモニアガスやモノシラン(SiH4)等の還元性ガスを使用することもできる。そして、ソースガス20の成分比も適宜変更することが可能である。
【0052】
さらにまた、処理圧力も前述した具体例に限定されるわけではなく、適宜変更が可能であるが、1Pa〜15KPa程度であることが望ましい。
同様に、基体温度もこれに限定されるものではなく適宜変更が可能であるが、350〜500℃程度であることが望ましく、処理効率を考慮すると415〜500℃がより望ましい。
また、本具体例では、成膜元素をタングステンとして説明したが、結晶構造が同じ体心立方格子構造を有するタンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、バナジウム(V)、ユウロピウム(Eu)などでも同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、本発明者は、ルテニウム(Ru)を成膜元素とした場合でも、本発明の効果が有るとの知見を得た。ルテニウム(Ru)の結晶構造は、六方最密充填構造であるので前述のタングステンなどの体心立方格子構造とは異なる。そして、ルテニウムの場合、最密面である(0001)面が配向しやすく、また、(0001)配向した薄膜はエッチングされにくく残渣が生じやすい傾向が認められた。
これに対しても、ルテニウムの成膜に際して窒素ガスを添加すると、(0001)配向の傾向が低下し、これに伴ってエッチング工程の際のエッチング速度が上昇し残渣も減少することが分かった。
【0054】
次に、本発明の実施の形態に用いることができる製造装置を説明する。
図7は、熱CVD処理装置の構造を例示する模式図である。
この熱CVD装置は、減圧雰囲気が維持可能な処理チャンバ100と、この処理チャンバ100の上面および下面に設けられた平板状のヒータ140と、処理チャンバ内に位置しウェーハなどの基体40を載置して保持するための治具130とを備える。
【0055】
また、処理チャンバ100の側面には、処理空間に混合ガスG1(例えば、WF6ガス+水素ガス+窒素ガス)を導入するためのガス導入管110と、その対面には排出ガスE1を処理チャンバ100の外部へ排出するためのガス排出管120が設けられている。
【0056】
次に、本装置の作用を説明する。
処理チャンバ100内に図示しない搬送手段により基体40を搬入し、治具130に載置、保持させる。ガス排出管120に接続された図示しない排気手段により、処理チャンバ100内を所定の圧力まで減圧する。混合ガスG1をガス導入管110から処理チャンバ100へ所定量導入する。治具130(基体40)をヒータ140により所定温度まで加熱する。混合ガスG1は処理チャンバ100内を矢印の方向に進み、加熱されることにより活性化され、還元性ガス(例えば、水素ガス)の還元作用によりタングステンを基体40に析出する。
【0057】
この時、窒素ガスの添加量をソースガス量の2倍以上、または、通常行われるプロセス条件を考慮して添加流量を2000sccm以上にすることで、エッチングのしやすい結晶を成長させることができる。
【0058】
成膜処理の完了後、処理チャンバ100の残余の反応生成物をガス排出管120から排出し、処理チャンバ100内を大気圧環境に戻す。その後、図示しない搬送手段により基体40を搬出する。
【0059】
なお、前述したとおり、本発明に用いることができる装置は熱CVD装置に限定されるわけではなく、プラズマ、光エネルギー、レーザなどを用いた化学的気相成長法(CVD法)に使用する装置を適宜選択して使用することができるし、処理条件においても窒素ガスの添加量以外はプロセスに合わせて適宜選択、変更することができる。
【0060】
図8は、本発明の実施の形態に用いることが出来るケミカルドライエッチング装置(CDE装置)の模式断面図である。
このケミカルドライエッチング装置には、処理チャンバ100と、この上部天井部分に連通するように接続されたガス輸送管171と、が設けられている。このガス輸送管171には誘電体(例えば、石英やアルミナ)からなる放電管170が接続されている。そして、放電管171に対して直交するようにマイクロ波導波管150が接続されている。マイクロ波導波管150の放電管170に面する部分には、マイクロ波Mを放電管170に向けて放射する環状のスロット160が設けられている。放電管170の一端には、ガス導入管110が取り付けられている。また、処理チャンバ100の底部には排気管120が接続されており、排気管120の他端には図示しない真空ポンプなどの排気手段が接続されている。この排気手段により処理チャンバ100内を排気E2するとともに、これに連通するガス輸送管171や放電管170をも排気し、所定の減圧雰囲気を維持する。処理チャンバ100の内部の処理室100aには、基体40を載置するための載置台130が設けられている。
【0061】
次に、このCDE装置の作用について説明する。
図示しない真空ポンプなどの排気手段により、処理チャンバ100内から放電管170内が所定の圧力まで減圧される。一方、放電管170内にはガス導入管110を介して、図示しないガス供給手段からエッチングガスG2(例えば、CF4とO2の混合ガスなど)が導入される。また、マイクロ波導波管150に接続された図示しないマイクロ波発生手段より発生させたマイクロ波Mは、マイクロ波導波管150により放電管170の方向に導かれた後、環状のスロット160から放電管170内に放射される。このようにして放射されたマイクロ波MによりプラズマPが発生し、エッチングガスG2が分解、活性化されて中性活性種やイオンが生成される。生成された中性活性種やイオンはガス輸送管171内を処理室100aへと送られ、処理室100aに載置されている基体40の処理がおこなわれる。なお、ケミカルドライエッチングの場合は、寿命の短いイオンは輸送途中で消失する。そのため、寿命の長い中性活性種のみが処理室100aまで到達し、この処理室100aに送られた中性活性種Aにより基体40のエッチング処理が行われる。
【0062】
図9及び図10は、本発明の実施形態にかかる半導体集積回路装置の製造工程を例示する工程断面図である。
また、図11〜図14は、半導体集積回路装置の比較例の製造工程を示す模式図である。
すなわち、これらは、半導体集積回路装置の層間接続部の製造工程を例示する模式図である。
まず、先に、図11〜図14に表した比較例の製造工程について説明する。
【0063】
図11(a)に表したように、高濃度p型シリコン基体300の上部に、CVD法によりnチャンネル層310、SiO2層330を順次積層する。そして、リソグラフィー工程、エッチング工程をへてSiO2層330にアスペクト比の大きいコンタクトホール345を形成する。
【0064】
スパッタ法でTi膜を堆積させ、アルゴン(Ar)雰囲気中でアニールを行い、このTi層と下地のnチャンネル層310を反応させてコンタクトホール345の底面にTiSi2層320を形成させる。この時、コンタクトホール345の側壁及びSiO2層330上のTi層は下地がSiO2からなる層間絶縁膜であるため、シリサイド化されない。次に、コンタクトホール345の側壁及びSiO2層330上の未反応Ti層を、アンモニア過水などによってエッチング除去する。その後、CVD法によりTiN膜340を形成する。
【0065】
次に、同図(b)に表したように、窒素(N2)ガスを添加しないソースガスを用いてCVD法により、タングステン膜70を堆積させる。
【0066】
次に、ケミカルドライエッチング装置(CDE装置)によりエッチバックを行い、不要なタングステン膜を除去し、所望のコンタクトプラグ360を形成したところ、図11(c)に示すように残渣390が発生した。
ここで、CVD処理は、WF6ガス50sccmとH2ガス500sccmとからなる混合ガスを用い、圧力2KPaの条件にて実施した。
また、エッチバック処理は、反応ガスとしてCH4ガス60sccm、O2ガス190sccmとの混合ガスを用い、処理圧力を30Paとした。
【0067】
残渣390をX線回折法により調査した結果、基体300の主面に対して平行な結晶面が(110)に近い方位を有するタングステンであることが判明した。この残渣390を除去せずに、導電性金属を用いて電極や配線を形成すると、その残渣390に起因した表面リーク電流あるいは配線間の短絡が発生する。
【0068】
この問題を防ぐため、図12(a)に表したように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、この残渣390をTiN層340ごと除去し、同図(b)に表すように、再度TiN層340をCVD法を用いて形成させ、タングステンコンタクトプラグ360のみを開口するように、リソグラフィー工程、RIE(Reactive Ion Etching)装置によるエッチング工程をへて図12(b)に示すようにTiN層340を開口した。
【0069】
以上説明したように、ソースガスと水素ガスのみを用いてタングステンコンタクトプラグを形成すると、タングステンの残渣390が発生する。そのため、CMP工程が必要となり、製造工程の増加に伴うリードタイムの増加、歩留まりの低下、製品品質の低下などが生じる。
【0070】
次に、図13に示す、比較例の半導体集積回路装置の製造工程においてRIE(Reactive Ion Etching)装置によるエッチバックをする場合を説明する。
図13(a)、図13(b)の工程は、図11(a)、図11(b)と同様なので説明は省略する。本比較例においては、TiN層340の上にあるタングステン膜70をRIE(Reactive Ion Etching)装置を用い除去し、コンタクトプラグ360を形成する。エッチングガスとしては、CF4ガスとO2ガスの混合ガスを用いた。
【0071】
ここで、前述したように、RIE(Reactive Ion Etching)装置による処理では、図13(c)に示すようにTiN層340D上にダメージが残る。そのため、図14(a)に示すように、ダメージを受けたTiN層340DをCMP処理などにより除去し、図14(b)に示すように再度TiN層340を形成した後、リソグラフィー工程、エッチング工程をへてTiN層340を再度開口するか、ダメージ層を回復させる処理が別途必要となる。
【0072】
以上、この比較例では、タングステン原子を含むソースガスと、水素ガスからなる還元ガスと、を用いてタングステンコンタクトプラグを形成する場合、RIE(Reactive Ion Etching)装置でエッチバック(エッチング)処理をすれば、タングステンの残渣を無くすことができるが、TiN層340Dにダメージが残る。そのため、再度TiN層340を成膜し直すかダメージ回復処理をしなければならない。その結果、製造工程の増加に伴うリードタイムの増加、歩留まりの低下、製品品質の低下などが生じる。
【0073】
これに対して、本実施形態によれば、結晶構造が体心立方格子構造の金属、または、ルテニウムを確実且つ容易にエッチバック可能とした膜質を得ることができる。
【0074】
図9に表した本発明の実施形態にかかる半導体集積回路装置の製造工程を説明する。
ここで、図11に関して前述した比較例の製造工程と、同じ部分には同符号を付し説明は省略する。
まず、図9(a)に示すように、比較例と同じ手順でコンタクトホール345を開口し、TiN層340を成膜する。
【0075】
次に、同図(b)に示すように、タングステン原子を含むソースガス20と、シランガス及び水素ガスの混合ガスを有する第1還元ガス15と、キャリアガスからなるアルゴンガスと、からなる混合ガスを用いて、以下の成膜条件により成膜すると、TiN層340の主面上にラングステン原子を含む核10Aを複数形成する。
ここで、成膜条件は、WF6ガスが30sccm、SiH4が15sccm、H2ガスが1000sccm、Arガスが1000sccmとし、チャンバ内圧力を4KPa程度、チャンバ内温度を400°とする。
【0076】
さらに、図9(c)に表すように、上述した同図(b)と同様のタングステン原子を含むソースガス20と、水素ガスを有する第2還元ガス15と、窒素ガス30からなる触媒ガスと、Arガスとしてキャリアガスと、からなる混合ガスを用いて、以下の成膜条件により、再度、タングステン原子を含む核を有するTiN層340の主面上に熱CVD法により成膜処理を施し、タングステン膜10Bを成膜する。
【0077】
ここで、成膜条件は、WF6ガスが95sccm、H2ガスが700sccm、窒素(N2)ガスとアルゴン(Ar)ガスの混合比が30体積%以上となるようにN2ガスが500sccm、Arガスが1000sccmとし、チャンバ内圧力を12KPa程度、チャンバ内温度を475°からなる。
【0078】
次に、図10に示すように、ケミカルドライエッチング装置(CDE装置)によるエッチバック(エッチング)処理を行い、コンタクトプラグ360を形成する。この時、タングステンの残渣の有無を、顕微鏡とX線回折法により評価した結果、タングステンは実質的に検知されず、タングステンの残渣は存在しないことを確認した。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、タングステン膜10形成の際に使用するソースガスに所定量の窒素(N2)ガスを添加することにより、エッチングの容易な結晶面を優先的に成長させることができ、中性活性種を主体としたダメージの少ないエッチバック(エッチング)処理を行ってもタングステンなどの残渣の発生をなくすことができる。
そのため、製造工程の高信頼化及び簡略化ができ、歩留まりや品質などの向上が可能となる。
【0080】
なお、説明の便宜上、半導体集積回路装置の製造の場合を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、他の種類の半導体装置、液晶表示装置、マイクロアクチュエータなどの各種電子デバイスの製造に適用できる。また、コンタクトプラグ形成のみならず配線などにも適用できるのは言うまでもない。
【0081】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれら実施の形態に示した具体例に限定されるわけではない。
【0082】
例えば、本発明にかかる半導体装置の製造方法において用いる、CVD法の窒素(N2)ガス以外のガスの種類・組成比、処理圧力などや、中性活性種を主体とするエッチバック(エッチング)処理をする際のエッチングガスの種類・組成比・流量、処理圧力などの各種パラメーターについては、前述した具体例に限定されるものではなく、これらを如何ように変えたとしても、本発明の要旨を有するに限りにおいては、本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の実施の形態に係る成膜工程〜エッチバック(エッチング)工程を例示する模式図である。
【図2】比較例の成膜工程〜エッチバック(エッチング)工程を例示する模式図である。
【図3】タングステンを成膜する場合の成膜工程〜エッチバック(エッチング)工程を例示する模式図である。
【図4】タングステンを成膜する場合の製造方法を例示するフローチャートである。
【図5】窒素(N2)ガス30の添加量とタングステン膜10結晶面の強度比((110)/(200))との関係を示すグラフ図である。
【図6】エッチバック前後のウェーハ表面の残渣を観察した結果を表す模式図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる熱CVD処理装置の一例である。
【図8】本発明の実施の形態に用いることが出来るケミカルドライエッチング装置(CDE装置)の模式図である。
【図9】本実施形態にかかる半導体集積回路装置の工程断面図の実施例である。
【図10】本実施形態にかかる半導体集積回路装置の工程断面図の実施例である。
【図11】比較例の半導体集積回路装置の製造工程を例示する模式図である。
【図12】比較例の半導体集積回路装置の製造工程を例示する模式図である。
【図13】比較例の半導体集積回路装置の製造工程を例示する模式図である。
【図14】比較例の半導体集積回路装置の製造工程を例示する模式図である。
【図15】従来のコンタクトホールにタングステンを埋め込む工程を表す模式図である。
【符号の説明】
【0084】
10 金属膜、タングステン膜
20 ソースガス
25 混合ガス
30 窒素(N2)ガス
40 基体
70 タングステン膜
80 残渣
345 コンタクトホール
360 コンタクトプラグ
390 残渣
A 中性活性種
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜後に少なくともその一部がエッチングされる金属膜の成膜方法であって、
結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムを含有するガスと水素ガスとを含むソースガスと、窒素ガスと、を基体上に流し前記ソースガスを分解することにより前記金属または前記ルテニウムからなる金属膜を前記基体の上に形成することを特徴とする成膜方法。
【請求項2】
前記金属は、タングステン、タンタル、モリブデン、クロム、ニオブ、バナジウム及びユウロピウムよりなる群から選択されたいずれかであることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
【請求項3】
タングステンを含むガスと、シリコンを含むガスと、水素ガスと、を前記基体上に流すことにより前記基体上にタングステンを含む複数の核を形成する工程と、
タングステンを含むガスと、水素ガスと、窒素ガスと、を前記基体上に流すことにより前記基体上にタングステンを主成分とする連続的な膜を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の成膜方法。
【請求項4】
成膜が、3キロパスカル乃至15キロパスカルの範囲で実施されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項5】
窒素ガスの流量を前記ソースガスの流量の半分以上とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項6】
前記ソースガスを加熱して分解することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜方法により、半導体装置のコンタクトホール部に前記金属膜を埋め込むことを特徴とする成膜方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜方法により前記金属膜を形成する工程を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記金属膜の少なくとも一部をエッチングする工程をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項10】
中性活性種を主体として用いることにより前記エッチングすることを特徴とする請求項7記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項11】
絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、
請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜方法により前記コンタクトホールを埋め込むように前記金属膜を形成する工程と、
中性活性種を主体とするエッチバックにより前記絶縁膜の上に形成された前記金属膜を除去する工程と、
を備えたことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項1】
成膜後に少なくともその一部がエッチングされる金属膜の成膜方法であって、
結晶構造が体心立方格子構造の金属またはルテニウムを含有するガスと水素ガスとを含むソースガスと、窒素ガスと、を基体上に流し前記ソースガスを分解することにより前記金属または前記ルテニウムからなる金属膜を前記基体の上に形成することを特徴とする成膜方法。
【請求項2】
前記金属は、タングステン、タンタル、モリブデン、クロム、ニオブ、バナジウム及びユウロピウムよりなる群から選択されたいずれかであることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
【請求項3】
タングステンを含むガスと、シリコンを含むガスと、水素ガスと、を前記基体上に流すことにより前記基体上にタングステンを含む複数の核を形成する工程と、
タングステンを含むガスと、水素ガスと、窒素ガスと、を前記基体上に流すことにより前記基体上にタングステンを主成分とする連続的な膜を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の成膜方法。
【請求項4】
成膜が、3キロパスカル乃至15キロパスカルの範囲で実施されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項5】
窒素ガスの流量を前記ソースガスの流量の半分以上とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項6】
前記ソースガスを加熱して分解することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜方法により、半導体装置のコンタクトホール部に前記金属膜を埋め込むことを特徴とする成膜方法。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜方法により前記金属膜を形成する工程を含むことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【請求項9】
前記金属膜の少なくとも一部をエッチングする工程をさらに含むことを特徴とする請求項6記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項10】
中性活性種を主体として用いることにより前記エッチングすることを特徴とする請求項7記載の電子デバイスの製造方法。
【請求項11】
絶縁膜にコンタクトホールを形成する工程と、
請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜方法により前記コンタクトホールを埋め込むように前記金属膜を形成する工程と、
中性活性種を主体とするエッチバックにより前記絶縁膜の上に形成された前記金属膜を除去する工程と、
を備えたことを特徴とする電子デバイスの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−67015(P2007−67015A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−248344(P2005−248344)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】
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