説明

放送波受信装置、放送波受信方法、放送波受信プログラム、および記録媒体

【課題】視聴中または視聴予定の放送番組の放送波の受信状況を考慮したドライブプランを容易にユーザに計画させること。
【解決手段】放送波受信装置100は、記憶部101と、取得部102と、特定部103と、算出部104と、判断部105と、経路変更部106と、表示部107とによって構成されている。記憶部101は、受信状況情報を記憶する。取得部102は、経路情報を取得する。特定部103は、受信不良地域を特定する。算出部104は、受信不良地域への、移動体の到達予定時刻を算出する。判断部105は、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達するか否かを判断する。経路変更部106は、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達しないように、移動体の経路を変更する。表示部107は、経路情報と、受信不良地域と、到達予定時刻とを関連付けて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、放送波を受信する放送波受信装置、放送波受信方法、放送波受信プログラム、および記録媒体に関する。ただし、この発明の利用は、上述した放送波受信装置、放送波受信方法、放送波受信プログラム、および記録媒体には限られない。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの移動体に搭載されているナビゲーション装置の中には、出発地や目的地に加え、距離優先/時間優先/費用優先など、ユーザによって設定された様々な経路探索条件を考慮した経路を探索することができるだけでなく、TVチューナーなどの受信機を備えたことにより、TV番組などの放送番組を視聴することができるものがある(たとえば、下記特許文献1参照。)。このようなナビゲーション装置によれば、ユーザは、所望する放送番組を視聴しながら、各種経路探索条件を満たす最適な経路の誘導を受けることができるものとされている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−185456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術にあっては、経路上における放送番組の放送波の受信状況をユーザに提示することができない。このため、ユーザは、放送波の受信状況が良好な経路を選択したり、放送波の受信状況が良好な放送番組を好んで視聴するなどといった、放送波の受信状況を考慮したドライブプランや視聴プランの計画を容易におこなうことができず、「移動中に放送が途切れてしまうかもしれない」といった不安を抱えたまま放送番組を視聴していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる放送波受信装置は、目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する取得手段と、データベースに記憶された地域ごとの放送波の受信状況に関する情報と前記取得手段によって取得された前記経路情報とに基づいて、前記移動体の経路上における前記放送波の受信状況が悪い地域(以下、「受信不良地域」という)を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された受信不良地域への、前記移動体の到達予定時刻を算出する算出手段と、前記取得手段によって取得された前記経路情報と、前記特定手段によって特定された受信不良地域と、前記算出手段によって算出された前記到達予定時刻とを関連付けて表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、請求項4の発明にかかる放送波受信方法は、目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する取得工程と、データベースに記憶された地域ごとの放送波の受信状況に関する情報と前記取得工程によって取得された前記経路情報とに基づいて、前記移動体の経路上における前記放送波の受信状況が悪い地域(以下、「受信不良地域」という)を特定する特定工程と、前記特定工程によって特定された受信不良地域への、前記移動体の到達予定時刻を算出する算出工程と、前記取得工程によって取得された前記経路情報と、前記特定工程によって特定された受信不良地域と、前記算出工程によって算出された前記到達予定時刻とを関連付けて表示する表示工程と、を含んだことを特徴とする。
【0007】
また、請求項5の発明にかかる放送波受信プログラムは、請求項4に記載の放送波受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0008】
また、請求項6の発明にかかる記録媒体は、請求項5に記載の放送波受信プログラムをコンピュータに読み取り可能に記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる放送波受信装置、放送波受信方法、放送波受信プログラム、および記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態)
(放送波受信装置の機能的構成)
まず、本実施の形態にかかる放送波受信装置の機能的構成について説明する。図1は、本実施の形態にかかる放送波受信装置の機能的構成を示すブロック図である。図1において、放送波受信装置100は、記憶部101と、取得部102と、特定部103と、算出部104と、判断部105と、経路変更部106と、表示部107とによって構成されている。
【0011】
記憶部101は、地域ごとの放送波の受信状況に関する情報(以下、「受信状況情報」という)を記憶するデータベースである。受信状況情報には、たとえば、放送局ごとの放送波の受信レベルが、地域や場所ごとに設定されている。なお、受信状況情報は、本実施の形態のように放送波受信装置100に記憶されているものの利用に限らず、たとえば、放送波受信装置100と接続された別の装置に記憶されているものを利用するようにしてもよい。
【0012】
取得部102は、目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する。たとえば取得部102は、放送波受信装置100に内蔵されたメモリなどの記録媒体から経路情報を取得する。経路情報には、たとえば、出発地、経由地、目的地、各経由地および目的地への到達予定時刻などの情報が含まれている。また、取得部102は、視聴中または視聴予定の放送番組に関する情報(以下、「放送番組情報」という)を取得する。放送番組情報として、たとえば、各放送局から提供される電子番組ガイドが挙げられる。この場合、取得部102は、無線通信または有線通信によって、各放送局から送信された電子番組ガイドを受信する。取得部102によって取得された放送番組情報には、たとえば、放送局ごとの放送局名、番組ごとの番組名、番組の開始/終了時刻、などが示されている。なお、取得部102は、放送波受信装置100と接続された別の装置から経路情報を取得するようにしてもよい。
【0013】
特定部103は、記憶部101に記憶された受信状況情報と取得部102によって取得された経路情報とに基づいて、移動体の経路上における放送波の受信状況が悪い地域(以下、「受信不良地域」という)を特定する。
【0014】
算出部104は、特定部103によって特定された受信不良地域への、移動体の到達予定時刻を算出する。たとえば、算出部104は、まず、取得部102によって取得された経路情報や、移動体の経路を含む地図情報などに基づいて、移動体の経路上における現在地から受信不良地域までの距離を算出する。そして、算出部104は、算出された受信不良地域までの距離、所定の移動速度またはユーザによって入力された移動速度、放送波受信装置100に内蔵されている電波時計などから取得された現在時刻などの情報に基づいて、上記到達予定時刻を算出する。
【0015】
判断部105は、取得部102によって取得された放送番組情報と算出部104によって算出された移動体の到達予定時刻とに基づいて、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達するか否かを判断する。たとえば、判断部105は、視聴中または視聴予定の放送番組の終了時刻が「12:00」であった場合において、算出部104によって算出された移動体の到達予定時刻が「12:00」以降であった場合、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達しないと判断し、算出部104によって算出された移動体の到達予定時刻が「11:59」以前であった場合、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達すると判断する。
【0016】
経路変更部106は、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達すると判断部105によって判断された場合に、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達しないように、移動体の経路を変更する。たとえば、経路変更部106は、受信不良地域を移動体が回避するように、移動体の経路を変更する。また、たとえば、経路変更部106は、移動体の経路上における受信不良地域の手前にある移動体の停止可能場所を探索して、探索された停止可能場所に移動体を一定時間停止させるように、移動体の経路を変更する。たとえば、経路変更部106は、地図情報、渋滞情報、ユーザによって入力された出発地、経由地、目的地、各種条件(たとえば、時間優先/距離優先、一般道路優先/高速道路優先、など)などの情報に基づいて、移動体の経路を探索し、探索された経路へ移動体の経路を変更する。また、経路変更部106は、複数の経路を探索した場合、ユーザにそのいずれかを選択させることによって、変更する経路を決定する。
【0017】
表示部107は、取得部102によって取得された経路情報を表示する。また、表示部107は、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達すると判断部105によって判断された場合に、取得部102によって取得された経路情報と、特定部103によって特定された受信不良地域と、算出部104によって算出された到達予定時刻と、を関連付けて表示する。さらに、表示部107は、経路変更部106によって移動体の経路が変更された場合、取得部102によって取得された経路情報に代わって、変更された移動体の経路に関する経路情報を表示する。
【0018】
(放送波受信装置100による放送波受信処理の手順)
つぎに、本実施の形態にかかる放送波受信装置100による放送波受信処理の手順について説明する。図2は、本実施の形態にかかる放送波受信装置100による放送波受信処理の手順を示すフローチャートである。
【0019】
まず、取得部102によって、目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する(ステップS201)。つぎに、特定部103によって、記憶部101に記憶された受信状況情報とステップS201で取得された経路情報とに基づいて、受信不良地域を特定する(ステップS202)。
【0020】
そして、算出部104によって、ステップS202で特定された受信不良地域への、移動体の到達予定時刻を算出する(ステップS203)。さらに、表示部107によって、ステップS201で取得された経路情報と、ステップS202で特定された受信不良地域と、ステップS203で算出された到達予定時刻とを関連付けて表示して(ステップS204)、一連の処理を終了する。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態にかかる放送波受信装置100は、経路情報を取得し、受信不良地域を特定し、到達予定時刻を算出し、経路情報と、受信不良地域と、到達予定時刻とを関連付けて表示する構成とした。これにより、放送波の受信状況を考慮したドライブプランや視聴プランを容易にユーザに計画させることができる。この結果、ユーザによる利用満足度の向上を図ることができる。
【実施例】
【0022】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる放送波受信装置、放送波受信方法、放送波受信プログラムおよび記録媒体の好適な実施例を詳細に説明する。本実施例では、たとえば車両(四輪車、二輪車を含む)などの移動体に搭載されるナビゲーション装置によって、この発明にかかる放送波受信装置、放送波受信方法、放送波受信プログラム、および記録媒体を実施した場合の一例について説明する。
【0023】
(ナビゲーション装置300のハードウエア構成)
まず、ナビゲーション装置300のハードウエア構成について説明する。図3は、ナビゲーション装置300のハードウエア構成を示すブロック図である。
【0024】
図3において、ナビゲーション装置300は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、磁気ディスクドライブ304と、磁気ディスク305と、光ディスクドライブ306と、光ディスク307と、音声I/F(インターフェース)308と、マイク309と、スピーカ310と、入力デバイス311と、映像I/F312と、ディスプレイ313と、通信I/F314と、GPSユニット315と、各種センサ316と、カメラ317とを備えており、上記各構成部は、バス320などによってそれぞれ接続されている。
【0025】
CPU301は、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。ROM302は、ブートプログラム、経路探索プログラムなどのプログラムを記録している。また、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU301は、RAM303をワークエリアとして使用しながら、ROM302に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置300の全体の制御を司る。
【0026】
磁気ディスクドライブ304は、CPU301の制御にしたがって磁気ディスク305に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク305は、磁気ディスクドライブ304の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク305としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)等を用いることができる。
【0027】
また、光ディスクドライブ306は、CPU301の制御にしたがって光ディスク307に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク307は、光ディスクドライブ306の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク307は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク307のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0028】
磁気ディスク305および光ディスク307に記録される情報の一例としては、地図データや機能データが挙げられる。地図データは、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データと、道路の形状をあらわす道路形状データとを含んでおり、地区ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0029】
道路形状データは、さらに交通条件データを有する。交通条件データには、たとえば、各ノードについて、信号や横断歩道などの有無、高速道路の出入り口やジャンクションの有無、各リンクについての長さ(距離)、道幅、進行方向、道路種別(高速道路、有料道路、一般道路など)などの情報が含まれている。
【0030】
機能データは、地図上の施設の形状をあらわす3次元データ、当該施設の説明をあらわす文字データ、その他地図データ以外の各種のデータである。地図データや機能データは、地区ごとあるいは機能ごとにブロック分けされた状態で記録されている。具体的には、たとえば、地図データは、各々が、表示画面に表示された地図において所定の地区をあらわすように、地区ごとにブロック分けすることができる状態で記録されている。また、たとえば、機能データは、各々が、1つの機能を実現するように、機能ごとに複数にブロック分けすることができる状態で記録されている。
【0031】
また、機能データは、上述した3次元データや文字データに加えて、経路探索、所要時間の算出、経路誘導などを実現するプログラムデータなどの機能を実現するためのデータである。地図データおよび機能データは、それぞれ、地区ごとあるいは機能ごとに分けられた複数のデータファイルによって構成されている。
【0032】
音声I/F308は、音声入力用のマイク309および音声出力用のスピーカ310に接続される。マイク309に受音された音声は、音声I/F308内でA/D変換される。マイク309は、たとえば、車両のサンバイザー付近に設置され、その数は単数でも複数でもよい。なお、マイク309から入力された音声は、音声データとして磁気ディスク305あるいは光ディスク307に記録可能である。
【0033】
スピーカ310は、音声I/F308によって音声信号からD/A変換された音声を出力する。スピーカ310は固定式のものに限らず、たとえばヘッドフォンなどであってもよい。
【0034】
入力デバイス311は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス311は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
【0035】
映像I/F312は、ディスプレイ313およびカメラ317に接続される。映像I/F312は、具体的には、たとえば、ディスプレイ313全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ313を制御する制御ICなどによって構成される。
【0036】
ディスプレイ313には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。このディスプレイ313としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどを採用することができる。たとえば、ディスプレイ313は、車両内部の運転席前方に設けられている。また、ディスプレイ313は、たとえば車両内部の運転席前方に設けられているメインディスプレイなど1台のディスプレイ313によって構成されていてもよく、車両内部の運転席前方に設けられているメインディスプレイと車両内部の後部座席前方に設けられているサブディスプレイとの組み合わせなど複数台のディスプレイ313によって構成されていてもよい。
【0037】
通信I/F314は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置300とCPU301とのインターフェースとして機能する。通信I/F314は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU301とのインターフェースとしても機能する。
【0038】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F314は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0039】
また、通信I/F314は、TVチューナーを備え、このTVチューナーによって放送局からの放送番組を受信する。TVチューナーによって受信された放送番組のうち、音声データは、たとえば、音声I/F308の制御によってスピーカ310から出力される。また、映像データは、たとえば、映像I/F312の制御によってディスプレイ313から出力される。
【0040】
GPSユニット315は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット315の出力情報は、後述する各種センサ316の出力値とともに、CPU301による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、たとえば緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
【0041】
各種センサ316は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサなどの、車両の位置や状態を判断するための情報を出力する。これら各種センサ316によって出力された情報は、CPU301による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出などに用いられる。一方、車両外部に複数設けられた電波線センサ、赤外線センサ、超音波センサなどの各種センサ316は、たとえば、車両の周辺に存在する物体を検出し、この物体をカメラ317によって撮影するための情報を出力する。
【0042】
カメラ317は、車両外部の画像を撮影する。カメラ317によって撮影される画像は、静止画に限らず動画であってもよい。また、カメラ317によって撮影された画像は、たとえば、映像I/F312の制御によってディスプレイ313に表示される。
【0043】
なお、図1に示した実施の形態にかかる放送波受信装置100の機能的構成は、具体的には、たとえば記憶部101は、ROM302、RAM303、磁気ディスク305、および光ディスク307が、取得部102、特定部103、算出部104、判断部105、および経路変更部106は、CPU301が、表示部107は、ディスプレイ313が、それぞれその機能を実現する。
【0044】
(ナビゲーション装置300による放送波受信処理の手順)
つぎに、ナビゲーション装置300による放送波受信処理の手順について説明する。図4は、ナビゲーション装置300による放送波受信処理の手順を示すフローチャートである。
【0045】
まず、目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する(ステップS401)。ここで、まだ目的地までの経路探索処理がおこなわれてなく、経路情報がない場合は、経路探索処理をおこなって、経路情報を生成するようにしてもよい。そして、ステップS401で取得された経路情報を表示する(ステップS402)。
【0046】
つぎに、データベースに記憶された受信状況情報とステップS401で取得された経路情報とに基づいて、受信不良地域を特定して(ステップS403)、移動体の経路上に受信不良地域があったか否かを判断する(ステップS404)。
【0047】
ステップS404において、移動体の経路上に受信不良地域がなかったと判断した場合(ステップS404:No)は、一連の処理を終了する。一方、ステップS404において、移動体の経路上に受信不良地域があったと判断した場合(ステップS404:Yes)は、受信不良地域への移動体の到達予定時刻を算出する(ステップS405)。
【0048】
続いて、放送番組情報を取得して(ステップS406)、ステップS406で取得された放送番組情報とステップS405で算出された受信不良地域への移動体の到達予定時刻とに基づいて、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達するか否かを判断する(ステップS407)。
【0049】
ステップS407において、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達しないと判断した場合(ステップS407:No)は、一連の処理を終了する。一方、ステップS407において、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達すると判断した場合(ステップS407:Yes)は、ステップS403で特定された受信不良地域およびステップS405で算出された受信不良地域への移動体の到達予定時刻を表示する(ステップS408)。そして、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達しないように、移動体の経路を変更して(ステップS409)、一連の処理を終了する。このとき、移動体の経路を変更するか否かをユーザに選択させるようにしてもよい。
【0050】
(ディスプレイ313の画面上に表示された受信不良地域の一例)
つぎに、ディスプレイ313の画面上に表示された受信不良地域の一例について説明する。図5は、ディスプレイ313の画面上に表示された受信不良地域の一例を示す説明図である。
【0051】
図5に示すように、画面500は、ディスプレイ313の画面上に表示された表示画面であって、表示領域510と表示領域520とによって構成されている。このうち、表示領域510には、地図情報および経路情報が図示される。たとえば、図5に示す表示領域510には、地図情報に加えて、移動体を示すアイコン511、移動体の目的地を示すアイコン512、受信不良地域を示すアイコン513、移動体の停止可能場所を示すアイコン514、および移動体の経路Aが図示されている。
【0052】
一方、表示領域520には、各種文字情報などが表示される。たとえば、図5に示す表示領域520には、現在時刻「10:00」、視聴中の放送番組の終了時刻「12:00」、受信不良地域への移動体の到達予定時刻「11:00」、移動体の経路の変更をユーザに決定させるためのボタン521および522が表示されている。
【0053】
このように構成された画面500から、たとえば、ユーザは、視聴中の放送番組が「12:00」に終了するにも関わらず、移動体が受信不良地域へ到達する「11:00」には、視聴中の放送番組の電波の受信状態が悪くなると判断することができる。
【0054】
また、図5に示した画面500の状態から、たとえば、ユーザによってボタン521が選択された場合、ナビゲーション装置300は、受信不良地域を移動体が回避するように、移動体の経路を変更する。一方、ユーザによってボタン522が選択された場合、ナビゲーション装置300は、受信不良地域の手前にある移動体の停止可能場所を探索して、探索された停止可能場所に移動体を一定時間停止させるように、移動体の経路を変更する。
【0055】
(変更された移動体の経路の一例)
つぎに、変更された移動体の経路の一例について説明する。図6および図7は、変更された移動体の経路の一例を示す説明図である。
【0056】
たとえば、図6は、図5に示したように移動体の経路Aが表示されている画面500の状態から、ユーザによってボタン521が選択されたことにより、ナビゲーション装置300によって、受信不良地域を移動体が回避するように、移動体の経路が、経路Bへ変更された後の画面500の状態を示したものである。
【0057】
一方、図7は、図5に示したように移動体の経路Aが表示されている画面500の状態から、ユーザによってボタン522が選択されたことにより、ナビゲーション装置300によって、受信不良地域の手前にある移動体の停止可能場所を探索して、探索された停止可能場所に移動体を一定時間停止させるように、移動体の経路が、経路Cへ変更された後の画面500の状態を示したものである。
【0058】
ユーザは、上記したようにナビゲーション装置300によって提示された経路Bまたは経路Cに従って移動体を移動させることによって、視聴中の放送番組を受信状況が良好なまま最後まで視聴することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得し、データベースに記憶された地域ごとの放送波の受信状況に関する情報と取得された経路情報とに基づいて、受信不良地域を特定し、特定された受信不良地域への、移動体の到達予定時刻を算出し、取得された経路情報と、特定された受信不良地域と、算出された到達予定時刻とを関連付けて表示する構成とした。これにより、放送番組の放送波の受信状況を考慮したドライブプランや視聴プランを容易にユーザに計画させることができる。この結果、ユーザによる利用満足度の向上を図ることができる。
【0060】
また、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、放送番組情報を取得し、取得された放送番組情報と、算出された到達予定時刻とに基づいて、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達するか否かを判断し、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達しないと判断された場合においては、特定された受信不良地域と、算出された到達予定時刻とを表示しない構成とした。これにより、視聴中または視聴予定の放送番組に関係のない、ユーザにとって不要な受信不良地域や到達予定時刻などの情報の表示を排除することができる。このため、ユーザは、不要な情報に惑わされることなく放送番組を視聴したり、ドライブプランや視聴プランを計画したりすることができる。この結果、ユーザによる利用満足度の向上を図ることができる。
【0061】
また、本実施例にかかるナビゲーション装置300は、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達すると判断された場合に、放送番組の視聴中に受信不良地域へ移動体が到達しないように、移動体の経路を変更する構成とした。これにより、移動体の移動中であっても視聴中の放送番組の電波の良好な受信状態を継続することができる。このため、ユーザは、目的地までの移動中であっても、所望する放送番組を、良好な受信状態のまま、容易に継続して視聴することができる。この結果、ユーザによる利用満足度の向上を図ることができる。
【0062】
なお、本実施の形態で説明した放送波受信方法は、あらかじめ用意されたプログラムをナビゲーション装置300が有するコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本実施の形態にかかる放送波受信装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】本実施の形態にかかる放送波受信装置による放送波受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】ナビゲーション装置のハードウエア構成を示すブロック図である。
【図4】ナビゲーション装置による放送波受信処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】ディスプレイの画面上に表示された受信不良地域の一例を示す説明図である。
【図6】変更された移動体の経路の一例を示す説明図である。
【図7】変更された移動体の経路の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0064】
100 放送波受信装置
101 記憶部
102 取得部
103 特定部
104 算出部
105 判断部
106 経路変更部
107 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する取得手段と、
データベースに記憶された地域ごとの放送波の受信状況に関する情報と前記取得手段によって取得された前記経路情報とに基づいて、前記移動体の経路上における前記放送波の受信状況が悪い地域(以下、「受信不良地域」という)を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された受信不良地域への、前記移動体の到達予定時刻を算出する算出手段と、
前記取得手段によって取得された前記経路情報と、前記特定手段によって特定された受信不良地域と、前記算出手段によって算出された前記到達予定時刻とを関連付けて表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする放送波受信装置。
【請求項2】
視聴中または視聴予定の放送番組に関する情報を取得する放送番組情報取得手段をさらに備え、
前記放送番組情報取得手段によって取得された前記放送番組に関する情報と、前記算出手段によって算出された前記移動体の到達予定時刻とに基づいて、前記放送番組の視聴中に前記受信不良地域へ前記移動体が到達するか否かを判断する判断手段をさらに備え、
前記表示手段は、
前記放送番組の視聴中に前記受信不良地域へ前記移動体が到達しないと前記判断手段によって判断された場合においては、前記特定手段によって特定された受信不良地域と、前記算出手段によって算出された前記到達予定時刻とを表示しないことを特徴とする請求項1に記載の放送波受信装置。
【請求項3】
前記判断手段によって前記放送番組の視聴中に前記受信不良地域へ前記移動体が到達すると判断された場合に、前記放送番組の視聴中に前記受信不良地域へ前記移動体が到達しないように、前記移動体の経路を変更する経路変更手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の放送波受信装置。
【請求項4】
目的地までの移動体の経路に関する経路情報を取得する取得工程と、
データベースに記憶された地域ごとの放送波の受信状況に関する情報と前記取得工程によって取得された前記経路情報とに基づいて、前記移動体の経路上における前記放送波の受信状況が悪い地域(以下、「受信不良地域」という)を特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定された受信不良地域への、前記移動体の到達予定時刻を算出する算出工程と、
前記取得工程によって取得された前記経路情報と、前記特定工程によって特定された受信不良地域と、前記算出工程によって算出された前記到達予定時刻とを関連付けて表示する表示工程と、
を含んだことを特徴とする放送波受信方法。
【請求項5】
請求項4に記載の放送波受信方法をコンピュータに実行させることを特徴とする放送波受信プログラム。
【請求項6】
請求項5に記載の放送波受信プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−160446(P2008−160446A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346413(P2006−346413)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】