施設表示装置
【課題】 使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることが可能な施設表示装置を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置1は、手動検索処理及び自動検索処理にて、施設の検索を行う度に、その検索した施設の種別に対応する検索回数をカウントする。そして、自動検索処理の実行時には、その検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を施設データの中から検索して、その検索した施設を表示部16に表示する。よって、ナビゲーション装置1によれば、自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を表示部16に表示していくので、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【解決手段】 ナビゲーション装置1は、手動検索処理及び自動検索処理にて、施設の検索を行う度に、その検索した施設の種別に対応する検索回数をカウントする。そして、自動検索処理の実行時には、その検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を施設データの中から検索して、その検索した施設を表示部16に表示する。よって、ナビゲーション装置1によれば、自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を表示部16に表示していくので、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路地図上に存在する施設を表示する施設表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の現在位置周辺の道路地図をディスプレイに表示する車両用のナビゲーション装置が知られている。
そして、この種のナビゲーション装置には、道路地図上の施設及びその位置を表す施設情報が施設の種別毎に記憶された記憶媒体を備え、使用者の外部操作により特定種別の施設に対する検索指令が入力されると、記憶媒体を検索してその検索指令に対応する種別の施設情報を抽出し、その抽出した施設情報により特定される施設を、ディスプレイに表示している道路地図上に表示するようにされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このナビゲーション装置によれば、使用者は、施設を探したいときに、その種別の施設に対する検索指令を操作部を介して入力することにより、その指令に対応する種別の施設がどこに存在するのかということを知ることができる。
【特許文献1】特開平10−281797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、使用者は、自分がよく行動する領域(例えば自宅周辺)を運転する際には、ナビゲーション装置を利用して施設を探すのは面倒なので、通常はそのようなことはせずに、自分が行きなれた施設に行ってしまう。
【0005】
このため、従来のナビゲーション装置においては、例えば、使用者が行きなれたコンビニエンスストア(コンビニ)よりも自宅から近い位置に存在するコンビニや、使用者が行きなれたコンビニよりも交通に便利な位置に存在するコンビニがあったとしても、使用者がその存在に気付かないことがあるという問題があった。
【0006】
また、従来のナビゲーション装置においては、検索指令に対応する種別の施設情報しか使用しないので、それ以外の施設情報が無駄になってしまうという問題もあった。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたものであり、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることが可能な施設表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の施設表示装置においては、少なくとも施設の位置を表す施設情報が複数記憶された施設情報記憶手段を備え、検索手段が、施設情報記憶手段に記憶された施設情報に基づいて施設を検索し、表示制御手段が、検索手段により検索された施設を表示し、カウント手段が、検索手段による施設の検索回数をカウントし、特定手段が、カウント手段によるカウント結果に基づき、検索回数が少ない施設を検索手段の検索対象として特定する。そして、検索手段は、特定手段により特定された施設を検索する。
【0008】
以上のような請求項1に記載の施設表示装置によれば、検索手段が特定手段により特定される施設の検索を行う際には、検索回数が少ない施設を検索するので、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0009】
ところで、請求項1に記載の発明は、請求項2に記載のように、カウント手段は施設の検索回数を施設の種別毎にカウントし、特定手段は検索手段の検索対象として検索回数が少ない種別を特定するようにしてもよいし、請求項3に記載のように、カウント手段は、施設の検索回数を施設毎にカウントするようにしてもよい。
【0010】
また、検索手段は、請求項4に記載のように、特定手段により特定された施設の検索を周期的に行うようとよい。
このようにすれば、使用者の手を煩わせることなく、より多くの施設を効率よく知らせることができる。
【0011】
また、検索手段は、請求項5に記載のように、特定手段によって特定された施設と、表示制御手段に優先的に表示させるよう設定された施設とを検索するとよい。
このようにすれば、例えば、使用者が優先して表示させたい施設を設定しておくことにより、その施設が特定手段に特定される施設でなかったとしても、その施設を表示することができる。よって、施設表示装置の使い勝手を向上させることができる。
【0012】
また、請求項5に記載の施設表示装置によれば、この装置のメーカは、例えば施設と提携するなどして、その施設を優先して表示するように設定しておくことにより、その施設が特定手段に特定される施設でなかったとしても、その施設を表示することができ、その提携先の施設から広告料を貰うようにすることが可能となる。
【0013】
次に、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の施設情報装置において、通信手段が、施設情報を配信する情報センタと通信をすることにより、情報センタから新しい施設情報を取得し、更新手段が、通信手段により新しい施設情報が取得されると、その施設情報に基づき、施設情報記憶手段の施設情報を更新するようにされている。
【0014】
このような請求項6に記載の施設表示装置によれば、施設情報記憶手段の施設情報を新しい施設情報に更新するので、使用者は、より正確な施設の情報を知ることができる。
次に、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の施設表示装置において、更新手段は、新たに追加された新規施設に対しては、その旨を検索手段が識別可能となるように施設情報記憶手段に記憶し、検索手段は、特定手段により特定された施設を検索すると共に、新規施設を検索し、その新規施設が表示制御手段により表示された場合に、その新規施設を、次回から新規施設として識別しないようにされている。
【0015】
このような請求項7に記載の施設表示装置によれば、新規施設が特定手段に特定される施設でなかったとしても、その新規施設を表示するため、使用者に対して、施設に問わず、新たに追加された施設(新規施設)を効率よく知らせることができる。
【0016】
ところで、表示制御手段は、検索手段により検索された施設を表示する際、その施設の一覧表を生成して表示するようにしてもよいし、請求項8に記載のように、検索手段により検索された施設を道路地図上に表示するようにしてもよい。
【0017】
即ち、請求項8に記載の施設表示装置は、道路地図を表す地図情報が記憶された地図情報記憶手段を備えており、表示制御手段が、地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づき道路地図を表示すると共に、検索手段により施設が検索されると、その検索された施設を、表示中の道路地図上に表示する。
【0018】
このような請求項6に記載の施設表示装置によれば、検索された施設を道路地図上に表示するようにしているので、使用者は、その施設がどこにあるのかを容易に知ることができる。
【0019】
ところで、施設表示装置は、例えば使用者の自宅に設置されていてもよいが、車両に搭載されていてもよい。そして、施設表示装置を車両に搭載する場合には、請求項9に記載のように構成するとよい。
【0020】
即ち、請求項9に記載の施設表示装置においては、検索手段が、車両の移動に応じて、特定手段により特定された施設を検索し、表示制御手段が、現在位置検出手段により検出された現在位置に基づき、検索手段により検索された施設の中から表示すべき施設を抽出し、その抽出した施設を表示する。
【0021】
このような請求項9に記載の施設表示装置によれば、表示すべき施設の表示範囲を適宜設定することにより、使用者(即ち、車両乗員)の好みに合わせて、施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0022】
ところで、検索手段は、請求項10に記載のように、車両の移動に従いこの車両が所定の検索領域に入ったときに、特定手段により特定された施設の検索を行うようにするとよい。このようにすれば、検索領域を適宜設定しておくことで、使用者の好みに合わせて施設の情報を知らせることができる。
【0023】
そして、施設表示装置を請求項10に記載のように構成した場合には、その施設表示装置を請求項11に記載のように構成するとよい。
即ち、請求項11に記載の施設表示装置においては、検索領域は複数存在すると共に、施設情報は検索領域毎に施設情報記憶手段に記憶されており、カウント手段は、検索回数を各検索領域毎にカウントし、特定手段は、車両の移動に従いこの車両が突入した検索領域に対応する検索回数が少ない施設を、検索手段の検索対象として特定し、検索手段は、車両の移動に従いこの車両が突入した検索領域の施設情報の中から、特定手段により特定される施設を検索する。
【0024】
このような請求項11に記載の施設表示装置によれば、検索手段は、車両の移動に従いその車両が突入した検索領域内に存在する施設を検索対象としているので、施設情報記憶手段内の施設情報全体を検索対象とした場合に比べて、検索手段が施設を検索するのに要する処理時間を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明の実施形態について、図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.ナビゲーション装置1の構成
図1は、本発明が適用された第1実施形態のナビゲーション装置の構成を表すブロック図である。
【0026】
第1実施形態のナビゲーション装置1は、車両に搭載され、車両の走行に伴って移動していく現在位置を表示画面上に道路地図と共に表示したり、現在位置から車両乗員の設定した目的地までの経路を案内したりするためのものである。
【0027】
そして、このナビゲーション装置1は、図1に示すように、主に、位置検出部10と、地図データ格納部12と、データ通信部14と、表示部16と、操作部18と、音声出力部20と、不揮発性のメモリ22と、これら各部を含むナビゲーション装置1全体を統括制御する制御部24とから構成されている。
【0028】
位置検出部10は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し車両の現在位置を検出するGPS受信機26と、車速センサや車輪速センサ等からの検出信号に基づいて車両の走行距離を検出する距離センサ28と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ30と、地磁気に基づいて絶対方位を検出する地磁気センサ32とを備えており、互いに性質の異なる誤差を有する受信機26、センサ28、30、32からの情報を制御部24に提供して、制御部24がこれらから検出したデータを互いに補完しながらより正確な車両の現在位置を把握することができるようにされている。
【0029】
次に、地図データ格納部12は、CD−ROM、DVD、メモリカード、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶媒体にて構成されており、表示部16にて地図画面を表示したり車両乗員が指定した目的地までの経路を案内したりするために必要な各種データが記憶されている。
【0030】
そして、地図データ格納部12には、上記各種データとして、道路地図が登録された地図データ、道路地図上に存在する施設及びその位置を表す複数の施設データ、GPS受信機46等から得た経度及び緯度で表される車両の現在位置から車両が走行中の道路を地図画面上で特定するためのマップマッチング用データ等が記憶されている。
【0031】
ここで、施設データは、図2(a)に示すように、道路地図を複数に分割した地図区画毎に地図データ格納部12に記憶されており、これら施設データの各々は、施設の名称を表す施設名と、その施設が存在する位置を表す座標とが、施設の種別を表す種別コードに関連付けられている。
【0032】
また、施設及びその種別について具体的に説明すると、施設とは、図2(a)に示すように、座標(X1、Y1)や座標(X2、Y2)等の特定の位置に存在する「コンビニA」や「ホテルB」等の建物自体(単体)のことをいい、種別とは、「コンビニA」が属するコンビニエンスストア(コンビニ)や、「ホテルA」が属するホテル等のグループのことをいう。
【0033】
次に、表示部16は、車両の走行に必要な道路の接続情報を含む地図等を表示画面上に表示して車両乗員に報知するために備えられており、例えば、制御部24にて制御されて、制御部24が地図データ格納部12から読み出した各種データに基づいて車両が走行する周辺の地図画面を表示すると共に、車両の現在位置を表す現在地マークをカラーで表示したり、車両乗員に対する注意喚起用のメッセージ等を表示したりする。
【0034】
操作部18は、車両乗員が外部操作にて各種指令をナビゲーション装置1に入力するために備えられており、表示部16と一体に構成され表示画面上に設定されるタッチスイッチや、ナビゲーション装置1の表示画面の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成されている。
【0035】
音声出力部20は、D/A(デジタル/アナログ)変換回路、スピーカ等を備えており、制御部24から受信したデジタル音声信号をアナログ信号に変換して、スピーカから音声を出力し、車両乗員に必要な各種案内を音声にて行う。
【0036】
データ通信部14は、各車両と交信可能な無線基地局2に電話局4を介して接続された情報センタ6とデータ通信をするためのものであり、例えば携帯電話や自動車電話等の携帯端末にて構成され、制御部24に着脱可能に接続されている。
【0037】
なお、情報センタ6は、電話局4、無線基地局2を介してナビゲーション装置1と通信を行う回線端末装置40と、渋滞情報、文字情報、気象情報、他車情報、施設情報、広告情報等の各種情報を加工するサーバ42と、その各種情報を蓄積しておくデータベース44とを備えており、ナビゲーション装置1から情報配信指令を受信すると、その指令に対応する情報をデータベース44から検索し、その検索結果を、情報配信指令を送信してきたナビゲーション装置1に対して送信する。
【0038】
次に、制御部24は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを備えており、ROM等に記憶されたナビゲーション装置1の各機能を果たすための各プログラムをCPUにて実行し、装置1内の各部を制御する。
【0039】
また、制御部24は、位置検出部10により特定される車両の現在位置を、車両周辺の地図画面上に重ねて表示部16に表示すると共に、目的地が設定されている場合には、更に目的地までの経路案内を行う、といった一般的な案内処理を行う。
【0040】
また、制御部24は、車両乗員による特定種別の施設に対する手動検索指令が操作部18から入力されると、その手動検索指令に対応する種別の施設を施設データの中から検索し、その施設を車両周辺の地図画面上に重ねて表示部16に表示する、といった手動検索処理を行う。
【0041】
そして特に、制御部24は、車両の移動に応じて、特定種別の施設を施設データの中から周期的に検索し、その施設を車両周辺の地図画面上に重ねて表示部16に表示する、といった自動検索処理を行う。
【0042】
ここで、メモリ22には、図2(b)に示すように、施設の検索回数を施設の種別毎にカウントするための検索履歴データが地図区画毎に記憶されている。これら検索履歴データの各々は、該当する地図区画に含まれる施設の種別を表す施設IDと、その施設IDの検索回数とが関連付けられている。
【0043】
そして、制御部24は、自動検索処理の実行時に、検索すべき施設の種別を上記検索回数に基づいて特定し、その特定した種別に対応する施設(種別)の検索回数をカウントアップする。
【0044】
2.ナビゲーション装置1の特徴的作動
以下、ナビゲーション装置1の制御部24にて実行される手動検索処理及び自動検索処理について、図3〜5を用いて説明する。なお、図3は、制御部24が実行する手動検索処理を表すフローチャートであり、図4は、制御部24が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。また、図5は、制御部24が手動検索処理及び自動検索処理にて表示部16に表示する地図画面を説明する説明図である。
【0045】
2.1.手動検索処理
図3に示す手動検索処理は、手動検索指令が入力されたときに実行される処理であり、この手動検索処理が開始されると、まず、表示部16が地図画面として現在使用している地図区画に対応する施設データの中から、手動検索指令に対応する種別の施設が検索される(S110)。
【0046】
例えば、表示部16が現在地図画面として現在使用している地図区画が「地図No1」であった場合には、図2(a)に示すように、「地図No1」の施設データの中から、手動検索指令に対応する種別の施設が検索される。
【0047】
つまり、S110では、道路地図全体(全ての地図区画)に含まれる施設を検索対象とするのではなく、表示部16が地図画面として現在使用している地図区画に含まれる施設を検索対象として、手動検索指令に対応する種別の施設を検索している。
【0048】
そして、S110にて手動検索指令に対応する種別の施設が検索されると、S110で検索された施設のうち、車両の現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され(S120)、図5に示すように、S120で抽出された施設A、Bが、車両の現在位置P周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S130)。
【0049】
続いて、S110で検索された施設の検索回数が1つだけカウントアップされ(S140)、手動検索処理が終了する。
具体的に説明すると、S140では、例えば、手動検索指令に対応する種別が「コンビニ(コンビニエンスストア)」であり、S110で検索対象となった施設の地図区画が「地図No1」だった場合には、地図区画が「地図No1」である検索履歴データ内の施設の検索回数のうち、コンビニ(施設IDが「地図No1−0001」)に対応する検索回数が1つだけカウントアップされる。
【0050】
また、S110で検索対象となった施設の地図区画が「地図No1」及び「地図No2」だった場合には、地図区画が「地図No1」及び「地図No2」である検索履歴データ内の施設の検索回数のうち、「地図No1」及び「地図No2」のコンビニ(施設IDが「地図No1−0001」及び「地図No2−0001」)に対応する検索回数が1つだけカウントアップされる。
【0051】
2.2.自動検索処理
図4に示す自動検索処理は、車両のイグニッションスイッチがオンしてから繰り返し実行される処理であり、この自動検索処理が開始されると、まず、手動検索指令が入力されたか否かが判定される(S210)。
【0052】
そして、手動検索指令が入力されたと判定された場合には(S210:YES)、自動検索処理が終了し、逆に手動検索指令が入力されていないと判定された場合には(S210:NO)、表示部16が地図画面として現在使用している地図区画が施設の検索領域とされ、この検索領域とされた地図区画に対応する検索履歴データが読み込まれる(S220)。
【0053】
そして、S220にて検索履歴データが読み込まれると、その読み込まれた検索履歴データ内の施設(種別)の検索回数に基づいて、検索回数が少ないものから2つの種別が、この自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される(S230)。
【0054】
具体例を挙げて説明すると、S220で読み込まれた検索履歴データが図2(b)に示す「地図No1」の検索履歴データであった場合、S230では、ファミレス(ファミリーレストラン)とホテルとが、自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される。
【0055】
また、S220で読み込まれた検索履歴データが例えば図2(b)に示す「地図No1」及び「地図No2」の検索履歴データであった場合、「地図No1」のデータでは、ファミレスとホテルとが自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定され、「地図No2」では、ガソリンスタンド(GS)とファミレスとが自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される。
【0056】
つまり、表示部16が地図画面として現在使用している地図区画が複数であった場合には、その地図区画毎に、検索回数の少ないものから2つの種別が、自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される。なお、下位2番目の検索回数が同じものが2つ以上存在することもあるが、この場合には、施設IDの番号が小さい方を優先する。
【0057】
そして、S230にて自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定されると、S220で読み込まれた検索履歴データに対応する地図区画の施設データの中から、S230で特定された種別の施設が検索される(S240)。
【0058】
そして、S240にて施設(特定種別の施設)が検索されると、その施設(種別)の検索回数(詳しくは、S220で読み込まれた検索履歴データ内の施設の検索回数のうち、S230で特定された施設の検索回数)が1つだけカウントアップされる(S250)。
【0059】
続いて、S240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され(S260)、図5に示すように、S260で抽出された施設A、Bが、車両の現在位置P周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S270)。
【0060】
そして、S260で抽出された施設が表示部16に表示されると(S270)、車両の走行に従い、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0061】
そして、新たな地図区画が加わっていないと判定された場合には(S280:NO)、S260に戻り、S240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出される。
【0062】
一方、新たな地図区画が加わったと判定された場合には(S280:YES)、車両が新たな検索領域に入ったと判断され、新たに使用される地図区画に対応する検索履歴データが読み込まれ(S290)、S230に戻る。
【0063】
そして、S230では、S290で読み込まれた検索履歴データ内の施設(種別)の検索回数に基づいて、検索回数の少ないものから2つの種別が、自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される。
【0064】
なお、制御部24は、自動検索処理の実行中に、使用者が操作部18を操作することにより、自動検索処理を中止させるための指令が入力されたり、手動検索指令が入力されたりすると、自動検索処理を終了するようにされている。
【0065】
3.本実施形態に係るナビゲーション装置1の特徴
本実施形態のナビゲーション装置1では、手動検索処理及び自動検索処理にて、施設の検索を行う度に(S110、S240)、その検索した施設の種別に対応する検索回数をカウントし(S140、S250)、自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を検索して表示する(S270)。
【0066】
従って、本実施形態のナビゲーション装置1によれば、手動検索処理を実行しないときには自動検索処理を実行し、その自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を表示部16に表示していくため、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0067】
また、本実施形態のナビゲーション装置1によれば、制御部24は、表示部16に表示すべき地図区画に含まれる施設を検索対象としているため、道路地図全体に含まれる施設を検索対象とした場合に比べて、施設の検索に要する処理時間を少なくすることができる。
【0068】
なお、本実施形態では、自動検索処理(図4参照)で実行されるS240の処理、即ち検索回数のカウント処理を、施設が検索された後(S230の後)に実行していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、検索回数のカウント処理(S240)は、検索された施設が表示部16に表示された後(S270の後)に実行されてもよいし、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定された後(S230の後)に実行されてもよい。
【0069】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、地図データ格納部12が、地図情報記憶手段及び施設情報記憶手段に相当している。また、S120、S130、S260、S270の処理が表示制御手段に相当し、S240の処理が検索手段に相当している。また、S140及びS250の処理がカウント手段に相当し、S230の処理が特定手段に相当し、位置検出部10が現在位置検出手段に相当している。
【0070】
(第2実施形態)
第1実施形態では、自動検索処理の実行時に、施設(種別)の検索回数が少ない種別の施設を検索するようにしていたが、第2実施形態は、検索回数が少ない種別の施設に加えて、優先的に表示するように設定された施設(以下、優先施設という。)を検索するようにしたものである。
【0071】
ここで、優先施設とは、このカーナビゲーション装置の製造業者又は使用者によって、自動検索処理にて表示部16に優先的に表示するように設定された施設のことをいう。
また、第2実施形態のナビゲーション装置は、その優先施設の概要を表す概要データ及び詳細を表す詳細データを表示部16に表示可能にされている。
【0072】
具体的に説明すると、第2実施形態のナビゲーション装置において、地図データ格納部12に記憶された施設データに含まれる施設のうち、優先施設には、自動検索処理にて表示部16に優先的に表示することを表すフラグAがセットされていると共に、その施設の概要(住所や電話番号等)を表す概要データが登録されている。
【0073】
また、情報センタ6のデータベース44には、優先施設の詳細(例えば、営業時間や定休日等)を表す詳細データが各優先施設毎に登録されており、サーバ42は、ナビゲーション装置から優先施設の情報配信指令を回線端末装置40を介して受信すると、その情報配信指令に対応した優先施設の詳細データを、その指令を送信してきたナビゲーション装置へ送信する。
【0074】
1.カーナビゲーション装置の特徴的作動
1.1.自動検索処理
図6は、第2実施形態の自動検索処理を表すフローチャートである。なお、図6において、第1実施形態の自動検索処理と同様の処理内容については、同じステップ番号を付しているため、詳細な説明は省略する。また、このことは、後述する図10及び図13についても同様である。
【0075】
図6に示す自動検索処理が制御部24により開始された後、S220又はS290にて検索履歴データが読み込まれると(S290)、その読み込まれた検索履歴データに対応する地図区画の施設データの中から優先施設(フラグAがセットされた施設)が検索され、その検索結果に基づいて優先施設があるか否かが判定される(S310)。
【0076】
そして、S310にて優先施設があると判定された場合には(S310:YES)、その判定された優先施設が抽出され(S320)、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定される(S230)。一方、S310にて優先施設がないと判定された場合には(S310:NO)、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定される(S230)。
【0077】
その後、S240及びS250の処理が終了すると、S260にて、S320で抽出された優先施設、及びS240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され、続くS270にて、S260で抽出された施設が、車両の現在位置周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される。
【0078】
なお、S270にて優先施設を表示部16に表示する際には、優先施設を識別することができるように、優先施設以外の施設に対して、色を変えて表示したり、図8(a)に示す如く大きさや形状を変えて表示したりするとよい。
【0079】
1.2.詳細データ表示処理
図7は、第2実施形態の制御部24が実行する詳細データ表示処理を表すフローチャートであり、この詳細データ表示処理は、使用者が操作部18を操作することにより、表示部16に表示されている優先施設が選択されたときに実行される処理である。
【0080】
そして、図7に示す詳細データ表示処理が開始されると、まず、使用者により選択された優先施設の概要データに基づき、図8(a)に示すように、優先施設の種別、施設名、住所、電話番号、詳細データを取得するための詳細ボタン等を一覧表示した概要画面Qが生成され、その生成された概要画面Qが、地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S410)。
【0081】
そして、S410にて概要画面Qが表示部16に表示されると、詳細データ取得指令が入力されたか否かが判定される(S420)。なお、本実施形態では、表示部16に表示されている概要画面Q上の詳細ボタンが使用者に押されたときに、S420にて詳細データ取得指令が入力されたと判定される。
【0082】
そして、S420にて詳細データ取得指令が入力されていないと判定された場合には(S420:NO)、概要画面Qが表示部16に表示されてから所定時間が経過したか否かが判定され(S460)、所定時間が経過したと判定されると(S460:YES)、概要画面Qの表示が終了され(S470)、詳細データ表示処理が終了する。
【0083】
一方、S420にて詳細データ取得指令が入力されたと判定した場合には(S420:YES)、使用者により選択された優先施設の情報配信指令がデータ通信部14に出力される(S430)。すると、データ通信部14は、情報センタ6と通信を行うことにより情報配信指令に対応する優先施設の詳細データを取得することとなる。
【0084】
そして、S430にて優先施設の情報配信指令が出力されると、データ通信部14が優先施設の詳細データを取得したか否かが判定される(S440)。そして、優先施設の詳細データを取得したと判定されると(S440:YES)、その取得した詳細データに基づき、図8(b)に示すように、優先施設の種別、施設名、住所、電話番号、営業時間等を一覧表示した詳細画面Rが生成され、その生成された詳細画面Rが、地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S450)。
【0085】
そして、S450にて詳細画面Rが表示部16に表示されると、その詳細画面Rが表示部16に表示されてから所定時間が経過したか否かが判定され、所定時間が経過したと判定されると(S460:YES)、概要画面Q及び詳細画面Rの表示が終了され(S470)、詳細データ表示処理が終了する。
【0086】
2.本実施形態に係るナビゲーション装置の特徴
以上のような第2実施形態のナビゲーション装置によっても、第1実施形態と同様に、手動検索処理を実行しないときには自動検索処理を実行し、その自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を表示部16に表示していくため、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0087】
また、第2実施形態のナビゲーション装置によれば、優先施設の種別がS230の処理で特定される種別でなかったとしても、その優先施設を表示部16に表示することができる。よって、このナビゲーション装置のメーカは、例えば施設と提携するなどして、その施設を優先して表示部16に表示するように予め設定しておくことにより、その提携先の施設から広告料を貰うようにすることが可能となる。
【0088】
なお、第2実施形態では、優先施設の概要や詳細を表示部16に表示するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、優先施設以外の施設についても施設の概要や詳細を、図8に示す如く表示部16に表示するようにしてもよい。
【0089】
また、第2実施形態では、使用者による操作が行われた場合に優先施設の概要を表示するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)に存在する優先施設の概要を自動的に表示するようにしてもよいし、車両の現在位置に対して最も近い施設の概要を自動的に表示するようにしてもよい。そして、このことは、施設の詳細についても同様である。
【0090】
また、優先施設以外の施設の概要を表示部16に表示するように本発明を構成した場合についても、上述したように、使用者による操作が行われた場合に優先施設の概要を表示するようにしてもよいし、車両の現在位置から所定範囲以内に存在する施設の概要を自動的に表示するようにしてもよいし、車両の現在位置に対して最も近い施設の概要を自動的に表示するようにしてもよい。
【0091】
3.発明特定事項と実施形態との対応関係
第2実施形態では、S310及びS240の処理が検索手段に相当している。
(第3実施形態)
第1実施形態では、地図データ格納部12に記憶されている施設データの更新を行っていなかったが、第3実施形態は、ナビゲーション装置と情報センタ6との間で通信が行われることにより、地図データ格納部12に記憶されている施設データの更新を行うようにしたものである。
【0092】
1.ナビゲーション装置の特徴的作動
1.1.施設データ更新処理
図9は、第3実施形態の制御部24が実行する施設データ更新処理を表すフローチャートであり、この施設データ更新処理は、制御部24にて定期的に実行される処理である。そして、図9に示す施設データ更新処理が開始されると、まず、施設データの情報配信指令がデータ通信部14へ出力される(S510)。すると、データ通信部14は、情報センタ6と通信を行うことにより情報センタ6から施設データを取得することとなる。
【0093】
そして、S510にて施設データの情報配信指令が出力されると、データ通信部14が施設データを取得したか否かが判定される(S520)。そして、データ通信部14が施設データを取得したと判定されると(S520:YES)、地図データ格納部12に記憶された施設データが、データ通信部14により取得された施設データに更新される(S530)。
【0094】
次いで、S540では、今回の更新で新たに追加された施設(以下、新規施設という)があるか否かが判定され、新規施設がないと判定された場合には(S540:NO)、施設データ更新処理が終了し、逆に、新規施設があると判定された場合には(S540:YES)、その新規施設に対して、新規施設であることを表すフラグBがセットされ(S550)、施設データ更新処理が終了する。
【0095】
1.2.自動検索処理
図10は、第3実施形態の自動検索処理を表すフローチャートであり、この図10に示す自動検索処理が制御部24に開始された後、S220又はS290にて検索履歴データが読み込まれると、その読み込まれた検索履歴データに対応する地図区画の施設データの中から新規施設(フラグBがセットされた施設)が検索され、その検索結果に基づいて新規施設があるか否かが判定される(S610)。
【0096】
そして、S610にて新規施設がないと判定された場合には(S610:NO)、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定される(S230)。一方、新規施設があると判定された場合には(S610:YES)、S610で判定(検索)された新規施設が抽出され(S620)、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定される(S230)。
【0097】
その後、S240及びS250の処理が終了すると、S260にて、S620で抽出された新規施設、及びS240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され、続くS270にて、S260で抽出された施設が、車両の現在位置周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される。
【0098】
なお、S270にて新規施設を表示部16に表示する際には、新規施設を識別することができるように、新規施設以外の施設に対して、色を変えて表示したり、大きさや形状を変えて表示したりするとよい。
【0099】
そして、S270にて施設が表示部16に表示されると、その新規施設が表示部16に表示されたか否かが判定される(S630)。そして、新規施設が表示されていないと判定された場合には(S630:NO)、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0100】
一方、新規施設が表示されたと判定された場合には(S630:YES)、その表示された新規施設のフラグBがリセットされ(S640)、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0101】
2.本実施形態に係るナビゲーション装置の特徴
以上説明したような第3実施形態のナビゲーション装置では、情報センタ6と定期的に通信することにより施設データを更新していき、自動検索処理の実行時に、新規施設が表示部16に表示された道路地図上に存在した場合には、その新規施設を、特定種別の施設と共に地図画面上に重ねて表示部16に表示するようにされている。
【0102】
よって、第3実施形態のナビゲーション装置によれば、新規施設の種別がS230の処理で特定される種別でなかったとしても、その新規施設を表示部16に表示するため、使用者に対して、施設の種別に問わず、新規施設の存在を効率よく知らせることができる。
【0103】
また、第3実施形態のナビゲーション装置によれば、第1実施形態と同様に、手動検索処理を実行しないときには自動検索処理を実行し、その自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を表示部16に表示していくため、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0104】
また、第3実施形態のナビゲーション装置によれば、地図データ格納部12の施設データを、定期的に最新の施設データに更新するので、使用者は、より正確な施設の情報を知ることができる。
【0105】
3.発明特定事項と実施形態との対応関係
第3実施形態では、データ通信部14が通信手段に相当し、S520〜S550の処理が更新手段に相当し、S240、S610、S630及びS640の処理が検索手段に相当している。
【0106】
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態では、施設の検索回数を種別毎にカウントするようにしていたが、第4実施形態は、施設の検索回数を施設単体毎にカウントするようにしたものである。つまり、第4実施形態の自動検索処理では、同じ種別の施設(同じグループに属する施設)をまとめて検索するのではなく、施設単体を検索する。
【0107】
1.施設データ及び検索履歴データ
図11(a)は、第4実施形態の施設データを説明する説明図であり、図11(b)は、第4実施形態の検索履歴データを説明する説明図である。
【0108】
施設データの各々は、図11(a)に示すように、施設の名称を表す施設名と、その施設が存在する位置を表す座標とが、施設及びその種別を表す施設コードに関連付けられており、これら施設データは、地図区画毎に地図データ格納部12に記憶されている。
【0109】
また、検索履歴データは、施設の検索回数を施設単体毎にカウントするためのものであり、この検索履歴データは、図11(b)に示すように、地図区画毎にメモリ22に複数記憶されている。そして、これら検索履歴データの各々は、該当する地図区画に含まれる施設(単体)を表す施設IDと、その施設IDにより特定される施設の検索回数とが関連付けられている。
【0110】
2.ナビゲーション装置の特徴的作動
2.1.手動検索処理
図12は、第4実施形態の制御部24が実行する手動検索処理を表すフローチャートである。なお、この図12において、第1実施形態の手動検索処理と同様の処理内容については、同じステップ番号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0111】
図12に示す手動検索処理が開始された後、S120で抽出された施設が表示部16に表示されると(S130)、その表示された施設の検索回数が1つだけカウントアップされ(S710)、手動検索処理が終了する。
【0112】
2.2.自動検索処理
図13は、第4実施形態の制御部24が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。
【0113】
図13に示す自動検索処理が開始された後、S220又はS290にて検索履歴データが読み込まれると、その読み込まれた検索履歴データ内の施設の検索回数に基づいて、検索回数が少ないものから3つの施設が、この自動検索処理で検索すべき施設として特定される(S230)。
【0114】
その後、S230で特定された施設が施設データの中から検索されると(S240)、S240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され(S260)、その抽出された施設が、車両の現在位置P周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S270)。
【0115】
そして、S270にて施設が表示部16に表示されると、この表示された施設の検索回数がカウント済みか否かが判定される(S810)。
ここで、本実施形態では、検索回数をカウントしたことを表すカウント完了フラグが各施設毎にセットすることが可能にされており、S810では、S270にて表示された施設のカウント完了フラグがセットされていた場合に、S270にて表示された施設の検索回数がカウント済みであると判定される。
【0116】
そして、S270にて表示された施設の検索回数がカウント済みではないと判定された場合には(S810:NO)、S270にて表示された施設の検索回数が1つだけカウントアップされるとともに、その施設のカウント完了フラグがセットされ(S820)、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0117】
一方、S270にて表示された施設の検索回数がカウント済みであると判定された場合には(S810:YES)、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0118】
なお、本実施形態では、表示部16が地図画面として表示している地図区画が地図画面から外れた場合に、その外れた地図区画に含まれる施設のカウント完了フラグがリセットされる。
【0119】
3.本実施形態に係るナビゲーション装置の特徴
第4実施形態では、各施設毎に検索回数をカウントし、検索回数が最も少ない方から順に検索して表示するようにしているので、上述した第1〜第3実施形態と同様に、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0120】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
S710及びS820の処理がカウント手段に相当している。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0121】
例えば、使用者が操作部18を操作することにより優先施設を設定できるようにしてもよい。
このようにすれば、使用者が優先して表示部16に表示させたい施設の種別を予め設定しておくことにより、その優先施設が特定種別の施設でなかったとしても、その優先施設を表示部16に表示することができる。
【0122】
また、自動検索処理にて表示部16が表示する施設の範囲や、S230の処理で特定する種別の個数は、使用者が操作部18を操作することにより設定変更できるようにされているとよい。
【0123】
このようにすれば、ナビゲーション装置の使い勝手を向上させることができる。
また、自動検索処理では、例えば使用者の操作により、施設の検索領域を設定することができるようにされているとよい。
【0124】
この場合、例えば、使用者の自宅近辺や通勤路周辺や行動範囲等を、自動検索処理の検索領域として設定することで、使用者の好みに合わせて施設の情報を知らせることができる。
【0125】
また、上記実施形態においては、検索した施設を地図画面上に表示するようにしていたが、これに限らず、例えば、検索した施設の一覧表を生成し、その一覧表を表示部16の表示画面に表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】第1実施形態のナビゲーション装置の構成を表すブロック図である。
【図2】施設データ及び検索履歴データを説明する説明図である。
【図3】制御部が実行する手動検索処理を表すフローチャートである。
【図4】制御部が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。
【図5】制御部が手動検索処理及び自動検索処理にて表示部に表示する地図画面を説明する説明図である。
【図6】第2実施形態の自動検索処理を表すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の制御部が実行する詳細データ表示処理を表すフローチャートである。
【図8】第2実施形態の制御部が、詳細データ表示処理にて表示部に表示する表示画面を説明する説明図である。
【図9】第3実施形態の制御部が実行する施設データ更新処理を表すフローチャートである。
【図10】第3実施形態の制御部が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。
【図11】第4実施形態の施設データ及び検索履歴データを説明する説明図である。
【図12】第4実施形態の制御部が実行する手動検索処理を表すフローチャートである。
【図13】第4実施形態の制御部が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0127】
1…ナビゲーション装置、2…無線基地局、4…電話局、6…情報センタ、10…位置検出部、12…地図データ格納部、14…データ通信部、16…表示部、18…操作部、20…音声出力部、22…メモリ、24…制御部、26…GPS受信機、28…距離センサ、30…ジャイロスコープ、32…地磁気センサ、40…回線端末装置、42…サーバ、44…データベース。
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路地図上に存在する施設を表示する施設表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の現在位置周辺の道路地図をディスプレイに表示する車両用のナビゲーション装置が知られている。
そして、この種のナビゲーション装置には、道路地図上の施設及びその位置を表す施設情報が施設の種別毎に記憶された記憶媒体を備え、使用者の外部操作により特定種別の施設に対する検索指令が入力されると、記憶媒体を検索してその検索指令に対応する種別の施設情報を抽出し、その抽出した施設情報により特定される施設を、ディスプレイに表示している道路地図上に表示するようにされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このナビゲーション装置によれば、使用者は、施設を探したいときに、その種別の施設に対する検索指令を操作部を介して入力することにより、その指令に対応する種別の施設がどこに存在するのかということを知ることができる。
【特許文献1】特開平10−281797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、使用者は、自分がよく行動する領域(例えば自宅周辺)を運転する際には、ナビゲーション装置を利用して施設を探すのは面倒なので、通常はそのようなことはせずに、自分が行きなれた施設に行ってしまう。
【0005】
このため、従来のナビゲーション装置においては、例えば、使用者が行きなれたコンビニエンスストア(コンビニ)よりも自宅から近い位置に存在するコンビニや、使用者が行きなれたコンビニよりも交通に便利な位置に存在するコンビニがあったとしても、使用者がその存在に気付かないことがあるという問題があった。
【0006】
また、従来のナビゲーション装置においては、検索指令に対応する種別の施設情報しか使用しないので、それ以外の施設情報が無駄になってしまうという問題もあった。
本発明は、こうした問題を解決するためになされたものであり、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることが可能な施設表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の施設表示装置においては、少なくとも施設の位置を表す施設情報が複数記憶された施設情報記憶手段を備え、検索手段が、施設情報記憶手段に記憶された施設情報に基づいて施設を検索し、表示制御手段が、検索手段により検索された施設を表示し、カウント手段が、検索手段による施設の検索回数をカウントし、特定手段が、カウント手段によるカウント結果に基づき、検索回数が少ない施設を検索手段の検索対象として特定する。そして、検索手段は、特定手段により特定された施設を検索する。
【0008】
以上のような請求項1に記載の施設表示装置によれば、検索手段が特定手段により特定される施設の検索を行う際には、検索回数が少ない施設を検索するので、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0009】
ところで、請求項1に記載の発明は、請求項2に記載のように、カウント手段は施設の検索回数を施設の種別毎にカウントし、特定手段は検索手段の検索対象として検索回数が少ない種別を特定するようにしてもよいし、請求項3に記載のように、カウント手段は、施設の検索回数を施設毎にカウントするようにしてもよい。
【0010】
また、検索手段は、請求項4に記載のように、特定手段により特定された施設の検索を周期的に行うようとよい。
このようにすれば、使用者の手を煩わせることなく、より多くの施設を効率よく知らせることができる。
【0011】
また、検索手段は、請求項5に記載のように、特定手段によって特定された施設と、表示制御手段に優先的に表示させるよう設定された施設とを検索するとよい。
このようにすれば、例えば、使用者が優先して表示させたい施設を設定しておくことにより、その施設が特定手段に特定される施設でなかったとしても、その施設を表示することができる。よって、施設表示装置の使い勝手を向上させることができる。
【0012】
また、請求項5に記載の施設表示装置によれば、この装置のメーカは、例えば施設と提携するなどして、その施設を優先して表示するように設定しておくことにより、その施設が特定手段に特定される施設でなかったとしても、その施設を表示することができ、その提携先の施設から広告料を貰うようにすることが可能となる。
【0013】
次に、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の施設情報装置において、通信手段が、施設情報を配信する情報センタと通信をすることにより、情報センタから新しい施設情報を取得し、更新手段が、通信手段により新しい施設情報が取得されると、その施設情報に基づき、施設情報記憶手段の施設情報を更新するようにされている。
【0014】
このような請求項6に記載の施設表示装置によれば、施設情報記憶手段の施設情報を新しい施設情報に更新するので、使用者は、より正確な施設の情報を知ることができる。
次に、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の施設表示装置において、更新手段は、新たに追加された新規施設に対しては、その旨を検索手段が識別可能となるように施設情報記憶手段に記憶し、検索手段は、特定手段により特定された施設を検索すると共に、新規施設を検索し、その新規施設が表示制御手段により表示された場合に、その新規施設を、次回から新規施設として識別しないようにされている。
【0015】
このような請求項7に記載の施設表示装置によれば、新規施設が特定手段に特定される施設でなかったとしても、その新規施設を表示するため、使用者に対して、施設に問わず、新たに追加された施設(新規施設)を効率よく知らせることができる。
【0016】
ところで、表示制御手段は、検索手段により検索された施設を表示する際、その施設の一覧表を生成して表示するようにしてもよいし、請求項8に記載のように、検索手段により検索された施設を道路地図上に表示するようにしてもよい。
【0017】
即ち、請求項8に記載の施設表示装置は、道路地図を表す地図情報が記憶された地図情報記憶手段を備えており、表示制御手段が、地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づき道路地図を表示すると共に、検索手段により施設が検索されると、その検索された施設を、表示中の道路地図上に表示する。
【0018】
このような請求項6に記載の施設表示装置によれば、検索された施設を道路地図上に表示するようにしているので、使用者は、その施設がどこにあるのかを容易に知ることができる。
【0019】
ところで、施設表示装置は、例えば使用者の自宅に設置されていてもよいが、車両に搭載されていてもよい。そして、施設表示装置を車両に搭載する場合には、請求項9に記載のように構成するとよい。
【0020】
即ち、請求項9に記載の施設表示装置においては、検索手段が、車両の移動に応じて、特定手段により特定された施設を検索し、表示制御手段が、現在位置検出手段により検出された現在位置に基づき、検索手段により検索された施設の中から表示すべき施設を抽出し、その抽出した施設を表示する。
【0021】
このような請求項9に記載の施設表示装置によれば、表示すべき施設の表示範囲を適宜設定することにより、使用者(即ち、車両乗員)の好みに合わせて、施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0022】
ところで、検索手段は、請求項10に記載のように、車両の移動に従いこの車両が所定の検索領域に入ったときに、特定手段により特定された施設の検索を行うようにするとよい。このようにすれば、検索領域を適宜設定しておくことで、使用者の好みに合わせて施設の情報を知らせることができる。
【0023】
そして、施設表示装置を請求項10に記載のように構成した場合には、その施設表示装置を請求項11に記載のように構成するとよい。
即ち、請求項11に記載の施設表示装置においては、検索領域は複数存在すると共に、施設情報は検索領域毎に施設情報記憶手段に記憶されており、カウント手段は、検索回数を各検索領域毎にカウントし、特定手段は、車両の移動に従いこの車両が突入した検索領域に対応する検索回数が少ない施設を、検索手段の検索対象として特定し、検索手段は、車両の移動に従いこの車両が突入した検索領域の施設情報の中から、特定手段により特定される施設を検索する。
【0024】
このような請求項11に記載の施設表示装置によれば、検索手段は、車両の移動に従いその車両が突入した検索領域内に存在する施設を検索対象としているので、施設情報記憶手段内の施設情報全体を検索対象とした場合に比べて、検索手段が施設を検索するのに要する処理時間を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に、本発明の実施形態について、図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.ナビゲーション装置1の構成
図1は、本発明が適用された第1実施形態のナビゲーション装置の構成を表すブロック図である。
【0026】
第1実施形態のナビゲーション装置1は、車両に搭載され、車両の走行に伴って移動していく現在位置を表示画面上に道路地図と共に表示したり、現在位置から車両乗員の設定した目的地までの経路を案内したりするためのものである。
【0027】
そして、このナビゲーション装置1は、図1に示すように、主に、位置検出部10と、地図データ格納部12と、データ通信部14と、表示部16と、操作部18と、音声出力部20と、不揮発性のメモリ22と、これら各部を含むナビゲーション装置1全体を統括制御する制御部24とから構成されている。
【0028】
位置検出部10は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナを介して受信し車両の現在位置を検出するGPS受信機26と、車速センサや車輪速センサ等からの検出信号に基づいて車両の走行距離を検出する距離センサ28と、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ30と、地磁気に基づいて絶対方位を検出する地磁気センサ32とを備えており、互いに性質の異なる誤差を有する受信機26、センサ28、30、32からの情報を制御部24に提供して、制御部24がこれらから検出したデータを互いに補完しながらより正確な車両の現在位置を把握することができるようにされている。
【0029】
次に、地図データ格納部12は、CD−ROM、DVD、メモリカード、ハードディスクドライブ(HDD)等の記憶媒体にて構成されており、表示部16にて地図画面を表示したり車両乗員が指定した目的地までの経路を案内したりするために必要な各種データが記憶されている。
【0030】
そして、地図データ格納部12には、上記各種データとして、道路地図が登録された地図データ、道路地図上に存在する施設及びその位置を表す複数の施設データ、GPS受信機46等から得た経度及び緯度で表される車両の現在位置から車両が走行中の道路を地図画面上で特定するためのマップマッチング用データ等が記憶されている。
【0031】
ここで、施設データは、図2(a)に示すように、道路地図を複数に分割した地図区画毎に地図データ格納部12に記憶されており、これら施設データの各々は、施設の名称を表す施設名と、その施設が存在する位置を表す座標とが、施設の種別を表す種別コードに関連付けられている。
【0032】
また、施設及びその種別について具体的に説明すると、施設とは、図2(a)に示すように、座標(X1、Y1)や座標(X2、Y2)等の特定の位置に存在する「コンビニA」や「ホテルB」等の建物自体(単体)のことをいい、種別とは、「コンビニA」が属するコンビニエンスストア(コンビニ)や、「ホテルA」が属するホテル等のグループのことをいう。
【0033】
次に、表示部16は、車両の走行に必要な道路の接続情報を含む地図等を表示画面上に表示して車両乗員に報知するために備えられており、例えば、制御部24にて制御されて、制御部24が地図データ格納部12から読み出した各種データに基づいて車両が走行する周辺の地図画面を表示すると共に、車両の現在位置を表す現在地マークをカラーで表示したり、車両乗員に対する注意喚起用のメッセージ等を表示したりする。
【0034】
操作部18は、車両乗員が外部操作にて各種指令をナビゲーション装置1に入力するために備えられており、表示部16と一体に構成され表示画面上に設定されるタッチスイッチや、ナビゲーション装置1の表示画面の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等から構成されている。
【0035】
音声出力部20は、D/A(デジタル/アナログ)変換回路、スピーカ等を備えており、制御部24から受信したデジタル音声信号をアナログ信号に変換して、スピーカから音声を出力し、車両乗員に必要な各種案内を音声にて行う。
【0036】
データ通信部14は、各車両と交信可能な無線基地局2に電話局4を介して接続された情報センタ6とデータ通信をするためのものであり、例えば携帯電話や自動車電話等の携帯端末にて構成され、制御部24に着脱可能に接続されている。
【0037】
なお、情報センタ6は、電話局4、無線基地局2を介してナビゲーション装置1と通信を行う回線端末装置40と、渋滞情報、文字情報、気象情報、他車情報、施設情報、広告情報等の各種情報を加工するサーバ42と、その各種情報を蓄積しておくデータベース44とを備えており、ナビゲーション装置1から情報配信指令を受信すると、その指令に対応する情報をデータベース44から検索し、その検索結果を、情報配信指令を送信してきたナビゲーション装置1に対して送信する。
【0038】
次に、制御部24は、CPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを備えており、ROM等に記憶されたナビゲーション装置1の各機能を果たすための各プログラムをCPUにて実行し、装置1内の各部を制御する。
【0039】
また、制御部24は、位置検出部10により特定される車両の現在位置を、車両周辺の地図画面上に重ねて表示部16に表示すると共に、目的地が設定されている場合には、更に目的地までの経路案内を行う、といった一般的な案内処理を行う。
【0040】
また、制御部24は、車両乗員による特定種別の施設に対する手動検索指令が操作部18から入力されると、その手動検索指令に対応する種別の施設を施設データの中から検索し、その施設を車両周辺の地図画面上に重ねて表示部16に表示する、といった手動検索処理を行う。
【0041】
そして特に、制御部24は、車両の移動に応じて、特定種別の施設を施設データの中から周期的に検索し、その施設を車両周辺の地図画面上に重ねて表示部16に表示する、といった自動検索処理を行う。
【0042】
ここで、メモリ22には、図2(b)に示すように、施設の検索回数を施設の種別毎にカウントするための検索履歴データが地図区画毎に記憶されている。これら検索履歴データの各々は、該当する地図区画に含まれる施設の種別を表す施設IDと、その施設IDの検索回数とが関連付けられている。
【0043】
そして、制御部24は、自動検索処理の実行時に、検索すべき施設の種別を上記検索回数に基づいて特定し、その特定した種別に対応する施設(種別)の検索回数をカウントアップする。
【0044】
2.ナビゲーション装置1の特徴的作動
以下、ナビゲーション装置1の制御部24にて実行される手動検索処理及び自動検索処理について、図3〜5を用いて説明する。なお、図3は、制御部24が実行する手動検索処理を表すフローチャートであり、図4は、制御部24が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。また、図5は、制御部24が手動検索処理及び自動検索処理にて表示部16に表示する地図画面を説明する説明図である。
【0045】
2.1.手動検索処理
図3に示す手動検索処理は、手動検索指令が入力されたときに実行される処理であり、この手動検索処理が開始されると、まず、表示部16が地図画面として現在使用している地図区画に対応する施設データの中から、手動検索指令に対応する種別の施設が検索される(S110)。
【0046】
例えば、表示部16が現在地図画面として現在使用している地図区画が「地図No1」であった場合には、図2(a)に示すように、「地図No1」の施設データの中から、手動検索指令に対応する種別の施設が検索される。
【0047】
つまり、S110では、道路地図全体(全ての地図区画)に含まれる施設を検索対象とするのではなく、表示部16が地図画面として現在使用している地図区画に含まれる施設を検索対象として、手動検索指令に対応する種別の施設を検索している。
【0048】
そして、S110にて手動検索指令に対応する種別の施設が検索されると、S110で検索された施設のうち、車両の現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され(S120)、図5に示すように、S120で抽出された施設A、Bが、車両の現在位置P周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S130)。
【0049】
続いて、S110で検索された施設の検索回数が1つだけカウントアップされ(S140)、手動検索処理が終了する。
具体的に説明すると、S140では、例えば、手動検索指令に対応する種別が「コンビニ(コンビニエンスストア)」であり、S110で検索対象となった施設の地図区画が「地図No1」だった場合には、地図区画が「地図No1」である検索履歴データ内の施設の検索回数のうち、コンビニ(施設IDが「地図No1−0001」)に対応する検索回数が1つだけカウントアップされる。
【0050】
また、S110で検索対象となった施設の地図区画が「地図No1」及び「地図No2」だった場合には、地図区画が「地図No1」及び「地図No2」である検索履歴データ内の施設の検索回数のうち、「地図No1」及び「地図No2」のコンビニ(施設IDが「地図No1−0001」及び「地図No2−0001」)に対応する検索回数が1つだけカウントアップされる。
【0051】
2.2.自動検索処理
図4に示す自動検索処理は、車両のイグニッションスイッチがオンしてから繰り返し実行される処理であり、この自動検索処理が開始されると、まず、手動検索指令が入力されたか否かが判定される(S210)。
【0052】
そして、手動検索指令が入力されたと判定された場合には(S210:YES)、自動検索処理が終了し、逆に手動検索指令が入力されていないと判定された場合には(S210:NO)、表示部16が地図画面として現在使用している地図区画が施設の検索領域とされ、この検索領域とされた地図区画に対応する検索履歴データが読み込まれる(S220)。
【0053】
そして、S220にて検索履歴データが読み込まれると、その読み込まれた検索履歴データ内の施設(種別)の検索回数に基づいて、検索回数が少ないものから2つの種別が、この自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される(S230)。
【0054】
具体例を挙げて説明すると、S220で読み込まれた検索履歴データが図2(b)に示す「地図No1」の検索履歴データであった場合、S230では、ファミレス(ファミリーレストラン)とホテルとが、自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される。
【0055】
また、S220で読み込まれた検索履歴データが例えば図2(b)に示す「地図No1」及び「地図No2」の検索履歴データであった場合、「地図No1」のデータでは、ファミレスとホテルとが自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定され、「地図No2」では、ガソリンスタンド(GS)とファミレスとが自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される。
【0056】
つまり、表示部16が地図画面として現在使用している地図区画が複数であった場合には、その地図区画毎に、検索回数の少ないものから2つの種別が、自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される。なお、下位2番目の検索回数が同じものが2つ以上存在することもあるが、この場合には、施設IDの番号が小さい方を優先する。
【0057】
そして、S230にて自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定されると、S220で読み込まれた検索履歴データに対応する地図区画の施設データの中から、S230で特定された種別の施設が検索される(S240)。
【0058】
そして、S240にて施設(特定種別の施設)が検索されると、その施設(種別)の検索回数(詳しくは、S220で読み込まれた検索履歴データ内の施設の検索回数のうち、S230で特定された施設の検索回数)が1つだけカウントアップされる(S250)。
【0059】
続いて、S240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され(S260)、図5に示すように、S260で抽出された施設A、Bが、車両の現在位置P周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S270)。
【0060】
そして、S260で抽出された施設が表示部16に表示されると(S270)、車両の走行に従い、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0061】
そして、新たな地図区画が加わっていないと判定された場合には(S280:NO)、S260に戻り、S240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出される。
【0062】
一方、新たな地図区画が加わったと判定された場合には(S280:YES)、車両が新たな検索領域に入ったと判断され、新たに使用される地図区画に対応する検索履歴データが読み込まれ(S290)、S230に戻る。
【0063】
そして、S230では、S290で読み込まれた検索履歴データ内の施設(種別)の検索回数に基づいて、検索回数の少ないものから2つの種別が、自動検索処理で検索すべき施設の種別として特定される。
【0064】
なお、制御部24は、自動検索処理の実行中に、使用者が操作部18を操作することにより、自動検索処理を中止させるための指令が入力されたり、手動検索指令が入力されたりすると、自動検索処理を終了するようにされている。
【0065】
3.本実施形態に係るナビゲーション装置1の特徴
本実施形態のナビゲーション装置1では、手動検索処理及び自動検索処理にて、施設の検索を行う度に(S110、S240)、その検索した施設の種別に対応する検索回数をカウントし(S140、S250)、自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を検索して表示する(S270)。
【0066】
従って、本実施形態のナビゲーション装置1によれば、手動検索処理を実行しないときには自動検索処理を実行し、その自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を表示部16に表示していくため、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0067】
また、本実施形態のナビゲーション装置1によれば、制御部24は、表示部16に表示すべき地図区画に含まれる施設を検索対象としているため、道路地図全体に含まれる施設を検索対象とした場合に比べて、施設の検索に要する処理時間を少なくすることができる。
【0068】
なお、本実施形態では、自動検索処理(図4参照)で実行されるS240の処理、即ち検索回数のカウント処理を、施設が検索された後(S230の後)に実行していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、検索回数のカウント処理(S240)は、検索された施設が表示部16に表示された後(S270の後)に実行されてもよいし、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定された後(S230の後)に実行されてもよい。
【0069】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、地図データ格納部12が、地図情報記憶手段及び施設情報記憶手段に相当している。また、S120、S130、S260、S270の処理が表示制御手段に相当し、S240の処理が検索手段に相当している。また、S140及びS250の処理がカウント手段に相当し、S230の処理が特定手段に相当し、位置検出部10が現在位置検出手段に相当している。
【0070】
(第2実施形態)
第1実施形態では、自動検索処理の実行時に、施設(種別)の検索回数が少ない種別の施設を検索するようにしていたが、第2実施形態は、検索回数が少ない種別の施設に加えて、優先的に表示するように設定された施設(以下、優先施設という。)を検索するようにしたものである。
【0071】
ここで、優先施設とは、このカーナビゲーション装置の製造業者又は使用者によって、自動検索処理にて表示部16に優先的に表示するように設定された施設のことをいう。
また、第2実施形態のナビゲーション装置は、その優先施設の概要を表す概要データ及び詳細を表す詳細データを表示部16に表示可能にされている。
【0072】
具体的に説明すると、第2実施形態のナビゲーション装置において、地図データ格納部12に記憶された施設データに含まれる施設のうち、優先施設には、自動検索処理にて表示部16に優先的に表示することを表すフラグAがセットされていると共に、その施設の概要(住所や電話番号等)を表す概要データが登録されている。
【0073】
また、情報センタ6のデータベース44には、優先施設の詳細(例えば、営業時間や定休日等)を表す詳細データが各優先施設毎に登録されており、サーバ42は、ナビゲーション装置から優先施設の情報配信指令を回線端末装置40を介して受信すると、その情報配信指令に対応した優先施設の詳細データを、その指令を送信してきたナビゲーション装置へ送信する。
【0074】
1.カーナビゲーション装置の特徴的作動
1.1.自動検索処理
図6は、第2実施形態の自動検索処理を表すフローチャートである。なお、図6において、第1実施形態の自動検索処理と同様の処理内容については、同じステップ番号を付しているため、詳細な説明は省略する。また、このことは、後述する図10及び図13についても同様である。
【0075】
図6に示す自動検索処理が制御部24により開始された後、S220又はS290にて検索履歴データが読み込まれると(S290)、その読み込まれた検索履歴データに対応する地図区画の施設データの中から優先施設(フラグAがセットされた施設)が検索され、その検索結果に基づいて優先施設があるか否かが判定される(S310)。
【0076】
そして、S310にて優先施設があると判定された場合には(S310:YES)、その判定された優先施設が抽出され(S320)、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定される(S230)。一方、S310にて優先施設がないと判定された場合には(S310:NO)、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定される(S230)。
【0077】
その後、S240及びS250の処理が終了すると、S260にて、S320で抽出された優先施設、及びS240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され、続くS270にて、S260で抽出された施設が、車両の現在位置周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される。
【0078】
なお、S270にて優先施設を表示部16に表示する際には、優先施設を識別することができるように、優先施設以外の施設に対して、色を変えて表示したり、図8(a)に示す如く大きさや形状を変えて表示したりするとよい。
【0079】
1.2.詳細データ表示処理
図7は、第2実施形態の制御部24が実行する詳細データ表示処理を表すフローチャートであり、この詳細データ表示処理は、使用者が操作部18を操作することにより、表示部16に表示されている優先施設が選択されたときに実行される処理である。
【0080】
そして、図7に示す詳細データ表示処理が開始されると、まず、使用者により選択された優先施設の概要データに基づき、図8(a)に示すように、優先施設の種別、施設名、住所、電話番号、詳細データを取得するための詳細ボタン等を一覧表示した概要画面Qが生成され、その生成された概要画面Qが、地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S410)。
【0081】
そして、S410にて概要画面Qが表示部16に表示されると、詳細データ取得指令が入力されたか否かが判定される(S420)。なお、本実施形態では、表示部16に表示されている概要画面Q上の詳細ボタンが使用者に押されたときに、S420にて詳細データ取得指令が入力されたと判定される。
【0082】
そして、S420にて詳細データ取得指令が入力されていないと判定された場合には(S420:NO)、概要画面Qが表示部16に表示されてから所定時間が経過したか否かが判定され(S460)、所定時間が経過したと判定されると(S460:YES)、概要画面Qの表示が終了され(S470)、詳細データ表示処理が終了する。
【0083】
一方、S420にて詳細データ取得指令が入力されたと判定した場合には(S420:YES)、使用者により選択された優先施設の情報配信指令がデータ通信部14に出力される(S430)。すると、データ通信部14は、情報センタ6と通信を行うことにより情報配信指令に対応する優先施設の詳細データを取得することとなる。
【0084】
そして、S430にて優先施設の情報配信指令が出力されると、データ通信部14が優先施設の詳細データを取得したか否かが判定される(S440)。そして、優先施設の詳細データを取得したと判定されると(S440:YES)、その取得した詳細データに基づき、図8(b)に示すように、優先施設の種別、施設名、住所、電話番号、営業時間等を一覧表示した詳細画面Rが生成され、その生成された詳細画面Rが、地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S450)。
【0085】
そして、S450にて詳細画面Rが表示部16に表示されると、その詳細画面Rが表示部16に表示されてから所定時間が経過したか否かが判定され、所定時間が経過したと判定されると(S460:YES)、概要画面Q及び詳細画面Rの表示が終了され(S470)、詳細データ表示処理が終了する。
【0086】
2.本実施形態に係るナビゲーション装置の特徴
以上のような第2実施形態のナビゲーション装置によっても、第1実施形態と同様に、手動検索処理を実行しないときには自動検索処理を実行し、その自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を表示部16に表示していくため、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0087】
また、第2実施形態のナビゲーション装置によれば、優先施設の種別がS230の処理で特定される種別でなかったとしても、その優先施設を表示部16に表示することができる。よって、このナビゲーション装置のメーカは、例えば施設と提携するなどして、その施設を優先して表示部16に表示するように予め設定しておくことにより、その提携先の施設から広告料を貰うようにすることが可能となる。
【0088】
なお、第2実施形態では、優先施設の概要や詳細を表示部16に表示するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、優先施設以外の施設についても施設の概要や詳細を、図8に示す如く表示部16に表示するようにしてもよい。
【0089】
また、第2実施形態では、使用者による操作が行われた場合に優先施設の概要を表示するようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、車両の現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)に存在する優先施設の概要を自動的に表示するようにしてもよいし、車両の現在位置に対して最も近い施設の概要を自動的に表示するようにしてもよい。そして、このことは、施設の詳細についても同様である。
【0090】
また、優先施設以外の施設の概要を表示部16に表示するように本発明を構成した場合についても、上述したように、使用者による操作が行われた場合に優先施設の概要を表示するようにしてもよいし、車両の現在位置から所定範囲以内に存在する施設の概要を自動的に表示するようにしてもよいし、車両の現在位置に対して最も近い施設の概要を自動的に表示するようにしてもよい。
【0091】
3.発明特定事項と実施形態との対応関係
第2実施形態では、S310及びS240の処理が検索手段に相当している。
(第3実施形態)
第1実施形態では、地図データ格納部12に記憶されている施設データの更新を行っていなかったが、第3実施形態は、ナビゲーション装置と情報センタ6との間で通信が行われることにより、地図データ格納部12に記憶されている施設データの更新を行うようにしたものである。
【0092】
1.ナビゲーション装置の特徴的作動
1.1.施設データ更新処理
図9は、第3実施形態の制御部24が実行する施設データ更新処理を表すフローチャートであり、この施設データ更新処理は、制御部24にて定期的に実行される処理である。そして、図9に示す施設データ更新処理が開始されると、まず、施設データの情報配信指令がデータ通信部14へ出力される(S510)。すると、データ通信部14は、情報センタ6と通信を行うことにより情報センタ6から施設データを取得することとなる。
【0093】
そして、S510にて施設データの情報配信指令が出力されると、データ通信部14が施設データを取得したか否かが判定される(S520)。そして、データ通信部14が施設データを取得したと判定されると(S520:YES)、地図データ格納部12に記憶された施設データが、データ通信部14により取得された施設データに更新される(S530)。
【0094】
次いで、S540では、今回の更新で新たに追加された施設(以下、新規施設という)があるか否かが判定され、新規施設がないと判定された場合には(S540:NO)、施設データ更新処理が終了し、逆に、新規施設があると判定された場合には(S540:YES)、その新規施設に対して、新規施設であることを表すフラグBがセットされ(S550)、施設データ更新処理が終了する。
【0095】
1.2.自動検索処理
図10は、第3実施形態の自動検索処理を表すフローチャートであり、この図10に示す自動検索処理が制御部24に開始された後、S220又はS290にて検索履歴データが読み込まれると、その読み込まれた検索履歴データに対応する地図区画の施設データの中から新規施設(フラグBがセットされた施設)が検索され、その検索結果に基づいて新規施設があるか否かが判定される(S610)。
【0096】
そして、S610にて新規施設がないと判定された場合には(S610:NO)、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定される(S230)。一方、新規施設があると判定された場合には(S610:YES)、S610で判定(検索)された新規施設が抽出され(S620)、自動検索処理で検索すべき施設の種別が特定される(S230)。
【0097】
その後、S240及びS250の処理が終了すると、S260にて、S620で抽出された新規施設、及びS240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され、続くS270にて、S260で抽出された施設が、車両の現在位置周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される。
【0098】
なお、S270にて新規施設を表示部16に表示する際には、新規施設を識別することができるように、新規施設以外の施設に対して、色を変えて表示したり、大きさや形状を変えて表示したりするとよい。
【0099】
そして、S270にて施設が表示部16に表示されると、その新規施設が表示部16に表示されたか否かが判定される(S630)。そして、新規施設が表示されていないと判定された場合には(S630:NO)、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0100】
一方、新規施設が表示されたと判定された場合には(S630:YES)、その表示された新規施設のフラグBがリセットされ(S640)、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0101】
2.本実施形態に係るナビゲーション装置の特徴
以上説明したような第3実施形態のナビゲーション装置では、情報センタ6と定期的に通信することにより施設データを更新していき、自動検索処理の実行時に、新規施設が表示部16に表示された道路地図上に存在した場合には、その新規施設を、特定種別の施設と共に地図画面上に重ねて表示部16に表示するようにされている。
【0102】
よって、第3実施形態のナビゲーション装置によれば、新規施設の種別がS230の処理で特定される種別でなかったとしても、その新規施設を表示部16に表示するため、使用者に対して、施設の種別に問わず、新規施設の存在を効率よく知らせることができる。
【0103】
また、第3実施形態のナビゲーション装置によれば、第1実施形態と同様に、手動検索処理を実行しないときには自動検索処理を実行し、その自動検索処理の実行時には、検索回数が最も少ない方から2つの種別の施設を表示部16に表示していくため、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0104】
また、第3実施形態のナビゲーション装置によれば、地図データ格納部12の施設データを、定期的に最新の施設データに更新するので、使用者は、より正確な施設の情報を知ることができる。
【0105】
3.発明特定事項と実施形態との対応関係
第3実施形態では、データ通信部14が通信手段に相当し、S520〜S550の処理が更新手段に相当し、S240、S610、S630及びS640の処理が検索手段に相当している。
【0106】
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態では、施設の検索回数を種別毎にカウントするようにしていたが、第4実施形態は、施設の検索回数を施設単体毎にカウントするようにしたものである。つまり、第4実施形態の自動検索処理では、同じ種別の施設(同じグループに属する施設)をまとめて検索するのではなく、施設単体を検索する。
【0107】
1.施設データ及び検索履歴データ
図11(a)は、第4実施形態の施設データを説明する説明図であり、図11(b)は、第4実施形態の検索履歴データを説明する説明図である。
【0108】
施設データの各々は、図11(a)に示すように、施設の名称を表す施設名と、その施設が存在する位置を表す座標とが、施設及びその種別を表す施設コードに関連付けられており、これら施設データは、地図区画毎に地図データ格納部12に記憶されている。
【0109】
また、検索履歴データは、施設の検索回数を施設単体毎にカウントするためのものであり、この検索履歴データは、図11(b)に示すように、地図区画毎にメモリ22に複数記憶されている。そして、これら検索履歴データの各々は、該当する地図区画に含まれる施設(単体)を表す施設IDと、その施設IDにより特定される施設の検索回数とが関連付けられている。
【0110】
2.ナビゲーション装置の特徴的作動
2.1.手動検索処理
図12は、第4実施形態の制御部24が実行する手動検索処理を表すフローチャートである。なお、この図12において、第1実施形態の手動検索処理と同様の処理内容については、同じステップ番号を付しているため、詳細な説明は省略する。
【0111】
図12に示す手動検索処理が開始された後、S120で抽出された施設が表示部16に表示されると(S130)、その表示された施設の検索回数が1つだけカウントアップされ(S710)、手動検索処理が終了する。
【0112】
2.2.自動検索処理
図13は、第4実施形態の制御部24が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。
【0113】
図13に示す自動検索処理が開始された後、S220又はS290にて検索履歴データが読み込まれると、その読み込まれた検索履歴データ内の施設の検索回数に基づいて、検索回数が少ないものから3つの施設が、この自動検索処理で検索すべき施設として特定される(S230)。
【0114】
その後、S230で特定された施設が施設データの中から検索されると(S240)、S240で検索された施設のうち、現在位置から所定範囲内(例えば、半径2km以内)の施設が抽出され(S260)、その抽出された施設が、車両の現在位置P周辺の地図画面上に重ねられて表示部16に表示される(S270)。
【0115】
そして、S270にて施設が表示部16に表示されると、この表示された施設の検索回数がカウント済みか否かが判定される(S810)。
ここで、本実施形態では、検索回数をカウントしたことを表すカウント完了フラグが各施設毎にセットすることが可能にされており、S810では、S270にて表示された施設のカウント完了フラグがセットされていた場合に、S270にて表示された施設の検索回数がカウント済みであると判定される。
【0116】
そして、S270にて表示された施設の検索回数がカウント済みではないと判定された場合には(S810:NO)、S270にて表示された施設の検索回数が1つだけカウントアップされるとともに、その施設のカウント完了フラグがセットされ(S820)、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0117】
一方、S270にて表示された施設の検索回数がカウント済みであると判定された場合には(S810:YES)、表示部16が地図画面として表示している地図区画に新たな地図区画が加わったか否かが判定される(S280)。
【0118】
なお、本実施形態では、表示部16が地図画面として表示している地図区画が地図画面から外れた場合に、その外れた地図区画に含まれる施設のカウント完了フラグがリセットされる。
【0119】
3.本実施形態に係るナビゲーション装置の特徴
第4実施形態では、各施設毎に検索回数をカウントし、検索回数が最も少ない方から順に検索して表示するようにしているので、上述した第1〜第3実施形態と同様に、使用者に対して、より多くの施設の情報を効率よく知らせることができる。
【0120】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
S710及びS820の処理がカウント手段に相当している。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0121】
例えば、使用者が操作部18を操作することにより優先施設を設定できるようにしてもよい。
このようにすれば、使用者が優先して表示部16に表示させたい施設の種別を予め設定しておくことにより、その優先施設が特定種別の施設でなかったとしても、その優先施設を表示部16に表示することができる。
【0122】
また、自動検索処理にて表示部16が表示する施設の範囲や、S230の処理で特定する種別の個数は、使用者が操作部18を操作することにより設定変更できるようにされているとよい。
【0123】
このようにすれば、ナビゲーション装置の使い勝手を向上させることができる。
また、自動検索処理では、例えば使用者の操作により、施設の検索領域を設定することができるようにされているとよい。
【0124】
この場合、例えば、使用者の自宅近辺や通勤路周辺や行動範囲等を、自動検索処理の検索領域として設定することで、使用者の好みに合わせて施設の情報を知らせることができる。
【0125】
また、上記実施形態においては、検索した施設を地図画面上に表示するようにしていたが、これに限らず、例えば、検索した施設の一覧表を生成し、その一覧表を表示部16の表示画面に表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】第1実施形態のナビゲーション装置の構成を表すブロック図である。
【図2】施設データ及び検索履歴データを説明する説明図である。
【図3】制御部が実行する手動検索処理を表すフローチャートである。
【図4】制御部が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。
【図5】制御部が手動検索処理及び自動検索処理にて表示部に表示する地図画面を説明する説明図である。
【図6】第2実施形態の自動検索処理を表すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の制御部が実行する詳細データ表示処理を表すフローチャートである。
【図8】第2実施形態の制御部が、詳細データ表示処理にて表示部に表示する表示画面を説明する説明図である。
【図9】第3実施形態の制御部が実行する施設データ更新処理を表すフローチャートである。
【図10】第3実施形態の制御部が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。
【図11】第4実施形態の施設データ及び検索履歴データを説明する説明図である。
【図12】第4実施形態の制御部が実行する手動検索処理を表すフローチャートである。
【図13】第4実施形態の制御部が実行する自動検索処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0127】
1…ナビゲーション装置、2…無線基地局、4…電話局、6…情報センタ、10…位置検出部、12…地図データ格納部、14…データ通信部、16…表示部、18…操作部、20…音声出力部、22…メモリ、24…制御部、26…GPS受信機、28…距離センサ、30…ジャイロスコープ、32…地磁気センサ、40…回線端末装置、42…サーバ、44…データベース。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも施設の位置を表す施設情報が複数記憶された施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶された施設情報に基づいて施設を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された施設を表示する表示制御手段と、
前記検索手段による施設の検索回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によるカウント結果に基づき、前記検索回数が少ない施設を前記検索手段の検索対象として特定する特定手段とを備え、
前記検索手段は、前記特定手段により特定された施設を検索することを特徴とする施設表示装置。
【請求項2】
前記施設情報には、施設の種別を表す種別情報が含まれており、
前記カウント手段は、前記施設の検索回数を施設の種別毎にカウントし、
前記特定手段は、前記検索手段の検索対象として、前記検索回数が少ない種別を特定し、
前記検索手段は、前記特定手段により特定された種別の施設を検索することを特徴とする請求項1に記載の施設表示装置。
【請求項3】
前記カウント手段は、前記施設の検索回数を施設毎にカウントすることを特徴とする請求項1に記載の施設表示装置。
【請求項4】
前記検索手段は、前記特定手段により特定された施設の検索を周期的に行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項5】
前記検索手段は、前記特定手段によって特定された施設と、前記表示制御手段に優先的に表示させるよう設定された施設とを検索することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項6】
施設情報を配信する情報センタと通信をすることにより、前記情報センタから新しい施設情報を取得する通信手段と、
前記通信手段により新しい施設情報が取得されると、その施設情報に基づき、前記施設情報記憶手段の施設情報を更新する更新手段と
を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項7】
前記更新手段は、新たに追加された新規施設に対しては、その旨を前記検索手段が識別可能となるように前記施設情報記憶手段に記憶し、
前記検索手段は、前記特定手段により特定された施設を検索すると共に前記新規施設を検索し、その新規施設が前記表示制御手段により表示された場合に、その新規施設を、次回から新規施設として識別しないことを特徴とする請求項6に記載の施設表示装置。
【請求項8】
道路地図を表す地図情報が記憶された地図情報記憶手段を備えており、
前記表示制御手段は、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づき道路地図を表示すると共に、前記検索手段により施設が検索されると、その検索された施設を、表示中の道路地図上に表示することを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項9】
施設表示装置本体は、車両に搭載され、
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段を備え、
前記検索手段は、前記車両の移動に応じて、前記特定手段により特定された施設を検索し、
前記表示制御手段は、前記検索手段により施設が検索されると、前記現在位置検出手段により検出された現在位置に基づき、前記検索手段により検索された施設の中から表示すべき施設を抽出し、その抽出した施設を表示することを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項10】
前記検索手段は、前記車両の移動に従いこの車両が所定の検索領域に入ったときに、前記特定手段により特定された施設の検索を行うことを特徴とする請求項9に記載の施設表示装置。
【請求項11】
前記検索領域は複数存在すると共に、前記施設情報は前記検索領域毎に前記施設情報記憶手段に記憶されており、
前記カウント手段は、前記検索回数を前記各検索領域毎にカウントし、
前記特定手段は、前記車両の移動に従いこの車両が突入した検索領域に対応する検索回数が少ない施設を、前記検索手段の検索対象として特定し、
前記検索手段は、前記車両の移動に従いこの車両が突入した検索領域の施設情報の中から、前記特定手段により特定される施設を検索することを特徴とする請求項10に記載の施設表示装置。
【請求項1】
少なくとも施設の位置を表す施設情報が複数記憶された施設情報記憶手段と、
前記施設情報記憶手段に記憶された施設情報に基づいて施設を検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された施設を表示する表示制御手段と、
前記検索手段による施設の検索回数をカウントするカウント手段と、
前記カウント手段によるカウント結果に基づき、前記検索回数が少ない施設を前記検索手段の検索対象として特定する特定手段とを備え、
前記検索手段は、前記特定手段により特定された施設を検索することを特徴とする施設表示装置。
【請求項2】
前記施設情報には、施設の種別を表す種別情報が含まれており、
前記カウント手段は、前記施設の検索回数を施設の種別毎にカウントし、
前記特定手段は、前記検索手段の検索対象として、前記検索回数が少ない種別を特定し、
前記検索手段は、前記特定手段により特定された種別の施設を検索することを特徴とする請求項1に記載の施設表示装置。
【請求項3】
前記カウント手段は、前記施設の検索回数を施設毎にカウントすることを特徴とする請求項1に記載の施設表示装置。
【請求項4】
前記検索手段は、前記特定手段により特定された施設の検索を周期的に行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項5】
前記検索手段は、前記特定手段によって特定された施設と、前記表示制御手段に優先的に表示させるよう設定された施設とを検索することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項6】
施設情報を配信する情報センタと通信をすることにより、前記情報センタから新しい施設情報を取得する通信手段と、
前記通信手段により新しい施設情報が取得されると、その施設情報に基づき、前記施設情報記憶手段の施設情報を更新する更新手段と
を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項7】
前記更新手段は、新たに追加された新規施設に対しては、その旨を前記検索手段が識別可能となるように前記施設情報記憶手段に記憶し、
前記検索手段は、前記特定手段により特定された施設を検索すると共に前記新規施設を検索し、その新規施設が前記表示制御手段により表示された場合に、その新規施設を、次回から新規施設として識別しないことを特徴とする請求項6に記載の施設表示装置。
【請求項8】
道路地図を表す地図情報が記憶された地図情報記憶手段を備えており、
前記表示制御手段は、前記地図情報記憶手段に記憶された地図情報に基づき道路地図を表示すると共に、前記検索手段により施設が検索されると、その検索された施設を、表示中の道路地図上に表示することを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項9】
施設表示装置本体は、車両に搭載され、
車両の現在位置を検出する現在位置検出手段を備え、
前記検索手段は、前記車両の移動に応じて、前記特定手段により特定された施設を検索し、
前記表示制御手段は、前記検索手段により施設が検索されると、前記現在位置検出手段により検出された現在位置に基づき、前記検索手段により検索された施設の中から表示すべき施設を抽出し、その抽出した施設を表示することを特徴とする請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の施設表示装置。
【請求項10】
前記検索手段は、前記車両の移動に従いこの車両が所定の検索領域に入ったときに、前記特定手段により特定された施設の検索を行うことを特徴とする請求項9に記載の施設表示装置。
【請求項11】
前記検索領域は複数存在すると共に、前記施設情報は前記検索領域毎に前記施設情報記憶手段に記憶されており、
前記カウント手段は、前記検索回数を前記各検索領域毎にカウントし、
前記特定手段は、前記車両の移動に従いこの車両が突入した検索領域に対応する検索回数が少ない施設を、前記検索手段の検索対象として特定し、
前記検索手段は、前記車両の移動に従いこの車両が突入した検索領域の施設情報の中から、前記特定手段により特定される施設を検索することを特徴とする請求項10に記載の施設表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−257618(P2007−257618A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19646(P2007−19646)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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