説明

有機化合物

本発明は遊離塩基形または酸付加塩形の式
【化1】


〔式中、すべての可変基は本明細書に定義のとおりである〕で示される新規ジアミン、それらの製造、中間体としてのそれらの使用およびそれらを含む薬剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルタミン酸、GABAおよび/またはモノアミンシグナル伝達の異常と関連する疾患、ならびにmGluR7により完全にまたは部分的に制御された神経疾患を処置するための医薬品の製造のための式Iのジアミンの使用、新規式Iのジアミン、それらの製造法およびそれらを含む医薬組成物に関する。
【発明の開示】
【0002】
今回驚くべきことに、式Iのジアミンは有利な薬理学的特性を有し、そして、例えば、グルタミン酸、GABAおよび/またはモノアミンシグナル伝達の異常と関連する疾患、ならびにmGluR7により完全にまたは部分的に制御された神経疾患を処置するために適当であることを見いだした。
【0003】
したがって、第1の局面において、本発明は、mGluR7受容体が役割を果たすか、または関連している疾患または状態を処置または予防するための薬剤の製造のための、式I
【化1】

〔式中、
Zは−C(O)−、−C(S)−または結合であり;
nは0、1、2または3であり;
pは0または1であり(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C14)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキル;
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルケニル;
非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、
酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、
非置換もしくは置換(C−C12)アリールまたは
非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールを示し;そして
’は水素、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノまたはジ−アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキルを示すか;または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換または置換モノ−、ジ、トリもしくはテトラ環状(C−C16)ヘテロシクリル基を形成し、
は水素またはアルキル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールを示し、
は水素、非置換もしくは置換(C−C16)アリール、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル;非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリール;非置換またはヒドロキシ、アミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールまたは非置換もしくは置換アリールを示すかにより置換されているアルキルを示し;または
17−C(O)−(ここで、R17は非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールまたは非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールを示す)を示し;そして
’は水素、アルキル、アルキルカルボニルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルを示すか、または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換もしくは置換環状(C−C12)ヘテロシクリル基を形成する〕
で示されるジアミンの使用に関する。
【0004】
上記および下記で使用される一般用語は、他に記載のない限り、好ましくは本明細書の内容において下記意味を有する:
【0005】
複数形が化合物、塩などに対して使用されるとき、これは単数形の化合物、塩なども意味する。
【0006】
アルキルはとりわけ1(1を含む)から7個(7を含む)まで、好ましくは1(1を含む)から4個(4を含む)までのC原子を有するアルキルであり、直線または分岐であり;好ましくは、アルキルはメチル、エチル、プロピル、例えば、n−プロピルまたはイソプロピル、ブチル、例えば、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチルまたはtert−ブチルである。
【0007】
アルコキシはとりわけ1(1を含む)から7個(7を含む)まで、好ましくは1(1を含む)から4個(4を含む)までのC原子を有するアルコキシであり、直線または分岐であり;好ましくは、アルコキシはメトキシ、エトキシまたはプロポキシ、例えば、n−プロポキシである。
【0008】
アルケニルはとりわけ1(1を含む)から7個(7を含む)まで、好ましくは1(1を含む)から4個(4を含む)までのC原子を有するアルケニルであり、直線または分岐であり、単結合のみを有する炭素原子(すなわち、これはsp3−混成である)を介して分子に結合しており;好ましくは、アルケニルはアリルである。
【0009】
ハロゲンまたはハロはとりわけフッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、とりわけフッ素、塩素、または臭素である。
【0010】
アリールは4から14個の炭素原子、特に4から12個、好ましくは6から12個の炭素原子を有し、完全不飽和または部分的に飽和である単環式、二環式または三環式芳香族性ラジカルである。好ましい態様において、アリールはとりわけフェニル、フルオレニル、インダニル、アセナフチレニル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル、テトラヒドロナフチルまたはナフチルである。
【0011】
本明細書で定義される酸素、硫黄もしくは窒素を含むヘテロシクリルは、1または2個のとりわけ窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子を有するモノ−、ジ−、トリ−もしくはテトラ環状ヘテロ環式系を意味し、これは不飽和または完全にもしくは部分的に飽和であり得、そして、好ましくはチアゾリル、とりわけチアゾル−5−イル、ベンゾ[b]フリル、とりわけベンゾ[b]フラン−6−イル、ベンゾオキサゾリル、とりわけベンゾキサノール−2−イル、ピリジル、とりわけ2−ピリジル、ピリミジル、インドリル、とりわけインドル−6−イル、キノリニル、ジヒドロ−キノリニル、とりわけ3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル、イソキノリニル、ジヒドロ−イソキノリニル、とりわけ3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル、フェノキサジニル、とりわけフェノキサジン−10−イル、カルバゾリル、とりわけ1−カルバゾール−9−イル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、とりわけジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル、ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピニル、とりわけ10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル、クロマニル、例えば、2H−クロマニル、とりわけ2H−クロマン−4−イル、ジヒドロ−クロマニル、例えば、3,4−ジヒドロ−2H−クロマニル、とりわけ3,4−ジヒドロ−2H−クロマン−4−イル、ピペリジニル、例えば、ピペリジン−1−イルまたはピペリジン−4−イル、5,6,11,12−テトラヒドロ−ジベンゾ[a,e]クロロオクテン−5,11−イミニル、とりわけ5,6,11,12−テトラヒドロ−ジベンゾ[a,e]クロロオクテン−5,11−イミン−14−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]クロロヘプテン−5,10−イミニル、ベンゾ[1,4]ジオキシニル、例えば、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、とりわけ2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルまたはチエノ−ピリミジル、例えば、チエノ[2,3−d]−ピリミジル、とりわけチエノ[2,3−d]−ピリミジン−4−イルである。
【0012】
シクロアルキルはとりわけ(C−C)シクロアルキル、すなわちシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプテニルまたはシクロオクチル、好ましくはシクロプロピルである。
【0013】
ヘタリールは、ヘテロアリールラジカルを式Iの残りの分子に結合している環において不飽和であるヘテロ環式部分(ここで、少なくとも結合している環、所望により、また何らかの縮合環において、1個またはそれ以上の、好ましくは1から4個の炭素原子が窒素、酸素および硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子によりそれぞれ置換されている)を意味する;例えば、チエニル、フリル、ピラニル、チアンスレニル、イソベンゾフラニル、ベンゾフラニル、クロメニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジル、ピリダジル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、フェノキサジニル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、クロマニル、ベンゾ[1,4]ジオキシニルまたはチエノ−ピリミジル。ヘタリールは好ましくは窒素、酸素および硫黄からなる1または2個のヘテロ原子を含む単−、二−、三環式ヘテロ環式系を意味し、これは完全不飽和であり、そして好ましくはチアゾリル、とりわけチアゾル−5−イル、ベンゾ[b]フリル、とりわけベンゾ[b]フラン−6−イル、ベンゾオキサゾリル、とりわけベンゾキサゾール−2−イル、ピリジル、とりわけ2−ピリジル、ピリミジル、インドリル、とりわけインドル−6−イル、キノリル、イソキノリル、フェノキサジニル、カルバゾリル、ジベンゾ[b,f]アゼピニル、クロマニル、例えば、2H−クロマニル、ベンゾ[1,4]ジオキシニル、またはチエノ−ピリミジル、例えば、チエノ[2,3−d]−ピリミジル、とりわけチエノ[2,3−d]−ピリミジン−4−イルである。
【0014】
他に記載のない限り、本明細書で使用される“非置換または置換”なる用語、それぞれのラジカルは非置換またはアミノ、C−Cアルキルアミノ、ジ(C−Cアルキル)−アミノ、ヒドロキシ−C−Cアルキルアミノ、フェニル−C−Cアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、ジ(C−C)シクロアルキルアミノ、N−C−Cアルキル−N−C−Cシクロアルキルアミノ、C−Cアルカノイルアミノ、ハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、ペルフルオロ−C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルキルオキシ、C−CアルコキシC−Cアルコキシ、ジ(C−Cアルキル)−アミノC−Cアルコキシ、カルバモイル、N−C−Cアルキル−カルバモイル、N,N−ジ(C−Cアルキル)−カルバモイル、ニトロ、シアノ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルカノイル、C−Cアルカノイルオキシ、ベンゾイル、アミジノ、グアニジノ、ウレイド、メルカプト、C−Cアルキルチオ、ピリジル、フェニル、フェノキシ、フェニルチオ、フェニル−C−Cアルキルチオ、C−Cアルキルスルホニル、フェニルスルホニル、C−Cアルキルフェニルスルホニル、C−Cアルケニル、C−Cヘテロシクリル、C−Cヘテロシクリルオキシ、C−CヘテロシクリルC−Cアルコキシ、環の隣接したC−原子で結合しているC−Cアルキレンジオキシ、および非置換またはハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、ニトロ、イミノ、シアノ、カルボキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルカノイル、C−CアルカノイルオキシまたはC−Cヘテロシクリルにより置換されているC−Cアルキルから選択される、1個またはそれ以上の、好ましくは4個までの、とりわけ1または2個の置換基により置換されていることを意味する。
【0015】
式Iのジアミンおよびそれらの塩において不斉炭素原子が存在するとき、該化合物は光学的に活性な形態または光学異性体の混合物の形態、例えば、ラセミ混合物の形態で存在し得る。すべてのラセミ混合物を含む、光学異性体およびそれらの混合物は本発明の一部である。
【0016】
遊離形の新規化合物と例えば、新規化合物の精製または同定において中間体として使用され得る塩を含む塩の形態のそれらのものとの密接な関係を考慮して、上記及び下記遊離化合物のすべての言及はまた、適当および好都合なとき対応する塩を意味すると理解されるべきである。
【0017】
塩は、例えば、酸付加塩として、好ましくは有機酸または無機酸と、塩基性窒素原子を有する式Iの化合物から、とりわけ薬学的に許容される塩として形成される。単離または精製の目的のために、薬学的に許容されない塩、例えば、ピクリン酸塩または過塩素酸塩を使用することも可能である。治療的使用のために、薬学的に許容される塩または遊離化合物のみが使用され(医薬品の形態で適当である)、したがってこれらが好ましい。
【0018】
それらの酸付加塩を含む式Iの化合物はまた水和物の形態で得ることができるか、または結晶化のために使用される溶媒を含み得る。
【0019】
式Iにおいて、下記意味が独立して、集合としてまたは何らかの組合せもしくは部分的な組合せで好ましい:
(a)Zが−C(O)−または結合である;
(b)nが0、1または2である;
(c)pが0または1である;
(d)Rが非置換またはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシまたはトリフルオロメトキシにより置換されている}、フェノキシ、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサニルまたは(C−C)シクロアルキルによりモノ−またはジ置換されている(C1−6)アルキル、例えば、メチル;(C1−6)アルケニル;ナフチル、9H−フルオレニル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フリル、2,3−ジヒドロクロメニル;非置換またはフェニルもしくは(C1−6)アルコキシにより置換されているフェニル;またはピリミジルにより置換されているピペリジニルを意味し;そしてR’がフェニル、水素または(C1−6)アルキルを意味する;
(e)あるいは、RおよびR’が結合している窒素原子と一緒に式Ia、Ib、IcまたはId
【化2】

の環状構造を形成する、
【0020】
(f)AがNを示し、そしてEがCR’を示すか、またはAがCR’を示し、そしてEがNを示す、
(g)GがCHを示す、
(h)Xが酸素、結合、−CH=CH−または−CH−CH−を示す、
(i)mが0または1である、
(j)RおよびR’が、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキルを示す、
(k)Rが水素、(C1−6)アルキル、CFまたはハロゲンを示す、
(l)Rが水素または(C1−6)アルキルを示す、
(m)RおよびRが両方、水素である、
(n)RおよびR10が両方、水素である、
(o)R11が水素または(C1−6)アルコキシである、
(p)R12が水素を示す、
(q)R13が水素または(C1−6)アルキルを示す、
(r)Rが水素、(C1−6)アルキル、ベンジル、またはフェニル{非置換またはハロゲンにより置換されている}を示す、
(s)Rが水素、フルオレニル、2,3−ジヒドロクロメニル、1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ−アセナフチル、1,2−ジヒドロ−アセナフチル、非置換または(C1−6)アルコキシにより置換されているテトラヒドロナフチル;ベンゾオキサゾリル;シアノ−ピリジル;(C1−6)アルキルチエノ[2,3−d]−ピリミジル;フェニルにより置換されているN−(C1−6)アルキルピペリジニル;フェニルにより置換されている(C−C)シクロアルキル;2,3−ジヒドロ−インデニル;非置換またはヒドロキシ、アミノ、ナフチル、インドリル、チアゾリル、ピリジルまたはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、フェニル、ニトロ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシによりモノ−またはジ置換されている}により置換されている(C1−6)アルキル;またはR17−C(O)−(ここで、R17は(C1−6)アルキル、フェニル、インドリルまたはベンゾ[b]フリル{それぞれの場合においてシアノ、カルボキシまたは(C1−6)アルコキシカルボニルにより置換されている})を示す;
(t)R’が水素、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルキルカルボニルまたはベンジルを示す、
(u)あるいは、RおよびR’が結合している窒素原子と一緒に式IeまたはIf
【化3】

の環状構造を形成する
【0021】
(v)QがNを示し、そしてTがCR1616’を示すか、またはQがCR1616’を示し、そしてTがNを示す、
(w)R14が水素を示す、
(x)R15が水素を示す、
(y)R16が水素を示す、
(z1)R17が水素を示す、
(z2)R16’が水素を示す、
(z3)R18が水素を示す。
【0022】
さらなる局面において、本発明は下記で定義されるとおりの工程を含む、式Iの化合物の製造法を提供する。
【0023】
a)ZがC(O)であり、そして他のラジカルおよび記号が上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味を有する式Iの化合物の製造のために、式II
【化4】

〔式中、n、p、Z、R、R’およびRは上記式Iの化合物に対して定義のとおりであり、そしてYはCl、BrまたはIである〕のハロゲン化物を式III
【化5】

〔式中、RおよびR’は上記式Iの化合物に対して定義のとおりである〕のアミンと反応させる。
【0024】
b)ZがC(O)であり、そして他のラジカルおよび記号が上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味を有する式Iの化合物が
【化6】

〔式中、n、p、R、R’およびRは式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕のカルボン酸を式V
【化7】

〔式中、RおよびR’は式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕の一級もしくは二級アミンとカップリングすることにより製造され得る。
c)あるいは、ZがC(O)であり、RがR17−C(O)−(ここで、R17は非置換もしくは置換アルキルを示す)であるか、またはRが非置換またはヒドロキシ、アミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールまたは非置換もしくは置換アリールにより置換されているアルキルであり、R’が水素であり、そして他のラジカルおよび記号が上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味を有する式Iの化合物が式I(ここで、RおよびR’は両方、水素である)のジアミンをアルキル化剤、カルボニル化合物またはアシル化剤とのアルキル化、還元アルキル化またはアシル化により合成され得る。
【0025】
d)ZがC(O)であり、pが0であり、そして他のラジカルが上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味であるもの式Iの化合物が式VI
【化8】

〔式中、RおよびR’は式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕の塩化カルバモイルを式III
【化9】

〔式中、RおよびR’は式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕の一級もしくは二級アミンと反応させることにより製造され得る。
e)Zが結合であり、そして他のラジカルが上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味である式Iの化合物が、式VII
【化10】

〔式中、n、p、RおよびRは式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕のジアミンをアルキル化またはアシル化に付すことにより製造され得る。
【0026】
工程a)の反応は、当分野で既知の慣用の方法で、例えば、実施例に記載のとおりに、例えば、適当な溶媒、例えば、アルコール中で、所望により適当な塩基、例えば、炭酸カリウムの存在下で達成され得る。
【0027】
工程b)のアミド化は標準の処理により、例えば、実施例に記載のとおりに実施され得る。反応は、例えば、適当な溶媒中で、塩基、例えば、トリアルキルアミン、所望により水スカベンジャー、例えば、ジシクロヘキシル−カルボジイミドまたはジイソプロピルカルボジイミド、また所望により、ヒドロキシルベンゾトリアゾールの存在下で、使用される溶媒の室温から還流温度で実施され得る。
【0028】
工程c)に記載のアルキル化、還元アルキル化およびアシル化は当分野で既知のとおりに達成することができる。還元アルキル化は、例えば、水素化で、触媒、例えば、白金またはパラジウム(好ましくはキャリア物質、例えば、炭素に結合している)、または重金属触媒、例えば、ラネーニッケルの存在下で、常圧でまたは0.1から10メガパスカル(MPa)の圧力で、または複合水素化物、例えば、ホウ化水素、とりわけアセトホウ化水素アルカリ金属、例えば、アセトホウ化水素ナトリウムの手段による、適当な酸、好ましくは比較的弱い酸、例えば、酢酸の存在下で、慣用の溶媒、例えば、アルコール、例えば、メタノールまたはエタノール中での還元で実施され得る。
【0029】
工程d)は15℃から50℃、とりわけ約20℃から約25℃で、適当な溶媒、例えば、ジクロロメタン中で、所望により適当な塩基の存在下で、3から36時間、例えば、約24時間の持続時間で実施され得る。
【0030】
工程e)の出発物質として使用される、n、p、RおよびRが式Iの化合物に対して上記定義のとおりである式VIIのジアミンは下記反応順により得ることができる。Zが結合であり、そして他のラジカルが上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味を有する式Iの化合物は、式VIII
【化11】

〔式中、n、pおよびRは式Iの化合物に対して上記定義のとおりであり、そしてPGは保護基を示す〕のジアミンを、式IX
−Hal(IX)
〔式中、Halはハロゲン、好ましくはブロモを示し、そしてRは式Iの化合物に対して上記定義のとおりの意味を有する〕のハロゲン化物と反応させ、式X
【化12】

〔式中、n、p、RおよびRは式Iの化合物に対して上記定義のとおりであり、そしてPGは保護基を示す〕のジアミンを得ることにより製造できる。該式Xのジアミンを次に保護基を式VIIのジアミンを送達して分離する反応条件下に付す。
【0031】
すべての工程a)−d)はまた、例えば、実施例に記載の十分に確立した方法論を使用して固体相で実施され得る。
式Iの得られる化合物は慣用の方法で他の式Iの化合物、例えば実施例に記載のものに変換できる。
【0032】
上記工程の反応混合物の後処理そして得られる化合物の精製は、既知の処理で実施することができる。
酸付加塩は遊離塩基から既知の方法で製造できる、逆もまた同様。
【0033】
光学的に純粋な形態の式Iの化合物は、既知の処理にしたがって対応するラセミ体から得ることができる。あるいは、光学的に純粋な出発物質が使用され得る。
式II−IXの出発物質は既知であるか、または既知の化合物から、慣用の処置、例えば、実施例に記載のものを使用して得ることができる。
【0034】
上記処理で得られる式Iの化合物は、また慣用の方法で、例えば、実施例114または115に記載のとおりに他の式Iの化合物に変換し得る。
得られる酸付加塩は他の酸付加塩にまたは遊離塩基にそれ自身既知の方法で変換できる。
【0035】
ZがC(O)である式Iの化合物は、例えば、ハロゲン化炭素水和物、例えば、ジクロロメタン、または非プロトン性溶媒、例えば、トルエン中で、約30℃から還流温度で、ローソン試薬(2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)2,4−ジチオキソ−1,2,3,4−ジチアホスフェタン)と反応させることによりZがC(S)であるそれぞれの化合物に変換できる。
【0036】
保護基
式IIまたはIIIの化合物中の1個またはそれ以上の他の官能基、例えば、カルボキシ、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトは、それらが反応に関与すべきでないため、保護されているか、保護される必要があるとき、これらはペプチド化合物の、およびまたセファロスポリンおよびペニシリン、ならびに核酸誘導体および糖の合成に通常使用される基である。
【0037】
保護基は既に前駆体で存在し得、望ましくない2次反応、例えば、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解、および類似の反応に対して関連する官能基を保護する。それ自体容易に、すなわち望ましくない2次反応なしに、一般的に、加溶媒分解、還元、光分解または酵素活性により、例えば、生理学的条件と類似の条件下で除去されるのに向いており、最終生産物に存在しないのが保護基の特徴である。専門家は、どの保護基が上記および下記の反応に適しているか既知であるか、容易に確立できる。
【0038】
このような保護基によるこのような官能基の保護、それらの保護基、およびそれらの除去は、例えば、標準参考文献、例えば、J. F. W. McOmie, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Plenum Press, London and New York 1973, in T. W. Greene, “Protective Groups in Organic Chemistry”, Wiley, New York 1981, in “The Peptides”; Volume 3 (editors: E. Gross and J. Meienhofer), Academic Press, London and New York 1981, in “Methoden der organischen Chemie” (Methods of organic chemistry), Houben Weyl, 4th edition, Volume 15/I, Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974, in H.-D. Jakubke and H. Jescheit, “aminosaeuren, Peptide, proteine” (amino acids, peptides, proteins), Verlag Chemie, Weinheim, Deerfield Beach, and Basel 1982, and in Jochen Lehmann, “Chemie der Kohlenhydrate: Monosaccharide und Derivate” (Chemistry of carbohydrates: monosaccharides and Derivatives), Georg Thieme Verlag, Stuttgart 1974に記載されている。
【0039】
一般工程条件
ここに記載のすべての処理工程は、既知の反応条件で、好ましくは具体的に記載の条件で、好ましくは、例えば、使用される試薬に不活性であり、そして溶解できる溶媒または希釈剤の非存在下または通常、存在下で、反応型および/または反応物に依存して触媒、縮合剤または中和剤、例えば、イオン交換体、一般的に陽イオン交換体、例えば、H+形の非存在下または存在下で、低温、常温または高温、例えば、−100℃から約190℃、好ましくは約−80℃から約150℃の範囲で、例えば、−80から−60℃で、室温で、−20から40℃で、または使用する溶媒の沸点で、大気圧下で、または適当な圧力下で密閉容器中で、および/または不活性雰囲気下で、例えば、アルゴンまたは窒素下で実施され得る。
【0040】
出発化合物および短寿命物が塩形成基を含むとき、塩で存在し得る。反応を妨げないとき、また塩はこのような化合物の反応中で存在し得る。
【0041】
問題の反応に対して適当であるものとして選択され得る溶媒は、処理の説明に特に記載のないかぎり、例えば、水、エステル、一般的に低級アルキル−低級アルカノエート、例えば、二酢酸エチル、エーテル、一般的に脂肪族エーテル、例えば、ジエチルエーテル、または環状エーテル、例えば、テトラヒドロフラン、液体芳香族性炭化水素、一般的にベンゼンまたはトルエン、アルコール、一般的にメタノール、エタノールまたは1−もしくは2−プロパノール、ニトリル、一般的にアセトニトリル、ハロゲン化炭化水素、一般的にジクロロメタン、酸アミド、一般的にジメチルホルムアミド、塩基、一般的にヘテロ環式窒素塩基、例えば、ピリジン、カルボン酸、一般的に低級アルカンカルボン酸、例えば、酢酸、カルボン酸無水物、一般的に低級アルカン酸無水物、例えば、酢酸無水物、環状、直線または分岐炭化水素、一般的にシクロヘキサン、ヘキサン、またはイソペンタン、またはこれらの溶媒、例えば、水溶液の混合物を含む。このような溶媒混合物はまた、例えば、クロマトグラフィーまたは分配を介する処理において使用され得る。
【0042】
さらなる局面において、本発明は、遊離塩基または酸付加塩形の式I
【化13】

〔式中、
Zは−C(O)−、−C(S)−または結合であり;
nは0、1、2または3であり;
pは0または1であり(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C14)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキル;
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルケニル;
非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールまたは非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールを示し;そして
’は水素、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノまたはジ−アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキルを示すか;または
【0043】
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換または置換モノ−、ジ、トリもしくはテトラ環状(C−C16)ヘテロシクリル基を形成し、
は水素またはアルキル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールを示し、
は水素、非置換もしくは置換(C−C16)アリール、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、酸素、硫黄もしくは窒素を含む(C−C12)ヘテロシクリル;非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリール;非置換またはヒドロキシ、アミノ、(C−C12)ヘタリールまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールにより置換されているアルキル;またはR17−C(O)−(ここで、R17はアルキル、(C−C12)アリールまたは(C−C12)ヘタリールを示す)を示し;そして
’は水素、アルキル、アルキルカルボニルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルを示すか、または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換もしくは置換環状(C−C12)ヘテロシクリル基を形成する
(ただし、nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがベンジルであり、Rがフェニルであり、そしてR’およびR’が水素であるとき、Rはベンジルまたはアセチルを示さない;nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがフェネチルであり、R’が水素であり、Rがフェニルであり、そしてR’が水素であるとき、Rは水素を示さない;nが1であり、Zが結合であり、pが1であり、Rがジフェニルメチルであり、そしてR’、RおよびR’がすべて水素であるとき、Rはジフェニルメチルまたはベンジルを示さない;そして、Zが結合であり、pが1であり、RおよびR’が一緒に部分式Icの構造を示し、Xが−CH−CH−を示し、Rが水素であり、そしてnが1または2であるとき、RおよびR’は結合している窒素原子と一緒にピペリジニルを示さず、そしてRおよびR’は同時にメチルを示さない)〕
で示される新規ジアミンを提供する。
【0044】
本発明にしたがって、このような式Iのジアミンは
Zが−C(O)−または結合であり;
nが0、1または2であり;
pが0または1であり(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、アリールオキシ、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサニル、(C−C)シクロアルキルまたはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシまたはトリフルオロメトキシにより置換されている}によりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている(C1−6)アルキル;
非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、アリールオキシ、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサニル、(C−C)シクロアルキルまたはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシまたはトリフルオロメトキシにより置換されている}によりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている(C1−6)アルケニル;
(C−C)シクロアルキル、1,4−ジオキサン、ナフチル、9H−フルオレニル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フリル、2,3−ジヒドロクロメニル;
非置換またはフェニルまたは(C1−6)アルコキシにより置換されているフェニル;または
非置換またはフェニルまたはピリミジルにより置換されているピペリジニルを示し;そして
’が水素、フェニル、ベンジルまたは
非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている(C1−6)アルキルを示すか;または
【0045】
およびR’が結合している窒素原子と一緒に式Ia、Ib、IcまたはId
【化14】

〔式中、
AはNを示し、そしてEはCR’を示すか、またはAはCR’を示し、そしてEはNを示し、
Gは単結合、CHR19、−CHCH−、−CH=CH−、S(O)またはNR20(ここで、tは0、1または2であり、そしてR19およびR20は、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
Xは酸素、単結合、CHR21、−CH=CH−または−CH−CH−、S(O)またはNR22{ここで、rは0、1または2であり、そしてR21およびR22は、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキル(これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている)を示す}を示し、
mは0または1であり、
およびR’は、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
は水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
は水素、ハロゲン、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
【0046】
およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
およびR10は、互いに独立して、水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
11は水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}であり、
12は水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}であり、そして
13は水素または(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示す〕
で示される環状構造を形成し、
が水素もしくは(C1−6)アルキル、または
ベンジル、ナフチルもしくはフェニル{それぞれの場合において、非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノにより置換されている}を示し、
【0047】
が水素、フルオレニル、2,3−ジヒドロクロメニル、1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ−アセナフチル、1,2−ジヒドロ−アセナフチル、非置換または(C1−6)アルコキシにより置換されているテトラヒドロナフチル;ベンゾオキサゾリル;シアノ−ピリジル;(C1−6)アルキルチエノ[2,3−d]−ピリミジル;フェニルにより置換されているN−(C1−6)アルキルピペリジニル;フェニルにより置換されている(C−C)シクロアルキル;2,3−ジヒドロ−インデニル;非置換またはヒドロキシ、アミノ、ナフチル、インドリル、チアゾリル、ピリジルまたはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、フェニル、ニトロ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシによりモノ−またはジ置換されている}により置換されている(C1−6)アルキル;またはR17−C(O)−(ここで、R17は(C1−6)アルキル、フェニル、インドリルまたはベンゾ[b]フリル{それぞれの場合においてシアノ、カルボキシまたは(C1−6)アルコキシカルボニルにより置換されている})を示し;そして
’が水素、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルキルカルボニルまたはベンジルを示すか、または
およびR’が結合している窒素原子と一緒に式IeまたはIf
【化15】

〔式中、
QはNを示し、そしてTはCR1616’を示すか、またはQはCR1616’を示し、そしてTはNを示し、
14は水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
15、R16、R16’、R17およびR18は、互いに独立して、水素、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示す〕
で示される環状構造形を形成する
(ただし、nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがベンジルであり、Rがフェニルであり、そしてR’およびR’が水素であるとき、Rはベンジルまたはアセチルを示さない;nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがフェネチルであり、R’が水素であり、Rがフェニルであり、そしてR’が水素であるとき、Rは水素を示さない;nが1であり、Zが結合であり、pが1であり、Rがジフェニルメチルであり、そしてR’、RおよびR’がすべて水素であるとき、Rはジフェニルメチルまたはベンジルを示さない;そして、Zが結合であり、pが1であり、RおよびR’が一緒に部分式Icの構造を示し、Xが−CH−CH−を示し、Rが水素であり、そしてnが1または2であるとき、RおよびR’は結合している窒素原子と一緒にピペリジニルを示さず、そしてRおよびR’は同時にメチルを示さない);
ものが好ましい。
【0048】
より好ましいものは、
Zが−C(O)−または結合であり;
nが0、1または2であり;
pが0または1であり(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換またはフェニル(それ自身は非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシまたはトリフルオロメトキシにより置換されている)、フェノキシ、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサニルまたは(C−C)シクロアルキルによりモノ−またはジ置換されている(C1−6)アルキル;
(C1−6)アルケニル;ナフチル、9H−フルオレニル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フリル、2,3−ジヒドロクロメニル;
非置換またはフェニルまたは(C1−6)アルコキシにより置換されているフェニル;または
ピリミジルにより置換されているピペリジニルを示し;そして
’がフェニル、水素または(C1−6)アルキルであるか;または
およびR’が結合している窒素原子と一緒に式Ia、Ib、IcまたはId
【化16】

【0049】
〔式中、
AがNを示し、そしてEがCR’を示すか、またはAがCR’を示し、そしてEがNを示し、
GがCHを示し、
Xが酸素、結合、−CH=CH−または−CH−CH−を示し、
mが0または1であり、
およびR’が、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキルを示し、
が水素、(C1−6)アルキル、CFまたはハロゲンを示し、
が水素または(C1−6)アルキルを示し、
およびRが両方、水素であり、
およびR10が両方、水素であり、
11が水素または(C1−6)アルコキシであり、
12が水素を示し、そして
13が水素または(C1−6)アルキルを示す〕の環状構造を形成し、
が水素、(C1−6)アルキル、ベンジル、またはフェニル{非置換またはハロゲンにより置換されている}を示し、
が水素、フルオレニル、2,3−ジヒドロクロメニル、1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ−アセナフチル、1,2−ジヒドロ−アセナフチル、非置換または(C1−6)アルコキシにより置換されているテトラヒドロナフチル;ベンゾオキサゾリル;シアノ−ピリジル;(C1−6)アルキルチエノ[2,3−d]−ピリミジル;フェニルにより置換されているN−(C1−6)アルキルピペリジニル;フェニルにより置換されている(C−C)シクロアルキル;2,3−ジヒドロ−インデニル;非置換またはヒドロキシ、アミノ、ナフチル、インドリル、チアゾリル、ピリジルまたはフェニルにより置換されている(C1−6)アルキル{それ自身は非置換またはハロゲン、フェニル、ニトロ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシによりモノ−またはジ置換されている};またはR17−C(O)−(ここで、R17が(C1−6)アルキル、フェニル、インドリルまたはベンゾ[b]フリルを示す{それぞれの場合において、シアノ、カルボキシまたは(C1−6)アルコキシカルボニルにより置換されている})を示し;そして
【0050】
’が水素、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルキルカルボニルまたはベンジルを示すか、または
およびR’が結合している窒素原子と一緒に式IeまたはIf
【化17】

〔式中、
QがNを示し、そしてTがCR1616’を示すか、またはQがCR1616’を示し、そしてTがNを示し、そして
14、R15、R16、R16’、R17およびR18がすべて水素である〕の環状構造を形成する
(ただし、nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがベンジルであり、Rがフェニルであり、そしてR’およびR’が水素であるとき、Rはベンジルまたはアセチルを示さない;nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがフェネチルであり、R’が水素であり、Rがフェニルであり、そしてR’が水素であるとき、Rは水素を示さない;nが1であり、Zが結合であり、pが1であり、Rがジフェニルメチルであり、そしてR’、RおよびR’がすべて水素であるとき、Rはジフェニルメチルまたはベンジルを示さない;そして、Zが結合であり、pが1であり、RおよびR’が一緒に部分式Icの構造を示し、Xが−CH−CH−を示し、Rが水素であり、そしてnが1または2であるとき、RおよびR’は結合している窒素原子と一緒にピペリジニルを示さず、そしてRおよびR’は同時にメチルを示さない);
式Iのジアミンである。
【0051】
式Iのジアミンおよびそれらの薬学的に許容される酸付加塩(以下、本発明の薬剤と言う)は価値ある薬理学的特性を示し、したがって医薬として有用である。
【0052】
特に、本発明の薬剤はヒト代謝型グルタミン酸受容体(mGluR)で顕著なおよび選択的な活性化作用を示す。これは、インビトロで、例えば、組み換えヒト代謝型グルタミン酸受容体、とりわけそれらのアデニル酸シクラーゼ−結合サブタイプ、例えば、mGluR7で、例えば、P. J. Flor et. al., Neuropharmacology Vol. 36, pages 153-159 (1997)およびF. Gasparini et al., J. Pharmacol. Exp. Ther. Vol 290, pages 1678-1687 (1999)に記載のホルスコリン−刺激cAMP蓄積の阻害の測定のような様々な処理を使用して、またはM. Maj et al., Neuropharmacology Vol. 45, 895-906 (2003)およびそれに記載の引用文献により記載されているとおりに最大下アゴニスト誘導されたGTP−γ−S結合の上昇がどの程度まで増加するか測定することにより測定できる。ヒトmGluR7サブタイプの単離および発現はP. J. Flor et. al., Neuropharmacology Vol. 36, pages 153-159 (1997)に記載されている。選択された本発明の薬剤は、DL−AP4により最大下に誘導されるGTP−γ−S結合の刺激に対して、ヒトmGluR7bまたはラットmGluR7aを発現する組み換え細胞からの膜上で測定して約1nMから約50μMのEC50値を示す。また、選択された本発明の薬剤は、ヒトmGluR7bまたはラットmGluR7aを発現する組み換え細胞において、ホルスコリン刺激cAMP蓄積の阻害に対する約1nMから約50μMのEC50値を示す。
【0053】
本発明の薬剤は、したがって、グルタミン酸、GABAおよび/またはモノアミンシグナル伝達の異常と関連する疾患、ならびにmGluR7により完全にまたは部分的に制御された神経疾患の処置において有用である。
【0054】
グルタミン酸、GABAおよび/またはモノアミンシグナル伝達の異常と関連する疾患は、例えば、癲癇、脳虚血、とりわけ急性虚血、眼疾患、とりわけ緑内障および眼の虚血性疾患、掻痒、筋痙攣、例えば、局所的または漸進的痙攣および、特に、痙攣または疼痛である。
【0055】
mGluR7により完全にまたは部分的に制御された神経疾患は、例えば、神経系の急性、外傷および慢性退行変性過程、例えば、パーキンソン病、パーキンソン病と関連する認知症、老人性認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症、精神疾患、例えば、統合失調症、不安症および鬱病である。
【0056】
上記疾患の処置における本発明の薬剤の有用性を、例えば、下記に示す様々な標準試験で実施できる:
【0057】
不安における本発明の薬剤の活性は、標準モデル、例えば、マウスのストレス誘導異常高熱[cf. A. Lecci et al., Psychopharmacol. Vol. 101, pages 255-261 (1990)]において立証できる。p.o.またはi.pで約0.1から約100mg/kgの用量で、本発明の薬剤はストレス誘導異常高熱を回復させる。
【0058】
上記適用すべてに対して、適当な用量はもちろん、例えば、使用される化合物、宿主、投与経路および性質ならびに処置される状態の重症度に依存して変化する。しかし、一般的に、動物において満足な結果が、約0.5から約100mg/kg動物の体重の1日用量で得られることが示されている。大型哺乳動物、例えば、ヒトにおいて、支持される1日用量は、都合良く1日に4回までで分割して投与される、約5から1500mg、好ましくは約10から約1000mgの範囲の化合物である。
【0059】
前記にしたがって、本発明はまた、例えば、グルタミン酸、GABAおよび/またはモノアミンシグナル伝達の異常と関連する疾患、ならびにmGluR7により完全にまたは部分的に制御された神経疾患の処置における医薬として使用するための本発明の薬剤を提供する。
【0060】
本発明はまたグルタミン酸、GABAおよび/またはモノアミンシグナル伝達の異常と関連する疾患、ならびにmGluR7により完全にまたは部分的に制御された神経疾患の処置における本発明の薬剤の使用を提供する。
【0061】
さらに、本発明はグルタミン酸、GABAおよび/またはモノアミンシグナル伝達の異常と関連する疾患、ならびにmGluR7により完全にまたは部分的に制御された神経疾患の処置のための医薬組成物の製造のための本発明の薬剤の使用を提供する。
【0062】
さらなる局面において、本発明はmGluR7により完全にまたは部分的に制御されたの処置を疾患する方法であって、このような処置を必要とする温血動物生物体に治療有効量の本発明の薬剤を投与することを含む方法を提供する。
【0063】
本発明の医薬組成物は、有効量の薬理学的活性成分を単独または有効量の薬学的に許容される担体と一緒に含む、温血動物(ヒトおよび動物)へ経腸、例えば、経鼻、経直腸または経口、または非経腸、例えば、筋肉内または静脈内投与するための組成物である。活性成分の用量は、温血動物の種、体重、年齢および個々の状態、個々の薬物動力学的データ、処置すべき疾患および投与経路に依存する。
【0064】
医薬組成物は約1%から約95%、好ましくは約20%から約90%で活性成分を含む。本発明の医薬組成物は、例えば、単位用量形、例えば、アンプル、バイアル、坐剤、糖衣錠、錠剤またはカプセルの形態であり得る。
【0065】
本発明の医薬組成物は、それ自身既知の手段、例えば、慣用の溶解、凍結乾燥、混合、造粒または糖剤の処理の手段により製造される。
【0066】
式Iの化合物は単独または1種またはそれ以上の他の治療剤と向き合わせて投与することができ、固定された組合せの形態を用いる、あるいは本発明の化合物および1種またはそれ以上の他の治療剤を交互交替的に、または互いに独立して、または固定された組合せと1種またはそれ以上の他の治療剤の組合せ投与を併せた、組合せ治療が可能である。
【0067】
例えば、処置する疾患が癲癇であるとき、他の治療剤はバルビツール酸およびその誘導体、ベンゾジアゼピン、カルボキサミド、ヒダントイン、スクシンイミド、バルプロ酸および他の脂肪酸誘導体、AMPAアンタゴニストおよび他の抗癲癇剤から選択することができる。本明細書で使用される“バルビツール酸およびその誘導体”なる用語は、限定はしないが、フェノバルビタールおよびプリミドンを含む。本明細書で使用される“ベンゾジアゼピン”なる用語は、限定はしないが、クロナゼパム、ジアゼパムおよびロラゼパムを含む。本明細書で使用される“カルボキサミド”なる用語は、限定はしないが、カルバマゼピンおよびオキサカルバゼピンを含む。本明細書で使用される“ヒダントイン”なる用語は、限定はしないが、フェニトインを含む。本明細書で使用される“スクシンイミド”なる用語は、限定はしないが、エトスキシミド、フェンスクシミドおよびメスキシミドを含む。本明細書で使用される“バルプロ酸および他の脂肪酸誘導体”なる用語は、限定はしないが、バルプロ酸ナトリウム塩、塩酸チアガピン一水和物およびビグラバトリンを含む。本明細書で使用される“他の抗癲癇剤”なる用語は、限定はしないが、レベチタセタム、ラモトリギン、ガバペンチン、スルチアムおよびフェルバメートを含む。
【0068】
処置する疾患がアルツハイマー病であるとき、他の治療剤は好ましくは向知性剤である。本明細書で使用される“向知性剤”なる用語は、限定はしないが、カルシウムアンタゴニスト、コリンステラーゼ阻害剤、ジヒドロエルゴトキシン、ニセルゴリン、ピラセタム、プリン誘導体、ピリチノール、ビンカミンおよびビンポセチンを含む。本明細書で使用される“カルシウムアンタゴニスト”なる用語は、限定はしないが、シンナリジンおよびニモジピンを含む。本明細書で使用される“コリンステラーゼ阻害剤”なる用語は、限定はしないが、塩酸ドネペジル、リバスチグミンおよび臭化水素酸ガランタミンを含む。本明細書で使用される“プリン誘導体”なる用語は、限定はしないが、ペンチフィリンを含む。
【0069】
処置する疾患が統合失調症であるとき、他の治療剤は慣用の抗精神病剤および非定型の抗精神病剤から選択され得る。本明細書で使用される“慣用の抗精神病剤”なる用語は、限定はしないが、ハロペリドール、フルフェナジン、チオチキセンおよびフルペンチキソールを含む。本明細書で使用される“非定型の抗精神病剤”なる用語は、クロザリル、リスペリドン、オランザピン、クエチアピン、ジプラシドンおよびアリピプラゾールに関する。
【0070】
処置する疾患が不安症であるとき、他の治療剤はベンゾジアゼピン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、選択的セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、ブスピロンおよびプレガバリンからなる群から選択され得る。本明細書で使用される“ベンゾジアゼピン”なる用語は、限定はしないが、クロナゼパム、ジアゼパムおよびロラゼパムを含む。本発明に対して適当なSSRIは、とりわけフルオキセチン、フボキサミン、セルトラリン、パロキセチン、シタロムラムおよびエスシタロプラムから選択される。本発明に対して適当なSNRIは、とりわけベンラファキシンおよびデュロキセチンから選択される。
【0071】
コードナンバー、一般名または商標名により特定される活性成分の構造は、標準概論“The Merck Index”の現版またはデータベース、例えばPatents International(例えば、IMS World Publications)から得ることができる。したがってそれらに対応する内容は出典明示により包含させる。当業者はこれらの参考文献に基づいて活性成分を同定することが十分に可能であり、同様に製造することならびに標準試験モデルにおいて、インビトロおよびインビボの両方で医薬適用および特性を試験することが可能である。
【0072】
さらなる局面において、本発明は、
・mGluR7受容体が役割を果たすか、または関連している疾患または状態を処置する方法であって、このような処置を必要とする対象に治療有効量の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の式Iのジアミンを投与することを含む方法;
・医薬として使用するための遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の式Iのジアミン;および
・遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の式Iのジアミンおよび少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物
を提供する。
【0073】
さらに、本発明の適当に同位体で標識された薬剤は、代謝型グルタミン酸受容体サブタイプ7(mGlu7受容体)を選択的に標識するため、組織病理的標識剤、造影剤および/またはバイオマーカー(以下“マーカー”と称する)としての価値ある特性を示す。さらに特に本発明の薬剤は、中枢または末梢mGlu7受容体をインビトロまたはインビボで標識するためのマーカーとして有用である。特に、適当に同位体標識された本発明の化合物はPETマーカーとして有用である。このようなPETマーカーは11C、13N、15O、18Fからなる群から選択される1個またはそれ以上の原子で標識される。
【0074】
本発明の薬剤はしたがって、例えば、mGlu7受容体で作用する薬剤の受容体占有レベル、またはmGlu7受容体の平衡異常または機能障害によりもたらされる疾患に対する診断目的を測定するため、およびこのような疾患の薬物療法の有用性をモニタリングするために有用である。
【0075】
上記にしたがって、本発明は、神経画像に対するマーカーとして使用するための本発明の薬剤を提供する。
【0076】
さらなる局面において、本発明は、インビボおよびインビトロでmGlu7受容体を含有する脳および末梢神経系構造を標識するために、本発明の薬剤を含む組成物を提供する。
【0077】
よりさらなる局面において、本発明は、本発明の薬剤と脳組織を接触することを含む、インビボおよびインビトロでmGlu7受容体を含有する脳および末梢神経系構造を標識するための方法を提供する。
【0078】
本発明の方法は、本発明の薬剤が標的構造を標識したかどうかを測定するを目的とするさらなる工程を含み得る。該さらなる工程はポジトロン放出断層撮影法(PET)またはシングルフォトン核医学断層撮影法(SPECT)、または放射能放出の検出が可能である何らかの装置を使用して標的構造を観察することにより実施され得る。
【0079】
下記実施例は本発明を説明する。
【実施例】
【0080】
略語
使用する略語は当分野で慣用のものであり、そして、特に、下記で提供される意味を有する。
Ac =アセチル
BAL =アミドリンカー骨格
Bn =ベンジル
DCC =ジシクロヘキシル−カルボジイミド
DCE =1,2−ジクロロエタン
DCM =ジクロロメタン
DIC =ジイソプロピルカルボジイミド
DIPEA =N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMA =N,N−ジメチルアセトアミド
DMF =N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO =ジメチルスルホキシド
EE =酢酸エチル
ESI−MS =エレクトロスプレイイオン化質量分析
HATU =O−(7−アゾベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HOBt =1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC =高速液体クロマトグラフィー
Hx =ヘキサン
m.p. =融点
MTBE =tert−ブチルエーテルメチル
NMR =核磁気共鳴分光学
=保持因子(TLC)
RT =室温
TFA =トリフルオロ酢酸
THF =テトラヒドロフラン
TLC =薄層クロマトグラフィー
=保持時間(HPLC)
【0081】
温度は摂氏で測定する。他に記載のない限り、反応は室温で行う。最終産物、中間体および出発物質の構造は標準分析法、例えば、微量分析および分光学的特性(例えば、MS、IR、NMR)により行う。
【0082】
最終産物および中間体のHPLC分析:
勾配A:CTC Analytics HTS PAL オートサンプラー、515ポンプ、および210nmで作動する996 DAD検出器を備えたWaters systemで実施。カラム:CC70/3 Nucleosil 100−3 C18(3μ、70×3mm、Macherey−Nagel、order # 721791.30)、温度:45℃、流速:0.8mL 分−1。溶離剤:A:水+0.2%のHPO(85%、(Merck 100552)+2%のMeNOH、(10%、Merck 108123)、B:アセトニトリル+20%の水+0.1%のHPO(85%)+1%のMeNOH(10%)。勾配:0%のBから95%のB 10分以内、次に95%のB 5分。
勾配B:220−400nmで作動する996 DAD検出器(Total Plot)を備えたWaters systemで実施。カラム:CC30/3 Nucleosil 100−3 C18 HD(3μ、30×3mm、Macherey−Nagel、order # 721196.30)、温度:35℃、流速:1mL min−1。溶離剤:A:水+0.1%のTFA、B:アセトニトリル+0.1%のTFA。勾配:5%のBから100%のB 4分以内、次に100%のB 1分。
【0083】
勾配C:254nmで作動するDAD検出器を備えたAgilent 1100 series systemで実施。カラム:ZORBAX Eclips XDB C18(5μ、150×4.6mm、Agilent、order # 7995118−595)、流速:1.5mL min−1。溶離剤:A:水+0.1%のTFA、B:アセトニトリル+0.1%のTFA。勾配:0%のBから100%のB 15分以内、次に100%のB 5分。
勾配D:215nmでAgilent 1100 series deviceおよびUV検出器で実施。カラム:Prontosil RP−C18−H(3μ、53×4mm、Bischoff、order # 0604F185PS030)、流速:1.5mL min−1。溶離剤:A:水+0.1%のTFA、B:アセトニトリル+0.1%のTFA。勾配:5%のBから100%のB 10分以内。
勾配E:215nmでAgilent 1100 series deviceおよびUV検出器で実施。カラム:Nucleodur RP−C18−ec (3μ、53×4mm、Macherey−Nagel、order # 760050.40)、流速:1mL min−1。溶離剤:A:水+0.1%のTFA、B:アセトニトリル+0.1%のTFA。勾配:5%のBから100%のB 10分以内。
【0084】
分取HPLC分離:
勾配F:600ポンプ、ZQ Micromass MS−検出器、および214nmで作動するUV 2487検出器を備えたWaters systemで実施。カラム:XTerra Prep MS C18(5μ 50×19mm、Waters、order # 18600 1930)、流速:20ml min−1。溶離剤:A:水+0.1%のTFA、B:アセトニトリル+0.1%のTFA。勾配:5%のB 1分、次に5%のBから95%のB 6分以内。
勾配G:SCL−8A controller、2×LC−8Aポンプ、および215nmで作動するBischoff Lambda 1000検出器を備えたShimadzu systemで実施。カラム:Waters Symmetry C18(5μ 50×19mm、Waters、order # 18600 0210)、流速:20ml min−1。溶離剤:A:水+0.1%のTFA、B:アセトニトリル+0.1%のTFA。勾配:5%のBから100%のB 15分以内。
【0085】
実施例1:塩酸2−(3,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
トルエン(5ml)中のクロロ−塩化アセチル(4.48ml、56.3mmol)の溶液を室温でトルエン(45ml)中のジフェニルアミン(8.66g51.1mmol)およびトリエチルアミン(8.6ml、61.4mmol)の撹拌溶液に加える。得られる溶液を90分間室温で撹拌し、次に還流温度に18時間する。トルエンを蒸発させ、残渣をDCMに溶解させ、連続して希釈HCl溶液(2N)および塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をクロマトグラフィー(CHCl/ヘキサン、4:1)により精製し、2−クロロ−N,N−ジフェニル−アセトアミドを黄褐色の結晶として得る(R. Sarges et al., J. Med. Chem. 1989 32(2), 437-444の変法)。
【0086】
b)エタノール(30ml)中の2−クロロ−N,N−ジフェニル−アセトアミド(5g、20.3mmol)、3,4−ジクロロベンジル−アミン(8.95g、50.9mmol)の溶液を12時間還流する。溶液を約10mlに濃縮し、懸濁液を濾取する。濾液を蒸発させ、残渣をシリカ(CHCl/MeOH、98:2)で濾過する。精製した画分を酢酸エチル中のHClの飽和溶液に溶解させ、塩酸塩を冷却後に濾取する。表題化合物を無色結晶として得る:1H-NMR (400MHz; DMSO-d6): δ 3.75 (s、2H); 4.15 (s , 2H); 7.2-7.6 (m, 11H); 7.7 (d, 1H); 7.8 (d, 1H); 9.55 (NH ,1H), ESI+MS:m/z=385.1(MH)。
【0087】
実施例2:塩酸2−(2−クロロ−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
a)1,2−ジクロロエタン(40ml)中のジフェニル−アミン(4.87g、28.8mmol)およびピリジン(2.52ml、31.4mmol)の氷冷溶液に反応槽の内部温度が30℃以下を維持するような速度で1,2−ジクロロエタン(10ml)中のブロモアセチルブロマイド(2.5ml、30.0mmol)の溶液を加える。添加完了後、氷浴を除去し、反応混合物を1時間室温で撹拌する。その後、反応混合物を氷水(100ml)に注ぐ。混合物を2MのHClの添加により酸性化し、酢酸エチル(50ml)を加える。有機層を分離し、(2×水(100ml)、1×塩水(100ml))で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、真空蒸発させる。得られた褐色油状物をジエチルエーテルから結晶化することにより精製し、2−ブロモ−N,N−ジフェニル−アセトアミドをオフホワイト色結晶として得る(F. Oezkanli et al., Arzneim. Forsch. 1994 44(8), 920-924の変法)。
【0088】
b)乾燥エタノール(1.5ml)中の2−ブロモ−N,N−ジフェニル−アセトアミド(200mg、0.69mmol)および2−クロロ−ベンジルアミン(208μl、1.73mmol)の溶液を80℃に4mlのPierce Reacti−Vial中で撹拌しながら一晩加熱する。室温に到達後、反応混合物を酢酸エチル(10ml)および飽和NaHCO溶液(10ml)の混合物に注ぐ。有機層を分離し、洗浄し(1×HO、2×塩水)、NaSOで乾燥させ、蒸発させ、乾燥させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(Flash Masterクロマトグラフィーシステム、10gのFlash−Siカートリッジ(IST ISOLUTE(登録商標)SPE、酢酸エチル/ヘキサン勾配)により精製し、黄色油状物を得る。遊離塩基を酢酸エチル(2ml)に溶解させ、ジオキサン中の4MのHClの数滴の添加により酸性化する。沈殿を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄する。60℃で一晩真空乾燥させ、塩酸2−(2−クロロ−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミドを薄い黄色粉末として得る。M.p.=213−214.5℃;HPLC:t=6.99分(勾配A)、ESI+MS:m/z=351(MH)。
【0089】
実施例3−43
実施例1および2に記載の同じ方法にしたがって、下記化合物を適当な出発物質を使用して得る:
【0090】
実施例3:塩酸2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
M.p.=232−234℃;HPLC:t=8.18分(勾配A);ESI+MS:m/z=407.5(MH)。
【0091】
実施例4:塩酸2−[(ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−N,N−ジフェニル−アセトアミド
M.p.=233−235℃;HPLC:t=7.60分(勾配A);ESI+MS:m/z=367.5(MH)。
【0092】
実施例5:N−ベンジドリル−2−(2−クロロ−ベンジルアミノ)−アセトアミド
M.p.=98−99℃;HPLC:t=7.56分(勾配A);ESI+MS:m/z=365.3(MH)。
【0093】
実施例6:塩酸2−(2−クロロ−ベンジルアミノ)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
M.p.=182−186℃;HPLC:t=6.58分(勾配A);ESI+MS:m/z=315.2(MH)。
【0094】
実施例7:塩酸1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−エタノン
M.p.=174−178℃;HPLC:t=8.07分(勾配A);ESI+MS:m/z=371.5(MH)。
【0095】
実施例8:塩酸2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−N−メチル−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=221−223℃;HPLC:t=6.11分(勾配A);ESI+MS:m/z=345.5(MH)。
【0096】
実施例9:塩酸2−(3,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−N−メチル−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=221−224℃;HPLC:t=6.04分(勾配A);ESI+MS:m/z=323.2(MH)。
【0097】
実施例10:塩酸1−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−エタノン
M.p.=72−78℃;HPLC:t=7.93分(勾配A);ESI+MS:m/z=371.5(MH)。
【0098】
実施例11:塩酸2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−N−イソプロピル−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=240−243℃;HPLC:t=8.19分(勾配A);ESI+MS:m/z=373.5(MH)。
【0099】
実施例12:塩酸N−イソプロピル−2−[(ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=224−226℃;HPLC:t=7.50分(勾配A);ESI+MS:m/z=333.3(MH)。
【0100】
実施例13:塩酸2−(3,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−N−イソプロピル−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=245−250℃;HPLC:t=7.61分(勾配A);ESI+MS:m/z=351.3(MH)。
【0101】
実施例14:2−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
M.p.=202−204℃;HPLC:t=7.11分(勾配A);ESI+MS:m/z=343.4(MH)。
【0102】
実施例15:2−(ベンジドリル−アミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
M.p.=122−123℃;HPLC:t=8.56分(勾配A);ESI+MS:m/z=393.5(MH)。
【0103】
実施例16:塩酸2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−1−フェノキサジン−10−イル−エタノン
M.p.=215−216℃;HPLC:t=8.77分(勾配A);ESI+MS:m/z=421.5(MH)。
【0104】
実施例17:塩酸1−カルバゾール−9−イル−2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−エタノン
M.p.=250℃;HPLC:t=9.06分(勾配A);ESI+MS:m/z=405.3(MH)。
【0105】
実施例18:塩酸2−(ベンジドリル−アミノ)−N−ナフタレン−1−イル−アセトアミド
M.p.=132−134℃;HPLC:t=8.85分(勾配A);ESI+MS:m/z=367.3(MH)。
【0106】
実施例19:塩酸2−(ベンジドリル−アミノ)−N−ビフェニル−2−イル−アセトアミド
M.p.=151−158℃;HPLC:t=10.74分(勾配A);ESI+MS:m/z=393.4(MH)。
【0107】
実施例20:塩酸N−ベンジル−2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=188−190℃;HPLC:t=8.83分(勾配A);ESI+MS:m/z=421.6(MH)。
【0108】
実施例21:塩酸N−ベンジル−2−(2−クロロ−ベンジルアミノ)−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=190−192℃;HPLC:t=7.63分(勾配A);ESI+MS:m/z=365.4(MH)。
【0109】
実施例22:塩酸2−(ベンジドリル−アミノ)−N−ベンジル−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=181−182℃;HPLC:t=8.97分(勾配A);ESI+MS:m/z=407.6(MH)。
【0110】
実施例23:塩酸2−(ベンジドリル−アミノ)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
M.p.=191−194℃;HPLC:t=7.90分(勾配A)、ESI+MS:m/z=357.6(MH)。
【0111】
実施例24:2−(ベンジドリル−アミノ)−N−メチル−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=115−116℃;HPLC:t=7.24分(勾配A);ESI+MS:m/z=331.5(MH)。
【0112】
実施例25:塩酸2−(ベンジドリル−アミノ)−N−イソプロピル−N−フェニル−アセトアミド
M.p.=241−243℃;HPLC:t=8.09分(勾配A);ESI+MS:m/z=359.6(MH)。
【0113】
実施例26:塩酸2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−1−(8−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
M.p.=82−95℃;HPLC:t=8.25分(勾配A);ESI+MS:m/z=385.3(MH)。
【0114】
実施例27:塩酸2−(ベンジドリル−アミノ)−1−(8−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
M.p.=128−136℃;HPLC:t=8.22分(勾配A)、ESI+MS:m/z=371.3(MH)。
【0115】
実施例28:塩酸rac−2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−1−(2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
M.p.=212−215℃;HPLC:t=8.21分(勾配A)、ESI+MS:m/z=385.5(MH)。
【0116】
実施例29:塩酸1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(1,1−ジメチル−2−フェニル−エチルアミノ)−エタノン
黄色ガム、HPLC:t=7.23分(勾配A)、ESI+MS:m/z=323.4(MH)。
【0117】
実施例30:塩酸1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(1−メチル−1−フェニル−エチルアミノ)−エタノン
黄色ガム、HPLC:t=6.65分(勾配A)、ESI+MS:m/z=309.5(MH)。
【0118】
実施例31:1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(9H−フルオレン−9−イルアミノ)−エタノン
M.p.=82−84℃;HPLC:t=7.75分(勾配A)、ESI+MS:m/z=355.6(MH)。
【0119】
実施例32:塩酸1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(2,2−ジフェニル−プロピルアミノ)−エタノン
M.p.=210−212℃;HPLC:t=8.20分(勾配A)、ESI+MS:m/z=385.8(MH)。
【0120】
実施例33:塩酸2−(3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
M.p.=201−203℃;HPLC:t=6.63分(勾配A)、ESI+MS:m/z=307.3(MH)。
【0121】
実施例34:1,3−ビス−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−プロパン−1−オン
薄い褐色シロップ、HPLC:t=10.57分(勾配A)、ESI+MS:m/z=321.4(MH)。
【0122】
実施例35:塩酸rac−N,N−ジフェニル−2−(1−フェニル−エチルアミノ)−アセトアミド
M.p.=232−236℃;1H-NMR (400MHz; CDCl3): δ 1.36 (d, J=8 Hz, 3H), 3.13 (s, 2H), 3.77 (q, J=8 Hz, 1H), 7.08 - 7.35 (m, 15H);ESI+MS:m/z=331.2(MH)。
【0123】
実施例36:塩酸1−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルアミノ)−エタノン
M.p.=245−246℃;HPLC:t=2.65分(勾配B)、ESI+MS:m/z=381.2(MH)。
【0124】
実施例37:塩酸2−ベンジルアミノ−N,N−ジフェニル−アセトアミド
M.p.=234−237℃;HPLC:t=2.40分(勾配B)、ESI+MS:m/z=317.2(MH)。
【0125】
実施例38:塩酸1−(10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)−2−フェネチルアミノ−エタノン
HPLC:t=2.64分(勾配B)、ESI+MS:m/z=357.2(MH)。
【0126】
実施例39:塩酸1−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−2−(8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルアミノ)−エタノン
M.p.=167−271℃;HPLC:t=2.73分(勾配B)、ESI+MS:m/z=411.2(MH)。
【0127】
実施例40:塩酸2−(3,3−ジフェニル−プロピルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
M.p.=227−230℃;HPLC:t=2.94分(勾配B)、ESI+MS:m/z=421.2(MH)。
【0128】
実施例41:塩酸2−フェネチルアミノ−N,N−ジフェニル−アセトアミド
M.p.=250−253℃;HPLC:t=2.48分(勾配B)、ESI+MS:m/z=331.2(MH)。
【0129】
実施例42:塩酸1−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−2−(3,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−エタノン
M.p.=244−249℃;HPLC:t=2.82分(勾配B)、ESI+MS:m/z=409.0(MH)。
【0130】
実施例43:塩酸1−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−2−フェネチルアミノ−エタノン
M.p.=243−259℃;HPLC:t=2.58分(勾配B)、ESI+MS:m/z=355.2(MH)。
【0131】
実施例44:トリフルオロ酢酸rac−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(1−フェニル−エチルアミノ)−エタノン
a)2−ブロモ−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノンは1,2−ジクロロエタン(60ml)中の1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(7.89ml、59.1mmol)、ピリジン(5.23ml、65.0mmol)およびブロモアセチルブロマイド(5.77ml、65mmol)からブロモ−N,N−ジフェニル−アセトアミド(実施例1、工程a)に準じて製造される。表題化合物は緑がかった油状物として得る。
【0132】
b)N,N−ジメチルアセトアミド(0.6ml)中の2−ブロモ−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン(25mg、0.1mmol)およびrac−1−フェニルエチルアミン(25μl、0.2mmol)の溶液に水中の30%のNaCO溶液(75μl、0.21mmol)を加える。反応混合物を4.5mlのフリットポリプロピレン反応チューブ中で24時間50℃で振動させる(Mettler-Toledo Bohdan 48 position MiniBlockTM synthesizer)。次に、溶液を濾過し、分取HPLC(勾配F)に直接付す。表題化合物を黄色ガムとして得る;HPLC:t=6.64分(勾配A);ESI+MS:m/z=295(MH)。
【0133】
実施例45−82
実施例44に記載の同じ方法にしたがって、下記化合物を適当な出発物質を使用して得る:
【0134】
実施例45:トリフルオロ酢酸1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−エタノン
HPLC:t=7.40分(勾配A)、ESI+MS:m/z=345.5(MH)。
【0135】
実施例46:トリフルオロ酢酸1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−エタノン
HPLC:t=7.24分(勾配A);ESI+MS:m/z=365.3(MH)。
【0136】
実施例47:トリフルオロ酢酸(R)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−[メチル−(1−フェニル−エチル)−アミノ]−エタノン
HPLC:t=6.59分(勾配A)、ESI+MS:m/z=309.4(MH)。
【0137】
実施例48:トリフルオロ酢酸2−[1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミノ]−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=7.06分(勾配A)、ESI+MS:m/z=329.3(MH)。
【0138】
実施例49:トリフルオロ酢酸2−(クロマン−4−イルアミノ)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=6.54分(勾配A)、ESI+MS:m/z=323.4(MH)。
【0139】
実施例50:トリフルオロ酢酸N,N−ジフェニル−2−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジルアミノ)−アセトアミド
HPLC:t=7.69分(勾配A)、ESI+MS:m/z=401.6(MH)。
【0140】
実施例51:トリフルオロ酢酸2−[2−(1H−インドル−3−イル)−エチルアミノ]−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.34分(勾配A)、ESI+MS:m/z=370.6(MH)。
【0141】
実施例52:トリフルオロ酢酸2−(2−ヒドロキシ−2−フェニル−エチルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=6.65分(勾配A)、ESI+MS:m/z=347.4(MH)。
【0142】
実施例53:トリフルオロ酢酸2−[1−(4−クロロ−フェニル)−エチルアミノ]−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.54分(勾配A)、ESI+MS:m/z=365.4(MH)。
【0143】
実施例54:トリフルオロ酢酸rel−(1R,2aS)−2−(1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ−アセナフチレン−1−イルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.70分(勾配A)、ESI+MS:m/z=383.6(MH)。
【0144】
実施例55:トリフルオロ酢酸2−(2,3−ジメチル−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.50分(勾配A)、ESI+MS:m/z=345.5(MH)。
【0145】
実施例56:トリフルオロ酢酸2−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.48分(勾配A)、ESI+MS:m/z=385.5(MH)。
【0146】
実施例57:トリフルオロ酢酸トランス−2−(1−メチル−3−フェニル−ピペリジン−4−イルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.74分(勾配A)、ESI+MS:m/z=400.7(MH)。
【0147】
実施例58:トリフルオロ酢酸トランス−N,N−ジフェニル−2−(2−フェニル−シクロプロピルアミノ)−アセトアミド
HPLC:t=7.46分(勾配A)、ESI+MS:m/z=343.4(MH)。
【0148】
実施例59:トリフルオロ酢酸(S)−2−(8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.45分(勾配A)、ESI+MS:m/z=387.7(MH)。
【0149】
実施例60:トリフルオロ酢酸2−(1,2−ジフェニル−エチルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=8.33分(勾配A)、ESI+MS:m/z=407.7(MH)。
【0150】
実施例61:トリフルオロ酢酸rac−2−(1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.82分(勾配A)、ESI+MS:m/z=381.7(MH)。
【0151】
実施例62:トリフルオロ酢酸2−(2−クロロ−6−メチル−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.48分(勾配A)、ESI+MS:m/z=365.5(MH)。
【0152】
実施例63:トリフルオロ酢酸rac−2−(アセナフテン−1−イルアミノ)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノントリフルオロ酢酸
HPLC:t=7.38分(勾配A)、ESI+MS:m/z=343.4(MH)。
【0153】
実施例64:トリフルオロ酢酸2−(2−ブロモ−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.37分(勾配A)、ESI+MS:m/z=395.3(MH)。
【0154】
実施例65:トリフルオロ酢酸2−(2−メチル−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.33分(勾配A)、ESI+MS:m/z=331.4(MH)。
【0155】
実施例66:トリフルオロ酢酸N,N−ジフェニル−2−(2−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−アセトアミド
HPLC:t=7.69分(勾配A)、ESI+MS:m/z=385.4(MH)。
【0156】
実施例67:トリフルオロ酢酸2−(2−エトキシ−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.61分(勾配A)、ESI+MS:m/z=361.4(MH)。
【0157】
実施例68:トリフルオロ酢酸2−[(ビフェニル−2−イルメチル)−アミノ]−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=8.21分(勾配A)、ESI+MS:m/z=393.5(MH)。
【0158】
実施例69:トリフルオロ酢酸rac−2−(アセナフテン−1−イルアミノ)−N,N−ジフェニル−アセトアミド
HPLC:t=7.90分(勾配A)、ESI+MS:m/z=379.4(MH)。
【0159】
実施例70:トリフルオロ酢酸(S)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(1−フェニル−エチルアミノ)−エタノン
HPLC:t=6.51分(勾配A)、ESI+MS:m/z=295.4(MH)。
【0160】
実施例71:トリフルオロ酢酸(R)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(1−フェニル−エチルアミノ)−エタノン
HPLC:t=6.54分(勾配A)、ESI+MS:m/z=295.4(MH)。
【0161】
実施例72:トリフルオロ酢酸rac−5,6,11,12−テトラヒドロ−2−メトキシ−14−(2,2−ジフェニルエチル)アミノ)アセチル−ジベンゾ[a,e]クロロオクテン−5,11−イミン
HPLC:t=8.83分(勾配A)、ESI+MS:m/z=489.7(MH)。
【0162】
実施例73:トリフルオロ酢酸(4’S,5S,10R)−12−(クロマン−4−イルアミノ)アセチル−10,11−ジヒドロ−5−メチル−5H−ジベンゾ[a,d]クロロヘプテン−5−10−イミン
HPLC:t=7.93分(勾配A)、ESI+MS:m/z=411.6(MH)。
【0163】
実施例74:トリフルオロ酢酸2−(ベンジドリル−アミノ)−1−(6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=5.23分(勾配A)、ESI+MS:m/z=371.2(MH)。
【0164】
実施例75:トリフルオロ酢酸2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−1−(6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=5.51分(勾配A)、ESI+MS:m/z=385.6(MH)。
【0165】
実施例76:トリフルオロ酢酸2−(3,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−1−(6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=5.11分(勾配A)、ESI+MS:m/z=364.3(MH)。
【0166】
実施例77:トリフルオロ酢酸rac−1−(6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(1−ナフタレン−1−イル−エチル−アミノ)−エタノン
HPLC:t=5.16分(勾配A)、ESI+MS:m/z=359.1(MH)。
【0167】
実施例78:トリフルオロ酢酸(S)−2−(クロマン−4−イルアミノ)−1−(6−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=4.63分(勾配A)、ESI+MS:m/z=337.0(MH)。
【0168】
実施例79:トリフルオロ酢酸(S)−2−(クロマン−4−イルアミノ)−1−(7−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=4.97分(勾配A)、ESI+MS:m/z=391.0(MH)。
【0169】
実施例80:トリフルオロ酢酸rac−2−(ベンジドリル−アミノ)−1−(6−フルオロ−2−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=5.26分(勾配A)、ESI+MS:m/z=389.1(MH)。
【0170】
実施例81:トリフルオロ酢酸rac−2−(ベンジドリル−アミノ)−1−(2,2,4,7−テトラメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−エタノン
HPLC:t=6.02分(勾配A)、ESI+MS:m/z=413.1(MH)。
【0171】
実施例82:トリフルオロ酢酸(R)−1−(3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−イル)−2−(1−フェニル−プロピルアミノ)−エタノン
HPLC:t=4.51分(勾配A)、ESI+MS:m/z=309.0(MH)。
【0172】
実施例83:塩酸2−(ベンジドリル−アミノ)−N−(3,3−ジフェニル−プロピル)−アセトアミド
a)クロロホルム(20ml)中のα−アミノジフェニルメタン(3.40ml、20mmol)の溶液にトリエチルアミン(1.4ml、10mmol)、ブロモ酢酸エチル(1.1ml、10mmol)およびモレキュラー・シーブ4Åを加える。反応混合物を室温でアルゴン下で20時間振動させる(Buchi Syncore apparatus)。次に、モレキュラー・シーブを濾取し、濾液を水で1回抽出する。水性層をクロロホルムで1回洗浄する。合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、蒸発させ、黄色シロップを得る。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル(ベンジドリル−アミノ)を無色油状物として得る。
【0173】
b)メタノール(5ml、10mmol)中の2MのKOH中の酢酸エチル(ベンジドリル−アミノ)(781mg、2.9mmol)の溶液を2時間還流する。次に、溶媒を蒸発させ、残渣を水に再溶解させる。溶液のpHを2MのHClの添加により7.3に調節する。沈殿した結晶を回収し、水で洗浄し、高真空乾燥させ、酢酸(ベンジドリル−アミノ)を無色結晶として得る。
【0174】
c)DMF(5ml)中の(ベンジドリル−アミノ)−酢酸(139mg、0.5mmol)の溶液にトリエチルアミン(209μl、1.5mmol)、HOBt(122mg、0.9mmol)、DIC(116μl、0.75mmol)および3,3−ジフェニルプロピルアミン(106mg、0.5mmol)を加える。反応混合物をBuchi Syncore reactorで72時間室温で振動させる。混合物を水で希釈し、トルエンで2回抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、減圧下蒸発する。残渣をエーテルに溶解させ、ハイフロで濾過する。透明な濾液にジオキサン中の4MのHCl(125μl、0.5mmol)を加え、得られた懸濁液を15分撹拌する。白色沈殿を濾取し、エーテルで洗浄し、高真空乾燥させ、表題化合物を無色結晶として得る:M.p.=177.5−178.1℃;HPLC:t=11.52分(勾配C)、ESI+MS:m/z=435.2(MH)。
【0175】
実施例84:塩酸2−(ベンジドリル−アミノ)−N−ベンジル−アセトアミド
表題化合物は実施例44、工程c)の製造法にしたがって、酢酸(ベンジドリル−アミノ)(実施例44、工程b)とベンジルアミンをカップリングすることにより製造され、無色結晶として得る:M.p.=161.9−162.9℃;HPLC:t=12.08分(勾配C)、ESI+MS:m/z=330.9(MH)。
【0176】
実施例85:塩酸2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ベンジルアミノ]−N,N−ジフェニル−アセトアミド
a)2−アミノ−N,N−ジフェニル−アセトアミド:アンモニアで飽和したメタノール(800ml、2.8M)中の2−クロロ−N,N−ジフェニル−アセトアミド(8.5g、34.6mmol、実施例1、工程a)の溶液を60℃で19時間撹拌する。次にさらに80mlのメタノール中のアンモニアを加え、撹拌を24時間60℃で続ける。溶媒の蒸発およびシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/メタノール勾配)に付し、黄色油状物の純粋な画分を得、これは凝固する。M.p.=108−110℃。
【0177】
b)塩酸2−[2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ベンジルアミノ]−N,N−ジフェニル−アセトアミド:メタノール(1ml)中の2−アミノ−N,N−ジフェニル−アセトアミド(102mg、0.451mmol)の溶液に2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−ベンズアルデヒド(50mg、0.301mmol)、酢酸(26μl、0.451mmol)およびトリアセトキシホウ化水素ナトリウム(191mg、0.903mmol)を加える。混合物を1.5時間室温で撹拌後、溶媒を真空除去し、残渣をDCMに溶解させ、連続して2回水酸化ナトリウム水溶液(1M)および塩水で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させる。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/メタノール勾配)により精製し、得られた表題化合物をジオキサン中の塩酸でジオキサン溶液の処理によりその塩酸塩に変換する。M.p.=90−160℃;HPLC:t=2.34分(勾配B)、ESI+MS:m/z=377.2(MH)。
【0178】
実施例86:塩酸N,N−ジフェニル−2−(1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イルアミノ)−アセトアミド
表題化合物を実施例85で記載の方法に従って得る;m.p.=274−295℃;HPLC:t=2.60分(勾配B)、ESI+MS:m/z=357.2(MH)。
【0179】
実施例87:塩酸2−アミノ−N−[(ジフェニルカルバモイル)−メチル]−2−フェニル−アセトアミド
a)(R)−({[(ジフェニルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−フェニル−メチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル:DCM/THF(1.5ml、2:1)中の(R)−tert−ブトキシカルボニルアミノ−フェニル−酢酸(100mg、0.398mmol)および2−アミノ−N,N−ジフェニル−アセトアミド(90mg、0.398mmol、実施例85、工程a)の懸濁液にピリジン(6μl、0.08mmol)、DCC(90mg、0.438mmol)およびHOBT(54mg、0.398mmol)を加え、混合物を室温で16時間撹拌する。反応懸濁液を濾過し、濾液を酢酸エチルで希釈し、連続して3回炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で洗浄する。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させ、所望の生成物を黄色油状物として得、これをさらなる精製なしに次の工程で使用する。HPLC:t=3.14分(勾配B)、ESI+MS:m/z=482.2(MNa)。
【0180】
b)(R)−2−アミノ−N−[(ジフェニルカルバモイル)−メチル]−2−フェニル−アセトアミド:({[(ジフェニルカルバモイル)−メチル]−カルバモイル}−フェニル−メチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(95mg、0.207mol)を1mlのジオキサン中の塩酸溶液(4M)で10分間処理する。溶媒の蒸発後に得られる明るい褐色油状物をDCMおよびジエチルエーテルから結晶化し、表題化合物を白色粉末として得る。M.p.=177−185℃(dec.);1H-NMR (400MHz; CDCl3): δ 3.94 (d, J=7 Hz, 2H), 4.53 (s, 1H), 7.10 - 7.45 (m, 15H), 7.82 (b,1H); ESI+ MS: m/z = 360.2 (MH+)。
【0181】
実施例88:塩酸(R)−2−アミノ−N−(2−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−2−オキソ−エチル)−2−フェニル−アセトアミド
a)2−アミノ−1−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−エタノン:この化合物は実施例85、工程a)と同様の方法で製造される。HPLC:t=2.07(勾配B)、ESI+m/z=251.2(MH)。
【0182】
b)(R)−[(2−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−2−オキソ−エチルカルバモイル)−フェニル−メチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル:この化合物は実施例87、工程a)と同様の方法で製造される。HPLC:t=3.14(勾配c)、ESI+m/z=506.2(M・Na)。
【0183】
c)塩酸(R)−2−アミノ−N−(2−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−2−オキソ−エチル)−2−フェニル−アセトアミド:この化合物は実施例87、工程b)と同様の方法で製造される。M.p.179−185℃;HPLC:t=2.43(勾配B)、ESI+m/z=384.0(MH)。
【0184】
実施例89:塩酸(S)−2−アミノ−N−(2−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル−2−オキソ−エチル)−2−フェニル−アセトアミド
この化合物は実施例88に記載の方法で製造される。M.p.192−233℃;HPLC:t=2.43(勾配B)、ESI+m/z=384.2(MH)。
【0185】
実施例90−91
下記実施例は実施例2に概説される方法で製造される。
【0186】
実施例90:塩酸rac−2−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−N,N−ジフェニル−プロピオンアミド
M.p.=122−125℃;HPLC:t=8.79分(勾配A)、ESI+MS:m/z=421.6(MH)。
【0187】
実施例91:塩酸rac−2−(インダン−2−イルアミノ)−N,N−ジフェニル−プロピオンアミド
M.p.=208−210℃;HPLC:t=7.61分(勾配A)、ESI+MS:m/z=357.6(MH)。
【0188】
実施例92−94
下記実施例は実施例44に概説される方法で製造される。
【0189】
実施例92:トリフルオロ酢酸rac−2−(2−メチル−ベンジルアミノ)−N,N−ジフェニル−プロピオンアミド
HPLC:t=7.47分(勾配A)、ESI+MS:m/z=345.5(MH)。
【0190】
実施例93:トリフルオロ酢酸rac−N,N−ジフェニル−2−(2−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−プロピオンアミド
HPLC:t=8.08分(勾配A)、ESI+MS:m/z=399.4(MH)。
【0191】
実施例94:トリフルオロ酢酸rac−2−[(ビフェニル−2−イルメチル)−アミノ]−N,N−ジフェニル−プロピオンアミド
HPLC:t=8.40分(勾配A)、ESI+MS:m/z=407.6(MH)。
【0192】
実施例95:塩酸rac−2−(ベンジドリル−アミノ)−N−(3,3−ジフェニル−プロピル)−プロピオンアミド
表題化合物は実施例83に概説される方法で製造される。無色結晶:m.p.=210.3−212.0℃;HPLC:t=15.92分(勾配C)、ESI+MS:m/z=448.9(MH)。
【0193】
実施例96−98
下記実施例は実施例44に概説される方法で製造される。
【0194】
実施例96:塩酸rac−3−[(ナフタレン−1−イルメチル)−アミノ]−N,N−ジフェニル−プロピオンアミド
M.p.=192−198℃;HPLC:t=7.91分(勾配A)、ESI+MS:m/z=382.1(MH)。
【0195】
実施例97:塩酸rac−3−(インダン−2−イルアミノ)−N,N−ジフェニル−プロピオンアミド
M.p.=239−241℃;HPLC:t=7.50分(勾配A)、ESI+MS:m/z=358.2(MH)。
【0196】
実施例98:塩酸rac−3−(2,2−ジフェニル−エチルアミノ)−N,N−ジフェニル−プロピオンアミド
M.p.=198−200℃;HPLC:t=8.57分(勾配A)、ESI+MS:m/z=422.5(MH)。
【0197】
実施例99:フマル酸rac−N−ベンジル−2−ベンジルアミノ−2−フェニル−アセトアミド
a)tert.−ブチルベンジルカルバモイル−フェニル−メチル)−カルバメート:THF(150ml)中のtert−ブトキシ−カルボニル−アミノ−フェニル−酢酸(7.54g、30mmol)、4−N,N−ジメチルアミノ−ピリジン(1.83g、15mmol)の溶液を5分間室温で撹拌する。炭酸ジ−(N−スクシニミジル)(7.69g、30mmol)を加え、得られる混合物を18時間撹拌する。ベンジルアミン(3.2g、30mmol)を加え、溶液をさらに18時間室温で撹拌する。得られる懸濁液を濾過し、濾液を蒸発させる。残渣をジクロロメタンに溶解させ、連続してNaHSO溶液(2N)、飽和KCO溶液および塩水で洗浄する。有機層をMgSOで乾燥させ、蒸発させる。粗生成物をエーテルから結晶化し、所望の化合物を得る。
【0198】
b)2−アミノ−N−ベンジル−2−フェニル−アセトアミド:(ベンジルカルバモイル−フェニル−メチル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(8.7g、25.4mmol)をHCl飽和酢酸エチル(100ml)に溶解する。溶液を室温で一晩撹拌する。溶液を濃縮し、得られる結晶をCHClに溶解し、KCOの飽和溶液で洗浄する。有機層を乾燥させ、蒸発させ、所望の化合物を得る。
【0199】
c)フマル酸N−ベンジル−2−ベンジルアミノ−2−フェニル−アセトアミド:2−アミノ−N−ベンジル−2−フェニル−アセトアミド(529mg、2.2mmol)、ベンズアルデヒド(202μl、2mmol)を1,2−ジクロロエタン、メタノールおよび酢酸(6:3:1、20ml)の溶液中で2時間室温で撹拌する。ポリマー担持水素化ホウ素シアノ(1g、4.3mmol)を加え、混合物を18時間撹拌する。懸濁液を濾過し、濾液を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、99:1)により精製し、所望の化合物を得る。化合物をエタノールに溶解させ、フマル酸(1モル当量)を加える。溶液を沸点にし、冷却させ、フマル酸塩を得る。ESI+MS:m/z=331.2(MH)。
【0200】
実施例100−113
下記化合物は適当なアミンおよびアルデヒドで出発して実施例99に記載の方法で製造される:
【0201】
実施例100:rac−N−(4−クロロ−ベンジル)−2−(4−ジメチルアミノ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセト−アミド
ESI+MS:m/z=408.2(MH)。
【0202】
実施例101:rac−N−(4−クロロ−ベンジル)−2−(4−ニトロ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
ESI+MS:m/z=410.1(MH)。
【0203】
実施例102:rac−N−(2,2−ジフェニル−エチル)−2−フェニル−2−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−アセトアミド
無色結晶、ESI+MS:m/z=422.2(MH)。
【0204】
実施例103:フマル酸rac−N−ベンジル−2−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
無色結晶、mp.153−155℃、ESI+MS:m/z=361.3(MH)。
【0205】
実施例104:フマル酸rac−N−(4−クロロ−ベンジル)−2−フェニル−2−(4−トリフルオロメチル−ベンジルアミノ)−アセトアミド
無色結晶、ESI+MS:m/z=433.2(MH)。
【0206】
実施例105:フマル酸rac−N−(4−クロロ−ベンジル)−2−(4−メトキシ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
無色結晶、ESI+MS:m/z=395.2(MH)。
【0207】
実施例106:rac−N−ベンジル−2−ジベンジルアミノ−2−フェニル−アセトアミド
無色結晶、mp.109−119.5℃、ESI+MS:m/z=421.2(MH)。
【0208】
実施例107:フマル酸rac−N−ベンジル−2−(4−ジメチルアミノ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
黄色結晶、mp.159−161℃、ESI+MS:m/z=374.3(MH)。
【0209】
実施例108:フマル酸rac−N−ベンジル−2−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
無色結晶、mp.142−205℃(dec.)、ESI+MS:m/z=365.2(MH)。
【0210】
実施例109:フマル酸rac−N−(4−クロロ−ベンジル)−2−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
無色結晶、ESI+MS:m/z=433.1(MH)。
【0211】
実施例110:rac−2−アミノ−N−(2,2−ジフェニル−エチル)−2−フェニル−アセトアミド
無色結晶、ESI+MS:m/z=331.2(MH)。
【0212】
実施例111:フマル酸rac−N−(4−クロロ−ベンジル)−2−[4−(3−ジメチルアミノ−プロポキシ)−ベンジルアミノ]−2−フェニル−アセトアミド
無色結晶、ESI+MS:m/z=466.2(MH)。
【0213】
実施例112:rac−N−ベンジル−2−(3,5−ジメトキシ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド
無色結晶、mp.107−108℃、ESI+MS:m/z=391.3(MH)。
【0214】
実施例113:rac−N−ベンジル−2−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−N−メチル−2−フェニル−アセトアミド
表題化合物は2−アミノ−N−ベンジル−N−メチル−2−フェニル−アセトアミドから出発して同じ方法で製造される:無色結晶、ESI+MS:m/z=379.2(MH)。
【0215】
実施例114:フマル酸rac−N−ベンジル−2−[(4−クロロ−ベンジル)−メチル−アミノ]−2−フェニル−アセトアミド
N−ベンジル−2−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド(730mg、2mmol、実施例8u)、ホルムアルデヒド(1ml、37%水溶液)をジクロロエチレン、メタノールおよび酢酸(6:3:1、20ml)の溶液中で2時間室温で撹拌する。ポリマー担持水素化ホウ素シアノ(1g、4.3mmol)を加え、混合物を18時間撹拌する。懸濁液を濾過し、濾液を蒸発させ、残渣をクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、99:1)により精製し、所望の化合物を無色結晶として得る;1H-NMR (400MHz; DMSO-d6): 2.05 (s, 3H); 3.4 (dd, 2H); 4.08 (s , 1H); 4.3 (dd, 2H); 7.1-7.4 (m, 12H); 7.48 (s, 1H); 7.51 (s, 1H);ESI+MS:m/z=379.2(MH)。
【0216】
実施例115:rac−2−[アセチル−(4−クロロ−ベンジル)−アミノ]−N−ベンジル−2−フェニル−アセトアミド
N−ベンジル−2−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−2−フェニル−アセトアミド(730mg、2mmol、実施例108)およびトリエチルアミン(348μl、2.5mmol)を塩化メチレン(20ml)に溶解させ、−20℃に冷却する。塩化メチレン(1ml)中の臭化アセチル(163μl、2.2mmol)をゆっくり加え、得られる溶液を30分撹拌し、次に0℃に温め、さらに90分撹拌する。溶液を室温に温め、一晩撹拌する。混合物を希釈HCl溶液(2N)で洗浄し、乾燥させ、蒸発させる。残渣をクロマトグラフィー(CHCl/MeOH、99:1)により精製し、濃縮した画分をエーテルから結晶化し、所望の化合物を得る。ESI+MS:m/z=407.2(MH+)。
【0217】
実施例116−118
下記化合物は適当な物質で出発して実施例115に記載の方法で製造される:
【0218】
実施例116:rac−N−(ベンジルカルバモイル−フェニル−メチル)−4−シアノ−ベンズアミド
無色結晶、mp.176−178℃、ESI+MS:m/z=368.2(MH)。
【0219】
実施例117:6−[(ベンジルカルバモイル−フェニル−メチル)−カルバモイル]−1H−インドール−2−カルボン酸;mp.258−260℃。
【0220】
実施例118:{6−[(ベンジルカルバモイル−フェニル−メチル)−カルバモイル]−ベンゾフラン−3−イル}−酢酸メチルエステル
2−アミノ−N−ベンジル−2−フェニル−アセトアミド(実施例8a)および3−メトキシ−カルボニルメチル−ベンゾフラン−6−カルボン酸から製造される;mp.129−131℃。
【0221】
実施例119−120
下記実施例は実施例44に概説される方法で製造される:
【0222】
実施例119:塩酸rac−2−(ベンジドリル−アミノ)−N−ベンジル−2−フェニル−アセトアミド
無色固体:m.p.=218.4−219.2℃(dec.);HPLC:t=6.13分(勾配C)、ESI+MS:m/z=407.1(MH)。
【0223】
実施例120:塩酸rac−2−(ベンジドリル−アミノ)−N−(3−クロロ−ベンジル)−2−フェニル−アセトアミド
無色固体:m.p.=215−216℃、HPLC:t=6.54分(勾配C)、ESI+MS:m/z=441.2(MH).
【0224】
実施例121:トリフルオロ塩酸rac−2−(ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−N−ベンジル−2−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド
a)(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−(4−フルオロ−フェニル)−酢酸(55mg、0.14mmol、2当量)、HATU(53mg、0.14mmol、2当量)およびDIPEA(48μl、0.28mmol、4当量)を含むDMA溶液(1ml)を製造し、ベンジルアミン−BAL樹脂(85mg、70μmol、ローディング=0.8mmol/g、LCC Reactospheres、LCC Engineering&Trading GmbH, CH-4622 Egerkingen, Switzerland)に活性化5分後に加える。懸濁液を一晩室温で振動させる。溶液を排出し、新鮮なカップリング溶液(1ml)を加え、混合物をさらに3時間振動させる。樹脂を排出しDMA(3×)で洗浄する。
【0225】
b)工程a)で得られた樹脂をDMA中の20%のピペリジン(1ml)に懸濁し、30分間室温で振動させる。この方法を2回新鮮DMA中の(2×1ml)で繰り返す。次に、樹脂を排出し、DMA(3×)、イソプロパノール(2×)、DCE(2×)、NMP(2×)で洗浄する。
【0226】
c)2−クロロベンゾオキサゾール(107mg、0.7mmol、5当量)およびトリエチルアミン(97μl、0.7mmol、5当量)を含むNMP溶液(0.5ml)を製造し、工程b)で得られた残渣を加える。懸濁液を一晩95℃で振動させ、樹脂をDMA(2×)、DMA/HO 7:3(1×)、イソプロパノール(2×)、DCE(2×)で洗浄する。DCM中の20%のTFAで3.5時間室温で開裂後、粗生成物を得、分取HPLC(勾配G)により精製する。tert−ブタノールで凍結乾燥し、表題化合物を無色粉末として得る。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 4.25 (dd, J=15.3, 5.5 Hz, 1H), 4.35 (dd, 1H), 5.53 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.02 (t, J=7.3 Hz, 1H), 7.14 (t, 1H), 7.24 (m, 8H), 7.38 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.59 (dd, J=9.2, 5.5 Hz, 2H), 8.79 (d, J=8.6 Hz, 1H), 8.94 (t, J=6.1 Hz, 1H);HPLC:t=5.5分(勾配D)、ESI+MS:m/z=376.4(MH)。
【0227】
実施例122−131
下記実施例は実施例121に記載の方法で製造される。
【0228】
実施例122:トリフルオロ酢酸rac−2−(ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−2−(4−フルオロ−フェニル)−N−メチル−アセトアミド
HPLC:t=4.0分(勾配D)、ESI+MS:m/z=300.3(MH)。
【0229】
実施例123:トリフルオロ酢酸rac−N−アリル−2−(ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−2−(4−フルオロ−フェニル)−アセトアミド
HPLC:t=4.7分(勾配D)、ESI+MS:m/z=326.3(MH)。
【0230】
実施例124:トリフルオロ酢酸rac−2−(ベンゾオキサゾール−2−イルアミノ)−2−(4−フルオロ−フェニル)−N−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アセトアミド
HPLC:t=6.3分(勾配D)、ESI+MS:m/z=460.4(MH)。
【0231】
実施例125:トリフルオロ酢酸rac−2−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−N−シクロヘキシルメチル−2−フェニル−アセトアミド
HPLC:t=6.1分(勾配D)、ESI+MS:m/z=349.4(MH)。
【0232】
実施例126:トリフルオロ酢酸rac−2−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−2−フェニル−N−(1−ピリミジン−2−イル−ピペリジン−4−イル)−アセトアミド
HPLC:t=3.9分(勾配D)、ESI+MS:m/z=414.4(MH)。
【0233】
実施例127:トリフルオロ酢酸rac−2−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−N−(3−メチル−ブチル)−2−フェニル−アセトアミド
HPLC:t=5.6分(勾配D)、ESI+MS:m/z=323.4(MH)。
【0234】
実施例128:トリフルオロ酢酸rac−2−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−N−フェネチル−2−フェニル−アセトアミド
HPLC:t=5.6分(勾配D)、ESI+MS:m/z=357.4(MH)。
【0235】
実施例129:トリフルオロ酢酸rac−2−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−N−(3,4−ジメトキシ−ベンジル)−2−フェニル−アセト−アミド
HPLC:t=5.9分(勾配D)、ESI+MS:m/z=403.5(MH)。
【0236】
実施例130:トリフルオロ酢酸rac−2−(5−シアノ−ピリジン−2−イルアミノ)−N−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イルメチル)−2−フェニル−アセトアミド
HPLC:t=5.7分(勾配D)、ESI+MS:m/z=401.4(MH)。
【0237】
実施例131:塩酸rac−N−(2,2−ジフェニル−エチル)−2−(4−フルオロ−フェニル)−2−(5−メチル−チエノ[2,3−d]−ピリミジン−4−イルアミノ)−アセトアミド
HPLC:t=4.63分(勾配E)、ESI+MS:m/z=497.7(MH)。
【0238】
実施例132:トリフルオロ酢酸rac−2−アセチルアミノ−N−ベンジル−2−フェニル−アセトアミド
2−アミノ−N−ベンジル−N−BAL−2−フェニル−アセトアミド樹脂(160mg、0.128mmol、ローディング0.8mmolg−1、実施例4a、工程a)&b)で製造される)に酢酸無水物、ピリジンおよびDMA 1:1:8(1.2ml)の混合物を加える。懸濁液を10分室温で振動させる。溶液を排出し、新鮮アシル化溶液(1.2ml)を加え、懸濁液をさらに10分振動させる。樹脂を次に排出し、DMA、メタノール、水、DCM、メタノール、およびDCM(2×)で洗浄する。DCM中の20%のTFA中で開裂後(2×1.5時間)、粗生成物を得、分取HPLC(勾配G)により精製する。tert−ブタノールで凍結乾燥し、表題化合物を無色粉末として得る。HPLC:t=4.0分(勾配D)、ESI+MS:m/z=283.1(MH)。
【0239】
実施例133−134
下記実施例は実施例132に記載の方法で製造される。
【0240】
実施例133:トリフルオロ酢酸rac−2−アセチルアミノ−N−(2−フェノキシ−エチル)−2−フェニル−アセトアミド
HPLC:t=4.3分(勾配D)、ESI+MS:m/z=313.5(MH)。
【0241】
実施例134:トリフルオロ酢酸rac−2−アセチルアミノ−2−フェニル−N−(2−トリフルオロメトキシ−ベンジル)−アセトアミド
HPLC:t=5.1分(勾配D)、ESI+MS:m/z=367.5(MH)。
【0242】
実施例135:フマル酸rac−N−ベンジル−3−(4−クロロ−ベンジルアミノ)−3−フェニル−プロピオンアミド
表題化合物を3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸から出発して実施例99に記載の方法により製造される:無色結晶、1H-NMR (400MHz; DMSO-d6): δ 2.5 (ddd, 2H); 3.45 (ddd, 2H); 3.95 (t, 1H); 4.28 (ddd , 2H); 7.0-7.4 (m, 14H); 8.35 (t, 1H)、ESI+MS:m/z=379.2(MH)。
【0243】
実施例136:rac−N−(2,2−ジフェニル−エチル)−3−フェニル−2−[(ピリジン−2−イルメチル)−アミノ]−プロピオン−アミド
表題化合物は2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−フェニル−プロピオン酸、2,2−ジフェニル−エチルアミンおよびピリジン−2−カルバルデヒドから出発して実施例99に記載の同じ方法により製造される:無色結晶、mp.68−70℃、1H-NMR (400MHz; CDCl3): δ 2.65 (dd, 1H); 3.1 (dd, 1H) ;3.2 (dd, 1H); 3.75 (m, 2H); 3.8-4.1 (abx, 2H); 4.2 (t , 1H); 6.85 (t, NH); 7.0-7.4 (m, 15H); 7.8 (t, 1H); 8.6 (d, 1H)ESI+MS:m/z=436.2(MH)。
【0244】
実施例137:10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボン酸ベンジルアミド
DCM(2ml)中の塩化10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−カルボニル(194mg、0.602mmol、CAS33948−19−5)の溶液にベンジルアミン(145μl、1.32mmol)を加え、混合物を室温で27時間撹拌する。混合物を真空濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル勾配 85:15−0:100)により精製する。表題化合物を白色固体として得る。HPLC:t=3.16(勾配c)、1H-NMR (400MHz; CDCl3): δ 2.70-2.90 (b, 2H), 3.30-3.50 (b, 2H), 4.44 (d, J=7 Hz, 2H), 4.89 (t, J=7 Hz,1H);ESI+m/z=329.2(MH)。
【0245】
実施例138:N,N’−ジベンジドリル−エタン−1,2−ジアミン二塩酸塩
表題化合物の合成はEP058373A1(Ciba−Geigy AG)に記載されている。
無色結晶:mp282−283℃。
【0246】
実施例139:N,N’−ビス−[ビス−(4−フルオロ−フェニル)−メチル]−エタン−1,2−ジアミン二塩酸塩
表題化合物の合成はEP058373A1(Ciba−Geigy AG)に記載されている。
無色結晶:mp297−298℃。
【0247】
実施例140:N,N’−ビス−[(4−メトキシ−フェニル)−フェニル−メチル]−エタン−1,2−ジアミン
表題化合物の合成はEP058373A1(Ciba−Geigy AG)に記載されている。
無色結晶:mp97−98℃。
【0248】
実施例141:N,N’−ビス−[(4−クロロ−フェニル)−フェニル−メチル]−エタン−1,2−ジアミンジメシレート
(4−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノン(21.5g、99mmol)、エタン−1,2−ジアミン(25ml)を20時間180℃で撹拌する。水(30ml)中の水素化ホウ素ナトリウム(13g)の懸濁液をメタノール(300ml)に溶解させた粗化合物の溶液に加える。混合物を1時間還流する。水を加え、混合物を塩化メチレンで抽出し、乾燥させ、蒸発させ、23gの粗化合物を得る。メタンスルホン酸をアセトン中の粗化合物の溶液に加える。得られる結晶はジメタンスルホン酸塩である、mp233−235℃、ESI+MS:m/z=463(MH)。
【0249】
実施例142:ジ−(トリフルオロ酢酸)(S,S)−N,N’−ジ−クロマン−4−イル−エタン−1,2−ジアミン
乾燥ジクロロメタン(5ml)中の(S)−4−アミノクロマン(200mg、1.34mmol)およびトリエチル−アミン(207μl、1.47mmol)の氷冷溶液に塩化オキサリル(57μl、0.67mmol)を皮下注射器を介してゆっくり加える。次に、明褐色の懸濁液を3時間室温でアルゴン下で撹拌する。この後、反応混合物を氷水に注ぐ。沈殿を濾取し、冷水、次いでジエチルエーテルで洗浄する。残渣を50℃で一晩真空乾燥させ、(S,S)−N,N’−ジ−クロマン−4−イル−オキサルアミドを黄褐色の粉末として得る。
【0250】
乾燥THF(5ml)中の(S,S)−N,N’−ジ−クロマン−4−イル−オキサルアミド(102mg、0.29mmol)の懸濁液にTHF(4.92ml、4.63mmol)中の1Mのボラン−THF錯体を皮下注射器を介してアルゴン下でゆっくり加える。発泡が止んだ後、現在無色で濃い懸濁液を還流に付し、この温度で一晩維持する。室温で反応後、無色透明な反応混合物を酢酸エチル(25ml)および水(25ml)の混合物に注ぐ。有機層を分離し、水相を酢酸エチル(10ml)で2回抽出する。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、蒸発させ、乾燥させる。残渣を分取HPLC(勾配F)により精製し、表題化合物を無色粉末として得る、HPLC:t=3.35分(勾配A);ESI+MS:m/z=295(MH)。
【0251】
実施例143:N−ベンジドリル−N’−(9H−フルオレン−9−イル)−エタン−1,2−ジアミンジヒドロクロライド
N’1’−ベンジドリル−エタン−1,2−ジアミン(600mg、2mmol)[EP58373A1、Ciba−Geigy AGにしたがって製造される]を10mLのDCM中に懸濁させる。1.4mLのトリエチルアミンおよび9−ブロモフルオレン(540mg、2.2mmol)の混合物に加え、反応物を22時間室温で撹拌する。次にDCMを加え、有機相を濃NaHCO溶液で洗浄する。水相をDCMで再抽出する。合わせた有機相をNaSOで乾燥させ、濾過し、蒸発させ、乾燥させる。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル、1:1)により精製し、表題化合物を得る。無色結晶:mp.89.0−91.1℃、ESI+MS:m/z=391(MH)。
【0252】
実施例144:N−ベンジドリル−N’−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]クロロヘプテン−5−イル)−エタン−1,2−ジアミン
実施例143に記載の方法にしたがって製造される。無色樹脂、HPLC:t=6.55分(勾配 アセトニトリル+0.1%のAcOH/水+0.1%のAcOH、0から100%のアセトニトリル 8分、100%のアセトニトリル 2分;カラム:Waters XTerra(登録商標)MS C18、4.6×100mm)、ESI+MS:m/z=419(MH)。
【0253】
実施例145:ベンジル−[2−(10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)−エチル]−アミン
CH368493、Geigy AG、24.06.1958にしたがって合成される。ESI+MS:m/z=329(MH)。
【0254】
実施例146:塩酸rac−[2−(10,11−ジヒドロ−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)−プロピル]−ジメチル−アミン
CH368493、Geigy AG、24.06.1958にしたがって合成される。mp.172−173℃。
【0255】
実施例147:塩酸5−(2−ピペリジン−1−イル−エチル)−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン
W. Schindler、Helv.Chim.Acta;37,472、481,(1954)にしたがって合成される;mp.278−280℃。
【0256】
実施例148:軟カプセル
活性成分として前記実施例に記載の0.05gの式Iの化合物のいずれかを含む、5000個の軟ゼラチンカプセルそれぞれは下記のとおりに製造される:
組成物
活性成分 250g
ラウログリコール 2リットル
製造工程:微粉活性成分をLauroglykol(登録商標)(ラウリン酸プロピレングリコール、Gattefosse S.A., Saint Priest, France)中で懸濁し、湿性粉砕器で粉末にし、約1から3μmの粒子サイズで製造する。混合物の0.419g部分を次にカプセル充填機を使用して軟ゼラチンカプセルに導入する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
mGluR7受容体が役割を果たすか、または関連している疾患または状態を処置または予防するための薬剤の製造のための、式I
【化1】

〔式中、
Zは−C(O)−、−C(S)−または結合であり;
nは0、1、2または3であり;
pは0または1であり(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C14)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキル;
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルケニル;
非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、
酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、
非置換もしくは置換(C−C12)アリールまたは
非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールを示し;そして
’は水素、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノまたはジ−アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキルを示すか;または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換または置換モノ−、ジ、トリもしくはテトラ環状(C−C16)ヘテロシクリル基を形成し、
は水素またはアルキル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールを示し、
は水素、非置換もしくは置換(C−C16)アリール、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル;非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリール;非置換またはヒドロキシ、アミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールまたは非置換もしくは置換アリールを示すかにより置換されているアルキルを示し;またはR17−C(O)−(ここで、R17は非置換もしくは置換アルキル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールまたは非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールを示す)を示し;そして
’は水素、アルキル、アルキルカルボニルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルを示すか、または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換もしくは置換環状(C−C12)ヘテロシクリル基を形成する〕
で示されるジアミンの使用。
【請求項2】
mGluR7受容体が役割を果たすか、または関連している疾患または状態が癲癇、脳虚血、眼疾患、とりわけ緑内障および眼の虚血性疾患、掻痒、筋痙攣、痙攣または疼痛から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
mGluR7受容体が役割を果たすか、または関連している疾患または状態が神経系および精神疾患の急性、外傷および慢性退行変性過程から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
該疾患または状態がパーキンソン病、老人性認知症、アルツハイマー病、ハンチントン舞踏病、筋萎縮性側索硬化症および多発性硬化症、統合失調症、不安症および鬱病から選択される、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
mGluR7受容体が役割を果たすか、または関連している疾患または状態を処置する方法であって、このような処置を必要とする対象に治療有効量の遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項1で定義の式Iのジアミンを投与することを含む方法。
【請求項6】
遊離塩基または酸付加塩形の式I
【化2】

〔式中、
Zは−C(O)−、−C(S)−または結合であり;
nは0、1、2または3であり;
pは0または1であり(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C14)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキル;
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルケニル;
非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールまたは非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールを示し;そして
’は水素、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノまたはジ−アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキルを示すか;または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換または置換モノ−、ジ、トリもしくはテトラ環状(C−C16)ヘテロシクリル基を形成し、
は水素またはアルキル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールを示し、
は水素、非置換もしくは置換(C−C16)アリール、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、酸素、硫黄もしくは窒素を含む(C−C12)ヘテロシクリル;非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリール;非置換またはヒドロキシ、アミノ、(C−C12)ヘタリールまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールにより置換されているアルキル;またはR17−C(O)−(ここで、R17はアルキル、(C−C12)アリールまたは(C−C12)ヘタリールを示す)を示し;そして
’は水素、アルキル、アルキルカルボニルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルを示すか、または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換もしくは置換環状(C−C12)ヘテロシクリル基を形成する
(ただし、nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがベンジルであり、Rがフェニルであり、そしてR’およびR’が水素であるとき、Rはベンジルまたはアセチルを示さない;nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがフェネチルであり、R’が水素であり、Rがフェニルであり、そしてR’が水素であるとき、Rは水素を示さない;nが1であり、Zが結合であり、pが1であり、Rがジフェニルメチルであり、そしてR’、RおよびR’がすべて水素であるとき、Rはジフェニルメチルまたはベンジルを示さない;そして、Zが結合であり、pが1であり、RおよびR’が一緒に部分式Icの構造を示し、Xが−CH−CH−を示し、Rが水素であり、そしてnが1または2であるとき、RおよびR’は結合している窒素原子と一緒にピペリジニルを示さず、そしてRおよびR’は同時にメチルを示さない)〕
で示されるジアミン。
【請求項7】
Zが−C(O)−または結合であり;
nが0、1または2であり;
pが0または1であり(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、アリールオキシ、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサニル、(C−C)シクロアルキルまたはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシまたはトリフルオロメトキシにより置換されている}によりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている(C1−6)アルキル;
非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、アリールオキシ、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサニル、(C−C)シクロアルキルまたはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシまたはトリフルオロメトキシにより置換されている}によりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている(C1−6)アルケニル;
(C−C)シクロアルキル、1,4−ジオキサン、ナフチル、9H−フルオレニル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フリル、2,3−ジヒドロクロメニル;
非置換またはフェニルまたは(C1−6)アルコキシにより置換されているフェニル;または
非置換またはフェニルまたはピリミジルにより置換されているピペリジニルを示し;そして
’が水素、フェニル、ベンジルまたは
非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている(C1−6)アルキルを示すか;または
およびR’が結合している窒素原子と一緒に式Ia、Ib、IcまたはId
【化3】

〔式中、
AはNを示し、そしてEはCR’を示すか、またはAはCR’を示し、そしてEはNを示し、
Gは単結合、CHR19、−CHCH−、−CH=CH−、S(O)またはNR20(ここで、tは0、1または2であり、そしてR19およびR20は、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
Xは酸素、単結合、CHR21、−CH=CH−または−CH−CH−、S(O)またはNR22{ここで、rは0、1または2であり、そしてR21およびR22は、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキル(これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている)を示す}を示し、
mは0または1であり、
およびR’は、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
は水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
は水素、ハロゲン、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
およびRは、互いに独立して、水素、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
およびR10は、互いに独立して、水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
11は水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}であり、
12は水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}であり、そして
13は水素または(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示す〕
で示される環状構造を形成し、
が水素もしくは(C1−6)アルキル、または
ベンジル、ナフチルもしくはフェニル{それぞれの場合において、非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキル、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノにより置換されている}を示し、
が水素、フルオレニル、2,3−ジヒドロクロメニル、1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ−アセナフチル、1,2−ジヒドロ−アセナフチル、非置換または(C1−6)アルコキシにより置換されているテトラヒドロナフチル;ベンゾオキサゾリル;シアノ−ピリジル;(C1−6)アルキルチエノ[2,3−d]−ピリミジル;フェニルにより置換されているN−(C1−6)アルキルピペリジニル;フェニルにより置換されている(C−C)シクロアルキル;2,3−ジヒドロ−インデニル;非置換またはヒドロキシ、アミノ、ナフチル、インドリル、チアゾリル、ピリジルまたはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、フェニル、ニトロ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシによりモノ−またはジ置換されている}により置換されている(C1−6)アルキル;またはR17−C(O)−{ここで、R17は(C1−6)アルキル、フェニル、インドリルまたはベンゾ[b]フリル(それぞれの場合においてシアノ、カルボキシまたは(C1−6)アルコキシカルボニルにより置換されている)}を示し;そして
’が水素、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルキルカルボニルまたはベンジルを示すか、または
およびR’が結合している窒素原子と一緒に式IeまたはIf
【化4】

〔式中、
QはNを示し、そしてTはCR1616’を示すか、またはQはCR1616’を示し、そしてTはNを示し、
14は水素、ハロゲン、(C1−6)アルコキシ、フェニルまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示し、
15、R16、R16’、R17およびR18は、互いに独立して、水素、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル{これは、非置換または(C1−6)アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、(C1−6)アルキルアミノまたはジ−(C1−6)アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されている}を示す〕
で示される環状構造形を形成する
(ただし、nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがベンジルであり、Rがフェニルであり、そしてR’およびR’が水素であるとき、Rはベンジルまたはアセチルを示さない;nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがフェネチルであり、R’が水素であり、Rがフェニルであり、そしてR’が水素であるとき、Rは水素を示さない;nが1であり、Zが結合であり、pが1であり、Rがジフェニルメチルであり、そしてR’、RおよびR’がすべて水素であるとき、Rはジフェニルメチルまたはベンジルを示さない;そして、Zが結合であり、pが1であり、RおよびR’が一緒に部分式Icの構造を示し、Xが−CH−CH−を示し、Rが水素であり、そしてnが1または2であるとき、RおよびR’は結合している窒素原子と一緒にピペリジニルを示さず、そしてRおよびR’は同時にメチルを示さない);
遊離塩基または酸付加塩形の請求項6に記載の式Iのジアミン。
【請求項8】
Zが−C(O)−または結合であり;
nが0、1または2であり;
pが0または1であり(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換またはフェニル(それ自身は非置換またはハロゲン、(C1−6)アルコキシまたはトリフルオロメトキシにより置換されている)、フェノキシ、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサニルまたは(C−C)シクロアルキルによりモノ−またはジ置換されている(C1−6)アルキル;
(C1−6)アルケニル;ナフチル、9H−フルオレニル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテニル、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フリル、2,3−ジヒドロクロメニル;
非置換またはフェニルまたは(C1−6)アルコキシにより置換されているフェニル;または
ピリミジルにより置換されているピペリジニルを示し;そして
’がフェニル、水素または(C1−6)アルキルであるか;または
およびR’が結合している窒素原子と一緒に式Ia、Ib、IcまたはId(ここで、
AがNを示し、そしてEがCR’を示すか、またはAがCR’を示し、そしてEがNを示し、
GがCHを示し、
Xが酸素、結合、−CH=CH−または−CH−CH−を示し、
mが0または1であり、
およびR’が、互いに独立して、水素または(C1−6)アルキルを示し、
が水素、(C1−6)アルキル、CFまたはハロゲンを示し、
が水素または(C1−6)アルキルを示し、
およびRが両方、水素であり、
およびR10が両方、水素であり、
11が水素または(C1−6)アルコキシであり、
12が水素を示し、そして
13が水素または(C1−6)アルキルを示す)の環状構造を形成し、
が水素、(C1−6)アルキル、ベンジル、または非置換もしくはハロゲンにより置換されているフェニルを示し、
が水素、フルオレニル、2,3−ジヒドロクロメニル、1,2,2a,3,4,5−ヘキサヒドロ−アセナフチル、1,2−ジヒドロ−アセナフチル、非置換または(C1−6)アルコキシにより置換されているテトラヒドロナフチル;ベンゾオキサゾリル;シアノ−ピリジル;(C1−6)アルキルチエノ[2,3−d]−ピリミジル;フェニルにより置換されているN−(C1−6)アルキルピペリジニル;フェニルにより置換されている(C−C)シクロアルキル;2,3−ジヒドロ−インデニル;非置換またはヒドロキシ、アミノ、ナフチル、インドリル、チアゾリル、ピリジルまたはフェニル{それ自身は非置換またはハロゲン、フェニル、ニトロ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ、ジ−(C1−6)アルキルアミノ(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、トリフルオロメチルまたはトリフルオロメトキシによりモノ−またはジ置換されている}により置換されている(C1−6)アルキル;またはR17−C(O)−{ここで、R17が(C1−6)アルキル、フェニル、インドリルまたはベンゾ[b]フリルを示す(それぞれの場合において、シアノ、カルボキシまたは(C1−6)アルコキシカルボニルにより置換されている)}を示し;そして
’が水素、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルキルカルボニルまたはベンジルを示すか、または
およびR’が結合している窒素原子と一緒に式IeまたはIf(ここで、
QがNを示し、そしてTがCR1616’を示すか、またはQがCR1616’を示し、そしてTがNを示し、そしてR14、R15、R16、R16’、R17およびR18がすべて水素である)の環状構造を形成する
(ただし、nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがベンジルであり、Rがフェニルであり、そしてR’およびR’が水素であるとき、Rはベンジルまたはアセチルを示さない;nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがフェネチルであり、R’が水素であり、Rがフェニルであり、そしてR’が水素であるとき、Rは水素を示さない;nが1であり、Zが結合であり、pが1であり、Rがジフェニルメチルであり、そしてR’、RおよびR’がすべて水素であるとき、Rはジフェニルメチルまたはベンジルを示さない;そして、Zが結合であり、pが1であり、RおよびR’が一緒に部分式Icの構造を示し、Xが−CH−CH−を示し、Rが水素であり、そしてnが1または2であるとき、RおよびR’は結合している窒素原子と一緒にピペリジニルを示さず、そしてRおよびR’は同時にメチルを示さない);
遊離塩基または酸付加塩形の請求項6に記載の式Iのジアミン。
【請求項9】
医薬として使用するための遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項6に記載の式Iのジアミン。
【請求項10】
遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩形の請求項6に記載の式Iのジアミンおよび少なくとも1種の薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
式I
【化5】

〔式中、
Zは−C(O)−、−C(S)−または結合であり;
nは0、1、2または3であり;
pは0または1である(ただし、Zが結合であるときpは1である);

非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C14)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキル;
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノ、ジ−アルキルアミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリールオキシ、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルケニル;
非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、酸素、硫黄もしくは窒素を含む非置換もしくは置換(C−C12)ヘテロシクリル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールまたは非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールを示し;そして
’は水素、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは
非置換またはアルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、アルキルアミノまたはジ−アルキルアミノによりモノ−、ジ−もしくはトリ置換されているアルキルを示すか;または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換または置換モノ−、ジ、トリもしくはテトラ環状(C−C16)ヘテロシクリル基を形成し、
は水素またはアルキル、非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールを示し、
は水素、非置換もしくは置換(C−C16)アリール、非置換もしくは置換(C−C)シクロアルキル、酸素、硫黄もしくは窒素を含む(C−C12)ヘテロシクリル;非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリール;非置換またはヒドロキシ、アミノ、(C−C12)アリール、(C−C12)ヘタリールまたは非置換もしくは置換アリールにより置換されているアルキル;またはR17−C(O)−(ここで、R17はアルキル、(C−C12)アリールまたは(C−C12)ヘタリールを示す)示し;そして
’は水素、アルキル、アルキルカルボニルまたは非置換もしくは置換(C−C12)アリールアルキルを示すか、または
およびR’は結合している窒素原子と一緒に少なくとも1個の窒素原子を含む非置換もしくは置換環状(C−C12)ヘテロシクリル基を形成する
(ただし、nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがベンジルであり、Rがフェニルであり、そしてR’およびR’が水素であるとき、Rはベンジルまたはアセチルを示さない;nが0であり、Zが−C(O)−であり、pが1であり、Rがフェネチルであり、R’が水素であり、Rがフェニルであり、そしてR’が水素であるとき、Rは水素を示さない;nが1であり、Zが結合であり、pが1であり、Rがジフェニルメチルであり、そしてR’、RおよびR’がすべて水素であるとき、Rはジフェニルメチルまたはベンジルを示さない;そして、Zが結合であり、pが1であり、RおよびR’が一緒に部分式Icの構造を示し、Xが−CH−CH−を示し、Rが水素であり、そしてnが1または2であるとき、RおよびR’は結合している窒素原子と一緒にピペリジニルを示さず、そしてRおよびR’は同時にメチルを示さない)〕
のジアミンの製造法であって、
(a)ZがC(O)であり、そして他のラジカルおよび記号が上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味を有するとき、式II
【化6】

〔式中、n、p、Z、R、R’およびRは上記式Iの化合物に対して定義のとおりであり、そしてYはCl、BrまたはIである〕のハロゲン化物を式III
【化7】

〔式中、RおよびR’は上記式Iの化合物に対して定義のとおりである〕のアミンと反応させる工程を含むか;
b)ZがC(O)であり、そして他のラジカルおよび記号が上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味を有するとき、式IV
【化8】

〔式中、n、p、R、R’およびRは式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕のカルボン酸を式V
【化9】

〔式中、RおよびR’は式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕の一級もしくは二級アミンとカップリングすることにより製造するか;
c)ZがC(O)であり、RがR17−C(O)−(ここで、R17は非置換もしくは置換アルキルを示す)であるか、またはRが非置換またはヒドロキシ、アミノ、非置換もしくは置換(C−C12)アリール、非置換もしくは置換(C−C12)ヘタリールまたは非置換もしくは置換アリールにより置換されているアルキルであり、R’が水素であり、そして他のラジカルおよび記号が上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味を有するとき、式I(ここで、RおよびR’は両方、水素である)のジアミンをアルキル化剤、カルボニル化合物またはアシル化剤とのアルキル化、還元アルキル化またはアシル化により合成するか;
d)ZがC(O)であり、pが0であり、そして他のラジカルが上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味であるとき、式VI
【化10】

〔式中、RおよびR’は式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕の塩化カルバモイルを式III
【化11】

〔式中、RおよびR’は式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕の一級もしくは二級アミンと反応させることにより製造することができるか;または
e)Zが結合であり、そして他のラジカルが上記式Iの化合物に対して提供されるとおりの意味であるとき、式Iのジアミンを提供するために、式VII
【化12】

〔式中、n、p、RおよびRは式Iの化合物に対して上記定義のとおりである〕のジアミンをアルキル化またはアシル化に付すことにより製造し;
ここで、式IIからVIIの出発化合物はまた必要なとき保護された形態の官能基を有し、および/または、塩形成基が存在し、そして塩形態で反応が可能であるとき、塩の形態であり得る;
式Iのジアミンの保護された誘導体における何らかの保護基を除去する;
そして、所望により、式Iの遊離ジアミンを塩に変換し、得ることができる式Iのジアミンの塩を遊離ジアミンまたは他の塩に変換し、そして/または式Iの異性体のジアミンの混合物を個々の異性体に分離する、製造法。

【公表番号】特表2009−506086(P2009−506086A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528402(P2008−528402)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008426
【国際公開番号】WO2007/025709
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】