説明

樹脂組成物、樹脂ワニス、プリプレグ、金属張積層板、及びプリント配線板

【課題】ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れ、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができる樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、消泡剤(D)とを含み、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が、60〜85質量%であることを特徴とする樹脂組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の絶縁材料等に好適に用いられる樹脂組成物、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器は、情報処理量の増大に伴い、搭載される半導体デバイスの高集積化、配線の高密度化、及び多層化等の実装技術が急速に進展している。各種電子機器において用いられるプリント配線板等の絶縁材料には、信号の伝送速度を高め、信号伝送時の損失を低減させるために、誘電率及び静電正接が低いことが求められる。すなわち、高速通信を実現するためには、プリント配線板等の絶縁材料には、低誘電率及び低誘電正接が求められる。
【0003】
ポリフェニレンエーテル(PPE)等のポリアリーレンエーテル共重合体(PAE)は、MHz帯からGHz帯という高周波数帯(高周波領域)においても誘電率や誘電正接等の誘電特性が優れているので、高周波数帯を利用する電子機器のプリント配線板等の絶縁材料に好ましく用いられる。
【0004】
ポリアリーレンエーテル共重合体を含有する組成物としては、例えば、特許文献1に記載の硬化性組成物が挙げられる。
【0005】
特許文献1には、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレン共重合体(A)と、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上のエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、10質量%となるように水に分散させた分散液を160℃で24時間処理した後の抽出液のpHが6〜8となり、前記抽出液の電気伝導度が100μS/cm以下となるリン含有化合物(D)とを含有する樹脂組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−46816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低く、さらに、ハロゲン及び鉛を含有させずに、難燃性の高い樹脂組成物が得られることが開示されております。そして、この樹脂組成物は、ワニス状にしたときの粘度が低いので、金属張積層板やプリント配線板を製造する際に用いるプリプレグを好適に形成することができる。
【0008】
また、プリプレグが厚くなると、発泡等によって、プリプレグの表面が平滑でない等の、外観不良が発生しやすくなる傾向があった。また、外観不良が発生したプリプレグを用いてプリント配線板等を製造すると、製造時、例えば、多層成形時にボイドが発生する等の成形不良が発生し、信頼性の高いものが得られにくいという成形性の問題が生じる。このため、様々な厚さのプリプレグを製造するために、プリプレグを製造する際に用いる樹脂組成物として、プリプレグの外観不良の発生をより抑制することができるものが求められている。すなわち、外観不良の発生をより抑制し、プリプレグの厚みにかかわらず、良好なプリプレグが得られる樹脂組成物が求められている。
【0009】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れ、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができる樹脂組成物を提供することを目的とする。また、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、消泡剤(D)とを含み、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が、60〜85質量%であり、前記消泡剤(D)が、シリコーン系消泡剤、及び有機系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記樹脂組成物において、前記シリコーン系消泡剤が、ポリメチルアルキルシロキサン系消泡剤、及び破泡性シリコーンポリマー系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0012】
また、前記樹脂組成物において、前記有機系消泡剤が、イソパラフィン系消泡剤、及びアクリル系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0013】
また、前記樹脂組成物において、前記消泡剤(D)の含有率が、0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0014】
また、前記樹脂組成物において、レベリング剤をさらに含むことが好ましい。
【0015】
また、前記樹脂組成物において、前記レベリング剤が、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系レベリング剤であることが好ましい。
【0016】
また、前記樹脂組成物において、前記レベリング剤の含有率が、0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0017】
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなることが好ましい。
【0018】
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0019】
【化1】


式(1)中、mは、0〜20を示し、nは、0〜20を示し、mとnとの合計は、1〜30を示す。
【0020】
また、前記樹脂組成物において、前記硬化促進剤(C)が、イミダゾール系化合物、又はイミダゾール系化合物及び金属石鹸であることが好ましい。
【0021】
また、前記樹脂組成物において、無機充填材をさらに含むことが好ましい。
【0022】
また、本発明の他の一態様に係る樹脂ワニスは、前記樹脂組成物と溶媒とを含有するものである。
【0023】
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたものである。
【0024】
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたものである。
【0025】
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記プリプレグを用いて製造されたものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れ、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができる樹脂組成物を提供することができる。また、前記樹脂組成物を含有する樹脂ワニス、前記樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグ、前記プリプレグを用いて得られた金属張積層板、及び前記プリプレグを用いて製造されたプリント配線板が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、消泡剤(D)とを含み、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が、60〜85質量%であり、前記消泡剤(D)が、シリコーン系消泡剤、及び有機系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0028】
このような樹脂組成物は、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れ、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができる。
【0029】
このことは、以下のことによると考えられる。
【0030】
まず、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、分子量が比較的低く、分子末端のフェノール性水酸基の1分子当たりの個数が比較的多いので、エポキシ樹脂(B)と3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。よって、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)を用いて硬化させることによって、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)とによる3次元的な架橋を好適に形成させることができ、硬化物の耐熱性を高めることができると考えられる。
【0031】
さらに、消泡剤(D)として、シリコーン系消泡剤、及び有機系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有させることによって、樹脂組成物の硬化による架橋形成の阻害を抑制しつつ、樹脂組成物の発泡を抑制することができると考えられる。具体的には、繊維質基材に樹脂組成物を含浸させたり、その樹脂組成物を硬化させたりするとき等の、プリプレグを製造する際に、発生しうる発泡を抑制することができると考えられる。
【0032】
以上のことから、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れ、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができると考えられる。
【0033】
以下、前記樹脂組成物の各成分について、詳細に説明する。
【0034】
本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体であれば、特に限定されない。
【0035】
また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の固有粘度は、0.03〜0.12dl/gであればよいが、0.06〜0.095dl/gであることが好ましい。この固有粘度が低すぎると、分子量が低い傾向があり、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、固有粘度が高すぎると、粘度が高く、充分な流動性が得られず、成形不良を抑制できない傾向がある。よって、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の固有粘度が上記範囲内であれば、優れた、硬化物の耐熱性及び成形性を実現できる。
【0036】
なお、ここでの固有粘度は、使用するポリアリーレンエーテル共重合体(A)の製品の規格値からわかる。また、ここでの固有粘度は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度であり、より具体的には、例えば、0.18g/45mlの塩化メチレン溶液(液温25℃)を、粘度計で測定した値等である。この粘度計としては、例えば、Schott社製のAVS500 Visco System等が挙げられる。
【0037】
また、本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、分子末端のフェノール性水酸基の、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)1分子当たりの平均個数(末端水酸基数)が1.5〜3個であればよいが、1.8〜2.4個であることが好ましい。この末端水酸基数が少なすぎると、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基との反応性が低下し、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られにくい傾向がある。また、末端水酸基数が多すぎると、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基との反応性が高くなりすぎ、例えば、樹脂組成物の保存性が低下したり、誘電率及び誘電正接が高くなる等の不具合が発生するおそれがある。
【0038】
なお、ここでのポリアリーレンエーテル共重合体(A)の水酸基数は、使用するポリフェニレンエーテル樹脂の製品の規格値等からわかる。また、ここでの末端水酸基数としては、具体的には、例えば、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)1モル中に存在する全てのポリアリーレンエーテル共重合体(A)の1分子あたりの水酸基の平均値を表した数値等が挙げられる。
【0039】
よって、本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、分子量が比較的低く、末端水酸基数が比較的多いので、後述する、エポキシ樹脂(B)と3次元的な架橋を形成しやすいと考えられる。したがって、このようなポリアリーレンエーテル共重合体(A)を用いることによって、広い周波数領域において誘電特性が良好であるだけではなく、成形不良を抑制できる充分な流動性を有し、さらに硬化物の耐熱性が充分に高められると考えられる。
【0040】
また、本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、数平均分子量(Mn)が500〜3000であることが好ましく、650〜1500であることがより好ましい。また、分子量が低すぎると、硬化物の耐熱性としては充分なものが得られない傾向がある。また、分子量が高すぎると、溶融粘度が高くなり、充分な流動性が得られず、成形不良を抑制できない傾向がある。よって、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の固有粘度が上記範囲内であれば、優れた、硬化物の耐熱性及び成形性を実現できる。
【0041】
なお、ここでの数平均分子量は、具体的には、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー等を用いて測定することができる。
【0042】
本実施形態で用いるポリアリーレンエーテル共重合体(A)は、具体的には、例えば、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなるポリアリーレンエーテル共重合体やポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等のポリフェニレンエーテルを主成分とするもの等が挙げられる。また、2官能フェノールとしては、例えば、テトラメチルビスフェノールA等が挙げられる。このようなポリアリーレンエーテル共重合体(A)としては、より具体的には、例えば、式(1)に示す構造を有するポリアリーレンエーテル共重合体等が挙げられる。
【0043】
式(1)中、s,tは、上述した固有粘度が0.03〜0.12dl/gの範囲内になるような重合度であればよい。具体的には、sとtとの合計値が、1〜30であることが好ましい。また、sが、0〜20であることが好ましく、tが、0〜20であることが好ましい。すなわち、mは、0〜20を示し、nは、0〜20を示し、mとnとの合計は、1〜30を示すことが好ましい。
【0044】
本実施形態で用いるエポキシ樹脂(B)は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。具体的には、例えば、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、トリフェノール型エポキシ樹脂、軟化点が50℃以下のフェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。この中でも、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。また、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、本実施形態に係る樹脂組成物には、ハロゲンフリーの観点から、ハロゲン化エポキシ樹脂を含有しないことが好ましいが、本発明の効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて配合してもよい。
【0045】
また、本実施形態で用いるエポキシ樹脂(B)は、エポキシ基が1分子中に2個以上有する。すなわち、エポキシ樹脂(B)1分子当たりの、エポキシ基の平均個数(平均エポキシ基数)が、2個以上である。そして、平均エポキシ基数が、2個以上であり、2〜10個であることが好ましく、2〜6個であることがより好ましい。平均エポキシ基数が2個以上であれば、得られた樹脂組成物の硬化物の耐熱性が高まる点から好ましい。なお、ここでの平均エポキシ基数は、使用するエポキシ樹脂の製品の規格値からわかる。ここでの平均エポキシ基数としては、具体的には、例えば、エポキシ樹脂1モル中に存在する全てのエポキシ樹脂の1分子あたりのエポキシ基の平均値を表した数値等が挙げられる。
【0046】
本実施形態で用いる硬化促進剤(C)は、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応を促進することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール系化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等の有機ホスフィン系化合物、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン系化合物、金属石鹸等が挙げられる。また、金属石鹸は、脂肪酸金属塩を指し、直鎖状の脂肪酸金属塩であっても、環状の脂肪酸金属塩であってもよい。具体的には、例えば、炭素数が6〜10の、直鎖状の脂肪族金属塩及び環状の脂肪族金属塩等が挙げられる。より具体的には、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、及びオクチル酸等の直鎖状の脂肪酸や、ナフテン酸等の環状の脂肪酸と、リチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、銅及び亜鉛等の金属とからなる脂肪族金属塩等が挙げられる。これらの中でも、オクチル酸亜鉛が好ましく用いられる。硬化促進剤(C)は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0047】
また、本実施形態で用いる硬化促進剤(C)としては、例示した硬化促進剤の中でも、イミダゾール系化合物や、イミダゾール系化合物及び金属石鹸を含有することが、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる点から好ましい。このことは、イミダゾール系化合物及び金属石鹸が、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応だけではなく、エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応も促進させることができるものであるので、エポキシ樹脂(B)を過剰に含有させた場合であっても、エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応によって、硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。また、硬化促進剤(C)として、イミダゾール系化合物及び金属石鹸等を用いた場合は、特に硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。
【0048】
本実施形態で用いる消泡剤(D)は、樹脂組成物の発泡を抑制することができる消泡性を有するものであれば、特に限定されない。すなわち、繊維質基材に樹脂組成物を含浸させたり、その樹脂組成物を硬化させたりするとき等の、プリプレグを製造する際に、樹脂組成物に発生しうる発泡を抑制することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、シリコーン系消泡剤、及び有機系消泡剤等が挙げられる。消泡剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、シリコーン系消泡剤としては、例えば、ポリメチルアルキルシロキサン系消泡剤、及び破泡性シリコーンポリマー系消泡剤等が挙げられる。また、有機系消泡剤としては、イソパラフィン系消泡剤、及びアクリル系消泡剤等が挙げられる。
【0049】
また、消泡剤(D)は、樹脂組成物の発泡を抑制することができる消泡性だけではなく、レベリング性を有するものであってもよい。このようなレベリング性を有することによって、例えば、プリプレグを製造する際に発生した泡が崩壊した後、表面が平滑になりやすくなるため、プリプレグの外観不良の発生をより抑制できると考えられる。
【0050】
本実施形態に係る樹脂組成物には、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化促進剤(C)、及び消泡剤(D)以外の組成を含有してもよい。具体的には、例えば、レベリング剤、無機充填材、硬化剤、難燃剤、及び添加剤等が挙げられる。
【0051】
まず、本実施形態に係る樹脂組成物には、上述したように、レベリング剤を含有してもよい。レベリング剤は、樹脂組成物にレベリング性を付与することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系レベリング剤、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン系レベリング剤、及びアクリル系レベリング剤等が挙げられる。この中でも、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系レベリング剤が好ましい。このようなレベリング剤を含有することによって、例えば、プリプレグを製造する際に発生した泡が崩壊した後、表面が平滑になりやすくなるため、プリプレグの外観不良の発生をより抑制できると考えられる。
【0052】
まず、本実施形態に係る樹脂組成物には、上述したように、無機充填材を含有してもよい。無機充填材は、樹脂組成物の硬化物の、耐熱性や難燃性を高めるために添加するもの等が挙げられ、特に限定されない。無機充填材を含有させることによって、耐熱性や難燃性等を高めることができる。また、ポリアリーレンエーテル共重合体を含む樹脂組成物は、一般的な絶縁基材用のエポキシ樹脂組成物等と比較すると、架橋密度が低く、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2が高くなる傾向がある。無機充填材を含有させることによって、誘電特性及び硬化物の耐熱性や難燃性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低いまま、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2の低減、及び硬化物の強靭化を図ることができる。
【0053】
無機充填材としては、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、及び炭酸カルシウム等が挙げられる。また、無機充填材としては、そのまま用いてもよいが、エポキシシランタイプ、又はアミノシランタイプのシランカップリング剤で表面処理されたものが、特に好ましい。このようなシランカップリング剤で表面処理された無機充填材が配合された樹脂組成物を用いて得られる金属張積層板は、吸湿時における耐熱性が高く、また、層間ピール強度も高くなる傾向がある。
【0054】
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、硬化剤を含有してもよい。硬化剤としては、エポキシ樹脂(B)の硬化剤が挙げられる。例えば、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上の、芳香族アミン化合物及びフェノール樹脂等が好ましく用いられ、特に、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上の芳香族アミン化合物がより好ましく用いられる。このような硬化剤を用いることによって、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、トルエンに対する溶解度が25℃において10質量%以上の、芳香族アミン化合物及びフェノール樹脂は、エポキシ樹脂(B)の硬化剤として働き、また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)との相溶性が高いので、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との硬化反応を阻害することなく、エポキシ樹脂(B)の硬化反応を促進できることによると考えられる。
【0055】
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、上述したように、難燃剤を含有してもよい。そうすることによって、樹脂組成物の硬化物の難燃性をさらに高めることができる。難燃剤としては、特に限定されない。具体的には、例えば、リン系難燃剤等が挙げられる。リン系難燃剤の具体例としては、例えば、縮合リン酸エステル、環状リン酸エステル等のリン酸エステル、環状ホスファゼン化合物等のホスファゼン化合物、ジアルキルホスフィン酸アルミニウム塩等のホスフィン酸金属塩等のホスフィン酸塩系難燃剤、リン酸メラミン、及びポリリン酸メラミン等のメラミン系難燃剤等が挙げられる。この中でも、環状ホスファゼン化合物が好ましい。難燃剤として、環状ホスファゼン化合物を用いることによって、樹脂組成物の硬化物の誘電特性や耐熱性を維持しつつ、難燃性を高めることができる。このことは、難燃性を高めつつ、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)とによる架橋形成の阻害を充分に抑制することができることによると考えられる。また、難燃剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、環状ホスファゼン化合物は、シクロホスファゼンとも呼ばれ、リンと窒素とを構成元素とする二重結合を分子内に有する化合物であって、環状構造を有するものである。
【0056】
また、リン系難燃剤は、10質量%となるように水に分散させた分散液を160℃で24時間処理した後の抽出液のpHが6〜8となり、この抽出液の電気伝導度が100μS/cm以下となるものが好ましく、このような条件を満たす環状ホスファゼン化合物がより好ましい。このようなリン系難燃剤を用いることによって、樹脂組成物の硬化物の誘電特性や耐熱性を維持しつつ、難燃性をより高めることができる。このことは、難燃性を高めつつ、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)とによる架橋形成の阻害を充分に抑制することができるという効果をより発揮することができることによると考えられる。
【0057】
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、上述したように、添加剤を含有してもよい。添加剤としては、例えば、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、染料や顔料、滑剤、湿潤分散剤等の分散剤等が挙げられる。
【0058】
また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率は、60〜85質量%であり、65〜75質量%であることが好ましい。すなわち、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有量は、樹脂組成物全量100質量部に対して、60〜85質量部であり、65〜75質量部であることが好ましい。ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が低すぎると、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の有する優れた誘電特性を充分に発揮することができない傾向がある。また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が高すぎると、樹脂組成物を充分に硬化させることができず、硬化物の耐熱性等が低下する傾向がある。これらのことから、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が、上記範囲内であれば、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れ、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができる樹脂組成物が得られる。
【0059】
また、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)に対するエポキシ樹脂(B)の当量比が、0.5〜2であることが好ましく、0.8〜1.8であることがより好ましい。ポリアリーレンエーテル共重合体(A)に対するエポキシ樹脂(B)の当量比とは、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基1個当たりのエポキシ樹脂(B)のエポキシ基の数に相当する。このような範囲内であれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性等により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、エポキシ樹脂(B)のエポキシ基が、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)のフェノール性水酸基より多くても、エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応によって、硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。また、硬化促進剤(C)として、エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応を促進させうる、イミダゾール系化合物、又はイミダゾール系化合物及び金属石鹸を用いた場合は、特に硬化物の耐熱性の向上に寄与することができると考えられる。
【0060】
また、硬化促進剤(C)の含有量は、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、及び硬化促進剤(C)等の種類によっても異なり、特に限定されない。具体的には、例えば、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、0.05〜1質量部であることが好ましい。
【0061】
また、消泡剤(D)の含有量は、消泡剤(D)等の種類によっても異なり、特に限定されない。具体的には、例えば、樹脂組成物に対して、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.3〜2.5質量%であることがより好ましい。消泡剤(D)の含有量がこのような範囲内であれば、誘電特性や硬化物の耐熱性の低下等の不具合の発生を抑制しつつ、プリプレグの外観不良の発生を充分に抑制することができる。
【0062】
また、レベリング剤の含有量は、レベリング剤等の種類によっても異なり、特に限定されない。具体的には、例えば、樹脂組成物に対して、0.1〜3質量%であることが好ましく、0.3〜2.5質量%であることがより好ましい。レベリング剤の含有量がこのような範囲内であれば、誘電特性や硬化物の耐熱性の低下等の不具合の発生を抑制しつつ、プリプレグの外観不良の発生を充分に抑制することができる。
【0063】
また、無機充填材の含有量は、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化促進剤(C)、及び無機充填材等の種類によっても異なり、特に限定されない。具体的には、例えば、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがより好ましく、30〜70質量部であることがさらに好ましい。無機充填材の含有量が少なすぎると、無機充填材を含有させることによって発揮しうる効果、例えば、硬化物の耐熱性や難燃性等の向上効果を充分に発揮できない傾向がある。また、無機充填材の含有量が多すぎると、それ以外の成分、例えば、樹脂成分の量が少なくなりすぎ、硬化物の成形性が低下する傾向がある。
【0064】
また、難燃剤の含有量は、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)、エポキシ樹脂(B)、硬化促進剤(C)、及び難燃剤等の種類によっても異なり、特に限定されない。具体的には、例えば、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、10〜40質量部であることが好ましい。また、例えば、環状ホスファゼン化合物等のリン系難燃剤の場合、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)とエポキシ樹脂(B)との合計量100質量部に対して、10〜40質量部であることが好ましく、15〜30質量部であることがより好ましい。このような含有量であれば、樹脂組成物の硬化物の誘電特性や耐熱性を維持しつつ、難燃性を高めることができるという効果をより発揮することができる。
【0065】
本実施形態に係る樹脂組成物は、プリプレグを製造する際には、プリプレグを形成するための基材(繊維質基材)に含浸する目的でワニス状に調製して用いられることが多い。すなわち、本実施形態に係る樹脂組成物は、通常、ワニス状に調製されたもの(樹脂ワニス)であることが多い。このような樹脂ワニスは、例えば、以下のようにして調製される。
【0066】
まず、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)及びエポキシ樹脂(B)等の、有機溶媒に溶解できる各成分を、有機溶媒に投入して溶解させる。この際、必要に応じて、加熱してもよい。その後、必要に応じて用いられ、有機溶媒に溶解しない成分、例えば、無機充填材等を添加して、ボールミル、ビーズミル、プラネタリーミキサー、ロールミル等を用いて、所定の分散状態になるまで分散させることにより、ワニス状の樹脂組成物が調製される。ここで用いられる有機溶媒としては、ポリアリーレンエーテル共重合体(A)及びエポキシ樹脂(B)等を溶解させ、硬化反応を阻害しないものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、トルエン等が挙げられる。
【0067】
得られた樹脂ワニスを用いてプリプレグを製造する方法としては、例えば、得られた樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させた後、乾燥する方法が挙げられる。
【0068】
プリプレグを製造する際に用いられる繊維質基材としては、具体的には、例えば、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、ガラス不織布、アラミド不織布、ポリエステル不織布、パルプ紙、及びリンター紙等が挙げられる。なお、ガラスクロスを用いると、機械強度が優れた積層板が得られ、特に偏平処理加工したガラスクロスが好ましい。偏平処理加工としては、具体的には、例えば、ガラスクロスを適宜の圧力でプレスロールにて連続的に加圧してヤーンを偏平に圧縮することにより行うことができる。
【0069】
また、繊維質基材の厚みとしては、目的とするプリプレグの厚みに応じて変えればよく、特に限定されないが、例えば、0.04〜0.3mmのものを一般的に使用できる。また、プリプレグの厚みは、その使用態様に応じて異なり、特に限定されないが、0.04〜0.3mmであることが一般的である。また、本実施形態に係る樹脂組成物は、プリプレグ製造する際に用いた場合、外観不良の発生を抑制する効果が高いので、プリプレグが比較的厚くても、外観不良の発生を充分に抑制することができる。このことから、樹脂組成物の、外観不良の発生を抑制する効果を充分に発揮し、外観不良の充分に抑制された厚いプリプレグが得られるという点から、プリプレグの厚みが、比較的厚い、例えば、0.1〜0.3mmであることが好ましい。
【0070】
樹脂ワニスの繊維質基材への含浸は、浸漬及び塗布等によって行われる。この含浸は、必要に応じて複数回繰り返すことも可能である。また、この際、組成や濃度の異なる複数の樹脂ワニスを用いて含浸を繰り返し、最終的に希望とする組成及び樹脂量に調整することも可能である。
【0071】
樹脂ワニスが含浸された繊維質基材は、所望の加熱条件、例えば、80〜170℃で1〜10分間加熱されることにより半硬化状態(Bステージ)のプリプレグが得られる。
【0072】
このようにして得られたプリプレグを用いて金属張積層板を作製する方法としては、プリプレグを一枚または複数枚重ね、さらにその上下の両面又は片面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧成形して積層一体化することによって、両面金属箔張り又は片面金属箔張りの積層体を作製することができるものである。加熱加圧条件は、製造する積層板の厚みやプリプレグの樹脂組成物の種類等により適宜設定することができるが、例えば、温度を170〜210℃、圧力を3.5〜4.0Pa、時間を60〜150分間とすることができる。
【0073】
本実施形態に係る樹脂組成物は、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の、成形性、及び耐熱性に優れた樹脂組成物である。このため、前記樹脂組成物を用いて得られたプリプレグを用いた金属張積層板は、誘電特性、及び耐熱性が優れたプリント配線板を、成形不良の発生が抑制しつつ製造できる、信頼性の高いものである。
【0074】
そして、作製された積層体の表面の金属箔をエッチング加工等して回路形成をすることによって、積層体の表面に回路として導体パターンを設けたプリント配線板を得ることができるものである。このように得られるプリント配線板は、誘電特性、及び耐熱性が優れ、さらに、成形不良の発生が抑制されたものである。
【0075】
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0076】
<実施例1〜16、比較例1〜10>
[樹脂組成物の調製]
本実施例において、樹脂組成物を調製する際に用いる各成分について説明する。
【0077】
ここで、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度を、固有粘度(IV)を示す。また、ポリアリーレンエーテル共重合体1分子当たりの、分子末端のフェノール性水酸基の平均個数を、末端水酸基数と示す。また、エポキシ樹脂1分子当たりの、エポキシ基の平均個数を、平均エポキシ基数と示す。
【0078】
(ポリアリーレンエーテル共重合体:PAE)
PAE 1:ポリアリーレンエーテル共重合体(SABICイノベーティブプラスチックス社製のMX−90、固有粘度(IV)0.085dl/g、末端水酸基数1.9個、水酸基当量580g/eq、数平均分子量Mn1050)
PAE 2:国際公開第2007/067669号に記載の方法で合成したポリアリーレンエーテル共重合体(固有粘度(IV)0.06dl/g、末端水酸基数1.8個、水酸基当量420g/eq、数平均分子量Mn800)
PAE 3:ポリアリーレンエーテル共重合体(SABICイノベーティブプラスチックス社製のSA−120、固有粘度(IV)0.13dl/g、末端水酸基数0.9個、水酸基当量3400g/eq、数平均分子量Mn3200)
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂1:クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製のエピクロンN680、エポキシ当量210g/eq、平均エポキシ基数6個)
エポキシ樹脂2:アルキルフェノールモノグリシジルエーテル型エポキシ樹脂(DIC株式会社性のエピクロン520、エポキシ当量235g/eq、平均エポキシ基数1個)
(硬化促進剤)
イミダゾール系化合物:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製の2E4MZ)
(消泡剤)
消泡剤1:イソパラフィン系消泡剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−054)
消泡剤2:ポリメチルアルキルシロキサン系消泡剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−077)
消泡剤3:フッ素変性ポリシロキサン系消泡剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−065)
(レベリング剤)
レベリング剤:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系レベリング剤(ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−330)
[調製方法]
まず、各成分を表1〜3に記載の配合割合で、固形分濃度が50質量%となるように、トルエンに添加し、混合させた。その混合物を、80℃になるまで加熱し、80℃のままで30分間攪拌することによって、ワニス状の樹脂組成物(樹脂ワニス)が得られた。
【0079】
次に、得られた樹脂ワニスをガラスクロス(日東紡績株式会社製の♯2116タイプ、Eガラス)に含浸させた後、140℃で約3〜8分間加熱乾燥することによりプリプレグを得た。その際、ポリアリーレンエーテル共重合体、及びエポキシ樹脂等の樹脂成分の含有量(レジンコンテント)が約50質量%となるように調整した。
【0080】
そして、得られた各プリプレグを所定枚数重ねて積層し、温度200℃、2時間、圧力3MPaの条件で加熱加圧することにより、所定の厚みの評価基板を得た。
【0081】
具体的には、例えば、得られた各プリプレグを4枚重ねて積層することによって、厚み約0.5mmの評価基板を得た。
【0082】
上記のように調製された各プリプレグ及び評価基板を、以下に示す方法により評価を行った。
【0083】
[誘電特性(誘電率及び誘電正接)]
1GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を、IPC−TM650−2.5.5.9に準拠の方法で測定した。具体的には、インピーダンスアナライザ(アジレント・テクノロジー株式会社製のRFインピーダンスアナライザ HP4291B)を用い、1GHzにおける評価基板の誘電率及び誘電正接を測定した。
【0084】
[半田耐熱性]
半田耐熱性は、JIS C 6481に準拠の方法で測定した。具体的には、評価基板を、121℃、2気圧(0.2MPa)、2時間のプレッシャークッカーテスト(PCT)を行い、各サンプルで行い、サンプル数5個で、260℃の半田槽中に20秒間浸漬し、ミーズリングや膨れ等の発生の有無を目視で観察した。ミーズリングや膨れ等の発生が確認できなければ、「○」と評価し、発生が確認できれば、「×」と評価した。また、別途、260℃の半田槽の代わりに、288℃の半田槽を用いて、同様の評価を行った。
【0085】
[ガラス転移温度(Tg)]
ガラス転移温度(Tg)は、IPC−TM−650−2.4.25に準拠の方法で測定した。具体的には、示査走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度20℃/分の条件でガラス転移温度(Tg)を測定した。
【0086】
[難燃性]
評価基板(基板厚み0.5mm)から、長さ125mm、幅12.5mmのテストピースを切り出した。そして、このテストピースについてUnderwriters Laboratoriesの”Test for Flammability of Plastic Materials−UL 94”に準じて、10回燃焼試験を行い、その際の総燃焼時間(秒間)を測定し、その結果から評価した。
【0087】
[泡立ち]
得られた樹脂ワニスを、回転数3000rpmで10分間攪拌した後、10分間静置した。この静置した後の樹脂ワニスを目視で確認した。樹脂ワニスに泡が確認できなければ、「○」と評価し、樹脂ワニスに泡が確認できれば、「×」と評価した。
【0088】
[プリプレグの粉落ち]
得られたプリプレグが、樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて製造する際、繊維質基材の空隙から気泡が抜けずに、樹脂が繊維質基材に上塗り状態になること等が原因で、プリプレグを切断すると、樹脂の粉が落ちることがある。すなわち、粉落ちが発生することがある。得られたプリプレグを切断した場合、このような粉落ちの発生を確認できない場合を、「○」と評価し、粉落ちの発生が確認される場合は、「×」と評価した。
【0089】
[プリプレグの表面光沢]
得られたプリプレグを目視で評価した。プリプレグの表面が均一で平滑性の高い状態、例えば、発泡した後であっても、プリプレグの表面が平滑性の高い状態になるのであれば、「○」と評価した。また、発泡による平滑性が多少低下している状態であれば、「×」と評価した。なお、発泡による平滑性が多少低下している状態であれば、プリプレグの梱包時等に表面が擦れて粉落ちが発生しやすい状態である。
【0090】
上記各評価における結果は、表1〜3に示す。
【0091】
【表1】

【0092】
【表2】

【0093】
【表3】


表1〜3からわかるように、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、消泡剤(D)とを含み、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が、60〜85質量%であり、前記消泡剤(D)が、シリコーン系消泡剤、及び有機系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である樹脂組成物である場合(実施例1〜16)は、その他の場合(比較例1〜10)と比較して、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れる。さらに、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができる効果が高い。
【0094】
具体的には、消泡剤を含有しない場合(比較例1)は、樹脂ワニスが泡立ち、得られたプリプレグに粉落ちや表面光沢の低下が見られた。また、消泡剤を含有していても、ポリアリーレンエーテル共重合体として、固有粘度(IV)が0.12dl/gを越え、末端水酸基数が1.5個未満のものを用いた場合(比較例2)は、樹脂ワニスが泡立ち、得られたプリプレグに粉落ちや表面光沢の低下等の発泡による問題が見られた。
【0095】
また、エポキシ樹脂として、平均エポキシ基数が2個未満のものを用いた場合(比較例3)は、耐熱性が不充分であり、得られたプリプレグに表面光沢の低下も見られた。
【0096】
また、ポリアリーレンエーテル共重合体の含有率が、60質量%未満である場合(比較例4)は、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を充分に発揮できない傾向があり、また、得られたプリプレグに表面光沢の低下も見られた。また、ポリアリーレンエーテル共重合体の含有率が、85質量%を超える場合(比較例5)は、樹脂ワニスが泡立ち、得られたプリプレグに粉落ちや表面光沢の低下が見られた。これらのことから、ポリアリーレンエーテル共重合体の含有率は、60〜85質量%であることが、本発明の効果を発揮するのに必要であることがわかった。
【0097】
また、消泡剤を含有していても、その消泡剤が、シリコーン系消泡剤や有機系消泡剤でなければ、具体的には、フッ素変性ポリシロキサン系消泡剤等のフッ素系消泡剤である場合(比較例6〜10)は、消泡剤を含有しているにもかかわらず、樹脂ワニスが泡立ち、得られたプリプレグに粉落ちや表面光沢の低下が見られた。このことから、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れ、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができる樹脂組成物を得ることができるという本願の効果を発揮するためには、樹脂組成物に単に消泡剤を添加するだけでは充分ではなく、その種類が重要であることがわかる。
【0098】
また、消泡剤の含有率が、0.1〜3質量%である場合(実施例2〜4及び実施例8〜10)は、消泡剤の含有率が、0.1質量%未満である場合(実施例1及び実施例7)よりも、発泡による問題の発生が抑制させることがわかった。また、消泡剤の含有率が、0.1〜3質量%である場合(実施例2〜4及び実施例8〜10)は、消泡剤の含有率が、0.1質量%未満である場合(実施例5及び実施例11)よりも、Tgが高く、耐熱性に優れていることがわかった。これらのことから、消泡剤の含有率が、0.1〜3質量%であることが好ましいことがわかった。
【0099】
また、レベリング剤を含有した場合(実施例12〜16)は、レベリング剤を含有しないこと以外、同様の樹脂組成物の場合(実施例8)と比較して、発泡による問題の発生が起こりにくい傾向があった。その際の、レベリング剤の含有量が、0.1〜3質量%であることが、耐熱性の低下を抑制しつつ、発泡による問題の発生を抑制する点で好ましいことがわかった。
【0100】
本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0101】
本発明の一態様に係る樹脂組成物は、25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、硬化促進剤(C)と、消泡剤(D)とを含み、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が、60〜85質量%であり、前記消泡剤(D)が、シリコーン系消泡剤、及び有機系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするものである。
【0102】
このような構成によれば、ポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を有し、硬化物の耐熱性に優れ、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生を充分に抑制することができる樹脂組成物を提供することができる。
【0103】
また、前記樹脂組成物において、前記シリコーン系消泡剤が、ポリメチルアルキルシロキサン系消泡剤、及び破泡性シリコーンポリマー系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0104】
このような構成によれば、誘電特性、及び耐熱性に優れ、さらに、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生をより抑制することができる。
【0105】
また、前記樹脂組成物において、前記有機系消泡剤が、イソパラフィン系消泡剤、及びアクリル系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
【0106】
このような構成によれば、誘電特性、及び耐熱性に優れ、さらに、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生をより抑制することができる。
【0107】
また、前記樹脂組成物において、前記消泡剤(D)の含有率が、0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0108】
このような構成によれば、誘電特性、及び耐熱性に優れ、さらに、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生をより抑制することができる。
【0109】
また、前記樹脂組成物において、レベリング剤をさらに含むことが好ましい。
【0110】
このような構成によれば、誘電特性、及び耐熱性に優れ、さらに、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生をより抑制することができる。
【0111】
また、前記樹脂組成物において、前記レベリング剤が、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系レベリング剤であることが好ましい。
【0112】
このような構成によれば、誘電特性、及び耐熱性に優れ、さらに、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生をより抑制することができる。
【0113】
また、前記樹脂組成物において、前記レベリング剤の含有率が、0.1〜3質量%であることが好ましい。
【0114】
このような構成によれば、誘電特性、及び耐熱性に優れ、さらに、プリプレグを製造する際に用いた場合、外観不良の発生をより抑制することができる。
【0115】
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなることが好ましい。
【0116】
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、2,6−ジメチルフェノールからなるポリアリーレンエーテル共重合体の有する優れた誘電特性を維持したまま、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)との3次元的な架橋を好適に形成できることによると考えられる。
【0117】
また、前記樹脂組成物において、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、前記式(1)で表される化合物であることが好ましい。式(1)中、mは、0〜20を示し、nは、0〜20を示し、mとnとの合計は、1〜30を示す。
【0118】
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。
【0119】
また、前記樹脂組成物において、前記硬化促進剤(C)が、イミダゾール系化合物、又はイミダゾール系化合物及び金属石鹸であることが好ましい。
【0120】
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性により優れた樹脂組成物が得られる。このことは、イミダゾール系化合物及び脂肪酸金属塩が、前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)と前記エポキシ樹脂(B)との硬化反応だけではなく、前記エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応も促進させることができるものであるので、前記エポキシ樹脂(B)を過剰に含有させた場合であっても、前記エポキシ樹脂(B)同士の硬化反応によって、硬化物の耐熱性の向上に寄与できることによると考えられる。
【0121】
また、前記樹脂組成物において、無機充填材をさらに含むことが好ましい。
【0122】
このような構成によれば、誘電特性及び硬化物の耐熱性や難燃性に優れ、ワニス状にしたときの粘度が低いまま、硬化物の熱膨張係数、特に、ガラス転移温度を超えた温度での熱膨張係数α2の低減、及び硬化物の強靭化を図ることができる。
【0123】
また、本発明の他の一態様に係る樹脂ワニスは、前記樹脂組成物と溶媒とを含有するものである。
【0124】
このような構成によれば、誘電特性、及び硬化物の耐熱性に優れ、粘度が低く、流動性の高い樹脂ワニスが得られる。そして、この樹脂ワニスを用いて得られたプリプレグは、プリント配線板等の電子部品を、成形不良の発生を抑制しつつ製造できる。
【0125】
また、本発明の他の一態様に係るプリプレグは、前記樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたものである。
【0126】
このような構成によれば、誘電特性、硬化物の、成形性、及び耐熱性が優れた金属張積層板を製造するのに好適に用いられるものであるので、金属張積層板やプリント配線板を製造する際の成形不良の発生を抑制できる信頼性に優れたものが得られる。
【0127】
また、本発明の他の一態様に係る金属張積層板は、前記プリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたものである。
【0128】
このような構成によれば、誘電特性、及び硬化物の耐熱性が優れたプリント配線板を、成形不良の発生を抑制しつつ製造できる、信頼性に優れた金属張積層板が得られる。
【0129】
また、本発明の他の一態様に係るプリント配線板は、前記プリプレグを用いて製造されたものである。
【0130】
このような構成によれば、誘電特性、及び硬化物の耐熱性が優れ、さらに、成形不良の発生を抑制されたものが得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
25℃の塩化メチレン中で測定した固有粘度が0.03〜0.12dl/gであって、分子末端にフェノール性水酸基を1分子当たり平均1.5〜3個有するポリアリーレンエーテル共重合体(A)と、
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(B)と、
硬化促進剤(C)と、
消泡剤(D)とを含み、
前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)の含有率が、60〜85質量%であり、
前記消泡剤(D)が、シリコーン系消泡剤、及び有機系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記シリコーン系消泡剤が、ポリメチルアルキルシロキサン系消泡剤、及び破泡性シリコーンポリマー系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記有機系消泡剤が、イソパラフィン系消泡剤、及びアクリル系消泡剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記消泡剤(D)の含有率が、0.1〜3質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
レベリング剤をさらに含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記レベリング剤が、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン系レベリング剤である請求項5に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記レベリング剤の含有率が、0.1〜3質量%である請求項5又は請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、2,6−ジメチルフェノールと2官能フェノール及び3官能フェノールの少なくともいずれか一方とからなる請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
前記ポリアリーレンエーテル共重合体(A)が、下記式(1)で表される化合物である請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【化1】


(式(1)中、mは、0〜20を示し、nは、0〜20を示し、mとnとの合計は、1〜30を示す。)
【請求項10】
前記硬化促進剤(C)が、イミダゾール系化合物、又はイミダゾール系化合物及び金属石鹸である請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
無機充填材をさらに含む請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂組成物と溶媒とを含有する樹脂ワニス。
【請求項13】
請求項12に記載の樹脂ワニスを繊維質基材に含浸させて得られたことを特徴とするプリプレグ。
【請求項14】
請求項13に記載のプリプレグに金属箔を積層して、加熱加圧成形して得られたことを特徴とする金属張積層板。
【請求項15】
請求項13に記載のプリプレグを用いて製造されたことを特徴とするプリント配線板。

【公開番号】特開2013−35926(P2013−35926A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172091(P2011−172091)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】