説明

無端ベルト用エレメント検査方法及び検査装置

【課題】 検査の手間を省き、且つ、アセンブリを分解することなく、しかも、検査結果の再現性を高めるようにした無端ベルト用エレメント検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】 ベルト式無段変速機に用いられる無端ベルト(1)の構成部品であるエレメント(3a)の検査装置(10)において、前記無端ベルトに周回運動を与える運動付与手段(13)と、周回運動中の前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測する計測手段(15、17)と、前記計測手段の計測結果を所定の基準周期と比較して前記エレメントの積層異常箇所を判定する判定手段(18)とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルト式無段変速機(ベルト式CVT)に用いられる無端ベルト(以下「CVTベルト」という。)、特に、その構成部品であるエレメントの検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6(a)は、CVTベルトの外観図である。この図において、CVTベルト1は、複数枚(たとえば、12枚程度)の金属リング2aからなる二連のリング状積層体2に、多数個(たとえば、400個程度)の金属性のエレメント3aからなるエレメント積層体3を担持させて組み立てられ、アセンブリ化されている(たとえば、非特許文献1参照)。
【0003】
図6(b)は、エレメント3aの拡大図である。エレメント3aは、金属板を打ち抜き加工して所定形状に成型されたスチールブロック(金属小片)である。エレメント3aは、たとえば、人体の上半身像を想起させるような形状、すなわち、頭部3b及び胸部3c並びにそれらの頭部3bと胸部3cの間を連結する首部3dを有する形状に成型されており、二連のリング状積層体2は、それぞれエレメント3aの頭部3bと胸部3cの間に形成された凹部3gに嵌め込まれるようになっている。
【0004】
頭部3bの一方面(図面の表面)側には、略円柱形突起状のディンプル3eが形成されている。また、同他方面(図面の裏面)側には、このディンプル3eと略相似形の窪み(以下「ホール3f」という。)が形成されている。
【0005】
図7(a)は、エレメント3aの積層状態図である。この図に示すように、隣接するエレメント3aのディンプル3eとホール3fとを嵌め合わすことにより、エレメント3a同士の位置合わせを行うようになっている。
【0006】
このように、CVTベルト1は、12枚程度の金属リングからなる二連のリング状積層体2に、リング1周分に相当する、たとえば、400個程度のエレメント3aからなるエレメント積層体3(ディンプル3eとホール3fとを嵌め合わせて積層したもの)を担持させて組み立てられ、アセンブリ化されたものである。
【0007】
かかる構造のCVTベルト1においては、一部のエレメント3aに形状不良のもの、たとえば、隣接するディンプル3eとホール3fが正しく嵌め合わされていないものが混入していた場合には、CVTベルト1を自動変速機に組み付けた後で、その変速機内のベルト挟持部(プーリ)の押圧力を受けて、当該不良のエレメント3aと隣接エレメントの間に応力集中が発生したり、スリップが発生したりするという不都合がある。
【0008】
図7(b)は、正常なエレメント3aの積層状態図である。この図において、左側のエレメント3aのホール3fと、それに隣接する右側のエレメント3aのディンプル3eは、いずれも設計どおりの正しい形状をなしており、したがって、両者のホール3fとディンプル3eは正しく嵌合している。このときの両エレメント3aの隙間を便宜的に“a”とする。
【0009】
図7(c)は、異常なエレメント3aの積層状態図である。たとえば、左側のエレメント3aのホール3fの深さが不足しているものとすると、それに隣接する右側のエレメント3aのディンプル3eは、このホール3fに不完全な状態で嵌合することになる。したがって、この場合の両エレメント3aの隙間“b”は、上記の正常な場合の隙間“a”よりも大きくなる。
【0010】
なお、このような両エレメント3aの隙間異常は、ホール3fの深さ不足だけでなく、他の要因、たとえば、ホール3fの開口径不足、ディンプル3eの突起高不足、ディンプル3eの突起径過剰などによっても発生し得る。以下、これらの要因を総称して、「ディンプル部形状不良」ということにする。
【0011】
さて、従来より、ディンプル部形状不良の検査は、目視によって行われていた。すなわち、アセンブリ化されたCVTベルト1から異常と思われるエレメント3aを取り外し、そのエレメント3aのディンプル3eとホール3fの形状不良を目視で判定していた。
【0012】
【非特許文献1】宮地知巳著“理想の変速機CVTの性能を最大限に引き出す”、[online]、[平成14年8月25日検索]、インターネット<URL: http://www.idemitsu.co.jp/lube/cvt/cvtbody2.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記従来のディンプル部形状不良の検査手法にあっては、以下の問題点がある。
(1)CVTベルト1からエレメント3aを取り外すため、手間がかかって面倒である。
(2)また、エレメント3aを取り外す際に、他のエレメント3aも一緒に脱落して、CVTベルト1が分解状態(バラバラ)になってしまうことがある。このような場合、もはや、CVTベルト1はアセンブリの体をなさなくなるから、製品として使用できなくなる。つまり、破棄せざるを得なくなる。
(3)目視による判定は、当然ながら判定者毎の誤差が大きく、検査結果の再現性に劣る。
【0014】
そこで、本発明の目的は、検査の手間を省き、且つ、アセンブリを分解することなく、しかも、検査結果の再現性を高めるようにした無端ベルト用エレメント検査方法及び検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る無端ベルト用エレメント検査方法は、ベルト式無段変速機に用いられる無端ベルトの構成部品であるエレメントの検査方法において、前記無端ベルトに周回運動を与える運動付与工程と、周回運動中の前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測する計測工程と、前記計測工程の計測結果を所定の基準周期と比較して前記エレメントの積層異常箇所を判定する判定工程とを含むことを特徴とする。
また、本発明に係る無端ベルト用エレメント検査装置は、ベルト式無段変速機に用いられる無端ベルトの構成部品であるエレメントの検査装置において、前記無端ベルトに周回運動を与える運動付与手段と、周回運動中の前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測する計測手段と、前記計測手段の計測結果を所定の基準周期と比較して前記エレメントの積層異常箇所を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
ここで、上記の計測工程又は計測手段は、周回運動中の前記無端ベルトの外周側面に近接配置された磁気センサの出力信号に基づいて、前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測することを特徴としてもよく、あるいは、周回運動中の前記無端ベルトの外周側面に近接配置された受光素子又は撮像素子の出力信号に基づいて、前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測することを特徴としてもよい。若しくは、前記判定工程又は前記判定手段において、前記計測工程又は前記計測手段の計測結果を所定の基準周期と比較して不一致の場合には、前記無端ベルトのエレメントのディンプル部形状不良が存在するものと判断することを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
この発明では、周回運動中の無端ベルトのエレメントの積層周期が計測され、その計測結果と所定の基準周期とが比較されて、前記エレメントの積層異常箇所が判定される。
したがって、アセンブリ状態のまま無端ベルトのエレメントの積層異常を判定できるので、いちいちエレメントを取り外す必要がなく、手間を軽減できる。しかも、無端ベルトがバラバラの状態にならないため、不本意な無端ベルトの破棄も回避できる。さらに、エレメントの積層異常箇所の判定に人的過誤が入り込む余地が無く、検査結果の再現性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
【0018】
図1は、本実施形態における無端ベルト用エレメント検査装置(以下、単に検査装置という。)10の概念的な構成図である。検査装置10の主要な構成要素は、以下のとおりである。
【0019】
まず、検査装置10は、同一面上に配置された一対のローラ11、12を備える。図面に向かって右側に位置する一方のローラ11は、その回転軸11aをモータ13(運動付与手段)のシャフト13aに連結し、このモータ13の回転力Fを受けて一方向(図示の例では時計回り方向)に回転することが可能である。
【0020】
また、図面に向かって左側に位置する他方のローラ12は、その回転軸12aを回転自在に水平移動機構14のシャフト14aに連結し、この水平移動機構14の移動力Gを受けて一方向(図示の例では図面の左方向)に移動することが可能である。
【0021】
これらの一対のローラ11、12には、検査対象のCVTベルト1(無端ベルト)が掛け渡される。このCVTベルト1を掛け渡す際に、水平移動機構14を作動させてローラ12を図面の左方向に適量移動させることにより、CVTベルト1に所定の張力(テンション)を与えることができるようになっている。そして、このテンションを与えた状態で、モータ13を作動させてローラ11を回転させることにより、CVTベルト1に一定方向の周回運動をさせることができるようになっている。
【0022】
CVTベルト1の外周側面(エレメント3aの頭部3b(図6(a)参照)が位置する側の面)には、磁気センサ15(計測手段)が近接配置されている。磁気センサ15は、棒状の永久磁石15aの周囲にピックアップコイル15bを巻回した構造を有するもので、永久磁石15aの磁束の変化をピックアップコイル15bで検出するというものである。なお、このような磁気センサ15の実例としては、たとえば、内燃機関の回転数検出センサとして公知である。
【0023】
磁気センサ15の原理を概説すると、永久磁石15aの近くに他の磁性体が存在しない場合、または、他の磁性体が存在していてもその磁性体と永久磁石15aとの位置関係が不変の場合には、永久磁石15aの磁束はまったく変化しない。したがって、ピックアップコイル15bに誘起電流は生じないが、永久磁石15aの近くに他の磁性体が存在し、且つ、その磁性体と永久磁石15aとの位置関係が変化している場合には、永久磁石15aの磁束が変化して、その変化に応じた大きさの誘起電流がピックアップコイル15bに生じるため、その誘起電流の変動から、磁性体と永久磁石15aとの位置関係の変化を検出することができる。
【0024】
磁気センサ15の出力電流は、波形整形回路16で波形整形された後、二値信号に変換され、周期計測部17(計測手段)でその二値信号の周期が計測される。そして、その計測結果が判定部18(判定手段)に入力され、基準周期発生部19で作られた基準周期との一致/不一致が判定された後、その判定結果が表示部20で表示される。
【0025】
図2は、CVTベルト1と磁気センサ15との位置関係図(a)及び磁気センサ15の出力電流波形図(b)並びに波形整形回路16の出力信号(二値化された信号)波形図(c)である。
【0026】
今、CVTベルト1を構成する各エレメント3aの間隔が正常値(“a”)だけでなく、異常値(“b”)も含んでいるものとすると、正常値(“a”)の部分のエレメント3aの頭部3bの配列ピッチに比べて、異常値(“b”)の部分のエレメント3aの頭部3bの配列ピッチは、その間隔の差(“b”−“a”)だけ広くなる。
【0027】
既述のとおり、磁気センサ15は、永久磁石15aの近傍に位置する磁性体の動きを検出するものであり、周回運動中のCVTベルト1を構成するエレメント3aは、この動きを伴う磁性体に相当するから、この場合、磁気センサ15の出力電流(b)は、正常値(“a”)の部分では、その部分のエレメント3aの頭部3bの配列ピッチに相当する周期Taで変化し、また、異常値(“b”)の部分では、その部分のエレメント3aの頭部3bの配列ピッチに相当する周期Tbで変化することとなり、したがって、その磁気センサ15の出力電流(b)を二値化した信号(c)の周期長(波形の立ち上がりから立ち上がりまでの長さ又は同立ち下がりから立ち下がりまでの長さ)を計測することにより、正常値(“a”)の部分と異常値(“b”)の部分の各々の周期(Ta、Tb)を区別して正しく計測することができる。
【0028】
そして、たとえば、基準周期発生部19で作られた基準周期を“Ta”相当としておけば、この基準周期“Ta”に一致しない異常周期“Tb”の存在を判定することができ、よって、エレメント3aの「ディンプル部形状不良」を再現性よく判定することができる。
【0029】
図3は、本実施形態におけるディンプル部形状不良の検査手順を示す流れ図である。この図において、まず、CVTベルト1を検査装置10にセット(ローラ11、12に掛け渡す)し(ステップS1)、次いで、水平移動機構14を作動させてCVTベルト1にテンションを与え(ステップS2)た後、モータ13を作動させてCVTベルト1を周回運動させる(ステップS3:運動付与工程)。
【0030】
そして、図2の原理を利用して、CVTベルト1のエレメント3aの頭部3bの配列ピッチを計測し(ステップS4:計測工程)、その計測結果と基準周期との一致/不一致を判定して(ステップS5:判定工程、ステップS6)、判定結果が「一致」であれば、CVTベルト1の周回数がn周(nは1又は1以上の整数)に達したか否かを判定し(ステップS7)、周回数がn周に達していれば、検査対象のCVTベルト1にディンプル部形状不良はないものと判断して表示部20で正常表示を行って(ステップS8)検査を終了する一方、周回数がn周に達していなければ、周期計測(ステップS4)以降を繰り返し実行し、また、判定結果が「不一致」であれば、検査対象のCVTベルト1にディンプル部形状不良が存在しているものと判断して表示部20で異常表示を行って(ステップS9)検査を終了する。
【0031】
このように、本実施形態によれば、アセンブリ状態のCVTベルト1をローラ11、12に掛け渡して所要のテンションを与え、周回運動をさせながら、磁気センサ15を含む検査部で、CVTベルト1のエレメント3aの頭部3bの配列ピッチを計測し(ステップS4)、その計測結果と基準周期との一致/不一致を判定(ステップS5、ステップS6)することにより、検査対象のCVTベルト1のディンプル部形状不良の有無を検査できるので、冒頭で説明した従来技術の問題点を解決することができる。
【0032】
つまり、アセンブリ状態のまま検査できるため、手間がかからないうえ、CVTベルト1の破棄を招くこともなく、しかも、機械的な判定を行っているため、人的過誤の入り込む余地があり得ず、検査結果の再現性も高い、という格別の効果が得られる。
【0033】
なお、上記の実施形態においては、磁気的手段(磁気センサ15)によって、CVTベルト1のエレメント3aの頭部3bの配列ピッチを計測するための信号を作り出しているが、これに限定されない。
【0034】
図4は、上記の実施形態の磁気センサ15の代替手段を示す図である。この図において、一対のローラ11、12に掛け渡された状態で一定方向に周回するCVTベルト1のエレメント3aの頭部3bを照明するための光源21が設けられており、さらに、CVTベルト1のエレメント3aの頭部3bからの反射光を受光して電気信号に変換するための受光素子22(計測手段)が設けられている。
【0035】
図5は、エレメント3aの頭部3bの写真を示す図である。この写真において、図面の横方向に積層された多数のエレメント3aのほぼ中央付近(ア)の隙間が広がっており、この部分のエレメント3aにディンプル部形状不良が生じている。
【0036】
光源21からの光で照明されたエレメント3aの頭部3bは、他の部分に比べて明るくなっており、この写真では横方向に断続する白光部分(イ)として認識されている。白光部分(イ)を子細に観察すると、隣り合うエレメント3aの間に暗い部分が存在している。この暗い部分の幅(図面の横方向の幅)は、ディンプル部形状不良の部分(アの部分)で他の部分よりも若干広くなっている。したがって、受光素子22の出力信号を二値化して、その周期を計測することにより、ディンプル部形状不良がない正常部分の周期“Ta”と、ディンプル部形状不良が存在する異常部分の周期“Tb”とを区別することができる。
【0037】
また、受光素子22の代わりにCCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いてもよい。つまり、これらの撮像素子によって、図5のような画像を撮影し、この画像から白色部分(イ)を取り出し、その白色部分に含まれる暗い部分の幅(図面の横方向の幅)を計測して、その計測結果からディンプル部形状不良が存在する異常部分の有無を判定してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態における検査装置10の概念的な構成図である。
【図2】CVTベルト1と磁気センサ15との位置関係図及び磁気センサ15の出力電流波形図並びに波形整形回路16の出力信号(二値化された信号)波形図である。
【図3】本実施形態におけるディンプル部形状不良の検査手順を示す流れ図である。
【図4】図1の実施形態の磁気センサ15の代替手段を示す図である。
【図5】エレメント3aの頭部3bの写真を示す図である。
【図6】CVTベルトの外観図及びエレメント3aの拡大図である。
【図7】エレメント3aの積層状態図、正常なエレメント3aの積層状態図及び異常なエレメント3aの積層状態図である。
【符号の説明】
【0039】
S3 ステップ(運動付与工程)
S4 ステップ(計測工程)
S5 ステップ(判定工程)
1 CVTベルト(無端ベルト)
3a エレメント
10 検査装置(無端ベルト用エレメント検査装置)
13 モータ(運動付与手段)
15 磁気センサ(計測手段)
17 周期計測部(計測手段)
18 判定部(判定手段)
22 受光素子(計測手段)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト式無段変速機に用いられる無端ベルトの構成部品であるエレメントの検査方法において、
前記無端ベルトに周回運動を与える運動付与工程と、
周回運動中の前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測する計測工程と、
前記計測工程の計測結果を所定の基準周期と比較して前記エレメントの積層異常箇所を判定する判定工程と
を含むことを特徴とする無端ベルト用エレメント検査方法。
【請求項2】
前記計測工程は、周回運動中の前記無端ベルトの外周側面に近接配置された磁気センサの出力信号に基づいて、前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測することを特徴とする請求項1記載の無端ベルト用エレメント検査方法。
【請求項3】
前記計測工程は、周回運動中の前記無端ベルトの外周側面に近接配置された受光素子又は撮像素子の出力信号に基づいて、前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測することを特徴とする請求項1記載の無端ベルト用エレメント検査方法。
【請求項4】
前記判定工程において、前記計測工程の計測結果を所定の基準周期と比較して不一致の場合には、前記無端ベルトのエレメントのディンプル部形状不良が存在するものと判断することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の無端ベルト用エレメント検査方法。
【請求項5】
ベルト式無段変速機に用いられる無端ベルトの構成部品であるエレメントの検査装置において、
前記無端ベルトに周回運動を与える運動付与手段と、
周回運動中の前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測する計測手段と、
前記計測手段の計測結果を所定の基準周期と比較して前記エレメントの積層異常箇所を判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする無端ベルト用エレメント検査装置。
【請求項6】
前記計測手段は、周回運動中の前記無端ベルトの外周側面に近接配置された磁気センサの出力信号に基づいて、前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測することを特徴とする請求項5記載の無端ベルト用エレメント検査装置。
【請求項7】
前記計測手段は、周回運動中の前記無端ベルトの外周側面に近接配置された受光素子又は撮像素子の出力信号に基づいて、前記無端ベルトのエレメントの積層周期を計測することを特徴とする請求項5記載の無端ベルト用エレメント検査装置。
【請求項8】
前記判定手段において、前記計測手段の計測結果を所定の基準周期と比較して不一致の場合には、前記無端ベルトのエレメントのディンプル部形状不良が存在するものと判断することを特徴とする請求項5乃至7いずれかに記載の無端ベルト用エレメント検査装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−97847(P2006−97847A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−286940(P2004−286940)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】