説明

皮膚の内在性カロテノイドの分解を阻止するための青色光遮蔽剤の使用;新規なアミノアリールビニル−S−トリアジン化合物及びその用途

【課題】皮膚に存在する内在性カロテノイド類の分解を阻害するための370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤及びそれを含有する皮膚外用剤の提供。
【解決手段】フラボノイドポリフェノール類、カロテノイド類、クロロフィル類、メラニン類、特定のアミノアリールビニル−s−トリアジン化合物、具体的には、2,4,6−トリス(2−エチルヘキシル−4’−イルアミノ−α−シアノシンナマート)−s−トリアミン等が遮蔽する薬剤として用いられる。
【効果】370−500nmの光線(青色光線に相当)を遮蔽し、皮膚内在性のカロテノイド類の蓄積を保ち、天然の肌色を保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する少なくとも一の薬剤の、皮膚に存在する内在性カロテノイド類の分解を阻害する薬剤としての、皮膚表面に適用される組成物の製造における使用に関する。
また本発明は、青色光線を遮蔽する薬剤としての、新規のアミノアリールビニル-s-トリアジン化合物、及びその美容用途に関する。
さらに本発明は、これらのアミノアリールビニル-s-トリアジン化合物を含有する化粧品用又は皮膚科学用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚は、日光の攻撃を被り、その結果、例えば、
− 皮膚の抗酸化能力の低下、脂質の過酸化、及び障壁機能の障害(Thiele, J.J. Skin Pharmacol. Appl. Skin Physiol. 2001;14 Suppl. 1:87-91)
− 皮膚の肌色の損害に帰着するタンパク質の酸化(「Photoaging is associated with protein oxidation in human skin in vivo」, Sander, C.S., Chang, H., Salzmann, S., Muller, C.S., Ekanayake-Mudiyanselage, S., Elsner, P., Thiele, J.J., J. Invest. Dermatol. 2002 Apr.;118(4):618-25)
等、酸化攻撃が増加することとなる。
【0003】
皮膚の生存層に存在する内在性カロテノイド類により、これらの攻撃に対し、皮膚は天然の生理学的保護がなされる。食物由来のこれらのカロテノイド類は、皮膚の肌色への寄与(赤/黄成分)を介して、皮膚の色調認識における重要な要因となる(Alaluf, S., Heinrich, U., Stahl, W., Tronnier, H., Wiseman, S.「Dietary carotenoids contribute to normal human skin color and UV photosensitivity」, J. Nutr. 2002 Mar;132(3):399-403)。
【特許文献1】特開平08−143466号公報
【特許文献2】特表2000−511923号公報
【特許文献3】特開平05−230040号公報
【特許文献4】特開平06−227959号公報
【特許文献5】特表2002−528540号公報
【特許文献6】特開昭63−208506号公報
【特許文献7】特開2002−128651号公報
【特許文献8】特開昭63−096120号公報
【特許文献9】特開平05−186322号公報
【特許文献10】特開平09−227533号公報
【特許文献11】特開平11−152219号公報
【特許文献12】特開2001−199831号公報
【特許文献13】特開2001−151657号公報
【特許文献14】特開2003−026559号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
皮膚の天然の肌色を保つために、皮膚に存在する内在性カロテノイド類の蓄積を保護することの美容的重要性は高く評価される。
皮膚に存在する内在性カロテノイドにより付与される天然の肌色及び天然の抗酸化保護性を保つための手段を発見することが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
多くの研究を行ったところ、本出願人は370〜500nmの範囲の波長の光線(青色光線に相当)が、皮膚の内在性カロテノイド類の蓄積を実質的に低減させる傾向を有していることを見出した。この技術的問題については今日までもたらされていない。よって、本出願人は、この発見に続いて、驚くべきことに、また予期しないことに、370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤を皮膚表面に適用することにより、皮膚の内在性カロテノイド類の蓄積を保つ手段を見出した。これにより、皮膚の良好な天然の抗酸化保護性、及び皮膚の良好な天然の肌色の保護性を同時に得ることができる。
また本出願人は、その処方が本記載に詳細に示され、370〜500nmの範囲の波長の光線を吸収する特性を有する新規のアミノアリールビニル-s-トリアジン化合物も発見した。
【0006】
よって、本発明の主題の一つは、370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する少なくとも一の薬剤の、皮膚に存在する内在性カロテノイド類の分解を阻害する薬剤としての、皮膚表面に適用される組成物の製造における使用にある。
本発明の他の主題は、以下、本記載において詳細に定義される一般式(III)の新規のアミノアリールビニル-s-トリアジンからなる。
【0007】
また本発明は、生理学的に許容可能な媒体に、これら一般式(III)のアミノアリールビニル-s-トリアジンを含有せしめてなる化粧品用又は皮膚科学用組成物に関する。
本発明の他の主題は、一般式(III)のアミノアリールビニル-s-トリアジン化合物の、370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤としての化粧品用組成物における使用からなる。
【0008】
「370〜500nmの波長の光線を遮蔽する薬剤」なる表現は、370〜500nmの光線を遮蔽可能な任意の無機物又は有機物、合成又は天然の化合物、又は該化合物の混合物で、皮膚に対して良好な融和性を有するものを意味する。前記範囲におけるそれらの吸収スペクトルは、好ましくは380〜450nmで吸収極大を示す。前記化合物は単なる分子又はポリマーであってよい。光の濾過は、吸収、反射及び/又は散乱現象に起因し得る。
【0009】
本発明で使用され得る370〜500nmの範囲の光線を遮蔽する薬剤としては:
(i)フラボノイドポリフェノール類、及び非フラボノイドポリフェノール類、及びそのエステル、エーテル、ヘテロシド(heteroside)及び高分子誘導体;
(ii)カロテノイド類及びβ-レイン類(laines);
(iii)クロロフィル類;
(iv)天然又は合成のメラニン類;
(v)炭水化物;
(vi)黄又はオレンジ-黄の無機顔料;
(vii)アゾ又はキノン化合物;
(viii)ニトロベンゼンベースの染料;
(ix)アリールビニレンケトンベースの化合物;
(x)アミノアリールビニル-s-トリアジン化合物;
及びそれらの混合物;
を挙げることができる。
本発明の特定の一形態において、本発明の370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤は、抗酸化活性を何ら有してはいない。このケースにおいて、それらは(v)ないし(x)の群又はそれらの混合物から選択される。
【0010】
I ポリフェノール類
a)フラボノイドポリフェノール類
本発明で使用され得るフラボノイドフェノール類としては、「Guide des teintures naturelles. Plantes, lichen, champignons, molusques et insectes [Guide of natural dyes.Plants, lichen, fungi, molluscs and insects]」、Delachaux and Niestleにより公開されたDominique Cardon, ISBN 2-603-00732-7, 「Comparative Biochemistry of the Flavonoids」, J.B. Harborne, Academic Press 1967, 及び特にHarborne, J.B.の本:「Methods in Plant Biochemistry」第1版, J.B. Harborne Ed.;Academic Press:London 1989に記載された、フラボン、フラバノール、イソフラボン、カルコン又はオーロン型の天然の黄又はオレンジ-黄染料を挙げることができる。
これらの染料において、最も一般的に知られている染料原理は、ルテオリン、オーレウシジン(aureusidin)、ブラクテアチン(bracteatin)、サルフレチン(sulfuretin)、マリチメイン(maritimein)、レプトシン(leptosin)、スルフリン(sulfurin)、フスチン(fustin)、クエルシチン(quercitin)、ルチン、アピゲニン、アピオシド(apioside)及びモリン、及びそれら全てのエステル、エーテル、ヘテロシド及び黄色の高分子誘導体である。
【0011】
本発明で使用され得るフラボノイドポリフェノール類としては、「Polyphenols:chemistry, dietary sources, metabolism and nutritional significance」, Bravo, L. Nutr. Rev. 1998 Nov;56(11):317-33に記載されているような、黄又はオレンジ-黄のプロアントシアニジンオリゴマー又は加水分解性(没食子酸、エラグ酸)及び非加水分解性(カテキン型)の濃縮タンニンポリマーで、天然又は合成由来のものを挙げることができる。
これらの染料において、最も一般的に知られている染料原理は、ブドウ、茶葉、コーヒー、ココア、チコリー、タマネギ又は黄リンゴの皮から抽出されるカテキンポリマー及びタンニン酸である。
【0012】
b)非フラボノイドポリフェノール類
本発明で使用され得る非フラボノイドポリフェノール類としては、「Guide des teinture naturelles. Plantes, lichen, champignons, molusques et insectes [Guide of natural dyes.Plants, lichen, fungi, molluscs and insects]」、Delachaux and Niestleにより公開されたDominique Cardon, ISBN 2-603-00732-7, 「Natural food colorants」, G.A.F. Hendry & J.D. Houghton, Blackie Academic & Professional, 1996, ISBN 0 7514 0231 1に記載されているような、フラビン(リボフラビン、リボフラビン-5'-ホスファート)及びクルクミン型で天然又は合成の黄又はオレンジ-黄染料を挙げることができる。
好ましく使用されるポリフェノール類は、高分子形態のもの、特にプロアントシアニジンオリゴマー又は加水分解性(没食子酸、エラグ酸)及び非加水分解性(カテキン型)の濃縮タンニンポリマー、さらにはブドウ、茶葉、コーヒー、ココア、チコリー、タマネギ又は黄リンゴの皮から抽出されるカテキンポリマー及びタンニン酸、リンゴからのプロシアニジンB2である。
【0013】
II カロテノイド類及びβ-レイン
本発明で使用され得るカロテノイド類には、例えばビキシン、クロセチン(crocetin)、クロシン(crocin)、ルテイン、ゼオアキサンチン(zeoaxanthin)、アスタキサンチン、カンタキサンチン(canthaxanthin)、カプサンチン(capsanthin)、クリプトキサンチン、ロドキサンチン及びルビキサンチン(rubixanthin)が含まれる。
本発明で使用され得るβ-レインとしては、バルガキサンチン(vulgaxanthins)I及びIIを挙げることができる。
【0014】
III クロロフィル類
本発明で使用され得るクロロフィル類としては、クロロフィルa、b、c及びd、及びその酸又はアルカリ加水分解物が、例えば選択される。
【0015】
IV メラニン類
溶解性又は顔料の形態である、天然又は合成由来のメラニン類としては、フェオメラニンに富むメラニン類を挙げることができる。
【0016】
V 炭水化物
本発明で使用され得る炭水化物としては、カラメル(caramel)等の、単糖類又は多糖類(グルコース、フルクトース又はスクロース)の加熱又は酸化により誘導される黄色く着色された生成物を挙げることができる。
【0017】
VI 黄又はオレンジの無機顔料
無機顔料としては、特に酸化鉄型のもの、さらには基本粒子径が100nm未満のナノ顔料、例えば、
− カペラ社(Capelle)から「カポキシト・ジャウネ(Cappoxyt jaune)4214X」の名称で販売されている透明な黄酸化鉄(10nmx100nmの針);
− BASF社から「透明酸化鉄」の名称で販売されている、ステアリンコートされた黄酸化鉄(10nm);
− 三菱(Mitsubishi)から「TY-220」の名称で販売され、微粉状にされた黄酸化鉄;
を挙げることができる。
【0018】
VII アゾ又はキノン型の染料
本発明で使用され得るキノン型の天然又は合成染料には、例えば黄又はオレンジ-黄のナフトキノン型のもの、及びその酸化生成物、例えばユグロン及びローソン(lawsone);アントラキノン型のもの、及びその黄又はオレンジ-黄酸化生成物で、皮膚を良好な融和性を有しているものが含まれる。
本発明で使用され得るアゾ型の染料としては、例えば次の構造:
【化1】

を有するタートラジンを挙げることができる。
【0019】
本発明で使用され得るアゾ型及びキノン型染料の特定の一ファミリーは、欧州特許出願第0839815号に記載され、次の式(1)、(2)又は(3):
【化2】

{上式(1)及び(2)中:
− Rは同一でも異なっていてもよく、C-C10アルキル、フェニル、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択され、R基の数の少なくとも80%はメチルであり、
− Bは同一でも異なっていてもよく、上述したR基及び以下に記載するA基から選択され、
− rは0〜50の整数であり、sは0〜20の整数であり、sが0の場合、2つの符合Bの少なくとも一はAを示し;
− uは1〜6の整数であり、
− tは0〜10の整数であり、
t+uは3以上であると理解され、
− R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル及びアルケニル基から選択され、
ここで符号Aは同一でも異なっていてもよく、次の式(4a)、(4b)、(4c)又は(4d):
【化3】

[上式中:
− Rは同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基、OH、C-Cアルコキシ、ヒドロキシ(C-C)アルキル、COOH、CONH、CN、SOH、ハロゲン、又はNO基、R及びRが同一でも異なっていてもよく、水素原子又はC-Cアルキル、ヒドロキシ(C-C)アルキル又はアミノ(C-C)アルキル基を示すNR基を表すか、又はそれらが結合している窒素原子と共同して、酸素又は硫黄原子が挿入されていてもよい5-又は6員の複素環を形成し、
− mは0〜2の整数であり、
− nは1又は2に等しい整数であり、
− Dは-SONH-、-CONH-又は-O-基、又はRがH又はCHである-NR-基であり、
− Wは次の式(5):
【化4】

又は次の式(6):
【化5】

の二価の基であり、
ここで:
− Rは、水素原子、ヒドロキシ基、又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-Cアルキル基を示し、
− Zは、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-Cアルコキシ基、又はOH基で置換されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-Cアルキレン基であり、
− pは0又は1に等しい整数である]
の基を示す}
のものからなる。
【0020】
本発明において特に好ましい、式(1)、(2)又は(3)の化合物は、次の:
− 4-(4-ジメチルアミノフェニルアゾ)-N-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]ベンゼンスルホンアミド[化合物(7)]:
【化6】

− 4-(4-ジメチルアミノフェニルアゾ)-N-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]ベンズアミド[化合物(8)]:
【化7】

− 2-(4-メトキシ-2-ニトロフェニルアゾ)-5-(3-トリメチルシラニルプロポキシ)フェノール[化合物(9)]:
【化8】

− 2,5-ビス-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]ベンゾキノン[化合物(10)]:
【化9】

− 2-クロロ-3-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]-[1,4]-ナフトキノン[化合物(11)]:
【化10】

− 2-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]-[1,4]-ナフトキノン[化合物(12)]:
【化11】

− 1-ヒドロキシ-4-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]アントラキノン[化合物(13)]:
【化12】

− 1,4-ビス[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]アントラキノン[化合物(14)]:
【化13】

である。
【0021】
VIII ニトロベンゼン染料
本発明で使用され得るニトロベンゼン直接染料としては、式(15)又は(16):
【化14】

又は
【化15】

{上式中:
− R'は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-C10アルキル、フェニル、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択され、R'基の数の少なくとも80%はメチルであり、
− B'は同一でも異なっていてもよく、上述したR'基及び以下に記載するA基から選択され、
− r'は0〜50の整数であり、s'は0〜20の整数であり、s'が0の場合、2つの符合Bの少なくとも一はAを示し;
− u'は1〜6の整数であり、t'は0〜10の整数であり、t'+u'は3以上であると理解され、
− 符号A'は、次の式(17):
【化16】

[上式中:
− Z'は二価の基:
【化17】

又は水素であり、
− xは1又は2であり、
− qは0〜10の整数を表し、
− Rは水素又はC-Cアルキル基を表し、
− R10は水素又はC-Cアルキル基、又は上述した二価の基Z'を表し、
− R11は水素、又はR12及びR13が水素又はC-Cアルキル基を表すNR1213基、C-Cモノヒドロキシアルキル又はジヒドロキシアルキル基、又は二価の基Zを表し、少なくとも一のZ'は:
【化18】

の二価の基を表すと理解され、
− R14は水素、OH、又はハロゲン原子、C-Cアルキル基、又はC-Cアルコキシ基を表す]
に相当し、ケイ素原子に直接結合する一価の基を示す}
の、国際公開第97/34904号に記載されているものを挙げることができる。
【0022】
本発明において特に好ましい式(15)の化合物は、次のもの:
【化19】

【化20】

である。
【0023】
IX アリールビニレンケトン型の化合物
本発明において、好ましくは380〜500nmの範囲の光線を遮蔽可能な、アリールビニレンケトン型の有機化合物として、次の式(I)及び(II):
【化21】

[上式中:
n=1又は2であり、
A''は、式(I)においてn=1である場合、又は式(II)においては、以下の式(a)ないし(d)から選択されるアリール基であり、また式(I)においてn=2である場合は、以下の式(e)ないし(h)から選択される基であり:
【化22】

ここで上式中:
− 符号R18はそれぞれ独立して、OH基、ハロゲン原子、ケイ素原子又はシロキサン基を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルキル基、ケイ素原子又はシロキサン基を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルコキシ基、直鎖状又は分枝状のC1−5アルコキシカルボニル基、又はケイ素原子、シロキサン基又はアミノ酸官能基を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルキルスルホンアミド基を表し、
− kは0〜3の整数を表し、
− lは0又は1を表し、
− R15は、水素又はOH基を表し、
− R16は、フェニルスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、シアノ基、シロキサン基又はケイ素原子を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルキル基、水素を表し、
− R17は、上述した一又は二のR18基で置換されていてもよく、二環を形成可能なフェニル基、シロキサン基、ケイ素原子を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルキル基を表し、
− R16及びR17は共に、ケイ素原子、シロキサン基又はアミノ酸官能基を有していてもよく、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキルスルホンアミド基で置換されていてもよく、他のカルボニルを含有可能で、一又は複数の窒素、硫黄及び酸素原子が挿入されていてもよい、一環式、二環式又は三環式のC2−10炭化水素ベース残基を形成してもよく;但しn=1の条件では、R16及びR17はショウノウ環を形成しない]
の一方に相当し、仏国特許出願第2827510号に記載されているものを挙げることができる。
【0024】
本発明で使用されてもよく、式(I)においてn=1である不溶性の化合物の例としては、次のファミリーのもの:
− スチリルケトン(花王(Kao)、日本国特許第04 134042号)、例えば1-(2,4,5-トリメトキシフェニル)-4,4-ジメチルペント-1-エン-3-オン(λmax362nm):
【化23】

− ベンジリデンクロマノン(花王、日本国特許第04 134043号)、例えば3-(3-エトキシ-4-ブトキシベンジリデン)-2,3,4a,8a-テトラヒドロクロメン-4-オン(λmax370nm):
【化24】

− ベンジリデンチオクロマノン(花王、日本国特許第04 134043号)、例えば3-(4-メトキシベンジリデン)-2,3,4a,8a-テトラヒドロクロメン-4-チオン:
【化25】

− ベンジリデンインダノン(花王、日本国特許第04 134043号)、例えば2-(3-メトキシ-4-ブトキシベンジリデン)インダン-1-オン:
【化26】

− ベンジリデンテトラロン(花王、日本国特許第04 134043号)、例えば2-(3-メトキシ-4-ブトキシベンジリデン)-3,4-ジヒドロ-2H-ナフタレン-1-オン:
【化27】

− ベンジリデンベンゾフラノン(花王、日本国特許第04 134041号)、例えば2-ベンジリデンベンゾフラン-3-オン(λmax395nm):
【化28】

− ベンジリデンインダンジオン、例えば2-(3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシベンジリデン)インダン-1,3-ジオン:
【化29】

− ベンジリデンベンゾチオフラノン(花王、日本国特許第04 134043号)、例えば2-ベンジリデンベンゾ[b]チオフェン-3-オン:(λmax428nm):
【化30】

− ベンジリデンピラゾロン、例えば4-(3-メトキシ-4-ブトキシベンジリデン)-5-メチル-2-フェニル-2,4-ジヒドロピラゾール-3-オン:
【化31】

− ベンジリデンイミダゾロン、例えば5-(3-メトキシ-4-ブトキシベンジリデン)-2-フェニル-3,5-ジヒドロイミダゾール-4-オン:
【化32】

− カルコン、例えば1-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロペノン:
【化33】

− ベンジリデンオン(ジベンゾイルメタン類の遮蔽互変異性体;ロレアル社の仏国特許第2506156号)、例えば3-ヒドロキシ-1-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-3-フェニルプロペノン:
【化34】

を挙げることができる。
【0025】
本発明で使用されてもよく、式(I)においてn=2である化合物の例としては、次のファミリーのもの:
− パラ-キシリデンケトン類(花王、日本国特許第04 134041号)、例えば次の化合物(36)(λmax380nm):
【化35】

− フェニレンビス(メチリデンノルショウノウ)(メルク社(Merck)の欧州特許第0693471号)、例えば2,5-ジメトキシフェニレン-1,4-ビス(3-メチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン):
【化36】

− フェニレンビス(メチリデンショウノウ)(ロレアル社の仏国特許第2528420号)、例えば2,5-ジヘキシルオキシフェニレン-1,4-ビス(3-メチリデン-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン):
【化37】

を挙げることができる。
【0026】
式(II)の化合物としては、次のファミリーのもの:
− ビス(ベンジリデン)シクロアルカノン(資生堂の日本国特許第88 051320号)、例えば2,5-ビス(4-ヘキシルオキシベンジリデン)シクロペンタノン:
【化38】

を挙げることができる。
また、2,5-ビス[4-(3-トリメチルシラニルプロピルオキシ)ベンジリデン]シクロペンタノン(λmax395nm):
【化39】

を挙げることもできる。
【0027】
X アミノアリールビニル-s-トリアジン化合物
特に使用されるアミノアリールビニル-s-トリアジン化合物としては、次の式(III):
【化40】

{上式中:
、A及びAは同一でも異なっていてもよく、次の式(IV)〜(VIII)の基から選択され、式(IV)〜(VII)の少なくとも一の基が存在すると理解され:
【化41】

ここで、上式中:
20は、水素、C-Cアルキル基、又はC-Cアルコキシ基を表し、
19は、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、直鎖状又は分枝状のC-C20ヒドロキシアルキル基、又は直鎖状又は分枝状のC-C20アルコキシ基を表し、
21は、C-Cアルコキシ基又はC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、メチル基、又は水素原子を表し、
22は、C-Cアルコキシ基又はC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基を表し、
は、-O-及び-Wの間の結合を付与する二価の基を表し、
は、a=1である場合に二価の基、a=2である場合に三価の基を表し、これは-NH-及び-(W)aの間の結合を付与するものであり、
及びZは、二重結合を有していてもよく、一又は複数のアミノ基又は一又は複数の酸素原子を含有可能で、一又は複数のヒドロキシル基で置換されていてもよいC-C12アルキレンとすることができ、
は:
(i)次の式(X):
【化42】

[上式中、R23は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C30炭化水素ベース基;C-Cハロ炭化水素(halohydrocarbon)基;フェニル基;3,3,3-トリフルオロプロピル基又はトリメチルシリルオキシ基を示し、bは1又は2に等しい]
の少なくとも一の単位を有するシリコーン基、
(ii)次の式(XI):
-SiR242526 (XI)
[上式中、R24、R25及びR26は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル及びアルケニル基から選択される]
の基、
のいずれかを表す}
に相当するものを挙げることができる。
【0028】
また、A、A及びA基は、直鎖状又は分枝状のアミノベンゾアート、アミノベンザルマロナート、アミノサリチラート、C-C20アミノシンナマート又はアントラニラートエステル基;アミノベンゾトリアゾール基;アミノベンジリデンショウノウ基;直鎖状又は分枝状のC-C20アルコキシ基及び直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたアリール基から好ましく選択されるUVB-及び/又はUVA-吸収性発色団を表してもよい。
【0029】
本発明の好ましい一形態において、Wは次の3つの式(XII)〜(XIV):
【化43】

【化44】

[上式中:
− R''は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C20アルキル基、フェニル基、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択され、R基の数の少なくとも80%はメチル基であり、
− r''は0〜50から選択される整数であり、
− s''は0〜20から選択される整数であり、
− u''は1〜6の整数であり、
− t''は0〜10の整数であり、
− t''+u''は3以上である]
の一つに相当するシリコーン基である。
【0030】
好ましく使用される上述した式(III)の化合物は、W基が式(XII)又は式(XIII)に相当するもの、すなわちシリコーン基が直鎖状のジオルガノシロキサン類であるものである。
本発明の範疇に入る直鎖状のジオルガノシロキサン基として特に好ましいものは、
特に好ましくは、次の特徴:
− R''はアルキル、さらに好ましくはメチルであり、
− r''は0〜3であり;sは0〜3である、
のうち、少なくとも1つ、好ましくは全てを示すランダム誘導体又は明確に定まったブロック誘導体である。
【0031】
特に好ましい式(III)の化合物は:
− 2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(4-メトキシフェニル)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
− 2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
− 2-(4'-イルアミノ-2-メタンスルホニルアクリロニトリル)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
− 2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-(トリメチルシラニルメチルイルアミノ)-s-トリアジン、
− 2,4-ビス(ブチル-4'-ジイルアミノベンゾアート)-6-(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジン、
− 2,4,6-トリス(イソブチル-4'-ジイルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジン、
− 2,4,6-トリス(2-エチルヘキシル-4'-ジイルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジン、
− 2,4-ビス(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
から選択される。
【0032】
式(III)の化合物として、そのいくつかはs-トリアジン化合物の化学文献において既に知られている。これらは:
− 3つの基、A、A及びAが同じ式(IV)に相当する、式(III)の化合物
− A及びAが式(IV)の基を示し、Aが式(VIII)又は(IX)の基を示す、式(III)の化合物
である。
【0033】
これらの化合物とは別に、式(III)の分子は新規であり、本発明の主題を構成する。式(III)の新規な化合物としては:
− 2,4-ビス(ブチル-4'-ジイルアミノベンゾアート)-6-(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジン;
− 2-(4'-イルアミノ-2-メタンスルホニルアクリロニトリル)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
を挙げることができる。
【0034】
式(III)の化合物は、次の反応概略式:
【化45】

[上式中、A、A及びAは上述にて定義したものであり、Xはハロゲン、特に塩素又は臭素を表す]
に従い得ることができる。
s-トリアジンに対する上述した種々の基A、A及びAのグラフト化は、互いに独立して、任意の順序で行ってよい。
好ましくは、アミノシリコーン又はアミノシラン鎖に相当する-O-Z-W基又は-NH-Z-(W)a基は、まずs-トリアジン、続いてA及びAにグラフトさせる。
【0035】
シロキサン誘導体の特定のケースにおいて、この基は先の概略式に記載されたようにして、アミノシロキサン誘導体を介してs-トリアジンに導入されるか、又は次の式(XIV)及び(XV):
【化46】

の不飽和アミノ誘導体を介して導入されてよく、続いて、次の式(XVI):
【化47】

の誘導体と導入された不飽和物とがヒドロシリル化反応する。
アミノシロキサン類の調製は、例えば英国特許第2185984号に記載されている。本発明の化合物の調製に特に適したアミノシロキサン類としては、アミノプロピルヘプタメチルトリシロキサン、アミノイソブチルヘプタメチルトリシロキサン又はトリメチルシリルアモジメチコーン類、例えば:2.8meq/グラムのアミン数を有し、ダウ・コーニング社(Dow Corning)から「X2-8260」の商品名で販売されている製品;0.47meq/グラムのアミン数を有し、ワッカー社(Wacker)から「SLM55051/3」の商品名で販売されている製品;C12ジメチルアルキルPDMSs、例えば1.2meq/グラムのアミン数を有し、ワッカー社から「SLM23046/1」の商品名で販売されている製品;α,ω-トリメチル-ポリメチルアルキル(脂肪)アリールアルキルシロキサン類、例えば1.3meq/グラムのアミン数を有し、ワッカー社から「SLM23056/2」の商品名で販売されている製品;アルキル部位のα及びω位にNH2基があるPDMSs、例えばゴールドシュミット社(Goldschmidt)から、0.86meq/グラムのアミン数を有し、「テゴマー(Tegomer)A-SI2320」」、1.95meq/グラムのアミン数を有し、「テゴマーA-SI2120」の商品名で販売されている製品を挙げることができる。
【0036】
環状のアミノシロキサン類の調製は、例えばA. Kopylov, Zh. Obshch. Khim., 54(2), 367-71(1984)の論文に記載されている。
またアミノシラン類の調製は、例えばJ.P. Picard, Can. J. Chem., 78(11), 1363-1379(2000)の論文、又は欧州特許第321174号に記載されている。
【0037】
本発明の化合物の調製に特に適したアミノシラン誘導体としては、アミノプロピルトリメチルシラン、アミノメチルトリメチルシラン、及び1,1-ビス(トリメチルシリル)メチルアミンを挙げることができる。
上述した反応は、場合によっては、溶媒、例えばトルエン又はキシレン、又はアセトン/水の混合物の存在下で実施されてもよい。
また上述した反応は、塩基、例えば水酸化ナトリウム、カルボナート類又はアミンの存在下で実施されてもよい。
【0038】
ないしA基に相当する化合物AHないしAHは、公知の方法に従い調製され得る。
アミノシアノアクリラート誘導体の調製は、例えばJ. Soc. Dyers Colour.(1977), 93, pp.126-133の論文に記載されている。本発明の化合物の調製に特に適したアミノシアノアクリラート誘導体としては、2-エチルヘキシル-α-シアノ-4-アミノシンナマートを挙げることができる。
【0039】
本発明の370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤は、好ましくは組成物の全重量に対して0.1重量%〜15重量%、特に0.1重量%〜10重量%の範囲の濃度で組成物に好ましく存在する。
本発明の組成物は、外側に局所適用するのに適している。それらは、化粧品及び皮膚科学で通常提案されており、皮膚表面に適用される任意のガレノス(galenical)形態であってよい。それらは特に少なくとも一の脂肪相を含有し、油性溶液、水中油型、油中水型又は多相エマルション、シリコーンエマルション、マイクロエマルション又はナノエマルション、油性ゲル、又は液状、ペースト状又は固体状の無水生成物の形態であってよい。
【0040】
本発明の組成物は、皮膚の天然の肌色を保護するための化粧品であってよい。
また本発明の組成物は、皮膚の天然の抗酸化保護のための化粧品であってよい。
さらに本発明の組成物は、日光に起因する皮膚疾患、例えば日光蕁麻疹、光線性皮膚炎及び色素沈着斑点の処置のための皮膚科学用製品であってもよい。
【0041】
本発明の組成物は、水溶性又は脂溶性又は一般的に使用されている化粧品用溶媒に不溶である、少なくとも一のUVA-活性及び/又はUVB-活性のある有機光保護剤、及び/又は少なくとも一のUVA-活性及び/又はUVB-活性のある無機光保護剤(吸収剤)をさらに含有してよい。
有機光保護剤は、特にアントラニラート類;ケイ皮酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;サリチル酸誘導体;ショウノウ誘導体;トリアジン誘導体、例えば米国特許第4367390号、欧州特許第863145号、欧州特許第517104号、欧州特許第570838号、欧州特許第796851号、欧州特許第775698号、欧州特許第878469号、欧州特許第933376号、欧州特許第507691号、欧州特許第507692号、欧州特許第790243号及び欧州特許第944624号に記載されているもの;ベンゾフェノン誘導体;β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロマート誘導体;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン類;欧州特許第669323号及び米国特許第2463264号に記載されているビス-ベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;メチレンビス(ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール誘導体、例えば米国特許第5237071号、米国特許第5166355号、英国特許出願第2303549号、独国特許出願第19726184号及び欧州特許第893119号に記載されているもの;欧州特許出願第0832642号、欧州特許出願第1027883号、欧州特許出願第1300137号及び独国特許出願第10162844号に記載されているベンゾオキサゾール誘導体;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン類、例えば特に国際公開第93/04665号に記載されているもの;α-アルキルスチレンから誘導された二量体、例えば独国特許出願第19855649号に記載されているもの;4,4-ジアリールブタジエン類、例えば欧州特許出願第0967200号、独国特許出願第19755649号、欧州特許出願第1133980号及び欧州特許出願第1133981号に記載されているもの、及びそれらの混合物から選択される。
【0042】
UVA-活性及び/又はUVB-活性のある有機光保護剤の例としては、INCI名で以下に示すものが挙げられる:
パラ-アミノ安息香酸誘導体
− PABA、
− エチルPABA、
− エチル-ジヒドロキシプロピルPABA、
− 特にISP社から「エスカロール(Escalol)507」の名称で販売されているエチルヘキシル-ジメチルPABA、
− グリセリルPABA、
− BASF社から「ユビヌル(Uvinul)P25」の名称で販売されているPEG-25PABA。
【0043】
サリチル酸誘導体
− ロナ(Rona)/EMインダストリーズから「ユーソレックス(Eusolex)HMS」の名称で販売されているホモサラート(homosalate)、
− ハーマン・アンド・レイマー社(Haarmann and Reimer)から「ネオ・ヘリオパン(Neo Heliopan)OS」の名称で販売されているサリチル酸エチルヘキシル、
− スケル社(Scher)から「ディピサル(Dipsal)」の名称で販売されているジプロピレングリコールサリチラート、
− ハーマン・アンド・レイマー社から「ネオ・ヘリオパンTS」の名称で販売されているTEAサリチラート。
ジベンゾイルメタン誘導体
− 特に、ホフマン・ラ・ロシュ社(Hoffmann LaRoche)から「パルソール(Parsol)1789」の商品名で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタン、
− イソプロピルジベンゾイルメタン。
【0044】
ケイ皮酸誘導体
− 特に、ホフマン・ラ・ロシュ社から「パルソールMCX」の商品名で販売されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
− メトキシケイ皮酸イソプロピル、
− ハーマンアンドレイマー社から「ネオ・ヘリオパンE1000」の商品名で販売されているメトキシケイ皮酸イソアミル、
− シノキサート、
− メトキシケイ皮酸DEA、
− メチルケイ皮酸ジイソプロピル、
− ジメトキシケイ皮酸エチルヘキサン酸グリセリル。
【0045】
β,β-ジフェニルアクリラート誘導体
− 特に、BASF社から「ユビヌルN539」の商品名で販売されているオクトクリレン(Octocrylene)、
− 特に、BASF社から「ユビヌルN35」の商品名で販売されているエトクリレン(Etocrylene)。
【0046】
ベンゾフェノン誘導体
− BASF社から「ユビヌル400」の商品名で販売されているベンゾフェノン-1、
− BASF社から「ユビヌルD50」の商品名で販売されているベンゾフェノン-2、
− BASF社から「ユビヌルM40」の商品名で販売されているベンゾフェノン-3又はオキシベンゾン、
− BASF社から「ユビヌルMS40」の商品名で販売されているベンゾフェノン-4、
− ベンゾフェノン-5、
− ノークウェイ社(Norquay)から「ヘリソーブ(Helisorb)11」の商品名で販売されているベンゾフェノン-6、
− アメリカン・シアナミド社(American Cyanamid)社から「スペクトラ-ソーブ(Spectra-Sorb)UV-24」の商品名で販売されているベンゾフェノン-8、
− BASF社から「ユビヌルDS-49」の商品名で販売されているベンゾフェノン-9、
− ベンゾフェノン-12、
− 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル。
【0047】
ベンジリデンショウノウ誘導体
− シメックス社(Chimex)から「メギゾリル(Mexoryl)SD」の名称で製造されている3-ベンジリデンショウノウ、
− メルク社から「ユーソレックス(Eusolex)6300」の名称で販売されている4-メチルベンジリデンショウノウ、
− シメックス社から「メギゾリルSL」の名称で製造されているベンジリデンショウノウスルホン酸、
− シメックス社から「メギゾリルSO」の名称で製造されているメト硫酸ショウノウベンザルコニウム、
− シメックス社から「メギゾリルSX」の名称で製造されているテレフタリリデンジショウノウスルホン酸、
− シメックス社から「メギゾリルSW」の名称で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウ。
【0048】
ベンゾイミダゾール誘導体
− 特に、メルク社から「ユーソレックス232」の商品名で販売されているフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
− ハーマン・アンド・レイマー社から「ネオ・ヘリオパンAP」の商品名で販売されているフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム。
【0049】
トリアジン誘導体
− チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals)から「チノソーブ(Tinosorb)S」の商品名で販売されているアニソトリアジン、
− 特に、BASF社から「ユビヌルT150」の商品名で販売されているエチルヘキシルトリアゾン、
− シグマ3V社(Sigma 3V)から「ユバソーブ(Uvasorb)HEB」の商品名で販売されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
− 2,4,6-トリス(ジイソブチル-4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン。
ベンゾトリアゾール誘導体
− ロ−ディア・シミー社(Rhodia Chimie)から「シラトリゾール(Silatrizole)」の名称で販売されているドロメトリゾール(Drometrizole)トリシロキサン、
− チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社から「チノソーブM」の商品名で水性分散液におけるマイクロ化形態のものとして、もしくはフェアマウント・ケミカル社(Fairmount Chemical)から「ミキシム(Mixxim)BB/100」の商品名で固体形態のものとして販売されているメチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール。
【0050】
アントラニル誘導体
− ハーマン・アンド・レイマー社から「ネオ・ヘリオパンMA」の商品名で販売されているアントラニル酸メンチル。
イミダゾリン誘導体
− エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナート。
ベンザルマロナート誘導体
− ホフマン・ラ・ロシュ社から「パルソールSLX」の商品名で販売されているポリシリコーン-15等のベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン。
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
− 1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
及びそれらの混合物。
【0051】
特に好ましい有機光保護剤は次の化合物:
− サリチル酸エチルヘキシル、
− ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
− メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
− オクトクリレン、
− フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
− テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、
− ベンゾフェノン-3、
− ベンゾフェノン-4、
− ベンゾフェノン-5、
− 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
− 4-メチルベンジリデンショウノウ、
− フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム
− アニソトリアジン、
− エチルヘキシルトリアゾン、
− ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
− 2,4,6-トリス(ジイソブチル-4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
− メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
− ドロメトリゾールトリシロキサン、
− ポリシリコーン-15、
− 1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
− 2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
及びそれらの混合物、
から選択される。
【0052】
また無機光保護剤は、金属酸化物で被覆又は非被覆の顔料又はナノ顔料(一次粒子の平均径:一般的に5nm〜100nm、好ましくは10nm〜50nm)、例えば、それ自体、全てUV光保護剤としてよく知られている酸化チタン(アモルファス、又はルチル及び/又はアナターゼ型の結晶)、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔料から選択される。また、標準的なコーティング剤は、アルミナ及び/又はステアリン酸アルミニウムである。このような、被覆又は非被覆の金属酸化物のナノ顔料は、特に、欧州特許出願第518772号及び欧州特許出願第518773号に記載されている。
【0053】
処理されたナノ顔料は、例えばCosmetics & Toiletries, 1990年2月, Vol.105, p.53-64に記載されている化合物、例えばアミノ酸、ミツロウ、脂肪酸、脂肪アルコール類、アニオン性界面活性剤、レシチン類、脂肪酸のナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄又はアルミニウム塩、金属(チタン又はアルミニウムの)アルコキシド類、ポリエチレン、シリコーン類、タンパク質(コラーゲン又はエラスチン)、アルカノールアミン類、酸化ケイ素、金属酸化物、ヘキサメタリン酸ナトリウム、アルミナ又はグリセロールを用い、化学的、電気的、メカノケミカル及び/又は機械的な表面処理を、一又は複数回被った顔料である。
【0054】
処理されたナノ顔料は、特に:
− チオキシド社(Tioxide)の製品「チオベイル・フィン(Tioveil Fin)」、「チオベイルOP」、「チオベイルMOTG」及び「チオベイルIPM」、及びタイカ社(Tayca)の製品「マイクロチタンジオキシドMT100SA」及び「マイクロチタンジオキシドMT500SA」等の、アルミナ及びシリカ、
− タイカ社の製品「マイクロチタンジオキシドMT100T」等の、ステアリン酸アルミニウム及びアルミナ、
− タイカ社の製品「マイクロチタンジオキシドMT100S」等の、ラウリン酸アルミニウム及びアルミナ、
− タイカ社の製品「マイクロチタンジオキシドMT100F」等の、ステアリン酸鉄及び酸化鉄、
− タイカ社の製品「マイクロチタンジオキシドMT100SAS」、「マイクロチタンジオキシドMT600SAS」、及び「マイクロチタンジオキシドMT500SAS」等の、シリカ、アルミナ及びシリコーン、
− タイカ社の製品「マイクロチタンジオキシドMT150W」等の、ヘキサメタリン酸ナトリウム、
− デガッサ社(Degussa)の製品「T-805」等の、オクチルトリメトキシシラン、
− ケミラ社(Kemira)の製品「UVT-M160」等の、ステアリン酸及びアルミナ、
− ケミラ社の製品「UVT-M212」等の、グリセロール及びアルミナ、
− ケミラ社の製品「UVT-M262」等の、シリコーン及びアルミナ、
で処理された酸化チタンである。
【0055】
未処理の酸化チタンは、例えばタイカ社から「マイクロチタンジオキシドMT500B」又は「マイクロチタンジオキシドMT600B」の商品名で販売されているものであってよい。
未処理の酸化亜鉛は、例えば「Z-コート(Cote)」の名称でサンスマート社(Sunsmart)から、又は「MZO-25」の名称でイケダ社から、「フィネックス(Finex)25」の名称でプレスパース社(Presperse)から、「ウルトラファインジンクオキシドパウダー(Ultra Fine Zinc Oxide Powder)」の名称でスミトモ(Sumitomo)から販売されているものであってよい。処理された酸化亜鉛は、例えば「Z-コートHP1」の名称でサンスマート社から販売されているものであってよい。
ナノ顔料は、例えば英国特許公開第2206339号に記載されているように、未変性の形態又は着色ペーストの形態、すなわち分散剤との混合物として本発明の組成物に導入され得る。
光保護剤は、一般的に組成物の全重量に対して0.01重量%〜20重量%、好ましくは組成物の全重量に対して0.1重量%〜10重量%の範囲の割合で、本発明の組成物に存在している。
【0056】
また、本発明の組成物は、皮膚を人工的にサンタン状態にする、及び/又は褐色にするための薬剤(自己サンタン剤)、特にジヒドロキシアセトン(DHA)をさらに含有してもよい。それらは、好ましくは組成物の全重量に対して0.1重量%〜10重量%の範囲の量で存在している。
【0057】
また本発明の組成物は、特に、脂肪物質、有機溶媒、イオン性又は非イオン性で親水性又は親油性の増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定剤、エモリエント、シリコーン類、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性又は両性の界面活性剤、活性剤、フィラー、ポリマー類、噴霧剤、アルカリ性又は酸性化剤、又は化粧品及び/又は皮膚科学において通常使用されている任意の他の成分から選択される標準的な化粧品用アジュバントをさらに含有してもよい。
【0058】
脂肪物質は油又はロウ又はそれらの混合物からなり得る。「油」という用語は、室温で液状の化合物を意味する。「ロウ」という用語は、室温で固体又は実質的に固体であり、その融点が一般的に35℃を越える化合物を意味する。
挙げることのできる油には、鉱物性油(パラフィン);植物性油(スイートアルモンド油、マカダミア油、グレープシード油又はホホバ油);合成油、例えばペルヒドロスクワレン、脂肪アルコール、脂肪酸又は脂肪エステル(例えばウィトコ社(Witco)から「フィンソルブ(Finsolv)TN」の商品名で販売されているC12-C15安息香酸、パルミチン酸オクチル、ラノリン酸イソプロピル、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリドを含むトリグリセリド類)、オキシエチレン化又はオキシプロピレン化された脂肪エステル及びエーテル;シリコーン油(シクロメチコーン、及びポリジメチルシロキサン、又はPDMS)又はフルオロ油、ポリアルキレン類が含まれる。
挙げることのできるロウ状化合物には、パラフィン、カルナウバロウ、ミツロウ、及び硬化ヒマシ油が含まれる。
【0059】
有機溶媒としては、低級アルコール及びポリオールを挙げることができる。これらのポリオールは、グリコール類及びグリコールエーテル、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコールから選択される。
【0060】
挙げることのできる親水性増粘剤には、カルボキシビニルポリマー、例えばカルボポール(Carbopol)製品(カーボマー(carbomers))及びペムレン(Pemulen)製品(アクリラート-C10-C30アルキルアクリラートコポリマー);ポリアクリルアミド類、例えばセピック社(SEPPIC)からシムルゲル(Simulgel)600(CTFA名:アクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー/イソヘキサデカン/ポリソルベイト-80)又はセピゲル(Sepigel)305(CTFA名:ポリアクリルアミド/C13-C14イソパラフィン/ラウレス(laureth)-7)の名称で販売されている架橋したコポリマー;架橋した及び/又は中和されていてもよい2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のポリマー及びコポリマー、例えばヘキスト社(Hoechst)から「ホスタセリン(Hostacerin)AMPS」の名称で販売されているポリ(2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸)(CTFA名:アンモニウム-ポリアクリルジメチルタウラミド);セルロースベースの誘導体、例えばヒドロキシエチルセルロース;多糖類、特にガム、例えばキサンタンガム;及びそれらの混合物が含まれる。
挙げることのできる親油性増粘剤には、変性クレー類、例えばヘクトライト及びその誘導体、例えばベントーンの名称で販売されている製品が含まれる。
【0061】
活性剤としては:
− 汚染防止剤及び/又はフリーラジカル捕捉剤;
− 脱色素剤及び/又は色素誘発(propigmenting)剤;
− 抗糖化剤;
− NO-シンターゼインヒビター;
− 真皮又は表皮の高分子の合成を刺激し、及び/又はそれらの分解を防止する薬剤;
− 線維芽細胞の増殖を刺激するための薬剤;
− ケラチノサイトの増殖を刺激するための薬剤;
− 筋肉弛緩剤;
− 緊張剤(tensioning agents);
− 落屑剤;
− 保湿剤;
− 抗炎症剤;
− 細胞のエネルギー代謝に作用する薬剤;
− 昆虫忌避剤;
− サブスタンスP又はCGRPアンタゴニスト;
を挙げることができる。
【0062】
言うまでもなく、当業者であれば、本発明の化合物に固有の有利な特性が、考慮される添加により悪影響を受けないか、実質的に受けないように留意して、上述した任意の付加的な化合物(類)及び/又はその量を選択するであろう。
【0063】
本発明の組成物は、当業者によく知られた技術、特に、水中油型又は油中水型のエマルションの調製を意図した技術により調製され得る。それらは、特に、単一又は複合エマルション(O/W、W/O、O/W/O又はW/O/Wエマルション)の形態、例えばクリーム又はミルク、ゲル又はクリームゲルの形態、又はローション、パウダー又はチューブ状固形物の形態であってもよく、また、任意にエアゾールとして包装されてもよく、ムース又はスプレーの形態であってもよい。
好ましくは、本発明の組成物は、水中油型又は油中水型エマルションの形態である。
【0064】
エマルジョンは、一般に、両性、アニオン性、カチオン性又は非イオン性乳化剤から選択される乳化剤を少なくとも一つ含み、それらは、単独で又は混合物の形態で使用される。乳化剤は得られるエマルション(W/O又はO/W)によって、適切に選択される。
【0065】
W/Oエマルションの調製に使用され得る乳化界面活性剤として挙げることのできる例には、例えば、ダウ・コーニング社から「DC5225C」の名称で市販されている、シクロメチコーンとジメチコーンコポリオールの混合物等のジメチコーンコポリオール、並びに、ダウ・コーニング社から「ダウ・コーニング5200フォーミュレーション・エイド」の名称で販売されているラウリルジメチコーンコポリオール等のアルキルジメチコーンコポリオール;ゴールドシュミット社から「アビル(Abil)EM90R」の名称で市販されている製品等のセチルジメチコーンコポリオール、及びゴールドシュミット社からアビルWE09の名称で販売されているポリグリセリルイソステアラート(4mol)及びラウリン酸ヘキシルの、セチルジメチコーンコポリオール混合物が含まれる。一又は複数の共乳化剤を添加することも可能であり、有利には、ポリオールアルキルエステルを含む群から選択されることができる。特に挙げることのできるポリオールアルキルエステルには、グリセロール及び/又はソルビタンのエステル、例えばゴールドシュミット社からイソラン(Isolan)GI34の名称で販売されている製品等のポリグリセリルイソステアラート、ICI社からアルラセル(Arlacel)987の名称で販売されている製品等のソルビタンイソステアラート、ICI社からアルラセル986の名称で販売されている製品等のソルビタングリセリルイソステアラート、及びそれらの混合物が含まれる。
【0066】
O/Wエマルション用として挙げることのできる乳化剤の例には、非イオン性乳化剤、例えばオキシアルキレン化(特にポリオキシエチレン化)されたグリセロールの脂肪酸エステル;オキシアルキレン化されたソルビタンの脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)された脂肪酸エステル;オキシアルキレン化(オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化)された脂肪酸アルキルエーテル;糖エステル、例えばスクロースステアラート;糖類、特にポリアルキルグルコシド類(APG)の脂肪アルキルエーテル、例えばヘンケル社(Henkel)から、それぞれプランタレン(Plantaren)2000及びプランタレン1200の名称で販売されているデシルグルコシド及びラウリルグルコシド、例えばセピック社からモンタノブ(Montanov)68の名称で、ゴールドシュミット社からテゴケア(Tegocare)CG90の名称で、ヘンケル社からエミュルゲート(Emulgade)KE3302の名称で販売されている、セトステアリルアルコールとの混合物であってよいセトステアリルグルコシド、及びセピック社からモンタノブ202の名称で販売されている、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール及びアラキジルグルコシドの混合物の形態であるアラキジルグルコシドが含まれる。本発明の特定の一実施態様において、上述したアルキルポリグルコシドと対応する脂肪アルコールとの混合物は、例えば国際公開第92/06778号に記載されたような半乳化組成物の形態であってよい。
【0067】
エマルションである場合、このエマルションの水相は、公知の方法[バンガム(Bangham)、スタンディッシュ(Standish)及びワトキンス(Watkins)、J. Mol. Biol. 13, 238(1965)、仏国特許第2315991号及び仏国特許第2416008号]により調製される非イオン性の小胞体分散液を含有してもよい。
本発明を限定するものではなく、例示するための実施例を以下に付与する。
【実施例】
【0068】
実施例1:2,5-ビス[4-(3-トリメチルシラニルプロピルオキシ)ベンジリデン]シクロペンタノンの合成
【化48】

第1工程:4-(3-トリメチルシラニルプロピルオキシ)ベンズアルデヒドの調製:
3-クロロプロピルトリメチルシラン(33.14g、0.22mol)を、150mlの乾燥DMFに4-ヒドロキシベンズアルデヒド(24.4g、0.2mol)と炭酸カリウム(30.4g、0.22mol)の混合物が入ったものに、10分以上かけて滴下し、窒素下で120℃にする。混合物を120-130℃で2時間30分放置する。反応混合物を冷却し、氷冷水に注ぐ。ジクロロメタンで水相を3回抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮する。真空下(0.2mmHg)で蒸留したところ、40.5g(収率:86%)の4-(3-トリメチルシラニルプロピルオキシ)ベンズアルデヒドが、110-114℃で蒸留される無色の油の形態で得られ、これはさらに精製することなく、次の工程で使用される。
【0069】
第2工程:実施例1の誘導体の調製:
22mlの水に溶解された4.2gの水酸化ナトリウム(0.105mol)を、200mlのメタノールに先の生成物(26.2g、0.105mol)とシクロペンタノン(4.2g、0.05mol)の混合物が入ったものに、攪拌しつつ、35℃、窒素下にて、15分以上かけて滴下する。混合物を6時間還流する。冷却し、得られた黄色の沈殿物を濾過し、水で十分に洗浄する。乾燥後、25g(収率:96%)の実施例1の誘導体が、黄色固形物の形態で得られる。
−融点:205−207℃
−UV(CHCl) λmax=395nm、εmax=49100、E1%=940。
−C3144Siとしての元素分析
算出値:C 71.49 H 8.51 Si 10.78
実測値:C 71.15 H 8.78 Si 10.47
【0070】
実施例2:2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(4-メトキシフェニル)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
第1工程:エチル-3-{4-[4-クロロ-6-(メトキシフェニル)[1,3,5]トリアジン-2-イルアミノ]フェニル}-2-シアノアクリラートの調製:
25mlの重炭酸ナトリウム水溶液(2.1g、0.025mol)と50mlのアセトンに溶解させたエチル-3-(4-アミノフェニル)-2-シアノアクリラート(5.4g、0.025mol)の溶液を、60mlのアセトンに2,4-ジクロロ-6-(4-メトキシフェニル)[1,3,5]トリアジン(6.4g、0.025mol)が入った溶液に、50℃で1時間以上かけて滴下する。1時間、攪拌し続ける。吸引により沈殿物を濾過した後、水で洗浄して乾燥させたところ、エチル-3-{4-[4-クロロ-6-(メトキシフェニル)[1,3,5]トリアジン-2-イルアミノ]フェニル}-2-シアノアクリラート(7.5g、収率=94%)が得られ、この生成物は次の特徴を有するものであった;
−黄色固形物
−UV(DMSO/CHCl) λmax=375nm、εmax=36850
【0071】
第2工程:実施例2の化合物の調製:
先の誘導体(4.3g、0.01mol)を50mlのトルエンに懸濁する。1-アミノ-3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロパン(5.6g、0.02mol)をそこに添加し、攪拌しつつ混合物を、窒素でスパージング(sparging)しながら、90℃で2時間加熱する。得られた混合物を所定の乾燥度になるまで蒸発させ、得られた油をヘプタンに溶解する。得られた沈殿物をシリカカラム(溶離液:CHCl)によるクロマトグラフィーで精製する。3.2g(収率:47%)の実施例2の誘導体が、光沢のある黄色固形物の形態で得られる:
−UV(エタノール) λmax=390nm、εmax=44640
−C3246Siとしての元素分析
算出値:C 56.61 H 6.83 N 12.38 Si 12.41
実測値:C 56.32 H 6.89 N 12.40 Si 12.60
【0072】
実施例3:2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
第1工程:エチル-3-{4-[4-クロロ-6-(4-ペンタノイルフェニルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イルアミノ]フェニル}-2-シアノアクリラートの調製:
25mlの重炭酸ナトリウム水溶液(4.9g、0.058mol)と120mlのアセトンに溶解させたエチル-3-(4-アミノフェニル)-2-シアノアクリラート(12.5g、0.058mol)の溶液を、50℃にされた50mlのDMFに2-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-4,6-ジクロロ-s-トリアジン(19.7g、0.058mol)が入った溶液に、50℃で1時間以上かけて滴下する。80℃で2時間、攪拌し続ける。アセトンを除去し、反応混合物を水で希釈する。得られた固形物を濾過し、水で洗浄して乾燥させる。エチル-3-{4-[4-クロロ-6-(4-ペンタノイルフェニルアミノ)-[1,3,5]トリアジン-2-イルアミノ]フェニル}-2-シアノアクリラート(12.5g、収率=41%)が得られ、この生成物は次の特徴を有するものであった;
−黄色固形物
−UV(DMSO/CHCl) λmax=376nm、εmax=26870
λmax=297nm、εmax=28180
【0073】
第2工程:
先の誘導体(10.4g、0.02mol)を100mlのトルエンに懸濁する。1-アミノ-3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロパン(11.2g、0.04mol)をそこに添加し、攪拌しつつ混合物を、窒素でスパージングしながら、90℃で2時間加熱する。得られた混合物を所定の乾燥度になるまで蒸発させ、得られた油をヘプタンに溶解する。得られたペーストをシリカカラム(溶離液:70/30:ヘプタン/EtOAc)によるクロマトグラフィーで2回精製する。2g(収率:12%)の実施例3の生成物が、光沢のある黄色固形物の形態で得られる:
−UV(エタノール) λmax=388nm、εmax=36000
λmax=301nm、εmax=40120
−C3653Siとしての元素分析
算出値:C 56.59 H 6.99 N 12.83 Si 11.03
実測値:C 56.41 H 6.84 N 12.81 Si 10.82
【0074】
実施例4:2,4-ビス(ブチル-4'-ジイルアミノベンゾアート)-6-(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジンの調製:
第1工程:2,4-ビス(ブチル-4'-ジイルアミノベンゾアート)-6-クロロ-s-トリアジンの調製:
15mlのジオキサンに溶解させたアミノ安息香酸ブチル(9.94g、0.0515mol)を、100mlのジオキサンに塩化シアヌル(9.2g、0.05mol)を溶解させた溶液に滴下し、ついで、15mlの水に3.5gの炭酸化合物を溶解させたものを添加する。ついで、反応媒体を40℃にし、さらに15mlのジオキサンに溶解させた9.94gのアミノ安息香酸ブチル、次に3.5gの炭酸カリウムを添加する。ついて、65℃で3時間攪拌し続ける。反応媒体を濾過する。250mlの水を濾液に添加する。形成された沈殿物を吸引濾過し、乾燥させ、250mlのトルエン中で再結晶化させる。16.5g(収率:66%)の予期された抽出物が、白色パウダーの形態で得られる。
【0075】
第2工程:実施例4の化合物の調製
100mlのトルエンにおいて、先の誘導体(10g、0.033mol)、及び2-エチルヘキシル-3-(4-アミノフェニル)-2-シアノアクリラート(16.4g、0.033mol)を2時間還流する。濃縮後、ペースト状の残留物を95/5の温イソプロパノール/水の混合物に溶解する。得られた黄色の沈殿物を真空下で乾燥させる。12g(収率:48%)の実施例4の生成物が得られ、この生成物は次の特徴を有するものであった;
−光沢のある黄色固形物
−UV(エタノール) λmax=389nm、εmax=42210
λmax=312nm、εmax=64300
−C4351・1HOとしての元素分析
算出値:C 66.24 H 6.80 N 12.58 O 14.37
実測値:C 66.01 H 6.99 N 12.50 O 14.48
【0076】
実施例5:2-(4'-イルアミノ-2-メタン-スルホニルアクリロニトリル)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ)-s-トリアジンの調製:
第1工程:3-(4-アミノフェニル)-2-メタンスルホニルアクリロニトリルの調製:
触媒量のジエチルアミン(0.125ml)及び酢酸(0.375ml)の存在下、150mlのエタノールに分散させたメタンスルホニルアクリロニトリル(11.9g、0.1mol)と4-アミノベンズアルデヒドオリゴマー(12g、0.1mol)の混合物を6時間還流させる。不溶性物質を濾過して除去する。濾液を真空下で、その容量の3分の1まで濃縮する。得られた沈殿物を濾過して乾燥させる。11.6g(収率:52%)の予期された抽出物が、オレンジ色の固形物の形態で得られる。
【0077】
第2工程:3-[4-(4,6-ジクロロ[1,3,5]-トリアジン-2-イルアミノ)フェニル]-2-メタンスルホニルアクリロニトリルの調製:
100mlの重炭酸ナトリウム水溶液(4.2g、0.05mol)と100mlのアセトンに先の誘導体(11.1g、0.05mol)を溶解させた溶液を、約5℃に冷却された120mlのアセトンに塩化シアヌル(9.2g、0.05mol)が入った溶液に、30分以上かけて滴下する。混合物を室温に戻す。形成された大量の沈殿物を濾過し、アセトンで洗浄する。10g(収率:54%)の予期された誘導体が、淡黄色パウダーの形態で得られる。
【0078】
第3工程:ブチル-4-{4-クロロ-6-[4-(2-シアノ-2-メタンスルホニルビニル)フェニルアミノ][1,3,5]トリアジン-2-イルアミノ}ベンゾアートの調製:
先の誘導体(6g、0.016mol)を50mlのDMFに懸濁する。40mlの重炭酸ナトリウム水溶液(1.3g、0.016mol)と40mlのDMFに4-アミノ安息香酸ブチル(3.1g、0.016mol)を溶解させた溶液を、逐次添加する。90℃で2時間加熱し続ける。反応混合物を冷却する。形成された黄色沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥させて、さらに精製することなく次の工程に使用する。
【0079】
第4工程:
50mlのトルエンにおいて、先の誘導体(3.8g、0.0072mol)と1-アミノ-3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロパン(4g、0.014mol)の混合物を、攪拌しつつ、窒素でスパージングしながら、90℃で2時間加熱する。トルエンを真空下で揮散させ、得られた残留物をシリカ(溶離液:70/30:ヘプタン/EtOAc)によるクロマトグラフィーで精製する。1.5g(収率:26%)の実施例5の生成物が得られ、この生成物は次の特徴を有するものであった;
−黄色パウダー
−UV(エタノール) λmax=389nm、εmax=43590
λmax=300nm、εmax=37740
−C3451Siとしての元素分析
算出値:C 53.03 H 6.67 N 12.73 S 4.16 Si 10.94
実測値:C 52.52 H 6.71 N 12.21 S 3.83 Si 10.54
【0080】
実施例6:2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-(トリメチルシラニルメチリルアミノ)-s-トリアジンの調製
30mlのトルエンに、実施例2の化合物の第1工程で得られたエチル-3-{4-[4-クロロ-6-(4-ペンタノイルフェニルアミノ)[1,3,5]トリアジン-2-イルアミノ]フェニル}-2-シアノアクリラート(1g、0.0019mol)とアミノメチルトリメチルシラン(0.39g、0.0038mol)の混合物が入ったものを、約95℃で1時間加熱した。トルエンを真空下で蒸発させる。得られたペーストをシリカカラム(溶離液:50/50:ヘプタン/EtOAc)によるクロマトグラフィーで2回精製する。0.25g(収率:20%)の最終化合物が、光沢のある黄色パウダーの形態で得られ、このプロトンNMRスペクトルは、予期される構造と一致した:
−UV(エタノール) λmax=389nm、εmax=30300
λmax=303nm、εmax=39820
【0081】
実施例7:2,4,6-トリス(イソブチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジンの調製:
第1工程:イソブチル-3-(4-アミノフェニル)-2-シアノアクリラートの調製:
4-アミノベンズアルデヒドオリゴマー(36.3g、0.3mol)を250mlのイソブタノールに懸濁させる。イソブチルシアノアクリラート(42.3g、0.3mol)と、ジエチルアミン(0.375ml)と酢酸(1.12ml)からなる触媒をそこに添加する。混合物を3時間還流する。少量の不溶性物質を温めながら濾過する。濾液を冷却した後、形成されたオレンジ色の沈殿物を濾過する。乾燥後、52.6g(収率:72%)の予期された誘導体が、オレンジに着色した固形物の形態で得られる。
【0082】
第2工程:
塩化シアヌル(37g、0.02mol)を約10℃の温度で、窒素でスパージングしながら、トルエンに懸濁させる。先の誘導体(14.6g、0.06mol)をそこに添加し、反応混合物を徐々に約45℃まで加熱する。反応を1時間、約60℃で維持し、ついで、2時間、トルエンの還流点で維持する。形成された塩酸を水酸化ナトリウム溶液を収容する洗浄用フラスコに捕捉する。反応混合物を冷却し、形成された黄色沈殿物を濾過し、乾燥させる。8.6g(収率:53%)の実施例7の誘導体が得られ、この生成物は次の特徴を有するものであった;
−光沢のある黄色固形物
−UV(エタノール) λmax=390nm、εmax=88630
−C4545としての元素分析
算出値:C 66.90 H 5.61 N 15.60 O 11.88
実測値:C 66.35 H 5.70 N 15.43 O 11.99
【0083】
実施例8:2,4,6-トリス(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジンの調製:
第1工程:2-エチルヘキシル-3-(4-アミノフェニル)-2-シアノアクリラートの調製:
4-アミノベンズアルデヒドオリゴマー(36.3g、0.3mol)を450mlのイソブタノールに懸濁させる。2-エチルヘキシルシアノアクリラート(59.1g、0.3mol)と、ジエチルアミン(0.375ml)と酢酸(1.12ml)からなる触媒をそこに添加する。混合物を5時間還流する。触媒を2回目添加し、反応混合物をさらに4時間還流する。少量の不溶性物質を温めながら濾過する。濾液を冷却した後、300mlの容量に濃縮し、冷状態で結晶化させる。乾燥後、59.6g(収率:66%)の予期された誘導体が、オレンジに着色した固形物の形態で得られる。
【0084】
第2工程:
塩化シアヌル(37g、0.02mol)を約10℃の温度で、アルゴンでスパージングしながら、トルエンに懸濁させる。先の誘導体(18g、0.06mol)をそこに添加し、反応混合物を徐々に約45℃まで加熱する。反応を1時間、約60℃で維持し、ついで、2時間、トルエンの還流点で維持する。形成された塩酸を水酸化ナトリウム溶液を収容する洗浄用フラスコに捕捉する。反応混合物を冷却し、形成された黄色沈殿物を濾過し、乾燥させる。18.8g(収率:96%)の実施例8の誘導体が得られ、この生成物は次の特徴を有するものであった;
−光沢のある黄色固形物
−UV(エタノール) λmax=398nm、εmax=88630
−C5769,1H2Oとしての元素分析
算出値:C 68.86 H 7.20 N 12.68 O 11.26
実測値:C 68.01 H 7.02 N 12.64 O 10.63
【0085】
実施例9:2,4-ビス(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
第1工程:2,4-ジクロロ-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジンの調製:
120mlの水に、重炭酸ナトリウム水溶液(11.4g、0.136mol)と1-アミノ-3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル]プロパン(41.7g、0.149mol)]が入ったものを、pHが3〜5になるように、0℃のアセトン250mlに塩化シアヌル(25g、0.136mol)が入った溶液を滴下する。導入の終わりに、pHは6.5である。ついで、10℃で1時間30分攪拌し続け、ついで、混合物を研究室の温度まで温める。反応媒体を濾過する。静置により油を分離する。アセトンを真空下で蒸発させる。低相を回収し、結晶化させる。乾燥後、55.2g(収率:95%)の予期された誘導体が、白色パウダーの形態で得られる(融点:59℃)。
【0086】
第2工程:
先の誘導体(2g、0.00468mol)を50mlのトルエンに溶解する。誘導体7の第1工程で得られた2-エチルヘキシル-3-(4-アミノフェニル)-2-シアノアクリラート(2.81g、0.00935mol)をそこに添加し、混合物を95℃で5時間加熱する。溶媒を蒸発させ、得られたガムをシリカカラム(溶離液:80/20:ヘプタン/EtOAc)を通して精製する。2.47g(収率:55%)の実施例9の誘導体が得られ、この生成物は次の特徴を有するものであった;
−プロトンNMRスペクトルは、所望の構造と一致
−光沢のある黄色固形物
−UV(エタノール) λmax=400nm、εmax=76820
【0087】
実施例10:非フラボノイドポリフェノール誘導体:クルクミンを含有するシリコーン中水型エマルション
【表1】

手順
A相の成分を最終ビーカーに入れ、加熱することなく攪拌してホモジナイズした。B相を分離用ビーカーに計り分け、ついで攪拌しつつ、A相に注ぎ入れる。10分攪拌し続ける。C相の成分を導入する。混合物をホモジナイズし、ゲルが得られるまで攪拌し続ける。
【0088】
実施例11:酸化鉄を含有する油中水型エマルション
【表2】

手順
A相の成分を最終ビーカーに計り分ける。B相の成分を分離用ビーカーに計り分ける。A相とB相を約80℃に加熱する。A相を攪拌し、B相をゆっくりと添加する。10分攪拌し続ける。C相を添加する。混合物をホモジナイズする。滑らかで光沢のあるエマルションが得られた後に、攪拌を停止する。
【0089】
実施例12:式(III)のトリアジン誘導体を含有する水中油型エマルション
【表3】

手順
次の条件下:直径1.5cmの2つのボール、攪拌=20分、回転数30で、Retsch MM200ミルを使用して、A相をホモジナイズする。A相を最終ビーカーに導入する。A相を添加する。B相を分離用ビーカーに計り分ける。相(A+A)及びBを80℃で加熱する。B相を攪拌し、相(A+A)を添加する。混合物を10分攪拌する。約50℃でC相を添加する。この混合物をホモジナイズし、D相を導入する。得られた混合物を放置し、25℃まで冷却する。
【0090】
実施例13:キノン化合物:ローソンを含有する水中油型エマルション
【表4】

手順
A相を最終ビーカーに計り分ける。B相を分離用ビーカーに計り分ける。A相とB相を完全に溶解するまで(80℃)加熱する。B相を攪拌し、そこにA相を注ぎ入れる。10分攪拌し続ける。約50℃でC相を添加する。この混合物をホモジナイズし、予め溶解させておいたD相を導入する。得られた混合物をホモジナイズし、放置して25℃まで冷却する。
【0091】
実施例14:アゾ化合物:タートラジンを含有する水中油型エマルション
【表5】

手順
A相を最終ビーカーに計り分ける。B相を分離用ビーカーに計り分ける。A相とB相を完全に溶解するまで(80℃)加熱する。B相を攪拌し、そこにA相を注ぎ入れる。10分攪拌し続ける。約50℃でC相を添加する。この混合物をホモジナイズし、予め溶解させておいたD相を導入する。得られた混合物をホモジナイズし、放置して25℃まで冷却する。
【0092】
実施例15:フラボノイドポリフェノール:ルテオリンを含有する水中油型エマルション
【表6】

手順
A相を最終ビーカーに計り分ける。B相を分離用ビーカーに計り分ける。A相とB相を完全に溶解するまで(80℃)加熱する。B相を攪拌し、そこにA相を注ぎ入れる。10分攪拌し続ける。約50℃でC相を添加する。この混合物をホモジナイズし、予め溶解させておいたD相を導入する。得られた混合物をホモジナイズし、放置して25℃まで冷却する。
【0093】
370〜500nmの範囲の波長の光線の露光下における、内在性カロテノイド類での本発明の組成物の保護効果の評価
この評価は、β-カロテノイドが日光の青色成分の照射により分解するという原則に基づく、β-カロチン脱色テストにより実施される。この分解は、その成分b*をミノルタ色度計を使用してモニターされる脱色度合いにより表される。
【0094】
実験条件
青色光線の露光は、サンテスト CPS+ヘラエウス社(Heraeus)の機械、30J/cm(適用されたUVAとして表す)を使用して実施する。
ミグリオール(Miglyol)812にβ-カロチンが入った0.05%溶液の即時調製物を調製する。溶液2滴を濾紙(小穴内部)に広げ;光のない状態で、濾紙を放置して室温で乾燥させる。
テスト用組成物を石英プレート(5cmx5cm)上に2mg/cmの割合で広げ、光のない状態でこれを放置して、室温で30分乾燥させる。組成物を有する石英プレートをβ-カロチンに浸した濾紙に置き、サンテスト CPS+機械を使用し、アセンブリに照射する。
UVAで測定して30J/cmの露光がなされた後、ミノルタ色度計を使用し、b*値を記録する。
【0095】
テストした組成物
それぞれ、370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤として:式(III)のトリアジン誘導体、ローソン、タートラジン及びルテオリンを含有する、上述した実施例12、13、14及び15の各組成物を、遮蔽剤を何ら含有しない同一の支持体のプラシーボ組成物と比較した。
【0096】
結果
前記光を遮蔽する薬剤を何ら含有していない同様のプラシーボ組成物と比較して、400〜450nmの光により誘発される脱色に関し、各テスト用組成物により得られた、β-カロチンの安定性改善のパーセンテージを算出する。
得られた結果を次の表に示す。
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する少なくとも一の薬剤の、皮膚に存在する内在性カロテノイド類の分解を阻害する薬剤としての、皮膚表面に適用される組成物の製造における使用。
【請求項2】
370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤が:
(i)フラボノイドポリフェノール類及び非フラボノイドポリフェノール類、並びにそのエステル、エーテル、ヘテロシド及び高分子誘導体;
(ii)カロテノイド類及びβ-レイン類;
(iii)クロロフィル類;
(iv)天然又は合成のメラニン類;
(v)炭水化物;
(vi)黄又はオレンジ-黄の無機顔料;
(vii)アゾ又はキノン化合物;
(viii)ニトロベンゼンベースの染料;
(ix)アリールビニレンケトンベースの化合物;
(x)アミノアリールビニル-s-トリアジン化合物;
及びそれらの混合物;
から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤が抗酸化活性を有していない、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤が:
(v)炭水化物;
(vi)黄又はオレンジ-黄の無機顔料;
(vii)アゾ又はキノン化合物;
(viii)ニトロベンゼンベースの染料;
(ix)アリールビニレンケトンベースの化合物;
(x)アミノアリールビニル-s-トリアジン化合物;
及びそれらの混合物;
から選択される、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
フラボノイドポリフェノール類が、加水分解性及び非加水分解性の濃縮タンニンポリマー;プロアントシアニジンオリゴマー;オーロン型;カルコン型;イソフラボン型;フラボノール型;フラボン型の天然の黄又はオレンジ-黄染料から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項6】
非フラボノイドポリフェノール類が、フラビン及びクルクミン型の、天然又は合成の黄又はオレンジ-黄染料から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項7】
ポリフェノール類が高分子形態である、請求項2、5及び6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
ポリフェノール類が、加水分解性及び非加水分解性の濃縮タンニンポリマー、及びプロアントシアニジンオリゴマーから選択される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
ポリフェノール類が、ブドウ、茶葉、コーヒー、ココア、チコリー、タマネギ又は黄リンゴの皮から抽出されるカテキンポリマー、及びタンニン酸、リンゴからのプロシアニジンB2から選択される、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
カロテノイド類が、ビキシン、クロセチン、クロシン、ルテイン、ゼオアキサンチン、アスタキサンチン、カンタキサンチン、カプサンチン、クリプトキサンチン、ロドキサンチン及びルビキサンチンから選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項11】
β-レイン類がバルガキサンチンI及びIIから選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項12】
クロロフィル類が、クロロフィルa、b、c及びd、及びその酸又はアルカリ加水分解物から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項13】
炭水化物が単糖類又は多糖類の加熱又は酸化により誘導される黄色く着色された生成物から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項14】
炭水化物がカラメルである、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
メラニン類がフェオメラニンに富むメラニン類から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項16】
黄又はオレンジ顔料が、酸化鉄顔料、特に基本粒子径が100nm未満のナノ顔料から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項17】
キノン化合物が、黄又はオレンジ-黄のナフトキノン類及びその酸化生成物;アントラキノン類、及び黄又はオレンジ-黄のその酸化生成物から選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項18】
キノン化合物がユグロン及びローソンから選択される、請求項14に記載の使用。
【請求項19】
アゾ化合物がタートラジンである、請求項2に記載の使用。
【請求項20】
キノン又はアゾ化合物が、式(1)、(2)又は(3):
【化1】

{上式(1)及び(2)中:
− Rは同一でも異なっていてもよく、C-C10アルキル、フェニル、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択され、R基の数の少なくとも80%はメチルであり、
− Bは同一でも異なっていてもよく、上述したR基及び以下に記載するA基から選択され、
− rは0〜50の整数であり、sは0〜20の整数であり、sが0の場合、2つの符合Bの少なくとも一はAを示し;
− uは1〜6の整数であり、
− tは0〜10の整数であり、
t+uは3以上であると理解され、
− R、R及びRは同一でも異なっていてもよく、飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル及びアルケニル基から選択され、
ここで符号Aは同一でも異なっていてもよく、式(4a)、(4b)、(4c)又は(4d):
【化2】

[上式中:
− Rは同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル基、OH、C-Cアルコキシ、ヒドロキシ(C-C)アルキル、COOH、CONH、CN、SOH、ハロゲン、又はNO基、R及びRが同一でも異なっていてもよく、水素原子又はC-Cアルキル、ヒドロキシ(C-C)アルキル又はアミノ(C-C)アルキル基を示すNR基を表すか、又はそれらが結合している窒素原子と共に、酸素又は硫黄原子が挿入されていてもよい5-又は6員の複素環を形成し、
− mは0〜2の整数であり、
− nは1又は2に等しい整数であり、
− Dは-SONH-、-CONH-又は-O-基、又はRがH又はCHである-NR-基であり、
− Wは次の式(5):
【化3】

又は次の式(6):
【化4】

の二価の基であり、
ここで:
− Rは、水素原子、ヒドロキシ基、又は直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-Cアルキル基を示し、
− Zは、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-Cアルコキシ基、又はOH基で置換されていてもよい直鎖状又は分枝状のC-Cアルキレン基であり、
− pは0又は1に等しい整数である]
の基を示す}
のものから選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項21】
式(1)、(2)又は(3)の化合物が次の化合物:
− 4-(4-ジメチルアミノフェニルアゾ)-N-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]ベンゼンスルホンアミド:
− 4-(4-ジメチルアミノフェニルアゾ)-N-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル]ベンズアミド:
− 2-(4-メトキシ-2-ニトロフェニルアゾ)-5-(3-トリメチルシラニルプロポキシ)フェノール:
− 2,5-ビス-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]ベンゾキノン:
− 2-クロロ-3-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]-[1,4]-ナフトキノン:
− 2-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]-[1,4]-ナフトキノン:
− 1-ヒドロキシ-4-[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]アントラキノン:
− 1,4-ビス[3-[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピルアミノ]アントラキノン:
から選択される、請求項20に記載の使用。
【請求項22】
ニトロベンゼン化合物が、式(15)又は(16):
【化5】


{上式中:
− R'は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-C10アルキル、フェニル、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択され、R'基の数の少なくとも80%はメチルであり、
− B'は同一でも異なっていてもよく、上述したR'基及び以下に記載するA基から選択され、
− r'は0〜50の整数であり、s'は0〜20の整数であり、s'が0の場合、2つの符合Bの少なくとも一はAを示し;
− u'は1〜6の整数であり、t'は0〜10の整数であり、t'+u'は3以上であると理解され、
− 符号A'は、次の式(17):
【化6】

[上式中:
− Z'は二価の基:
【化7】

又は水素であり、
− xは1又は2であり、
− qは0〜10の整数を表し、
− Rは水素又はC-Cアルキル基を表し、
− R10は水素又はC-Cアルキル基、又は上述した二価の基Z'を表し、
− R11は水素、又はR12及びR13が水素又はC-Cアルキル基を表すNR1213基、C-Cモノヒドロキシアルキル又はジヒドロキシアルキル基、又は二価の基Zを表し、少なくとも一のZ'は:
【化8】

の二価の基を表すと理解され、
− R14は水素、OH、又はハロゲン原子、C-Cアルキル基、又はC-Cアルコキシ基を表す]
に相当し、ケイ素原子に直接結合する一価の基を示す}
のものから選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項23】
式(15)又は(16)の化合物が次の化合物:
【化9】

【化10】

から選択される、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
アリールビニルケトン化合物が、次の式(I)及び(II):
【化11】

[上式中:
n=1又は2であり、
A''は、式(I)においてn=1である場合、又は式(II)においては、以下の式(a)ないし(d)から選択されるアリール基であり、また式(I)においてn=2である場合は、以下の式(e)ないし(h)から選択される基であり:
【化12】

ここで上式中:
− 符号R18はそれぞれ独立して、OH基、ハロゲン原子、ケイ素原子又はシロキサン基を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルキル基、ケイ素原子又はシロキサン基を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルコキシ基、直鎖状又は分枝状のC1−5アルコキシカルボニル基、又はケイ素原子、シロキサン基又はアミノ酸官能基を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルキルスルホンアミド基を表し、
− kは0〜3の整数を表し、
− lは0又は1を表し、
− R15は、水素又はOH基を表し、
− R16は、フェニルスルホニル基、C1−6アルキルスルホニル基、シアノ基、シロキサン基又はケイ素原子を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルキル基、水素を表し、
− R17は、上述した一又は二のR18基で置換されていてもよく、二環を形成可能なフェニル基、シロキサン基、ケイ素原子を有していてもよい直鎖状又は分枝状のC1−6アルキル基を表し、
− R16及びR17は共同して、ケイ素原子、シロキサン基又はアミノ酸官能基を有していてもよく、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキルスルホンアミド基で置換されていてもよく、他のカルボニルを含有可能で、一又は複数の窒素、硫黄及び酸素原子が挿入されていてもよい、一環式、二環式又は三環式のC2−10炭化水素ベース残基を形成してもよく;但しn=1の条件では、R16及びR17はショウノウ環を形成しない]
のものから選択される、請求項2に記載の使用。
【請求項25】
式(I)の化合物が:
− 1-(2,4,5-トリメトキシフェニル)-4,4-ジメチルペント-1-エン-3-オン:
【化13】

− 3-(3-エトキシ-4-ブトキシベンジリデン)-2,3,4a,8a-テトラヒドロクロメン-4-オン:
【化14】

− 3-(4-メトキシベンジリデン)-2,3,4a,8a-テトラヒドロクロメン-4-チオン:
【化15】

− 2-(3-メトキシ-4-ブトキシベンジリデン)インダン-1-オン:
【化16】

− 2-(3-メトキシ-4-ブトキシベンジリデン)-3,4-ジヒドロ-2H-ナフタレン-1-オン:
【化17】

− 2-ベンジリデンベンゾフラン-3-オン:
【化18】

− 2-(3,5-ジメトキシ-4-ヒドロキシベンジリデン)インダン-1,3-ジオン:
【化19】

− 2-ベンジリデンベンゾ[b]チオフェン-3-オン:
【化20】

− 4-(3-メトキシ-4-ブトキシベンジリデン)-5-メチル-2-フェニル-2,4-ジヒドロピラゾール-3-オン:
【化21】

− 5-(3-メトキシ-4-ブトキシベンジリデン)-2-フェニル-3,5-ジヒドロイミダゾール-4-オン:
【化22】

− 1-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-3-(4'-メトキシフェニル)プロペノン:
【化23】

− 3-ヒドロキシ-1-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-3-フェニルプロペノン:
【化24】

− 以下のパラ-キシリデン化合物
【化25】

− 2,5-ジメトキシフェニレン-1,4-ビス(3-メチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン):
【化26】

− 2,5-ジヘキシルオキシフェニレン-1,4-ビス(3-メチリデン-1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-オン):
【化27】

から選択される、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
式(II)の化合物が:
− 2,5-ビス(4-ヘキシルオキシベンジリデン)シクロペンタノン:
− 2,5-ビス[4-(3-トリメチルシラニルプロピルオキシ)ベンジリデン]シクロペンタノン:
から選択される、請求項24に記載の使用。
【請求項27】
アミノアリールビニル-s-トリアジン化合物が、次の式(III):
【化28】

{上式中:
、A及びA基は同一でも異なっていてもよく、次の式(IV)〜(VIII)の基から選択され、式(IV)〜(VII)の少なくとも一の基が存在すると理解され:
【化29】

ここで、上式中:
20は、水素、C-Cアルキル基、又はC-Cアルコキシ基を表し、
19は、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、直鎖状又は分枝状のC-C20ヒドロキシアルキル基、又は直鎖状又は分枝状のC-C20アルコキシ基を表し、
21は、C-Cアルコキシ基又はC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、メチル基、又は水素原子を表し、
22は、C-Cアルコキシ基又はC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基を表し、
は、-O-及び-Wの間の結合を付与する二価の基を表し、
は、a=1である場合に二価の基、a=2である場合に三価の基を表し、これは-NH-及び-(W)aの間の結合を付与するものであり、
及びZは、二重結合を有していてもよく、一又は複数のアミノ基又は一又は複数の酸素原子を含有可能で、一又は複数のヒドロキシル基で置換されていてもよいC-C12アルキレンとすることができ、
は:
(i)次の式(X):
【化30】

[上式中、R23は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C30炭化水素ベース基;C-Cハロ炭化水素基;フェニル基;3,3,3-トリフルオロプロピル基又はトリメチルシリルオキシ基を示し、bは1又は2に等しい]
の少なくとも一の単位を有するシリコーン基、
(ii)次の式(XI):
-SiR242526 (XI)
[上式中、R24、R25及びR26は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル及びアルケニル基から選択される]
の基、
のいずれかを表し、
また、A、A及びA基は、直鎖状又は分枝状のアミノベンゾアート、アミノベンザルマロナート、アミノサリチラート、C-C20アミノシンナマート又はアントラニラートエステル基;アミノベンゾトリアゾール基;アミノベンジリデンショウノウ基;直鎖状又は分枝状のC-C20アルコキシ基及び直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたアリール基から好ましく選択されるUVB-及び/又はUVA-吸収性発色団を表してもよい}
に相当する、請求項2に記載の使用。
【請求項28】
式(III)の化合物が、Wが次の3つの式(XII)〜(XIV):
【化31】


[上式中:
− R''は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C20アルキル基、フェニル基、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択され、R基の数の少なくとも80%はメチル基であり、
− r''は0〜50から選択される整数であり、
− s''は0〜20から選択される整数であり、
− u''は1〜6の整数であり、
− t''は0〜10の整数であり、
− t''+u''は3以上である]
の一つに相当するシリコーン基であるものから選択される、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
式(III)の化合物が、Wが式(XII)又は式(XIII)に相当するシリコーン基であるものから選択される、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
式(III)の化合物が、次の特徴:
− R''がアルキル、さらに好ましくはメチルであり、
− r''が0〜3であり
− sは0〜3である、
のうち、少なくとも1つ、好ましくは全てを示すランダム誘導体又は明確に定まったブロック誘導体である、請求項29に記載の使用。
【請求項31】
式(III)の化合物が:
− 2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(4-メトキシフェニル)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
− 2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
− 2-(4'-イルアミノ-2-メタンスルホニルアクリロニトリル)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
− 2-(エチル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-(トリメチルシラニルメチルイルアミノ)-s-トリアジン、
− 2,4-ビス(ブチル-4'-ジイルアミノベンゾアート)-6-(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジン、
− 2,4,6-トリス(イソブチル-4'-ジイルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジン、
− 2,4,6-トリス(2-エチルヘキシル-4'-ジイルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジン、
− 2,4-ビス(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
から選択される、請求項27ないし30のいずれか1項に記載の使用。
【請求項32】
組成物が皮膚の肌色を保護するための化粧品である、請求項1ないし31のいずれか1項に記載の使用。
【請求項33】
組成物が皮膚の天然の抗酸化保護のための化粧品である、請求項1ないし32のいずれか1項に記載の使用。
【請求項34】
前記組成物が、日光に起因する皮膚疾患を処置するための皮膚科学用製品である、請求項1ないし33のいずれか1項に記載の使用。
【請求項35】
次の式(III):
【化32】

{上式中:
、A及びA基は同一でも異なっていてもよく、次の式(IV)〜(VIII)の基から選択され、式(IV)〜(VII)の少なくとも一の基が存在すると理解され:
【化33】

ここで、上式中:
20は、水素、C-Cアルキル基、又はC-Cアルコキシ基を表し、
19は、直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、直鎖状又は分枝状のC-C20ヒドロキシアルキル基、又は直鎖状又は分枝状のC-C20アルコキシ基を表し、
21は、C-Cアルコキシ基又はC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、メチル基、又は水素原子を表し、
22は、C-Cアルコキシ基又はC-Cアルキル基で置換されていてもよいフェニル基、又は直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基を表し、
は、-O-及び-Wの間の結合を付与する二価の基を表し、
は、a=1である場合に二価の基、a=2である場合に三価の基を表し、これは-NH-及び-(W)aの間の結合を付与するものであり、
及びZは、二重結合を有していてもよく、一又は複数のアミノ基又は一又は複数の酸素原子を含有可能で、一又は複数のヒドロキシル基で置換されていてもよいC-C12アルキレンとすることができ、
は:
(i)次の式(X):
【化34】

[上式中、R23は飽和又は不飽和で直鎖状又は分枝状のC-C30炭化水素ベース基;C-Cハロ炭化水素基;フェニル基;3,3,3-トリフルオロプロピル基又はトリメチルシリルオキシ基を示し、bは1又は2に等しい]
の少なくとも一の単位を有するシリコーン基、
(ii)次の式(XI):
-SiR242526 (XI)
[上式中、R24、R25及びR26は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状のC-Cアルキル及びアルケニル基から選択される]
の基、
のいずれかを表し、
また、A、A及びA基は、直鎖状又は分枝状のアミノベンゾアート、アミノベンザルマロナート、アミノサリチラート、C-C20アミノシンナマート又はアントラニラートエステル基;アミノベンゾトリアゾール基;アミノベンジリデンショウノウ基;直鎖状又は分枝状のC-C20アルコキシ基及び直鎖状又は分枝状のC-C20アルキル基、ヒドロキシル基で置換されたアリール基から好ましく選択されるUVB-及び/又はUVA-吸収性発色団を表してもよく、但し:
− 3つの基、A、A及びAが同じ式(IV)を示さず、
− A及びAが式(IV)の基を示し、Aが式(VIII)又は(IX)の基を示さない}
に相当するアミノアリールビニル-s-トリアジン化合物。
【請求項36】
Wが次の3つの式(XII)〜(XIV):
【化35】


[上式中:
− R''は同一でも異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状で飽和又は不飽和のC-C20アルキル基、フェニル基、及び3,3,3-トリフルオロプロピル基から選択され、R基の数の少なくとも80%はメチル基であり、
− r''は0〜50から選択される整数であり、
− s''は0〜20から選択される整数であり、
− u''は1〜6の整数であり、
− t''は0〜10の整数であり、
− t''+u''は3以上である]
の一つに相当するシリコーン基である、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
Wが式(XII)又は式(XIII)に相当するシリコーン基である、請求項36に記載の化合物。
【請求項38】
次の特徴:
− R''がアルキル、さらに好ましくはメチルであり、
− r''が0〜3であり;sは0〜3である、
のうち、少なくとも1つ、好ましくは全てを示すランダム誘導体又は明確に定まったブロック誘導体から選択される、請求項37に記載の化合物。
【請求項39】
− 2,4-ビス(ブチル-4'-ジイルアミノベンゾアート)-6-(2-エチルヘキシル-4'-イルアミノ-α-シアノシンナマート)-s-トリアジン;
− 2-(4'-イルアミノ-2-メタンスルホニルアクリロニトリル)-4-(ブチル-4'-イルアミノベンゾアート)-6-{[1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニル]プロピル-3-イルアミノ}-s-トリアジン、
から選択される、請求項35ないし38のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項40】
370〜500nmの範囲の波長の光線を遮蔽する薬剤としての、化粧品用組成物における、請求項35ないし39のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項41】
生理学的に許容可能な媒体に、請求項35ないし40のいずれか1項に記載の、少なくとも一の式(III)のアミノアリールビニル-s-トリアジン化合物を含有せしめてなる化粧品用又は皮膚科学用組成物。
【請求項42】
式(III)の化合物が、組成物の全重量に対して0.1重量%〜15重量%、特に0.1重量%〜10重量%の範囲の濃度で存在している、請求項41に記載の組成物。
【請求項43】
水溶性又は脂溶性又は一般的に使用されている化粧品用溶媒に不溶である、少なくとも一のUVA-活性及び/又はUVB-活性のある有機光保護剤、及び/又は少なくとも一のUVA-活性及び/又はUVB-活性のある無機光保護剤をさらに含有している、請求項41又は42に記載の組成物。
【請求項44】
有機光保護剤が、アントラニラート類;ケイ皮酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;サリチル酸誘導体;ショウノウ誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロマート誘導体;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン類;ビス-ベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;ベンゾオキサゾール誘導体;遮蔽ポリマー及び遮蔽シリコーン類;α-アルキルスチレンから誘導された二量体;4,4-ジアリールブタジエン類、及びそれらの混合物から選択される、請求項43に記載の組成物。
【請求項45】
有機光保護剤が次の化合物:
− サリチル酸エチルヘキシル、
− ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
− メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
− オクトクリレン、
− フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
− テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、
− ベンゾフェノン-3、
− ベンゾフェノン-4、
− ベンゾフェノン-5、
− 2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
− 4-メチルベンジリデンショウノウ、
− フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム、
− アニソトリアジン、
− エチルヘキシルトリアゾン、
− ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
− 2,4,6-トリス(ジイソブチル-4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
− メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
− ドロメトリゾールトリシロキサン、
− ポリシリコーン-15、
− 1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
− 2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
及びそれらの混合物、
から選択される、請求項44に記載の組成物。
【請求項46】
無機光保護剤が、被覆又は非被覆の金属酸化物の顔料又はナノ顔料から選択される、請求項43に記載の組成物。
【請求項47】
無機光保護剤が、被覆又は非被覆の酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムのナノ顔料である、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
光保護剤が、組成物の全重量に対して0.01重量%〜20重量%、好ましくは組成物の全重量に対して0.1重量%〜10重量%の範囲の割合で存在している、請求項40ないし44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
皮膚を人工的にサンタン状態にする、及び/又は褐色にするための薬剤をさらに含有している、請求項41ないし48のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項50】
脂肪物質、有機溶媒、イオン性又は非イオン性で親水性又は親油性の増粘剤、柔軟剤、湿潤剤、乳白剤、安定剤、エモリエント、シリコーン類、消泡剤、香料、防腐剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性又は両性の界面活性剤、活性剤、フィラー、ポリマー類、噴霧剤、アルカリ性又は酸性化剤、又は化粧品及び/又は皮膚科学において通常使用されている任意の他の成分から選択される少なくとも一の化粧品用アジュバントをさらに含有している、請求項41ないし49のいずれか1項に記載の組成物。

【公開番号】特開2006−265256(P2006−265256A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−115617(P2006−115617)
【出願日】平成18年4月19日(2006.4.19)
【分割の表示】特願2004−168418(P2004−168418)の分割
【原出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】