説明

経路通知装置、携帯情報端末、経路通知システム、経路通知方法、端末制御方法、およびプログラム

【課題】災害時の移動経路を携帯情報端末に通知でき、利用者が災害についての知識を持たない場合であっても、災害時の移動に対して適切な情報を通知することができるようにする。
【解決手段】携帯情報端末1の現在位置と移動先とが確定すると、経路属性情報DB35を参照し、現在位置から移動先までの間の移動経路を算出するに当たって避けるべき場所がどことどこであるかを検索する。その「避けるべき場所」の情報と、携帯情報端末1の現在位置情報と、移動先情報とを、移動経路検索サーバ7および鉄道経路検索サーバ8に送信する。算出された経路のうち、最も短い時間で移動先に到着できるものを経路として選択し、選択された移動経路情報、その経路上の地図情報、所要時間情報、および「避けるべき場所」の情報を経路通知サーバ3が携帯情報端末1に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末に対して、災害時の移動に適した経路を通知する経路通知装置、携帯情報端末、経路通知システム、経路通知方法、端末制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、災害時にユーザ端末に災害情報を提供するシステムとして、配信情報を所定の地域内に位置する携帯端末に対して配信するようにしたものがある(例えば、本出願人による特許文献1参照)。
【0003】
また、電柱などにQRコードを掲載した掲示物を取り付け、携帯電話機の情報コード読取装置によってQRコードを読み取り、そのQRコードによるアドレスを用いて地図情報サーバから地点周辺の地図情報を取得するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、予め決められた場所に配置された2次元バーコードから3次元位置情報を読み取り、この3次元位置情報に対応したナビゲーション情報、例えばスポットの説明情報などを携帯端末装置の所持者に知らせるようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2005−333232号公報
【特許文献2】特開2004−213191号公報
【特許文献3】特開2005−241265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1のものは、ユーザ端末に災害情報を提供するものであり、災害時の移動経路を携帯情報端末に通知することについてまで考慮されたものではなかった。
つまり、災害情報を提供したとしても、利用者が災害についての知識を持たない場合、どの災害の場合にどの場所を通って目的地や避難場所に移動すればよいかについて、その災害時の移動に対して適切な情報を通知することが求められていた。
【0006】
また、上述した特許文献2,3のものは、携帯情報端末1の現在位置を2次元コードにより取得するようにしたものであり、移動経路を携帯情報端末に通知することについてまで考慮されたものではなかった。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、災害時の移動経路を携帯情報端末に通知でき、利用者が災害についての知識を持たない場合であっても、災害時の移動に対して適切な情報を通知することができる経路通知装置、携帯情報端末、経路通知システム、経路通知方法、端末制御方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するために、本発明に係る経路通知装置は、災害種別情報および災害レベル情報を受信する災害情報受信手段と、経路情報に、災害種別情報および災害レベルに対する通行属性情報が関連付けられて構成された経路属性情報データベースと、上記災害情報受信手段により災害種別情報および災害レベル情報が受信された場合に、上記経路属性情報データベースを参照し、該災害の該災害レベルにおける通行不能箇所を避けるように移動先までの移動経路を経路算出手段に算出させる経路算出依頼手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る経路通知装置は、目的地情報を受信する目的地情報受信手段を備え、上記移動先は、入力された目的地または避難場所であり、上記経路算出依頼手段は、上記災害情報受信手段により受信された災害レベルが、予め定められた閾値より大きい場合、現在位置から最も近い避難場所を移動先とし、該避難場所までの移動経路を上記経路算出手段に算出させ、他の場合、目的地への経路を上記経路算出手段に算出させることが好ましい。
【0010】
本発明に係る経路通知装置は、経路選択における安全度設定を受信する安全度設定受信手段を備え、上記経路算出依頼手段は、上記経路属性情報データベースを参照して通行不能箇所を決定する際、上記安全度設定受信手段により受信された安全度設定に応じて、上記災害情報受信手段により受信された災害種別の災害レベルにおける通行不能箇所を決定することが好ましい。
【0011】
上記経路属性情報データベースは、上記通行属性情報として、上記経路情報で特定される場所が危険となる災害種別情報および当該災害種別の災害レベル情報を含むことが好ましい。
【0012】
本発明に係る経路通知装置は、上記経路算出手段により算出された複数種類の移動経路のうち、移動先までの到達に必要な時間が最も短いものを選択し、当該選択された移動経路を端末に送信する経路通知手段を備えたことが好ましい。
【0013】
本発明に係る携帯情報端末は、揮発性記憶手段と、不揮発性記憶手段と、通信可否を判定する通信可否判定手段と、上記通信可否判定手段により通信不可状態になったと判定された時点で、上記揮発性記憶手段に記憶された情報のうち予め定められた情報を上記不揮発性記憶手段に記憶させる緊急バックアップ手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る携帯情報端末は、表示手段を備え、上記予め定められた情報は、上記表示手段による表示履歴情報を含むことが好ましい。
【0015】
本発明に係る携帯情報端末は、通信手段を備え、上記予め定められた情報は、上記通信手段による通信履歴情報を含むことが好ましい。
【0016】
上記緊急バックアップ手段は、上記通信可否判定手段により通信不可状態になったと判定された時点で、上記不揮発性記憶手段の全ての空き領域を書き込み対象として上記予め定められた情報を記憶させることが好ましい。
【0017】
本発明に係る携帯情報端末は、通信手段と、利用者属性情報を格納する利用者属性情報格納手段と、上記通信手段からの受信情報に基づいて災害の発生を識別する災害発生識別手段と、上記災害発生識別手段により災害の発生が識別された時に上記利用者属性情報を経路通知装置に送信する利用者属性情報送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る経路通知システムは、上述した本発明に係る経路通知装置と、上述した本発明に係る携帯情報端末とが通信可能に接続されて構成されたことを特徴とする。
【0019】
本発明に係る経路通知方法は、災害種別情報および災害レベル情報を受信する災害情報受信工程と、経路情報に、災害種別情報および災害レベルに対する通行属性情報が関連付けられて構成された経路属性情報データベースから、上記災害情報受信工程により受信した災害種別情報および災害レベル情報に基づいて、該災害の該災害レベルにおける通行不能箇所を検索する通行不能箇所検索工程と、上記通行不能箇所検索工程で検索された通行不能箇所を避けるように移動先までの移動経路を経路算出手段に算出させる経路算出依頼工程と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
上記移動先は、入力された目的地または避難場所であり、上記経路算出依頼工程では、上記災害情報受信工程により受信された災害レベルが、予め定められた閾値より大きい場合、現在位置から最も近い避難場所を移動先とし、該避難場所までの移動経路を上記経路算出手段に算出させ、他の場合、目的地への経路を上記経路算出手段に算出させることが好ましい。
【0021】
本発明に係る経路通知方法は、経路選択における安全度設定を受信する安全度設定受信工程を上記通行不能箇所検索工程の前に備え、上記通行不能箇所検索工程では、上記経路属性情報データベースを参照して通行不能箇所を決定する際、上記安全度設定受信工程により受信された安全度設定に応じて、上記災害情報受信工程により受信された災害種別の災害レベルにおける通行不能箇所を決定することが好ましい。
【0022】
上記経路算出手段により算出された複数種類の移動経路のうち、移動先までの到達に必要な時間が最も短いものを選択し、当該選択された移動経路を端末に送信する経路通知工程を、上記経路算出依頼工程の後に備えたことが好ましい。
【0023】
本発明に係る端末制御方法は、通信可否を判定する通信可否判定工程と、上記通信可否判定工程により通信不可状態になったと判定された時点で、揮発性記憶手段に記憶された情報のうち予め定められた情報を不揮発性記憶手段に記憶させる緊急バックアップ工程と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
上記緊急バックアップ工程では、上記通信可否判定工程により通信不可状態になったと判定された時点で、上記不揮発性記憶手段の全ての空き領域を書き込み対象として上記予め定められた情報を記憶させることが好ましい。
【0025】
本発明に係る端末制御方法は、利用者属性情報を端末内に格納する利用者属性情報格納工程と、他の装置からの受信情報に基づいて災害の発生を識別する災害発生識別工程と、上記災害発生識別工程により災害の発生が識別された時に上記利用者属性情報を経路通知装置に送信する利用者属性情報送信工程と、を備えたことを特徴とする。
【0026】
本発明に係るプログラムは、災害種別情報および災害レベル情報を受信する災害情報受信処理と、経路情報に、災害種別情報および災害レベルに対する通行属性情報が関連付けられて構成された経路属性情報データベースから、上記災害情報受信処理により受信した災害種別情報および災害レベル情報に基づいて、該災害の該災害レベルにおける通行不能箇所を検索する通行不能箇所検索処理と、上記通行不能箇所検索処理で検索された通行不能箇所を避けるように移動先までの移動経路の算出命令を経路算出手段に送信する経路算出依頼処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0027】
上記移動先は、入力された目的地または避難場所であり、上記経路算出依頼処理では、上記災害情報受信処理により受信された災害レベルが、予め定められた閾値より大きい場合、現在位置から最も近い避難場所を移動先とし、該避難場所までの移動経路の算出命令を上記経路算出手段に送信し、他の場合、目的地への経路を移動経路の算出命令を上記経路算出手段に送信することが好ましい。
【0028】
本発明に係るプログラムは、経路選択における安全度設定を受信する安全度設定受信処理を上記通行不能箇所検索処理の前に上記コンピュータに実行させ、上記通行不能箇所検索処理では、上記経路属性情報データベースを参照して通行不能箇所を決定する際、上記安全度設定受信処理により受信された安全度設定に応じて、上記災害情報受信処理により受信された災害種別の災害レベルにおける通行不能箇所を決定することが好ましい。
【0029】
上記経路算出手段により算出された複数種類の移動経路情報を受信すると、移動先までの到達に必要な時間が最も短い移動経路情報を選択し、当該選択された移動経路情報を端末に送信する経路通知処理を、上記経路算出依頼処理の後に上記コンピュータに実行させることが好ましい。
【0030】
本発明に係る端末制御プログラムは、他の装置との通信可否を判定する通信可否判定処理と、上記通信可否判定処理により通信不可状態になったと判定された時点で、揮発性記憶手段に記憶された情報のうち予め定められた情報を不揮発性記憶手段に記憶させる緊急バックアップ処理と、を端末のコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0031】
上記緊急バックアップ処理では、上記通信可否判定処理により通信不可状態になったと判定された時点で、上記不揮発性記憶手段の全ての空き領域を書き込み対象として上記予め定められた情報を記憶させることが好ましい。
【0032】
本発明に係る端末制御プログラムは、利用者属性情報を端末内に格納する利用者属性情報格納処理と、他の装置からの受信情報に基づいて災害の発生を識別する災害発生識別処理と、上記災害発生識別処理により災害の発生が識別された時に上記利用者属性情報を経路通知装置に送信する利用者属性情報送信処理と、を上記端末のコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明によれば、災害時の移動経路を携帯情報端末に通知でき、利用者が災害についての知識を持たない場合であっても、災害時の移動に対して適切な情報を通知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
次に、本発明に係る経路通知装置、携帯情報端末、経路通知システム、経路通知方法、端末制御方法、およびプログラムを適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
本実施形態は、災害時の適切な移動経路を携帯情報端末に表示させることができる好適なものを例示している。
【0035】
図1は、本発明の実施形態としての経路通知システムの基本構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態としての経路通知システムは、無線基地局(AP;アクセスポイント)2との間の無線通信を経由してネットワーク4に接続される携帯情報端末1と、本システムによる経路通知動作の制御を行う経路通知サーバ3と、天候情報サーバ5と、風向情報サーバ6と、移動経路情報検索サーバ7と、鉄道経路検索サーバ8とが、ネットワーク4を介して接続されて構成される。
【0036】
携帯情報端末1は、図2に示すように、無線基地局2との間で無線通信を行うための無線通信部11と、端末全体の動作を制御する制御部12と、通信可否判定部13と、緊急バックアップ部14と、表示部15と、操作ボタンやダイヤルなどの操作入力部16と、記憶部17とを備える。記憶部17は、操作入力部16により入力された利用者属性情報171を格納する。
【0037】
この記憶部17は、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の不揮発性記憶素子により実現される。
通信不能といった状態でない通常使用時には、例えば着信メロディや送受信したメールなど、ユーザにより設定される各種記憶内容を格納する格納領域が、記憶部17に所定のデータ容量だけ設けられている
【0038】
制御部12は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶部121を計算領域として用いるハードウェアと、ソフトウェアとにより実現される。
通信不能といった状態でない通常使用時には、表示部15による表示内容の履歴情報や通信内容の履歴情報が、この揮発性記憶部121による計算領域に展開されている。
【0039】
通信可否判定部13は、通信が正常に行われていることを示すping(Packet Internet Groper)などの信号、いわゆるハートビート信号(キープアライブパケット;Keep Alive Packet)を所定期間毎に経路通知サーバ3に送信し、返信があるかどうかによって通信可能状態であるか否かを確認する。
【0040】
図3に、緊急バックアップ部14によるバックアップ動作を示す。
緊急バックアップ部14は、通信可否判定部13により、経路通知サーバ3との間で通信不能状態であると判定された時(ステップS1;No)、制御部12の揮発性記憶部121による計算領域に展開されている表示内容の履歴情報や通信内容の履歴情報を、不揮発性記憶素子による記憶部17に記憶させる。
この時、緊急バックアップモードとしての動作となり、ユーザにより設定される各種記憶内容を格納する格納領域であっても、データバックアップ用領域として活用される。
【0041】
図4に、経路通知サーバ3の構成例を示す。
経路通知サーバ3は、図4に示すように、ネットワーク4を介して他の装置と通信を行うための通信部31と、サーバ全体の制御を行う制御部32と、記憶部33とを備える。
【0042】
記憶部33は、経路属性情報DB(データベース)35を格納する。
経路属性情報DB35は、地図上の範囲や道路、鉄道の区間といった場所を特定する情報(経路情報)に、その場所が災害に対してどういった性質の場所であるかを示す場所属性情報(通行属性情報)を関連付けて構成される。
この経路属性情報DB35は、地図属性情報35aと、道路属性情報35bと、鉄道属性情報35cとから構成される。
【0043】
地図属性情報35aは、図5に例示するように、緯度経度情報による範囲情報に、その範囲の場所における場所属性情報が関連付けられて構成される。
地図属性情報35aにおける場所属性情報としては、図5に例示するように、夜間照明の有無と、水の備蓄の有無と、防寒具の備蓄の有無と、段差の有無と、災害種別情報と、災害種別に対する危険度の評価といった対応などが挙げられる。
【0044】
地図属性情報35aにおける範囲情報は、重なった範囲が別々に登録されていてもよい。すなわち、災害種別情報に応じて危険地域の捉え方が変わってくることもあり、そうした災害種別毎の危険地域指定として、それぞれの危険地域が範囲情報として登録されて構成されていてもよい。
【0045】
道路属性情報35bは、図6に例示するように、緯度経度により特定される地点と地点をつなぐ区間情報に、その区間の場所における場所属性情報が関連付けられて構成される。
道路属性情報35bにおける場所属性情報としては、図6に例示するように、夜間照明の有無と、段差の有無と、災害種別情報と、災害種別に対する危険度の評価といった対応などが挙げられる。
【0046】
この道路属性情報35bについても、緯度経度により特定される地点と地点をつなぐ区間情報として、重なった区間が別々に登録されていてもよい。すなわち、災害種別情報に応じて危険地域の捉え方が変わってくることもあり、そうした災害種別毎の危険区間の指定として、それぞれの危険区間が区間情報として登録されて構成されていてもよい。
【0047】
鉄道属性情報35cは、図7に例示するように、緯度経度により特定される地点(駅のある地点)と地点をつなぐ区間情報に、その区間の場所における場所属性情報が関連付けられて構成される。
鉄道属性情報35cにおける場所属性情報としては、図7に例示するように、災害種別情報と、災害種別に対する危険度の評価といった対応などが挙げられる。
【0048】
この鉄道属性情報35cについても、駅のある地点と地点をつなぐ区間情報として、重なった区間が別々に登録されていてもよい。すなわち、災害種別情報に応じて危険地域の捉え方が変わってくることもあり、そうした災害種別毎の危険区間の指定として、それぞれの危険区間が区間情報として登録されて構成されていてもよい。
【0049】
図1に示す天候情報サーバ5は、例えば台風が所定地域に到着する時刻、発生した地震の震源地や規模の情報など、天候についての各種情報を格納する天候情報DB51を備え、この天候情報DB51の情報を所定のタイミングで更新していくことができるようになっている。
この天候情報DB51により、携帯情報端末1は、災害発生時の災害種別情報や、災害レベル情報を取得する。
【0050】
風向情報サーバ6は、各地における地表付近の風向などの情報を格納する風向情報DB61を備え、この風向情報DB61の情報を所定のタイミングで更新していくことができるようになっている。
この風向情報DB61により、経路通知サーバ3は、火事が発生した際の風下がどの場所になるかといった情報を取得する。
【0051】
上記した天候情報サーバ5と、風向情報サーバ6とは、例えば気象庁による情報提供サービスを利用するなど周知のサーバを用いてもよい。また、専門の情報提供事業者を設けてその情報提供事業者が情報提供サーバを運営、管理することにより実現されるものであってもよい。
【0052】
移動経路検索サーバ7は、地図情報などを格納する移動経路情報DB71を備え、指定された地点から指定された地点まで移動するための経路や所要時間を算出する機能を備える。
【0053】
鉄道経路検索サーバ8は、鉄道の路線情報などを格納する鉄道経路情報DB81を備え、指定された駅から指定された駅まで移動するための経路や所要時間を算出する機能を備える。
【0054】
上記した移動経路検索サーバ7と、鉄道経路検索サーバ8とは、各検索機能を備えた公知の検索サーバやアプリケーションにより実現することとしてよい。
移動経路検索サーバ7については、こうした公知の検索システムにより、例えば「MapFan(登録商標) PLANNER」による渋滞回避機能や交通規制を考慮した経路検索機能など、公知の経路検索機能を用いることで、指定された区間を避けた経路検索を行うことができるようになっている。
また、鉄道経路検索サーバ8についても、例えば「駅すぱあと(登録商標)」など公知の検索システムにより、不通区間を設定する機能を備え、その不通区間を避けて経路検索ができるようになっている。
【0055】
次に、本実施形態としての経路通知システムの動作について、図8のシーケンス図を参照して説明する。
【0056】
携帯情報端末1は、例えば気象庁のWebサイトなど、災害発生の情報を得ることができるWebサイトとして予め登録されたいくつかのWebサイトに予め定められた期間毎に定期的にアクセスし、携帯情報端末1の現在位置における災害発生の有無を確認する。
この確認は、災害発生の情報を得るために予め登録されたWebサイトから、例えば「地震」「震度」「台風」などの予め定められたキーワードを検索し、そのWebサイトで災害発生が発表される時の所定の記載方式が検出されるかどうかに基づいて災害発生の有無を確認する、といった方法により実現できる。
【0057】
携帯情報端末1の現在位置情報を取得するには、電柱、ポスターなど様々な場所に、位置情報を含むQRコード(2次元コード)を掲示するようにしておき、そのQRコードを携帯情報端末1の撮影機能部(不図示)で撮影することにより、QRコードから位置情報を読み出すことができる。さらに、QRコードに至近の地図情報も含めておくことで、ネットワーク4に接続する必要なく、現在位置情報と表示用の地図情報とを取得することができる。
また、携帯情報端末1が現在位置情報を取得することができればQRコードを用いる構成に限定されず、例えば、携帯情報端末1が不図示のGPS(Global Positioning Systems)を備えることにより、現在位置情報を取得する構成であってもよい。
【0058】
こうした携帯情報端末1から登録済み各Webサイトへの定期的なアクセスにより、災害発生の情報が検出されると(ステップS11;Yes)、そのWebサイトにおける災害発生の発表時の記載方式に基づいて、そのWebサイトから災害種別情報および災害レベル情報を取得する(ステップS12)。
【0059】
携帯情報端末1は、例えば図9に例示するような画面により、利用者が予め利用者属性情報や経路選択の安全度設定を登録できるようになっている。
この利用者属性情報は、「避難時に階段や段差があってもよいか」、「夜間の移動経路は照明のない場所をさけるかどうか」といった、移動経路を選択する際に必要となる利用者自身に関する各種情報をまとめたものである。
経路選択の安全度設定は、移動経路を検索するに当たって、「危険度の最も低い安全な経路で表示」するか、「危険度中までで最短経路を表示」するかを、利用者自身が登録できるようにするものである。
【0060】
また、利用者の住所を予め利用者属性情報として登録しておくことで、その利用者住所情報を災害発生時における移動の目的地として経路通知サーバ3に送信することができる。この目的地は、利用者が操作入力部16により入力する構成であってもよい。
こうした利用者属性情報、経路選択の安全度設定情報、予め登録された目的地情報は、携帯情報端末1の記憶部17に格納されている。
【0061】
上述のようにして災害発生の情報が検出され、災害種別情報および災害レベル情報が取得されると、その災害種別情報および災害レベル情報と、現在位置情報と、利用者属性情報と、経路選択の安全度設定と、目的地情報とを、携帯情報端末1は経路通知サーバ3に送信し、移動経路情報を要求する(ステップS13)。
【0062】
移動経路の要求を受けた経路通知サーバ3は、まず、算出する移動経路の移動先を、送信された目的地とするか、携帯情報端末1の現在位置から最も近い避難場所とするかを判定する(ステップS14)。
この判定では、送信された災害種別情報および災害レベル情報に基づいて、災害種別情報に対する災害レベル情報が予め定められたレベル以上である場合、算出する移動経路の移動先を現在位置から最も近い避難場所とし、他の場合に移動先を送信された目的地とするように判定する。
【0063】
こうして携帯情報端末1の現在位置と移動先とが確定すると、経路属性情報DB35を参照し、現在位置から移動先までの間の移動経路を算出するに当たって避けるべき場所がどことどこであるかを検索する(ステップS15)。
この検索では、送信された災害種別情報および災害レベル情報に基づいて経路属性情報DB35を検索し、送信された経路選択の安全度設定情報をふまえて、その災害種別情報および災害レベル情報の下で設定された安全度の範囲内で移動できるよう、避けるべき場所を検索する。経路選択の安全度設定情報が「危険度の最も低い安全な経路」であれば、それだけ避けるべき場所が増えることとなる。
【0064】
さらに、例えば災害種別情報が「火事」である場合には、経路通知サーバ3が風向情報サーバ6に対して、携帯情報端末1の現在位置付近の風向情報を要求し、この要求により取得した風向情報に基づいて、現在位置から風下方向に所定距離までを経路検索における「避けるべき場所(通行不能箇所)」として設定する。
このように、予め定められた災害種別情報や災害レベル情報に対して、関連付けられて定められた情報サーバに所定の情報を要求し、その情報に基づいて、経路検索における「避けるべき場所」を設定する。
【0065】
経路検索における「避けるべき場所」が確定すると、その「避けるべき場所」の情報と、携帯情報端末1の現在位置情報と、移動先情報とを、移動経路検索サーバ7および鉄道経路検索サーバ8に送信し、移動経路検索サーバ7に対して徒歩のみの場合、およびバスを用いる場合についての経路検索要求を行い、鉄道経路検索サーバ8に対して鉄道での経路検索要求を行う(ステップS17)。
【0066】
移動経路検索サーバ7、鉄道経路検索サーバ8のそれぞれから、「避けるべき場所」を避けての移動経路情報と、所要時間情報と、経路上の地図情報とが送信されてくると、徒歩のみの場合、バスを用いる場合、鉄道を用いる場合それぞれの所要時間を経路通知サーバ3が比較し、最も短い時間で移動先に到着できるものを経路として選択する(ステップS18)。
こうして移動経路が選択されると、選択された移動経路情報、その経路上の地図情報、所要時間情報、および「避けるべき場所」の情報を経路通知サーバ3が携帯情報端末1に送信する(ステップS19)。
【0067】
携帯情報端末1は、送信された移動経路情報と「避けるべき場所」の情報を送信された地図上に示し、所要時間情報と共に表示部15に表示させる(ステップS20)。
【0068】
以上のように、上述した本発明の実施形態によれば、災害種別情報および災害レベル情報に基づいて、経路通知サーバ3が「避けるべき場所(通行不能箇所)」を自動的に検出し、その場所を避けた経路検索を検索サーバに実行させるため、災害の発生時に、その災害に対する対応策の知識を全く持たない利用者に対しても、自宅や避難場所といった移動先までの適切な移動経路を通知することができる。
【0069】
さらに、経路選択の安全度設定を利用者が予め登録しておくことができるため、どこまでの危険度の場所を「避けるべき場所」とし、なるべく短い距離とすることとのバランスをどのようにとるかを利用者自身が設定することができる。
【0070】
また、携帯情報端末1が経路通知サーバ3との間で通信不能となった場合、直ちに表示履歴情報と通信履歴情報のバックアップを不揮発性記憶素子に記憶させるため、通信が急に遮断された場合であっても、それまでの通信内容を失うことのないようにすることができる。
【0071】
なお、上述した各実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
例えば、経路属性情報DB35の各属性情報(地図属性情報35a、道路属性情報35b、鉄道属性情報35c)は、地図上の範囲や道路、鉄道の区間といった場所を特定する情報に、その場所が災害に対してどういった性質の場所であるかを示す場所属性情報を関連付けたものであれば構成は図5,図6,図7に示すものに限定されず、各種の形式であってよい。
【0072】
さらに、経路属性情報DB35の各属性情報について、場所を特定する情報に関連付けられる場所属性情報の設定についても、上述した図5,図6,図7に示すものに限定されず、例えば以下に列挙するように、データベース構築のポリシーに応じて、各種のパラメータ設定がなされているものであってよい。
・ 場所属性情報に地下が存在する場合の危険度情報を加え、台風や水害の場合に地下を避けることができるようにする。
・ 場所属性情報に橋の有無情報を加え、地震の場合に橋を避けることができるようにする。
【0073】
また、経路属性情報DB35は、上述した実施形態のように、地図属性情報35a、道路属性情報35b、鉄道属性情報35cの3つにより実現される方式に限定されず、例えば、緯度経度情報で特定される範囲情報に場所属性情報を関連付けた情報のみで構成するなど、範囲や区間に場所属性情報を関連付けて管理できるデータベースであれば、他の方式により実現されるものであってもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、災害発生の情報を取得するために、予め登録されたWebサイトへ定期的にアクセスすることとして説明したが、災害発生の情報を取得することができればこのことに限定されず、例えば、災害発生の情報を通知する専用のサーバを設け、災害発生時にはその専用サーバから携帯情報端末1に災害種別情報および災害レベル情報が通知される構成であってもよい。
また、災害発生時に、災害種別情報および災害レベル情報を利用者が操作入力部16により入力する構成であってもよい。
【0075】
また、利用者属性情報の登録は、図9に示すものに限定されず、例えば、性別の入力を受けるように画面を構成し、女性の場合に照明の少ない場所を避ける、といった属性登録であってもよい。また、年齢の入力を受けるように画面を構成し、所定年齢以上の高齢者である場合に段差を避けるように経路選択を行う、といった属性登録であってもよい。
【0076】
また、上述した実施形態としての経路通知システムを実現するための処理手順をプログラムとして記録媒体に記録することにより、本発明の各実施形態による上述した各機能を、その記録媒体から供給されるプログラムによって、システムを構成するコンピュータのCPUに処理を行わせて実現させることができる。
この場合、上記の記録媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記録媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
すなわち、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体および該記録媒体から読み出された信号は本発明を構成することになる。
この記録媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROM,EEPROM等を用いてよい。
【0077】
この本発明に係るプログラムによれば、当該プログラムによって制御されるコンピュータに、上述した本発明に係る実施形態としての経路通知システムにおける各機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態としての経路通知システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】携帯情報端末1の構成例を示すブロック図である。
【図3】携帯情報端末1による緊急バックアップ動作を示すフローチャートである。
【図4】経路通知サーバ3の構成例を示すブロック図である。
【図5】地図属性情報35aの構成例を示す図である。
【図6】道路属性情報35bの構成例を示す図である。
【図7】鉄道属性情報35cの構成例を示す図である。
【図8】本実施形態としての経路通知システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】利用者属性情報や経路選択の安全度設定の登録画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0079】
1 携帯情報端末
11 無線通信部
12 制御部
121 揮発性記憶部
13 通信可否判定部
14 緊急バックアップ部
15 表示部
16 操作入力部
17 記憶部(不揮発性記憶手段の一例)
171 利用者属性情報
2 無線基地局
3 経路通知サーバ
31 通信部
32 制御部
33 記憶部
35 経路属性情報DB
35a 地図属性情報
35b 道路属性情報
35c 鉄道属性情報
4 ネットワーク
5 天候情報サーバ
51 天候情報DB
6 風向情報サーバ
61 風向情報DB
7 移動経路検索サーバ
71 移動経路情報DB
8 鉄道経路検索サーバ
81 鉄道経路情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
災害種別情報および災害レベル情報を受信する災害情報受信手段と、
経路情報に、災害種別情報および災害レベルに対する通行属性情報が関連付けられて構成された経路属性情報データベースと、
前記災害情報受信手段により災害種別情報および災害レベル情報が受信された場合に、前記経路属性情報データベースを参照し、該災害の該災害レベルにおける通行不能箇所を避けるように移動先までの移動経路を経路算出手段に算出させる経路算出依頼手段と、を備えたことを特徴とする経路通知装置。
【請求項2】
目的地情報を受信する目的地情報受信手段を備え、
前記移動先は、入力された目的地または避難場所であり、
前記経路算出依頼手段は、
前記災害情報受信手段により受信された災害レベルが、予め定められた閾値より大きい場合、現在位置から最も近い避難場所を移動先とし、該避難場所までの移動経路を前記経路算出手段に算出させ、
他の場合、目的地への経路を前記経路算出手段に算出させることを特徴とする請求項1記載の経路通知装置。
【請求項3】
経路選択における安全度設定を受信する安全度設定受信手段を備え、
前記経路算出依頼手段は、前記経路属性情報データベースを参照して通行不能箇所を決定する際、前記安全度設定受信手段により受信された安全度設定に応じて、前記災害情報受信手段により受信された災害種別の災害レベルにおける通行不能箇所を決定することを特徴とする請求項1または2記載の経路通知装置。
【請求項4】
前記経路属性情報データベースは、前記通行属性情報として、前記経路情報で特定される場所が危険となる災害種別情報および当該災害種別の災害レベル情報を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の経路通知装置。
【請求項5】
前記経路算出手段により算出された複数種類の移動経路のうち、移動先までの到達に必要な時間が最も短いものを選択し、当該選択された移動経路を端末に送信する経路通知手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の経路通知装置。
【請求項6】
揮発性記憶手段と、
不揮発性記憶手段と、
通信可否を判定する通信可否判定手段と、
前記通信可否判定手段により通信不可状態になったと判定された時点で、前記揮発性記憶手段に記憶された情報のうち予め定められた情報を前記不揮発性記憶手段に記憶させる緊急バックアップ手段と、を備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項7】
表示手段を備え、
前記予め定められた情報は、前記表示手段による表示履歴情報を含むことを特徴とする請求項6記載の携帯情報端末。
【請求項8】
通信手段を備え、
前記予め定められた情報は、前記通信手段による通信履歴情報を含むことを特徴とする請求項6または7記載の携帯情報端末。
【請求項9】
前記緊急バックアップ手段は、前記通信可否判定手段により通信不可状態になったと判定された時点で、前記不揮発性記憶手段の全ての空き領域を書き込み対象として前記予め定められた情報を記憶させることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の携帯情報端末。
【請求項10】
通信手段と、
利用者属性情報を格納する利用者属性情報格納手段と、
前記通信手段からの受信情報に基づいて災害の発生を識別する災害発生識別手段と、
前記災害発生識別手段により災害の発生が識別された時に前記利用者属性情報を経路通知装置に送信する利用者属性情報送信手段と、を備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項11】
請求項1から5のいずれか1項に記載の経路通知装置と、請求項6から10のいずれか1項に記載の携帯情報端末とが通信可能に接続されて構成されたことを特徴とする経路通知システム。
【請求項12】
災害種別情報および災害レベル情報を受信する災害情報受信工程と、
経路情報に、災害種別情報および災害レベルに対する通行属性情報が関連付けられて構成された経路属性情報データベースから、前記災害情報受信工程により受信した災害種別情報および災害レベル情報に基づいて、該災害の該災害レベルにおける通行不能箇所を検索する通行不能箇所検索工程と、
前記通行不能箇所検索工程で検索された通行不能箇所を避けるように移動先までの移動経路を経路算出手段に算出させる経路算出依頼工程と、を備えたことを特徴とする経路通知方法。
【請求項13】
前記移動先は、入力された目的地または避難場所であり、
前記経路算出依頼工程では、
前記災害情報受信工程により受信された災害レベルが、予め定められた閾値より大きい場合、現在位置から最も近い避難場所を移動先とし、該避難場所までの移動経路を前記経路算出手段に算出させ、
他の場合、目的地への経路を前記経路算出手段に算出させることを特徴とする請求項12記載の経路通知方法。
【請求項14】
経路選択における安全度設定を受信する安全度設定受信工程を前記通行不能箇所検索工程の前に備え、
前記通行不能箇所検索工程では、前記経路属性情報データベースを参照して通行不能箇所を決定する際、前記安全度設定受信工程により受信された安全度設定に応じて、前記災害情報受信工程により受信された災害種別の災害レベルにおける通行不能箇所を決定することを特徴とする請求項12または13記載の経路通知方法。
【請求項15】
前記経路算出手段により算出された複数種類の移動経路のうち、移動先までの到達に必要な時間が最も短いものを選択し、当該選択された移動経路を端末に送信する経路通知工程を、前記経路算出依頼工程の後に備えたことを特徴とする請求項12から14のいずれか1項に記載の経路通知方法。
【請求項16】
通信可否を判定する通信可否判定工程と、
前記通信可否判定工程により通信不可状態になったと判定された時点で、揮発性記憶手段に記憶された情報のうち予め定められた情報を不揮発性記憶手段に記憶させる緊急バックアップ工程と、を備えたことを特徴とする端末制御方法。
【請求項17】
前記緊急バックアップ工程では、前記通信可否判定工程により通信不可状態になったと判定された時点で、前記不揮発性記憶手段の全ての空き領域を書き込み対象として前記予め定められた情報を記憶させることを特徴とする請求項16記載の端末制御方法。
【請求項18】
利用者属性情報を端末内に格納する利用者属性情報格納工程と、
他の装置からの受信情報に基づいて災害の発生を識別する災害発生識別工程と、
前記災害発生識別工程により災害の発生が識別された時に前記利用者属性情報を経路通知装置に送信する利用者属性情報送信工程と、を備えたことを特徴とする端末制御方法。
【請求項19】
災害種別情報および災害レベル情報を受信する災害情報受信処理と、
経路情報に、災害種別情報および災害レベルに対する通行属性情報が関連付けられて構成された経路属性情報データベースから、前記災害情報受信処理により受信した災害種別情報および災害レベル情報に基づいて、該災害の該災害レベルにおける通行不能箇所を検索する通行不能箇所検索処理と、
前記通行不能箇所検索処理で検索された通行不能箇所を避けるように移動先までの移動経路の算出命令を経路算出手段に送信する経路算出依頼処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項20】
前記移動先は、入力された目的地または避難場所であり、
前記経路算出依頼処理では、
前記災害情報受信処理により受信された災害レベルが、予め定められた閾値より大きい場合、現在位置から最も近い避難場所を移動先とし、該避難場所までの移動経路の算出命令を前記経路算出手段に送信し、
他の場合、目的地への経路を移動経路の算出命令を前記経路算出手段に送信することを特徴とする請求項19記載のプログラム。
【請求項21】
経路選択における安全度設定を受信する安全度設定受信処理を前記通行不能箇所検索処理の前に前記コンピュータに実行させ、
前記通行不能箇所検索処理では、前記経路属性情報データベースを参照して通行不能箇所を決定する際、前記安全度設定受信処理により受信された安全度設定に応じて、前記災害情報受信処理により受信された災害種別の災害レベルにおける通行不能箇所を決定することを特徴とする請求項19または20記載のプログラム。
【請求項22】
前記経路算出手段により算出された複数種類の移動経路情報を受信すると、移動先までの到達に必要な時間が最も短い移動経路情報を選択し、当該選択された移動経路情報を端末に送信する経路通知処理を、前記経路算出依頼処理の後に前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項19から21のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項23】
他の装置との通信可否を判定する通信可否判定処理と、
前記通信可否判定処理により通信不可状態になったと判定された時点で、揮発性記憶手段に記憶された情報のうち予め定められた情報を不揮発性記憶手段に記憶させる緊急バックアップ処理と、を端末のコンピュータに実行させることを特徴とする端末制御プログラム。
【請求項24】
前記緊急バックアップ処理では、前記通信可否判定処理により通信不可状態になったと判定された時点で、前記不揮発性記憶手段の全ての空き領域を書き込み対象として前記予め定められた情報を記憶させることを特徴とする請求項23記載の端末制御プログラム。
【請求項25】
利用者属性情報を端末内に格納する利用者属性情報格納処理と、
他の装置からの受信情報に基づいて災害の発生を識別する災害発生識別処理と、
前記災害発生識別処理により災害の発生が識別された時に前記利用者属性情報を経路通知装置に送信する利用者属性情報送信処理と、を前記端末のコンピュータに実行させることを特徴とする端末制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−158751(P2008−158751A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−346062(P2006−346062)
【出願日】平成18年12月22日(2006.12.22)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】