説明

車載ナビゲーションシステム

【課題】これから車両が走行しようとする経路上の交通ニュースをユーザに適切に提供する。
【解決手段】車載ナビゲーションシステム1は、経路を計算すると、その計算した経路上の地名(例えば市町村名など)や交通設備名称(例えばインターチェンジ名など)を記憶し、ラジオ放送局から送信されてラジオチューナー12により受信されたラジオ放送の音声を音声認識し、予め記憶されている交通情報に関係する語彙(例えば「混雑」や「通行止め」など)と先に記憶した地名や交通設備名称とを含むラジオ放送の音声を交通ニュースとして抽出し、その抽出した交通ニュースを再生してスピーカ14から出力させたり経路を再計算したりする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路を計算する経路計算手段と、放送局から放送された放送を受信する放送受信手段とを備えた車載ナビゲーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
車載ナビゲーションシステムでは、VICS(登録商標)のインフラが整備されて外部からVICS情報を受信することができる状況であれば、外部から受信したVICS情報を役立てて現在位置から目的地に至るまでの経路を計算するように構成されている。つまり、VICSのインフラが整備されている状況ではVICS情報を利用して経路を計算することができるが、一方、VICSのインフラが整備されていない状況ではVICS情報を利用して経路を計算することができない。
【0003】
一方、例えば特許文献1には、ラジオ放送を音声認識して交通ニュースを抽出し、その抽出した交通ニュースにラジオ放送の受信エリアの地名が含まれている場合に、その位置を表示装置に表示する構成が記載されている。また、例えば特許文献2には、車両の進行方向の地名を検索し、その検索した地名に対応する交通ニュースを表示装置に表示する構成が記載されている。
【特許文献1】特開2005−98862号公報
【特許文献2】特開平09−159478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1,2では、VICSのインフラが整備されていない状況であっても、交通ニュースをユーザに提供することができる。しかしながら、特許文献1では、ユーザに提供する交通ニュースがラジオ放送を受信可能なエリア内の地名に関係する交通ニュースに限られるという問題がある。また、特許文献2では、ユーザに提供する交通ニュースが車両の進行方向の交通ニュースに限られるという問題がある。そのため、車両が目的地から遠く離れた位置では、その目的地周辺の交通ニュースをユーザに提供することができず、車両が目的地周辺に到達して初めて目的地周辺の交通ニュースをユーザに提供することができる、つまり、車両が目的地周辺に到達しない限りは目的地周辺の交通ニュースをユーザに提供することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、VICSのインフラが整備されていない状況であっても、これから車両が走行しようとする経路上の交通ニュースをユーザに適切に提供することができる車載ナビゲーションシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、経路が経路計算手段により計算されると、地名・交通設備名称記憶手段は、経路計算手段により計算された経路上の地名や交通設備名称を記憶する。また、放送局から放送された放送が放送受信手段により受信されると、音声認識手段は、放送受信手段により受信された放送の音声を音声認識し、交通ニュース抽出手段は、音声認識手段により音声認識された放送の音声から交通情報語彙記憶手段に記憶されている交通情報に関係する語彙と地名・交通設備名称記憶手段に記憶されている地名や交通設備名称とを含む放送の音声を交通ニュースとして抽出する。そして、制御手段は、交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースを報知手段から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報を報知手段から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路計算手段に経路を再計算させたりする。
【0007】
これにより、交通情報に関係する語彙(例えば「混雑」や「通行止め」など)と地名・交通設備名称記憶手段に記憶されている地名(例えば市町村名など)や交通設備名称(例えばインターチェンジ名や国道の号線名など)とを含む放送(例えば「A市B町付近で混雑しています」など)が放送されると、その放送を交通ニュースとして抽出し、その抽出した交通ニュースを出力したり当該交通ニュースを反映した案内情報(例えば渋滞情報や事故情報など)を出力したり当該交通ニュースに基づいて経路を再計算したりするようになるので、放送を受信することが可能な状況であれば、VICSのインフラが整備されていない状況であっても、これから車両が走行しようとする経路上の交通ニュースをユーザに適切に提供することができる。
【0008】
請求項2に記載した発明によれば、制御手段は、地名・交通設備名称記憶手段に記憶されている地名や交通設備名称の位置を示す表示マークを表示装置に表示させ、ユーザが表示マークを指定する操作を行うと、交通ニュース記憶手段に記憶されている交通ニュースのうち表示マークの位置に対応する交通ニュースを報知手段から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報を報知手段から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路計算手段に経路を再計算させたりする。これにより、ユーザが表示マークを指定する操作を行うことにより、その表示マークの位置に対応する交通ニュースをユーザに提供することができる。
【0009】
請求項3に記載した発明によれば、交通ニュース受信時刻記憶手段は、交通ニュースが含まれている放送が放送受信手段により受信された時刻を交通ニュースの受信時刻として記憶し、制御手段は、交通ニュース受信時刻記憶手段に記憶されている受信時刻に基づいて交通ニュース記憶手段における交通ニュースの記憶状態を管理する。これにより、例えば受信時刻から所定時間が経過した交通ニュースを自動的に消去することにより、交通ニュース記憶手段の記憶領域を有効に使用することができ、最新の交通ニュースを記憶するための記憶領域を適切に確保することができる。
【0010】
請求項4に記載した発明によれば、交通ニュース発生時刻記憶手段は、交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースに含まれている交通情報の現象が発生した時刻を交通ニュースの発生時刻として記憶し、制御手段は、交通ニュース発生時刻記憶手段に記憶されている発生時刻に基づいて交通ニュース記憶手段における交通ニュースの記憶状態を管理する。これにより、例えば発生時刻から所定時間が経過した交通ニュースを自動的に消去することにより、上記した請求項3に記載したものと同様にして、交通ニュース記憶手段の記憶領域を有効に使用することができ、最新の交通ニュースを記憶するための記憶領域を適切に確保することができる。
【0011】
請求項5に記載した発明によれば、制御手段は、交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースのうちユーザが複数の経路のうちから選択した経路に該当する交通ニュースを報知手段から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報を報知手段から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路計算手段に経路を再計算させたりする。これにより、ユーザが選択した経路に該当する交通ニュースをユーザに提供することができる。
【0012】
請求項6に記載した発明によれば、制御手段は、交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースが車両の通行不可を示す交通ニュースである場合には、その地点の直前の分岐可能地点の手前にて該当する交通ニュースを報知手段から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報を報知手段から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路計算手段に経路を再計算させたりする。これにより、交通ニュースが車両の通行不可を示す交通ニュース(例えば「通行止め」や「進入禁止」や「道路破損」など)であれば、その地点の手前にて、これから先の経路について車両が通行不可である旨をユーザに知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。車載ナビゲーションシステム1は、制御装置2(本発明でいう経路計算手段、交通情報語彙記憶手段、地名・交通設備名称記憶手段、交通ニュース抽出手段、制御手段、交通ニュース記憶手段、交通ニュース発生時刻記憶手段、交通ニュース受信時刻記憶手段)、位置検出器3、地図データ入力器4、操作スイッチ群5、送受信機6、外部メモリ7、表示装置8(本発明でいう報知手段)、音声コントローラ9、音声認識装置10(本発明でいう音声認識手段)、リモコンセンサ11及びラジオチューナー12(本発明でいう放送受信手段)を備えて構成されている。
【0014】
制御装置2は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース、これらを接続するバスなど(いずれも図示せず)を備えて構成され、各種の機能ブロックから入力した各種の信号に基づいて車載ナビゲーションシステム1の動作全般(例えば現在位置補正、目的地設定、経路計算、地図縮尺変更及び音量調整など)を制御する。位置検出器3は、地磁気センサ3a、ジャイロスコープ3b、距離センサ3c及びGPS受信機3dから構成されており、これら位置検出器3の各構成要素は互いに性質の異なる検出誤差を有している。制御装置2は、位置検出器3の各構成要素から検出信号を入力すると、それら入力した検出信号を互いに補完し、車両の現在位置、進行方向、走行距離などを検出する。尚、位置検出器3は、要求される検出精度で車両の現在位置を検出可能であれば、これら全ての構成要素を備える必要はなく、また、ステアリングホイールの回転センサや各タイヤの回転を検出する車輪センサなどが組合わされて構成されていても良い。
【0015】
地図データ入力器4は、例えばDVD−ROMなどの記録媒体から転送された地図データ、マップマッチング用データ及び目印データを記憶する。この場合、記録媒体は、例えばCD−ROM、メモリカード及びHDDなどであっても良い。操作スイッチ群5は、表示装置8の周辺に配置されたメカニカルスイッチや表示装置8の例えばカラー液晶ディスプレイ上に形成されたタッチスイッチなどから構成されている。送受信機6は、外部(例えばVICSのインフラなど)からVICS情報、気象情報及び施設情報などを受信すると共に、車両情報及びユーザ情報を外部に送信する。
【0016】
外部メモリ7は、例えばHDDなどの大容量記憶装置から構成されており、電源オフでも保存しておく必要があるデータや頻繁に使用するデータを記憶可能に構成されている。表示装置8は、例えばカラー液晶ディスプレイから構成されており、車両の現在位置を表す現在位置マークを地図データの地図上に重ねて表示したり、ユーザが目的地を設定するための操作画面を表示したりする。尚、表示装置8は、有機ELやプラズマディスプレイなどから構成されていても良い。
【0017】
音声コントローラ9は、制御装置2からの制御指示に基づいて音声認識装置10を制御し、マイク13から音声認識装置10に入力された音声やラジオ放送局から放送されてラジオチューナー12により受信されたラジオ放送を音声認識装置10にて音声認識アルゴリズムに基づいて音声認識させ、その音声認識結果を制御装置2に出力すると共に、音声出力信号をスピーカ14(本発明でいう報知手段)に出力し、操作ガイダンス音声や警告音声などをスピーカ14から出力させる。リモコンセンサ11は、リモコン15からの操作信号を電波により受信して制御装置2へ出力する。
【0018】
本実施形態では、制御装置2は、交通情報語彙の音声認識辞書と地名・交通設備名称の音声認識辞書とを記憶している。交通情報語彙の音声認識辞書とは、図2(a)に示すように、交通情報に関係する語彙と読みとの対応関係を示すもので、一例として「混雑」、「通行止め」、「上り」及び「下り」などの語彙と読みとの対応関係が記憶されている。尚、この交通情報語彙の音声認識辞書は、ユーザが製品購入後に自らで登録するものであっても良いし、製造業者が製品を製造する段階や出荷する段階で登録するものであっても良いし、販売業者が製品を販売する段階で登録するものであっても良い。
【0019】
地名・交通設備名称の音声認識辞書とは、図2(b)に示すように、制御装置2が計算した経路上の地名や交通設備名称と読みとの対応関係を示すもので、一例として「東名高速道路」、「岡崎インターチェンジ」、「岡崎市」及び「国道1号」などの語彙と読みとの対応関係が記憶されている。
【0020】
次に、上記した構成の作用について、図3を参照して説明する。ここで、図3は、制御装置2が行う処理をフローチャートとして示している。尚、ここでは、制御装置2に予め交通情報語彙の音声認識辞書が登録されており且つラジオチューナー12が駆動していることを前提として説明する。
【0021】
制御装置2は、例えばユーザが目的地を設定する操作を行った旨を検出すると、現在位置から目的地に至るまでの経路を計算し(ステップS1)、例えば時間優先の経路、距離優先の経路、高速道路優先の経路及び一般道路優先の経路などの幾つかの経路を経路リストとして作成する(ステップS2)。そして、制御装置2は、その作成した幾つかの経路に基づいて経路上の地名や交通設備名称を抽出し(ステップS3)、地名・交通設備名称の音声認識辞書を作成する(ステップS4)。具体的に説明すると、制御装置2は、計算した経路が例えば「岡崎市」周辺を通過するものであれば、図2(b)に示すように、「東名高速道路」、「岡崎インターチェンジ」、「岡崎市」及び「国道1号」などを含む地名・交通設備名称の音声認識辞書を作成する。
【0022】
次いで、制御装置2は、ラジオ放送局から放送されてラジオチューナー12により受信されたラジオ放送の音声を音声認識装置10に音声認識させ(ステップS5)、予め記憶している交通情報語彙の音声認識辞書と経路に基づいて作成した地名・交通設備名称の音声認識辞書とを参照し、ラジオ放送の音声から交通ニュースを抽出する(ステップS6)。具体的に説明すると、制御装置2は、ラジオ放送から例えば「岡崎インターチェンジが混雑しています」という文章を音声認識すると、交通情報語彙の音声認識辞書に「混雑」が登録されており且つ交通情報語彙の音声認識辞書に「岡崎インターチェンジ」が登録されているので、ラジオ放送の当該から当該文章を交通ニュースとして抽出する。
【0023】
次いで、制御装置2は、その抽出した交通ニュースについて、地名や交通設備名称を示す「場所」、その地名や交通設備名称の地図データ上での座標を示す「座標」、交通情報語彙(交通情報の内容)を示す「レベル」を記憶し、それらを構成要素とする交通ニュースリストを作成する(ステップS7)。この場合、制御装置2は、交通ニュースがラジオチューナー12により受信された時刻を示す「受信時刻」を記憶し、その交通ニュースに交通情報の現象が発生した時刻が含まれている場合には、交通情報の現象が発生した時刻を示す「発生時刻」をも記憶する。また、制御装置2は、交通ニュースが例えば「通行止め」、「事故発生」及び「火災」などの重要性や緊急性の高いものであり、記憶領域に余裕があれば(十分な記憶領域を確保していれば)、その交通ニュースの音声を「音声ファイル」として記憶する。
【0024】
そして、制御装置2は、このようにして作成した交通ニュースを再生してスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報(例えば渋滞情報や事故情報など)をスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路を再計算したりする(ステップS8)。このようにして、制御装置2は、ラジオ放送局から放送されてラジオチューナー12により受信されたラジオ放送に含まれている交通ニュースをユーザに提供する。
【0025】
また、制御装置2は、地名や交通設備名称の位置を示す表示マークを表示装置8に表示させている状態でユーザが表示マークを指定する操作を行った旨を検出すると、その表示マークの位置に対応する交通ニュースを再生してスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報をスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路を再計算したりする。
【0026】
ところで、制御装置2は、地名・交通設備名称の音声認識辞書や交通ニュースリストを以下の手順にしたがって逐一更新することにより、最新の地名・交通設備名称や交通ニュースを記憶するための記憶領域を確保している。すなわち、制御装置2は、車両が目的地に到達した旨、地名・交通設備名称の音声認識辞書に登録されている地名や交通設備名称の地点を車両が通過した旨、及び車両の現在位置と目的地との関係からこれから車両が走行しない旨を検出すると、その地名や交通設備名称を地名・交通設備名称の音声認識辞書から削除して地名・交通設備名称の音声認識辞書を更新すると共に、該当する交通ニュースを交通ニュースリストから削除して交通ニュースリストを更新する。
【0027】
また、制御装置2は、交通ニュースリストの受信時刻や発生時刻を監視し、それら受信時刻や発生時刻から所定時間(例えば24時間)が経過した交通ニュースを交通ニュースリストから削除して交通ニュースリストを更新する。尚、その場合、現象が解消し易い交通情報(例えば「混雑」など)についてはユーザに削除の可否を問合せることなく自動的に削除し、一方、現象が解消し難い交通情報(例えば「通行止め」や「事故」など)では、ユーザに削除の可否を問合せてユーザが了解した旨を条件として削除するようにしても良い。
【0028】
また、制御装置2は、ユーザが複数の経路のうちから選択した経路に該当する交通ニュースを再生してスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報をスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路を再計算したりするが、選択しなかった経路に該当する交通ニュースについては参考情報として扱い、その該当する交通ニュースを再生したりすることはなく当該交通ニュースに基づいて経路を再計算したりすることもない。
【0029】
また、制御装置2は、交通ニュースが車両の通行不可(例えば「通行止め」など)を示す交通ニュース(例えば「通行止め」など)である場合には、その地点の直前の分岐可能地点の手前にて該当する交通ニュースを再生してスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報をスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路を再計算したりする。
【0030】
以上に説明したように本実施形態によれば、車載ナビゲーションシステム1において、経路を計算すると、その計算した経路上の地名や交通設備名称を記憶し、ラジオ放送局から送信されてラジオチューナー12により受信されたラジオ放送の音声を音声認識し、予め記憶されている交通情報に関係する語彙と先に記憶した地名や交通設備名称とを含むラジオ放送の音声を交通ニュースとして抽出し、その抽出した交通ニュースを再生してスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報をスピーカ14から出力させたり当該交通ニュースに基づいて経路を再計算したりするように構成したので、ラジオ放送を受信することが可能な状況であれば、VICSのインフラが整備されていない状況であっても、これから車両が走行しようとする経路上の交通ニュースをユーザに適切に提供することができる。
【0031】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
ラジオ放送局から放送されてラジオチューナーにより受信されたラジオ放送に限らず、テレビチューナーが設けられ、テレビ放送局から放送されてテレビチューナーにより受信されたテレビ放送の音声から交通ニュースを抽出する構成であっても良い。また、映像認識装置が設けられ、テレビ放送の映像から交通ニュースを抽出する構成であっても良い。その場合、テレビ放送の音声については連続的に音声認識し、テレビ放送の映像については例えば数秒毎の間欠的に音声認識する構成であっても良い。
交通情報語彙の音声認識辞書、地名・交通設備名称の音声認識辞書及び交通ニュースリストを制御装置が記憶する構成に限らず、それらを外部メモリや他の記憶装置が記憶する構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態を示す機能ブロック図
【図2】交通情報語彙の音声認識辞書、地名・交通設備名称の音声認識辞書及び交通ニュースリストを示す図
【図3】フローチャート
【符号の説明】
【0033】
図面中、1は車載ナビゲーションシステム、2は制御装置(経路計算手段、交通情報語彙記憶手段、地名・交通設備名称記憶手段、交通ニュース抽出手段、制御手段、交通ニュース記憶手段、交通ニュース発生時刻記憶手段、交通ニュース受信時刻記憶手段)、8は表示装置(報知手段)、10は音声認識装置(音声認識手段)、12はラジオチューナー(放送受信手段)、14はスピーカ(報知手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路を計算する経路計算手段と、放送局から放送された放送を受信する放送受信手段とを備えた車載ナビゲーションシステムであって、
交通情報に関係する語彙を記憶する交通情報語彙記憶手段と、
前記経路計算手段により計算された経路上の地名や交通設備名称を記憶する地名・交通設備名称記憶手段と、
前記放送受信手段により受信された放送の音声を音声認識する音声認識手段と、
前記音声認識手段により音声認識された放送の音声から前記交通情報語彙記憶手段に記憶されている語彙と前記地名・交通設備名称記憶手段に記憶されている地名や交通設備名称とを含む放送の音声を交通ニュースとして抽出する交通ニュース抽出手段と、
前記交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースを報知手段から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報を前記報知手段から出力させたり当該交通ニュースに基づいて前記経路計算手段に経路を再計算させたりする制御手段とを備えたことを特徴とする車載ナビゲーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載した車載ナビゲーションシステムにおいて、
前記交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースを記憶する交通ニュース記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記地名・交通設備名称記憶手段に記憶されている地名や交通設備名称の位置を示す表示マークを表示装置に表示させ、ユーザが表示マークを指定する操作を行った場合に、前記交通ニュース記憶手段に記憶されている交通ニュースのうち表示マークの位置に対応する交通ニュースを前記報知手段から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報を前記報知手段から出力させたり当該交通ニュースに基づいて前記経路計算手段に経路を再計算させたりすることを特徴とする車載ナビゲーションシステム。
【請求項3】
請求項1または2に記載した車載ナビゲーションシステムにおいて、
交通ニュースが含まれている放送が前記放送受信手段により受信された時刻を交通ニュースの受信時刻として記憶する交通ニュース受信時刻記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記交通ニュース受信時刻記憶手段に記憶されている受信時刻に基づいて前記交通ニュース記憶手段における交通ニュースの記憶状態を管理することを特徴とする車載ナビゲーションシステム。
【請求項4】
請求項1または2に記載した車載ナビゲーションシステムにおいて、
前記交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースに含まれている交通情報の現象が発生した時刻を交通ニュースの発生時刻として記憶する交通ニュース発生時刻記憶手段を備え、
前記制御手段は、前記交通ニュース発生時刻記憶手段に記憶されている発生時刻に基づいて前記交通ニュース記憶手段における交通ニュースの記憶状態を管理することを特徴とする車載ナビゲーションシステム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載した車載ナビゲーションシステムにおいて、
前記制御手段は、前記交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースのうちユーザが複数の経路のうちから選択した経路に該当する交通ニュースを前記報知手段から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報を前記報知手段から出力させたり当該交通ニュースに基づいて前記経路計算手段に経路を再計算させたりすることを特徴とする車載ナビゲーションシステム。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載した車載ナビゲーションシステムにおいて、
前記制御手段は、前記交通ニュース抽出手段により抽出された交通ニュースが車両の通行不可を示す交通ニュースである場合には、その地点の直前の分岐可能地点の手前にて該当する交通ニュースを前記報知手段から出力させたり当該交通ニュースを反映した案内情報を前記報知手段から出力させたり当該交通ニュースに基づいて前記経路計算手段に経路を再計算させたりすることを特徴とする車載ナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−327774(P2007−327774A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−157317(P2006−157317)
【出願日】平成18年6月6日(2006.6.6)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】