説明

車載用表示装置

【課題】受信したVICSビーコンによる交通情報によって、ユーザに違和感や混乱を与えない車載用表示装置を提供する。
【解決手段】道路上に設置された道路情報発信源から、当該道路に関するポップアップ表示用情報を取得した際に、検出された車両の現在位置に基づいて、車両の地図表示画面上における現在位置を、道路地図上にて該車両が走行中と推定される道路に一致するように補正するマップマッチングの精度が悪化するに応じて、道路地図データが表示される地図表示画面に割り込み表示されるポップアップ用情報の表示を制限することを特徴とする車載用表示装置として提供可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路上に設置された道路情報発信源から取得した情報を表示する車載用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示器上に道路地図と共に表示して、出発地から目的地までの適切な経路を設定し、表示器や音声出力装置などによって案内する車載用ナビゲーション装置は、ユーザの効率的で安全な運転に貢献している。
【0003】
車載用ナビゲーション装置は、GPS情報,車速,ジャイロ等のセンサによる推定軌跡、推定軌跡と地図データの一致度を見るマップマッチングといった技術を用いて現在位置を推定する機能を有している(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2005−227092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、推定される現在位置は技術の進歩に伴いその精度を高めているが100%正確な位置を特定するには至っていない。例えば、推定現在位置が存在する道路と並行して道路が存在する場合、その並行道路上にも現在位置候補が存在することがある。並行道路が近接している場合はいずれの道路が真の現在位置かを特定することは困難なことが多く、しばしば現在位置誤判定の要因となる。
【0006】
また、車載用ナビゲーション装置にはVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)ビーコンを受信した時に、交差点等のビーコン送信機が設置されている地点から各方面に対する交通情報を表示する機能を有するものがある。この場合、車両の実際の現在位置と、マップマッチングで推測された地図上の現在位置が異なっている状態で、VICSビーコンを受信して実際の現在位置における交通情報を表示すると、ユーザに違和感や混乱を与えてしまうことが問題として挙げられる。
【0007】
上記問題を背景として、本発明の課題は、受信したVICSビーコンによる交通情報によって、ユーザに違和感や混乱を与えない車載用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するための車載用表示装置は、道路上に設置された道路情報発信源から、当該道路に関するポップアップ表示用情報を取得する取得手段と、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、道路地図データを記憶する地図データ記憶手段と、道路地図データを地図表示画面に表示する表示手段と、ポップアップ表示用情報を地図表示画面に割り込み表示するポップアップ表示手段と、検出された現在位置に基づいて、車両の地図表示画面上における現在位置を、道路地図上にて該車両が走行中と推定される道路に一致するようマップマッチング補正するマップマッチング手段と、該マップマッチング後の現在位置を地図表示画面上に表示する現在位置表示手段と、マップマッチングの精度を算出するマップマッチング精度算出手段と、算出されたマップマッチング精度が悪化するに応じて、表示手段におけるポップアップ表示を制限するポップアップ表示制限手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明は、車両の地図上の現在位置のマップマッチング精度の算出を行い、その精度が低いときはポップアップ表示を行わないことでユーザに違和感や混乱を与えないことを目的とするものである。上記構成によって、車両の実際の現在位置と、マップマッチングで推測された地図上の現在位置が異なっている状態で、VICSビーコンを受信しても、VICSビーコンに含まれるポップアップ表示用情報は表示されないので、ユーザに違和感や混乱を与えてしまう問題は解消される。
【0010】
また、本発明の車載用表示装置におけるポップアップ表示用情報は、道路上の予め定められた地点ないし区間に係る当該道路に関連した交通情報を含むものであり、ポップアップ表示手段は、道路上の地点ないし区間に車両の現在位置が到来したとき、交通情報をポップアップ表示として地図表示画面に割り込み表示するとともに、ポップアップ表示制限手段は、道路上の地点ないし区間に対する現在位置のマップマッチング精度に基づいてポップアップ表示を制限するように構成することもできる。
【0011】
ポップアップ表示用情報の内容に該当する地点に接近すると、その地点の交通情報を表示するものであるが、マップマッチング精度が悪い場合は、車両の現在位置と、地図表示画面上における現在位置とが異なり、地図表示画面上における現在位置とは異なる地点に関するポップアップ表示が行われるので、ユーザは混乱してしまう。しかし、上記構成によって、マップマッチング精度が悪い場合はポップアップ表示が制限されるので、車両の地図表示画面上における現在位置と異なる地点に関するポップアップ表示が行われてユーザが混乱するという問題は解消される。
【0012】
また、本発明の車載用表示装置におけるポップアップ表示用情報は、交差点の拡大表示情報であるように構成することもできる。
【0013】
ユーザにとって有益なポップアップ表示用情報の一つとして、交差点の拡大表示情報がある。これは、交差点の形状や車線の数、あるいは交差点の各道路について、その道路がどこへ向かっているかというような情報が含まれている。車両の地図表示画面上における現在位置の前方には存在しない交差点情報がポップアップ表示されても、ユーザは混乱するだけである。しかし、上記構成によって、このようなポップアップ表示は行われないので、ユーザが混乱するという問題は解消される。
【0014】
また、本発明の車載用表示装置における現在位置表示手段は、現在位置に対するマップマッチング補正が完了するまでの間は、マップマッチング補正前の現在位置を地図表示画面上において道路外領域に表示するものであり、ポップアップ表示制限手段は、車両の地図表示画面上における現在位置が道路外となった場合、ポップアップ表示を禁止するように構成することもできる。
【0015】
車両の地図表示画面上における現在位置が道路外である場合、それを見たユーザは、マップマッチングが正確に行われていないことを認識できる。この状態でポップアップ表示を行えば、ユーザがマップマッチング機能の精度に疑いを持ち、本車載用表示装置に対する信頼度が低下するという問題が生じる。しかし、上記構成によって、ポップアップ表示は禁止されるので、車両の現在位置とは関係のない地点に関するポップアップ表示が行われてユーザが混乱するという問題は解消される。また、ユーザの本車載用表示装置に対する信頼度も低下することはない。
【0016】
また、本発明の車載用表示装置におけるポップアップ表示制限手段は、マップマッチング精度が予め定められたレベルに低下したとき、ポップアップ表示を禁止するように構成することもできる。
【0017】
車両の現在位置と、地図表示画面上における現在位置との差は、マップマッチング精度のレベルが低くなるとともに大きくなるといってもよい。両現在位置の差とマップマッチング精度のレベルの関係は、予め実験等で調べておくことができる。上記構成によって、簡単な判断基準でポップアップ表示を禁止するかどうかを決めることができる。
【0018】
また、本発明の車載用表示装置におけるポップアップ表示制限手段は、マップマッチング補正を実施したときマップマッチング精度が予め定められたレベルを上回ると予測される現在位置候補が一つのみのとき、ポップアップ表示を許可するように構成することもできる。
【0019】
この「予め定められたレベル」とは、地図表示画面上における現在位置との差が、例えば、数m程度になるようなマップマッチング精度に相当するものである。また、予め定められたレベルを上回る現在位置候補が複数あるということは、マップマッチング精度に問題があると考えざるを得ない。上記構成によって、車両の地図表示画面上における現在位置とは関係のない可能性が高い地点に関するポップアップ表示は行われないので、ユーザが混乱するという問題は解消される。
【0020】
また、本発明の車載用表示装置におけるポップアップ表示制限手段は、マップマッチング補正を受けて既に表示中の現在位置以外に、マップマッチング精度が予め定められたレベルを上回り、かつ、表示中現在位置のマップマッチング精度との差が一定範囲内にある他の現在位置候補が少なくとも一つ存在する場合に、ポップアップ表示を禁止するように構成することもできる。
【0021】
マップマッチング精度が予め定められたレベルを上回る現在位置候補が2つ存在する場合、一方がマップマッチング精度の最大値に近く、他方が予め定められたレベルをわずかに超える場合では、両者のマップマッチング精度に十分な差があって、前者を地図表示画面上における現在位置としても差し支えないこともある。しかし、両者のマップマッチング精度に十分な差がない場合は、上記と同様にマップマッチング精度に問題があると考えざるを得ない。また、両者のマップマッチング精度の差がどのくらいでれば、車両の現在位置と車両の地図表示画面上における現在位置とが異なるかは、予め実験等で調べておくことができる。上記構成によって、例えば、「団栗の背比べ」のように、予め定められたレベルを超えるマップマッチング精度の現在位置候補が一定範囲内に複数存在する場合にはポップアップ表示を禁止するので、ユーザが混乱するという問題は解消される。
【0022】
また、本発明の車載用表示装置は、道路情報発信源としてVICSビーコンを使用するように構成することもできる。
【0023】
VICSは、渋滞や交通規制などの道路交通情報をリアルタイムに送信し、車載用ナビゲーション装置などの車載機において、この道路交通情報を文字・図形で表示する情報通信システムである。VICSは、情報提供を開始してから10年が経過し、車載機の普及とともに利用者も増加している。上記構成によって、既存のインフラや装置を利用することで、本発明の車載用表示装置を低コストで実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の車載用表示装置を車載用ナビゲーション装置の機能の一部として構成した例を、図面を参照しながら説明する。無論、車載用表示装置として独立した構成としてもよいし、他の車載機器の一部として構成としてもよい。図1は車載用ナビゲーション装置(以下、ナビゲーション装置と略称)100の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は、位置検出器1,地図データ入力器6,操作スイッチ群7,リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ11,音声案内などを行う音声合成回路24,スピーカ15,メモリ9,表示器10,送受信機13,ハードディスク装置(HDD)21,LAN(Local Area Network) I/F(インターフェース)26,これらの接続された制御回路8,リモコン端末12等を備えている。
【0025】
位置検出器1は、周知の地磁気センサ2,車両101(図2参照)の回転角速度を検出するジャイロスコープ3,車両101の走行距離を検出する距離センサ4,および衛星からの電波に基づいて車両101の位置を検出するGPS受信機5を有している。これらのセンサ2,3,4,5は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部のセンサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ例えば車速センサ23等を用いてもよい。なお、位置検出器1が本発明の位置検出手段に相当する。
【0026】
操作スイッチ群7は、例えば表示器10と一体になったタッチパネル22もしくはメカニカルなスイッチが用いられる。タッチパネル22は、表示器10の画面上にガラス基盤と透明なフィルムにスペーサと呼ばれる隙間を介してX軸方向、Y軸方向に電気回路が配線され、フィルム上をユーザがタッチすると、押された部分の配線がショートして電圧値が変わるため、これを2次元座標値(X,Y)として検出する、いわゆる抵抗膜方式が広く用いられる。その他に、周知のいわゆる静電容量方式を用いてもよい。メカニカルスイッチの他に、マウスやカーソル等のポインティングデバイスを用いてもよい。また、メカニカルなスイッチは、例えば、表示器10とその周辺を覆い意匠枠となるエスカッション(図示せず)に配置される。
【0027】
また、マイク31および音声認識ユニット30を用いて種々の指示を入力することも可能である。これは、マイク31から入力された音声信号を、音声認識ユニット30において周知の隠れマルコフモデル等の音声認識技術により処理を行い、その結果に応じた操作コマンドに変換するものである。これら操作スイッチ群7,リモコン端末12,タッチパネル22,およびマイク31により、種々の指示を入力することが可能である。
【0028】
また、ETC車載器17と通信することにより、ETC車載器17が路側器(図示せず)から受信した料金情報などをナビゲーション装置100に取り込むことができる。また、ETC車載器17によって外部ネットワークと接続し、VICSセンタ14等との通信を行う構成をとってもよい。
【0029】
制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84,A/D変換部86,描画部87,時計IC88,およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、HDD21に記憶されたナビプログラム21pおよびデータにより制御を行う。また、HDD21へのデータの読み書きの制御はCPU81によって行なわれる。また、CPU81からHDD21に対してデータの読み書きの制御ができなくなった場合のために、ROM82にナビゲーション装置100として必要最低限の動作を行うためのプログラムを記憶しておいてもよい。なお、制御回路8が本発明のマップマッチング手段,マップマッチング精度算出手段,ポップアップ表示制限手段に相当する。
【0030】
A/D変換部86は周知のA/D(アナログ/デジタル)変換回路を含み、例えば位置検出器1などから制御回路8に入力されるアナログデータをCPU81で演算可能なデジタルデータに変換するものである。
【0031】
描画部87は、HDD21等に記憶された地図データ21m(後述),表示用のデータや表示色のデータから表示器10に表示させるための表示画面データを生成する。
【0032】
時計IC88はリアルタイムクロックICとも呼ばれ、CPU81からの要求に応じて時計・カレンダーのデータを送出あるいは設定するものである。CPU81は時計IC88から日時情報を取得する。また、GPS受信機5で受信したGPS信号に含まれる日時情報を用いてもよい。また、CPU81に含まれるリアルタイムカウンタを基にして日時情報を生成してもよい。取得された日時情報は、例えば走行履歴管理に用いられる。
【0033】
HDD21には、ナビプログラム21pの他に位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、道路の接続を表した道路データを含む地図データベースである地図データ21mが記憶される。地図データ21mは、表示用となる所定の地図画像情報を記憶するとともに、リンク情報やノード情報等を含む道路網情報を記憶する。リンク情報は、各道路を構成する所定の区間情報であって、位置座標、距離、所要時間、幅員、車線数、制限速度等がリンク属性に含まれる。また、ノード情報は、交差点(分岐路)等を規定する情報であって、位置座標、右左折車線数、接続先道路リンク、距離コスト等から構成される。また、リンク間接続情報には、通行の可不可を示すデータなどが設定されている。なお、地図データ21mが本発明の地図データ記憶手段に相当する。
【0034】
HDD21には経路案内の補助情報や娯楽情報、その他にユーザが独自にデータを書き込むことができ、ユーザデータ21uとして記憶される。また、ナビゲーション装置100の動作に必要なデータや各種情報はデータベース21dとしても記憶される。
【0035】
ナビプログラム21p,地図データ21m,ユーザデータ21u,およびデータベース21dは、地図データ入力器6を介して記憶媒体20からそのデータの追加・更新を行うことが可能である。記憶媒体20は、そのデータ量からCD−ROMやDVDを用いるのが一般的であるが、例えばメモリカード等の他の媒体を用いてもよい。また、外部ネットワークを介してデータをダウンロードする構成を用いてもよい。
【0036】
メモリ9はEEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory:電気的消去・プログラム可能・読出し専用メモリ)やフラッシュメモリ等の書き換え可能なデバイスによって構成され、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、メモリ9は、ナビゲーション装置100がオフ状態になっても記憶内容が保持されるようになっている。また、メモリ9の代わりにナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをHDD21に記憶してもよい。さらに、ナビゲーション装置100の動作に必要な情報およびデータをメモリ9とHDD21に分けて記憶してもよい。
【0037】
表示器10は周知のカラー液晶表示器で構成され、ドット・マトリックスLCD(Liquid Crystal Display)およびLCD表示制御を行うための図示しないドライバ回路を含んで構成されている。ドライバ回路は、例えば、画素毎にトランジスタを付けて目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができるアクティブマトリックス駆動方式が用いられ、制御回路8(描画部87)から送られる表示指令および表示画面データに基づいて表示を行う。また、表示器10として有機EL(ElectroLuminescence:電界発光)表示器,プラズマ表示器を用いてもよい。なお、表示器10が本発明の表示手段,ポップアップ表示手段に相当する。
【0038】
スピーカ15は周知の音声合成回路24に接続され、ナビプログラム21pの指令によってメモリ9あるいはHDD21に記憶されるデジタル音声データが音声合成回路24においてアナログ音声に変換されたものが送出される。なお、音声合成の方法には、音声波形をそのままあるいは符号化して蓄積しておき必要に応じて繋ぎ合わせる録音編集方式、文字入力情報からそれに対応する音声を合成するテキスト合成方式などがある。
【0039】
送受信機13は、例えば道路に沿って設けられた、道路情報発信源である路上送信機110,111(図2参照)から出力されるVICSビーコンである光ビーコン、または電波ビーコンによってVICSセンタ14から道路交通情報を受信、あるいはFM多重放送を受信するための装置である。また、送受信機13を用いてインターネット等の外部ネットワークに接続可能な構成としてもよい。なお、送受信機13が本発明の取得手段に相当する。
【0040】
車速センサ23は周知のロータリエンコーダ等の回転検出部を含み、例えば車輪取り付け部付近に設置されて車輪の回転を検出してパルス信号として制御回路8に送るものである。制御回路8では、その車輪の回転数を車両101の速度に換算して、車両101の現在位置から所定の場所までの予想到達時間を算出したり、車両101の走行区間毎の平均車速を算出する。
【0041】
LAN I/F26は車内LAN27を介して他の車載機器やセンサとのデータの遣り取りを行うためのインターフェース回路である。また、LAN I/F26を介して車速センサ23からのデータ取り込み、あるいはETC車載器17との接続を行ってもよい。
【0042】
このような構成を持つことにより、ナビゲーション装置100は、制御回路8のCPU81によりナビプログラム21pが起動されると、ユーザが操作スイッチ群7,タッチパネル22、リモコン端末12の操作あるいはマイク31からの音声入力によって、表示器10上に表示されるメニュー(図示せず)から目的地経路を表示器10に表示させるための経路案内処理を選択した場合、次のような処理を実施する。
【0043】
すなわち、まず、ユーザは目的地を探索する。目的地の探索方法は、例えば、地図上の任意の地点を指定する方法、目的地の所在する地域から探索する方法,目的地の電話番号から探索する方法,五十音表から目的地の名称を入力して探索する方法,あるいはユーザがよく利用する施設としてメモリ9に記憶されているものから探索する方法などがある。目的地が設定されると、位置検出器1により車両101の現在位置が求められ、該現在位置を出発地として目的地までの最適な案内経路を求める処理が行われる。そして、表示器10上の道路地図に案内経路を重ねて表示し、ユーザに適切な経路を案内する。このような自動的に最適な案内経路を設定する手法は、ダイクストラ法等の手法が知られている。また、表示器10およびスピーカ15の少なくとも一方によって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの報知を行う。
【0044】
図3を用いて、ポップアップ表示関連処理の流れについて説明する。なお、本処理はナビプログラム21pに含まれ、ナビプログラム21pの他の処理とともに繰り返し実行される。まず、マップマッチング処理を実行する(S11)。次に、マップマッチングの精度である自信度判定処理を実行する(S12)。次に、マップマッチング結果と自信度に基づいて、ポップアップ表示制限判定処理を実行する(S13)。最後に、ポップアップ表示制限判定に基づいて画面表示処理を実行する(S14)。なお、図3では、ナビプログラム21pの他の処理は省略されている。
【0045】
図3のステップS11に相当するマップマッチング処理は、例えば、GPS衛星からの電波を受信し、その受信情報から自車の現在位置(緯度、経度)を算出する電波航法と、例えば車速センサ23の出力信号から算出される移動距離を、ジャイロセンサ3等の方位センサから算出される方位に従って積算することにより、自車の現在位置を推定する自立航法とを組み合わせて、両航法の長所を活かしたハイブリッド航法により算出した車両の現在位置から求められる車両の走行軌跡と、地図データ21mとを比較することにより、車両が走行している道路を推定し、より正しい車両の現在位置を求める周知の技術である。このマップマッチング処理については、例えば特開2005−132291号公報(段落0058〜0063)に一例が記載されている。
【0046】
図4を用いて、図3のステップS12に相当する自信度判定処理について説明する。まず、S31では、初期化処理として、自信度Zをゼロにリセットする(S31)。
【0047】
次に、センサ状態の判定を行う(S32)。すなわち、地磁気センサ2,ジャイロスコープ3,距離センサ4,および車速センサ23について、断線や短絡等の故障が生じておらず、正常に動作しており、各センサが使用可能であるかどうかを判定する。この判定は、例えば各センサからの出力の変化を観察することによって行うことが可能である。そして、全てのセンサが使用可能と判定された場合には、判定結果を「1」とし、その判定結果に「2」の重み付けを付与した値を自信度Zに加算する。一方、いずれか1つのセンサでも使用不可と判定された場合には、判定結果を「0」とする。このため、判定結果に重み付けを付与した値もゼロとなり、自信度Zの値はゼロのままとなる。
【0048】
次に、測位状況の判定を行う(S33)。すなわち、GPSにおいて3D測位が可能であるかを、GPS受信機5において電波を受信しているGPS衛星の数やGPS衛星の配置から判定する。通常は4個以上のGPS衛星から電波を受信できれば、3D測位が可能となる。そして、このステップにおいて3D測位が可能であると判定された場合には、判定結果を「1」とし、その判定結果に「2」の重み付けを付与した値を自信度Zに加算する。一方、3D測位に必要な数のGPS衛星からの電波を受信できていない場合や、GPS衛星の配置からその受信が極めて不安定である場合、判定結果を「0」とする。このため、判定結果に重み付けを付与した値もゼロとなり、自信度Zの値が増加されることはない。
【0049】
次に、ジャイロスコープ3および車速センサ23のセンサ精度の判定を行う(S34)。Po、Pg、Pdはそれぞれジャイロオフセット誤差、ジャイロゲイン補正係数誤差、距離係数誤差の標準偏差であり、それぞれ実験的に得られたしきい値PoTh,PgTh,PdThと比較される。これらの比較において、各誤差の標準偏差Po、Pg、Pdがしきい値PoTh,PgTh,PdTh以下であると判定された場合、センサ精度は良好と考えられる。したがって、判定結果を「1」とし、その判定結果に「2」の重み付けを付与した値を自信度Zに加算する。一方、いずれかの誤差の標準偏差Po、Pg、Pdがしきい値PoTh,PgTh,PdThを上回った場合、センサ精度が劣化したと考えられるため、判定結果を「0」とする。このため、判定結果に重み付けを付与した値もゼロとなり、自信度Zの値が増加されることはない。
【0050】
なお、ジャイロオフセット誤差、ジャイロゲイン補正係数誤差、距離係数誤差の標準偏差Po,Pg,Pdは、カルマンフィルタのシステム状態量共分散行列(事後推定値)Pの対応する対角成分の平方根(標準偏差)として求められる値である。これらの値の詳細については、特開2005−132291号公報(段落0050〜0056)に一例が記載されている。
【0051】
次に、マップマッチング過程で得られる現在位置に対応する道路リンクと車両方位との相対方位θ(図17参照)の絶対値と実験的に得られたしきい値θThとを比較する、方位ずれの判定を行う(S35)。相対方位θの絶対値がしきい値θTh以下である場合には、車両の走行方位と道路方位とが近似し、車両は道路上を走行していると考えられる。このため、判定結果を「1」とし、その判定結果に「2」の重み付けを付与した値を自信度Zに加算する。一方、相対方位θの絶対値がしきい値θThを上回る場合には道路上を走行していないと考えられるため、判定結果を「0」とする。したがって、この場合、自信度Zは、方位ずれ判定において増加されることはない。
【0052】
次に、車両方位方向についての絶対位置誤差の標準偏差Lと、実験的に得られたしきい値LThとを比較する、誤差範囲の判定を行う(S36)。なお、車両方位方向についての絶対位置誤差の標準偏差Lは、次のようにして求められる。まず、上述したカルマンフィルタのシステム状態量共分散行列(事後推定値)Pの要素である絶対位置(経度方向)誤差の共分散σxx、絶対位置(緯度方向)誤差の共分散σyy、絶対位置(経度方向)誤差と絶対位置(緯度方向)誤差の共分散σxyから絶対位置誤差に関する分布が定まる。この絶対位置誤差に関する分布から車両方位方向についての絶対位置誤差の標準偏差Lを求めることができる。
【0053】
一方、標準偏差Lがしきい値LTh以下である場合には、絶対位置誤差は小さいため、判定結果を「1」とし、その判定結果に「2」の重み付けを付与した値を自信度Zに加算する。一方、標準偏差Lがしきい値LThを上回る場合には、絶対位置誤差が大きいため、判定結果を「0」とする。したがって、この場合、自信度Zは、誤差範囲の判定において増加されることはない。
【0054】
次に、形状相関の判定を行う(S37,図18参照)。まず、現在位置から所定距離後方までの区間における、測位結果に基づく車両方位と対応する地図データ上の道路方位との差の平均値である形状相関係数Cを算出し、実験的に得られたしきい値CThと比較する。そして、形状相関係数Cがしきい値CTh以下である場合、車両はマップマッチング処理にて選択された道路上を走行している可能性が高い。このため、判定結果を「1」とし、その判定結果に「2」の重み付けを付与した値を自信度Zに加算する。一方、形状相関係数Cがしきい値CThを上回る場合には、判定結果を「0」とする。したがって、この場合、自信度Zは、形状相関の判定において増加されることはない。
【0055】
次に、車両の現在位置を中心とする所定の検索エリア内に属する候補道路の本数Nを求め、所定のしきい値本数NThと比較する、候補数の判定を行う(S38,図19参照)。この判定において、候補道路の本数Nがしきい値本数NTh以下である場合、マップマッチング処理において誤った道路が選択される可能性は小さいため、判定結果を「1」とし、その判定結果に「2」の重み付けを付与した値を自信度Zに加算する。一方、候補道路の本数Nがしきい値本数NThを上回る場合には、誤った道路が選択される可能性が高くなるため、判定結果を「0」とする。したがって、この場合、自信度Zは、候補数の判定において増加されることはない。
【0056】
次に、車両位置の変位の大きさDと、そのときの車速Vと変位Dに要した時間dtを乗じた値とを比較する、連続性の判定を行う(S39,図20参照)。マップマッチング処理による道路への合わせ込みの結果、車両位置は大きく跳躍する可能性がある。この車両位置の変位の大きさDが、車速Vと時間dtとを乗じた値を超えている場合、そのような跳躍が生じたものとみなすことができる。この場合、マップマッチング処理により車両位置が合わせ込まれた道路位置が変化したのであるから、マップマッチング処理により道路上に特定された車両位置は不安定と考えられる。一方、車両位置の変位の大きさDが、車速Vと時間dtとを乗じた値以下である場合には、車両位置は同じ道路上に継続して合わせ込まれており、車両位置は安定していると考えられる。
【0057】
したがって、変位の大きさDが車速Vと時間dtとを乗じた値以下である場合、判定結果を「1」とし、その判定結果に「2」の重み付けを付与した値を自信度Zに加算する。一方、変位の大きさDが車速Vと時間dtとを乗じた値を上回る場合には、判定結果を「0」とする。したがって、この場合、自信度Zは、連続性の判定において増加されることはない。
【0058】
上述した処理により、自信度Zは、位置検出器1によって検出される車両の現在位置の確からしさ、およびマップマッチングによる、車両の地図表示画面上における現在位置の確からしさに対応した値となる。したがって、自信度Zを、求めた車両位置の確からしさを普遍的に示す指標として利用することができる。
【0059】
上述のように、自信度Zは、0〜255の数値で表されるが、以降の説明では、便宜上0〜100に換算した値を用いる。
【0060】
図5を用いて、図3のステップS13に相当するポップアップ表示制限判定処理について説明する。まず、自信度判定処理で算出された自信度Zを参照する(S51)。次に、マップマッチング処理(図3のS11)によって得られた車両の地図表示画面上における現在位置(以下、推定現在位置と表記する)が道路外の場合(S52:Yes)、割り込み表示許可フラグをリセット(割り込み表示不許可状態)する(S57)。
【0061】
一方、推定現在位置が道路上の場合(S52:No)、該推定現在位置に対応する自信度Zが、予め定められた規定値であるAと比較し、規定値A以上でない場合(S53:No)、割り込み表示許可フラグをリセットする(S57)。
【0062】
一方、推定現在位置に対応する自信度Zが規定値A以上である場合(S53:Yes)、マップマッチング処理において該推定現在位置以外に、推定現在位置となり得る現在位置候補が存在するかを調べ、存在しない場合(S54:No)は、割り込み表示許可フラグをセット(割り込み表示許可状態)する(S56)。
【0063】
一方、推定現在位置以外の現在位置候補が存在する場合(S54:Yes)、推定現在位置以外の現在位置候補の中で、自信度(Z)が規定値A以上で、かつ推定現在位置との自信度Zの差が予め定められる値であるB(一定範囲内)以下であるものがあるかどうかを調べる。この条件を満たす現在位置候補が存在する場合(S56:Yes)、割り込み表示許可フラグをリセットする(S57)。
【0064】
一方、上記条件を満たす現在位置候補が存在しない場合(S56:No)、割り込み表示許可フラグをセットする(S56)。
【0065】
図6を用いて、図3のステップS14に相当する画面表示処理について説明する。まず、送受信機13においてVICSセンタからの電波を受信した場合(S71:Yes)、VICS情報を取得する(S72)。
【0066】
取得したVICS情報にポップアップ表示用情報が含まれている場合(S73:Yes)、位置検出器1において検出される車両の現在位置を取得し(S74)、その現在位置が、上記で取得したポップアップ表示用情報の示す位置に、所定の距離以内に接近した場合(S75:Yes)、上述のポップアップ表示制限判定処理で設定された割り込み表示許可フラグの内容を参照する(S76)。
【0067】
割り込み表示許可フラグがセットされている場合(S77:Yes)、割り込み表示許可状態であるので、取得したVICS情報に含まれるポップアップ表示用情報を表示器10の表示画面上に割り込み表示する(S78)。
【0068】
図7〜図15を用いて、表示器10の表示画面上におけるポップアップ表示用情報の割り込み表示の例について説明する。図7に、マップマッチングによって得られた車両の地図表示画面上における現在位置(推定現在位置)が道路上にあって(図5のS52:No)、推定現在位置の自信度が規定値A以上で(図5のS53:Yes)、推定現在位置以外の現在位置候補が存在しない場合(図5のS54:No)の、ポップアップ表示用情報の割り込み表示例を示す。この場合は、推定現在位置が、位置検出器1で検出された車両の現在位置Pと一致していると考えてよいので、取得されたVICS情報に含まれるJ交差点の拡大表示情報を、例えば画面左上部分にポップアップ表示する。
【0069】
ポップアップ表示用情報として、交差点の拡大表示情報の他に、渋滞情報や迂回情報,走行時間情報等の交通情報や天候情報を含めてもよい。
【0070】
位置検出器1で検出された車両の現在位置がPであるとすると、マップマッチングが正しく行われていれば、画面上では図9のように表示されるはずである。しかし、車両の推定現在位置Qが道路上にあるが(図5のS52:No)、推定現在位置の自信度が規定値Aを下回る場合(図5のS53:No)、従来技術では、車両の現在位置はPであるため、J交差点の拡大表示情報を含むVICS情報を取得しているおり、J交差点に接近すると、J交差点の拡大表示情報がポップアップ表示される。しかし、表示画面上では、図8のように、現在位置をQとして表示しているため、ユーザはK交差点の拡大表示情報がポップアップ表示されることを予想しているところへJ交差点の拡大表示情報がポップアップ表示されてしまうので、ユーザはどの情報を信じてよいのか混乱してしまう。しかし、本発明の構成では割り込み表示禁止状態となるので(図5のS57)、図8のようなポップアップ表示は行われず、ユーザの混乱を招くこともない。
【0071】
図10以降に推定現在位置Pの他に現在位置候補(Q,R,S)が存在する例(図5のS54:Yes)を示す。各位置の自信度が図11のようになっている場合、図15のように、規定値Aを70とすると、推定現在位置Pの自信度は規定値A以上であり(図5のS53:Yes)、現在位置候補(Q,R,S)の自信度は全て規定値Aを下回るので(図5のS55:No)、割り込み表示許可状態となり(図5のS56)、ポップアップ表示が行われる。
【0072】
また、各位置の自信度が図12のようになっている場合、図16のように、規定値Aを70とすると、推定現在位置Pの自信度は規定値A以上であるが(図5のS53:Yes)、現在位置候補(Q,R,S)のうち、Q,Rの自信度と推定現在位置Pの自信度との差が、予め定められた値であるB(この場合は10)以下となっているので(図5のS55:Yes)、割り込み表示は許可されず(図5のS57)、ポップアップ表示は行われない。現在位置候補(Q,R,S)の自信度が、推定現在位置Pの自信度を上回る場合も同様である。
【0073】
また、図13のように、推定現在位置Pの他に現在位置候補(Q,R,S)が存在しても、全ての自信度が規定値Aを下回っているので、推定現在位置Pの自信度が規定値Aを下回っていると判定された時点(図5のS53:Yes)で、割り込み表示は許可されず(図5のS57)、ポップアップ表示は行われない。
【0074】
また、図14のように、推定現在位置がRのみで自信度が規定値A以上であっても、Rは道路外であるので(図5のS52:No)、割り込み表示は許可されず(図5のS57)、ポップアップ表示は行われない。
【0075】
割り込み表示禁止状態のときに、表示器10の表示画面上にその旨を表示してもよい。例えば、車両の現在位置が、交差点等のポップアップ表示用情報の示す位置に、所定の距離以内に接近した場合(図6のS75:Yes)、割り込み表示許可状態(図6のS77:Yes)であれば、図7のように交差点のポップアップ表示が行われるが、割り込み表示禁止状態の場合(図6のS77:No)は、このポップアップ表示画面に、「現在位置の精度がよくないので、ポップアップ表示を行うことができない状態にあります。」のようなメッセージを表示する。また、音声メッセージとしてスピーカ15から送出してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】車載用ナビゲーション装置の構成を示すブロック図。
【図2】路上送信機の設置例を示す図。
【図3】ポップアップ表示関連処理を説明するフロー図。
【図4】自信度判定処理を説明するフロー図。
【図5】ポップアップ表示制限判定処理を説明するフロー図。
【図6】画面表示処理を説明するフロー図。
【図7】正常時のポップアップ表示画面例を示す図。
【図8】マップマッチング精度が低い場合に、従来技術で起こりうるポップアップ表示画面例を示す図。
【図9】図8の例について補足説明するための図。
【図10】推定現在位置以外に現在位置候補がある場合の例を説明するための図。
【図11】推定現在位置以外に現在位置候補がある場合のそれぞれの自信度の例を示す図。
【図12】推定現在位置以外に現在位置候補がある場合のそれぞれの自信度の別例を示す図。
【図13】推定現在位置以外に現在位置候補がある場合のそれぞれの自信度のさらに別例を示す図。
【図14】推定現在位置が道路外である場合のポップアップ表示禁止を説明する図。
【図15】図11における自信度の関係を示す図。
【図16】図12における自信度の関係を示す図。
【図17】方位ずれの判定を説明する図。
【図18】形状相関の判定を説明する図。
【図19】候補数の判定を説明する図。
【図20】連続性の判定を説明する図。
【符号の説明】
【0077】
1 位置検出器(位置検出手段)
7 操作スイッチ群
8 制御回路(マップマッチング手段,マップマッチング精度算出手段,ポップアップ表示制限手段)
10 表示器(表示手段,ポップアップ表示手段)
12 リモコン端末
13 送受信機(取得手段)
15 スピーカ
21 ハードディスク装置(HDD)
21m 地図データ(地図データ記憶手段)
22 タッチパネル
24 音声合成回路
87 描画部
100 車載用ナビゲーション装置
110,111 路上送信機(道路情報発信源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路上に設置された道路情報発信源から、当該道路に関するポップアップ表示用情報を取得する取得手段と、
車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
道路地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記道路地図データを地図表示画面に表示する表示手段と、
前記ポップアップ表示用情報を前記地図表示画面に割り込み表示するポップアップ表示手段と、
検出された前記現在位置に基づいて、前記車両の前記地図表示画面上における現在位置を、前記道路地図上にて該車両が走行中と推定される道路に一致するようマップマッチング補正するマップマッチング手段と、
該マップマッチング後の現在位置を前記地図表示画面上に表示する現在位置表示手段と、
前記マップマッチングの精度を算出するマップマッチング精度算出手段と、
算出された前記マップマッチング精度が悪化するに応じて、前記表示手段における前記ポップアップ表示を制限するポップアップ表示制限手段と、
を備えることを特徴とする車載用表示装置。
【請求項2】
前記ポップアップ表示用情報は、前記道路上の予め定められた地点ないし区間に係る当該道路に関連した交通情報を含むものであり、
前記ポップアップ表示手段は、前記道路上の前記地点ないし前記区間に前記車両の前記現在位置が到来したとき、前記交通情報を前記ポップアップ表示として前記地図表示画面に割り込み表示するとともに、
前記ポップアップ表示制限手段は、前記道路上の前記地点ないし前記区間に対する前記現在位置の前記マップマッチング精度に基づいて前記ポップアップ表示を制限するものである請求項1に記載の車載用表示装置。
【請求項3】
前記ポップアップ表示用情報は、交差点の拡大表示情報である請求項2に記載の車載用表示装置。
【請求項4】
前記現在位置表示手段は、前記現在位置に対するマップマッチング補正が完了するまでの間は、マップマッチング補正前の前記現在位置を前記地図表示画面上において道路外領域に表示するものであり、
前記ポップアップ表示制限手段は、前記車両の前記地図表示画面上における現在位置が道路外となった場合、前記ポップアップ表示を禁止する請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車載用表示装置。
【請求項5】
前記ポップアップ表示制限手段は、前記マップマッチング精度が予め定められたレベルに低下したとき、前記ポップアップ表示を禁止する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の車載用表示装置。
【請求項6】
前記ポップアップ表示制限手段は、前記マップマッチング補正を実施したとき前記マップマッチング精度が予め定められたレベルを上回ると予測される現在位置候補が一つのみのとき、前記ポップアップ表示を許可する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車載用表示装置。
【請求項7】
前記ポップアップ表示制限手段は、前記マップマッチング補正を受けて既に表示中の現在位置以外に、前記マップマッチング精度が予め定められたレベルを上回り、かつ、前記表示中現在位置のマップマッチング精度との差が一定範囲内にある他の現在位置候補が少なくとも一つ存在する場合に、前記ポップアップ表示を禁止する請求項6に記載の車載用表示装置。
【請求項8】
前記道路情報発信源としてVICSビーコンを使用する請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の車載用表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−64708(P2008−64708A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−245433(P2006−245433)
【出願日】平成18年9月11日(2006.9.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】