運転支援方法及び運転支援装置
【課題】 予め登録された場所で周辺状況に応じた運転操作の支援を行う運転支援方法及び運転支援装置を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置1は、車両の位置及び方位を取得する自車位置検出部5と、後方カメラ25から取得した画像データを画像処理して、登録された地点と自車位置との相対距離と相対方位を算出する画像処理部15を備えている。制御部3は、初期位置から目標位置までの車両の運転操作を示す駆動履歴情報18を取得し、走行履歴情報記憶部16に格納する。そして、制御部3は、予め登録された初期位置に車両が接近した際に、登録された前記駆動履歴情報18に基づいて、車両を目標位置まで追従走行させる。
【解決手段】 ナビゲーション装置1は、車両の位置及び方位を取得する自車位置検出部5と、後方カメラ25から取得した画像データを画像処理して、登録された地点と自車位置との相対距離と相対方位を算出する画像処理部15を備えている。制御部3は、初期位置から目標位置までの車両の運転操作を示す駆動履歴情報18を取得し、走行履歴情報記憶部16に格納する。そして、制御部3は、予め登録された初期位置に車両が接近した際に、登録された前記駆動履歴情報18に基づいて、車両を目標位置まで追従走行させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援方法及び運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車を駐車させる際の運転操作を支援するシステムとして、車両の後端に取り付けられたカメラにより、車両周辺を撮像し、その撮像データを車室内に配設されたディスプレイに表示するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような後方カメラは、車両の後端の略中央において取付けられ、その光軸は、下方に所定角度傾けた状態で固定されている。そして、この後方カメラは、車両の後端から後方数メートルを撮像可能になっている。
【特許文献1】特開2000−280823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記したシステムでは、画面の目視による車両後方の障害物の検出、駐車目標位置を概算できるものの、実際に、目標位置に移動するためのステアリング操作や、シフト操作のタイミングを支援することはできなかった。また、駐車を行う際には、車両後方だけでなく、駐車目標枠の前方のスペースの大小に応じて、舵角の調整、シフト操作のタイミングを決定する必要がある。さらに、駐車目標枠が狭かったり、周囲に立体障害物がある場合には、ドア開閉のためのスペースを確保する等、目標枠内での駐車位置の微調整が必要となる。このように、細かい周辺状況に応じて駐車を行う必要があるため、運転操作が煩雑になることから、駐車の際の運転者の負担を軽減する運転支援が求められている。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、予め登録された場所で周辺状況に応じた運転操作の支援を行う運転支援方法及び運転支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両に搭載された制御手段を用いて、前記車両を目標位置まで導く運転支援方法であって、前記制御手段が、初期位置から前記目標位置までの前記車両の各駆動手段の駆動履歴情報を予め取得及び登録するとともに、登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで走行させることを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、車両の位置及び方位を取得する車両座標特定手段と、初期位置から目標位置までの前記車両の運転走行のための各駆動手段の駆動履歴情報を取得及び登録する履歴情報登録手段と、登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで追従走行させる制御を行う走行支援手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の運転支援装置において、予め登録された前記初期位置に前記車両が接近した際に、登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで走行させることを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の運転支援装置において、前記走行支援手段は、登録した前記駆動履歴情報に基づいて前記各駆動手段を駆動して、前記車両を前記目標位置まで自動走行させることを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記走行支援手段は、登録した前記駆動履歴情報に基づいて、運転操作案内を出力手段から出力することを要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記車両座標特定手段は、前記車両に設けられたセンサから検出情報を取得し、前記検出情報に基づいて、車両位置を算出する第1の車両位置検出手段と、前記車両に設けられた撮像装置から取得した画像データを画像処理し、前記車両位置周辺に配置された周辺物体との相対位置を示す周辺計測情報を生成するとともに、登録された過去の前記周辺計測情報と、現在の前記周辺計測情報とを比較して、登録された地点と現在の車両位置との相対距離又は相対方位を算出する第2の車両位置検出手段とを有することを要旨とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記履歴情報登録手段は、前記各駆動履歴情報と、その各駆動履歴情報を取得した時点での車両位置とを対応させて登録することを要旨とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記走行支援手段は、前記車両座標特定手段に基づき、現在の前記車両位置又は方位と、登録された前記駆動履歴情報に従った目標軌跡との相対距離又は相対方位を算出し、前記車両を前記目標軌跡上に導くことを要旨とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記履歴情報登録手段は、登録された過去の前記周辺計測情報と、現在の前記周辺計測情報とに基づいて、検出対象物以外の物体を除去するフィルタリングを行うことを要旨とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項2〜9のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記駆動履歴情報を登録するための登録設定手段を備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、制御手段は、初期位置から目標位置までの車両の操作履歴情報を取得及び登録する。また、車両の操作履歴情報を追従し、例えば自動運転走行や、運転操作を案内する案内音声を出力して目標位置まで走行させる。このため、例えば、駐車や、細街路等の運転操作が煩雑な際に、予め登録した走行履歴情報に従って、車両を運転することができる。このため、運転操作が困難な状況の支援を行うことができる。しかも、走行履歴情報は、運転者によって予め登録されるので、周辺状況に応じた運転を容易に行うことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、運転支援装置は、車両座標特定手段と、初期位置から目標位置までの車両の操作履歴情報を取得及び登録する履歴情報登録手段とを備える。さらに、車両を操作履歴情報に従って目標位置まで走行させる制御を行う走行支援手段とを備える。このため、例えば、駐車や、細街路等の運転操作が煩雑な際に、予め登録した走行履歴情報に従って、車両を自動運転させることができる。このため、運転操作が困難な状況の支援を行うことができる。しかも、走行履歴情報は、運転者によって予め登録されるので、周辺状況に応じた自動操作運転を容易に行うことができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、予め登録された初期位置まで車両が接近した際に、登録された駆動履歴情報を追従して車両を目標位置まで走行させる。このため、追従走行が必要な地点に近付いたときのみ追従走行を行わせることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、走行支援手段は、車両の各駆動手段を駆動させて、車両を目標位置まで自動走行させる。このため、運転者の負荷をさらに軽減することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、走行支援手段は、登録した駆動履歴情報に基づいて、運転操作案内を出力手段から出力する。このため、運転者は、運転操作案内に従って運転操作を行うので、容易に運転操作を行うことができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、車両座標特定手段は、車両のセンサから取得した検出情報に基づいて、車両位置を検出する第1の車両位置検出手段を有している。また、車両座標特定手段は、第2の車両位置検出手段を有し、この第2の車両位置検出手段は、車両の撮像装置から画像データを取得して、画像データを画像処理し、車両位置周辺に配置された周辺物体との相対位置を示す周辺計測情報を生成する。そして、登録された過去の周辺計測情報と、現在の周辺計測情報とを比較して、登録された地点と現在の車両位置との相対距離又は相対方位を算出する。このため、第1の車両位置検出手段により算出された車両位置を、第2の車両位置検出手段により補完することによって、車両位置と登録地点との相対位置をより高精度に算出できる。従って、高精度な車両位置検出機能を利用して、駆動履歴情報に基づく走行軌跡を精度よく追従できる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、履歴情報登録手段は、駆動履歴情報と、その駆動履歴情報を取得した車両位置とを対応させて登録する。このため、運転操作中に運転操作を行わない時間があったとしても、登録された駆動履歴情報を追従する際に、その空白時間を削除することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、走行支援手段は、車両座標特定手段に基づき、現在の車両位置又は方位と、登録された駆動履歴情報に従った目標軌跡との相対距離又は相対方位を算出し、車両を目標軌跡上に導く。このため、目標軌跡に車両を合わせる運転操作を支援できる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、履歴情報登録手段は、過去に登録した周辺計測情報と、現在の周辺計測情報とを比較して、例えば自転車や日陰等、検出対象物以外の物体を取り除くフィルタリングを行う。このため、車両の位置をより正確に認識することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、運転支援装置は、駆動履歴情報を登録するための登録設定手段を備えている。このため、煩雑な運転操作が上手く行った場合にのみ、履歴を登録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の運転支援装置を、自動車(車両)に搭載され、経路案内を行うナビゲーション装置に具体化した実施形態を図1〜図14に従って説明する。図1は、ナビゲーション装置1の構成を説明するブロック図である。
【0026】
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、制御手段としての制御装置2を備えている。制御装置2は、主制御を行う制御部3を備えている。制御部3は、図示しないCPU、RAM、ROMを備え、ROMに格納された経路案内プログラム、履歴登録プログラム、追従走行プログラム等、各種プログラムに従って各種処理を行う。尚、制御部3は、特許請求の範囲に記載の車両座標特定手段、履歴情報登録手段、走行支援手段、第2の車両位置検出手段及び登録設定手段を構成する。
【0027】
また、制御装置2は、車両座標特定手段及び第1の車両位置検出手段を構成するGPS受信部4及び自車位置検出部5を備えている。GPS受信部4は、GPS衛星からの電波を受信する。自車位置検出部5は、GPS受信部4から受信した検出データに基づいて、自車位置(車両位置)の絶対位置を示す緯度・経度・高度等の測位データを定期的に算出する。
【0028】
さらに、制御装置2は、インターフェース部(I/F部6)を備えている。制御部3は、このI/F部6を介して、車両C(図2参照)に配設された車輪回転速度センサ及びジャイロ(図示せず)から、車速検出信号Sv及び方位検出信号Sdを取得し、これらを自車位置検出部5に送信する。自車位置検出部5は、GPS受信部4による測位データにより算出した基準自車位置をもとに、車速検出信号Sv及び方位検出信号Sdに基づき、自律航法による自車位置を生成する。このとき、自車位置検出部5は、図2に示す車両Cの後車軸の中心点を自車位置C1として算出する。そして、GPS受信部4から測位データを逐次取得しながら、自律航法によるデータを補正し、自車位置C1を決定する。
【0029】
さらに、制御装置2は、I/F部6を介して、車両Cに設けられたステアリングセンサと、シフトポジションスイッチ(いずれも図示せず)と接続されている。制御部3は、センサ又はスイッチから、舵角検出信号Srと、シフトポジションを示すシフト信号Sfを取得する。
【0030】
また、制御部3は、I/F部6を介して、サスペンション制御装置29から、車高検出信号Sh、サスペンションの減衰力のモードを示すモード検出信号Saを取得する。例えば、路面の凹凸が大きい場合には、サスペンションの減衰力が比較的低いモードを示すモード検出信号Saを取得し、高速道路等を走行している場合には、操縦安定性のため、減衰力が比較的高いモードのモード検出信号Saを取得する。
【0031】
さらに、制御部3は、I/F部6を介して、制動装置28から、制動制御信号Sbを取得し、駆動装置27から、可倒式のドアミラーの角度検出信号Skを取得する。
また、制御装置2は、地図データ記憶部7を備えている。地図データ記憶部7には、経路データ7a及び地図描画データ7bが格納されている。経路データ7aは、ノードデータ、各ノードを接続するリンクを示すリンクデータ等を格納しており、制御部3は、この経路データ7a及びROMに格納された経路案内プログラムに従って経路を探索する。また、制御部3は、上記したように算出した自車位置C1の座標と、走行軌跡、経路データ7aを照合して、自車位置C1座標を適切な道路上に位置決めする。制御部3は、このようにして特定された自車位置C1を、自車位置検出部5から定期的に取得している。地図描画データ7bは、広範囲から狭範囲の地図を表示するためのデータであって、経路データ7aと関連付けられている。
【0032】
また、制御装置2は、車両座標特定手段及び第2の車両位置検出手段を構成する撮像データ取得部8を備えている。撮像データ取得部8は、アナログ/デジタル変換部、画像メモリ(図示せず)を備え、車両Cに設けられた撮像装置としての後方カメラ25から撮像データをサンプリング周期τごとに取得する。
【0033】
後方カメラ25は、図3に示すように、車両Cのバックドア等、車両Cの後端の略中央に、光軸Aを下方に向けて取り付けられている。この後方カメラ25は、広角レンズ、ミラー等から構成される光学機構と、CCD撮像素子(いずれも図示せず)とを備えている。図2に示すように、後方カメラ25は、例えば左右140度の後方視野を有し、車両Cの後端を含む、後方約3mの撮像範囲SRを撮像可能になっている。
【0034】
撮像データ取得部8は、制御部3から要求があった場合に、後方カメラ25によって生成された撮像データを、各種補正や合成等の画像処理が可能な画像データGとして制御部3に送信する。また、画像データGは、後方カメラ25に広角レンズを用いているため、ナビゲーション装置1が具備する、登録設定手段及び出力手段を構成するディスプレイ10に表示した際に、画面周辺の画像が縮む、いわゆる歪曲収差が生じている。
【0035】
また、ナビゲーション装置1のディスプレイ10は、タッチパネルであって、車両Cのシフトポジションがリバースになっている場合には、制御部3から送信された画像データGを所定のタイミングで出力する。さらに、ディスプレイ10は、変速機のシフトポジションがリバースになっていない場合には、制御部3から送信された地図描画データ7bを出力して、自車位置周辺の地図画面10a(図1参照)を自車位置マーク等と併せて表示する。
【0036】
また、制御部3は、このディスプレイ10のタッチパネル操作によって入力された入力信号、ナビゲーション装置1に配設された操作ボタン12を押釦することによって入力された入力信号を取得する。
【0037】
さらに、ナビゲーション装置1は、出力手段としてのスピーカ13を備えている。スピーカ13は、制御部3から送信された音声出力信号に基づき、各種案内音声や案内音を出力する。
【0038】
また、図1に示すように、制御装置2は、車両座標特定手段及び第2の車両位置検出手段を構成する画像処理部15を備えている。画像処理部15は、撮像データ取得部8から画像データGを取得して、画像データGの補正や、特徴点抽出処理、座標変換処理等を行う。画像データGの補正では、画像処理部15は、各画像データGに生じた、広角レンズによる歪曲収差を補正する。
【0039】
また、画像処理部15は、画像データGの特徴点を抽出する。この特徴点の抽出には、例えば、コーナー(角部)や直線部の交点といった特徴点追跡に有利である、以下の式に示すHarrisのインタレストオペレータを用いる。
【0040】
【数1】
(uk,vk)は、画面座標系におけるディスプレイ10の表示領域W(図示せず)内の座標であって、Iu,Ivはu軸及びv軸に沿った輝度変化率であり、特徴点31は、行列Aの固有値が極大になる点である。
【0041】
例えば、図4に示す車両Cの位置で生成した画像データGの特徴点抽出処理を行うと、図5に模式的に示すように、画面内の画素座標を示すuv座標系(以下、画面座標系という)内で特徴点31が検出される。例えば、車両Cの周辺に位置する、周辺物体及び検出対象物としての図4に示す壁101の画像32、路面100(図4参照)に描画された標示102(周辺物体及び検出対象物)の画像33内で特徴点31が検出される。
【0042】
さらに、画像処理部15は、画面座標系において、特徴点31を追跡する。車両Cの移動に従って、特徴点31が画面座標系内で移動するとき、時間tにおける特徴点座標(u,v)が、時間t+τにおいて位置する座標(u+du,v+dv)は、以下の式に示すように、基準となる特徴点31の輝度変化率に対する残差の和εを最小にする変位ベクト
ルdu,dvを求めることで特定される。これにより、車両Cの移動に伴い、特徴点31の画面座標系での座標を求めることができる。
【0043】
【数2】
また、画像処理部15は、図6に模式的に示すように、追跡した特徴点m(u,v)を、公知の方法で、3次元のXYZ座標系(以下、3次元座標系という)における座標M(x,y,z)に変換する。例えば、画面座標系の特徴点mと、3次元座標系の座標Mとの関係は、(3×4)の射影行列Piを用いて以下の式で表される。
【0044】
【数3】
そして、座標Mの初期値を求めるとともに、追跡した特徴点miと、Mの初期値から射影行列Piを用いて射影した特徴点miとの差の2乗和を最小にすることにより、3次元座標系の座標Mを求める。これにより、例えば、壁101の輪郭に相当する特徴点31が、3次元座標系、即ち路面100上の座標に特定される。
【0045】
画像処理部11は、画像データGの特徴点miを3次元座標系の座標Mに変換したデータを、周辺計測情報17として、履歴情報登録手段を構成する走行履歴情報記憶部16に格納する。これにより、サンプリング周期τごとの周辺計測情報17が走行履歴情報記憶部16に格納される。このとき、画像処理部15は、制御部3を介して、その画像データGが生成された時点の車両Cの位置を取得し、周辺計測情報17と関連付ける。具体的には、例えば、制御部3が、各周辺計測情報17と自車位置C1との対応を示すテーブル等を有している。
【0046】
さらに、図1に示すように、制御部3は、所定のタイミングで、I/F部6を介して、検出情報としての車速検出信号Sv、方位検出信号Sd、舵角検出信号Sr、シフト信号Sf、車高検出信号Sh、モード検出信号Sa、制動制御信号Sb及び角度検出信号Skを、周辺計測情報17の生成と同時に取得する。
【0047】
車速検出信号Svは、駆動装置27に備えられた車輪回転速度センサ(図示せず)から送信され、方位検出信号Sd及び舵角検出信号Srは、駆動手段としての駆動装置27に備えられたジャイロ及び駆動手段としての操舵装置26に備えられたステアリングセンサ(いずれも図示せず)からそれぞれ送信される。また、シフト信号Sfは、シフトポジションスイッチから送信され、トランスミッションのシフトポジションを示し、車高検出信号Shは、車室内に設けられた操作スイッチ又は駆動手段としてのサスペンション制御装置29の車高センサから送信される。さらに、モード検出信号Saは、サスペンションの減衰力を調節する操作スイッチ又はサスペンション制御装置29から送信され、サスペンションの減衰力をコントロールするモードを示す。制動制御信号Sb及び角度検出信号Skは、駆動手段としての制動装置28及び駆動装置27からそれぞれ送信される。角度検出信号Skは、可倒式のドアミラーの角度を示す。
【0048】
そして、走行履歴の登録が選択された場合には、各信号を、各装置26〜29の駆動データである駆動履歴情報18として走行履歴情報記憶部16に格納する。このとき、制御部3は、駆動履歴情報18と、サンプリング時点の自車位置C1とを関連付ける。
【0049】
従って、走行履歴情報記憶部16には、例えば、図4に示す位置にある車両Cが、駐車目標領域105(目標位置)まで移動する間に、サンプリング周期τごとに生成された周辺計測情報17と、走行中の駆動履歴情報18とが格納される。制御部3は、登録された駆動履歴情報18に基づく目標軌跡に従って、車両Cを追従走行させる。
【0050】
さらに、制御部3は、I/F部6を介して、車両Cに設けられた操舵装置26、駆動装置27、制動装置28、サスペンション制御装置29に各種命令を送信できるようになっている。制御部3は、追従走行の際に、操舵装置26を駆動して舵角を自動制御する。また、操舵装置26に設けられたステアリングセンサからは舵角検出信号Srがフィードバックされる。
【0051】
また、追従走行の際に、制御部3は、駆動装置27を制御して、トランスミッションのシフトポジション切換を自動的に行ったり、可倒式のドアミラーの角度調整を行う。さらに制御部3は、制動装置28が具備する油圧回路を制御し、車両Cを制動・停止させる。また、制御部3は、サスペンション制御装置29を制御して、車高調節、サスペンションの減衰力調整を自動的に行うようになっている。
【0052】
即ち、制御部3は、I/F部6を介して、各種センサ信号を取得し、各地点で、そのセンサ信号と予め登録した駆動履歴情報18とを比較しながら、操舵装置26、駆動装置27、制動装置28、サスペンション制御装置29を制御するようになっている。
【0053】
次に、本実施形態の処理手順について、図7及び図8に従って説明する。図7は、走行履歴登録処理の手順を示し、図8は、追従走行制御処理の手順を示す。
走行履歴登録処理は、制御部3が前記ROMに格納した履歴登録プログラムに従って行う処理である。まず、制御部3は、周辺計測情報17及び駆動履歴情報18からなる走行履歴情報の取得を開始するか否か判断する(ステップS1−1)。本実施形態では、車両Cが所定地点付近に接近、且つ車速が時速20km以下であるかを判断する。この所定地点とは、車両Cが比較的頻繁に駐車又は通過する地点であって、その判断条件は予め履歴登録プログラムに設定されている。例えば、所定地点は、地図描画データ7bに「自宅」として登録された地点、駐車を複数回繰り返した地点等である。また、時速20km以下で所定回数以上通過した狭路の入口である。そして、それらの所定地点と自車位置C1との相対距離が、所定距離(例えば、20m)以内になると、制御部3は所定地点に接近したと判断する。
【0054】
制御部3は、所定地点に接近かつ車速が時速20km以下になるまでステップS1−1の判断を繰り返す。そして、所定地点に接近かつ車速が時速20km以下になった場合(ステップS1−1においてYES)、制御部3は、図9に示すように、ディスプレイ10に表示された表示画面34に、登録設定ボタン36、消去ボタン37を表示する(ステップS1−2)。この登録設定ボタン36が運転者によって入力操作されると、制御部3は登録設定命令を受信し、その地点で取得した周辺計測情報17及び駆動履歴情報18を走行履歴情報記憶部16に登録するようになっている。消去ボタン37が入力操作されると、その周辺計測情報17のみを、後述する処理のために走行履歴情報記憶部16に格納する。
【0055】
そして、制御部3は、自車位置C1、方位、周辺計測情報17を取得する(ステップS1−3)。具体的には、制御部3は、自車位置検出部5から自車位置C1及び方位を取得
する。さらに、制御部3は画像処理部15を制御して、その時点で生成された画像データGを撮像データ取得部8から取得する。さらに、画像処理部11は、レンズによる歪曲収差の補正、特徴点抽出、特徴点の3次元座標系への変換を行って、周辺計測情報17を生成する。生成された周辺計測情報17は、制御部3内のRAMに一時格納される。
【0056】
そして、制御部3は、同地点における過去の周辺計測情報17が走行履歴情報記憶部16に登録(格納)されているか否かを判断する(ステップS1−4)。つまり、各周辺計測情報17は、そのときの自車位置C1及び方位とそれぞれ関連付けられているため、その自車位置C1及び方位が現在の自車位置C1及び方位と同じである周辺計測情報17を検索する。
【0057】
過去に登録された周辺計測情報17がない場合(ステップS1−4においてNO)には、ステップS1−6に進む。過去に登録された周辺計測情報17がある場合(ステップS1−4においてYES)には、周辺計測情報17をフィルタリングする(ステップS1−5)。詳述すると、画像処理部15は、過去に登録された周辺計測情報17と、現在の周辺計測情報17とを比較して、その差異を検出し、取り除く。
【0058】
例えば、過去に登録された周辺計測情報17が、図5に示すような画像データGに基づいて生成され、現在の周辺計測情報17が、図10に示すような画像データGに基づいたデータであって、各周辺計測情報17は同じ地点に関連付けられているとする。このとき、画像処理部11は、図10に示す日陰の画像35の輪郭にあたる特徴点31を、過去の周辺計測情報17には含まれない差異として検出し、取り除く。即ち、画像処理部11は、過去又は現在の周辺計測情報17のうち、落ち葉、日陰、他車両、その他障害物等、時間的に変化する物体を、他の各周辺計測情報17を比較することによってフィルタリングする。周辺計測情報17のフィルタリングが終了すると、その周辺計測情報17をRAMに一時格納し、ステップS1−6に進む。
【0059】
ステップS1−6では、制御部3は、I/F部6を介して、車速検出信号Sv、方位検出信号Sd、舵角検出信号Sr、シフト信号Sf、車高検出信号Sh、モード検出信号Sa、制動制御信号Sb、及びドアミラーの角度検出信号Skを取得し、その信号を駆動履歴情報18としてRAMに一時格納する。そして、この駆動履歴情報18と、周辺計測情報17とを関連付ける。
【0060】
さらに、制御部3は、ディスプレイ10からの入力信号の有無を判断し、各ボタン36,37が操作されたか否かを判断する(ステップS1−7)。操作が無いと判断した場合には(ステップS1−7においてNO)、ステップS1−3に戻る。
【0061】
そして、制御部3は、サンプリング周期τごとに、ステップS1−3からステップS1−7を繰り返す。例えば、図11(a)に示すように、車両Cが、周辺計測情報17の取得を開始した初期位置S1を通過して、駐車目標領域105に向って前進するとき、そのときの舵角に応じた舵角検出信号Sr等が送信される。制御部3は、舵角検出信号Sr等に基づく検出データをこの駆動履歴情報18に含める。
【0062】
さらに図11(b)に示すように、周辺計測情報17及び駆動履歴情報18のサンプリングを行いながら車両Cが切換位置S2まで移動したとき、制御部3は、ドライブからリバースへのシフト切換に応じたシフト信号Sfと、駐車目標領域105側への転舵に応じた舵角検出信号Sr等を取得する(ステップS1−6)。そして、取得したシフト信号Sfと舵角検出信号Sr等を切換位置S2での駆動履歴情報18とする。さらに、この駆動履歴情報18と、切換位置S2とを関連付ける。
【0063】
また、図11(c)に示すように、自車位置C1が駐車目標領域105の入口の進入開始位置S3に位置するとき、周囲の物体とドアミラーとの衝突を避けるため、ドアミラーの角度が調整された場合には、制御部3は、ステップS1−6において、ドアミラーを調整したことを示す角度検出信号Skを取得する。さらに、路面の凹凸等により、運転者が車室内に設けられた図示しない操作スイッチを操作して車高調整が行われた場合には、車高を上昇したことを示す車高検出信号Shを取得する。例えば、路面状況に応じて、乗り心地(安定性)を向上させるために運転者により操作スイッチの入力操作が行われたり、又はサスペンション制御装置29の自動制御が行われた場合には、制御部3は、サスペンションの減衰力を低くするモードを示す、モード検出信号Saを取得する。そして、取得した信号を駆動履歴情報18とし、進入開始位置S3と関連付けてRAMに格納する。
【0064】
そして、図11(d)に示すように、自車位置C1が駐車目標領域105への進入を終了した終端位置S4に位置するとき、制御部3は、例えば、リバースからパーキング等に切換えたことを示すシフト信号Sf等を取得する。そして、シフト信号Sf等に基づくデータを駆動履歴情報18とし、終端位置S4に関連付けてRAMに格納する。尚、制御部3は、サンプリング周期τごとに、初期位置S1から、終端位置S4までの間の各地点で、駆動履歴情報18及び周辺計測情報17を多数取得しているものとする。
【0065】
そして、制御部3は、例えば、車両Cが駐車目標領域105に駐車された時点や、狭路の出口で、各ボタン36,37の操作があったと判断すると(ステップS1−7においてYES)、その入力操作が、RAMに蓄積された各周辺計測情報17及び各駆動履歴情報18を登録する操作であるか否かを判断する(ステップS1−8)。
【0066】
登録設定ボタン36が操作され、各周辺計測情報17及び各駆動履歴情報18の登録が選択されたと判断すると(ステップS1−8においてYES)、RAMに蓄積された各周辺計測情報17及び各駆動履歴情報18を、走行履歴情報記憶部16に格納する。(ステップS1−9)。このとき、各周辺計測情報17及び各駆動履歴情報18にそれぞれ関連付けられた各自車位置C1及び方位も走行履歴情報記憶部16に格納する。これにより、サンプリング周期τごとの周辺計測情報17及び駆動履歴情報18が、各サンプリング時点の自車位置C1と関連付けられて登録される。また、周辺計測情報17及び駆動履歴情報18の取得を開始した地点を、初期位置S1として登録する。このとき、周辺計測情報17及び駆動履歴情報18に対して、登録名を設定してもよい。
【0067】
例えば、運転操作がうまくいかなかった場合等に消去ボタン37が操作されると、駆動履歴情報18及び周辺計測情報17の登録が選択されないと判断する(ステップS1−8においてNO)。また、制御部3は、ステップS1−5のフィルタリング処理のみを目的として、RAMに格納された周辺計測情報17のみを走行履歴情報記憶部16等に格納する(ステップS1−10)。また、各ボタン36,37の両方が操作されずに、イグニッションスイッチがオフ操作された場合等には、制御部3は、消去ボタン37が操作された場合と同様に、周辺計測情報17のみを走行履歴情報記憶部16に格納する。
【0068】
次に、図8に従って、追従走行制御処理について説明する。追従走行制御処理は、制御部3がROMに格納した追従走行プログラムに従い、走行履歴情報記憶部16に登録された周辺計測情報17及び駆動履歴情報18を用いて行う処理である。まず、制御部3は、自車位置検出部5から自車位置C1及び方位を取得して、車両Cが、登録されている初期位置S1の方位と同じ方位で、初期位置S1に接近するのを待つ(ステップS2−1)。
【0069】
車両Cが初期位置S1に接近したと判断すると(ステップS2−1においてYES)、制御部3は、図12に示すように、追従走行のための制御を開始するための開始設定ボタン41を、そのときディスプレイ10に表示されている表示画面40に重ねて表示する。
さらに、スピーカ13から、案内音声42を出力する。この案内音声42では、現在地点に関連付けられた周辺計測情報17及び駆動履歴情報18の登録があること、目標位置の案内等を出力する。
【0070】
同時に、制御部3は、自車位置C1及び方位と、周辺計測情報17を逐次取得する(ステップS2−3)。さらに、制御部3は、開始設定ボタン41の入力操作を待ち、追従走行が選択されたか否かを判断する(ステップS2−4)。
【0071】
開始設定ボタン41の入力操作が行われると(ステップS2−4においてYES)、制御部3は、現在の自車位置C1及び方位と、登録された周辺計測情報17及び駆動履歴情報18に基づく目標軌跡との相対距離等を算出する(ステップS2−5)。このとき、画像処理部15は、現在の周辺計測情報17の特徴点31の座標と、登録された過去の周辺計測情報17の特徴点31の座標とを合致させる。さらに、図13に模式的に示すように、現在の自車位置C1と、登録された駆動履歴情報18に基づく目標軌跡45との相対距離d(図中Y軸方向の距離)、車両Cの方向と目標軌跡45との相対方位θとを検出する。このとき、目標軌跡45は、各駆動履歴情報18に関連付けられた自車位置C1と、各駆動履歴情報18内の舵角データに基づく。
【0072】
目標軌跡45との相対距離d及び相対方位θを算出すると、制御部3は、その相対距離d及び相対方位θが所定値以下であるか否かを判断する(ステップS2−6)。相対距離d,相対方位θが予め定められた値よりも大きい場合には、目標軌跡45からのずれを補正するため、自車位置C1と方位の補正を行う(ステップS2−7)。このとき、制御部3は、目標軌跡45との相対距離d及び相対方位θが所定値以下になるように、操舵装置26及び駆動装置27を自動制御する。そして、現在の自車位置C1及び方位が、目標軌跡45のいずれかの位置と合致するまで、駆動履歴情報18を使用せずに、自動制御を行う。
【0073】
目標軌跡45までの相対距離d及び相対方位θが所定値以下になり、現在の自車位置C1が目標軌跡45上に位置すると(ステップS2−6においてYES)、制御部3は、自車位置C1と目標軌跡45が合致した地点から、目標軌跡45を追従するための制御を行う(ステップS2−8)。例えば、自車位置C1が図14(a)に示すように、切換位置S2に位置するとき、制御部3は、切換位置S2の座標が関連付けられた駆動履歴情報18を走行履歴情報記憶部16から読出す。そして、制御部3は、車両Cを一定速度(例えば、時速20km)で徐行させながら、読出した駆動履歴情報18に基づき、操舵装置26、駆動装置27、制動装置28又はサスペンション制御装置29を制御する。例えば、制御部3は、駆動履歴情報18内に含まれたシフト検出データにより、リバースへのシフト切換を判断すると、駆動装置27を制御して、自動的にシフトポジションをリバースに切換える。さらに、駆動履歴情報18内の舵角データにより、舵角の変更を判断した場合には、操舵装置26を制御し、例えば駐車目標領域105側に転舵する。また、駆動履歴情報18内の車速データや制動制御データに基づき、切換位置S2で車両Cが停止していると判断すると、制動装置28を制御して、停車させる。尚、追従走行の途中で、運転者が他車両の接近や障害物の進入等に気づき、加速、操舵等の運転操作が行われた場合には、制御部3により追従走行を中断し、その操作に基づく駆動信号を割り込ませる。
【0074】
自車位置C1が、例えば、図14(b)に示す進入開始位置S3に位置するとき、制御部3は、進入開始位置S3の座標が関連付けられた駆動履歴情報18を読出す。そして、車両Cを徐行させながら、その駆動履歴情報18に基づいた制御を行う。例えば、制御部3は、駆動履歴情報18内の角度調節データに基づき、駆動装置27を制御して、例えばドアミラーを車両C側に倒す。尚、登録時に、ドアミラーの角度が進入開始位置S3以外の地点で調節されている場合には、その地点で調節される。
【0075】
また、制御部3は、駆動履歴情報18内の車高調整データに基づき、例えばサスペンション制御装置29を駆動して、登録時の車高に設定する。即ち、駐車目標領域105付近の路面の凹凸が大きく、運転者が車高を上昇して登録した場合には、同じタイミングで車高を上昇させる。さらに、制御部3は、駆動履歴情報18内のサスペンションコントロールモードに基づき、サスペンション制御装置29を駆動して、サスペンションの減衰力を指定されたモードに設定する。尚、登録時に、車高調節やサスペンション調節が、進入開始位置S3以外の地点で行われている場合には、同様に、その地点で行われる。
【0076】
さらに、図14(c)に示すように、自車位置C1が終端位置S4に位置するとき、終端位置S4が関連付けられた駆動履歴情報18が走行履歴情報記憶部16から読出される。また、制御部3は、駆動履歴情報18に基づいて、例えば制動装置28を駆動し、車両Cを停止させる。そして、例えば、駆動履歴情報18内のシフトデータに基づいて、制御部3は、駆動装置27を駆動して、シフトポジションをリバースからパーキングに切換える。
【0077】
このように、ステップS2−8において、制御部3は、現在の自車位置C1と合致する駆動履歴情報18を読出し、その駆動履歴情報18に基づき一定速度で車両Cを運転操作するので、駆動履歴情報18の登録時に運転操作を行わない空白時間があったとしても、追従走行ではその空白時間を削除できる。
【0078】
また、このステップS2−8において、制御部3は、画像処理部15により各サンプリング周期τごとに周辺計測情報17を生成し、その周辺計測情報17の特徴点31の座標と、登録された周辺計測情報17の特徴点31の座標とを合致させて、目標軌跡45からの自車位置C1のずれ(相対距離d、相対方位θ)を算出する。そして、相対距離d、相対方位θが所定値以上になった場合には、制御部3は、相対距離d、相対方位θが所定値以下になるように、操舵装置26及び駆動装置27を自動制御する。これにより、僅かな位置のずれを検出し、目標軌跡45に沿った追従走行を行うことができる。
【0079】
同様に、車両Cが狭路を通過する場合にも、自車位置C1を検出しながら、駆動履歴情報18に従って、操舵装置26、駆動装置27、制動装置28、サスペンション制御装置29を制御する。そして、自車位置C1が狭路の終端地点に位置すると、制御部3は追従走行制御処理を終了し、例えば案内音声をスピーカ13から出力して、追従走行が終了したことを通知する。
【0080】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ナビゲーション装置1は、GPS受信部4等に基づいて、自車位置C1及び方位を検出する自車位置検出部5を備えるようにした。また、後方カメラ25により生成した画像データGに対し、特徴点検出及び座標変換を行う画像処理部15を備えるようにした。また、追従走行を実行するための駆動履歴情報18を取得する制御部3と、その駆動履歴情報18を格納する走行履歴情報記憶部16とを備えるようにした。そして、予め登録された初期位置S1に車両Cが接近した際に、制御部3が、登録された駆動履歴情報18に従って、車両Cの操舵装置26、駆動装置27,制動装置28及びサスペンション制御装置29を制御し、車両Cを終端位置S4まで自動的に走行させるようにした。従って、例えば、駐車目標領域105への駐車・狭路通過等、運転操作が煩雑な状況で、円滑に運転できたときの駆動履歴情報18を登録し、登録後は、その駆動履歴情報18を用いて自動運転を行うことができる。しかも、駆動履歴情報18は、運転者の運転操作によって生成されたデータであるため、車両Cの後方だけでなく、駐車目標領域105前のスペースの大きさ、乗り心地、ドア開閉スペースの大きさ等、各センサでは検出しきれない状況に応じた操作を行うことができる。
【0081】
(2)上記実施形態では、GPS受信部4等に基づき自車位置C1を検出する自車位置検出部5に加えて、後方カメラ25から取得した画像データGを画像処理し、壁101や標示102等の周辺物体との相対位置を示す周辺計測情報17を生成する画像処理部15を備えるようにした。そして、登録された過去の周辺計測情報17と、現在の周辺計測情報とを比較して、登録された地点(目標軌跡45)と現在の自車位置C1との相対距離d又は相対方位θを算出するようにした。このため、自車位置検出部5により算出された自車位置C1を、画像処理部15により補完することによって、自車位置C1と目標軌跡45(登録地点)との相対位置をより高精度に算出できる。従って、高精度な車両位置検出機能を利用して、目標軌跡45を精度よく追従できる。
【0082】
(3)上記実施形態では、画像処理部15は、走行履歴情報記憶部16に格納された周辺計測情報17と、現在の周辺計測情報17とを用いて、移動体、日陰等、時間的に変動するものを除去し、路面標示や固定された立体障害物等の位置のみを示す周辺計測情報17を生成するようにした。このため、追従走行を行う際に、算出した自車位置C1の精度を向上できる。
【0083】
(4)上記実施形態では、制御部3は、ディスプレイ10の画面30に、登録設定ボタン36を表示し、駆動履歴情報18を登録するか否かを運転者が選択できるようにした。このため、煩雑な運転操作が上手く行った場合のみに、履歴を登録することができる。
【0084】
(5)上記実施形態では、制御部3は、駆動履歴情報18と、その駆動履歴情報18を取得した自車位置C1とを対応させて走行履歴情報記憶部16に格納するようにした。このため、運転操作中に運転操作を行わない時間があったとしても、追従走行を行う際に、その空白時間を削除して、円滑に自動運転することができる。
【0085】
(6)上記実施形態では、運転支援装置を、自車位置検出部、撮像データ取得部8及び画像処理部15を備えるナビゲーション装置1に具体化したので、精度の高い自車位置検出機能及び画像処理機能を利用して、自車位置C1の特定を行うことができる。このため、目標軌跡45と自車位置C1との微小なずれを検出できるので、駆動履歴情報18に基づき、登録時の目標軌跡45にほぼ沿わせ、精度よく追従走行させることができる。
【0086】
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、自車位置C1は、後車軸の中心点以外の、車両の所定の位置を示す点でもよい。
【0087】
・上記実施形態では、画像処理部15は、画像データGの歪曲収差の補正を省略するようにしてもよい。
・上記実施形態では、画像処理部15は、登録した周辺計測情報17と、現在の周辺計測情報17とを比較して、移動体や日陰等を除去するようにしたが、ユーザが、ディスプレイ10や、他の端末等を用いて、移動体や日陰等を除去する操作を行うようにしてもよい。
【0088】
・上記実施形態では、走行履歴登録処理のステップS1−1において、自車位置C1が所定地点に接近し、且つ車速が時速20km以下になった場合に処理を開始するようにしたが、ディスプレイ10に表示された操作ボタン、又はナビゲーション装置1の筐体に設けられた操作ボタン12のユーザによる入力操作で開始してもよい。
【0089】
・上記実施形態では、画像データGの画素座標を3次元座標系に変換する際に、特徴点抽出処理後、その特徴点31を3次元座標系に変換した。これ以外に、画像データGに視
点変換処理を施し、画像データGを、車両Cの天頂にあたる視点から視た画像データに変換するとともに、各画像データGを合成し、エッジ検出処理により、道路の境界等を検出してもよい。
【0090】
・上記実施形態では、特徴点31を3次元座標系の座標に変換する際に、射影行列を用いる方法を採用したが、その他の手法によって座標変換してもよい。
・上記実施形態では、制御部3は、操舵装置26、駆動装置27、制動装置28、サスペンション制御装置29を制御可能としたが、これらのうちいずれか1つ又は複数を制御可能としてもよい。このとき、制御部3により制御できない操作は、例えば、「ハンドルを右に切って下さい」、「ドアミラーを畳んで下さい」、「シフトポジションをリバースにして下さい」、「ブレーキを踏んでください」、「車高を上げて下さい」等の運転操作案内としての案内音声や、案内表示をディスプレイ10に出力することにより、操作を促してもよい。このとき、運転者は案内音声や表示に従って、操舵、駆動・制動、サスペンションの調整等を行う。
【0091】
・上記実施形態では、追従走行制御処理のステップS2−8において、一定速度で徐行させながら追従走行させるようにしたが、登録時の車速と同様な速度で追従走行させてもよい。
【0092】
・上記実施形態では、自車位置検出部5と、画像処理部15による画像処理により、自車位置C1の位置を特定したり、目標軌跡45からのずれを算出した。これ以外に、車両Cに備えられた超音波ソナー、レーダ(いずれも図示せず)等の車両座標特定手段によって、自車位置C1及び目標軌跡45からのずれを算出するようにしてもよい。
【0093】
・後方カメラ25は、後方でなく、車両Cの前方又は側方に取り付けられたカメラでもよい。
・上記実施形態では、駐車支援装置を経路案内を行うナビゲーション装置1に具体化したが、経路案内を省略した装置としてもよい。この場合、地図データ記憶部7や、スピーカ13等が省略される。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本実施形態のナビゲーション装置の構成を説明するブロック図。
【図2】車両に配設された後方カメラの撮像範囲を説明する説明図。
【図3】後方カメラの取付位置を説明する説明図。
【図4】所定地点に接近した車両と周辺状況とを示す説明図。
【図5】所定地点で生成された画像データを表示した画面の説明図。
【図6】本実施形態の座標変換処理の説明図。
【図7】本実施形態の走行履歴登録処理の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の追従走行制御処理の処理手順の説明図。
【図9】走行履歴情報の登録を設定する画面の説明図。
【図10】追従走行時に生成された画像データに基づく画面の説明図。
【図11】登録時において、(a)は、自車位置が開始位置、(b)は、切換地点、(c)は進入開始地点、(d)は終端地点に位置するときの説明図。
【図12】追従走行の開始を設定するための画面の説明図。
【図13】自車位置と目標軌跡との相対距離及び相対方位を説明する説明図。
【図14】追従走行時において、(a)は、自車位置が切換地点、(b)は進入開始地点、(c)は終端地点に位置するときの説明図。
【符号の説明】
【0095】
1…運転支援装置としてのナビゲーション装置、2…制御手段としての制御装置、3…
車両座標特定手段、履歴情報登録手段、走行支援手段、第2の車両位置検出手段及び登録設定手段を構成する制御部、4…車両座標特定手段、第1の車両位置検出手段を構成するGPS受信部、5…車両座標特定手段、第1の車両位置検出手段を構成する自車位置検出部、8…車両座標特定手段、第2の車両位置検出手段を構成する撮像データ取得部、10…登録設定手段を構成するディスプレイ、15…車両座標特定手段、第2の車両位置検出手段を構成する画像処理部、16…履歴情報登録手段を構成する走行履歴情報記憶部、17…周辺計測情報、18…駆動履歴情報、25…撮像装置としての後方カメラ、26…駆動手段としての操舵装置、27…駆動手段としての駆動装置、28…駆動手段としての制動装置、29…駆動手段としてのサスペンション制御装置、45…目標軌跡、101…周辺物体及び検出対象物としての壁、102…周辺物体及び検出対象物としての標示、105…目標位置としての駐車目標領域、C…車両、C1…車両位置としての自車位置、G…画像データ、S1…初期位置、Sv…検出情報としての車速検出信号、Sd…検出情報としての方位検出信号、Sr…検出情報としての舵角検出信号、Sf…検出情報としてのシフト信号、Sb…検出情報としての制動制御信号、Sa…検出情報としてのモード検出信号、Sk…検出情報としての角度検出信号、d…相対距離、θ…相対方位。
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援方法及び運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車を駐車させる際の運転操作を支援するシステムとして、車両の後端に取り付けられたカメラにより、車両周辺を撮像し、その撮像データを車室内に配設されたディスプレイに表示するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような後方カメラは、車両の後端の略中央において取付けられ、その光軸は、下方に所定角度傾けた状態で固定されている。そして、この後方カメラは、車両の後端から後方数メートルを撮像可能になっている。
【特許文献1】特開2000−280823号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記したシステムでは、画面の目視による車両後方の障害物の検出、駐車目標位置を概算できるものの、実際に、目標位置に移動するためのステアリング操作や、シフト操作のタイミングを支援することはできなかった。また、駐車を行う際には、車両後方だけでなく、駐車目標枠の前方のスペースの大小に応じて、舵角の調整、シフト操作のタイミングを決定する必要がある。さらに、駐車目標枠が狭かったり、周囲に立体障害物がある場合には、ドア開閉のためのスペースを確保する等、目標枠内での駐車位置の微調整が必要となる。このように、細かい周辺状況に応じて駐車を行う必要があるため、運転操作が煩雑になることから、駐車の際の運転者の負担を軽減する運転支援が求められている。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、予め登録された場所で周辺状況に応じた運転操作の支援を行う運転支援方法及び運転支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両に搭載された制御手段を用いて、前記車両を目標位置まで導く運転支援方法であって、前記制御手段が、初期位置から前記目標位置までの前記車両の各駆動手段の駆動履歴情報を予め取得及び登録するとともに、登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで走行させることを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、車両の位置及び方位を取得する車両座標特定手段と、初期位置から目標位置までの前記車両の運転走行のための各駆動手段の駆動履歴情報を取得及び登録する履歴情報登録手段と、登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで追従走行させる制御を行う走行支援手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の運転支援装置において、予め登録された前記初期位置に前記車両が接近した際に、登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで走行させることを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の運転支援装置において、前記走行支援手段は、登録した前記駆動履歴情報に基づいて前記各駆動手段を駆動して、前記車両を前記目標位置まで自動走行させることを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記走行支援手段は、登録した前記駆動履歴情報に基づいて、運転操作案内を出力手段から出力することを要旨とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記車両座標特定手段は、前記車両に設けられたセンサから検出情報を取得し、前記検出情報に基づいて、車両位置を算出する第1の車両位置検出手段と、前記車両に設けられた撮像装置から取得した画像データを画像処理し、前記車両位置周辺に配置された周辺物体との相対位置を示す周辺計測情報を生成するとともに、登録された過去の前記周辺計測情報と、現在の前記周辺計測情報とを比較して、登録された地点と現在の車両位置との相対距離又は相対方位を算出する第2の車両位置検出手段とを有することを要旨とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項2〜6のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記履歴情報登録手段は、前記各駆動履歴情報と、その各駆動履歴情報を取得した時点での車両位置とを対応させて登録することを要旨とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項2〜7のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記走行支援手段は、前記車両座標特定手段に基づき、現在の前記車両位置又は方位と、登録された前記駆動履歴情報に従った目標軌跡との相対距離又は相対方位を算出し、前記車両を前記目標軌跡上に導くことを要旨とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項6〜8のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記履歴情報登録手段は、登録された過去の前記周辺計測情報と、現在の前記周辺計測情報とに基づいて、検出対象物以外の物体を除去するフィルタリングを行うことを要旨とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項2〜9のいずれか1項に記載の運転支援装置において、前記駆動履歴情報を登録するための登録設定手段を備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、制御手段は、初期位置から目標位置までの車両の操作履歴情報を取得及び登録する。また、車両の操作履歴情報を追従し、例えば自動運転走行や、運転操作を案内する案内音声を出力して目標位置まで走行させる。このため、例えば、駐車や、細街路等の運転操作が煩雑な際に、予め登録した走行履歴情報に従って、車両を運転することができる。このため、運転操作が困難な状況の支援を行うことができる。しかも、走行履歴情報は、運転者によって予め登録されるので、周辺状況に応じた運転を容易に行うことができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、運転支援装置は、車両座標特定手段と、初期位置から目標位置までの車両の操作履歴情報を取得及び登録する履歴情報登録手段とを備える。さらに、車両を操作履歴情報に従って目標位置まで走行させる制御を行う走行支援手段とを備える。このため、例えば、駐車や、細街路等の運転操作が煩雑な際に、予め登録した走行履歴情報に従って、車両を自動運転させることができる。このため、運転操作が困難な状況の支援を行うことができる。しかも、走行履歴情報は、運転者によって予め登録されるので、周辺状況に応じた自動操作運転を容易に行うことができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、予め登録された初期位置まで車両が接近した際に、登録された駆動履歴情報を追従して車両を目標位置まで走行させる。このため、追従走行が必要な地点に近付いたときのみ追従走行を行わせることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、走行支援手段は、車両の各駆動手段を駆動させて、車両を目標位置まで自動走行させる。このため、運転者の負荷をさらに軽減することができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、走行支援手段は、登録した駆動履歴情報に基づいて、運転操作案内を出力手段から出力する。このため、運転者は、運転操作案内に従って運転操作を行うので、容易に運転操作を行うことができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、車両座標特定手段は、車両のセンサから取得した検出情報に基づいて、車両位置を検出する第1の車両位置検出手段を有している。また、車両座標特定手段は、第2の車両位置検出手段を有し、この第2の車両位置検出手段は、車両の撮像装置から画像データを取得して、画像データを画像処理し、車両位置周辺に配置された周辺物体との相対位置を示す周辺計測情報を生成する。そして、登録された過去の周辺計測情報と、現在の周辺計測情報とを比較して、登録された地点と現在の車両位置との相対距離又は相対方位を算出する。このため、第1の車両位置検出手段により算出された車両位置を、第2の車両位置検出手段により補完することによって、車両位置と登録地点との相対位置をより高精度に算出できる。従って、高精度な車両位置検出機能を利用して、駆動履歴情報に基づく走行軌跡を精度よく追従できる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、履歴情報登録手段は、駆動履歴情報と、その駆動履歴情報を取得した車両位置とを対応させて登録する。このため、運転操作中に運転操作を行わない時間があったとしても、登録された駆動履歴情報を追従する際に、その空白時間を削除することができる。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、走行支援手段は、車両座標特定手段に基づき、現在の車両位置又は方位と、登録された駆動履歴情報に従った目標軌跡との相対距離又は相対方位を算出し、車両を目標軌跡上に導く。このため、目標軌跡に車両を合わせる運転操作を支援できる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、履歴情報登録手段は、過去に登録した周辺計測情報と、現在の周辺計測情報とを比較して、例えば自転車や日陰等、検出対象物以外の物体を取り除くフィルタリングを行う。このため、車両の位置をより正確に認識することができる。
【0024】
請求項10に記載の発明によれば、運転支援装置は、駆動履歴情報を登録するための登録設定手段を備えている。このため、煩雑な運転操作が上手く行った場合にのみ、履歴を登録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の運転支援装置を、自動車(車両)に搭載され、経路案内を行うナビゲーション装置に具体化した実施形態を図1〜図14に従って説明する。図1は、ナビゲーション装置1の構成を説明するブロック図である。
【0026】
図1に示すように、ナビゲーション装置1は、制御手段としての制御装置2を備えている。制御装置2は、主制御を行う制御部3を備えている。制御部3は、図示しないCPU、RAM、ROMを備え、ROMに格納された経路案内プログラム、履歴登録プログラム、追従走行プログラム等、各種プログラムに従って各種処理を行う。尚、制御部3は、特許請求の範囲に記載の車両座標特定手段、履歴情報登録手段、走行支援手段、第2の車両位置検出手段及び登録設定手段を構成する。
【0027】
また、制御装置2は、車両座標特定手段及び第1の車両位置検出手段を構成するGPS受信部4及び自車位置検出部5を備えている。GPS受信部4は、GPS衛星からの電波を受信する。自車位置検出部5は、GPS受信部4から受信した検出データに基づいて、自車位置(車両位置)の絶対位置を示す緯度・経度・高度等の測位データを定期的に算出する。
【0028】
さらに、制御装置2は、インターフェース部(I/F部6)を備えている。制御部3は、このI/F部6を介して、車両C(図2参照)に配設された車輪回転速度センサ及びジャイロ(図示せず)から、車速検出信号Sv及び方位検出信号Sdを取得し、これらを自車位置検出部5に送信する。自車位置検出部5は、GPS受信部4による測位データにより算出した基準自車位置をもとに、車速検出信号Sv及び方位検出信号Sdに基づき、自律航法による自車位置を生成する。このとき、自車位置検出部5は、図2に示す車両Cの後車軸の中心点を自車位置C1として算出する。そして、GPS受信部4から測位データを逐次取得しながら、自律航法によるデータを補正し、自車位置C1を決定する。
【0029】
さらに、制御装置2は、I/F部6を介して、車両Cに設けられたステアリングセンサと、シフトポジションスイッチ(いずれも図示せず)と接続されている。制御部3は、センサ又はスイッチから、舵角検出信号Srと、シフトポジションを示すシフト信号Sfを取得する。
【0030】
また、制御部3は、I/F部6を介して、サスペンション制御装置29から、車高検出信号Sh、サスペンションの減衰力のモードを示すモード検出信号Saを取得する。例えば、路面の凹凸が大きい場合には、サスペンションの減衰力が比較的低いモードを示すモード検出信号Saを取得し、高速道路等を走行している場合には、操縦安定性のため、減衰力が比較的高いモードのモード検出信号Saを取得する。
【0031】
さらに、制御部3は、I/F部6を介して、制動装置28から、制動制御信号Sbを取得し、駆動装置27から、可倒式のドアミラーの角度検出信号Skを取得する。
また、制御装置2は、地図データ記憶部7を備えている。地図データ記憶部7には、経路データ7a及び地図描画データ7bが格納されている。経路データ7aは、ノードデータ、各ノードを接続するリンクを示すリンクデータ等を格納しており、制御部3は、この経路データ7a及びROMに格納された経路案内プログラムに従って経路を探索する。また、制御部3は、上記したように算出した自車位置C1の座標と、走行軌跡、経路データ7aを照合して、自車位置C1座標を適切な道路上に位置決めする。制御部3は、このようにして特定された自車位置C1を、自車位置検出部5から定期的に取得している。地図描画データ7bは、広範囲から狭範囲の地図を表示するためのデータであって、経路データ7aと関連付けられている。
【0032】
また、制御装置2は、車両座標特定手段及び第2の車両位置検出手段を構成する撮像データ取得部8を備えている。撮像データ取得部8は、アナログ/デジタル変換部、画像メモリ(図示せず)を備え、車両Cに設けられた撮像装置としての後方カメラ25から撮像データをサンプリング周期τごとに取得する。
【0033】
後方カメラ25は、図3に示すように、車両Cのバックドア等、車両Cの後端の略中央に、光軸Aを下方に向けて取り付けられている。この後方カメラ25は、広角レンズ、ミラー等から構成される光学機構と、CCD撮像素子(いずれも図示せず)とを備えている。図2に示すように、後方カメラ25は、例えば左右140度の後方視野を有し、車両Cの後端を含む、後方約3mの撮像範囲SRを撮像可能になっている。
【0034】
撮像データ取得部8は、制御部3から要求があった場合に、後方カメラ25によって生成された撮像データを、各種補正や合成等の画像処理が可能な画像データGとして制御部3に送信する。また、画像データGは、後方カメラ25に広角レンズを用いているため、ナビゲーション装置1が具備する、登録設定手段及び出力手段を構成するディスプレイ10に表示した際に、画面周辺の画像が縮む、いわゆる歪曲収差が生じている。
【0035】
また、ナビゲーション装置1のディスプレイ10は、タッチパネルであって、車両Cのシフトポジションがリバースになっている場合には、制御部3から送信された画像データGを所定のタイミングで出力する。さらに、ディスプレイ10は、変速機のシフトポジションがリバースになっていない場合には、制御部3から送信された地図描画データ7bを出力して、自車位置周辺の地図画面10a(図1参照)を自車位置マーク等と併せて表示する。
【0036】
また、制御部3は、このディスプレイ10のタッチパネル操作によって入力された入力信号、ナビゲーション装置1に配設された操作ボタン12を押釦することによって入力された入力信号を取得する。
【0037】
さらに、ナビゲーション装置1は、出力手段としてのスピーカ13を備えている。スピーカ13は、制御部3から送信された音声出力信号に基づき、各種案内音声や案内音を出力する。
【0038】
また、図1に示すように、制御装置2は、車両座標特定手段及び第2の車両位置検出手段を構成する画像処理部15を備えている。画像処理部15は、撮像データ取得部8から画像データGを取得して、画像データGの補正や、特徴点抽出処理、座標変換処理等を行う。画像データGの補正では、画像処理部15は、各画像データGに生じた、広角レンズによる歪曲収差を補正する。
【0039】
また、画像処理部15は、画像データGの特徴点を抽出する。この特徴点の抽出には、例えば、コーナー(角部)や直線部の交点といった特徴点追跡に有利である、以下の式に示すHarrisのインタレストオペレータを用いる。
【0040】
【数1】
(uk,vk)は、画面座標系におけるディスプレイ10の表示領域W(図示せず)内の座標であって、Iu,Ivはu軸及びv軸に沿った輝度変化率であり、特徴点31は、行列Aの固有値が極大になる点である。
【0041】
例えば、図4に示す車両Cの位置で生成した画像データGの特徴点抽出処理を行うと、図5に模式的に示すように、画面内の画素座標を示すuv座標系(以下、画面座標系という)内で特徴点31が検出される。例えば、車両Cの周辺に位置する、周辺物体及び検出対象物としての図4に示す壁101の画像32、路面100(図4参照)に描画された標示102(周辺物体及び検出対象物)の画像33内で特徴点31が検出される。
【0042】
さらに、画像処理部15は、画面座標系において、特徴点31を追跡する。車両Cの移動に従って、特徴点31が画面座標系内で移動するとき、時間tにおける特徴点座標(u,v)が、時間t+τにおいて位置する座標(u+du,v+dv)は、以下の式に示すように、基準となる特徴点31の輝度変化率に対する残差の和εを最小にする変位ベクト
ルdu,dvを求めることで特定される。これにより、車両Cの移動に伴い、特徴点31の画面座標系での座標を求めることができる。
【0043】
【数2】
また、画像処理部15は、図6に模式的に示すように、追跡した特徴点m(u,v)を、公知の方法で、3次元のXYZ座標系(以下、3次元座標系という)における座標M(x,y,z)に変換する。例えば、画面座標系の特徴点mと、3次元座標系の座標Mとの関係は、(3×4)の射影行列Piを用いて以下の式で表される。
【0044】
【数3】
そして、座標Mの初期値を求めるとともに、追跡した特徴点miと、Mの初期値から射影行列Piを用いて射影した特徴点miとの差の2乗和を最小にすることにより、3次元座標系の座標Mを求める。これにより、例えば、壁101の輪郭に相当する特徴点31が、3次元座標系、即ち路面100上の座標に特定される。
【0045】
画像処理部11は、画像データGの特徴点miを3次元座標系の座標Mに変換したデータを、周辺計測情報17として、履歴情報登録手段を構成する走行履歴情報記憶部16に格納する。これにより、サンプリング周期τごとの周辺計測情報17が走行履歴情報記憶部16に格納される。このとき、画像処理部15は、制御部3を介して、その画像データGが生成された時点の車両Cの位置を取得し、周辺計測情報17と関連付ける。具体的には、例えば、制御部3が、各周辺計測情報17と自車位置C1との対応を示すテーブル等を有している。
【0046】
さらに、図1に示すように、制御部3は、所定のタイミングで、I/F部6を介して、検出情報としての車速検出信号Sv、方位検出信号Sd、舵角検出信号Sr、シフト信号Sf、車高検出信号Sh、モード検出信号Sa、制動制御信号Sb及び角度検出信号Skを、周辺計測情報17の生成と同時に取得する。
【0047】
車速検出信号Svは、駆動装置27に備えられた車輪回転速度センサ(図示せず)から送信され、方位検出信号Sd及び舵角検出信号Srは、駆動手段としての駆動装置27に備えられたジャイロ及び駆動手段としての操舵装置26に備えられたステアリングセンサ(いずれも図示せず)からそれぞれ送信される。また、シフト信号Sfは、シフトポジションスイッチから送信され、トランスミッションのシフトポジションを示し、車高検出信号Shは、車室内に設けられた操作スイッチ又は駆動手段としてのサスペンション制御装置29の車高センサから送信される。さらに、モード検出信号Saは、サスペンションの減衰力を調節する操作スイッチ又はサスペンション制御装置29から送信され、サスペンションの減衰力をコントロールするモードを示す。制動制御信号Sb及び角度検出信号Skは、駆動手段としての制動装置28及び駆動装置27からそれぞれ送信される。角度検出信号Skは、可倒式のドアミラーの角度を示す。
【0048】
そして、走行履歴の登録が選択された場合には、各信号を、各装置26〜29の駆動データである駆動履歴情報18として走行履歴情報記憶部16に格納する。このとき、制御部3は、駆動履歴情報18と、サンプリング時点の自車位置C1とを関連付ける。
【0049】
従って、走行履歴情報記憶部16には、例えば、図4に示す位置にある車両Cが、駐車目標領域105(目標位置)まで移動する間に、サンプリング周期τごとに生成された周辺計測情報17と、走行中の駆動履歴情報18とが格納される。制御部3は、登録された駆動履歴情報18に基づく目標軌跡に従って、車両Cを追従走行させる。
【0050】
さらに、制御部3は、I/F部6を介して、車両Cに設けられた操舵装置26、駆動装置27、制動装置28、サスペンション制御装置29に各種命令を送信できるようになっている。制御部3は、追従走行の際に、操舵装置26を駆動して舵角を自動制御する。また、操舵装置26に設けられたステアリングセンサからは舵角検出信号Srがフィードバックされる。
【0051】
また、追従走行の際に、制御部3は、駆動装置27を制御して、トランスミッションのシフトポジション切換を自動的に行ったり、可倒式のドアミラーの角度調整を行う。さらに制御部3は、制動装置28が具備する油圧回路を制御し、車両Cを制動・停止させる。また、制御部3は、サスペンション制御装置29を制御して、車高調節、サスペンションの減衰力調整を自動的に行うようになっている。
【0052】
即ち、制御部3は、I/F部6を介して、各種センサ信号を取得し、各地点で、そのセンサ信号と予め登録した駆動履歴情報18とを比較しながら、操舵装置26、駆動装置27、制動装置28、サスペンション制御装置29を制御するようになっている。
【0053】
次に、本実施形態の処理手順について、図7及び図8に従って説明する。図7は、走行履歴登録処理の手順を示し、図8は、追従走行制御処理の手順を示す。
走行履歴登録処理は、制御部3が前記ROMに格納した履歴登録プログラムに従って行う処理である。まず、制御部3は、周辺計測情報17及び駆動履歴情報18からなる走行履歴情報の取得を開始するか否か判断する(ステップS1−1)。本実施形態では、車両Cが所定地点付近に接近、且つ車速が時速20km以下であるかを判断する。この所定地点とは、車両Cが比較的頻繁に駐車又は通過する地点であって、その判断条件は予め履歴登録プログラムに設定されている。例えば、所定地点は、地図描画データ7bに「自宅」として登録された地点、駐車を複数回繰り返した地点等である。また、時速20km以下で所定回数以上通過した狭路の入口である。そして、それらの所定地点と自車位置C1との相対距離が、所定距離(例えば、20m)以内になると、制御部3は所定地点に接近したと判断する。
【0054】
制御部3は、所定地点に接近かつ車速が時速20km以下になるまでステップS1−1の判断を繰り返す。そして、所定地点に接近かつ車速が時速20km以下になった場合(ステップS1−1においてYES)、制御部3は、図9に示すように、ディスプレイ10に表示された表示画面34に、登録設定ボタン36、消去ボタン37を表示する(ステップS1−2)。この登録設定ボタン36が運転者によって入力操作されると、制御部3は登録設定命令を受信し、その地点で取得した周辺計測情報17及び駆動履歴情報18を走行履歴情報記憶部16に登録するようになっている。消去ボタン37が入力操作されると、その周辺計測情報17のみを、後述する処理のために走行履歴情報記憶部16に格納する。
【0055】
そして、制御部3は、自車位置C1、方位、周辺計測情報17を取得する(ステップS1−3)。具体的には、制御部3は、自車位置検出部5から自車位置C1及び方位を取得
する。さらに、制御部3は画像処理部15を制御して、その時点で生成された画像データGを撮像データ取得部8から取得する。さらに、画像処理部11は、レンズによる歪曲収差の補正、特徴点抽出、特徴点の3次元座標系への変換を行って、周辺計測情報17を生成する。生成された周辺計測情報17は、制御部3内のRAMに一時格納される。
【0056】
そして、制御部3は、同地点における過去の周辺計測情報17が走行履歴情報記憶部16に登録(格納)されているか否かを判断する(ステップS1−4)。つまり、各周辺計測情報17は、そのときの自車位置C1及び方位とそれぞれ関連付けられているため、その自車位置C1及び方位が現在の自車位置C1及び方位と同じである周辺計測情報17を検索する。
【0057】
過去に登録された周辺計測情報17がない場合(ステップS1−4においてNO)には、ステップS1−6に進む。過去に登録された周辺計測情報17がある場合(ステップS1−4においてYES)には、周辺計測情報17をフィルタリングする(ステップS1−5)。詳述すると、画像処理部15は、過去に登録された周辺計測情報17と、現在の周辺計測情報17とを比較して、その差異を検出し、取り除く。
【0058】
例えば、過去に登録された周辺計測情報17が、図5に示すような画像データGに基づいて生成され、現在の周辺計測情報17が、図10に示すような画像データGに基づいたデータであって、各周辺計測情報17は同じ地点に関連付けられているとする。このとき、画像処理部11は、図10に示す日陰の画像35の輪郭にあたる特徴点31を、過去の周辺計測情報17には含まれない差異として検出し、取り除く。即ち、画像処理部11は、過去又は現在の周辺計測情報17のうち、落ち葉、日陰、他車両、その他障害物等、時間的に変化する物体を、他の各周辺計測情報17を比較することによってフィルタリングする。周辺計測情報17のフィルタリングが終了すると、その周辺計測情報17をRAMに一時格納し、ステップS1−6に進む。
【0059】
ステップS1−6では、制御部3は、I/F部6を介して、車速検出信号Sv、方位検出信号Sd、舵角検出信号Sr、シフト信号Sf、車高検出信号Sh、モード検出信号Sa、制動制御信号Sb、及びドアミラーの角度検出信号Skを取得し、その信号を駆動履歴情報18としてRAMに一時格納する。そして、この駆動履歴情報18と、周辺計測情報17とを関連付ける。
【0060】
さらに、制御部3は、ディスプレイ10からの入力信号の有無を判断し、各ボタン36,37が操作されたか否かを判断する(ステップS1−7)。操作が無いと判断した場合には(ステップS1−7においてNO)、ステップS1−3に戻る。
【0061】
そして、制御部3は、サンプリング周期τごとに、ステップS1−3からステップS1−7を繰り返す。例えば、図11(a)に示すように、車両Cが、周辺計測情報17の取得を開始した初期位置S1を通過して、駐車目標領域105に向って前進するとき、そのときの舵角に応じた舵角検出信号Sr等が送信される。制御部3は、舵角検出信号Sr等に基づく検出データをこの駆動履歴情報18に含める。
【0062】
さらに図11(b)に示すように、周辺計測情報17及び駆動履歴情報18のサンプリングを行いながら車両Cが切換位置S2まで移動したとき、制御部3は、ドライブからリバースへのシフト切換に応じたシフト信号Sfと、駐車目標領域105側への転舵に応じた舵角検出信号Sr等を取得する(ステップS1−6)。そして、取得したシフト信号Sfと舵角検出信号Sr等を切換位置S2での駆動履歴情報18とする。さらに、この駆動履歴情報18と、切換位置S2とを関連付ける。
【0063】
また、図11(c)に示すように、自車位置C1が駐車目標領域105の入口の進入開始位置S3に位置するとき、周囲の物体とドアミラーとの衝突を避けるため、ドアミラーの角度が調整された場合には、制御部3は、ステップS1−6において、ドアミラーを調整したことを示す角度検出信号Skを取得する。さらに、路面の凹凸等により、運転者が車室内に設けられた図示しない操作スイッチを操作して車高調整が行われた場合には、車高を上昇したことを示す車高検出信号Shを取得する。例えば、路面状況に応じて、乗り心地(安定性)を向上させるために運転者により操作スイッチの入力操作が行われたり、又はサスペンション制御装置29の自動制御が行われた場合には、制御部3は、サスペンションの減衰力を低くするモードを示す、モード検出信号Saを取得する。そして、取得した信号を駆動履歴情報18とし、進入開始位置S3と関連付けてRAMに格納する。
【0064】
そして、図11(d)に示すように、自車位置C1が駐車目標領域105への進入を終了した終端位置S4に位置するとき、制御部3は、例えば、リバースからパーキング等に切換えたことを示すシフト信号Sf等を取得する。そして、シフト信号Sf等に基づくデータを駆動履歴情報18とし、終端位置S4に関連付けてRAMに格納する。尚、制御部3は、サンプリング周期τごとに、初期位置S1から、終端位置S4までの間の各地点で、駆動履歴情報18及び周辺計測情報17を多数取得しているものとする。
【0065】
そして、制御部3は、例えば、車両Cが駐車目標領域105に駐車された時点や、狭路の出口で、各ボタン36,37の操作があったと判断すると(ステップS1−7においてYES)、その入力操作が、RAMに蓄積された各周辺計測情報17及び各駆動履歴情報18を登録する操作であるか否かを判断する(ステップS1−8)。
【0066】
登録設定ボタン36が操作され、各周辺計測情報17及び各駆動履歴情報18の登録が選択されたと判断すると(ステップS1−8においてYES)、RAMに蓄積された各周辺計測情報17及び各駆動履歴情報18を、走行履歴情報記憶部16に格納する。(ステップS1−9)。このとき、各周辺計測情報17及び各駆動履歴情報18にそれぞれ関連付けられた各自車位置C1及び方位も走行履歴情報記憶部16に格納する。これにより、サンプリング周期τごとの周辺計測情報17及び駆動履歴情報18が、各サンプリング時点の自車位置C1と関連付けられて登録される。また、周辺計測情報17及び駆動履歴情報18の取得を開始した地点を、初期位置S1として登録する。このとき、周辺計測情報17及び駆動履歴情報18に対して、登録名を設定してもよい。
【0067】
例えば、運転操作がうまくいかなかった場合等に消去ボタン37が操作されると、駆動履歴情報18及び周辺計測情報17の登録が選択されないと判断する(ステップS1−8においてNO)。また、制御部3は、ステップS1−5のフィルタリング処理のみを目的として、RAMに格納された周辺計測情報17のみを走行履歴情報記憶部16等に格納する(ステップS1−10)。また、各ボタン36,37の両方が操作されずに、イグニッションスイッチがオフ操作された場合等には、制御部3は、消去ボタン37が操作された場合と同様に、周辺計測情報17のみを走行履歴情報記憶部16に格納する。
【0068】
次に、図8に従って、追従走行制御処理について説明する。追従走行制御処理は、制御部3がROMに格納した追従走行プログラムに従い、走行履歴情報記憶部16に登録された周辺計測情報17及び駆動履歴情報18を用いて行う処理である。まず、制御部3は、自車位置検出部5から自車位置C1及び方位を取得して、車両Cが、登録されている初期位置S1の方位と同じ方位で、初期位置S1に接近するのを待つ(ステップS2−1)。
【0069】
車両Cが初期位置S1に接近したと判断すると(ステップS2−1においてYES)、制御部3は、図12に示すように、追従走行のための制御を開始するための開始設定ボタン41を、そのときディスプレイ10に表示されている表示画面40に重ねて表示する。
さらに、スピーカ13から、案内音声42を出力する。この案内音声42では、現在地点に関連付けられた周辺計測情報17及び駆動履歴情報18の登録があること、目標位置の案内等を出力する。
【0070】
同時に、制御部3は、自車位置C1及び方位と、周辺計測情報17を逐次取得する(ステップS2−3)。さらに、制御部3は、開始設定ボタン41の入力操作を待ち、追従走行が選択されたか否かを判断する(ステップS2−4)。
【0071】
開始設定ボタン41の入力操作が行われると(ステップS2−4においてYES)、制御部3は、現在の自車位置C1及び方位と、登録された周辺計測情報17及び駆動履歴情報18に基づく目標軌跡との相対距離等を算出する(ステップS2−5)。このとき、画像処理部15は、現在の周辺計測情報17の特徴点31の座標と、登録された過去の周辺計測情報17の特徴点31の座標とを合致させる。さらに、図13に模式的に示すように、現在の自車位置C1と、登録された駆動履歴情報18に基づく目標軌跡45との相対距離d(図中Y軸方向の距離)、車両Cの方向と目標軌跡45との相対方位θとを検出する。このとき、目標軌跡45は、各駆動履歴情報18に関連付けられた自車位置C1と、各駆動履歴情報18内の舵角データに基づく。
【0072】
目標軌跡45との相対距離d及び相対方位θを算出すると、制御部3は、その相対距離d及び相対方位θが所定値以下であるか否かを判断する(ステップS2−6)。相対距離d,相対方位θが予め定められた値よりも大きい場合には、目標軌跡45からのずれを補正するため、自車位置C1と方位の補正を行う(ステップS2−7)。このとき、制御部3は、目標軌跡45との相対距離d及び相対方位θが所定値以下になるように、操舵装置26及び駆動装置27を自動制御する。そして、現在の自車位置C1及び方位が、目標軌跡45のいずれかの位置と合致するまで、駆動履歴情報18を使用せずに、自動制御を行う。
【0073】
目標軌跡45までの相対距離d及び相対方位θが所定値以下になり、現在の自車位置C1が目標軌跡45上に位置すると(ステップS2−6においてYES)、制御部3は、自車位置C1と目標軌跡45が合致した地点から、目標軌跡45を追従するための制御を行う(ステップS2−8)。例えば、自車位置C1が図14(a)に示すように、切換位置S2に位置するとき、制御部3は、切換位置S2の座標が関連付けられた駆動履歴情報18を走行履歴情報記憶部16から読出す。そして、制御部3は、車両Cを一定速度(例えば、時速20km)で徐行させながら、読出した駆動履歴情報18に基づき、操舵装置26、駆動装置27、制動装置28又はサスペンション制御装置29を制御する。例えば、制御部3は、駆動履歴情報18内に含まれたシフト検出データにより、リバースへのシフト切換を判断すると、駆動装置27を制御して、自動的にシフトポジションをリバースに切換える。さらに、駆動履歴情報18内の舵角データにより、舵角の変更を判断した場合には、操舵装置26を制御し、例えば駐車目標領域105側に転舵する。また、駆動履歴情報18内の車速データや制動制御データに基づき、切換位置S2で車両Cが停止していると判断すると、制動装置28を制御して、停車させる。尚、追従走行の途中で、運転者が他車両の接近や障害物の進入等に気づき、加速、操舵等の運転操作が行われた場合には、制御部3により追従走行を中断し、その操作に基づく駆動信号を割り込ませる。
【0074】
自車位置C1が、例えば、図14(b)に示す進入開始位置S3に位置するとき、制御部3は、進入開始位置S3の座標が関連付けられた駆動履歴情報18を読出す。そして、車両Cを徐行させながら、その駆動履歴情報18に基づいた制御を行う。例えば、制御部3は、駆動履歴情報18内の角度調節データに基づき、駆動装置27を制御して、例えばドアミラーを車両C側に倒す。尚、登録時に、ドアミラーの角度が進入開始位置S3以外の地点で調節されている場合には、その地点で調節される。
【0075】
また、制御部3は、駆動履歴情報18内の車高調整データに基づき、例えばサスペンション制御装置29を駆動して、登録時の車高に設定する。即ち、駐車目標領域105付近の路面の凹凸が大きく、運転者が車高を上昇して登録した場合には、同じタイミングで車高を上昇させる。さらに、制御部3は、駆動履歴情報18内のサスペンションコントロールモードに基づき、サスペンション制御装置29を駆動して、サスペンションの減衰力を指定されたモードに設定する。尚、登録時に、車高調節やサスペンション調節が、進入開始位置S3以外の地点で行われている場合には、同様に、その地点で行われる。
【0076】
さらに、図14(c)に示すように、自車位置C1が終端位置S4に位置するとき、終端位置S4が関連付けられた駆動履歴情報18が走行履歴情報記憶部16から読出される。また、制御部3は、駆動履歴情報18に基づいて、例えば制動装置28を駆動し、車両Cを停止させる。そして、例えば、駆動履歴情報18内のシフトデータに基づいて、制御部3は、駆動装置27を駆動して、シフトポジションをリバースからパーキングに切換える。
【0077】
このように、ステップS2−8において、制御部3は、現在の自車位置C1と合致する駆動履歴情報18を読出し、その駆動履歴情報18に基づき一定速度で車両Cを運転操作するので、駆動履歴情報18の登録時に運転操作を行わない空白時間があったとしても、追従走行ではその空白時間を削除できる。
【0078】
また、このステップS2−8において、制御部3は、画像処理部15により各サンプリング周期τごとに周辺計測情報17を生成し、その周辺計測情報17の特徴点31の座標と、登録された周辺計測情報17の特徴点31の座標とを合致させて、目標軌跡45からの自車位置C1のずれ(相対距離d、相対方位θ)を算出する。そして、相対距離d、相対方位θが所定値以上になった場合には、制御部3は、相対距離d、相対方位θが所定値以下になるように、操舵装置26及び駆動装置27を自動制御する。これにより、僅かな位置のずれを検出し、目標軌跡45に沿った追従走行を行うことができる。
【0079】
同様に、車両Cが狭路を通過する場合にも、自車位置C1を検出しながら、駆動履歴情報18に従って、操舵装置26、駆動装置27、制動装置28、サスペンション制御装置29を制御する。そして、自車位置C1が狭路の終端地点に位置すると、制御部3は追従走行制御処理を終了し、例えば案内音声をスピーカ13から出力して、追従走行が終了したことを通知する。
【0080】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、ナビゲーション装置1は、GPS受信部4等に基づいて、自車位置C1及び方位を検出する自車位置検出部5を備えるようにした。また、後方カメラ25により生成した画像データGに対し、特徴点検出及び座標変換を行う画像処理部15を備えるようにした。また、追従走行を実行するための駆動履歴情報18を取得する制御部3と、その駆動履歴情報18を格納する走行履歴情報記憶部16とを備えるようにした。そして、予め登録された初期位置S1に車両Cが接近した際に、制御部3が、登録された駆動履歴情報18に従って、車両Cの操舵装置26、駆動装置27,制動装置28及びサスペンション制御装置29を制御し、車両Cを終端位置S4まで自動的に走行させるようにした。従って、例えば、駐車目標領域105への駐車・狭路通過等、運転操作が煩雑な状況で、円滑に運転できたときの駆動履歴情報18を登録し、登録後は、その駆動履歴情報18を用いて自動運転を行うことができる。しかも、駆動履歴情報18は、運転者の運転操作によって生成されたデータであるため、車両Cの後方だけでなく、駐車目標領域105前のスペースの大きさ、乗り心地、ドア開閉スペースの大きさ等、各センサでは検出しきれない状況に応じた操作を行うことができる。
【0081】
(2)上記実施形態では、GPS受信部4等に基づき自車位置C1を検出する自車位置検出部5に加えて、後方カメラ25から取得した画像データGを画像処理し、壁101や標示102等の周辺物体との相対位置を示す周辺計測情報17を生成する画像処理部15を備えるようにした。そして、登録された過去の周辺計測情報17と、現在の周辺計測情報とを比較して、登録された地点(目標軌跡45)と現在の自車位置C1との相対距離d又は相対方位θを算出するようにした。このため、自車位置検出部5により算出された自車位置C1を、画像処理部15により補完することによって、自車位置C1と目標軌跡45(登録地点)との相対位置をより高精度に算出できる。従って、高精度な車両位置検出機能を利用して、目標軌跡45を精度よく追従できる。
【0082】
(3)上記実施形態では、画像処理部15は、走行履歴情報記憶部16に格納された周辺計測情報17と、現在の周辺計測情報17とを用いて、移動体、日陰等、時間的に変動するものを除去し、路面標示や固定された立体障害物等の位置のみを示す周辺計測情報17を生成するようにした。このため、追従走行を行う際に、算出した自車位置C1の精度を向上できる。
【0083】
(4)上記実施形態では、制御部3は、ディスプレイ10の画面30に、登録設定ボタン36を表示し、駆動履歴情報18を登録するか否かを運転者が選択できるようにした。このため、煩雑な運転操作が上手く行った場合のみに、履歴を登録することができる。
【0084】
(5)上記実施形態では、制御部3は、駆動履歴情報18と、その駆動履歴情報18を取得した自車位置C1とを対応させて走行履歴情報記憶部16に格納するようにした。このため、運転操作中に運転操作を行わない時間があったとしても、追従走行を行う際に、その空白時間を削除して、円滑に自動運転することができる。
【0085】
(6)上記実施形態では、運転支援装置を、自車位置検出部、撮像データ取得部8及び画像処理部15を備えるナビゲーション装置1に具体化したので、精度の高い自車位置検出機能及び画像処理機能を利用して、自車位置C1の特定を行うことができる。このため、目標軌跡45と自車位置C1との微小なずれを検出できるので、駆動履歴情報18に基づき、登録時の目標軌跡45にほぼ沿わせ、精度よく追従走行させることができる。
【0086】
尚、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、自車位置C1は、後車軸の中心点以外の、車両の所定の位置を示す点でもよい。
【0087】
・上記実施形態では、画像処理部15は、画像データGの歪曲収差の補正を省略するようにしてもよい。
・上記実施形態では、画像処理部15は、登録した周辺計測情報17と、現在の周辺計測情報17とを比較して、移動体や日陰等を除去するようにしたが、ユーザが、ディスプレイ10や、他の端末等を用いて、移動体や日陰等を除去する操作を行うようにしてもよい。
【0088】
・上記実施形態では、走行履歴登録処理のステップS1−1において、自車位置C1が所定地点に接近し、且つ車速が時速20km以下になった場合に処理を開始するようにしたが、ディスプレイ10に表示された操作ボタン、又はナビゲーション装置1の筐体に設けられた操作ボタン12のユーザによる入力操作で開始してもよい。
【0089】
・上記実施形態では、画像データGの画素座標を3次元座標系に変換する際に、特徴点抽出処理後、その特徴点31を3次元座標系に変換した。これ以外に、画像データGに視
点変換処理を施し、画像データGを、車両Cの天頂にあたる視点から視た画像データに変換するとともに、各画像データGを合成し、エッジ検出処理により、道路の境界等を検出してもよい。
【0090】
・上記実施形態では、特徴点31を3次元座標系の座標に変換する際に、射影行列を用いる方法を採用したが、その他の手法によって座標変換してもよい。
・上記実施形態では、制御部3は、操舵装置26、駆動装置27、制動装置28、サスペンション制御装置29を制御可能としたが、これらのうちいずれか1つ又は複数を制御可能としてもよい。このとき、制御部3により制御できない操作は、例えば、「ハンドルを右に切って下さい」、「ドアミラーを畳んで下さい」、「シフトポジションをリバースにして下さい」、「ブレーキを踏んでください」、「車高を上げて下さい」等の運転操作案内としての案内音声や、案内表示をディスプレイ10に出力することにより、操作を促してもよい。このとき、運転者は案内音声や表示に従って、操舵、駆動・制動、サスペンションの調整等を行う。
【0091】
・上記実施形態では、追従走行制御処理のステップS2−8において、一定速度で徐行させながら追従走行させるようにしたが、登録時の車速と同様な速度で追従走行させてもよい。
【0092】
・上記実施形態では、自車位置検出部5と、画像処理部15による画像処理により、自車位置C1の位置を特定したり、目標軌跡45からのずれを算出した。これ以外に、車両Cに備えられた超音波ソナー、レーダ(いずれも図示せず)等の車両座標特定手段によって、自車位置C1及び目標軌跡45からのずれを算出するようにしてもよい。
【0093】
・後方カメラ25は、後方でなく、車両Cの前方又は側方に取り付けられたカメラでもよい。
・上記実施形態では、駐車支援装置を経路案内を行うナビゲーション装置1に具体化したが、経路案内を省略した装置としてもよい。この場合、地図データ記憶部7や、スピーカ13等が省略される。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本実施形態のナビゲーション装置の構成を説明するブロック図。
【図2】車両に配設された後方カメラの撮像範囲を説明する説明図。
【図3】後方カメラの取付位置を説明する説明図。
【図4】所定地点に接近した車両と周辺状況とを示す説明図。
【図5】所定地点で生成された画像データを表示した画面の説明図。
【図6】本実施形態の座標変換処理の説明図。
【図7】本実施形態の走行履歴登録処理の処理手順の説明図。
【図8】本実施形態の追従走行制御処理の処理手順の説明図。
【図9】走行履歴情報の登録を設定する画面の説明図。
【図10】追従走行時に生成された画像データに基づく画面の説明図。
【図11】登録時において、(a)は、自車位置が開始位置、(b)は、切換地点、(c)は進入開始地点、(d)は終端地点に位置するときの説明図。
【図12】追従走行の開始を設定するための画面の説明図。
【図13】自車位置と目標軌跡との相対距離及び相対方位を説明する説明図。
【図14】追従走行時において、(a)は、自車位置が切換地点、(b)は進入開始地点、(c)は終端地点に位置するときの説明図。
【符号の説明】
【0095】
1…運転支援装置としてのナビゲーション装置、2…制御手段としての制御装置、3…
車両座標特定手段、履歴情報登録手段、走行支援手段、第2の車両位置検出手段及び登録設定手段を構成する制御部、4…車両座標特定手段、第1の車両位置検出手段を構成するGPS受信部、5…車両座標特定手段、第1の車両位置検出手段を構成する自車位置検出部、8…車両座標特定手段、第2の車両位置検出手段を構成する撮像データ取得部、10…登録設定手段を構成するディスプレイ、15…車両座標特定手段、第2の車両位置検出手段を構成する画像処理部、16…履歴情報登録手段を構成する走行履歴情報記憶部、17…周辺計測情報、18…駆動履歴情報、25…撮像装置としての後方カメラ、26…駆動手段としての操舵装置、27…駆動手段としての駆動装置、28…駆動手段としての制動装置、29…駆動手段としてのサスペンション制御装置、45…目標軌跡、101…周辺物体及び検出対象物としての壁、102…周辺物体及び検出対象物としての標示、105…目標位置としての駐車目標領域、C…車両、C1…車両位置としての自車位置、G…画像データ、S1…初期位置、Sv…検出情報としての車速検出信号、Sd…検出情報としての方位検出信号、Sr…検出情報としての舵角検出信号、Sf…検出情報としてのシフト信号、Sb…検出情報としての制動制御信号、Sa…検出情報としてのモード検出信号、Sk…検出情報としての角度検出信号、d…相対距離、θ…相対方位。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された制御手段を用いて、前記車両を目標位置まで導く運転支援方法であって、
前記制御手段が、
初期位置から前記目標位置までの前記車両の各駆動手段の駆動履歴情報を予め取得及び登録するとともに、
登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで走行させることを特徴とする運転支援方法。
【請求項2】
車両の位置及び方位を取得する車両座標特定手段と、
初期位置から目標位置までの前記車両の運転走行のための各駆動手段の駆動履歴情報を取得及び登録する履歴情報登録手段と、
登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで追従走行させる制御を行う走行支援手段と
を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の運転支援装置において、
予め登録された前記初期位置に前記車両が接近した際に、登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで走行させることを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の運転支援装置において、
前記走行支援手段は、
登録した前記駆動履歴情報に基づいて前記各駆動手段を駆動して、前記車両を前記目標位置まで自動走行させることを特徴とする運転支援装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記走行支援手段は、
登録した前記駆動履歴情報に基づいて、運転操作案内を出力手段から出力することを特徴とする運転支援装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記車両座標特定手段は、
前記車両に設けられたセンサから検出情報を取得し、前記検出情報に基づいて、車両位置を算出する第1の車両位置検出手段と、
前記車両に設けられた撮像装置から取得した画像データを画像処理し、前記車両位置周辺に配置された周辺物体との相対位置を示す周辺計測情報を生成するとともに、登録された過去の前記周辺計測情報と、現在の前記周辺計測情報とを比較して、登録された地点と現在の車両位置との相対距離又は相対方位を算出する第2の車両位置検出手段と
を有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記履歴情報登録手段は、
前記各駆動履歴情報と、その各駆動履歴情報を取得した時点での車両位置とを対応させて登録することを特徴とする運転支援装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記走行支援手段は、
前記車両座標特定手段に基づき、現在の前記車両位置又は方位と、登録された前記駆動履歴情報に従った目標軌跡との相対距離又は相対方位を算出し、前記車両を前記目標軌跡
上に導くことを特徴とする運転支援装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記履歴情報登録手段は、
登録された過去の前記周辺計測情報と、現在の前記周辺計測情報とに基づいて、検出対象物以外の物体を除去するフィルタリングを行うことを特徴とする運転支援装置。
【請求項10】
請求項2〜9のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記駆動履歴情報を登録するための登録設定手段を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項1】
車両に搭載された制御手段を用いて、前記車両を目標位置まで導く運転支援方法であって、
前記制御手段が、
初期位置から前記目標位置までの前記車両の各駆動手段の駆動履歴情報を予め取得及び登録するとともに、
登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで走行させることを特徴とする運転支援方法。
【請求項2】
車両の位置及び方位を取得する車両座標特定手段と、
初期位置から目標位置までの前記車両の運転走行のための各駆動手段の駆動履歴情報を取得及び登録する履歴情報登録手段と、
登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで追従走行させる制御を行う走行支援手段と
を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の運転支援装置において、
予め登録された前記初期位置に前記車両が接近した際に、登録された前記駆動履歴情報を追従して、前記車両を前記目標位置まで走行させることを特徴とする運転支援装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の運転支援装置において、
前記走行支援手段は、
登録した前記駆動履歴情報に基づいて前記各駆動手段を駆動して、前記車両を前記目標位置まで自動走行させることを特徴とする運転支援装置。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記走行支援手段は、
登録した前記駆動履歴情報に基づいて、運転操作案内を出力手段から出力することを特徴とする運転支援装置。
【請求項6】
請求項2〜5のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記車両座標特定手段は、
前記車両に設けられたセンサから検出情報を取得し、前記検出情報に基づいて、車両位置を算出する第1の車両位置検出手段と、
前記車両に設けられた撮像装置から取得した画像データを画像処理し、前記車両位置周辺に配置された周辺物体との相対位置を示す周辺計測情報を生成するとともに、登録された過去の前記周辺計測情報と、現在の前記周辺計測情報とを比較して、登録された地点と現在の車両位置との相対距離又は相対方位を算出する第2の車両位置検出手段と
を有することを特徴とする運転支援装置。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記履歴情報登録手段は、
前記各駆動履歴情報と、その各駆動履歴情報を取得した時点での車両位置とを対応させて登録することを特徴とする運転支援装置。
【請求項8】
請求項2〜7のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記走行支援手段は、
前記車両座標特定手段に基づき、現在の前記車両位置又は方位と、登録された前記駆動履歴情報に従った目標軌跡との相対距離又は相対方位を算出し、前記車両を前記目標軌跡
上に導くことを特徴とする運転支援装置。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記履歴情報登録手段は、
登録された過去の前記周辺計測情報と、現在の前記周辺計測情報とに基づいて、検出対象物以外の物体を除去するフィルタリングを行うことを特徴とする運転支援装置。
【請求項10】
請求項2〜9のいずれか1項に記載の運転支援装置において、
前記駆動履歴情報を登録するための登録設定手段を備えたことを特徴とする運転支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−298115(P2006−298115A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−121498(P2005−121498)
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月19日(2005.4.19)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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