説明

アルカノールおよびシクロアルカノール−アミン誘導体およびその使用方法

本発明は、アルカノイルおよびシクロアルカノイル−アミン誘導体、これら誘導体を含有する組成物、およびモノアミン再取り込みにより改善される症状、とりわけ、血管運動症状(VMS)、性的機能不全、胃腸および泌尿生殖器障害、慢性疲労症候群、線維筋肉痛症候群、神経系障害およびその組み合わせ、特に大鬱病性障害、血管運動症状、緊張性および急迫性尿失禁、線維筋痛、疼痛、糖尿病性ニューロパシーおよびその組み合わせからなる群より選択される症状の予防および治療に用いる方法に関する。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中:
WはHまたはORであり;
およびRは、独立して、H、OH、アルキル、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アルカノイルオキシであるか、または一緒になってメチレンまたはメチレンジオキシを形成し;
はHまたは(C1−)アルキルであり;
およびRは、独立して、(C1−)アルキルまたは(C3−)シクロアルキルであるか;または
およびRは、それらの結合する炭素原子と一緒になって、炭素数4ないし8の環を形成し;
ここで、いずれの環炭素原子もN、SまたはOと置き換えられていてもよく;
ここで、該環は(C1−)アルキル、分岐した(C1−)アルキル、OH、ハロおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選択される1個ないし4個の置換基で置換されていてもよく;および
ここで、該環は炭素数5ないし8の炭素環式環または芳香族環と縮合していてもよく(当該縮合環の1個ないし2個の炭素原子はN,OまたはSと置き換えることができ、その縮合環は(C1−)アルキル、分岐した(C1−)アルキル、OH、ハロおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選択される1個ないし4個の置換基で置換されていてもよい);
はHまたは(C1−)アルキルであり;
あるいはRおよびRは、Rが結合する窒素原子と一緒になって、複素環式環を形成し;
ここで該複素環式環は(C1−)アルキル、分岐した(C1−)アルキル、OH、ハロおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選択される1個ないし4個の置換基で置換されていてもよく;
はH、(C1−)アルキルまたは(C1−)アルキル−C(=O)であり;
tは1、2または3であり;および
xは0、1または2である]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
およびRがそれらの結合する炭素と一緒になって4、5、6または7員環を形成し、そのうちの1個の環原子が酸素または窒素であってもよく、
該環が炭素数1ないし6のアルキルおよびヒドロキシから選択される1個ないし4個の置換基で置換されていてもよく;および
該環がまた、炭素数6の炭素環式環に縮合していてもよいところの、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
およびRがそれらの結合する炭素と一緒になって炭素数1ないし6のアルキルまたはOHで置換されていてもよいシクロヘキシル環を形成するところの、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
およびRが、同一または異なり、各々が炭素数1ないし6のアルキルまたはシクロプロピルであるところの、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
およびRが、独立して、水素、ハロまたは炭素数1ないし6のアルコキシから選択されるところの、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
がHまたは炭素数1ないし6のアルキルであるところの、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
WがHまたはOHであるところの、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
がHであるところの、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
xが1であるところの、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
tが1であるところの、請求項1ないし9のいずれか一項に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
WがORであり;
およびRが、独立して、H、OH、アルキル、アルコキシ、ハロ、トリフルオロメチル、アルカノイルオキシであるか、または一緒になってメチレンジオキシを形成し;
がHまたは(C1−)アルキルであり;
およびRが、独立して、(C1−)アルキルまたは(C3−)シクロアルキルであるか;または
およびRが、それらの結合する炭素原子と一緒になって炭素数4ないし8の環を形成し;
ここで、いずれの環炭素原子もN、SまたはOと置き換えられていてもよく;
該環は(C1−)アルキル、分岐した(C1−)アルキル、OH、ハロおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選択される1個ないし4個の置換基で置換されていてもよく;および
ここで、該環は炭素数5ないし8の炭素環式環または芳香族環と縮合していてもよく(当該縮合環の1個ないし2個の炭素原子はN,OまたはSと置き換えることができ、その縮合環は(C1−)アルキル、分岐した(C1−)アルキル、OH、ハロおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選択される1個ないし4個の置換基で置換されていてもよい);
がHまたは(C1−)アルキルであり;あるいは
およびRが、Rが結合する窒素原子と一緒になって、複素環式環を形成し;
ここで該複素環式環は(C1−)アルキル、分岐した(C1−)アルキル、OH、ハロおよびトリフルオロメチルからなる群より独立して選択される1個ないし4個の置換基で置換されていてもよく;
がHであり;
tが1であり;および
xが1であるところの、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項12】
以下に示す化合物:
4−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
1−[1−(3−ブロモフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−4−tert−ブチルシクロヘキサノール;
4−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]ヘプタン−4−オール;
4−[1−(3−ブロモフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]ヘプタン−4−オール;
1−[1−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]−4−tert−ブチルシクロヘキサノール;
2−(3−クロロフェニル)−1,1−ジシクロプロピル−3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロパン−1−オール;
1−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノール;
1−[1−(3−ブロモフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−3,3,5,5−テトラメチルシクロヘキサノール;
4−tert−ブチル−1−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]シクロヘキサノール;
2−(3−クロロフェニル)−3−エチル−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペンタン−3−オール;
1−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]−4−tert−ブチルシクロヘキサノール;
4−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
2−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]アダマンタン−2−オール;
4−[1−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オール;
4−[1−(3,4−ジクロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]−1−メチルピペリジン−4−オール;
2−(3−ブロモフェニル)−3−エチル−1−ピペラジン−1−イルペンタン−3−オール;
4−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]ヘプタン−4−オール;
2−(3−クロロフェニル)−3−エチル−1−ピペラジン−1−イルペンタン−3−オール;
4−[1−(3−ブロモフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]−1−メチルピペリジン−4−オール;
2−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)−3−エチル−1−ピペラジン−1−イルペンタン−3−オール;
2−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)−3−エチル−1−(4−メチルピペラジン−1−イル)ペンタン−3−オール;
1−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]デカヒドロナフタレン−1−オール;
1−[1−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−4−tert−ブチルシクロヘキサノール;
2−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]デカヒドロナフタレン−2−オール;
4−tert−ブチル−1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]シクロヘキサノール;
1−[2−(3−クロロフェニル)−2−シクロペンチルエチル]ピペラジン;
1−[2−(3−クロロフェニル)−2−シクロペンチルエチル]−4−メチルピペラジン;
1−[2−(3−クロロフェニル)−2−シクロヘキシルエチル]ピペラジン;
1−[2−(3−クロロフェニル)−2−シクロヘキシルエチル]−4−メチルピペラジン;
1−[2−(3−クロロフェニル)−2−シクロヘプチルエチル]ピペラジン;
1−[2−(3−クロロフェニル)−2−シクロヘプチルエチル]−4−メチルピペラジン;
2−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]シクロヘキサノール;
3−(3−クロロフェニル)−2−メチル−4−ピペラジン−1−イルブタン−2−オール;
3−(3−クロロフェニル)−2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブタン−2−オール;
3−(3−クロロフェニル)−2−メチル−4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブタン−2−オール;
1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−3,3,5,5−テトラメチル−シクロヘキサノール;
2−[1−(1−ナフチル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]デカヒドロナフタレン−2−オール;
1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]デカヒドロナフタレン−1−オール;
2−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]デカヒドロナフタレン−2−オール;
1−[1−(3−クロロフェニル)−2−ピペラジン−1−イルエチル]−4−メチルシクロヘキサノール;
1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−4−メチルシクロヘキサノール;
1−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エチル]−4−エチルシクロヘキサノール;または
その二塩酸塩を含む医薬上許容される塩であるところの、請求項1記載の化合物。
【請求項13】
a:請求項1ないし12に記載の少なくとも一つの化合物;および
b:少なくとも一つの医薬上許容される担体
を含む、組成物。
【請求項14】
その必要とする対象におけるモノアミン再取り込みにより改善される症状の治療または予防方法であって、該対象に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を有効量投与する工程を含む、方法。
【請求項15】
モノアミン再取り込みにより改善される症状が、血管運動症状、性的機能不全、胃腸および泌尿生殖器障害、慢性疲労症候群、線維筋肉痛症候群、神経系障害およびそれらの組み合わせからなる群より選択されるところの、請求項14記載の方法。
【請求項16】
モノアミン再取り込みにより改善される症状が、大鬱病性障害、血管運動症状、腹圧性および急迫性尿失禁、線維筋痛、疼痛、糖尿病性ニューロパシーおよびそれらの組み合わせからなる群より選択されるところの、請求項14記載の方法。
【請求項17】
その必要とする対象における少なくとも一つの血管運動症状を治療または予防する方法であって、該対象に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を有効量投与する工程を含む、方法。
【請求項18】
該血管運動症状が体熱感であるところの、請求項17記載の方法。
【請求項19】
対象がヒトであるところの、請求項17記載の方法。
【請求項20】
ヒトが女性であるところの、請求項19記載の方法。
【請求項21】
女性が月経閉止前であるところの、請求項20記載の方法。
【請求項22】
女性が閉経前後であるところの、請求項20記載の方法。
【請求項23】
女性が閉経後であるところの、請求項20記載の方法。
【請求項24】
ヒトが男性であるところの、請求項19記載の方法。
【請求項25】
男性が自然に、化学的に、または術的に男性更年期であるところの、請求項24記載の方法。
【請求項26】
その必要とする対象における少なくとも一つの鬱病性障害を治療または予防する方法であって、該対象に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を有効量投与する工程を含む、方法。
【請求項27】
鬱病性障害が大鬱病性障害、不安、睡眠障害または対人恐怖であるところの、請求項26記載の方法。
【請求項28】
その必要とする対象における少なくとも一つの性的機能不全を治療または予防する方法であって、該対象に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を有効量投与する工程を含む、方法。
【請求項29】
該性的機能不全が欲望に関連するか、または性的興奮に関連するところの、請求項28記載の方法。
【請求項30】
その必要とする対象における疼痛を治療または予防する方法であって、該対象に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を有効量投与する工程を含む、方法。
【請求項31】
その必要とする対象における胃腸または泌尿生殖器障害を治療または予防する方法であって、該対象に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を有効量投与する工程を含む、方法。
【請求項32】
該障害が腹圧性尿失禁および急迫性尿失禁であるところの、請求項31記載の方法。
【請求項33】
その必要とする対象における慢性疲労症候群を治療または予防する方法であって、該対象に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を有効量投与する工程を含む、方法。
【請求項34】
その必要とする対象における線維筋肉痛症候群を治療または予防する方法であって、該対象に請求項1ないし12のいずれか一項に記載の化合物またはその医薬上許容される塩を有効量投与する工程を含む、方法。
【請求項35】
該対象がヒトであるところの、請求項26ないし34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
請求項1に記載の式Iの化合物の製法であって、以下の一の工程:
a)式I:
【化2】

[式中、R、R、R5−8、x、tおよびWは請求項1の記載と同意義である]
で示される化合物を還元して式Iの化合物を得;必要ならば、反応の間、いずれかの反応基または部位を保護基で保護し、その後に除去するか;または
b)Rが水素である式Iの化合物をアルキル化剤を用いてアルキル化し、Rが水素を除いて請求項1の記載と同意義である、式Iの化合物を得るか;または
c)反応性置換基を有する式Iの化合物を異なる置換基を有する式Iの化合物に変換するか;または
d)式Iの塩基性化合物を医薬上許容される塩あるいはその逆に変換する
ことを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−509073(P2007−509073A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535617(P2006−535617)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/033730
【国際公開番号】WO2005/037207
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】