説明

ウイルスポリメラーゼインヒビター

【課題】HCVポリメラーゼに対する改良された阻害活性を有する新規化合物を提供すること。
【解決手段】下記式で表される化合物及びその類縁体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RNA依存性RNAポリメラーゼ、特にフラビウイルス科内の当該ウイルスポリメラーゼ、さらに詳細にはHCVポリメラーゼのインヒビターに関する。
【背景技術】
【0002】
毎年米国内で約30,000の新しい症例のC型肝炎(HVC)感染が発生すると推定される(Kolykhalov, A.A.; Mihalik, K.; Feinstone, S.M.; Rice, C.M.; 2000; J. Virol. 74: 2046-2051)。HCVは、宿主の免疫防御では容易に排除されず;HCVに感染した人々の85%もが慢性感染になる。この持続性感染の多くは、肝硬変及び肝細胞癌を含む慢性肝臓病という結果になる(Hoofnagle, J.H.; 1997; Hepatology 26: 15S-20S)。推定1億7千万人のHCV保菌者が世界中におり、今やHCV関連の末期肝臓病が肝臓移植の主要な理由である。米国内だけで、C型肝炎は毎年8,000〜10,000人の死亡の原因である。有効な処置がなければ、その数はこれらからの10〜20年で3倍になると予想される。HCV感染を予防するワクチンはない。慢性的な感染患者のインターフェロン又はインターフェロンとリバビリン(ribavirin)による長期治療が唯一の現在承認されている療法であるが、それは50%未満の症例で持続性応答を達成している(Lindsay, K.L.; 1997; Hepatology 26: 71S-77S,及びReichard, O.; Schvarcz, R.; Weiland, O.; 1997 Hepatology 26: 108S-111S)。
【0003】
HCVは、フラビウイルス科、ヘパシウイルス(hepacivirus)属に属し、3属の小被包正鎖RNAウイルスを含む(Rice, C.M.; 1996; “Flaviviridae: the viruses and their replication”; pp. 931-960 in Fields Virology; Fields, B.N.; Knipe, D.M.; Howley, P.M. (eds.); Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia Pa.)。HCVの9.6kbゲノムは、5'及び3'非翻訳領域(NTR's)に隣接した開いた読み枠(ORF)から成る。HCVの5'NTRは、341ヌクレオチド長であり、キャップ非依存性翻訳開始の内部リボゾーム侵入部位として作用する(Lemon, S.H.; Honda, M.; 1997; Semin. Virol. 8:274-288)。HCVポリタンパク質は、翻訳と共に、また翻訳後、少なくとも10個のポリペプチドに分解される(Reed, K.E.; Rice, C.M.; 1999; Curr. Top. Microlbiol. Immunol. 242: 55-84)。ポリタンパク質のN末端部内のシグナルペプチダーゼから構造タンパク質が生じる。2つのウイルスプロテアーゼが下流切断を媒介し、HCV RNAレプリカーゼの成分として作用する非構造(NS)タンパク質を生成する。NS2-3プロテアーゼは、NS2のC末端の半分とNS3のN末端の3分の1にまたがり、NS2/3部位のシス切断を触媒する。NS3の同じ部分は、4つの下流部位で切断するNS3-4Aセリンプロテアーゼの触媒ドメインをもコードする。NS3のC末端の3分の2は、RNA-結合、RNA-刺激NTPase、及びRNA巻き戻し活性を有するHCVアイソレートの間で高度に保存されている。NS4B及びNS5Aリンタンパク質はレプリカーゼの成分のようでもあるが、その特有の役割は未知である。C末端ポリタンパク質分解産物であるNS5Bは、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)活性を有するHCVレプリカーゼの伸長サブユニットである(Behrens, S.E.; Tomei, L.; DeFrancesco, R.; 1996; EMBO J. 15: 12-22; and Lohmann, V.; Koerner, F.; Herian, U.; Bartenschlager, R.; 1997; J. Virol. 71: 8416-8428)。最近、NS5B活性を殺す突然変異がチンパンジーモデル内のRNAの感染性を撤廃することが示された(Kolykhalov, A.A.; Mihalik, K.; Feinstone, S.M.; Rice, C.M.; 2000; J. Virol. 74: 2046-2051)。
【0004】
新規かつ特有の抗-HCV治療の開発は高い優先度であり、かつ複製に必須のウイルス特異的機能は、薬物開発で最も魅力的な標的である。哺乳類内にRNA依存性RNAポリメラーゼが存在しないこと、及びこの酵素がウイルス複製に必須であるらしいという事実は、NS5Bポリメラーゼが抗-HCV治療学の理想的な標的であることを示唆している。
WO 00/06529は、NS5Bポリメラーゼのインヒビター、α,γ-ジケト酸について報告している。WO 00/13708、WO 00/10573、WO 00/18231、及びWO 01/47883は、HCVの治療のために提案したNS5Bのインヒビターについて報告している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(好ましい実施形態)
A:
好ましくは、本発明の化合物は、下記式(II)を有する。
【化17】

式中、好ましくは、AはO、S、又はNR1である。
好ましくは、AはNR1である。
好ましくは、本発明の化合物は、下記式(III)を有する。
【化18】

式中、好ましくは、BはNR3である。
式(II)及び(III)の化合物について、好ましくは、M、K及びLは、CH又はNである。さらに好ましくは、M、K及びLはCHである。
【0023】
さらに好ましくは、本発明の化合物は下記式を有する。
【化19】

【0024】
R1:
好ましくは、R1は、H及び(C1-6)アルキルから成る群より選択される。さらに好ましくは、R1はH、CH3、イソプロピル、又はイソブチルである。なおさらに好ましくは、R1はH又はCH3である。最も好ましくは、R1はCH3である。
R2:
好ましくは、R2は、H、ハロゲン、(C2-6)アルケニル、(C5-7)シクロアルケニル、6若しくは10-員アリール又はHetから選択され;ここで、(C2-6)アルケニル、(C5-7)シクロアルケニル、アリール又はHetは、任意にR20で置換されていてもよく、ここで、R20は以下のように定義される。
−ハロゲン、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルから選択される1〜4個の置換基;又は
−以下:
a)(C1-6)アルキル若しくはハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、すべて任意にR150で置換されていてもよい;
b)OR104(式中、R104は、H、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
c)OCOR105(式中、R105は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
d)SR108、SO2N(R108)2又はSO2N(R108)C(O)R108(式中、各R108は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いは両R108が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
e)NR111R112(式中、R111は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、かつR112は、H、CN、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール、(C1-6アルキル)Het、COOR115又はSO2R115(式中、R115は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetである)であり、或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het、又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
f)NR116COR117(式中、R116及びR117は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
g)NR118CONR119R120(式中、R118、R119及びR120 は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR118がR119と共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、或いはR119とR120が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
h)NR121COCOR122(式中、R121及びR122は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、6-若しくは10-員アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよく、或いはR122は、OR123又はN(R124)2(式中、R123及び各R124は、独立的にH、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いは R124は、OH又はO(C1-6アルキル)であり、或いは両R124が一緒に共有結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Het及びヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい)である); i)COR127(式中、R127は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
j)COOR128 (式中、R128は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール及び(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
k)CONR129R130(式中、R129及びR130は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR129とR130が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール、(C1-6アルキル)Het及びヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
l)アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Het(すべて任意にR150で置換されていてもよい);
から選択される1〜4個の置換基;
ここで、R150は、好ましくは:
−ハロゲン、NO2、シアノ又はアジドから選択される1〜3個の置換基;又は
−以下:
a)(C1-6)アルキル又はハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル(すべて任意にR160で置換されていてもよい);
b)OR104(式中、R104は、H、(C1-6アルキル)又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記アルキル又はシクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよい);
d)SR108、SO2N(R108)2又はSO2N(R108)C(O)R108(式中、各R108は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Hetであり、或いは両R108が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
e)NR111R112(式中、R111は、H、(C1-6)アルキル、又は(C3-7)シクロアルキルであり、かつR112は、H、(C1-6)アルキル若しくは(C3-7)シクロアルキル、COOR115又はSO2R115 (式中、R115は、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい)である);
f)NR116COR117(式中、R116及びR117は、それぞれH、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよい);
g)NR118CONR119R120(式中、R118、R119及びR120は、それぞれH、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR118がR119と共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、或いはR119とR120が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
h)NR121COCOR122(式中、R121は、H、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記アルキル及びシクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよく、或いはR122は、OR123又はN(R124)2(式中、R123及び各R124は、独立的にH、(C1-6アルキル)又は(C3-7)シクロアルキルであり、或いは両R124が一緒に共有結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい)である);
i)COR127(式中、R127は、H、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記アルキル及びシクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよい);
j)COOR128(式中、R128は、H、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよい);
k)CONR129R130(式中、R129及びR130は、独立的にH、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR129とR130が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
から選択される1〜3個の置換基であり;
ここで、R160は、以下:
ハロゲン、CN、C1-6アルキル、ハロアルキル、COOR161、OR161、N(R162)2、SO2N(R162)2、NR162COR162又はCON(R162)2(式中、R161及び各R162は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキルであり、或いは両R162が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成している);
から選択される1又は2個の置換基と定義される。
【0025】
さらに好ましくは、R2は、アリール又はHetから選択され、それぞれ任意に、以下:ハロゲン、ハロアルキル、N3、又は
a)(C1-6)アルキル(任意に、OH、O(C1-6)アルキル又はSO2(C1-6アルキル)で置換されていてもよい);
b)(C1-6)アルコキシ;
e)NR111R112(式中、R111及びR112は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR112は、6-若しくは10-員アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetであり;或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して窒素-含有ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、アルキル-アリール又はアルキル-Hetは、それぞれ任意にハロゲン、又は以下: −OR161若しくはN(R162)2(式中、R161及び各R162は、独立的にH、(C1-6)アルキルであり、或いは両R162が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して窒素-含有ヘテロ環を形成している)で置換されていてもよい);
f)NHCOR117(式中、R117は、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル又はO(C3-7)シクロアルキルである);
i)CO-アリール;及び
k)CONH2、CONH(C1-6アルキル)、CON(C1-6アルキル)2、CONH-アリール、又はCONHC1-6アルキル-アリール;
から成る群より選択される置換基で一置換若しくは二置換されていてもよい。
【0026】
なおさらに好ましくは、R2は、アリール又はHetであり、それぞれ任意に、以下:ハロゲン、ハロアルキル、又は
a)(C1-6)アルキル(任意に、OH、O(C1-6)アルキル又はSO2(C1-6アルキル)で置換されていてもよい);
b)(C1-6)アルコキシ;及び
e)NR111R112(式中、R111及びR112 は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR112は、6-若しくは10-員 アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetであり;或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して窒素-含有ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、アルキル-アリール又はアルキル-Hetは、それぞれ任意に、ハロゲン又は以下:
−OR161若しくはN(R162)2(式中、R161及び各R162は、独立的にH、(C1-6)アルキルであり、或いは両R162が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して窒素-含有ヘテロ環を形成している)で置換されていてもよい);
から成る群より選択される置換基で一置換若しくは二置換されていてもよい。
【0027】
なおさらに好ましくは、R2は、フェニル又は下記式:
【化20】

から選択されるヘテロ環であり、すべて任意に上記定義どおりに置換されていてもよい。
【0028】
なおさらに好ましくは、R2は、下記式:
H、Br、CH=CH2
【化21】

【0029】
【化22】




【0030】
【化23】

から成る群より選択される。
【0031】
なおさらに好ましくは、R2は、下記式:
【化24】

から選択される。
【0032】
最も好ましくは、R2は、下記式:
【化25】

から選択される。
R3:
好ましくは、R3は、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、6-若しくは10-員アリール、又はHetから選択される。さらに好ましくは、R3は(C3-7)シクロアルキルである。最も好ましくは、R3はシクロペンチル、又はシクロヘキシルである。
Y:
好ましくは、Y1はOである。
Z:
好ましくは、ZはOR6(式中、R6は、H、(C1-6)アルキル(任意に、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、及びC1-6アルキルアミノで置換されていてもよい)であり;或いはR6は、C1-6アルキルアリール(任意に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルカノイル、-(CH2)1-6-COOR7、-(CH2)1-6-CONR7R8、-(CH2)1-6-NR7R8、-(CH2)1-6-NR7COR8、-(CH2)1-6-NHSO2R7、-(CH2)1-6-OR7、-(CH2)1-6-SR7、-(CH2)1-6-SO2R7、及び-(CH2)1-6-SO2NR7R8(式中、各R7及び各R8は、H又はC1-6アルキルである)で置換されていてもよい)である)であり、
或いは、ZはNR9R10(式中、R9及びR10は、それぞれH、C1-6アルコキシ、又はC1-6アルキル(任意に、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、及びC1-6アルキルアミノで置換されていてもよい)から選択される)である。
さらに好ましくは、ZはOH又はO(C1-6アルキル)であり、或いはZはNR9R10(式中、R9は、好ましくはHであり、かつR10は、好ましくはH又はC1-6アルキルである)である。
最も好ましくは、ZはOHである。
【0033】
(特定の実施形態)
表1及び2に示される式Iのすべての化合物は、本発明の範囲内に包含される。
(ポリメラーゼ活性)
式(I)の化合物のHCVのRNA依存性RNAポリメラーゼによるRNA合成を阻害する能力は、RNA依存性RNAポリメラーゼ活性を測定できるいずれのアッセイによっても実証することができる。好適なアッセイについては、実施例で述べる。
(RNA依存性RNAポリメラーゼ活性の特異性)
本発明の化合物がHCVポリメラーゼの特異的な阻害によって作用することを実証するため、DNA依存性RNAポリメラーゼアッセイで阻害活性について化合物を試験することができる。
【0034】
式(I)の化合物又はその治療的に許容性の塩の化合物を抗ウイルス薬として利用する場合、それは、該化合物の溶解性及び化学的性質、選択した投与経路及び標準的な生物学的プラクティスによって決まる割合の1種以上の製薬的に許容性のキャリヤーを含む媒体中で、哺乳類、例えばヒト、ウサギ又はマウスに経口、局所又は全身投与される。
経口投与のため、本化合物又はその治療的に許容性の塩は、カプセル剤又は錠剤のような単位剤形で調製することができ、それぞれ製薬的に許容性のキャリヤー中、約25〜500mgの範囲で所定量の活性成分を含有する。
局所投与のため、本化合物は、0.1〜5%、好ましくは0.5〜5%の活性成分を含有する製薬的に許容性の媒体中で調製することができる。このような製剤は、溶液、クリーム又はローションの形態でよい。
【0035】
非経口投与のため、式(I)の化合物は、製薬的に許容性の媒体又はキャリヤーと一緒に配合して静脈内、皮下又は筋肉内注射のいずれかで投与される。注射による投与のためには、無菌の水性媒体中の溶液中で該化合物を使用することが好ましく、この水性媒体は、緩衝剤又は保存剤のような他の溶質、及び該溶液を等張性にするために十分な量の製薬的に許容性の塩又はグルコースを含んでもよい。
上述した製剤用の好適な媒体又はキャリヤーは、製薬テキスト、例えば、"Remington's The Science and Practice of Pharmacy", 19th ed., Mack Publishing Company, Easton, Penn., 1995、又は"Pharmaceutical Dosage Forms And Drugs Delivery Systems", 6th ed., H.C. Anselら, Eds., Williams & Wilkins, Baltimore, Maryland, 1995に記述されている。
【0036】
化合物の投与量は、投与形態及び選択した特定の活性剤によって変わる。さらに、投与量は、治療する特定の宿主によって変わる。通常、その環境下で最適な効果に達するまで少ない増分で治療を始める。一般に、式Iの化合物は、いかなる有害又は有毒な副作用も起こさずに、通常抗ウイルス的に有効な結果を与えるであろう濃度レベルで最も望ましく投与される。
経口投与では、本化合物又は製薬的に許容性の塩は、体重1kg当たり1日10〜200mgの範囲で投与され、好ましい範囲は、1kg当たり25〜150mgである。
全身投与では、式(I)の化合物は、体重1kg当たり1日10mg〜150mgの用量で投与されるが、上述した変化が生じるだろう。有効な結果を果たすためには、体重1kg当たり1日約10mg〜100mgの範囲の用量レベルが最も望ましく利用される。
【0037】
この発明の組成物が式Iの化合物と1種以上の添加治療薬又は予防薬との組合せを含む場合、化合物と添加薬は両方とも、単一療法で通常投与される用量の約10〜100%、さらに好ましくは約10〜80%の用量で存在すべきである。
これら化合物又はその製薬的に許容性の塩を製薬的に許容性のキャリヤーと一緒に調製すると、その結果の組成物をヒトのような哺乳類にインビボ投与してHCVポリメラーゼを阻害し、又はHCVウイルス感染を治療若しくは予防することができる。このような治療は、限定するものではないが、α-、β-、又はγ-インターフェロンのような免疫調節薬;リバビリン、アマンタジンのような他の抗ウイルス薬;HCV NS5Bポリメラーゼのような他のインヒビター;HCVライフサイクル内の他の標的のインヒビター、例えば、限定するものではないが、ヘリカーゼ、NS2/3プロテアーゼ、NS3プロテアーゼ、又は内部リボゾーム入口部位(IRES);又はこれらの組合せを含む薬剤とこの発明の化合物を組み合わせて用いても達成することができる。添加薬剤をこの発明の化合物と組み合わせて、単一の剤形を作ってもよい。代わりに、複数剤形の一部としてこれら添加薬剤を別個に哺乳類に投与してもよい。
【0038】
方法論及び合成
本発明のインドール誘導体又は類似体は、J.W. Ellingboeら(Tet. Lett. 1997, 38, 7963)及びS. Cacchiら(Tet. Lett. 1992, 33, 3915)によって記載された文献のような公知の文献の順序を適合させることによって、公知の単環式芳香族化合物から調製することができる。以下に示されるスキーム1(式中、R1、R2、R3、R6、K、L、及びMは、本明細書で定義したとおりである)は、これら手順をこの発明の式Iの化合物の合成にどのように適合できるかを示す。
スキーム1
【化26】

【0039】
スキーム1に示される経路を行うには、適切に保護された形態の3-トリフルオロアセトアミド-4-ヨード安息香酸I(i)を、金属触媒(例えばPdCl2(PPh3)2、Pd2dba3、Pd(PPh3)4などのようなパラジウム金属錯体)、塩基(Et3N、DIEAなど又は金属炭酸塩、フッ化物及びリン酸塩を含む無機塩基性塩)の存在下、また任意に追加のホスフィンリガンド(トリアリール又はヘテロアリールホスフィン、dppe、dppf、dpppなど)の存在下、アルキンI(ii)と反応させる。この反応に好適な溶媒としては、20℃〜170℃の範囲の温度で、DMF、ジオキサン、THF、DME、トルエン、MeCN、DMAなどが挙げられ、或いは代わりに成分を一緒に加熱することで溶媒なしで行う。これとは別に、クロス-カップリング反応は、適切に保護された形態の3-アミノ-4-ヨードベンゾエートについて行い、J.W. Ellingboeら(Tet. Lett. 1997, 38, 7963)に記載されているように次の工程でアミノ基をトリフルオロアセチル化することができる。
【0040】
上述した条件と同様のクロス-カップリング条件下、上記ジアリールアルキンI(iii)とエノールトリフラートの反応により、二重結合の水素化後、インドール誘導体I(iv)が得られる。エノールトリフラートは公知であり、対応するケトンから以下の公知文献の方法で調製できる(例えば、シクロヘキセントリフラートはシクロヘキサノン、無水トリフルオロメタンスルホン酸及び2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジンのようなヒンダード有機塩基から調製できる)。R1に元々存在する二重結合の水素化は、適切な溶媒中(低級アルキルアルコール、THFなど)、金属触媒(好ましくはPd)の存在下、水素ガス又は水素供与体(ギ酸アンモニウム、ギ酸など)によって行うことができる。
【0041】
最後に、I(iv)中のエステル保護基の加水分解後、生成した6-カルボキシインドール誘導体I(v)を式H2N-R6の適切なアミンとカップリングさせることによって、式Iの化合物に変換する。6-インドールカルボン酸のアミンH2N-R6との縮合は、TBTU、HATU、BOP、BroP、EDAC、DCC、イソブチルクロロホルメートなどのような標準的なアミド結合形成試薬を用いて、或いはアミンとの縮合前にカルボキシル基を対応する酸塩化物に変換することで活性化して達成することができる。この工程後、いずれの残存保護基も除去して式Iの化合物が得られる。
【0042】
これとは別に、式Iの化合物は、例えば、P. Gharagozlooら(Tetrahedron 1996, 52, 10185)又はK. Freter(J. Org. Chem. 1975, 40, 2525)によって記述されているような文献の手順の適応によって、先在するインドール中心からの生成によって調製することができる。このような方法論は、スキーム2に示される。
スキーム2
【化27】

【0043】
スキーム2に示される経路を行うには、Kamiyaら(Chem. Pharm. Bull. 1995, 43, 1692)の方法によって調製することもできる商業的に入手可能な6-インドールカルボン酸2(i)を出発原料として使用する。このインドール2(i)を、塩基性又は酸性アルドールタイプの条件下でケトン2(ii)と反応させる。この縮合を与えるのに好適な条件は、-20℃〜120℃の範囲の反応温度で低級アルキルアルコール(MeOH、EtOH、tertBuOHなど)、THF、ジオキサン、DMF、DMSO、DMAなどのような溶媒中、アルカリ金属水酸化物、アルコキシド及び水素化物のような強塩基を含む。代わりに、有機若しくは無機酸又は両方を用いる酸性条件下で縮合を行うことができる。適切な条件は、15℃〜120℃の範囲の温度でAcOHと水性リン酸の混合物を含む。
【0044】
公知の方法でエステル形態のカルボン酸基の保護(通常、低級アルキル)後、所望により、R3でインドール窒素をアルキル化することができる。インドール誘導体の窒素をアルキル化するための反応条件は本技術の当業者に周知であり、-78℃〜140℃の範囲の温度で、適切な溶媒(THF、ジオキサン、DME、DMF、MeCN、DMSO、アルコールなどのような)中、アルカリ金属ハライド、水酸化物、アミド、アルコキシド及びアルキル金属のような強塩基の使用を含む。インドールアニオンのアルキル化ではR3の求電子形態を用いる。このような求電子種としては、ヨウ化物、臭化物、塩化物及びスルホン酸エステル(メシラート、トシラート、ブロシラート(brosylate)又はトリフラート)が挙げられる。
インドール2(iv)の2-位のハロゲン化(通常、臭素化、しかしヨウ素化も)によって2(v)が得られる。好適なハロゲン化剤としては、例えば、元素の臭素、N-ブロモスクシンイミド、三臭化ピリジン、ジブロモヒダントイン及び対応するヨウ素誘導体が挙げられる。この反応の好適な溶媒は、反応性ハロゲン化剤に対して不活性であり、例えば、炭化水素、塩素化炭化水素(DCM、CCl4、CHCl3)、エーテル(THF、DME、ジオキサン)、酢酸、酢酸エチル、IPA、及びこれら溶媒の混合物が挙げられる。反応温度は、-40℃〜100℃の範囲である。スキーム2に示されるようなインドールの臭素化を行う方法の選択は、L. Chuによって記述されている(Tet. Lett. 1997, 38, 3871)。
【0045】
2-ブロモインドール誘導体2(v)は、直接的に、アリール若しくはヘテロアリールホウ素酸、ホウ素酸エステル又はトリアルキルスタンナン誘導体とのクロス-カップリング反応によって、全置換された主要な中間体I(v)に変換することができる。これらホウ素又はスズ有機金属種は市販されており、或いは標準的な文献の手順で調製できる。有機ホウ素試薬とのクロス-カップリングは、文献で報告されているSuzukiクロス-カップリング反応のいずれの変形によっても行うことができる。これは、通常、遷移金属触媒(通常、Pd゜)、トリアリール若しくはトリヘテロアリールホスフィンリガンド、無機塩化物(例えば、LiCl)のような添加剤、及び塩基(通常、ナトリウム若しくはカリウムカーボネート又はホスフェートのような水性無機塩基)の使用を含む。この反応は、通常、アルコール性溶媒(EtOH)、DME、トルエン、THFなどの中で25℃〜140℃の範囲の温度で行われる。
スズ試薬とのクロス-カップリングは、文献で報告されているStilleクロス-カップリング反応のいずれの変形によっても行うことができる。これは、通常、遷移金属触媒(通常、Pd゜)、トリアリール若しくはトリヘテロアリールホスフィンリガンド、及び無機塩化物(例えば、LiCl)又はヨウ化物(例えば、CuI)のような添加剤の使用を含む。この反応に好適な溶媒としては、25℃〜140℃の範囲の温度のトルエン、DMF、THF、DMEなどが挙げられる。そして、スキーム1で述べたように中間体I(v)を式Iの化合物に変換する。
【0046】
これとは別に、2-ブロモインドール中間体2(v)を有機スズ種(又は有機亜鉛)にトランス金属化し、上述した条件下でStille型クロス-カップリング反応で用いることができる。
この場合、芳香族及びヘテロ芳香族ハライド(塩化物、臭化物、ヨウ化物)又はトリフラートを用いてR2を導入する。2-ブロモインドール誘導体2(v)の対応する有機スズ種2(vi)への変換は、アルキルリチウム試薬(例えば、nBuLi又はtert-BuLi)を用い、或いはリチウム金属を用いる初期の低温(通常、-78℃〜-30℃)ハロゲン-金属交換によって行われる。そして、過渡的な2-リチオインドール種がトリアルキルスズハライド(例えば、nBu3SnCl又はMe3SnCl)で捕捉される。代わりに、リチオインドール中間体が塩化亜鉛で捕捉され、対応する有機亜鉛酸塩が生成し、これが、例えばM. Rowley (J. Med. Chem. 2001, 44, 1603)に記載されているように、芳香族及びヘテロ芳香族ハライドとの遷移金属触媒クロス-カップリングをも受けうる。
【0047】
本発明は、インドール系の5-位にカルボン酸基がある式Iの化合物をも包含する。このような化合物の合成は、文献の手順の適応に基づき、スキーム3に示される。
スキーム3
【化28】

【0048】
スキーム3に示される合成経路を行うには、A. Bedeschiら(Tet. Lett. 1997, 38, 2307)に記載されている手順の適応によってエチル4-アセトアミド-3-ヨードベンゾエート3(i)が、アルキン3(ii)との金属触媒クロス-カップリングを受け、2,3-二置換-5-インドールカルボキシレート3(iii)が得られる。このインドール誘導体3(iii)が、アルカリ金属水酸化物、フッ化物、ヒドリドアミド、アルキルリチウム、ホスファ塩基(phosphabases)などのような塩基の作用下、求電子性のR1基(ハロゲン化物、スルホン酸エステル)によって窒素上でアルキル化されて3(iv)が得られる。このアルキル化に好適な溶媒としては、DMF、DMA、DMSO、MeCN、THF、ジオキサン、DMEなどが挙げられる。エステル基のアルカリ性溶液による鹸化後、その結果の5-インドールカルボン酸誘導体3(v)を、前述したような(スキーム1)アミド結合形成試薬を用いてH2N-R6に結合させて式Iの化合物を得る。
【実施例1】
【0049】
(実施例)
以下の非限定的な実施例で本発明をさらに詳細に説明する。すべての反応は、窒素又はアルゴン雰囲気内で行った。温度は、摂氏温度で示す。フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル上で行った。溶液のパーセンテージ又は割合は、特に言及しない限り、体積-体積の関係を表す。質量スペクトル分析は、エレクトロスプレー質量分析計を用いて記録した。本明細書で用いた略語又は記号としては、以下が挙げられる。
DIEA: ジイソプロピルエチルアミン;
DMAP: 4-(ジメチルアミノ)ピリジン;
DMSO: ジメチルスルホキシド;
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド;
Et: エチル;
EtOAc: 酢酸エチル;
Et2O: ジエチルエーテル;
HPLC: 高性能液体クロマトグラフィー;
iPr: イソプロピル
Me: メチル;
MeOH: メタノール;
MeCN: アセトニトリル;
Ph: フェニル;
TBE: トリス-ボレート-EDTA;
TBTU: 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート;
TFA: トリフルオロ酢酸;
TFAA: 無水トリフルオロ酢酸;
THF: テトラヒドロフラン;
MS (ES): エレクトロスプレー質量分析計;
PFU: プラーク形成単位;
DEPC: ジエチルピロカーボネート;
DTT: ジチオスレイトール;
EDTA: エチレンジアミン四酢酸;
HATU: O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
BOP: ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
EDAC: see EDC
DCC: 1,3-ジシクロヘキシルカルボジイミド
HOBt: 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
ES+: エレクトロスプレー(陽イオン化)
ES-: エレクトロスプレー(陰イオン化)
DCM: ジクロロメタン
TBME: tert-ブチルメチルエーテル
TLC: 薄層クロマトグラフィー
AcOH: 酢酸
EtOH: エタノール
DBU: 1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデラ-7-エン
BOC: tert-ブチルオキシカルボニル
Cbz: カルボベンジルオキシカルボニル
iPrOH: イソプロパノール
NMP: N-メチルピロリドン
EDC: 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミドハイドロクロライド
RNAsin: Promega Corporationによって市販されているリボヌクレアーゼインヒビター
Tris: 2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール
UMP: ウリジン5'-一リン酸
UTP: ウリジン5'-三リン酸
IPA: 酢酸イソプロピル
実施例1〜22は、この発明の代表的な化合物の合成方法を示す。
【0050】
(実施例1)
【化29】

【0051】
メチル3-アミノ-4-ヨードベンゾエート:
3-アミノ-4-ヨード安息香酸(13.35g,50.8mmol)をMeOH(150mL)に添加し、SOCl2(4.8mL,65.8mmol,1.3当量)を添加した。混合物を3時間還流させてから減圧下揮発分を除去した。
残留物をMeOHと共に3回エバポレートし、真空中乾燥させた(15.23g)。
メチル3-トリフルオロアセトアミド-4-ヨードベンゾエート:
上記アニリン誘導体(14.53g,52mmol)をDCM(200mL)に溶かし、TFAA(15mL,104 mmol)を添加した。この暗紫色溶液をを一晩中還流させた。減圧下揮発分を除去し、残留物を、溶離剤としてDCMを用い、シリカゲルの短いパッドを通過させた。ピンク色の固体として所望の生成物を得た(13.81g)。
4-フェニルエチニル-3-(2,2,2-トリフルオロ-エタノイルアミノ)-安息香酸メチルエステル:
上記ヨウ化物(0.742g,2mmol)、フェニルアセチレン(0.37mL,3.9mmol,1.7当量)及びEt3N (6mL)をアルゴン下で乾燥フラスコに充填した。PdCl2(PPh3)2(0.241g,0.3mmol)を加え、HPLC分析で完了と判断されるまで(〜5時間)混合物を室温で撹拌した。減圧下反応混合物を半量に濃縮し、水(80mL)で希釈した。混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出し、有機抽出液を5%のHCl(100mL)、水(100mL)及び食塩水(40mL)で洗浄した。MgSO4上で乾燥後、溶離剤として20%のEtOAヘキサンを用いてフラッシュクロマトグラフィーで残留物を精製し、黄褐色の固体として所望のクロス-カップリングしたアルキンを得た(0.442g)。
【0052】
メチル3-(シクロヘキセニル)-2-フェニルインドール6-カルボキシレート:
火炎乾燥したフラスコを細粉末の無水K2CO3(0.153g,1.1mmol)と、上記アルキン誘導体(0.390g,1.1mmol)で充填した。乾燥DMF(4mL)を加え、この懸濁液をアルゴン気流で脱気した。A.G. Martinez, M. Hanackら(J. Heterocyclic Chem. 1988, 25, 1237)によって記載された手順、又は文献記載の同等の方法に従って調製したシクロヘキサノンから誘導したエノールトリフラート(0.802g,3.3mmol,3当量)を加え、次いでPd(PPh3)4(0.086g,0.07mmol)を添加し、混合物を8時間室温で撹拌した。真空下DMFを除去し、溶離剤としてDCMを用いてフラッシュクロマトグラフィーで残留物を精製した(0.260g)。
メチル3-シクロヘキシル-2-フェニルインドール-6-カルボキシレート:
上記物質を、溶媒としてMeOHを用い、通常の様式で20%のPd(OH)2上で水素化(1atm H2ガス)した。触媒のろ過後、所望のシクロヘキサンインドールが単離された。
3-シクロヘキシル-2-フェニルインドール-6-カルボン酸:
上記メチルエステル(0.154g,0.15mmol)を、HPLC分析で示されるように完全な加水分解が起こるまで一晩中MeOH(10mL)と2N NaOH(6mL)中で還流させた。室温に冷却後、2N HCl(5mL)を加え、次いでAcOHを加えてpH7にした。減圧下MeOHを除去し、水(50mL)を加え、生成物をEtOAcで抽出した。抽出液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下揮発分を除去し、明オレンジ色の固体として表題のインドールカルボン酸を得た(0.149g)。
フェニルアセチレンに代えて2-エチニルピリジンを用いること以外、同一手順により、3-シクロヘキサン-2-(2-ピリジル)インドール-6-カルボン酸を得た。
【0053】
実施例2:
【化30】

3-シクロヘキセニル-6-インドールカルボン酸:
12Lの丸底フラスコは還流冷却器と機械式撹拌機を備えており、このシステムを窒素でパージした。このフラスコに6-インドールカルボン酸(300.00g,1.86mole,3当量)、次いでMeOH(5.5L)を充填した。10分間室温で撹拌後、シクロヘキサノン(579mL,5.58mole)を添加した。メタノール性ナトリウムメトキシド(25%w/w,2.6L,11.37mole,6.1当量)を10分かけて少しずつ添加した。混合物を48時間還流させた。室温に冷ました後、水(4L)を加え、減圧下メタノールを除去した。残った水相を濃HCl(〜1.2L)でpH1に酸性化した。その結果の黄色みがかった沈殿をろ過で集め、水で洗浄し、50℃で真空乾燥させた。ベージュ色の固体として所望のシクロヘキサン誘導体を得た(451.0g,100%収率)。
【0054】
3-シクロヘキシル-6-インドールカルボン酸:
上記不飽和誘導体を、溶媒として1:1 THF-MeOH(2.5L)を用い、20%のPd(OH)2/C(10.25g)上で20時間、3.8×105Pa(55psi)の水素ガス圧下で水素化した。触媒のろ過後、減圧下揮発分を除去し、残留物をヘキサンと共に摩砕した。ろ過でベージュ色の固体を集め、ヘキサンで洗浄し、真空下乾燥させた(356.4g,78%収率)。
メチル3-シクロヘキシル-6-インドールカルボキシレート:
5Lの三つ口フラスコは還流冷却管と機械式撹拌機を備えており、このシステムを窒素でパージした。このフラスコに上記インドールカルボン酸(300.00g,1.233mole)を充填し、MeOH(2L)中で懸濁させた。塩化チオニル(5mL,0.0685mole,0.05当量)を一滴ずつ添加し、混合物を48時間還流させた。減圧下揮発分を除去し、残留物をヘキサンと共に摩砕し、ベージュ色の固体を得、ヘキサンで洗浄し、真空下乾燥させた(279.6g,88%収率)。
【0055】
メチル-2-ブロモ-3-シクロヘキシル-6-インドールカルボキシレート:
L. Chu(Tet. Lett. 1997, 38, 3871)の手順を適応し、メチル3-シクロヘキシル-6-インドールカルボキシレート(4.65g,18.07mmol)を、THF(80mL)とCHCl3(80mL)の混合物に溶かした。この溶液を氷浴内で冷却し、ピリジニウムブロミドペルブロミド(三臭化ピリジン,7.22g,22.6mmol,1.25当量)を加えた。0℃で1.5時間撹拌後、反応の完了をTLCで判断した。それをCHCl3(200mL)で希釈し、1MのNaHSO3(2×50mL)、NaHCO3飽和水溶液(2×50mL)及び食塩水(50mL)で洗浄した。Na2SO4上で乾燥後、減圧下溶媒を除去し、残留物をTBME-ヘキサンから結晶させた。ろ過で所望の2-ブロモインドール誘導体を集め、ヘキサンで洗浄し、乾燥させた(3.45g)。母液のエバポレーションによって赤色固体を得、ヘキサン中15%のEtOAcを用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製し、さらに3.62gの純粋な物質を得た。総収量は5.17gだった(85%収率)。
【0056】
実施例3:
アリール及びヘテロアリールホウ素酸の2-ブロモインドール誘導体とのSuzukiクロス-カップリングの一般的な手順:
芳香族/ヘテロ芳香族ホウ素酸又はエステル誘導体の、実施例2で述べたような2-ブロモインドールとのクロス-カップリングは文献に記載されており、かつ本技術の当業者に周知の標準的な金属触媒Suzukiクロス-カップリング反応のいずれの変形を用いても達成することができる。以下の実施例は該方法を説明するために役立ち、限定するものではない。
【0057】
3-シクロヘキシル-2-フラン-3-イル-1H-インドール-6-カルボン酸メチルエステル:
【化31】

実施例2の2-ブロモインドール(8.92g,26.5mmol)、3-フランホウ素酸(B.P. Roquesら, J. Heterocycl. Chem. 1975, 12, 195; 4.45g,39.79mmol,1.5当量)及びLiCl(2.25g,53mmol,2当量)をEtOH(100mL)とトルエン(100mL)の混合物に溶かした。1MのNa2CO3水溶液(66mL,66mmol)を加え、混合物をアルゴンで45分間脱気した。Pd(PPh3)4(3.06g,2.65mmol,0.1当量)を添加し、混合物をアルゴン下75-85℃で一晩中撹拌した。減圧下揮発分を除去し、残留物をEtOAc(500mL)に再び溶かした。この溶液を水、飽和NaHCO3(100mL)及び食塩水(100mL)で洗浄した。MgSO4と脱色炭の混合物上で乾燥させた後、混合物をろ過し、減圧下濃縮した。残留油をTBME(20mL)とヘキサン(40mL)の混合物と共に摩砕し、氷中で冷却し、沈殿した固体をろ過で集め、ヘキサン中の冷25% TBMEで洗浄し、乾燥させた(3.09g)。ろ液と上記摩砕したものの洗浄物を混ぜ合わせ、濃縮し、ヘキサン中10-25% EtOAcを用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製し、さらに4.36gの生成物を得た。実施例3の2-(3-フリル)インドールの総収量は8.25gだった。
【0058】
実施例4:
【化32】

メチル3-シクロヘキシル-1-メチル-6-インドールカルボキシレート:
実施例2のメチル3-シクロヘキシル-6-インドールカルボキシレート(150.00g,0.583mole)を、機械式撹拌機を備えた3Lの三つ口フラスコに充填し、窒素ガスでパージした。DMF(1L)を加え、この溶液を氷浴内で冷却した。NaH(60%の油分散系,30.35g,0.759mole,1.3当量)を小量ずつ添加し(15分)、冷却状態で混合物を1時間撹拌した。内部温度を5〜10℃に維持しながらヨードメタン(54.5mL,0.876mole,1.5当量)を小量ずつ添加した。反応混合物を室温で一晩中撹拌した。氷-水(3L)中に注いで反応をクエンチすると、クリーム色の沈殿が生成した。この物質をろ過で集め、水で洗浄し、45℃で真空中乾燥させた(137.3g,86%収率)。
【0059】
メチル2-ブロモ-3-シクロヘキシル-1-メチル-6-インドールカルボキシレート:
上記1-メチルインドール誘導体(136.40g,0.503mole)を、機械式撹拌機を備えた5Lの三つ口フラスコに充填し、窒素ガスでパージした。CHCl3(750mL)とTHF(750mL)を加え、この溶液を0℃に冷却した。三臭化ピリジン(ピリジニウムブロミドペルブロミド,185.13g,0.579mole,1.15当量)を小量ずつ添加し、混合物を1時間0℃で撹拌した。室温で減圧下溶媒を除去し、残留物をEtOAc(3L)に溶かした。この溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(脱色炭/MgSO4)、減圧下濃縮した。残留物をTBMEに懸濁させ、50℃に加熱した。懸濁液を一晩中冷蔵庫内に保存し、ろ過によってクリーム色の結晶性生成物を集めた。それをTBMEで洗浄し、真空中乾燥させた(134.3g,76%収率)。
【0060】
実施例5:
シクロヘキシル-メチル-トリブチルスタンナニル-1H-インドール-6-カルボン酸メチル エステル:
【化33】

実施例4のブロモインドール誘導体(2.70g,7.71mmol)を乾燥THF(40mL)に溶かし、この溶液をアルゴン雰囲気下で-78℃に冷却した。ヘキサン中のnBuLiの溶液(1.4M,6.90mL,9.64mmol,1.25当量)を15分かけて一滴ずつ添加し、低温で撹拌を75分間続けた。生成した懸濁液にnBu3SnCl(2.93mL,10.8mmol,1.4当量)を5分かけて添加した。懸濁液を溶解させ、溶液を-78℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に温め、減圧下THFを除去した。残留物をTBME(150mL)に溶かし、1:1の食塩水-水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。この物質を、予めヘキサン中5%のEt3Nの溶液と共に混合することで不活性化したシリカゲル上クロマトグラフィーで精製した。クロマトグラフィーでは溶離剤として同一溶媒を用いた。黄色油として表題のスタンナンが単離された(3.42g,79%収率)。
【0061】
実施例6:
実施例5の2-スタンナンインドールの芳香族/ヘテロ芳香族ハライドとのStilleクロス-カップリングの一般的な手順:
芳香族/ヘテロ芳香族ハライド又は偽ハライド(好ましくは、臭化物、ヨウ化物及びトリフラート)と実施例5のスタンナン誘導体のクロス-カップリングは、文献記載の標準的な金属触媒Stilleクロス-カップリング反応のいずれの変形を用いても達成することができる。以下の実施例は、このような方法の説明に役立つ。
3-シクロヘキシル-1-メチル-2-ピリジン-2-イル-1H-インドール-6-カルボン酸メチル エステル:
【化34】

実施例5のスタンナン誘導体(3.42g,6.1mmol)をDMF(10mL)に溶かし、CuI(0.116g,0.61 mmol,0.1当量)、LiCl(0.517g,12.21mmol,2当量)、トリフェニルホスフィン(0.320g,1.22 mmol,0.2当量)及び2-ブロモピリジン(0.757mL,7.94mmol,1.3当量)を加えた。この溶液をアルゴン流で脱気し(30分)、Pd(PPh3)4(0.352g,0.31mmol,0.05当量)を添加した。さらに10分間アルゴンでパージ後、溶液を加熱し、アルゴン下100℃で一晩中撹拌した。減圧下DMFを除去し、残留物をEtOAc(150mL)に溶かした。この溶液を1NのNaOH(25mL)及び食塩水(25mL)で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。減圧下溶媒を除去し、CHCl3、次いでCHCl3中の5-10% EtOAcで溶離してフラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製した(1.516g,71%収率)。
【0062】
実施例7:
2-ブロモインドールのアリール又はヘテロアリールスタンナンとのStilleクロス-カップリングの一般的な手順:
3-シクロヘキシル-1-メチル-2-ピリジン-2-イル-1H-インドール-6-カルボン酸メチル エステル:
【化35】

実施例4の2-ブロモインドール誘導体(0.150g,0.428mmol)と2-トリメチルスタンニルチオフェン(S.F. Thamesら, J. Organometal. Chem. 1972, 38, 29; 0.150g,0.61mmol,1.4当量)を封管中の乾燥THF(7mL)に溶かし、この溶液をアルゴン流で30分間脱気した。Pd(Cl)2(PPh3)2(0.018g,0.026mmol,0.06当量)を加え、管を封止した。この溶液を40時間80℃に加熱した。反応混合物を室温に戻し、EtOAc(10mL)を加え、この懸濁液をろ過した。溶媒のエバポレーション後、残留物を新鮮な2-スタンニルチオフェン(0.150g,0.61mmol)と触媒(0.020g)でさらに20時間再び反応させた。室温に戻し、固体をろ過した後、溶媒をエバポレートし、溶離剤としてヘキサン中の15-100% CHCl3を用いて残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製した(0.133g,88%収率)。
同一手順を用いてスタンナン誘導体を実施例2の2-ブロモインドールにカップリングさせることができる。
【0063】
実施例8:
2-アリール及び2-ヘテロアリール-6-インドールカルボキシレートのN-アルキル化の一般的な手順:
3-シクロヘキシル-1-メチル-2-ピリジン-2-イル-1H-インドール-6-カルボン酸メチル エステル:
【化36】

NaH(60%の油分散系,0.186g,4.64mmol,1.5当量)をヘキサン(20mL)で洗浄して油を除去してからDMF(5mL)に再び懸濁させた。氷浴内で0℃に冷却後、実施例3のインドール誘導体(1.000g,3.09mmol)をDMF中の溶液(3mL+2mLすすぎ)として一滴ずつ添加した。15分の撹拌後、ヨードメタン(0.385mL,6.18mmol,2当量)を一部ずつ添加し、冷却状態で混合物を2時間かつ室温でさらに2時間撹拌した。1NのHCl(1mL)を添加して反応をクエンチし、TBME(100mL)で希釈した。この溶液を1NのHCl(25mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下揮発分を除去後、溶離剤としてヘキサン中の5-10% EtOAcを用いて残留物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、白色固体として表題化合物を得た(0.903g,86%収率)。
同様の手順で、適切な求電子試薬(例えば、EtI、iPrI、iBuI、BnBr)から本発明の範囲内の他のN-アルキルインドール誘導体を調製できる。
【0064】
実施例9:
6-インドールカルボキシレートの対応する遊離カルボン酸への鹸化の一般的な手順:
この手順は、インドールとN-メチルインドールカルボキシレートの両者に適用する。
3-シクロヘキシル-1-メチル-2-ピリジン-2-イル-1H-インドール-6-カルボン酸:
【化37】

実施例6の6-インドールカルボキシレート(1.517g,4.35mmol)をDMSO(8mL)に溶かし、5NのNaOH(4.4mL)を添加した。混合物を50℃で30分間撹拌した。溶液を室温に戻し、水(15mL)に一滴ずつ添加した。ろ過で不溶性の黒色不純物を除去し、ろ液にAcOH(2mL)を一滴ずつ添加した。生じた白色沈殿をろ過で集め、水で洗浄し、乾燥させた(1.37g,94%収率)。
【0065】
実施例10:
1-シクロヘキシル-2-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸:
【化38】

エチル4-アミノ-3-ヨードベンゾエート:
エチル4-アミノベンゾエート(15.00g,91mmol)及びヨウ素(11.80g,46.5mmol)を水(80mL)及びクロロベンゼン(4.60g,41mmol)と混ぜ合わせた。30分かけて温度を徐々に90℃まで上げながら混合物を撹拌した。90℃で10時間かけて過酸化水素(30%,50mL)を添加した。この温度でさらに6時間撹拌後、混合物を冷却し、残留固体から溶液をデカントした。固体をDCMに溶かし、この溶液をチオ硫酸ナトリウム及び食塩水で順次洗浄した。乾燥後(MgSO4)、減圧下溶媒を除去し、生じた褐色固体をヘキサンと共に摩砕し、二ヨウ化した副生物を除去した。褐色固体として所望の化合物を得た(22.85g,86%収率)。
【0066】
エチル4-アセトアミド-3-ヨードベンゾエート:
上記アニリン(1.00g,3.44mmol)をピリジン(5mL)に溶かし、この溶液を氷中で冷却した。AcCl(0.32mL,4.47mmol,1.3当量)を一滴ずつ添加し、混合物を0℃で1時間かつ室温で2時間撹拌した。反応混合物を1NのHClで希釈し、生成物をTBME(100mL)で抽出した。有機相を1NのHCl(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、黄褐色の固体として所望の物質を得た(1.121g,97%収率)。
エチル2-フェニル-インドール-5-カルボキシレート:
A. Bedeschiら(Tet. Lett. 1997, 38, 2307)の手順に従い、上記アセトアニリド誘導体(0.900g,2.7mmol)を、ジオキサン(5mL)とテトラメチルグアニジン(5mL)の混合物中、PdCl2(PPh3)2(10mole%)とCuI(10mole%)の存在下でフェニルアセチレン(0.385mL,3.5mmol,1.3当量)と反応させた。ヘキサン中の15% EtOAcによるフラッシュクロマトグラフィー後、黄色固体として所望の2-フェニルインドールが単離された(0.589g,82%収率)。
【0067】
1-シクロヘキサ-1-エニル-2-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸エチルエステル: 上記2-フェニルインドール誘導体(0.265g,1.0mmol)をDMF(2mL)に溶かし、水酸化セシウム一水和物(0.208g,1.2mmol,1.2当量)を添加した。この溶液を氷浴内で冷却し、3-ブロモシクロヘキセン(0.193g,1.2mmol,1.2当量)をDMF(1mL)中の溶液として一滴ずつ添加した(5分)。混合物を30分間0℃で撹拌した。反応を水(25mL)で希釈し、Et2O(2×50mL)で抽出し、抽出液をMgSO4上で乾燥させた。減圧下溶媒をエバポレートして白色泡(0.095g)を得、精製せずに次の工程で使用した。
1-シクロヘキシル-2-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸:
上記の粗製インドールを、室温で20時間炭素上の20% Pd(OH)2を通じてEtOH中、普通の手段(1atm H2ガス)で水素化した。触媒のろ過後、減圧下EtOHを除去した。残留物をMeOH(1mL)とDMSO(1mL)の混合物に溶かし、5NのNaOH(0.5mL)を加えた。混合物を50℃で一晩中撹拌した。反応混合物を冷却し、水(10mL)を加えた。1NのHClによる酸性化後、生成物をEt2O(70mL)に抽出し、溶液を乾燥させた(Na2SO4)。溶媒のエバポレーションにより、所望の1-シクロヘキシル-2-フェニルインドール-5-カルボン酸と1,3-ジシクロヘキシル-2-フェニルインドール-5-カルボン酸の2:1混合物(85mg)から成る緑色の残留物を得た。
【0068】
実施例11:
1-シクロヘキシル-3-メチル-2-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸:
【化39】

エチル2-フェニル-3-メチル-インドール-5-カルボキシレート:
H.-C. Zhang(Tet. Lett. 1997, 38, 2439)の手順を適合させ、エチル4-アミノ-3-ヨードベンゾエート(実施例10から,0.500g,1.72mmol)をDMF(5mL)に溶かし、LiCl(0.073g,1.72mmol,1当量)、PPh3(0.090g,0.34mmol,0.2当量)、K2CO3(1.188g,8.6mmol,5当量)及びフェニルプロピン(0.645mL,5.76mmol,3当量)を添加した。アルゴンで1時間パージすることで溶液を脱気し、酢酸パラジウム(0.039g,0.17mmol,0.1当量)を添加した。アルゴン下、80℃で20時間混合物を撹拌した。反応混合物を水(25mL)で希釈し、EtOAc(50mL)で抽出した。抽出液を食塩水(3×25mL)で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下濃縮し、かつ10-15%のEtOAc-ヘキサンでフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、所望の2-フェニル-3-メチルインドール(0.275g,最小の極性成分)と3-フェニル-2-メチル異性体(0.109g,より極性の成分)を得た。
エチル1-(3-シクロヘキセニル)-3-メチル-2-フェニルインドール-5-カルボキシレート:
上記の低極性異性体(0.264g,0.95mmol)をDMSO(2mL)に溶かし、水酸化セシウム一水和物(0.191g,1.14mmol,1.2当量)、次いで3-ブロモシクロヘキセン(0.183g,1.14mmol,0.7mLのDMSO中1.2当量)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。さらにCsOH一水和物(0.400g,2.4当量)と3-ブロモシクロヘキセン(0.400g,2.4当量)を添加し、さらに30分間撹拌を続けた。同量の2試薬を再び添加し、室温でさらに30分撹拌後、反応を1NのHCl(6mL)と水(20mL)で希釈した。生成物をTBME(100mL)で抽出し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下濃縮後、溶離剤としてヘキサン中の5-10% EtOAcを用いてフラッシュクロマトグラフィーで残留物を精製した。所望のN-アルキル化インドールが得られた(0.130g)。
エチル1-シクロヘキシル-3-メチル-2-フェニルインドール-5-カルボキシレート:
上記不飽和生成物を、室温で3時間、EtOH中、20% Pd(OH)2を通じて普通の手段(1atm H2ガス)で水素化した。
【0069】
1-シクロヘキシル-3-メチル-2-フェニル-1H-インドール-5-カルボン酸:
上記の水素化した物質をDMSO(2mL)とMeOH(2mL)の混合物に溶かした。5NのNaOH(0.5mL)を添加し、混合物を60℃で一晩中撹拌した。水(40mL)で希釈後、生成物の水相をEt2O-ヘキサンの1:1混合物(50mL)で抽出してから1NのHClでpH1に酸性化した。遊離された酸をジエチルエーテル(2×50mL)で抽出し、抽出液をNa2SO4上で乾燥させた。減圧下溶媒の除去後、明褐色の固体として所望のインドールを得た(0.074g)。
【0070】
実施例12:
2-ブロモ-3-シクロペンチル-1-メチル-1H-インドール-6-カルボン酸メチルエステル:
【化40】

機械式撹拌機を備えた3Lの三つ口フラスコをインドール6-カルボン酸(220g,1.365mole)とKOHペレット(764.45g,13.65mole,10当量)で充填した。水(660mL)とMeOH(660mL)を加え、混合物を75℃に加熱した。シクロペンタノン(603.7mL,6.825mole,5当量)をポンプで18時間かけて一滴ずつ添加した。反応混合物をさらに3時間加熱し(HPLCで反応の完了が判断された後)、1時間0℃に冷却した。沈殿したカリウム塩をろ過で集め、TBME(2×500mL)で洗浄してシクロペンタノン自己縮合生成物を除去した。褐色固体を再び水(2.5L)に溶かし、この溶液をTBME(2×1L)で洗浄した。濃HCl(425mL)でpH3に酸性化した後、ろ過でベージュ色の沈殿を集め、水(2×1L)で洗浄し、70℃で真空乾燥させた。粗生成物の質量は275.9gであり(88.9%の質量回収)、85%の均質性を有していた(HPLC)。
上記の粗生成物(159.56g,0.70mole)をMeOH(750mL)に溶かし、炭素上20% Pd(OH)2(8.00g)を添加した。混合物をParr装置内3.4×105Pa(50psi)の水素ガス下18時間水素化した。水素化完了後、セライトでろ過して触媒を除去し、減圧下溶媒を除去した。その結果の褐色固体を真空下70℃で12時間乾燥させた。粗生成物(153.2g)が褐色の固体として得られ、HPLCで77%の均質性だった。
【0071】
この粗製3-シクロペンチルインドール-6-カルボン酸(74.00g,0.323mole)を、機械式撹拌機と温度計を備えた3Lの三つ口フラスコに充填した。この系を窒素ガスでパージし、無水DMF(740mL)を添加した。出発原料の溶解後、無水炭酸カリウム(66.91g,0.484mole,1.5当量)を加え、混合物を5分間撹拌した。ヨードメタン(50mL,0.807mole,2.5当量)を加え、混合物を5時間撹拌後、反応混合物のHPLC分析はメチルエステルへの転化率97%を示した。
反応混合物を氷浴内で冷却し、水素化ナトリウム(95%,油なし,10.10g,0.420mole,1.3当量)を小量ずつ3分かけて添加した(発熱:8℃から30℃に内部温度が上昇)。さらに15分間撹拌後、冷却浴を取り除き、室温でさら1.5時間撹拌を続けた後、もはや進行が観察されなかった(HPLC)。さらにNaH(1.55g,65mmol,0.2当量)とヨードメタン(1.0mL,16mmol,0.05当量)を添加し、15分間撹拌後、HPLCで反応の完了を判断した(96%のN-メチル化)。
反応混合物を激しく撹拌しながらゆっくり(2分)水中(4L)に注ぎ、10分後、濃HCl(85mL)でpH<2に酸性化した。混合物を5分間撹拌していずれの残存炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムをもより可溶性の塩化物に完全に転換させた。4NのNaOH(40mL)でpHを〜7に調整し、混合物を室温で一晩中撹拌した。沈殿した物質をろ過で集め、水(600mL)で洗浄し、真空下60℃で乾燥させた。褐色固体として粗生成物(HPLCで79%の均質性)が得られた。
上記の粗製物質を最少量のMeOHと共に摩砕して一連の少量不純物を除去した。固体をろ過で集め、最少量の熱EtOAcに溶かした。室温に冷ました後、ヘキサンを加え(5×体積)、混合物を氷中で冷却し、ろ過した。ろ液を蒸発乾固させて所望の生成物を得た。
【0072】
上記N-メチルインドール(10.60g,41.2mmol)を酢酸イソプロピル(150mL)に溶かし、酢酸ナトリウム(5.07g,62mmol,1.5当量)を添加した。この懸濁液を氷浴内で冷却し、2分かけて臭素(2.217mL,43.3mmol,1.05当量)を一滴ずつ添加した。青白い琥珀色の懸濁液が暗赤色に変わった(5℃から13℃まで発熱)。それを1時間0℃で撹拌した。さらに臭素(0.21mL,4.2mmol,0.10当量)を添加してHPLC分析で示されるように反応を完了させた。10%の亜硫酸ナトリウム水溶液(15mL)を添加して反応をクエンチ後、水(50mL)とK2CO3(10.6g,1.8当量)を添加してHBrを中和した。有機層を分け、10%の亜硫酸ナトリウム水溶液とK2CO3水溶液で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下溶媒を除去し、残留物をTBME(75mL)と共にエバポレートしてベージュ色の固体を得、一晩中真空乾燥させた(13.80g)。この粗製物質を沸騰MeOH(80mL)と共に30分間摩砕し、氷中で冷却し、ろ過でベージュ色の固体を集めた。生成物を60℃で真空乾燥させた(10.53g,76%回収)。
【0073】
実施例13:
3-シクロペンチル-1-メチル-2-ビニル-1H-インドール-6-カルボン酸:
【化41】

乾燥ジオキサン(20mL)中の実施例12の2-ブロモインドール誘導体(2.044g,6.08mmol)にビニルトリブチルスズ(1.954mL,6.69mmol)を添加した。15分間窒素を泡立てることで溶液を脱気した。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(213.4mg,0.304mmol)を加え、反応混合物を100℃で一晩中加熱した。反応混合物をエーテルで希釈し、順次水と食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、残留物をフラッシュクロマトグラフ処理し(5cm,10%のAcOEt-ヘキサン)、白色固体として所望化合物を得た(1.32g,4.70mmol,77%収率)。
THF(2.8mL)とメタノール(1.4mL)の混合物中の上記エステル(153mg,0.54mmol)に水酸化リチウムの水溶液(1.6mLの水中226.6mg,5.40mmol)を添加した。反応混合物を50℃で1.5時間撹拌し、水で希釈した。水層を1MのHCl水溶液で酸性にし、CH2Cl2で3回抽出した。混ぜ合わせた有機層を順次水(2×)と食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、所望の粗製酸が単離された(150mg)。
【0074】
実施例14:
3-シクロヘキシル-1-メチル-2-オキサゾール-5-イル-1H-インドール-6-カルボン酸:
【化42】

乾燥ジオキサン(10mL)中の実施例4の臭化物(1.00g,2.855mmol)にビニルトリブチルスズ(917.8μL,3.141mmol)を添加した。15分間通して窒素を泡立てることによって溶液を脱気した。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロライド(101mg,0.144mmol)を加え、溶液を7時間還流させた。反応混合物をエーテルで希釈し、順次水と食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、残留物をフラッシュクロマトグラフ処理し(5cm,ヘキサン→2.5% AcOEt→5% AcOEt→10% AcOEt-ヘキサン)、青白い黄色の固体として所望の化合物を得た(773mg,2.60mmol,91%収率)。
アセトン(690μL)、tert-ブタノール(690μL)及び水(690μL)の混合物中の上記オレフィン誘導体(100mg,0.336mmol)に、順次N-メチルモルフォリンN-オキシド(NMMO;48mg,0.410mmol)及びtert-ブタノール中の四酸化オスミウムの2.5%溶液(33μL)を添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌してから濃縮した。残留物をEtOAcに溶かし、順次水(2×)と食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、粗ジオールが単離された(117mg)。
【0075】
THF(3.2mL)と水(3.2mL)の混合物中の上で得られた粗ジオール(約0.336mmol)に、0℃で過ヨウ素酸ナトリウム(86.2mg,0.403mmol)を添加した。冷却浴を取り除き、反応混合物を室温で1時間45分撹拌した。そして、AcOEtを加えた。その結果の溶液を順次10%のクエン酸水溶液、水、NaHCO3飽和水溶液、水(2×)及び食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、粗製の所望アルデヒドが単離された(92mg,0.307mmol,91%収率)。
無水MeOH(500μL)中の上記アルデヒド(25.8mg,0.086mmol)、無水炭酸カリウム(12.4mg,0.090mmol)及びTosmic(17.57mg,0.090mmol)の混合物を2時間還流させた。AcOEtを加え、混合物を順次水(2×)と食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、粗製の所望オキサゾールが単離された(28mg,0.083mmol,96%収率)。
THF(425μL)、MeOH(210μL)及び水(250μL)中の上記エステル(28mg,0.083mmol)に、水酸化リチウム(34.8mg,0.830mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩中撹拌してから水で希釈し、1NのHCl水溶液で酸性にした。水層をジクロロメタン(3×)で抽出し、順次水(2×)と食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、表題の粗酸が単離された(30mg)。
【0076】
実施例15:
2-(1H-ベンズイミダゾール-2-イル)-3-シクロヘキシル-1-メチル-1H-インドール-6-カルボン酸:
【化43】

アセトニトリル(500μL)及びDMF(200μL)中の実施例14のアルデヒド(28mg,0.094mmol)と1,2-ジアミノベンゼン(10.9mg,0.101mmol)の混合物にクロルアニル(24.8mg,0.101mmol)を添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。AcOEtを加え、反応混合物を順次1N NaOH水溶液(2×)、水(4×)及び食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、残留物をクロマトグラフ処理して(1cm,30% AcOEt-ヘキサン)所望のベンズイミダゾールエステル誘導体を得た(11mg,0.028mmol,30%収率)。
THF(240μL)、MeOH(120μL)及び水(140μL)の混合物中の上記エステル(11mg,0.028mmol)に、水酸化リチウム(11.7mg,0.280mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩中撹拌してから、水で希釈し、1NのHCl水溶液で酸性にした。水層をジクロロメタン(3×)で抽出し、順次水(2×)と食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、表題の粗酸が単離された(9mg,0.0241mmol,86%収率)。
【0077】
実施例16:
3-シクロペンチル-1-メチル-1H-インドール-2,6-ジカルボン酸6-メチルエステル:
【化44】

0℃のtert-ブタノール(500μL)中、実施例15で述べたのと同様の方法で調製した3-シクロペンチルアルデヒド(20mg.0.07mmol)と2-メチル-2-ブテン(541μL,5.11mmol)に、新たに調製したリン酸緩衝液(150μLの水中98mgのNaH2PO4)中の塩化ナトリウム(64.2mg,0.711mmol)の溶液を添加した。反応混合物を45分間室温で撹拌してから食塩水を加えた。水層をEtOAcで2回抽出した。混ぜ合わせた有機層を順次0.5NのHCl水溶液と食塩水で洗浄した。通常の処理(MgSO4、ろ過及び濃縮)後、黄色固体として23.1mgの所望の粗酸が単離された。
【0078】
実施例18:
3-シクロペンチル-2-ピリジン-2-イル-ベンゾフラン-6-カルボン酸:
【化45】

実施例17の2-ブロモベンゾフラン誘導体(0.850g,2.93mmol)、2-トリ(n-ブチル)スタンニルピリジン(1.362g,3.7mmol)、トリフェニルホスフィン(0.760g,2.90mmol)、塩化リチウム(0.250g,5.9mmol)及びCuI(0.057g,0.3mmol)をDMF(30mL)に溶かし、30分間アルゴンを泡立てることによって混合物を脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.208g,0.18mmol)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下100℃で撹拌した。19時間後、反応を室温に戻し、水中(70mL)に注ぎ、TBMEで抽出した。有機相を水(2×)と食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮して残留物を得、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。白色固体として所望の2(2-ピリジル)ベンゾフラン誘導体(0.536g,63%収率)が得られた。
上記ニトリル(0.200g,0.694mmol)を濃H2SO4(5mL)、AcOH(4mL)及び水(2mL)の混合物に懸濁させた。1.5時間還流後、TLCが加水分解の完了を示した。混合物を氷中で冷却し、10NのNaOHを一滴ずつ添加してpH9にした。水層をジクロロメタンで洗浄してから5NのHClでpH6に酸性化した。生成物をEtOAcで抽出し、乾燥させ(MgSO4)、減圧下溶媒を除去した。白色固体として所望のカルボン酸が得られた。
【0079】
実施例19:
2-ブロモ-3-シクロペンチル-ベンゾ[b]チオフェン-6-カルボン酸エチルエステル:
【化46】

DMF(58.0mL)中、実施例17の3-ブロモ-6-シクロペンタンカルボニルフェノール(5.194g,19.30mmol)の溶液に、室温で1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(4.33g,38.60mmol)とジメチルチオカルバミルクロライド(4.77g,38.6mmol)を添加した。混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を1NのHClでpH3に酸性化してからEtOAcで抽出した。有機層を混ぜ合わせ、食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。この粗混合物を、3%EtOAc/ヘキサンでシリカゲルの栓を通して精製し、無色油として6.976g(100%)の所望チオカルバメートを得た。
上記の純粋なO-3-ブロモ-6-シクロペンタンカルボニルN,N-ジメチルチオカルバメート(43.147g,121.1mmol)を5時間180-190℃の内部温度に加熱した。TLC(20% EtOAc/ヘキサン:Rf 0.6(出発原料)、0.5(生成物))を用いて反応の進行をモニターした。この粗製物質をさらに精製せずに次の反応で使用した。
【0080】
上記の粗製S-3-ブロモ-6-シクロペンタンカルボニル N,N-ジメチルチオカルバメートをMeOH(600mL)に溶かし、KOH(40.0g,714mmol)を添加し、混合物を1.5時間加熱還流させた。
混合物を室温に戻し、回転式エバポレーションで溶媒を除去した。残留物を水に溶かし、6NのHClでpH3に酸性化した。それをEtOAcで抽出し、粗生成物を1-5% EtOAc/ヘキサンでシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、黄色油として31.3g(91%)の所望チオフェノール誘導体を得た。
アセトン(5.0mL)中の上記3-ブロモ-6-シクロペンタンカルボニルチオフェノール(0.314g,1.105mmol)の溶液にK2CO3(0.477g,3.45mmol)を添加後、エチルブロモアセテート(0.221g,0.147mL,1.33mmol)を添加した。混合物を一晩中撹拌した。ろ紙で反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した。5% EtOAc/ヘキサンでシリカゲルによって精製し、無色油として0.334g(82%)の生成物を得た。
上記の粗エステルをTHF(12.0mL)に溶かし、1NのNaOH(5.0mL)を室温で加えた。混合物を2〜3時間或いはTLCが反応の完了を示すまで室温で撹拌した。回転式エバポレーションで溶媒を除去した。水を添加し、混合物を6NのHClでpH3に酸性化し、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄してMgSO4上で乾燥させた。減圧下溶媒を除去し、残留物をさらに精製せずに用いた。
【0081】
上記の粗酸に無水酢酸(16.0mL)、次いでNaOAc(0.573g)を添加し、混合物を一晩中加熱還流させた。混合物を室温に冷まし、氷とトルエンの混合物に注いだ。pHが約7になるまで6NのNaOHを添加し、EtOAcで抽出し、食塩水で洗浄してMgSO4上で乾燥させた。回転式エバポレーションで溶媒を除去し、残留物をヘキサンでシリカゲルによって精製し、無色油として0.795g(80%)の6-ブロモ-3-シクロペンチルベンゾチオフェンを得た。
DMF(1.4mL)中の上記6-ブロモ-3-シクロペンチルベンゾチオフェン(0.723g,2.57mmol)とシアン化銅(0.272g,3.04mmol)の混合物を一晩中加熱還流させた。混合物を室温に冷まし、EtOAcで希釈した。2NのNH4OHを加え、混合物を10分間撹拌し、セライトでろ過した。水層をEtOAcで抽出した。有機層を混ぜ合わせ、食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、減圧下溶媒を除去した。この生成物をさらに精製せずに使用した。
3-シクロペンチル-6-シアノベンゾチオフェン(17.65g,77.65mmol)を酢酸(310mL)に溶かし、臭素(49.64g,310.6mmol)を室温で加えた。混合物を室温で一晩中撹拌し、HPLCを用いて反応の進行をモニターした。反応完了後、反応混合物にトルエンを添加して酢酸を除去した(3×100mL)。この粗生成物を減圧下乾燥させ、さらに精製せずに使用した。
【0082】
上記の粗製シアノ誘導体をエタノール(150mL,変性した)及び濃H2SO4(45mL)に加え、この混合物を1〜2日間加熱還流させた。完了後(HPLC)、反応混合物を室温に冷まし、氷-水に注ぎ、ジクロロメタン(5×100mL)で抽出し、有機層を混ぜ合わせ、5%のNaHCO3と食塩水で洗浄した。減圧下溶媒を除去し、残留物を1%のEtOAc/ヘキサンによってシリカゲルで精製した。集めた留分を濃縮し、残留物をメタノール中でスラリーにした。固体をろ過し、氷冷メタノールで洗浄し、かすかに黄色い固体として15.9g(58%,2工程)の純粋なエチルエステルを得た。
【0083】
実施例20:
3-シクロペンチル-2-ピリジン-2-イル-ベンゾ[b]チオフェン-6-カルボン酸:
【化47】

実施例19の2-ブロモベンゾチオフェン(0.354g,1.00mmol)、2-トリ(n-ブチル)スタンニルピリジン(0.442g,1.2mmol)、トリフェニルホスフィン(0.262g,1.00mmol)、塩化リチウム(0.085g,2.0mmol)及びCuI(0.019g,0.1mmol)をDMF(10mL)に溶かし、30分間アルゴンを泡立てることによって混合物を脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.069g,0.06mmol)を加え、アルゴン雰囲気下、100℃で混合物を撹拌した。24時間後、反応を室温に冷まし、水中(70mL)に注ぎ、TBMEで抽出した。有機相を水(2×)及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)かつ濃縮して残留物を得、フラッシュクロマトグラフィーで精製した。青白い黄色の蝋様固体として所望の2(2-ピリジル)ベンゾチオフェンエステルを得た(0.197g,56%収率)。
上記エステルをNaOHによる通常の方法で加水分解して表題の酸を得、これは直接使用することができ、或いはHPLC及びフラッシュクロマトグラフィーで精製することができる。
この酸は、実施例37で述べる一般的な手順に従ってアミン誘導体にカップリングさせることができる。
【0084】
実施例21:
3-シクロペンチル-2-フラン-3-イル-ベンゾ[b]チオフェン-6-カルボン酸:
【化48】

実施例3で述べたように、実施例19の2-ブロモベンゾチオフェンエステルを3-フランホウ素酸にカップリングさせ、85%の収率で所望の2(3-フリル)ベンゾチオフェンエステルを得た。室温でNaOHによりエチルエステルの鹸化を行い、表題のカルボン酸誘導体を得た。
【0085】
実施例22:
3-シクロヘキシル-1-メチル-2-フェニル-1H-ピロロ[2,3,b]ピリジン-6-カルボン酸:
【化49】

7-アザインドール(15.00g, .127mole)をMeOH(330mL)に溶かし、ナトリウムメトキシド(MeOH中25%w/w,172mL,0.753mole)とシクロヘキサノン(52.86mL,0.51mole)を添加した。混合物を60時間還流させてから減圧下濃縮した。氷-水中で冷却後、反応混合物を3NのHClでpH8に酸性化し、沈殿した固体をろ過で集めた。生成物を水で洗浄し、TBME-ヘキサンと共に摩砕し、トルエンとの共沸によって乾燥させた(19.8g)。
上記物質(15.00g,75.65mmol)をEtOH(130mL)とTHF(30mL)の混合物に溶かし、炭素上20% Pd(OH)2(1.30g)を添加した。混合物を1atmのH2ガス下で24時間水素化し、その後さらに触媒(1.30g)を添加した。H2ガス下でさらに16時間撹拌後、ろ過で触媒を除去し、溶液を減圧下エバポレートして残留物を得、TBMEと共に摩砕して琥珀色の固体を得た(13.9g)。
【0086】
上記アザインドール誘導体(7.50g,37.45mmol)をDME(130mL)に溶かし、メタ-クロロ過安息香酸(12.943g,60.0mmol)を添加した。2時間攪拌後、減圧下揮発分を除去し、残留物を水中(100mL)に懸濁させた。激しく撹拌しながらNa2CO3飽和水溶液を添加して混合物をpH10に塩基性化した。ろ過で固体を集め、水と小量のTBMEで洗浄し、乾燥させた(7.90g)。
上記の粗製N-オキシド(4.00g,18.49mmol)をDMF(350mL)に溶かし、NaH(60%の分散系,1.52g,38mmol)を5分かけて小量ずつ添加した。混合物を30分間撹拌し、この懸濁液にヨードメタン(1.183mL,19mmol)を20分かけて一滴ずつ添加した。室温で3時間撹拌すると、HPLC分析でもはや進行が測定されなかった。反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで3回抽出した。
抽出液を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、エバポレートして琥珀色の固体を得(3.65g,NMRで60%の均質性)、精製しないで即座に使用した。
【0087】
上記の粗生成物(0.80g,3.47mmol)をMeCN(10mL)に溶かした。トリエチルアミン(1.13mL,8.1mmol)を添加後、シアン化トリメチルシリル(2.13mL,16mmol)を加えた。この溶液を19時間還流させた。室温に冷ました後、NaHCO3水溶液をゆっくり添加して反応をクエンチし、生成物をEtOAcで抽出した。抽出液を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)かつ濃縮して残留物を得、15%のEtOAc-ヘキサンを用いてシリカゲル上フラッシュクロマトグラフィーで精製した(0.285g)。
このニトリル(0.300g,1.254mmol)をEtOH(15mL)に懸濁させ、塩化水素ガスを15分間泡立て、透明な溶液を得た。この溶液を1.5時間、TLCが出発原料の完全な変換を示すまで還流させた。室温に冷ました後、減圧下揮発分を除去し、残留物をEtOAcに溶かした。この溶液を食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)かつ濃縮した。残留物をシリカゲル上(15-20% EtOAc-ヘキサン)フラッシュクロマトグラフィーで精製し、青白い黄色ゴムとして所望のエチルエステルを得た(0.227g)。
【0088】
上記エステル(0.100g,0.35mmol)をTHF(4mL)に溶かし、ピリジニウムヒドロブロミドペルブロミド(0.200g,0.532mmol)を添加した。密封バイアル中、混合物を65℃で16時間撹拌した(>80%の転化率)。溶液をエバポレートし、残留物をEtOAc中に取った。この溶液を水及び食塩水で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)かつ濃縮した。粗製物質をシリカゲル上(15% EtOAc-ヘキサン)フラッシュクロマトグラフィーで精製した。
上記臭化物(0.100g,0.274mmol)、フェニルホウ素酸(0.049g,0.4mmol)及び塩化リチウム(0.019g,0.45mmol)をトルエン(2mL)、EtOH(2mL)及び1M Na2CO3(0.43mL)の混合物に溶かした。この溶液全体に30分間アルゴンガスを通すことで混合物を脱気し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0.035g,0.03mmol)を添加した。混合物を18時間還流させた後、さらに触媒(0.035g,0.03mmol)を添加した。さらに2時間還流後、減圧下EtOHを除去した。残留物をEtOAcに溶かし、この溶液を10%のHCl水溶液と食塩水で洗浄し、乾燥させた(MgSO4)。減圧下揮発分を除去してオレンジ色のゴムを得、シリカゲル上(20% EtOAc-ヘキサン)フラッシュクロマトグラフィーで精製した(0.105g,粗製)。
上記の部分的に精製されたエステル(0.100g,0.276mmol)をTHF(2mL)とEtOH(2mL)の混合物に溶かした。1NのNaOH(2.8mL)を加え、混合物を4時間室温で撹拌した。減圧下揮発分を除去し、残留物を10%のHCl水溶液で希釈した。生成物をEtOAcで抽出し(3×)、乾燥させ(MgSO4)、エバポレートし、逆相調製用HPLCで精製して表題化合物を得た。
【0089】
実施例23:NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼ活性の阻害
以下のアッセイに従い、C型肝炎ウイルスRNA依存性ポリメラーゼ(NS5B)に対する阻害活性について本発明の化合物を試験した。
基質は、以下のとおりである。
自由な5'C位でビオチン修飾した12ヌクレオチドRNAオリゴ-ウリジレート(又はオリゴ-ウリジン-一リン酸)(オリゴ-U)プライマー;
不均一な長さ(1000-10000ヌクレオチド)の相補性ポリ-アデニレート(又はアデノシン一リン酸)(ポリA)鋳型;及び
UTP-[5,6 3H]。
ポリメラーゼ活性は、オリゴ-Uプライマーから伸長した鎖中へのUMP-[5,6 3H]の取り込みとして測定する。3H-標識した反応生成物は、ストレプトアビジンで被覆したSPA-ビーズによって捕獲され、TopCountで数量化される。
すべての溶液は、DEPC処理したミリQ水[2mlのDEPCを1LのミリQ水に添加し、混合物を激しく振り混ぜてDEPCに溶解させてから121℃で30分間オートクレーブ処理]から調製した。
【0090】
酵素:バキュロウィルス感染昆虫細胞由来のN-末端ヘキサ-ヒスチジン融合タンパク質として全長HCV NS5B(配列番号1)を精製した。この酵素は、貯蔵緩衝液内に-20℃で貯蔵することができる(以下参照)。この条件下で、少なくとも6カ月間活性を維持することが分かった。
基質:ビオチン標識したオリゴ-U12プライマー、ポリ(A)鋳型、及びUTP-[5,6 3H]を水に溶かした。この溶液は、-80℃で貯蔵することができる。
アッセイ緩衝液: 20mM Tris-HCl pH 7.5
5mM MgCl2
25mM KCl
1mM EDTA
1mM DTT
NS5B貯蔵緩衝液: 0.1μM NS5B
25mM Tris-HCl pH 7.5
300mM NaCl
5mM DTT
1mM EDTA
0.1% n-ドデシルマルトシド(maltoside)
30%グリセロール
【0091】
試験化合物反応混液:アッセイ直前に、15%のDMSOを含有するアッセイ緩衝液に本発明の試験化合物を溶解させた。
基質反応混液:アッセイ直前に、アッセイ緩衝液に基質を混ぜ合わせて以下の濃度にした。
【表1】

【0092】
酵素反応混液:アッセイの直前に、アッセイ緩衝液内でRNAポリメラーゼ(NS5B)反応混液を以下の仕様に調製した。
【表2】

【0093】
手順:
アッセイ反応は、Microfluor(登録商標)ホワイト”U”底プレート(Dynatech(登録商標) #7105)内で、連続的に以下の成分を添加して行った。
20μLの試験化合物反応混液;
20μLの基質反応混液;及び
20μLの酵素反応混液;
(アッセイの最終[NS5B]=10nM;アッセイの最終[n-ドデシルマルトシド]=0.33%;アッセイの最終DMSO=5%)。
反応を室温で1.5時間インキュベートした。STOP溶液(20μL;0.5M EDTA、150ng/μl tRNA)を添加後、30μlのストレプトアビジン被覆PVTビーズ(20mM Tris-HCl中8mg/ml,pH7.5,25mM KCl,0.025% NaN3)を添加した。プレートを30分間振とうさせた。CsClの溶液(70μL,5M)を添加してCsCl濃度を1.95Mにした。混合物を1時間静置した。以下の手順で、Hewlett Packard TopCount(登録商標)装置でビーズを数えた。
データモード:1分当たりの数
シンチレーター:liq/plast
エネルギー範囲:低
能力モード:普通
範囲:0-50
計数遅延:5分
計数時間:1分
予測結果:6000cpm/ウェル
200cpm/ウェル酵素なし対照。
10種の濃度の試験化合物の結果に基づき、標準濃度-%阻害曲線をプロットし、解析して本発明の化合物のIC50を決定した。数化合物では、IC50を2点から見積もった。
【0094】
実施例24:NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼ阻害の特異性
本発明の化合物を、ポリオウイルスRNA依存性RNAポリメラーゼ、及びHCV NS5Bポリメラーゼに代えて別のポリメラーゼを使用すること以外、HCVポリメラーゼについて述べた型式の子ウシ胸腺DNA依存性RNAポリメラーゼIIに対する阻害活性について調べた。
【0095】
実施例25:細胞ベースHCV RNA複製アッセイ
細胞培養
安定にサブゲノムHCVレプリコンを維持するHuh7細胞を以前に記述されているように定着させ(Lohmanら, 1999. Science 285: 110-113)、かつS22.3細胞系と命名した。S22.3細胞を10%のFBSと1mg/mLのネオマイシンで補充したダルベッコの修正イーグル培地(DMEM)(標準培地)内で維持した。アッセイの際には、0.5%のDMSOを含有し、かつネオマイシンを欠いた10%のFBSで補充したDMEM培地を用いた(アッセイ培地)。化合物添加16時間前、S22.3細胞をトリプシン化し、標準培地内で50,000細胞/mlに希釈した。200μL(10,000細胞)を96ウェルプレートの各ウェル内に分配した。プレートを次の日まで37℃で5%CO2と共にインキュベートした。
【0096】
試薬及び材料
【表3】

【0097】
試験化合物の調製
最終DMSO濃度が0.5%になるように10μLの試験化合物(100%のDMSO中)を2mlのアッセイ培地に添加し、溶液を15分間超音波処理し、0.22μMのミリポアフィルターユニットでろ過した。900μlをポリプロピレンディープ-ウェルタイタープレートのA列に移した。列B〜Hは、400μL分量のアッセイ培地(0.5%のDMSO含有)を含み、列ごとに400μlを移すことで連続的な希釈(1/2)を調製するために使用した(列Hには化合物を含めなかった)。
試験化合物の細胞への適用
S22.3細胞を含有する96-ウェルプレートから細胞培養液を吸引した。試験化合物の適切に希釈したアッセイ培地175μLを化合物プレートの各ウェルから細胞培養プレートの対応するウェルに移した(列Hは、“非阻害対照”として用いた)。細胞培養プレートを37℃で5%のC02と共に72時間インキュベートした。
【0098】
全細胞RNAの抽出
72時間のインキュベーション時間後、RNeasy 96キット(Qiagen(登録商標),RNeasy Handbook,1999)を用いて96-ウェルプレートのS22.3細胞から全細胞RNAを抽出した。要するにアッセイ培地を細胞から完全に除去し、143mMのβ-メルカプトエタノールを含有する100μLのRLT緩衝液(Qiagen(登録商標))を96-ウェル細胞培養プレートの各ウェルに添加した。マイクロプレートを穏やかに20秒間振とうさせた。100μLの70%エタノールを各マイクロプレートウェルに添加し、ピペット操作で混合した。ライセートを除去し、Qiagen(登録商標)Square-Well Blockの上面に載置されたRNeasy 96(Qiagen(登録商標))プレートのウェルに塗布した。RNeasy 96プレートをテープで封止し、RNeasy 96プレートを有するSquare-Well Blockをホルダーに装填し、4K15C遠心機の回転バケット内に置いた。試料を6000rpm(〜5600xg)で4時間室温で遠心分離した。テープをプレートから除去し、0.8mlの緩衝液RW1(Qiagen(登録商標)RNeasy 96キット)をRNeasy 96プレートの各ウェルに加えた。RNeasy 96プレートを新しい1片のテープで封止し、6000rpmで4分間室温で遠心分離した。
別のきれいなSquare-Well Blockの上面にRNeasy 96プレートを載置し、テープを除去し、0.8mlの緩衝液RPE(Qiagen(登録商標)RNeasy 96キット)をRNeasy 96プレートの各ウェルに添加した。RNeasy 96プレートを新しい1片のテープで封止し、6000rpmで4分間室温で遠心分離した。テープを除去し、別の0.8mlの緩衝液RPE(Qiagen(登録商標)RNeasy 96キット)をRNeasy 96プレートの各ウェルに添加した。RNeasy 96プレートを新しい1片のテープで封止し、6000rpmで10分間室温で遠心分離した。テープを除去し、RNeasy 96プレートを1.2-mLの収集マイクロチューブを収容できるラックの上面に置いた。50μLのRNaseのない水を各ウェルに添加してRNAを溶出させ、プレートを新しい1片のテープで封止し、1分間室温でインキュベートした。プレートを6000rpmで4分間室温で遠心分離した。この溶出工程を第2容量の50μlのRNaseのない水で繰り返した。全細胞RNAを有するマイクロチューブは、-70℃で貯蔵する。
【0099】
全細胞RNAの定量化
RiboGreen(登録商標)RNA Quantification Kit(Molecular Probes(登録商標))を用いて、STORM(登録商標)システム(Molecular Dynamics(登録商標))でRNAを定量化した。要するに、RiboGreen試薬をTE(10mM Tris-HCl pH=7.5,1mM EDTA)中200倍に希釈した。通常50μLの試薬を10mLのTE中で希釈した。標準曲線のリボゾームRNAをTE中2μg/mLに希釈し、所定量(100、50、40、20、10、5、2及び0μL)のリボゾームRNA溶液を新しい96-ウェルプレート(COSTAR # 3997)に移し、かつTEで体積を100μLにした。通常、96-ウェルプレートのカラム1は標準曲線用に用い、他のウェルを定量すべきRNA試料用に使用した。定量すべき各RNA試料10μLを96-ウェルプレートの対応するウェルに移し、90μLのTEを添加した。ある体積(100μL)の希釈RiboGreen試薬を96-ウェルプレートの各ウェルに添加し、2〜5分間室温でインキュベートし、光から保護した(200μLの最終体積中10μLのRNA試料は20倍希釈を生じさせる)。各ウェルの蛍光強度をSTORM(登録商標)システム(Molecular Dynamics(登録商標))で測定した。リボゾームRNA及びその結果の蛍光強度の既知量に基づいて標準曲線を作成した。この標準曲線から実験試料中のRNA濃度を決定し、かつ20倍希釈について較正した。
【0100】
試薬及び材料
【表4】

【0101】
実時間RT-PCR
TaqMan EZ RT-PCR Kit(Perkin-Elmer Applied Biosystems(登録商標)製)を用い、ABI Prism 7700 Sequence Detection Systemで実時間RT-PCRを行った。以前に記述された技法(Martellら, 1999. J. Clin. Microbiol. 37: 327-332)と同様のTaqman技術(Roche Molecular Diagnostics Systems)を用い、HCV RNAの5' IRESの定量化のためにRT-PCRを最適化した。このシステムはAmpliTaq DNAポリメラーゼの5'-3'ヌクレオチド活性を利用する。要するに、この方法は、PCRプライマー(プライマー8125と7028)間の鋳型に特異的にアニールする二重-標識蛍光発生的ハイブリダイゼーションプローブ(PUTRプローブ)を利用する。このプローブの5'末端は、蛍光リポーター(6-カルボキシフルオレッセイン[FAM])を含み、3'末端は、蛍光クエンチャー(6-カルボキシテトラメチルローダミン [TAMRA])を含む。FAMリポーターの発光スペクトルは、無処置のハイブリダイゼーションプローブ上のクエンチャーによって抑制された。ハイブリダイゼーションプローブのヌクレアーゼ分解によってリポーターが遊離し、その結果蛍光発光が増加する。ABI Prism 7700配列ディテクターはPCR増幅の間連続的に蛍光発光の増加を測定するので、増幅産物はシグナルに比例した。増幅プロットは産物蓄積の対数期を表す点の反応の初期に分析した。配列ディテクターのPCR産物の指数関数的成長に付随する蛍光シグナルの増加の定義された検出閾値を表す点をサイクル閾値(CT)と定義した。CT値は入力HCV RNAの量に反比例するので、同一のPCR条件下では、HCV RNAの開始濃度が大きいほどCTが低い。標準曲線は、ABI Prism 7700検出システムで既知のHCV RNA濃度の各標準希釈に対してCTをプロットすることによって自動的に作成された。
各RT-PCRプレートについて標準曲線の基準試料が含まれる。HCVレプリコンRNAをインビトロ合成し(T7転写によって)、精製し、OD260で数量化した。このRNAの1μg=2.15×1011RNAコピーであることを考え、108、107、106、105、104、103又は102のゲノムRNAコピー/5μLを有するように希釈を行う。全細胞Huh-7 RNAは、各希釈(50ng/5μL)でも取り込まれた。各基準スタンダード(HCVレプリコン+Huh-7 RNA)5μLを45μLの試薬混合物と混ぜ合わせ、実時間RT-PCR反応で使用した。
実時間RT-PCR反応は、全細胞RNA試料のそれぞれ5μLを45μLの試薬混合物と混ぜ合わせることでRNeasy 96-ウェルプレート上で精製した実験試料について構築した。
【0102】
試薬及び材料
【表5】

試薬混合調製
【0103】
【表6】

順方向プライマー配列番号(配列番号2):5'-ACG CAG AAA GCG TCT AGC CAT GGC GTT AGT-3'
逆方向プライマー配列番号(配列番号3):5'-TCC CGG GGC ACT CGC AAG CAC CCT ATC AGG-3'
注:当該プライマーは、HCVの5'非翻訳領域内に存在する256-ntの領域を増幅する。
PUTRプローブ配列(配列番号4):6FAM-TGG TCT GCG GAA CCG GTG AGT ACA CC-TAMRA
鋳型のない対照(NTC):各プレートについて、4つのウェルを"NTC"として使用した。これら対照では、RNAに代えて5μlの水をウェル内に添加した。
熱サイクル条件:
50℃ 2分
60℃ 30分
95℃ 5分
95℃ 15秒、60℃ 1分(2サイクル)
90℃ 15秒、60℃ 1分(40サイクル)
【0104】
RT-PCR反応の終了後、データ解析にはPCRプレートの閾値蛍光シグナルの設定が必要であり、各基準反応で用いたCt値対RNAコピー数をプロットして標準曲線を作成した。アッセイ試料について得られたCt値を用い、標準曲線に基づいてRNAコピー数を内挿した。最後に、RNAコピー数を規準化し(細胞培養ウェルから抽出した全RNAのRiboGreen RNA定量化に基づいて)、ゲノム当量/μgの全RNA[ge/μg]として表した。
細胞培養プレートの各ウェルのRNAコピー数[g.e./μg]は、いろいろな濃度のインヒビターの存在下でHCV RNAを複製する量の尺度だった。阻害%は下記式で計算した。
[100 − ([g.e./μg]inh/[g.e./μg]ctl)×100]。
Hillモデルに当てはまる非線形曲線を阻害-濃度データに適用し、SASソフトウェア(Statistical Software System; SAS Institute, Inc. Cary, N.C.)を用いて50%能力濃度(EC50)を計算した。
【0105】
表の化合物
下表1では、以下の範囲を適用する。
IC50:A=≧1μM;B=1μM-500nM;及びC<500nM
EC50:A=≧1μM;及びB=<1μM
【0106】
【表7】

【0107】
【表8】




【0108】
【表9】




【0109】
【表10】




【0110】
【表11】

【0111】
【表12】

【0112】

【0113】

【0114】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式Iで表される化合物の異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、若しくは互変異性体、又はその塩。
【化1】

(式中、
Aは、O、S、NR1、又はCR1であり、ここで、R1は、H、(C1-6)アルキルから成る群より選択され、該(C1-6)アルキルは、任意に、以下:
−ハロゲン、OR11、SR11又はN(R12)2(式中、R11及び各R12は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetであり、前記アリール又はHetは、任意にR10で置換されていてもよく;或いは両R12が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成している);
で置換されていてもよく;
-----は、単結合又は二重結合のどちらかを表し;
R2は、以下:H、ハロゲン、R21、OR21、SR21、COOR21、SO2N(R22)2、N(R22)2、CON(R22)2、NR22C(O)R22又はNR22C(O)NR22(式中、R21及び各R22は、独立的にH、(C1-6)アルキル、ハロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルキニル、(C5-7)シクロアルケニル、6若しくは10-員アリール又はHetであり、前記R21及びR22は、任意にR20で置換されていてもよく、或いは両R22が一緒に結合し、両者が結合した窒素を有する5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成している)から選択され;
ここで、R10及びR20は、それぞれ以下:
−ハロゲン、OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルから選択される1〜4個の置換基;又は
−以下から選択される1〜4個の置換基であり:
a)(C1-6)アルキル若しくはハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、C3-7スピロシクロアルキル(任意に、1若しくは2個のヘテロ原子を含んでもよい)、(C2-6)アルケニル、(C3-6)シクロアルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、すべて任意に R150で置換されていてもよい;
b)OR104(式中、R104はH、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
c)OCOR105(式中、R105は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
d)SR108、SO2N(R108)2又はSO2N(R108)C(O)R108(式中、R108は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いは両R108が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
e)NR111R112(式中、R111は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、かつR112は、H、CN、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール、(C1-6アルキル)Het 、COOR115又はSO2R115(式中、R115は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetである)であり、或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het、又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
f)NR116COR117(式中、R116及びR117は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
g)NR118CONR119R120(式中、R118、R119及びR120は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR118がR119と共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており;或いはR119とR120が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
h)NR121COCOR122(式中、R121及びR122は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、6-若しくは10-員アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは任意にR150で置換されていてもよく;或いはR122は、OR123又はN(R124)2(式中、R123及び各R124は、独立的にH、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR124は、OH又はO(C1-6アルキル)であり、或いは両R124が一緒に共有結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Het及びヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい)である);
i)COR127(式中、R127は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
j)COOR128(式中、R128は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール及び(C1-6アルキル)Hetは、任意に R150で置換されていてもよい);
k)CONR129R130(式中、R129及びR130は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR129とR130が一緒に共有結合 し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール、(C1-6アルキル)Het及びヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
l)アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Het(すべて任意にR150で置換されていてもよい);
ここで、R150は、以下のように定義され:
−ハロゲン、OPO3H、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルから選択される1〜3個の置換基;又は
−以下から選択される1〜3個の置換基:
a)(C1-6)アルキル若しくはハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、C3-7スピロシクロアルキル(任意に、1若しくは2個のヘテロ原子を含んでもよい)、(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル(すべて任意にR160で置換されていてもよい);
b)OR104(式中、R104は、H、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR160で置換されていてもよい);
c)OCOR105(式中、R105は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR160で置換されていてもよい);
d)SR108、SO2N(R108)2又はSO2N(R108)C(O)R108(式中、各R108は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いは両R108が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het又はヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
e)NR111R112(式中、R111は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、かつR112は、H、CN、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール、(C1-6アルキル)Het、COOR115又はSO2R115(式中、R115は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetである)であり、或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het、又はヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
f)NR116COR117(式中、R116及びR117は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR160で置換されていてもよい);
g)NR118CONR119R120(式中、R118、R119及びR120は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR118がR119と共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、或いはR119とR120が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het又はヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
h)NR121COCOR122(式中、R121及びR122は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、6-若しくは10-員アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR160で置換されていてもよく、或いはR122は、OR123又はN(R124)2(式中、R123及び各R124は、独立的にH、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR124は、OH又はO(C1-6アルキル)であり、或いは両R124が一緒に共有結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Het及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい)である);
i)COR127(式中、R127は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR160で置換されていてもよい);
j)テトラゾール、COOR128(式中、R128は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール及び(C1-6アルキル)Hetは、任意にR160で置換されていてもよい);
k)CONR129R130(式中、R129及びR130は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR129とR130が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール、(C1-6アルキル)Het及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
ここで、R160は、以下:
テトラゾール、ハロゲン、CN、C1-6アルキル、ハロアルキル、COOR161、SO3H、SR161、SO2R161、OR161、N(R162)2、SO2N(R162)2、NR162COR162又はCON(R162)2(式中、R161及び各R162は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキルであり、或いは両R162が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成している);
から選択される1又は2個の置換基と定義され;
Bは、NR3又はCR3であり、但し、A又はBの1つは、CR1又はCR3のどちらかであり、
ここで、R3は、(C1-6)アルキル、ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C5-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、6-若しくは10-員アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetから選択され、
前記アルキル、シクロアルキル、ビシクロアルキル、アリール、Het、アルキル-アリール及びアルキル-Hetは、任意に、以下:ハロゲン、又は
a)(C1-6)アルキル(任意に、以下:
−OR31又はSR31(式中、R31は、H、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetである);又は
−N(R32)2(式中、各R32は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetであり、或いは両R32が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成している)で置換されていてもよい);
b)OR33(式中、R33は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetである);
c)SR34(式中、R34は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetである);及び
d)N(R35)2(式中、各R35は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetであり、或いは両R35が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成している);
から選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
Kは、N又はCR4であり、ここで、R4は、H、ハロゲン、(C1-6)アルキル、ハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR4は、OR41若しくはSR41、COR41又はNR41COR41(式中、各R41は、独立的にH、(C1-6)アルキル)、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキルである)であり、或いはR4は、NR42R43(式中、R42及びR43は、それぞれ独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR42とR43が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成している)であり;
Lは、N又はCR5であり、ここで、R5は、上で定義したR4と同一の定義を有し;
Mは、N又はCR7であり、ここで、R7は、上で定義したR4と同一の定義を有し;
Y1は、O又はSであり;
Zは、OR6であり、ここで、R6は、H、(C1-6)アルキル(任意に、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、及びC1-6アルキルアミノで置換されていてもよい)であり;或いはR6は、C1-6アルキルアリール(任意に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルカノイル、-(CH2)1-6-COOR7、-(CH2)1-6-CONR7R8、-(CH2)1-6-NR7R8、-(CH2)1-6-NR7COR8、-(CH2)1-6-NHSO2R7、-(CH2)1-6-OR7、-(CH2)1-6-SR7、-(CH2)1-6-SO2R7、及び-(CH2)1-6-SO2NR7R8(式中、各R7及び各R8は、H又はC1-6アルキルである)で置換されていてもよい)であり;
或いはZは、NR9R10(式中、R9及びR10は、それぞれH、C1-6アルコキシ、又はC1-6アルキル(任意にハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、及びC1-6アルキルアミノで置換されていてもよい)から選択される)であり; 但し、AがCR1、R1がMe、R2がピリジン又は下記式
【化2】

、BがNR3、R3がMe、K、L、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はHでなく;
AがNR1、R1がH、R2がフェニル、BがCR3、R3がフェニル、K、L、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はHでなく;
AがS、R2が臭素、BがCR3、R3がMe、KがCH、LがCH、MがCR7、R7がH又はMe、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はHでなく;
AがO、R2がH、BがCR3、R3がフェニル、K、L、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はHでなく;
AがCR1、R1がMe、R2がピリジン、BがNR3、R3がMe、K、L、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はMeでなく;
さらに、AがCR1、R1がMe、R2が下記式
【化3】

、BがNR3、R3がMe、K、L、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はEtでなく;
さらに、AがCR1、R1がCH、R2がMe、BがNR3、R3がMe、K、L、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はEtでなく;
さらに、AがCR1、R1がEt、R2がMe、BがNR3、R3がMe、K、L、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はCH2CH2N(Me)2でなく;
さらに、AがCH、R2がMe、BがNR3、R3が下記式
【化4】

、KがN、LがCR5、R5がMe、MがCR7、R7がOH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はEtでなく; さらに、AがNR1、R1がMe、R2がBr、BがCR3、R3が下記式
【化5】

、KがN、LがCR5、R5がMe、MがCR7、R7がBr、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はMeでなく; さらに、AがNR1、R1がH、R2がCl、BがCR3、R3がEt、KがCH、LがCH、MがCH、Y1がO、ZがOR6の場合、R6はMeでなく;
さらに、AがNR1、R1がH、R2がフェニル、BがCR3、R3がフェニル、KがCH、LがCH、MがCR7、R7がMe、Y1がO、ZがOR6の場合、R6はEtでなく;
さらに、AがNR1、R1がH、R2が下記式
【化6】

、BがCR3、R3が下記式
【化7】

、KがCH、LがN、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はEtでなく;
さらに、AがS、R2がBr、BがCR3、R3がMe、KがCH、LがCH、MがCH、Y1がO、かつZがOR6の場合、R6はMeでなく;
さらに、AがNR1、R1がH、R2が下記式
【化8】

、BがNR3、R3がシクロヘキシル、K、L、MがCH、Y1がO、ZがOR6の場合、R6はHでないことを条件とする。)
【請求項2】
下記式(II):
【化9】

(式中、好ましくは、AはO、S、又はNR1である)
を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Aが、NR1である、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
下記式(III):
【化10】

(式中、好ましくは、BはNR3である)
を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
M、K及びLが、CH又はNである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
M、K及びLが、CHである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
下記式:
【化11】

(式中、R1、R2、R3及びZは、請求項1で定義したとおりである)
を有する請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R1が、H及び(C1-6)アルキルから成る群より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R1が、H、CH3、イソプロピル、又はイソブチルである、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
R1が、H又はCH3である、請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
R1が、CH3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
R2が、H、ハロゲン、(C2-6)アルケニル、(C5-7)シクロアルケニル、6若しくは10-員アリール又はHetから選択され;ここで、(C2-6)アルケニル、(C5-7)シクロアルケニル、アリール又はHetは、任意にR20で置換されていてもよく、ここで、R20は以下:
−ハロゲン、NO2、シアノ、アジド、C(=NH)NH2、C(=NH)NH(C1-6)アルキル又はC(=NH)NHCO(C1-6)アルキルから選択される1〜4個の置換基;又は
−以下:
a)(C1-6)アルキル若しくはハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、すべて任意にR150で置換されていてもよい;
b)OR104(式中、R104は、H、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
c)OCOR105(式中、R105は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
d)SR108、SO2N(R108)2又はSO2N(R108)C(O)R108(式中、各R108は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いは両R108が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
e)NR111R112(式中、R111は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、かつR112は、H、CN、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール、(C1-6アルキル)Het、COOR115又はSO2R115(式中、R115は、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetである)であり、或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het、又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
f)NR116COR117(式中、R116及びR117は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
g)NR118CONR119R120(式中、R118、R119及びR120 は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR118がR119と共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、或いはR119とR120が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール若しくは(C1-6アルキル)Het又はヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
h)NR121COCOR122(式中、R121及びR122は、それぞれH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、6-若しくは10-員アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよく、或いはR122は、OR123又はN(R124)2(式中、R123及び各R124は、独立的にH、(C1-6アルキル)、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いは R124は、OH又はO(C1-6アルキル)であり、或いは両R124が一緒に共有結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Het及びヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい)である); i)COR127(式中、R127は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
j)COOR128 (式中、R128は、H、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、前記(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール及び(C1-6アルキル)Hetは、任意にR150で置換されていてもよい);
k)CONR129R130(式中、R129及びR130は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Hetであり、或いはR129とR130が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アルキル-シクロアルキル、アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール、(C1-6アルキル)Het及びヘテロ環は、任意にR150で置換されていてもよい);
l)アリール、Het、(C1-6アルキル)アリール又は(C1-6アルキル)Het(すべて任意にR150で置換されていてもよい);
から選択される1〜4個の置換基;
と定義され、
ここで、R150は、好ましくは:
−ハロゲン、NO2、シアノ又はアジドから選択される1〜3個の置換基;又は
−以下:
a)(C1-6)アルキル又はハロアルキル、(C3-7)シクロアルキル、(C2-6)アルケニル、(C2-8)アルキニル、(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル(すべて任意にR160で置換されていてもよい);
b)OR104(式中、R104は、H、(C1-6アルキル)又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記アルキル又はシクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよい);
d)SR108、SO2N(R108)2又はSO2N(R108)C(O)R108(式中、各R108は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル若しくは(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキル、アリール、Hetであり、或いは両R108が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
e)NR111R112(式中、R111は、H、(C1-6)アルキル、又は(C3-7)シクロアルキルであり、かつR112は、H、(C1-6)アルキル若しくは(C3-7)シクロアルキル、COOR115又はSO2R115 (式中、R115は、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい)である);
f)NR116COR117(式中、R116及びR117は、それぞれH、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよい);
g)NR118CONR119R120(式中、R118、R119及びR120は、それぞれH、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR118がR119と共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、或いはR119とR120が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
h)NR121COCOR122(式中、R121は、H、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記アルキル及びシクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよく、或いはR122は、OR123又はN(R124)2(式中、R123及び各R124は、独立的にH、(C1-6アルキル)又は(C3-7)シクロアルキルであり、或いは両R124が一緒に共有結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい)である);
i)COR127(式中、R127は、H、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記アルキル及びシクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよい);
j)COOR128(式中、R128は、H、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、前記(C1-6)アルキル及び(C3-7)シクロアルキルは、任意にR160で置換されていてもよい);
k)CONR129R130(式中、R129及びR130は、独立的にH、(C1-6)アルキル又は(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR129とR130が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル及びヘテロ環は、任意にR160で置換されていてもよい);
から選択される1〜3個の置換基であり;
ここで、R160は、以下:
ハロゲン、CN、C1-6アルキル、ハロアルキル、COOR161、OR161、N(R162)2、SO2N(R162)2、NR162COR162又はCON(R162)2(式中、R161及び各R162は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル又は(C1-6)アルキル-(C3-7)シクロアルキルであり、或いは両R162が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して5、6若しくは7-員飽和ヘテロ環を形成している);
から選択される1又は2個の置換基と定義される、
請求項1に記載の化合物。
【請求項13】
R2が、アリール又はHetから選択され、それぞれ任意に、以下:ハロゲン、ハロアルキル、N3、又は
a)(C1-6)アルキル(任意に、OH、O(C1-6)アルキル又はSO2(C1-6アルキル)で置換されていてもよい);
b)(C1-6)アルコキシ;
e)NR111R112(式中、R111及びR112は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR112は、6-若しくは10-員アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetであり;或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して窒素-含有ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、アルキル-アリール又はアルキル-Hetは、それぞれ任意にハロゲン、又は以下: −OR161若しくはN(R162)2(式中、R161及び各R162は、独立的にH、(C1-6)アルキルであり、或いは両R162が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して窒素-含有ヘテロ環を形成している)で置換されていてもよい);
f)NHCOR117(式中、R117は、(C1-6)アルキル、O(C1-6)アルキル又はO(C3-7)シクロアルキルである);
i)CO-アリール;及び
k)CONH2、CONH(C1-6アルキル)、CON(C1-6アルキル)2、CONH-アリール、又はCONHC1-6アルキル-アリール;
から成る群より選択される置換基で一置換若しくは二置換されていてもよい、
請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
R2が、アリール又はHetであり、それぞれ任意に、以下:ハロゲン、ハロアルキル、又は
a)(C1-6)アルキル(任意に、OH、O(C1-6)アルキル又はSO2(C1-6アルキル)で置換されていてもよい);
b)(C1-6)アルコキシ;及び
e)NR111R112(式中、R111及びR112 は、独立的にH、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキルであり、或いはR112は、6-若しくは10-員 アリール、Het、(C1-6)アルキル-アリール又は(C1-6)アルキル-Hetであり;或いはR111とR112が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して窒素-含有ヘテロ環を形成しており、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、Het、アルキル-アリール又はアルキル-Hetは、それぞれ任意に、ハロゲン又は以下:
−OR161若しくはN(R162)2(式中、R161及び各R162は、独立的にH、(C1-6)アルキルであり、或いは両R162が一緒に共有結合し、かつ両者が窒素に結合して窒素-含有ヘテロ環を形成している)で置換されていてもよい);
から成る群より選択される置換基で一置換若しくは二置換されていてもよい、
請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
R2が、フェニル又は下記式:
【化12】

から選択されるヘテロ環であり、すべて任意に請求項14で定義したとおりに置換されていてもよい、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
R2が、下記式:
H、Br、CH=CH2
【化13】

【化14】

【化15】

から選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
R2が、下記式:
【化16】

から選択される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
R2が、下記式:
【化17】

から選択される、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
R3が、(C3-7)シクロアルキル、(C3-7)シクロアルケニル、(C6-10)ビシクロアルキル、(C6-10)ビシクロアルケニル、6-若しくは10-員アリール、又はHetから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
R3が、(C3-7)シクロアルキルである、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
R3が、シクロペンチル、又はシクロヘキシルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
Y1が、Oである、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
Zが、OR6(式中、R6は、H、(C1-6)アルキル(任意に、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、及びC1-6アルキルアミノで置換されていてもよい)であり;或いはR6は、C1-6アルキルアリール(任意に、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C1-6アルカノイル、-(CH2)1-6-COOR7、-(CH2)1-6-CONR7R8、-(CH2)1-6-NR7R8、-(CH2)1-6-NR7COR8、-(CH2)1-6-NHSO2R7、-(CH2)1-6-OR7、-(CH2)1-6-SR7、-(CH2)1-6-SO2R7、及び-(CH2)1-6-SO2NR7R8(式中、各R7及び各R8は、H又はC1-6アルキルである)で置換されていてもよい)である)であり、
或いは、Zが、NR9R10(式中、R9及びR10は、それぞれH、C1-6アルコキシ、又はC1-6アルキル(任意に、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシ、アミノ、C1-6アルコキシ、C1-6アルコキシカルボニル、及びC1-6アルキルアミノで置換されていてもよい)から選択される)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
Zが、OH又はO(C1-6アルキル)であり、或いはZが、NR9R10(式中、R9はHであり、かつR10はH又はC1-6アルキルである)である、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Zが、OHである、請求項24に記載の化合物。
【請求項26】
下記式:
【化18】

(式中、A、R2、R3及びZは、以下:
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

に定義されるとおりである)
の化合物から選択される化合物。
【請求項27】
下記式:
【化24】

(式中、A、R2、R3及びZは、以下:
【化25】

に定義されるとおりである)
の化合物から選択される化合物。
【請求項28】
下記式Iaで表される化合物、又はその塩。
【化26】

(式中、
Aは、O、S、NR1、又はCR1であり;
Bは、NR3又はCR3であり;
R1は、H、(C1-6)アルキル、ベンジル、(C1-6アルキル)-(C6-10アリール)、(C1-6アルキル)-5-若しくは6-員ヘテロ環(O、N、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する)、及び5-若しくは6-員ヘテロ環(O、N、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する)から成る群より選択され、ここで、前記ベンジル及び前記ヘテロ原子は、任意に、COOH、COO(C1-6アルキル)、ハロゲン、及び(C1-6アルキル)から成る群より選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
R2は、H、ハロゲン、(C1-6)アルキル、(C3-7)シクロアルキル、フェニル、5-若しくは6-員ヘテロ環(O、N、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する)ピリジン-N-オ
キシド、及び9-若しくは10−員ヘテロ二環(O、N、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する)から成る群より選択され、前記フェニル、ヘテロ環及びヘテロ二環は、任意に、ハロゲン、C(ハロゲン)3、(C1-6)アルキル、OH、O(C1-6アルキル)、NH2、及びN(C1-6アルキル)2から成る群より選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよく;
R3は、5-、6-若しくは7-員ヘテロ環(O、N、及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する)、ノルボルナン、(C3-7)シクロアルキル及び(C3-7)シクロアルキル-(C1-6アルキル)から成る群より選択され;
Mは、N、CR4、又はCOR5であり、ここで、R4は、H、ハロゲン、及び(C1-6アルキル)から成る群より選択され、かつR5は、H及び(C1-6アルキル)から成る群より選択され;
K及びLは、N又はCHであり;
-----は、単結合又は二重結合のどちらかを表し;
Yは、Oであり;
Zは、OR6又はNR6R6aであり、ここで、R6は、H、(C1-6)アルキルから成る群より選択され、前記アルキルは、任意に、OH、COOH、COO(C1-6)アルキル、(C1-6)アルキル(前記アルキルは、任意に、COOH、NHCO(C1-6アルキル)、NH2、NH(C1-6アルキル)、及びN(C1-6アルキル)2から選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい)から選択される1〜4個の置換基で置換されていてもよい。)
【請求項29】
HCV複製のインヒビターとしての、請求項1に記載の式Iの化合物、又はその製薬的に許容性の塩。
【請求項30】
HCV感染の治療又は予防用の医薬組成物であって、有効量の請求項1に記載の式Iの化合物、又はその製薬的に許容性の塩と、製薬的に許容性のキャリヤーとを含む医薬組成物。
【請求項31】
さらに、免疫調節薬を含む、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記免疫調節薬が、α-、β-、δ-、γ-、及びω-インターフェロンから選択される、請求項31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
さらに、リバビリン又はアマンタジンを含む、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項34】
さらに、HCVポリメラーゼの別のインヒビターを含む、請求項30に記載の医薬組成物。
【請求項35】
さらに、ヘリカーゼ、ポリメラーゼ、メタロプロテアーゼ及びIRESから選択される他のHCV標的のインヒビターを含む、請求項34に記載の医薬組成物。
【請求項36】
下記式(1a)又は(1b):
【化27】

(式中、A、B、K、L、及びMは、請求項1で定義したとおりであり、PGは、H又はカルボキシ保護基であり、かつXは、金属である)
の中間体。
【請求項37】
下記式(iii):
【化28】

(式中、A、R2、B、K、L、M、PG及びXは、請求項36で定義したとおりである)
の化合物の製造方法であって、以下の工程:
a)適切な溶媒中、金属触媒、塩基及び添加剤の存在下、請求項36に記載の中間体(1a)をR2-Xとカップリングさせる工程を含む方法。
【請求項38】
下記式(iii):
【化29】

(式中、A、R2、B、K、L、M、及びPGは、請求項36で定義したとおりである)
の化合物の製造方法であって、以下の工程:
a)適切な溶媒中、金属触媒、塩基及び添加剤の存在下、請求項36に記載の中間体(1b)をR2-X'(式中、X'は、請求項36で定義したとおりである)とカップリングさせる工程を含む方法。
【請求項39】
前記金属触媒が、Pd、Ni、Ru及びCuから選択される、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
前記添加剤が、ホスフィンリガンド、Cu塩、Li塩、アンモニウム塩及びCsFから選択される、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項41】
前記金属が、Li、Sn(C1-6アルキル)3、Sn(アリール)3、B(OH)2、B(OC1-6アルキル)2及びハロゲン化金属から選択される、請求項37又は38に記載の方法。
【請求項42】
HCV感染の治療用薬物の製造のための、請求項1に記載の式Iの化合物の使用。

【公開番号】特開2009−120616(P2009−120616A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48600(P2009−48600)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【分割の表示】特願2003−515499(P2003−515499)の分割
【原出願日】平成14年7月18日(2002.7.18)
【出願人】(501263533)ベーリンガー インゲルハイム (カナダ) リミテッド (7)
【Fターム(参考)】