エピタキシャルウエハの製造方法
【課題】 半導体ウエハの端面に角張った形状の結晶層を成長させることなく、半導体ウエハ上に厚い単結晶層を成長させることができる技術を提供する。
【解決手段】 半導体ウエハ10上に単結晶層30が形成されたエピタキシャルウエハの製造方法であって、平坦な上面12と、平坦な下面14と、上面12と下面14を接続する端面16を有する半導体ウエハ10の端面16上に、アモルファス層20を形成するアモルファス層形成工程と、アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハ10の上面12上に、80μm以上の厚みを有する単結晶層30を気相成長させる単結晶層形成工程を有する。
【解決手段】 半導体ウエハ10上に単結晶層30が形成されたエピタキシャルウエハの製造方法であって、平坦な上面12と、平坦な下面14と、上面12と下面14を接続する端面16を有する半導体ウエハ10の端面16上に、アモルファス層20を形成するアモルファス層形成工程と、アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハ10の上面12上に、80μm以上の厚みを有する単結晶層30を気相成長させる単結晶層形成工程を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エピタキシャルウエハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ上に単結晶層を気相成長させる技術が知られている。気相成長させた単結晶層を利用して、半導体装置を製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−120865号
【特許文献2】特開平2−197128号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気相成長法では、半導体ウエハの結晶面に従って単結晶層が成長する。また、気相成長法における単結晶層の成長速度は、その単結晶層が成長する結晶面によって異なる。
半導体ウエハの上面は平坦に形成されており、その上面には1つの結晶面(通常は、{100}結晶面)が露出している。したがって、単結晶層を気相成長させるときに、半導体ウエハの上面では、上面全体で略均等な速度で単結晶層が成長する。
また、半導体ウエハの上面に単結晶層を気相成長させる場合には、半導体ウエハの端面にも単結晶層が成長する。半導体ウエハの端面には、種々の結晶面が露出している。このため、半導体ウエハの端面では、位置によって単結晶層の成長速度が異なる。したがって、図12に示すように、半導体ウエハ100の端面110上には、位置によって厚さが異なっており、表面が角張った形状の単結晶層120が形成される。このように表面が角張った単結晶層には、欠け(チッピング)や割れが生じ易い。このため、その後の工程において半導体ウエハを取り扱う時に、端面上の単結晶層からダストが生じるという問題があった。また、単結晶層を形成した後に、半導体ウエハの下面を研磨して半導体ウエハを薄く加工する場合がある。この場合に半導体ウエハの端面に角張った単結晶層が形成されていると、図13に示すように、単結晶層120の端部122がナイフエッジ化する場合がある。このため、端部122が極めて割れ易くなり、よりダストが発生しやすくなる。また、ナイフエッジ化した端部122が搬送装置等と接触して、搬送装置にキズが付く等の問題も生じる。
なお、上記の問題が生じるのは、半導体ウエハの上面上に80μm以上の厚い単結晶層を気相成長させたときに顕著に現れる問題であり、薄い単結晶層を気相成長させるときにはほとんど問題とならない。
【0005】
特許文献1には、上記の問題を解決するエピタキシャルウエハの製造方法が開示されている。この方法は、シリコンウエハの端面上にシリコンの多結晶層を気相成長させ、多結晶層の形成後にシリコンウエハの上面上にシリコンの単結晶層を気相成長させる。この方法では、シリコンウエハの端面が多結晶層に覆われた状態で単結晶層を形成する工程が行われる。このため、単結晶層を形成する際に、シリコンウエハの上面上に単結晶層が成長するとともに、シリコンウエハの端面上(すなわち、多結晶層上)にも結晶が成長する。端面は多結晶層に覆われているので、端面上には端面の形状に沿って多結晶層が成長する。したがって、端面が角張った形状となることがなく、ダストの問題やナイフエッジ化の問題が生じないとされている。
【0006】
しかしながら、単結晶層を形成する工程では、単結晶層を成長させる前に、シリコンウエハを高温(通常は、1100〜1200℃)に予熱しておく必要がある。シリコンウエハの端面上に多結晶層が形成されている場合には、予熱中に多結晶層が単結晶層に変化する。このため、特許文献1の技術では、単結晶層形成工程において端面上に多結晶層を成長させることができず、上記の問題を解決することができない。
【0007】
上述した実情を鑑みて、本明細書では、半導体ウエハの端面に角張った形状の結晶層を成長させることなく、半導体ウエハ上に厚い単結晶層を成長させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書が開示するエピタキシャルウエハの製造方法は、半導体ウエハ上に単結晶層が形成されたエピタキシャルウエハを製造する。この製造方法は、アモルファス層形成工程と単結晶層形成工程を有する。アモルファス層形成工程では、平坦な上面と、平坦な下面と、上面と下面を接続する端面を有する半導体ウエハの端面上に、アモルファス層を形成する。単結晶層形成工程では、アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハの上面上に、80μm以上の厚みを有する単結晶層を気相成長させる。
【0009】
この製造方法では、単結晶層を形成する前に、半導体ウエハの端面上にアモルファス層を形成する。アモルファス層は結晶構造を有していない。したがって、単結晶層形成工程では、半導体ウエハの上面上に単結晶層が成長する一方で、アモルファス層上には半導体ウエハの端面の形状に倣って多結晶層が成長する。このため、この製造方法によれば、半導体ウエハの端面に角張った形状の結晶層を成長させることなく、半導体ウエハ上に厚い単結晶層を成長させることができる。
【0010】
なお、特許文献2には、半導体ウエハの端面上にアモルファス層(SiO2膜)を形成し、アモルファス層形成後に半導体ウエハの上面上に単結晶層を成長させる成膜方法が開示されている。しかしながら、特許文献2の技術は、単結晶層の気相成長時における半導体ウエハへのオートドーピングの防止を目的とする技術であり、本明細書により開示される上述した技術とは目的が全く異なる。また、特許文献2の技術では、厚みが10μmの薄い単結晶層を成長させている。すなわち、特許文献2の技術は、本明細書が開示する「半導体ウエハの上面上に80μm以上の厚みを有する単結晶層を気相成長させる単結晶層形成工程」を備えていない。このため、特許文献2の技術では、本明細書が開示する技術によって製造されるエピタキシャルウエハを製造することはできない。そもそも、特許文献2の技術のように薄い単結晶層を成長させる場合には、上述した問題(半導体ウエハの端面上の結晶層の表面が角張った形状となる問題)は生じない。本明細書により開示される技術は、上述した各工程を実行することで、80μm以上の厚い単結晶層を形成する際に生じる特有の問題を解決するものである。本明細書により開示される技術は、目的、構成、及び、技術的効果の何れにおいても、引用文献2の技術とは異なるものである。
【0011】
本明細書により開示される上述した製造方法は、単結晶層形成工程後に、単結晶層形成工程においてアモルファス層上に成長した多結晶層をエッチングすることにより、多結晶層を除去する多結晶層除去工程をさらに有していてもよい。
多結晶層は、角張った形状の単結晶層よりもチッピングが生じ難いものの、チッピングに対する強度はそれほど高くない。このように多結晶層を除去すれば、多結晶層のチッピングを防止し、ダストの発生を抑制することができる。また、アモルファス層がエッチングストッパ層として機能するので、多結晶層だけを容易に除去することができる。
【0012】
本明細書により開示される上述した製造方法は、多結晶層形成工程後に、アモルファス層をエッチングすることにより、アモルファス層を除去するアモルファス層除去工程をさらに有していてもよい。
このようにアモルファス層を除去すると、元の半導体ウエハの端面を露出させることができる。元の半導体ウエハの端面はチッピングし難いので、よりダストの発生を抑制することができる。
【0013】
上述したアモルファス層形成工程では、半導体ウエハの上面と下面と端面の全域にアモルファス層を形成する工程と、半導体ウエハの上面にアモルファス層をエッチングするエッチング液を供給するとともに、半導体ウエハの端面に向けてアモルファス層のエッチングを阻害する液体を供給することによって、半導体ウエハの上面上のアモルファス層を除去する工程を実行してもよい。このような構成によれば、端面上のアモルファス層を残存させるとともに、上面上のアモルファス層を除去することができる。後の単結晶層形成工程では、アモルファス層を除去した範囲に単結晶層を形成することができる。
また、上述したアモルファス層形成工程では、半導体ウエハの上面と下面と端面の全域にアモルファス層を形成する工程と、半導体ウエハの端面の上方にマスク部材を配置した状態で、マスク部材越しに半導体ウエハの上面上のアモルファス層をプラズマエッチングすることによって、半導体ウエハの上面上のアモルファス層を除去する工程を実行してもよい。このような構成によっても、端面上のアモルファス層を残存させるとともに、上面上のアモルファス層を除去することができる。また、マスク部材の配置によって、アモルファス層を残存させる範囲を容易に変更することができる。
なお、これらの製造方法においては、必ずしも半導体ウエハの上面上の全てのアモルファス層を除去する必要は無く、上面上の少なくとも一部のアモルファス層を除去すればよい。
【0014】
また、本明細書は、以下の製造方法も提供する。この製造方法は、アモルファス層形成工程と単結晶層形成工程を有する。アモルファス層形成工程では、平坦な上面と、平坦な下面と、上面と下面を接続する端面を有する半導体ウエハの端面上にアモルファス層を形成する。単結晶層形成工程では、アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハの上面に向けて、結晶を成長させる原料ガスを供給するとともに、半導体ウエハの端面に向けて、原料ガスにより成長する結晶をエッチングするエッチングガスを供給することによって、半導体ウエハの上面上に単結晶層を気相成長させる。
【0015】
この製造方法では、端面にアモルファス層が形成されている半導体ウエハの上面に向けて原料ガスを供給することで、半導体ウエハの上面に単結晶層を成長させる。このとき、半導体ウエハの端面(すなわち、アモルファス層)に向けてエッチングガスを供給することによって、アモルファス層上に結晶が成長することが抑制される。また、アモルファス層によって、エッチングガスが半導体ウエハと反応することが防止される。この製造方法によっても、半導体ウエハの端面上に角張った表面形状の結晶層が成長することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】シリコンウエハ10の部分断面図。
【図2】SiO2膜形成工程後のシリコンウエハ10の部分断面図。
【図3】第1のエッチング方法の概略構成を示す図。
【図4】第2のエッチング方法の概略構成を示す図。
【図5】上部SiO2膜除去工程後のシリコンウエハ10の部分断面図。
【図6】エピタキシャル成長工程後のシリコンウエハ10(すなわち、エピタキシャルウエハ)の部分断面図。
【図7】裏面研磨後のエピタキシャルウエハの部分断面図。
【図8】多結晶シリコン層除去工程の概略構成を示す図。
【図9】多結晶シリコン層除去工程後、または、選択エピタキシャル成長工程後のエピタキシャルウエハの部分断面図。
【図10】SiO2膜除去工程後のシリコンウエハ10の部分断面図。
【図11】選択エピタキシャル成長工程の概略構成を示す図。
【図12】従来のエピタキシャルウエハの部分断面図。
【図13】裏面研磨後の従来のエピタキシャルウエハの部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
実施例に係るエピタキシャルウエハの製造方法について説明する。
図1は、シリコンウエハ10の部分断面図を示している。図1に示すシリコンウエハ10の表面に単結晶層をエピタキシャル成長させることで、エピタキシャルウエハが製造される。シリコンウエハ10は、単結晶シリコンからなる基板であり、略円盤形状を有している。シリコンウエハ10は、平坦な上面12と、平坦な下面14と、上面12と下面14を接続する端面(外周面)16を有している。上面12は、{100}結晶面である。端面16は、上面12と下面14を滑らかに接続する曲面形状に形成されている。端面16には、種々の結晶面が露出している。
【0018】
(SiO2膜形成工程)
エピタキシャルウエハを製造する際には、最初に、図2に示すように、シリコンウエハ10の表面全体にSiO2膜20を形成する。SiO2膜20は、熱酸化法や減圧CVD法等の方法で形成することができる。SiO2膜20は、アモルファスである。したがって、種々の結晶面が露出している端面16上にも、結晶面の影響を受けることなく、均一な厚さでSiO2膜20を形成することができる。端面16上のSiO2膜20の表面形状は、端面16の表面形状に倣った滑らかな形状となる。ここでは、厚さが約50〜100nmのSiO2膜20を形成する。
【0019】
(上部SiO2膜除去工程)
次に、シリコンウエハ10の上面12上のSiO2膜20をエッチングして、上面12上のSiO2膜20を除去する。SiO2膜20は、以下の何れかの方法でエッチングすることができる。
図3は、第1のエッチング方法の概略構成を示している。第1のエッチング方法に使用するエッチング装置は、ホルダ90と純水供給管98を有している。ホルダ90は、軸部92を中心に回転することができる。ホルダ90には、シリコンウエハ10を載置することができる。シリコンウエハ10が載置された状態では、ホルダ90はシリコンウエハ10の外周部の一部と接触する。軸部92の内部には流路96が形成されている。流路96は、載置されているシリコンウエハ10に向けて、SiO2をエッチングするエッチング液(本実施例ではフッ酸)を吐出する。純水供給管98は、ホルダ90の直上に配置されている。純水供給管98は、ホルダ90上のシリコンウエハ10に向けて純水を吐出する。第1のエッチング方法では、上面12をホルダ90側(すなわち、下側)に向けて、ホルダ90上にシリコンウエハ10を載置する。次に、ホルダ90を回転させながら、流路96からシリコンウエハ10に向けてフッ酸を吐出するとともに、純水供給管98からシリコンウエハ10に向けて純水を吐出する。シリコンウエハ10が回転しているので、吐出された純水は、シリコンウエハ10の下面14上を外周側に向けて流れる。シリコンウエハ10の外周端まで流れた純水は、端面16を伝って下側に流れる。一方、フッ酸は、シリコンウエハ10の上面12を外周側に向かって流れる。したがって、シリコンウエハ10の上面12上のSiO2膜20がエッチングされる。但し、シリコンウエハ10の端面16には純水が存在しているので、端面16上のSiO2膜20はエッチングされない。第1のエッチング方法によれば、上面12上のSiO2膜20を除去し、端面16上及び下面14上のSiO2膜20を残存させることができる。
図4は、第2のエッチング方法の概略構成を示している。図4に示すように、第2のエッチング方法では、シリコンウエハ10をチャンバ(図示省略)内に配置し、シリコンウエハ10の上面12の上方にリング状のマスクプレート80を配置する。マスクプレート80は、SiO2により形成されている。マスクプレート80は、シリコンウエハ10の外周部が覆われるように配置する。そして、上面12側からSiO2膜20をプラズマエッチングする。具体的には、CF4(またはCHF3)をチャンバ内に導入し、チャンバ内でプラズマを発生させる。これにより、マスクプレート80に覆われていない範囲のSiO2膜20(すなわち、上面12上のSiO2膜20)がエッチングされる。また、上記のプラズマエッチングは異方性を有するので、マスクプレート80に覆われていない範囲のSiO2膜20はエッチングされない。第2のエッチング方法によれば、上面12上のSiO2膜20を除去し、端面16上及び下面14上のSiO2膜20を残存させることができる。
上部SiO2膜除去工程は、上述した第1及び第2のエッチング方法以外の方法で実施してもよい。上部SiO2膜除去工程を実施することで、図5に示すように、シリコンウエハ10の上面12上のSiO2膜20が除去され、上面12が露出する。
【0020】
(エピタキシャル成長工程)
次に、シリコンウエハ10の上面12上に、単結晶のシリコンの層(すなわち、エピタキシャル層)を成長させる。
エピタキシャル成長工程では、チャンバ内にシリコンウエハ10を載置し、チャンバ内を水素雰囲気とした状態で、シリコンウエハ10を予熱する。ここでは、シリコンウエハ10を1100〜1200℃に維持する。なお、SiO2膜20は高温でもアモルファス状態を維持するので、SiO2膜20の構造が変化することはない。
次に、CVD法によって、上面12上にシリコンをエピタキシャル成長させる。すなわち、シリコンウエハ10を回転させるとともに、チャンバ内にシリコンの原料ガス(トリクロロシラン(SiHCl3)と水素(H2))を供給して、上面12上にシリコンを析出させる。シリコンウエハ10の上面12は{100}結晶面である。したがって、上面12上には{100}結晶面に従って単結晶のシリコンが成長する。このため、図6に示すように、上面12上に均一な厚さの単結晶シリコン層30が形成される。ここでは、厚さが80μm以上の単結晶シリコン層30を形成する。
一方、端面16は、SiO2膜20に覆われている。したがって、端面16では、SiO2膜20上にシリコンが成長する。上述したように、SiO2膜20はアモルファスであり、結晶構造を有さない。シリコンが成長する基材であるSiO2膜20が結晶構造を有さないので、SiO2膜20上に成長するシリコンは基材の結晶面に従って成長することができず、多結晶となる。したがって、図6に示すように、端面16上のSiO2膜20上には、多結晶シリコン層40が形成される。多結晶シリコン層40は、基材の結晶面の影響を受けることなく成長するので、多結晶シリコン層40の表面形状は、SiO2膜20の表面形状に倣った滑らかな曲面形状(すなわち、端面16の表面形状に倣った曲面形状)となる。
【0021】
以上に説明したように、実施例1の製造方法によれば、端面に角張った表面形状の層が形成されることを防止しながら、上面に均一な厚さの単結晶シリコン層30が形成されたエピタキシャルウエハを製造することができる。すなわち、この製造方法によれば、80μm以上の厚い単結晶シリコン層30を有するとともに、端面でチッピングや割れが生じ難いエピタキシャルウエハを製造することができる。また、多結晶シリコン層40の表面形状がシリコンウエハ10の端面16に倣った曲面形状となるので、図7に示すように、エピタキシャルウエハの下面を研磨してウエハを薄く加工しても端部18がナイフエッジ化しない。このため、研磨後に搬送装置等によりエピタキシャルウエハを搬送しても、搬送装置にキズが付かない。
なお、100μm以上の厚さの単結晶シリコン層30を成長させる場合には、端面16上にSiO2膜20を形成する場合と形成しない場合とで、端面16上のシリコン層の表面形状に特に顕著な差が生じる。すなわち、100μm以上の厚さの単結晶シリコン層30を形成する場合には、上述した実施例1の製造方法は特に有用である。
【0022】
なお、上述した実施例1では、端面16上にSiO2膜20を形成したが、SiN膜を形成してもよい。SiNもアモルファス構造を有する。
【0023】
また、上述した実施例1では、上部SiO2膜除去工程において、シリコンウエハ10の上面12上の略全てのSiO2膜20を除去したが、上面12上の一部のSiO2膜20を除去するだけでもよい。また、下面14上のSiO2膜20を除去しなかったが、除去してもよい。すなわち、少なくとも、シリコンウエハ10の端面16(すなわち、表面形状が曲面形状であり、種々の結晶面が露出している領域)がSiO2膜20で覆われていればよい。
【0024】
また、上述した第1のエッチング方法では、シリコンウエハ10の上面12を下側に向け、下側から上面12に向けてエッチング液を吐出するとともに、上側から下面14に向けて純水を吐出した。しかしながら、上下を逆にして第1のエッチング方法を行ってもよい。すなわち、シリコンウエハ10の上面12を上側に向け、上側から上面12に向けてエッチング液を吐出するとともに、下側から下面14に向けて純水を吐出してもよい。このような構成でも、純水の吐出速度が速ければ、純水を端面まで到達させることができる。これにより、端面16上のSiO2膜20がエッチングされることを防止することができる。また、第1のエッチング方法では、端面16のエッチングを防止するために純水を吐出したが、純水以外のエッチングを阻害する液体を吐出してもよい。
【実施例2】
【0025】
次に実施例2の製造方法について説明する。実施例2の製造方法では、上述したSiO2膜形成工程、上部SiO2膜除去工程、及び、エピタキシャル成長工程を第1実施例と同様に実行した後に、さらに、多結晶シリコン層除去工程を実行する。
図8は、多結晶シリコン層除去工程の概略構成を示している。多結晶シリコン層除去工程では、図8に示すように、チャンバ(図示省略)の内部に配置されたホルダ70上にシリコンウエハ10を載置する。ホルダ70は、回転軸72周りに回転することができる。シリコンウエハ10を載置したら、ホルダ70を回転させる。そして、シリコンウエハ10の上面12(すなわち、単結晶シリコン層30)に向けてH2ガスを供給するとともに、シリコンウエハ10の端面16(すなわち、多結晶シリコン層40)に向けてHClガスを供給する。シリコンウエハ10が回転しているため、シリコンウエハ10の表面においては、ガスがシリコンウエハ10の中心側から外周側に向かって流れる。このため、単結晶シリコン層30側にはほとんどHClガスが供給されず、単結晶シリコン層30はエッチングされない。一方、多結晶シリコン層40は、HClガスによってエッチングされる。このため、多結晶シリコン層40だけをエッチングすることができる。また、SiO2膜20は、HClガスによってはエッチングされず、エッチングストッパ層として機能する。したがって、図9に示すように、多結晶シリコン層40だけを選択的に除去することができる。
【0026】
以上に説明したように、実施例2の製造方法によれば、多結晶シリコン層40を除去することができる。SiO2膜20は、多結晶シリコン層40よりもチッピングし難い。また、SiO2膜20の表面形状は、端面16の表面形状に倣った曲面形状を有している。このため、多結晶シリコン層40を除去してSiO2膜20を露出させることで、さらにチッピングの発生を抑制することができる。
なお、実施例2で行ったエッチングと同様のエッチングを、従来のエピタキシャルウエハ(すなわち、端面に角張った表面形状を有する単結晶シリコン層が形成されているウエハ)に対して行うと、角張った形状を維持しながら単結晶シリコン層がエッチングされる。このため、エッチングしても角張った形状が維持され、チッピングの問題を解消することはできない。
【実施例3】
【0027】
次に、実施例3の製造方法について説明する。実施例3の製造方法では、上述したSiO2膜形成工程、上部SiO2膜除去工程、エピタキシャル成長工程、及び、多結晶シリコン層除去工程を第2実施例と同様に実行した後に、さらに、SiO2膜除去工程を実行する。
SiO2膜除去工程では、ウェットエッチング等によって、図10に示すように、SiO2膜20を除去する。これにより、シリコンウエハ10の端面16が露出する。シリコンウエハ10(すなわち、シリコンの単結晶)はチッピングし難く、また、端面16の表面形状は曲面形状である。したがって、SiO2膜20を除去して端面16を露出させることで、さらにチッピングが発生し難くなる。また、実施例3の製造方法では、単結晶シリコンのみ(すなわち、シリコンウエハ10と単結晶シリコン層30)からなるエピタキシャルウエハを製造することができる。エピタキシャルウエハ全体が単結晶シリコンであるので、エピタキシャルウエハ全体の何れの位置でもチッピングが生じ難くなる。
【実施例4】
【0028】
次に、実施例4の製造方法について説明する。実施例4の製造方法では、上述したSiO2膜形成工程、及び、上部SiO2膜除去工程を第1実施例と同様に実行した後に、選択エピタキシャル成長工程を実行する。
図11は、選択エピタキシャル成長工程の概略構成を示している。選択エピタキシャル成長工程では、CVD法により、シリコンウエハ10の上面12に選択的に単結晶シリコン層30を成長させる。選択エピタキシャル成長工程では、図11に示すように、チャンバ(図示省略)の内部に配置されたホルダ60上にシリコンウエハ10を載置する。ホルダ60は、回転軸62周りに回転することができる。シリコンウエハ10を載置したら、水素雰囲気下において、シリコンウエハ10を1100〜1200℃に予熱する。次に、シリコンウエハ10の温度を維持した状態で、ホルダ70を回転させる。そして、シリコンウエハ10の上面12(すなわち、SiO2膜20が形成されていない領域)に向けて原料ガス(すなわち、トリクロロシランと水素)を供給するとともに、シリコンウエハ10の端面16(すなわち、SiO2膜20)に向けてHClガスを供給する。シリコンウエハ10が回転しているため、シリコンウエハ10の表面においては、ガスがシリコンウエハ10の中央側から外周側に向かって流れる。このため、シリコンウエハ10の中央側(すなわち、上面12側)にはあまりHClガスが供給されず、原料ガスが多く供給される。このため、上面12上に単結晶シリコン層30が成長する。一方、端面16上には、HClガスが供給されるとともに、中央側から流れてきた原料ガスが供給される。HClガスは、シリコンをエッチングする特性を有する。このため、端面16上(すなわち、SiO2膜20上)では、HClガスによってシリコンが成長する反応が阻害され、シリコンが成長しない。また、SiO2膜20はエッチングストッパ層として機能するので、端面16においてHClガスによりシリコンウエハ10がエッチングされることもない。このため、SiO2膜20上には多結晶シリコン層40が成長しない。したがって、図9に示すように、上面12上に単結晶シリコン層30が形成されており、端面16上のSiO2膜20が露出しているエピタキシャルウエハを製造することができる。
【0029】
以上に説明したように、実施例4の製造方法では、端面16上のSiO2膜20上に膜を成長させることなく、上面12上に単結晶シリコン層30を形成することができる。このため、端面16ではSiO2膜20が露出した状態となる。SiO2膜20は端面16に倣った曲面形状を有しているので、チッピングが生じることが抑制される。
【0030】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0031】
10:シリコンウエハ
12:上面
14:下面
16:端面
18:端部
20:SiO2膜
30:単結晶シリコン層
40:多結晶シリコン層
60:ホルダ
62:回転軸
70:ホルダ
72:回転軸
80:マスクプレート
90:ホルダ
92:軸部
94:載置部
96:流路
98:純水供給管
100:半導体ウエハ
110:端面
120:単結晶層
122:端部
【技術分野】
【0001】
本発明は、エピタキシャルウエハの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハ上に単結晶層を気相成長させる技術が知られている。気相成長させた単結晶層を利用して、半導体装置を製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−120865号
【特許文献2】特開平2−197128号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
気相成長法では、半導体ウエハの結晶面に従って単結晶層が成長する。また、気相成長法における単結晶層の成長速度は、その単結晶層が成長する結晶面によって異なる。
半導体ウエハの上面は平坦に形成されており、その上面には1つの結晶面(通常は、{100}結晶面)が露出している。したがって、単結晶層を気相成長させるときに、半導体ウエハの上面では、上面全体で略均等な速度で単結晶層が成長する。
また、半導体ウエハの上面に単結晶層を気相成長させる場合には、半導体ウエハの端面にも単結晶層が成長する。半導体ウエハの端面には、種々の結晶面が露出している。このため、半導体ウエハの端面では、位置によって単結晶層の成長速度が異なる。したがって、図12に示すように、半導体ウエハ100の端面110上には、位置によって厚さが異なっており、表面が角張った形状の単結晶層120が形成される。このように表面が角張った単結晶層には、欠け(チッピング)や割れが生じ易い。このため、その後の工程において半導体ウエハを取り扱う時に、端面上の単結晶層からダストが生じるという問題があった。また、単結晶層を形成した後に、半導体ウエハの下面を研磨して半導体ウエハを薄く加工する場合がある。この場合に半導体ウエハの端面に角張った単結晶層が形成されていると、図13に示すように、単結晶層120の端部122がナイフエッジ化する場合がある。このため、端部122が極めて割れ易くなり、よりダストが発生しやすくなる。また、ナイフエッジ化した端部122が搬送装置等と接触して、搬送装置にキズが付く等の問題も生じる。
なお、上記の問題が生じるのは、半導体ウエハの上面上に80μm以上の厚い単結晶層を気相成長させたときに顕著に現れる問題であり、薄い単結晶層を気相成長させるときにはほとんど問題とならない。
【0005】
特許文献1には、上記の問題を解決するエピタキシャルウエハの製造方法が開示されている。この方法は、シリコンウエハの端面上にシリコンの多結晶層を気相成長させ、多結晶層の形成後にシリコンウエハの上面上にシリコンの単結晶層を気相成長させる。この方法では、シリコンウエハの端面が多結晶層に覆われた状態で単結晶層を形成する工程が行われる。このため、単結晶層を形成する際に、シリコンウエハの上面上に単結晶層が成長するとともに、シリコンウエハの端面上(すなわち、多結晶層上)にも結晶が成長する。端面は多結晶層に覆われているので、端面上には端面の形状に沿って多結晶層が成長する。したがって、端面が角張った形状となることがなく、ダストの問題やナイフエッジ化の問題が生じないとされている。
【0006】
しかしながら、単結晶層を形成する工程では、単結晶層を成長させる前に、シリコンウエハを高温(通常は、1100〜1200℃)に予熱しておく必要がある。シリコンウエハの端面上に多結晶層が形成されている場合には、予熱中に多結晶層が単結晶層に変化する。このため、特許文献1の技術では、単結晶層形成工程において端面上に多結晶層を成長させることができず、上記の問題を解決することができない。
【0007】
上述した実情を鑑みて、本明細書では、半導体ウエハの端面に角張った形状の結晶層を成長させることなく、半導体ウエハ上に厚い単結晶層を成長させることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書が開示するエピタキシャルウエハの製造方法は、半導体ウエハ上に単結晶層が形成されたエピタキシャルウエハを製造する。この製造方法は、アモルファス層形成工程と単結晶層形成工程を有する。アモルファス層形成工程では、平坦な上面と、平坦な下面と、上面と下面を接続する端面を有する半導体ウエハの端面上に、アモルファス層を形成する。単結晶層形成工程では、アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハの上面上に、80μm以上の厚みを有する単結晶層を気相成長させる。
【0009】
この製造方法では、単結晶層を形成する前に、半導体ウエハの端面上にアモルファス層を形成する。アモルファス層は結晶構造を有していない。したがって、単結晶層形成工程では、半導体ウエハの上面上に単結晶層が成長する一方で、アモルファス層上には半導体ウエハの端面の形状に倣って多結晶層が成長する。このため、この製造方法によれば、半導体ウエハの端面に角張った形状の結晶層を成長させることなく、半導体ウエハ上に厚い単結晶層を成長させることができる。
【0010】
なお、特許文献2には、半導体ウエハの端面上にアモルファス層(SiO2膜)を形成し、アモルファス層形成後に半導体ウエハの上面上に単結晶層を成長させる成膜方法が開示されている。しかしながら、特許文献2の技術は、単結晶層の気相成長時における半導体ウエハへのオートドーピングの防止を目的とする技術であり、本明細書により開示される上述した技術とは目的が全く異なる。また、特許文献2の技術では、厚みが10μmの薄い単結晶層を成長させている。すなわち、特許文献2の技術は、本明細書が開示する「半導体ウエハの上面上に80μm以上の厚みを有する単結晶層を気相成長させる単結晶層形成工程」を備えていない。このため、特許文献2の技術では、本明細書が開示する技術によって製造されるエピタキシャルウエハを製造することはできない。そもそも、特許文献2の技術のように薄い単結晶層を成長させる場合には、上述した問題(半導体ウエハの端面上の結晶層の表面が角張った形状となる問題)は生じない。本明細書により開示される技術は、上述した各工程を実行することで、80μm以上の厚い単結晶層を形成する際に生じる特有の問題を解決するものである。本明細書により開示される技術は、目的、構成、及び、技術的効果の何れにおいても、引用文献2の技術とは異なるものである。
【0011】
本明細書により開示される上述した製造方法は、単結晶層形成工程後に、単結晶層形成工程においてアモルファス層上に成長した多結晶層をエッチングすることにより、多結晶層を除去する多結晶層除去工程をさらに有していてもよい。
多結晶層は、角張った形状の単結晶層よりもチッピングが生じ難いものの、チッピングに対する強度はそれほど高くない。このように多結晶層を除去すれば、多結晶層のチッピングを防止し、ダストの発生を抑制することができる。また、アモルファス層がエッチングストッパ層として機能するので、多結晶層だけを容易に除去することができる。
【0012】
本明細書により開示される上述した製造方法は、多結晶層形成工程後に、アモルファス層をエッチングすることにより、アモルファス層を除去するアモルファス層除去工程をさらに有していてもよい。
このようにアモルファス層を除去すると、元の半導体ウエハの端面を露出させることができる。元の半導体ウエハの端面はチッピングし難いので、よりダストの発生を抑制することができる。
【0013】
上述したアモルファス層形成工程では、半導体ウエハの上面と下面と端面の全域にアモルファス層を形成する工程と、半導体ウエハの上面にアモルファス層をエッチングするエッチング液を供給するとともに、半導体ウエハの端面に向けてアモルファス層のエッチングを阻害する液体を供給することによって、半導体ウエハの上面上のアモルファス層を除去する工程を実行してもよい。このような構成によれば、端面上のアモルファス層を残存させるとともに、上面上のアモルファス層を除去することができる。後の単結晶層形成工程では、アモルファス層を除去した範囲に単結晶層を形成することができる。
また、上述したアモルファス層形成工程では、半導体ウエハの上面と下面と端面の全域にアモルファス層を形成する工程と、半導体ウエハの端面の上方にマスク部材を配置した状態で、マスク部材越しに半導体ウエハの上面上のアモルファス層をプラズマエッチングすることによって、半導体ウエハの上面上のアモルファス層を除去する工程を実行してもよい。このような構成によっても、端面上のアモルファス層を残存させるとともに、上面上のアモルファス層を除去することができる。また、マスク部材の配置によって、アモルファス層を残存させる範囲を容易に変更することができる。
なお、これらの製造方法においては、必ずしも半導体ウエハの上面上の全てのアモルファス層を除去する必要は無く、上面上の少なくとも一部のアモルファス層を除去すればよい。
【0014】
また、本明細書は、以下の製造方法も提供する。この製造方法は、アモルファス層形成工程と単結晶層形成工程を有する。アモルファス層形成工程では、平坦な上面と、平坦な下面と、上面と下面を接続する端面を有する半導体ウエハの端面上にアモルファス層を形成する。単結晶層形成工程では、アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハの上面に向けて、結晶を成長させる原料ガスを供給するとともに、半導体ウエハの端面に向けて、原料ガスにより成長する結晶をエッチングするエッチングガスを供給することによって、半導体ウエハの上面上に単結晶層を気相成長させる。
【0015】
この製造方法では、端面にアモルファス層が形成されている半導体ウエハの上面に向けて原料ガスを供給することで、半導体ウエハの上面に単結晶層を成長させる。このとき、半導体ウエハの端面(すなわち、アモルファス層)に向けてエッチングガスを供給することによって、アモルファス層上に結晶が成長することが抑制される。また、アモルファス層によって、エッチングガスが半導体ウエハと反応することが防止される。この製造方法によっても、半導体ウエハの端面上に角張った表面形状の結晶層が成長することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】シリコンウエハ10の部分断面図。
【図2】SiO2膜形成工程後のシリコンウエハ10の部分断面図。
【図3】第1のエッチング方法の概略構成を示す図。
【図4】第2のエッチング方法の概略構成を示す図。
【図5】上部SiO2膜除去工程後のシリコンウエハ10の部分断面図。
【図6】エピタキシャル成長工程後のシリコンウエハ10(すなわち、エピタキシャルウエハ)の部分断面図。
【図7】裏面研磨後のエピタキシャルウエハの部分断面図。
【図8】多結晶シリコン層除去工程の概略構成を示す図。
【図9】多結晶シリコン層除去工程後、または、選択エピタキシャル成長工程後のエピタキシャルウエハの部分断面図。
【図10】SiO2膜除去工程後のシリコンウエハ10の部分断面図。
【図11】選択エピタキシャル成長工程の概略構成を示す図。
【図12】従来のエピタキシャルウエハの部分断面図。
【図13】裏面研磨後の従来のエピタキシャルウエハの部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0017】
実施例に係るエピタキシャルウエハの製造方法について説明する。
図1は、シリコンウエハ10の部分断面図を示している。図1に示すシリコンウエハ10の表面に単結晶層をエピタキシャル成長させることで、エピタキシャルウエハが製造される。シリコンウエハ10は、単結晶シリコンからなる基板であり、略円盤形状を有している。シリコンウエハ10は、平坦な上面12と、平坦な下面14と、上面12と下面14を接続する端面(外周面)16を有している。上面12は、{100}結晶面である。端面16は、上面12と下面14を滑らかに接続する曲面形状に形成されている。端面16には、種々の結晶面が露出している。
【0018】
(SiO2膜形成工程)
エピタキシャルウエハを製造する際には、最初に、図2に示すように、シリコンウエハ10の表面全体にSiO2膜20を形成する。SiO2膜20は、熱酸化法や減圧CVD法等の方法で形成することができる。SiO2膜20は、アモルファスである。したがって、種々の結晶面が露出している端面16上にも、結晶面の影響を受けることなく、均一な厚さでSiO2膜20を形成することができる。端面16上のSiO2膜20の表面形状は、端面16の表面形状に倣った滑らかな形状となる。ここでは、厚さが約50〜100nmのSiO2膜20を形成する。
【0019】
(上部SiO2膜除去工程)
次に、シリコンウエハ10の上面12上のSiO2膜20をエッチングして、上面12上のSiO2膜20を除去する。SiO2膜20は、以下の何れかの方法でエッチングすることができる。
図3は、第1のエッチング方法の概略構成を示している。第1のエッチング方法に使用するエッチング装置は、ホルダ90と純水供給管98を有している。ホルダ90は、軸部92を中心に回転することができる。ホルダ90には、シリコンウエハ10を載置することができる。シリコンウエハ10が載置された状態では、ホルダ90はシリコンウエハ10の外周部の一部と接触する。軸部92の内部には流路96が形成されている。流路96は、載置されているシリコンウエハ10に向けて、SiO2をエッチングするエッチング液(本実施例ではフッ酸)を吐出する。純水供給管98は、ホルダ90の直上に配置されている。純水供給管98は、ホルダ90上のシリコンウエハ10に向けて純水を吐出する。第1のエッチング方法では、上面12をホルダ90側(すなわち、下側)に向けて、ホルダ90上にシリコンウエハ10を載置する。次に、ホルダ90を回転させながら、流路96からシリコンウエハ10に向けてフッ酸を吐出するとともに、純水供給管98からシリコンウエハ10に向けて純水を吐出する。シリコンウエハ10が回転しているので、吐出された純水は、シリコンウエハ10の下面14上を外周側に向けて流れる。シリコンウエハ10の外周端まで流れた純水は、端面16を伝って下側に流れる。一方、フッ酸は、シリコンウエハ10の上面12を外周側に向かって流れる。したがって、シリコンウエハ10の上面12上のSiO2膜20がエッチングされる。但し、シリコンウエハ10の端面16には純水が存在しているので、端面16上のSiO2膜20はエッチングされない。第1のエッチング方法によれば、上面12上のSiO2膜20を除去し、端面16上及び下面14上のSiO2膜20を残存させることができる。
図4は、第2のエッチング方法の概略構成を示している。図4に示すように、第2のエッチング方法では、シリコンウエハ10をチャンバ(図示省略)内に配置し、シリコンウエハ10の上面12の上方にリング状のマスクプレート80を配置する。マスクプレート80は、SiO2により形成されている。マスクプレート80は、シリコンウエハ10の外周部が覆われるように配置する。そして、上面12側からSiO2膜20をプラズマエッチングする。具体的には、CF4(またはCHF3)をチャンバ内に導入し、チャンバ内でプラズマを発生させる。これにより、マスクプレート80に覆われていない範囲のSiO2膜20(すなわち、上面12上のSiO2膜20)がエッチングされる。また、上記のプラズマエッチングは異方性を有するので、マスクプレート80に覆われていない範囲のSiO2膜20はエッチングされない。第2のエッチング方法によれば、上面12上のSiO2膜20を除去し、端面16上及び下面14上のSiO2膜20を残存させることができる。
上部SiO2膜除去工程は、上述した第1及び第2のエッチング方法以外の方法で実施してもよい。上部SiO2膜除去工程を実施することで、図5に示すように、シリコンウエハ10の上面12上のSiO2膜20が除去され、上面12が露出する。
【0020】
(エピタキシャル成長工程)
次に、シリコンウエハ10の上面12上に、単結晶のシリコンの層(すなわち、エピタキシャル層)を成長させる。
エピタキシャル成長工程では、チャンバ内にシリコンウエハ10を載置し、チャンバ内を水素雰囲気とした状態で、シリコンウエハ10を予熱する。ここでは、シリコンウエハ10を1100〜1200℃に維持する。なお、SiO2膜20は高温でもアモルファス状態を維持するので、SiO2膜20の構造が変化することはない。
次に、CVD法によって、上面12上にシリコンをエピタキシャル成長させる。すなわち、シリコンウエハ10を回転させるとともに、チャンバ内にシリコンの原料ガス(トリクロロシラン(SiHCl3)と水素(H2))を供給して、上面12上にシリコンを析出させる。シリコンウエハ10の上面12は{100}結晶面である。したがって、上面12上には{100}結晶面に従って単結晶のシリコンが成長する。このため、図6に示すように、上面12上に均一な厚さの単結晶シリコン層30が形成される。ここでは、厚さが80μm以上の単結晶シリコン層30を形成する。
一方、端面16は、SiO2膜20に覆われている。したがって、端面16では、SiO2膜20上にシリコンが成長する。上述したように、SiO2膜20はアモルファスであり、結晶構造を有さない。シリコンが成長する基材であるSiO2膜20が結晶構造を有さないので、SiO2膜20上に成長するシリコンは基材の結晶面に従って成長することができず、多結晶となる。したがって、図6に示すように、端面16上のSiO2膜20上には、多結晶シリコン層40が形成される。多結晶シリコン層40は、基材の結晶面の影響を受けることなく成長するので、多結晶シリコン層40の表面形状は、SiO2膜20の表面形状に倣った滑らかな曲面形状(すなわち、端面16の表面形状に倣った曲面形状)となる。
【0021】
以上に説明したように、実施例1の製造方法によれば、端面に角張った表面形状の層が形成されることを防止しながら、上面に均一な厚さの単結晶シリコン層30が形成されたエピタキシャルウエハを製造することができる。すなわち、この製造方法によれば、80μm以上の厚い単結晶シリコン層30を有するとともに、端面でチッピングや割れが生じ難いエピタキシャルウエハを製造することができる。また、多結晶シリコン層40の表面形状がシリコンウエハ10の端面16に倣った曲面形状となるので、図7に示すように、エピタキシャルウエハの下面を研磨してウエハを薄く加工しても端部18がナイフエッジ化しない。このため、研磨後に搬送装置等によりエピタキシャルウエハを搬送しても、搬送装置にキズが付かない。
なお、100μm以上の厚さの単結晶シリコン層30を成長させる場合には、端面16上にSiO2膜20を形成する場合と形成しない場合とで、端面16上のシリコン層の表面形状に特に顕著な差が生じる。すなわち、100μm以上の厚さの単結晶シリコン層30を形成する場合には、上述した実施例1の製造方法は特に有用である。
【0022】
なお、上述した実施例1では、端面16上にSiO2膜20を形成したが、SiN膜を形成してもよい。SiNもアモルファス構造を有する。
【0023】
また、上述した実施例1では、上部SiO2膜除去工程において、シリコンウエハ10の上面12上の略全てのSiO2膜20を除去したが、上面12上の一部のSiO2膜20を除去するだけでもよい。また、下面14上のSiO2膜20を除去しなかったが、除去してもよい。すなわち、少なくとも、シリコンウエハ10の端面16(すなわち、表面形状が曲面形状であり、種々の結晶面が露出している領域)がSiO2膜20で覆われていればよい。
【0024】
また、上述した第1のエッチング方法では、シリコンウエハ10の上面12を下側に向け、下側から上面12に向けてエッチング液を吐出するとともに、上側から下面14に向けて純水を吐出した。しかしながら、上下を逆にして第1のエッチング方法を行ってもよい。すなわち、シリコンウエハ10の上面12を上側に向け、上側から上面12に向けてエッチング液を吐出するとともに、下側から下面14に向けて純水を吐出してもよい。このような構成でも、純水の吐出速度が速ければ、純水を端面まで到達させることができる。これにより、端面16上のSiO2膜20がエッチングされることを防止することができる。また、第1のエッチング方法では、端面16のエッチングを防止するために純水を吐出したが、純水以外のエッチングを阻害する液体を吐出してもよい。
【実施例2】
【0025】
次に実施例2の製造方法について説明する。実施例2の製造方法では、上述したSiO2膜形成工程、上部SiO2膜除去工程、及び、エピタキシャル成長工程を第1実施例と同様に実行した後に、さらに、多結晶シリコン層除去工程を実行する。
図8は、多結晶シリコン層除去工程の概略構成を示している。多結晶シリコン層除去工程では、図8に示すように、チャンバ(図示省略)の内部に配置されたホルダ70上にシリコンウエハ10を載置する。ホルダ70は、回転軸72周りに回転することができる。シリコンウエハ10を載置したら、ホルダ70を回転させる。そして、シリコンウエハ10の上面12(すなわち、単結晶シリコン層30)に向けてH2ガスを供給するとともに、シリコンウエハ10の端面16(すなわち、多結晶シリコン層40)に向けてHClガスを供給する。シリコンウエハ10が回転しているため、シリコンウエハ10の表面においては、ガスがシリコンウエハ10の中心側から外周側に向かって流れる。このため、単結晶シリコン層30側にはほとんどHClガスが供給されず、単結晶シリコン層30はエッチングされない。一方、多結晶シリコン層40は、HClガスによってエッチングされる。このため、多結晶シリコン層40だけをエッチングすることができる。また、SiO2膜20は、HClガスによってはエッチングされず、エッチングストッパ層として機能する。したがって、図9に示すように、多結晶シリコン層40だけを選択的に除去することができる。
【0026】
以上に説明したように、実施例2の製造方法によれば、多結晶シリコン層40を除去することができる。SiO2膜20は、多結晶シリコン層40よりもチッピングし難い。また、SiO2膜20の表面形状は、端面16の表面形状に倣った曲面形状を有している。このため、多結晶シリコン層40を除去してSiO2膜20を露出させることで、さらにチッピングの発生を抑制することができる。
なお、実施例2で行ったエッチングと同様のエッチングを、従来のエピタキシャルウエハ(すなわち、端面に角張った表面形状を有する単結晶シリコン層が形成されているウエハ)に対して行うと、角張った形状を維持しながら単結晶シリコン層がエッチングされる。このため、エッチングしても角張った形状が維持され、チッピングの問題を解消することはできない。
【実施例3】
【0027】
次に、実施例3の製造方法について説明する。実施例3の製造方法では、上述したSiO2膜形成工程、上部SiO2膜除去工程、エピタキシャル成長工程、及び、多結晶シリコン層除去工程を第2実施例と同様に実行した後に、さらに、SiO2膜除去工程を実行する。
SiO2膜除去工程では、ウェットエッチング等によって、図10に示すように、SiO2膜20を除去する。これにより、シリコンウエハ10の端面16が露出する。シリコンウエハ10(すなわち、シリコンの単結晶)はチッピングし難く、また、端面16の表面形状は曲面形状である。したがって、SiO2膜20を除去して端面16を露出させることで、さらにチッピングが発生し難くなる。また、実施例3の製造方法では、単結晶シリコンのみ(すなわち、シリコンウエハ10と単結晶シリコン層30)からなるエピタキシャルウエハを製造することができる。エピタキシャルウエハ全体が単結晶シリコンであるので、エピタキシャルウエハ全体の何れの位置でもチッピングが生じ難くなる。
【実施例4】
【0028】
次に、実施例4の製造方法について説明する。実施例4の製造方法では、上述したSiO2膜形成工程、及び、上部SiO2膜除去工程を第1実施例と同様に実行した後に、選択エピタキシャル成長工程を実行する。
図11は、選択エピタキシャル成長工程の概略構成を示している。選択エピタキシャル成長工程では、CVD法により、シリコンウエハ10の上面12に選択的に単結晶シリコン層30を成長させる。選択エピタキシャル成長工程では、図11に示すように、チャンバ(図示省略)の内部に配置されたホルダ60上にシリコンウエハ10を載置する。ホルダ60は、回転軸62周りに回転することができる。シリコンウエハ10を載置したら、水素雰囲気下において、シリコンウエハ10を1100〜1200℃に予熱する。次に、シリコンウエハ10の温度を維持した状態で、ホルダ70を回転させる。そして、シリコンウエハ10の上面12(すなわち、SiO2膜20が形成されていない領域)に向けて原料ガス(すなわち、トリクロロシランと水素)を供給するとともに、シリコンウエハ10の端面16(すなわち、SiO2膜20)に向けてHClガスを供給する。シリコンウエハ10が回転しているため、シリコンウエハ10の表面においては、ガスがシリコンウエハ10の中央側から外周側に向かって流れる。このため、シリコンウエハ10の中央側(すなわち、上面12側)にはあまりHClガスが供給されず、原料ガスが多く供給される。このため、上面12上に単結晶シリコン層30が成長する。一方、端面16上には、HClガスが供給されるとともに、中央側から流れてきた原料ガスが供給される。HClガスは、シリコンをエッチングする特性を有する。このため、端面16上(すなわち、SiO2膜20上)では、HClガスによってシリコンが成長する反応が阻害され、シリコンが成長しない。また、SiO2膜20はエッチングストッパ層として機能するので、端面16においてHClガスによりシリコンウエハ10がエッチングされることもない。このため、SiO2膜20上には多結晶シリコン層40が成長しない。したがって、図9に示すように、上面12上に単結晶シリコン層30が形成されており、端面16上のSiO2膜20が露出しているエピタキシャルウエハを製造することができる。
【0029】
以上に説明したように、実施例4の製造方法では、端面16上のSiO2膜20上に膜を成長させることなく、上面12上に単結晶シリコン層30を形成することができる。このため、端面16ではSiO2膜20が露出した状態となる。SiO2膜20は端面16に倣った曲面形状を有しているので、チッピングが生じることが抑制される。
【0030】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例をさまざまに変形、変更したものが含まれる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0031】
10:シリコンウエハ
12:上面
14:下面
16:端面
18:端部
20:SiO2膜
30:単結晶シリコン層
40:多結晶シリコン層
60:ホルダ
62:回転軸
70:ホルダ
72:回転軸
80:マスクプレート
90:ホルダ
92:軸部
94:載置部
96:流路
98:純水供給管
100:半導体ウエハ
110:端面
120:単結晶層
122:端部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハ上に単結晶層が形成されたエピタキシャルウエハの製造方法であって、
平坦な上面と、平坦な下面と、上面と下面を接続する端面を有する半導体ウエハの端面上に、アモルファス層を形成するアモルファス層形成工程と、
アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハの上面上に、80μm以上の厚みを有する単結晶層を気相成長させる単結晶層形成工程、
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
単結晶層形成工程後に、単結晶層形成工程においてアモルファス層上に成長した多結晶層をエッチングすることにより、多結晶層を除去する多結晶層除去工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
多結晶層除去工程後に、アモルファス層をエッチングすることにより、アモルファス層を除去するアモルファス層除去工程をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
アモルファス層形成工程では、
半導体ウエハの上面と下面と端面の全域にアモルファス層を形成する工程と、
半導体ウエハの上面にアモルファス層をエッチングするエッチング液を供給するとともに、半導体ウエハの端面に向けてアモルファス層のエッチングを阻害する液体を供給することによって、半導体ウエハの上面上のアモルファス層を除去する工程、
を実行することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
【請求項5】
アモルファス層形成工程では、
半導体ウエハの上面と下面と端面の全域にアモルファス層を形成する工程と、
半導体ウエハの端面の上方にマスク部材を配置した状態で、マスク部材越しに半導体ウエハの上面上のアモルファス層をプラズマエッチングすることによって、半導体ウエハの上面上のアモルファス層を除去する工程、
を実行することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
【請求項6】
半導体ウエハ上に単結晶層が形成されたエピタキシャルウエハの製造方法であって、
平坦な上面と、平坦な下面と、上面と下面を接続する端面を有する半導体ウエハの端面上に、アモルファス層を形成するアモルファス層形成工程と、
アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハの上面に向けて、結晶を成長させる原料ガスを供給するとともに、半導体ウエハの端面に向けて、原料ガスにより成長される結晶をエッチングするエッチングガスを供給することによって、半導体ウエハの上面上に単結晶層を気相成長させる単結晶層形成工程、
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項1】
半導体ウエハ上に単結晶層が形成されたエピタキシャルウエハの製造方法であって、
平坦な上面と、平坦な下面と、上面と下面を接続する端面を有する半導体ウエハの端面上に、アモルファス層を形成するアモルファス層形成工程と、
アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハの上面上に、80μm以上の厚みを有する単結晶層を気相成長させる単結晶層形成工程、
を有することを特徴とする製造方法。
【請求項2】
単結晶層形成工程後に、単結晶層形成工程においてアモルファス層上に成長した多結晶層をエッチングすることにより、多結晶層を除去する多結晶層除去工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
多結晶層除去工程後に、アモルファス層をエッチングすることにより、アモルファス層を除去するアモルファス層除去工程をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
アモルファス層形成工程では、
半導体ウエハの上面と下面と端面の全域にアモルファス層を形成する工程と、
半導体ウエハの上面にアモルファス層をエッチングするエッチング液を供給するとともに、半導体ウエハの端面に向けてアモルファス層のエッチングを阻害する液体を供給することによって、半導体ウエハの上面上のアモルファス層を除去する工程、
を実行することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
【請求項5】
アモルファス層形成工程では、
半導体ウエハの上面と下面と端面の全域にアモルファス層を形成する工程と、
半導体ウエハの端面の上方にマスク部材を配置した状態で、マスク部材越しに半導体ウエハの上面上のアモルファス層をプラズマエッチングすることによって、半導体ウエハの上面上のアモルファス層を除去する工程、
を実行することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の製造方法。
【請求項6】
半導体ウエハ上に単結晶層が形成されたエピタキシャルウエハの製造方法であって、
平坦な上面と、平坦な下面と、上面と下面を接続する端面を有する半導体ウエハの端面上に、アモルファス層を形成するアモルファス層形成工程と、
アモルファス層形成工程後に、半導体ウエハの上面に向けて、結晶を成長させる原料ガスを供給するとともに、半導体ウエハの端面に向けて、原料ガスにより成長される結晶をエッチングするエッチングガスを供給することによって、半導体ウエハの上面上に単結晶層を気相成長させる単結晶層形成工程、
を有することを特徴とする製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−187887(P2011−187887A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54485(P2010−54485)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
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