シクロペンタジエニル金属前駆物質を用いた異なる金属含有薄膜のイン・シトゥー堆積
【課題】堆積チャンバの内部で、異なる物質の複数の膜を連続的なプロセスで堆積する方法を提供する。
【解決手段】堆積チャンバ内に基板を提供する。第1の原子層堆積(ALD)プロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記堆積チャンバ内の前記基板上に、第1の物質の膜を堆積する。これら第1のサイクルは、シクロペンタジエニル金属前駆物質をパルス的に導入することを含む。第2のALDプロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記堆積チャンバ内の前記第1の物質の膜上に、第2の物質の膜を堆積する。前記第2の物質は、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む。
【解決手段】堆積チャンバ内に基板を提供する。第1の原子層堆積(ALD)プロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記堆積チャンバ内の前記基板上に、第1の物質の膜を堆積する。これら第1のサイクルは、シクロペンタジエニル金属前駆物質をパルス的に導入することを含む。第2のALDプロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記堆積チャンバ内の前記第1の物質の膜上に、第2の物質の膜を堆積する。前記第2の物質は、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概ね半導体プロセスに関し、より詳細には、金属含有膜の原子層堆積に関する。
【背景技術】
【0002】
優先権の主張
本出願は、2007年7月31日付け提出の米国仮特許出願第60/953,132号に対する優先権を主張する。
【0003】
参照による組み込み
本出願は、PCT特許出願公開番号第 WO2006/131751 A1号、米国特許出願公開番号第 US2004/0250853 A1号、米国特許第6,746,240号、米国特許出願公開番号第 US2003/0111013 A1号、米国特許出願公開番号第 US2008/0081112 A1号、および、2007年7月31日付け提出の米国仮特許出願第60/953,132号の全開示を、参照によって組込む。
【0004】
関連する従来技術の説明
リアクタと呼ばれる高温オーブンは、半導体基板上の集積回路等の、非常に微細な寸法の構造を形成するために用いられる。シリコンウェハ等の1つ以上の基板が、反応チャンバの内部の基板支持体上に載置される。基板および支持体の両方が、所望の温度に加熱される。一般的な基板処理ステップでは、加熱した基板上に反応物質ガス(前駆物質を含んでいる)が供給され、それにより、基板上に薄膜の堆積(例えば化学気相蒸着、即ちCVD)を引き起こす。一般に、CVDは、前駆物質を反応させるあるいは分解するのに十分な高温において行われ、基板上に、所望の要素を薄膜状に残す。
【0005】
通常、堆積装置は、反応チャンバ内へガスを供給するためのシステムを備える。ガス供給システムは、一般に、複数の反応物質の蒸気ソースを備え、1つのキャリアガス及び/又はパージガスソースと、反応チャンバ内へ反応物質ガスを供給するためのパイプのネットワークとを任意に備え、結局は、チャンバ内にガスを一様に吹き込むためのインジェクション・マニホールドまたはシャワーヘッドと、ガスフローを制御するための複数のバルブとを備える。また、いくつかの反応物質の蒸気ソースが、粉体または液体の形態である場合があるので、そのような反応物質を気化させるための手段(例えばバブラー)を備えることができる。
【0006】
別のタイプの堆積プロセスは、原子層堆積(ALD)である。ALDでは、2つ以上の互いに反応性の高い反応物質が、反応チャンバ内へ交互に導入される。一般に、反応物質のうちの1つは、基板表面上に吸着するであろうが、別の反応物質との反応なしでは完全には分解され得ない。第1の反応物質は基板表面を飽和させるまで吸着し、さらなる成長は、第2の反応物質が導入されるまで生じ得ない。従って、従来のCVDプロセスの場合と同様に、膜厚は、堆積時間よりもむしろ、反応物質の注入サイクル数によって制御される。CVDとは対照的に、それぞれのサイクルがわずかに、おおよそ単分子のモノレイヤーを残すので、ALDは自己制限あるいは自己飽和していると言われる。従って、ALDは、膜厚および膜の一様性の非常に正確な制御を可能にする。プラズマプロセスが、著しく低い温度を使用することができる一方、一般に、熱ALDは、200〜500℃の領域中の温度において行われる。
【0007】
一般に、ALDでは、反応チャンバは、先の工程のあらゆる過剰な反応物質ガスをチャンバから除去することを目的として、異なる反応物質ガスを注入する間に、非反応性の保護ガスがパルス的に導入される。そうでなければ、先の工程の過剰な反応物質が、パルス的に導入された後続の反応物質と混ざり合って反応し、基板表面上及び/又はチャンバの表面上に、望ましくないCVDタイプの成長を形成するであろう。
【0008】
集積回路の製作において、ジルコニウム及びハフニウムを含む物質についての多数の用途がある。そのような物質は、ジルコニウム酸化物(ZrOx、例えばZrO2)、ハフニウム酸化物(HfOx、例えばHfO2)、ジルコニウムシリケート(ZrSixOy)、ハフニウムシリケート(HfSixOy)、ジルコニウム窒化物(ZrN)、およびハフニウム窒化物(HfN)を含む。例示的な用途は、コンデンサ及びトランジスタ等の電気素子における誘電体としての使用を含む。本明細書において使用する「Zr/Hf」は、ジルコニウム及び/又はハフニウムを意味し、「Zr/Hf酸化物」は、ジルコニウム酸化物及び/又はハフニウム酸化物を意味する。
【0009】
しかしながら、Zr/Hf酸化物の特性は、プロセス及び堆積のパラメータに緊密に依存する。従って、特定の用途について堆積されたZr/Hf酸化物の適合性および望ましさは、例えば、一様な厚さ、構成、結晶化度、および、高誘電率等の電気的特性といった所望の特性に、Zr/Hf酸化物を形成することができる堆積プロセスの有用性に依存し得る。その結果、新しいZr/Hf堆積プロセスの開発に至る研究が進行中である。最近、45nmのDRAM素子に対して、TiN/ZrO2/Al2O3/ZrO2/TiN誘電体膜が適用可能なことが、成功裡に実証された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、本出願は、堆積チャンバの内部で、異なる物質の複数の膜を連続的なプロセスで堆積する方法を開示する。基板が堆積チャンバ内に提供される。第1の原子層堆積(ALD)プロセスの複数のサイクルが連続して実行され、前記堆積チャンバ内の前記基板上に、第1の物質の膜が堆積される。これら第1のサイクルは、シクロペンタジエニル金属前駆物質をパルス的に導入することを含む。第2のALDプロセスの複数のサイクルが連続して実行され、前記堆積チャンバ内の前記第1の物質の膜上に、第2の物質の膜が堆積される。前記第2の物質は、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む。
【0011】
別の態様では、本出願は、プロセスチャンバと、シクロペンタジエニル金属前駆物質ソースと、酸素前駆物質ソースと、アルミニウム前駆物質ソースと、堆積制御システムとを備える装置を開示する。前記プロセスチャンバは、複数の基板を収容するように構成される。前記シクロペンタジエニル金属前駆物質ソースは、前記チャンバに接続され、シクロペンタジエニル金属前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する。前記酸素前駆物質ソースは、前記チャンバに接続され、酸素前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する。前記アルミニウム前駆物質ソースは、前記チャンバに接続され、アルミニウム前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する。前記堆積制御システムは、前記チャンバ内で、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質および前記酸素前駆物質からの金属酸化物のALDを実行するように構成される。さらに、前記堆積制御システムは、前記チャンバ内で、前記アルミニウム前駆物質および前記酸素前駆物質からのアルミニウム酸化物のALDを実行するように構成される。
【0012】
本出願と先行技術に対して達成された利点とを要約する目的のために、特定の目的および利点が上に記述された。もちろん、必ずしも、そのような目的又は利点のすべてが、本発明の特定の実施形態の何れに従っても達成されるという訳ではないことが理解されるべきである。従って、例えば、当該技術に熟練している者は、本明細書に教示された1つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する方法で、本明細書に教示又は示唆されている可能性がある他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本発明が具体化又は実施され得ることを認識するであろう。
【0013】
これらの実施形態はすべて、本発明の範囲内に在ることが意図されている。本発明は、本明細書に開示された如何なる特定の好ましい実施形態にも限定される訳ではないが、当該技術に熟練している者には、本発明のこれら及び他の実施形態は、添付の図面を参照する以下の発明を実施するための最良の形態から、容易に明白になるであろう。
【0014】
特許請求の範囲に記載の方法および装置は、例示を意図し、かつ本発明を制限することを意図しない、発明を実施するための最良の形態と添付の図面とから、より一層理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
概略
高誘電率(k)のジルコニウム酸化物(ZrOx)薄膜は、バッチ式システム内において、複数のアルキルアミド前駆物質を用いて堆積することができる。これら前駆物質の熱分解は、一般的には、プロセス温度を約250℃未満に制限する。ハフニウム酸化物(HfOx)の堆積についても同じことが言える。低温堆積は、敏感な集積回路基板のサーマルバジェットを保持することができるので、しばしばALDの利点と考えられる。その一方、絶縁膜の品質を最適化するために、一般に、アルミニウム酸化物(AlOx、例えばAl2O3)を高温(350℃といった、例えば300℃よりも高い温度)で堆積することが好ましい。Zr/Hf酸化物の堆積とアルミニウム酸化物の堆積とが、異なる温度で、特にALDによって従来通りに行われてきたので、同一のリアクタ内で同じ温度で、ZrOx/AlOx/ZrOx(ZAZ)のような、Zr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物とを含むスタックを、イン・シトゥーに作成することができない。
【0016】
例えば、ZAZスタックを堆積する一方法が、図1に示される。ステップ10では、第1のリアクタであるリアクタ1内において、ジルコニウム酸化物が1つ以上の基板上に形成される。一般的には、薄膜は、例えばテトラエチル・メチルアミノ・ジルコニウム(TEMAZ)といった、アルキルアミド前駆物質と、例えばO3、O2またはH2Oといった、酸素前駆物質とを用いるALDによって形成される。アルキルアミド前駆物質が高温(例えば、250℃よりも高い温度)で分解するので、ステップ10を行う間のリアクタ1内の温度は、熱分解温度以下に維持されるべきである。例えば、ステップ10を行う間のリアクタ1の温度は、一般に250℃未満であり、例えば240℃である。例えば、ジルコニウム酸化物薄膜が形成された後、基板は、後続のステップ14において、トリメチルアルミニウム(TMA)前駆物質と酸素前駆物質(O3、O2またはH2O)とを用いるALDによって、アルミニウム酸化物を堆積するために、第2のリアクタであるリアクタ2へ移送される(ステップ12)。一旦アルミニウム酸化物が形成されれば、基板は、後続のステップ18において、例えば240℃の低温で再び、ジルコニウム酸化物をさらに堆積するために、リアクタ1へ戻され、あるいは第3のリアクタ3に移送され得る(ステップ16)。
【0017】
このように、図1のプロセスを使用するZrOx及びAlOxの隣接層の堆積は、ジルコニウム酸化物堆積用のリアクタと、アルミニウム酸化物堆積用のリアクタとの2つのリアクタの使用を必要とする。このプロセスを使用するHfOx及びAlOxの隣接層の堆積はまた、2つのリアクタの使用を必要とし、それらリアクタの内部において、HfOxの堆積は、例えばハフニウムメチルエチルアミド(Hf(NEtMe)4)および酸素等の前駆物質と、Hf(NEtMe)4前駆物質の熱分解温度未満の温度でのALDとを一般的に使用する。
【0018】
両方の膜を同一のリアクタ内において異なる温度で堆積することとは対照的に、図1において、Zr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物とが個別のリアクタ内において堆積される1つの理由は、異なる温度に維持された別のチャンバへ1つ以上の基板を移送する時間よりも、チャンバ(特にバッチ式リアクタについて)内全体の温度を変更して安定化するのを待つ時間の方が、より長くかかるためである。従来のZr/Hf酸化物の堆積に使用される比較的低い温度では、放射による熱輸送は制限されている。伝導による熱輸送もまた、低い圧力下のバッチ式炉内の基板のスタックに対しては、あまり効率的ではない。その結果、温度はゆっくりと安定化し、多くの場合、元のチャンバ内の温度を変更するよりも、別のチャンバへ基板を移送する方が、より少ない時間を消費する。そのうえ、温度ランピングの時間が抑止的ではなかったとしても、同一のバッチ式リアクタ内で複数の異なる物質を堆積することは、リアクタ部品および基板上のコーティングについての異なる熱膨脹係数(CTE)に帰着し、このことは、その後、堆積と堆積との間に温度が変更される際に、フレーキングを導く可能性がある。
【0019】
これら従来方法では、2つの個別のリアクタ間で基板を移送するニーズは、巨額の装置費用とより複雑なプロセスとを必要とし、より低いスループットに帰着する。そのうえ、Zr/Hf酸化物薄膜が堆積された基板を、Zr/Hf酸化物堆積用のリアクタからアルミニウム酸化物堆積用のリアクタへ移送する間、Zr/Hf酸化物は大気にさらされるようになり、このことは、誘電性のスタック内部に望ましくない汚染を導く可能性があった。上記において議論されたような、異なるリアクタ内での薄膜の堆積に関連する不利益を回避するために、本発明の実施形態は、同一のリアクタ内において、複数の異なるALD薄膜(例えば、ZAZスタック、またはHfOx/AlOx/HfOxスタック)を、実質的に同じ温度で堆積する方法を含む。
【0020】
Heysらの、最近のPCT特許出願公開番号第 WO2006/131751 A1号(「Heys文献」)は、或るシクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質が、高温(例えば、300〜500℃の間)において、良好な一様性でZr/Hf酸化物薄膜の堆積を可能にすることを認めている。一般に、アルミニウム酸化物薄膜の成長は、絶縁膜の品質を最適化するために、約300℃よりも高い温度で、TMAと酸素とを用いて実行される。都合良く、シクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質を用いた高温でのZr/Hf酸化物の堆積は、従来のアルミニウム酸化物の堆積と互換性を有する。言いかえれば、シクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質が高温でZrOx薄膜またはHfOx薄膜を堆積する能力は、Zr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物とを、実質的に同じ温度でイン・シトゥーに堆積することを可能にする。その結果、本発明の実施形態は、枚葉式リアクタ内において、1つ以上の基板上にZr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物とのイン・シトゥー堆積を達成するために、シクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質(高温での堆積に使用される)と後続のALDプロセスとを組み合わせる。
【0021】
より一般的には、本出願は、同一の堆積チャンバ内において、2つの薄膜をALDによってイン・シトゥーに堆積することを開示する。図2を参照すると、少なくとも1つの基板が、堆積チャンバ内(好ましくはバッチ式リアクタだが、枚葉式の反応チャンバも同様に利用可能である)へ挿入されることができ(ステップ20)、次に、第1のALDプロセスの複数のサイクルによって、第1の薄膜が基板上に堆積されることができる(ステップ22)。続いて、同一の堆積チャンバ内において、第2のALDプロセスの複数のサイクルによって、第2の薄膜が基板上に堆積されることができる(ステップ24)。最後に、基板が堆積チャンバから取り出される(ステップ26)。
【0022】
本明細書において、「基板」は、その通常の意味で使用され、物質が堆積又は適用される任意の表面を含む。好ましい基板は、業界基準の200mm及び300mmウェハを含む、様々なサイズのシリコンウェハ等の半導体ウェハを含む。しかしながら、基板は、これらに限定されないが、金属、シリコン、ゲルマニウム、プラスチック、及び/又はガラス、好ましくはシリコン化合物(Si−O−C−H低誘電率膜を含む)およびシリコン合金を含む、事実上任意の物質で製造されることができる。さらに基板は、部分的に製作された集積回路内におけるように、例えばトレンチ又は段差等の物理的構造をその内部に備えることもできる。
【0023】
本出願は、或る実施形態において、シクロペンタジエニル金属前駆物質を用いる第1の物質のイン・シトゥーALDと、異なる金属を用いる第2の物質のALDとについての実現可能な方法を開示する。図3は実施形態を示す。初めに、少なくとも1つの基板が、リアクタの堆積チャンバ内へ挿入される(ステップ28)。リアクタは好ましくはバッチ式リアクタであるが、代わりに、枚葉式の反応チャンバ内においてプロセスが行われてもよい。次に、シクロペンタジエニル金属前駆物質を用いるALDプロセスの複数のサイクルによって、第1の物質が基板上に堆積される(ステップ30)。その後、本ステップ32と前述の堆積するステップ30との間で、堆積チャンバから基板を取り出すことなしに、同一のチャンバ内において、第2の物質が基板上に堆積される(ステップ32)。第2の物質は、シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む。その後、基板が堆積チャンバから取り出される(ステップ34)。第1のALDプロセス(ステップ30)のサイクルは、第1の平均温度で行われ、また、第2のALDプロセス(ステップ32)のサイクルは、第2の平均温度で行われる。第1の平均温度と第2の平均温度との差は、好ましくは約25℃以内、より好ましくは約10℃以内、さらに好ましくは約5℃以内である。
【0024】
そのようなプロセスは、半導体プロセスにおいて、特に酸化物の、2つ以上の薄膜のスタックを堆積するのに有用である。例えば、米国特許第6,660,660号は、アルミニウム酸化物または希土類の酸化物のような、隣接するhigh−k誘電体層と「中間層」とを含む薄膜のスタックを、ALDによって堆積することを教示する。そのようなスタックの例は、AlOx/high−k膜/AlOxと、希土類酸化物/high−k膜/希土類酸化物とを含む。もう一つの例は、本明細書の別の箇所に記載されたZAZスタックである。
【0025】
上記したように、本出願は、或る実施形態において、枚葉式リアクタ内の1つ以上の基板上に、ジルコニウムおよびハフニウムを含む物質(例えば、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケート、ジルコニウム窒化物、およびハフニウム窒化物)と、アルミニウムを含む物質(例えばアルミニウム酸化物)とを、好ましくは実質的に同じ温度で、イン・シトゥーに堆積するための、実現可能な方法を提供する。例えば、図4は、ZAZスタックを堆積する方法の一実施形態を示す。初めに、少なくとも1つの基板が、リアクタのチャンバ内に挿入される。リアクタは好ましくはバッチ式リアクタであるが、代わりに、枚葉式の反応チャンバ内においてプロセスが行われてもよい。ステップ36では、ZrOx薄膜(例えばZrO2)が、例えば約300℃の所定の温度で、リアクタ内の基板上に、ALDによって堆積される。ステップ38では、AlOx薄膜(例えばAl2O3)が、実質的に同じ温度で、リアクタ内の基板上のZrOx薄膜上に直接的に、ALDによって堆積される。ステップ40では、第2のZrOx薄膜(例えばZrO2)が、実質的に同じ温度で、リアクタ内の基板上のAlOx薄膜上に直接的に、ALDによって堆積される。当該技術に熟練している者は、HfOx/AlOx/HfOxスタックの堆積に代えて、この方法を使用することができることを認識するであろう。
【0026】
Heys文献によって認められているように、或るシクロペンタジエニル金属前駆物質は、比較的高温でジルコニウムおよびハフニウムを含む物質の堆積を可能にする。いくつかのシクロペンタジエニル金属前駆物質は、化学式(R6xCp2MR4OR5)を有する。ここで、Cpはシクロペンタジエニル配位子を表し、R4はアルキル基およびアルコキシ基から選択され、R5はアルキル基であり、xは0または1〜5の整数であり、R6は、Cp配位子の、アルキル基、アルコキシ基、またはアミド基いずれか1つの置換基であり(それぞれのR6基は独立して選択されることができる)、そしてMは金属である。好ましくは、R4およびR5配位子は、1〜4つの炭素原子を有し、とりわけ1つまたは2つの、理想的には1つの炭素原子を有する。R6は、好ましくはH、あるいは、1つまたは2つの炭素原子を有するアルキル基であり、特にメチル基である。R4がアルコキシド基である或る特定の前駆物質は、化学式(MeCp)2M(OMe)2を有する。ここで、Meはメチル基であり、Cpはシクロペンタジエニル基であり、OMeはメトキシ基であり、そしてMは金属である。Mがハフニウムである場合、前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)と呼ばれる。また、Mがジルコニウムである場合、前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)と呼ばれる。もう一つの前駆物質は、化学式(MeCp)2M(OMe)Meを有する。Mがハフニウムである場合、前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)と呼ばれる。また、Mがジルコニウムである場合、前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)と呼ばれる。好ましい化合物では、R6=Me且つx=1である。他の好ましい化合物では、x=0でありそれ以上の変化を必要とせず、化学式(Cp)2M(OMe)2および(Cp)2M(OMe)Meに帰着する。Mがジルコニウムである場合、前駆物質は、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、および、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)と呼ばれる。また、Mがハフニウムである場合、前駆物質は、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、および、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)と呼ばれる。
【0027】
これらシクロペンタジエニル金属前駆物質の利点は、アルキルアミド前駆物質を用いる前述の従来方法と比べて比較的高温で、それらシクロペンタジエニル金属前駆物質が、例えばZrOxおよびHfOxといった、或る金属含有薄膜の堆積を可能にすることである。このことは、これら金属含有薄膜を、他の薄膜(例えば、トリメチルアルミニウムの使用によるAlOx)と共に、イン・シトゥーに堆積することを可能にする。特に、これらシクロペンタジエニル金属前駆物質は、アルキルアミド前駆物質の熱分解温度よりも高温で金属酸化物を堆積するために、酸素前駆物質(例えば、O2、O3またはH2O)を用いるALDプロセスと組み合わされることができる。
【0028】
一実施形態では、シクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質を使用して、図5に示すスタック42のような薄膜スタックが作成される。図示するスタック42は、シリコン基板44上に形成される。high−k誘電体とシリコン基板44との間の相互作用を防ぐための障壁として、シリコン44上にチタン窒化物(TiN)膜が任意で堆積されてもよい。図示するスタックは、ZrO2またはHfO2の膜48と、膜48上のAl2O3の膜50と、膜50上のZrO2またはHfO2膜52とを含む。
【0029】
図6は、Zr/Hf酸化物およびアルミニウム酸化物の膜を、実質的に同じ温度でイン・シトゥーに堆積する方法の実施形態を示す。この方法は、例えば、図5に示すスタック42の膜48、膜50、および膜52を形成するために使用することができる。初めに、少なくとも1つの基板が、堆積チャンバ内へ挿入される(ステップ54)。堆積チャンバは、好ましくは複数の基板を処理するように構成されているが、代わりに、枚葉式の反応チャンバであってもよい。初めに、図5に示されるTiN膜46のような1つ以上の膜が堆積されることができる。次に、シクロペンタジエニル前駆物質を用いるALDプロセスの複数のサイクルによって、ZrOxまたはHfOx(図5に示す実施形態では、ZrO2またはHfO2)が、基板上に堆積される(ステップ56)。例えば、ZrOxは、オゾン(あるいは他の適切な酸素前駆物質)と、(MeCp)2Zr(OMe)2または(MeCp)2Zr(OMe)Meの何れかとをパルス的に導入することにより形成されることができる。さらに、HfOxは、オゾン(あるいは他の適切な酸素前駆物質)と、(MeCp)2Hf(OMe)2または(MeCp)2Hf(OMe)Meの何れかとをパルス的に導入することにより形成されることができる。このZr/Hf酸化物は、例えば、図5に示すZrO2またはHfO2の膜48を構成することができる。
【0030】
一般的には、それぞれのALDプロセスにおいて、両方の反応物質が、好ましくは中間のパージガス注入ステップあるいはチャンバ排気ステップと共に、反応チャンバ内へ交互にパルス的に導入される。この方法では、各1対の反応物質パルスは1つのサイクルを構成するので、任意数のサイクルを実行することができる。もちろん、3つ以上の反応物質パルスがそれぞれのサイクル中に存在してもよく、すべての反応物質が、薄膜状に残される要素に対する前駆物質としての機能を果たす必要があるとは限らない。例えば、或る場合には、反応物質は、例えば配位子ゲッタリング、ヒドロキシル化、あるいは還元等によって、後続の前駆物質パルスのために、表面を単に調製してもよい。いくつかの好ましい実施形態では、薄膜の目標厚さは、等価酸化膜厚(EOT)と漏れ電流の要件とに基づく。例えば、45nmノードのDRAM素子に対しては、6〜7ÅのEOTが好まれる。
【0031】
引き続き図6を参照すると、次に、好ましくはALDプロセスの複数のサイクルによって、AlOx(図5に示す実施形態では、Al2O3)が、堆積チャンバ内の温度を変更することなく、基板上に堆積される(ステップ58)。例えば、AlOxは、オゾン(あるいは他の適切な酸素前駆物質)とTMAとを交互にパルス的に導入することにより形成されることができる。そのAlOxは、例えば、図5に示す膜50を構成することができる。有利なことに、前述のシクロペンタジエニル前駆物質は、ステップ56において、ステップ58のAlOx堆積と実質的に同じ温度(例えば約300℃)で、Zr/Hf酸化物の堆積を可能にする。次に、好ましくは、シクロペンタジエニル前駆物質を用いるALDプロセスの複数のサイクルによって、ZrOxまたはHfOx(図5に示す実施形態では、ZrO2またはHfO2)が、堆積チャンバ内の温度を変更することなく、基板上にさらに追加で堆積される(ステップ60)。ステップ56で使用される同じ前駆物質が、ステップ60に対して使用されることができる。このZr/Hf酸化物は、例えば図5に示す膜52を構成することができる。最後に、基板が堆積チャンバから取り出される(ステップ62)。上記したように、これら堆積ステップは、前述の堆積ステップを行う間にチャンバから基板を取り出すことなしに、イン・シトゥーに行われる。Zr/Hf酸化物薄膜およびアルミニウム酸化物薄膜の両方を、同一の反応チャンバ内で堆積することによって、Zr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物との間の望ましくない界面の形成を避けることが可能である。一方のリアクタの排除は費用を低減する。さらに、中間の基板移送ステップの排除は、プロセス・ロジスティックを単純化し、基板のスループットを増大させる。そのうえ、温度の変更に付随して、複数の異なる膜のイン・シトゥー堆積により生じるCTEの不一致の問題を回避することにより、等温プロセスが純度を維持する。
【0032】
バッチ式リアクタ
上記したように、バッチ式リアクタ内において、例えば半導体ウェハ等の複数の基板上に、Zr/Hf酸化物薄膜およびアルミニウム酸化物薄膜のイン・シトゥー堆積が好んで行われる。いくつかの例示的なバッチ式リアクタを次に記述する。
【0033】
好ましくは、バッチ式リアクタは、コントローラに接続されたバルブを備え、コントローラは、時間的に分離されたパルスにおいて、1つ以上の反応物質を伝えるように設定またはプログラムされている。また、バッチ式リアクタは、好ましくは、垂直に伸びる反応チャンバを備え、反応チャンバは、基板の主たる面が水平に沿った状態で、互いに垂直に離隔された複数の基板を収容する。反応チャンバは、好ましくは少なくとも25枚の基板、より好ましくは、少なくとも50枚の基板を収容する。
【0034】
図7は、互いに垂直に離隔された基板140を収容し、効率的な加熱および挿入シーケンスのための利点を有する垂直炉リアクタ110を概略的に示す。炉110は、好ましくは100〜125枚の基板を支持するように適合される。適切な垂直炉の例は、オランダ国Bilthovenのエーエスエム インターナショナル エヌ.ヴェー.から市販されているA400TMおよびA412TM垂直炉である。垂直炉型のリアクタは、効率的な加熱および挿入シーケンスのための利点を有する。好ましい実施形態は、垂直型のバッチ式炉に関連して示されているが、本明細書に開示された原理および利点が、他のタイプのリアクタへの用途を有するであろうことが理解されるであろう。例えば、図示するリアクタは、垂直に離隔して基板を保持している状態で示されているが、本明細書に記述した方法は、水平に離隔して基板を保持するバッチ式リアクタに対して適用することができる。
【0035】
引き続き図7を参照すると、チューブ112は、反応チャンバ120の領域を、垂直炉またはリアクタ110の内部に画定する。チューブ112の下端はフランジ190で終端され、それは、下部支持表面114との接触によって、チャンバ120を機械的に密閉する。プロセスガスは、チャンバ120の上端のガス吸気口122を通じて、反応チャンバ120内へ供給されることができ、チャンバ120の底部のガス排気口124を通じて、チャンバ120から排気されることができる。反応チャンバ120は、垂直に間隔が空けられた基板またはウェハ140のスタックを保持しているウェハボート130を収容する。
【0036】
プロセスチューブフランジ190は、その表面上でのプロセスガスの結露を回避するために、高温に維持することができる。その高温は、プロセスに応じて変化することができ、好ましくは、プロセスガスの特性に基づいて選ばれることが認識されるであろう。上記したように、或る実施形態では、プロセスガスは、O3と、TMAと、(MeCp)2Zr(OMe)2、(MeCp)2Zr(OMe)Me、(MeCp)2Hf(OMe)2、および(MeCp)2Hf(OMe)Meの少なくとも1つとである。例えば、フランジ190のその高温は、好ましくは120℃よりも高く、好ましくは約180〜200℃である。フランジ190の温度の調整は、フランジ190に電気的なヒータおよび水冷システムを備えることにより達成することができる。水冷システムは、主として、熱を持ったウェハ140のバッチを取り出す間の、フランジ190のオーバヒートを回避するために要求される。
【0037】
反応チャンバ120(図7)へ反応物質または前駆物質を供給するために、様々なシステムを使用することができる。例えば、前駆物質が標準状態下のガスである場合、ガスソースからチャンバ120へ前駆物質を直接的にフローすることができる。当該技術分野において知られているように、ガスフローのタイミングおよびレートは、例えばバルブとマスフロー・コントローラとによって制御することができる。
【0038】
前述した4つのシクロペンタジエニル前駆物質である、(MeCp)2Zr(OMe)2、(MeCp)2Zr(OMe)Me、(MeCp)2Hf(OMe)2、および(MeCp)2Hf(OMe)Meのそれぞれは、液体として格納される。TMAもまた液体として格納される。これらおよび他の液状の前駆物質ソースに対して、例えばバブラー等の蒸発器を使用して、チャンバ120へ前駆物質をガス形態で供給することができる。そのような前駆物質フローのタイミングおよびレートは、バブラー内の液体を通じてキャリアガスのフローを制御し、且つ、液体の温度を制御することにより調整することができる。温度の増大につれて、キャリアガスによって運ばれる液状の前駆物質の量が増大することが認識されるであろう。
【0039】
図8は、液状の前駆物質からの蒸気の供給を制御するための別の例示的なシステムを概略的に示す。液状の前駆物質はコンテナ150に格納される。蒸発器または気化器160内への液体のフローを調整することで、リアクタ110内への前駆物質フローの量を調整するために、液体のフロー制御が使用される。気化した後に、図8の上部セクションに示された、バルブ180を備えるバルブシステム170を使用して、1つの前駆物質の十分に分離されたパルスを生成し、且つ、反応チャンバ120内へフローすることができる。好ましくは、バルブシステム170のバルブ180は、高温で操作され、最小限の利用できない空所を持つか、あるいは利用できない空所を持たず、異なる反応物質フロー間の良好な分離を提供する。そのようなバルブシステムは、米国特許出願公開番号第 US2004/0250853 A1号において、より詳細に記述されている。
【0040】
上記したように、プロセスガスは、様々な方法でチャンバ20へ導入することができる。例えば、図7に示されたリアクタでは、すべてのガスが、上端の吸気口122を通じて、上端にあるリアクタ110の内部120へ導入され、また、排気口124を通じて、リアクタ110の底部において排気される。他の実施形態では、プロセスガスをリアクタ内へ導入するためのマルチホール・インジェクタを使用することにより、プロセスガスのより一様な配分が、チューブの長さにわたって達成されることができる。適切なマルチホール・インジェクタは、米国特許第6,746,240号および、米国特許出願公開番号第 US2003/0111013 A1号に開示されている。あるいは、より省スペース且つ円筒状のマルチホール・インジェクタを使用することができる。そのようなインジェクタは、例えば約25mmの直径を有し、約1mmの直径の複数のホールを備えることができる。いくつかの実施形態では、マルチホール・インジェクタは、反応チャンバ120の下端において、フランジ190の直上あるいは真下に取り付けられ、上方を向いている。
【0041】
しかしながら、チャンバ120の高さよりも上方に伸びる唯一の部分であるインジェクタによって、反応チャンバ120の上端部が効率的にパージされない場合があるので、好ましくは、マルチホール・インジェクタは、パージガスを導入するためには使用されない。好ましくは、パージガスは、排気端の反対にあるチャンバ端においてチャンバ120内へ導入され、その結果、パージガスは、導入後および排気される前に、反応チャンバ120内のすべての領域中をフローする。
【0042】
図9は別の例示的なバッチ式リアクタを示す。この設計では、プロセスチューブ200は上端で閉じている。この設計の利点は、プロセスチューブ200の構造がより簡単となり、また、ガスの気密性、および上端の吸気口122(図7)の熱的なアイソレーションに関する問題を回避することができる。この構成におけるすべてのガスは、ガスインジェクタ210を通じて導入され、それら2つが図示されている。好ましくは、ALDプロセス中のそれぞれの反応物質に対して、個別のインジェクタ210が使用される。Zr/Hf酸化物の堆積の場合、Zr/Hf前駆物質の蒸気(前述の4つのシクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質のうちの1つ)に対して、1つのインジェクタ210を使用することができ、また、酸素前駆物質の蒸気(例えばO3)に対して、別のインジェクタ210を使用することができる。アルミニウム前駆物質の蒸気(例えばTMA)のために、追加のインジェクタ210を備えてもよい。Zr/Hf酸化物およびアルミニウム酸化物のイン・シトゥー堆積のために設計されたプロセスチューブ200が、複数の堆積ステップに対して、1つは適切なシクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質のための、1つはTMAのための、そして1つは酸素前駆物質のための、ちょうど3つのインジェクタ210を備えることができることが理解されるであろう。これらインジェクタ210は、好ましくは、チューブ200の高さを越えて分配された複数のホールを備えるマルチホール・ガスインジェクタである。インジェクタ210は、それぞれが基板に対して実質的に垂直に配置されてもよい。それぞれのインジェクタ210は、基板が配置された長さの大部分に沿って伸びてもよい。プロセスガスがチューブ200から排出されるために、排気口124が、好ましくはチューブ200の底部において備えられる。
【0043】
追加のインジェクタを、パージガス、好ましくは窒素ガス等の不活性ガス用に使用することができる。パージガス用のインジェクタは、好ましくは、上端に開口端を備え、且つ、その側壁内にガス放出ホールを備えないチューブであり、その結果、すべてのパージガスが反応チャンバ220の上端で放出される。
【0044】
図10は、垂直に伸びる3つのインジェクタ210a、210b、および210cを備えるリアクタ110を示す。インジェクタ210a、210b、および210cのそれぞれは、1つ以上のガス供給路へ接続するための吸気口240a、240b、および240cをそれぞれ備える。インジェクタ210bは、その上端212が開口し、パージガスが、リアクタ110を通じて下方へフローし、且つ、リアクタ110の底部の排気口124から排気することを可能にする。他の実施形態では、排気口124が反応チャンバ220の上端にあってもよく、パージガスが、反応チャンバ220の底部から放出されてもよい。有利なことに、インジェクタは、反応チャンバ内へのガス分布の一様性を改善することができるようなマルチホール・ガスインジェクタであり、それにより、堆積結果物の一様性を改善する。
【0045】
図11〜図13は、商品名AdvanceR412TMまたはA412TMの下で、オランダ国Bilthovenのエーエスエム インターナショナル エヌ.ヴェー.から市販もされている例示的なバッチ式リアクタの別のバージョンを示す。図11は、ガスインジェクタを備える細長い炉の概略的な側面断面図である。プロセスチューブまたはチャンバ526は、好ましくは発熱体(図示せず)に囲まれる。反応スペース529の外周部の限界を定めるライナー528は、好ましくはプロセスチャンバ526の内部に備えられる。好ましくは、プロセスチャンバ526の底部において、ウェハロード550を、ドア530によりプロセスチャンバ526内に挿入してもよく、またはチャンバ526から取り出してもよい。前駆物質ソースガスは、ガスインジェクタ540を通じて、好ましくはガス供給ダクト544を介して注入される。ガスインジェクタ540は、ホール548のパターンを備えて供給され、好ましくは、実質的にウェハロード550の高さ以上に伸びる。ガスは最初に、ガスインジェクタ540の複数のホール548から反応スペース529へ導入されるので、例えばガスインジェクタ540のような、ガスが移動するガス供給装置の内部は、反応スペース529の一部ではなく、ある意味、反応スペース529の外部であることに注意されたい。その結果、反応スペース529は、例えばガスインジェクタ540のようなガス供給装置によって占められていた容積以外に、プロセスチャンバ526の内部の容積を含む。チャンバ526のさらなる詳細は、米国特許出願公開番号第 US2003/0111013 A1号に開示されている。
【0046】
好ましい実施形態では、プロセスチャンバ526の内部では、ガスは一般に上向きの方向552にフローされ、その後、プロセスチャンバ526とライナー528との間の排気スペース554を通じて、反応スペース529から除去される。ここでは、ガスは、ポンプ(図示せず)へ接続可能な排気口558へ、下向きの方向556にフローされる。ガスインジェクタ540は、好ましくは、反応スペース529の高さ全体にわたって、プロセスチャンバ526の内部にプロセスガスを分配する。ダクト544に接近したホール548は、ダクト544から離れたホール548と比較して、反応スペース内により多くのガスを吹き込む傾向があるので、ガスインジェクタ540は、それ自体がガスフローを制限するものとして作用する。好ましくは、ホール548を通じたガスフローの差に関するこの傾向は、ホール548がダクト544から離れて配置されるに従って、ホール548間の距離を縮小する(即ち、ホール548の密度を増大させる)ことにより、ある程度は補償することができる。他の実施形態では、複数のホール548を構成する個々のホールのサイズを、ダクト544からの距離が増大するにつれて増大させてもよく、あるいは、複数のホール548全体のサイズを増大させてもよく、またさらに、ホール548間の距離を、ダクト544からの距離が増大するにつれて縮小させてもよい。しかしながら、都合良いことに、好ましい実施形態は、ホール548を備えるガスインジェクタ540の側面の表面エリアを最小限にするために、一定のサイズのホール548でを有しているとして説明される。
【0047】
一般に、反応速度は圧力が増大するにつれて増大するので、インジェクタ540は、ガスインジェクタ内部の圧力を低減して、インジェクタ内の気相反応の減少に帰着するように、都合良く設計される。そのような低減された圧力はまた、ガスインジェクタ540の高さ全体にわたって不十分なガス分布を導く場合があるので、インジェクタ540の高さ全域にわたるホール548の分布は、ガス分布の一様性を改善するために選択される。
【0048】
図12は、図11に示すガスインジェクタ540の一実施形態を示す。ガスインジェクタ540は、好ましくは2つのガスインジェクタ部541および542を備え、好ましくは、それぞれが個別のガス供給ダクト接続部545および546を備える。第1の部分541は、反応スペース529(図11)の下部の容積にガスを吹き込み、第2の部分542は、反応スペース529の上部の容積にガスを吹き込む。部分541および542は、リンク549および551によって接続される。その上端において、ガスインジェクタ540にはフック553が備えられることができ、ガスインジェクタ540の上端をチャンバ526(図11)内部のフック支持部へ固定する。
【0049】
ガスインジェクタ540には、実質的にウェハロード550の高さ560(図11)全体に伸びるホール548のパターンが供給される。ホールの総断面積は、好ましくは少なくとも約30mm2である。それぞれのホール548の直径は、好ましくは約1mm以上、より好ましくは約2.5mm〜3.5mmの間であり、一実施形態では約3mmである。図12に示す実施形態では、ガスインジェクタ540は、総計約282mm2のホール断面積のために、合計40個のホール548を備える。より一般的には、ホール548の総断面積は、好ましくは約30mm2以上であり、より好ましくは約196mm2〜385mm2の間である。
【0050】
有利なことに、2つのガスインジェクタ部541および542の使用は、さらなるチューニングの実現を可能にする。反応スペース529内へのガスフローを微調整するために、異なるガスインジェクタ部541および542に対して供給されるフローを、違った風に選択することができる。これは、ウェハロード550(図11)の高さ560にわたって、前駆物質の堆積速度の一様性を改善するであろう。
【0051】
当該技術に熟練している者は、このプロセスのパフォーマンスを改善するために、バッチ式リアクタへの、あるいは、当該技術分野において公知であるバッチ式リアクタを操作する方法へのさらなる変更を適用することが可能であることを認識するであろう。例えば、ホルダボートまたはリングボート(即ち、ボートに挿入された個別のウェハホルダあるいはリング形のホルダによって、それぞれのウェハが個別に支持されるウェハボート)を使用することができる。
【0052】
図13は、堆積チャンバ608の温度とチャンバ608を通じたガスフローとを制御するために構成される堆積制御システム600を備える堆積装置の実施形態を示す。その装置は、複数の反応物質ソース602(例えば、上に記述したもの)と、バルブシステム604と、チャンバ608内へガスを供給するためのガスフローネットワーク606(例えば、パイプおよびインジェクタ)と、チャンバ608を加熱するための1つ以上の発熱体610と、コントローラ612とを含む。バルブシステム604は、好ましくは、それぞれの反応物質ソース602に対して少なくとも1つの個別のバルブを備え、ネットワーク606を通じたその特定の反応物質のガスフローを制御する。好ましくは、ガスフローネットワーク606は、それぞれのALD反応物質に対して、チャンバ608内への個別のフローパスを維持する。同じく、キャリアガスのソースおよびパージガスのソース(いくつかの実施形態では、それらは同じガスであってもよい)と、関連するバルブとを備えることができる。チャンバ608は、上記したバッチ式リアクタのうちの1つであってもよい。あるいは、チャンバ608は、枚葉式のリアクタであってもよい。例えば、米国特許出願公開番号第 US2008/0081112 A1号に開示されているように、発熱体610は、抵抗型ヒータまたは放射熱ランプ、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。
【0053】
上に記述されるように、コントローラ612は、好ましいプロセスレシピに従って、反応物質ガスと、パージガスと、キャリアガスとをチャンバ608内へ供給するバルブシステム604を制御するために、好ましく設定される。コントローラ612はまた、温度を測定する温度センサーからのフィードバックと関連して、チャンバ608の内部を所望の温度に設定するための発熱体610への出力を制御するために、好ましく設定される。プロセスを実行する間、コントローラ612は、発熱体610に対する出力を調整するために好ましく設定されて、チャンバ608内の基板を所望の温度に維持する。従って、コントローラ612は、好ましくは、堆積制御システム600が、バルブシステム604およびチャンバ608内の温度を制御することを可能にする。堆積制御システム600は、イン・シトゥー堆積ステップの全体にわたって、チャンバ温度を、好ましくは約25℃以内、より好ましくは約10℃以内、さらに好ましくは約5℃以内の温度差に維持しながら、所与のプロセスレシピ(上に記述された複数のイン・シトゥーALDプロセスを含む)の反応物質蒸気を、チャンバへ供給するようにプログラムされることができる。堆積制御システム600はまた、約300〜500℃以内のチャンバ温度で、複数のイン・シトゥーALDステップを実行するようにプログラムされてもよい。そのうえ、300〜350℃の温度領域は、上に記述された反応に関して特に重要である。
【0054】
実施例
以下に、バッチ式反応チャンバ内の複数の半導体上に、本明細書においてZAZとも呼ばれるZrOx/AlOx/ZrOxスタックをイン・シトゥーに堆積する一例におけるプロセス条件を提示する。第1の膜は、32Åの目標厚さを有するZrOx薄膜である。第2の膜は、3〜4Åの目標厚さを有するAlOx薄膜(例えばAl2O3)である。第3の膜は、32Åの目標厚さを有するもう一つのZrOx薄膜である。パルス的なALD堆積のために、反応チャンバ内の温度は約300℃に設定され、圧力は約200mTorrに設定される。ジルコニウム前駆物質は(MeCp)2Zr(OMe)Meであり、アルミニウム前駆物質はTMAであり、酸素前駆物質はO3である。ジルコニウム前駆物質ソースおよびアルミニウム前駆物質ソースは液体として格納される。キャリア/パージガスはN2である。
【0055】
次のプロセスレシピに従って、3つの膜が成長される。第1のジルコニウム酸化物薄膜が、次のシーケンスの43回のサイクルを使用して成長される:オゾンパルス、パージ、ジルコニウム前駆物質パルス、およびパージ。その後、アルミニウム酸化物薄膜が、次のシーケンスの4回のサイクルを使用して成長される:オゾンパルス、パージ、TMAパルス、およびパージ。最後に、第2のジルコニウム酸化物薄膜が、次のシーケンスの43回のサイクルを使用して成長される:オゾンパルス、パージ、ジルコニウム前駆物質パルス、およびパージ。このプロセスレシピにおけるジルコニウム前駆物質のフローレートは、毎分約0.15gであり、TMAのフローレートは、毎分約0.7gである。オゾンガスは、約3slmのフローレートで注入される。N2キャリアガスのフローレートは、約1slmである。
【0056】
本発明は、或る好ましい実施形態および実施例に関連して開示されたが、当該技術に熟練している者によれば、本発明が、明細書に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態まで拡張し、且つ/あるいは、本発明と、自明な修正とその均等物との使用まで拡張することが認識されるであろう。さらに、本発明の様々な特徴は、単独で、或いは、上に明白に記述されたもの以外の本発明の他の特徴と組み合わされて使用されることができる。よって、本明細書に開示された本発明の範囲が、上に記述された本発明の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲の公正な解釈によってのみ決定されるべきであることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】ZrO2/Al2O3/ZrO2を堆積する従来方法のフローチャートである。
【図2】一実施形態に係る同一のリアクタ内の基板上に2つの薄膜をイン・シトゥーに堆積する方法を説明するフローチャートである。
【図3】シクロペンタジエニル金属前駆物質を用いて2つの薄膜をイン・シトゥーに堆積する方法を説明するさらに特定の実施形態に係るフローチャートである。
【図4】ZrOx/AlOx/ZrOxを堆積する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図5】シリコン上に形成された(ZrO2またはHfO2)/Al2O3/(ZrO2またはHfO2)/TiN薄膜の例示的なスタックを示す図である。
【図6】枚葉式リアクタ内の基板上にZr/Hf酸化物およびアルミニウム酸化物をイン・シトゥーに堆積する方法を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態において使用する例示的な炉を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態において使用する例示的な蒸気供給システムを説明する図である。
【図9】本発明の実施形態において使用する別の例示的な炉を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態において使用する付加的な例示的な炉を説明する図である。
【図11】本発明の一実施形態に従って構成されたガスインジェクタを備える細長いバッチ式プロセスチューブの概略的な側面断面図である。
【図12】図11のバッチ式プロセスチューブと共に使用するガスインジェクタの正面図である。
【図13】堆積制御システムの実施形態を概略的に説明する図である。
【技術分野】
【0001】
本出願は、概ね半導体プロセスに関し、より詳細には、金属含有膜の原子層堆積に関する。
【背景技術】
【0002】
優先権の主張
本出願は、2007年7月31日付け提出の米国仮特許出願第60/953,132号に対する優先権を主張する。
【0003】
参照による組み込み
本出願は、PCT特許出願公開番号第 WO2006/131751 A1号、米国特許出願公開番号第 US2004/0250853 A1号、米国特許第6,746,240号、米国特許出願公開番号第 US2003/0111013 A1号、米国特許出願公開番号第 US2008/0081112 A1号、および、2007年7月31日付け提出の米国仮特許出願第60/953,132号の全開示を、参照によって組込む。
【0004】
関連する従来技術の説明
リアクタと呼ばれる高温オーブンは、半導体基板上の集積回路等の、非常に微細な寸法の構造を形成するために用いられる。シリコンウェハ等の1つ以上の基板が、反応チャンバの内部の基板支持体上に載置される。基板および支持体の両方が、所望の温度に加熱される。一般的な基板処理ステップでは、加熱した基板上に反応物質ガス(前駆物質を含んでいる)が供給され、それにより、基板上に薄膜の堆積(例えば化学気相蒸着、即ちCVD)を引き起こす。一般に、CVDは、前駆物質を反応させるあるいは分解するのに十分な高温において行われ、基板上に、所望の要素を薄膜状に残す。
【0005】
通常、堆積装置は、反応チャンバ内へガスを供給するためのシステムを備える。ガス供給システムは、一般に、複数の反応物質の蒸気ソースを備え、1つのキャリアガス及び/又はパージガスソースと、反応チャンバ内へ反応物質ガスを供給するためのパイプのネットワークとを任意に備え、結局は、チャンバ内にガスを一様に吹き込むためのインジェクション・マニホールドまたはシャワーヘッドと、ガスフローを制御するための複数のバルブとを備える。また、いくつかの反応物質の蒸気ソースが、粉体または液体の形態である場合があるので、そのような反応物質を気化させるための手段(例えばバブラー)を備えることができる。
【0006】
別のタイプの堆積プロセスは、原子層堆積(ALD)である。ALDでは、2つ以上の互いに反応性の高い反応物質が、反応チャンバ内へ交互に導入される。一般に、反応物質のうちの1つは、基板表面上に吸着するであろうが、別の反応物質との反応なしでは完全には分解され得ない。第1の反応物質は基板表面を飽和させるまで吸着し、さらなる成長は、第2の反応物質が導入されるまで生じ得ない。従って、従来のCVDプロセスの場合と同様に、膜厚は、堆積時間よりもむしろ、反応物質の注入サイクル数によって制御される。CVDとは対照的に、それぞれのサイクルがわずかに、おおよそ単分子のモノレイヤーを残すので、ALDは自己制限あるいは自己飽和していると言われる。従って、ALDは、膜厚および膜の一様性の非常に正確な制御を可能にする。プラズマプロセスが、著しく低い温度を使用することができる一方、一般に、熱ALDは、200〜500℃の領域中の温度において行われる。
【0007】
一般に、ALDでは、反応チャンバは、先の工程のあらゆる過剰な反応物質ガスをチャンバから除去することを目的として、異なる反応物質ガスを注入する間に、非反応性の保護ガスがパルス的に導入される。そうでなければ、先の工程の過剰な反応物質が、パルス的に導入された後続の反応物質と混ざり合って反応し、基板表面上及び/又はチャンバの表面上に、望ましくないCVDタイプの成長を形成するであろう。
【0008】
集積回路の製作において、ジルコニウム及びハフニウムを含む物質についての多数の用途がある。そのような物質は、ジルコニウム酸化物(ZrOx、例えばZrO2)、ハフニウム酸化物(HfOx、例えばHfO2)、ジルコニウムシリケート(ZrSixOy)、ハフニウムシリケート(HfSixOy)、ジルコニウム窒化物(ZrN)、およびハフニウム窒化物(HfN)を含む。例示的な用途は、コンデンサ及びトランジスタ等の電気素子における誘電体としての使用を含む。本明細書において使用する「Zr/Hf」は、ジルコニウム及び/又はハフニウムを意味し、「Zr/Hf酸化物」は、ジルコニウム酸化物及び/又はハフニウム酸化物を意味する。
【0009】
しかしながら、Zr/Hf酸化物の特性は、プロセス及び堆積のパラメータに緊密に依存する。従って、特定の用途について堆積されたZr/Hf酸化物の適合性および望ましさは、例えば、一様な厚さ、構成、結晶化度、および、高誘電率等の電気的特性といった所望の特性に、Zr/Hf酸化物を形成することができる堆積プロセスの有用性に依存し得る。その結果、新しいZr/Hf堆積プロセスの開発に至る研究が進行中である。最近、45nmのDRAM素子に対して、TiN/ZrO2/Al2O3/ZrO2/TiN誘電体膜が適用可能なことが、成功裡に実証された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
一態様では、本出願は、堆積チャンバの内部で、異なる物質の複数の膜を連続的なプロセスで堆積する方法を開示する。基板が堆積チャンバ内に提供される。第1の原子層堆積(ALD)プロセスの複数のサイクルが連続して実行され、前記堆積チャンバ内の前記基板上に、第1の物質の膜が堆積される。これら第1のサイクルは、シクロペンタジエニル金属前駆物質をパルス的に導入することを含む。第2のALDプロセスの複数のサイクルが連続して実行され、前記堆積チャンバ内の前記第1の物質の膜上に、第2の物質の膜が堆積される。前記第2の物質は、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む。
【0011】
別の態様では、本出願は、プロセスチャンバと、シクロペンタジエニル金属前駆物質ソースと、酸素前駆物質ソースと、アルミニウム前駆物質ソースと、堆積制御システムとを備える装置を開示する。前記プロセスチャンバは、複数の基板を収容するように構成される。前記シクロペンタジエニル金属前駆物質ソースは、前記チャンバに接続され、シクロペンタジエニル金属前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する。前記酸素前駆物質ソースは、前記チャンバに接続され、酸素前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する。前記アルミニウム前駆物質ソースは、前記チャンバに接続され、アルミニウム前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する。前記堆積制御システムは、前記チャンバ内で、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質および前記酸素前駆物質からの金属酸化物のALDを実行するように構成される。さらに、前記堆積制御システムは、前記チャンバ内で、前記アルミニウム前駆物質および前記酸素前駆物質からのアルミニウム酸化物のALDを実行するように構成される。
【0012】
本出願と先行技術に対して達成された利点とを要約する目的のために、特定の目的および利点が上に記述された。もちろん、必ずしも、そのような目的又は利点のすべてが、本発明の特定の実施形態の何れに従っても達成されるという訳ではないことが理解されるべきである。従って、例えば、当該技術に熟練している者は、本明細書に教示された1つの利点又は一群の利点を達成又は最適化する方法で、本明細書に教示又は示唆されている可能性がある他の目的又は利点を必ずしも達成することなく、本発明が具体化又は実施され得ることを認識するであろう。
【0013】
これらの実施形態はすべて、本発明の範囲内に在ることが意図されている。本発明は、本明細書に開示された如何なる特定の好ましい実施形態にも限定される訳ではないが、当該技術に熟練している者には、本発明のこれら及び他の実施形態は、添付の図面を参照する以下の発明を実施するための最良の形態から、容易に明白になるであろう。
【0014】
特許請求の範囲に記載の方法および装置は、例示を意図し、かつ本発明を制限することを意図しない、発明を実施するための最良の形態と添付の図面とから、より一層理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
概略
高誘電率(k)のジルコニウム酸化物(ZrOx)薄膜は、バッチ式システム内において、複数のアルキルアミド前駆物質を用いて堆積することができる。これら前駆物質の熱分解は、一般的には、プロセス温度を約250℃未満に制限する。ハフニウム酸化物(HfOx)の堆積についても同じことが言える。低温堆積は、敏感な集積回路基板のサーマルバジェットを保持することができるので、しばしばALDの利点と考えられる。その一方、絶縁膜の品質を最適化するために、一般に、アルミニウム酸化物(AlOx、例えばAl2O3)を高温(350℃といった、例えば300℃よりも高い温度)で堆積することが好ましい。Zr/Hf酸化物の堆積とアルミニウム酸化物の堆積とが、異なる温度で、特にALDによって従来通りに行われてきたので、同一のリアクタ内で同じ温度で、ZrOx/AlOx/ZrOx(ZAZ)のような、Zr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物とを含むスタックを、イン・シトゥーに作成することができない。
【0016】
例えば、ZAZスタックを堆積する一方法が、図1に示される。ステップ10では、第1のリアクタであるリアクタ1内において、ジルコニウム酸化物が1つ以上の基板上に形成される。一般的には、薄膜は、例えばテトラエチル・メチルアミノ・ジルコニウム(TEMAZ)といった、アルキルアミド前駆物質と、例えばO3、O2またはH2Oといった、酸素前駆物質とを用いるALDによって形成される。アルキルアミド前駆物質が高温(例えば、250℃よりも高い温度)で分解するので、ステップ10を行う間のリアクタ1内の温度は、熱分解温度以下に維持されるべきである。例えば、ステップ10を行う間のリアクタ1の温度は、一般に250℃未満であり、例えば240℃である。例えば、ジルコニウム酸化物薄膜が形成された後、基板は、後続のステップ14において、トリメチルアルミニウム(TMA)前駆物質と酸素前駆物質(O3、O2またはH2O)とを用いるALDによって、アルミニウム酸化物を堆積するために、第2のリアクタであるリアクタ2へ移送される(ステップ12)。一旦アルミニウム酸化物が形成されれば、基板は、後続のステップ18において、例えば240℃の低温で再び、ジルコニウム酸化物をさらに堆積するために、リアクタ1へ戻され、あるいは第3のリアクタ3に移送され得る(ステップ16)。
【0017】
このように、図1のプロセスを使用するZrOx及びAlOxの隣接層の堆積は、ジルコニウム酸化物堆積用のリアクタと、アルミニウム酸化物堆積用のリアクタとの2つのリアクタの使用を必要とする。このプロセスを使用するHfOx及びAlOxの隣接層の堆積はまた、2つのリアクタの使用を必要とし、それらリアクタの内部において、HfOxの堆積は、例えばハフニウムメチルエチルアミド(Hf(NEtMe)4)および酸素等の前駆物質と、Hf(NEtMe)4前駆物質の熱分解温度未満の温度でのALDとを一般的に使用する。
【0018】
両方の膜を同一のリアクタ内において異なる温度で堆積することとは対照的に、図1において、Zr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物とが個別のリアクタ内において堆積される1つの理由は、異なる温度に維持された別のチャンバへ1つ以上の基板を移送する時間よりも、チャンバ(特にバッチ式リアクタについて)内全体の温度を変更して安定化するのを待つ時間の方が、より長くかかるためである。従来のZr/Hf酸化物の堆積に使用される比較的低い温度では、放射による熱輸送は制限されている。伝導による熱輸送もまた、低い圧力下のバッチ式炉内の基板のスタックに対しては、あまり効率的ではない。その結果、温度はゆっくりと安定化し、多くの場合、元のチャンバ内の温度を変更するよりも、別のチャンバへ基板を移送する方が、より少ない時間を消費する。そのうえ、温度ランピングの時間が抑止的ではなかったとしても、同一のバッチ式リアクタ内で複数の異なる物質を堆積することは、リアクタ部品および基板上のコーティングについての異なる熱膨脹係数(CTE)に帰着し、このことは、その後、堆積と堆積との間に温度が変更される際に、フレーキングを導く可能性がある。
【0019】
これら従来方法では、2つの個別のリアクタ間で基板を移送するニーズは、巨額の装置費用とより複雑なプロセスとを必要とし、より低いスループットに帰着する。そのうえ、Zr/Hf酸化物薄膜が堆積された基板を、Zr/Hf酸化物堆積用のリアクタからアルミニウム酸化物堆積用のリアクタへ移送する間、Zr/Hf酸化物は大気にさらされるようになり、このことは、誘電性のスタック内部に望ましくない汚染を導く可能性があった。上記において議論されたような、異なるリアクタ内での薄膜の堆積に関連する不利益を回避するために、本発明の実施形態は、同一のリアクタ内において、複数の異なるALD薄膜(例えば、ZAZスタック、またはHfOx/AlOx/HfOxスタック)を、実質的に同じ温度で堆積する方法を含む。
【0020】
Heysらの、最近のPCT特許出願公開番号第 WO2006/131751 A1号(「Heys文献」)は、或るシクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質が、高温(例えば、300〜500℃の間)において、良好な一様性でZr/Hf酸化物薄膜の堆積を可能にすることを認めている。一般に、アルミニウム酸化物薄膜の成長は、絶縁膜の品質を最適化するために、約300℃よりも高い温度で、TMAと酸素とを用いて実行される。都合良く、シクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質を用いた高温でのZr/Hf酸化物の堆積は、従来のアルミニウム酸化物の堆積と互換性を有する。言いかえれば、シクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質が高温でZrOx薄膜またはHfOx薄膜を堆積する能力は、Zr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物とを、実質的に同じ温度でイン・シトゥーに堆積することを可能にする。その結果、本発明の実施形態は、枚葉式リアクタ内において、1つ以上の基板上にZr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物とのイン・シトゥー堆積を達成するために、シクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質(高温での堆積に使用される)と後続のALDプロセスとを組み合わせる。
【0021】
より一般的には、本出願は、同一の堆積チャンバ内において、2つの薄膜をALDによってイン・シトゥーに堆積することを開示する。図2を参照すると、少なくとも1つの基板が、堆積チャンバ内(好ましくはバッチ式リアクタだが、枚葉式の反応チャンバも同様に利用可能である)へ挿入されることができ(ステップ20)、次に、第1のALDプロセスの複数のサイクルによって、第1の薄膜が基板上に堆積されることができる(ステップ22)。続いて、同一の堆積チャンバ内において、第2のALDプロセスの複数のサイクルによって、第2の薄膜が基板上に堆積されることができる(ステップ24)。最後に、基板が堆積チャンバから取り出される(ステップ26)。
【0022】
本明細書において、「基板」は、その通常の意味で使用され、物質が堆積又は適用される任意の表面を含む。好ましい基板は、業界基準の200mm及び300mmウェハを含む、様々なサイズのシリコンウェハ等の半導体ウェハを含む。しかしながら、基板は、これらに限定されないが、金属、シリコン、ゲルマニウム、プラスチック、及び/又はガラス、好ましくはシリコン化合物(Si−O−C−H低誘電率膜を含む)およびシリコン合金を含む、事実上任意の物質で製造されることができる。さらに基板は、部分的に製作された集積回路内におけるように、例えばトレンチ又は段差等の物理的構造をその内部に備えることもできる。
【0023】
本出願は、或る実施形態において、シクロペンタジエニル金属前駆物質を用いる第1の物質のイン・シトゥーALDと、異なる金属を用いる第2の物質のALDとについての実現可能な方法を開示する。図3は実施形態を示す。初めに、少なくとも1つの基板が、リアクタの堆積チャンバ内へ挿入される(ステップ28)。リアクタは好ましくはバッチ式リアクタであるが、代わりに、枚葉式の反応チャンバ内においてプロセスが行われてもよい。次に、シクロペンタジエニル金属前駆物質を用いるALDプロセスの複数のサイクルによって、第1の物質が基板上に堆積される(ステップ30)。その後、本ステップ32と前述の堆積するステップ30との間で、堆積チャンバから基板を取り出すことなしに、同一のチャンバ内において、第2の物質が基板上に堆積される(ステップ32)。第2の物質は、シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む。その後、基板が堆積チャンバから取り出される(ステップ34)。第1のALDプロセス(ステップ30)のサイクルは、第1の平均温度で行われ、また、第2のALDプロセス(ステップ32)のサイクルは、第2の平均温度で行われる。第1の平均温度と第2の平均温度との差は、好ましくは約25℃以内、より好ましくは約10℃以内、さらに好ましくは約5℃以内である。
【0024】
そのようなプロセスは、半導体プロセスにおいて、特に酸化物の、2つ以上の薄膜のスタックを堆積するのに有用である。例えば、米国特許第6,660,660号は、アルミニウム酸化物または希土類の酸化物のような、隣接するhigh−k誘電体層と「中間層」とを含む薄膜のスタックを、ALDによって堆積することを教示する。そのようなスタックの例は、AlOx/high−k膜/AlOxと、希土類酸化物/high−k膜/希土類酸化物とを含む。もう一つの例は、本明細書の別の箇所に記載されたZAZスタックである。
【0025】
上記したように、本出願は、或る実施形態において、枚葉式リアクタ内の1つ以上の基板上に、ジルコニウムおよびハフニウムを含む物質(例えば、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、ジルコニウムシリケート、ハフニウムシリケート、ジルコニウム窒化物、およびハフニウム窒化物)と、アルミニウムを含む物質(例えばアルミニウム酸化物)とを、好ましくは実質的に同じ温度で、イン・シトゥーに堆積するための、実現可能な方法を提供する。例えば、図4は、ZAZスタックを堆積する方法の一実施形態を示す。初めに、少なくとも1つの基板が、リアクタのチャンバ内に挿入される。リアクタは好ましくはバッチ式リアクタであるが、代わりに、枚葉式の反応チャンバ内においてプロセスが行われてもよい。ステップ36では、ZrOx薄膜(例えばZrO2)が、例えば約300℃の所定の温度で、リアクタ内の基板上に、ALDによって堆積される。ステップ38では、AlOx薄膜(例えばAl2O3)が、実質的に同じ温度で、リアクタ内の基板上のZrOx薄膜上に直接的に、ALDによって堆積される。ステップ40では、第2のZrOx薄膜(例えばZrO2)が、実質的に同じ温度で、リアクタ内の基板上のAlOx薄膜上に直接的に、ALDによって堆積される。当該技術に熟練している者は、HfOx/AlOx/HfOxスタックの堆積に代えて、この方法を使用することができることを認識するであろう。
【0026】
Heys文献によって認められているように、或るシクロペンタジエニル金属前駆物質は、比較的高温でジルコニウムおよびハフニウムを含む物質の堆積を可能にする。いくつかのシクロペンタジエニル金属前駆物質は、化学式(R6xCp2MR4OR5)を有する。ここで、Cpはシクロペンタジエニル配位子を表し、R4はアルキル基およびアルコキシ基から選択され、R5はアルキル基であり、xは0または1〜5の整数であり、R6は、Cp配位子の、アルキル基、アルコキシ基、またはアミド基いずれか1つの置換基であり(それぞれのR6基は独立して選択されることができる)、そしてMは金属である。好ましくは、R4およびR5配位子は、1〜4つの炭素原子を有し、とりわけ1つまたは2つの、理想的には1つの炭素原子を有する。R6は、好ましくはH、あるいは、1つまたは2つの炭素原子を有するアルキル基であり、特にメチル基である。R4がアルコキシド基である或る特定の前駆物質は、化学式(MeCp)2M(OMe)2を有する。ここで、Meはメチル基であり、Cpはシクロペンタジエニル基であり、OMeはメトキシ基であり、そしてMは金属である。Mがハフニウムである場合、前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)と呼ばれる。また、Mがジルコニウムである場合、前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)と呼ばれる。もう一つの前駆物質は、化学式(MeCp)2M(OMe)Meを有する。Mがハフニウムである場合、前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)と呼ばれる。また、Mがジルコニウムである場合、前駆物質は、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)と呼ばれる。好ましい化合物では、R6=Me且つx=1である。他の好ましい化合物では、x=0でありそれ以上の変化を必要とせず、化学式(Cp)2M(OMe)2および(Cp)2M(OMe)Meに帰着する。Mがジルコニウムである場合、前駆物質は、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、および、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)と呼ばれる。また、Mがハフニウムである場合、前駆物質は、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、および、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)と呼ばれる。
【0027】
これらシクロペンタジエニル金属前駆物質の利点は、アルキルアミド前駆物質を用いる前述の従来方法と比べて比較的高温で、それらシクロペンタジエニル金属前駆物質が、例えばZrOxおよびHfOxといった、或る金属含有薄膜の堆積を可能にすることである。このことは、これら金属含有薄膜を、他の薄膜(例えば、トリメチルアルミニウムの使用によるAlOx)と共に、イン・シトゥーに堆積することを可能にする。特に、これらシクロペンタジエニル金属前駆物質は、アルキルアミド前駆物質の熱分解温度よりも高温で金属酸化物を堆積するために、酸素前駆物質(例えば、O2、O3またはH2O)を用いるALDプロセスと組み合わされることができる。
【0028】
一実施形態では、シクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質を使用して、図5に示すスタック42のような薄膜スタックが作成される。図示するスタック42は、シリコン基板44上に形成される。high−k誘電体とシリコン基板44との間の相互作用を防ぐための障壁として、シリコン44上にチタン窒化物(TiN)膜が任意で堆積されてもよい。図示するスタックは、ZrO2またはHfO2の膜48と、膜48上のAl2O3の膜50と、膜50上のZrO2またはHfO2膜52とを含む。
【0029】
図6は、Zr/Hf酸化物およびアルミニウム酸化物の膜を、実質的に同じ温度でイン・シトゥーに堆積する方法の実施形態を示す。この方法は、例えば、図5に示すスタック42の膜48、膜50、および膜52を形成するために使用することができる。初めに、少なくとも1つの基板が、堆積チャンバ内へ挿入される(ステップ54)。堆積チャンバは、好ましくは複数の基板を処理するように構成されているが、代わりに、枚葉式の反応チャンバであってもよい。初めに、図5に示されるTiN膜46のような1つ以上の膜が堆積されることができる。次に、シクロペンタジエニル前駆物質を用いるALDプロセスの複数のサイクルによって、ZrOxまたはHfOx(図5に示す実施形態では、ZrO2またはHfO2)が、基板上に堆積される(ステップ56)。例えば、ZrOxは、オゾン(あるいは他の適切な酸素前駆物質)と、(MeCp)2Zr(OMe)2または(MeCp)2Zr(OMe)Meの何れかとをパルス的に導入することにより形成されることができる。さらに、HfOxは、オゾン(あるいは他の適切な酸素前駆物質)と、(MeCp)2Hf(OMe)2または(MeCp)2Hf(OMe)Meの何れかとをパルス的に導入することにより形成されることができる。このZr/Hf酸化物は、例えば、図5に示すZrO2またはHfO2の膜48を構成することができる。
【0030】
一般的には、それぞれのALDプロセスにおいて、両方の反応物質が、好ましくは中間のパージガス注入ステップあるいはチャンバ排気ステップと共に、反応チャンバ内へ交互にパルス的に導入される。この方法では、各1対の反応物質パルスは1つのサイクルを構成するので、任意数のサイクルを実行することができる。もちろん、3つ以上の反応物質パルスがそれぞれのサイクル中に存在してもよく、すべての反応物質が、薄膜状に残される要素に対する前駆物質としての機能を果たす必要があるとは限らない。例えば、或る場合には、反応物質は、例えば配位子ゲッタリング、ヒドロキシル化、あるいは還元等によって、後続の前駆物質パルスのために、表面を単に調製してもよい。いくつかの好ましい実施形態では、薄膜の目標厚さは、等価酸化膜厚(EOT)と漏れ電流の要件とに基づく。例えば、45nmノードのDRAM素子に対しては、6〜7ÅのEOTが好まれる。
【0031】
引き続き図6を参照すると、次に、好ましくはALDプロセスの複数のサイクルによって、AlOx(図5に示す実施形態では、Al2O3)が、堆積チャンバ内の温度を変更することなく、基板上に堆積される(ステップ58)。例えば、AlOxは、オゾン(あるいは他の適切な酸素前駆物質)とTMAとを交互にパルス的に導入することにより形成されることができる。そのAlOxは、例えば、図5に示す膜50を構成することができる。有利なことに、前述のシクロペンタジエニル前駆物質は、ステップ56において、ステップ58のAlOx堆積と実質的に同じ温度(例えば約300℃)で、Zr/Hf酸化物の堆積を可能にする。次に、好ましくは、シクロペンタジエニル前駆物質を用いるALDプロセスの複数のサイクルによって、ZrOxまたはHfOx(図5に示す実施形態では、ZrO2またはHfO2)が、堆積チャンバ内の温度を変更することなく、基板上にさらに追加で堆積される(ステップ60)。ステップ56で使用される同じ前駆物質が、ステップ60に対して使用されることができる。このZr/Hf酸化物は、例えば図5に示す膜52を構成することができる。最後に、基板が堆積チャンバから取り出される(ステップ62)。上記したように、これら堆積ステップは、前述の堆積ステップを行う間にチャンバから基板を取り出すことなしに、イン・シトゥーに行われる。Zr/Hf酸化物薄膜およびアルミニウム酸化物薄膜の両方を、同一の反応チャンバ内で堆積することによって、Zr/Hf酸化物とアルミニウム酸化物との間の望ましくない界面の形成を避けることが可能である。一方のリアクタの排除は費用を低減する。さらに、中間の基板移送ステップの排除は、プロセス・ロジスティックを単純化し、基板のスループットを増大させる。そのうえ、温度の変更に付随して、複数の異なる膜のイン・シトゥー堆積により生じるCTEの不一致の問題を回避することにより、等温プロセスが純度を維持する。
【0032】
バッチ式リアクタ
上記したように、バッチ式リアクタ内において、例えば半導体ウェハ等の複数の基板上に、Zr/Hf酸化物薄膜およびアルミニウム酸化物薄膜のイン・シトゥー堆積が好んで行われる。いくつかの例示的なバッチ式リアクタを次に記述する。
【0033】
好ましくは、バッチ式リアクタは、コントローラに接続されたバルブを備え、コントローラは、時間的に分離されたパルスにおいて、1つ以上の反応物質を伝えるように設定またはプログラムされている。また、バッチ式リアクタは、好ましくは、垂直に伸びる反応チャンバを備え、反応チャンバは、基板の主たる面が水平に沿った状態で、互いに垂直に離隔された複数の基板を収容する。反応チャンバは、好ましくは少なくとも25枚の基板、より好ましくは、少なくとも50枚の基板を収容する。
【0034】
図7は、互いに垂直に離隔された基板140を収容し、効率的な加熱および挿入シーケンスのための利点を有する垂直炉リアクタ110を概略的に示す。炉110は、好ましくは100〜125枚の基板を支持するように適合される。適切な垂直炉の例は、オランダ国Bilthovenのエーエスエム インターナショナル エヌ.ヴェー.から市販されているA400TMおよびA412TM垂直炉である。垂直炉型のリアクタは、効率的な加熱および挿入シーケンスのための利点を有する。好ましい実施形態は、垂直型のバッチ式炉に関連して示されているが、本明細書に開示された原理および利点が、他のタイプのリアクタへの用途を有するであろうことが理解されるであろう。例えば、図示するリアクタは、垂直に離隔して基板を保持している状態で示されているが、本明細書に記述した方法は、水平に離隔して基板を保持するバッチ式リアクタに対して適用することができる。
【0035】
引き続き図7を参照すると、チューブ112は、反応チャンバ120の領域を、垂直炉またはリアクタ110の内部に画定する。チューブ112の下端はフランジ190で終端され、それは、下部支持表面114との接触によって、チャンバ120を機械的に密閉する。プロセスガスは、チャンバ120の上端のガス吸気口122を通じて、反応チャンバ120内へ供給されることができ、チャンバ120の底部のガス排気口124を通じて、チャンバ120から排気されることができる。反応チャンバ120は、垂直に間隔が空けられた基板またはウェハ140のスタックを保持しているウェハボート130を収容する。
【0036】
プロセスチューブフランジ190は、その表面上でのプロセスガスの結露を回避するために、高温に維持することができる。その高温は、プロセスに応じて変化することができ、好ましくは、プロセスガスの特性に基づいて選ばれることが認識されるであろう。上記したように、或る実施形態では、プロセスガスは、O3と、TMAと、(MeCp)2Zr(OMe)2、(MeCp)2Zr(OMe)Me、(MeCp)2Hf(OMe)2、および(MeCp)2Hf(OMe)Meの少なくとも1つとである。例えば、フランジ190のその高温は、好ましくは120℃よりも高く、好ましくは約180〜200℃である。フランジ190の温度の調整は、フランジ190に電気的なヒータおよび水冷システムを備えることにより達成することができる。水冷システムは、主として、熱を持ったウェハ140のバッチを取り出す間の、フランジ190のオーバヒートを回避するために要求される。
【0037】
反応チャンバ120(図7)へ反応物質または前駆物質を供給するために、様々なシステムを使用することができる。例えば、前駆物質が標準状態下のガスである場合、ガスソースからチャンバ120へ前駆物質を直接的にフローすることができる。当該技術分野において知られているように、ガスフローのタイミングおよびレートは、例えばバルブとマスフロー・コントローラとによって制御することができる。
【0038】
前述した4つのシクロペンタジエニル前駆物質である、(MeCp)2Zr(OMe)2、(MeCp)2Zr(OMe)Me、(MeCp)2Hf(OMe)2、および(MeCp)2Hf(OMe)Meのそれぞれは、液体として格納される。TMAもまた液体として格納される。これらおよび他の液状の前駆物質ソースに対して、例えばバブラー等の蒸発器を使用して、チャンバ120へ前駆物質をガス形態で供給することができる。そのような前駆物質フローのタイミングおよびレートは、バブラー内の液体を通じてキャリアガスのフローを制御し、且つ、液体の温度を制御することにより調整することができる。温度の増大につれて、キャリアガスによって運ばれる液状の前駆物質の量が増大することが認識されるであろう。
【0039】
図8は、液状の前駆物質からの蒸気の供給を制御するための別の例示的なシステムを概略的に示す。液状の前駆物質はコンテナ150に格納される。蒸発器または気化器160内への液体のフローを調整することで、リアクタ110内への前駆物質フローの量を調整するために、液体のフロー制御が使用される。気化した後に、図8の上部セクションに示された、バルブ180を備えるバルブシステム170を使用して、1つの前駆物質の十分に分離されたパルスを生成し、且つ、反応チャンバ120内へフローすることができる。好ましくは、バルブシステム170のバルブ180は、高温で操作され、最小限の利用できない空所を持つか、あるいは利用できない空所を持たず、異なる反応物質フロー間の良好な分離を提供する。そのようなバルブシステムは、米国特許出願公開番号第 US2004/0250853 A1号において、より詳細に記述されている。
【0040】
上記したように、プロセスガスは、様々な方法でチャンバ20へ導入することができる。例えば、図7に示されたリアクタでは、すべてのガスが、上端の吸気口122を通じて、上端にあるリアクタ110の内部120へ導入され、また、排気口124を通じて、リアクタ110の底部において排気される。他の実施形態では、プロセスガスをリアクタ内へ導入するためのマルチホール・インジェクタを使用することにより、プロセスガスのより一様な配分が、チューブの長さにわたって達成されることができる。適切なマルチホール・インジェクタは、米国特許第6,746,240号および、米国特許出願公開番号第 US2003/0111013 A1号に開示されている。あるいは、より省スペース且つ円筒状のマルチホール・インジェクタを使用することができる。そのようなインジェクタは、例えば約25mmの直径を有し、約1mmの直径の複数のホールを備えることができる。いくつかの実施形態では、マルチホール・インジェクタは、反応チャンバ120の下端において、フランジ190の直上あるいは真下に取り付けられ、上方を向いている。
【0041】
しかしながら、チャンバ120の高さよりも上方に伸びる唯一の部分であるインジェクタによって、反応チャンバ120の上端部が効率的にパージされない場合があるので、好ましくは、マルチホール・インジェクタは、パージガスを導入するためには使用されない。好ましくは、パージガスは、排気端の反対にあるチャンバ端においてチャンバ120内へ導入され、その結果、パージガスは、導入後および排気される前に、反応チャンバ120内のすべての領域中をフローする。
【0042】
図9は別の例示的なバッチ式リアクタを示す。この設計では、プロセスチューブ200は上端で閉じている。この設計の利点は、プロセスチューブ200の構造がより簡単となり、また、ガスの気密性、および上端の吸気口122(図7)の熱的なアイソレーションに関する問題を回避することができる。この構成におけるすべてのガスは、ガスインジェクタ210を通じて導入され、それら2つが図示されている。好ましくは、ALDプロセス中のそれぞれの反応物質に対して、個別のインジェクタ210が使用される。Zr/Hf酸化物の堆積の場合、Zr/Hf前駆物質の蒸気(前述の4つのシクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質のうちの1つ)に対して、1つのインジェクタ210を使用することができ、また、酸素前駆物質の蒸気(例えばO3)に対して、別のインジェクタ210を使用することができる。アルミニウム前駆物質の蒸気(例えばTMA)のために、追加のインジェクタ210を備えてもよい。Zr/Hf酸化物およびアルミニウム酸化物のイン・シトゥー堆積のために設計されたプロセスチューブ200が、複数の堆積ステップに対して、1つは適切なシクロペンタジエニルZr/Hf前駆物質のための、1つはTMAのための、そして1つは酸素前駆物質のための、ちょうど3つのインジェクタ210を備えることができることが理解されるであろう。これらインジェクタ210は、好ましくは、チューブ200の高さを越えて分配された複数のホールを備えるマルチホール・ガスインジェクタである。インジェクタ210は、それぞれが基板に対して実質的に垂直に配置されてもよい。それぞれのインジェクタ210は、基板が配置された長さの大部分に沿って伸びてもよい。プロセスガスがチューブ200から排出されるために、排気口124が、好ましくはチューブ200の底部において備えられる。
【0043】
追加のインジェクタを、パージガス、好ましくは窒素ガス等の不活性ガス用に使用することができる。パージガス用のインジェクタは、好ましくは、上端に開口端を備え、且つ、その側壁内にガス放出ホールを備えないチューブであり、その結果、すべてのパージガスが反応チャンバ220の上端で放出される。
【0044】
図10は、垂直に伸びる3つのインジェクタ210a、210b、および210cを備えるリアクタ110を示す。インジェクタ210a、210b、および210cのそれぞれは、1つ以上のガス供給路へ接続するための吸気口240a、240b、および240cをそれぞれ備える。インジェクタ210bは、その上端212が開口し、パージガスが、リアクタ110を通じて下方へフローし、且つ、リアクタ110の底部の排気口124から排気することを可能にする。他の実施形態では、排気口124が反応チャンバ220の上端にあってもよく、パージガスが、反応チャンバ220の底部から放出されてもよい。有利なことに、インジェクタは、反応チャンバ内へのガス分布の一様性を改善することができるようなマルチホール・ガスインジェクタであり、それにより、堆積結果物の一様性を改善する。
【0045】
図11〜図13は、商品名AdvanceR412TMまたはA412TMの下で、オランダ国Bilthovenのエーエスエム インターナショナル エヌ.ヴェー.から市販もされている例示的なバッチ式リアクタの別のバージョンを示す。図11は、ガスインジェクタを備える細長い炉の概略的な側面断面図である。プロセスチューブまたはチャンバ526は、好ましくは発熱体(図示せず)に囲まれる。反応スペース529の外周部の限界を定めるライナー528は、好ましくはプロセスチャンバ526の内部に備えられる。好ましくは、プロセスチャンバ526の底部において、ウェハロード550を、ドア530によりプロセスチャンバ526内に挿入してもよく、またはチャンバ526から取り出してもよい。前駆物質ソースガスは、ガスインジェクタ540を通じて、好ましくはガス供給ダクト544を介して注入される。ガスインジェクタ540は、ホール548のパターンを備えて供給され、好ましくは、実質的にウェハロード550の高さ以上に伸びる。ガスは最初に、ガスインジェクタ540の複数のホール548から反応スペース529へ導入されるので、例えばガスインジェクタ540のような、ガスが移動するガス供給装置の内部は、反応スペース529の一部ではなく、ある意味、反応スペース529の外部であることに注意されたい。その結果、反応スペース529は、例えばガスインジェクタ540のようなガス供給装置によって占められていた容積以外に、プロセスチャンバ526の内部の容積を含む。チャンバ526のさらなる詳細は、米国特許出願公開番号第 US2003/0111013 A1号に開示されている。
【0046】
好ましい実施形態では、プロセスチャンバ526の内部では、ガスは一般に上向きの方向552にフローされ、その後、プロセスチャンバ526とライナー528との間の排気スペース554を通じて、反応スペース529から除去される。ここでは、ガスは、ポンプ(図示せず)へ接続可能な排気口558へ、下向きの方向556にフローされる。ガスインジェクタ540は、好ましくは、反応スペース529の高さ全体にわたって、プロセスチャンバ526の内部にプロセスガスを分配する。ダクト544に接近したホール548は、ダクト544から離れたホール548と比較して、反応スペース内により多くのガスを吹き込む傾向があるので、ガスインジェクタ540は、それ自体がガスフローを制限するものとして作用する。好ましくは、ホール548を通じたガスフローの差に関するこの傾向は、ホール548がダクト544から離れて配置されるに従って、ホール548間の距離を縮小する(即ち、ホール548の密度を増大させる)ことにより、ある程度は補償することができる。他の実施形態では、複数のホール548を構成する個々のホールのサイズを、ダクト544からの距離が増大するにつれて増大させてもよく、あるいは、複数のホール548全体のサイズを増大させてもよく、またさらに、ホール548間の距離を、ダクト544からの距離が増大するにつれて縮小させてもよい。しかしながら、都合良いことに、好ましい実施形態は、ホール548を備えるガスインジェクタ540の側面の表面エリアを最小限にするために、一定のサイズのホール548でを有しているとして説明される。
【0047】
一般に、反応速度は圧力が増大するにつれて増大するので、インジェクタ540は、ガスインジェクタ内部の圧力を低減して、インジェクタ内の気相反応の減少に帰着するように、都合良く設計される。そのような低減された圧力はまた、ガスインジェクタ540の高さ全体にわたって不十分なガス分布を導く場合があるので、インジェクタ540の高さ全域にわたるホール548の分布は、ガス分布の一様性を改善するために選択される。
【0048】
図12は、図11に示すガスインジェクタ540の一実施形態を示す。ガスインジェクタ540は、好ましくは2つのガスインジェクタ部541および542を備え、好ましくは、それぞれが個別のガス供給ダクト接続部545および546を備える。第1の部分541は、反応スペース529(図11)の下部の容積にガスを吹き込み、第2の部分542は、反応スペース529の上部の容積にガスを吹き込む。部分541および542は、リンク549および551によって接続される。その上端において、ガスインジェクタ540にはフック553が備えられることができ、ガスインジェクタ540の上端をチャンバ526(図11)内部のフック支持部へ固定する。
【0049】
ガスインジェクタ540には、実質的にウェハロード550の高さ560(図11)全体に伸びるホール548のパターンが供給される。ホールの総断面積は、好ましくは少なくとも約30mm2である。それぞれのホール548の直径は、好ましくは約1mm以上、より好ましくは約2.5mm〜3.5mmの間であり、一実施形態では約3mmである。図12に示す実施形態では、ガスインジェクタ540は、総計約282mm2のホール断面積のために、合計40個のホール548を備える。より一般的には、ホール548の総断面積は、好ましくは約30mm2以上であり、より好ましくは約196mm2〜385mm2の間である。
【0050】
有利なことに、2つのガスインジェクタ部541および542の使用は、さらなるチューニングの実現を可能にする。反応スペース529内へのガスフローを微調整するために、異なるガスインジェクタ部541および542に対して供給されるフローを、違った風に選択することができる。これは、ウェハロード550(図11)の高さ560にわたって、前駆物質の堆積速度の一様性を改善するであろう。
【0051】
当該技術に熟練している者は、このプロセスのパフォーマンスを改善するために、バッチ式リアクタへの、あるいは、当該技術分野において公知であるバッチ式リアクタを操作する方法へのさらなる変更を適用することが可能であることを認識するであろう。例えば、ホルダボートまたはリングボート(即ち、ボートに挿入された個別のウェハホルダあるいはリング形のホルダによって、それぞれのウェハが個別に支持されるウェハボート)を使用することができる。
【0052】
図13は、堆積チャンバ608の温度とチャンバ608を通じたガスフローとを制御するために構成される堆積制御システム600を備える堆積装置の実施形態を示す。その装置は、複数の反応物質ソース602(例えば、上に記述したもの)と、バルブシステム604と、チャンバ608内へガスを供給するためのガスフローネットワーク606(例えば、パイプおよびインジェクタ)と、チャンバ608を加熱するための1つ以上の発熱体610と、コントローラ612とを含む。バルブシステム604は、好ましくは、それぞれの反応物質ソース602に対して少なくとも1つの個別のバルブを備え、ネットワーク606を通じたその特定の反応物質のガスフローを制御する。好ましくは、ガスフローネットワーク606は、それぞれのALD反応物質に対して、チャンバ608内への個別のフローパスを維持する。同じく、キャリアガスのソースおよびパージガスのソース(いくつかの実施形態では、それらは同じガスであってもよい)と、関連するバルブとを備えることができる。チャンバ608は、上記したバッチ式リアクタのうちの1つであってもよい。あるいは、チャンバ608は、枚葉式のリアクタであってもよい。例えば、米国特許出願公開番号第 US2008/0081112 A1号に開示されているように、発熱体610は、抵抗型ヒータまたは放射熱ランプ、あるいはそれらの組み合わせであってもよい。
【0053】
上に記述されるように、コントローラ612は、好ましいプロセスレシピに従って、反応物質ガスと、パージガスと、キャリアガスとをチャンバ608内へ供給するバルブシステム604を制御するために、好ましく設定される。コントローラ612はまた、温度を測定する温度センサーからのフィードバックと関連して、チャンバ608の内部を所望の温度に設定するための発熱体610への出力を制御するために、好ましく設定される。プロセスを実行する間、コントローラ612は、発熱体610に対する出力を調整するために好ましく設定されて、チャンバ608内の基板を所望の温度に維持する。従って、コントローラ612は、好ましくは、堆積制御システム600が、バルブシステム604およびチャンバ608内の温度を制御することを可能にする。堆積制御システム600は、イン・シトゥー堆積ステップの全体にわたって、チャンバ温度を、好ましくは約25℃以内、より好ましくは約10℃以内、さらに好ましくは約5℃以内の温度差に維持しながら、所与のプロセスレシピ(上に記述された複数のイン・シトゥーALDプロセスを含む)の反応物質蒸気を、チャンバへ供給するようにプログラムされることができる。堆積制御システム600はまた、約300〜500℃以内のチャンバ温度で、複数のイン・シトゥーALDステップを実行するようにプログラムされてもよい。そのうえ、300〜350℃の温度領域は、上に記述された反応に関して特に重要である。
【0054】
実施例
以下に、バッチ式反応チャンバ内の複数の半導体上に、本明細書においてZAZとも呼ばれるZrOx/AlOx/ZrOxスタックをイン・シトゥーに堆積する一例におけるプロセス条件を提示する。第1の膜は、32Åの目標厚さを有するZrOx薄膜である。第2の膜は、3〜4Åの目標厚さを有するAlOx薄膜(例えばAl2O3)である。第3の膜は、32Åの目標厚さを有するもう一つのZrOx薄膜である。パルス的なALD堆積のために、反応チャンバ内の温度は約300℃に設定され、圧力は約200mTorrに設定される。ジルコニウム前駆物質は(MeCp)2Zr(OMe)Meであり、アルミニウム前駆物質はTMAであり、酸素前駆物質はO3である。ジルコニウム前駆物質ソースおよびアルミニウム前駆物質ソースは液体として格納される。キャリア/パージガスはN2である。
【0055】
次のプロセスレシピに従って、3つの膜が成長される。第1のジルコニウム酸化物薄膜が、次のシーケンスの43回のサイクルを使用して成長される:オゾンパルス、パージ、ジルコニウム前駆物質パルス、およびパージ。その後、アルミニウム酸化物薄膜が、次のシーケンスの4回のサイクルを使用して成長される:オゾンパルス、パージ、TMAパルス、およびパージ。最後に、第2のジルコニウム酸化物薄膜が、次のシーケンスの43回のサイクルを使用して成長される:オゾンパルス、パージ、ジルコニウム前駆物質パルス、およびパージ。このプロセスレシピにおけるジルコニウム前駆物質のフローレートは、毎分約0.15gであり、TMAのフローレートは、毎分約0.7gである。オゾンガスは、約3slmのフローレートで注入される。N2キャリアガスのフローレートは、約1slmである。
【0056】
本発明は、或る好ましい実施形態および実施例に関連して開示されたが、当該技術に熟練している者によれば、本発明が、明細書に開示された実施形態の範囲を超えて、他の代替の実施形態まで拡張し、且つ/あるいは、本発明と、自明な修正とその均等物との使用まで拡張することが認識されるであろう。さらに、本発明の様々な特徴は、単独で、或いは、上に明白に記述されたもの以外の本発明の他の特徴と組み合わされて使用されることができる。よって、本明細書に開示された本発明の範囲が、上に記述された本発明の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、特許請求の範囲の公正な解釈によってのみ決定されるべきであることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】ZrO2/Al2O3/ZrO2を堆積する従来方法のフローチャートである。
【図2】一実施形態に係る同一のリアクタ内の基板上に2つの薄膜をイン・シトゥーに堆積する方法を説明するフローチャートである。
【図3】シクロペンタジエニル金属前駆物質を用いて2つの薄膜をイン・シトゥーに堆積する方法を説明するさらに特定の実施形態に係るフローチャートである。
【図4】ZrOx/AlOx/ZrOxを堆積する方法の一実施形態を説明するフローチャートである。
【図5】シリコン上に形成された(ZrO2またはHfO2)/Al2O3/(ZrO2またはHfO2)/TiN薄膜の例示的なスタックを示す図である。
【図6】枚葉式リアクタ内の基板上にZr/Hf酸化物およびアルミニウム酸化物をイン・シトゥーに堆積する方法を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態において使用する例示的な炉を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態において使用する例示的な蒸気供給システムを説明する図である。
【図9】本発明の実施形態において使用する別の例示的な炉を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態において使用する付加的な例示的な炉を説明する図である。
【図11】本発明の一実施形態に従って構成されたガスインジェクタを備える細長いバッチ式プロセスチューブの概略的な側面断面図である。
【図12】図11のバッチ式プロセスチューブと共に使用するガスインジェクタの正面図である。
【図13】堆積制御システムの実施形態を概略的に説明する図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
堆積チャンバの内部で、異なる物質の複数の膜を連続的なプロセスで堆積する方法であって、
堆積チャンバ内に基板を提供するステップと、
シクロペンタジエニル金属前駆物質をパルス的に導入することを含む第1のサイクルである、第1の原子層堆積(ALD)プロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記堆積チャンバ内の前記基板上に、第1の物質の膜を堆積するステップと、
第2のALDプロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記堆積チャンバ内の前記第1の物質の膜上に、第2の物質の膜を堆積するステップとを含み、
当該第2の物質が、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む方法。
【請求項2】
前記第1の物質および前記第2の物質が、金属酸化物物質を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1の物質が、ジルコニウム酸化物またはハフニウム酸化物を含み、前記第2の物質が、アルミニウム酸化物を含む請求項2の方法。
【請求項4】
前記堆積チャンバの内部で、前記第1のALDプロセスのさらなる複数のサイクルを実行し、前記第2の物質の前記膜上に、前記第1の物質の第2の膜を堆積することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記第1のALDプロセスの前記サイクルが、第1の平均温度で実行され、前記第2のALDプロセスの前記サイクルが、第2の平均温度で実行され、前記第1の平均温度と前記第2の平均温度との差が、約25℃以内である請求項1の方法。
【請求項6】
前記第1の平均温度と前記第2の平均温度との差が、約10℃以内である請求項5の方法。
【請求項7】
前記堆積チャンバが、複数の基板を収容するバッチ式垂直炉を備え、
前記基板を提供する前記ステップが、前記堆積チャンバ内に複数の基板を挿入することを含み、複数の前記第1および第2のALDプロセスを連続して実行することが、前記複数の基板上に、前記第1および第2の物質の複数の膜を堆積することを含む請求項5の方法。
【請求項8】
前記シクロペンタジエニル金属前駆物質が、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、および、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)から成るグループから選択される前駆物質を含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記第1の物質が、ジルコニウム酸化物またはハフニウム酸化物を含み、前記第2の物質が、アルミニウム酸化物を含み、
前記方法が、前記堆積チャンバの内部で、別の、前記第1のALDプロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記アルミニウム酸化物の前記膜上に、ジルコニウム酸化物またはハフニウム酸化物の追加の膜を堆積することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項10】
前記第2のALDプロセスの前記複数のサイクルを連続して実行する前記ステップが、トリメチルアルミニウムをパルス的に導入することを含む請求項9の方法。
【請求項11】
複数の前記第1および第2のALDプロセスのそれぞれを連続して実行することが、前記基板を約300℃〜約500℃の温度に維持することを含む請求項9の方法。
【請求項12】
複数の基板を収容するように構成されたプロセスチャンバと、
前記チャンバに接続されて、シクロペンタジエニル金属前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給するシクロペンタジエニル金属前駆物質ソースと、
前記チャンバに接続されて、酸素前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する酸素前駆物質ソースと、
前記チャンバに接続されて、アルミニウム前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給するアルミニウム前駆物質ソースと、
前記チャンバ内で、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質および前記酸素前駆物質からの金属酸化物のALDを実行するように構成された堆積制御システムとを備え、
さらに、当該堆積制御システムが、前記チャンバ内で、前記アルミニウム前駆物質および前記酸素前駆物質からのアルミニウム酸化物のALDを実行するように構成された装置。
【請求項13】
前記シクロペンタジエニル金属前駆物質が、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、および、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)から成るグループから選択される前駆物質を含む請求項12の装置。
【請求項14】
前記酸素前駆物質が、オゾン(O3)、H2O、またはO2を含む請求項12の装置。
【請求項15】
前記アルミニウム前駆物質が、トリメチルアルミニウム(TMA)を含む請求項12の装置。
【請求項16】
前記堆積制御システムが、前記チャンバの温度を制御し、且つ、前記金属酸化物および前記アルミニウム酸化物の前記ALDを、相互に約25℃の温度差以内のチャンバ温度で実行するようにプログラムされる請求項12の装置。
【請求項17】
前記堆積制御システムが、前記チャンバの温度を制御し、且つ、前記金属酸化物および前記アルミニウム酸化物の前記ALDを、約300〜500℃以内のチャンバ温度で実行するようにプログラムされる請求項12の装置。
【請求項18】
前記堆積制御システムが、前記金属酸化物および前記アルミニウム酸化物の前記ALDを、約300〜350℃以内の温度で実行するようにプログラムされる請求項17の装置。
【請求項19】
複数の基板を収容するように構成されたプロセスチャンバと、
前記チャンバに接続されて、シクロペンタジエニル金属前駆物質を含む第1の反応物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する第1の反応物質ソースと、
前記チャンバに接続されて、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む第2の反応物質の蒸気を、前記チャンバ内へ供給する第2の反応物質ソースと、
前記チャンバ内で、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質からの第1の金属膜の第1のALDプロセスを実行するように構成された堆積制御システムとを備え、
さらに、当該堆積制御システムが、前記チャンバ内で、前記第2の反応物質からの第2の金属膜の第2のALDプロセスを実行するように構成され、
前記堆積制御システムが、前記第1および第2のALDプロセスを、相互に約25℃以内の温度差で実行するように構成された装置。
【請求項20】
前記堆積制御システムが、前記第1および第2のALDプロセスを、相互に約10℃以内の温度差で実行するように構成された請求項19の装置。
【請求項21】
前記堆積制御システムが、前記第1および第2のALDプロセスを、相互に約5℃以内の温度差で実行するように構成された請求項19の装置。
【請求項22】
前記シクロペンタジエニル金属前駆物質が、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、および、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)から成るグループから選択される前駆物質を含む請求項19の装置。
【請求項1】
堆積チャンバの内部で、異なる物質の複数の膜を連続的なプロセスで堆積する方法であって、
堆積チャンバ内に基板を提供するステップと、
シクロペンタジエニル金属前駆物質をパルス的に導入することを含む第1のサイクルである、第1の原子層堆積(ALD)プロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記堆積チャンバ内の前記基板上に、第1の物質の膜を堆積するステップと、
第2のALDプロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記堆積チャンバ内の前記第1の物質の膜上に、第2の物質の膜を堆積するステップとを含み、
当該第2の物質が、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む方法。
【請求項2】
前記第1の物質および前記第2の物質が、金属酸化物物質を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記第1の物質が、ジルコニウム酸化物またはハフニウム酸化物を含み、前記第2の物質が、アルミニウム酸化物を含む請求項2の方法。
【請求項4】
前記堆積チャンバの内部で、前記第1のALDプロセスのさらなる複数のサイクルを実行し、前記第2の物質の前記膜上に、前記第1の物質の第2の膜を堆積することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項5】
前記第1のALDプロセスの前記サイクルが、第1の平均温度で実行され、前記第2のALDプロセスの前記サイクルが、第2の平均温度で実行され、前記第1の平均温度と前記第2の平均温度との差が、約25℃以内である請求項1の方法。
【請求項6】
前記第1の平均温度と前記第2の平均温度との差が、約10℃以内である請求項5の方法。
【請求項7】
前記堆積チャンバが、複数の基板を収容するバッチ式垂直炉を備え、
前記基板を提供する前記ステップが、前記堆積チャンバ内に複数の基板を挿入することを含み、複数の前記第1および第2のALDプロセスを連続して実行することが、前記複数の基板上に、前記第1および第2の物質の複数の膜を堆積することを含む請求項5の方法。
【請求項8】
前記シクロペンタジエニル金属前駆物質が、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、および、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)から成るグループから選択される前駆物質を含む請求項1の方法。
【請求項9】
前記第1の物質が、ジルコニウム酸化物またはハフニウム酸化物を含み、前記第2の物質が、アルミニウム酸化物を含み、
前記方法が、前記堆積チャンバの内部で、別の、前記第1のALDプロセスの複数のサイクルを連続して実行し、前記アルミニウム酸化物の前記膜上に、ジルコニウム酸化物またはハフニウム酸化物の追加の膜を堆積することをさらに含む請求項1の方法。
【請求項10】
前記第2のALDプロセスの前記複数のサイクルを連続して実行する前記ステップが、トリメチルアルミニウムをパルス的に導入することを含む請求項9の方法。
【請求項11】
複数の前記第1および第2のALDプロセスのそれぞれを連続して実行することが、前記基板を約300℃〜約500℃の温度に維持することを含む請求項9の方法。
【請求項12】
複数の基板を収容するように構成されたプロセスチャンバと、
前記チャンバに接続されて、シクロペンタジエニル金属前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給するシクロペンタジエニル金属前駆物質ソースと、
前記チャンバに接続されて、酸素前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する酸素前駆物質ソースと、
前記チャンバに接続されて、アルミニウム前駆物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給するアルミニウム前駆物質ソースと、
前記チャンバ内で、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質および前記酸素前駆物質からの金属酸化物のALDを実行するように構成された堆積制御システムとを備え、
さらに、当該堆積制御システムが、前記チャンバ内で、前記アルミニウム前駆物質および前記酸素前駆物質からのアルミニウム酸化物のALDを実行するように構成された装置。
【請求項13】
前記シクロペンタジエニル金属前駆物質が、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、および、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)から成るグループから選択される前駆物質を含む請求項12の装置。
【請求項14】
前記酸素前駆物質が、オゾン(O3)、H2O、またはO2を含む請求項12の装置。
【請求項15】
前記アルミニウム前駆物質が、トリメチルアルミニウム(TMA)を含む請求項12の装置。
【請求項16】
前記堆積制御システムが、前記チャンバの温度を制御し、且つ、前記金属酸化物および前記アルミニウム酸化物の前記ALDを、相互に約25℃の温度差以内のチャンバ温度で実行するようにプログラムされる請求項12の装置。
【請求項17】
前記堆積制御システムが、前記チャンバの温度を制御し、且つ、前記金属酸化物および前記アルミニウム酸化物の前記ALDを、約300〜500℃以内のチャンバ温度で実行するようにプログラムされる請求項12の装置。
【請求項18】
前記堆積制御システムが、前記金属酸化物および前記アルミニウム酸化物の前記ALDを、約300〜350℃以内の温度で実行するようにプログラムされる請求項17の装置。
【請求項19】
複数の基板を収容するように構成されたプロセスチャンバと、
前記チャンバに接続されて、シクロペンタジエニル金属前駆物質を含む第1の反応物質の蒸気を前記チャンバ内へ供給する第1の反応物質ソースと、
前記チャンバに接続されて、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質中の金属とは異なる金属を含む第2の反応物質の蒸気を、前記チャンバ内へ供給する第2の反応物質ソースと、
前記チャンバ内で、前記シクロペンタジエニル金属前駆物質からの第1の金属膜の第1のALDプロセスを実行するように構成された堆積制御システムとを備え、
さらに、当該堆積制御システムが、前記チャンバ内で、前記第2の反応物質からの第2の金属膜の第2のALDプロセスを実行するように構成され、
前記堆積制御システムが、前記第1および第2のALDプロセスを、相互に約25℃以内の温度差で実行するように構成された装置。
【請求項20】
前記堆積制御システムが、前記第1および第2のALDプロセスを、相互に約10℃以内の温度差で実行するように構成された請求項19の装置。
【請求項21】
前記堆積制御システムが、前記第1および第2のALDプロセスを、相互に約5℃以内の温度差で実行するように構成された請求項19の装置。
【請求項22】
前記シクロペンタジエニル金属前駆物質が、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ハフニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシハフニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、ビス(シクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ビス(メトキシ)ジルコニウム(IV)、および、ビス(メチルシクロペンタジエニル)メチルメトキシジルコニウム(IV)から成るグループから選択される前駆物質を含む請求項19の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−108402(P2009−108402A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−191700(P2008−191700)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(501380070)エーエスエム インターナショナル エヌ.ヴェー. (26)
【氏名又は名称原語表記】ASM INTERNATIONAL N.V.
【住所又は居所原語表記】The Netherlands 3723 BG Bilthoven Rembrandtlaan 7−9
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191700(P2008−191700)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(501380070)エーエスエム インターナショナル エヌ.ヴェー. (26)
【氏名又は名称原語表記】ASM INTERNATIONAL N.V.
【住所又は居所原語表記】The Netherlands 3723 BG Bilthoven Rembrandtlaan 7−9
【Fターム(参考)】
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