説明

シーリング多孔質構造

集積回路中のデュアルダマシン(dual damascene)構造、特に多孔質材料中に形成された開口部のコンフォーマリティの裏張り(lining)のための方法及び構造が提供される。トレンチ(trench)及びコンタクトビア(contact via)が絶縁層中に形成される。これらのトレンチ及びビアの側壁上のポアがブロックされ、次いでこの構造は、所望のライニング材料の単層を形成するために交互に化学物質に曝される。例示的なプロセスフローにおいて、シーリング層の化学または物理気相成長法(chemical or physical vapor deposition)(CVDまたはPVD)により、不完全なコンフォーマリティに起因してポアをブロックする。交互のプロセスも、自己飽和(self−saturating)、自己制御(self−limiting)原子層堆積(atomic layer deposition)(ALD)プロセスと比較して減少されたコンフォーマリティを達成するようなパルス間隔及びパルス幅の選択によって構成され得る。なお別の構成において、異方性多孔質構造を有する層が、上部表面を選択的に溶融することによってシールされ得る。次いで、自己制御、自己飽和原子層堆積(ALD)反応により、有意にポアを充填することなくブロッキングが行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、交互の層成長(alternating layer deposition)(ALD)の前に保護層を形成することに関する。より詳細には、本発明は、集積回路における多孔質層上に、高コンフォーマリティALD層の前にシーリング層を形成することに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
集積回路を製造する場合、所望の構造を作製するために、絶縁性、導電性及び半導電性の材料の層が、堆積及びパターン化される。「バックエンド」またはメタライゼーションプロセスは、コンタクト形成及び金属線またはワイヤ形成を含む。コンタクト形成は、絶縁層を通して垂直方向に導電層を接続する。慣用的に、コンタクトビア(contact via)または開口部は、絶縁層(代表的には、酸化物の形態(例えば、ボロホスホシリケートグラス(BPSG))またはテトラエチルオルトシリケート(TEOS)前駆体から形成される酸化物を含む)中に形成される。次いで、これらのビアが導電性材料で充填され、これによって電気デバイスを相互接続し、そして絶縁層の上下を配線(wiring)する。垂直のコンタクトにより相互接続される層としては、代表的には、集積回路を横切る水平金属線(horizontal metal line)が挙げられる。そのような線は、慣用的には、絶縁層上に金属層を堆積し、所望の配線パターンで金属層をマスキングし、そして所望のワイヤまたは導線の間の金属をエッチングして除くことによって、形成される。
【0003】
ダマシンプロセシングは、所望のラインのパターンでトレンチを形成する工程、これらのトレンチを金属または他の導電性材料で充填するかまたはあふれさせる(overfilling)工程、次いで過剰のマスクを絶縁層までエッチバックする工程を含む。このようにして、ワイヤが、トレンチ内に残り、所望のパターンで、互いに絶縁される。これらのエッチバック(etch back)プロセスは、より困難なフォトリソグラフィックマスク及びエッチングプロセスでの従来の金属線規定を回避する。
【0004】
ダマシンプロセシングの拡張において、デュアルダマシンとして知られているプロセスは、2つの絶縁層(代表的には、エッチストップ材料(etch stop material)により分離されている)を形成する工程、及びダマシンプロセシングについて上記に記載されるように、上部絶縁層中にトレンチを形成する工程を含む。トレンチがエッチングされた後、コンタクトが所望される下部導電性素子を曝すために、これらのトレンチのフロア(floor)及び下部絶縁層を通って下方向にコンタクトビアをエッチングするためにさらなるマスクが使用される。
【0005】
導電性素子(例えば、ゲート電極、キャパシタ、コンタクト、ランナー(runner)及びワイヤリング層)は、各々が、適切な集積回路オペレーションのために互いに電気的に絶縁されていなければならない。そのような導電性素子の周辺に絶縁層を提供することに加えて、装置及びラインの間での所望されない短絡を引き起こし得る、絶縁層にわたる導電性材料の拡散及びスパイキング(spiking)を避けることに注意しなければならない。堆積される材料をビアまたはトレンチ壁内に制限することを助けるために、保護バリアーが、基板アセンブリ中のビアまたはトレンチの壁面と金属との間にしばしば、形成される。従って、バリアーは、特に小さく、迅速に拡散する元素(例えば、銅)についてのダマシン及びデュアルダマシン相互接続用途のために有用である。
【0006】
保護バリアーの候補材料は、第一に、効果的な拡散バリヤ特性を示すべきである。さらに、これらの材料は、隣接する材料(例えば、酸化物ビア壁、吸着層、エッチストップ層及び/またはビア及びトレンチを満たす金属材料)との良好な吸着を示すべきである。多くの応用について、バリアー層は、電流パス(current flow path)中に配置され、従って、導電性でなくてはならない。代表的には、バリアーは、ライニングコンタクトビア、ワイヤリングトレンチ、及び他の導電性バリアー応用のために稠密かつ適度に導電性である、金属窒化物(MN)(例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、及び窒化タングステン(WN))から形成されている。
【0007】
次いで、これらのライニングされたビアまたはトレンチは、種々のプロセス(化学気相成長)(CVD)、物理気相成長(PVD)、及び電気めっきのいずれかによって金属で充填される。効果的な導電性のため、及びオペレーションの間のエレクトロマイグレーションを回避するため、コンタクトまたはワイヤリング層の金属は、空隙またはキーホールを残すことなく、ビアまたはトレンチを満たすべきである。より早い演算処理速度及びより低い電力消費の獲得において、集積回路の寸法が常にスケールダウンしているので、導電性材料で、深く狭い開口部を完全に充填することは、より困難になっている。
【0008】
図1及び2において例示されるように、導電性バリアー層及び/または他のライナーを使用することは、デュアルダマシンプロセシングのトレンチ及びビアを充填することをなおより困難にしている。図1は、デュアルダマシンプロセスを例示し、ここで、導電性ワイヤリング層14上に、好ましくは介在誘電性拡散バリアー15を伴って順番に形成される、下部絶縁層12上に、上部絶縁層10が形成される。この誘電性バリアー15は、下にあるランナー14の銅または他の導電性材料が上にある誘電層12中に拡散することを防ぐための役割を果たす。
【0009】
マスクが、所望のワイヤリングパターンでトレンチ16をパターン化及びエッチングするために使用される。例示される実施形態において、トレンチ16は、2つの絶縁層10、12の間に形成されるエッチストップ層19のレベルまでエッチングされる。このエッチストップ層19は、代表的には、トレンチ16の底部から延びる所望のコンタクトビアの水平寸法を規定するハードマスク(hard mask)を形成するために、上部絶縁層10の堆積の前に、パターン化及びエッチングされる。ハードマスク19を通す継続的なエッチングは、トレンチ16の底部からその下の導電性ワイヤリング層14までのコンタクトビア20を開ける。図1は、当業者に理解されるような、後の平坦化工程をストップさせるための、上部絶縁層10上の上部エッチストップまたは化学機械研磨(CMP)ストップ層21も示す。
【0010】
次いで、保護ライナー22(好ましくは、導電性材料により形成される)が露出した水平面及び側壁表面上に形成される。代表的には、ライナー22は、少なくとも、金属窒化物を含み、さらに吸着増強及びシーディング層(seeding layer)を含み得る。例えば、ライナー22は、Ti/TiN/Cuの三層を含み得る。そのような構造において、チタン層は、露出した酸化物層側壁との吸着を改善するための役割を果たし;窒化チタンは、拡散バリヤとしての役割を果たし;そして銅の薄層は、後の銅の電気めっきのためのシードとしての役割を果たす。他の例において、ライナー22は、窒化タンタルまたは窒化タングステンバリアを含み得る。当業者は、他のバリア材料も使用され得ることを理解する。
【0011】
しかし、ライナー22のコンフォーマル堆積は、従来のプロセシングでは非常に困難である。例えば、(吸着、バリア及び/またはシード層のための)金属層の物理蒸着(PVD)(例えば、スパッタリング)は、トレンチ16及びコンタクトビア20の全ての表面上に少なくとも約50Åを必要とする。不幸なことに、高アスペクト比の空隙への金属のPVDは、ビア底部の適切なカバレージ(coverage)をもたらすためにこのワークピースの頂部表面上により大きな堆積物を必要とする。例えば、代表的な、デュアルダマシンスキームに関する従来技術のトレンチ及びコンタクト構造は、50Åの金属がコンタクトビア20の底部及び側壁に到達するために約500ÅのPVD金属を必要とする。
【0012】
この貧弱な(poor)ステップカバレージは、今日の集積回路設計におけるデュアルダマシンプロセシングについて形成される高アスペクト比の空隙の結果である。コンタクトビアのアスペクト比は、幅に対する深さまたは高さの比として規定される。デュアルダマシンコンタクトの場合、トレンチ16及びコンタクトビア20は、一体となって、2つのレベルの絶縁層10、12を通り、その結果、ビア20の有効なアスペクト比は、非常に高くなる。
【0013】
従来の堆積プロセスは、種々の理由から、そのような高アスペクト比のビアの非常に貧弱なステップカバレージ(すなわち、フィールドまたは水平表面被覆に対する側壁カバレージの割合)をもたらす。例えば、PVD技術の方向性に起因して、堆積は、ビア底部30と比較して、トレンチ16の上部コーナー26及びビア20の上部コーナー28でより迅速に蓄積する傾向にある。この構造の上部表面上に堆積される材料の迅速なビルドアップの結果として、これらのライナーは、トレンチ16における導電性ライン幅、そしてさらに、比例して、コンタクトビア20の多くを占める。次いで、これらのビルトアップコーナー26、28は、この構造のより低いリーチ(reach)に影を落とし、その結果、より低い表面、特に下のコーナー、がさらなる堆積から遮蔽される。PVD堆積は、例えば、堆積蒸気のコリメーションまたはイオン化によって、より特定的にビア底部に指向され得るが、そのようなさらなる方向性は、側壁のカバレージを犠牲にする傾向にある。
【0014】
化学気相成長(CVD)プロセスは、特定の金属及び金属窒化物について開発されている。CVDは、PVDプロセスより良好なステップカバレージを示す傾向がある。CVDプロセスが良好なステップカバレージを示すためには、反応がいわゆる「表面制御」レジメにおいてオペレートされなくてはならない。このレジメにおいて、反応種は、最初の衝突の際にトレンチまたはビアの壁に吸着しない。むしろ、これらの種は、反応するまでに複数回(例えば、10〜500回)、トレンチ/ビア表面に当って跳ね返る。
【0015】
周囲の材料と適合性であるように(compatible)十分に低い温度でバリア層を堆積させるための従来技術のCVDプロセスは、完全に表面制御レジメ内で機能しない。従って、CVDプロセスであっても、デュアルダマシンコンタクトビア20の底部で、次いでその構造体の上部表面及び側壁上に非常に少ない材料を堆積させる傾向にある。トレンチ16及びコンタクトビア20の上部コーナーは、高度に集中した(high concentration of)容量に対する表面積を表す。水平上部表面及び近接する垂直な側壁表面上への堆積が組み合わさり、コーナー26、28付近では増加した堆積速度を生じる。さらに、流動性の反応物は、トレンチ16及びコンタクトビア20の制限された空間に徐々に拡散する。従って、ビア底部30に達する反応物の濃度は、この構造の上部表面に達する反応物の濃度と比較して非常に減少される。従って、PVDと比較して幾分か改善されているが、デュアルダマシン構造のCVDステップカバレージは、最近公知の低温CVD技術を用いても平坦でないままである。
【0016】
より速い演算速度及びより低い電力消費の追求において、集積回路内の寸法は、常にスケールダウンしている。継続的なスケーリングにより、コンタクト及びトレンチのアスペクト比は、増加し続けている。これは、集積回路における構造の幅または水平方向の寸法が継続的に収縮しているが、金属層を分離する絶縁層の厚さが相応に減少され得ないという事実に起因する。絶縁層の厚さの減少は、導電性ワイヤによりはさまれた誘電層にわたる静電容量により荷電キャリアが減速または拘束される、寄生キャパシタンスの現象によって制限される。知られているように、そのような寄生キャパシタンスは、水平方向の寸法がスケールダウンするのに従い、その絶縁層が比例して薄くなると、無力になる。
【0017】
図2を参照して、図1のスケールダウンしたバージョンが示され、ここで、同様の部品が、添え字「a」を付加した同様の番号で参照される。示されるように、デュアルダマシン構造を裏張りしながら、継続的なスケーリングは一様でないステップカバレージのより強調された効果を導く。コンタクトビア20aのコーナー28aに構築された材料は、開口部のサイズを迅速に減少させ、コンタクトビア20aに達する反応物の濃度をさらに減少させさえする。従って、このビア底部表面30aのカバレージは、なおより速く低下する。さらに、ライナー材料により占められているトレンチ16aのパーセンテージは、図2のスケールダウンした構造に関して、より高い。代表的に、ライニング材料が隣のフィラー金属(例えば、銅)より導電性でないので、全体的な導電性は減少する。なお悪いことに、コンタクトビアのコーナー28aの先端は、底部30aが十分にカバーされる前、またはフィラー金属の堆積の間に、ピンチオフ(pinch off)され得る。
【0018】
バリア膜の均一性を改善するための努力とは独立して、層間絶縁(ILD)材料の誘電率または誘電率(dielectric or permittivity constant)(k)値を下げるための努力がなされている。減少した誘電率値は、より低いILDの単位厚さ当りの寄生キャパシタンスをもたらし、その結果、寄生キャパシタンスについての所定の回路設計の許容範囲(tolerance)に関して、いわゆる「low−k」材料は、より薄いILDを提供し得る。「low−k」とは、酸化ケイ素のもの(k≒4)より低いk値を有する材料、現在、集積回路製造における主要なILD材料を示す。従って、充填されるコンタクト及びトレンチのアスペクト比は、減少され得、そしてこれらの開口部を裏張りすることはより容易になる。
【0019】
種々の材料及び技術が、集積回路におけるlow k膜を製造するために開発されている。堆積法としては、現在、所望される特徴に応じて、スピン−オン堆積(spin−on deposition)、CVD、プラズマCVD(plasma enhanced CVD)(PECVD)及び高密度プラズマ(HDP)CVDが挙げられる。これらの方法及び膜のいくつかは、Laura Peters、「Pursuing the Perfect Low−k Dielectric」Semiconductor International、Vol.21、No.10(Sept.1998)、及びこれに引用される参考文献により記載されている。いくつかの膜は、3〜3.5のk値を有する(例えば、水素シルセスキオキサン(HSQ)及びフッ化酸化物)。有機ポリマー(例えば、ベンゾシクロブテン(BCB)及びポリアリーレンエーテル(PAE))は、2.5〜3の間の領域のなお低いk値を示す。スピン−オン技術を用いる、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた他の研究は、約1.9の固有の(intrisic)k値を達成した。他のカンパニーは、ナノポーラス無機−有機ハイブリッドを作製した。
【0020】
集積回路におけるILDのようなlow k材料の使用は、ILDの開口部のアスペクト比を非常に減少させる。従って、そのような開口部を適切なコンフォーマリティで裏張りすることは、より高いアスペクト比を有する開口部を裏張りすることと比較してより単純であると立証されるはずである。
【0021】
しかし、これらの新規材料を現存する技術を用いて集積することは、その独自の困難性をもたらす。複数の要件のなかで、low k膜は、異質の隣接する材料と接する面(face)において、そして種々のプロセシング環境への曝露の際に高い化学的、熱及び機械的安定性を示さなければならない。ILD材料は、製造プロセスで確実に集積させるために、エッチング、堆積、洗浄及び研磨プロセスに適合性であるべきである。当業者に理解されるように、新規材料及びプロセスの、確立されたプロセスフローへの集積は、従来技術の集積回路設計への銅配線の導入から生じる複雑さにより証明されるように、容易なことではない。
【0022】
従って、各後続の世代毎にILDの材料の特徴を変化させることなくlow k材料を提供することは有利である。ILDの材料の特性を変化させることなく材料のk値が下げられ得る1つの様式は、材料を多孔質にすることである。事実上、多孔質誘電体は、空気(k≒1.0)の誘電強度とポアが形成される誘電性材料のものとを組み合わせる。有利には、多孔質材料のk値は、既に組み込まれた材料の多孔率を変化させることによって新規材料を導入させることなくk値が変更され得るという意味で「調整可能」である。
【0023】
現在、酸化ケイ素(k≒4)は、プロセスフローにおいて広範に用いられている。多孔質バージョンの酸化ケイ素または「シリカ」は、低いk値及び現在のプロセスフローとの適合性の両方を有し得る。このことは、ナノゲル、エアロゲル、キセルゲル及びメソゲル(mesogel)として知られている多孔性シリカのクラスの開発をもたらしてきた。同様に、一旦プロセスフローに組み込まれた、より新規のlow k材料は、low k材料の多孔率を調整すること(adjusting)によってそのk値が調整され(tuned)得る。現在開発下のlow k材料を用いて、2.5未満のk値を達成することは、明らかに、多孔質絶縁材料を提供することに関連するようである。
【0024】
low k膜、特に多孔性low k膜は、ILDにおける開口部のアスペクト比を有効に下げ得るが、ライニング技術における改善の余地は残っている。CVD及びPVDにより低アスペクト比の開口部を適切に裏張りし得るが、従来の堆積技術の非コンフォーマリティは、なお問題であり得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従って、集積回路において、特にデュアルダマシンメタライゼーションの文脈において、開口部を裏張りするより有効な方法についての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0026】
発明の要旨
この必要性の充足において、本明細書中に、デュアルダマシンメタライゼーションスキームの高アスペクト比のトレンチ及びコンタクトビアに、ライニング材料を堆積させるための方法が提供される。有利には、これらの方法は、高いステップカバレージを得、その結果、必要とされる最小限の厚さのライニング層のみが全ての表面上に形成される。1つ以上の吸着、バリア及び電気メッキシード層の形成にこの方法を適用することについての例が提供される。
【0027】
一般的に、これらの方法は、交互の反応物フェーズのサイクルを含み、ここで各々のフェーズは、自己制御効果を有する。例えば、「純粋な」金属層は、交互に、自己飽和ハライド−または有機−終結金属単層(self−saturating halide− or orfanic−terminated metal monolayer)を吸着しそして金属含有単層を還元することによって形成され得る。導電性拡散バリヤに適する金属窒化物は、交互に、自己終結金属含有単層を吸着し、そして金属含有単層上のハロゲンまたは有機テイル(tail)を窒素含有種に置換する、リガンド交換反応を実施することによって形成され得る。あるいは、自己終結金属含有単層のテイルは、窒素フェーズの前に、中間のスカベンジャー(scavenger)またはゲッター(getter)フェーズにおいて、還元され得、またはそうでなければ、除去され得る。
【0028】
より詳細には、これらの方法は、多孔質「low k」材料中に形成されるメタライゼーション構造に適用される。上記の高度にコンフォーマルな自己飽和プロセスの前に、露出した多孔質表面上にシーリング層が第一に形成され、ポアをブロックする。次いで、コンフォーマル自己飽和プロセスは、これらのポアを貫通できず、そしてこのlow k誘電体は、その所望の特性を維持する。有利には、シーリング層は、金属であり得、次いで均一な厚みの導電層が、望ましくは、それらのそれぞれの機能と首尾一貫し得る限りで薄く、そして多孔質絶縁層を介して短絡する危険を伴わずに、高アスペクト比の開口部(例えば、トレンチ及びビア)内に形成され得る。このようにして、そのような開口部内の残りの容量は、最大化され、より高度に導電性のフィラー材料(例えば、金属ランナー及び集積コンタクトについての銅)の比例する容量をより大きくすることを容易にする。
【0029】
開口部を有するいくつかの構造体について、主として垂直に整列したポアを有することが見出されている構造体(例えば、low k層)の上部表面に関して、ポアが、特に問題であることが見出されている。従って、そのような上部表面のポアを、トレンチのような開口部内深くの側壁表面上のポアについてと同一の問題を伴うことなく、シールまたはブロックすることが所望され得る。
【0030】
1つの実施形態において、そのような表面は、層を堆積させることなくシールまたはブロックされ得る。その代わりに、上部表面は、選択された深さまで変形または再形成され得、その結果、上部表面に近いポアが、崩壊する。例えば、標的化されたエネルギー(例えば、パルスレーザーまたは放射熱)が提供され得、その結果、選択された深さまで上部表面が溶融する。表面が集積回路の層間絶縁膜(ILD)中に見出される場合、その深さは、望ましくは、引き続く堆積がILDを横切る短絡電流を起こす危険のないことを確保するのに必要な最小限の深さ近くになるように選択される。
【0031】
別の実施形態において、シーリング層が形成される。従来のlow k多孔質におけるシーリングダマシン構造と同様に、望ましくは、シーリング層は、従来の原子層堆積(ALD)のものと比較してよりコンフォーマルでない。元々、ALDは、上部表面から、側壁表面に沿って、そして底部表面に沿って完全に近いコンフォーマリティをもたらしている。この実施形態において、低減された膜の厚さが基板における開口部の内部表面に沿ってもたらされるような、低減されたコンフォーマリティをもたらすことが所望される。従って、従来のCVD及びPVDプロセスは、そのようなシーリング層について使用され得る。
【0032】
しかし、特に好ましい構成において、本明細書中に記載される方法は、ALDの完全に近いコンフォーマリティから化学気相成長(CVD)によりもたらされるコンフォーマリティのレベルまでの範囲をとる、調整された(tailored)コンフォーマリティを可能にする。本発明者らは、そのような調整(tailoring)が、異なるコンフォーマリティが異なる構造について所望される種々の状況に関して有用であり得ることを発見した。例えば、主に垂直に整列したポアを有することが見出されているlow k層は、従来の多孔質のlow k材料と比較して異なるレベルのコンフォーマリティを要求し得る。側壁トレンチ/ビア表面のカバレージは従来の等方性の多孔質層については所望されるが、水平表面のみが連続的なポアに通じる場合、そのような側壁カバレージは、必要ではない。実際、種々の理由から(例えば、高度に導電性の材料(例えば、銅)のためにトレンチ及びビア中に最大限の空間を残すため、または絶縁シーリング層が選択された場合、トレンチまたはビアの底部上に導電性のパスを空けるための方向性を有するエッチングを回避するため)、側壁の完全なカバレージを回避することは有利であり得る。
【0033】
従って、本発明の別の局面によれば、絶縁層の上部表面から延びる複数のトレンチを有する多孔質絶縁層を含む集積回路を製造するための方法が提供される。この方法は、絶縁層の露出した表面上のポアをブロックする工程を含む。ブロッキングは、絶縁層の上部表面上で優先的に実施される。ポアをブロックした後、第一の反応種の約1以下の単層が自己制御及び自己飽和反応において形成される。次いで、第二の反応種がこの単層と反応する。1つの実施形態において、ブロッキングは、この基板の上部表面を溶融することによって実施される。別の実施形態において、ブロッキングは、非コンフォーマル堆積(nonconformal deposition)によって実施される。
【0034】
本発明の別の局面によれば、そのなかに開口部を有する構造上に膜を堆積するための方法が提供される。この方法は、交互堆積プロセスを含み、これによって複数の連続的な反応物パルスが互いに間隔をあけられる。この交互のプロセスは、原子層堆積(ALD)と化学気相成長との間のコンフォーマリティのレベルを達成するように最適化される。
【0035】
本発明の別の局面によれば、半導体基板上に堆積した膜のコンフォーマリティを調節するための方法が提供される。この方法は、その表面に複数の開口部を有する基板を提供する工程を含む。時間的に間隔を開けた交互の反応物パルスでの、少なくとも2つの異なる、相互に反応性の反応物のシーケンスが、提供される。反応物パルスの間隔及び反応物パルスの幅は、半導体基板の表面における開口部中に堆積した膜のコンフォーマリティを調節するために選択され、ここで、これらの間隔及び幅は、基板のトポグラフィーについて最小限のサイクルの長さで最大のコンフォーマリティを達成するように最適化されている対応する原子層堆積(ALD)プロセスと比較して減少したコンフォーマリティを達成するように選択される。半導体基板は、膜を堆積するように選択された間隔及び幅を有する反応物パルスのシーケンスに曝される。
【0036】
本発明の別の局面によれば、半導体製造プロセスは、その中に異方性多孔質構造及びより大きい開口部を有するlow k誘電体を提供する工程を含む。次いで、low k誘電層の上部表面は、優先的にシールされる。low k誘電層の上部表面が優先的にシールされる。次いで、原子層堆積プロセスが、シールされた上部表面上に直接堆積させるために実施される。
【0037】
本発明の別の局面によれば、半導体基板上への膜の堆積のための方法は、種々のレベルのアクセシビリティーを有する種々の領域を有する表面を有する基板を提供することを含む。少なくとも2つの異なる、相互に反応性の一連の反応物が、時間的に間隔のあけられた交互の反応物パルスで提供される。反応物パルスの間隔及び/または反応物パルスの幅は、基板表面上の最もアクセス可能な領域に対する自己飽和及び自己制御原子層堆積(ALD)モードの堆積、ならびにこの基板表面上のよりアクセス可能でない領域における空乏効果(depletion effect)を達成するために選択される。半導体基板が、膜を堆積するために選択された時間的間隔及び幅の反応物パルスのシーケンスに曝される。
【0038】
本発明のこれら及び他の局面は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、及び図面(本発明を例示することが意図されそして限定することは意図されない)を考慮して、当業者に容易に明らかになる。
【0039】
好ましい実施形態の詳細な説明
特定の好ましい材料の文脈において記載されるが、本明細書中の開示を考慮すると、記載される方法及び構造がダマシン構造を裏張りするための種々の他の材料への応用を有することが理解される。
【0040】
上記背景の節において議論したように、物理蒸着(PVD)及び従来の化学気相成長(CVD)によってダマシン構造、特にデュアルダマシン構造を裏張りすることは、大容量のトレンチ及びコンタクトビアを有利に充填しない。従って、後の高度に導電性のフィラー材料のための、より少ない空間が残る。より薄いライナー材料は、高度に導電性のフィラー金属(例えば、銅)のための、より多くの空間を残し、このことは、次いで、集積回路の導電性及び演算シグナル伝達速度を増加させる。従来法(例えば、PVD及びCVD)は、まさにこれらの本質上、ダマシン構造の底部よりその上部末端に向かい厚くなる層を提供する。多くの研究が、デュアルダマシントレンチ及びコンタクトビアのよりコンフォーマルなステップカバレージを得るために実施されているが、そのような構造の全ての表面に同じ濃度の反応種(またはPVDスパッタード(sputtered)材料)を供給することは、非常に困難である。特に、既に深いトレンチの底部から延びる深く、微細なコンタクトビアの底部に供給される場合、同じ濃度の堆積種をそのような構造の上部表面に供給することは困難である。
【0041】
ほとんど完全なステップカバレージを提供することによって、好ましい実施形態は、有利には、デュアルダマシン構造におけるトレンチ及びコンタクトビアの全ての表面にわたり所望のライナー層に最低限必要な厚さを獲得する。望ましくは、好ましい実施形態の方法は、トレンチ及びコンタクトビアの下部領域と比較して、上部領域における反応種の相対的濃度にはより依存しない。
【0042】
図5〜8を参照して、絶縁層は、好ましい実施形態に従い、半導体基板上に形成される。最初に図5を参照して、第一または下部絶縁層50が、バリアー層51及び導電性素子52上に形成され、これは、例示される実施形態において下部相互接続層の一部を形成する。当業者に理解されるように、メタライゼーションスキームは、代表的には、種々のワイヤリング層を通して1つの金属組成を使用する(例えば、銅相互接続またはアルミニウム相互接続)。好ましい実施形態は、多くの異なる材料に適用され得るが、特定の実施形態としては、特に、ビアフロアまたは下部導電性素子52が高度に導電性の銅線を含むダマシン構造の裏張りに適用される。好ましくは、第一の絶縁層50は、形成される上部ワイヤリング構造から下部導電素子52を絶縁するのに十分な厚さで形成される。エッチストップ層またはハードマスク54(図6〜7)は、下部絶縁層50上に形成され、そして第二または上部絶縁層56(図8)は、エッチストップ層54上に形成される。好ましくは、第二のエッチまたはCMPストップ層58(シールド層としても知られる)も、上部絶縁層56上に形成される。
【0043】
例示される実施形態において、下部及び上部絶縁層50、56の各々は、約1.0μm未満、より好ましくは約0.8μm未満、そして最も好ましくは約0.6μm未満の厚さを有する誘電性材料を含む。当業者は、絶縁層が多数の適切な誘電性材料のいずれかを含み得ることを容易に理解する。例えば、誘電性材料は、最近、従来の酸化物と比較して、低い誘電率(low k)を示すことが発見された。これらのlow k誘電性材料としては、ポリマー材料、多孔性材料及びフッ素ドープ酸化物(fluorine−doped oxide)が挙げられる。本発明のトレンチ及びコンタクトビアを裏張りする方法は、特に、そのようなlow k材料に関して有用性を有する。
【0044】
従って、例示される絶縁層50、56は、約3.5未満の誘電率(k)を示す、low k材料、より詳細には、多孔性low k材料を含む。好ましくは、絶縁層のk値は、約3.0未満、より好ましくは約2.5未満、そして最も好ましくは約2.0未満である。
【0045】
上記背景節に示されるように、増加する多孔率は、有効に、誘電率を低下させる。従って、low k材料の寄生キャパシタンス減少の最大の利益は、最大の多孔率で生じる。この利点は、プロセシングの間の機械的、化学的及び熱安定性の問題(これらのうちいくつかは、多孔率を調整することとは独立した技術によって解決され得る)に対してバランスがとられる。本明細書中に開示される方法は、任意のレベルの多孔率を有する絶縁層に適用可能であるが、望ましくは、low k膜50、56の多孔率は、約50%より高く、より好ましくは約70%より高く、そして最も好ましくは、約75%より高い。
【0046】
例示的な多孔性low k材料は、Synnyvale、CAのHoneywell Advanced Microelectronic Materials(AMM)(以前のAllied Signal)から商標NanoglassTMの下で市販されているスピンオン材料である。NanoglassTMは、50%〜90%の多孔率レベルについて2.5〜1.3の間のk値を有するナノポーラスシリカである。現在入手可能な市販のバージョンのNanoglassTMは、約70%の多孔率で約2.0の誘電率を有する。以前のバージョンのNanoglassTM(Nanoglass K2.2−A10B)に対する研究によって、このより多孔性でないバージョンのキセロゲルが約4nm(40Å)の平均ポアサイズを有する完全に連結したポアを有することが見出された。Ryanら、「Material property characterization and integration issue for mesoporous silica」 Proceedings of the IEEE 1999 International Interconnect Technology Conference(1999)、pp.187−189。しかし、当業者は、本明細書中に開示される方法が種々のレベルの多孔率を有する種々の他の材料に適用可能であることを容易に理解する。
【0047】
例示される実施形態のエッチストップ層54、58は、各々、絶縁層50、56と比較して、異なるエッチ速度を示す材料を含み、エッチングプロセスのより良好な調節を可能にする。例示される実施形態において、これらのエッチストップ層54、58は、窒化珪素(Si)を含み、好ましくは、約100Å〜700Åの間、より好ましくは約200Å〜500Åの間の厚さで提供される。好ましくは、下部バリアー層51もSiを含む。エッチストップ層54、58が下の多孔性絶縁層50、56を強化する役割も果たし得ることが理解される。以前のパラグラフに引用されるRyanらに開示されるように、1,000ÅのCVD酸化物のキャップが、引き続くCMPプロセシングの間のレジリエンスを改善するために使用され得、そして上に重ねられた金属を研磨する際のエンドポイントとしての役割も果たし得る。
【0048】
背景の節において議論されるように、下部絶縁層50及びエッチストップ54が形成された後(図5及び6)、マスク及びエッチプロセスにより、エッチストップ54に開口部55のパターン(図7に1つ示す)を移す。次いで、第二または上部絶縁層56及び任意のCMPストップ58が、ハードマスク54上に形成される。
【0049】
ここで、図9aを参照して、基板がマスクされ、そしてトレンチ60(1つ示す)が上部絶縁層56を通り、好ましくは第一のエッチストップ層54の露出部上でとまるようにエッチングされる。当業者に理解されるように、トレンチ60が集積回路設計に従い、金属線について所望されるパターンで絶縁層56を横切りエッチングされる。例示される実施形態において、トレンチの幅は、約0.35μm未満、より好ましくは約0.25μm未満である。
【0050】
ハードマスク54を通る継続的なエッチングは、トレンチの底部から下にそして下部絶縁層50を通って延び、下にある導電性素子(例えば、金属線52)を露出するコンタクトビア62(1つ示す)を規定する。コンタクトビア62は、トレンチ60に沿って別々の位置でハードマスク54における開口部55によって規定される。望ましくは、コンタクトビア62は、約0.35μm未満、そしてより好ましくは約0.05〜0.25μmの間の幅を有する。コンタクトビア62の幅または直径は、上記トレンチ60により規定されるライン幅と同じかわずかに短い。
【0051】
従って、コンタクトビア62の有効なアスペクト比(深さ:幅)は、好ましくは、約1:1より大きい。コンタクトビア62の有効な深さが、絶縁層50、56の両方を介して規定されるので、有効なアスペクト比は、より好ましくは約2:1より大きく、そして最も好ましくは約2:1〜4:1の間である。好ましい実施形態は、ライン幅及びコンタクト幅がなおさらに縮む、将来の製造デバイスに関して、特に有用性を有する。有利には、絶縁層50、56についての相対的に薄いlow k誘電体の使用は、従来の酸化珪素(k≒4)を用いる等価の設計と比較してアスペクト比を減少させる。
【0052】
図9b〜9eを参照して、好ましい実施形態は、図9aのデュアルダマシン構造に対するバリエーションに関しても特別な有用性を有する。図9aのものと類似の部品は、同様の参照番号によって参照される。
【0053】
図9bを参照して、非キャップ(non−capped)デュアルダマシン構造が示される。非キャップビア62が設計ルールにより許容される(そしてこれらが、より高い回路密度を得るために所望される)場合、マスクの整列ミスは、なおより大きなアスペクト比を導き得る。1つのビア側壁は、ハードマスク54によって規定される開口部55の対応する縁部から引き下がる(withdrawn)ので、有効なコンタクトサイズが減少し、その結果、アスペクト比は、容易に、図9aの例示される実施形態について上に列挙されるものの二倍となり得る。
【0054】
ここで、図9cを参照して、十分にランドされて(landed)いないビアは、同様に、より高い有効なアスペクト比を示す。そのような状況下で、ハードマスク54の開口部55は、導電性回路素子52の縁部70と重複する。小さいが非常に高いアスペクト比のオーバーエッチホール(overetch hole)72は、回路素子52の周囲の絶縁または誘電層74中に形成される。当然、このオーバーエッチホール72の深さは、バリア層51と周囲の誘電体74との間のエッチ選択性に依存する。
【0055】
図9dは、ビアエッチの間にバリア層51をアンダーカットする(undercut)ことの効果を例示する。バリア51が選択的エッチによりビア底部からエッチングされて下にある回路素子52を露出させる場合、バリアー51は、横からくぼむ傾向にある。得られたキャビティー80は、従来のプロセスによって裏張りすることが非常に困難である。
【0056】
図9eは、なお別の理想的でないダマシン構造を例示する。構造をパターン化するために使用されるフォトレジストを除去した際、low k誘電体から形成される絶縁層50、56は、攻撃に対して敏感であり、トレンチ60及びビア61にバレル型プロフィールを残す。この構造も、従来のプロセシングによって有効に裏張りおよび充填することは困難である。
【0057】
同様に、多くの他の理想的でない条件は、デュアルダマシントレンチ及びビアについて他のリエントラント(re−entrant)プロフィール、キャビティー及び/または非常に高いアスペクト比をもたらし得る。そのような環境下で、従来のプロセシングは、空隙を形成することなく、これらの構造を裏張り及び充填するのに不適切である。対照的に、好ましい実施形態の方法は、図9b〜9eの通常でないまたは異常な構造でさえ有効に裏張りし得る。さらに、当業者は、本明細書中に開示される方法及び膜についての応用がデュアルダマシンの文脈を超えることを容易に見出す。例えば、本明細書中に開示される方法は、シングルダマシンワイヤリングスキームにおけるトレンチを裏張りするためまたは従来のコンタクトビア及び開口部を裏張りするためにも有効に用いられ得る。裏張りの方法は、多孔質low k材料を使用するデュアルダマシンプロセスフローに関して、特に、有用性を有する。
【0058】
コンフォーマルライナーを形成する方法
そのように形成されたダマシン構造は、その後、高ステップカバレージで裏張りされる。好ましい実施形態によれば、ライニング層は、各サイクルによって、自己制御様式で、ワークピース上に層を堆積、反応または吸着させる、周期的プロセスによって形成される。好ましくは、各サイクルは、少なくとも2つの別のフェーズを含み、ここで、各々のフェーズは、自己制御効果を有し、所望のライナー材料の約1以下の(no more than about one)原子単層を残す、飽和反応(saturative reaction)である。
【0059】
図3は、一般的に、高ステップカバレージのダマシンライニング層を形成する方法を例示する。好ましい方法は、反応物がサイクル中の交互パルス(alternating pulse)でワークピースに供給される、原子層堆積(ALD)の1形態である少なくとも1つのプロセスステップを含む。好ましくは、各サイクルは、吸着及び好ましくは化学吸着によって、ライニング材料の約1以下の単層を形成する。基板の温度は、化学吸着を促進する領域内に保持される。特に、基板温度は、吸着種と下にある表面との間のインタクトな結合を維持し、そして反応物種の分解を回避するのに十分に低い温度で維持される。一方、基板温度は、反応物の縮合を避け、そして各々のフェーズにおいて所望される表面反応のための活性化エネルギーを提供するのに十分に高いレベルに維持される。当然、任意の所定のALD反応に適する温度領域は、表面の終結(termination)及び関与する反応物種に依存する。
【0060】
好ましくは、各々のサイクルの各々のパルスまたはフェーズは、実質的に、自己制御である。以下に示す例において、各々のフェーズは、自己終結である(すなわち、吸着及び好ましくは化学吸着した単層は、そのフェーズの化学物質と反応性でない表面として残留する)。過剰の反応物前駆体は、この構造体表面を飽和するために各々のフェーズにおいて供給される。自己終結は、反応物へのより長い曝露に供された位置での過剰な膜の成長を回避し、一方で表面飽和は、(以下により詳細に議論するように、物理的なサイズの制限を受ける)全ての利用可能な反応部位の反応物での占有を確保する。同時に、飽和かつ自己終結する化学物質は、優れたステップカバレージを確保する。
【0061】
このステップカバレージは、非常に高いので、予め注意することなく、これらのプロセスにより、導電性反応物を用いて、好ましいlow k絶縁層50、56(図10a)のポアをコーティングすることができる。そのような結果は、絶縁層50、56を通る導電性パスまたは短絡の危険性を有する。本発明者らは、以下の表に示される好ましい反応物、特に金属ハライド、に関してこの危険性が特に高いことを認識している。従って、好ましい実施形態のプロセスは、導電性材料を用いてデュアルダマシン構造を裏張りする高度コンフォーマルALDプロセスの前にビア及びトレンチの側壁及び/頂部表面上のポアをブロックすることを含む。
【0062】
例示されるように、好ましい実施形態に従うプロセスは、図9a〜9eに例示されかつ上で議論されたもののようなデュアルダマシン構造の形成100と共に始まる。示されるように、この構造は、多孔質low k材料を含む。
【0063】
形成100の後、low k材料の表面(この実施形態は、少なくともビア及びトレンチの側壁を含む)が、low k絶縁層のポアをシールまたはブロックするプロセス101に供される。好ましくは、ブロッキング101は、より高度にコンフォーマルなALD堆積の前にポアをピンチオフする相対的に低いコンフォーマリティ堆積を含む。以下により詳細に示されるように、シーリングまたはブロッキングプロセス101は、従来の堆積(例えば、CVDまたはPVD)を含み得、またはそれ自体、多孔質low k材料を通した反応物の十分な拡散の前にこれらのポアをブロックするように最適化された交互堆積プロセスを含み得る。以下の図20〜22の議論を参照して、より良く理解されるように、他の構成においてシーリングまたはブロッキングプロセス101は、この構造の上部または水平表面上に集中し得る。堆積に加えて、ブロッキング101は、例えば、溶融または標的化アニーリングによって、そのような上部表面でポア開口部を破壊またはそうでなければシールするような再形成プロセスを含み得る。
【0064】
ブロッキングプロセス101は、ポアをシールまたはブロックするための絶縁層を形成し得るが、より好ましくは、導電性材料を堆積させる。有利には、導電性材料でシールする場合、導電性材料が過剰に多孔性材料を貫通しているか否かを決定するための品質管理は、同時に、絶縁層が回路設計に従って絶縁体のk値を下げるのに十分に多孔性であることを維持しているか否かを決定する。さらに、導電性シーラントと共に、開口部(ビア及びトレンチ)内に制限された容量が、絶縁性材料ではなく、導電材料によって満たされ、そして高度にコンフォーマルなALDプロセスの前のビアフロアへの電気的コンタクトを開放するには、さらなるプロセスは必要とされない。
【0065】
必要であれば、デュアルダマシン構造の露出した表面(例えば、多孔質トレンチ及びビア側壁表面上のブロッキング層、スペーサーエッチ前の絶縁ブロッキング層の場合において図9a中に示される金属フロア、または予め堆積された吸着層の表面)が、第一フェーズのALDプロセスで反応するために終結102される。好ましい実施形態の第一フェーズ(表I〜IVを参照のこと)は、例えば、ヒドロキシル(OH)またはアンモニア(NH)終結(termination)と反応性である。酸化珪素及び窒化珪素表面は、別個の終結(separate termination)を必要としない。特定の金属表面(例えば、ビア61の底部の金属ブロッキング層または回路素子(図9a))は、露出している場合、例えば、アンモニア処理によって終結され得る。堆積するライニング材料が金属窒化物である場合、表面の終結は、おそらくブロッキング層またはさらなる吸着層のさらなる表面終結処理を伴う、ブロッキング層及び任意のさらなる吸着層の形成(ALDにもよる)を含むと考えられ得る。
【0066】
最初の表面終結102の後、必要な場合、次いで第一の化学物質がワークピースに供給104される。図4を参照して以下により詳述される好ましい実施形態によれば、第一の化学物質は、前の工程102により残った終結表面と反応性である金属含有化合物を含む。従って、金属含有種は、表面終結の際に置換または吸着する。この金属含有種層は、望ましくは、第一の化学物質の任意の過剰の成分が、このプロセスにより形成される単層とさらに反応しないような自己終結性である。好ましくは、ハライドまたは有機リガンドは、金属含有単層を終結させる。
【0067】
好ましくは、金属含有反応種は、気体状で供給され、従って、以下で、金属供給ガスと称される。いくつかの例において、反応種は、実際には、プロセス温度より高い融点(例えば、以下の表Vにおいて、CuClは430℃で融解し、一方でプロセスは約350℃で実施される)を有する。それにも関わらず、露出した表面を飽和するのに十分な濃度でワークピースにそれらの種を輸送するためのプロセス条件下で、それらの種が十分な蒸気圧を示す場合、金属供給ガスは、本願記載の目的に関しては、「揮発性」と考えられる。
【0068】
次いで、第一の化学物質が反応チャンバーから除去106される。例示される実施形態において、工程106は、好ましくは、反応チャンバー約2つ分の容量より多く、より好ましくは、チャンバー約3つ分より多いパージガスを用いて、過剰な反応物及び反応副産物をビア、トレンチ及び反応チャンバーから外に拡散またはパージするのに十分な時間にわたり、キャリアガスを継続して流しながら、単に、第一の化学物質のフローをとめることを必然的に伴う。例示される実施形態において、除去106は、第一の化学物質のフローを止めた後、約0.1秒〜20秒の間、パージガスを継続して流すことを含む。パルス間のパージは、1999年9月8日に出願され、「IMPROVED APPARATUS AND METHOD FOR GROWTH OF A THIN FILM」と題された、No.09/392,371を有する同時係属の米国特許出願(この開示は、本明細書中において参考として援用される)に記載されている。他の構成において、このチャンバーは、交互の化学物質間で完全に排気され得る。例えば、1996年6月6日に公開され、「METHOD AND APPARATUS FOR GROWING THIN FILMS」と題された、PCT公開番号WO96/17107(この開示は、本明細書中において参考として援用される)を参照のこと。吸着104及び反応物除去106は、一緒になって、ALDサイクルにおける第一フェーズ107を表す。
【0069】
第一の化学物質の反応物がチャンバーから除去106された時、第二の化学物質がワークピースに供給108される。望ましくは、第二の化学物質は、工程104において形成される自己終結単層と反応する。図4を参照して以下により詳細に記載される、例示される実施形態において、この反応は、ワークピースに窒素源ガスを供給することを含む。窒素源ガス由来の窒素または窒素含有種は、好ましくは、予め吸着した金属含有種と反応して、金属含有単層に代わって金属窒化物を残す。
【0070】
他の構成において、第二の化学物質は、単純に、工程104において(例えば、リガンド交換、昇華または還元によって)形成される吸着した金属複合体単層のリガンド末端(termination)を単純にスカベンジまたは除去し得、またはそうでなければさらなる単層の堆積/吸着並びに/或いはさらなる化学物質との反応のための単層を調製し得る(例えば、以下の表I、IV及びVを参照のこと)。望ましくは、反応108も自己制御である。反応物は、工程104により残された限定された数の反応部位を飽和する。好ましくは、温度及び圧力の条件は、第二の化学物質から単層を通り下にある材料までの、反応物の拡散を回避するように構成される。第二の化学物質も、飽和反応フェーズにおける堆積を制限するように作用する表面終端を残す。以下の表II及び表IIIの例示される実施形態において、金属窒化物単層を終結する窒素及びNHテイルは、第二の化学物質のNHと反応性でない。
【0071】
第二の化学物質を用いる金属含有単層の完全な飽和及び反応に十分な時間の後、第二の化学物質がワークピースから除去110される。第一の化学物質の除去106と同様に、この工程110は、好ましくは、第二の化学物質のフローを止めることならびに第二の化学物質由来の過剰の反応物及び反応副産物を、ダマシン構造のビア及びトレンチから外に拡散させ、そして反応チャンバーからパージするのに十分な時間にわたり、キャリアガスを継続して流すことを含む。例えば、反応物及び反応副産物は、第二の化学物質のフローをとめた後、好ましくは少なくとも約チャンバー2つ分の容量、そしてより好ましくは少なくとも約チャンバー3つ分の容量のパージガスを用いて、パージガスを流すことによって除去され得る。例示される実施形態において、除去110は、第二の化学物質のフローをとめた後、約0.1秒〜20秒の間パージガスを継続して流すことを含む。反応108及び除去110は、一緒になって、ALDサイクルにおける第二フェーズ111を表す。
【0072】
例示される実施形態において、2つのフェーズが交互に行われ、一旦第二の化学物質の過剰な反応物及び反応副産物がビア及びトレンチ、そしてより好ましくは反応チャンバーから拡散して出ると、ALDプロセスの第一フェーズ107が繰り返される。従って、ワークピースに第一の化学物質を再び供給104して、別の自己制御単層を形成する。
【0073】
従って、2つのフェーズ107、111は、ALDプロセスにおいて単層を形成するために繰り返されるサイクル115を表す。第一の化学物質は、一般的に、前のサイクルにおいて第二の化学物質により残された終端と反応する。必要な場合、サイクル115は、図3において点線で示されるように、工程102に類似する、別個の表面調製を含むように拡張され得る。次いで、サイクル115は、工程104〜110を通して継続する。このサイクル115は、その所望の機能を実施するのに十分な厚さのデュアルダマシン構造内にライニング層を製造するのに十分な回数、繰り返される。
【0074】
図3においては、第一及び第二の化学物質のみを用いて例示されるが、他の構成において、追加の化学物質も、各々のサイクル中に含まれ得ることが理解される(例えば、以下の表IVを参照のこと)。さらに、以下の例において、最初の金属フェーズ及び引き続く窒素フェーズを用いて例示されるが、このサイクルは、表面及びフェーズの化学物質に依存して、窒素フェーズから始めることができることが理解される。
【0075】
ALDプロセス前のポアのブロッキング
図3を参照して示されるように、多孔質low k層50、56における開口部(例えば、ビア62及びトレンチ60)を含む構造は、low k材料、特に開放ポアとなりやすいものの露出した表面で、ブロックまたはシールされる。この方法は、low k材料中に任意の有意な深さまでポアを充填することなく、露出した表面で多孔質low k材料のポアをブロック、プラグまたはシールするように選択される。low k材料のポアを完全に充填することは、絶縁材料を用いてさえ、その材料の誘電率を上昇させることによって多孔質low k材料の利点を無効にする。導電性材料を用いてブロッキングする場合、low k材料への有意な浸透は、層50、56を介した短絡を形成する危険性を有する。図21に関して以下で議論される、1つの実施形態において、シーリングは、目的の表面をリフォーミングすること(例えば、溶融もしくはその他の処理で表面を破壊するかまたはそうでなければその表面でポアの開口部を密封すること)によって達成され得る。
【0076】
例示される実施形態において、ブロッキングは、図10aに示されるように、シーリング層148を用いて、多孔質low k層50、56における開口部を裏張りすることによって達成される。より詳細には、このシーリング層148は、low k絶縁体50、56の厚さを通してポアを完全に充填するのに十分な高さのコンフォーマリティを有さない方法によって堆積される。好ましくは、この堆積は、low k絶縁体中に3ポア深さ以下のポア(ここで、このポアの深さは、平均ポアサイズにより規定される)を充填またはプラグする。より好ましくは、この堆積は、このlow k絶縁体中へのポア3つ分の深さより深いポアを連続的に裏張りしない。最も好ましくは、この堆積は、low k材料中、ポア1つ分の深さ以下のポアを充填し、連続して、このlow k材料中、ポア2つ分の深さ以下のポアを裏張りし、そしてこの層中、ポア3つ分の深さのポアを、堆積される材料が導電性であるとした場合に、電気を流すのに不十分な程度に裏張りする。
【0077】
図10bを参照して、ビア側壁の拡大図を断面図で示す。例示される実施形態によれば、low k材料50は、絶縁材料のマトリクス122内に複数のポア120を含む。Sunnyvale、CAのHoneywell Advanced Microelectronic Materials (AMM)(前Allied Signal)から市販されているNanoglassTMを含む、例示されるlow k材料50は、約2.0のk値を達成するように、約4nmの平均ポアサイズを有し、約70%の多孔率を有する。従って、示されるように、ポア120は、相互接続している。
【0078】
当業者は、ポアサイズが平均ポアサイズからランダムに偏ること及び相互のポアの方向性もランダムであることを理解するが、例示の目的で、ほぼ平均ポアサイズを有する3つの連続するポアを示す。本明細書中において規定される場合、ポア1つ分の深さとは、平均ポアサイズの距離を示す。例示される人為的な例において、ビア表面から延びる第一のポア124は、一番目のポアの深さを表し、第二のポア126は、二番目のポアの深さを表し、そして第三のポア128は、第三のポアの深さを表す。
【0079】
図10bに示されるように、これらのポアのいずれも完全に充填されない。ビア62に通じる(図10a)、第一のポア124は、シーリング層148の材料を用いて大部分が充填される。しかし、不完全なコンフォーマリティに起因して、シーリング層148は、完全な充填前に第一のポア124に対し開口部をピンチオフし、第一のポア124内に空隙130を残す。いくつかの場合において連続的であり得るポアの壁の非常に薄いコーティング132を有する第二のポア126が示される。第三のポア128は、あったとしても、非連続的な堆積物134を有するのみである。同様に、第四のポア136は(これもlow k材料の外側(ビア)表面からのポアを介する距離によれば、3番目のポアの深さを表す)、あったとしても、非連続的な堆積物を有するのみである。例示される実施形態において、第四のポア140及び第五のポア142(両方とも(異なる経路に沿って)、表面から4番目のポアの深さを表す)は、ほとんど堆積物を有さない。
【0080】
好ましくは、シーリング層148が導電性材料を含む場合、電流は、例示される実施形態において、二番目のポアの深さまでに限ってのみ流れ得る。断続的なコーティング138、134は、幾分かのアーク放電の危険性を高めるが、この危険性は、最小限でありかつほとんどの回路設計について重要でない。当業者は、いくつかのプロセスフロー及び回路設計が、許容されるポアを介した拡散の量について(例示されるものより広いまたは狭い)非常に異なる許容範囲を有することを理解する。さらに、シーリング層148の形成の間に可能となる拡散の量に関わらず、ポアのブロッキングは、引き続くコンフォーマルALDプロセスの間の非常に広範囲の拡散を回避する点において有利である。
【0081】
一つの実施形態において、シーリング層148は、絶縁材料(例えば、従来のCVDプロセスにより形成される二酸化珪素)を含み得る。この場合において、シーリング層の堆積に続いて、ビア62のフロアから絶縁材料を除去し、それにより下にある導電性素子を露出するための選択的エッチが行われる。例示的な選択的エッチは、ワークピースから水平表面を選択的に除去し、そしてCVDプロセスにより残った内側に傾斜した側壁をまっすぐにする(straighten)ことを意図する反応性イオンエッチを含む。
【0082】
しかし、例示される実施形態に従い、シーリング層148は、コンタクトプラグ(contact plug)を用いてビア62を充填する前に除去される必要がない導電性材料を含む。従来のCVDの金属(例えば、タングステン、チタン等)は、有利には、導電性吸着層及びシーリング層148の両方として作用し得る。十分に導電性である場合、シーリング層148は、最終構造物の一部として開口部の全ての内表面上に残り得る(図13を参照のこと)。
【0083】
導電性または絶縁性のシーリング層のいずれかが、PVD(例えば、スパッタリングまたはエバポレーション)によって堆積され得る。有利には、PVDは、代表的に、CVDより低いコンフォーマリティを示し、従って、CVDより迅速にポアをピンチオフする。この利点と、PVDによりもたらされるデュアルダマシン構造の乏しいステップカバレージとのバランスをとる必要がある。
【0084】
CVDまたはPVDのいずれも、堆積のための条件は、ビア62(図10a)の底部に達するための相対的に高いコンフォーマリティの必要性と、多孔質low k材料を通るシーリング層材料の有意な浸透前にポアをピンチオフする相対的に低いコンフォーマリティの必要性とのバランスをとるため、慎重に構成されるべきである。当業者は、本発明の開示を考慮して、ルーチンの実験として、堆積条件を容易に最適化し得る。
【0085】
別の実施形態において、シーリングまたはブロッキング層148は、層内への有意な浸透前にlow k層50、56のポアをブロックするために最適化された(ALDと同様のパルスを用いる)交互のプロセスによって形成され得る。従来の研究は、多孔質材料がALDにより被覆され得る条件を決定するために実施されてきた。A.W.Ott.,J.W.Klaus,J.M.Johnson,S.M.George,K.C.McCarley,J.D.Way、「Modification of Porous Alumina Membranes Using Al Atomic Layer Controlled Deposition,」Chem.Mater.Vol.9,No.3(1997),p.707−714;及びSuvi Haukka,Eeva−Liisa Lakomaa,Tuomo Suntola,「Chemisorption of chromium acetylacetonate on porous high surface area silica,」Appl. Surf.Sci. Vol.75,No.1−4(1994),pp.220−227を参照のこと。上記の文献は、本明細書中に参考として明確に援用される。当業者は、本発明の開示を参照して、逆に、多孔質材料のコンフォーマルコーティングを回避するための条件が同様の技術を用いて決定され得ることを理解する。有利には、層(例えば、吸着、バリア、電気めっきシード層)の目的を達成するのに最小限の均一な厚さを有する、高いコンフォーマリティのALD層の前に、インサイチュで(in situ)、low k材料のポアをブロックするための「低いコンフォーマリティの」交互プロセスが実施され得、その結果、開口部を充填するために、より導電性の材料のための空間が保存される。
【0086】
1つの実施形態において、反応種は、ALDについての上記プロセスと同様のシーケンスで、不活性キャリアガス中の反応チャンバー内にパルスされる(pulsed)。金属源ガスの第一のパルスにおいて、基板の表面は、金属含有種でライニングされる。さらに、この金属源ガスは、拡散によって多孔質絶縁層中を浸透し得る。必要な場合、第一のパルスは、次のALDプロセスと比較して延長され得、多孔質絶縁層への金属源ガスの浸透を確保する。
【0087】
第一のパルスに続き、金属源ガスは、不活性ガスのパルスを用いて反応チャンバーからパージされる。本発明のこの実施形態において、このパージは、ポアから全ての金属源ガスを除去するのに不十分であり、そして幾分かが絶縁材料のポアの中に捕捉されたままとなる。パージパルスの幅は、トレンチ及びビアから反応種をパージするために最適化されたALDプロセスのものと等価であり得るが、ポアからパージして出すために最適化されていない。あるいは、このパージパルスは、金属源ガスが絶縁材料のポア内にとどまることを確保するように短縮され得る。
【0088】
第二の化学物質は、このパージの後にチャンバー内にパルスされる。好ましくは、第二の化学物質は、窒素源ガスである。第二の化学物質は、ビアの表面上に吸着した金属含有種の単層と反応する。さらに、この第二の化学物質は、絶縁材料中に拡散し、ここでそれは、ポア内に残っている金属源ガスと反応する。これは、CVD型の反応であり、ポア内への金属の1つの単層を超える堆積をもたらす。第二の化学物質は、それが遭遇する第一の金属源ガスと反応し、従ってポア内へのその拡散は制限され、絶縁層中での空乏(depletion)効果をもたらす。空乏効果の結果、第一のポアのネックでほとんどの金属が堆積し、絶縁材料内では、距離と共に金属の堆積が減少する。これは、第一のポアのネックを狭くし、引き続くALDサイクル中の多孔質絶縁材料中への拡散をさらに制限する。従って、交互プロセスは、ALDモードにおいては、相対的にアクセス可能な領域において、そして付随する空乏効果を有するCVDモードにおいては、相対的により制限された領域(例えば、ポア)において作用する。図10a及び10bから、基板の頂部表面領域が最もアクセス可能な領域であり、トレンチまたはビア領域が減少したアクセシビリティーを有し、このアクセシビリティーは、頂部表面からの距離の増加に伴って減少し、そしてポア領域は、最も低いアクセシビリティーを有することが明らかである。このプロセスは、そのようなアクセシビリティーの差異が存在するいずれの場合においても、より一般的に適用され得る。別の例は、図22を参照して以下に提供される。
【0089】
ALDサイクルの反復は、さらに堆積層の厚さを増加させることによって、第一のポアのネックをせまくし、そして最終的には、ポアをふさぐ連続的なシーリング層をもたらす。CVD空乏効果とポアへの拡散の結果的な減少との組み合わせは、このプロセスが、多孔質絶縁材料の絶縁特性を減少させることなく、この材料をシールすることを可能にする。ポアを密封するために必要とされる反復の回数は、ポアサイズに依存し、そしてルーチンの実験を通して当業者により決定され得る。この方法は、乏しいコンフォーマリティのCVDまたはPVDがトレンチ及びビア表面に提供され、その上に金属吸着層またはバリヤ拡散層を構築するための導電性シーリング層をさらに提供することを回避する。
【0090】
上記開示を参照して当業者に理解されるように、この交互堆積プロセスは、所望されるコンフォーマリティのレベルについての反応種のパルス幅及び間隔(例えば、パージステップ幅)の適切な選択によって、最適化され得る。この「低コンフォーマリティ」のモディフィケーションは、純粋なALDプロセス(ここで、反応種パルスは、自己飽和であり、そしてCVD反応を回避するために互いに十分に分離されている)のほぼ完全なコンフォーマルカバレージと、純粋なCVDプロセス(ここで、堆積速度は、温度及び/または反応種濃度に強く影響される)の相対的に乏しいコンフォーマリティとの間の一連のコンフォーマリティを有利に達成する。有利には、当業者は、種々の反応種パルス幅及び間隔を用いるルーチンの実験を介して、非コンフォーマル層について、所定の幾何学的形状及び所定の目的に適するコンフォーマリティを容易に調整することができる。本明細書における開示を参照して、パルス幅及び間隔の選択が、各々のサイクルにおける1つ以上の堆積フェーズを含み得ること、ならびにこの各々のサイクルが2つ、3つまたはそれより多い反応種のパルスを含み得ることが理解される。さらなる例が、以下の図22を参照して以下に示される。
【0091】
以下に議論される好ましい実施形態のさらなる裏張りプロセスにおいて、ALDの非常に高いコンフォーマリティは、low k誘電体のポアを導電性材料で完全にコーティングする危険性を有する。このコーティングは、絶縁体を通して通電が可能であり、ランナー及び/またはデバイスを短絡させ得る。しかし、このシーリング層148(図10a)は、ポアをブロックし、そしてポアがブロックされた後、特に任意の高コンフォーマリティALDプロセスが始まる前の反応種の進入を妨げる。これは、以下の表中に示される金属及び金属窒化物堆積化学種に関して特に重要である。
【0092】
金属吸着ライナーの形成
露出した材料及び所望のALD化学物質(chemistry)に依存して、バリヤ拡散層の形成の前の吸着層が、所望されることも、所望されないこともあり得る。TEOS酸化物を用いて、本発明者らは、吸着層の使用が必要でないことを見出した。一方、吸着層は、好ましいスピンオン及び他のlow k絶縁材料において形成されるビア及びトレンチに所望され得る。導電吸着層も、ビア61の底部で露出した金属ランナーまたはランディングパッド52上の第一フェーズの反応を促進するために所望され得る(図9a)。
【0093】
最も好ましくは、シーリング層148(図10b)は、金属層を含み、そして吸着層としての役割も果たす。従って、好ましい実施形態において、さらなる吸着層は必要とされない。
【0094】
吸着層が所望される場合、この吸着層は、好ましくは、デュアルダマシン構造の酸化物、金属及びエッチストップ層上に「純粋な」金属裏張り層を含む。従って、好ましいバリア層を形成する前に、図9a〜9eのものと類似するデュアルダマシン構造は、好ましくは、シーリング層148(図10a)を形成した後、またはそれと同時に、金属吸着層で裏張りされる。当該分野において公知であるように、そのような吸着層は、PVDまたはCVDによって形成され得る。例えば、PVDチタン及びCVDタングステンプロセスは、当該分野において周知である。有利には、従来のプロセスにより堆積されたそのような吸着層は、上記に示すような、最初の保護またはブロック層としての役割も果たす。
【0095】
他の構成において、low k誘電体のポアは、ビア及びトレンチ表面の完全なカバレージを伴わずに、有効にブロックまたはプラグされ得ることが考えられる(例えば、図22及び以下の関連する記載を参照のこと)。この場合、好ましくはさらなる吸着層が、以下の表Iのプロセスレシピにより例示されるように、ALDにより形成されて、最大限のコンフォーマリティを有する最小限の厚さを提供する。図3を参照し、そして以下の金属窒化物の特定の例を参照して、本明細書中に開示される原理が、種々のライナー材料の形成に適用可能であることが理解される。例えば、純粋な金属層が、ハロゲンまたは有機終結金属単層を堆積すること及び還元剤(例えば、Hラジカル、トリエチルホウ素または他の強力な還元剤)を流してハロゲン終端を除去することを交互にすることによって堆積され得る。リガンドを結合すること及び運び出すことによる金属単層終端の除去は、より一般的に、リガンドの「ゲッターリング」または「スカベンジング」と称され得る。従って、次のサイクルにおいて、金属源ガスは、別の自己終結フェーズにおいて下にある金属単層上に吸着し得る。得られたALD金属は、バリア層堆積の前の吸着層として、そしてバリア堆積後かつ電気めっき前のシード層として特に有用である。
【0096】
従って、好ましくは、これらの反応種の1つとしては、有機またはハライドリガンドを有する金属含有種が挙げられる。例示的な金属前駆体としては、タンタルペンタエトキシド、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、TaCl及びTiClが挙げられる。例示的な実施形態において、タングステン(W)シード層は、パージステップにより分けられる交互の金属及び還元フェーズにおいて、ALDにより形成される。以下の表Iのプロセスレシピにおいて、タングステンヘキサフルオリド(WF)は、還元剤トリエチルホウ素((CHCHB)またはTEBの形態のスカベンジャーと交互に用いられる。
【0097】
表I
【0098】
【表1】

【0099】
プラズマ発生機により提供されるラジカルは、ALDプロセシングの低温での金属含有層の堆積を容易にし得る。ラジカル増強(radical enhancement)を伴う金属及び金属含有層の堆積の構造及び方法は、1999年9月8日に出願され、そしてIMPROVED APPARATUS AND METHOD FOR GROWTH OF A THIN FILMと題されたシリアル番号第09/392,371を有する特許出願(この開示は、本明細書中上記に参考として援用される)において提供される。別の例示的なALD金属プロセスフローは、Shermanに対し、1999年6月29日に発行された、米国特許第5,916,365号(この開示は、本明細書中に参考として援用される)中に提供される。
【0100】
金属窒化物バリアライナーの形成方法
図4及び以下の表II〜IVは、図9A〜9Eの構造を裏張りする金属窒化物バリア層を形成するための例示的なプロセスを示す。単純化のために、同様の参照番号が、図3の一般的記載に対応する金属窒化物の例(図4)のフェーズ及び工程を示すために用いられる。
【0101】
ここで、図4を参照して、ガスフローシーケンスは、特定の実施形態に従い表される。例示される例において、導電性窒化物、より詳細には金属窒化物は、ワークピースに金属源ガスと交互に窒素源ガスを供給することによって形成される。各々のサイクルの第一または金属フェーズ107は、望ましくは窒素源ガスの非存在下で、金属含有材料の層を化学吸着させる。各々のサイクルの第二または窒素フェーズ111は、望ましくは金属源ガスの非存在下で、堆積した金属含有層に対して、窒素含有材料を反応または吸着させる。他の構成において、これらのフェーズの順番が逆転され得ること、及び反応種の除去またはパージ工程が、前または後の反応種パルスの一部と考えられ得ることが理解される。
【0102】
ライニング材料が形成されるダマシン構造の表面は、最初に、金属源ガスと反応性である表面を提供するように終結(terminate)される。図10aの実施形態において、堆積が所望される露出した表面は、シーリング層148によって提供される。好ましい金属層は、例えば、NHを用いて、以下に議論する反応種パルスの化学吸着を促進するように、終結され得る。
【0103】
最も好ましくは、金属フェーズ107は、第一フェーズの間に、約1以下の(no more than about one)原子単層が堆積されるような自己制御式である。望ましくは、揮発性金属源ガスは、パルス104において提供される。例示的な金属源ガスとしては、四塩化チタン(TiCl)、六フッ化タングステン(WF)、五塩化タンタル(TaCl)、タンタルペンタエトキシド、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル、塩化銅(CuCl)及びヘキサフルオロアセチルアセトナトビニルトリメチルシラン銅(Cu(HFAC)VTMS)が挙げられる。
【0104】
金属源ガスがデュアルダマシンコンタクトビアの底部中に拡散するのに十分な時間の後、金属源ガスのフローを止めることによって、金属パルス104は終了する。好ましくは、パージ工程106において、キャリアガスを、金属源ガスがチャンバーからパージされるまで連続的にフローする。
【0105】
パルス104の間に、金属源ガスは、ワークピースの露出し終結した表面と反応して、金属含有種の「単層」を堆積または化学吸着する。理論上反応種は、ワークピースの露出した層上の各利用可能な部位で化学吸着するが、(特に、終結リガンドを伴う)吸着される種の物理的サイズは、一般的に、各々のサイクルで、単層のフラクションに対するカバレージを制限する。表IIの例において、ALDプロセスは、金属窒化物層を、約0.35Å/サイクルで成長させ、その結果、堆積される材料由来の完全な単層(約4.2Åのバルク格子パラメータを有する)が、TiNに関して約15サイクル毎に有効に形成される。各々のサイクル115、115aは、一対の金属源ガスと窒素源ガスパルスにより表される。従って、本明細書中で使用される場合、「単層」とは、堆積の間の単層のフラクションを示し、第一に、パルス104の自己制御効果を指す。
【0106】
特に、ワークピース上に堆積/吸着される金属含有種は自己終結し、その結果、その表面は、金属源ガスとはさらに反応しない。以下に示す例において、TiCl(表II)は塩素末端チタンの単層を残す。WF(表III及びIV)は、フッ素末端タングステンの単層を残す。同様に、他の揮発性金属ハライドは、ハライド末端表面を残し、そして有機金属(例えば、タンタルペンタエトキシド、テトラキス(ジメチルアミノ)チタン、及びペンタキス(ジメチルアミノ)タンタル)は、有機リガンドで終結した表面を残す。そのような表面は、金属源ガスパルス104の間、反応種フローの金属源または他の構成成分とさらなる反応をしない。反応種に対する過剰な曝露は、過剰な堆積を生じないので、このプロセスの金属フェーズ107中の化学物質は、自己制御または自己飽和といわれる。より高濃度の反応種に対するより長い曝露にも関わらず、ワークピースの上部表面上の堆積は、ビアフロア上に過剰に堆積させない。
【0107】
次いで、サイクル115の第二フェーズ111において、窒素源ガスのパルス108が、このワークピースに供給される。例示される例において、窒素源ガスは、アンモニアを含む。好ましくは、第二フェーズ111は、窒素源ガスに、第一フェーズ107により残された金属含有種の単層を十分に曝すのに十分な時間、維持される。窒素源ガスがデュアルダマシンコンタクトビアの底部へと拡散するのに十分な時間の後、金属源ガスのフローを止めることよって窒素パルス108は終了する。好ましくは、パージステップ110において、キャリアガスを、窒素源ガスがチャンバーからパージされるまで継続してフローする。
【0108】
窒素パルス108の間、窒素源ガスは、第一フェーズ107により残された自己終結金属単層に対して反応または化学吸着する。表II及びIIIの実施形態において、この化学吸着は、金属単層のハロゲン末端を窒素含有種に置換する飽和リガンド交換反応を含む。対照的に、表IVの実施形態において、中間のゲッターまたはスカベンジングフェーズは、第一に、窒素パルスの前に金属単層のハロゲン末端を除去する。この場合、第三フェーズにおいて、窒素含有種は、ゲッターフェーズにおいて露出状態で残された金属に対して反応または吸着する。いずれの場合においても、金属窒化物がそれによって、好ましくは単一の単層で形成される。望ましくは、このプロセスは、化学量論的な金属窒化物を残す。金属フェーズ107に関して議論されるように、この単層は、吸着される種の物理的サイズに起因して、全ての利用可能な部位を占める必要はない。しかし、第二フェーズ111も自己制御効果を有する。
【0109】
特に、窒素源ガスは、前の金属源ガスのパルスの間にワークピース表面上に化学吸着された金属含有種と反応する。パルス108の間、アンモニアが金属窒化物単層を終結する窒素及びNHテイルと反応しないので、この反応も、表面で終結する。さらに、温度及び圧力条件は、アンモニアが金属単層を通って下にある材料まで拡散することを回避するように構成される。この飽和、自己制御反応フェーズ111において、より高濃度の反応種に対するより長い曝露にも関わらず、ワークピースの上部表面上に形成される金属窒化物の厚さは、ビアフロア上に形成される金属窒化物の厚さを越えない。
【0110】
金属フェーズ107(金属源パルス104及びパージ106を含む)及び窒素フェーズ108(窒素源パルス108及びパージ110を含む)は、合わせて、ALDプロセスにおいて反復されるサイクル115を規定する。第一のサイクル115の後、第二のサイクル115aが実施され、ここで、金属源ガスパルス104aが再び供給される。この金属源ガスは、前のサイクル115において形成された金属窒化物の表面上に金属含有種を化学吸着させる。この金属含有種は、露出した表面と容易に反応し、金属含有種の別の単層または単層のフラクションを堆積し、そして金属源ガスとさらなる反応をしない自己終結表面を再び残す。金属源ガスフロー104aが停止され、そしてチャンバーからパージ106aされ、そして(表II及びIIIに従い)第二サイクル115aの第二フェーズ111aが、窒素源ガスを提供して第二の金属単層を窒化する(nitridize)。表IVの例によれば、窒素フェーズは、中間のゲッターまたはスカベンジングフェーズの後に行われる。
【0111】
サイクル115aは、デュアルダマシン構造においてバリア機能の役割を果たすのに十分な厚さの金属窒化物が形成されるまで、少なくとも約10回、より好ましくは少なくとも約20回、反復される。有利には、約200Å未満、より好ましくは約100Å未満の厚さを有する層が、好ましい実施形態の方法によるほぼ完全なステップカバレージで形成され得る。
【実施例】
【0112】
実施例
以下の表は、超大スケールの集積されたプロセシングのためのデュアルダマシンメタライゼーションスキームにおけるバリア用途に適する金属窒化物層を形成するための例示的なプロセスレシピを提供する。各々のプロセスレシピは、シングルウエハープロセスモジュール(single−wafer process module)における1サイクルを示す。特に、例示されるパラメータを、フィンランド、エスポーのASM Microchemistry Ltd.製のPulsar 2000TMの商品名で市販されているシングルウエハーALDモジュールにおける使用のために開発した。
【0113】
以下の表(及び上記表I)におけるパラメータは、例示のみであることに留意すべきである。各プロセスフェーズは、望ましくは、ビア及びトレンチ表面を飽和するように、より詳細にはビア及びトレンチ表面上に最小限の厚さで形成されるシーリング層148(図10a)で飽和させるように構成される。パージ工程は、反応フェーズの間にビアから反応種を除去するように構成される。本明細書における実施例を、フィンランドのASM Microchemistry Ltd.製、Pulsar 2000TM反応チャンバー中で、平坦なパターン化されていないウエハーに対して実施した。約20より高いアスペクト比を有する空隙において90%より多いステップカバレージを達成するように、同様のALDプロセスを決定した。本明細書における開示を参照して、当業者は、許容される堆積速度で、飽和、自己終結フェーズを達成するために、異なる反応チャンバー及び異なる選択された条件について、堆積条件を容易に修正、置換、または変更することができる。しかし、前のシーリング層148に起因して、この高コンフォーマリティALDプロセスは、ポアに達せず、大きな空隙及び導電性コーティングのないままである。
【0114】
有利には、本明細書中に記載されるALDプロセスは、反応種の供給がトレンチ及びビアの表面を飽和するのに十分である限りにおいて、圧力及び反応種濃度に対して、比較的、敏感ではない。さらに、これらのプロセスは、低温で操作できる。ワークピース温度は、好ましくは、バックエンドプロセスの間、熱収支を保存しながら、比較的速い堆積速度を達成するために、プロセスを通して、約300℃〜500℃の間に維持される。より好ましくは、この温度は、約350℃〜400℃の間、最も好ましくは約380℃〜400℃の間に維持される。チャンバー内の圧力は、ミリTorrレンジ〜超大気圧(super−atmospheric)の範囲を取り得るが、好ましくは、約1Torr〜500Torrの間、より好ましくは約10Torr〜100Torrの間である。
【0115】
表II
【0116】
【表2】

【0117】
上記表IIは、デュアルダマシン構造のトレンチ及びコンタクトビアへの窒化チタン(TiN)バリアーのALDについてのパラメータを示す。示されるように、金属源ガスは、四塩化チタン(TiCl)を含み、キャリアガスは、窒素(N)を含み、そして窒素源ガスは、好ましくは、アンモニア(NH)を含む。
【0118】
第一のサイクルの第一フェーズにおいて、TiClは、デュアルダマシントレンチ及びコンタクトビアの露出した表面に対して、特にlow k材料中のポアをブロックするために形成されるシーリング層148に対して化学吸収する。好ましくは、金属源ガスは、他のプロセスパラメータの与えられた状態で、ダマシン表面を飽和するのに十分なパーセンテージのキャリアフローを含む。チタン複合体の単層が、トレンチ及びビア表面上に残り、そしてこの単層は、塩素で自己終結する。
【0119】
望ましくは、リアクターは、金属源ガスをより小さい及び/またはより反応性の種に変化させるための触媒を含む。例示される実施形態において、好ましい反応チャンバーは、TiClをTiClに有利に変換する、チタン壁を有する。より小さい種は、容易にビア中を拡散し、サイクル当りより多くの反応性の部位を占め、そしてより容易に活性部位に化学吸着する。従って、この触媒は、より迅速な堆積速度を可能にする。当業者は、他の触媒が他の化学物質について使用され得ることを容易に理解する。
【0120】
TiClフローが停止し、そしてキャリアガスの継続的なフローによりパージされた後、NHのパルスがワークピースに供給される。アンモニアは、好ましくは、他のプロセスパラメータの与えられた状態で、金属含有単層の表面を飽和するのに十分なパーセンテージのキャリアフローを含む。NHは、リガンド交換反応において、金属単層の塩素末端表面と容易に反応し、窒化チタン(TiN)の単層を形成する。この反応は、予め化学吸着された利用可能な金属塩化物複合体の数により制限される。アンモニアもキャリアガスも、得られた窒化チタン単層とさらなる反応をせず、そしてこの単層は、窒素及びNHブリッジ末端を残す。さらに、好ましい温度及び圧力のパラメータは、金属単層を介するアンモニアの拡散を阻害する。
【0121】
次のサイクルにおいて、第一フェーズは、窒化チタン単層の表面と容易に反応するTiClを導入し、再び、塩素末端チタン層を残す。次いで、第二サイクルの第二フェーズは、第一サイクルに関して記載された通りである。これらのサイクルは、所望の厚さの窒化チタンが形成されるまで繰り返される。
【0122】
例示される実施形態において、キャリアガスは、各々のサイクルの両方のフェーズの間一定の速度でフローを続ける。しかし、反応種が、交互のガスフェーズの間のチャンバーのエバキュエーションにより除去され得ることが理解される。1つの構成において、好ましいリアクターは、パルス堆積の間に一定の圧力を維持するためのハードウエア及びソフトウエアを組み込んでいる。Posaに対し、1988年5月31日に発行された、米国特許第4,747,367号及びCongerらに対し、1988年8月2日に発行された、米国特許第4,761,269号の開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0123】
表III
【0124】
【表3】

【0125】
上記表IIIは、窒化タングステン(WN)のALDについてのパラメータを表す。示されるように、金属源は、六フッ化タングステン(WF)を含み、キャリアガスは、窒素(N)を含み、そして窒素源ガスは、好ましくは、アンモニア(NH)を含む。各々の反応フェーズの間に、反応種が、他のパラメータが与えられた状態で、表面を飽和するために十分な量で供給される。
【0126】
この場合、金属フェーズにおいて形成される金属単層は、好ましい条件下でWFと容易に反応しないフッ素で自己終結する。しかし、好ましい窒素源ガスは、予め吸着したフッ化タングステン複合体の限定された供給により制限される反応において、窒素フェーズの間、フッ素終結表面に対して反応または吸着する。さらに、窒化は、飽和フェーズにおいて過剰のアンモニアとさらなる反応をしない窒素及びNH末端を残す。
【0127】
表IV
【0128】
【表4】

【0129】
上記表IVは、窒化タングステン(WN)を形成するための別のALDプロセスについてのパラメータを表す。例示される実施形態は、金属に対して直接的にバリア層を堆積させるのに特に有利である。例示される実施形態において、好ましいシーリング層148(図10a)の金属は、露出している。他の構成において、金属は、中間の吸着層を伴わずに、ビアフロアならびにトレンチ及びビアの絶縁表面で露出し得る。示されるように、金属源は六フッ化タングステン(WF)を含み、キャリアガスは窒素(N)を含み、そして窒素源ガスは、好ましくは、アンモニア(NH)を含む。この場合、ゲッターまたはスカベンジャーは、金属フェーズにより残留したリガンドを除去する。詳細には、例示される実施形態においてTEB(トリエチルボロン)を含む、強力な還元剤は、ハロゲン末端金属複合体単層を還元または除去する。次いで、窒素源ガスは、還元された金属表面と容易に反応する。他の構成において、ゲッターは、リガンド交換反応において、ハロゲン末端を置換し得、望ましくは、引き続く窒素含有種と反応性の表面を残す。窒素フェーズは、ゲッターフェーズにより残留した反応部位(すなわち、例示される実施形態における露出したタングステン表面)を飽和し、そして飽和フェーズにおいて過剰なアンモニアとさらなる反応をしない窒素及びNH末端を残す。
【0130】
中間還元フェーズは、表IIIのリガンド交換反応により形成される膜より低い抵抗値を示す金属窒化物の結晶性をもたらす。そのような低下した抵抗値は、好ましいデュアルダマシンバリアの文脈に有利であり、ここで、バリアは、集積回路ワイヤの導電性パス中に配置される。
【0131】
さらに、表IVのTEBパルスにより表される中間スカベンジャーは、アンモニアフェーズの導入の前に、先の金属フェーズによって残留したハライドテイルを結合及び除去する。有利には、アンモニアフェーズは、リガンド交換反応において水素ハライド(例えば、HF)を遊離するよりむしろ、第一フェーズにおいて形成された金属と直接的に反応する。HFと対照的に、ゲッターまたはスカベンジャーにハライドを結合させることによって生成される複合体は、ダマシン構造の底部で敏感な表面(例えば、金属)を腐食しない。従って、デュアルダマシン構造の金属線52または好ましい金属シーリング層148(図10a)は、HFまたは他のハライド種の腐食効果から保護される。表IVのプロセスは、好ましい実施形態におけるように、下にある金属が銅を含む場合に、特に有利であることが見出されている。銅のエッチングが最小化され、それによって、ブランケット金属窒化物堆積の均一性が改善される。しかし、このプロセスは、一般的にはこれらの腐食効果に起因し、特に完全な均一性のALDの利点に対抗するこれらの傾向に起因して、水素ハライドの構築を一般的に避けるための種々の文脈において有利であり得る。
【0132】
一旦、最初の薄層(例えば、約3〜10nm)の金属窒化物(例えば、WN)が表IVの方法により形成されると、バリア及び/または吸着材料のさらなる堆積が、中間のスカベンジャーフェーズを伴うことなく進行し得る。リガンド交換反応を利用する2フェーズサイクルは、第一層上により厚いバリア層をより有効に生成し得る。例えば、表IVの方法によるWNに引き続き、(例えば、表IIの方法による)TiNのさらなる堆積が行われ得る。WN/TiNバリアーの上部TiN表面は、いくつかのプロセスフローとより良好な適合性を示す。
【0133】
金属シード層の形成方法
金属窒化物バリア層の形成後、デュアルダマシン構造を充填するために使用される方法及び堆積されるバリアー層上の導電性に依存する、シード層が望ましい。例示される実施形態において、望ましくは、銅フィラーが、例示される金属窒化物層上に金属めっきされる。従って、好ましくは、高度に導電性のシード層が、バリアー層上に最初に形成される。
【0134】
当該分野において知られているように、好ましくは、シード層は、金属層、より好ましくは銅、を含み、そして多数のプロセスのうちいずれによっても堆積され得る。例えば、従来技術のプロセシングは、銅シード層を形成するためにPVDまたはスパッタリングを使用する。ALDによる先の金属窒化物バリア層の形成において得られた高ステップカバレージに関連して、そのような方法は、多くのデュアルダマシンスキームに適し得る。
【0135】
より好ましくは、より高いステップカバレージでシード層を堆積するために、CVDプロセスを使用する。有機金属CVD(MOCVD)技術が、例えば、Wolfら、「Process and equipment simulation of copper chemical vapor deposition using Cu(HFAC)VTMS」、Microelectronic Engineering、Vol.45、No.1、pp.15−27(Feb.1999)(この開示は、本明細書中に参考として援用される)によって開示されている。
【0136】
最も好ましくは、シード層もALDによって形成される。従って、吸着、バリアー及びシード層のうち1つ以上の高ステップカバレージ形成により節約される容量は、より多くの導電性フィラー金属に利用可能なより大きな容量ならびにコンタクトビア及びトレンチを完全に充填する増加した可能性に起因して、より高い導電性のラインに寄与する。さらに、交互のプロセスによりシーリング層を形成することによって、CVD反応でポアをブロックしながら、ALDによってビア及びトレンチ表面を有効に裏張りする。
【0137】
表V
【0138】
【表5】

【0139】
上記表Vは、上記表Iのものと同様の、ALD純粋金属プロセスを例示する。交互フェーズにおいて、塩化銅が第一に吸着し、次いでTEBによって還元される。有利には、塩化銅は、有機銅種と比較してより小さく、ワークピース上の反応部位の迅速かつより完全な飽和を促進する反応種である。
【0140】
得られるトレンチ及びビアライナー
ここで図10aを参照して、図9aのデュアルダマシン構造を、少なくともビア62及びトレンチ60の側壁上のブロッキングまたはシーリング層148と共に例示する。シーリング層148は、このように、多孔質low kの第一絶縁層50及び第二絶縁層56のポアをブロックする。上で議論されるように、好ましくは、シーリング層148は、ALDによるさらなるライニング層の形成の前に側壁上のポアをブロックするのに必要な最小限の厚さに形成される。シーリング層は、上記のように、CVD、PVD、またはポア内でCVDモードで作動する交互プロセスによって形成され得る。
【0141】
シーリング層148が従来の堆積プロセス(例えば、CVD及びPVD)によって形成される、例示される実施形態において、最小限の厚さは、ビア62の底端部で形成される。ビア62及びトレンチ60の一部で、シーリング層148は、上記背景セクションにおいて示されるシャドウ、拡散及び空乏効果に起因するポアのブロックのために最小限必要な厚さを必然的に超える。必要に応じて、過剰な厚みを、シーリング層148の張り出し部分を優先的に除去する方向性を有するエッチ(例えば、反応性イオンエッチ)によって減少させ得る。絶縁シーリング層(示さず)の場合、この方向性を有するエッチを、任意の速度で使用して、ビアの底部から絶縁材料を除去して下にあるワイヤを露出させることができる。当業者は、場合によって、層の特徴的なプロファイルによって、そして詳細には、このプロファイルの非均一性によって、CVDまたはPVDプロセスの結果としてシーリング層148を認識する。
【0142】
CVDまたはPVD層についての最小限の厚さは、代表的には、平均ポアサイズの約50%〜150%の間、より好ましくは平均ポアサイズの約60%〜75%の間を示す。(絶縁体上の)フィールドエリアにおいて所望される厚さは、一般的に、ビア62の底部での所定の最小限の厚さに関して、PVDについてより厚いが、PVDは、一般的に、CVDより小さい最小限の厚さを必要とする。しかし、ポアをブロックするための実際の最小限の厚さが多孔質low k材料の構造(ポアの接続性、ポアの密度、平均ポアサイズからの偏差の範囲等)及び堆積の性質に依存することが理解される。本発明の開示を参照して、当業者は、ルーチンの実験を介して、所定のプロセスフローについてシーリング層148の堆積を容易に最適化することができる。
【0143】
約4nmの平均ポアサイズを有する、例示される実施形態において、シーリング層148は、ビア62の底端部で約2nm〜6nmの間の厚さであり、より好ましくは約2.4nm〜3nmの間の厚さである。当業者は、フィールドエリアにおいて測定される、ビア62の底部での所望される最小限の厚さを達成するために必要とされる堆積の量を容易に決定することができる。代表的なデュアルダマシン構造及び従来の(CVD、PVD)堆積は、フィールド:底部の最小限の厚さの比が約10:1であることを規定する。より厳しくないアスペクト比(例えば、シングルダマシンまたは単純なコンタクト構造)について、厚さの比率は、有意に減少される。
【0144】
例示される実施形態に加えて、シーリング層は、交互プロセスを用いても形成され得る。本発明のこの局面において、反応種のパルスは、上記のALDプロセスと比較して修正され得る。例えば、金属源ガスのパルスを、従来のALDより長くし得る。さらに、パージ時間を短くし得る。両方の変化は、第一パージステージ後に絶縁材料のポア内に残留する金属源ガスの量を最大にするように設計される。この方法の堆積について好ましい反応条件の例(これによりポア内の残留金属源ガスがCVD様式の反応で引き続くフェーズからの還元剤と反応する)を、以下の表VIに提供する。しかし、当業者に認識されるように、金属窒化物または金属層を形成するための任意のALD法が、多孔質low k材料をシールする導電層の堆積を提供するために、サイクルにおけるステージの持続時間を修正することによって用いられ得る。
【0145】
表VI
【0146】
【表6】

【0147】
交互に堆積されたシーリング層についての最小限の厚さは、代表的には、平均ポアサイズの約50〜150%の間、より好ましくは平均ポアサイズの60〜75%の間を示す。PVD及び従来のCVDに関して、実際の最小限の厚さは、多孔質low k材料の構造に依存する。しかし、この実施形態は、導電性材料の、より高コンフォーマリティの堆積を提供し、これにより方向性を有するエッチの必要性を排除し、そしてより高いアスペクト構造をシールする能力を提供する。
【0148】
図11を参照して、シーリング層148が従来のCVDまたはPVDによって提供される場合、上に示されるプロセスを参照して構築される高ステップカバレージライニング層150が続く。前記のように、ビア及びトレンチ構造の材料ならびに種々の堆積工程の化学物質に依存して、ライナー150は、金属窒化物バリア層に加えて、最初の金属吸着層を含み得る。ライニング層150は、例えば、W/TiN、W/WN、Ti/TiN、Ti/WNのバイレイヤー、ならびに吸着膜及びバリア膜の多数の他の組み合わせのいずれかを含み得る。表IVの例において、バリア層は、デュアルダマシン構造の金属及び絶縁表面上に直接堆積され、そして必要に応じて、WN/TiNバイレイヤーを含み得る。好ましくは、少なくとも1つの下層が、上で開示される方法に従い、高コンフォーマルALDプロセスによって形成される。当業者は、この層の特徴的プロファイルによって、そして、特にこのプロファイルの均一性によって、ライナー150(またはその中の少なくとも1つの下層)を高コンフォーマルALDプロセスの結果であると認識する。
【0149】
しかし、シーリング層148は、この高コンフォーマルプロセスによる多孔質low k材料への浸透を阻止する。最も好ましくは、下にあるシーリング層148が、吸着機能と、ポアのブロッキングまたはプラギング機能との両方の役割を果たす。これは、交互パルス法がシーリング層148を生成するために用いられる場合である。この方法は、金属または金属窒化物のいずれかの高コンフォーマリティ導電層を提供する。さらに、これらの方法のいずれかを用いて、多孔質low k材料をシールする役割を果たす金属/金属窒化物バイレイヤーを作製することが可能である。従って、ALDライニング層150は、好ましくは、バリア層のみからなる。
【0150】
デュアルダマシンプロセシングのバリアーの必要性に従い、そして特に、迅速拡散銅金属フィラーに関連して、ライニング層150の金属窒化物バリアー層は、そのバリアー機能の適切な性能に必要なほぼ最小限の厚さまで形成される。従って、深いトレンチ及びビア構造を裏張りする金属窒化物層は、好ましくは、約20Åより厚い厚さを有する。同時に、本明細書中に開示される方法により提供される高ステップカバレージは、絶縁体側壁及び導電性ビアフロアを含む、トレンチ60及びコンタクトビア62の全ての表面上への均一な所望の厚さの形成を可能にする。従って、ビア62内の金属窒化物ライナーは、好ましくは、構造体の任意の点及びプロセスの間の任意の時点で約200Å以下である。より好ましくは、好ましい実施形態の金属窒化物は、最大の厚さで約20Å〜100Åの間、そして最も好ましくは約40Å〜80Åの間まで堆積される。
【0151】
好ましい条件下では、特に、吸着種が有機リガンドを含む場合、全ての利用可能な部位の占有を阻止する化学吸収種の物理的サイズに起因して、サイクル毎に、単層のフラクションに十分な材料が堆積される。表IIの例において、銅の拡散を妨げるのに適するTiNバリアー層を生成するために、好ましくは約50サイクルより多く、より好ましくは約60〜300サイクルの間、そして最も好ましくは約60〜200サイクルを実施して、TiNを、約0.35Å/サイクルで成長させる。
【0152】
示されるように、本明細書中に記載される方法は、好ましい実施形態の高アスペクト比のトレンチ及びビア構造でさえも(ビアの側壁に対するライナーの厚さの比率としての、ビアの底部上のライナーの厚さとして規定される)非常に高いステップカバレージを可能にする。ライニング層150、特にライナー150内にALDで形成された膜は、好ましくは約90%より高い、より好ましくは約93%より高い、そして最も好ましくは約97%より高いステップカバレージを示す。
【0153】
ここで、図11を参照して、シード層155は、ライニング層150上に必要に応じて形成される。上に示されるように、そのようなシード層155は、充填金属が電気めっきによって堆積する場合及びライニング層150が有効な電気めっきに不十分な導電性を示す場合に望ましい。そのような条件下で、シード層155は、PVD、より好ましくはCVD、そして最も好ましくはALDによって堆積され得る。例示される実施形態において、「純粋な」銅は、シード層に使用される。他の構成において、タングステンは、電気めっきシード層として用いられ得る。なお他の構成において、例えば、非電気めっき充填手順に先行するプロセスフローにおいて、またはバリアー層が十分に導電性であり(例えば、窒化タングステン)、そして電気めっきされる銅の直接的な核生成を可能にする場合、ライニング層150に対してシード層は使用されない。
【0154】
ここで、図12を参照して、次いで、裏張りされたダマシン構造を、高度に導電性の金属160で充填する。シーディング膜がライニング層150上に形成される、例示される実施形態において、フィラー金属160は、好ましくは、電気めっきされる銅を含む。他の構成において、金属(例えば、アルミニウム)は、当業者に理解されるように、深いトレンチ及びビア構造へとリフロー(reflow)するのを助けるような高圧及び/または高温下で堆積され得る。有効なバリアは、そのような堆積プロセスに伴う厳しい条件の間のスパイキングを阻止するためにも重要である。
【0155】
ここで、図13を参照して、次いで、この構造体を、化学機械研磨(CMP)または他のエッチバックプロセスによって平坦化して、そこから下に延びる集積コンタクト180を有する、トレンチ60内に絶縁されたライン170を残す。フィラー金属160の拡散は、充填プロセスの間及び引き続く任意の高温プロセシングの間の両方で、阻止される。
【0156】
異方性多孔度を有するLow K層のシーリング
ここで、図14〜19を参照して、low k材料が、形成の様式に依存して、非均一の分布及び/またはポアのアラインメントを有し得ることが見出された。図14は、慣用的に形成されたlow k、多孔質材料について、エリプソメトリックポロシメトリー(ellipsometric porosimetry)により測定される全体のポアの容量が、膜の厚さと共に、ある点まで増加し、その後、飽和することを例示する。しかし、図15に表される膜は、より厚い膜の厚さに関しても線形を維持しており、頂部表面がポアの開口部を含むこと、そしてさらに、ポアが少なくとも頂部表面の開口部から比較的連続的であることを示している。さらに、図15の実験において分析した膜の誘電率(「k値」)で異方性を測定した。この膜は水平方向において2.7〜2.8の測定されたk値を示すが、この膜は、垂直方向において2.8〜2.9の測定されたk値を示した。多孔度がk値に対して強い影響を有することが知られているので、異方性k値は、異方性ポア形成の指標である。
【0157】
図16及び17は、夫々、図14及び15に対するデータにより表される膜の略図である。慣用的に形成される膜が、比較的ランダムな分布及び/またはアラインメントのポアを有するものとして例示される。一方、図17の膜には、ポアが垂直方向のアラインメントそして層の上部表面まで延びる傾向を有することが示されている。
【0158】
異方性ポア構造、特に垂直のアラインメントを示すことが測定されている材料は、日本、東京のASM japan K.K.から市販されている、AURORA(登録商標)プロセスの製品である。AURORA(登録商標)プロセスの記載は、Matsukiに対して2002年9月24日に発行され、そしてASM Japan K.K.に譲渡された、米国特許第6,455,445号(この開示は、本明細書中に明白に参考として援用される)中に与えられている。ここで議論されるように、シロキサンポリマー絶縁膜は、3.3以下の誘電率を有し、そして−SiRO−反復構造単位を有する。一般式Siαβ(ここで、α、β、x、及びyは整数である)により表されるシリコン含有炭化水素化合物を直接的に気化させ、次いでプラズマCVD装置の反応チャンバーに気化した化合物を導入することによって、このシロキサンポリマーを形成する。供給源ガスの滞留時間は、マイクロポーラス構造及びlow k値を有するシロキサンポリマー膜を形成するような方法で、反応ガスの総フローを減少させることによって延長される。当然、他のプロセスも異方性ポア構造を生成し得、そして本明細書中、以下に記載される方法は、そのような他のプロセスにより生成された層についての応用も有する。
【0159】
図18及び19は、AURORA(登録商標)low k材料のエリプソメトリックポロシメトリーの結果を示す。図18は、P/P(ここで、Pは、吸着質の圧力(adsorptive pressure)であり、そしてPは、吸着質の平衡または凝縮圧力(equilibrium or condensation pressure)である)の関数として開放ポア容量を示す。このデータから、low k材料のポアサイズの分布(主に0.7nm周辺)を示す図19が導かれる。
【0160】
図20は、上記AURORA(登録商標)プロセスにより作製されたlow k材料を用いて形成されたデュアルダマシン構造を含む、部分的に組み立てられた集積回路の概略断面図である。この構造は、図9aのものと類似するが、任意のエッチストップ層が省略されている。この構造は、下部導電性素子252、下部絶縁層250及び上部絶縁層256を含む。トレンチ260が、上部絶縁層256において形成され、そしてビア262は、トレンチ260の底部から延びる。デュアルダマシン構造は、単一の堆積された絶縁層からも形成され得る。当然、当業者は、本明細書中で教示されるプロセスがシングルダマシンプロセス、シンプルコンタクトビアプロセス、そしてまた、その上に非コンフォーマル堆積(以下の図22の議論を参照のこと)が所望される高ステップを有する任意の構造にも適用可能であることを容易に理解する。
【0161】
例示される実施形態のlow k材料の層250及び/または256は、異方性ポア構造を含む。従って、さらなる堆積の前、そして実際には、ポアのネットワークに混入物が進入する危険を有する多くの他の型のプロセシングの前に、そのようなポアをブロックまたはシールすることが所望される。一方、そのようなポアの開口部は、主に、層250、256の上部表面上にあるので、トレンチ260及びビア262の側壁上の表面をブロックまたはシールすることは必要なく、そして恐らく所望されない。従って、low k層250、256の(例示した方向における)水平表面を優先的にブロックまたはシールすることが好ましい。優先的に、とは、全体として、水平表面が、ブロッキングプロセスによって、垂直表面より多く影響されることを意味する。
【0162】
図21は、本発明の1つの実施形態に従う優先的な処理後の図20の構造を例示する。例示される実施形態において、構造体の上部分を、絶縁層250、256の上部分のみを再形成及びシールするために処理する。従って、変形またはシーリング層248が、最上部の層の崩壊または溶融によって水平部分上に提供される。好ましくは、この処理は、上部表面中への少しの深さのポアの溶融を引き起こす、絶縁層250、256の上部または水平表面への標的化されたエネルギー送達、及びシーリング層248の形成を含む。短い十分な幅のラピッドサーマルアニーリング(RTA)が、標準RTA熱源を用いて実施され得るが、好ましくは、放射エネルギーが使用される。なおより好ましくは、層中への深すぎる浸透を妨げるように選択される出力及びパルス幅/間隔を用いる、レーザーパルスアニーリングが使用される。この選択的アニールは、好ましくは、上部表面からポア1〜10個の深さ(0.7nm〜7nm)、より好ましくは、平均ポア3個未満の深さのlow k材料のみを溶融するように、ルーチンの実験を介して構成される。
【0163】
有利には、放射エネルギー、特にレーザーエネルギーは、図20において示される構造の水平表面を異方性標的化するように(anisotropically target)容易に方向付けられ得る。さらに、そのような処理は、引き続く開放ポア経路を介する拡散を最小限にするために介在層(例えば、エッチストップまたはバリアー層)を介してさえも実施され得る。しかし、本明細書中、上記の開示に従い、溶融または他の変形によるそのようなシーリング処理は、好ましくは、高度にコンフォーマルなALDプロセスの前に行われる。変形した層248が層250、256の垂直方向のポア開口部をシールするので、ALDプロセスは、ネットワーク状のポア中に過剰に浸透しない。ポアが、トレンチ260またはビア262の影響を受けていない側壁上で露出している場合でさえも、そのようなポアは、代表的には、好ましいlow k材料の異方性ポア構造の絶縁層250、256中へと連続的に深く接続しておらず、従って、有意な、短絡または増加したk値の危険性を有さない。
【0164】
ビア及び側壁カバレージの溶融は、必ずしも例示されるプロセスに不利ではないことに留意すべきである。しかし、放射性またはレーザーエネルギーは、本来、指向性様式で作用し、そして垂直表面より水平表面に、より多く熱を伝達し、そしてこのシーリングの様式は、異方性ポア構造を有する層に十分である。上記のシーリングプロセスの1つの利点は、堆積技術と比較して非常に効率的かつ廉価であることである。
【0165】
ここで、図22を参照して、本発明の実施形態に従う層の低コンフォーマリティ堆積後の図20の構造を示す。図10a及び10bの実施形態を参照して本明細書中上記に開示するように、シーリング層348は、このように低コンフォーマリティで形成され、その結果、それは、好ましくは絶縁層250、256のポアのネットワークへと約3ポア深さ以下で浸透する。上記の記載から理解されるように、この堆積は、例えば、CVDまたはALDを含み得る。
【0166】
しかし、より好ましくは、ALDプロセスのモディフィケーションである、本明細書中上記で議論される交互堆積プロセスは、このプロセスによりもたらされる制御されたコンフォーマリティに起因して使用される。上で示されるように、この実施形態のlow k材料の異方性ポア構造は、開口部、すなわち、例示される構造におけるトレンチ260及びビア262、の完全な側壁カバレージを不必要なものとする。従って、交互堆積プロセスは、側壁の完全なカバレージを回避するように調整され得、従って、堆積が下部導電素子252上のビア底部に生じる場合でも非常に少ない。有利には、トレンチ及びビアの占有を最小化することは、フィラー金属(例えば、銅)に利用可能な容量を最大化する。さらに、シーリング層348に絶縁材料が選択される場合、ダマシン構造のさらなる裏張り/充填の前にビア底部をクリアにする(clear)ためのスペーサーまたは他の選択的エッチは必要とされない。
【0167】
上で議論されるように、交互堆積プロセスは、一部ALDモードで、そして一部CVDモードで作動し、その結果、中間レベルのコンフォーマリティが達成される。本明細書中に提示される比較は、同じ反応種または前駆体を利用するが、ダマシン構造の全ての側壁及び水平表面上での自己飽和、自己制御反応のために最適化されたALDプロセスに関係する。そのような真のALD反応は、非常に長い(例えば、数分)反応種及びパージ幅を選択することによって確保され得る;しかし、当業者は、(本発明の文脈において比較目的のために参照される)そのような真のALDプロセスが自己飽和及び自己制御反応を伴う最小限のパージ及びパルス幅を利用することによって「最適化」されることを容易に理解する。
【0168】
低コンフォーマリティの交互堆積プロセスは、対応する真のALDプロセスを、上記のように、多数の異なる様式で修正することによって設計され得る。例えば、1つのパルス由来の反応種が、次のパルスがきたときに残っていることを確保するために、反応種パルス間隔時間(好ましくはパージ時間)を短くすることができる。従って、反応種が相互に反応性であるように選択されるので、CVD型の反応は、次の反応種パルスの出現と共に生じる。従って、CVD反応を伴う空乏効果は、開口部(例えば、トレンチ及びビア)の頂部表面及び頂部近傍の側壁上での堆積を可能にするが、反応種の空乏に起因して、開口部内のより深い位置での有意な堆積を妨げる。パルス間隔を選択することによって、この堆積プロセスにおけるCVD反応の割合を、原則的に、0(完全なパルス間隔)から100%(隣接する反応パルス間にパルス間隔なし、または2つの異なる反応種の重複したパルスが同時に生じる)までで調整することができる。このようにして、プロセスのステップカバレージまたはコンフォーマリティを調整することができる。
【0169】
あるいは、各々のサイクルにおける1つ以上の反応種パルス幅を変化させることができる。本明細書中上記の実施例において、側壁におけるトレンチ、ビア及びポアへの反応種の浸透を確保するために、1つ以上の反応種パルスを、対応する真のALDプロセスに関して長くした。トレンチ/ビア側壁の完全なカバレージが所望されない本発明の実施例において、開口部のより深く、より細かい部分に達するのに不十分な反応種が提供されるように、反応種パルス幅を短くすることができる。空乏効果に起因して、非コンフォーマル堆積がもたらされる。
【0170】
モデル実験により、交互堆積プロセスのコンフォーマリティが目的の構造における開口部のサイズに依存することが見出された。(例えば、幅1μmを超える)大きな開口部を有する平坦な基板(単数または複数)を用いて、パルスが最小限のパルス幅(例えば、1つの例示的リアクターについて0.07秒後)で自己飽和であることが見出された。これは、大きな開口部を有する平坦な基板を用いると、輸送が主に対流性であるからである。しかし、より小さい開口部(例えば、幅1μm未満)に関して、輸送は、Knudsen拡散による。実際、飽和深さ(saturation depth)が小さい開口部に関して開口部の幅に比例することが見出された。
【0171】
図23は、この提案を例示する。所定の反応について実験的に測定されている、2つの異なる吸着係数についてのデータを示す。グラフから明らかなように、開口部が約1μmより大きい場合、飽和時間は、開口部の幅に依存しない。一方、1μm未満、特に0.1μm未満で、飽和時間は、開口部の幅に強く依存する。
【0172】
従来技術の装置が幅1μmより大きい開口部を有する基板について同じオーダーの大きさの自己飽和期間(約0.07s)でのパルス分解能(例えば、約0.03s)を有するので、パルス幅及び/または間隔の改変は、コンフォーマリティに対して大きな影響を有さない。一方、基板上の特徴が1μm未満、特に0.1μm未満の幅を有する場合、コンフォーマリティは、パルス幅及び/または間隔の選択によって強く影響を受け得る。より長い飽和時間は、コンフォーマリティのより良好な改変を可能にする。従って、より小さな開口部は、完全な飽和を阻止するようなパルス幅の選択を可能にし、そして反応は、開口部内の空乏効果の影響を受ける。
【0173】
上記のシーリングプロセスは、上で議論されるように、引き続くALDプロセスによる開口部の充填を阻止するために特に有用である。しかし、そのようなシーリングは、種々の供給源から多孔質構造の開口部への引き続く拡散を阻止するためにも有用であり得ることが理解される。
【0174】
前述の発明が特定の好ましい実施形態によって記載されているが、他の実施形態が当業者に明らかである。例えば、プロセスが特定のライニング材料で詳細に提供されているが、当業者は、ALD法が他の材料でダマシン構造を裏張りすることに応用され得ることを容易に理解する。さらに、デュアルダマシンメタライゼーションに関する特定のプロセスフロー及び構造に関連して例示されるが、当業者は、本明細書中に開示される方法が有用性を有する、そのようなスキームのバリエーションを理解する。さらに、他の組み合わせ、省略、置換及び改変は、本明細書中に開示を参照して、当業者に明らかである。従って、本発明は、好ましい実施形態の引用によって限定されることは意図されず、添付の特許請求の範囲を参照して規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0175】
【図1】図1は、そのトレンチ及びコンタクトビアを裏張りした従来のバリア層を有するデュアルダマシン構造の断面図である。
【図2】図2は、スケールダウンした集積回路についての、図1同様の、裏張りされたデュアルダマシン構造を一般的に例示する。
【図3】図3は、より高度に導電性の材料を充填する前に、高アスペクト比の、デュアルダマシン構造を裏張りする方法を一般的に例示するフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施形態に従う、バリアー層を堆積するための例示的なガスフローダイヤグラムである。
【図5】図5〜13は、好ましいデュアルダマシンプロセスフローに従う、半導体基板上の絶縁層中に形成されるトレンチ及びビアの構築、裏張り及び充填を一般的に例示する、部分的に製造された集積回路の断面図である。図5は、バリアー層51上の第一または下部絶縁層50及び下部相互接続層の一部を形成する導電性素子52を示す。
【図6】図6は、エッチストップ層またはハードマスク54が絶縁層50上に形成された後の図5の構造を示す。
【図7】図7は、マスク及びエッチプロセスが開口部55のパターンをエッチストップ54に移した後の図6の構造を示す。
【図8】図8は、第二または上部絶縁層56が、エッチストップ層54上に形成され、そして第二エッチまたはCMPストップ層58が上部絶縁層56上に形成された後の図7の構造を示す。
【図9a】図9aは、トレンチ60(1つ示す)及びコンタクトビア62(1つ示す)がエッチングされてデュアルダマシン構造を形成した後の図8の構造を示す。
【図9b】図9b〜9eは、理想的でないダマシン構造を示す。図9bは、マスクの整列失敗から生じる、より高い有効アスペクト比を有するキャップされていないデュアルダマシン構造を示す。
【図9c】図9cは、小さいが非常に高いアスペクト比のオーバーエッチホール72を有する、十分にランドされていない(landed)コンタクトビア62を示す。
【図9d】図9dは、ビア底部からの選択的エッチにより生じるキャビティー80を示す。
【図9e】図9eは、フォトレジスト除去の間の絶縁層50、56に対する攻撃から生じるトレンチ60及びビア61におけるバレル型プロフィールを有するダマシン構造を示す。
【図10a】図10aは、トレンチ60及びビア62にシーリング層148が裏張りされた後の図9aのデュアルダマシン構造を示す。
【図10b】図10bは、low k材料50が絶縁材料のマトリクス122内に複数のポア120を含むことを例示する、断面図中に見出されるビア側壁の拡大図である。
【図11】図11は、ライニング層150及びシード層155をさらに裏張りした後の図10aのデュアルダマシン構造を示す。
【図12】図12は、高度に導電性の金属160を充填された図11のデュアルダマシン構造を示す。
【図13】図13は、化学機械研磨(CMP)または他のエッチバックプロセスによる平坦化によって形成された、絶縁されたライン170を有する、図12の充填されたダマシン構造を示す。
【図14】図14は、従来の、等方性多孔質low k材料についての種々の膜厚での相対的のポアの容量を示すグラフである。
【図15】図15は、垂直に整列させたポアを有する特定のlow k材料について種々の膜厚での相対的なポアの容量を示すグラフである。
【図16】図16は、ランダムな分布のポアを有する、図14におけるデータにより表される多孔質層の略図である。
【図17】図17は、垂直に整列したポアに対するバイアスを有する、図15におけるデータによって表される多孔質層の略図である。
【図18】図18は、開放ポアの容量を例示する、図15におけるデータによって表されるlow k材料のエリプソメトリックポロシメトリーの結果を示すグラフである。
【図19】図19は、図15におけるデータによって表されるlow k材料のポアサイズ分布を例示する、エリプソメトリックポロシメトリーの結果を示すグラフである。
【図20】図20は、図15におけるデータにより表されるlow k材料で形成されたデュアルダマシン構造を含む、部分的に製造した集積回路の断面略図である。
【図21】図21は、本発明の1つの実施形態に従う、low k材料の上部表面をシールするための標的化エネルギーへの曝露後の図20の構造を例示する。
【図22】図22は、本発明の別の実施形態に従う、low k材料の上部表面上及び一部のみ開口部への層の低コンフォーマリティの堆積後の図20の構造を例示する。
【図23】図23は、種々の幅の開口部を有する基板上へのALD型反応物パルスについての飽和時間を例示するグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁層の上部表面から延びる複数のトレンチを有する多孔質絶縁層を含む集積回路を製造する方法であって、該方法は以下を含む:
該絶縁層の露出した表面上のポアをブロッキングする工程、ここで、ブロックキングは該絶縁層の上部表面に対して優先的に実施される;
該ポアのブロッキング後、自己制御(self−limited)及び自己飽和(self−saturating)反応において、第一の反応種の約1以下の(no more than about one)単層を形成する工程;ならびに
第二の反応種と該単層とを反応させる工程。
【請求項2】
ブロッキングが前記絶縁層の上部表面を溶融することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
溶融がレーザーアニーリングを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
溶融が前記絶縁層の水平表面に対してレーザーエネルギーをパルスすること(pulsing)を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
溶融が前記絶縁層の水平表面に対して放射エネルギーを指向させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
放射エネルギーが前記多孔質材料の上にある層に直接的にあたる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ブロッキングが、自己飽和及び自己制御表面反応を有するように選択された、原子層堆積と比較して減少したコンフォーマリティ(conformality)を有する堆積プロセスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記堆積プロセスが、自己飽和原子層堆積(ALD)プロセスより低いコンフォーマルのCVD、PVD及び交互堆積プロセス(alternating deposition process)からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記堆積プロセスが交互堆積プロセスを含み、反応パルス幅及び/または反応種パルス間隔が、純粋なALDと純粋なCVDとの間のコンフォーマリティをもたらすように選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
自己制御及び自己飽和反応における第一の反応種の約1以下の単層の形成が、原子層堆積(ALD)プロセスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記多孔質絶縁層が、異方性ポア構造を有するlow k誘電体である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ブロッキングが、自己飽和及び自己制御表面反応が複数のトレンチ内及び上部表面上で生じる原子層堆積(ALD)プロセスと比較して減少したコンフォーマリティでシーリング層を堆積することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
シーリング層の堆積が、化学気相成長プロセスを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ブロッキングが前記low k誘電体の一部を溶融することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ブロッキングが、前記low k誘導体の上部表面から1-10ポア深さを溶融することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ブロッキングが、前記low k誘導体の上部表面から約3ポア深さ以下を溶融することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
交互堆積プロセスを含む、開口部を有する構造上に膜を堆積する方法であって、複数の一連の(sequential)反応種パルスが互いに間隔をあけられており、該交互プロセスが原子層堆積(ALD)プロセスと化学気相成長(CVD)プロセスとの間のコンフォーマリティのレベルを達成するように最適化される、方法。
【請求項18】
該構造の上部表面に対する自己飽和及び自己制御原子層堆積(ALD)モードの堆積ならびに前記開口部内での空乏効果(depletion effect)を達成するように、前記複数の一連の反応種パルスの間隔及び/または該複数の一連の反応種パルスの幅を選択する工程をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
該構造の上部表面よりアクセス可能でないポア領域における空乏効果を利用することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
有意な堆積が、前記構造の最もアクセス可能でない領域において回避されるように、前記複数の一連の反応種パルスの間隔及び幅が選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記構造の最もアクセス可能でない領域において前記プロセスが少なくとも一部CVDモードであるように、前記複数の一連の反応種パルスの間隔及び幅が選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記構造が、表面で露出する多孔質材料を含み、そして該多孔質材料における膜の堆積が3ポア深さまでに限定される、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図9d】
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【図9e】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公表番号】特表2006−507677(P2006−507677A)
【公表日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−554778(P2004−554778)
【出願日】平成15年11月21日(2003.11.21)
【国際出願番号】PCT/US2003/040061
【国際公開番号】WO2004/049432
【国際公開日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願人】(501380070)エーエスエム インターナショナル エヌ.ヴェー. (26)
【氏名又は名称原語表記】ASM INTERNATIONAL N.V.
【住所又は居所原語表記】The Netherlands 3723 BG Bilthoven Rembrandtlaan 7−9
【Fターム(参考)】