説明

フッ素系界面活性剤

本発明は、Yが、式I


(式中、Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびにrは、0、1、2、3、4または5を表す)を表す末端基Yの、界面活性化合物における末端基としての使用、対応する新規な化合物、およびこれらの化合物の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Yが、
【化1】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表す末端基Yの、界面活性化合物における末端基としての使用、対応する新規な化合物、およびこれらの化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フッ素系界面活性剤(fluorosurfactant)は、表面エネルギーを低減させる極めて優れた能力を有し、これは、例えば、表面の疎水化、例えば織物含浸(textile impregnation)、ガラスの疎水化、または航空機翼の除氷に用いられる。
しかし、一般的に、フッ素系界面活性剤は、パーフルオロアルキル置換基を含み、これは、生物学的および他の酸化プロセスにより環境中で分解されて、パーフルオロアルカンカルボン酸類およびパーフルオロアルカンスルホン酸類を生成する。これらは、難分解性であると見なされ、一部のケースでは健康被害をもたらすことが疑われる(G. L. Kennedy, Jr., J. L. Butenhoff, G. W. Olsen, J. C. O'Connor, A. M. Seacat, R. G. Perkins, L. B. Biegel, S. R. Murphy, D. G. Farrar, Critical Reviews in Toxicology 2004, 34, 351-384)。さらに、比較的長鎖のパーフルオロアルカンカルボン酸類およびパーフルオロアルカンスルホン酸類は、食物連鎖において蓄積する。
【0003】
したがって、古典的なフッ素系界面活性剤に匹敵する特性プロフィールを有し、好ましくは酸化的または還元的に分解され得る、新規な界面活性物質についての要求がある。ここで特に有利な化合物は、分解の際に難分解性の有機フッ素分解生成物を何ら後に残留させないものである。
Omnova社は、側鎖が末端CFまたはC基を含むポリマーを市販している。国際公報WO 03/010128には、C3〜20パーフルオロアルキル基を含むパーフルオロアルキル置換アミン類、酸類、アミノ酸類およびチオエーテル酸類が記載されている。
【0004】
特開2001−133984号公報には、反射防止コーティングに用いるのに適するパーフルオロアルコキシ鎖を含む界面活性化合物が開示されている。特開平9−111286号公報には、エマルジョンにおけるパーフルオロポリエーテル界面活性剤の使用が開示されている。
先のドイツ国特許出願DE 102005000858 Aには、少なくとも1つの末端ペンタフルオロスルフラニル基または少なくとも1つの末端トリフルオロメトキシ基を担持し、極性末端基を含む化合物が、界面活性性であり、界面活性剤として高度に好適であることが記載されている。
しかし、新規なフッ素化された末端基およびこれらの末端基を含む化合物についての要求が継続している。かかる化合物が、界面活性剤または界面活性剤前駆体として用いることができると有利である。
【0005】
したがって、本発明は第1に、Yが、
【化2】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表す末端基Yの、界面活性化合物における末端基としての使用に関する。
【0006】
Rfは、好ましくは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−Sまたは[CF−(CHN−を表す。本発明の好ましい変形は、式中rが、0、1、2または3、特に0、1または2を表す、以下でまたRfと略すフッ素基を包含し、ここでrは、好ましくは0を表す。
本発明の特に好ましい態様において、Rfは、CF−、CF−O−、CF−CH−CH−O−、CF−S−、CFCF−S−、SF−、CF−CH−CH−S−、(CF−N−および(CF−CH−CH−N−、特にCF−、CF−O−、CF−S−および(CF−N−を表す。
本発明の他の好ましい変形は、CF−、CF−S−、CFCF−S−、SF−または(CFN−に等しい基Rfを包含する。
【0007】
特に好ましい基Bは、O、S、CHO、CH、C(O)およびOC(O)である。特に、OおよびOC(O)に等しいBが、好ましい。
本発明の好ましい変形は、好ましいかまたは特に好ましい範囲における変数(variables)の組み合わせを有する基Yを包含する。
【0008】
本発明の特に好ましい変形は、CF−Ar−O、CF−O−Ar−O、CF−CH−CH−O−Ar−O、CF−S−Ar−O、CFCF−S−Ar−O、SF−Ar−O、CF−CH−CH−S−Ar−O、(CF−N−Ar−O、(CF−CH−CH−N−Ar−O、CF−Ar−OC(O)、CF−O−Ar−OC(O)、CF−CH−CH−O−Ar−OC(O)、CF−S−Ar−OC(O)、CFCF−S−Ar−OC(O)、SF−Ar−OC(O)、CF−CH−CH−S−Ar−OC(O)、(CF−N−Ar−OC(O)および(CF−CH−CH−N−Ar−OC(O)に等しい、特にCF−Ar−O、CF−O−Ar−O、CF−S−Ar−O、(CF−N−Ar−O、CF−Ar−OC(O)、CF−O−Ar−OC(O)、CF−S−Ar−OC(O)および(CF−N−Ar−OC(O)に等しい基Yを包含する。
【0009】
本発明の特に好ましい変形は、CF−Ar−OおよびCF−Ar−OC(O)に等しいYを包含する。
Rは、好ましくは、1個、2個または3個のC原子を有する、特に1個または2個のC原子を有するアルキルを表す。
【0010】
本発明の変形において、qが0を表し、少なくとも1つのcおよび/またはbが各々1を表すのが好ましい。すべてのcおよびbが1を表す、即ち芳香環がo,p,o位においてフッ素基により置換されているのが特に好ましい。
本発明の他の変形において、すべてのqおよびbが各々0を表し、少なくとも1つのcが1を表すのが好ましい。両方のcが1を表す、即ち芳香環がo,o位においてフッ素基により置換されているのが特に好ましい。
本発明の他の変形において、すべてのcおよびqが各々0を表し、bが1を表す、即ち芳香環がp位においてフッ素基により置換されているのが好ましい。
【0011】
特に好ましいのは、好ましいかまたは特に好ましい範囲における変数の組み合わせを有する式Iで表される化合物の使用である。
界面活性化合物中の末端基Yは、好ましくは、飽和または不飽和の、任意に芳香族、分枝状または非分枝状の、任意に置換されている、任意にヘテロ原子で置換されている炭化水素単位に結合している。炭化水素単位は、任意にヘテロ原子が付与されている脂肪族または芳香族単位であってもよい。ここで、炭化水素単位または分子全体がさらなるフッ素原子を含まないことが特に好ましい。
【0012】
言及したフッ素化された末端基以外には、本発明において用いる化合物は、好ましくはさらなるフッ素化された基を含まない。
本発明の変形において、末端基Yは、界面活性化合物中に多数回出現し、界面活性化合物は、好ましくはオリゴマーまたはポリマーである。
【0013】
本発明の他の同様に好ましい変形において、末端基Yは、界面活性化合物中に1回、2回または3回のみ出現し、ここで該末端基が1回のみ出現する化合物が、特に好ましい。本発明において用いる化合物は、好ましくは式I
Y−スペーサー−X I
式中、
Yは、
【化3】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表し、
スペーサーは、飽和または不飽和の、任意に芳香族、分枝状または非分枝状の、任意に置換されている炭化水素単位を表し、
Xは、カチオン性、非イオン性、両性もしくはアニオン性極性基または重合性基を表す、
で表される低分子量化合物である。
【0014】
式Iで表される化合物が、式Ia〜Ig
【化4】

【0015】
式中、Yは、
【化5】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表し、
【0016】
xおよびtは、互いに独立して1〜5を表し、
yは、0〜5を表し、
zは、1〜12を表し、
nおよびn’は、互いに独立して、1〜30の範囲からの整数を表し、
Xは、カチオン性、非イオン性、両性もしくはアニオン性極性基または重合性基を表し、
(Hal)は、F、Cl、BrまたはIを表し、
Qは、O、SまたはNを表し、
Arは、アリールを表す、
で表される化合物ならびに式Ia、IbまたはIcまたはIdで表される化合物の対応する塩から選択されることが、さらに特に好ましい。
【0017】
好ましいのは、基Yが上述のこの変数の好ましい範囲内で、特に好ましい変数の前記組み合わせで存在する、式Ia〜Igで表される化合物である。
本発明の特に好ましい変形は、CF−Ar−O、CF−O−Ar−O、CF−CH−CH−O−Ar−O、CF−S−Ar−O、CFCF−S−Ar−O、SF−Ar−O、CF−CH−CH−S−Ar−O、(CF−N−Ar−O、(CF−CH−CH−N−Ar−O、CF−Ar−OC(O)、CF−O−Ar−OC(O)、CF−CH−CH−O−Ar−OC(O)、CF−S−Ar−OC(O)、CFCF−S−Ar−OC(O)、SF−Ar−OC(O)、CF−CH−CH−S−Ar−OC(O)、(CF−N−Ar−OC(O)および(CF−CH−CH−N−Ar−OC(O)に等しい、特にCF−Ar−O、CF−O−Ar−O、CF−S−Ar−O、(CF−N−Ar−O、CF−Ar−OC(O)、CF−O−Ar−OC(O)、CF−S−Ar−OC(O)および(CF−N−Ar−OC(O)に等しい基Yを包含する。
本発明の特に好ましい変形は、CF−Ar−OおよびCF−Ar−OC(O)に等しいYを包含する。
【0018】
nおよび/またはn’についての好ましい範囲は、3〜24、特に3〜18である。特に、nおよび/またはn’が3〜16の範囲内である、特に8〜16の範囲内である化合物が好ましい。本発明の特に好ましい変形において、nおよび/またはn’は、互いに独立して偶数である。
Qは、好ましくはOまたはSを表す。
【0019】
本発明の他の同様に好ましい変形において、式Ia中のnは、1または2を表し、Xは、好ましくは、−CH=CH、−C≡CR、−CHO、−C(=O)CH、−COOH、−OH、−SH、−Cl、−Br、−Iから好ましく選択される官能基を表す。これらの化合物は、本発明のさらなる化合物を構築するための中間体として、特に好適である。
【0020】
特に好ましいのは、好ましい、または特に好ましい範囲内の変数の組み合わせを有する、式Ia〜Igで表される化合物の使用である。
極めて特に好ましいのは、ここで、式Iaで表され、式中nが特に好ましくは3〜24の範囲からの整数を表し、特に好ましくは3〜18、特に8〜16の範囲からの整数を表す化合物の使用である。次に、nが偶数であることが、本発明の変形において好ましい。
【0021】
本発明において特に好ましいのは、前述の化合物の界面活性剤としての使用である。
式Iで表される化合物がアニオン性化合物またはアニオン的に塩に変換することができる化合物である場合には、存在する対イオンがアルカリ金属イオン、好ましくはLi、NaもしくはK、アルカリ土類金属イオンまたはNHであることが好ましい。式Iで表される化合物がカチオン性化合物またはカチオン的に塩に変換することができる化合物である場合には、存在する対イオンがハロゲン化物、例えばCl、Br、I、またはCHSO、CFSO、CHPhSOもしくはPhSOであることが好ましい。
【0022】
本発明の化合物の、または前記化合物の本発明による使用の、または本発明の組成物の利点は、特に、以下のものであり得る:
− 効率および/または有効性に関して、従来の炭化水素界面活性剤と同一またはこれより優秀たり得る界面活性性、および/または
− 難分解性のパーフルオロ化された分解生成物の生成を伴わない、物質の生物学的および/または非生物的分解性、および/または
− 配合物への良好な加工可能性、および/または
− 貯蔵安定性。
【0023】
本発明において用いる式Iで表される化合物の好ましい群において、Xは、−COOM、−SOM、−OSOM、−PO、−OPO、−(OCHCHR)−O−(CH−COOM、−(OCHCHR)−O−(CH−SOM、−(OCHCHR)−O−(CH−OSOM、−(OCHCHR)−O−(CH−PO、−(OCHCHR)−O−(CH−OPOから選択されるアニオン性極性基を表し、ここでMは、Hまたはアルカリ金属イオン、好ましくはLi、NaもしくはK、またはNHまたはテトラ−C1〜6アルキルアンモニウムもしくはテトラ−C1〜6アルキルホスホニウムを表し、Rは、HまたはC1〜4アルキルを表し、mは、1〜1000の範囲からの整数を表し、oは、1、2、3または4から選択される整数を表す。
【0024】
好ましいアニオン性基は、ここでは、特に−COOM、−SOM、−OSOMおよび−(OCHCHR)−O−(CH−COOM、−(OCHCHR)−O−(CH−SOMおよび−(OCHCHR)−O−(CH−OSOMを含み、ここでこれらの基の個別のもの各々自体が好まれ得る。
【0025】
本発明において用いる式Iで表される化合物の他の同様に好ましい群において、Xは、−NR3+、−PR3+
【化6】

から選択されるカチオン性極性基を表し、
ここでRは、任意の所望の位置におけるHまたはC1〜4アルキルを表し、
は、Cl、Br、I、CHSO、CFSO、CHPhSO、PhSOを表し、
、RおよびRは、各々、互いに独立して、H、C1〜30アルキル、Arまたは−CHArを表し、
Arは、6〜18個のC原子を有する、非置換の、または単置換もしくは多置換の芳香環または縮合環系を表し、ここでさらに、1つまたは2つのCH基は、Nにより置換されていてもよい。
【0026】
好ましいカチオン性基は、ここでは、特に、−NR3+および
【化7】

を含み、ここで、これらの基の個別のもの各々自体が好まれ得る。
【0027】
本発明において用いる式Iまたは式Ia〜Igで表される化合物のさらなる好ましい群において、Xは、−Cl、−Br、−I、−(OCHCHR)−OH、−(OCHCHR)−SH、−O−(グリコシド)、−(OCHCHR)−OCH−CHOH−CH−OH、−(OCHCHR)−OCHAr(−NCO)、−(OCHCHR)−OAr(−NCO)、−SiRZ、−SiR、−SiZ、−COZ、−(OCHCHR)−SOCH=CH、−SOZ、
【化8】

から選択される非イオン性極性基を表し、
mは、0〜1000の範囲からの整数を表し、
nは、0または1を表し、
oは、1〜10の範囲からの整数を表し、
pは、1または2を表し、
Rは、HまたはC1〜4アルキルを表し、
およびRは、各々、互いに独立して、C1〜30アルキル、Arまたは−CHArを表し、
Arは、6〜18個のC原子を有する、非置換、単置換または多置換の芳香環または縮合環系を表し、ここでさらに、1つまたは2つのCH基は、C=Oにより置換されていてもよく、
グリコシドは、エーテル化された炭水化物、好ましくはモノ、ジ、トリまたはオリゴグルコシドを表し、
すべてのZは、各々、互いに独立して、−H、−Cl、−F、−NR、−ORまたは−N−イミダゾリルを表し、
Vは、ClまたはFを表す。
【0028】
好ましい非イオン性極性基は、ここでは、特に、−(OCHCHR)−OHおよび−O−(グリコシド)を含み、ここでこれらの基の個別のもの各々自体が好まれ得る。
さらに、式Iで表され、式中Xが−(OCHCHR)OCOCR=CH、−(OCHCHR)−OCR=CH
【化9】

から選択される重合性基を表し、ここでmが0〜1000の範囲からの整数を表し、RおよびRがHまたはC1〜4アルキルまたはY−スペーサー−(OCHCHR)−OCH−を表す化合物が好まれ得るか、またはこれを本発明において好ましく用いてもよい。
【0029】
これらの化合物を、好ましくは、対応する側鎖を含むポリマーに変換し、これを、これら自体、再び本発明の意味において用いることができる。本発明はまた、これらのポリマーの使用に関する。
さらに、式Iで表され、式中Xが−CR=CR、−C≡CH、−CHO、−C(=O)CH、−COOH、−OH、−SH、−Cl、−Br、−Iから選択される官能基を表し、ここでR、RおよびRが各々、互いに独立して、HまたはY−スペーサー−もしくはC1〜4アルキルを表す化合物が好まれ得るか、またはこれを本発明において好ましく用いてもよい。
【0030】
さらに、Xがアセチルジアミン類、N−アルキルアミノ酸類、ベタイン類、アミン酸化物類もしくは対応する誘導体の官能基から選択される両性基を表す化合物が好まれ得るか、またはこれを本発明において好ましく用いてもよい。この群の物質からの好ましい化合物において、Xは、
【0031】
【化10】

から選択される基である。
【0032】
本発明の特に好ましい化合物には、以下の表に示す化合物が含まれる。これらの化合物は、これら自体界面活性剤であり得るか、またはこれらは、界面活性剤の対応する酸もしくは界面活性剤の前駆体である。本発明の特に好ましい変形は、CF−Ar−O−およびCF−Ar−OC(O)−基を含む化合物を包含する。次に、本発明の変形において、nおよび/またはn’が偶数であるものが好ましい。
【0033】
【化11】

【0034】
【化12】

【0035】
【化13】

【0036】
【化14】

【0037】
【化15】

【0038】
【化16】

【0039】
【化17】

【0040】
【化18】

【0041】
【化19】

【0042】
【化20】

【0043】
【化21】

【0044】
【化22】

【0045】
【化23】

【0046】
【化24】

【0047】
【化25】

【0048】
【化26】

【0049】
【化27】

【0050】
【化28】

【0051】
【化29】

【0052】
【化30】

【0053】
【化31】

【0054】
【化32】

【0055】
【化33】

【0056】
【化34】

【0057】
【化35】

【0058】
【化36】

【0059】
【化37】

【0060】
【化38】

【0061】
【化39】

【0062】
【化40】

【0063】
【化41】

【0064】
【化42】

【0065】
【化43】

【0066】
【化44】

【0067】
【化45】

【0068】
【化46】

【0069】
【化47】

【0070】
【化48】

【0071】
【化49】

【0072】
【化50】

【0073】
【化51】

【0074】
【化52】

【0075】
【化53】

【0076】
【化54】

【0077】
【化55】

【0078】
【化56】

【0079】
【化57】

【0080】
【化58】

【0081】
【化59】

【0082】
【化60】

【0083】
【化61】

【0084】
【化62】

【0085】
【化63】

【0086】
【化64】

【0087】
【化65】

【0088】
【化66】

【0089】
【化67】

【0090】
【化68】

【0091】
【化69】

【0092】
【化70】

【0093】
【化71】

【0094】
【化72】

【0095】
【化73】

【0096】
【化74】

【0097】
【化75】

【0098】
【化76】

【0099】
【化77】

【0100】
【化78】

【0101】
【化79】

【0102】
【化80】

【0103】
【化81】

【0104】
界面活性剤として本発明により用いることができる化合物は、疎水化剤または疎油化剤(oleophobicising agent)として用いるのに特に適する。
使用領域は、例えば、織物、紙、ガラス、多孔質建築材料または吸着剤の表面改質である。塗料、コーティング、インク、写真コーティング(写真乾板、フィルムおよび紙用)、半導体フォトリソグラフィー用の特別のコーティング(フォトレジスト、最上部の反射防止コーティング、底部の反射防止コーティング)または表面コーティング用の他の調製物において、本発明の化合物および本発明により用いる化合物を、1または2以上の以下の機能を伴って有利に用いることができる:かぶり防止剤、分散剤、エマルジョン安定剤、消泡剤、脱気剤、帯電防止剤、難燃剤、光沢増進剤、潤滑剤、顔料または充填剤適合性増進剤、耐引っかき性増進剤、基材付着増進剤、表面付着減力液、皮膚保護剤(skin preventer)、疎水化剤、疎油化剤、UV安定剤、湿潤剤、流動制御剤、粘度低下剤、マイグレーション防止剤、乾燥促進剤。印刷インクにおいて、本発明の化合物および本発明により用いる化合物を、同様に有利に用いることができ、1または2以上の以下の機能を有し得る:消泡剤、脱気剤、摩擦制御剤、湿潤剤、流動制御剤、顔料適合性増進剤、印刷解像度増進剤、乾燥促進剤。
【0105】
したがって、本発明はさらに、本発明の化合物または本発明により用いる化合物の、表面コーティング、例えば印刷インク、塗料、コーティング、写真コーティング、半導体フォトリソグラフィー用の特別のコーティング、例えばフォトレジスト、最上部の反射防止コーティング、底部の反射防止コーティングのための調製物における添加剤としての、または対応する調製物に添加するための添加剤調製物における使用に関する。
本発明の化合物または本発明により用いる化合物の本発明によるさらなる使用は、界面プロモーターまたは乳化剤としての使用である。これらの特性を、特に、エマルジョン重合によるフッ素重合体を調製するために、有利に用いることができる。
【0106】
本発明の化合物および本発明により用いる化合物を、気泡安定剤として、特に「泡消火薬剤」として知られている調製物において、用いることができる。したがって、本発明はさらに、本発明の化合物または本発明により用いる化合物の、気泡安定剤としての、および/または成膜を支持するための、特に、合成の、およびまたタンパク質をベースとする水成膜泡消火薬剤における、ならびにまたアルコール耐性配合物(AFFFおよびAFFF−AR、FP、FFFPおよびFFFP−AR泡消火薬剤)のための使用に関する。
【0107】
本発明の化合物および本発明により用いる化合物をまた、帯電防止剤として用いることができる。帯電防止作用は、織物、特に衣類、カーペットおよび敷物類、家具の張材および自動車の内装、不織布材料、革商品、紙および厚紙物品、木材および木材をベースとする材料、鉱物基材、例えば石、セメント、コンクリート、しっくい、陶磁器(施釉または無釉タイル、土器、磁器)およびガラスの処理において、ならびにプラスチックおよび金属基材のために、特に重要である。本出願は、対応する使用に関する。
【0108】
金属基材について、本発明はさらにまた、本発明の化合物の防食剤における使用に関する。
本発明はさらにまた、プラスチック加工における離型剤としてのその使用に関する。
一般的に、本発明の化合物および本発明により用いる化合物は、汚点および染みに対する保護剤、染み除去剤、かぶり防止剤、潤滑剤として、ならびに耐摩擦性および耐機械的摩耗性増進剤として、適する。
【0109】
本発明の化合物および本発明により用いる化合物を、織物(特に衣類、カーペットおよび敷物類、家具の張材および自動車の内装)ならびに硬質表面(特に台所表面、衛生設備、タイル、ガラス)のための洗浄組成物および染み除去剤における、ならびに光沢剤およびワックス(特に家具、フローリングおよび自動車用の)における添加剤として有利に用いることができ、これは、以下の機能の1または2以上を有する:湿潤剤、流動制御剤、疎水化剤、疎油化剤、汚点および染みに対する保護剤、潤滑剤、消泡剤、脱気剤、乾燥促進剤。洗浄組成物および染み除去剤の場合において、洗浄剤または汚れ乳化剤および分散剤としての使用は、さらにまた本発明の有利な態様である。したがって、本発明はさらに、本発明の化合物または本発明により用いる化合物の、洗浄組成物および染み除去剤における、または湿潤剤、流動制御剤、疎水化剤、疎油化剤、汚点および染みに対する保護剤、潤滑剤、消泡剤、脱気剤もしくは乾燥促進剤としての使用に関する。
【0110】
本発明の化合物および本発明により用いる化合物をまた、以下の機能の1または2以上を有するポリマー材料(プラスチック)における添加剤として、有利に用いることができる:潤滑剤、内部摩擦低下剤、UV安定剤、疎水化剤、疎油化剤、汚点および染みに対する保護剤、充填剤のための結合剤、難燃剤、マイグレーション防止剤(特に可塑剤のマイグレーションに対するもの)、かぶり防止剤。
【0111】
金属表面上の洗浄、エッチング、反応性改質および/または物質堆積(特にまた電気めっきおよび陽極酸化)または半導体表面(特に、半導体フォトリソグラフィー用)のための液体媒体中の添加剤として用いる際に、本発明の化合物および本発明により用いる化合物は、現像剤、リムーバー、エッジビーズ除去剤、エッチングおよび洗浄組成物として、湿潤剤および/または堆積フィルム品質増進剤として作用する。電気めっきプロセス(特にクロムめっき)の場合において、本発明はさらにまた、発泡作用を伴うかまたは伴わないフューム防止剤(fume inhibitor)としての機能に関する。
【0112】
さらに、界面活性剤として本発明において用いることができる化合物は、洗浄および清浄用途、特に織物の洗浄および清浄用途に適する。硬質表面の清浄および光沢化はまた、界面活性剤として本発明において用いることができる化合物についての可能な適用領域である。さらに、界面活性剤として本発明において用いることができる化合物を、化粧品、例えばフォームバス(foam bath)およびヘアシャンプーにおいて、またはクリームおよびローションにおける乳化剤として、有利に用いることができる。本発明の化合物および本発明により用いる化合物を同様に、ヘアケアおよびボディーケア製品(例えばヘアリンスおよびヘアコンディショナー)における添加剤として有利に用いることができ、これは、以下の機能の1または2以上を有する:湿潤剤、発泡剤、潤滑剤、帯電防止剤、皮脂耐性増進剤。
【0113】
本発明の化合物および本発明により用いる化合物は、除草剤、殺虫剤および殺菌剤における添加剤として作用し、これは、以下の機能の1または2以上を有する:基材湿潤剤、アジュバント、気泡防止剤、分散剤、エマルジョン安定剤。
本発明の化合物および本発明により用いる化合物を同様に、接着剤における添加剤として有益に用いることができ、これは、以下の機能の1または2以上を有する:湿潤剤、浸透剤、基材接着増進剤、消泡剤。
本発明の化合物および本発明により用いる化合物はまた、潤滑剤および油圧油における添加剤として作用することができ、これは、以下の機能の1または2以上を有する:湿潤剤、腐食防止剤。潤滑剤の場合において、分散剤(特にフッ素重合体粒子のためのもの)としての使用は、さらにまた重要な観点である。
【0114】
パテおよび充填組成物における添加剤として用いる際には、本発明の化合物および本発明により用いる化合物は、以下の機能の1または2以上を伴って作用し得る:疎水化剤、疎油化剤、染みに対する保護剤、耐候性増進剤、UV安定剤、シリコーンブリード防止剤。
界面活性剤として本発明において用いることができる化合物についての適用のさらなる領域は、浮遊選鉱、即ち廃棄岩(dead rock)からの鉱石および鉱物の回収および分離である。このために、これらを、鉱石加工のための調製物、特に浮遊選鉱液およびリーチング液における添加剤として用い、これらは以下の機能の1または2以上を伴う:湿潤剤、発泡剤、気泡防止剤。関連する使用はまた、油井の刺激のための剤における添加剤としてのものであり、これは以下の機能の1または2以上を伴う:湿潤剤、発泡剤、乳化剤。
【0115】
さらに、これらを、除氷剤または氷結防止剤における添加剤として用いることができる。
さらに、本発明において界面活性剤として用いることができる好ましい化合物をまた、食物における乳化剤または分散助剤として用いることができる。他の適用分野は、金属処理において、革補助剤として、建設化学および作物保護においてである。
本発明の界面活性剤はさらにまた、抗菌活性化合物として、特に抗菌性表面改質のための試薬として好適である。この用途のために特に有利なのは、式IまたはIIまたはIIIで表され、式中Xがカチオン性極性基または重合性基を表す化合物の使用である。
【0116】
本発明において用いる化合物は、文献から当業者に自体公知の方法により調製することができる。
RfがCF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−または[CF−(CHN−または[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、添字が上記の通りである基Rfを、置換反応により芳香族化合物に導入することができる。Rfを以下のスキームにおいて用いる場合には、他に述べない限り、ここで示す定義が該当する。
【0117】
したがって、CF基は、以下のスキームに示す通り、超大気圧下、高温での芳香族カルボン酸のHFおよびSFとの反応により得ることができる。
【化82】

【0118】
市販のp−ニトロペンタフルオロスルフラニル化合物の修飾は、P. Kirsch et al., Angewandte Chemie 1999, 111, 2174-2178に記載されているように行うことができる。対応する反応を、例において一層詳細に記載する。m,m−ビスペンタフルオロスルフラニル化合物は、W. A. Sheppard, J. Am. Chem. Soc. 1962, 84, 3064-3072またはUS 3073861もしくはUS 3135736に記載されているようにして入手可能である:
【化83】

【0119】
したがって、引用した参考文献中の上記の方法の対応する開示もまた、本出願の開示内容に明確に属する。
芳香族トリフルオロメチルチオエーテル類およびペンタフルオロエチルチオエーテル類は、以下のスキームに示す通り、ヨウ素化された芳香族化合物の置換またはチオフェノール類のエーテル化により入手可能である:
【化84】

【0120】
トリフルオロメトキシ芳香族化合物は、フェノール類の四塩化炭素およびフッ化水素との反応により、得ることができる。
rが0〜5の範囲から選択される整数を表すアミンビルディングブロック[CF−(CHN−を、Gabriel合成(Organikum: Organisch-Chemisches Grundpraktikum [Basic Practical Organic Chemistry]、第16版、VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin, 1986)、続いてヒドラジンとの反応による第一アミンの遊離により、導入することができる。CF(CHHaIを用いたこのアミンのその後のアルキル化および脱ベンジル化により、第三アミノアルコールが重要なビルディングブロックとして得られる。
【0121】
【化85】

【0122】
(CFN置換基は、F.S. Fawcett; J. Am. Chem. Soc. 84 (No.22) (1962) 4275-4285に従って、イソシアネート類から開始して、フルオロホスゲンとの反応およびSF/HFを用いたその後のフッ素化により、またはイソチオシアネート類から開始して、二フッ化水銀との反応およびその後のフルオロホスゲンとの反応、およびSF/HFを用いたその後のフッ素化により、得ることができる:
【化86】

【0123】
ビストリフルオロメチルアニリン類を調製するための代替経路は、芳香族アルデヒド類から開始し、R.E. Banks, J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1 (1973) 80-82に詳細に記載されている:
【化87】

【0124】
化合物CFNH−R中の末端基CFNH−は、対応する化合物ClC=N−Rの過剰のHFとの反応により、文献から知られている方法により導入することができる(対応する合成は、例えば、Petrow et al., Zh. Obshch. Khim. 29 (1959) 2169-2173またはE. Kuhle, Angew. Chem. 89 (No.11) (1977), 797-804に記載されている)。あるいはまた、イソシアン酸トリフルオロメチルを、アルコールと反応させて、化合物CF−NHC(=O)−O−Rを得ることができる(Knunyants et al. Mendeleev Chem. J. 22 (1977) 15-105またはMotornyi et al., Zh. Obshch. Khim. 29 (1959) 2157-2122に従う)。対応する出発物質は、各々、文献から知られている方法により得ることができ、またはClC=N−Rタイプの化合物は、化合物R−NH−CHOの塩素およびSOClとの反応により得ることができ、生成物中のラジカルRは、確立された方法により化学的に修飾することができる。
【0125】
トリフルオロメトキシ芳香族化合物は、フェノール類の四塩化炭素およびフッ化水素との反応により得ることができる。
【化88】

【0126】
以下のスキームは、特定の例を示す:
【化89】

出発物質ニトロレゾルシノールは、以下の文献に従って調製することができる:
Funke; Krucker; BSCFAS; Bull. Soc. Chim. Fr.; 1953; 744, 746または
Grosheintz; Fischer; JACSAT; J. Am. Chem. Soc.; 70; 1948; 1476, 1478。 したがって、ここで引用した参考文献中の前記方法の対応する開示もまた、本出願の開示内容に明確に属する。
【0127】
親水性、アニオン性、カチオン性、反応性または重合性成分の導入は、対応するω−フッ素化化合物、例えばアルコール類、アルデヒド類、カルボン酸類またはアルケン類を介して、当業者に知られている方法により可能である。例は、以下のスキームおよび例の項により明らかとなる。
【0128】
同一の反応工程をまた、本発明のそれぞれの他のフッ素化された末端基と同様に行うことができる。本明細書中に記載したすべての反応についての好適な溶媒および反応条件の選択は、当業者に、全く何らの困難も与えない(Organikum: Organisch-Chemisches Grundpraktikum [Basic Practical Organic Chemistry]、第16版、VEB Deutscher Verlag der Wissenschaften, Berlin, 1986)。
【0129】
以下のスキームは、市販の、または文献から知られている化合物からのアリール−Rfビルディングブロックの可能な誘導体化を示す。
【化90】

【0130】
スペーサーのアリール−Rfへの結合または種々の官能基を介したさらなる結合を、スキームI〜VIIIに示す:
I.Mitsunobu反応によるエーテル化:
【化91】

【0131】
II.チオエーテルまたはスルホン単位を介した結合
【化92】

【0132】
III.アミン生成
【化93】

【0133】
IV.エステル化またはアミド生成
【化94】

【0134】
【化95】

【0135】
V.スルホン酸エステル類およびアミド類を介した結合
【化96】

【0136】
塩化アリールスルホニルは、ClSOHとの反応により対応する芳香族化合物から得られる。
【化97】

【0137】
VI.ケト官能基を介した結合
【化98】

【0138】
VII.イソシアネート類またはイソチオシアネート類を介した結合
【化99】

【0139】
VIII.Heck反応を介した結合
【化100】

【0140】
以下のスキームは鎖延長を示し、これはRfと無関係に行うことができる:
【化101】

【0141】
さらに、エステルまたはアミド形成による鎖延長が可能である/行うことができる。
【化102】

【0142】
【化103】

【0143】
したがって、本発明はさらに、上記で定義した式Iで表される化合物の製造方法であって、合成を、式II
【化104】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Dは、OH、NHまたはBrを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
で表される化合物の中間体により行うことを特徴とする、前記方法に関する。
【0144】
明細書中で言及した好ましい化合物、その使用、組成物および方法に加えて、本発明の主題のさらなる好ましい組み合わせは、特許請求の範囲中に開示されている。
したがって、引用した参考文献中の開示もまた、本出願の開示内容に明確に属する。
以下の例は、保護の範囲を限定せずに本発明を一層詳細に説明する。特に、特定の例が基づく化合物の例中に記載した特徴、特性および利点はまた、詳細に述べていないが、保護の範囲内にある他の物質および化合物に、他の箇所に逆のことが記載されていない限り該当し得る。さらに、本発明は、特許請求の範囲に記載された全範囲にわたって行うことができ、本明細書中で述べる例には限定されない。
【0145】

用いる略語のリスト:
Bn:ベンジル
DBH:1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン
DCM:ジクロロメタン
DMAP:4−(ジメチルアミノ)ピリジン
Me:メチル
MTB:メチルtert−ブチルエーテル
RT 室温(20℃)
THF:テトラヒドロフラン
PE:石油エーテル
DCC N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
TPAP 過ルテニウム酸テトラ−n−プロピルアンモニウム
TLC 薄層クロマトグラフィー
【0146】
例1
例1a
【化105】

10.0g(51.5mmol)の4−トリフルオロメチルチオフェノール、12.64g(56.6mmol)の9−ブロモ−1−ノナノールおよび14.9g(56.6mmol)のトリフェニルホスフィンを、最初に200mlのTHF中に導入する。11.0mlのアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、最高15℃にて冷却しながら滴加し、混合物を、室温で24時間撹拌する。溶媒を、ロータリーエバポレーター中で除去し、粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/DCM 1/1)により精製し、黄色油を得る。
【0147】
例1b
【化106】

19.3g(45.4mmol)の1−(9−ブロモノニルオキシ)−4−(トリフルオロメチルチオ)ベンゼンおよび7.4g(59.1mmol)の亜硫酸ナトリウムを、140mlのエタノールと140mlの脱イオン水との混合物に溶解し、混合物を、100℃で20時間加熱する。その後、混合物を、少量のMTBエーテル/ヘプタン(1:1)で抽出する。水性相を、濃硫酸(pH=0)を用いて酸性化し、MTBエーテルで5回抽出する。合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過する。
溶媒を、ロータリーエバポレーター中で蒸留して除去する。中間体のスルホン酸粗生成物(黄色油)を、次の工程において直接用いる。
【0148】
例1c
73mlのEtOH中の1.9g(47.3mmol)のNaOHペレットの混合物を、RTにて16.8g(39.4mmol)のスルホン酸粗生成物に加える。
反応混合物を、還流下で1時間加熱する(油浴、95℃)。その後、混合物をRTに冷却し、生成した無色固体を吸引しながら濾別し、80℃にて真空中で7日間乾燥する。
【化107】

【0149】
例2
例2a
【化108】

10.0g(45.4mmol)の4−ペンタフルオロチオフェノール、11.7g(50mmol)の9−ブロモ−1−ノナノールおよび13.1g(50mmol)のトリフェニルホスフィンを、最初に180mlのTHF中に導入する。9.7mlのアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、最高15℃にて冷却しながら滴加し、混合物を、室温で24時間撹拌する。溶媒を、ロータリーエバポレーター中で除去し、粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/DCM 1/1)により精製し、無色油を得る。
【0150】
例2b
【化109】

16.5g(37.6mmol)の1−(9−ブロモノニルオキシ)−4−(トリフルオロメチルチオ)ベンゼンおよび6.2g(48.9mmol)の亜硫酸ナトリウムを、150mlのエタノールと150mlの脱イオン水との混合物に溶解し、混合物を、100℃にて20時間加熱する。その後、混合物を、少量のMTBエーテル/ヘプタン(1:1)で抽出する。水性相を、濃硫酸(pH=0)を用いて酸性化し、MTBエーテルで5回抽出する。合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過する。
溶媒を、ロータリーエバポレーター中で蒸留して除去する。中間体のスルホン酸粗生成物(無色油)を、次の工程において直接用いる。
【0151】
例2c
76mlのEtOH中の1.3g(32.9mmol)のNaOHペレットの混合物を、RTにて14.05g(32.9mmol)のスルホン酸粗生成物に加える。
反応混合物を、還流下で1時間加熱する(油浴、95℃)。その後、混合物をRTに冷却し、生成した無色固体を吸引しながら濾別し、80℃にて真空中で7日間乾燥する。
【化110】

【0152】
例3
例3a
【化111】

10.0g(56.1mmol)の4−トリフルオロメトキシフェノール、14.5g(62mmol)の9−ブロモ−1−ノナノールおよび16.2g(62mmol)のトリフェニルホスフィンを、最初に230mlのTHF中に導入する。12.5mlのアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、最高15℃にて冷却しながら滴加し、混合物を、室温で24時間撹拌する。溶媒を、ロータリーエバポレーター中で除去し、粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/DCM 1/1)により精製し、無色油を得る。
【0153】
例3b
【化112】

22.9g(58.1mmol)の1−(9−ブロモノニルオキシ)−4−(トリフルオロメチルチオ)ベンゼンおよび9.5g(75.5mmol)の亜硫酸ナトリウムを、140mlのエタノールと140mlの脱イオン水との混合物に溶解し、混合物を、100℃にて20時間加熱する。その後、混合物を、少量のMTBエーテル/ヘプタン(1:1)で抽出する。水性相を、濃硫酸(pH=0)を用いて酸性化し、MTBエーテルで5回抽出する。合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過する。
溶媒を、ロータリーエバポレーター中で蒸留して除去する。中間体のスルホン酸粗生成物(黄色油)を、次の工程において直接用いる。
【0154】
例3c
82mlのEtOH中の2.13g(53.2mmol)のNaOHペレットの混合物を、RTにて17.95g(44.3mmol)のスルホン酸粗生成物に加える。
反応混合物を、還流下で1時間加熱する(油浴、95℃)。その後、混合物をRTに冷却し、生成した無色固体を吸引しながら濾別し、80℃にて真空中で7日間乾燥する。
【化113】

【0155】
トリフルオロメチル置換芳香族化合物
例4:p−トリフルオロメチルフェノキシ置換
例4a
1−(9−ブロモノニルオキシ)−4−トリフルオロメチルベンゼンの調製
【化114】

10.0g(61.68mmol)の4−ヒドロキシベンゾトリフルオリド、15.14g(67.86mmol)の9−ブロモ−1−ノナノールおよび17.8g(67.86mmol)のトリフェニルホスフィンを、最初に250mlのTHF中に導入する。13.19mlのアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、最高15℃にて冷却しながら滴加し、混合物を、室温で24時間撹拌する。溶媒を、ロータリーエバポレーター中で除去し、粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン/DCM 1/1)により精製し、黄色油を得る。
【化115】

【0156】
例4b
9−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)ノナン−1−スルホン酸ナトリウム塩の調製
【化116】

22.2g(59.18mmol)の1−(9−ブロモノニルオキシ)−4−トリフルオロメチルチオベンゼンおよび9.7g(76.94mmol)の亜硫酸ナトリウムを、140mlのエタノールと140mlの脱イオン水との混合物に溶解し、混合物を、100℃にて20時間加熱する。その後、混合物を、少量のMTBエーテル/ヘプタン(1:1)で抽出する。水性相を、濃硫酸(pH=0)を用いて酸性化し、MTBエーテルで5回抽出する。合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過する。
溶媒を、ロータリーエバポレーター中で蒸留して除去する。中間体のスルホン酸粗生成物(黄色油)を、分光法により調査する。
【化117】

【0157】
例4c
82mlのEtOH中の2.13g(53.18mmol)のNaOHペレットの混合物を、RTにて17.95g(44.31mmol)のスルホン酸粗生成物に加える。
反応混合物を、還流下で1時間加熱する(油浴、95℃)。その後、混合物をRTに冷却し、生成した無色固体を吸引しながら濾別し、80℃にて真空中で7日間乾燥する。
【化118】

【0158】
例4d
【化119】

13.8gの8−ブロモオクタン酸(62mmol)、0.76gの4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン(6.2mmol、0.1当量)、13gのDCC(62mmol)および8mlのトリエチルアミン(62mmol)を、最初に250mlの丸底フラスコ中の150mlのジクロロメタン中に導入し、混合物を、RTにて2時間撹拌し、50mlのDCM中の10gのp−(トリフルオロメチル)フェノール(62mmol)を、次に0℃にてゆっくりと滴加する。反応混合物を、RTにて撹拌する(TLCチェック)。200mlのHOを反応混合物に加え、これをわずかに酸性化する(pH=5〜6)。相を分離し、水性相を、各々の回において100mlのDCMで3回抽出する。合わせた有機相を、飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥する。乾燥剤を濾別した後、溶媒を、真空中で除去する。カラムクロマトグラフィー(PE/MTBE 20/1〜1/1)による粗生成物の精製により、帯黄色油が得られる。
【0159】
例4e
【化120】

10gの4−トリフルオロメチル安息香酸8−ブロモオクチル(26.2mmol、1当量)および4gの亜硫酸ナトリウム(31.5mmol、1.2当量)を、最初に500mlの一口フラスコ中の100mlのエタノールおよび100mlの水に導入し、100℃に加熱する。混合物を、一晩(20時間)還流下で撹拌し、変換を、TLCによりモニタリングする。反応が完了したら、混合物を、少量のMTBE/ヘプタン 1:1と共に振盪することにより洗浄して、出発物質および不純物を除去する。次に、水性相を、凍結乾燥機中で濃縮し、MTBE/MeOH 1/1でのカラムクロマトグラフィーにより無機塩から遊離させる。生成物は、無色固体であり、これを、真空乾燥キャビネット中で30℃および0.1barにて乾燥する。
【化121】

【0160】
例5:p−トリフルオロメチルベンゾイル置換
例5a
【化122】

8gの10−ブロモデカン−1−オール(33.56mmol、1当量)を、最初に300mlの乾燥ジクロロメタン中にRTにて導入し、3.74gのトリエチルアミン(36.9mmol、1.1当量)を加える。その後、反応混合物を、0℃に冷却し、30mlのジクロロメタン中の7gの塩化4−トリフルオロメチルベンゾイル(33.56mmol、1当量)を、内部温度が10℃を超えない程度の速度で、滴下漏斗を介して加える。添加が完了したら、反応混合物を、ゆっくりとRTに加温する。反応が完了したら(TLCチェック)、反応混合物を、飽和NaHCO溶液を用いてクエンチする。有機相を、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。褐色がかった油が生成し、これをシリカゲル上に吸着させ、カラムクロマトグラフィー(PE)により精製する。生成物は、帯黄色の油である。
【化123】

【0161】
例5b
【化124】

15gの4−トリフルオロメチル安息香酸10−ブロモデシル(36.65mmol、1当量)および5.6gの亜硫酸ナトリウム(44mmol、1.2当量)を、最初に500mlの一口フラスコ中の140mlのエタノールおよび140mlの水に導入し、100℃に加熱する。混合物を、一晩(20時間)還流下で撹拌し、変換を、TLCによりモニタリングする。反応が完了したら、混合物を、少量のMTBE/ヘプタン 1:1と共に振盪することにより洗浄して、出発物質および不純物を除去する。次に、水性相を、凍結乾燥機中で濃縮し、MTBE/MeOH 1/1でのカラムクロマトグラフィーにより無機塩を除去する。生成物は、無色固体であり、これを、真空乾燥キャビネット中で30℃および0.1barにて乾燥する。
【数1】

【0162】
例5c
【化125】

6gの10−アミノデカン−1−オール(34.6mmol、1当量)を、最初に250mlの乾燥トルエン中にRTにて導入し、4.2gのトリエチルアミン(41.5mmol、1.2当量)を加える。その後、反応混合物を0℃に冷却し、30mlのジクロロメタン中の7.2gの塩化4−トリフルオロメチルベンゾイル(34.6mmol、1当量)を、滴下漏斗を介してゆっくりと加える。添加が完了したら、反応混合物を、ゆっくりとRTに加温する。反応が完了したら(TLCチェック)、反応混合物を、飽和NaHCO溶液を用いてクエンチする。有機相を、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。褐色がかった油が生成し、これを、シリカゲル上に吸着させ、カラムクロマトグラフィー(PE)により精製する。生成物は、帯黄色の油である。
【化126】

あるいはまた、アミドを、触媒量のN−複素環式カルベン類の存在下で、THF中の市販のエチルエステルから調製することができる:M. Movassaghi et al. Org. Lett. 2005, 12, 2453-2456.
【0163】
例5d
【化127】

4gのN−(10−ヒドロキシデシル)−4−トリフルオロメチルベンズアミド(11.6mmol、1当量)を、最初に100mlの乾燥ジクロロメタン中にRTにて導入し、4.6gのトリフェニルホスフィン(17.4mmol、1.5当量)を加える。その後、反応混合物を0℃に冷却し、15mlのジクロロメタンに溶解した6.54gのテトラブロモメタン(19.2mmol、1.7当量)を、内部温度が10℃を超えないように制御された速度でシリンジを介して加える。添加が完了したら、反応混合物を、ゆっくりとRTに加温する。反応が完了したら(TLCチェック)、反応混合物を、飽和NaHCO溶液を用いてクエンチする。有機相を、NaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。褐色の残留物が生成し、これを、シリカゲル上に吸着させ、カラムクロマトグラフィー(PE/MTBE 20/1)により精製する。生成物は、帯淡黄色の油である。
【化128】

M. A. Casadei et al. Tetrahedron 1988, 44, 2601-2606と同様に、PhP−Brを用いて、A. Pain et al. Acta Pol. Pharm. 2003, 60, 285-292に従って、酢酸エチル中のPBrを用いて、またはY. Liu et al. Bioorg. Med. Chem. 2006, 14, 2935-2941(Br/PCl)に従って、アルコールを、対応する臭化物に変換することができる。
【0164】
例5e
【化129】

10gのN−(10−ブロモデシル)−4−トリフルオロメチルベンズアミド(24.5mmol、1当量)および3.74gの亜硫酸ナトリウム(29.4mmol、1.2当量)を、最初に250mlの一口フラスコ中の90mlのエタノールおよび90mlの水に導入し、100℃に加熱する。混合物を、一晩(20時間)還流下で撹拌し、変換を、TLCによりモニタリングする。反応が完了したら、混合物を、少量のMTBE/ヘプタン 1:1と共に振盪することにより洗浄して、出発物質および不純物を除去する。次に、水性相を、凍結乾燥機中で濃縮し、MTBE/MeOH 1/1でのカラムクロマトグラフィーにより無機塩を除去する。生成物は、無色固体であり、これを、真空乾燥キャビネット中で30℃および0.1barにて乾燥する。
【化130】

【0165】
例6:p−トリフルオロメチルフェニルアミン置換
例6a
【化131】

16.5gのヨウ化ナトリウム(110mmol)および19.3gの10−クロロデカン−1−オール(100mmol)を、最初に1000mlの丸底フラスコ中の500mlのアセトンに導入し、還流下で24時間撹拌する。その後、残留物を濾別し、濾液をロータリーエバポレーター中で濃縮する。残留物を、300mlのブタノールを用いて回収し、13.8gの炭酸カリウム(100mmol)および16.6gのN,N−(p−トリフルオロメチル)フェニルメチルアミン(95mmol、手順:E. B. Sjogren et al. J. Med. Chem. 1991, 34, 11, 3295-3301を参照)を加え、混合物を加熱還流する。反応混合物を、TLCモニタリングを伴って60℃にて撹拌する。次に、溶媒のいくらかを真空中で除去し、残留物を水中に回収し、溶液を4×100mlのMTBEで抽出する。合わせた有機相を、1×200mlのHOおよび1×200mlの飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、最後に溶媒を、真空中で除去する。
【化132】

【0166】
例6b
【化133】

6gの(10−ヒドロキシデシル)メチル−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン(18.1mmol、1当量)を、最初に180mlの乾燥ジクロロメタン中にRTにて導入し、7.1gのトリフェニルホスフィン(27.2mmol、1.5当量)を加える。その後、反応混合物を0℃に冷却し、40mlのジクロロメタンに溶解した10.2gのテトラブロモメタン(30.8mmol、1.7当量)を、内部温度が10℃を超えないように制御された速度で、滴下漏斗を介して加える。添加が完了したら、反応混合物を、ゆっくりとRTに加温する。反応が完了したら(TLCチェック)、反応混合物を、飽和NaHCO溶液を用いてクエンチする。有機相をNaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。褐色残留物が生成し、これを、シリカゲル上に吸着させ、カラムクロマトグラフィー(PE/MTBE 3/1)により精製する。生成物は、帯淡黄色の油である。
【化134】

【0167】
例6c
【化135】

4.1g(13.95mmol)のヘキサエチレングリコールモノメチルエーテルを40mlのTHFに溶解した溶液を、制御された速度でRTにて0.6gのNaH(60%、13.95mmol)を60mlのTHFに懸濁させた懸濁液に滴加する。混合物を、RTにて2時間撹拌し、その後5g(12.7mmol)の(10−ブロモデシル)−メチル−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミンを、RTにて加える。反応混合物を10時間撹拌し、次に飽和NHCl溶液を用いてクエンチする。相を分離し、有機相を蒸発乾固させる。
【化136】

【0168】
例6d
【化137】

3gの(10−ブロモデシル)メチル−(4−トリフルオロメチルフェニル)アミン(7.6mmol、1当量)および1.15gの亜硫酸ナトリウム(9.1mmol、1.2当量)を、最初に100mlの一口フラスコ中の20mlのエタノールおよび20mlの水に導入し、100℃に加熱する。混合物を、一晩(20時間)還流下で撹拌し、変換を、TLCによりモニタリングする。反応が完了したら、混合物を、少量のMTBE/ヘプタン 1:1と共に振盪することにより洗浄して、出発物質および不純物を除去する。次に、水性相を凍結乾燥機中で濃縮し、MTBE/MeOH 1/1でのカラムクロマトグラフィーにより無機塩を除去する。生成物は、無色固体であり、これを、真空乾燥キャビネット中で30℃および0.1barにて乾燥する。
【化138】

【0169】
例6e
【化139】

クロロデカン−1−オールを、対応するアニリンおよび1,10−デカンジオールから、ルテニウム触媒を用いてG. van Koten et al. J. Org. Chem. 1998, 63, 4282-4290に従って、または10−クロロデカン−1−オールから求核置換によりF. Jourdain et al. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 1545-1548に従って合成する。
16.5gのヨウ化ナトリウム(110mmol)および19.3gの10−クロロデカン−1−オール(100mmol)を、最初に1000mlの丸底フラスコ中の500mlのアセトンに導入し、還流下で24時間撹拌する。その後、残留物を濾別し、濾液を、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。残留物を、トルエン中に回収し、32.2gのp−(トリフルオロメチル)アニリン(200mmol)を加え、混合物を加熱還流する。変換が完了したら(TLCチェック)、反応混合物を冷却し、溶媒を除去する。残留物をシリカゲル上に吸着させ、粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0170】
例6f
【化140】

10gのアミノアルコールを、対応するオリゴエチレングリコールに、オートクレーブ中で、触媒量のハイドロタルサイト(0.5g)の存在下、エチレンオキシド雰囲気下で変換し、黄色油を得、これは、約6の平均のエチレングリコール:アミノアルコール比を有する(nは約6)。
【化141】

【0171】
例6g
【化142】

5g(18.6mmol)の塩化10−ブロモデカノイルの溶液(調製は、Y. Ohtsuka Chem. Pharm. Bull. 1983, 31, 454による)を、0℃で、50mlのTHFおよび3.1mlのトリエチルアミン(22.3mmol)中の3gの4−トリフルオロメチルアニリン(18.6mmol)に滴加する。その後、混合物をRTに加温し、2時間撹拌する。その後、20mlの1NのNaOH溶液をRTにて加え、混合物を激しく撹拌する。反応が完了したら、混合物をMTBEで希釈し、飽和NHCl溶液を用いてクエンチし、有機相をNaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
【化143】

【0172】
例6h
【化144】

4.6g(18.6mmol)の塩化10−アセトキシデカノイルの溶液(調製は、G. Goto Chem. Pharm. Bull. 1985, 33, 4422による)を、0℃で、50mlのTHFおよび3.1mlのトリエチルアミン(22.3mmol)中の3gの4−トリフルオロメチルアニリン(18.6mmol)に滴加する。その後、混合物をRTに加温し、2時間撹拌する。その後、20mlの1NのNaOH溶液をRTにて加え、混合物を激しく撹拌する。反応が完了したら、混合物をMTBEで希釈し、飽和NHCl溶液を用いてクエンチし、有機相をNaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
【化145】

【0173】
例6i
【化146】

N−(4−トリフルオロメチルフェニル)−12−ブロモドデカンアミド(4g、9.5mmol)を、還流下で2日間、40mlのピリジン中で加熱する。反応が完了したら、過剰のピリジンを除去する。このようにして得られた界面活性剤生成物(臭化1−[11−(4−トリフルオロメチルフェニルカルバモイル)ウンデシル]ピリジニウム)を、所要に応じて、再結晶により精製することができる。
【化147】

2,4−ビストリフルオロメチルベンジルアミンをまた、例4eに従って、対応する界面活性剤に変換することができる。
【0174】
例7:p−トリフルオロメチルベンゼンチオール置換
例7a
【化148】

10.1gのヨウ化ナトリウム(67.3mmol、1.2当量)および13.6gの12−クロロドデカン−1−オール(61.7mmol、1.1当量)を、最初に1000mlの丸底フラスコ中の500mlのアセトンに導入し、還流下で24時間撹拌する。その後、残留物を濾別し、8.53gの炭酸カリウム(61.7mmol)および10gのp−(トリフルオロメチル)チオフェノール(56mmol)を濾液に加え、混合物を加熱還流する。混合物を、変換が完了するまで還流下で撹拌する。次に、アセトンのいくらかを真空中で除去し、残留物を水中に回収し、溶液を4×100mlのMTBEで抽出する。合わせた有機相を、1×100mlのHOおよび1×100mlの飽和NaCl溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、溶媒を、ロータリーエバポレーター中で除去する。粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(MTBE/ヘプタン 1/5〜1/3)により精製する。
【化149】

【0175】
例7b
【化150】

15gの12−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ドデカン−1−オール(41.4mmol、1当量)を、最初に300mlの乾燥ジクロロメタン中にRTにて導入し、16.3gのトリフェニルホスフィン(62mmol、1.5当量)を加える。その後、反応混合物を0℃に冷却し、70mlのジクロロメタンに溶解した23.3gのテトラブロモメタン(70.4mmol、1.7当量)を、内部温度が10℃を超えないように制御された速度で、滴下漏斗を介して加える。添加が完了したら、反応混合物を、ゆっくりとRTに加温する。反応が完了したら(TLCチェック)、反応混合物を、飽和NaHCO溶液を用いてクエンチする。有機相をNaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。褐色残留物が生成し、これを、シリカゲル上に吸着させ、カラムクロマトグラフィー(PE)により精製する。生成物は、帯淡黄色の油である。
【化151】

【0176】
例7c
【化152】

11gの1−(12−ブロモドデシルスルファニル)−4−トリフルオロメチルベンゼン(25.9mmol、1当量)および3.9gの亜硫酸ナトリウム(31mmol、1.2当量)を、最初に500mlの一口フラスコ中の40mlのエタノールおよび40mlの水に導入し、100℃に加熱する。混合物を、一晩(20時間)還流下で撹拌し、変換を、TLCによりモニタリングする。反応が完了したら、混合物を、少量のMTBE/ヘプタン 1:1と共に振盪することにより洗浄して、出発物質および不純物を除去する。次に、水性相を、少量の硫酸を用いてpH=0に酸性化し、15×100mlのMTBEで抽出する。合わせた有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、その後溶媒を真空中で除去し、尚湿潤性の(still-moist)スルホン酸を得、これを120mlのメタノール中に回収し、1.24gの固体NaOHを加え、混合物を還流下で1時間沸騰させる。反応混合物が冷えたら、得られた懸濁液を濃縮し、MeOH/MTBE 1:1に再び溶解し、シリカゲルで濾過する。溶媒を、真空中で除去する。生成物は、無色固体である。
【化153】

【0177】
例7d
【化154】

8gの4−トリフルオロメチルベンゼンチオール(44.9mmol)を、反応容器中に移す。8.3gのウンデセン酸を溶解した60mlのエタノールを、凍結チオールに加え、続いて80mgのAIBNを加える。容器を、すりガラスキャップおよび保護キャップクリップを用いて密閉する。溶解した酸素を、3回の凍結−吸引−融解サイクルにより除去する。反応混合物を、80℃の油浴中に2時間放置する。反応の成功を、H−および13C−NMRにより決定する。このために、不活性ガス装置中のすべての揮発性成分(=過剰のチオール、エタノール)を、約40℃の水浴温度にて真空中で除去する。室温で結晶状の残留する白色残留物を、RTにてメタノールに溶解し、濁りが残るまで濾過した溶液に水を加える。混合物を、アセトン/ドライアイスを用いて冷却し、生成物の白色結晶質凝集物を得、これを吸引しながら濾別し、乾燥する。中間体のカルボン酸を、100mlのメタノールに溶解し、1.8gのNaOHペレットを加え、その後混合物を、1時間にわたり65℃にて加熱し、次に冷却する。溶媒をロータリーエバポレーター中で除去した後に、生成物である11−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ウンデカン酸ナトリウムを得る。
【0178】
例7e
【化155】

1.6gの(NHMo244HO(1.38mmol、0.1当量)および80gの30%過酸化水素溶液(69mmol、5当量)の新たに調製した氷冷溶液を、5gの12−(4−トリフルオロメチルフェニルスルファニル)ドデカン−1−オール(13.8mmol)を120mlのエタノールに溶解した溶液に、室温で滴加する。反応物を、室温で撹拌する。出発物質の完全な変換を達成するために、同量のモリブデン酸アンモニウム溶液をさらに加える。変換が完了したら(TLCチェック:中間体として生成するスルホキシドは、スルホンに完全に変換されている)、反応混合物をMTBEで希釈し、蒸留水で洗浄する。水性相をMTBEで3回抽出し、合わせた有機相を飽和NaCl溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0179】
例8
例8a
【化156】

4.4gの12−(4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)ドデカン−1−オール(11.2mmol、1当量)を、最初に100mlの乾燥ジクロロメタンにRTにて導入し、4.4gのトリフェニルホスフィン(16.8mmol、1.5当量)を加える。その後、反応混合物を0℃に冷却し、10mlのジクロロメタンに溶解した6.3gのテトラブロモメタン(19mmol、1.7当量)を、内部温度が10℃を超えないように制御された速度で、滴下漏斗を介して加える。添加が完了したら、反応混合物をゆっくりとRTに加温する。反応が完了したら(TLCチェック)、反応混合物を、飽和NaHCO溶液を用いてクエンチする。有機相をNaSOで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。褐色残留物が生成し、これをシリカゲル上に吸着させ、カラムクロマトグラフィー(PE/MTBE 3/1)により精製する。生成物は、帯淡黄色の油である。
【0180】
例8b
【化157】

4.5gの1−(12−ブロモドデカン−1−スルホニル)−4−トリフルオロメチルベンゼン(9.9mmol、1当量)および1.5gの亜硫酸ナトリウム(11.9mmol、1.2当量)を、最初に100mlの一口フラスコ中の30mlのエタノールおよび30mlの水に導入し、100℃に加熱する。混合物を、一晩(20時間)還流下で撹拌し、変換を、TLCによりモニタリングする。反応が完了したら、混合物を、少量のMTBE/ヘプタン 1:1と共に振盪することにより洗浄して、出発物質および不純物を除去する。次に、水性相を凍結乾燥機中で濃縮し、MTBE/MeOH 1/1でのカラムクロマトグラフィーにより無機塩を除去する。生成物は、無色固体であり、これを、真空乾燥キャビネット中で30℃および0.1barにて乾燥する。
【0181】
例9:p−トリフルオロメチルフェニルケト置換
例9a
【化158】

n−ブチルリチウムをヘキサンに溶解した15%溶液(4ml、44mmol)を、−78℃にて1−ブロモ−4−トリフルオロメチルベンゼン(9g、40mmol)を300mlのTHFに溶解した溶液にゆっくりと滴加する。反応混合物を、30分かけて−55℃に加温し、次に−78℃に再び冷却し、その後50mlのTHF中の10.9gの塩化10−アセトキシデカノイル(調製については:G. Goto Chem. Pharm. Bull. 1985, 33, 4422を参照)を滴加する。反応混合物を、2時間かけて0℃に加温し、変換が完了したら(TLCチェック)、1NのHCl溶液を用いてクエンチする。相を分離し、有機相を飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSOで乾燥する。粗生成物を、100mlのTHF中に回収し、1.2g(50mmol、1.25当量)のLiOHを加え、混合物を、RTにて1時間撹拌する。アセトキシ基の鹸化が完了したら、混合物をMTBEで希釈し、飽和NaCl溶液で洗浄し、相を分離し、有機相をNaSOで乾燥する。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(PE/MTBE 10/1)により精製する。
【0182】
例9b
【化159】

n−ブチルリチウムをヘキサンに溶解した15%溶液(4ml、44mmol)を、−78℃にて1−ブロモ−4−トリフルオロメチルベンゼン(9g、40mmol)を300mlのTHFに溶解した溶液にゆっくりと滴加する。反応混合物を、30分かけて−55℃に加温し、次に−78℃に再び冷却し、その後50mlのTHF中の11.9gの塩化10−ブロモデカノイル(調製については: B. L. Feringa J. Am. Chem. Soc. 2004, 126, 13884を参照)を滴加する。反応混合物を、2時間かけて0℃に加温し、変換が完了したら(TLCチェック)、1NのHCl溶液を用いてクエンチする。相を分離し、有機相を飽和NaHCO溶液で洗浄し、NaSOで乾燥し、濃縮する。粗生成物を、カラムクロマトグラフィー(PE/MTBE:20/1)により精製する。
【0183】
例9c
【化160】

10gの10−ヒドロキシ−1−(4−トリフルオロメチルフェニル)デカン−1−オン(31.6mmol、1当量)を、最初に200mlの乾燥DCMに導入し、12.4gのトリフェニルホスフィン(47.4mmol、1.5当量)を加え、次いで、17.8gのテトラブロモメタン(53.7mmol、1.7当量)を分割して加える。反応物を、RTにて24時間撹拌し、次に飽和NaHCO溶液を用いてクエンチする。相を分離し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。生成した粗生成物を、石油エーテルを用いたカラムクロマトグラフィーにより精製する。
【0184】
例10:(p−トリフルオロメチルフェニル)メタノール置換
例10a
【化161】

10.0gの4−トリフルオロメチルベンジルアルコール(56.8mmol)、16.6g(62.5mmol)の12−ブロモドデカン−1−オールおよび16.4g(62.5mmol)のトリフェニルホスフィンを、最初に400mlのTHFに導入する。12.2mlのアゾジカルボン酸ジイソプロピルを、最高15℃にて冷却しながら滴加し、混合物を、室温で24時間撹拌する。溶媒を、ロータリーエバポレーター中で除去し、粗生成物を、シリカゲル上のカラムクロマトグラフィー(溶離剤:ヘプタン)により精製し、黄色油を得る。
【0185】
例10b
【化162】

6gの1−(12−ブロモドデシルオキシメチル)−4−トリフルオロメチルベンゼン(14.2mmol)を142mlの(MeO)Pに溶解した溶液を、還流下で加熱する。還流凝縮器に、水を50℃にて流し、生成するMeBrを、アルゴン流により排出する。混合物が冷えた後、反応溶液を真空中で濃縮する。粗生成物をメタノール中に回収し、NaOH水溶液を加え、混合物をRTにて2時間撹拌する。反応混合物を再び濃縮し、カラムクロマトグラフィー(MTBE/MeOH)により精製し、無色固体を得る。
【化163】

(2,4−ビストリフルオロメチルフェニル)メタノールをまた、対応するスルホン酸塩界面活性剤に、例10に従って変換することができる。
【0186】
例11
4−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸8−スルホオクチルナトリウム塩
【化164】

2.50gの8−ヒドロキシオクタン−1−スルホン酸ナトリウム塩(Varveri, F.S., Nikokavouras, J., Mantaka-Marketou, A.E., Micha-Screttas, M.; Monatsh. Chem.; 120; 1989; 967-972と同様にし、次にNaOHを用いてナトリウム塩を生成させることにより入手できる)を、2.50gの塩化4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルを12mlのTHFに溶解した溶液中に、窒素下で0℃にて撹拌しながら計量して加え、混合物を、この温度にて6時間撹拌する。生成物を単離するために、反応混合物を濾過し、生成する溶出液から溶媒を20〜30℃にて真空中で除去し、淡いベージュ色の無定形固体を得る。
【化165】

【0187】
例12
モノ(4−トリフルオロメチルフェニル)オクタン−1,8−ジスルホン酸ナトリウム塩
A)8−クロロスルホニルオクタン−1−スルホン酸4−トリフルオロメチルフェニル
【化166】

3.4gの二塩化オクタン−1,8−ジスルホニル(ジスルホン酸のナトリウム塩(CAS 168648-99-5; 168648-95-1; 155885-19-1)またはジスルホン酸のカリウム塩(CAS 118218-21-6)の塩素化、例えば塩化チオニルを用いた塩素化により得られる)および1.05gのトリエチルアミンを、1.62gの4−トリフルオロメチルフェノールを15mlのジクロロメタンに溶解した溶液中に、窒素下で0℃にて撹拌しながら計量して加え、混合物を、この温度で3時間撹拌する。生成物を単離するために、反応混合物を濾過し、溶出液から、真空中で10〜20℃にて溶媒を除去する。生成した油を、粗生成物として次の工程において用いる。
【0188】
B)モノ(4−トリフルオロメチルフェニル)オクタン−1,8−ジスルホン酸ナトリウム塩
【化167】

0.4gの粉末状NaOHを、10分間にわたり少量に分割して4.3gの8−クロロスルホニルオクタン−1−スルホン酸4−トリフルオロメチルフェニルを15mlのTHFに溶解した溶液に、窒素下で0℃にて撹拌しながら計量して加え、混合物を、この温度で2時間撹拌する。生成物を単離するために、溶媒を、20℃にて真空中で除去し、淡黄色の無定形固体を得る。
【化168】

【0189】
例13
モノ[10−(4−トリフルオロメチルフェニル)デシル]硫酸ナトリウム塩
A)1−((E)−10−ベンジルオキシデク−1−エニル)−4−トリフルオロメチルベンゼン
【化169】

3.1gのデク−9−エニルオキシメチルベンゼン、15mgのPd(AcAc)、11mg(0.05mmol)のDAB−Cy(DAB−Cy=1,4−ジシクロヘキシルジアザブタジエン、CAS 3673-06-1)、4.9gのCsCOおよび16mgのn−BuNBrを、2.3gの1−ブロモ−4−トリフルオロメチルベンゼンを15mlのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解した溶液中に、窒素下で、撹拌しながら20℃にて計量して加え、次に混合物を100℃に加温し、この温度で8時間撹拌し、次に20℃に再び冷却する。
生成物を単離するために、反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去し、生成した油を、粗生成物として次の工程において用いる。
ベンジルエーテル中間体を、1−ブロモ−4−トリフルオロメチルベンゼンから、他のHeck触媒を用いて得ることもでき、他の触媒を選択する場合には、ベンジルエーテル中間体を、1−クロロ−4−トリフルオロメチルベンゼンから得ることもできる。
【0190】
B)10−(4−トリフルオロメチルフェニル)デカン−1−オール
【化170】

0.4gのPd/C(5%)を、3.9gの1−((E)−10−ベンジルオキシデク−1−エニル)−4−トリフルオロメチルベンゼンを20mlのエタノールに溶解した溶液に、窒素の下で20℃にて撹拌しながら加え、1.5barの水素を注入し、次に混合物を、40℃にて3時間撹拌する。生成物を単離するために、反応混合物を濾過し、溶媒を真空中で除去し、生成した油を、粗生成物として次の工程において用いる。
【0191】
C)モノ[10−(4−トリフルオロメチルフェニル)デシル]硫酸ナトリウム塩
【化171】

2.0gのクロロスルホン酸を、3.0gの10−(4−トリフルオロメチルフェニル)デカン−1−オールを15mlの1,2−ジクロロエタンに溶解した溶液中に、窒素下で0℃にて撹拌しながら注意深く計量して加え、混合物を、この温度で0.5時間、次に20〜25℃にて2時間撹拌する。硫酸モノエステルを単離するために、溶媒を反応混合物から、真空中で25〜40℃にて除去する。硫酸モノエステルのナトリウム塩を生成するために、0.4gのNaOH(10mlのエタノールに溶解したもの)を、単離した残留物に加え、混合物を、30分間撹拌し、次に溶媒を、真空中で20〜30℃にて除去し、無色の無定形固体を得る。
【化172】

【0192】
例14
例14a:m,p,m−トリス(トリフルオロメチル)置換
【化173】

【0193】
例14b:m,p,m−トリス(トリフルオロメチル)置換の代替的な調製
【化174】

【0194】
例14c:m,m−ビス(トリフルオロメチル)置換
【化175】

【0195】
例14d:m,p,m−トリス(トリフルオロメチル)置換化合物の誘導体化
【化176】

【0196】
例15:ペンタフルオロスルフラニル化合物
例15a:p−ペンタフルオロスルフラニル化合物およびその誘導体化
【化177】

【0197】
例15b:m,m−ビスペンタフルオロスルフラニル化合物およびその誘導体化
【化178】

【0198】
例16:トリフルオロメチルチオエーテル類
例16a:基本構造としてのフェノールまたは安息香酸誘導体の調製
【化179】

【0199】
例16b:トリフルオロメチルチオエーテル類のヨウ素化された芳香族化合物を介しての介した調製および当該化合物の誘導体化
【化180】

【0200】
例16c:テトラキス(トリフルオロメチルチオエーテル)類のペンタヨードベンゼンからの調製および当該化合物の誘導体化
【化181】

【0201】
例17:パーフルオロエチルチオエーテル類の調製
トリフルオロメチル基を導入するための対応する試薬を、合成において対応するペンタフルオロエチル試薬で交換すれば、CFS基を含む化合物の代わりに、CS基を含む対応する化合物を、例10a〜10cと同様にして上記のように調製することもできる。例えば、CIをCFIの代わりに用いる場合に、合成は成功する。
【0202】
例18:トリフルオロメトキシ化合物
トリフルオロメトキシ単位を、フェノール性OH基の四塩化炭素およびフッ化水素との反応により得ることができ、これを以下のスキームに従ってさらに反応させる:
【化182】

【0203】
例19:生化学的分解性の決定
化合物の生化学的分解性を、European Commission publication: Classification, Packaging and Labelling of Dangerous Substances in the European Union, Part II - Testing Methods, Annex V - Methods for the Determination of Physico-Chemical Properties, Toxicity and Ecotoxicity, Part B, Biochemical Degradability - Zahn-Wellens Test (C.9.)、1997年1月、353〜357頁に対応するZahn-Wellens試験により決定する。
バッチ容積:1.5l
活性化スラッジ濃度:1gの固体/l
スラッジの由来:Merck KGaA; Darmstadtの処理プラント(調整していない(not adapted))
用いる試験物質の量:DOCとして約100〜200mg/l
曝気:精製空気を用いる
試料の精製操作(work-up):濾過(ミディアム〜ハードフィルター)
DOCの決定:Dimatec機器を用いた差分法(difference method)による
【0204】
方法についてのさらなる詳細は、上記の刊行物およびまたOECD Guideline for the testing of chemicals, 第3章、degradation and accumulation, method 302 B, 1〜8頁、採用:1992年7月17日中に示されており、この内容は、この点において本出願の開示内容に明確に属する。
さらに、試験における化合物自体の分解に加えて、フッ化物定量によりフッ素含有基の分解をも観察する:
方法:イオンクロマトグラフィー
機器:Dionex 120
検出器のタイプ:電導度検出器
カラム:AS9HC溶離剤:炭酸ナトリウム溶液、9mmol/l流量:1ml/分
文献:EN ISO 10304-2
【0205】
例20:表面張力の決定
機器:Kruess張力計(モデルK12)
測定溶液の温度:20℃
用いる測定モジュール:リング
測定溶液の濃度:脱イオン水中約0.5〜3.0g/l
方法についてのさらなる詳細は、the European Commission publication: Classification, Packaging and Labelling of Dangerous Substances in the European Union, Part II - Testing Methods, Annex V - Methods for the Determination of Physico-Chemical Properties, Toxicity and Ecotoxicity, Part A, Surface Tension (A.5), 1997年1月、51〜57頁およびまたOECD Guideline for the testing of chemicals, section 1, physical-chemical properties, method 115, 1〜7頁、採用:1995年7月27日により示されており、この内容は、この点において本出願の開示内容に明確に属する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Yが、
【化1】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表す末端基Yの、界面活性化合物における末端基としての使用。
【請求項2】
界面活性化合物中の末端基Yが、飽和または不飽和の、任意に芳香族の、任意にヘテロ原子を含む、分枝状または非分枝状の、任意に置換されている炭化水素単位に結合していることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
末端基Yが、界面活性化合物中に多数回出現し、界面活性化合物が、好ましくはオリゴマーまたはポリマーであることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
末端基Yが、界面活性化合物中に1回、2回または3回のみ出現し、界面活性化合物が、好ましくは式I
Y−スペーサー−X I
式中、
Yは、
【化2】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表し、
スペーサーは、飽和または不飽和の、任意に芳香族の、任意にヘテロ原子を含む、分枝状または非分枝状の、任意に置換されている炭化水素単位を表し、
Xは、カチオン性、非イオン性、両性もしくはアニオン性極性基または重合性基または官能基を表す、
で表される低分子量化合物であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の使用。
【請求項5】
末端基Yが、式Ia〜Ig
【化3】

式中、Yは、
【化4】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表し、
xおよびtは、互いに独立して1〜5を表し、
yは、0〜5を表し、
zは、1〜12を表し、
nおよびn’は、互いに独立して、1〜30の範囲からの整数を表し、
Xは、カチオン性、非イオン性、両性もしくはアニオン性極性基または重合性基を表し、
(Hal)は、F、Cl、BrまたはIを表し、
Qは、O、SまたはNを表し、
Arは、アリールを表す、
で表される化合物または式Ia〜Igのいずれかで表される化合物の対応する塩に存在することを特徴とする、請求項1、2または4に記載の使用。
【請求項6】
qが0を表し、すべてのcおよびbが各々1を表すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項7】
すべてのbおよびqが各々0を表し、cが各々の場合において1を表すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項8】
すべてのcおよびqが各々0を表し、bが1を表すことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の使用。
【請求項9】
rが0、1または2、好ましくは0を表すことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の使用。
【請求項10】
界面活性化合物が、疎水化剤または疎油化剤として、特に織物、紙、ガラス、多孔質建築材料または吸着剤の表面改質に用られることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の使用。
【請求項11】
界面活性化合物が、印刷インク、塗料、コーティング、写真コーティングなどの表面コーティング、フォトレジスト、最上部の反射防止コーティング、底部の反射防止コーティングなどの半導体フォトリソグラフィー用特殊コーティングのための調製物における添加剤として、または対応する調製物に添加するための添加剤調製物に用いられることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
界面活性化合物が、帯電防止剤、特に、衣類、カーペットおよび敷物類などの織物、家具の張材および自動車の内装、不織布材料、革商品、紙および厚紙物品、木材および木材をベースとする材料、石、セメント、コンクリート、しっくいなどの鉱物基材、施釉または無釉タイル、土器、磁器などの陶磁器およびガラスの処理に、ならびにプラスチックおよび金属基材のために用いられることを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の使用。
【請求項13】
界面活性化合物が、泡安定剤として、および/または成膜を支持するために、特に泡消火薬剤に用られることを特徴とする、請求項1〜12のいずれかに記載の使用。
【請求項14】
界面活性化合物が、界面促進剤または乳化剤として、特にフッ素重合体を調製するために用られることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の使用。
【請求項15】
界面活性化合物が、抗菌活性化合物として、特に抗菌性表面改質のための試薬として用いられることを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記載の使用。
【請求項16】
Xが、−COOM、−SOM、−OSOM、−PO、−OPO、−(OCHCHR)−O−(CH−COOM、−(OCHCHR)−O−(CH−SOM、−(OCHCHR)−O−(CH−OSOM、−(OCHCHR)−O−(CH−PO、−(OCHCHR)−O−(CH−OPOから選択されるアニオン性極性基を表し、ここでMは、Hまたはアルカリ金属イオン、好ましくはLi、NaもしくはK、またはNHまたはテトラ−C1〜6アルキルアンモニウムもしくはテトラ−C1〜6アルキルホスホニウムを表し、Rは、HまたはC1〜4アルキルを表し、mは、1〜1000の範囲からの整数を表し、oは、1、2、3または4から選択される整数を表すことを特徴とする、請求項1〜15のいずれかに記載の使用。
【請求項17】
Xが、−NR3+、−PR3+
【化5】

から選択されるカチオン性極性基を表し、
ここでRは、任意の所望の位置におけるHまたはC1〜4アルキルを表し、
は、Cl、Br、I、CHSO、CFSO、CHPhSO、PhSOを表し、
、RおよびRは、各々、互いに独立して、H、C1〜30アルキル、Arまたは−CHArを表し、
Arは、6〜18個のC原子を有する、非置換の、または単置換もしくは多置換の芳香環または縮合環系を表し、ここでさらに、1つまたは2つのCH基は、Nにより置換されていてもよいことを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の使用。
【請求項18】
Xが、−Cl、−Br、−I、−(OCHCHR)−OH、−(OCHCHR)−SH、−O−(グリコシド)、−(OCHCHR)−OCH−CHOH−CH−OH、−(OCHCHR)−OCHAr(−NCO)、−(OCHCHR)−OAr(−NCO)、−SiRZ、−SiR、−SiZ、−R−COZ、−(OCHCHR)−SOCH=CH、−SOZ、
【化6】

から選択される非イオン性極性基を表し、
mは、0〜1000の範囲からの整数を表し、
nは、0または1を表し、
oは、1〜10の範囲からの整数を表し、
pは、1または2を表し、
Rは、HまたはC1〜4アルキルを表し、
およびRは、各々、互いに独立して、C1〜30アルキル、Arまたは−CHArを表し、
Arは、6〜18個のC原子を有する、非置換または単置換または多置換の芳香環または縮合環系を表し、ここでさらに、1つまたは2つのCH基は、C=Oにより置換されていてもよく、
グリコシドは、エーテル化された炭水化物、好ましくはモノ、ジ、トリまたはオリゴグルコシドを表し、
すべてのZは、各々、互いに独立して、−H、−Cl、−F、−NR、−ORまたは−N−イミダゾリルを表し、
Vは、ClまたはFを表すことを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の使用。
【請求項19】
Xが−(OCHCHR)OCOCR=CH、−(OCHCHR)−OCR=CH
【化7】

から選択される重合性基を表し、ここでmが0〜1000の範囲からの整数を表し、RおよびRがHまたはC1〜4アルキルまたはY−スペーサー−(OCHCHR)−OCH−を表すことを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の使用。
【請求項20】
Xが−CR=CR、−C≡CR、−CHO、−C(=O)CH、−COOH、−OH、−SH、−Cl、−Br、−Iから選択される官能基を表し、ここでR、RおよびRが各々、互いに独立して、HまたはY−スペーサー−もしくはC1〜4アルキルを表すことを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の使用。
【請求項21】
Xがアセチルジアミン類、N−アルキルアミノ酸類、ベタイン類、アミン酸化物類もしくは対応する誘導体の官能基から選択される両性基を表すことを特徴とする、請求項1〜16のいずれかに記載の使用。
【請求項22】
式Ia〜Ig
【化8】

式中、Yは、
【化9】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表し、
xおよびtは、互いに独立して1〜5を表し、
yは、0〜5を表し、
zは、1〜12を表し、
nおよびn’は、互いに独立して、1〜30の範囲からの整数を表し、
Xは、カチオン性、非イオン性、両性もしくはアニオン性極性基または重合性基を表し、
(Hal)は、F、Cl、BrまたはIを表し、
Qは、O、SまたはNを表し、
Arは、アリールを表す、
のいずれかで表される化合物または式Ia〜Igのいずれかで表される化合物の対応する塩。
【請求項23】
cが0を表し、すべてのqおよびbが各々1を表すことを特徴とする、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
すべてのcおよびbが各々0を表し、qが各々の場合において1を表すことを特徴とする、請求項22に記載の化合物。
【請求項25】
すべてのcおよびqが各々0を表し、bが1を表すことを特徴とする、請求項22に記載の化合物。
【請求項26】
rが0、1または2、好ましくは0を表すことを特徴とする、請求項22〜25のいずれかに記載の化合物。
【請求項27】
Xが、−COOM、−SOM、−OSOM、−PO、−OPO、−(OCHCHR)−O−(CH−COOM、−(OCHCHR)−O−(CH−SOM、−(OCHCHR)−O−(CH−OSOM、−(OCHCHR)−O−(CH−PO、−(OCHCHR)−O−(CH−OPOから選択されるアニオン性極性基を表し、ここでMは、Hまたはアルカリ金属イオン、好ましくはLi、NaもしくはK、またはNHまたはテトラ−C1〜6アルキルアンモニウムもしくはテトラ−C1〜6アルキルホスホニウムを表し、Rは、HまたはC1〜4アルキルを表し、mは、1〜1000の範囲からの整数を表し、oは、1、2、3または4から選択される整数を表すことを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項28】
Xが、−NR3+、−PR3+
【化10】

から選択されるカチオン性極性基を表し、
ここでRは、任意の所望の位置におけるHまたはC1〜4アルキルを表し、
は、Cl、Br、I、CHSO、CFSO、CHPhSO、PhSOを表し、
、RおよびRは、各々、互いに独立して、H、C1〜30アルキル、Arまたは−CHArを表し、
Arは、6〜18個のC原子を有する、非置換の、または単置換もしくは多置換の芳香環または縮合環系を表し、ここでさらに、1つまたは2つのCH基は、Nにより置換されていてもよいことを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項29】
Xが、−Cl、−Br、−I、−(OCHCHR)−OH、−(OCHCHR)−SH、−O−(グリコシド)、−(OCHCHR)−OCH−CHOH−CH−OH、−(OCHCHR)−OCHAr(−NCO)、−(OCHCHR)−OAr(−NCO)、−SiRZ、−SiR、−SiZ、−COZ、−(OCHCHR)−SOCH=CH、−SOZ、
【化11】

から選択される非イオン性極性基を表し、
mは、0〜1000の範囲からの整数を表し、
nは、0または1を表し、
oは、1〜10の範囲からの整数を表し、
pは、1または2を表し、
Rは、HまたはC1〜4アルキルを表し、
およびRは、各々、互いに独立して、C1〜30アルキル、Arまたは−CHArを表し、
Arは、6〜18個のC原子を有する、非置換または単置換または多置換の芳香環または縮合環系を表し、ここでさらに、1つまたは2つのCH基は、C=Oにより置換されていてもよく、
グリコシドは、エーテル化された炭水化物、好ましくはモノ、ジ、トリまたはオリゴグルコシドを表し、
すべてのZは、各々、互いに独立して、−H、−Cl、−F、−NR、−ORまたは−N−イミダゾリルを表し、
Vは、ClまたはFを表すことを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項30】
Xが−(OCHCHR)OCOCR=CH、−(OCHCHR)−OCR=CH
【化12】

から選択される重合性基を表し、ここでmが0〜1000の範囲からの整数を表し、RおよびRがHまたはC1〜4アルキルまたはY−スペーサー−(OCHCHR)−OCH−を表すことを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項31】
Xが−CR=CR、−C≡CR、−CHO、−C(=O)CH、−COOH、−OH、−SH、−Cl、−Br、−Iから選択される官能基を表し、ここでR、RおよびRが各々、互いに独立して、HまたはY−スペーサー−もしくはC1〜4アルキルを表すことを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項32】
Xがアセチルジアミン類、N−アルキルアミノ酸類、ベタイン類、アミン酸化物類もしくは対応する誘導体の官能基から選択される両性基を表すことを特徴とする、請求項22〜26のいずれかに記載の化合物。
【請求項33】
nが4〜28の範囲からの、好ましくは4〜16の範囲からの整数であることを特徴とする、請求項22〜32のいずれかに記載の化合物。
【請求項34】
請求項4に記載の式Iで表される化合物の製造方法であって、合成を、式II
【化13】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Dは、OH、NHまたはBrを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
で表される化合物の中間体を介して行うことを特徴とする、前記方法。
【請求項35】
Yが、
【化14】

式中、
Rfは、CF−(CH−、CF−(CH−O−、CF−(CH−S−、CFCF−S−、SF−(CH−、[CF−(CHN−、[CF−(CH]NH−または(CFN−(CH−を表し、
Bは、単結合、O、NH、NR、CH、C(O)−O、C(O)、S、CH−O、O−C(O)、N−C(O)、C(O)−N、O−C(O)−N、N−C(O)−N、O−SOまたはSO−Oを表し、
Rは、1〜4個のC原子を有するアルキルを表し、
bは、0または1を表し、cは、0または1を表し、
qは、0または1を表し、ここでbおよびqからの少なくとも1つのラジカルは、1を表し、ならびに
rは、0、1、2、3、4または5を表す、
を表す末端基Yを含む少なくとも1種の界面活性化合物、および、特定の用途に適したビヒクル、および任意に、さらなる特定の活性化合物を含む、組成物。
【請求項36】
組成物が、塗料またはコーティング組成物、消火組成物、潤滑剤、洗浄もしくは清浄組成物、除氷剤または織物仕上げもしくはガラス処理のための疎水化剤、印刷インク、塗料、写真コーティング、フォトレジスト、最上部の反射防止コーティング、底部の反射防止コーティングなどの半導体フォトリソグラフィーのための特殊コーティング、または対応する調製物に加えるための添加調製物であることを特徴とする、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
界面活性化合物を、特定の用途に適したビヒクル、および任意に、さらなる特定の活性化合物と混合することを特徴とする、請求項35または36に記載の組成物の製造方法。

【公表番号】特表2009−541399(P2009−541399A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517016(P2009−517016)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005838
【国際公開番号】WO2008/003443
【国際公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】