説明

ボンディング装置

【課題】サーチ動作又はボンディング前のボンディング点の高さ測定を行うことなしに、高速でボンディングが可能なボンディング装置を提供すること。
【解決手段】上下方向に揺動可能なボンディングアームに搭載されて、被ボンディング部品の表面に位置するボンディング点の合焦点の検出を行う共焦点光学系と、前記ボンディングアームと一体に可動してボンディングを行うボンディングツールと、前記ボンディングツールの位置を検出する位置検出手段と、を有し、ボンディングツールのボンディング点への下降中に、共焦点光学系による合焦点検出により位置検出手段で検出したボンディングツールの位置から、前もって設定したボンディング点までの所定の距離(合焦点基準下降量)をボンディングツールが下降して、ボンディング点上で停止するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスの組立工程において、第1ボンディング点、例えば被ボンディング部品としての半導体チップ(ICチップ)上の電極(パッド)と、第2ボンディング点、例えばフレームとしてのリードフレーム上の外部リードとをワイヤを用いて接続するボンディング装置に関し、特に、高速ボンディングが可能なボンディング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ICチップ上のパッドと外部リードとを接続するボンディング装置としては、図7に示すようなワイヤボンディング装置が知られている。
【0003】
図7は、従来のワイヤボンディング装置の構成を示す図であり、図8は、従来のワイヤボンディング装置におけるツール高さ、サーチレベルを示す図、図9(a)は、従来のワイヤボンディング装置のボンディングツール(キャピラリ)の下降時の速度波形、(b)は、ボンディングツールの下降時の軌跡を示す図である。
【0004】
図7に示すように、従来のワイヤボンディング装置50は、超音波振動子(図示せず)を備え、先端に装着されたボンディングツール6としてのキャピラリ6を有する超音波ホーン53と、一方の先端に超音波ホーン53を備え、他方が支軸9に結合されているボンディングアーム52と、ボンディングアーム52の先端に装着されたキャピラリ6の位置を検出する位置検出手段としてのエンコーダ8と、ボンディングアーム52を支軸9を中心として上下に駆動するリニアモータ10と、を有するボンディングヘッド51と、ボンディングヘッド51を搭載してX方向及び/又はY方向に二次元的に移動して位置決めする位置決め手段としてのXYステージ20と、ICチップ40等をマウントしたリードフレームを搭載してキャピラリ6によりボンディング作業を行うボンディングステージ22と、マイクロプロセッサを含むコントローラユニット55と、このコントローラユニット55からの指令信号に応じてボンディングヘッド51及びXYステージ20への駆動信号を発する駆動ユニット57とからなる。
【0005】
また、ワイヤボンディング装置50は、ボンディング開始前に被ボンディング部品の表面を撮像してICチップ40、リード41の位置ずれを検出するための撮像手段としてのカメラ(図示せず)がボンディングヘッド51に搭載されている。
【0006】
ワイヤボンディング装置50では、一連のボンディング作業を行う前に各種の条件設定、すなわちボンディングパラメータの設定を行う必要がある。
【0007】
ボンディングパラメータとしては、ツール高さ、サーチレベル、サーチスピード等などがある。以下に図8を参照して、これらのボンディングパラメータについて説明する。
【0008】
図8に示すように、ツール高さ(ツールハイトともいう)とは、超音波ホーン53の先端に装着されているキャピラリ6の原点位置(図8の0)から第1ボンディング点であるICチップ40上のパッドの表面までの距離(図8のLa)及び第2ボンディング点であるリード41の表面までの距離(図8のLb)をいう。キャピラリ6の原点位置は、予め設定しておくようにする。 このツール高さの設定は、キャピラリ6の予め設定した原点位置0からキャピラリ6を低速で降下させキャピラリ6の先端がボンディング表面、すなわちICチップ40のパッド又はリード41に当接するまでの距離をキャピラリ6の位置を検出する位置検出手段としてのエンコーダ8の出力を計数して行う。
【0009】
また、図9(a)及び(b)に示すように、サーチレベルSとは、キャピラリ6の下降速度が高速から低速に変わる時のキャピラリ6の高さである。キャピラリ6は高速で降下し、サーチレベルSの手前より減速しサーチレベルSより低速の一定速度であるサーチスピード(図9(a)のVs)で降下してキャピラリ6の先端に係止しているボールが第1ボンディング点のパッドに当接する。また、第2ボンディング点では、キャピラリ6の先端から繰り出されているワイヤがリード41の表面に当接する。
【0010】
図8に示すように、サーチレベルは、リードフレームL/F上のICチップ40とリード41とでは異なる設定をしている。すなわち、図8に示すように、ICチップ40側は、ICチップ40の表面からサーチレベル(図8のS1)までの高さ(図8のh1)を設定し、リード41側は、リード41の表面からサーチレベル(図8のS2)までの高さ(図8のh2)を設定している。尚、サーチレベルは、ICチップ40側とリード41側とが同一の値であってもよい。
【0011】
サーチレベルの設定を行うのは、以下の理由による。すなわち、リードフレームL/F等に装着されているICチップ40は樹脂、半田、金などの導電性の接合材で接合されているため、この接合材の厚さのばらつきなどによりICチップ40の取り付け高さが、各ICチップ40毎に異なっている。また、接合材の厚さが不均一となりやすいため、ICチップ40が高さ方向に傾いて装着されていることもある。他方、リードについてもリード部材の厚さのばらつき、リードの反り等でリードの表面の高さが異なっている。
【0012】
このため、ICチップ、リードの高さにばらつきがある場合には、高さのばらつき等により当接時のパッドへの衝撃力が増加してボールの変形量がばらついたり、また、ボンディング荷重及び超音波パワーの印加タイミングが一定せず、ボール圧着径,接合強度等が変化してボンディングの信頼性が低下するおそれがある。
【0013】
従って、被ボンディング部品であるICチップ及びリードの高さにばらつきがあるため、ツール高さが各ICチップ、リード毎に異なっている。このため、これらのばらつきを吸収するために低速の一定速度でパッド、リードに当接するようにする。このようにボンディングパラメータとしてのサーチレベルSは、ICチップの高さ及びリードの高さのばらつき等を十分考慮して設定する必要がある。
【0014】
また、サーチスピードVsとは、サーチレベル以下、すなわちキャピラリ6の下降速度が高速から低速に変わる時の高さ以下でのキャピラリ6の下降速度をいう。このサーチスピードVsは、ボールのパッドへの当接時の衝撃によるボールの初期変形量を小さくするためのものである。
【0015】
次に、従来のワイヤボンディング装置のボンディング工程について述べる。ワイヤボンディングはキャピラリ6を高速下降させて図8に示すサーチレベルS1の手前より減速し、サーチレベルS1より一定速度のサーチスピードVsで降下させ、キャピラリ6の先端のボールをパッドに押しつける。ボールがパッドに当接したことを位置検出手段としてのエンコーダ9により検出後、所定のボンディング荷重を加えると同時にキャピラリ6の先端に対して超音波ホーン53を介して超音波振動を印加してパッドにボールを接続する。
【0016】
続いて、キャピラリ6を所定のループコントロールに従って上昇させ、第2ボンディング点となるリードの方向に移動させる。キャピラリ6を高速下降させて、図8に示すサーチレベルS2よりサーチスピードVsで降下させキャピラリ6の先端のワイヤをリードに押しつける。
【0017】
ワイヤがリードに当接したことを位置検出手段としてのエンコーダ9により検出後、所定のボンディング荷重を加えると同時にキャピラリ6の先端に対して超音波ホーン53を介して超音波振動を印加してリードに対しワイヤを接続する。
【0018】
この後キャピラリ6を上昇させ、キャピラリ6の先端にワイヤを所定の長さまで突出させ、予め設定したキャピラリ6の上昇位置でワイヤカットクランプ(図示せず)を閉じ、リード上のワイヤをカットしてキャピラリ6の先端にワイヤを所定の長さ伸長する。その後、スパークロッド(図示せず)とワイヤ間に高電圧を印加して、ワイヤの先端にボールを形成する。
【0019】
以上述べたように、従来のワイヤボンディング装置50はICチップの高さのばらつき、リードの高さのばらつきを吸収するためにサーチレベルSを設定し、サーチレベルSの手前で減速させると共に更に十分減速したサーチスピードVsで下降してキャピラリの先端のボール又はワイヤがボンディング点の表面に当接したことを位置検出手段により検出してボンディングを行う。
【0020】
しかしながら、位置検出手段によるボンディングアームの停止判断は、ボンディングアームを駆動する指令速度信号とエンコーダからのフィードバック速度信号の差の値が予め設定した所定の値以上となったとき、ボンディング点に当接したものと判断するため、実際の当接時点よりも遅れて判断される。
【0021】
すなわち、従来のワイヤボンディング装置50では、十分減速したサーチスピードVsによって位置検出手段としてのエンコーダによってキャピラリがICチップのパッド(又はリード)に実際に当接してから検出するため、キャピラリの先端のボール又はワイヤがサーチレベルSからパッドへ当接するまでの移動時間は数十msecであり、また、当接位置の検出も実際に当接してから数msec遅れてしまうという問題がある。
【0022】
サーチレベルからボンディング点までの距離を長くしたり、また位置検出手段による位置検出が遅れたりすると時間の増大となり、このような時間的な遅れ、時間の増大分はボンディング時間全体に占める割合が大きくなりボンディング時間の短縮を図ることが難しいという課題がある。
【0023】
そこで、特許文献1には、半導体チップのワイヤがボンディングされる個所の高さを非接触で検出するレーザ変位計と、このレーザ変位計からの検出信号に基づいてボンディングツールの駆動目標方向への駆動を制御してボールをICチップの電極にボンディングする制御装置とを具備し、ワイヤに形成されたボールをワークに衝突させてつぶしすぎることなくボンディングできるようにしたワイヤボンディング装置が開示されている。
【0024】
また、特許文献2には、ボンディング面となる半導体チップや基板およびリードフレームにレーザ光を照射し、予め記憶されたスポット位置とのズレ量を算出し、そのズレ量より高さ方向の差を求めることにより、ボンディング前に実際のボンディング面の高さを算出して、ボンディング時間の短縮を行うワイヤボンディング装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】特開2002−76049号公報
【特許文献2】特開2004−273507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
しかしながら、特許文献1に開示されたボンディング面の高さ測定は、ボンディング前にレーザ変位計をボンディング点の直上に移動して行うため、レーザ変位計のボンディング点への移動及び移動後の高さ測定が必要となり、これらの動作がボンディング時間の増大となるため、被ボンディング部品の生産数の向上を図ることができない恐れがあった。
【0027】
また、特許文献2に開示されたワイヤボンディング装置においても、ボンディング前に半導体チップ等にレーザ光を照射して実際のボンディング面の高さの算出を行うため、これらの動作がボンディング時間の増大となり、特許文献1のワイヤボンディング装置と同様に被ボンディング部品の生産数の向上を図ることができないという課題を有していた。
【0028】
そこで、本発明は、共焦点光学系をボンディングアームに搭載して、ボンディングツールのボンディング点への下降中に、共焦点光学系による合焦点検出時における位置検出手段で検出したボンディングツールの位置から、前もって設定したボンディング点までの所定の距離(合焦点基準下降量)をボンディングツールが下降してボンディングツールがボンディング点上で停止するように制御することにより、サーチ動作又はボンディング前のボンディング点の高さ測定を行うことなしに、高速でボンディングが可能なボンディング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
上記目標達成のため、本発明のボンディング装置は、上下方向に揺動可能なボンディングアームに搭載されて、被ボンディング部品の表面に位置するボンディング点の合焦点の検出を行う共焦点光学系と、前記ボンディングアームと一体に可動してボンディングを行うボンディングツールと、前記ボンディングツールの位置を検出する位置検出手段と、を有し、前記ボンディングツールのボンディング点への下降中に、前記位置検出手段は、前記共焦点光学系による合焦点検出により前記ボンディングツールの位置を検出するようにしたことを特徴とする。
【0030】
また、発明のボンディング装置は、前記共焦点光学系による合焦点検出により前記位置検出手段で検出したボンディングツールの位置から、前もって設定したボンディング点までの所定の距離(合焦点基準下降量)を前記ボンディングツールが下降して、ボンディング点上で停止するように制御することを特徴とする。
【0031】
また、発明のボンディング装置の前記ボンディングツールは、前もって設定した前記ボンディングツールの原点位置からボンディング点までの距離であるツール高さのデータに基づいて下降開始を行い、前記ボンディングツールのボンディング点への下降中に、前記共焦点光学系による合焦点検出により前記位置検出手段で検出したボンディングツールの位置のデータと前記合焦点基準下降量から、新たなツール高さを算出し、前もって設定したツール高さを新たなツール高さに変更して、前記ボンディングツールがボンディング点上で停止するように制御することを特徴とする。
【0032】
また、発明のボンディング装置は、前記ボンディングツールのボンディング点への下降中に、前記共焦点光学系による合焦点検出により前記位置検出手段で検出したボンディングツールの位置が、前もって設定した位置許容範囲外のときには、前記ボンディングツールの下降をボンディング点の着地前に停止するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、共焦点光学系をボンディングアームに搭載して、ボンディングツールのボンディング点への下降中に、共焦点光学系による合焦点検出時における位置検出手段で検出したボンディングツールの位置から、前もって設定したボンディング点までの所定の距離(合焦点基準下降量)をボンディングツールが下降してボンディング点上で停止するように制御することにより、サーチ動作又はボンディング前の高さ測定を行うことなしに、高速でボンディングが可能となる。
【0034】
また、本発明は、ボンディング動作におけるボンディングツールの下降中の一連の動作で、共焦点光学系によってボンディング点の合焦点を検出するため、合焦点の検出に伴う処理時間の増大がないため、被ボンディング部品の生産数の向上を図ることが可能となる。
【0035】
また、本発明は、ボンディング前に半導体チップ等にレーザ光を照射して実際のボンディング面の高さの算出を行う必要がないため、被ボンディング部品の生産数の向上を図ることができる。
【0036】
また、本発明は、ボンディング点での合焦点の検出に共焦点光学系を用いているため、高い精度でボンディング点での合焦点の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のボンディング装置の構成を示す一部拡大図を含む図である。
【図2】共焦点光学系によるボンディング点の合焦点検出における調整(セルフティーチ)を示すフローチャートである。
【図3】調整(セルフティーチ)によるツール高さ及び合焦点基準下降量を示す。
【図4】共焦点光学系における受光部から出力される電圧値及び判定基準値を示す図である。
【図5】ボンディング動作でのボンディングツールの位置における共焦点光学系の状態を示し、(a)は、ボンディングツールがボンディング点に対して距離が長い位置での焦点光学系の状態を示し、(b)は、共焦点光学系が合焦点状態となったボンディングツールの位置を示し、(c)は、ボンディングツールがボンディング点に対して距離が短い位置での焦点光学系の状態を示す図である。
【図6】ボンディングツールの降下中に共焦点光学系による被ボンディング部品表面のボンディング点での合焦点検出におけるボンディング動作を示すフローチャートである。
【図7】従来のワイヤボンディング装置の構成を示す図である。
【図8】従来のワイヤボンディング装置におけるツール高さ、サーチレベルを示す図である。
【図9】(a)は、従来のワイヤボンディング装置のボンディングアームの下降時の速度波形、(b)は、ボンディングアームの下降時の軌跡を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明によるボンディング装置を実施するための形態について説明する。尚、ボンディング装置として、第1ボンディング点としてのパッドと第2ボンディング点としてのリードとを金線等で接続するワイヤボンディング装置について述べる。
【0039】
[ボンディング装置の構成]
図1は、本発明のボンディング装置の構成を示す一部拡大図を含む図である。尚、図7に示す従来のワイヤボンディング装置の構成部分と同一のものに関しては、同一の符号を用い、構成に関する詳細な説明は省略する。
【0040】
図1に示すように、ワイヤボンディング装置1は、ボンディングヘッド2と、ボンディングヘッド2を搭載しXY軸の2次元方向に移動可能なXYステージ20と、被ボンディング部品としてのICチップ40を搭載したリードフレームを載置するボンディングステージ22と、ワイヤボンディング装置1の制御を行うコントローラユニット30と、を有している。
【0041】
ボンディングヘッド2は、ボンディングアーム3を支軸9を介して上下に駆動を行うリニアモータ10を有し、支軸9を介してリニアモータ10と反対側に位置するボンディングアーム3の先端には、超音波振動子(図示せず)を組み込んだ超音波ホーン4が取り付けられている。超音波ホーン4の先端には、ボンディングツール6としてのキャピラリ6が取り付けられている。超音波ホーン4は、ショートタイプの超音波ホーンを用いるのが好適である。例えば、超音波ホーン4として、振動伝達部材のノード位置からボンディングツールの装着側の振動伝達部材先端までの長さを、λ(波長)/4になるようにする。ショートタイプの超音波ホーンを用いることにより、後述する共焦点光学系12の光軸の水平軸に対する角度を大きく設定できる構成にすることができる。
【0042】
また、ボンディングヘッド2は、支軸9の回転量を検出して超音波ホーン4の先端に装着されたキャピラリ6の位置を検出する位置検出手段としてのエンコーダ8を備えている。エンコーダ8は、例えば、光学式のロータリエンコーダであり、支軸9の回転の変位を発光素子及び受光素子によりパルス状の電気信号に変換して出力するものである。エンコーダ8から出力される電気信号を計数して、支軸9の回転方向及び変位量を検出することができる。キャピラリ6の原点位置を前もって設定しておき、キャピラリ6の原点位置からの支軸9の回転変位量をエンコーダ8で検出することにより、キャピラリ6の位置を特定することができる。
【0043】
リニアモータ10は、駆動ユニット33により上下(垂直)方向に移動するように構成されている。これにより、リニアモータ10の上下方向の移動に対して、支軸9を介してボンディングアーム3、超音波ホーン4及びキャピラリ6が、逆方向に揺動される。
【0044】
ワイヤボンディング装置1は、制御部30aとしてのマイクロコンピュータを含むコントローラユニット30と、このコントローラユニット30からの指令信号に応じてボンディングヘッド2及びXYステージ20への駆動信号を発する駆動ユニット33とを備えている。
【0045】
制御部30aとしてのマイクロコンピュータは、ワイヤボンディング装置1のボンディング動作等の制御を行うプログラムを内蔵しており、マイクロコンピュータは、プログラムを実行して、ワイヤボンディング装置1の各種動作の制御を行うように構成されている。
【0046】
[共焦点光学系の構成、動作]
また、ボンディングヘッド2は、ボンディングアーム3に搭載され、ボンディングアーム3の上下移動と同時に移動する共焦点光学系12を有している。共焦点光学系12は、発光部13から成る半導体レーザと、半導体レーザからの光を集光する集光レンズ14と、集光レンズ14からの光を透過し、対物レンズ16からの光を反射して、受光部18に導くハーフミラー15と、対物レンズ16と、受光部18の入射面側に設けられているピンホール17とを有している。発光部13からの光は、集光レンズ14により照射される光が一点に収束して(発光部13の収束点とする)、その後ハーフミラー15を透過して対物レンズ16に入射されて、対物レンズ16によりボンディング面に照射される。ボンディング面に照射された光は、反射して、対物レンズ16に入射されて、対物レンズ16からの反射光はハーフミラー15によって反射されてピンホール17を介して受光部18に入射される。共焦点光学系12の光軸を図1に点線で示す。尚、図1に示す共焦点光学系12は、ボンディングアーム3の内部に組み込んだ構成となっている。
【0047】
ここで、発光部13の収束点と受光部18のピンホール17が、対物レンズ16に対して光学的に共役の位置関係となるように設定されている。すなわち、発光部13の収束点から出た光が受光部18のピンホール17の1点に集まる状態となり、共焦点光学系12では、ボンディング面に照射した照射光の反射が最も強い、合焦点の位置の部分からの反射光のみが、ピンホール17を介して受光部18に入射される。受光部18は、受光した反射光の強さに応じて電気信号(電圧値)に変換する。
【0048】
また、ボンディングツール6としてのキャピラリ6がボンディング点の直上に位置した状態で、対物レンズ16からの照射光の合焦点の位置を、ICチップ10のボンディング点の表面となるように共焦点光学系12を設定するようにする。このように合焦点の位置を設定した状態で、キャピラリ6を下降させてキャピラリ6の先端部がボンディング点の表面に接触したときのキャピラリ6の移動量を求める。キャピラリ6の移動量は、合焦点の位置におけるキャピラリ6の位置をゼロとして、キャピラリ6を下降させ、このときにエンコーダ8により移動量を計数して、ボンディング点の表面までの移動量を求める。
【0049】
これにより、キャピラリ6が下降中に共焦点光学系12の受光部18から出力される最大電圧値を検知することによって、合焦点検出時のキャピラリ6の位置からボンディング点の表面までの距離が決定されて、キャピラリ6をボンディング点の表面で停止するように制御することができる。
【0050】
尚、合焦点検出時のキャピラリ6の位置からボンディング点の表面までの距離は、共焦点光学系12の取付位置、取付角度及び共焦点光学系12の対物レンズ16からの合焦点の距離により決定される。
【0051】
また、本発明のボンディング装置1の共焦点光学系12は、ボンディングアーム3の内部に組み込まれており、共焦点光学系12の光軸の水平軸に対する角度を大きく設定できるように、ショートタイプの超音波ホーンを用いるようにする。共焦点光学系12の光軸の水平軸に対する角度は、30度以上が望ましい。更に、共焦点光学系12のボンディング点の表面までの距離の調整を行うための光軸に平行にスライドする調整手段としてのスライド機構を有するようにしてもよい。
【0052】
このように、ボンディングアーム3に取り付けられた共焦点光学系12は、ボンディングアーム3の下降と同時に下降して、下降中にボンディング面に照射した照射光の反射が最も強い、合焦点の位置の部分からの反射光のみが、ピンホール17を介して受光部18に入射される。受光部18は、入射光の強さに応じた電圧を出力する。受光部18の電圧値をチェックすることにより、共焦点光学系12の合焦点を検知することができる。
【0053】
[合焦点検出における調整]
次に、共焦点光学系12によるボンディング点の合焦点検出における調整(セルフティーチ)について図2を用いて説明する。図2は、共焦点光学系12によるボンディング点の合焦点検出における調整(セルフティーチ)を示すフローチャートである。
【0054】
セルフティーチは、最初に、XY移動スイッチ等を操作してXYステージ20を移動させてキャピラリ6をボンディング点直上に位置させるようにする(ステップS1)。また、ボンディングアーム3が原点に位置するように設定する。次に、キャピラリ6を原点位置から下降させて、ボンディング面で停止させて、このときのキャピラリ6の移動量をエンコーダ8で計数してツール高さを測定する(ステップS2)。計数した移動量をICチップ40側のツール高さとしてメモリに記憶する(ステップS3)。また、キャピラリ6を原点位置に移動させる。
【0055】
次に、キャピラリ6を下降させて、共焦点光学系12の合焦点がボンディング点上に位置するように調整する(ステップS4)。調整は、共焦点光学系12の受光部18からの出力電圧が最大となるように、また、必要により共焦点光学系12の対物レンズ16からボンディング点までの距離の長さを調節するようにする。
【0056】
次に、ボンディング点上での合焦点を調整後に、Z軸移動用スイッチを操作して、キャピラリ6を下降させてボンディング点の表面で停止させる(ステップS5)。このときの合焦点の位置からボンディング点までの距離をエンコーダ8により計数する(ステップS6)。エンコーダ8で計数した距離(移動量)を合焦点基準下降量として制御部30aのメモリに記憶する(ステップS7)。以後、ボンディング時に合焦点基準下降量を用いてボンディングを行うようにする。また、リード41側のツール高さも測定するようにする。
【0057】
図3に、セルフティーチによるツール高さ及び合焦点基準下降量を示す。図3に示すように、キャピラリ6の原点位置からボンディング面までのツール高さは、Laで示され、共焦点光学系12の合焦点でのキャピラリ6の位置Zsからボンディング面までの合焦点基準下降量は、Lsで示される。これらのデータは、メモリに記憶されて、ボンディング時に使用される。
【0058】
尚、セルフティーチは、キャピラリ6の先端にボールを形成した状態で行う。また、キャピラリ6の先端にボールがない状態で調整したときには、エンコーダ8で計数した距離(移動量)からキャピラリ6の先端から突出するボールの垂直方向の長さを引いた値をツール高さ、合焦点基準下降量として記憶するようにする。また、ツール高さ及び合焦点基準下降量のセルフティーチは、キャピラリ6の交換時等に行うようにする。
【0059】
[合焦点検出における判定基準値]
次に、ボンディング時にボンディング面の共焦点光学系12における合焦点が正常に検出されたかをチェックするための判定基準値の設定について図4を用いて説明する。図4は、共焦点光学系12における受光部18から出力される電圧値及び判定基準値を示す図である。尚、図4の横軸は、キャピラリ6の原点から移動量を示し、縦軸は、共焦点光学系12の受光部18から出力される電圧値を示す。図4に示すように、波形a及び波形bは、キャピラリ6を原点からボンディング面に下降させたときの、受光部18から出力される電圧値の変化の例を示したものである。波形aは移動量zaでピーク電圧値vaが検出されている。
【0060】
また、波形bは移動量zbでピーク電圧値vbが検出されている。尚、波形aと波形bとでは、ピーク電圧値が異なっているが、これはボンディング面の表面状態の違い等によるものである。正常な状態のボンディング面では、波形aと波形bのような電圧値が得られるが、例えば、ボンディング面が欠けていたり、リード41での曲がり変形があったりした場合には、電圧のピーク値が低かったり、電圧のピーク値でのキャピラリ6の移動量が、少なかったり、多かったりする。これらの異常状態を検出するために、前もって、判定基準値を設定しておく。第1の判定基準値は、受光部18からの電圧値が、図4に示すV1以上のものを合焦点の検出用の電圧として使用するための電圧基準値である。このため、受光部18から出力された全ての電圧値が、V1未満のものは、合焦点検出用の電圧が得られないため、異常として判定してエラーとする。また、第2の判定基準値は、電圧のピーク値でのキャピラリ6の移動量が、図4に示すZ1からZ2までの範囲にあることを判定するための移動量基準値である。位置許容範囲としての移動量基準値は、例えば、図3に示すセルフティーチにおけるキャピラリ6の原点の位置から共焦点光学系の合焦点までの移動量は、Zsであり、Zsに対して許容範囲を±Rとなるように設定する。これにより、Z1は、Zs−Rであり、Z2は、Zs+Rとなる。このため、電圧のピーク値の位置でのキャピラリ6の移動量が移動量基準値を満たしていない場合には、異常として判定してエラーとするようにする。
【0061】
[ボンディング動作での合焦点の検出]
次に、ボンディング動作での共焦点光学系の合焦点の検出について図5を用いて説明する。図5は、ボンディング動作でのボンディングツールの位置における共焦点光学系の状態を示し、(a)は、ボンディングツールがボンディング点に対して距離が長い位置での焦点光学系の状態を示し、(b)は、共焦点光学系が合焦点状態となったボンディングツールの位置を示し、(c)は、ボンディングツールがボンディング点に対して距離が短い位置での焦点光学系の状態を示す図である。
【0062】
図5(a)に示すように、ボンディングツールがボンディング点に対して距離が長い位置、例えば、ボンディングツール6としてのキャピラリ6の下降開始直後では、共焦点光学系における照射光の焦点までの距離が長いため、共焦点光学系は、非合焦点状態となり反射光がピンホール17を通過しないため、受光部18からの電圧は低い値となる。一方、図5(b)に示すように、共焦点光学系が合焦点状態となったキャピラリ6の位置では、ボンディング点の表面からの反射光がピンホール17を通過して、受光部18からの電圧は高い値となる。また、図5(c)に示すように、キャピラリ6がボンディング点に対して距離が短い位置、例えば、ボンディングツールがボンディング点に近づいた位置では、共焦点光学系における照射光の焦点までの距離が短いため、非合焦点状態となり反射光がピンホール17を通過しないため、受光部18からの電圧は低い値となる。このように、ボンディングツール6としてのキャピラリ6の降下中に、共焦点光学系1の受光部18からの電圧をチェックすることにより、合焦点状態を検出することができる。
【0063】
[Z軸制御回路の働き]
次に、リニアモータ10を介してキャピラリ6の制御を行うZ軸制御回路30bについて説明する。図1に示すように、Z軸制御回路30bはコントローラユニット30内に収納されており、制御部30aのマイクロコンピュータから出力されるツール高さ等の目標移動量に基づいて、リニアモータ10に流す電流を駆動ユニット33を介して制御を行う。このようにZ軸制御回路30bは、キャピラリ6を高速で目標移動量まで移動制御させるものである。Z軸制御回路30bは、エンコーダ8から出力されるパルス列をカウントして、エンコーダ8からのカウントが目標移動量と一致するように制御し、また、エンコーダ8から出力されるパルス列からキャピラリ6の速度を検出して、高速移動を制御するようにする。Z軸制御回路30bは、最初に、目標移動量が設定されて、リニアモータ10の制御を開始するが、移動制御中に、目標移動量を変更して、変更した目標移動量に基づいて、制御を行うことが可能なように構成されている。尚、最初に設定する目標移動量と変更した目標移動量の差は、最初に設定する目標移動量に対して数%以内であるため、Z軸制御回路30bは、移動制御中に目標移動量の変更を行っても制御が乱れることなく、安定して制御を行うことができる。
【0064】
[ボンディング動作]
次に、共焦点光学系をボンディングアームに搭載したボンディング装置のボンディング動作について図6を用いて説明する。図6は、ボンディングツールの降下中に共焦点光学系による被ボンディング部品表面のボンディング点での合焦点検出を用いたボンディング動作を示すフローチャートである。
【0065】
最初に、ボンディングツール6としてのキャピラリ6を原点位置に移動するようにして、また、XYステージ20を制御してボンディング点直上に位置決めするようにする(ステップS10)。制御部30aは、目標移動量(ツール高さLa)をZ軸制御回路30bに出力して、Z軸制御回路30bは、キャピラリ6が目標移動量(ツール高さLa)を移動するように下降の開始を指示する(ステップS11)。制御部30aは、キャピラリ6が下降開始後にエンコーダ8の計数を行い、キャピラリ6の現在値を読み出す(ステップS12)。読み出したキャピラリ6の現在値が、前もって設定した位置許容範囲である移動量基準値内であるかをチェックする(ステップS13)。キャピラリ6の現在値が移動量基準値外の場合には(ステップS13でNo)、キャピラリ6の現在値が移動量基準値の上限をオーバーしているかをチェックする(ステップS14)。キャピラリ6の現在値が移動量基準値の上限をオーバーしていない場合には(ステップS14でNo)、即ち、キャピラリ6の現在値が移動量基準値の下限未満の場合には、ステップS12に移行する。一方、キャピラリ6の現在値が移動量基準値の上限をオーバーしている場合には(ステップS14でYes)、異常状態でありエラーが発生したと判断する(ステップS15)。そして、キャピラリ6の下降動作を停止して、エラー状態を外部に報知する(ステップS16)。
【0066】
キャピラリ6の現在値が移動量基準値内の場合には(ステップS13でYes)、共焦点光学系12の受光部18の電圧値のデータを読み出す(ステップS17)。読み出した受光部18の電圧値のデータが、前もって設定した電圧基準値以上であるかをチェックする(ステップS18)。読み出した受光部18の電圧値のデータが、電圧基準未満の場合には(ステップS18でNo)、ステップS12に移行する。一方、読み出した受光部18の電圧値のデータが、電圧基準以上の場合には(ステップS18でYes)、制御部30aのメモリに、キャピラリ6の現在値及び受光部18の電圧値の各データを記憶する(ステップS19)。
【0067】
次に、制御部30aは、受光部18の電圧値のピーク値のチェックを行う。前回の受光部18の電圧値をメモリから読み出して、現在の受光部18の電圧値と比較する(ステップS20)。現在の受光部18の電圧値が、前回の受光部18の電圧値以上であるかを判断して(ステップS21)、現在の受光部18の電圧値が、前回の受光部18の電圧値以上の場合には(ステップS21でYes)、キャピラリ6の下降に伴って受光部18の電圧値が増加しているため、電圧上昇フラグを“ON”に設定して、メモリに記憶し(ステップS22)、ステップS12に移行する。一方、現在の受光部18の電圧値が、前回の受光部18の電圧値未満の場合には(ステップS21でNo)、キャピラリ6の下降に伴って受光部18の電圧値が減少しており、ステップS23に移行する。ステップS23では、前回の電圧値の判定で電圧上昇フラグをメモリから読み出して“ON”であるかをチェックを行う(ステップS23)。
【0068】
電圧上昇フラグが“ON”でない場合には(ステップS23でNo)、ステップS12に移行する。これは、ノイズ等の影響により一時的に電圧が減少したものと判断する。電圧上昇フラグが“ON”の場合には(ステップS23でYes)、前回の電圧値のデータが、受光部18の出力電圧の最大値(電圧のピーク)であると判断する(ステップS24)。また、電圧のピークと判断した前回のキャピラリ6の移動量(下降量Z1)をメモリから読み出す(ステップS25)。
【0069】
制御部30aは、目標移動量をツール高さLaからZ1+合焦点基準下降量Lsに変更して新たな目標移動量としてZ軸制御回路30bに出力する(ステップS26)。これにより、Z軸制御回路30bは、下降開始位置からZ1+Lsの移動量を下降して、キャピラリ6がボンディング点の直上で停止するようにする(ステップS27)。
【0070】
キャピラリ6の下降停止後、キャピラリ6に所定の荷重及び超音波振動を所定の時間印加して、ボンディング面とキャピラリ6先端のボールとの接合を行う。その後、キャピラリ6を上昇させて、次のボンディング点に移動するようにする。
【0071】
また、リード41のボンディングに関しても、パッド側と同様にボンディング動作を行う。尚、リードボンディングでのツール高さは前もって設定したLbを使用するようにする。
【0072】
このように、本発明のボンディング装置は、共焦点光学系をボンディングアームに搭載して、キャピラリのボンディング点への下降中に、共焦点光学系による合焦点検出時におけるボンディングツールの位置から、前もって設定したボンディング点までの所定の距離(合焦点基準下降量)をキャピラリが下降してボンディング点上で停止するように制御することにより、サーチ動作又はボンディング前の高さ測定を行うことなしに、高速でボンディングが可能となる。
【0073】
尚、共焦点光学系のボンディングアームへの取付は、図1に示すように、ボンディングアームの内部に共焦点光学系を組み込む以外に、例えば、ボンディングアームから延設した支持金具により共焦点光学系を傾けて保持するようにして、ボンディング点に照射光が収束するようにしてもよい。これにより、共焦点光学系の光軸をより垂直に近い状態に構成することができる。
【0074】
尚、ボンディング装置として半導体チップ(ICチップ)上の電極(パッド)と、リードフレーム上の外部リードとをワイヤで接続するワイヤボンディング装置について述べたが、本発明のボンディング装置は、ワイヤボンディング装置に限らず、例えば、ワイヤレスボンディングを行うシングルポイントボンディング装置、ワイヤ先端に形成されたボールを半導体チップ上のパッドに接合してバンプを形成するワイヤバンプボンディング装置等に対しても適用することができる。
【0075】
以上述べたように本発明によれば、共焦点光学系をボンディングアームに搭載して、ボンディングツールのボンディング点への下降中に、共焦点光学系による合焦点検出時における位置検出手段で検出したボンディングツールの位置から、前もって設定したボンディング点までの所定の距離(合焦点基準下降量)をボンディングツールが下降してボンディング点上で停止するように制御することにより、サーチ動作又はボンディング前の高さ測定を行うことなしに、高速でボンディングが可能となる。
【0076】
また、本発明は、ボンディング動作におけるボンディングツールの下降中の一連の動作で、共焦点光学系によってボンディング点の合焦点を検出するため、合焦点の検出に伴う処理時間の増大がないため、被ボンディング部品の生産数の向上を図ることが可能となる。
【0077】
また、本発明は、ボンディング前に半導体チップ等にレーザ光を照射して実際のボンディング面の高さの算出を行う必要がないため、被ボンディング部品の生産数の向上を図ることができる。
【0078】
また、本発明は、ボンディング点での合焦点の検出に共焦点光学系を用いているため、高い精度でボンディング点での合焦点の検出が可能となる。
【0079】
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0080】
1、50 ボンディング装置(ワイヤボンディング装置)
2、51 ボンディングヘッド
3、52 ボンディングアーム
4、53 超音波ホーン
6 ボンディングツール(キャピラリ)
8 エンコーダ
9 支軸
10 リニアモータ
12 共焦点光学系
13 発光部(半導体レーザ)
14 集光レンズ
15 ハーフミラー
16 対物レンズ
17 ピンホール
18 受光部
20 XYステージ
22 ボンディングステージ
30、55 コントローラユニット
30a 制御部(マイクロコンピュータ)
30b Z軸制御回路
33、57 駆動ユニット
40 ICチップ
41 リード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に揺動可能なボンディングアームに搭載されて、被ボンディング部品の表面に位置するボンディング点の合焦点の検出を行う共焦点光学系と、前記ボンディングアームと一体に可動してボンディングを行うボンディングツールと、前記ボンディングツールの位置を検出する位置検出手段と、を有し、
前記ボンディングツールのボンディング点への下降中に、前記位置検出手段は、前記共焦点光学系による合焦点検出により前記ボンディングツールの位置を検出するようにしたことを特徴とするボンディング装置。
【請求項2】
前記共焦点光学系による合焦点検出により前記位置検出手段で検出したボンディングツールの位置から、前もって設定したボンディング点までの所定の距離(合焦点基準下降量)を前記ボンディングツールが下降して、ボンディング点上で停止するように制御することを特徴とする請求項1に記載のボンディング装置。
【請求項3】
前記ボンディングツールは、前もって設定した前記ボンディングツールの原点位置からボンディング点までの距離であるツール高さのデータに基づいて下降開始を行い、前記ボンディングツールのボンディング点への下降中に、前記共焦点光学系による合焦点検出により前記位置検出手段で検出したボンディングツールの位置のデータと前記合焦点基準下降量から、新たなツール高さを算出し、前もって設定したツール高さを新たなツール高さに変更して、前記ボンディングツールがボンディング点上で停止するように制御することを特徴とする請求項1に記載のボンディング装置。
【請求項4】
前記ボンディングツールのボンディング点への下降中に、前記共焦点光学系による合焦点検出により前記位置検出手段で検出したボンディングツールの位置が、前もって設定した位置許容範囲外のときには、前記ボンディングツールの下降をボンディング点の着地前に停止するように制御することを特徴とする請求項1に記載のボンディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−74111(P2013−74111A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212037(P2011−212037)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【特許番号】特許第5164230号(P5164230)
【特許公報発行日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【出願人】(000124959)株式会社カイジョー (83)
【Fターム(参考)】