説明

マルチ画面表示装置及びそのプログラム

【課題】ドライバの運転状況に応じて確認する頻度が高いものをドライバの近い表示位置としてその視認性をよくすること。
【解決手段】車両の出発地から目的地との間のルートを探索するに必要な要件を設定するナビゲーション検索制御画面、地図上の車両の位置を表示するナビゲーション地図画面、夜間に道路上のものを赤外線で認識するナイトビジョン画面、車両の後方の確認を行うバックガイドモニタ画面、車両の直角方向の認識を行うブラインドコーナーモニタ画面、自動車電話のハンズフリー送受信画面のうち、2以上の画面を同時に表示するワイド画面30からなるマルチ表示画面と、車両運転状態検出部で検出した車両運転状態に応じてワイド画面30からなるマルチ表示画面で表示する画面を選択し、かつ、車両運転状態に応じてワイド画面30からなる「画面1」31、「画面2」32、「画面3」33のマルチ表示画面での表示を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用のナビゲーション装置の出発地から目的地との間のルートを探索する検索条件を表示し、必要な要件を設定する検索画面、及びルート案内する地図を表示するナビゲーションの地図画面、ナイトビジョン画面、バックガイドモニタ画面を表示するマルチ画面表示装置及びそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のマルチ画面表示装置としては特許文献1に記載のものがある。
特許文献1に記載のマルチ画面表示装置は、1つの表示画面を分割し、該分割されたそれぞれの表示領域に異なる画像信号が表示可能なマルチ画面表示装置において、前記分割された表示領域に表示障害が発生したことを検出する障害検出手段と、前記障害検出手段が、前記表示領域の一部に表示障害が発生したことを検出した時に、前記画像信号を他の表示領域に表示させる制御手段とを備えるものである。
【0003】
これによって、液晶表示装置の画面を複数の表示領域に分割して、分割領域のそれぞれに異なる画像信号を表示する際に、一つの表示領域に表示障害が発生しても、他の表示領域が表示不可能になることがなく、また、車両の計器信号等の重要度の高い画像信号を確実に表示することができ、表示障害による影響を最小限に抑えるものである。
【特許文献1】特開2004−361457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、1つの表示画面を分割し、分割されたそれぞれの表示領域に異なる画像信号が表示可能なマルチ画面表示装置において、分割された表示領域に表示障害が発生したことを検出する障害検出手段を備え、表示領域の一部に表示障害が発生すると画像信号を他の表示領域に表示させるように制御するものであり、画像信号を表示する際に、表示障害が発生しても重要度の高い画像信号を確実に表示することができるものの、この技術は、表示領域の一部に表示障害が発生するというきわめて異例な状態が前提となるものであり、かつ、障害発生の対応についての発明であり、ここには、複数の表示画面をドライバの要求に応じた視認性のよい画面提供の在り方という考え方は存在していない。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、ドライバの運転状況に応じて確認する頻度が高いものをドライバの近い表示位置としてその視認性をよくするマルチ画面表示装置及びそのプログラムの提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1にかかるマルチ画面表示装置は、ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面のうち、2以上を表示するマルチ表示画面を出力するとき、制御回路は車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面に表示が必要な表示位置を決定するものである。
ここで、ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面とは、車両の出発地から目的地との間のルートを探索するに必要な要件を設定するナビゲーション検索制御画面、地図上の車両の位置を表示するナビゲーション地図画面、夜間に道路上のものを赤外線で認識するナイトビジョン画面、車両の後方の確認を行うバックガイドモニタ画面、車両の直角方向の認識を行うブラインドコーナーモニタ画面、自動車電話のハンズフリー送受信画面等の一部である。
特に、ナビゲーション検索画面、ナビゲーション地図画面、ナイトビジョン画面、バックガイドモニタ画面、ブラインドコーナーモニタ画面、ハンズフリー送受信画面とは、通常に使用されている機能の画面であり、スピードメータ等の計測器類の画面及び/またはレーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する速度に応じた車間距離を維持する車間距離表示の何れかからなる車間距離画面等のうちから特定できる。また、ナビゲーション検索画面とナビゲーション地図画面は、1画面表示であれば、同時に確認することができないが、2画面以上の使用によって、車両の停車を待って素早く操作できるように待機状態または操作可能状態とするものである。
また、上記制御回路は、車両運転状態に応じてマルチ表示画面として必要な画面を決定するものであり、車両運転状態とは、車両の走行中と走行停止中の判断、車速判断、ライトの点灯状態の判断、シフトレバーのレンジ位置判断、サイドブレーキの動作判断、自動車電話のハンズフリー送受信判断のうち、1以上の状態判断に基づいてマルチ表示画面に表示が必要な画面を決定し、選択された画面数を走行状態に応じて前記マルチ表示画面における表示位置を決定するものである。
【0007】
請求項2にかかるマルチ画面表示装置の前記車両運転状態に応じた判断は、ナビゲーション機能によって道路の走行判断、車両の走行中と走行停止中の判断、車速判断、ライトの点灯状態の判断、シフトレバーのレンジ位置判断、サイドブレーキの動作判断のうち、1以上の状態判断に基づくものである。
なお、上記車両運転状態に応じた判断とは、車両の走行中と走行停止中の判断は、車速判断、シフトレバーのレンジ位置判断と共通化させることができる。また、車速判断は、シフトレバーのレンジ位置判断と共通化することができる。ここで、これら車両の走行中と走行停止中の判断、車速判断、ライトの点灯状態の判断、シフトレバーのレンジ位置判断、サイドブレーキの動作判断のうち、1以上の状態判断は、表示状態を変更するに足る条件を挙げたものであり、他の要件を付加することも自在である。
【0008】
請求項3にかかるマルチ画面表示装置の前記制御回路は、車両運転状態としての車両の走行停止判断と、シフトレバーのレンジ位置判断、サイドブレーキの動作判断によって、停車時間を推定し、前記マルチ表示画面に表示が必要な画面及び前記マルチ表示画面における表示位置を変更するものである。
ここで、前記車両運転状態としてサイドブレーキの動作判断でサイドブレーキが掛けられたことの判断は、例えば、長時間の走行停止を意味し、車両の走行停止が急に行われていることは、信号停止を意味し、1〜3分の信号停止を前提にナビゲーション検索画面の移動等を行うものである。繰り返しの同一交差点の信号停止の場合には、学習機能によって信号停止の時間を測定することもできる。
【0009】
請求項4にかかるマルチ画面表示装置の前記制御回路は、前記車両運転状態としてドライバが運転中に操作を行う習性を学習し、前記マルチ表示画面に表示が必要な画面の表示位置を修正するものである。
ここで、ドライバが運転中に操作を行う習性の学習とは、操作頻度の高い情報の表示画面をドライバの操作が容易な範囲に決定することを意味する。
【0010】
請求項5にかかるマルチ画面表示装置の前記車両運転状態に応じた判断には、助手席にナビゲータが同乗しているとき、最もドライバから離れた助手席側の表示画面に、前記ナビゲーション検索制御画面または前記ナビゲーション地図画面を移動自在とするものである。即ち、前記走行状態に応じた判断として、助手席に同乗するものが、ナビゲータとしての協力者である場合には、助手席側の表示画面に前記ナビゲーション検索制御画面または前記ナビゲーション地図画面を移動させ、ナビゲーション検索制御画面、ナビゲーション地図画面を助手席からの操作を自在とするものである。
【0011】
請求項6にかかるマルチ画面表示装置のマルチ表示画面には、更に、スピードメータ等の計測器類の表示及び/またはレーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する(アダプティブクルーズコントロールシステムの車間距離検知装置)車間距離の表示からなる計測表示画面を追加したものである。
特に、ワイドディスプレイが廉価になってきたことから、今まで、専用とされていたスピードメータ等の計測器類の画面も、例えば、車庫入れ、駐車等の際には、スピードメータ等の計測器類の画面を表示せず、他の映像情報に入れ替えて、そのドライバ情報として取り入れるものである。
【0012】
請求項7にかかるマルチ画面表示装置のマルチ表示画面は、その表示画面数を2乃至5画面としたものである。特に、2画面のペア情報、例えば、ナビゲーション検索画面とナビゲーション地図画面、ナビゲーション地図画面の異なる縮尺率画面、2方向のブラインドコーナーモニタ画面等は、ペアで使用される確率が高いので、2画面以上が使用の対象となる。また、市街地の入込んだ狭い道路で縮尺の相違するナビゲーション地図画面でナビゲーション検索画面とブラインドコーナーモニタ画面を使用すると、5画面の使用となる。したがって、通常では、マルチ表示画面は、2乃至5画面とするものである。
【0013】
請求項8にかかるマルチ画面表示装置のマルチ表示画面は、前記ナビゲーション地図画面の地図の種類が異なる2画面の使用としたものである。ここで、前記地図の種類が異なる2画面とは、縮尺率の違い、二次元地図と三次元地図との違いのように、地図の種類が異なる2画面の使用を意味する。
【0014】
請求項9にかかるマルチ画面表示装置の前記異なるナビゲーション地図画面の使用とは、異なる縮尺の画面及び/または二次元乃至三次元の地図画面としたものである。
【0015】
請求項10にかかるマルチ画面表示装置のプログラムは、ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面のうち、少なくとも2以上の画面をマルチ表示画面で同時に表示し、車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する画面を切り替え、かつ、車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する選択画面の配置を変更するものである。
ここで、ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面とは、車両の出発地から目的地との間のルートを探索するに必要な要件を設定するナビゲーション検索制御画面、地図上の車両の位置を表示するナビゲーション地図画面、夜間に道路上のものを赤外線で認識するナイトビジョン画面、車両の後方の確認を行うバックガイドモニタ画面、車両の直角方向の認識を行うブラインドコーナーモニタ画面、自動車電話のハンズフリー送受信画面等に置換することができ、更に、ナビゲーション検索画面、ナビゲーション地図画面、ナイトビジョン画面、バックガイドモニタ画面、ブラインドコーナーモニタ画面、ハンズフリー送受信画面とは、通常に使用されている機能の画面であり、スピードメータ等の計測器類の画面及び/またはレーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する速度に応じた車間距離を維持する車間距離表示の何れかからなる車間距離画面等のうちから特定できる。
【発明の効果】
【0016】
請求項1にかかるマルチ画面表示装置は、車両運転状態に応じて表示する画面を、ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面のうち、2以上の画面をマルチ表示画面として選択し、かつ、その選択画面を車両運転状態に応じてその選択された表示画面の表示位置を決定するものである。
したがって、車両の走行状態に応じてワイド画面からなるマルチ表示画面で表示する画面を選択し、かつ、その選択画面を走行状態に応じて前記マルチ表示画面の表示位置を決定するものであるから、例えば、ドライバが運転状況に応じて使用する頻度が高いものをドライバの近い表示位置とし、その視認性をよくすることができる。また、マルチ表示画面に運転状態に応じて重み付けを行うことにより、ナビゲーション地図画面であっても異なった縮尺の画面表示、二次元地図、三次元地図を表示し、かつ、込み入った路地では、ブラインドコーナーモニタ画面を表示することにより、ドライバの求める情報を車両運転状態に合致させた出力として提供できる。
【0017】
請求項2にかかるマルチ画面表示装置の前記車両運転状態に応じた判断は、ナビゲーション機能によって道路の走行判断、車両の走行状態と走行停止状態の判断、車速判断、ライトの点灯状態の判断、シフトレバーのレンジ位置判断、サイドブレーキの動作状態の判断、自動車電話のハンズフリー送受信判断のうちの1以上の状態判断に基づくものであり、これらは表示状態を変更するに足る条件を挙げたものであるから、請求項1の効果に加えて、前記車両運転状態に応じた最適な画面配置を得ることができる。
【0018】
請求項3にかかるマルチ画面表示装置の前記制御回路は、ナビゲーション機能によって道路の走行判断、車両の走行停止状態、シフトレバーのレンジ位置判断、車速状態、サイドブレーキの動作状態の判断によって、停車時間を推定し、前記マルチ表示画面に表示が必要な画面及び前記マルチ表示画面における表示位置を決定するものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、例えば、車速が徐々に低下し、前記車両運転状態として道路上の走行状態で、サイドブレーキが掛けられたことの判断は、長時間の走行停止の確率が高いことから、また、車両の走行停止が急に行われていることは、信号変化による信号停止を意味し、1〜3分の信号停止を前提にナビゲーション検索画面の移動等を行うこともできる。
【0019】
請求項4にかかるマルチ画面表示装置の前記制御回路は、ドライバの運転中の操作を学習し、それによって前記マルチ表示画面に対する表示画面の位置を決定するものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、ドライバの習性を考慮した画面配置とすることができ、ドライバにとって認識しやすく、扱いやすい画面となる。
【0020】
請求項5にかかるマルチ画面表示装置の前記車両運転状態に応じた判断には、助手席にナビゲータが同乗しているとき、助手席側の表示画面に前記ナビゲーション検索制御画面または前記ナビゲーション地図画面を表示するものであるから、請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の効果に加えて、ナビゲータが同乗しているとき、ドライバの負担を軽減するためにも、助手席側にナビゲーション検索制御画面、ナビゲーション地図画面を位置させるものである。
【0021】
請求項6にかかるマルチ画面表示装置の2以上の画面を表示するマルチ表示画面には、更に、スピードメータ等の計測器類の画面、レーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する車間距離表示の何れかからなる計測表示画面を追加したものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、車庫入れや、駐車場では、計測器関係よりも、ブラインドコーナーモニタ画面、バックガイドモニタ画面を重要視した画面配置とすることができる。
【0022】
請求項7にかかるマルチ画面表示装置の2以上の画面を表示するマルチ表示画面は、2乃至5画面の画面表示としたものであるから、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の効果に加えて、車両運転状態に応じた必要な最小限の情報を得ることができる。
【0023】
請求項8にかかるマルチ画面表示装置の前記ナビゲーション地図画面は、異なるナビゲーション地図画面の使用としたものであるから、請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載の効果に加えて、ドライバの要求する地図を縮尺を変更することなく、表示中の特定の画面から抽出することができる。
【0024】
請求項9にかかるマルチ画面表示装置の前記異なるナビゲーション地図画面の使用とは、異なる縮尺の画面及び/または二次元乃至三次元の地図画面としたものであるから、請求項8に記載の効果に加えて、見難い交差点の進行方向等については、異なる縮尺の画面及び/または二次元乃至三次元の地図画面によって、道路が特定されやすいので、ドライバがナビゲーション地図画面を確認する時間を短時間とすることができる。
【0025】
請求項10にかかるマルチ画面表示装置のプログラムは、ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面のうち、少なくとも2以上の画面をマルチ表示画面で同時に表示し、車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する画面を切り替え、かつ、車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する選択画面の配置を変更するものである。
したがって、車両の走行状態に応じてワイド画面からなるマルチ表示画面で表示する画面を選択し、かつ、その選択画面を走行状態に応じて前記マルチ表示画面の表示位置を決定するものであるから、例えば、ドライバが運転状況に応じて使用する頻度が高いものをドライバの近い表示位置とし、その視認性をよくすることができる。また、マルチ表示画面に運転状態に応じて重み付けを行うことにより、ナビゲーション地図画面であっても異なった縮尺の画面表示、二次元地図、三次元地図を表示し、かつ、込み入った路地では、ブラインドコーナーモニタ画面を表示することにより、ドライバの求める情報を車両運転状態に合致させた出力とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、実施の形態において、図中、同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここでは重複する説明を省略する。
図1は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置の全体構成を示すブロック図、図2は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置で表示された各種設定を行う設定画面の説明図である。
【0027】
図1において、本実施の形態のマルチ画面表示装置は、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うマイクロプロセッサからなる演算・制御部1と、ドライバ等の操作者からの操作を受け付ける各種キー入力、音声入力、タッチスイッチ等の操作部2と、ドライバ等の操作者に対して操作情報、地図等の情報を表示する液晶、EL等からなるマルチ画面表示が可能なディスプレイ3と、ルート案内、交通規制情報、渋滞情報の案内に関する音声ガイダンスを行うスピーカ4と、更に、ナイトビジョン装置81、バックガイドモニタ装置82、ブラインドコーナーモニタ装置83の映像を各々検出する撮像部5と、現在の自車の位置、方位、目標物(例えば、交差点)までの距離等を検出することが可能となるように各種センサからなる自車の現在地を検出する車両運転状態検出部7と、道路交通情報通信システム(VICS(登録商標):Vehicle Information and Communication System)62等の情報センターとの間でネットワーク61を介して通信を行う通信部6、夜間に道路上の自転車、歩行者、障害物等を赤外線でとらえて映像化し、その画像をドライバが見て確認するナイトビジョン装置81、車両の後方の確認を映像で行うバックガイドモニタ装置82、車両の直角方向の認識を行うブラインドコーナーモニタ装置83、自動車電話のハンズフリー装置84、スピードメータ等の計測器類の表面、レーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する車間距離表示の何れかからなる計測表示画面を表示する各種測定装置85等からなる各種の車両運転状態の情報を測定する各種検知装置部8とから構成されている。
【0028】
本実施の形態の制御回路を構成するマイクロプロセッサからなる演算・制御部1は、全体の制御を行う演算及び制御を行うCPU11、及びCPU11が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用すると共に、ルート探索や、ルートが探索されたときのルートデータや交通規制情報が存在するリンクID等が記憶されるRAM12、制御用プログラムの他、渋滞回避ルートへの変更をユーザに案内するルート変更案内処理プログラム、検索ルーチン等が記憶されたROM13、ROM13から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ14等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ15等を備えている。
【0029】
ROM13には、各種のプログラムが記憶され、RAM12に各種のデータが記憶されるようになっており、また、プログラム、データ等を外部記憶装置、メモリカード等からプログラム、データ等を読み出してフラッシュメモリ14に書き込む。更に、メモリカード等を交換または外部から所定のプログラム、データ等をインストールすることによってプログラム、データ等を更新することができる。
【0030】
自車の現在の状態を検出する車両運転状態検出部7は、GPSセンサ7a、地磁気センサ7b、距離センサ7c、ステアリングセンサ7d、方位検出部としてのジャイロセンサ7e、高度計7f、更に、自車の走行速度及び走行距離を検出する車速センサ7g、自動変速機の変速位置センサ7h、サイドブレーキスイッチ7i、ライト点灯スイッチ7j、ブレーキの踏み込みを検出するブレーキスイッチ7k等からなる。なお、この距離センサ7cと車速センサ7gは単一のものとすることもできる。
【0031】
なお、本実施の形態のナビゲーション装置は、ネットワーク61を介して道路交通情報通信システムセンター62から警察、日本道路公団等の交通管制システムの情報を収集して作成した道路の渋滞等に関する情報や、交通規制情報等の道路交通情報を所定時間毎に受信することが可能に構成されている。また、この道路交通情報は、例えば、道路の渋滞等に関する道路渋滞情報、道路工事、建築工事等による交通規制情報等の道路交通情報に関する詳細情報である。該詳細情報としては、道路渋滞情報の場合、後述のVICSリンクID、渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等であり、交通規制情報の場合、VICSリンクID、道路工事、建築工事等の継続期間、通行止め、片側交互通行、車線規制等の交通規制の種類、交通規制の時間帯等である。
【0032】
また、ネットワーク61としては、例えば、無線LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線網、公衆通信回線網等の通信回線網等の通信系を使用することができる。そして、放送衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信系を使用することもできる。更に、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステムのETC(Electronic Toll Collection System)、狭域通信システム(DSRC)等の通信系を使用することもできる。
【0033】
本実施の形態のナビゲーション装置を構成する特徴的な構成要素について図1に基づいて、更に、具体的に説明する。
演算・制御部1には、操作部2、ディスプレイ3、スピーカ4、撮像部5、車両運転状態検出部7の各種センサ、通信部6、各種検知装置部8の各周辺装置が電気的に接続されている。操作部2は、走行開始時の現在地を修正し、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う際等に操作され、各種キー等の複数の操作スイッチから構成される。そして、演算・制御部1は、操作部2の各スイッチの操作により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。本実施の形態のナビゲーション装置の制御回路は、演算・制御部1、操作部2、撮像部5、車両運転状態検出部7の各種センサ、通信部6、各種検知装置部8によって構成される。
なお、操作部2としては、ディスプレイ3の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0034】
ディスプレイ3は、CRTディスプレイ、プラズマディスプレイ、EL等を使用し、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用することができる。また、ディスプレイ3は操作部2としてのタッチスイッチを兼ねることもできる。
特に、本実施の形態のディスプレイ3は、横方向に3画面を同時に表示するマルチ表示画面となっている。この3画面とは、同時に単一の走査線が3画面を描くもの、独立した走査線で3画面を描くものとすることができる。
【0035】
ここには、ナビゲーション検索制御画面301、ナビゲーション地図画面302、ナイトビジョン画面303、バックガイドモニタ画面304、ブラインドコーナーモニタ画面305、ハンズフリー送受信画面306、各種測定装置85の各種の測定画面307の何れかの2以上を表示することになる。また、必要に応じて、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までのルート案内、ルート案内に沿った案内情報、後述のルート変更案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0036】
本実施の形態のディスプレイ3は、具体的には、図2に示すように3個の独立した画面31、画面32、画面33からなるワイド画面30を有している。本実施の形態においては、インストルメントパネルのコンビネーションメータ35の助手席側に配設したものである。したがって、ドライバは、コンビネーションメータ35に近いほどその視認性がよくなり、ワイド画面30にタッチスイッチを兼ねるとその操作性もよくなる。
なお、図2ではワイド画面30のうち、各画面31、画面32、画面33を区切る枠34が形成されているが、本発明を実施する場合には、枠34は必ずしも必要とするものではない。
【0037】
スピーカ4は、演算・制御部1からの指示に基づいて、誘導ルートに沿った走行を案内する音声ガイダンスや、ルート案内のルート変更を案内する音声案内を出力する。なお、スピーカ4より出力される音声としては、合成された音声の他に、各種効果音、予めメモリ等に録音された各種の案内情報を出力することもできる。特に、本実施の形態では、確認すべき交通情報が存在することを音声で出力したり、確認すべき交通情報を直接音声として再生するものである。
【0038】
撮像部5は、夜間に道路上の自転車、歩行者、障害物等を赤外線でとらえて映像化するナイトビジョン装置81、車両の後方の確認を行うバックガイドモニタ装置82、車両の前方(または後方)の略直角方向の認識を行うブラインドコーナーモニタ装置83で使用する映像を検出する複数台のCCDカメラからなるものである。
【0039】
GPSセンサ7aは、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における自車の現在地及び現在時刻を検出する。地磁気センサ7bは、地磁気を測定することによって自車方位を検出する。距離センサ7cは、道路上の所定位置間の距離等を検出する。ここで、距離センサ7cとしては、例えば、自車の車輪の回転速度を測定し、測定した回転速度に基づいて距離を検出するが、車速センサ7gの出力を積分して距離を検出してもよい。
【0040】
また、ステアリングセンサ7dは自車の操舵角を検出するものである。ここで、ステアリングセンサ7dとしては、例えば、ステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
そして、ジャイロセンサ7eは自車の旋回角を検出するものである。ここで、ジャイロセンサ7eとしては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、ジャイロセンサ7eによって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0041】
更に、高度計7fは高架となっている高速道路と一般道路との併設道路の場合に、何れを走行しているかの判断基準となるものである。変速位置センサ7hは、走行を意味する「D」、後退を意味する「R」、パーキングを意味する「P」の位置を検出し、車両の走行を判断するものであり、また、サイドブレーキスイッチ7iは、サイドブレーキが設定してあるか否かを検出するものである。そして、ライト点灯スイッチ7jはヘッドライト、車幅灯、フォグランプ等の点灯により、夜間と昼間の区別を検出するものである。
【0042】
また、通信部6は、例えば、道路交通情報通信システムセンター62等から送信された渋滞情報、交通規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る道路交通情報を、道路に沿って配設された電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信するビーコンレシーバである。また、通信部6は、ネットワーク61として通信回線網等の通信系において通信を可能とするネットワーク機器である。更に、通信部6は道路交通情報通信システムセンター62からの情報の他に、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信するFM受信機を備える。なお、前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0043】
そして、車両運転状態を検知する各種検知装置部8は、夜間に道路上の歩行者、自転車、障害物、動物等を赤外線でとらえて映像化し、その画像をドライバが確認することによって、道路上の状態を認識しやすくするナイトビジョン装置81を有している。このナイトビジョン装置81は単一のナイトビジョン画面303を出力するものである。また、車両の後方の確認を映像で行うバックガイドモニタ装置82は、通常、1台の広角レンズを装備したカメラで、車両の後方を映像化し、ドライバが車両を後退させる場合に、車両の後方確認の補助として単一のバックガイドモニタ画面304を出力するものである。
【0044】
車両の前方(または後方)の直角方向の認識を行うブラインドコーナーモニタ装置83は、路地から一般道或いは車庫から道路に出るときのように、車両を目的の道路に入るとき、その道路の交通状態を確認するため車両の先端に取付けられて使用されるもので、車両の後方にも同様に取り付ける場合があり、当然、車両の前方及び後方に取り付ける場合もある。このブラインドコーナーモニタ装置83の出力は、通常、左右の2画面で表現されるが、プリズムの使用で光学的に2方向の映像を1台のカメラで合成し、車両の前方の左右を映像化し、単一のブラインドコーナーモニタ画面305としている。勿論、2画面とするともできる。
【0045】
更に、自動車電話のハンズフリー装置84は、電話の受信送信ボタン、短縮ボタン、電話帳等の電話のメニュ−を有し、着信があったときには、フックオフする着信ボタンを画面に表示するものであり、これら電話機能に使用する画面によって、自動車電話のハンズフリー送受信画面306を構成している。なお、ここでは、自動車電話について説明するが、この自動車電話には、車内で使用するブルートゥース(Bluetooth)機能付または電気的に接続される携帯電話も、車内で使用する自動車電話の概念に含むものである。
また、スピードメータ等の計測器類の測定表示、レーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する車間距離の数字表現及びキャラクター表現等の表示を行う各種測定装置85は、スピードメータ、タコメータ、燃料計、冷却温度計等の測定器を画像として表すもので、更に、レーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する車間距離の表示からなる計測表示画面を含む各種の測定画面307を出力するものである。なお、ハンズフリー送受信装置の各種画面とは、ハンズフリーの受信スイッチ画面及び送信スイッチ画面、電話帳画面、電話番号入力画面等の電話の送受信に使用される電話をいう。
【0046】
ナビゲーション及び画像制御部9は、本実施の形態ではハードディスクを使用した場合について説明する。このハードディスクに記憶された交通情報DB(データベース、以下、単に『DB』という)91、ナビゲーション地図情報DB92及びナビゲーション検索情報93に従った所定のプログラム等を読み出す機能を備えている。なお、本実施の形態においては、ナビゲーション及び画像制御部9としてハードディスクを使用されているが、ハードディスクの他にRAM等を使用することもできる。
【0047】
交通情報DB91には、道路交通情報通信システムセンター62から受信した渋滞の実際の長さ、渋滞解消の見込まれる時刻等から構成される現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報から作成した渋滞情報が格納されている。また、この交通情報DB91には、道路交通情報通信システムセンター62から受信した交通規制のある道路工事、建築工事等による交通規制情報等に関する道路交通情報から作成した交通規制情報が格納されている。なお、交通情報DB91には、本発明の実施の形態の放送局からの放送情報を用いるものではなく、VICSリンクIDによって得られる情報である。
【0048】
道路交通情報通信システムセンター62から受信した各道路交通情報には、種別情報、位置、渋滞区間の距離、渋滞度等の情報と共に、VICSリンクIDが含まれる。VICSリンクIDは、道路を所定の交差点毎に分割して規格化された走行案内用リンクとしてのVICSリンクに付与された識別番号である。なお、前記道路交通情報には、各VICSリンクにおける始点及び終点の座標、始点から終点までの距離等の情報も含まれている。
【0049】
一般的には、ナビゲーション地図情報DB92に記憶される道路(リンク)の方がVICSリンクよりも細分化されている。そこで、交通情報DB91には、各道路に識別番号として付与されるリンクIDとVICSリンクIDとの間の変換テーブル(対照表)を有し、VICSリンクIDに基づいて、対応するリンクIDを特定することができるようになっている。このため、ナビゲーション装置では、道路交通情報通信システムセンター62からVICSリンクIDを受信すると、該VICSリンクIDに基づいて渋滞情報等の道路交通情報を表示すべき道路の区間を特定することができる。そして、道路交通情報通信システムセンター62から受信した現況の道路の渋滞等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて渋滞情報として格納される。また、道路交通情報通信システムセンター62から受信した交通規制情報等に関する道路交通情報のVICSリンクIDは、リンクIDに変換されて交通規制情報として格納される。
【0050】
また、交通情報DB91は、本実施の形態のナビゲーション装置の車両の出発地から目的地との間のルートを探索するに必要な要件を設定するナビゲーション検索情報93、走行案内やルート探索、自車位置を表示するのに使用されるナビゲーション地図情報DB92が格納されている。ここで、ナビゲーション地図情報DB92には、ルート案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、施設の一種である道路に関するリンクデータ、ルートを探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する店舗データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。そして、ナビゲーション地図情報DB92の内容は、地図情報配信センターから通信部6を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0051】
特に、地図表示データとしては、10km×10kmで区画された2次メッシュをベースに4分割(長さ1/2)、16分割(1/4)、64分割(1/8)されたユニットで構成されており、各ユニットのデータ量が略同レベルになるように、各地のユニットが設定されている。最も小さい64分割サイズのユニットは、約1.25km四方の大きさである。本実施の形態では、「詳細ナビゲーション地図画面」は「広域ナビゲーション地図画面」よれも拡大された地図情報である。
【0052】
ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離毎に設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)等に関するデータ等が記憶されている。
【0053】
リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道の他、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。更に、有料道路に関して、有料道路の入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所(インターチェンジ)等に関するデータが記録される。店舗データとしては、各地域のホテル、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等のPOIに関するデータがPOIを特定するIDと共に記録される。なお、交通情報DB91には、所定の情報をナビゲーション装置のスピーカ4によって出力するための音声出力データも記録される。
【0054】
そして、ルート探索データとしては、車両の出発地から目的地との間のルートを探索するに必要な要件を設定するナビゲーション検索情報93で設定された目的地までのルートを、探索及び表示する際に使用されるデータについて記憶されており、ノードを通過する際のコスト(以下、単に「ノードコスト」という)や道路を構成するリンクのコスト(以下、単に「リンクコスト」という)からなる探索コストを算出し、使用するコストデータ、ルート探索により選択された誘導ルートをディスプレイ3の地図上に表示するためのルート表示データ等から構成されている。
【0055】
車両運転状態検出部7の運転状態によって3画面を選択する画面選択DB部94は、ナビゲーション及び画像制御部9で形成されたナビゲーション機能としてルートの検索及びその制御を行うナビゲーション検索制御画面301及びルート検索したルートに従って案内し、自車の位置を特定するナビゲーション地図画面302、ナイトビジョン装置81で形成したナイトビジョン画面303、バックガイドモニタ装置82で形成したバックガイドモニタ画面304、ブラインドコーナーモニタ装置83で形成したブラインドコーナーモニタ画面305、自動車電話のハンズフリー装置84で形成したハンズフリー送受信画面306、各種測定装置85の測定画面307を格納し、それを車両運転状態検出部7の出力によって、任意の3画面を選択するものである。
【0056】
画面選択DB部94によって選択した3画面を、車両運転状態検出部7の運転状態によって、その配置を決定する画面位置決定部95は、選択された3画面について、車両運転状態検出部7の運転状態によって、ドライバの視認性及び操作性の良い図2の「画面1」31に表示するか、それとも、助手席側から視認性及び操作性の良い図2の「画面3」33に表示するか、その中間位置の図2の「画面2」32に表示するかを決定するもので、車両運転状態検出部7の運転状態によってドライバにとって最良の視認性及び操作性を維持しようとするものである。
【0057】
次に、画面選択DB部94に格納する図2の「画面1」31、「画面2」32、「画面3」33に表示する具体的画面配置について説明する。
図3は本発明の実施の形態の「スタートモード」の画面配置の説明図、図4は本発明の実施の形態の「バックモード」の画面配置の説明図、図5は同じく「低速走行モード」の画面配置の説明図、図6は同じく「高速走行モード」の画面配置の説明図、図7は同じく「走行モード」の画面配置の説明図、図8は同じく「一時停止(短時間)モード」の画面配置の説明図、図9は同じく「一時停止(長時間)モード」の画面配置の説明図、図10は同じく「ナイトビジョン優先モード」の画面配置の説明図、図11は同じく「ハンズフリー優先モード」の画面配置の説明図、図12は同じく「ブラインドコーナーモニタ優先モード」の画面配置の説明図である。
【0058】
図3は「スタートモード」の画面配置を示すものである。「画面1」31には車両の出発地から目的地との間のルートを探索するに必要な要件を設定するナビゲーション検索制御画面301のうち「周辺検索画面」を、また、「画面2」32にはナビゲーション検索制御画面301のうち「50音検索画面」を、「画面3」33には車両の現在位置を示すナビゲーション地図画面302を設定する。なお、「画面1」31の「周辺検索画面」と、「画面2」32の「50音検索画面」は、ユーザによって優先度または任意に設定することができる。
【0059】
図4は「バックモード」の画面配置を示すものである。「画面1」31にはバックガイドモニタ画面304を、また、「画面2」32にはナビゲーション検索制御画面301のうち「検索メニュー画面」を、「画面3」33にはナビゲーション地図画面302を設定する。なお、「画面2」32の「検索メニュー画面」は、「周辺検索画面」または「50音検索画面」とすることができる。
図5は「低速走行モード」の画面配置を示すものである。「画面1」31には車両のナビゲーション地図画面302のうち「詳細ナビゲーション地図」を、また、「画面2」32にはナビゲーション検索制御画面301のうち、案内中止、自宅を目的地(自宅に戻る)、地図拡大、地図縮小等を内容とする「検索メニュー画面」とするものである。そして、「画面3」33にはナビゲーション地図画面302のうち「広域ナビゲーション地図」を設定する。
【0060】
図6は「高速走行モード」の画面配置を示すものである。「画面1」31にはレーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する車間距離の表示からなる車間距離を各種の測定画面307として、また、「画面2」32にはナビゲーション地図画面302を設定する。そして、「画面3」33にはナビゲーション検索制御画面301のうち、案内中止、自宅を目的地(自宅に戻る)、地図拡大、地図縮小等を内容とする「検索メニュー画面」とするものである。
【0061】
図7は「走行モード」の画面配置を示すものである。「画面1」31には車両のナビゲーション地図画面302のうち「詳細ナビゲーション地図」を、また、「画面2」32にはナビゲーション地図画面302のうち「広域ナビゲーション地図」を設定する。そして、「画面3」33にはナビゲーション検索制御画面301のうち、案内中止、自宅を目的地(自宅に戻る)、地図拡大、地図縮小等を内容とする「検索メニュー画面」とするものである。
【0062】
図8は「一時停止(短時間)モード」の画面配置を示すものである。「画面1」31にはナビゲーション検索制御画面301のうち「周辺検索画面」を、また、「画面2」32にはナビゲーション地図画面302を設定する。そして、「画面3」33にはナビゲーション検索制御画面301のうち、案内中止、自宅を目的地(自宅に戻る)、地図拡大、地図縮小等を内容とする「検索メニュー画面」とするものである。
図9は「一時停止(長時間)モード」の画面配置を示すものである。「画面1」31にはナビゲーション検索制御画面301のうち「50音検索画面」を、また、「画面2」32にはナビゲーション検索制御画面301のうち「周辺検索画面」を、「画面3」33にはナビゲーション地図画面302を設定する。
【0063】
図10は「夜間」の「走行モード」である「ナイトビジョン優先モード」の画面配置を示すものである。「画面1」31にはナイトビジョン画面303を、また、「画面2」32にはナビゲーション地図画面302を、「画面3」33にはナビゲーション検索制御画面301を設定する。
図11は「ハンズフリー優先モード」の画面配置を示すものである。「画面1」31にはナビゲーション地図画面302を、また、「画面2」32にはナビゲーション検索制御画面301を、「画面3」33にはハンズフリー送受信画面306を設定する。
図12は「ブラインドコーナー優先モード」の画面配置を示すものである。「画面1」31にはナビゲーション地図画面302を、また、「画面2」32にはブラインドコーナーモニタ画面305を、「画面3」33にはナビゲーション検索制御画面301を設定する。
【0064】
次に、前記構成を有するマルチ画面表示装置において演算・制御部1が実行する処理について図13乃至図16に基づいて説明する。
図13及び図14は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置のメインルーチンのフローチャート、図15は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置の出力する画面位置を決定するルーチンのフローチャート、図16は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置の出力する画面位置をマニュアルで決定するルーチンのフローチャートである。
このルーチンは、イグニッションスイッチの投入によって繰り返し実行されるプログラムである。
【0065】
まず、ステップS1でマニュアルモードであるか判断し、操作部2からマニュアルモードの選択がされているとき、ステップS51以降のルーチンの処理をし、マニュアルモードの選択がされていないとき、ステップS2からの処理に入る。ステップS2で車両のエンジンを始動して1分以内であるか判断し、車両のエンジンを始動して1分以内のとき、目的地の設定等があるから、ステップS10でナビゲーション機能設定が主となるスタートモードの処理に入り、ディスプレイ3のワイド画面30に図3に示す画面配置を選択する。
【0066】
ステップS2で車両のエンジンを始動してから、1分以上を経過しているとき、ステップS3で自動変速機の変速位置が「R(後退)」であるか判断し、自動変速機の変速位置が「R(後退)」のときステップS11でバックモードのルーチンの処理を行い、ディスプレイ3のワイド画面30に図4に示す画面配置を選択する。ステップS3で自動変速機の変速位置が「R(後退)」でないと判断されたとき、ステップS4で車両が速度ゼロまたは略車速ゼロ(例えば、数Km/h以下)を除く所定の車速(例えば、15Km/h以下)以下、即ち、低速であるか否かを判断し、低速であるときには、ステップS12で低速走行モードのルーチンの処理を行い、ディスプレイ3のワイド画面30に図5に示す画面配置を選択する。
【0067】
ステップS4で車両が所定の車速以下、即ち、低速でないと判断されたとき、ステップS5で所定の速度より高速(例えば、30Km/h以上)であるか判断し、高速であるときには、ステップS13で高速走行モードのルーチンの処理を行い、ディスプレイ3のワイド画面30に図6に示す画面配置を選択する。ステップS5で所定の速度より高速でないと判断したとき、ステップS6で車速ゼロまたは略車速ゼロ(例えば、数Km/h以下)であるか否かを判断し、ステップS6で車速ゼロまたは略車速ゼロでないとき、ステップS7でブレーキが踏み込まれてブレーキスイッチがオンとなっているか否かを判断し、ブレーキスイッチがオンとなっていないとき、通常の走行をなしていることであるから、ステップS14で走行モードのルーチンの処理を行い、ディスプレイ3のワイド画面30に図7に示す画面配置を選択する。
【0068】
ステップS6で車速ゼロまたは略車速ゼロと判断し、ステップS7でブレーキが踏み込まれ、ブレーキスイッチがオンとなっていると判断したとき、ステップS8で自動変速機の変速位置が「P(パーキング)」であるか判断し、変速位置が「P(パーキング)」であるとき、ステップS9でサイドブレーキが引かれているかを、サイドブレーキスイッチのオンで判断し、ステップS9でサイドブレーキが引かれていないと判断したとき、ステップS15で一時停止(短時間)モードのルーチンの処理を行い、ディスプレイ3のワイド画面30に図8に示す画面配置を選択する。また、サイドブレーキが引かれているとき、ステップS16で一時停止(長時間)モードのルーチンの処理を行い、ディスプレイ3のワイド画面30に図9に示す画面配置を選択する。
【0069】
このように、ステップS10乃至ステップS16の何れか1つのモード設定を行った後、ステップS20で車両の運転状態に変化があったか判断し、車両の運転状態に変化がなかったとき、このルーチンを脱する。ステップS20で車両の運転状態に変化があったと判断したとき、ステップS21で優先度の設定要件であるライトの点灯があるか否かを判断し、ライトの点灯がある場合には、ステップS22でその優先度に応じて画面の位置を修正する。
【0070】
即ち、ステップS4でステップS12の低速走行モードが、ステップS5でステップS13の高速走行モードが、ステップS6でステップS14の走行モードが選択されているときには、ステップS22及びステップS23でそれらのワイド画面30の画面31をナイトビジョン画面303とし、画面31、画面32で表示されていた画面をシフトさせ、図7に示されていた走行モードを図10に示すナイトビジョン優先モードのようにディスプレイ3のワイド画面30に示す画面配置を選択する。
これは、低速走行モード、高速走行モードが選択されている場合も同様である。
【0071】
次に、ステップS24で自動車電話のハンズフリー装置84による自動車電話の着信があったとき、ステップS25で各モードに共通して画面33をハンズフリー送受信画面306に優先的に変更するものである。即ち、例えば、図5に示す低速走行モードにあるとき、ハンズフリー優先モードに入ると、ディスプレイ3のワイド画面30に図11に示す画面配置となる。
そして、ステップS26で車速が、例えば、5Km/h以下であるか否かが判断され、車速が5Km/h以下のとき、ステップS27で低速走行モードの画面32のナビゲーション検索制御画面301を画面33とし、画面32をブラインドコーナーモニタ画面305として表示するものである。即ち、図5に示す低速走行モードにあるとき、ブラインドコーナー優先モードに入ると、ディスプレイ3のワイド画面30が図12に示す画面配置となる。
【0072】
次に、各モードで設定されたマルチ画面表示装置として出力する画面位置は、図15のプログラムによって配列が修正されて出力される。
ステップS11でバックモード、ステップS12で低速走行モード、ステップS13で高速走行モード、ステップS14で走行モード、ステップS15で一時停止(短時間)モード、ステップS16で一時停止(長時間)モードの何れか1つが選択され、更に、ステップS21、ステップS24、ステップS26で各モードによって選択した表示画面を優先して、修正する必要性を判断し、ステップS31からステップS40のルーチンの処理に入る。
【0073】
ステップS31で「画面1」31の配置が他の要件で優先的に変化していないかを判断し、ステップS21乃至ステップS23によって優先的に変更する要件がないときには、ステップS32で、ステップS12で低速走行モード、ステップS13で高速走行モード、ステップS14で走行モードで設定した画像表示を出力すべく処理し、また、優先的に変更する要件があるときには、ステップS33でステップS22及びステップS23に従って「画面1」31の表示をナイトビジョン画面303に優先的に変更する。
また、ステップS34で「画面2」32の配置が他の要件で優先的に変化していないかを判断し、ステップS26及びステップS27によって優先的に変更する要件がないときには、ステップS35で、ステップS12において低速走行モードで設定した画像表示を出力すべく処理し、また、優先的に変更する要件があるときには、ステップS36でステップS27に従って「画面2」32の表示をブラインドコーナーモニタ画面305に優先的に変更する。
【0074】
そして、ステップS37で「画面3」33の配置が他の要件で優先的に変化していないかを判断し、ステップS24及びステップS25によって優先的に変更する要件がないときには、ステップS38で、各モードで設定した画像表示を出力すべく処理し、また、優先的に変更する要件があるときには、ステップS39でステップS25に従って「画面3」33の表示をハンズフリー送受信画面306に優先的に変更する。
ステップS40で夫々修正した「画面1」31、「画面2」32、「画面3」33の画像をワイド画面30に合致するように合成し、ワイド画面30の夫々の画像表示出力とするものである。
【0075】
ステップS1でマニュアルモードであるか判断し、操作部2からマニュアルモードの選択がなされているとき、図16に示すステップS51以降のルーチンの処理に入る。
マニュアルモードでは、ステップS51で「画面1」31として、ナビゲーション検索制御画面301、ナビゲーション地図画面302、ナイトビジョン画面303、バックガイドモニタ画面304、ブラインドコーナーモニタ画面305、ハンズフリー送受信画面306の何れの画面を選択するかをステップS52で決定する。また、ステップS53で「画面2」33として、ナビゲーション検索制御画面301、ナビゲーション地図画面302、ナイトビジョン画面303、バックガイドモニタ画面304、ブラインドコーナーモニタ画面305、ハンズフリー送受信画面306の何れの画面を選択するかをステップS54で決定し、そして、ステップS55で「画面3」33として、ナビゲーション検索制御画面301、ナビゲーション地図画面302、ナイトビジョン画面303、バックガイドモニタ画面304、ブラインドコーナーモニタ画面305、ハンズフリー送受信画面306の何れの画面を選択するかをステップS56で決定する。
そして、ステップS57で夫々修正した「画面1」31、「画面2」32、「画面3」33の画像をワイド画面30に合致するように合成し、ワイド画面30の夫々の画像表示出力とするものである。
【0076】
なお、上記実施の形態では、ナビゲーション検索制御画面301、ナビゲーション地図画面302、ナイトビジョン画面303、バックガイドモニタ画面304、ブラインドコーナーモニタ画面305、ハンズフリー送受信画面306の選択要件として、ステップS2でエンジン始動1分経過判断、ステップS3で自動変速機の後退の判断、ステップS4乃至ステップS6の車速判断、ステップS7のブレーキ動作の判断及びステップS8の自動変速機のパーキング位置の判断、ステップS9のサイドブレーキ動作の判断を行って、各種の表示モードを決定している。しかし、本発明を実施する場合には、車速センサ7gによる過去の車両の走行速度、ナビゲーション地図画面302における車両の走行停止位置、ステアリングセンサ7dによる操舵量から、信号停止であるか否かを信頼性高く判断することができる。また、信号待ちの過去の履歴から学習し、停車時間を推定することもできる。
【0077】
また、ブラインドコーナーモニタ画面305についても、ナビゲーション地図画面302により、道路が狭い三叉路または交差点に近づいたとき、優先的に、作動状態とすることもできる。
そして、上記実施の形態では、各種の測定画面307として、レーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する車間距離の表示からなる計測表示画面のみを表示する画面について説明したが、本発明を実施する場合には、低速走行では、スピードメータ等の計測器類の測定表示、車間距離の数字表現及びキャラクター表現等の表示を行う各種測定装置85も、ワイド画面30の一画面とし、必要に応じて、画面表示する位置を変更したり、消去したりすることもできる。
【0078】
更に、ドライバが日常操作する癖を学習し、その癖にあわせてワイド画面30の画面表示を入れ替え、配列を変更することもできる。特に、操作画面の場合には、視力に合わせる必要があり、文字の拡大機能及びその表示位置によって対応することができる。
特に、ハンズフリー送受信画面306の場合には、使用回数によって電話帳機能を整理することもできる。
【0079】
上記のように本発明の実施の形態のマルチ画面表示装置は、車両の出発地から目的地との間のルートを探索するに必要な要件を設定するナビゲーション検索制御画面301、地図上の車両の位置を表示するナビゲーション地図画面302、夜間に道路上のものを赤外線で認識するナイトビジョン画面303、車両の後方の確認を行うバックガイドモニタ画面304、車両の直角方向の認識を行うブラインドコーナーモニタ画面305、自動車電話のハンズフリー送受信装置のハンズフリー送受信画面306のうち、2以上の画面を同時に表示するワイド画面30からなるマルチ表示画面と、車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態に応じてワイド画面30からなるマルチ表示画面で表示する画面を選択し、かつ、車両運転状態に応じてその選択画面を車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態に応じてワイド画面30からなるマルチ表示画面での表示位置を決定する少なくとも、画像選択DB部94及び画面位置決定部95及び演算・制御部1を有し、図13乃至図16のプログラムを実行する制御回路を具備するものである。
【0080】
また、本発明の実施の形態は、ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面のうち、少なくとも2以上の画面をマルチ表示画面で同時に表示し、車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する画面を切り替え、かつ、車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する選択画面の配置を変更するマルチ画面表示装置のプログラムとすることができる。
ここで、本実施の形態のワイド画面30からなるマルチ表示画面は、単一のワイドな画面とすることもできるし、複数を並べた表示画面とすることもできる。また、マルチ表示画面での表示を決定する画像選択DB部94及び画面位置決定部95及び演算・制御部1からなる制御回路は、少なくとも、画像選択する機能及び画面位置決定機能を具備するものであれば良い。
前記2以上の画面を同時に表示するワイド画面30からなるマルチ表示画面は、ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信画面のうち、2以上を表示するマルチ表示画面を出力するとき、制御回路は車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面に表示が必要な表示位置を決定するものであればよい。
【0081】
ここで、ナビゲーション検索制御画面301、ナビゲーション地図画面302、ナイトビジョン画面303、バックガイドモニタ画面304、ブラインドコーナーモニタ画面305、ハンズフリー送受信画面306とは、通常に使用されている機能の画面であり、スピードメータ等の計測器類の画面及び/またはレーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する速度に応じた車間距離を維持する車間距離表示の何れかからなる車間距離を示す測定画面307等のうちから特定したものであり、本発明を実施する場合には、任意の組合せとすることができる。また、ナビゲーション検索制御画面301とナビゲーション地図画面302は、1画面表示であっても、2画面表示であっても良い。
【0082】
また、上記制御回路は、演算・制御部1、操作部2、撮像部5、車両運転状態検出部7の各種センサ、通信部6、各種検知装置部8によって構成され、走行状態に応じてマルチ表示画面として必要な画面を決定するものであり、車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態とは、車両の走行中と走行停止中の判断、車速判断、ライトの点灯状態の判断、シフトレバーのレンジ位置判断、サイドブレーキの動作判断、自動車電話のハンズフリー送受信判断のうち、1以上の状態判断に基づいてマルチ表示画面に表示が必要な画面を決定しているが、本発明を実施する場合には、更に、ナビゲーション地図画面302の情報等を使用すること、履歴を使用することもできる。
【0083】
したがって、車両運転状態検出部7で検出した車両の走行状態に応じてワイド画面30からなるマルチ表示画面で表示する画面を選択し、かつ、その選択画面を走行状態に応じてワイド画面30からなるマルチ表示画面の表示位置を決定するものであるから、例えば、ドライバが運転状況に応じて使用する頻度が高いものをドライバの近い表示位置とし、その視認性をよくすることができる。また、ワイド画面30からなるマルチ表示画面に運転状態に応じて重み付けを行うことにより、ナビゲーション地図画面であっても異なった縮尺の画面表示、二次元地図、三次元地図を表示し、かつ、込み入った路地では、ブラインドコーナーモニタ画面305を表示することにより、ドライバの求める情報を車両運転状態に合致させた出力として提供できる。よって、ドライバの運転状況に応じて確認する頻度が高いものをドライバの近い表示位置としてその視認性及びタッチスイッチを用いたものではその操作性を良くすることができる。
【0084】
また、本実施の形態のマルチ画面表示装置の車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態に応じた判断は、ナビゲーション機能によって道路の走行判断、車両の走行停止の判断、車速判断、ライトの点灯状態の判断、シフトレバーのレンジ位置判断、サイドブレーキの動作状態の判断、自動車電話のハンズフリー送受信判断のうちの1以上の状態判断に基づくものである。
したがって、これらは表示状態を変更するに足る条件によって、車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態に応じた最適な画面配置を得ることができる。
【0085】
そして、本発明の実施の形態のマルチ画面表示装置の画像選択する機能及び画面位置決定機能を具備する制御回路は、ナビゲーション機能によって道路の走行判断がなされ、車両の走行停止判断、シフトレバーのレンジ位置判断、車速状態、サイドブレーキの動作状態の判断によって、停車時間を推定し、ワイド画面30からなるマルチ表示画面に表示が必要な画面及びワイド画面30からなるマルチ表示画面における表示位置を決定するものである。
したがって、例えば、車速が徐々に低下し、車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態として道路上の走行状態で、サイドブレーキが掛けられたことの判断は、長時間の走行停止を意味し、また、車両の走行停止が急に行われていることは、信号変化による信号停止を意味し、1〜3分の信号停止を前提にナビゲーション検索制御画面301を操作し易い位置に移動させることもできる。勿論、ナビゲーション地図画面302の交差点の位置、特定の店舗等のPOIの情報によってその停車時間を推定することもできる。
【0086】
更に、本発明の実施の形態のマルチ画面表示装置の画像選択する機能及び画面位置決定機能を具備する制御回路は、車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態としてドライバの運転中の操作を学習し、それによってワイド画面30からなるマルチ表示画面に対する表示画面を決定するものであるから、ドライバの習性を考慮した画面配置とすることができ、ドライバにとって認識しやすく、扱いやすい画面となる。
【0087】
更にまた、本発明の実施の形態のマルチ画面表示装置の車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態に応じた判断には、助手席にナビゲータが同乗しているときには、最もドライバから離れた助手席側の表示画面に前記ナビゲーション検索制御画面または前記ナビゲーション地図画面を表示するものであるから、ナビゲータが同乗しているときには、ドライバの負担を軽減するためにも、マニュアル設定により、「画面3」33の助手席側にナビゲーション検索制御画面301、ナビゲーション地図画面302を位置させることもできる。
【0088】
加えて、2以上の画面を表示するワイド画面30からなるマルチ表示画面には、更に、スピードメータ等の計測器類の表示及び/またはレーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する車間距離表示の何れかからなる計測表示画面を追加したものである。したがって、車庫入れや、駐車場では、計測器関係よりも、ブラインドコーナーモニタ画面305、バックガイドモニタ画面304を重要視した画面配置とすることができる。また、ワイド画面30からなるマルチ表示画面は、2乃至5画面の画面表示としたものでは、車両運転状態検出部7で検出した車両運転状態に応じた必要な情報を得ることができる。本発明を実施する場合には、スピードメータ等の計測器類の測定表示、車間距離の数字表現及びキャラクター表現等の表示を行う各種測定装置85によって、測定画面307を1画面使用する場合には4〜5画面、測定画面307として1画面使用しない場合には2〜4画面の使用が好適である。
【0089】
本発明の実施の形態のマルチ画面表示装置のナビゲーション地図画面302は、異なるナビゲーション地図画面302の使用としたものであるから、ドライバの要求する地図を縮尺を変更することなく、表示中の特定の画面から抽出することができる。
特に、異なるナビゲーション地図画面302の使用とは、異なる縮尺の画面及び/または二次元乃至三次元の地図画面としたものであるから、見難い交差点の進行方向等については、異なる縮尺の画面及び/または二次元乃至三次元の地図画面によって、道路が特定されやすいので、ドライバがナビゲーション地図画面302を確認する時間を短時間とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置で表示された各種設定を行う設定画面の説明図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態の「スタートモード」の画面配置の説明図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態の「バックモード」の画面配置の説明図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態の「低速走行モード」の画面配置の説明図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態の「高速走行モード」の画面配置の説明図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態の「走行モード」の画面配置の説明図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態の「一時停止(短時間)モード」の画面配置の説明図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態の「一時停止(長時間)モード」の画面配置の説明図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態の「ナイトビジョン優先モード」の画面配置の説明図である。
【図11】図11は本発明の実施の形態の「ハンズフリー優先モード」の画面配置の説明図である。
【図12】図12は本発明の実施の形態の「ブラインドコーナーモニタ優先モード」の画面配置の説明図である。
【図13】図13は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置のメインルーチンの一部のフローチャートである。
【図14】図14は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置のメインルーチンの残りの一部のフローチャートである。
【図15】図15は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置の出力する画面位置を決定するルーチンのフローチャートである。
【図16】図16は本発明の実施の形態にかかるマルチ画面表示装置の出力する画面位置をマニュアルで決定するルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
1 演算・制御部
2 操作部
3 ディスプレイ
30 ワイド画面
31 画面1
32 画面2
33 画面3
94 画面選択DB部
95 画面位置決定部
301 ナビゲーション検索制御画面
302 ナビゲーション地図画面
303 ナイトビジョン画面
304 バックガイドモニタ画面
305 ブラインドコーナーモニタ画面
306 ハンズフリー送受信画面
307 測定画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面のうち、2以上の画面を同時に表示するマルチ表示画面と、
車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する画面を選択し、かつ、車両運転状態に応じてその選択画面の前記マルチ表示画面の配置を決定する制御回路と
を具備することを特徴とするマルチ画面表示装置。
【請求項2】
前記車両運転状態に応じた判断は、ナビゲーション機能によって道路の走行判断、車両の走行停止の判断、車速判断、ライトの点灯状態の判断、シフトレバーのレンジ位置判断、サイドブレーキの動作状態の判断、自動車電話のハンズフリー送受信判断のうちの1以上の状態判断に基づくことを特徴とする請求項1に記載のマルチ画面表示装置。
【請求項3】
前記制御回路は、ナビゲーション機能によって道路の走行判断がなされ、車両の走行停止判断、シフトレバーのレンジ位置判断、車速状態、サイドブレーキの動作状態の判断によって、停車時間を推定し、前記マルチ表示画面に表示が必要な画面及び前記マルチ表示画面における表示位置を決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチ画面表示装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記車両運転状態としてドライバの運転中の操作を学習し、それによって前記マルチ表示画面に対する表示画面を決定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載のマルチ画面表示装置。
【請求項5】
前記車両運転状態に応じた判断には、助手席にナビゲータが同乗しているときには、最もドライバから離れた助手席側の表示画面に前記ナビゲーション検索制御画面または前記ナビゲーション地図画面を表示することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載のマルチ画面表示装置。
【請求項6】
前記マルチ表示画面には、更に、スピードメータ等の計測器類の表示及び/またはレーダによって先行車を認識し、速度に応じた車間距離を維持する車間距離表示の何れかからなる計測表示画面を追加したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載のマルチ画面表示装置。
【請求項7】
前記マルチ表示画面は、2乃至5画面の画面表示としたことを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載のマルチ画面表示装置。
【請求項8】
前記ナビゲーション地図画面は、異なるナビゲーション地図画面の使用としたことを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1つに記載のマルチ画面表示装置。
【請求項9】
前記異なるナビゲーション地図画面の使用とは、異なる縮尺の画面及び/または二次元乃至三次元の地図画面としたことを特徴とする請求項8に記載のマルチ画面表示装置。
【請求項10】
ナビゲーション装置の各種画面、車両外部を撮像するカメラの各種撮像画面、自動車電話のハンズフリー送受信装置の各種画面のうち、少なくとも2以上の画面をマルチ表示画面で同時に表示し、
車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する画面を切り替え、かつ、車両運転状態に応じて前記マルチ表示画面で表示する選択画面の配置を変更することを特徴とするマルチ画面表示装置のプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2009−154647(P2009−154647A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333809(P2007−333809)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】