説明

リソグラフィ装置の位置決めシステムおよび方法

【課題】 位置決めの正確さおよび/または強健性が改善されたリソグラフィ投影装置のアライメント・システムを提供する。
【解決手段】 リソグラフィ装置の位置決めシステムは、位置決め放射線源1、第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを有する検出システム、および検出システムと連絡する位置決定ユニットを有する。位置決定ユニットは、第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、組み合わせた情報に基づいて、第2オブジェクト上の基準位置に対する第1オブジェクト上の位置決めマークの位置を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はリソグラフィ投影装置の位置決めシステム、およびこのような位置決めシステムを有するリソグラフィ投影装置に係り、特にほぼ並列に検出される少なくとも2つの独立した信号を使用した位置決めマークの位置検出および/または多ターゲット・マークの位置検出を可能にする位置決めシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
リソグラフィ投影装置は、集積回路および/または他のマイクロデバイスを製造するための基本的構成要素である。このような装置の助けにより、異なるマスク・パターンを有する多くのマスクが、正確にアライメント(位置決め、または、位置合わせ)された位置で半導体ウェーハまたはLCDパネルなどの基板上に連続的に画像形成される。基板は、互いに位置合わせされた連続画像間で所望の物理的および化学的変化を受けなければならない。基板は、マスク・パターンに曝露された後、装置から取り出され、所望のプロセス・ステップを経た後、基板は第2マスク・パターンの画像で露光するために置き換えられ、以下同様となるが、その間に第2マスク・パターンの画像およびその後のマスク・パターンが基板に対して正確に配置されることを保証しなければならない。そのため、リソグラフィ投影装置には光学位置決めシステムを設け、それで基板上の位置決めマークをマスク上の位置決めマークに対して位置合わせする。
【0003】
リソグラフィ装置は、ICの製造に使用するばかりでなく、1マイクロメートルのオーダー以下の細かい寸法を有する他の構造の製造にも使用することができる。その例には、集積つまり完全な光学系または磁気ドメイン・メモリの案内および検出パターン、超微細電気機械システム(MEMS)の構造、および液晶表示パネルの構造がある。これらの構造の製造では、マスク・パターンの画像も基板に対して非常に正確に位置合わせしなければならない。
【0004】
リソグラフィ投影装置は、ステップ式装置または走査ステップ式装置でよい。ステップ式装置では、マスク・パターンを1ショットで基板のIC領域に画像形成する。その後、その後のIC領域がマスク・パターンおよび投影レンズ・システムの下に位置し、マスク・パターンがその後のIC領域に画像形成されるような方法で、マスクに対して移動する。このプロセスを、基板の全てのIC領域にマスク・パターン像を設けるまで繰り返す。走査ステップ式装置では、上述したステップ式手順にも従うが、マスク・パターンは1ショットで画像形成されず、走査動作を介して画像形成される。マスク・パターンの画像形成中に、投影システムの倍率を考慮に入れながら、基板を投影システムおよび投影ビームに対してマスクと同期して移動させる。マスク・パターンの連続的に露光した部分の一連の並置部分像が、IC領域に画像形成される。マスク・パターンをIC領域に完全に画像形成した後、その後のIC領域で1ステップ実行する。可能な走査手順が雑誌「Semiconductors International」1986年5月号137〜142ページのD. A. Markleによる記事「Sub-micron 1:1 Optical Lithography」に記載されている。
【0005】
米国特許第5243195号が、位置決めシステムを設け、ICの製造を意図した光学リソグラフィ投影装置を開示している。この位置決めシステムは、基板の位置決めマークをこのアライメント・ユニットに対して位置合わせするため、オフアクシス・アライメント・ユニットを備える。また、この位置決めシステムは、投影レンズ(TTL)を介して基板のマークをマスクのマークと位置合わせする第2アライメント・ユニットを備える。投影レンズを介したアライメント(オンアクシス・アライメント)は、現世代の光学リソグラフィ投影装置多くに頻繁に使用され、基板およびマスクを相互に対して直接位置合わせできるという利点を提供する。オフアクシス・アライメント法を使用する場合は、米国特許第5243195号に記載されたようなベースラインのオフセットを考慮に入れなければならない。しかし、IC上のコンポーネントのサイズが縮小し続け、複雑さが増しているので、オンアクシス・位置決めシステムは、必要な精度および正確さを達成するのに十分なほど改良するのが困難であることが判明した。
【0006】
基板の表面積当たりの電子コンポーネント数の増加と、それに伴うそれらコンポーネントのサイズ縮小に関連して、集積回路を作成する際の正確さに対する要件がますます厳格になっている。したがって、連続するマスクを基板に画像形成する位置を、ますます正確に固定しなければならない、線幅が小さくなった新世代ICの製造では、アライメント精度を向上させなければならない。つまり、より小さい偏差を検出できなければならず、したがって位置決めシステムの解像力を向上させなければならない。他方で、線幅が減少した場合に、投影レンズ・システムの必要な開口数(NA)が増加するので、基板の平坦さに対する要件も、さらに厳密になる。NAが増加するにつれ、このシステムの焦点深度が減少する。投影レンズ・システムの所望の比較的大きい画面サイズで、多少の画面サイズの湾曲が発生するので、基板の凹凸にはほとんど余地が残っていない。所望の基板の平坦さを獲得するため、投影装置内で異なるマスク・パターンに連続して2回曝露する間に入れる化学機械研磨(CMP)プロセスによって、基板を研磨するよう提案されている。しかし、この研磨プロセスは、オンアクシス・アライメント法の正確さに影響を及ぼす。この方法では、格子を基板の位置決めマークとして使用し、この格子によって1次で回折するサブビームを、レチクル・マークに基板のマークを画像形成するために使用する。このプロセスでは、基板の格子マークの充填がレチクルの位置決めマークの充填に対して位置合わせされていると、基板がレチクルに対して正確に位置合わせされていると仮定する。その場合、各格子マークの充填は、格子の幾何学的中心と一致すると仮定されている。しかし、CMPプロセスにより基板の格子マークが非対称になり、したがってこのアライメント方法はもはや信頼できない。また、様々な処理ステップが、基板の格子マークの溝の有効深さに非対称性および変化を導入するなど、位置決めマークの変化をもたらす。他の処理ステップおよび/または方法も、往々にして異なるタイプの誤差を導入する。例えば、Cuダマシン・プロセスは、IC表面へのランダム分布にアライメント誤差を持ち込む傾向がある。リソグラフィ技術で構築する構造のサイズが縮小し、複雑さが上がるにつれ、アライメントの正確さを改善しようという要求が常にある。アライメントの正確さが改善されないと、解像力の改善を利用することができない。また、マイクロデバイスがさらに複雑になっているので、アライメント誤差のために製造プロセス中に廃棄しなければならない基板の数を制御し、最少にするための技術に対する要求が上がっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、アライメントの正確さおよび/または強健性が改善されたリソグラフィ投影装置の位置決めシステムを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記目的およびその他の目的を達成するために、リソグラフィ装置の位置決めシステムに、アライメント放射線源と、第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを備える検出システムと、前記検出システムと連絡する位置決定ユニットとを設ける。位置決定ユニットは、第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、組み合わせた情報に基づいて、第2物体上の基準位置に対する第1物体上の位置決めマークの位置を決定する。
【0009】
本発明の別の形態によると、リソグラフィ投影装置は、照明放射線源と、照明放射線源の放射線経路に配置された基板ステージ・アセンブリと、照明放射線源の放射線経路に、ソースと基板ステージ・アセンブリとの間に配置されたレチクル・ステージ・アセンブリと、レチクル・ステージ・アセンブリと基板ステージ・アセンブリとの間に配置された投影システムと、投影システムに隣接して配置され、基板ステージ・アセンブリの近傍にあるオフアキシャル・位置決めシステムとを有する。オフアキシャル・位置決めシステムは、アライメント放射線源と、第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを備える検出システムと、検出システムと連絡する位置決定ユニットとを有する。位置決定ユニットは、第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、組み合わせた情報に基づいて、第2物体上の基準位置に対する第1物体上の位置決めマークの位置を決定する。位置決めシステムは、照明放射線の前記放射線経路から離して配置してもよい。必要なことは、位置決めシステムからのアライメント放射園が基板ステージ・アセンブリに到達できることである。
【0010】
本発明の別の形態によると、マイクロデバイスの製造で加工物を位置合わせする方法は、加工物上に多ターゲット・位置決めマークを形成することと、複数の検出器を有する位置決めシステムで多ターゲット・位置決めマークを走査することとを含み、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットは、位置決めシステムの複数検出器のうち第1検出器で検出されるような構成であり、多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットは、位置決めシステムの複数検出器のうち第2検出器から検出されるような構成であり、さらに多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットに応答して、位置決めシステムの第1検出器から第1信号を受信することと、多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットに応答して、位置決めシステムの第2検出器から第2信号を受信することと、第1および第2信号からの情報に基づき、所定の基準位置に対する加工物上の位置決めマークの位置を決定することとを含む。
【0011】
本発明の別の形態によると、測定領域内でマイクロデバイスを製造するために加工物上の位置決めマークを捕捉する方法は、加工物上に多格子位置決めマークを形成することと、複数の検出器を有する位置決めシステムで多格子位置決めマークを走査することと、多格子位置決めマークから第1および第2格子を選択することと、複数の検出器のうち第1検出器からの多格子位置決めマークの第1格子からのほぼ周期的な第1信号を、複数の検出器のうち第2検出器からの多格子位置決めマークの第2格子からのほぼ周期的な第2信号と比較することと、比較に基づいて捕捉範囲を決定することとを含む。第1格子は、第1次より大きい次数を強化する回折次数強化格子でよく、第2格子は、第1次より大きい次数を強化する回折次数強化格子でよい。
【0012】
本発明の別の形態によると、マイクロデバイスの製造に使用する位置決めマークは、第1検出パターンを有する第1ターゲットと、第2検出パターンを有する第2ターゲットとを有する。第1ターゲットは、第1検出器で検出されるような構成であり、第2ターゲットは、第2検出器で検出されるようなこうせいである。
【0013】
本発明の別の形態によると、マイクロデバイスの製造に使用する回折次数強化位置決めマークは、周期的パターンおよびサブパターンを有する回折格子パターンを有する。回折次数強化格子は、非ゼロ次数の回折されたビームの強度を強化する。
【0014】
本発明の別の形態によると、マイクロデバイスの製造に使用する位置決めマークは、検出パターンおよび処理パターンを有するターゲットを有する。処理パターンは、製造中に前記マイクロデバイスの変化に対応してマイクロデバイス処理中に変化する構造を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】様々な測定システムを有する走査ステップ式投影装置の実施形態を示す。
【図2】基板位置決めマークの実施形態を示す。
【図3】マスクのマークと基板のマークを相互に対して位置合わせする二重アライメント・ユニットの実施形態を示す。
【図4】本発明の実施形態によるオフアキシャル・位置決めシステムを有するリソグラフィ装置の略図である。
【図5】本発明によるオフアクシス・アライメント・ユニットの実施形態を示す。
【図6】本発明の実施形態に使用する基準格子を有するプレートを示す。
【図7】本発明の実施形態のウェッジ・エレメントによる偏向を示す。
【図8】本発明の実施形態によるアライメント・ユニットの第1および第2レンズ・システムの好ましい配置構成を示す。
【図9】アライメント・ユニットの第2実施形態にある偏向エレメントの構造として使用するウェッジ形プレートのシリーズを示す。
【図10】このシリーズがサブビームを偏向する方法を示す。
【図11】2つの波長を有するアライメント放射線を使用するアライメント・ユニットの実施形態で、このプレートの面におけるサブビームの位置を示す。
【図12】2つの波長を使用するアライメント・ユニットの実施形態を示す。
【図13】この実施形態に使用する好ましいビーム・スプリッタを示す。
【図14】投影レンズおよび基板に対するアライメント・ユニットの位置を示す。
【図15】図5Aから図15Dは、タングステン化学機械研磨(W−CMP)プロセスによる位置決めマークへの非対称損傷を示す。
【図16】検出チャネルの回折次数の関数として、W−CMPプロセスによるアライメント誤差を示す。
【図17】異なる方法でプロットした図16のアライメント誤差を示す。
【図18】半導体ウェーハ4個の周期性の関数として、W−CMPおよびアルミニウム物理蒸着(Al−PVD)プロセスによる疑似拡張エラーを示す。
【図19】半導体ウェーハ4個の周期性の関数として、W−CMPおよびAl−MVDプロセスによる疑似回転エラーを示す。
【図20】半導体ウェーハのスクライブ線に書き込まれたXおよびY2ターゲット・位置決めマークの略図である。
【図21】本発明の実施形態によるオフアキシャル・位置決めシステムで、2つの波長の一方に関する回折次数チャネル7本からの出力信号を示す。
【図22】本発明の実施形態により、半導体ウェーハのスクライブ線を形成するのに適した4ターゲット・位置決めマークの略図である。
【図23】図23Aから図23Dは、本発明の実施形態による位置決めマークのターゲットに適した回折次数強化格子の部分の略断面図である。
【図24】処理構造を有するアライメント格子の下部構造を示す斜視図である。
【図25】本発明によるアライメント捕捉システムおよび方法の概念を説明する略図である。
【図26】図26A、図26Bおよび図26Cは、本発明の実施形態によるプロセス固有のターゲットを有する多ターゲット・位置決めマークの略図である。
【図27】本発明の別の実施形態による多ターゲット・位置決めマークの略図である。
【図28】本発明の実施形態による半導体処理システムを示す。
【図29】本発明の実施形態による処理品質制御を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明による方法および装置を、例示により特定の実施例について説明する。広い意味での本発明思想は、特に説明されているこれらの実施形態にのみ制限されるものではない。本発明を、基板(加工物)に対するマスクの最終的なアライメントを得るため、組み合わせて使用することができるオンアクシス(軸線上:オンアキシャルとも言う)およびオフアクシス(非軸線上:オフアキシャルとも言う)の位置決めシステム両方を含むフォトリソグラフィ・システムの位置決めシステムに関して説明する。アキシャル位置決めシステムは、レンズ通し(TTL)またはレチクル通し(TTR)システムなど、位置決めマークを照明する独立した放射線源を有するか、露光放射線と同じ放射線を使用することができる。以下の例では、本発明例として、TTLシステムをオフアキシャル・システム(OAS)との関連で説明する。さらに、本発明は、回折投影システムを有するフォトリソグラフィ・システム、さらに現在使用されているより短い波長の電磁放射線を使用する他のタイプのリソグラフィ・システム、屈折および/または回折撮像光学系を使用するシステムおよび/または磁気、電磁気および/または静電気撮像光学系で画像形成する電子線などの荷電粒子ビームのような他のタイプの放射線を使用するシステムへの適用も構想する。本発明の実施例は、リソグラフィ・システムの位置決めシステムを、さらに処理する前にフォトレジストの露光の正確さを測定するために使用する計測ツールなどの自動プロセス制御(APC)システムの他のコンポーネントに統合することも構想する。
【0017】
次に、オンアクシス・アライメント・ユニットおよび他の測定システムを有する光学リソグラフィ投影装置を、本発明の実施例に組み込むことができるシステムの例として説明する。
【0018】
図1は、マスク・パターンを基板上に走査ステップ式に画像形成するような装置の実施例の光学素子を概略的に示す。この装置は、その主コンポーネントとして、投影システムPLを組み込んだ投影カラムを備える。このシステムの上には、画像形成すべきマスク・パターンCを設けたマスクMAのマスク・ホルダMHを配置する。マスク・ホルダはマスク・ステージMTの部分である。基板ステージWTを投影レンズ・システムPLの下に配置する。このテーブルは、感光性を設けた基板Wの基板ホルダWHを備える。マスク・パターンCは、感光層に何回も画像形成しなければならず、回ごとに領域、つまりIC領域Wdが異なる。基板テーブルは、XおよびY方向に移動可能であり、したがって第1IC領域でマスク・パターンを画像形成した後、その後のIC領域をマスク・パターンの下に配置することができる。
【0019】
装置は、さらに、例えばクリプトン・フッ素エキシマ・レーザまたは水銀灯などの放射線源LA、レンズ・システムLS、ミラーREおよび集光レンズCOを設けた照明システムを備える。照明システムによって供給された投影ビームPBがマスク・パターンCを照明する。このパターンは、基板WのIC領域上の投影レンズ・システムPLによって画像形成される。投影レンズ・システムは、例えば倍率M=1/4、開口数NA=0.6、および直径22mmの回折で制限された画面サイズを有する。
【0020】
装置には、さらに幾つかの測定システム、つまりXY面でマスクMAおよび基板Wを相互に対して位置合わせするシステム、基板ホルダの、したがって基板の位置および方位を決定する干渉計システム、および投影レンズ・システムPLの焦点面または画像面と基板Wの表面との間の差を決定する焦点誤差検出システムを設ける。これらの測定システムは、電子信号処理および制御回路およびドライバ、つまり測定システムによって供給された信号に対して、基板および焦点の位置および方位を補正できるアクチュエータを備えるサーボ・システムの部分である。
【0021】
位置決めシステムは、図1の右上部分に示すマスクMAの2つの位置決めマークM1およびM2を使用する。図2で示すように、これらのマークは回折格子でよいが、代替的に周囲から光学的に識別される正方形または星形などの他のマークでよい。位置決めマークは2次元でよい。つまり、図1のXおよびY方向である2つの相互に直角の方向に延在するか、またはXおよびY方向の両方に延在する他のマークと組み合わせて使用してもよい。基板W、例えば半導体基板は、少なくとも2つの位置決めマークを有し、これは2次元回折格子でよく、そのうち2つP1およびP2を図1に示す。マークP1およびP2は、基板WのIC領域の外側に位置する。格子マークP1およびP2は、位相格子として実現することが好ましく、格子マークM1およびM2は、増幅格子として実現することが好ましい。隣接する回路間のスクライブ線に沿って、他のタイプの位置決めマークを設けてもよい。
【0022】
図1は、オンアクシス・アライメント・ユニットの特殊な実施例、つまりそれぞれ基板の位置決めマークP2をマスクの位置決めマークM2上に位置合わせし、基板の位置決めマークP1をマスクの位置決めマークM1に位置合わせするのに、2本のアライメント・ビームbおよびb’を使用する二重アライメント・ユニットを示す。ビームbは、ミラーなどの反射エレメント30で反射してプリズム26の反射表面27に向かう。表面27はビームbを基板の位置決めマークP2へと反射し、これは放射線の一部をビームb2として関連するマスク・マークMへと送り、ここにマークP2の像が形成される。マークM2の上には、マークM2が渡した放射線を放射線感受性検出器13へと配向するプリズムなどの反射エレメント11が配置される。
【0023】
第2アライメント・ビームb’は、ミラー31で反射して、投影レンズ・システムPLの反射器29に向かう。この反射器は、ビームb’をプリズム26の第2反射表面28に送り、この表面がビームb’を基板の位置決めマークP1へと配向する。このマークは、ビームb’の放射線の一部をビームb’1としてマスクの位置決めマークM1へと反射し、ここにマークP1の像が形成される。マークM1を通過するビームb’1の放射線は、反射器11’によって放射線感受性検出器13’へと配向される。
【0024】
図2は、2つの等しい基板マークのうち一方を、位相格子の形態で拡大して示す。このような格子は、4つの部分格子P1,a、P1,b、P1,cおよびP1,dで構成することができ、そのうち2つP1,bおよびP1,dがX方向のアライメントに貢献し、他の2つP1,aおよびP1,cがY方向のアライメントに貢献する。2つの部分格子P1,bおよびP1,cは、例えば16μmなどの格子周期を有し、部分格子P1,aおよびP1,dは例えば17.6μmなどの格子周期を有する。各部分格子は、例えば200×200μmなどの寸法を有してよい。原則的に0.1μmより小さいアライメントの正確さは、この格子マークおよび適切な光学系で達成することができる。異なる格子周期を選択することで、アライメント・ユニットの捕捉範囲を拡大することができる。この範囲は、例えば40μmである。
【0025】
図3は、わずかに変形したアライメント・ユニットの光学素子を、さらに詳細に示す。二重アライメント・ユニットは、2つの別個で等しい位置決めシステムAS1およびAS2を備え、これは投影レンズ・システムPLの光学軸AA’に対して対称に配置される。位置決めシステムAS1はマスク・位置決めマークM2を伴い、位置決めシステムAS2はマスク・位置決めマークM1を伴う。2つの位置決めシステムの対応する要素は、同じ参照番号で示され、システムAS2のそれは、システムAS1のそれと区別するようダッシュを付ける。
【0026】
次にシステムAS1の構造、さらにマスク・マークM2と例えば基板マークP2との相互位置をこのシステムで決定する方法について説明する。
【0027】
位置決めシステムAS1は、放射線源1、例えばアライメント・ビームbを放射するヘリウム・ネオン・レーザを備える。このビームはビーム・スプリッタ2によって基板Wへと反射する。ビーム・スプリッタは、半透明ミラーまたは半透明プリズムで構成してよいが、λ/4プレート3の前にある偏光感受性分割プリズム2で構成することが好ましく、ここでλはビームbの波長である。投影レンズ・システムPLは、基板W上の約1mmの直径を有する小さい放射線スポットBにビームbを集束する。この基板はビームの一部をビームb1としてマスクMAに反射する。ビームb1は投影レンズ・システムPLを横断し、このシステムは放射線スポットVをマスクに画像形成する。基板を投影装置内に配置する前に、放射線スポットVが基板のマークP2上に位置するよう、装置に結合されたアライメント前ステーション、例えば欧州特許出願第0164165号に記載されたステーション内で事前にアライメントする。次に、このマークをビームb1でマスク・マークM2に画像形成する。投影レンズ・システムの倍率Mを考慮に入れて、2つのマークを相互に正確に配置すると、マークP2の像がマークM2に正確に一致するよう、マスク・マークM2の寸法を基板マークP2の寸法に適応させる。
【0028】
基板Wとの間の経路で、ビームbおよびb1はλ/4プレート4を2回横断し、その光学軸は、光源1から来る直線偏光ビームbの偏光方向に対して45°の角度にある。これで、λ/4を通過したビームb1は、ビームbに対して90°回転した偏光方向を有し、したがってビームb1は偏光分割プリズムを通過する。偏光分割プリズムをλ/4プレートと組み合わせて使用すると、アライメント・ビームを位置決めシステムの放射線経路に結合する場合に、放射線損が最小になるという利点が与えられる。
【0029】
位置決めマークM2を通過するビームb1は、プリズム11で反射し、例えばさらなる反射プリズム12によって放射線感受性検出器13へと配向される。この検出器は、例えば、図2に示す部分格子の数と一致する4つの独立した放射線感受性領域などを有する複合フォトダイオードである。検出器領域の出力信号は、マークM2と基板マークP2の像との一致の尺度である。これらの信号は電気的に処理し、マークPの像がマークMと一致するよう、駆動システム(図示せず)によってマスクと基板とを相互に移動させるために使用することができる。このように、自動位置決めシステムが獲得される。
【0030】
例えばビームb1の一部分をビームb2として分割する部分的に透明なプリズムなどの形態のビーム・スプリッタ14を、プリズム11と検出器13の間に配置することができる。分割されたビームは、例えば2枚のレンズ15および16などを介して、投影装置のオペレータに位置決めマークP2およびM2が見えるモニタ(図示せず)に結合されたテレビ・カメラ17へと入射する。これで、このオペレータは、2つのマークが一致するか確認し、マークが一致するようマニピュレータによって基板Wを移動させることができる。
【0031】
マークM2とP2に関して以上で説明したのと同様に、マークM1とP2およびマークM1とP1は、相互に対して位置合わせすることができる。最後に述べた2つの位置合わせに、位置決めシステムAS2を使用する。
【0032】
二重アライメント・ユニットの構造およびアライメント手順に関するさらなる詳細は、米国特許第4778275号を参照し、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0033】
図1に示すオンアクシス・アライメント・ユニットの実施例は、例えば248nmなどの短い波長を有する投影ビームPB、および例えば633nmなどの非常に長い波長を有するアライメント・ビームを使用する装置には、特に適している。
【0034】
投影レンズ・システムは、投影ビームPBの波長に合わせて設計されているので、このシステムPLを、アライメント・ビームによって位置決めマークP1、P2およびM1およびM2を相互に画像形成するために使用すると、差が生じる。例えば、基板位置決めマークは、マスク・位置決めマークが位置するマスク・パターンの面にはなく、そこから所定距離に画像形成され、この距離は、投影ビームとアライメント・ビームの波長の差、および2つの波長の投影レンズ・エレメントの材料の屈折率の差によって決定される。投影ビームが、例えば248nmの波長を有し、アライメント・ビームが633nmの波長を有する場合、この距離は2mmでよい。さらに、前記波長差のため、基板位置決めマークは、所望の倍率とは異なり、しかも波長の差とともに増大する倍率で、マスク・位置決めマークに画像形成される。
【0035】
前記差を補正するため、投影レンズ・システムPLは、追加のレンズ、つまり補正レンズ25を組み込む。補正レンズは、一方で、アライメント・ビームの異なる回折次数のサブビームで、基板位置決めマークから発し、それによって生成されるサブビームが、補正レンズの面にて、これらのサブビームに別個に影響を及ぼせるほど十分に分離され、他方では、この補正レンズが、投影ビームおよびそれで形成されるマスク・パターン像に些細な影響しか与えないような高さで、投影レンズ内に配置される。補正レンズは、投影レンズ・システムのフーリエ面に配置することが好ましい。図3に示すように、アライメント・ビームbおよびb’の主光線が相互に交差する面に補正レンズ25が位置する場合、このレンズを、両方のアライメント・ビームの補正に使用することができる。
【0036】
所望に応じて、回折エレメントなどのウェッジ(くさび)または異なる偏向エレメントを、位置決めマークの近位側でアライメント・ビームの経路に配置することができる。このような偏向エレメント(図3には図示せず)があると、検出器13または13’が受ける選択アライメント・ビーム部分内の意図しない位相差によって生じるアライメント誤差を防止することができ、この位相差は、基板の位置決めマークから来るアライメント・ビーム部分の対称軸がマスク・プレートに直角でない場合に生じ、したがってこのプレート内に疑似反射が生じることがある。このような偏向エレメントを設けたアライメント・ユニットが、欧州特許出願第0467445号に記載されている。
【0037】
グローバル・アライメントと呼ばれるマスクに対する基板全体の位置合わせに使用し、図1に図示されたグローバル・位置決めマークP1およびP2に加えて、基板には、各IC領域をマスク・パターンに対して別個に位置合わせするよう、IC領域ごとにさらなる位置決めマークを設けてもよい。マークは、例えばZ軸を中心とするマスクの回転を補正できるよう、このような回転を測定するため、さらなる位置決めマークを使用できる3つ以上の位置決めマークも備えることができる。
【0038】
投影装置は、さらに、投影レンズ・システムPLの焦点面と基板Wの表面との偏差を決定する焦点誤差検出システムも備え、したがってこの偏差は、例えばその軸線、つまりZ軸に沿って投影レンズ・システムを移動させることにより、補正することができる。このシステムは、投影レンズ・システムに固定接続されたホルダ(図示せず)内に配置されたエレメント40、41、42、43、44、45および46によって構成することができる。参照番号40は、集束ビームb2を発する放射線源、例えばダイオード・レーザを指す。このビームは、反射プリズム42によって基板上に小さい角度で配向される。基板で反射したビームは、プリズム43によって逆反射器44に配向される。エレメント44は自身内にビームを反射し、したがってビーム(b3’)は再びプリズム43、基板Wおよびプリズム42での反射を介して同じ経路を移動する。
【0039】
ビームb3’は、部分的に反射するエレメント41および反射エレメント45を介して放射線感受性検出システム46に到達する。この検出システムは、例えば位置依存検出器、または2つの独立した検出器で構成される。このシステム上にビームb3’によって形成される放射線スポットの位置は、投影レンズ・システムの焦点面が基板Wの面と一致する程度によって決定される。焦点誤差検出システムの包括的な説明については、米国特許第4356392号を参照されたい。
【0040】
基板ホルダのXおよびY位置を正確に決定するため、ステップ式投影装置に、多軸干渉計システムを設ける。米国特許第4251160号は、2本の測定軸があるシステムについて記載し、米国特許第4737283号は、3本の測定軸があるシステムについて記載している。図1では、このような干渉計システムが、エレメント50、51、52および53によって線図で図示され、測定軸は1本のみ、つまりX軸が図示されている。レーザの形態で放射線源50が発するビームb4は、ビーム・スプリッタ51によって分割されて測定ビームb4,mおよび基準ビームb4,rになる。測定ビームは基板ホルダWHの反射側面54に到達し、反射した測定ビームはビーム・スプリッタ51によって、コーナー・キューブなどの静止逆反射器が反射した基準ビームと組み合わされる。組み合わされたビームの強度は、検出器53で測定され、基板ホルダWHの変位、この場合はX方向の変位は、この検出器の出力信号から導出することができ、このホルダの瞬間位置も決定することができる。
【0041】
図1の線図で示すように、単純にするため1つの信号S53で表された干渉計信号、および二重アライメント・ユニットの信号S13およびS’13を、マイクロコンピュータなどの信号処理ユニットSPUに与え、これは前記信号を処理して、アクチュエータACのための信号SACを制御し、これによって基板ホルダをXY面で基板テーブルWTを介して移動させる。
【0042】
図1に示すX測定軸ばかりでなくY測定軸、場合によっては第3測定軸も有する干渉計システムがあると、マスクおよび基板の相互に対する初期アライメント、つまりグローバル・アライメント中に、位置決めマークP1、P2およびM1、M2の位置、およびその間の相互距離を、静止干渉計システムによって画定された座標系内で固定することができる。この干渉計システムは、基板テーブルを非常に正確に移動するためにも使用され、これは第1IC領域から第2IC領域へと非常に正確にステップできるよう、ステップ式投影装置にとって必要である。
【0043】
図1に示すように、投影装置が、IC領域内でマスク・パターンを投影する間にマスクと基板とを同時に移動しなければならない走査ステップ式装置である場合、マスクも一方向、つまり走査方向に移動しなければならない。投影レンズ・システムの倍率Mを考慮に入れると、この移動は、基板の対応する移動と同期しなければならない。次に、マスクおよび基板は、投影中は相互に対して静止し、両方とも投影レンズ・システムおよび投影ビームに対しては移動しなければならない。マスクの移動を測定するため、装置には第2干渉計システムを設ける。この干渉計システムは、エレメント50、51、52、53および54と同様の機能を有するエレメント60、61、62、63および64を備える。単純にするため図1では信号S63で表されたマスク干渉研システムからの信号を、信号処理ユニットSPUに与え、ここでこの信号を基板干渉計システムからの対応する信号と比較する。これで、マスクおよび基板が相互に正確な位置を有したり、同期して移動したりしているか確認することができる。
【0044】
マスクのXおよびY方向の位置をXr、Yrで、基板のそれをXw、Ywで、Z軸を中心とする回転をφr,rおよびφz,wで表すと、マスクおよび基板が相互に対して正確に配置された場合、以下の状態を満足する。
【0045】
【数1】

【0046】
【数2】

【0047】
【数3】

【0048】
ここで、Mは投影レンズ・システムの倍率である。マスクおよび基板が反対方向に移動すると仮定している。これらのエレメントが同じ方向に移動する場合は、上記の状態でMの前にあるマイナス記号をプラス記号で置換しなければならない。
【0049】
これらの条件を満たしたか確認するには、基板の干渉計システムとマスクの干渉計システムとの両方が3つの測定軸を有することで十分である。
【0050】
しかし、基板干渉計システムは、5つの測定軸を有することが好ましい。次に、Xw、Ywおよびφz,wばかりでなく、φx,wおよびφy,,w、つまりX軸およびY軸を中心とした傾斜も計算することができる。
【0051】
このようなマスクの傾斜を測定できるようにするには、5軸マスク干渉計システムを使用するか、Xr、Yrおよびφz,rを求める3軸干渉計システムと、φx,rおよびφy,r測定用容量センサなどの他のセンサとの組合せを使用することができる。
【0052】
w、Yw、φx,w'およびφy,,wおよびXr、Yr、φz,r、φx,r、φy,rを、焦点誤差検出システムZwおよびZr、つまり基板およびマスクのZ軸に沿った位置の助けを借りて測定することができれば、条件(1)、(2)および(3)ばかりでなく、以下の条件も満たすか確認することができる。
【0053】
【数4】

【0054】
【数5】

【0055】
【数6】

【0056】
マスクの位置決めマークと基板の位置決めマークを相互に対して相互位置合わせする図3に関して説明したオンアクシス・アライメント・ユニットは、所与の最小値までの線幅を有する像を形成するステップ式投影装置と走査ステップ式投影装置との両方に非常に適していることが判明した。しかし、IC製造に新規技術を使用し、像の線幅が縮小すると、既知のアライメント・ユニットの正確さおよび信頼性に関する限り、問題が生じる。線幅を縮小した場合、アライメントの正確さを向上させなければならない。前記CMPプロセスを使用すると、基板格子マークに非対称性が持ち込まれ、したがって1次サブビームを使用するアライメント手順が信頼できなくなる。さらに、1つの波長を有するアライメント・ビームを使用する場合、位置決めマークの格子溝の深さに厳密な要件を設けなければならず、その要件を満たすには、困難さが増してしまう。
【0057】
これらの問題は全て、基板マークの位置合わせにオフアクシス・アライメント・ユニットを使用し、より高次のサブビーム、つまり位置合わせに2以上の回折次数を有するサブビームを使用することにより解決することができる。基板マークのアライメントの実行にもはや投影レンズ・システムが関与しないので、さらにサブビームを、特により高次のサブビームを使用する自由度が高くなる。アライメント・ユニットの解像力はサブビームの次数の増加とともに向上するので、アライメントの正確さを大幅に向上させることができる。特に、より高次のサブビームは基板の格子マークの縁によって決定され、格子の中心と比較して、これらの縁は格子の対称に影響する前記CMPプロセスおよび他の措置からの影響が少ないので、格子マークの非対象に関する問題が、ほとんど解消される。さらに、格子溝の深さに課された要件が大幅に緩和できるよう、複数の波長を有するアライメント放射線を使用することも可能である。
【0058】
以下で解明されるように、回折次数は、電子的手段および/または関連するソフトウェアによってではなく、本発明によるアライメント・ユニットの光学素子によって、相互から分離される。その結果、信号の振幅を測定する必要はないが、この種の技術ではより伝統的な位相測定を使用することができる。
【0059】
図4は、オフアクシス・位置決めシステムを有するリソグラフィ・システムの略図である。オフアクシス・位置決めシステムは、2つの異なる波長で位置決めマークを照明する2つの放射線源70、例えば赤いレーザおよび緑のレーザを有する。両方のレーザは、位置決めマークを同時に照明し、反射光は別個の検出器チャネル(例えば赤いチャネルおよび緑のチャネル)に配向される。したがって、2つの波長チャネルそれぞれの信号が並列で獲得される。また、2つの波長それぞれで、幾つかの回折次数を別個に検出することができ、したがって信号を並列に出力する複数の色/次数チャネルが提供される。位置決定ユニットPDUは、検出システムの複数の色/次数チャネルと連絡する。位置決定ユニットPDUは、特定の機能を実行する固定配線専用装置であるか、所望の機能を実行するようプログラムされたプログラム可能なコンピュータを含むことができる。また、図1に示したSPUとは別個のユニットか、ソフトウェアを通してSPUに実装することができる。位置決定ユニットDPUは、色/次数チャネルのうち少なくとも2つからの信号を処理し、検出中の位置決めマークの位置を決定する。
【0060】
図5は、本発明の実施例によるオフアクシス・アライメント・ユニットの略図である。本明細書で説明する位置決めシステムの多くの構造的特徴は、米国特許第6297876号に記載されたものと同様、または同じであり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。格子の形態の基板マークを、P1で示す。この格子に入射する波長λを有する平行アライメント・ビームbは、格子に直角に異なる角度αn(図示せず)で延在する幾つかのサブビームに分割され、その角度は既知の格子数式で定義される。
【0061】
【数7】

【0062】
ここで、Nは、回折次数、Pは格子周期である。
【0063】
格子で反射したサブビームの経路は、レンズ・システムL1を組み込み、これはサブビームの様々な方向を、そのサブビームの面73における様々な位置unに変換する。
【0064】
【数8】

【0065】
この面に、様々なサブビームをさらに分離する手段を設ける。そのため、この面にプレートを配置することができ、それに例えばウェッジの形態の偏向エレメントを設ける。図5では、ウェッジ・プレートをWEPで示す。ウェッジを、例えばプレートの後側に設ける。次に、プリズム72をプレートの前側に設けることができ、これによりHe−Neレーザなどの放射線源70から来るアライメント・ビームを、アライメント・ユニットに結合することができる。このプリズムは、0次サブビームが検出器に到達するのを防止することもできる。ウェッジの数は、使用するサブビームの数に対応する。図示の実施例では、プラスの次数の次元ごとに6個のウェッジがあり、したがってサブビームは、アライメントのために7次まで使用することができる。全てのウェッジは異なるウェッジ角度を有し、したがって異なるサブブームの最適な分離が獲得される。
【0066】
第2レンズ・システムL2を、ウェッジ・プレートの背後に配置する。このレンズ・システムは、マークP1を基準プレートRGPの面に画像形成する。ウェッジ・プレートがないと、全てのサブビームが基準面に重ねられてしまう。ウェッジ・プレートを通る様々なサブビームが異なる角度で偏向するので、サブビームが形成した像は、基準面の様々な位置に到達する。この位置Xnは下式によって与えられる。
【0067】
【数9】

【0068】
ここで、γは、サブビームがウェッジ・プレートによって偏向する角度である。
【0069】
これらの位置に、図6で示すように基準格子G90〜G96を設けることができる。独立した検出器90〜96をこれらの基準格子それぞれの背後に配置する。各検出器の出力信号は、基板格子P1の像が関連する基準格子と一致する程度によって決定される。したがって、基板格子のアライメントの程度、したがって基板のアライメントの程度を、各検出器90〜96で測定することができる。しかし、実行する測定の正確さは、使用するサブビームの次数によって決定される。この次数が大きくなるにつれ、正確さが向上する。図6では、単純にするため、全ての基準格子G90〜G96が同じ格子周期を有すると仮定している。しかし、実際には各格子の格子周期は、関連するサブビームの次数に適応する。次数が大きくなるにつれ、格子周期が小さくなり、検出できるアライメント誤差が小さくなる。
【0070】
これまでは、1セットの回折次数しか考慮していない。知られているように、回折格子は、+1、+2、+3などの次数のサブビームに加えて、回折次数が−1、−2、−3などのサブビームも形成する。格子像を形成するには、プラス次数とマイナス次数のサブビームの両方を使用することができる。つまり格子マークの第1像は、+1および−1次のサブビームが共同して形成し、第2像は+2および−2次のサブビームが共同して形成し、以下同様である。+1次および−1次のサブビームでは、ウェッジを使用する必要がないが、路長の差を補償する平行平面プレートを、ウェッジ・プレートの面で、これらのサブビームの様々な位置に設けることができる。したがって、2〜7次には、プラスの次数とマイナスの次数の両方で6個のウェッジが必要である。
【0071】
図7は、図5の実施例のウェッジの働きをさらに明瞭に示す。より概略的な図7では、第1レンズ・システムL1および第2レンズ・システムL2を波線で示す。明快さを期して、1次のサブビームb(+1)およびb(−1)、7次のサブビームb(+7)およびb(−7)、および別の次数のサブビームb(+i)およびb(−i)、例えば5次を示す。図7で示すように、ウェッジ80および80’のウェッジ角度、つまりウェッジの傾斜面がウェッジ・プレートWEPの表面と形成する角度は、サブビームb(+7)およびb(−7)が平行方向に偏向し、第2レンズ・システムによって1つの基準格子G96上に収束するような角度である。また、サブビームb(+1)およびb(−1)は、関連するウェッジ82および82’によって平行方向に偏向し、1つの基準格子G91上に集束する。1次サブビームは偏向せず、第2レンズ・システムによって1つの基準格子G93上に集束する。各回折次数のプラスの次数とマイナスの次数の両方を使用することにより、基板格子マークP1の真実の像が関連する基準格子上に形成され、使用可能な放射線が最大限に使用される。
【0072】
図8は、マークP1の面、およびレンズ・システムL1およびL2の基準格子プレートに対する好ましい位置、およびこれらのレンズ・システムの焦点距離を示す。レンズ・システムは焦点距離f1を有し、このシステムはマークP1の面から距離f1に配置される。レンズ・システムL1は、サブビームの主光線を光軸OO’に平行な方向に偏向する。第1レンズ・システムと第2レンズ・システム間の距離はf1+f2に等しく、これによりf2は第2レンズ・システムの焦点距離である。基準格子プレートは第2レンズ・システムから距離f2に配置される。2つのレンズ・システム間の経路と同様、サブビームの主光線は光軸OO’に平行であり、ウェッジ・プレートの位置は重要でない。
【0073】
図4の実施例では、同じ回折次元でプラスおよびマイナスの次数のサブビームが、第2レンズ・システムによって関連する基準格子上に正確に重ねられるよう偏向するため、2つの関連するウェッジの相互品質には、より厳密な要件を設定する。この品質要件は、ウェッジの傾斜面およびウェッジ角度の品質の関連する。
【0074】
前記要件を軽減し、アライメント・ユニットの公差を緩和するため、図9に示す偏向エレメントの構造を使用することが好ましい。サブビームごとに1つの別個のウェッジにする代わりに、全てのサブビームに共通の幾つかの、例えば3つのウェッジ・プレート190、191、192を使用する。図9はウェッジ・プレートの斜視図を示し、図10は側面図を示す。ウェッジ角度、つまりプレートの上面と下面との間の角度、つまりプレート192の場合は面192aと面192bの間の角度は、3つのプレートで異なる。プレートの1つ、例えばプレート190は、他のプレートの角度とは反対のウェッジ角度を有する。このプレートには、幾つかの開口200を設けるが、図9にはその幾つかしか図示されていない。これらの開口は、サブビームが関連するプレートに入射する位置に配置される。しかし、このような位置全てに開口があるわけではない。サブビームがプレートの開口に入射すると、そのプレートによって偏向されない。
【0075】
サブビームは、プレートに向かう途中で0個、1個または2個の開口に遭遇する。1次サブビームのみが0個の開口に遭遇し、どのプレートでも偏向しない。図10では、サブビームの1本がプレートを通る経路を示す。このサブビームは、第1プレート190によって右に偏向する。その後、このサブビームは左へ前より小さい角度偏向する。最後に、このサブビームはプレオート192の開口200を通過し、したがってさらなる偏向は生じない。サブビームごとに、開口の数およびこのような開口があるプレートの次数は、他のサブビームとは異なり、したがってサブビームは全て、異なる方向に偏向する。3つのプレートの組合せ23=8により、異なる偏向方向を実現できることが明白である。同じ回折次数の1対のサブビームは、同じウェッジ・プレートで偏向するので、これらのサブビームが平行方向に偏向されないという危険は最小になる。
【0076】
図5、図6の実施例では、1から7の次数のサブビームを使用し、したがってX方向でのアライメントには7つの基準格子G90〜G96が必要である。Y方向のアライメントには、図6に示すように、7本のサブビームを7つのさらなる基準格子G93〜G104と一緒に使用することができる。次に、図5の実施例では、第2組のウェッジ12個をY方向でウェッジ・プレートに配置する。図9の実施例では、第1組のウェッジ・プレートの前または後に、第2組の3個のウェッジ・プレートをサブビームの経路に配置し、第2組のプレートはサブビームをY方向に偏向する。基板マークは、図2に示すマーク、または他のタイプのマーク、例えばスクライブ線に沿って設けたマークでよい。1次サブビームでは、4つの格子部分がある同様の基準格子を使用することができ、そのうち2つは16.0μmの格子周期を有し、他の2つの格子部分は、図6に示すように17.6μmの格子周期を有する。他の基準格子は、基板格子P1の16μmという周期を有する格子部分の関連回折次数と対応する1つの格子周期しか有さない。これで、図2の格子マークP1に関連する44μmという捕捉範囲が維持される。
【0077】
図5、図6の実施例では、最高次数を有するサブビームが、最大角度を通る偏向エレメントによって偏向される。しかし、これは必要ではない。ある状況では、例えば格子像の光学収差を最小にするため、この次数を変更してよい。これは、図6に示すように、昇順次数のサブビームがウェッジによってプラスの角度とマイナスの角度で交互に偏向することの理由にもなる。
【0078】
任意の非対称の基板マークP1で十分に正確な状態で位置合わせできるよう、検出すべき最低回折次数は、コンピュータ・シミュレーションで決定することができる。このようなシミュレーションは、例えば1次サブビームを使用する場合に維持される150nmのアライメント誤差などが、5次サブビームを使用すると20nmに低下できることを証明している。
【0079】
原則的に、検出できる最高次数は、依然として検出できる最低強度、およびレンズ・システムL1、L2の開口数によって決定される。知られているように、回折格子によって形成されるサブビームの強度は、このサブビームの次数の増加と共に低下し、サブビームの強度は、このサブビームの次数の平方に逆比例する。7次サブビームの場合、強度は1次サブビームの約1/50になる。しかし、オフアクシス・アライメント・ユニットを横断する時にアライメント・ビームが経験する反射によって生じる強度損は、オンアクシス・アライメント・ユニットを横断する場合よりはるかに小さい。最後に言及したユニットでは、アライメント・ビームは、反射損が生じる約100の表面に遭遇し、最初に言及したユニットでは、例えばその表面のうち20にしか遭遇しない。全反射損がオフアクシス・アライメント・ユニットの4の関数の場合、7次アライメント・サブビームは、オンアクシス・アライメント・ユニットの1次アライメント・ビームと同じ強度を有することができる。
【0080】
光学システムL1、L2がNの回折次数を有するサブビームを通過させねばならない開口数NAnは、下式によって与えられる。
【0081】
【数10】

【0082】
7次サブビームと、格子周期p=16μmおよび波長λ=544nmを有する基板格子マークでは、所望の開口数は約0.24であり、これは非常に満足できる数である。
【0083】
十分に安定したシステムを保証するため、クォーツで構成することが好ましい単一のプレートRGPに、様々な基準格子を設ける。このプレートの寸法、したがって第2レンズ・システムの画面サイズは、基準格子の寸法d1およびその相互距離d2によって決定される。距離および寸法は、例えば両方とも0.2mmであり、したがってプレートRGPのXおよびY方向の寸法dxおよびdy、および所望のフィールド直径は約3mmである。
【0084】
図5の実施例の別個のウェッジは、ガラスまたはクォーツで作成し、クォーツ・プレートに固定することができる。この構造は、高度の安定性を示す。ウェッジは透明な合成材料、例えば紫外線硬化性プラスチックで作成してもよい。その場合、特に光学で知られている複製技術を使用し、ウェッジ構造全体を型により1回でこの材料の薄い層に印刷することが好ましく、この層を、例えばクォーツ基板に適用する。既に述べたように、別個のウェッジの代わりに、開口を設けたウェッジ・プレートを使用することが好ましい。別個のウェッジまたはウェッジ・プレートの代わりに、1つの次数しか使用しない回折格子など、他の偏向手段を代替的に使用することができる。さらに、材料のプレートの屈折率変動のパターンによって構成した偏向構造を使用することが可能であり、このパターンは、例えばイオン注入によって設けられる。
【0085】
基板マークの溝深さに対する要件が厳格になりすぎないようにするため、2つの波長、例えば633nmおよび532nmを有するアライメント放射線が適切であることが判明した。式(7)および式(8)から明白なように、アライメント格子がサブビームを偏向する角度、およびこれらのビームがレンズ・システムL1の後部焦点面で占有する位置が波長によって決定されるという事実を利用することができる。原則的に、異なる波長の次数は相互から識別することができる。しかし、さらなる測定をせずに、所与の次数、例えば第1波長(633nm)の2次が、例えば第2波長(532nm)の2次と3次の間に来てもよい。異なる波長の次数を相互からよりよく分離するため、異なる波長のビームが基板格子P1に異なる角度で入射することを保証することができる。2つの回折次数を使用する場合は、図11に示すような状態がレンズ・システムL1の後焦点面に生成される。次に、第1波長の様々な次数には位置110〜137の第1十字形パターンがあり、第2波長の様々な次数の位置138〜165の第2十字形パターンがある。図7の中心にある二重矢印によって示すように、これらのパターンは相互に対してずれ、これは異なる波長のアライメント・ビームの入射角が異なるからである。これらの角度は、集束高価によって生じるアライメント誤差を防止するよう、可能な限り小さく維持しなければならない。2つの波長を使用する場合、偏向エレメントがあるプレートは、言うまでもなく図11に示すような状態に適合しなければならない。つまり、特に24個の別個のウェッジではなく48個のウェッジを使用しなければならないか、6枚のウェッジ形プレートの代わりに、このようなプレートを12枚使用しなければならない。
【0086】
2つの波長でのアライメントに対する代替法が、図12に図示されている。この図では、参照番号160は偏向感受性ビーム・スプリッタを示す。このビーム・スプリッタは、He−Neレーザからの第1波長λ1、例えば633nmを有し、第1偏光方向を有する第1アライメント・ビームbを受け、このビームを基板位置決めマークP1に渡す。このビーム・スプリッタには、第2波長λ2、例えば532nmを有し、周波数2倍器の前にあるYAGレーザから来る第2アライメント・ビームb5も入射する。ビームb5は、ビームbに直角の偏光方向を有し、したがってビームb5は基板マークP1へと反射する。ビームbおよびb5の主光線は、ビーム・スプリッタによって一致させられ、したがってこれらのビームが1本のビームとしてマークP1に渡されることが保証されている。ビームbおよびb5は、マークで反射した後、再びビーム・スプリッタによって分割される。独立したアライメント・ユニット170、180がこれらのビームそれぞれにある。これらのユニットはそれぞれアライメント・ビームを発し、ビーム・スプリッタを介して、基板マークから来る異なる回折次数のサブビームを受ける。これらのユニットそれぞれで、図5に関して説明したように、基板マークの像が異なるサブビームで異なる基準格子上に形成される。そのため、各ユニットには、レンズ・システムL1、L2(L1’、L2’)、ウェッジ・プレートWEP(WEP’)、および図9または一連のウェッジ形プレート、基準格子RGP(RGP’)があるプレート、幾つかの検出器90〜96(90’〜96’)、および結合プリズム72(72’)を介してシステムに結合されたビームを有する放射線源70(70’)を設ける。
【0087】
図13は、特殊な種類のビーム・スプリッタ160を使用するアライメント・ユニットの実施例の一部を示す。このビーム・スプリッタは、偏光感受性ビーム分割プリズム210、1/4波長プレート211および反射器212を備える。異なる波長を有し、源(図示せず)から来るビームb10およびb11を太線で示し、格子マークP1が反射するビームを細線で示す。ビームb10およびb11は同じ偏光方向を有する。第1ビームb10は反射器215で反射して、プリズム210内の偏光感受性ビーム分割層213に向かう。この層はビームb10を格子マークP1へと反射する。格子マークで反射し、異なる回折次数のサブビームに分割された放射線は、1本のビーム線b15で表される。ビームb15は層213で反射して、関連の偏光エレメントの構造および検出器(図13には図示せず)に向かう。
【0088】
第2ビームb11は反射器216で反射してビーム分割層213に向かい、これはビームを1/4波長プレート212へと反射する。ビームb11は、このプレートを通過すると、このプレートの背側で反射層212によって反射し、したがって2回目でプレート211を通過する。プレート211を出たビームb12は、元のビームb11の偏光方向に対して90°回転した偏光方向を有する。ビームb12は、ビーム分割層213を通過して、格子マークP1に到達することができる。このマークで反射する放射線も、1本のビーム線b16で表す。このビームは最初にビーム分割層213を通過し、次に1/4波長プレートを2回横断して、最終的に層213で反射して、ウェッジおよび検出器(図13には図示せず)の関連構造に向かう。明快さを期して、図13には反射ビームb16およびb17は空間的に分離されたビームとして図示されているが、実際には、これらのビームは一致する。マークP1の位置におけるビームb10およびb11についても、同じことが当てはまる。
【0089】
図12、図13の実施例では、第1レンズ・システムL1は、図13に示すようにビーム・スプリッタ216と格子マークP1との間に配置することが好ましい。これは、波長が異なる2本のビームに、このようなレンズ・システムが1つした必要でないという追加の利点を有する。反射したビームには、別個の第2レンズ・システムL2(図13には図示せず)が依然として必要である。
【0090】
上述した様々な実施例では、検出器を基準格子の真後ろに配置する。しかし実際には、基準格子の背後には、1束の撮像ファイバを配置することができ、これは基準格子および基準格子、および基板格子マークの重畳画像をそれぞれ、遠隔位置の検出器に画像形成し、これは、装置全体の設計およびこの装置の性能に関して、さらに都合がよい。例えば、異なる回折次数のサブビームによって形成される画像間のクロストークを減少させ、信号増幅器および電子プロセッサによって発生する熱をアライメント・ユニットおよび装置から遠ざけておくことができる。放射線源も、アライメント・ユニットから遠い位置に配置し、その放射線をファイバの照明束によってユニットに案内することもできる。この方法で、放射線源から発生した熱を、アライメント・ユニットおよび統制装置から遠ざけておくことができる。
【0091】
ビームb15およびb17の一方について、プリズム216と第2レンズ・システムL2の間に、部分的に透過する反射器を配置し、このビームの一部をカメラへと分割することができ、カメラはミラーと一緒に基板マークの視覚像を装置のオペレータに提供する。
【0092】
様々な検出器信号の使用については、様々な可能性がある。1次サブビームによって、そのサブビームに関連する検出器の信号を処理することにより、アライメントから開始してよい。その後、2次サブビームに関連する検出器の信号を、さらに細かい位置合わせに使用し、次に3次サブビームに関連する検出器の信号を、さらに細かい位置合わせに使用し、以下同様とすることができる。使用するサブビームが依然として確実な方法で検出されるほど十分な強度を有する限り、これを続行することができる。
【0093】
別の可能性は、特定の回折次数の強度は、基板に所与のプロセス層を設けた場合、他の回折次数を代償として増加する、という認識に基づく。その倍、位置合わせについて、好ましい次数を直接選択することができる。ある状況では、前記可能性を組み合わせてもよい。
【0094】
基板のバッチをマスク・パターンで照明する前、または生産日の開始時に、アライメント・ユニットを校正することも可能である。幾つかの基板マークの位置について、各回折次数について検出器信号を測定する。その測定の結果を、基板マークの各位置について各回折次数の検出器信号の値を表示するグラフまたは表に記憶する。基板の照明中に、比較的低い回折次数、例えば最初の3つの次数について比較的大きい検出器信号のみを測定することにより、アライメント測定を実行することができる。内挿によってより高い回折次数、例えば7次について、対応する値を決定することができる。この方法にて、高い解像度および大きい信号振幅でアライメント誤差を決定することが可能である。
【0095】
これまで、基準格子の形態の装置基準に対する基板のアライメントについてのみ説明してきた。同じアライメント・ユニットで、基板ホルダまたはテーブルの位置も決定することができる。そのため、このホルダまたはテーブルに、基板位置決めマークと同様の位置決めマークを設ける。(例えば図4に概略的に示す認識マークを参照。)アライメント・ユニットの基準に対する基板ホルダ・マークの位置を決定する。基板ホルダ・マークに対する基板マークの位置も、これで知られる。マスク・パターンと基板との相互位置を固定できるようにするため、さらなる測定が必要である。つまり基板ホルダまたはテーブルに対するマスク・パターンの位置の測定である。このさらなる測定のため、図1、図2、及び図3に関して説明したオンアクシス・アライメント・ユニットを使用することができ、このマスク・パターンを基板ホルダのマークに対して位置合わせする。図3に示した二重アライメント・ユニットばかりでなく、米国特許第4251160号に記載された単アライメント・ユニットも使用することができる。
【0096】
基板テーブルに対してマスク・パターンを位置合わせする別の可能性は、例えば米国特許第4540277号に記載された画像センサ・ユニットを使用することである。このようなユニットでは、マスク・位置決めマークを、投影放射線によって基板テーブルの対応する透過性基準マークに画像形成する。このテーブルには、基準マークが渡した放射線を電気信号に変換するため、検出器を基準マークの背後に配置することができる。第1の場合には、この画像センサ・ユニットは、例えば投影放射線とは大きく異なる波長を有するアライメント放射線で作動するオンアクシス・アライメント・ユニットを校正するか、投影レンズ・システムが形成する画像の画像品質をチェックし、発生するかもしれない歪みおよび収差を測定するためのものであるが、基板テーブルに対してマスク・パターンを位置合わせするにも非常に適している。基板テーブル・マスクに対してマスク・マークを位置合わせするため、米国特許第4540277号に記載された透過画像センサ・ユニットの代わりに、反射で作動する画像センサ・ユニットを代替的に使用してもよい。このようなユニットは、米国特許第5144363号に記載され、テーブル上の反射性マークで働き、比較的多数の検出器を備え、これは様々な角度のマークを観察し、関連する光学システムとともに、投影レンズ・システムと基板テーブルの間に配置されたセンサ・プレート内に設けられる。本発明によるオフアクシス・アライメント・ユニットも、この空間に設けなければならない。このユニットは、基板テーブルの中心に可能な限り近く配置し、例えば0.3の開口を有する錐形の構築空間が必要である。実際には、基板テーブルのY辺の長さは、投影装置の設計対象である基板の半径のほぼ対応し、例えば8インチ(203.2mm)の基板では102mmであり、したがって8インチ基板を扱うことができるアライメント・ユニットを、投影レンズ・システムの光学軸から25mmの距離に配置することができる。これは図14に非常に概略的に図示され、これは投影レンズ・システムPLの一部およびその光学軸OO’を示す。投影レンズ・システムと基板との間の部分は、投影ビームによって占有される空間を示し、bのマークがある矢印はアライメント放射線のサブビームを示す。アライメント・ビームは光学軸OO’から距離dxで基板に入射し、したがってその距離は例えば25mmである。参照文字CSは、使用できる構築空間の臨界位置を示す。この位置で、異なる回折次数を有するサブビームが位置する錐形の直径が、基板への距離に開口数の値を2回掛けた値と等しくなる。開口数が0.25で、前記距離が32mmの値の場合は、前記距離、したがってCSの位置で必要な垂直空間は16mmになる。これは、実際には妥当な要件である。しかし、この垂直空間が完全には使用可能でないこともある。その場合は、相互に対して対角線上に配置され、それぞれ基板の一部を覆うことができる2つのオフアクシス・アライメント・ユニットを使用することができる。
【0097】
以上で述べたように、オフアクシス・アライメント・ユニットは、リソグラフィ投影装置のマスク・ホルダ、投影システムおよび基板ホルダを備える投影カラム内に配置される。細部がさらに小さくなり、したがってより多くの電子コンポーネントを備えたICの拡大化に対する需要が高まるとともに、アライメント手順にますます時間がかかるようになった。したがって、これらの装置のスループットは、さらなる処置を執らないと低下する傾向がある。このような装置には、別個の測定ステーションを追加することがすでに提案されている。このステーション内で、このウェーハを投影カラム、つまり投影ステーションに運び込む前に、基板内の位置、例えばX、YおよびZ方向を測定する。測定ステーション内で、基板マークを基板ホルダまたはテーブル上の位置決めマークに対して位置合わせすることができる。基板をホルダとともに投影システム内に配置した後、マスクの位置決めマークしか基板ホルダのマークに位置合わせする必要がなく、これは短い時間しかかからない。別個の測定ステーションおよび投影ステーションを備える装置内と同様、投影ステーション内で第1基板を照明する間、第2基板を測定ステーションで測定し、この装置のスループットは、別個の測定ステーションがない装置よりはるかに大きい。基板のマークを基板ホルダのマークと位置合わせするために測定ステーションで使用するアライメント・ユニットは、本明細書で説明するようにオフアクシス・位置決めシステムであることが好ましい。
【0098】
上述したオフアクシス・位置決めシステムは、組み合わせて位置決めマークの位置を決定することができる複数の信号を生成する複数のセンサを有する位置決めシステムの例である。これらの例では、位置決めマークで回折した光の別個の回折次数について、位置決めマークから信号を生成するセンサがある。記載した特定の実施例では、1次とは別個の最高7次までの次数を検出することができる。さらに、これをXおよびY方向のそれぞれで実行する。また、XおよびY方向の7つの次数それぞれを、位置決めマークを照明する光の異なる2つの波長で検出することができる。その結果、これは、アライメント走査中にほぼ同時に信号を提供するチャネルを合計28本提供する。本発明の範囲および精神から逸脱することなく、特に迅速に切り換える場合、同時ではなく、調子を合わせて切り換わる信号も受信することができた。本発明によると、このような多センサ・位置決めシステムの複数のチャネルからの情報を組み合わせて、アライメントを改善する。アライメントの改善には、より小さい規模での位置合わせの精度改善および/または処理効果などの系統的効果によるエラーの削減および/または再現性の改善などがある。これは、「フォールバック手順」も含み、故障した手順の代わりに代替アライメント・ステップまたは方法が使用可能である。本発明の実施例では、複数の異なる回折次数からの信号を組み合わせて、位置決めマークの位置を決定する。この実施例では、複数の回折次数チャネルから検出した位置決めマークの位置は、連続関数として表すことができる曲線に一致し、この連続関数を使用して、ほぼ系統的誤差がなく獲得される位置を予想する。
【0099】
このような予想の手法の実施形態は、例えば半導体ウェーハがタングステン化学機械研磨プロセス(W−CMP)を経験した時などに、マスクが変形した場合に有用であることが判明している。(アルミニウム物理蒸着(Al−PVD)プロセスは、通常、W−CMPと組み合わせて実行される。したがって、W−CMPと言うと、これはAl−PVDも含むと理解されたい。)図15Aから図15Dは、W−CMP処理中に生じ、ウェーハ上の標的の検出で系統的誤差を引き起こすことがある系統的効果を示す。図15Aは、多ターゲット・マーク、またはその一部を形成する酸化物層316にエッチングされた3連の溝310、312および314を示す。図15Bは、タングステン蒸着ステップ後のウェーハの一部を示す。タングステン層318が酸化物層316上、さらに溝310、314内に蒸着される。図15Cは、W−CMP処理ステップ後のウェーハを示す。最後に、図15Dは、アルミニウム層320をウェーハの部分に蒸着した後、ウェーハのその部分を示す。図15Cおよび図15Dで見られるように、酸化物層、例えば322および324に非対称の変化があり、これはW−CMP処理のためにアルミニウム層326および328でも繰り返される。位置決めマークに使用する回折格子に対するこのような非対称の変化は、アライメント格子の位置における装置の変位につながる。これが、W−CMP処理ステップによって持ち込まれる系統的効果である。
【0100】
図16は、3つの異なる回折次数チャネルについてW−CMPによって持ち込まれるアライメント誤差のプロットである。この場合、検出される次数は3次、5次および7次の回折次数チャネルである。データは、以下でさらに詳細に説明するように、検出された次数ごとの別個の回折格子に対応する。このような実施形態は、良好な結果を提供することが判明したが、本発明の範囲は、多格子マークのみに制限されない。誤差は、検出される回折次数の増加とともに減少するのを見ることができる。発明者は、曲線をこのようなデータに適合させることができ、曲線に外挿して、検出システムが対応する比較的高い次数を検出するよう設計された場合に見えると予想されるアライメント誤差の減少を予想できることを発見した。
【0101】
図17は、異なる方法でプロットした同じデータを示す。検出された3つの次数それぞれのアライメント誤差は、ここでは回折次数にコントラスト係数を掛けた値の逆数([周期性])としてプロットされる。これは逆比例に換算したプロットであるので、無限大の回折次数に向かうにつれ、グラフの位置は、周期性とラベルされた軸に沿ってゼロに近づく。この方法でプロットすると、ゼロ周期性の位置でゼロ・アライメント誤差に近づく曲線が、データによく適合できることが分かる。したがって、複数の回折次数チャネルのアライメント誤差測定値に直線を適合させることにより、外挿して、W−CMP処理から生じるゼロ・アライメント誤差のケースにおけるターゲット位置を予想することができる。ゼロ周期性のケースは、無限の回折次数に対応する。無限数の回折次数を別個に検出するシステムを構築できないことは明白である。しかし、本発明のこの実施形態による予想方法で、検出される無限回折次数のこのような限度を投影することができる。
【0102】
発明者は、第3回折次数、第5回折次数および第7回折次数からの信号を以下の1次結合で組み合わせることにより、W−CMPによる系統的誤差が減少した良好な結果を生じることを発見した。
【0103】
【数11】

【0104】
これは、以下の一般式への3点最小二乗適合法に基づく。
【0105】
【数12】

【0106】
ここで、Cは定数、nは次数である。
【0107】
発明者は、7つの回折次数のうち3つを使用した場合しか良好な結果を認めなかったが、本発明のより広義の概念は、上述した予測方法にのみ制限されない。本発明の一般的概念から逸脱することなく、2つ以上の回折次数チャネルを使用し、測定値を他の関数に適合させることができる。さらに、本発明のこの態様は、W−CMPまたは同様の処理に持ち込まれる効果を補正するため、予測方法を設けることに制限されない。
【0108】
別の例では、銅ダマシン・プロセスは、異なる波長および回折次数チャネルで観察されるようなほぼランダムに見える誤差を持ち込む傾向がある。発明者は、使用可能な複数の信号チャネルを等しい重みで平均する予想方法が、Cuダマシン・プロセスで良好な結果をもたらす傾向があることを発見した。本発明の一般的概念は、複数の回折次数チャネルからの情報を組み合わせて、1本のチャネルのみを使用する場合と比較して、基板上の位置決めマークの検出の正確さを改善することも含む。このような予測方法は、W−CMPプロセスおよびCuダマシン・プロセスのケースで上述したように、基板上で実行される特定のプロセスで特定の形態をとることができる。さらに、本発明の概念は、複数の波長チャネルおよび回折次数チャネルからの情報を組み合わせて、基板への処理効果を考慮に入れた予測方法を提供することに制限されない。複数の波長チャネルおよび回折次数チャネルからの情報を組み合わせて、位置決めマークの位置決定で誤差を引き起こすような基板の他の変化を考慮に入れた予測方法を提供することができる。
【0109】
処理ステップは、基板ごとに変動する系統的効果を持ち込むことがある。例えば、W−CMPおよびAl−PVDプロセスによる装置の膨脹を、4つの異なるシリコン・ウェーハの第3、第5および第7回折次数について測定した通りに、図18にプロットする。発明者は、膨脹および収縮に伴うこのような誤差が、検出された回折次数とともに変動し、基板ごとにも変動することを発見した図18で見られるように、回折次数と反比例する周期性での変動は、ウェーハごとにほぼ直線の変動である。しかし、各ウェーハのデータに適合する線は、異なる直線(例えば異なる勾配)である。直線は周期性の減少で相互に近づき、これは回折次数の増加に対応することに留意されたい。その結果、このような予測方法により、ウェーハごとにほとんど変動しない結果を予想することができる。同様に、W−CM−およびAl−PVC処理によって持ち込まれる疑似回転を予想して、ウェーハごとの変動を減少させるか、ほぼ解消することができる。図19は、このケースでウェーハごとの変動を減少させる予測方法を示すデータを提供する。
【0110】
予測方法の上記の例は、複数のチャネルからの情報を固定した係数と組み合わせるという意味で、静的方法と見なすことができる。静的方法という用語は、多チャネル情報の数学的表現を取得し、次に数学的表現を使用して、位置決めマークの位置を決定するという一般的概念を含むよう意図される。本発明の概念は、予測方法の一般的概念の中に動的方法も含み、ここでは様々なチャネルからの情報を、測定した量に依存する方法で組み合わせる。例えば、複数の回折次数チャネルからの情報を、測定した信号強度に依存する係数と組み合わせることができる。動的方法には他の測定量も使用することができる。例えば、出力信号を、シヌソイドなどの予想される関数形に適合させることができる。このような適合での相関係数は、複数のチャネルからの信号を組み合わせる動的方法に使用できる別の測定量を提供する。他の入力パラメータ、例えば「mcc」、「ミニレプロ」、「信号対雑音比」、「信号形状」、「信号エンベロープ」、「焦点」、「勾配」、「次数チャネル位置オフセット」、「波長チャネル位置オフセット」、「セグメント間変位」および/または「粗・微位置偏差」を、場合によってはユーザ入力パラメータと組み合わせて使用することにより、パフォーマンスを向上させることができる。
【0111】
これらのパラメータの多くは、位置合わせした位置決定の正確さに関連する。パラメータ「mcc」は、測定した信号がいかに、完璧な位置決めマークに予想される信号と似ているかを示す複数の相関係数であり、「ミニレプロ」は、アライメント測定の異なる区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差で、位置合わせした位置の正確さを示し、「信号対雑音比」は、適合した信号を、測定した信号のスペクトルにわたるノイズの相対的レベルで割った値であり、「信号形状」は、このスペクトルにおける、概ね複数の基本周波数における幾つかの別個周波数の相対レベルであり、「信号エンベロープ」は、測定中の信号強度の分散であり、「焦点」は、検出器に対するウェーハ高さのオフセットであり、「勾配」は、測定中のウェーハ角度と検出器角度との間の角度であり、「次数チャネル位置オフセット」は、1つの波長の様々なチャネルの位置合わせした位置における測定値の差であり、「波長チャネル位置オフセット」は、様々な波長チャネルの位置合わせした位置の測定値の差であり、「セグメント間変位」は、複数のセグメント間した位置決めマークの様々なセグメントの位置合わせした位置の測定値差であり、「粗・微位置偏差」は、粗位相での位置決めマーク測定に基づいた予想位置に対する微位相での位置決めマークの位置の差である。
【0112】
係数は、プロセスの履歴データを含めることによって決定することもできる。例えば、回折次数チャネルで取得したデータを、以前のウェーハからの情報と組み合わせることができる。特定チャネルの情報が、以前のウェーハにあるそのチャネルからの情報とは大きく異なる場合、そのチャネルに、そのチャネルからの情報が以前のウェーハからの情報に非常に類似している場合より低い重み付き係数を与えることができる。複数の回折次数チャネルからの情報を扱う別の方法は、チャネルごとにウェーハ格子パラメータ(並進、回転、ウェーハ膨脹、直交性、非対称縮尺およびより高次のパラメータ)に関して個々のチャネルをモデル化することである。個々の信号に適合するウェーハ・モデルの残余、いわゆる格子残余は、特定回折チャネルの相対的重要性の修飾子である。例えば、ウェーハ上の特定位置にあるチャネルの残余が、その位置における履歴残余の分散に非常に類似する場合、残余が以前のウェーハの平均残余と非常に異なる場合より大きい重み係数を割り当てる。(ウェーハ残余の統計的分散の図については図29も参照。)履歴データは、この方法で、位置決めシステムで取得した情報の拡散を最小にするのに役立つ。複数の回折次数チャネルから情報を測定し、アライメントのため最高信号強度を有するチャネルを選択して、最低信号強度を有する回折次数チャネルの情報を拒否することもできる。このような動的方法には他の測定量も使用することができる。
【0113】
実験データに基づき、個々の検出器間の相関を決定することが可能である。そのプロセスによって相関を導入すると、これを使用して、より正確な測定を提供することができる重み付け係数を生成することができる。一つの実施形態は、1組のデータを使用し、この情報に基づいて静的予測方法を決定する。第2の実施形態は、実行中に予測方法を検証し、調節する。現在のウェーハで測定した検出器間の相関が静的方法と等しくない場合は、予測方法を小さく調節することができる。
【0114】
以上の静的方法の例では、複数チャネルからの同じ方法を全マークに使用する。ウェーハの各ターゲットには、複数のチャネルからのどの情報を使用すべきか画定する別のタイプの静的方法を識別することができる。このような静的方法により、位置決めシステムは、表面に広がるプロセスの変動を扱うことができる。マークごとに複数の回折次数チャネルからの情報の一部を即座に選択するか、重み付けする代わりに、全ターゲットからの全情報を最初に収集すると有用なことがある。
【0115】
次に、個々のチャネル全てについてウェーハ格子を決定することができる。このようなシナリオにより、はるかに融通性が与えられる。例えば、これで、回転の決定に使用するチャネル/マークとは異なるチャネルおよび/またはマーク上のウェーハ膨脹を決定することが可能である。
【0116】
オフアキシャル・位置決めシステムOASを使用して、様々なタイプの位置決めマークを検出することができる。図2は、ウェーハ・アセンブリ上の認識マークとして往々にして使用される位置決めマーク、または大域位置決めマークとしてウェーハの周縁に沿った位置決めマークを示す。図20は、回路を将来作成するか、現在作成中の402および404などの複数の領域を有する半導体ウェーハ400の部分を示す。回路の間には、スクライブ線406および408などのスクライブ線がある。位置決めマーク410がスクライブ線408に書き込まれている。同様に、位置決めマーク412がスクライブ線406に書き込まれる。位置決めマーク410および412は、ウェーハのスペースを無駄にしないよう、細いスクライブ線を維持するために十分細く作成される。410および412などの位置決めマークの組合せは、XおよびY方向と呼ばれる直角方向のアライメント情報を提供する。位置決めマーク410は、第1ターゲット414および第2ターゲット416を有するようセグメント化される。同様に、位置決めマーク412は、第1ターゲット418および第2ターゲット420を有するようセグメント化される。各ターゲット414、416、418および420は、この実施形態では回折格子である。概して、格子414〜420は位相または振幅格子でよい。例えば、位相格子は、基板またはその層に溝をエッチングすることにより形成してよい。この実施形態では、個々のマーク内の回折格子ターゲットそれぞれは、異なる周期性、つまりピッチを有する。現在の製造プロセスおよび規模では、ターゲット416などの1つの回折格子ターゲットに16.0μmのピッチを、ターゲット414などの第2回折格子ターゲットには17.6μmのピッチ、およびそれ以下を使用することが適切であることが判明した。このような組合せは、以下でさらに詳細に説明する捕捉プロセスで有用である。
【0117】
捕捉プロセスは、位置決めマークの位置を所望の範囲内で確立する粗アライメントの形態である。微アライメントは、問題の位置決めマークのさらに精密な位置を決定するのに実行される。アライメント・プロセス中、ウェーハ400は、所望の位置決めマークを、オフアキシャル・位置決めシステムOASの検出視野全体で、位置決めマークのターゲット格子にある溝に対してほぼ直角の方向で走査するよう動作する。捕捉および微アライメントのための全信号は、ほぼ並列に取得できることに留意されたい。位置決めマーク410のターゲット格子416が、スクライブ線418の方向に沿って位置決めシステムOASの視野全体を移動するよう、ウェーハ400を動作させると、2つの波長成分を有するアライメント・ビームがターゲット格子416から反射および回折する(図12も参照)。上述した位置決めシステムOASの実施形態では、ターゲット格子416が位置決めシステムOASの視野全体を走査するにつれ、7つの回折次数チャネルおよび2つの色チャネルの信号を検出する(図6に図示した基準格子プレートを参照)。XおよびY方向それぞれ、および2つの色それぞれに捕捉プロセス用の追加チャネルもある。
【0118】
図21は、ターゲット格子416などの格子を、オフアキシャル・位置決めシステムOASの視野で一定速度にて走査した場合、2つの波長の一方について7つの回折次数チャネル423A〜423Gで生成した信号の例を示す。ターゲット格子416の像が個々の回折次数の基準格子と位置合わせされるにつれ、信号強度は最大になる。逆に、個々の基準格子にあるターゲット格子416の像が完全に位置合わせから外れると、検出される信号強度が最小になる。したがって、ほぼ一定の走査動作では、出力信号がほぼシヌソイドであることが分かる。より高次のチャネルの信号は、低次チャネルより周波数が高い。位置決めシステムの2つの色それぞれについて、オフアキシャル・位置決めシステムOASの視野を通してターゲット格子416を走査する間、7つの回折次数チャネル全て内で、信号を取得する。位置決めマーク410および412は、多ターゲット・位置決めマークの一例を提供する。この実施形態では、位置決めマーク410を使用して、位置決めマーク410の位置を決定する。同様に、セグメント化された位置決めマーク412内のターゲットを使用して、位置決めマーク412の位置を決定する。多セグメント・位置決めマークの概念は、位置決めマーク内に3個、4個またはそれ以上のセグメントを含むよう拡張してもよい。図20に示すような2つのセグメントを有する位置決めマークに加えて、本発明の発明者は、マーク内に4つのターゲットを有する位置決めマークが現在有用であることを発見した。図22は、ターゲット424、426、428および430を有するこのような4ターゲット・位置決めマーク422の実施例を示す。この実施形態では、ターゲット422、426、428および430はそれぞれ回折格子であり、ターゲット格子と呼ぶこともできる。ターゲット格子424、426、428はそれぞれ同じピッチを有し、ターゲット格子430は異なるピッチ(図示せず)を有する。適切なピッチは、現在の特徴となる規模および幾つかの用途では、回折格子424、426、428では16.0μm、回折格子430では17.6μmであることが判明した。この実施形態では、各ターゲット424、426および428が異なる検出特徴を有するよう選択することができる。例えば、ターゲット424および426および428は、異なる回折次数を強化する回折次数強化格子となるよう選択してもよい。(以上では、これはその回折次数の「信号」を、一様な回折格子のそれと比較して強化する、という意味であった。)例えば、ターゲット424が、第3回折次数を強化する回折次数強化格子であるよう、位置決めマーク422を構築することができる。第5回折次数を強化するようターゲット426を選択し、第7回折次数を強化するようターゲット428を選択することができる。
【0119】
図23Aから図23Dは、位相格子の一部の断面の略図である。図23Aは、幅が等しい等間隔の溝を有する通常の回折格子に対応する。図23Bは、図23Aの通常の格子で隣接するプラトー領域間の溝が2つの部分に細分された、3次の次数強化格子の略図である。この下位構造領域の幅は、図23Aで示した領域432、434および436とほぼ同じに維持される。図23Cは、下位構造が図23Bの2つの部分ではなく3つの部分を有する、5次の次数強化格子の例を示す。図23Dは、7次を強化する次数強化格子を示す。16.0μmの格子の場合、下位セグメント432、434、436および領域438、440などまでがそれぞれ16.0μmである。図23B、図23C、及び図23Dの対応する機構も16.0μmであるが、幾つかは下位構造を有する。
【0120】
次数強化格子は、アライメント・センサの回折次数検出チャネル内で、ベース・ピッチ格子で検出した信号強度に対して強化された信号強度を有するターゲットとして定義される。図23Aは、16.0μmのピッチを有するベース・ピッチ格子を示す例である。図23B、図23C、及び図23Dは、次数強化格子の例である。係数Nだけ減少したベース・ピッチを有する格子も、次数強化格子の別の例である。このような格子の2次回折ビームが、アライメント・センサのN次回折次数検出チャネルによって検出される。これは、n次検出器と呼ばれる検出器が、ベース・ピッチからのn次と一致する角度から来る光を検出する結果である。格子のピッチが増減すると、格子からの光が発散する角度が変化し、格子からのどの次数をn次検出器が実際に検出するかが潜在的に変化する。回折次数を強化する他の全ての格子も、本発明の範囲に入る。
【0121】
オフアキシャル・位置決めシステムOASの視野全体でその長手に沿って基準マーク422を走査すると、センサが2つの照明波長それぞれについて、第7回折次数チャネルに信号を生成する。その結果、位置決めマーク422を1回走査すると、ターゲット424、426、428および430それぞれで4つの色/次数信号を提供することができる。通常の回折格子では、回折次数の信号強度は、回折次数が上がるにつれ低下する。次数強化格子は、純粋に一定のピッチを有し、下位構造がない回折格子で通常取得するものより、特定の回折次数を強化する。多ターゲット・位置決めマーク422内のターゲットを、特定の次数強化格子になるよう選択することにより、対応するターゲットからの強化した次数のデータを使用するよう選択することができる。例えば、ターゲット格子424が7次強化格子に、ターゲット42が5次境界格子に、ターゲット428が3次強化格子になるよう選択した場合、発明者は、ターゲット424からは4次チャネルからの信号のみ、ターゲット426からは5次チャネルのみ、ターゲット428からは3次チャネルのみを使用して良好な結果を取得した。図16から図19に示すデータは、このような位置決めマークで取得し、この方法で処理したものである。図16から図19で示したデータは、このような多ターゲット・位置決めマーク内で同じ次数の次数強化ターゲット格子に対応する回折次数チャネルの信号から取得したものであるが、図15から図18に関して述べた一般的概念は、そのケースのみに制限されない。
【0122】
図20の位置決めマーク410および412は、異なるピッチを有する回折格子である2つのターゲットを有する多ターゲット・位置決めマークの例を提供する。4ターゲット・位置決めマーク422を、両方の異なるピッチを有するターゲットと、特定の回折次数を強化するよう選択されたターゲットとの組合せに関して説明した。追加の効果または異なる効果を達成するよう、ターゲットを選択してもよい。例えば、処理中に予測できる方法で、または製造中のデバイスの変化と相関がある方法で挙動する構造的特徴を有するターゲットを、多ターゲット・位置決めマークに含めることができる。例えば、回折格子パターンに、製造中に所望の特徴を提供するサブパターンを設けてもよい。図24は、回折格子の一部にサブパターンを追加する例を示す。(図26Cも参照。)例えば、図23Aの下位構造432を切断して図26Cに概略的に示す構造442を取得することができる。製造中のデバイスの主要構造にさらによく類似するよう、コンポーネント442内の構造の幅を選択することができる。図24に示す下位構造は、W−CMPプロセスに有用であると考えられる。図23の右手断面図で、下位構造の溝を充填するのにタングステンを使用することが分かる。複数のターゲット中に、製造プロセス中に非常に変化し、場合によっては破壊される犠牲ターゲットを意図的に作成してもよい。
【0123】
犠牲ターゲットの目的は、非犠牲ターゲットを使用して、位置決めマーク位置の決定を改善するよう、プロセス依存性を決定することである。したがって、犠牲ターゲットはプロセスの影響に敏感である。例えば、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットは、位置安定性に対して最適化され、この多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットは、例えばマークの深さ、線幅または線の角度などに非常に敏感である。感度を使用して、第1ターゲットへのプロセスの影響を補正することができ、その結果、さらに安定した位置になる。第1ターゲットの位置は、プロセスに関係なく比較的安定しているが、第2ターゲットは、適切な検出器で、プロセスの効果を検出するよう最適化され、この知識により、両ターゲットの組み合わせた情報に基づき、位置決めマークのより良い位置を計算する。位置安定性に有用なターゲットの例は、ターゲットの別の区間の真上にある区間を有するターゲットである。例えば、その区間は基板の異なる層にあってもよい。ターゲットの様々な区間は、一つの例示的実施形態では、ピッチが異なる格子でよい。ターゲット区間は、基板の面に対してほぼ同一の位置にあるので、両ターゲット区間からの信号を同時に測定することができる。したがって、ターゲットの様々な区間からの信号は、基板または基板ホルダの動作エラーに対して敏感でない。
【0124】
別の実施形態の犠牲ターゲットの目的は、犠牲ターゲットの上または下に位置するアライメント・ターゲットを準備するか、仕上げ加工することである。別のターゲットの上に配置された犠牲ターゲットの例は、ウェーハ表面から不透明材料を除去する構造である。これによって、光が基板を透過し、下の標的に到達して、他の方法では不可能なターゲット上のアライメントを可能にすることができる。別のターゲットの下に配置された犠牲ターゲットの例は、不透明な構造である。透明材料に配置されたアライメント格子の有効深さは、格子の下に不透明構造を配置することにより、調整することができる。この実施形態の範囲は、提供された例に制限されない。アライメントの性能を改善するためにアライメント・ターゲットの上または下に配置された他の構造も、この実施形態の範囲に入る。
【0125】
別の実施形態では、第1ターゲットは、製品構造に非常に類似し、したがって実際の製品とほぼ同じ歪みおよびプロセス効果を受ける。ターゲットは、製品の特徴にさらによく似た解像力を有するコンタクト・ホールなどの機構を備える下位構造から構築することができる。このようなターゲットは、製品の位置をよりよく表すが、プロセスからの影響が大きくなることもあり、ターゲットが検出しにくくなる。例えば、CMPは、製品の解像力で表面構造を完全に除去することが知られている。多ターゲット・位置決めマークの利点は、バックアップのために強健な第2ターゲットが基本的に常に使用可能なことである。
【0126】
別の実施形態では、多ターゲット・位置決めマークを使用して、ターゲットまたはターゲットの部分を異なる層に印刷することにより、オーバレイを決定する。モアレ技術を使用した例が与えられ、ここで層1にパターンaを印刷し、層2には、パターンaに重なるパターンbが印刷され、両方が多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットを形成する。特定のパターンaおよびパターンbを使用すると、これはアライメント・センサで検出できるビート・パターンを生成し、第2ターゲットに対する第1ターゲットの位置変位がオーバレイを示す。この点での多ターゲット・マークの利点は、アライメント・ターゲットがウェーハ上のほぼ同じ位置に配置されることである。ダイ内でのプロセス変動によってあり得る測定誤差が生じない。
【0127】
犠牲ターゲットは、例えば焦点、エネルギ、露光量、線幅、コンタクト・ホール幅、または微小寸法の測定など、位置決定以外の他の目的にも使用することができ、単一ターゲット・マークまたは多ターゲット・マークに使用することができる。この実施形態では、犠牲ターゲットは特に、これをアライメントまたはオーバレイ・センサで検出できるようにする効果に対して敏感である。製品の線幅、コンタクト・ホール幅または微小寸法は、通常、アライメント・ターゲットがコンタクト・ホールまたは線のグループで構成され、改造力および密度が製品と同様である場合、そのターゲットの相対信号強度を使用して測定することができる。焦点および露光量に敏感なアライメント・ターゲットの例が、国際特許第02/052350A1で示され、これは参照により全体が本明細書に組み込まれる。また欧州特許第022531766号も参照し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。これらの測定では、焦点または露光量をオフセットにした状態で、歩留まりを予想せず幾つかの縁部ダイを印刷し、アライメント・センサまたはオーバレイ・センサで焦点または露光量を検出し、フィードバック・ループで調節する。
【0128】
3本の検出器チャネルを使用すると、測定システムのオンライン認定および校正を実行することが可能になる。例えば、3本の検出器チャネルが、多ターゲット・位置決めマークの位置を測定する。2本の検出器チャネルが測定位置に関して一致し、第3センサが異なる位置を測定した場合、この第3センサを、この位置決めマークの測定時に信頼性がないと認定することができる。別の例では、2本の検出器チャネルが、プロセスまたは位置決めマークに関係なく、常に位置合わせした位置で一定の位置の差を測定する。このオフセットは、自動校正またはマッチングで補正することができる。別の例では、2本の検出器チャネルが、特定プロセスで位置決めマークの位置測定に特定のオフセットを有し、このオフセットは、前記特定プロセスについて校正することができる。校正したオフセットを使用して、1つのセンサから別のセンサへの切換時、または両方の検出器チャネルを同時に使用する時に、測定値の補正に使用することができる。
【0129】
上述したように、多ターゲット・位置決めマークの概念は、多格子位置決めマークのみの使用に制限されない。多ターゲット・位置決めマーク内のターゲットは、様々なタイプのターゲットでよい。これは、ターゲットとしての格子、さらに縁部検出および/または画像認識技術など、他のプロセスによって検出される他のターゲットを含んでもよい。また、多ターゲット・位置決めマーク内の幾つかのターゲットを、特定の1タイプのセンサについて最適化することができ、例えば格子を上述したオフアキシャル・位置決めシステムOASについて最適化するが、同じマーク内の他のターゲットが、他の位置決めシステムおよび/または他の測定システムに適していてもよい。例えば、多ターゲット・位置決めマーク内のターゲットは、さらなる処理をする前にフォトレジストの露光の正確さを評価するために使用するオンライン計測ツールによっての検出に適してもよい。
【0130】
捕捉プロセスも、新しい多ターゲット・位置決めマークの使用で改善することができる。現在の捕捉プロセスでは、アライメント・センサが、第1ピッチを有する回折格子を走査する。上述したように、走査は、通常、アライメント・センサの視野を通して基板を移動させることにより達成される。その結果、図25で概略的に図示するように、第1周期のシヌソイド信号500が生じる。次に、アライメント・センサは、第1ピッチより大きい第2ピッチを有する回折格子を操作し、この場合、第1および第2格子は同じ多ターゲット・位置決めマークの一部である。つまり、2つのターゲットを組み合わせて使用し、位置決めマークについて1つの位置を決定する。第2シヌソイド信号502は、第1信号とは異なる周期を有する第2格子から生成される。その結果、2つの信号の最大値の一致点504は、適切に選択したピッチでは、所望のサイクル数の後、再び一致する。この用途では、16.0μmのピッチを有する第1格子および17.6μmのピッチを有する第2格子が有用であることが判明している。この場合、信号は、16.0μmの格子の11サイクル、および17.6μmの格子の10サイクル後に再び一致する。このパターンが周期的に繰り返し、したがって正確なアライメント位置に曖昧さが生じる(つまり、反復する一致点の1つを捕捉することができる)。捕捉範囲は、誤った曖昧範囲を選択した場合に88μmの倍数の誤差が持ち込まれるケースでは、±44μmである。
【0131】
捕捉プロセスは、上述したアキシャルまたはオフアキシャル・位置決めシステムで検出した回折次数サブビームを使用して実行することもできる。さらに、1次より高次のサブビームを捕捉プロセスに使用したり、回折次数強化格子を使用したりすることができる。また、種々のタイプのターゲットを使用してよい。
【0132】
位置決めマークの捕捉を実行するための多ターゲット・マークには、他のターゲット・タイプも含めることができる。例えば、各対が、例えば回折次数を強化した格子のような異なる下位セグメント化、または図24に関して前述したような異なるプロセス・セグメント化を有する多格子対を含むことができる。図26Aおよび図26Bは、格子の多数対の例2つを示す。位置決めマーク600は4つのターゲット602、604、606および608を有する。ターゲット602、604および606は、例えばそれぞれ3次、5次および7次を強化する次数強化格子でよく、16.0μmのピッチを有することができる。(16.0μmのピッチを有する格子は、下位構造を無視すると、各線または溝が1/2ピッチであるので、8.0μm格子とも呼ぶ。)ターゲット608は、例えば3次を強化する次数強化格子でよく、17.6μmのピッチを有することができる。別の例は、4つの次数強化格子を有し、その全てが5次を強化する位置決めマーク610である。ターゲット612、614および616はそれぞれ、16.0μmのピッチを有し、ターゲット618は17.6μmのピッチを有する。この例では、ターゲット614および614はそれぞれ異なるプロセス・セグメント化を有することができる。これは、可能な多数の変形のうち2、3の特定の例にすぎない。アライメントにどの格子対を使用するかは、予め画定したり、測定した信号の品質に基づいて動的に決定したりすることができる。16.0および17.6μmの信号対の典型的修飾子は、最も近い16.0と17.6μm最大値のうち2つの信号最大値間の残余変位であり、ゼロ残余変位が最良である。また、多ターゲット・マークは、平均値から遠く離れた特定の検出マークを識別するのに使用することができる。16.0μmの格子などの3つ以上の格子、さらには任意のターゲットまで使用する場合、格子の位置合わせした位置を相互に比較し、結果の一つが1の2つ以上と非常に離れている場合、それを検出することができる。この偏差したアライメント信号は「フライヤ」と呼ばれ、したがってウェーハの位置決定には使用されない。フライヤは、全体としてマークごとに決定するか、さらに特定の検出チャネルに対して指定することができる。また、ターゲットごとに位置を決定することができ、ターゲットは全体として、マークの他のターゲットと比較した位置について評価され、次に位置合わせした位置の決定のため、ターゲットを保持するか、またはそのターゲットを拒否するか決定することができる。このメカニズムは、捕捉中は特に有用であることが判明した。というのは、捕捉プロセス後に、より高次(高周波)の誤った最大値を選択しても、この例では誤差が(7次では)少なくとも8μmになるので、容易に検出することができる。
【0133】
多格子の実施形態の一つは、捕捉多格子マークである。このマークは、捕捉用に最適化された2つの格子、および微細位置合わせ用に最適化された2つの格子を有する。この実施形態の主要な利点は、1つの格子で捕捉と微細位置合わせとの両方を可能にするのに、妥協する必要がないことである。別の実施形態は、プロセス多格子である。(図26C参照。)このマークは、捕捉用の17.6μmの1個のピッチ・セグメント、および3個の16μmのピッチ・セグメントを有する。16μmのピッチ・セグメントは、同じ回折次数を強化する機構を装備する。16μmのピッチ・セグメントそれぞれの特徴は、特定のプロセス・ウィンドウに対して最適化される。プロセスの特徴に応じて、16ミクロン・ピッチ・セグメントの1つの位置合わせに使用する。
【0134】
本発明の別の実施形態は、オーバレイ戦略を改善するためのシステムである。ウェーハ・アライメントのパラメータは、マイクロデバイスを構築する際のオーバレイ戦略にとって重要である。重要なパラメータの幾つかは、使用する位置決めマークの数、アライメント方法、残余閾値、およびウェーハ上のマークの位置である。図27は、オーバレイが改善されたシステムで使用できる、本発明の実施形態による多ターゲット・マークを示す。格子ピッチに対応する数値(ピッチ値の半分)は、現在のところ有用であることが判明し、一般的概念を制限する特徴ではない値の例として提供される。図27に示す位置決めマークは、製造工場(「fab」)で現在使用されている大部分のプロセス(つまりCMP、PVD、STI、DT、Cuダマシンなど)に対して、このようなマーク上の強健なアライメントを提供する3つのプロセス・ターゲットを有する。3つのプロセス・ターゲットが有用であることが判明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、他の数のプロセス・ターゲットを移用することもできる。個々のプロセスを処理しても強健さを向上させるため、特殊なプロセス・モジュールが設計された。プロセス・ターゲットの例は、図24及び図26Cに関して上記で説明している。例えば、付着中にW厚さが大幅に変動する場合は、W厚さ変動の全範囲をカバーするような方法で、プロセス・セグメント化を選択する。その方法で、W−CMPおよびAl−PVCプロセス・ステップ後に、最適なアライメント性能が獲得される。
【0135】
能動的アライメントには、多ターゲット・位置決めマーク内の1つまたは複数のターゲットを使用し、他のターゲットは平行して測定し、予想される関数形への信号の適合性に関する相関係数である信号品質(MCC)、信号強度(SS)およびグリッド・モデリング・パラメータ(並進、回転、拡大など)のような追加情報を提供する。図28は、本発明による構造全体にわたる自動プロセス制御(APC)システムのデータ・フローの略図である。APCシステムは、オフライン・オーバレイ計測ツールからもデータを受信するので、システムは、代替戦略で獲得することができるオーバレイを予測することができる。APCシステムを、本発明の実施形態により校正し、異なる戦略へ切り換えるか、そしていつ切り換えるかを決定することができる。情報は、異なる戦略に変更するか否かを決定するヒトにも提供できることに留意されたい。
【0136】
直前で説明した実施形態は、外部制御システムのフィードバック・ループ用のものである。これは、バッチごとなど、徐々に変動するパラメータには有用である。本発明の別の実施形態は、「フォールバック」システムおよび方法、およびウェーハ単位の動的大域アライメント戦略を提供する。リソグラフィ・ツールに基づくこの制御ループは、自動機器制御(AEC)の実施形態である。本発明では、自動フォールバックは、能動的アライメント戦略が失敗した場合の代替戦略の一つである。例えば、予め定義したフォールバック戦略、または2番目に性能が優れた戦略をフォールバックに使用することができる。その方法で、アライメント誤差により製造プロセス中に拒否されるウェーハの数を最少にすることができる。
【0137】
アライメント失敗の場合、別の戦略に切り換えるべきことは明白である。しかし、バッチ内での動的大域アライメント戦略の場合、代替戦略への切換は、オーバレイ性能の間接的な指標に基づく。外部からのオーバレイ・データが入手できないからである。このような指標は、例えば次数ごとの安定性、残余分析、または信号品質分析(SS、MCC)である。2001年2月25日から3月2日にカリフォルニア州サンタクララで開催された第26回マイクロリソグラフィに関する国際年次シンポジウムでのRamon Navarro、StefanKeij、Arie den Boef、Sicco Schets、Frank van Bilsen、Geert Sijons、Ron Schuurhuis、Jaap Burghoornによる「Extended Athena alignment performance and appliation for the 100nm technology node」を参照されたい。この全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。次数ごとの安定性は、処理のみに誘発されるような位置合わせした位置の変動の尺度である。残余分析は、モデル化したウェーハ格子が測定した位置にいかにうまく適合するかを特徴付ける。代替戦略への切換の決定は、バッチ内で実現することができる。しかし、代替戦略へ切り換える場合は、通常、新しいプロセス補正が必要である。両方の場合(フォールバックおよび動的大域アライメント戦略)、正しいプロセス補正の決定が問題となる。プロセス補正は、バッチ全体で安定していると仮定されるので、これは低速フィードバックAPCシステムで導出することができる。したがって、APCシステムは、ここでの新しいアライメント戦略のパラメータを決定せず、多ターゲット・マークの全セグメントのプロセス補正を決定し、この補正をリソグラフィ・ツールに送信する。リソグラフィ・ツールにこれらのデータがあると、アライメント戦略をバッチごとに切り換えて、フィードバック・ループを実現することができる。
【0138】
本発明の別の実施形態では、位置決めシステムから収集したデータを使用して、製造中の品質管理を改善することができる。品質管理は、通常は各バッチからランダムに拾われる幾つかのウェーハでオーバレイ計測ツールが実行する。したがって、バッチから代表的でないウェーハが選択される可能性が十分になる。次のバッチのプロセス補正は、このオーバレイ計測測定に基づくので、その結果、バッチごとにオーバレイが変動する。この実施形態では、全てのウェーハで入手可能なアライメント・データを使用して、オーバレイ計測ツールで測定すべきウェーハを識別する。どのウェーハがバッチを代表するかを決定するため、例えばウェーハ・モデル・パラメータ(並進、膨脹、回転)のウェーハごとの分布を決定し、バッチ平均のウェーハ・パラメータに最も近いウェーハを識別することができる。特に、ウェーハの膨脹および非直交性は、この目的に有用である。あるいは、格子残余、つまり測定した位置への最良の格子適合からの各測定位置の偏差を求めることができる。位置決めマークが異なる機械で露光されている場合、格子残余に系統的誤差が生じることがある。これで、位置決めシステムは、異なるオフセットで各マークを測定する。このオフ接地は、残余に大きく貢献し、それによって真の処理効果を曖昧にしてしまう。図27に示すようなマーク位置ごとの残余分布を決定することにより、オフセットの効果が排除される。これで、全マークについて、これが格子内に適合するか個別に決定することができる。使用できる他の修飾子には、全マークおよび全ウェーハにわたる、または全ウェーハにまたがるマークごとのSSおよびMCC分布がある。あるいは、最悪のウェーハを指示し、ウェーハ(フライヤ)を疑うこともできる。例えば、最悪のSS、MCC、または残余を使用してよい。これらの最悪ウェーハがオーバレイ計測ツールの仕様内であれば、バッチ全体が仕様内である。
【0139】
本発明の別の実施形態では、アライメント・データを使用して、代替戦略のプロセス補正値を決定する。プロセス補正値は、能動的戦略のみについて、オーバレイ計測ツールで決定される。能動的戦略と代替戦略との差を、位置決めシステムで測定する。古い戦略およびアライメント・データのプロセス補正値から、新しい戦略のプロセス補正値を計算する式は、以下の通りである。
【0140】
【数13】

【0141】
これは、各ウェーハ・モデル・パラメータに当てはまり、ここでPCはモデル化されたウェーハ・モデル・パラメータであり、Wは露光したウェーハ格子のパラメータである。適用可能なウェーハ・パラメータは、並進X、Y、ウェーハ膨脹X、Y、ウェーハ回転、非直交性である。例えば、
1.バッチからの全ウェーハ、
2.オフライン・オーバレイ測定に使用するウェーハのみ、
3.以前のバッチ(拒否の場合)
のようなアライメント・データを平均するには、異なるシナリオを使用することができる。
【0142】
本発明の別の実施形態では、モデル化したオーバレイ計測データ(PC)を補正する代わりに、生のオーバレイ計測データに、オフラインで測定した各オーバレイ・ターゲットおよび各ウェーハの格子差Walternative−Wactiveによるオフセットを与える。次に、代替戦略のオーバレイ性能およびプロセス補正値を、そのバッチについて計算する。オペレータまたはAPCシステムは、これでオーバレイの傾向を(つまり幾つかのバッチについて時間の関数として)監視することができ、したがってオペレータまたはAPCシステムは、代替戦略の一つに切り換えるか否か決定する。
【0143】
上述した多数のシステムは、コヒーレントなアライメント放射線源を使用するが、米国特許第6384899号に記載された位相変調技術も、本明細書で説明するシステムと組み合わせて使用することができる。米国特許第6384899号の全内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。本発明による位置決めシステムは、多様なアライメント装置で実現することができる。特定の例では、図3、図5、図7、図12、及び図13に示す位置決めシステムで実現することができる。この例では、位置決めシステムは、位置決定ユニットを有する。概して、位置決定ユニットは、固定配線の専用コンポーネントか、プログラマブル・コンポーネントでよい。プログラマブル・ユニットでは、位置決定ユニットはCPU、メモリ、およびデータ保存領域を備える。また、位置決定ユニットは、他の機器との連絡および/またはユーザとのインタフェースのため、I/Oポートを有する。
【0144】
本発明を例示的実施形態に関して説明している。これは、これらの実施形態のみに制限されず、請求の範囲で定義されるような本発明の範囲内で、これらの実施形態の組合せおよび変形を含む。本発明は、IC製造のために基板上のマスク・パターンを走査ステップ式に画像形成する装置での使用に関しても説明しているが、これに制限されるという意味ではない。本発明は、代替的に、集積つまり完全な光学系、磁気ドメイン・メモリの案内および検出パターン、または液晶表示パネルのこのような製造装置に使用することができる。投影装置は、投影ビームが電磁放射線のビームで、投影システムが光学投影レンズ・システムである光学装置ばかりでなく、投影ビームが電子ビーム、イオン・ビームまたはX線ビームなどの荷電粒子ビームであり、電子レンズ・システムなどの関連する投影システムを使用する装置でもよい。概して、本発明は、非常に小さい細部を有する像を形成しなければならない撮像システムに使用することができる。言うまでもなく、上記の様々な組合せも、本発明の範囲に入る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置の位置決めシステムにおいて、
アライメント放射線源と、
第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを含む検出システムと、
前記検出システムと連絡する位置決定ユニットとを有し、
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、加工物上の位置決めマークの位置を決定するように構成され、前記組合せは、前記加工物の製造プロセスを考慮に入れたものである位置決めシステム。
【請求項2】
前記第1検出器チャネルが第1非ゼロ回折次数チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2非ゼロ回折次数チャネルである請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項3】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの前記情報を、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの第1および第2信号を、前記第2信号に対する前記第1信号の相対的強度によって決定される係数で重み付けすることにより処理するように構成されている請求項2に記載された位置決めシステム。
【請求項4】
前記第2信号に対する前記第2信号の強度が所定の閾値を超えた場合、前記第2非ゼロ回折次数チャネルの重み係数が、ゼロに設定される請求項3に記載された位置決めシステム。
【請求項5】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、前記加工物上の前記位置決めマークの位置を第1精度で決定するように構成されている請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項6】
前記位置決定ユニットが、第3および第4検出器チャネルからの情報を処理して、前記加工物上の前記位置決めマークの位置を、前記第1精度より精密な第2精度で決定するように構成されている請求項5に記載された位置決めシステム。
【請求項7】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの第1および第2信号を等しく重み付けすることにより、前記第1および第2検出器からの前記情報を処理するように構成されている請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項8】
前記位置決定ユニットが、mcc、ミニレプロ、信号対雑音比、信号形状、信号エンベロープ、焦点、勾配、次数チャネル位置オフセット、波長チャネル位置オフセット、セグメントと粗・微位置偏差間の変位で校正された測定可能量のセットから選択された少なくとも1つの測定可能な量に依存する係数で、前記第1および第2検出器チャネルからの第1および第2信号を重み付けすることにより、前記第1および第2検出器チャネルからの前記情報を処理するように構成され、
パラメータmccは、測定した信号がいかに、完璧な位置決めマークに予想される信号と似ているかを示す複数の相関係数であり、ミニレプロは、アライメント測定の異なる区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差で、位置合わせした位置の正確さを示すアライメント測定の様々な区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差であり、信号対雑音比は、適合した信号を、測定した信号のスペクトルにわたるノイズの相対的レベルで割った値で、通常は基本周波数の倍数であり、信号形状は、このスペクトルにおける、幾つかの別個周波数の相対レベルであり、信号エンベロープは、測定中の信号強度の分散であり、焦点は、測定中のウェーハ高さのオフセットであり、勾配は、測定中のウェーハ角度と検出器角度との間の角度であり、次数チャネル位置オフセットは、1つの波長の様々なチャネルの位置合わせした位置における測定値の差であり、波長チャネル位置オフセットは、様々な波長チャネルの位置合わせした位置の測定値の差であり、セグメント間変位は、複数のセグメント間した位置決めマークの様々なセグメントの位置合わせした位置の測定値差であり、粗・微位置偏差は、粗位相での位置決めマーク測定に基づいた予想位置に対する微位相での位置決めマークの位置の差である請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項9】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの前記組み合わせた情報を使用する予測方法により、前記位置決めマークの前記位置を決定するように構成されている請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項10】
前記予測方法が、固定したデータ・セットに基づく静的予測である請求項9に記載された位置決めシステム。
【請求項11】
前記予測方法が、前記加工物上の前記位置決めマークの前記位置の前記決定中に変更できる初期データ・セットに基づくものである請求項9に記載された位置決めシステム。
【請求項12】
前記固定したデータ・セットが、前記加工物への前記位置決めマークの位置の依存性を含む請求項10に記載された位置決めシステム。
【請求項13】
前記予測方法が、前記第1および第2検出器チャネルからの組合せ情報から決定した前記位置決めマークの少なくとも前記位置に、連続関数を適合させることを含む請求項9に記載された位置決めシステム。
【請求項14】
前記予測方法が、系統的処理で誘発される誤差がほぼゼロの状態で位置決めマークの位置を予測する請求項9に記載された位置決めシステム。
【請求項15】
前記系統的に誘発されるほぼゼロの誤差が、化学機械研磨プロセスによって誘発される系統的誤差に対応する請求項14に記載された位置決めシステム。
【請求項16】
前記系統的処理で誘発されるほぼゼロの誤差が、銅ダマシン・プロセスで誘発される系統的誤差に対応する請求項14に記載された位置決めシステム。
【請求項17】
前記位置決定ユニットが、第2加工物上で検出された位置決めマークからの情報を含めることにより、前記位置決めマークの前記位置を決定するように構成されている請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項18】
前記第1検出器チャネルが第1波長チャネルにおいて、前記第2検出器チャネルが第2波長チャネルである請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項19】
前記アライメント放射線源が、第1波長で照明放射線を提供するレーザを有する請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項20】
前記アライメント放射線源が、さらに、第2波長で照明放射線を提供する第2レーザを有する請求項19に記載された位置決めシステム。
【請求項21】
前記アライメント放射線源が、複数の波長で照明放射線を提供するような構成である広帯域源を有する請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項22】
前記検出システムが、第1検出信号を前記第1検出器チャネルに提供するように構成された第1検出器と、第2検出信号を前記第2検出器チャネルに提供するように構成された第2検出器とを有する請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項23】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲット、および前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出するように構成されている請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項24】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記第1ターゲットの一部の上または下にある構造の少なくとも1つを含む請求項23に記載された位置決めシステム。
【請求項25】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットを検出して、前記第1検出信号を提供するように構成され、前記検出システムが、前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出して、前記第2検出信号を提供するように構成されている請求項23に記載された位置決めシステム。
【請求項26】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に所定の変化を遂げるように構成されているプロセス・ターゲットである請求項23に記載された位置決めシステム。
【請求項27】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に、前記第1ターゲットより小さい変化を遂げて前記第1ターゲットに強健なバックアップを提供するように構成されている請求項26に記載された位置決めシステム。
【請求項28】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に破壊されるように構成された犠牲ターゲットである請求項23に記載された位置決めシステム。
【請求項29】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の材料の第1層内に構築され、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の材料の第2層内に構成されている請求項23に記載された位置決めシステム。
【請求項30】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第1回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第2回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記第1回折次数が、前記第2回折次数の整数値とは異なる整数値である請求項23に記載された位置決めシステム。
【請求項31】
前記検出システムが、さらに、第3検出器チャネルを有し、前記位置決定ユニットが、前記第1、第2および第3検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、前記加工物上の前記位置決めマークの前記位置を決定しながら、校正および認定のうち少なくとも一方を実行するように構成されている請求項1に記載された位置決めシステム。
【請求項32】
リソグラフィ投影装置において、
照明放射線を提供するように構成された照明システムと、
前記照明放射線の経路に配置されるような構成である基板ステージ・アセンブリと、
前記照明システムと前記基板ステージ・アセンブリとの間で前記照明放射線の前記経路に配置されるレチクル・ステージ・アセンブリと、
前記レチクル・ステージ・アセンブリと前記基板ステージ・アセンブリとの間に配置された投影システムと、
前記基板ステージ・アセンブリおよび前記レチクル・ステージ・アセンブリの少なくとも一方の近傍に配置された位置決めシステムとを有し、
前記位置決めシステムが、
アライメント放射線源と、
第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを含む検出システムと、
前記検出システムと連絡する位置決定ユニットとを有し、
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、加工物上の位置決めマークの位置を決定するように構成され、前記組合せが前記加工物の製造プロセスを考慮に入れたものであるリソグラフィ投影装置。
【請求項33】
前記第1検出器チャネルが第1非ゼロ回折次数チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2非ゼロ検出次数チャネルである請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項34】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの前記情報を、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの第1および第2信号に、前記第2信号に対する前記第1信号の相対的強度に依存する係数で重み付けすることにより処理するように構成されている請求項33に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項35】
前記第2信号に対する前記第1信号の強度が所定の閾値を超えた場合、前記第2非ゼロ回折次数チャネルの重み付け係数がゼロに設定される請求項34に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項36】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、前記加工物上の前記位置決めマークの位置を第1精度で決定するように構成されている請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項37】
前記位置決定ユニットが、第3および第4検出器チャネルからの情報を処理して、前記加工物上の前記位置決めマークの位置を、前記第1精度より精密な第2精度で決定するように構成されている請求項36に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項38】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの前記情報を、前記第1および第2検出器チャネルからの第1および第2信号に等しく重み付けすることにより処理するように構成されている請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項39】
前記位置決定ユニットが、mcc、ミニレプロ、信号対雑音比、信号形状、信号エンベロープ、焦点、勾配、次数チャネル位置オフセット、波長チャネル位置オフセット、セグメントと粗・微位置偏差間の変位で校正された測定可能量のセットから選択された少なくとも1つの測定可能な量に依存する係数で、前記第1および第2検出器チャネルからの第1および第2信号を重み付けすることにより、前記第1および第2検出器チャネルからの前記情報を処理するように構成され、
パラメータmccは、測定した信号がいかに、完璧な位置決めマークに予想される信号と似ているかを示す複数の相関係数であり、ミニレプロは、アライメント測定の異なる区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差で、位置合わせした位置の正確さを示すアライメント測定の様々な区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差であり、信号対雑音比は、適合した信号を、測定した信号のスペクトルにわたるノイズの相対的レベルで割った値で、通常は基本周波数の倍数であり、信号形状は、このスペクトルにおける、幾つかの別個周波数の相対レベルであり、信号エンベロープは、測定中の信号強度の分散であり、焦点は、測定中のウェーハ高さのオフセットであり、勾配は、測定中のウェーハ角度と検出器角度との間の角度であり、次数チャネル位置オフセットは、1つの波長の様々なチャネルの位置合わせした位置における測定値の差であり、波長チャネル位置オフセットは、様々な波長チャネルの位置合わせした位置の測定値の差であり、セグメント間変位は、複数のセグメント間した位置決めマークの様々なセグメントの位置合わせした位置の測定値差であり、粗・微位置偏差は、粗位相での位置決めマーク測定に基づいた予想位置に対する微位相での位置決めマークの位置の差である請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項40】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの前記組み合わせた情報を使用する予測方法により、前記位置決めマークの前記位置を決定するように構成されている請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項41】
前記予測方法が、固定したデータ・セットに基づく静的予想である請求項40に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項42】
前記予測方法が、前記加工物上の前記位置決めマークの前記位置の前記決定中に変更できる初期データ・セットに基づく、請求項40に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項43】
前記固定したデータ・セットが、前記加工物への前記位置決めマークの位置の依存性を含む、請求項41に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項44】
前記予測方法が、前記第1および第2検出器チャネルからの組合せ情報から決定した前記位置決めマークの少なくとも前記位置に、連続関数を適合させることを含む、請求項40に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項45】
前記予測方法が、系統的処理で誘発される誤差がほぼゼロの状態で位置決めマークの位置を予測する請求項40に記載された位置決めシステム。
【請求項46】
前記系統的に誘発されるほぼゼロの誤差が、化学機械研磨プロセスによって誘発される系統的誤差に対応する請求項45に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項47】
前記系統的処理で誘発されるほぼゼロの誤差が、銅ダマシン・プロセスで誘発される系統的誤差に対応する請求項45に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項48】
前記位置決定ユニットが、第2加工物上で検出された位置決めマークからの情報を含めることにより、前記位置決めマークの前記位置を決定するように構成されている請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項49】
前記第1検出器チャネルが第1波長チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2波長チャネルである請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項50】
前記アライメント放射線源が、第1波長で照明放射線を提供するレーザを有する請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項51】
前記アライメント放射線源が、さらに、第2波長で照明放射線を提供する第2レーザを有する請求項50に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項52】
前記アライメント放射線源が、複数の波長で照明放射線を提供するような校正である広帯域源を有する請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項53】
前記検出システムが、第1検出信号を前記第1検出器チャネルに提供するように構成された第1検出器と、第2検出信号を前記第2検出器チャネルに提供するように構成された第2検出器とを有する請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項54】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲット、および前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出するように構成されている請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項55】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記第1ターゲットの一部の上または下にある構造の少なくとも1つを含む、請求項54に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項56】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットを検出して、前記第1検出信号を提供するように構成され、前記検出システムが、前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出して、前記第2検出信号を提供するように構成されている請求項54に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項57】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に所定の変化を遂げるように構成されているプロセス・ターゲットである請求項54に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項58】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に、前記第1ターゲットより小さい変化を遂げて、前記第1ターゲットに強健なバックアップを提供するように構成されている請求項57に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項59】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に破壊されるように構成された犠牲ターゲットである請求項54に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項60】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の材料の第1層内に構築され、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の材料の第2層内に構成されている請求項56に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項61】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第1回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第2回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記第1回折次数が、前記第2回折次数の整数値とは異なる整数値である請求項56に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項62】
前記検出システムが、さらに、第3チャネルを有し、前記位置決定ユニットが、前記第1、第2および第3検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、前記加工物上の前記位置決めマークの前記位置を決定する一方、校正および認定のうち少なくとも一方を実行するように構成されている請求項32に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項63】
マイクロデバイスを製造するために加工物を位置合わせする方法で、
前記加工物上に位置決めマークを形成することと、
位置決めシステムで前記位置決めマークを検出することと、
前記位置決めマークに応答して前記位置決めシステムから第1信号を受信することと、
前記位置決めマークに応答して前記位置決めシステムから第2信号を受信することと、
前記加工物が経験した処理にしたがい組み合わせた前記第1および第2信号からの情報に基づき、前記加工物上の前記位置決めマークの位置を検出することとを含む方法。
【請求項64】
前記位置決めマークが多ターゲット・マークであり、前記第1信号が、前記多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットに応答し、前記第2信号が、前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットに応答する請求項63に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項65】
前記位置決めシステムが、前記第1信号を生成する第1検出器と、前記第2信号を生成する第2検出器とを有し、前記第1および第2信号がほぼ同期して生成される請求項63に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項66】
前記位置決めマークが多ターゲット・位置決めマークであり、前記第1信号が前記多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットに応答し、前記第2信号が、前多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットに応答する請求項65に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項67】
さらに、前記加工物を保持するような構成であるステージ・アセンブリ上の認識マークの位置を決定することと、前記認識マークに対する前記位置決めマークの前記位置を決定することとを含む、請求項63に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項68】
前記多ターゲット・位置決めマークが、前記加工物のスクライブ線に沿って、隣接するマイクロデバイス領域間に形成される請求項63に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項69】
前記第1ターゲットが第1回折格子であり、前記第2ターゲットが第2回折格子である請求項64に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項70】
前記第1および第2回折格子が回折次数強化格子である請求項69に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項71】
前記第1ターゲットが、前記第2ターゲットとは異なるパターンを有する請求項64に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項72】
前記第1ターゲットが、前記マイクロデバイスの構造に基づいて構成された構造を有する請求項64に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項73】
前記多ターゲット・位置決めマークを前記検出することが、アライメント放射線ビームで前記多ターゲット・位置決めマークを照明することを含む、請求項64に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項74】
前記位置決めシステムの前記第1検出器から受信した前記第1信号が、前記アライメント放射線ビームが前記第1ターゲットを照明した後に、第1対の非ゼロ次数回折アライメント放射線ビームを検出することに対応し、
前記位置決めシステムの前記第2検出器から受信した前記第2信号が、前記アライメント放射線ビームが前記第2ターゲットを照明した後に、第2対の非ゼロ次数回折アライメント放射線ビームを検出することに対応し、前記第1および第2対の非ゼロ次数回折ビームが相互とは異なる次数である請求項65に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項75】
前記位置決めマークの前記位置を前記決定することが、前記第1および第2信号に基づいて位置を予測することを含む、請求項63に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項76】
マイクロデバイスを製造するために、製造領域内で加工物上の位置決めマークを捕捉する方法で、
前記加工物上に多格子位置決めマークを形成することと、
複数の検出器を有する位置決めシステムで、前記多格子位置決めマークを検出することと、
前記多格子位置決めマークの複数の格子から第1および第2格子を選択することと、
前記複数の検出器のうち第1検出器の前記多格子位置決めマークの前記第1格子からのほぼ周期的な第1信号を、前記複数の検出器のうち第2検出器の前記多格子位置決めマークの前記第2格子からのほぼ周期的な第2信号と比較することと、
前記比較に基づいて捕捉範囲を決定することとを含む方法。
【請求項77】
前記第1格子が、1次より大きい次数を強化する回折次数強化格子であり、前記第2格子が、1次より大きい次数を強化する回折次数強化格子である請求項76に記載された位置決めマークを捕捉する方法。
【請求項78】
前記多格子位置決めマークの前記第1および第2回折次数強化格子が、異なる回折次数を強化する請求項77に記載された位置決めマークを捕捉する方法。
【請求項79】
マイクロデバイスの製造に使用する位置決めマークで、
第1検出パターンを有する第1ターゲットと、
第2検出パターンを有する第2ターゲットとを有し、
前記第1ターゲットが、第1検出器で検出するような構成であり、
前記第2ターゲットが、第2検出器で検出するような構成である位置決めマーク。
【請求項80】
前記第1ターゲットが、第1周期的格子パターンを有する第1回折次数強化格子であり、
前記第2ターゲットが、第2周期的格子パターンを有する第2回折次数強化格子であり、
記第1ターゲットが、前記第2ターゲットによって強化された回折ビームから、異なる次数の回折ビームを強化する請求項79に記載された位置決めマーク。
【請求項81】
さらに、第3検出パターンを有する第3ターゲットを有し、
前記第3ターゲットが、第3周期的格子パターンを有する第3回折次数強化格子であり、前記第3ターゲットが、前記第1および第2ターゲットによって強化された前記回折ビームから、異なる次数の回折ビームを強化する請求項80に記載された位置決めマーク。
【請求項82】
さらに、第4検出パターンを有する第4ターゲットを有し、
前記第4ターゲットが、前記第1、第2および第3周期的格子パターンからの異なる周期の周期的パターンを有する回折格子である請求項81に記載された位置決めマーク。
【請求項83】
マイクロデバイスの製造に使用するため、非ゼロ次の回折ビームの強度を強化する、オブジェクト上に形成された回折次数強化位置決めマーク。
【請求項84】
マイクロデバイスの製造に使用するため、オブジェクト上に形成された位置決めマークで、検出パターンおよび処理パターンを有するターゲットを有し、前記処理パターンが、製造中の前記マイクロデバイスの変化に対応してマイクロデバイスの処理にて変化する構造を有する位置決めマーク。
【請求項85】
マイクロデバイスを製造するための自動プロセス制御方法で、
複数の検出器チャネルを有する位置決めマーク検出システムからデータを受信することと、
前記位置決めマーク検出システムからの前記受信データに基づき、更新された処理戦略を決定することと、
前記更新された処理戦略に基づいて処理ステップを変更することとを含み、
前記位置決めマーク検出システムの前記複数の検出器チャネルが、位置決めマークの検出中に、対応する複数の信号をほぼ同期して提供する方法。
【請求項86】
前記位置決めマーク検出システムからの前記データが、多ターゲット・位置決めマークの走査から取得される請求項85に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項87】
前記多ターゲット・位置決めマークが、前記複数の検出器チャネルのうち対応する少なくとも2つの検出器チャネルに、検出信号を提供するため、前記多ターゲット・位置決めマークが、前記位置決めマーク検出システムによって別個に検出可能な少なくとも2つのターゲットを有する請求項86に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項88】
前記少なくとも2つのターゲットが、それぞれ、異なる回折次数を強化する回折次数強化格子であり、対応する少なくとも2つの検出器チャネルが回折次数チャネルである請求項87に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項89】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記少なくとも2つのターゲットのうち少なくとも一方が、前記マイクロデバイスの処理ステップ中に、ほぼ予測可能な方法で信号特徴を変化させるプロセス・ターゲットである請求項86に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項90】
前記プロセス・ターゲットが、タングステンで充填された十字溝の下位構造を有する回折格子である請求項89に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項91】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記少なくとも2つのターゲットのうち少なくとも一方が、自身に配向されたアライメント放射線に対して不透明な材料の層上に形成された回折格子であり、不透明材料の前記層が、前記回折格子の有効深さを調整するように作用する請求項87に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項92】
前記多ターゲット・位置決めマークが半導体ウェーハのスクライブ線に沿って形成された少なくとも4つのターゲットを有する請求項86に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項93】
前記位置決めマーク検出システムが、リソグラフィ露光装置のオフアキシャル・位置決めシステムである請求項85に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項94】
さらに、
オフライン計測ツールからデータを受信することと、
前記位置決めマーク検出システムからの前記受信データ、および前記オフライン計測ツールからの前記データに基づき、前記更新された処理戦略を決定することとを含む、請求項93に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項95】
前記複数の検出器チャネルのうち少なくとも2本のチャネルが、異なる波長での検出に対応する請求項85に記載された自動プロセス制御方法。
【請求項96】
マイクロデバイスを製造するための自動プロセス制御システムで、
複数の検出器チャネルを有する位置決めマーク検出システムからデータを受信するような構成であるデータ処理ユニットを有し、
前記データ処理ユニットが、前記位置決めマーク検出システムから受信したデータに基づき、更新された処理戦略を決定し、前記更新処理戦略に基づいて処理ステップを変更するように信号を出力し、
前記位置決めマーク検出システムの前記複数の検出器チャネルが、位置決めマークの検出中に、対応する複数の信号をほぼ同期して提供する自動プロセス制御システム。
【請求項97】
前記位置決めマーク検出システムからの前記データが、多ターゲット・位置決めマークの走査中に取得される請求項96に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項98】
前記多ターゲット・位置決めマークが、前記複数の検出器チャネルの対応する少なくとも2本の検出器チャネルに検出信号を提供するように、前記位置決めマーク検出システムによって別個に検出可能な少なくとも2つのターゲットを有する請求項97に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項99】
前記少なくとも2つのターゲットが、それぞれ、異なる回折次数を強化する回折次数強化格子であり、対応する少なくとも2つの検出器チャネルが回折次数チャネルである請求項98に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項100】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記少なくとも2つのターゲットのうち少なくとも一方が、前記マイクロデバイスの処理ステップ中に、ほぼ予測可能な方法で信号特徴を変化させるプロセス・ターゲットである請求項98に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項101】
前記プロセス・ターゲットが、タングステンで充填された十字溝の下位構造を有する回折格子である請求項100に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項102】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記少なくとも2つのターゲットのうち少なくとも一方が、自身に配向されたアライメント放射線に対して不透明な材料の層上に形成された回折格子であり、不透明材料の前記層が、前記回折格子の有効深さを調整するように作用する請求項98に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項103】
前記多ターゲット・位置決めマークが、半導体ウェーハのスクライブ線に沿って形成された少なくとも4つのターゲットを有する請求項97に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項104】
前記位置決めマーク検出システムが、リソグラフィ露光装置のオフアキシャル・位置決めシステムである請求項96に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項105】
前記データ処理ユニットが、さらに、オフライン計測ツールからデータを受信するような構成であり、前記データ処理ユニットが、前記位置決めマーク検出システムおよび前記オフライン計測ツールから受信したデータに基づき、前記更新された処理戦略を決定して、前記更新処理戦略に基づいて前記処理ステップを変更するように、前記信号を出力する請求項104に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項106】
前記複数の検出器チャネルのうち少なくとも2本のチャネルが、異なる波長での検出に対応する請求項96に記載された自動プロセス制御システム。
【請求項107】
マイクロデバイスを製造するための自動機器制御方法で、
複数の検出器チャネルを有する位置決めマーク検出システムからデータを受信することと、
前記位置決めマーク検出システムからの前記受信データに基づき、更新した処理戦略を決定することと、
前記更新処理戦略に基づいて処理ステップを変更することとを含み、
前記位置決めマーク検出システムの前記複数の検出チャネルが、位置決めマークの検出中に対応する複数の信号をほぼ同期して提供する方法。
【請求項108】
前記位置決めマーク検出システムからの前記データが、多ターゲット・位置決めマークの走査中に取得される請求項107に記載された自動機器制御方法。
【請求項109】
前記多ターゲット・位置決めマークが、前記複数の検出器チャネルの対応する少なくとも2本の検出器チャネルに検出信号を提供するように、前記位置決めマーク検出システムによって別個に検出可能な少なくとも2つのターゲットを有する請求項108に記載された自動機器制御方法。
【請求項110】
前記少なくとも2つのターゲットが、それぞれ、異なる回折次数を強化する回折次数強化格子であり、対応する少なくとも2本の検出器チャネルが回折次数チャネルである請求項109に記載された自動機器制御方法。
【請求項111】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記少なくとも2つのターゲットのうち少なくとも一方が、前記マイクロデバイスの処理ステップ中に、ほぼ予測可能な方法で信号特徴を変化させるプロセス・ターゲットである請求項110に記載された自動機器制御方法。
【請求項112】
前記プロセス・ターゲットが、タングステンで充填された十字溝の下位構造を有する回折格子である請求項111に記載された自動機器制御方法。
【請求項113】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記少なくとも2つのターゲットのうち少なくとも一方が、自身に配向されたアライメント放射線に対して不透明な材料の層上に形成された回折格子であり、不透明材料の前記層が、前記回折格子の有効深さを調整するように作用する請求項109に記載された自動機器制御方法。
【請求項114】
前記多ターゲット・位置決めマークが、半導体ウェーハのスクライブ線に沿って形成された少なくとも4つのターゲットを有する請求項108に記載された自動機器制御方法。
【請求項115】
前記位置決めマーク検出システムが、リソグラフィ露光装置のオフアキシャル・位置決めシステムである請求項107に記載された自動機器制御方法。
【請求項116】
前記複数の検出器チャネルのうち少なくとも2本のチャネルが、異なる波長での検出に対応する請求項107に記載された自動機器制御方法。
【請求項117】
リソグラフィ装置の位置決めシステムで、
アライメント放射線源と、
第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを含む検出システムと、
前記検出システムと連絡する位置決定ユニットとを有し、
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、加工物のアライメント格子を決定するように構成されている位置決めシステム。
【請求項118】
前記第1検出器チャネルが第1非ゼロ回折次数チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2非ゼロ回折次数チャネルである請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項119】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの前記情報を、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの第1および第2信号を、前記第2信号に対する前記第1信号の相対的強度によって決定される係数で重み付けすることにより処理するように構成されている請求項118に記載された位置決めシステム。
【請求項120】
前記第2信号に対する前記第2信号の強度が所定の閾値を超えた場合、前記第2非ゼロ回折次数チャネルの重み係数が、ゼロに設定される請求項119に記載された位置決めシステム。
【請求項121】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、前記アライメント格子を第1精度で決定するように構成されている請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項122】
前記位置決定ユニットが、第3および第4検出器チャネルからの情報を処理して、アライメント格子を、前記第1精度より精密な第2精度で決定するように構成されている請求項121に記載された位置決めシステム。
【請求項123】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの第1および第2信号を等しく重み付けすることにより、前記第1および第2検出器からの前記情報を処理するように構成されている請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項124】
前記位置決定ユニットが、mcc、ミニレプロ、信号対雑音比、信号形状、信号エンベロープ、焦点、勾配、次数チャネル位置オフセット、波長チャネル位置オフセット、セグメントと粗・微位置偏差間の変位で校正された測定可能量のセットから選択された少なくとも1つの測定可能な量に依存する係数で、前記第1および第2検出器チャネルからの第1および第2信号を重み付けすることにより、前記第1および第2検出器チャネルからの前記情報を処理するように構成され、
パラメータmccは、測定した信号がいかに、完璧な位置決めマークに予想される信号と似ているかを示す複数の相関係数であり、ミニレプロは、アライメント測定の異なる区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差で、位置合わせした位置の正確さを示すアライメント測定の様々な区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差であり、信号対雑音比は、適合した信号を、測定した信号のスペクトルにわたるノイズの相対的レベルで割った値で、通常は基本周波数の倍数であり、信号形状は、このスペクトルにおける、幾つかの別個周波数の相対レベルであり、信号エンベロープは、測定中の信号強度の分散であり、焦点は、測定中のウェーハ高さのオフセットであり、勾配は、測定中のウェーハ角度と検出器角度との間の角度であり、次数チャネル位置オフセットは、1つの波長の様々なチャネルの位置合わせした位置における測定値の差であり、波長チャネル位置オフセットは、様々な波長チャネルの位置合わせした位置の測定値の差であり、セグメント間変位は、複数のセグメント間した位置決めマークの様々なセグメントの位置合わせした位置の測定値差であり、粗・微位置偏差は、粗位相での位置決めマーク測定に基づいた予想位置に対する微位相での位置決めマークの位置の差である請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項125】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの前記組み合わせた情報を使用する予測方法により、前記アライメント格子を決定するように構成されている請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項126】
前記予測方法が、固定したデータ・セットに基づく静的予測方法である請求項125に記載された位置決めシステム。
【請求項127】
前記予測方法が、前記アライメント格子の前記決定中に変更できる初期データ・セットに基づく、請求項125に記載された位置決めシステム。
【請求項128】
前記固定したデータ・セットが、前記加工物への前記位置決めマークの位置の依存性を含む、請求項126に記載された位置決めシステム。
【請求項129】
前記位置決定ユニットが、第2加工物上で決定されたアライメント格子からの情報を含むことにより、前記アライメント格子を決定するように構成されている請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項130】
前記第1検出器チャネルが第1波長チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2波長チャネルである請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項131】
前記アライメント放射線源が、第1波長で照明放射線を提供するレーザを有する請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項132】
前記アライメント放射線源が、さらに、第2波長で照明放射線を提供する第2レーザを有する請求項125に記載された位置決めシステム。
【請求項133】
前記アライメント放射線源が、複数の波長で照明放射線を提供するような構成である広帯域源を有する請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項134】
前記検出システムが、第1検出信号を前記第1検出器チャネルに提供するように構成された第1検出器と、第2検出信号を前記第2検出器チャネルに提供するように構成された第2検出器とを有する請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項135】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲット、および前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出するように構成されている請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項136】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記第1ターゲットの一部の上または下にある構造の少なくとも1つを含む、請求項135に記載された位置決めシステム。
【請求項137】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットを検出して、前記第1検出信号を提供するように構成され、前記検出システムが、前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出して、前記第2検出信号を提供するように構成されている請求項135に記載された位置決めシステム。
【請求項138】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に所定の変化を遂げるように構成されているプロセス・ターゲットである請求項135に記載された位置決めシステム。
【請求項139】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に、前記第1ターゲットより小さい変化を遂げて、前記第1ターゲットに強健なバックアップ・ターゲットを提供するように構成されている請求項138に記載された位置決めシステム。
【請求項140】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に破壊されるように構成された犠牲ターゲットである請求項135に記載された位置決めシステム。
【請求項141】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の材料の第1層内に構築され、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の材料の第2層内に構築されている請求項135に記載された位置決めシステム。
【請求項142】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第1回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第2回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記第1回折次数が、前記第2回折次数の整数値とは異なる整数値である請求項135に記載された位置決めシステム。
【請求項143】
前記検出システムが、さらに、第3検出器チャネルを有し、前記位置決定ユニットが、前記第1、第2および第3検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、前記加工物上の前記位置決めマークの前記位置を決定しながら、校正および認定のうち少なくとも一方を実行するように構成されている請求項117に記載された位置決めシステム。
【請求項144】
リソグラフィ投影装置で、
照明放射線を提供するように構成された照明システムと、
前記照明放射線の経路に配置されるような構成である基板ステージ・アセンブリと、
前記照明システムと前記基板ステージ・アセンブリとの間で前記照明放射線の前記経路に配置されるレチクル・ステージ・アセンブリと、
前記レチクル・ステージ・アセンブリと前記基板ステージ・アセンブリとの間に配置された投影システムと、
前記基板ステージ・アセンブリおよび前記レチクル・ステージ・アセンブリの少なくとも一方の近傍に配置された位置決めシステムとを有し、
前記位置決めシステムが、
アライメント放射線源と、
第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを含む検出システムと、
前記検出システムと連絡する位置決定ユニットとを有し、
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、加工物のアライメント格子を決定するように構成されているリソグラフィ投影装置。
【請求項145】
前記第1検出器チャネルが第1非ゼロ回折次数チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2非ゼロ検出次数チャネルである、請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項146】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの前記情報を、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの第1および第2信号に、前記第2信号に対する前記第1信号の相対的強度に依存する係数で重み付けすることにより処理するように構成されている請求項145に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項147】
前記第2信号に対する前記第1信号の強度が所定の閾値を超えた場合、前記第2非ゼロ回折次数チャネルの重み付け係数がゼロに設定される請求項146に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項148】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、前記加工物のアライメント格子を第1精度で決定するように構成されている請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項149】
前記位置決定ユニットが、第3および第4検出器チャネルからの情報を処理して、前記加工物の前記アライメント格子を、前記第1精度より精密な第2精度で決定するように構成されている請求項148に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項150】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの前記情報を、前記第1および第2検出器チャネルからの第1および第2信号に等しく重み付けすることにより処理するように構成されている請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項151】
前記位置決定ユニットが、mcc、ミニレプロ、信号対雑音比、信号形状、信号エンベロープ、焦点、勾配、次数チャネル位置オフセット、波長チャネル位置オフセット、セグメントと粗・微位置偏差間の変位で校正された測定可能量のセットから選択された少なくとも1つの測定可能な量に依存する係数で、前記第1および第2検出器チャネルからの第1および第2信号を重み付けすることにより、前記第1および第2検出器チャネルからの前記情報を処理するように構成され、
パラメータmccは、測定した信号がいかに、完璧な位置決めマークに予想される信号と似ているかを示す複数の相関係数であり、ミニレプロは、アライメント測定の異なる区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差で、位置合わせした位置の正確さを示すアライメント測定の様々な区間または部分の位置合わせした位置の標準偏差であり、信号対雑音比は、適合した信号を、測定した信号のスペクトルにわたるノイズの相対的レベルで割った値で、通常は基本周波数の倍数であり、信号形状は、このスペクトルにおける、幾つかの別個周波数の相対レベルであり、信号エンベロープは、測定中の信号強度の分散であり、焦点は、測定中のウェーハ高さのオフセットであり、勾配は、測定中のウェーハ角度と検出器角度との間の角度であり、次数チャネル位置オフセットは、1つの波長の様々なチャネルの位置合わせした位置における測定値の差であり、波長チャネル位置オフセットは、様々な波長チャネルの位置合わせした位置の測定値の差であり、セグメント間変位は、複数のセグメント間した位置決めマークの様々なセグメントの位置合わせした位置の測定値差であり、粗・微位置偏差は、粗位相での位置決めマーク測定に基づいた予想位置に対する微位相での位置決めマークの位置の差である請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項152】
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの前記組み合わせた情報を使用する予測方法により、前記位置決めマークの前記位置を決定するように構成されている請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項153】
前記予測方法が、固定したデータ・セットに基づく静的予測である請求項152に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項154】
前記予測方法が、前記加工物上の前記位置決めマークの前記位置の前記決定中に変更できる初期データ・セットに基づく、請求項152に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項155】
前記固定したデータ・セットが、前記加工物への前記位置決めマークの位置の依存性を含む、請求項153に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項156】
前記位置決定ユニットが、第2加工物上で決定されたアライメント格子からの情報を含むことにより、前記アライメント格子を決定するように構成されている請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項157】
前記第1検出器チャネルが第1波長チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2波長チャネルである請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項158】
前記アライメント放射線源が、第1波長で照明放射線を提供するレーザを有する請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項159】
前記アライメント放射線源が、さらに、第2波長で照明放射線を提供する第2レーザを有する請求項158に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項160】
前記アライメント放射線源が、複数の波長での照明放射線を提供するような構成である広帯域源を有する請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項161】
前記検出システムが、第1検出信号を前記第1検出器チャネルに提供するように構成された第1検出器と、第2検出信号を前記第2検出器チャネルに提供するように構成されている第2検出器とを有する請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項162】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲット、および前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出するように構成されている請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項163】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記第1ターゲットの一部の上または下の構造のうち少なくとも1つを含む、請求項162に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項164】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットを検出して前記第1検出信号を提供するように構成され、前記検出システムが、前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出して前記第2検出信号を提供する構成されている請求項162に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項165】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に所定の変化を遂げるように構成されているプロセス・ターゲットである請求項162に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項166】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に、前記第1ターゲットより小さい変化を遂げて、前記第1ターゲットに強健なバックアップ・ターゲットを提供するように構成されている請求項165に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項167】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に破壊されるように構成されている犠牲ターゲットである請求項162に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項168】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の材料の第1層内に構築され、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の材料の第2層内に構築されている請求項164に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項169】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第1回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第2回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記第1回折次数が、前記第2回折次数の整数値とは異なる整数値である請求項164に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項170】
前記検出システムが、さらに、第3検出器チャネルを有し、前記位置決定ユニットが、前記第1、第2および第3検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、前記加工物の前記アライメント格子を決定しながら、校正および認定のうち少なくとも一方を実行するように構成されている請求項144に記載されたリソグラフィ投影装置。
【請求項171】
マイクロデバイスを製造するため加工物を位置合わせする方法で、
前記加工物上に位置決めマークを形成することと、
前記位置決めシステムで前記位置決めマークを検出することと、
前記位置決めマークに応答して前記位置決めシステムから第1信号を受信することと、
前記位置決めマークに応答して前記位置決めシステムから第2信号を受信することと、
前記第1および第2信号からの情報に基づき、前記加工物のアライメント格子を決定することとを含む方法。
【請求項172】
前記位置決めマークが多ターゲット・位置決めマークであり、前記第1信号が、前記多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットに応答し、前記第2信号が、前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットに応答する請求項171に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項173】
前記位置決めシステムが、前記第1信号を生成する第1検出器と、前記第2信号を生成する第2検出器とを有する請求項171に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項174】
前記位置決めマークが多ターゲット・位置決めマークであり、前記第1信号が前記多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットに応答し、前記第2信号が、前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットに応答する請求項173に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項175】
さらに、前記加工物を保持するような構成であるステージ・アセンブリ上の認識マークの位置を決定することと、前記認識マークに対する前記位置決めマークの前記位置を決定することとを含む、請求項171に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項176】
前記多ターゲット・位置決めマークが、前記加工物のスクライブ線に沿って、隣接するマイクロデバイス領域間に形成される請求項171に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項177】
前記第1ターゲットが第1回折格子であり、前記第2ターゲットが第2回折格子である請求項172に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項178】
前記第1および第2回折格子が回折次数強化格子である請求項177に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項179】
前記第1ターゲットが、前記第2ターゲットとは異なるパターンを有する請求項172に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項180】
前記第1ターゲットが、前記マイクロデバイスの構造に基づいて構成された構造を有する請求項172に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項181】
前記多ターゲット・位置決めマークを前記検出することが、アライメント放射線ビームで前記多ターゲット・位置決めマークを照明することを含む、請求項172に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項182】
前記位置決めシステムの前記第1検出器から受信した前記第1信号が、前記アライメント放射線ビームが前記第1ターゲットを照明した後に、第1対の非ゼロ次数回折アライメント放射線ビームを検出することに対応し、
前記位置決めシステムの前記第2検出器から受信した前記第2信号が、前記アライメント放射線ビームが前記第2ターゲットを照明した後に、第2対の非ゼロ次数回折アライメント放射線ビームを検出することに対応し、前記第1および第2対の非ゼロ次数回折ビームが相互とは異なる次数である請求項173に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項183】
前記位置決めマークの前記位置を前記決定することが、前記第1および第2信号に基づいて位置を予測することを含む請求項171に記載された加工物を位置合わせする方法。
【請求項184】
リソグラフィ装置の計測システムで、
アライメント放射線源と、
第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを含む検出システムと、
前記検出システムに連絡する処理ユニットとを有し、
前記処理ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、加工物上の位置決めマークの検出に基づいて、焦点、エネルギ、露光量、線幅、コンタクト・ホール幅または微小寸法のうち少なくとも1つを決定するように構成された計測システム。
【請求項185】
前記第1検出器チャネルが第1非ゼロ検出次数チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2非ゼロ回折次数チャネルである請求項184に記載された計測システム。
【請求項186】
前記処理ユニットが、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの第1および第2信号を、前記第2信号に対する前記第1信号の相対的強度に依存する係数で重み付けすることにより、前記第1および第2非ゼロ回折次数チャネルからの前記情報を処理するように構成された請求項185に記載された計測システム。
【請求項187】
前記第2信号に対する前記第1信号の強度が所定の閾値を超えた場合、前記第2非ゼロ回折次数チャネルの重み係数がゼロに設定される、請求項186に記載された計測システム。
【請求項188】
前記第1検出器チャネルが第1波長チャネルであり、前記第2検出器チャネルが第2波長チャネルである請求項184に記載された計測システム。
【請求項189】
前記アライメント放射線源が、第1波長で照明放射線を提供するレーザを有する請求項184に記載された計測システム。
【請求項190】
前記アライメント放射線源が、さらに、第2波長で照明放射線を提供する第2レーザを有する請求項189に記載された計測システム。
【請求項191】
前記アライメント放射線源が、複数の波長で照明放射線を提供するような構成である広帯域源を有する請求項184に記載された計測システム。
【請求項192】
前記検出システムが、前記第1検出器チャネルに第1検出信号を提供するように構成された第1検出器と、前記第2検出器チャネルに第2検出信号を提供するように構成された第2検出器とを有する請求項184に記載された計測システム。
【請求項193】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲット、および前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出するように構成されている請求項184に記載された計測システム。
【請求項194】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記第1ターゲットの一部の上または下にある構造の少なくとも1つを含む、請求項193に記載された計測システム。
【請求項195】
前記検出システムが、多ターゲット・位置決めマークの第1ターゲットを検出して、前記第1検出信号を提供するように構成され、前記検出システムが、前記多ターゲット・位置決めマークの第2ターゲットを検出して、前記第2検出信号を提供するように構成されている請求項193に記載された計測システム。
【請求項196】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の製造プロセス中に所定の変化を遂げるように構成されたプロセス・ターゲットである請求項193に記載された計測システム。
【請求項197】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の前記製造プロセス中に、前記第1ターゲットより小さい変化を遂げて、前記第1ターゲットに強健なバックアップ・ターゲットを提供するように構成されている、請求項196に記載された計測システム。
【請求項198】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の製造プロセス中に破壊されるように構成された犠牲ターゲットである請求項193に記載された計測システム。
【請求項199】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、前記加工物の材料の第1層内に構築され、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、前記加工物の材料の第2層内に構成されている、請求項193に記載された計測システム。
【請求項200】
前記多ターゲット・位置決めマークの前記第1ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第1回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記多ターゲット・位置決めマークの前記第2ターゲットが、純粋に周期的な格子と比較して、そこから回折した放射線の第2回折次数を強化する回折次数強化格子であり、前記第1回折次数が、前記第2回折次数の整数値とは異なる整数値である請求項193に記載された計測システム。
【請求項201】
前記検出システムが、さらに、第3検出器チャネルを有し、前記位置決定ユニットが、前記第1、第2および第3検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、校正および認定のうち少なくとも一方を実行しながら、前記焦点、エネルギ、露光量、線幅、コンタクト・ホール幅または微小寸法のうち少なくとも1つを決定するように構成されている、請求項184に記載された計測システム。
【請求項202】
リソグラフィ装置で、
照明システムと、
前記照明システムからの照明放射線の放射線経路に配置された基板ステージ・アセンブリと、
前記照明放射線の前記放射線経路内で、前記照明システムと前記基板ステージ・アセンブリとの間に配置されたレチクル・ステージ・アセンブリと、
前記レチクル・ステージ・アセンブリと前記基板ステージ・アセンブリとの間に配置された投影システムと、
前記基板ステージ・アセンブリおよび前記レチクル・ステージ・アセンブリのうち少なくとも一方の近傍に配置された位置決めシステムとを有し、
前記位置決めシステムが、
アライメント放射線源と、
第1検出器チャネルおよび第2検出器チャネルを含む検出システムと、
前記検出システムに連絡する位置決定ユニットとを有し、
前記位置決定ユニットが、前記第1および第2検出器チャネルからの情報を組み合わせて処理し、加工物上の位置決めマークの位置を決定するように構成され、前記組合せが、前記加工物の製造プロセスを考慮に入れたものであるリソグラフィ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−94915(P2012−94915A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−22300(P2012−22300)
【出願日】平成24年2月3日(2012.2.3)
【分割の表示】特願2008−307147(P2008−307147)の分割
【原出願日】平成15年9月19日(2003.9.19)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】