説明

中空流体通路部品及びその製造方法

【課題】接合部の亀裂や腐食等の破損に起因する流体の洩れを回避する。
【解決手段】流体を流通可能とする中空部20を有するバルブボデー12は、中空部20が接合部のないボデー本体48により形成される。中空部20内外を連通する開口部45を形成するパイプ状部44が一体形成される。接合部のないボデー本体48により形成された中空部20内を流体が流通することになるため、接合部の亀裂や腐食等の破損に起因する流体の洩れを回避できる。中空部20内に流体を流通させるための配管部材をパイプ状部44に容易に接続可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中空流体通路部品及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流体を流通可能とする中空部を有する中空流体通路部品としては、例えば特許文献1に記載された排気熱交換器としてのEGRガスクーラーがある。このEGRガスクーラーは、ステンレス鋼材料からなる複数の部材(チューブ、ケーシング、接続フランジ等)をろう付け、溶接等により接合することにより構成されていた。
【0003】
【特許文献1】特開2008−121658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記EGRガスクーラーにあっては、部材相互の接合部に亀裂、腐食等の破損が発生しやすい。そのため、中空部内を流通する流体すなわち冷却水が前記接合部の破損部位から洩れるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、接合部の亀裂や腐食等の破損に起因する流体の洩れを回避することのできる中空流体通路部品及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする中空流体通路部品及びその製造方法により解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1に記載された中空流体通路部品によると、流体を流通可能とする中空部が接合部のない一部材により形成されている。したがって、前記従来例と異なり、接合部のない一部材により形成された中空部内を流体が流通することになるため、接合部の亀裂や腐食等の破損に起因する流体の洩れを回避することができる。
【0006】
また、特許請求の範囲の請求項2に記載された中空流体通路部品によると、中空部内外を連通する開口部を形成するパイプ状部が一体形成されている。このため、中空部内に流体を流通させるための配管部材をパイプ状部に容易に接続することができる。
【0007】
また、特許請求の範囲の請求項3に記載された中空流体通路部品の製造方法によると、中実状の基材を鋳造し、その基材を熱処理することにより表層部を内層部に比べて高融点化し、その表層部に内層部を露出する露出部を形成する。その後、基材を表層部の融点よりも低くかつ内層部の融点よりも高い温度で熱処理することにより、内層部を露出部から溶出させるとともに接合部のない表層部内に中空部を形成する。このようにして、流体を流通可能とする中空部を有する中空流体通路部品を製造することができる。したがって、鋳鉄製の中空流体通路部品を中空部が接合部のない一部材により形成することができる。また、複数の部材の接合による製造方法と異なり、その接合に係るろう付け、溶接等による接合工程を省略することができる。また、中空部の形成のために、一般的な鋳造法で用いられる中子、ロストワックス法で用いられるワックス模型等を省略することができる。したがって、流体を流通可能とする中空部を有する中空流体通路部品の製造に係るコストを低減することができる。
【0008】
また、特許請求の範囲の請求項4に記載された中空流体通路部品の製造方法によると、鋳造工程において基材から突出する突出部を形成し、露出工程において突出部の表層部の先端部に該突出部の内層部の先端面を露出する露出部を形成し、中空部形成工程において突出部の表層部によりパイプ状部を形成する。これにより、中空部内外を連通する開口部を形成するパイプ状部が一体形成される。また、内層部を溶出させる露出部とパイプ状部内の開口部とを共通化することにより、工程の増加を抑制することができる。
【0009】
また、特許請求の範囲の請求項5に記載された中空流体通路部品の製造方法によると、表層部の所定部位を表面処理する表面処理工程を備えている。このため、表層部の所定部位を表面処理することにより所望の表面性状とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明する。
【実施例】
【0011】
[実施例1]
本発明の実施例1を説明する。本実施例では、EGRシステムに用いられるEGRクーラーバイパスバルブのバルブボデーを、本明細書でいう「中空流体通路部品」として形成したものである。説明の都合上、EGRクーラーバイパスバルブを説明し、その後でバルブボデー、その製造方法を説明する。
【0012】
EGRクーラーバイパスバルブを説明する。なお、図4はEGRクーラーバイパスバルブを示す側断面図、図5は図4のV−V線矢視断面図である。
図4に示すように、EGRクーラーバイパスバルブ10は、バルブボデー12と、バルブボデー12内に回動可能に支持されたバルブシャフト14と、バルブシャフト14に取付られた弁板16と、バルブシャフト14を回動させるアクチュエータ18(図5参照)とを備えている。
【0013】
前記バルブボデー12は、鋳鉄製で中空ボックス状に形成されている。バルブボデー12の壁部内には、流体(例えば、冷却水)を流通可能とする中空部20が形成されている。また、バルブボデー12内は、隔壁22により上下2室23,24に区画されている。上側の室を第1室23といい、下側の室を第2室24という。また、バルブボデー12の前面(図4において左側面)は、EGRクーラー25に取付けられる取付面となっている。また、第1室23の前面には導出口27が開口されており、第1室23内のEGRガスが導出口27からEGRクーラー25へ導出される。また、第2室24の前面には導入口28が開口されており、EGRクーラー25からのEGRガスが導入口28から第2室24内へ導出される。なお、バルブボデー12の前端外周部には、外周に張り出す取付フランジ30が設けられている。取付フランジ30の取付面には、位置決めピン31が植設されている。位置決めピン31は、EGRクーラー25のハウジング側に設けられた位置決め孔(図示しない)に係合される。また図示しないが、取付フランジ30にはねじ孔が設けられており、EGRクーラー25のハウジングに対して締結可能になっている。
【0014】
前記第1室23の上面にはガス流入口33が開口されている。図示しないエキゾーストマニホールドからのEGRガスがガス流入口33を介して第1室23内に流入される。また、前記第2室24の一側面にはガス流出口34が開口されている。第2室24内のEGRガスがガス流出口34を介してインテークマニホールドに流出される。また、前記隔壁22には、第1室23と第2室24とを連通するバイパス流路35が形成されている。また、前記バルブボデー12の両側面には、中空部20内外を連通する開口孔36が形成されている(図5参照)。各開口孔36にはそれぞれ接続パイプ37が接続されている。
【0015】
エンジン(内燃機関)からの冷却水が一方の接続パイプ37を介して中空部20内に導入され、また、中空部20内の冷却水が他方の接続パイプ37を介してエンジンへ戻されるようになっている。また、図5において、上側の開口孔36の基端部に形成された開口孔36aは、プラグ38で閉塞されている。なお、バルブボデー12及びその製造方法については後で説明することにする。
【0016】
前記バルブシャフト14は、前記バルブボデー12に対して前記導出口27の下端部を左右方向(図4において紙面表裏方向)に横切る状態で回転可能に支持されている。詳しくは、バルブシャフト14の一端部(図5において上端部)は、バルブボデー12に形成された有底孔状の軸受孔39に回転可能に支持されている。また、バルブシャフト14の他端部(図5において下端部)は、バルブボデー12に形成された貫通孔状の軸受孔40に貫通状態で軸受等を介して回転可能に支持されている。また、バルブボデー12から突出されたバルブシャフト14の突出端には、リンク部材41を介してアクチュエータ18の作動部材が回動可能に連結されている。また、アクチュエータ18には、例えばダイアフラム式のアクチュエータが用いられている。アクチュエータ18の伸縮作動に連動してバルブシャフト14が回動されるようになっている。
【0017】
図4に示すように、前記弁板16は、四角形板状に形成されており、前記バルブシャフト14にスクリュ等により締着されている。弁板16は、バルブシャフト14と共に回動することにより、導出口27とバイパス流路35とを相反的に開閉する。すなわち、アクチュエータ18の非作動時には、弁板16がバイパス流路35を閉鎖するとともに導出口27を開放する(図4中、実線16参照)。また、アクチュエータ18の作動時には、弁板16がバイパス流路35を開放するとともに導出口27を閉鎖する(図4中、二点鎖線16参照)。
【0018】
次に、前記EGRクーラーバイパスバルブ10の動作を説明する。まず、エンジンの冷却水温が所定温度以下であるとき(エンジン始動時等の冷間時)には、アクチュエータ18が作動することで、弁板16がバイパス流路35を開放するとともに導出口27を閉鎖する(図4中、二点鎖線16参照)。したがって、エキゾーストマニホールドからガス流入口33を介して第1室23内に流入したEGRガスは、バイパス流路35、第2室24、ガス流出口34を通ってインテークマニホールドへ供給される。また、冷間時には、バルブボデー12の中空部20内への冷却水の供給が停止されることにより暖機効率が向上されるようになっている。
【0019】
また、エンジンの冷却水温が所定温度以上になったとき(暖機後)には、アクチュエータ18が非作動状態となることで、弁板16がバイパス流路35を閉鎖するとともに導出口27を開放する(図4中、実線16参照)。したがって、エキゾーストマニホールドからガス流入口33を介して第1室23に流入したEGRガスは、導出口27からEGRクーラー25へ導出される。そして、EGRクーラー25によって冷却されたEGRガスは、導入口28から第2室24、ガス流出口34を通ってインテークマニホールドへ供給される。また、暖機後には、エンジンの冷却水がバルブボデー12の中空部20内に流通されることにより、バルブボデー12を冷却することができる。ひいては、バルブボデー12の周辺に配置されているオイルシール、シールリング等のゴム状製品の劣化を抑制することができる。なお、EGRクーラーバイパスバルブ10としては、前記の他、モータの出力軸の正逆回転によって、その出力軸の軸方向に弁体を進退移動させる構成のものであってもよい。
【0020】
次に、前記EGRクーラーバイパスバルブ10のバルブボデー12について詳述する。なお、図1はバルブボデーを示す側断面図である。
図1に示すように、前記バルブボデー12の主体をなすボデー本体48の上面及び下面には、前記中空部20内外を連通する開口部45を形成するパイプ状部44が突出されている。ボデー本体48は、炭素を2.14〜6.67%程度含む鋳鉄製部品である。その鋳鉄材料としては、例えば球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)、強靭鋳鉄、普通鋳鉄(ねずみ鋳鉄,白鋳鉄,まだら鋳鉄等)、可鍛鋳鉄(黒心可鍛鋳鉄(FCMB),白心可鍛鋳鉄(FCMW),パーライト可鍛鋳鉄(FCMP)等)、合金鋳鉄(高クロム鋳鉄,高ケイ素鋳鉄,二レジスト等)が挙げられる。これらの中でも、機械的強度や靭性に優れる球状黒鉛鋳鉄がボデー本体48の鋳鉄材料として好ましい。なお、バルブボデー12は、本明細書でいう「中空流体通路部品」に相当する。
【0021】
前記ボデー本体48の外表面及び中空部20の内壁面を含む全表面には、耐熱性、耐食性等に優れた保護層47が形成されている。保護層47としては、メッキ処理により形成されたメッキ層、熱処理によりメッキ層が拡散された拡散層、表面処理により形成された表面処理層等である。これらは、ボデー本体48の耐熱性や耐食性等を向上するためのものであり、1層でもよいし、あるいは2層以上を積層してもよい。また、メッキ層としては、代表的には、ニッケル−リンメッキ層、ニッケル−タングステン系メッキ層(ニッケル−タングステンメッキ層、ニッケル−タングステン−リンメッキ層、ニッケル−タングステン−ボロンメッキ層、)、ニッケル−メッキ層、クロムメッキ層等が挙げられる。これらの中でも、ニッケル−リンメッキ層、ニッケル−タングステン系メッキ層が好ましく、両メッキ層を積層することがより好ましい。
【0022】
前記拡散層は、前記ボデー本体48の外表面にメッキ層を形成した後に熱処理することで、メッキ層中の元素がボデー本体48の基材中に拡散することで形成される層である。例えば、ボデー本体48上にクロムメッキ層を形成した後に熱処理することで、メッキ層中の元素が基材中へ拡散することで、ボデー本体48の外表面にステンレス化された耐食性に優れた拡散層が形成される。また、ボデー本体48上にニッケルメッキ層を形成した後に熱処理することで、メッキ層中の元素が基材中へ拡散することで、ボデー本体48の外表面にステンレス化されたオーステナイト系ステンレス組成の拡散層が形成される。
また、前記表面処理層としては、代表的には窒化処理による窒化処理層が挙げられる。表面処理層は、前記拡散層を形成した後に形成することが好ましい。
【0023】
本実施例では、図2に示すように、前記ボデー本体48の表面上にニッケル−リンメッキ層が下地層47aとして形成され、その下地層47a上に耐凝縮水性に優れるニッケル−タングステン系メッキ層が表面層47bとして形成されている。詳しくは、ボデー本体48の表面が非切削面(鋳肌、酸化層等の表面)である場合には、下地層47aの層厚(膜厚)を20μm以上で望ましくは30μm以上とし、表面層47bの層厚(膜厚)を10μm以上で望ましくは20μm以上とするとよい。また、ボデー本体48の表面が切削加工を施した切削面である場合には、下地層47aの層厚(膜厚)を10μm以上で望ましくは20μm以上とし、表面層47bの層厚(膜厚)を3μm以上で望ましくは10μm以上とするとよい。この両層47a,47bによって形成された保護層47によって、耐ピンホール性が向上されている。
【0024】
次に、前記バルブボデー12の製造方法について説明する。なお、図3はバルブボデーの製造過程を示す工程図である。
図3に示すように、バルブボデー12の製造過程としては、鋳造工程(図(a)参照)、高融点化処理工程(図(b)参照)、露出工程(図(c)参照)、中空部形成工程(図3(d)参照)、表面処理工程(図3(e)参照)を備えている。以下、各工程を順に説明する。
【0025】
[鋳造工程]
鋳造工程を説明する(図3(a)参照)。この工程は、バルブボデー12のボデー本体48(図1参照)となる中実状(非中空状)をなす鋳鉄製の基材50を鋳造する工程である。基材50は、図示しないが、鋳型に適当な組成に調整された金属溶湯(鋳鉄材料の溶湯)を鋳込むことにより鋳造する一般的な鋳造方法によって形成される。これとともに、基材50の上面及び下面には円柱状をなす上下の突出部51が突出されている。このとき、鋳鉄材料としては、黒鉛の球状化を阻害する酸素を除く脱酸剤や、黒鉛の球状化を促進するマグネシウム、ケイ素、カルシウム、アルミニウム、セリウムなどの非鉄金属を適量加えてグラファイトを球状化させた球状黒鉛鋳鉄であることが好ましい。
【0026】
[高融点化処理工程]
次に、高融点化処理工程を説明する(図3(b)参照)。この工程は、前記鋳鉄製の基材50を電気式加熱炉などで熱処理することにより、該基材50の内層部53をほとんどそのままに、表層部55を脱炭処理(高融点化処理)する工程である。その条件としては、熱処理により炭素が良好に拡散する温度以上とする。具体的に、熱処理温度は、850℃以上であり、好ましくは900℃以上、より好ましくは1000℃以上である。また、炭素は比較的拡散し易い元素であり、熱処理によって拡散することで酸素と反応して基材50中から脱炭され、拡散変態によりフェライト量が増加していくと共に、マルテンサイト組織が熱的に安定なオーステナイト組織へ変態することで耐熱性も向上する。また、熱処理温度の上限は、表層部55の融点以下である。また、鋳鉄の炭素含有量は約2%以上あり、そのときの融点は約1153℃なので、熱処理温度の上限は1150℃程度、好ましくは1100℃程度とする。また、基材50が脱炭されるにつれて融点が上昇し、炭素含有量が約1%では融点が1350℃となり、炭素含有量が約0.5%では融点が1450℃に達する。また、熱処理雰囲気は、プロパンガスを変性したガス雰囲気とすればよい。また、脱炭ガス組成は、CO/(CO+CO2)×100=75%となる。
【0027】
また、脱炭されることで形成される表層部55の層厚55tは、熱処理の時間経過にともない増加する。例えば、熱処理温度が1060℃の場合、脱炭処理を12時間行えば表層部55の層厚55tは1.9mmとなる。同様に、24時間では2.3mm、36時間では2.8mm、60時間では4.3mmに達する。このように、熱処理時間を適宜調整することで、層厚55tを容易に制御することができる。また、バルブボデー12の強度と軽量化を考慮すると、層厚55tは0.5〜4.0mm程度とするとよい。この範囲よりも層厚55tが小さい(薄い)と、バルブボデー12に求められる強度を確保することができない。一方、この範囲よりも層厚55tが大きい(厚い)と、バルブボデー12の重量が過度に増える。したがって、層厚55tは、好ましくは0.8〜3.0mm程度、より好ましくは1.0〜2.5mm程度である。また、基材50の表層部55全体がほぼ均等に脱炭される場合には、層厚55tを均一化することができる。また、脱炭されなかった内層部53は、結果的に表層部55よりも低融点となる。
【0028】
また、層厚55tを部分的に変化させたい場合には、基材50の表面の一部に、脱炭防止剤を付与したうえで高融点化処理をすればよい。そうすれば、脱炭防止剤が付与された部位では、脱炭効果が抑制されるので、高融点化された表層部55の層厚55tは、脱炭防止剤を付与していない部位よりも薄くすることができる。
【0029】
また、前記基材50は、前記脱炭処理後に徐冷する。このとき、オーステナイト変態点である727℃付近まではガス雰囲気中で徐冷し、その後は放冷すればよい。また、ガス雰囲気中で徐冷する温度の下限は、オーステナイト変態点+10℃程度、好ましくはオーステナイト変態点+20℃程度である。
【0030】
[露出工程]
次に、露出工程を説明する(図3(c)参照)。この工程は、前記基材50の表層部55に、内層部53を露出する露出部57を形成する工程である。本実施例では、基材50の両突出部51における表層部55の端面部を機械加工(例えば、切断加工、切削加工、孔開け加工等)により除去することで露出部57を形成している。これにより、両突出部51における露出部57内に内層部53が露出されている。なお、それ以外の表層部55においても適宜露出部を形成することができる。また、前記ボデー本体48における中空部20内外を連通する開口孔36,36a(図5参照)に対応する部位にも露出部が形成される。
【0031】
[中空部形成工程]
次に、中空部形成工程を説明する(図3(d)参照)。この工程は、前記基材50を熱処理する工程である。ここでは、基材50を、前記表層部55の融点より低くかつ前記内層部53の融点より高い温度で熱処理する。すると、内層部53が溶融し、上側の位置する前記露出部57内を通気口とし、また、下側に位置する露出部57内を溶出口として外部へ溶出される。これにともない、表層部55が溶融せずに残ることにより、接合部のない表層部55内に中空部20が形成される。すなわち、表層部55が中空部20を形成する壁部となって、中空部20が接合部のない一部材すなわち表層部55により形成されたバルブボデー12(詳しくはボデー本体48)が形成されることになる。このとき、前記両突出部51における表層部55は、中空部20内外を連通する開口部45を形成するパイプ状部44としてボデー本体48に一体形成されることになる。また、中空部形成工程における熱処理は、内層部53を溶出させるための工程であるので、その雰囲気は表層部55に悪影響を与えない雰囲気であればよい。
【0032】
[表面処理工程]
次に、表面処理工程を説明する(図3(e)参照)。この工程は、前記ボデー本体48の外表面及び中空部20の内壁面を含む全表面に保護層47を形成する工程である。保護層47(図2参照)は、前にも述べたように、ボデー本体48の表面上にニッケル−リンメッキ層が下地層47aとして形成され、そのニッケル−リンメッキ層上に耐凝縮水性に優れるニッケル−タングステン系メッキ層が表面層47bとして形成されている。
【0033】
また、表面処理工程は、高融点化処理工程(図3(b)参照)と露出工程(図3(c)参照)、あるいは、露出工程(図3(c)参照)と中空部形成工程(図3(d)参照)との間において実施することもできる。この場合、ボデー本体48の外表面にニッケルメッキ層を下地層47aとして形成し、該ニッケルメッキ層の表面にクロムメッキ層を表面層47bとして形成すると、ボデー本体48の耐食性を向上することができる。また、両層47a,47bは、後工程(中空部形成工程)における熱処理により拡散して拡散層となる。したがって、両メッキ層の膜厚を設計することで、拡散層の組成も設計することができる。例えば、クロム含有量の多い拡散層としたい場合には、ニッケルメッキ層の厚みよりもクロムメッキ層の厚みを大きくすればよい。一般的な18Cr−8Niのステンレス組成としたい場合は、ニッケルメッキ層の厚みとクロムメッキ層の厚みを8:18にすればよい。また、中空部形成工程での熱処理は、両メッキ層の熱処理も兼ねることから、アルゴンガス雰囲気、窒素ガス−水素ガス雰囲気、若しくは水素ガス雰囲気で行うとよい。中でも、拡散層の厚みが増し易い水素ガス雰囲気や、窒素化処理も兼ねられる窒素ガス−水素ガス雰囲気が好ましい。この拡散層が保護層47となる。
【0034】
前記したEGRクーラーバイパスバルブ10のバルブボデー12(図2参照)によると、流体(冷却水)を流通可能とする中空部20が接合部のない一部材(ボデー本体48)により形成されている。したがって、前記従来例と異なり、接合部のない一部材により形成された中空部20内を流体が流通することになるため、接合部の亀裂や腐食等の破損に起因する流体(冷却水)の洩れを回避することができる。
【0035】
また、中空部20内外を連通する開口部45を形成するパイプ状部44が一体形成されている。このため、中空部20内に流体(冷却水)を流通させるための配管部材をパイプ状部44に容易に接続することができる。このようにパイプ状部44は、中空部20内に流体を流通させるための配管部材の管継手部として利用することができる。また、必要のない場合は、パイプ状部44内の開口部45をプラグ部材、シール部材等で閉塞することもできる。
【0036】
また、前記EGRクーラーバイパスバルブ10のバルブボデー12の製造方法によると、中実状の基材50を鋳造し、その基材50を熱処理することにより表層部55を内層部53に比べて高融点化し、その表層部55に内層部53を露出する露出部57を形成する。その後、基材50を表層部55の融点よりも低くかつ内層部53の融点よりも高い温度で熱処理することにより、内層部53を露出部57から溶出させるとともに接合部のない表層部55内に中空部20を形成する。このようにして、流体を流通可能とする中空部20を有するバルブボデー12(詳しくはボデー本体48)を製造することができる。したがって、鋳鉄製のバルブボデー12を中空部20が接合部のない一部材(ボデー本体48)により形成することができる。また、複数の部材の接合による製造方法と異なり、その接合に係るろう付け、溶接等による接合工程を省略することができる。また、中空部20の形成のために、一般的な鋳造法で用いられる中子、ロストワックス法で用いられるワックス模型等を省略することができる。したがって、流体を流通可能とする中空部20を有するバルブボデー12(詳しくはボデー本体48)の製造に係るコストを低減することができる。
【0037】
また、鋳造工程(図3(a)参照)において基材50から突出する突出部51を形成し、露出工程(図3(c)参照)において突出部51の表層部55の先端部に該突出部51の内層部53の先端面を露出する露出部57を形成し、中空部形成工程露出工程(図3(d)参照)において突出部51の表層部55によりパイプ状部44を形成する。これにより、中空部20内外を連通する開口部45を形成するパイプ状部44が一体形成される。また、内層部53を溶出させる露出部57とパイプ状部44内の開口部45とを共通化することにより、工程の増加を抑制することができる。
【0038】
また、表層部55の所定部位を表面処理する表面処理工程(図3(e)参照)を備えている。このため、表層部55の所定部位を表面処理することにより所望の表面性状の保護層47とすることができる。なお、表面処理は、表層部55の外表面及び中空部20の内壁面を含む全表面に限らず、表層部55の外表面に全面的あるいは必要部位に部分的に行ってもよいし、表層部55の中空部20の内壁面に全面的あるいは必要部位に部分的に行ってもよく、表層部55の所定部位に行うことができる。また、表面処理は、必要に応じて実施されるものであって、省略することもできる。
【0039】
[実施例2]
本発明の実施例2を説明する。本実施例は、前記実施例1に変更を加えたものであるから、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。また、以降の実施例についても、その変更部分について説明し、重複する説明は省略する。なお、図6はターボチャージャーを示す断面図である。
図6に示すように、本実施例は、ターボチャージャーに用いられるタービンハウジング及びセンタハウジングを、本明細書でいう「中空流体通路部品」として形成したものである。
【0040】
ターボチャージャーの概略を説明する。ターボチャージャー60のケーシング61は、タービンハウジング62とコンプレッサハウジング63とをセンタハウジング64を介して結合することにより構成されている。センタハウジング64には、ロータシャフト66が回転可能に支持されている。ロータシャフト66の一端部にはタービンホイール67が結合され、その他端部にはコンプレッサホイール68が結合されている。タービンホイール67は、タービンハウジング62内に収容されており、エンジンの排気ガス流に基づき作動する。また、コンプレッサホイール68は、コンプレッサハウジング63内に収容されており、タービンホイール67の作動に連動してエンジンの燃焼室内へ吸気を過給する。
【0041】
前記タービンハウジング62には、タービンホイール67を取り囲む渦巻状のスクロール室70が形成されている。スクロール室70の外端側で開口する排気ガス取入口71は、排気マニホールド(図示しない)に接続される。また、スクロール室70の内端側で開口する排気ガス排出口72は、排気管(図示しない)に接続される。
また、前記コンプレッサハウジング63には、コンプレッサホイール68を取り囲む渦巻状をなすディフューザ74が形成されている。ディフューザ74の内端側で開口する給気取入口75は、エアクリーナ(図示しない)に接続される。また、ディフューザ74の外端側で開口する過給気吐出口76は、吸気マニホールド(図示しない)に接続される。
【0042】
前記タービンハウジング62は、前記実施例1におけるバルブボデー12と同様の製造方法によって形成されており、鋳鉄製で流体(例えば、冷却水)を流通可能とする中空部62aを有している。中空部62aは、接合部のない一部材により形成されている。また、中空部62aに連通する開口部を形成する一対(図6では片側のみを示す)のパイプ状部62bが一体形成されている。エンジン(内燃機関)からの冷却水が一方のパイプ状部62b内の開口部を介して中空部62a内に導入され、中空部62a内の冷却水が他方のパイプ状部62b内の開口部を介してエンジンへ戻される。
【0043】
前記センタハウジング64は、前記実施例1におけるバルブボデー12と同様に形成されており、鋳鉄製で流体(例えば、冷却水)を流通可能とする中空部64aを有している。中空部64aは、接合部のない一部材により形成されている。また、中空部64aに連通する開口部を形成する一対(図6では片側のみを示す)のパイプ状部64bが一体形成されている。エンジン(内燃機関)からの冷却水が一方のパイプ状部64b内の開口部を介して中空部64a内に導入され、中空部64a内の冷却水が他方のパイプ状部64b内の開口部を介してエンジンへ戻される。
【0044】
前記ターボチャージャー60において、エンジンの運転に伴って発生する排気ガスが、タービンハウジング62の排気ガス取入口71からスクロール室70内を通って排気ガス排出口72から排気管に排出される。このとき、排気ガスによってタービンホイール67が回転され、そのタービンホイール67の回転に連動してコンプレッサホイール68が回転される。これにより、コンプレッサハウジング63の給気取入口75からディフューザ74内に導かれた給気の圧力が高められ、過給気として過給気吐出口76から燃焼室に供給される。
【0045】
また、エンジンの運転状況に応じて、タービンハウジング62の中空部62aに対してエンジンの冷却水を供給したり、停止したりするとよい。例えば、エンジン始動時等の冷間時にはタービンハウジング62の中空部62a内へのエンジンの冷却水の供給を停止し、暖機後にはその中空部62a内にエンジンの冷却水を流通させる。
また、エンジンの運転状況に応じて、センタハウジング64の中空部64aに対してエンジンの冷却水を供給したり、停止したりするとよい。例えば、エンジン始動時等の冷間時にはセンタハウジング64の中空部64a内へのエンジンの冷却水の供給を停止し、暖機後にはその中空部64a内にエンジンの冷却水を流通させる。
また、タービンハウジング62又はセンタハウジング64は、必要に応じて中空流体通路部品として形成されるものである。また、タービンハウジング62及び/又はセンタハウジング64の中空部64aに対する冷却水の供給を省略することもできる。
【0046】
[実施例3]
本発明の実施例3を説明する。なお、図7は排気圧力制御弁を示す断面図である。
図7に示すように、本実施例は、ディーゼルエンジンから排気される排気ガスの圧力を制御する排気圧力制御弁に用いられるバルブボデーを、本明細書でいう「中空流体通路部品」として形成したものである。
排気圧力制御弁の概略を説明する。図7に示すように、排気圧力制御弁80は、バルブボデー81と、バルブボデー81に設けられたスロットルバルブ83及びバイパスバルブ85とを備えている。
【0047】
前記バルブボデー81には、メイン流路86及びバイパス流路87が設けられている。メイン流路86は、上流側(図7において左側)の排気管と下流側(図7において右側)の排気管とを連通する。バイパス流路87は、上流側の入口ポート87a、及び、下流側の出口ポート87bを介してメイン流路86に連通されている。
また、前記スロットルバルブ83は、バタフライ式バルブであり、バルブボデー81に回動可能に支持されたスロットル軸83aと、そのスロットル軸83aに取付けられた弁板83bとを備えている。スロットル軸83aとともに弁板83bが回動することにより、メイン流路86を開閉する。スロットル軸83aは、連結片89を介してアクチュエータ90の作動部材91に回動可能に連結されている。作動部材91が伸縮作動することで、スロットル軸83aが回動されるようになっている。アクチュエータ90には、例えばダイアフラム式のアクチュエータが用いられている。
【0048】
前記バイパスバルブ85は、バイパス流路87内において入口ポート87aを開閉するフラッパ弁であり、バルブボデー81に回動可能に支持された弁軸85aと、弁軸85aに固定されたアーム85bと、アーム85bに取付けられた弁体85cとを備えている。弁軸85aは、例えばダイアフラム式のアクチュエータ(図示しない)により回動されるようになっている。
【0049】
前記バルブボデー81は、前記実施例1におけるバルブボデー12と同様の製造方法によって形成されており、鋳鉄製で流体(例えば、冷却水)を流通可能とする中空部81aを有している。中空部81aは、接合部のない一部材により形成されている。また、中空部81aに連通する開口部を形成する一対のパイプ状部81bが一体形成されている。エンジン(内燃機関)からの冷却水が一方のパイプ状部81b内の開口部を介して中空部81a内に導入され、中空部81a内の冷却水が他方のパイプ状部81b内の開口部を介してエンジンへ戻される。
【0050】
前記排気圧力制御弁80において、アクチュエータ90によりスロットルバルブ83が閉じられると、その上流側の排気ガスの圧力が上昇する。その排気ガスの圧力が所定値を超えると、アクチュエータ(図示しない)によりバイパスバルブ85が開かれる。これによって、排気管内の排気ガスの圧力がほぼ一定に維持される。また、アクチュエータ90によりスロットルバルブ83が開かれると、排気ガスがメイン流路86を流れる。これにともない、排気管内を流れる排気ガスの圧力が低下するため、アクチュエータ(図示しない)によりバイパスバルブ85が閉じられる。
【0051】
また、エンジンの運転状況に応じて、バルブボデー81の中空部81aに対してエンジンの冷却水を供給したり、停止したりするとよい。例えば、エンジン始動時等の冷間時にはバルブボデー81の中空部81a内へのエンジンの冷却水の供給を停止し、暖機後にはその中空部81a内にエンジンの冷却水を流通させる。
【0052】
[実施例4]
本発明の実施例4を説明する。なお、図8はエキゾーストマニホールドを示す側面図である。
本実施例は、エキゾーストマニホールドを、本明細書でいう「中空流体通路部品」として形成したものである。
【0053】
エキゾーストマニホールドを説明する。図8に示すように、エキゾーストマニホールド100は、複数本(例えば4本)のブランチ管101(図8では3本を示す)と、それらブランチ管101の上流側(図8において下側)の端部が接続されたヘッドフランジ102と、各ブランチ管101の下流側(図8において上側)の端部が集束状態で接続された集合部103とを有している。ブランチ管101は、それぞれL字管状に形成されている。また、ヘッドフランジ102は、図示しないエンジンのシリンダヘッドに締結される。また、集合部103の下流側の端部は、図示しない触媒コンバータを介して排気管に接続される。なお、図8では、エキゾーストマニホールドが、エンジンに対する取付状態に対して上下を反転した状態で示されている。
【0054】
前記エキゾーストマニホールド100は、前記実施例1におけるバルブボデー12と同様の製造方法によって形成されており、鋳鉄製で流体(例えば、冷却水)を流通可能とする中空部100aを有している。中空部100aは、接合部のない一部材により形成されている。また、中空部100aに連通する開口部を形成する一対のパイプ状部100bが一体形成されている。一方のパイプ状部100b内の開口部は各ブランチ管101の上流側(図8において下側)の端部に設けられ、また、他方のパイプ状部100b内の開口部は集合部103の下流側(図8において上側)の端部の外周面に設けられている。なお、エキゾーストマニホールド100は、例えば、エンジンに対する取付状態に対して上下を反転した状態(図8参照)で中空部形成工程が実施される。
【0055】
エンジン(内燃機関)からの冷却水が一方のパイプ状部100b内の開口部を介して中空部100a内に導入され、中空部100a内の冷却水が他方のパイプ状部100b内の開口部を介してエンジンへ戻される。また、エンジンの運転状況に応じて、エキゾーストマニホールド100の中空部100aに対してエンジンの冷却水を供給したり、停止したりするとよい。例えば、エンジン始動時等の冷間時にはエキゾーストマニホールド100の中空部100a内へのエンジンの冷却水の供給を停止し、暖機後にはその中空部100a内にエンジンの冷却水を流通させる。なお、前記エキゾーストマニホールド100において、ヘッドフランジ102側のパイプ状部100bを省略し、ヘッドフランジ102のエンジン側の取付面を機械加工(例えば、フライス加工等)することにより露出部を形成し、その露出部内を溶出口及び開口部にするとよい。
【0056】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明は、前記実施例で例示したように、EGRクーラーバイパスバルブ10のバルブボデー12、ターボチャージャー60のタービンハウジング62及び/又はセンタハウジング64、排気圧力制御弁80のバルブボデー81、エキゾーストマニホールド100、あるいは、EGRクーラー25の熱交換器等のように、高温の排気ガスが流れる排気系部品に有効であるが、排気系部品に限らず、種々の部品に適用することができる。また、中空部内に流通させる流体は、エンジンの冷却水に限らず、液体、気体等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施例1に係るEGRクーラーバイパスバルブのバルブボデーを示す側断面図である。
【図2】バルブボデーの保護層を示す断面図である。
【図3】バルブボデーの製造過程を示す工程図である。
【図4】EGRクーラーバイパスバルブを示す側断面図である。
【図5】図4のV−V線矢視断面図である。
【図6】実施例2に係るターボチャージャーを示す断面図である。
【図7】実施例3に係る排気圧力制御弁を示す断面図である。
【図8】実施例4に係るエキゾーストマニホールドを示す側面図である。
【符号の説明】
【0058】
10 EGRクーラーバイパスバルブ
12 バルブボデー(中空流体通路部品)
20 中空部
44 パイプ状部
45 開口部
47 保護層
50 基材
51 突出部
53 内層部
55 表層部
57 露出部
60 ターボチャージャー
62 タービンハウジング
62a 中空部
62b パイプ状部
64 センタハウジング
64a 中空部
64b パイプ状部
80 排気圧力制御弁
81 バルブボデー(中空流体通路部品)
81a 中空部
81b パイプ状部
100 エキゾーストマニホールド
100a 中空部
100b パイプ状部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を流通可能とする中空部を有する中空流体通路部品であって、
前記中空部が接合部のない一部材により形成されていることを特徴とする中空流体通路部品。
【請求項2】
請求項1に記載の中空流体通路部品であって、
前記中空部内外を連通する開口部を形成するパイプ状部が一体形成されていることを特徴とする中空流体通路部品。
【請求項3】
流体を流通可能とする中空部を有する中空流体通路部品を製造する、中空流体通路部品の製造方法であって、
中実状の基材を鋳造する鋳造工程と、
前記基材を熱処理することにより表層部を内層部に比べて高融点化する高融点化処理工程と、
前記表層部に前記内層部を露出する露出部を形成する露出工程と、
前記基材を表層部の融点よりも低くかつ内層部の融点よりも高い温度で熱処理することにより、前記内層部を前記露出部から溶出させるとともに接合部のない前記表層部内に中空部を形成する中空部形成工程と
を備えることを特徴とする中空流体通路部品の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の中空流体通路部品の製造方法であって、
前記鋳造工程において前記基材から突出する突出部を形成し、
前記露出工程において前記突出部の表層部の先端部に該突出部の内層部の先端面を露出する露出部を形成し、
前記中空部形成工程において前記突出部の表層部によりパイプ状部を形成する
ことを特徴とする中空流体通路部品の製造方法。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の中空流体通路部品の製造方法であって、
前記表層部の所定部位を表面処理する表面処理工程を備えることを特徴とする中空流体通路部品の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−38201(P2010−38201A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199590(P2008−199590)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【出願人】(595048681)株式会社浅田可鍛鋳鉄所 (3)
【Fターム(参考)】